JP2020523386A - アルカロイド含有組成物及びその使用 - Google Patents

アルカロイド含有組成物及びその使用 Download PDF

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Abstract

本発明は、ロリンアルカロイド含有有害生物防除組成物を含む組成物、組成物を生成する方法、及び、防除剤としての使用を含むこの組成物の使用を提供する。植物又は動物有害生物を含む有害生物を防除する方法、植物の成長又は繁殖を増強させるための方法、並びに、例えば植物又は動物における昆虫感染及び外寄生の処置及び予防のための方法もまた提供されている。【選択図】図3

Description

本発明は、一般に、生物学の分野に関し、より具体的には、ロリンアルカロイド含有有害生物防除組成物を含む組成物、組成物を生成する方法、及び、防除剤としての使用を含むこの組成物の使用に関する。植物又は動物有害生物を含む有害生物を防除する方法、植物の成長又は繁殖を増強させるための方法、並びに、例えば植物又は動物における昆虫感染及び外寄生の処置及び予防のための方法もまた提供されている。
ロリンアルカロイドは、イネ科植物の感染に際して共生的に、又は、純粋培養において、特にエピクロエ属(Epichlooe)種(これは、命名法の再編成に従って、現在では、以前は別に分類されていた無性世代ネオティホディウム属の種(Neotyphodium spp.)を含む)といった真菌によって生成される。
出願人の知る限り、農業、園芸、医学的又は獣医学分野における有害生物防除剤としてのロリンアルカロイドを含む組成物の成功した使用に関するレポートは成されていない。
本発明は、特にN−ホルミルロリンといったロリンアルカロイドを含み、この要求を満たす良好な安定性を有し、又は、少なくとも、有用な選択を公衆にもたらす組成物を提供することを目的とする。
本発明の他の目的は、単なる一例として記す以下の記載から明らかになり得る。
一態様において、本発明は、少なくとも約10g/Lの式[I]の構造を有する1種以上のロリンアルカロイド:
(式中、R=H又はCHであり、及び、R’=H、CH、CHO又はCOCHである)と、1種以上の溶剤とを含む組成物を提供するものであり、1種以上のロリンアルカロイドは式[II]の構造を有するN−ホルミルロリン:
を含み;ここで
a)組成物に係るN−ホルミルロリンに対するヒドロキシル基及び窒素含有基の全量のモル比は約20未満であるか、又は
b)組成物に係るN−ホルミルロリンに対するヒドロキシル基及び窒素含有基の全量のモル比は約20超であり、並びに、ここで、組成物のヒドロキシル基又は窒素含有基の求核係数は約0.6eV未満であり;
ここで、窒素含有基は、アンモニア、第一級アミン基、第二級アミン基又はこれらの混合物から選択される。
他の態様において、本発明は、式[II]の構造を有するN−ホルミルロリン(NFL):
と、1種以上の溶剤とを含む組成物を提供するものであり;ここで、
a)組成物におけるN−ホルミルロリンに対するヒドロキシル基及び窒素含有基の全量のモル比は約20以下であるか;又は
b)組成物におけるN−ホルミルロリンに対するヒドロキシル基及び窒素含有基の全量のモル比は、約10又は約20超、好ましくは約40、約35又は約30未満であり、並びに、組成物におけるヒドロキシル基及び窒素含有基の求核係数は、約0.6eV未満、好ましくは0.55eV、より好ましくは約0.5eV未満であり、
ここで、窒素含有基は、アンモニア、第一級アミン基、第二級アミン基、又は、これらのいずれか2種以上の組み合わせから選択される。
一実施形態において、組成物におけるN−ホルミルロリンに対するヒドロキシル基及び窒素含有基の全量のモル比は、約20以下、19、18、17、16、15、14、13、12、11又は10であり、有用な範囲はこれらの値のいずれかの間で選択され得る。
一実施形態において、組成物におけるN−ホルミルロリンに対するヒドロキシル基及び窒素含有基の全量のモル比は、約20超、好ましくは約40、約35又は約30未満であり、組成物におけるヒドロキシル基及び窒素含有基の求核係数は、約0.55eV未満、好ましくは約0.5eV未満である。
一実施形態において、組成物におけるN−ホルミルロリンに対するヒドロキシル基及び窒素含有基の全量のモル比は、約20超、好ましくは約40、約35又は約30未満であり、1種以上の溶剤に係るヒドロキシル基及び窒素含有基の求核係数は、約0.3eV未満である。
一実施形態において、組成物におけるN−ホルミルロリンに対するヒドロキシル基及び窒素含有基の全量のモル比は、約10超、好ましくは約40、35、30、25又は20未満であり、1種以上の溶剤に係るヒドロキシル基又は窒素含有基の求核係数は約0.3eV未満である。
一実施形態において、組成物は水性である。他の実施形態において、組成物は水性であり、1種以上の溶剤に係るヒドロキシル基又は窒素含有基の求核係数は、約0.6eV未満、好ましくは約0.55eV未満、好ましくは約0.5eV未満である。
一実施形態において、組成物中に存在するN−ホルミルロリンの濃度は、20℃(1atm)で少なくとも2年間保管された場合に、約10%未満低減する。他の実施形態において組成物中に存在するN−ホルミルロリンの濃度は、54℃(1atm)で少なくとも2週間保管された場合に、約10%未満低減する。
他の態様において、本発明は、式[II]の構造を有するN−ホルミルロリン
と、1種以上の溶剤とを含む組成物を提供するものであり、ここで、組成物中に存在するN−ホルミルロリンの濃度は、20℃(1atm)で少なくとも2年間保管された場合に、約10%未満低減する。
他の態様において、本発明は、少なくとも約10g/Lの式[I]の構造を有する1種以上のロリンアルカロイド:
(式中、R=H又はCHであり、及び、R’=H、CH、CHO又はCOCHである)と1種以上の溶剤とを含む組成物を提供するものであり、1種以上のロリンアルカロイドは、少なくとも部分的に精製されているか、又は、単離されている、式[II]の構造を有するN−ホルミルロリン:
を含み、
ここで、組成物中に存在するN−ホルミルロリンの濃度は、54℃(1atm)で少なくとも2週間保管された場合に、約10%未満低減する。
種々の実施形態において、組成物中に存在するN−ホルミルロリンの濃度は、例えば、20℃(1atm)で少なくとも2年間、35℃で少なくとも12週間、40℃で少なくとも8週間、又は、54℃で少なくとも2週間保管された場合に、約10%未満低減する。
一実施形態において、
a)組成物に係るN−ホルミルロリンに対するヒドロキシル基及び窒素含有基の全量のモル比は約20未満であるか、又は
b)組成物に係るN−ホルミルロリンに対するヒドロキシル基及び窒素含有基の全量のモル比は20超であり、並びに、ここで、組成物のヒドロキシル基又は窒素含有基の求核係数は0.55eV未満であり;
ここで、窒素含有基は、アンモニア、第一級アミン基、第二級アミン基又はこれらの混合物から選択される。
以下の実施形態のいずれか1つ以上が、上記又は下記の本明細書における態様のいずれかに、いずれかの組み合わせで関連し得る。
一実施形態において、組成物はさらに、式[I]の1種以上のロリンアルカロイド:
(式中、R=H又はCHであり、及び、R’=H、CH、CHO又はCOCHである)
を含む。
より具体的には、式[I]は:
1)ロリン(ここで、R=CHであり、及び、R’=Hである);
2)ノルロリン(ここで、R=Hであり、及び、R’=Hである);
3)N−メチルロリン(ここで、R=CHであり、及び、R’=CHである);
4)N−ホルミルロリン(ここで、R=CHであり、及び、R’=CHOである);
5)N−ホルミルノルロリン(ここで、R=Hであり、及び、R’=CHOである);
6)N−アセチルロリン(ここで、R=CHであり、及び、R’=COCHである);並びに
7)N−アセチルノルロリン(ここで、R=Hであり、及び、R’=COCHである)
を含む。
種々の実施形態において、組成物は、ロリン、ノルロリン、N−アセチルロリン(NAL)、N−ホルミルロリン(NFL)、N−アセチルノルロリン(NANL)、及びN−メチルロリン(NML)、N−ホルミルノルロリン、又は、これらのいずれか2種以上の組み合わせからなる群から選択される1種以上のロリンアルカロイドを含む。一実施形態において、組成物は、N−アセチルロリン(NAL)、N−ホルミルロリン(NFL)及びN−アセチルノルロリン(NANL)を含む。特に好ましい実施形態において、組成物は、N−アセチルロリン(NAL)、N−ホルミルロリン(NFL)、N−アセチルノルロリン(NANL)及びロリンを含む。
一実施形態において、1種以上のロリンアルカロイドの1種以上は、少なくとも部分的に精製されているか、又は、単離されている。
一実施形態において、N−ホルミルロリンは、少なくとも部分的に精製されているか、又は、単離されている。
一実施形態において、組成物は、少なくとも約5、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、2000、3000、4000、5000、6000又は7000g/Lの式[II]の構造を有するN−ホルミルロリンを含み、及び、有用な範囲はこれらの値のいずれかの間で選択され得る(例えば、約5〜約7000、約5〜約700、約10〜約700、約10〜約7000、約50〜約500、約50〜約7000、約100〜約300、約100〜約7000、約500〜約700又は約500〜約7000g/L)。
一実施形態において、組成物は、少なくとも約0.05、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60又は70%w/wの式[II]の構造を有するN−ホルミルロリンを含み、及び、有用な範囲はこれらの値のいずれかの間で選択され得る(例えば、約0.05〜約70、約1〜約70、約1〜約50、約5〜約50、約10〜約30又は約50〜約70%)。
一実施形態において、組成物は、少なくとも約10、20、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、2000、3000、4000、5000、6000又は7000g/Lの式[I]の構造を有する1種以上のロリンアルカロイドを含み、及び、有用な範囲はこれらの値のいずれかの間で選択され得る(例えば、約10〜約7000、約10〜約700、約50〜約7000、約50〜約500、約100〜約7000、約100〜約300、約500〜約7000又は約500〜約700g/L)。
一実施形態において、組成物は、少なくとも約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60又は70%w/wの式[I]の構造を有するロリンアルカロイドを含み、及び、有用な範囲はこれらの値のいずれかの間で選択され得る(例えば、約0.1〜約70、約1〜約70、約1〜約50、約5〜約50、約10〜約30、約50〜約70%)。
種々の実施形態において、組成物は、少なくとも約5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60又は70%w/wの式[I]のロリンアルカロイドを含むロリンアルカロイド組成物を含み得、及び、有用な範囲はこれらの値のいずれかの間で選択され得る(例えば、約5〜約70、約5〜約50、約10〜約30、約50〜約70%w/w)。本実施形態において、ロリンアルカロイド組成物は、少なくとも約20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、99又は100%w/wの式[I]のロリンアルカロイドを含み得、及び、有用な範囲はこれらの値のいずれかの間で選択され得る(例えば、約20〜約100、約30〜約100、約40〜約100、約50〜約100又は約60〜約100%w/w)。個別の式[I]のロリンアルカロイドの相対量は、上記及び下記において検討されている量を含み得る。好ましくは、式[I]のロリンアルカロイドは、N−アセチルノルロリン(NANL)、N−ホルミルロリン(NFL)及びN−アセチルロリン(NAL)である。より好ましくは、式[I]のロリンアルカロイドはN−ホルミルロリンである。
一実施形態において、式[II]の構造を有するN−ホルミルロリン及び/又は式[I]の構造を有する1種以上のロリンアルカロイドは実質的に純粋である。例えば、1種以上のロリンアルカロイドは実質的に純粋である。一例において、1種以上のロリンアルカロイドは非合成原料由来であり、例えば、1種以上の実質的に純粋なロリンアルカロイドは非合成原料由来である。
一実施形態において、組成物は、非ロリン植物又は真菌由来化合物又は材料を実質的に含まない。
一実施形態において、組成物は、基本的に、任意選択により1種以上の式[I]のロリンアルカロイドを伴うN−ホルミルロリンと、1種以上の溶剤とから構成される。さらなる実施形態において、組成物は、任意選択により1種以上の式[I]のロリンアルカロイドを伴うN−ホルミルロリンと、1種以上の溶剤とから構成される。さらなる実施形態において、組成物は、任意選択により1種以上の式[I]のロリンアルカロイドを伴う有効成分としてのN−ホルミルロリンと、1種以上の溶剤とを含む。
種々の実施形態において、組成物は、式[III]の構造を有するN−アセチルロリン(NAL):
を含む。
種々の実施形態において、組成物は、式[IV]の構造を有するN−アセチルノルロリン(NANL):
を含む。
種々の実施形態において、組成物は、式[V]の構造を有するロリン:
を含む。
一実施形態において、1種以上のロリンアルカロイドは、組成物の少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60又は70%w/wを構成し、本組成物は、N−アセチルロリン(NAL)、N−ホルミルロリン(NFL)、N−アセチルノルロリン(NANL)及びロリンを含む群から選択される、例えば2種以上又は3種以上のロリンアルカロイドといった2種以上のロリンアルカロイドを含む。
他の実施形態において、本発明は、1種以上のロリンアルカロイドを含む組成物を提供するものであり、ここで、1種以上のロリンアルカロイドは約95%超純粋である純度を有する。一実施形態において、1種以上のロリンアルカロイドは、約96%超純粋である純度、約97%超純粋である純度、約98%超純粋である純度、約99%超純粋である純度、又は、約99.5%超純粋である純度を有する。
一実施形態において、組成物中の1種以上のロリンアルカロイドは、約95%超純粋である純度を有し、組成物は、N−アセチルロリン(NAL)、N−ホルミルロリン(NFL)、N−アセチルノルロリン(NANL)及びロリンを含む群から選択される、例えば2種以上又は3種以上のロリンアルカロイドといった2種以上のロリンアルカロイドを含む。
種々の実施形態において、組成物又は抽出物における[NFL]:[NAL]の重量比は、約20:1、約18:1、約17:1、約16:1、15:1、約14:1、約13:1、約12:1、約11:1、約10:1、約9:1、約8:1、約7:1、約6:1、約5:1、約4:1、約3:1、約2:1又は約1:1未満であり、及び、有用な範囲はこれらの値のいずれかの間で選択され得る(例えば、約20:1〜約1:1、約15:1〜約1:1、約12:1〜約2:1、約10:1〜約2:1、約8:1〜約2:1又は約6:1〜約2:1)。一実施形態において、[NFL]:[NAL]の重量比は約4:1又は約5:1である。
種々の実施形態において、組成物又は抽出物における[NANL]:[NFL]の重量比は、約1:20、約1:19、約1:18、約1:15、約1:12、約1:10、約1:8、約1:6、約1:5、約1:4、約1:2又は約1:1超であり、及び、有用な範囲はこれらの値のいずれかの間で選択され得る(例えば、約1:20〜約1:1、約1:15〜約1:1、約1:12〜約1:1、約1:10〜約1:1、約1:8〜約1:1又は約1:8〜約1:2。一実施形態において、[NANL]:[NFL]の重量比は約1:8である。一実施形態において、[NANL]:[NFL]の重量比は約1:2である。
種々の実施形態において、組成物又は抽出物における[NANL]:[NAL]の重量比は、約1:10、約1:8、約1:6、約1:4、約1:3、約1:2、約2:3、約1:1、約3:2、約2:1、約4:1、約6:1、約8:1又は約10:1超であり、及び、有用な範囲はこれらの値のいずれかの間で選択され得る(例えば、約1:10〜約10:1、約1:8〜約8:1、約1:6〜約6:1、約1:4〜約4:1、約2:3〜約3:2、約1:2〜約2:1、約1:3〜約1:1又は約1:2〜約2:3)。一実施形態において、[NANL]:[NAL]の重量比は約2:3である。一実施形態において、[NANL]:[NAL]の重量比は約1:2である。一実施形態において、[NANL]:[NAL]の重量比は約2:1である。
種々の実施形態において、組成物又は抽出物における[NANL]:[NFL]:[NAL]の重量比は、約1:12:1〜約2:5:3、例えば約1:12:1〜約1:4:1、又は、約4:12:1〜約4:5:1、又は、約1:12:4〜約1:5:4である。一実施形態において、[NANL]:[NFL]:[NAL]の重量比は約2:12:3である。
一実施形態において、組成物又は抽出物における[NANL]:[NFL]:[NAL]の重量比は約1:8:2である。他の実施形態において、組成物又は抽出物における[NANL]:[NFL]:[NAL]の重量比は2:4:1又は1:5:1である。
種々の実施形態において、NANLは、約1%、3%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、12%、14%又は約15重量%の組成物中におけるロリンアルカロイドの全量を含み、及び、有用な範囲はこれらの値のいずれかの間で選択され得る(例えば、約1%〜約15%、約2%〜約12%、約5%〜約12%又は約5%〜約10重量%)。
一実施形態において、組成物中における主なロリンアルカロイドはNFLである。種々の実施形態において、NFLは、約50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%又は約90重量%の組成物中におけるロリンアルカロイドの全量を含み、及び、有用な範囲はこれらの値のいずれかの間で選択され得る(例えば、約50%〜約90%、約60%〜約85%、約65%〜約80%又は約70%〜約80重量%)。
種々の実施形態において、NALは、約4%、5%、7.5%、10%、12%、13%、14%、15%、17.5%、20%、25%又は約30重量%の組成物中におけるロリンアルカロイドの全量を含み、及び、有用な範囲はこれらの値のいずれかの間で選択され得る(例えば、約4%〜約30%、約5%〜約25%、約10%〜約25%又は約10%〜約20重量%)。
種々の実施形態において、ロリンは、約0.5%、1%、1.5%、2%、2.5%、3%、3.5%、4%、4.5%、5%、6%、7%、8%、9%又は約10重量%の組成物中におけるロリンアルカロイドの全量を含み、及び、有用な範囲はこれらの値のいずれかの間で選択され得る(例えば、約0.5%〜約10%、約0.5%〜約5%、約1%〜約5%又は約1%〜約4重量%)。
種々の実施形態において、組成物は、約10、15、20、22.5、25、27.5、30、35又は約40mg/gのNANLを含み、及び、有用な範囲はこれらの値のいずれかの間で選択され得る(例えば、約10〜約40mg/g、約15〜約30mg/g、約20〜約30mg/g又は約20〜約25mg/g)。
種々の実施形態において、組成物は、約100、110、120、130、140、150、160、170、180、185、190、195、200、205、210、220、230、240又は約250mg/gのNFLを含み、及び、有用な範囲はこれらの値のいずれかの間で選択され得る(例えば、約100〜約250mg/g、約150〜約220mg/g、約180〜約210mg/g又は約185〜約200mg/g)。
種々の実施形態において、組成物は、約10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70又は約75mg/gのNALを含み、及び、有用な範囲はこれらの値のいずれかの間で選択され得る(例えば、約10〜約75mg/g、約25〜約60mg/g、約30〜約50mg/g又は約30〜約45mg/g)。
種々の実施形態において、組成物は、約1、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、7.5、8、8.5、9、9.5又は約10mg/gのロリンを含み、及び、有用な範囲はこれらの値のいずれかの間で選択され得る(例えば、約1〜約10mg/g、約2.5〜約10mg/g、約4〜約10mg/g又は約5〜約8mg/g)。
一実施形態において、組成物は、1種以上のロリンアルカロイドを、唯一の有害生物防除成分として含む。他の実施形態において組成物は、1種以上のロリンアルカロイドを、唯一の殺虫成分として含む。さらなる実施形態において、組成物は、1種以上のロリンアルカロイドを、唯一の有効成分として含む。
一実施形態において、組成物は、N−ホルミルロリンを、唯一の有害生物防除成分として含む。他の実施形態において組成物は、N−ホルミルロリンを、唯一の殺虫成分として含む。さらなる実施形態において、組成物は、N−ホルミルロリンを、唯一の有効成分として含む。
一実施形態において、組成物は、フロニカミド又はチアメトキサムを含まない。
他の実施形態において、組成物は、約20未満、約18未満、約16未満、約14未満、約12未満又は約10未満の、N−ホルミルロリンに対するヒドロキシル基の全量のモル比を有する。
他の実施形態において、組成物は、約20未満、約18未満、約16未満、約14未満、約12未満又は約10未満の、N−ホルミルロリンに対する窒素含有基の全量のモル比を有する。
種々の実施形態において、ヒドロキシル基は、水、アルコールヒドロキシル基、カルボン酸ヒドロキシル基又はこれらの混合物から選択される。一定の実施形態において、ヒドロキシル基は、水、アルコールヒドロキシル基又はこれらの混合物から選択される。一定の例示的な実施形態において、ヒドロキシル基はアルコールヒドロキシル基から選択される。
他の実施形態において、1種以上の溶剤は、組成物の少なくとも約10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90又は99%w/wを構成し、及び、有用な範囲はこれらの値のいずれかの間で選択され得る(例えば、約10〜約99、約30〜約99、約40〜約99、約60〜約99又は約80〜約99%w/w)。
種々の実施形態において、1種以上の溶剤は1種以上の有機溶剤であり得る。
一実施形態において、1種以上の溶剤は、無臭であるか、又は、実質的に無臭であり、低い引火点を有し、低い引火性を有し、及び/又は、実質的に水溶性である。
一実施形態において、1種以上の溶剤は、植物無毒性であり、ヒト及び非ヒト動物に無毒であり、並びに/又は、生分解性である。
一実施形態において、1種以上の溶剤は各々、約80℃超、例えば約85、90、95、100、110、120、130、140、150又は160℃超の沸点を有し得る。他の実施形態において、1種以上の溶剤は各々、約160℃超の沸点を有し得る。
一実施形態において、1種以上の溶剤は、アルコール、ケトン、エステル、エーテル、炭酸塩、アミン、アミド、ニトリル、スルホキシド及びスルホンを含む群から選択される。一実施形態において、1種以上の溶剤は、アルコール、ケトン、エステル、エーテル、炭酸塩、アミド、ニトリル及びスルホキシドを含む群から選択される。
一実施形態において、1種以上の溶剤は、グリコール、又は、そのエーテル若しくはエステルを含む群から選択され得る。一実施形態において、1種以上の溶剤は、グリコール又はエーテルを含む群から選択され得る。一実施形態において、1種以上の溶剤は、グリコールを含む群から選択され得る。
一実施形態において、グリコール、又は、そのエーテル若しくはエステルは、ポリアルキレングリコール、又は、そのエーテル若しくはエステルであり得る。一実施形態において、ポリアルキレングリコール、又は、そのエーテル若しくはエステルは、式R10O−[(C1−6アルキレン)O]−R(式中、R及びR10は各々、水素、脂肪族、脂環式、アシル、アリール又はアリール脂肪族から独立して選択され、及び、xは2〜140の整数である)のものであり得る。いくつかの実施形態において、R10及びRは各々、水素、C1−6アルキル、アシル、アリール又はアリールアルキルから独立して選択され、及び、xは2〜140の整数である。いくつかの実施形態において、xは、2〜10、2〜20、2〜30、2〜40、2〜50、2〜60、2〜70、2〜80、2〜90又は2〜100の整数である。好ましい実施形態において、ポリアルキレングリコール、又は、そのエーテル若しくはエステルは、式HO−[(C1−6アルキレン)O]−Rのものである。好ましい実施形態において、ポリアルキレングリコール、又は、そのエーテル若しくはエステルは式HO−[(C2−4アルキレン)O]−Rのものである。いくつかの実施形態において、ポリアルキレングリコール、又は、そのエーテル若しくはエステルは、ポリエチレン又はポリプロピレングリコール、又は、そのエーテル若しくはエステルであり得る。好ましい実施形態において、ポリアルキレングリコール、又は、そのエーテル若しくはエステルは、ポリエチレングリコール、又は、そのエーテル若しくはエステルである。種々の分子量のポリエチレングリコール、及び、そのエーテル又はエステルが、本明細書に記載されている溶剤としての使用に想定されている。例えば、PEG100、PEG200、PEG300、PEG400、PEG500、PEG1000、PEG5000及びPEG6000などの、100〜6000の分子量を有するポリエチレングリコール、又は、そのエーテル若しくはエステルが想定される。一実施形態において、ポリエチレングリコール、又は、そのエーテル若しくはエステルは、100〜5000、100〜1000、100〜500、200〜1000又は200〜500の分子量を有し得る。一実施形態において、ポリアルキレングリコール、又は、そのエーテル若しくはエステルは、MPEG350又はMPEG550などのポリエチレングリコールモノメチルエーテルであり得る。一実施形態において、ポリエチレングリコールモノメチルエーテルは、100〜5000、100〜1000、100〜700、200〜1000、200〜700又は200〜600の分子量を有する。一実施形態において、ポリアルキレングリコール、又は、そのエーテル若しくはエステルは、ジプロピレングリコールメチルエーテル(例えばDOWANOL(商標)DPM)であり得る。一実施形態において、グリコール又はそのエーテルは、ポリアルキレングリコール又はそのエーテルであり得る。一実施形態において、グリコールはポリアルキレングリコールであり得る。
一実施形態において、グリコール、又は、そのエーテル若しくはエステルは、式R10O−[(C1−6アルキレン)O]−R(式中、R10は、水素、C1−6アルキル、アシル、アリール及びアリールアルキルから選択され、並びに、RはC1−6アルキル及びアシルから選択され、並びに、xは4〜140の整数である)のポリアルキレングリコール、又は、そのエーテル若しくはエステルであり得る。いくつかの実施形態において、xは、4〜10、4〜20、4〜30、4〜40、4〜50、4〜60、4〜70、4〜80、4〜90、又は4〜100の整数である。好ましい実施形態において、ポリアルキレングリコール、又は、そのエーテル若しくはエステルは、式HO−[(C1−6アルキレン)O]−Rのものである。好ましい実施形態において、ポリアルキレングリコール、又は、そのエーテル若しくはエステルは、式HO−[(C2−4アルキレン)O]−Rのものである。一実施形態において、ポリアルキレングリコール、又は、そのエーテル若しくはエステルは、MPEG350又はMPEG550などのポリエチレングリコールモノメチルエーテルであり得る。一実施形態において、ポリアルキレングリコール又はエーテル若しくはエステルはMPEG550である。
一実施形態において、グリコール、又は、そのエーテル若しくはエステルは、モノアルキレングリコール、又は、そのエーテル若しくはエステルであり得る。一実施形態において、モノアルキレングリコール、又は、そのエーテル若しくはエステルは、式R20O−(C1−6アルキレン)O−R(式中、R20及びRは各々、水素、脂肪族、脂環式、アシル、アリール、又はアリール脂肪族から独立して選択される)のものであり得る。いくつかの実施形態において、R20及びRは各々、水素、C1−6アルキル、アシル、アリール又はアリールアルキルから独立して選択される。好ましい実施形態において、モノアルキレングリコール、又は、そのエーテル若しくはエステルは式HO−(C1−6アルキレン)O−Rのものである。好ましい実施形態において、モノアルキレングリコール、又は、そのエーテル若しくはエステルは式HO−(C2−4アルキレン)O−Rのものである。さらなる好ましい実施形態において、モノアルキレングリコール、又は、そのエーテル若しくはエステルは、エチレン又はプロピレングリコール、又は、そのエーテル若しくはエステル、好ましくは、エチレングリコール、又は、そのエーテル若しくはエステルであり得る。好ましい実施形態において、Rは、フェニル又はベンジル基であり得る。好ましい実施形態において、モノアルキレングリコール、又は、そのエーテル若しくはエステルは、エチレングリコールフェニルエーテル(例えばDOWANOL(商標)EPH)であり得る。一実施形態において、グリコール又はそのエーテルは、モノアルキレングリコール又はそのエーテルであり得る。一実施形態において、グリコールはモノアルキレングリコールであり得る。
一実施形態において、アミンは、式R252627N(式中、R25、R26及びR27は各々、水素若しくは脂肪族から独立して選択され、又は、R26及びR27は、これらが結合している窒素原子と一緒になって、追加のヘテロ原子を含んでいてもよい5〜8員ヘテロシクリル環を形成する)を有する。一実施形態において、アミンは、式R252627N(式中、R25、R26及びR27は各々、水素又はC1−6アルキルから独立して選択され、又は、R26及びR27は、これらが結合している窒素原子と一緒になって、追加のヘテロ原子を含んでいてもよい5〜8員ヘテロシクリル環を形成する)を有する。いくつかの実施形態において、R25、R26及びR27は各々、水素又はC1−6アルキルから独立して選択される。いくつかの実施形態において、R25は水素又はC1−6アルキルであり、並びに、R26及びR27は、これらが結合している窒素原子と一緒になって、追加のヘテロ原子を含んでいてもよい5〜8員ヘテロシクリル環を形成する。
一実施形態において、アミンは、ポリアミン、例えばジアミンであり得る。一実施形態において、アミンはモノアルキレンジアミンであり得る。一実施形態において、モノアルキレンジアミンは、式R31NH−(C1−6アルキレン)NR30−R32(式中、R31及びR32は各々、水素、脂肪族、脂環式、アシル、アリール又はアリール脂肪族から独立して選択され、及び、R30は、水素又は脂肪族から選択される)のものであり得る。いくつかの実施形態において、R31及びR32は各々、水素、C1−6アルキル、アリール又はアリールアルキルから独立して選択され、及び、R30は水素又はC1−6アルキルから選択される。好ましい実施形態において、モノアルキレンジアミンは式NH−(C1−6アルキレン)NH−R32のものである。好ましい実施形態において、モノアルキレンジアミンは式NH−(C2−4アルキレン)NH−R32のものである。
好適なアミドは、その全体が本明細書において参照により援用される国際公開第2007/107745号パンフレットに記載されている。一実施形態において、アミドは、式CHCH(OH)C(=O)NR(式中、R及びRは各々、水素、C1−6アルキル、C2−6アルケニル又はC3−6シクロアルキルから独立して選択され、これらの各々は、フェニル、ヒドロキシル、C1−5アルコキシ、モルホリニル及びNR(式中、R及びRは各々、C1−3アルキル、又は、C1−3アルキルから独立して選択される3個以下の置換基によって任意選択により置換されているフェニルから独立して選択される)から独立して選択される3個以下の置換基によって任意選択により置換され;又は、R及びRは、これらが結合している窒素原子と一緒になって、モルホリニル、ピロリジニル、ピペリジニル若しくはアゼパニル環を形成し、これらの各々は、C1−3アルキルから各々独立して選択される3個以下の置換基によって任意選択により置換される)のものであり得る。いくつかの実施形態において、R及びRは各々、水素、C1−6アルキル又はC2−6アルケニルから独立して選択される。さらなる実施形態において、R及びRは各々、水素又はC1−6アルキルから独立して選択される。好ましい実施形態において、R及びRは各々、C1−6アルキルから独立して選択される。好ましい実施形態において、アミドはジメチルラクトアミド(DMLA)であり得る。
一実施形態において、ケトンは、式RC(=O)R(式中、R及びRは、各々独立して、脂肪族、脂環式、アリール又はアリール脂肪族から選択され得る)のものであり得る。いくつかの実施形態において、R及びRは各々、C1−6アルキル、アリール又はアリールアルキルから独立して選択される。いくつかの実施形態において、R及びRは、各々独立して、C1−6アルキル又はアリールから選択され得る。好ましい実施形態において、Rは、C1−6アルキルであり得、及び、Rはアリールであり得る。好ましい実施形態において、ケトンはアセトフェノンであり得る。
一実施形態において、1種以上の溶剤は、脂肪族アルコール、又は、そのエーテル若しくはエステルであり得る。一実施形態において、脂肪族アルコール、又は、そのエーテル若しくはエステルは、式R40OR41(式中、R40は、脂肪族、好ましくはC1−6アルキルであり得、及び、R41は、水素、脂肪族、好ましくはC1−6アルキル又はアシルであり得る)のものであり得る。
一実施形態において、アルコールは脂環式アルコールであり得る。一実施形態において、脂環式アルコールはC5−8シクロアルキルアルコールであり得る。いくつかの実施形態において、脂環式環は1〜3個のヒドロキシル基で置換されている。いくつかの実施形態において、脂環式アルコールは、C5−7シクロアルキル、好ましくは1〜3個のヒドロキシル基で置換されたC5−6シクロアルキルであり得る。好ましい実施形態において、脂環式アルコールはシクロヘキサノールであり得る。
一実施形態において、アルコールは芳香族アルコールであり得る。一実施形態において、芳香族アルコールは式アリール脂肪族−OHのものであり得る。いくつかの実施形態において、芳香族アルコールは式アリールアルキル−OHのものである。好ましい実施形態において、芳香族アルコールはベンジルアルコールであり得る。
一実施形態において、1種以上の溶剤は、トリオール、又は、そのエーテル、エステル若しくはカーボネートであり得る。一実施形態において、1種以上の溶剤は、例えばモノ−、ジ−若しくはトリエステルといったC3−5アルキレントリオール、又は、そのエーテル、エステル若しくはカーボネートなどの、アルキレントリオール、又は、そのエーテル、エステル若しくはカーボネートであり得る。いくつかの実施形態において、トリオール、又は、そのエーテル、エステル若しくはカーボネートは、グリセロール、又は、そのエーテル、エステル若しくはカーボネートである。いくつかの実施形態において、トリオール、又は、そのエーテル、エステル若しくはカーボネートは、式R70OCHCH(OR71)CHOR72(式中、R70、R71、及びR72は各々、水素、脂肪族、脂環式、アリール、アリール脂肪族、アシルから独立して選択され、又は、R71及びR72は、これらが結合している酸素と一緒になって、5員環を形成する)を有する。いくつかの実施形態において、R70、R71、及びR72は各々、水素、C1−6アルキル又はアシルから独立して選択される。いくつかの実施形態において、アシルは式C1−20C(O)、例えばアセチルのものである。いくつかの実施形態において、トリオールのカーボネートは環式カーボネートである。一実施形態において、トリオールのエーテルはアセタールである。いくつかの実施形態において、R71及びR72は、これらが結合している酸素と一緒になって、5員環を形成する。いくつかの実施形態において、トリオールのエーテル、エステル又はカーボネートは、トリオールのヒドロキシル基の少なくとも1つがエーテル、エステル又はカーボネートの形態ではない(すなわち、ヒドロキシル基の少なくとも1つがヒドロキシル基を有さない)、トリオールのエーテル、エステル又はカーボネートである。好ましくは、R70、R71及びR72の少なくとも1つが水素である。いくつかの実施形態において、R70は水素である。好ましい実施形態において、1種以上の溶剤はグリセリンカーボネートである。
一実施形態において、エステルは、モノエステル、ジエステル又はトリエステルであり得る。一実施形態において、ジエステルは、ジカルボン酸塩のジエステルであり得る。一実施形態において、トリエステルは、トリカルボン酸塩のトリエステルであり得る。一実施形態において、エステルは、α−ヒドロキシエステルであり得る。一実施形態において、モノ−又はジエステルはα−ヒドロキシエステルであり得る。
一実施形態において、モノエステルは、式R77C(O)OR17(式中、R77及びR17は各々、脂肪族、脂環式、アリール又はアリール脂肪族基から独立して選択され、これらの各々は、1個以上のヒドロキシル基で任意選択により置換されていてもよい)のものであり得る。一実施形態において、R77及びR17は各々、C1−12アルキル、アリール又はアリールアルキルから独立して選択され、これらの各々は、1個以上のヒドロキシル基で任意選択により置換されていてもよい。好ましい実施形態において、R17はC1−12アルキルである。いくつかの実施形態において、R77は、脂環式、アリール又はアリール脂肪族基、好ましくはアリールである。好ましい実施形態において、モノエステルは安息香酸ブチルであり得る。いくつかの実施形態において、R77は、1個以上のヒドロキシル基で任意選択により置換されているC1−6アルキルである。一実施形態において、モノエステルはCHCH(OH)C(=O)OR17である。好ましい実施形態において、モノエステルは、乳酸メチル、乳酸エチル、n−プロピル乳酸塩、n−ブチル乳酸塩又は乳酸2−エチルヘキシル(Purasolv(登録商標)のブランド名で市販されている)などの乳酸塩のエステルであり得る。
一実施形態において、ジエステルは、式R19OC(O)C1−6アルキルC(O)OR18(式中、R19及びR18は各々、脂肪族、脂環式、アリール又はアリール脂肪族基から独立して選択される)のものであり得る。一実施形態において、R19及びR18は各々、C1−6アルキル、アリール又はアリールアルキルから独立して選択される。好ましい実施形態において、R19及びR18は各々、C1−6アルキルから独立して選択される。好ましい実施形態において、エステルは、コハク酸ジメチル、ジメチルアジペート及びジメチルグルタレート(例えばEstasol(商標))などの、アジピン酸、グルタル酸及びコハク酸のジエステルであり得る。
一実施形態において、トリエステルは、式
(式中、R10、R11及びR22は、各々独立して、脂肪族脂環式、アリール又はアリール脂肪族基であり得、及び、R21は、水素又はヒドロキシルであり得る)のものであり得る。一実施形態において、R10、R11及びR22は、各々独立して、C1−6アルキル、アリール又はアリールアルキルから選択され得る。好ましい実施形態において、R10、R11及びR22は、各々独立して、C1−6アルキルであり得る。好ましい実施形態において、トリエステルはトリエチルシトレートであり得る。
一実施形態において、ニトリルは、式R12−CN(式中、R12は、脂肪族、脂環式、アリール又はアリール脂肪族基であり得る)を有し得る。一実施形態において、R12は、C1−6アルキル、アリール又はアリールアルキルであり得る。一実施形態において、R12はC1−6アルキルであり得る。好ましい実施形態において、ニトリルはアセトニトリルである。
一実施形態において、スルホキシドは、式R13S(O)R14(式中、R13及びR14は、各々独立して、脂肪族、脂環式、アリール、アリール脂肪族であり得る)のものであり得る。いくつかの実施形態において、R13及びR14は各々、C1−6アルキル、アリール又はアリールアルキルから独立して選択される。好ましい実施形態において、R13及びR14は、各々独立して、C1−6アルキルであり得る。好ましい実施形態において、スルホキシドはジメチルスルホキシドであり得る。
一実施形態において、スルホンは、式R15SO16(式中、R15及びR16は、各々独立して、脂肪族、脂環式、アリール又はアリール脂肪族基であり得る)のものであり得る。いくつかの実施形態において、R15及びR16は各々、C1−6アルキル、アリール又はアリールアルキルから独立して選択される。好ましい実施形態において、R15及びR16は、各々独立して、C1−6アルキルであり得る。
一実施形態において、1種以上の溶剤は、
a)ポリアルキレングリコール、又は、そのエーテル若しくはエステル、例えば、式R10O−[(C1−6アルキレン)O]−Rのポリアルキレングリコール、又は、そのエーテル若しくはエステル、
b)モノアルキレングリコール、又は、そのエーテル若しくはエステル、例えば、式R20O−(C1−6アルキレン)O−Rのモノアルキレングリコール、又は、そのエーテル若しくはエステル、
c)式R252627Nのアミン、
d)モノアルキレンジアミン、例えば、式R31NH−(C1−6アルキレン)NR30−R32のモノアルキレンジアミン、
e)式CHCH(OH)C(=O)NRのアミド
f)ケトン、例えば、式RC(=O)Rのケトン、
g)脂肪族アルコール、例えば、式R40OR41の脂肪族アルコール、
h)脂環式アルコール、
i)芳香族アルコール、
j)トリオール、又は、そのエーテル、エステル若しくは炭酸塩、例えば、式R70OCHCH(OR71)CHOR72のトリオール、又は、そのエーテル、エステル若しくは炭酸塩、
k)モノエステル、例えば、式R77C(O)OR17のモノエステル、
l)ジエステル、例えば、式R19OC(O)C1−6アルキルC(O)OR18のジエステル、
m)トリエステル、例えば、式
のトリエステル、
n)ニトリル、例えば、式R12−CNのニトリル、
o)スルホキシド、例えば、式R13S(O)R14のスルホキシド、
p)スルホン、例えば、式R15SO16のスルホン、又は
q)上記のa)〜p)のいずれか2つ以上、
を含む群から選択され、
ここで、上記の式における可変要素の各々は、本明細書において定義されている実施形態のいずれかにおいて定義されているとおり用いられている。
種々の実施形態において、1種以上の溶剤は、ジメチルラクトアミド、ジプロピレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールフェニルエーテル、アセトフェノン、シクロヘキサノール、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコールメチルエーテル、ジメチルスクシネート、ジメチルグルタレート、アジピン酸ジメチル(dimethyl adapate)、安息香酸ブチル、トリエチルシトレート、グリセロール、グリセリンカーボネート、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジメチルスルホキシド、ベンジルアルコール及びアセトニトリル、又は、これらのいずれか2種以上の組み合わせのいずれかを含む群から選択され得る。
種々の実施形態において、1種以上の溶剤は、ジメチルラクトアミド、ジプロピレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールフェニルエーテル、アセトフェノン、シクロヘキサノール、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコールメチルエーテル、ジメチルスクシネート、ジメチルグルタレート、アジピン酸ジメチル(dimethyl adapate)、安息香酸ブチル、トリエチルシトレート、グリセロール、グリセリンカーボネート、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジメチルスルホキシド、ベンジルアルコール、乳酸2−エチルヘキシル及びアセトニトリル、又は、これらのいずれか2種以上の組み合わせのいずれかを含む群から選択され得る。
種々の実施形態において、1種以上の溶剤は、ジメチルラクトアミド、ジプロピレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールフェニルエーテル、アセトフェノン、シクロヘキサノール、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコールメチルエーテル、ジメチルスクシネート、ジメチルグルタレート、アジピン酸ジメチル(dimethyl adapate)、安息香酸ブチル、トリエチルシトレート、グリセリンカーボネート、エチレングリコール、プロピレングリコール、乳酸2−エチルヘキシル及びベンジルアルコール、又は、これらのいずれか2種以上の組み合わせのいずれかを含む群から選択され得る。
種々の実施形態において、1種以上の溶剤は、ジメチルラクトアミド、エチレングリコールフェニルエーテル、100〜6000の分子量を有するポリエチレングリコール、100〜1000の分子量を有するポリエチレングリコールメチルエーテル、ジメチルスクシネート、ジメチルグルタレート、アジピン酸ジメチル(dimethyl adapate)、安息香酸ブチル、トリエチルシトレート、グリセリンカーボネート、乳酸2−エチルヘキシル及びベンジルアルコール、又は、これらのいずれか2種以上の組み合わせのいずれかを含む群から選択され得る。
別段の記載がない限り、本明細書において言及されている化学基は、任意選択により置換されていてもよい。本明細書において用いられるところ、「置換され」という用語は、明示されている基中の1個以上の水素原子が1個以上の独立して選択される好適な置換基で置き換えられることを意味することが意図されているが、ただし、置換基が結合する各原子の通常の原子価を超えることはなく、及び、置換が安定な化合物をもたらすということが条件とされる。本明細書において用いられるところ、本文脈における「安定」という用語は、生産が可能ほどに十分な安定性を有すると共に、本明細書に記載の目的のために有用であるほどに十分な時間の間完全性を保持する化合物を指す。例えば、本明細書に記載の化合物における脂肪族、脂環式、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、アルキレン、アリール脂肪族、アリールアルキル、アルコキシ基に係る、好適な任意選択の置換基の例としては、これらに限定されないが、ハロ、CN、NO、NR、C1−6ハロアルキル、C1−6ハロアルコキシ、C(O)OR、C(O)NH、C(O)NHR、C(O)NR、SO、OR、SR、S(O)R、C(O)R、及びC1−6アルキルが挙げられ;ここで、R及びRは各々、独立してC1−6アルキルである。一定の実施形態において、好適な任意選択の置換基としては、これらに限定されないが、ハロ、CN、NO、C1−6ハロアルキル、C1−6ハロアルコキシ、OR、SR及びC1−6アルキルが挙げられる。一定の実施形態において、好適な任意選択の置換基としては、これらに限定されないが、C1−6アルキルが挙げられる。
他の実施形態において、1種以上の溶剤は、約0.5eV未満、約0.4eV未満、約0.35eV未満、約0.3eV未満又は約0.28eV未満の求核係数を有するヒドロキシル及び窒素含有基を含むか、これらから基本的に構成されるか、又は、これらから構成される。
種々の実施形態において、1種以上の溶剤は非プロトン性であるか、又は、1つ以上の求核性基を含み、各求核性基の求核係数は、約0.4eV未満、約0.35eV未満、約0.3eV未満又は約0.28eV未満である。一例として、各求核性基の求核係数が約0.4eV未満である一実施形態において、1種以上の溶剤は、より高い求核係数を有するいずれかの求核性基を含有しないであろう。
一実施形態において、1種以上の溶剤は、実質的に非水性である溶剤系を含む。さらなる実施形態において、1種以上の溶剤は、5%w/w未満の水を含有する溶剤系を含む。種々の実施形態において、1種以上の溶剤は、4%未満、3%未満、2%未満又は1%w/w未満の水を含有する溶剤系を含む。さらなる実施形態において、1種以上の溶剤は非水性である溶剤系を含む。
本明細書に記載の安定な配合物は、1種以上の溶剤のOH当量と組成物における含水量とのバランスをとってNFLに対する全OH量の総括的モル比が低い安定な配合物を得ることにより、達成されることが理解されるべきである。例えば溶剤系のOH当量(及び/又はeV)が低ければ、高い含水量が許容され得る。反対に、例えば、配合前におけるロリンアルカロイドをもたらす成分中に存在する水が少ない実施形態においては、OH当量及び/又はeVが大きい溶剤も許容され、なお安定な配合物を提供することが可能である。
存在する水が少ない実施形態においては、NFLに対する全OH量の総括的モル比が十分に小さいままに溶剤又は溶剤の混合物(場合により、(単独で)多量に用いられた場合に高いOH当量を有する溶剤が含まれる)の使用が可能となり、これにより、このような配合物は、さもなければ許容されないNFLの分解をもたらすこととなる溶剤の有用な特性による恩恵を受けることが可能であることもまた、理解されるであろう。
さらに、一定の実施形態において、求核係数が低い場合には、高いNFLに対するOH及び/又は窒素含有基の全量の総括的モル比が許容可能である。
一実施形態において、組成物は実質的に非水性である。さらなる実施形態において、組成物は5%w/w未満の水を含む。種々の実施形態において、組成物は、4%未満、3%未満、2%未満又は1%w/w未満の水を含む。さらなる実施形態において、組成物は非水性である。
他の実施形態において、組成物は、適用のための配合又は希釈の前において、実質的に非水性である。
一実施形態において、組成物はさらに、以下の:水捕捉剤、界面活性剤、防腐剤、乾燥剤又は緩衝剤の1種以上を含む。
一実施形態において、組成物は界面活性剤をさらに含む。種々の実施形態において、界面活性剤は、ノニオン性界面活性剤、イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤及び/又は両性界面活性剤を含む群から選択される。種々の実施形態において、界面活性剤は、例えばアルキル硫酸塩又はアルキルエーテル硫酸塩といった硫酸塩、例えばドデシルベンゼンスルホン酸カルシウムなどのアルキルベンゼンスルホン酸塩又は直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩(LAB)といったスルホン酸塩、例えばリン酸モノエステル又は混合リン酸ジエステルといったリン酸塩エステル、例えばラウレスカルボン酸塩といったアルキルエーテルカルボン酸塩、例えばモノアルキル第四級アンモニウム界面活性剤といったアルキル第四級界面活性剤、エステル第四級塩又はアルキルベタインを含む。種々の実施形態において、界面活性剤は、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウレス硫酸ナトリウム又はミレス硫酸ナトリウム、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ストリデシルスルホコハク酸ナトリウム、ジヘキシルスルホコハク酸ナトリウム、シクロヘキシルスルホコハク酸ナトリウム、ジアミルスルホコハク酸ナトリウム、ジシクロヘキシルスルホコハク酸ナトリウム、ジイソブチルスルホコハク酸ナトリウム、ペルフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)、ペルフルオロブタンスルホン酸若しくはステアリン酸ナトリウム、又は、これらのいずれか2種以上の組み合わせを含む。
いずれか2種以上の溶剤の組み合わせ、及び、上記に列挙されているものを含むいずれか2種以上の界面活性剤の組み合わせもまた想定される。
一実施形態において、溶剤及び/又は界面活性剤は、ヒドロキシル基及び窒素含有基実質的に含まない。一実施形態において、溶剤及び/又は界面活性剤は、ヒドロキシル基又は窒素含有基を含まない。
一実施形態において、組成物は、ヒドロキシル基及び窒素含有基を含む溶剤、ヒドロキシル基及び窒素含有基を含む界面活性剤、並びに/又は、ヒドロキシル基及び窒素含有基を含む他の化合物を実質的に含まない。一実施形態において、組成物は、ヒドロキシル基若しくは窒素含有基を含む溶剤、ヒドロキシル基若しくは窒素含有基を含む界面活性剤、及び/又は、ヒドロキシル基若しくは窒素含有基を含む他の化合物を含まない。
一実施形態において、組成物は、ヒドロキシル基及び窒素含有基を実質的に含まない。他の実施形態において、組成物はヒドロキシル基又は窒素含有基を含まない。
種々の実施形態において、1個以上のヒドロキシル基及び/又は窒素含有基を含む溶剤、及び/又は、1個以上のヒドロキシル基及び/又は窒素含有基を含む界面活性剤中におけるヒドロキシル基及び/又は窒素含有基のモル量は、組成物中におけるN−ホルミルロリン(NFL)のモル量の約50%、40%、30%、20%、10%、7.5%、5%、4%、3%、2%、1%又は約0.5%未満である。上記の組成物は一般に、適用のためにキャリア又は補助剤で希釈されていない、例えば濃縮組成物といった組成物であることが認識されるであろう。
一実施形態において、組成物は防腐剤をさらに含む。組成物において用いられる好適な防腐剤は技術分野において公知である。
一実施形態において、界面活性剤は殺虫活性を有する。一実施形態において、界面活性剤は、植物無毒性であり、ヒト及び非ヒト動物に無毒であり、並びに/又は、生分解性である。一実施形態において、界面活性剤は、極性及び非極性−極性溶剤中に実質的に可溶性である。
種々の実施形態において、組成物は、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、12、15、20、25、30、35、40、45又は約50重量の界面活性剤を含む。有用な範囲はこれらの値のいずれかの間で選択され得る(例えば、約1〜約50、約1〜約20、約1〜約10又は約2%〜約8%)。
種々の実施形態において、組成物は、約0.01、0.05、0.075、0.1、0.125、0.15、0.175、0.2、0.225、0.25、0.275、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9又は約1重量%の防腐剤を含み、及び、有用な範囲はこれらの値のいずれかの間で選択され得る(例えば、約0.01%〜約1%、約0.05%〜約0.5%、約0.05%〜約0.4%又は約0.1%〜約0.3%)。
一実施形態において、組成物は酸化防止剤をさらに含む。一実施形態において、酸化防止剤は脂溶性酸化防止剤である。種々の実施形態において、酸化防止剤は、1種以上の、トコフェロール若しくはトコトリエノール、例えば、ビタミンE、没食子酸プロピル、ハイドロキノン、例えば、t−ブチルヒドロキノン、フェノール、例えば、ブチル化ヒドロキシアニソール若しくはブチル化ヒドロキシトルエン、カロチノイド、例えば、β−カロチン、α−カロチン、β−クリプトキサンチン、ルテイン、リコピン及びゼアキサンチン、又は、これらのいずれか2種以上の組み合わせを含む。
種々の実施形態において、組成物は、約−20、4、10、15、20、25、30、35、40、45、50、54、55若しくは約60℃の温度又は周囲温度で、約1、2、3若しくは4週間、又は、約1、2、3、4、6、9、12、18、24、36若しくは48月間の間保管した後に、少なくとも約100、110、120、130、140、150、160、170、180、185、190、195、200、205、210、220、230、240又は約250mg/gのNFLを含む。例えば、好ましくは、組成物は、約−20℃、4℃又は約54℃の温度で2週間保管した後に、少なくとも約180mg/gのNFLを含む。
種々の実施形態において、組成物は、約−20、4、10、15、20、25、30、35、40、45、50、54、55若しくは約60℃の温度又は周囲温度で、約1、2、3、又は4週間又は約1、2、3、4、6、9、12、18、24、36又は48月間の間保管した後に、少なくとも約50、60、70、75、80、85、90、95、98、99又は約100%のNFLを保持している。例えば、好ましくは、組成物は、約−20℃、4℃又は約54℃の温度で2週間保管した後に、少なくとも約80%のNFLを含む。
種々の実施形態においては、組成物中のNFLの約50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%、99%又は約100%未満が、約−20、4、10、15、20、25、30、35、40、45、50、54、55若しくは約60℃の温度又は周囲温度で、約1、2、3、又は4週間又は約1、2、3、4、6、9、12、18、24、36又は48月間の間保管した後に、分解又は加水分解されている。例えば、好ましくは、約−20℃、4℃又は約54℃の温度で2週間保管した後に、組成物のNFLの約20%未満が分解又は加水分解されている。
他の態様において、本発明は、本明細書において有用な組成物を生成する方法であって、1種以上のロリンアルカロイドを1種以上の溶剤と混合して組成物を形成するステップを含む方法を提供するものであり、ここで、組成物は、ヒドロキシル基及び/又は窒素含有基を含む溶剤を実質的に含まない。
一実施形態において、本発明の組成物を生成する方法は:
a)N−ホルミルロリン(NFL)、及び、任意選択により、1種以上のさらなる式(I)のロリンアルカロイドを提供するステップ、並びに
b)ロリンアルカロイドと1種以上の溶剤とを組み合わせて組成物を形成するステップ
を含み、ここで、組成物に係るN−ホルミルロリンに対するヒドロキシル及び窒素含有基の全量のモル比は、約20以下である。
一実施形態において、組成物は、適用前に希釈される濃縮物の形態である。一実施形態において、組成物は、適用前に水と混合される。
一実施形態において、組成物は、適用前に、水と混合されて、約2、2.5、5、7.5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、75、100、125、150、175又は約200g/100Lのロリンアルカロイドの最終濃度とされる。
種々の実施形態において、組成物は水と混合され、及び、少なくとも約100、150、200、250、300、350、400、450又は500L/Haの割合で適用される。
一実施形態において、組成物は、適用前に、上記に記載されている1種以上の酸化防止剤を含む組成物と混合される。種々の実施形態において、適用のための組成物は、1リットル当たり、約0.25、0.5、0.75、1、1.25、1.5、1.75、2、2.25、2.5、2.75、3、3.5、4、4.5、5、6、7、8、9、10、12、15、18、20、25、30、35、40又は約50mLの酸化防止剤(例えばビタミンE)を含み、及び、有用な範囲はこれらの値のいずれかの間で選択され得る(例えば、約0.25〜約50mL/L、約0.5〜約10mL/L、約0.5〜約5mL/L又は約1〜約5mL/L)。
一実施形態においては、適用前に、Deep Fried(商標)、Fortune(商標)又はFortune Plus(商標)などの乾燥防止剤薬剤が、約1ml/Lの最終濃度で混合される。
他の態様において、本発明は、植物に浸透移行性病害虫耐性を付与する方法であって、
a)本発明に係る組成物を提供するステップ、
b)組成物を植物に局部的に適用するステップ
を含み、これにより、1種以上のロリンアルカロイドを植物に摂取させて浸透移行性有害生物耐性を付与する方法を提供する。
他の態様において、本発明は、1種以上の病害虫を防除する方法であって、病害虫が存在する植物又はその周囲若しくは生息地に、本明細書に記載の組成物を適用するステップを含む方法を提供する。
他の態様において、本発明は、植物又はその周囲に適用される組成物を生成する方法であって、1種以上のロリンアルカロイドを含む本明細書に記載の組成物を提供するステップ、及び、任意選択により、組成物を適用前に希釈するステップを含む方法を提供する。
さらなる態様において、本発明は、植物の全身循環に1種以上のロリンアルカロイドを提供する方法であって:
1種以上のロリンアルカロイドを含む本明細書に記載の組成物を提供するステップ、
組成物を植物に局部的に適用して、植物の全身循環に1種以上のロリンアルカロイドを摂取させるステップ
を含む方法に関する。
他の態様において、本発明は、植物に浸透移行性病害虫耐性を付与する方法であって:
例えば非合成原料に由来する1種以上の実質的に純粋なロリンアルカロイドといった、1種以上のロリンアルカロイドを含む本明細書に記載の組成物を提供するステップ、
組成物を植物に局部的に適用するステップ
を含み、これにより、1種以上のロリンアルカロイドを植物に摂取させて浸透移行性病害虫耐性を付与する方法に関する。
一実施形態において、組成物の局部的適用は、1gの植物当たり少なくとも約1.0μgのロリンアルカロイドといったロリンアルカロイドの浸透移行濃度をもたらす。種々の実施形態において、組成物の局部的適用は、1gの植物当たり少なくとも約5、10、15、20、25、30、40、50若しくは60μgのロリンアルカロイド、又は、1gの植物当たり約60μg超のロリンアルカロイドといったロリンアルカロイドの浸透移行濃度をもたらす。
一実施形態において、組成物の局部的適用は、植物の茎及び/又は葉において、1gの植物当たり少なくとも約1.0μgのロリンアルカロイドといったロリンアルカロイドの濃度をもたらす。種々の実施形態において、組成物の局部的適用は、植物の茎及び/又は葉において、1gの植物当たり少なくとも約5、10、15、20、25、30、40、50若しくは60μgのロリンアルカロイド、又は、1gの植物当たり約60μg超のロリンアルカロイドといったロリンアルカロイドの濃度をもたらす。
一実施形態において、組成物の局部的適用は、少なくとも約20ppmのロリンアルカロイドの浸透移行濃度をもたらす。例えば、組成物の局部的適用は、少なくとも約25、30、35又は少なくとも約40ppmのロリンアルカロイドの浸透移行濃度をもたらす。
一実施形態において、組成物の局部的適用は、植物の茎及び/又は葉において、少なくとも約20ppmロリンアルカロイドをもたらす。一実施形態において、組成物の局部的適用は、植物の茎及び/又は葉において、少なくとも約25、30、35又は少なくとも約40ppmロリンアルカロイドをもたらす。
本発明さらに、特に植物及びヒト又は非ヒト動物有害生物(昆虫、線虫及び草食動物など)といった有害生物を防除するための組成物の使用方法に関する。
例えば、有害生物個体群の防除方法もまた本発明によって提供される。この方法は一般に、個体群と有害生物防除的に有効な量の本明細書に記載の組成物とを接触させるステップを含む。このような方法は、所与の領域における標的有害生物を殺すかその数を減少させるために用いられ得、又は、感受性を有する有害生物による外寄生を予防するために、環境的領域などの生息地に予防的に適用され得る。
本発明はさらに、1種以上の昆虫若しくは線虫有害生物(例えば1種以上の昆虫又は線虫といった1種以上の病害虫など)、又は、1種以上の動物種に係る1種以上の昆虫若しくは線虫有害生物を含む、1種以上の有害生物を防除するための本発明の組成物の使用に関する。
一実施形態において、本発明は、例えば1種以上の動物種に係る1種以上の病害虫といった1種以上の病害虫を含む、1種以上の昆虫を防除する方法を提供し、この方法は、1種以上の昆虫と本発明の組成物とを接触させるステップを含む。
1種以上の有害生物を防除するための配合物の生産における、本発明の方法により生成される組成物の使用が同様に想定される。
対象における有害生物又は寄生性感染を処置又は予防するための医薬品の生産における、本発明の方法によって生成される組成物又は本発明の組成物の使用が同様に想定される。
本発明はさらに、1種以上の寄生性昆虫を含む1種以上の昆虫などの1種以上の有害生物を防除する方法に関し、この方法は、植物又はその周囲などの生息地に本発明の組成物を適用するステップを含む。この方法はまた、例えば寄生性又は病原性病害虫に感染している対象といった、必要としている対象に本発明の組成物を投薬するステップを含む。
他の態様において、本発明は、1種以上の有害生物防除剤又は1種以上の病原性薬剤に対する有害生物の耐性を、完全に又は部分的に逆転させる方法を提供し、この方法は、昆虫と本発明の組成物とを接触させるステップを含む。
任意選択により、方法は、有害生物と本発明の組成物とを、1種以上の有害生物防除剤又は1種以上の病原性薬剤、又は、これらのいずれかの組み合わせと一緒に接触させるステップを含む。
種々の実施形態において、投薬する1種以上の有害生物防除剤、又は、1種以上の病原性薬剤は、有害生物が耐性であるか、耐性になると想定されるものか、又は、耐性になったものと同一である。
さらなる態様において、本発明は、1種以上の有害生物を防除する方法であって、前記1種以上の有害生物の防除に有効である量の有害生物防除剤又は病原性薬剤を含む本発明の組成物と接触させられた1種以上の有害生物を防除する方法を提供する。
1種以上の有害生物防除剤又は1種以上の病原性薬剤は、本発明の組成物の投薬に先行して、同時に、又は、その後に投薬され得る。従って、1種以上の本発明の組成物及び1種以上の有害生物防除剤又は1種以上の病原性薬剤の投薬は、同時、順次又は別個であり得る。
他の態様において、本発明は植物の成長又は繁殖を増強する方法に関し、この方法は、植物と本発明の組成物とを接触させるステップを含む。
一実施形態において、この方法は、顕著な殺草性、又は、殺草性の症状を伴うこと無く植物の成長又は繁殖を増強させる。
一実施形態において、植物は、生物又は非生物ストレスの存在下にある。
一実施形態において、非生物ストレスは、水の欠乏、栄養分の欠乏、熱ストレス、塩毒性、ミネラル又は金属毒性及び凍結温度からなる群から選択される。
一実施形態において、生物ストレスは、昆虫外寄生、線虫外寄生及び草食動物の放牧からなる群から選択される。一実施形態において、生物ストレスは、昆虫、線虫及び草食動物からなる群から選択される少なくとも1種の生体により引き起こされるストレスである。
種々の実施形態において、本発明の組成物は、例えば植物などの生息地が、昆虫若しくは昆虫個体群などの有害生物個体群に感染するか、曝される前に予防的に適用される。他の実施形態において、組成物は、例えば、植物などの生息地が昆虫に感染しているか曝されている場合、又は、昆虫が生息地中若しくは生息地上に存在している場合といった、感染が定着しているか、又は、病原体が存在している場合に適用される。
一実施形態において、本発明の組成物は生息地に直接適用され、例えば植物又はその周囲に直接適用される。例えば、本発明の組成物は、溶剤と混合されるか乳化され、及び、本明細書に記載のとおり適用される。他の実施形態において、本発明の組成物は、例えばその後生息地に適用される基剤に適用されるなど、生息地に間接的に適用される。一実施形態において、組成物は、潅漑システム、又は、例えば水耕栽培システムにおける化学溶液潅漑システムを用いて生息地に適用される。
一実施形態において、本発明の組成物は、例えば温室又はビニールハウスといった生息地に、植え付け前に適用される。
種々の実施形態において、組成物は、1ヘクタール当たり、少なくとも約25、50、100、150、200、250、300、350、400、500、550、600、650、700、750又は少なくとも約1000gのロリンの割合で適用される。一般に、1ヘクタール当たり約100g〜約500gのロリンの施用量が目的とされる。
種々の実施形態において、本発明の方法を用いて処置された植物の葉中のロリンアルカロイドの濃度は、処置されていない植物の葉中のロリンアルカロイドの濃度よりも少なくとも1、2、3、4、5、10、15、20、25、30、40、50、75又は100倍高い。
種々の実施形態において、本発明の方法を用いて処置された植物の茎中のロリンアルカロイドの濃度は、処置されていない植物の茎中のロリンアルカロイドの濃度よりも少なくとも1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、10、15、20、又は25倍高い。
一実施形態において、組成物は、被覆された種子をもたらすための種子粉衣、若しくは、植物繁殖体中にあるか、又は、その中に配合されている。
種々の実施形態において、被覆された種子は、1グラムの種子当たり、約1、2.5、5、7.5、10、12.5、15、20、25、30、40、50、60、70、75、80、90、100、120、140、150、160、180又は約200mgの1種以上のロリンアルカロイドを含み、及び、有用な範囲はこれらの値のいずれかの間で選択され得る(例えば、約1〜約200mg、約10〜約150mg、約10〜約120mg又は約20〜約120mg/種子1グラム)。
種々の実施形態において、種子粉衣は、本発明の組成物と、例えばキサンタンガム、アカシアガム、ゲランガム、アラビアゴム、ローカストビーンガム又はグアーガムといったガム、カラギーナン(カラギーナンイオタ、カラギーナンカッパ又はカラギーナンラムダなど)又はペクチンなどの多糖類、ヒドロキシプロピルメチルセルロース又はカルボキシメチルセルロース塩(例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム塩)などの水溶性ポリマー、又は、ポリエチレンオキシドを含む群から選択される1種以上のカプセル化剤とを含む。
一実施形態において、種子粉衣は、本発明の組成物と、1種以上の、例えば珪藻土といった吸収性粉末、又は、例えばポリビニルピロリドン若しくはポリエチレングリコールといった接着剤とを含む。
農業及び園芸用途において、本発明は、いずれかの植物又はその周囲に適用可能である。例示的な植物は、アルファルファ、オオムギ、カノーラ、コーン(トウモロコシ)、綿、亜麻、カポック、ピーナッツ、ジャガイモ、カラスムギ、イネ、ライ麦、モロコシ(sorghum)、ダイズ、サトウダイコン、サトウキビ、ヒマワリ、タバコ、トマト、コムギ、芝草、牧草、液果、果実、マメ科植物、例えばトウガラシ、キュウリなどのウリ科植物、タマネギといった野菜、鑑賞植物、潅木、サボテン、多肉植物及び樹木などの単子葉又は双子葉植物である。
さらなる例示的な実施形態において、植物は、以下の:ヒルガオ科(Convolvulaceae)、セイロンハコベ科(Hydroleaceae)、モンティニア科(Montiniaceae)、ナス科(Solanaceae)、及び、ナガボノウルシ科(Sphenocleaceae)からの植物を含むナス目(Solanales)から選択される植物、並びに、以下の:ヒガンバナ科(Amaryllidaceae)、キジカクシ科(Asparagaceae)、アステリア科(Asteliaceae)、ブランドフォルディア科(Blandfordiaceae)、ボリア科(Boryaceae)、ドリアンテス科(Doryanthaceae)、キンバイザサ科(Hypoxidaceae)、アヤメ科(Iridaceae)、イキシオリリオン科(Ixioliriaceae)、ラナリア科(Lanariaceae)、ラン科(Orchidaceae)、テコフィラエア科(Tecophilaeaceae)、ススキノキ科(Xanthorrhoeaceae)及びクセロネマ科(Xeronemataceae)からの植物を含むキジカクシ目(Asparagales)からの植物を含むいずれかの植物であり得る。
他の態様において、本発明は、本発明の組成物で処置された、又は、本発明の組成物が適用された植物又はその一部に関する。
一実施形態において、植物若しくはその一部は、繁殖可能な、例えば、種子、鱗茎又は挿木又は他の増殖可能な植物部位である。
他の態様において、本発明は、必要としている対象において有害生物、寄生生物又は昆虫感染若しくは外寄生を処置又は予防する方法に関し、ここで、対象は、ヒト又は非ヒト対象動物であり、方法は、対象に治療的に有効な量の本発明の組成物を投薬するステップを含む。
他の態様において、本発明は、例えば、有害生物、寄生生物又は昆虫感染若しくは外寄生の処置又は予防における使用といった、本明細書に記載の方法のいずれかにおける使用のための組成物又は医薬品の調製における本発明の組成物の使用に関する。
他の態様において、組成物は、局部的に、経口的に、又は、非経口的に投薬され得る。
他の態様において、本発明は、本発明の組成物及び1種以上の薬学的に又は獣医学的に許容可能な賦形物、キャリア又は希釈剤を含む薬学的若しくは獣医学的配合物を提供する。
一実施形態において、この方法は、例えばトコジラミ、ノミ、ハエ、ブユ(gnat)、マダニ、アタマジラミなどのシラミ、又は、ダニによる感染又は外寄生といった、外寄生生物感染又は外寄生を処置又は予防するためのものである。
一実施形態において、本発明は、例えば原生動物寄生虫、又は、蠕虫などの寄生蠕虫による感染又は外寄生といった内寄生生物感染又は外寄生を処置又は予防する方法を提供する。
一実施形態において、組成物は、シャンプー、首輪、クリーム、ゲル、水薬、ポアオン若しくはスポットオン配合物、懸濁液、ローション、軟膏、包帯、皮膚用パッチ、錠剤、カプセル、巨丸剤、エリキシル剤又は注射液の形態で投薬される。
種々の実施形態において、組成物は、皮膚1cm当たり、少なくとも約5、10、20、25、30、40、45、50、55、60、70、75、80、90又は少なくとも約100μgのロリンアルカロイドを送達するのに十分な量で適用され、有用な範囲はこれらの値のいずれかの間で選択され得る(例えば、皮膚1cm当たり、約5μg〜約100μgのロリンアルカロイド、約25μg〜約100μg、約50μg〜約100μg、約25μg〜約75μg又は約50μg〜約100μgのロリンアルカロイド)。
種々の実施形態において、例えば局部適用用の薬学的若しくは獣医学的配合物中のロリンアルカロイドの濃度は、少なくとも約5μg/mL、10μg、20μg、25μg、30μg、40μg、45μg、50μg、55μg、60μg、70μg、75μg、80μg、90μg、100μg、125μg、150μg、175μg又は少なくとも約200μg/mLであり、有用な範囲は、これらの値のいずれかの間で選択され得る(例えば、約50μg〜約200μg/mL、約50μg〜約100μg、約75μg〜約200μg、約75μg〜約100μg又は約100μg〜約200μg/mL)。
薬学又は獣医用途において、本発明は、例えば、ウシ、ヒツジ、ブタ、シカ及びヤギなどの農業用動物;イヌ、ネコ、マウス、ラット、ウサギ及びテンジクネズミ、及び、ウマ並びにダチョウ、エミュー、雌鳥、ガチョウ、シチメンチョウ及びカモなどの鳥類などの伴侶動物;並びに、淡水魚又は海水魚といった、いずれかの非ヒト対象動物又はヒト対象に適用される。
本発明の他の態様は、添付の図面を参照して、単なる一例とされている以下の記載から明らかになり得る。
本明細書に開示されている数の範囲(例えば、1〜10)に対する参照はまた、その範囲内のすべての有理数(例えば、1、1.1、2、3、3.9、4、5、6、6.5、7、8、9及び10)、また、その範囲内の有理数のいずれかの範囲(例えば、2〜8、1.5〜5.5及び3.1〜4.7)に対する参照を引用することが意図されており、従って、本明細書に明示的に開示されているすべての範囲のすべての下位の範囲が本明細書により明示的に開示されている。これらは特定的に意図されているものの単なる例であり、列挙されている最小の値と最大の値との間の数値のすべての可能性のある組み合わせが、本出願中において同様に明示的に記載されていると考えられるべきである。
例えば図、濃度、量、整数又は値を参照して「約」という用語が用いられる場合、正確な図、濃度、量、整数又は値もまた特定的に想定されていることもまた意図されている。
特許明細書、他の外部書面又は他の情報源に対する参照がなされているこの明細書において、これは一般に、本発明の特性を考察するための文脈を提供することを目的とする。別段の記載がある場合を除き、このような外部の書面に対する参照は、このような書面又はこのような情報源が、いかなる司法権においても、従来技術であるか、又は、技術分野における共通一般知識の一部を構成するものであるとの容認として解釈されるべきではない。
本発明はまた、広義に、本出願の明細書において個別又は総括的に参照又は記載されている部分、要素及び特性、並びに、前記部分、要素又は特性のいずれか2つ以上の組み合わせのいずれか又はすべてに特徴を有すると表現され得、ここで、特定の整数が本明細書において記載されており、これらが本発明が関連する技術分野において公知の均等物を有する場合、このような公知の均等物は、個別に記載されているかのように本明細書において引用されているとみなされる。
ここで、本発明を、以下の図面を参照して、単なる一例として説明する。
図1及び2は、それぞれ70℃及び50℃の温度における、時間、pH及び緩衝剤の種類の関数としてのNFLのロリンへの分解割合を示す。結果は、以下の緩衝剤:クエン酸一水和物/リン酸ナトリウム二塩基性pH2.6(三角)、クエン酸一水和物/クエン酸三ナトリウム脱水物pH4(菱形)、酢酸ナトリウム三水和物/酢酸pH4(四角)、リン酸ナトリウム二塩基性脱水物/リン酸一ナトリウム一水和物pH6(黒色の丸)、及び、重炭酸ナトリウム/炭酸ナトリウム十水和物pH10(灰色の丸)について示されている。 図1及び2は、それぞれ70℃及び50℃の温度における、時間、pH及び緩衝剤の種類の関数としてのNFLのロリンへの分解割合を示す。結果は、以下の緩衝剤:クエン酸一水和物/リン酸ナトリウム二塩基性pH2.6(三角)、クエン酸一水和物/クエン酸三ナトリウム脱水物pH4(菱形)、酢酸ナトリウム三水和物/酢酸pH4(四角)、リン酸ナトリウム二塩基性脱水物/リン酸一ナトリウム一水和物pH6(黒色の丸)、及び、重炭酸ナトリウム/炭酸ナトリウム十水和物pH10(灰色の丸)について示されている。
図3は、水及び溶剤由来の全ヒドロキシル基当量に対する加溶剤分解を示す(精製した抽出物で調製した20%w/wロリン溶液)。
図4は、実施例中における本明細書に記載の粗抽出物で調製した20%w/wロリン溶液に係る、全ヒドロキシル基当量に対する加溶剤分解を表すグラフを表す。
本発明は、部分的に、ロリンアルカロイドを含む組成物に関する。本発明はまた、有害生物及び有害生物個体群の防除、植物の成長又は繁殖の増強、並びに、ヒト又は非ヒト動物における有害生物、昆虫及び/又は寄生性感染又は外寄生の処置若しくは予防のための本発明の組成物の使用に関する。
1.定義
「及び/又は」という用語は、「及び」又は「又は」を意味することが可能である。
本明細書において用いられるところ、「約」という用語は、濃度、モル量又は比、投薬量、量又は時間等などの計測可能な値を参照している場合、特定の値(例えば、1種以上のロリンアルカロイドの量、組成物中における一の成分に対する他のコンポーネントの比等)の±20%、±10%、±5%、±1%、±0.5%、又は、さらには±0.1%の偏差を含むことが意味されている。
この明細書において用いられるところ、「を含んでいる(comprising)」という用語は、「〜から少なくとも部分的に構成されている」を意味する。用語「を含んでいる(comprising)」を含むこの明細書における記載に係る各々の解釈に際しては、この用語に続くもの以外の特性もまた存在し得る。「を含む(comprise)」及び「を含む(comprises)」などの関連する用語は、同じく解釈されるべきである。
本明細書において用いられるところ、「防除」又は「防除する」という用語は一般に、個体群[その1種以上の構成要員]の増加を予防すること、減少させること、若しくは、根絶させることを包含し、又は、ヒト若しくは非ヒト動物に感染する1種以上の植物病原体若しくは有害生物若しくは昆虫による感染などの1種以上の有害生物若しくは病原体による感染若しくは外寄生を予防すること、減少させること、若しくは、根絶させることを包含し、又は、例えば植物中或いはその上若しくはその周囲といった生息地における有害生物個体数を低減させるなど、このような感染の速度及び程度を阻害することを包含し、又は、ヒト若しくは非ヒト動物における有害生物若しくは昆虫感染若しくは外寄生を処置若しくは予防することを包含し、ここで、感染又は個体群に係るこのような予防又は低減は、未処理の感染又は個体群に対して統計的に有意である。治癒的処理もまた想定される。好ましくは、このような防除は、有害生物又は病原体個体群における死亡率を高めることによって達成される。
防除は、多数の形態を取り得る拮抗作用を介するものであり得ることが認識されるであろう。一形態において、本発明の組成物は、単に忌避剤として作用し得る。他の形態において、本発明の組成物は、有害生物又は病原体に対して好ましくない環境をもたらし得る。さらなる好ましい形態において、本発明の組成物は、有害生物又は病原体に対して、無能力化し、不妊化し、成長を妨げ、拡散若しくは分布を妨げ、及び/又は、死滅させ得る。従って、拮抗メカニズムは、これらに限定されないが、抗生作用、固定化、不妊症及び毒性を含む。従って、1種以上の有害生物のアンタゴニストとして作用する組成物は、有害生物防除活性を有すると言うことが可能である。例えば、1種以上の昆虫のアンタゴニストとして作用する組成物は、殺虫効力を有すると言うことが可能である。さらに、有害生物のアンタゴニストであるかこれを含む薬剤又は組成物は有害生物防除剤又は有害生物防除組成物と言うことが可能であり、例えば、動物又は植物の病害虫を含む昆虫のアンタゴニストである薬剤は、殺虫薬であると言うことが可能である。同様に、動物又は植物の病害虫を含む昆虫のアンタゴニストであるかこれを含む組成物は、殺虫性組成物であると言うことが可能である。
従って、本明細書において用いられるところ、「有害生物防除組成物」は、少なくとも1種の有害生物防除効力を有する薬剤を含む(comprises)か、又は、含む(includes)組成物である。
種々の実施形態において、前記有害生物防除効力は、昆虫、線虫及び草食動物を含む1種以上の有害生物を、昆虫と接触してから、好ましくは14日間以内、より好ましくは7日間以内に忌避し、無能力化し、不妊化し、成長を妨げ、又は、死滅させることが可能であり、さらにより好ましくは、1種以上の植物病害虫を7日間以内に死滅させることが可能である。
従って、本明細書において用いられるところ、「殺虫性組成物」は、殺虫効力を有する少なくとも1種の薬剤を含む(comprises)か、又は、含む(includes)組成物である。
本明細書において用いられるところ、「機能的変形例」という用語は、1種以上のロリンアルカロイドに対する参照において、例えば1種以上のロリンアルカロイドに関して、特定的に同定されるエンティティとは異なり、例えば1つ又は複数の基が削除、置換又は付加されているが、特定的に同定されるロリンアルカロイドによって誘発される1種以上の生物学的効果を誘発する能力などの特定的に同定されるエンティティの生物学的活性の1つ又は複数を少なくとも部分的に有するロリンアルカロイドを指す。
本事例において、機能的変形例は、本発明の特定的に同定されるロリンアルカロイド又は組成物の有害生物防除活性の少なくとも一部を保持することが好ましいであろう。
殺虫効力などの本発明のロリンアルカロイドによって誘発される1種以上の生物学的効果を判定するための方法及びアッセイは技術分野において周知であり、このような方法及びアッセイを用いて、1種以上の本発明のロリンアルカロイドの機能的変形例の1種以上を同定又は検証することが可能である。例えば、本発明のロリンアルカロイド又は組成物に係る、実施例において本明細書に記載のものなどの標的有害生物を死滅させるか、その成長に他の方法で拮抗する能力のアッセイは、本発明のロリンアルカロイド又は組成物の1種以上の機能的変形例の同定に適用可能である。
本明細書において用いられるところ、「植物」という用語は、植物全体を包含するのみならず、根、葉、花、種子、茎、カルス組織、堅果及び果実、鱗茎、塊茎、球茎、子実、挿木、根ストック又は移植片を含む植物部位、挿木並びに植物産物に及び、植え付け前、栽培中、及び、収穫時若しくは収穫後に関わらずいずれかの植物材料を含む。本発明の適用により利益を享受し得る植物は広範囲の農業用及び園芸作物をカバーする。本発明の組成物はまた、有機生産システムにおける適用に特に好適である。
本発明の有害生物防除組成物などの有害生物防除薬に関して用いられる場合、「有害生物防除効力を保持している」という句、並びに、その文法的な均等物及び変形は、薬剤がいまだ有用な有害生物防除活性を有していることを意味することが意図されている。好ましくは、保持されている活性は、元の活性の少なくとも約35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、99又は100%であり、及び、有用な範囲はこれらの値のいずれかの間で選択され得る(例えば、約35〜約100%、約50〜約100%、約60〜約100%、約70〜約100%、約80〜約100%及び約90〜約100%)。例えば、本明細書に記載のロリンアルカロイドの好ましい機能的変形例は、有害生物防除活性を保持しているべきであり、すなわち、特定の親ロリンアルカロイドの有害生物防除活性の少なくとも約35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、99又は100%を保持しているべきである。同様に、好ましい本発明の組成物は、これらが含む有害生物防除薬の有用な有害生物防除活性の維持を支持することが可能であり、理想的には、本明細書において想定される方法を用いて適用されるまで有害生物防除活性を保持する、と言うことが可能である。
同様に、殺虫性組成物などの殺虫薬に関連して用いられる場合、「殺虫効力を保持」という句、並びに、その文法的な均等物及び変形は、薬剤がまだ有用な殺虫活性を有していることを意味することが意図されている。好ましくは、保持されている活性は、元の活性の少なくとも約35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、99又は100%であり、有用な範囲は、これらの値のいずれかの間で選択され得る(例えば、約35〜約100%、約50〜約100%、約60〜約100%、約70〜約100%、約80〜約100%及び約90〜約100%)。例えば、本発明の好ましい機能的変形例は、殺虫活性を保持しているべきであり、すなわち、特定の親ロリンアルカロイド又はこれを含む画分の殺虫活性の少なくとも約35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、99又は100%を保持しているべきである。同様に、好ましい本発明の組成物は、これらが含む殺虫薬の有用な殺虫活性の維持を支持することが可能であり、理想的には、本明細書において想定される方法を用いて適用されるまで殺虫活性を保持する、と言うことが可能である。
本明細書において用いられるところ、「溶剤」という用語は、他の化合物を溶解又は分散させるために用いられる1種以上の化合物を指す。本明細書において用いられるところ、「溶剤系」という用語は、1種以上の溶剤の混合物を指し、特に、配合物中に存在する溶剤系を参照するために用いられる場合、配合物中に存在する溶剤の全体性を想定している。
本明細書において用いられている一般的な化学用語は、それらの通常の意味を有する。
本明細書において用いられるところ、用語「ヒドロキシル基の全量」若しくは「OH基の全量」という用語、又は、文法的に均等な変形は、対象組成物中に存在するヒドロキシル基のモル数を指し、それ故、溶剤の寄与によるヒドロキシル基、及び、いずれかの水又は存在する他のコンポーネントの寄与によるヒドロキシル基を含む。
本明細書において用いられるところ、「窒素含有基の全量」という用語、又は、その文法的に均等な変形は、対象組成物中に存在するアンモニア、第一級アミン基、第二級アミン基及びこれらの組み合わせなどの窒素含有基のモル数を指し、それ故、溶剤又は存在する他のコンポーネントの寄与によるアミン基を含む。
本明細書において用いられるところ、「脂肪族」という用語は、単独で、又は、他の用語との組み合わせで、別段の記載がない限り、飽和及び不飽和、直鎖及び分岐、非環式炭化水素を指す。当業者は、脂肪族基は、例えばアルキル及びアルケニル基を含むことを認識するであろう。いくつかの実施形態において、脂肪族基は、1〜12個、1〜10個、1〜8個、1〜6個又は1〜4個の炭素原子を有する。
本明細書において用いられるところ、「脂環式」という用語は、単独で、又は、他の用語との組み合わせで、別段の記載がない限り、飽和及び不飽和、非芳香族、環式炭化水素を指す。当業者は、脂肪族基は、例えばシクロアルキル基を含むことを認識するであろう。いくつかの実施形態において、脂環式基は、3〜12個、3〜10個、3〜8個、3〜6個、3〜5個の炭素原子を環中に有する。
本明細書において用いられるところ、「アルキル」という用語は、単独で、又は、他の用語との組み合わせで、別段の記載がない限り、直鎖及び分岐鎖飽和非環式炭化水素基を指す。いくつかの実施形態において、アルキル基は、1〜12個、1〜10個、1〜8個、1〜6個又は1〜4個の炭素原子を有する。直鎖アルキル基の例としては、これらに限定されないが、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル及びn−オクチルが挙げられる。分岐アルキル基の例としては、これらに限定されないが、イソプロピル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル、ネオペンチル、イソペンチル及び2,2−ジメチルプロピルが挙げられる。
本明細書において用いられるところ、「アルケニル」という用語は、単独で、又は、他の用語との組み合わせで、別段の記載がない限り、2個の炭素原子間に少なくとも1つの二重結合を有する直鎖及び分岐鎖非環式炭化水素基を指す。いくつかの実施形態において、アルケニル基は、2〜12個、2〜10個、2〜8個、2〜6個又は2〜4個の炭素原子を有する。いくつかの実施形態において、アルケニル基は、1、2又は3つの炭素−炭素二重結合を有する。アルケニル基の例としては、これらに限定されないが、ビニル、アリル、−CH=CH(CH)、−CH=C(CH、−C(CH)=CH及び−C(CH)=CH(CH)が挙げられる。
本明細書において用いられるところ、「シクロアルキル」という用語は、単独で、又は、他の用語との組み合わせで、別段の記載がない限り、飽和環式炭化水素基を指す。シクロアルキル基は、単環式、二環式又は三環式基を含む。いくつかの実施形態において、シクロアルキル基は、3〜12個、3〜10個、3〜8個、3〜6個、3〜5個の炭素原子を環中に有する。いくつかの実施形態において、シクロアルキル基は、5個又は6個の環炭素原子を有する。単環式シクロアルキル基の例としては、これらに限定されないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル及びシクロオクチルが挙げられる。いくつかの実施形態において、シクロアルキル基は、3〜8個、3〜7個、3〜6個、4〜6個、3〜5個又は4〜5個の環炭素原子を有する。二環式及び三環式環系は、架橋、スピロ及び縮合シクロアルキル環系を含む。二環式及び三環式環シクロアルキル系の例としては、これらに限定されないが、ビシクロ[2.1.1]ヘキサニル、ビシクロ[2.2.1]ヘプタニル、アダマンチル及びデカリニルが挙げられる。
本明細書において用いられるところ、「アシル」という用語は、単独で、又は、他の用語との組み合わせで、別段の定めがある場合を除き、R50が水素、アルキル、シクロアルキル及びアリールから選択される、R50C(O)−基を指す。いくつかの実施形態において、R50は、アルキル、シクロアルキル及びアリールから選択される。いくつかの実施形態において、アシルはC1−20アルキルC(O)−である。
本明細書において用いられるところ、「アリール」という用語は、単独で、又は、他の用語との組み合わせで、別段の記載がない限り、環ヘテロ原子をまったく含有しない環式芳香族炭化水素基を指す。アリール基は、単環式、二環式及び三環式環系を含む。アリール基の例としては、これらに限定されないが、フェニル、アズレニル、ヘプタレニル、ビフェニル、フルオレニル、フェナントレニル、アントラセニル、インデニル、インダニル、ペンタレニル及びナフチルが挙げられる。いくつかの実施形態において、アリール基は、6〜14個、6〜12個又は6〜10個の炭素原子を環中に有する。いくつかの実施形態において、アリール基は、フェニル又はナフチルである。アリール基は、芳香族−脂肪族縮合環系を有する。例としては、これらに限定されないが、インダニル及びテトラヒドロナフチルが挙げられる。
本明細書において用いられるところ、「アルキレン」という用語は、単独で、又は、他の用語との組み合わせで、別段の記載がない限り、多価アルキル基を指す。いくつかの実施形態において、アルキレンはアルキル基のジラジカルである。いくつかの実施形態において、アルキレン基は、1〜6個、1〜4個、2〜6個、2〜4個、1〜3個、又は、2個若しくは3個の炭素原子を有する。アルキレン基のラジカルは、基中における同一の炭素原子上にあっても、又は、異なる炭素原子上にあってもよい。
本明細書において用いられるところ、「アリール脂肪族」という用語は、単独で、又は、他の用語との組み合わせで、別段の記載がない限り、アリール基で置換された脂肪族基を指す。アリール脂肪族基の例としては、これらに限定されないが、アリールアルキル基が挙げられる。
本明細書において用いられるところ、「アリールアルキル」という用語は、単独で、又は、他の用語との組み合わせで、別段の記載がない限り、アリール基で置換されたアルキル基を指す。いくつかの実施形態において、アリールアルキルはアリールC1−6アルキルである。アリールアルキル基の例としては、これらに限定されないが、ベンジルが挙げられる。
本明細書において用いられるところ、「アルコキシ」という用語は、単独で、又は、他の用語との組み合わせで、別段の記載がない限り、アルキル−O−基を指す。種々の実施形態において、アルコキシはC1−6アルキル−O−基である。
本明細書において用いられるところ、「ヘテロシクリル」という用語は、単独で、又は、他の用語との組み合わせで、別段の記載がない限り、3個以上の環原子(その1個以上がヘテロ原子である)を含有する非芳香族環系を含むことが意図されている。いくつかの実施形態において、ヘテロ原子は、窒素、酸素又は硫黄である。いくつかの実施形態において、ヘテロシクリル基は、1、2、3又は4個のヘテロ原子を含有する。いくつかの実施形態において、ヘテロシクリル基は、3〜16、3〜14、3〜12、3〜10、3〜8又は3〜6個の環原子を有する単環式、二環式及び三環式環を含む。ヘテロシクリル基は、例えば、イミダゾリニル及びイミダゾリジニルといった部分飽和及び飽和環系を含む。ヘテロシクリル基は、例えばキヌクリジルといった、ヘテロ原子を含有する縮合及び架橋環系を含む。ヘテロシクリル基としては、これらに限定されないが、アジリジニル、アゼチジニル、アゼパニル、ジアゼパニル、1,3−ジオキサニル、1,3−ジオキソラニル、イソキサゾリジニル、モルホリニル、ピペラジニル、ピペリジニル、ピラニル、ピラゾリジニル、ピロリニル、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、チアジアゾリジニル及びトリチアニルが挙げられる。
「ヘテロ原子」という用語は、本明細書において用いられるところ単独で、又は、他の用語との組み合わせで、酸素、窒素、硫黄又はリンを含むことが意図されている。いくつかの実施形態において、ヘテロ原子は、酸素、窒素及び硫黄からなる群から選択される。
本明細書において用いられるところ、「ハロ」又は「ハロゲン」という用語は、単独で、又は、他の用語との組み合わせで、別段の記載がない限り、F、Cl、Br及びIを含むことが意図されている。
本明細書において用いられるところ、「ハロアルキル」という用語は、単独で、又は、他の用語との組み合わせで、別段の記載がない限り、1つ以上のハロで置換されたアルキル基を指す。
本明細書において用いられるところ、「ハロアルコキシ」という用語は、単独で、又は、他の用語との組み合わせで、別段の記載がない限り、アルキルが1つ以上のハロで置換されたアルキル−O−基を指す。
本明細書において言及されている化学基の文脈において、各事例における、式Cn−m(式中、n及びmは各々整数である(例えば、接頭部C1−12、C1−6、C2−6、C1−5、C1−4、C2−4、C1−3、C2−4等))の接頭部は、その基中における炭素原子の可能な数を示す。例えば、C1−6アルキルは、1〜6個の炭素原子を有するアルキル基を指す。
本明細書において用いられるところ、「安定」という用語は、本発明の組成物に関して用いられる場合、数週間、好ましくは、約1、約2、約3、約4カ月、好ましくは約5カ月、より好ましくは、約6カ月、又は、それを超えて、有害生物防除効力を支持することが可能である組成物を意味する。「安定」という用語はまた、NFLを含む本発明の組成物に関して用いられる場合、NFLの加水分解を低減又は防止するために配合された組成物を想定する。例えば、安定な本発明の組成物の一定の実施形態は、約−20、4、10、15、20、25、30、35、40、45、50、54、55若しくは約60℃の温度又は周囲温度、1atmの圧力で保管された場合に、約1、2、3若しくは4週間、又は、約1、2、3、4、6、9、12、18、24、36若しくは48カ月の後に、組成物中のNFLが、約5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%、99%又は約100%未満分解又は加水分解されているよう配合される。有用な範囲はこれらの値のいずれかの間で選択され得る。好ましくは、本発明の組成物は、周囲温度(20℃)、1atmの圧力で、2年の期間安定である。
本明細書に記載の組成物の保管安定性をテストする方法及びアッセイは技術分野において公知である。例としては、Pesticide Specifications,Manual on the development and use of FAO and WHO specifications for Pesticides,third revision of the first edition,World Health Organization and Food and Agriculture Organization of the United Nations,Rome 2010に記載されている方法が挙げられる。実施例に記載されている保管安定性を判定する標準的な方法は、組成物を54℃の温度(1atm)で2週間温置することである。保管の前後における組成物中のN−ホルミルロリンの濃度を計測して、保管期間にわたるN−ホルミルロリンの濃度の低減が判定される。比較的短い期間にわたる高温での保管安定性の判定は、より長い期間にわたるより低い温度での保管安定性の有用な指標であり得る。例えば、54℃(1atm)で2週間保管した場合のN−ホルミルロリンに係る約10%未満の低減は、その組成物が、周囲温度(約20℃)、1atmの圧力で2年を超える貯蔵性を有するものであることを示し得る。
「周囲」という用語は、本発明の方法及び組成物に対する植物対象への参照に用いられる場合、植物又はその根、塊茎等に隣接するかその周りの、水、落ち葉及び/又は成長培地、隣接する植物、前記植物の挿木、支持、植物に投薬される水、並びに、種子粉衣を含むコーティングを含む。これはさらに、保護コーティング、箱及び包装材などの保管、パッケージング又は加工材料、並びに、植え付け、維持管理又は収穫用器具を含む。
「経口投薬」という用語は、経口投薬、口腔内投薬、経腸投薬及び胃内投薬を含む。
「非経口投薬」という用語は、特に限定されないが、局部投薬(経皮、表皮又は粘膜面いずれかへの投薬を含む)、皮下投薬、静脈内投薬、腹腔内投薬、筋肉内投薬及び腫瘍内投薬(腫瘍へのいずれかの直接投薬を含む)が挙げられる。
名詞に続く「(s)」という用語は、単数形若しくは複数形、又は両方を想定している。
「対象」という用語は、動物、好ましくは哺乳類、より好ましくは哺乳類の伴侶動物又はヒトを指すことを意図している。好ましい伴侶動物としては、ネコ、イヌ及びウマが挙げられる。他の哺乳類の対象としては、ウマ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、ウシ、シカ若しくはニワトリを含む農業用動物、又は、サル、ラット、マウス、ウサギ若しくはテンジクネズミを含む実験動物が挙げられる。他の対象としては、ダチョウ、エミュー、メンドリ、ガチョウ、シチメンチョウ及びカモ中のトリ;並びに、淡水魚又は海水魚が挙げられる。
「処置」という用語及びその変形は、可能な限り広い文脈で解釈されるべきである。この用語は、対象が完全に回復するまで処置されることを意味するとされるべきではない。従って、「処置」は広義に、対象の病害の進行又は症状の実質的に定常的なレベルでの維持、対象の回復速度の増加、症状の発症又は特定の状態の重症度の寛解及び/又は予防、又は、患者のクオリティオブライフの拡張を含む。「処置」という用語はまた、広義に、感受性の固体に係る良好な健康の維持及び病害、感染又は外寄生予防のためのスタミナの蓄積を含む。
本明細書において用いられるところ、「寄生性感染」という用語は、対象中及び対象上における外的寄生生物(外寄生生物)又は内的寄生生物(内寄生生物)の感染又は外寄生を意味する。
本明細書において用いられる「窒素含有基」という用語は、別段の規定がある場合を除き、アンモニア、第一級アミン基、第二級アミン基又はこれらの組み合わせを意味する。
2.ロリンアルカロイド
ロリンアルカロイドは、イネ科植物の感染に際して、内部寄生菌、特にエピクロエ属(Epichlooe)の内部寄生菌(これは、命名法の再編成に従って、現在では、以前は別分類とされていた無性世代ネオティホディウム属(Neotyphodium)を含む)によって共生的に生成される。これらの内部寄生菌は生体保護的であり、有害生物に対する保護、並びに、場合により干ばつ及び病害に対する保護を、これらが一部を形成する共生生物に与えると考えられている。
本発明の組成物において用いられるロリンアルカロイドは、1つ以上の細胞−溶解ステップと組み合わされて(例えば細胞内ロリンアルカロイド)、又は、組み合わされずに(例えば成長培地中に分泌されたロリンアルカロイド)、例えば分別、ろ過又は沈降技法(例えば遠心分離)によるものといった技術分野において周知である方法によって、内部寄生菌から精製され得る。或いは、ロリンアルカロイドは、内部寄生菌に感染している植物の種子、群葉又は茎などの植物材料から、上記のものを含む技術分野において公知である方法を用いて、精製され、単離され、又は、抽出され得る。
本発明の組成物に用いられるロリンアルカロイドは、技術分野において周知である方法を用いて、合成又は発酵により生成され得る。
種々の実施形態において、実質的に精製されたロリンアルカロイドを含む組成物が特定的に想定される。
本発明者らは、特にN−ホルミルロリン(NFL)といったロリンアルカロイドは、特に少なくとも部分的に精製されている場合に、長期の保管期間にわたって分解され得ることを立証した。いかなる理論にも束縛されることは望まないが、NFLは加水分解により分解されてロリンを形成すると考えられている。
3.本発明の組成物
一態様において、本発明は、上記に記載されている、式[II]の構造を有するN−ホルミルロリン:
を含む組成物を提供する。
本明細書において用いられるところ、「少なくとも部分的に精製されている」とは、N−ホルミルロリンなどの化合物を参照して用いられている場合、N−ホルミルロリンが、少なくとも部分的に精製された状態における化合物の濃度が少なくとも部分的な精製前のその濃度よりも高くなるよう、1種以上の汚染物又は望ましくない薬剤を化合物から除くことを目的とする少なくとも1つの精製又は単離ステップを経ていることを意味する。一実施形態において、少なくとも部分的な精製は、部分的に精製された状態において、対象化合物の相対濃度の少なくとも5%w/wの上昇を想定する。
例えば、少なくとも部分的な精製は、少なくとも部分的に精製された状態における1種以上のロリンアルカロイド化合物の相対濃度が少なくとも部分的な精製前におけるその濃度と比して高くなるような、特にN−ホルミルロリンといった1種以上のロリンアルカロイド化合物を含む粗抽出物の1種以上の汚染物の除去を想定する。
他の態様において、本発明は、式[II]の構造を有するN−ホルミルロリンと
1種以上の溶剤とを含む組成物を提供するものであり、ここで、組成物中に存在するN−ホルミルロリンの濃度は、54℃(1atm)で少なくとも2週間保管された場合に、約10%未満低減する。
種々の実施形態において、1種以上のロリンアルカロイドは少なくとも部分的に精製されたロリンアルカロイドである。例えば、1種以上のロリンアルカロイドは実質的に純粋であり、すなわち、いずれかの他の化合物を実質的に含まない。一実施形態において、実質的に純粋なロリンアルカロイドは、10%未満の不純物、例えば約5%未満の不純物、又は、約1%未満の不純物を含有する。従って、「実質的に純粋」という用語は、関連するロリンアルカロイドのサンプルが、90%超のロリンアルカロイド、例えば95%超のロリンアルカロイド、又は、99%超のロリンアルカロイドを含有することを意味する。
いかなる理論にも束縛されることは望まないが、本発明者らは、NFLの分解は、ヒドロキシル基のモル比の増加、及び/又は、系の求核係数の増加に伴って増大することを立証した。本発明者らは、約20未満のNFLに対するヒドロキシル及び窒素含有基の全量のモル比、及び/又は、約0.6eV未満、好ましくは0.5eV未満の求核係数を有する組成物中にNFLが配合されている場合に、NFLの分解速度が低減されることを立証した。
本発明の組成物は、例えば、グリコール若しくはそのエーテル、アミド、3〜8個の炭素原子を含むケトン、脂環式アルコール、又は、エステルといった、1種以上の溶剤を含み得る。例えば、本発明の組成物は、ジメチルラクトアミド(DMLA)、ジプロピレングリコールメチルエーテル(例えばDOWANOL(商標)DPM)、エチレングリコールフェニルエーテル(例えばDOWANOL(商標)EPH)、アセトフェノン、シクロヘキサノール、又は、アジピン酸、グルタル酸及びコハク酸のジエステルの1種以上を含み得る。本発明者らは、ヒドロキシル基を含む溶剤、ヒドロキシル基を含む界面活性剤、及び/又は、ヒドロキシル基を含む他の化合物を実質的に含まない組成物中にNFLが配合されている場合に、NFLの分解速度が著しく低減されることを見出した。
「実質的に含まない」という用語は、本明細書に記載の組成物が、ヒドロキシル及び/若しくは窒素含有基を含む溶剤、ヒドロキシル及び/若しくは窒素含有基を含む界面活性剤、並びに/又は、ヒドロキシル及び/若しくは窒素含有基を含む他の化合物を実質的に含まない、ということに関して本明細書において用いられるところ、この組成物が、約50%、40%、30%、25%、20%、15%、10%、5%、2%未満又は約1重量%未満のヒドロキシル及び/若しくは窒素含有基を含む溶剤、ヒドロキシル及び/若しくは窒素含有基を含む界面活性剤、並びに/又は、ヒドロキシル及び/若しくは窒素含有基を含む他の化合物を含むことを意味する。
「実質的に含まない」という用語は、溶剤及び/又は界面活性剤がヒドロキシル及び/又は窒素含有基を実質的に含まない、ということに関して本明細書において用いられるところ、溶剤及び/又は界面活性剤化合物が、化合物当たり約1、2、3、4又は約5個未満のヒドロキシル及び/又は窒素含有基を含むことを意味する。
例えば、当業者は、上記の方法及び技術分野において公知である他の方法を用いて、ヒドロキシル及び窒素含有基のモル量を計測し、求核係数を測定し、及び/又は、溶剤又は溶剤の組み合わせにおけるNFLの分解速度をテストすることにより、本発明の組成物において用いられる好適な溶剤又は溶剤の組み合わせを特定することが可能である。
本発明の組成物において用いられる溶剤及び/又は界面活性剤は、生分解性であり、農学的及び/若しくは園芸的に許容可能であり、ヒト及び/若しくは非ヒト動物に無毒性であり、並びに/又は、植物無毒性であることが望ましい。
本発明の組成物が以下の特性の1つ以上を有していることが望ましい。
好ましくは、本発明の組成物又は本発明の希釈組成物は、例えば植物群葉といった標的生息地に適用された場合に、十分な湿潤能を有する。例えば、組成物は、群葉全体にすぐに浸透及び拡散し、群葉の表面上における組成物の玉は形成されず、また、一旦組成物が乾燥したら群葉の表面上に残渣は残留しない。
好ましくは、組成物が適用された後に、1種以上のロリンアルカロイドは標的生息地に浸透する。本発明の組成物で処置された植物によるロリンアルカロイドの摂取は、上記において考察されている方法を用いて判定され得る。
本発明の代替的な実施形態において、組成物が種子粉衣中に配合されている場合、被覆された種子から成長する実生は、被覆されていない種子から成長する実生と比してより多くの量の1種以上のロリンアルカロイドを含む。
好ましくは、1種以上のロリンアルカロイドは、長期にわたる保管期間にわたって、本発明の組成物中に実質的に可溶性のままである。例えば、1種以上のロリンアルカロイドは、約−20、4、10、15、20、25、30、35、40、45、50、54、55若しくは約60℃の温度又は周囲温度での約1、2、3若しくは4週間、又は、約1、2、3、4、6、9、12、18、24、36若しくは48ヶ月の期間にわたる保管で、組成物中に実質的に可溶性のままである。
好ましくは、本発明の組成物は、水若しくは他のキャリア又は適用前に組成物の希釈に用いられる補助剤中に実質的に可溶性である。
4.有害生物の防除
昆虫などの有害生物に対して有効であると共に本発明による使用に好適である本発明の組成物は、本発明の組成物と比較される対照処理剤と比して、標的有害生物種の個体群を統計的に有意な量で低減させる効果を有するものとして同定される。このような組成物は、有害生物防除効力を有するものとしてみなすことが可能である。本明細書に記載されているとおり、標的有害生物の個体群の低減は種々の拮抗メカニズムによるものであり得る。例えば、組成物は、有害生物の成長又は発達を無能力化し、不妊化し、阻害し得、及び/又は、好ましくは有害生物を死滅させ得、又は、成長と、本発明のロリンアルカロイドと一緒に組成物中に存在する(個別、同時又は順次にのいずれかで)有害生物防除性真菌などの同様に存在する1種以上の他の有害生物防除剤の有害生物防除効力とを支持若しくは促進し得る。このように、本発明の組成物は、有害生物を、無能力化し、不妊化し、及び/又は、好ましくは死滅させる有害生物防除剤の能力を実現可能とし、又は、支持し得る。本発明の組成物はまた、例えば組成物が適用される植物又はその周囲といった環境を、有害生物にとって好ましくないものとすることによって、標的有害生物の個体群を低減し得る。本実施形態において、組成物は、忌避剤として作用し、植物若しくはその周囲などの生息地の近傍における標的有害生物の有効個体群を低減させるとみなされ得る。
種々の実施形態において、本発明の組成物は、対照処理剤と比した関連する昆虫種の個体群の低減割合としての表記で、約5、10、15、20、25、30、35、40、45、又は、より好ましくは少なくとも約50%の有害生物防除効力を示す。
有害生物防除効力は本発明の組成物に望ましい。本発明の組成物は、防除剤としての使用に好適とされる追加の特徴を有し得る。例えば、本発明の組成物は、究極的には、防除剤として効果的である形態及び濃度で、植物若しくはその周囲などの標的生息地への適用が可能であるよう、合理的な期間の間、効果的な形態で貯蔵が可能であるべきである。
本発明の組成物が1種以上のロリンアルカロイドの機能的変形例の1つ以上を含み得、又は、本発明の方法が1種以上のロリンアルカロイドの機能的変形例の1つ以上を使用し得ることを当業者は認識するであろう。ロリンアルカロイドと、その機能的変形例との組み合わせもまた本明細書において有用である。
本明細書に開示の組成物は、広く多様な農業、園芸、医学又は獣医学における有害生物、昆虫及び/又は病原体に対する、並びに、広く多様な環境における局部的及び/又は浸透移行適用のための防除組成物として特定の実用性が見出されるであろうことを本発明者らは想定する。
当業者には明らかであろうとおり、本発明の組成物は、特定の標的生息地への投薬のために、本明細書に記載のものなどの好適な形態に配合され得る。
農業及び園芸的使用
本発明では、例えば、米国、ニュージーランド及び欧州の国々のものを含む多くの国の農業及び園芸部門で植物有害生物における有害生物防除剤耐性の増大に関する問題に直面していることが認識されている。この問題は、いくつかの規制制度下において、規制上の障壁による新規の化学殺虫剤の入手可能性の低減、及び、市場からの既存の化学殺虫剤の排除によって、複雑化している。
本発明に利用可能となった有害生物防除性ロリンアルカロイドの使用により、この問題に対する解決法が提示されている。
本明細書に開示の組成物は、農作物、イネ科植物、果実及び野菜、芝生、高木並びに/又は観賞用植物への適用などの園芸及び農業産業における局部的及び/又は浸透移行性適用のための防除組成物としての特定の実用性が見いだされるであろうことを本発明者らは想定する。他の主な作物としては、これらに限定されないが、トウモロコシ、コムギ、ダイズ、綿、イネ、アブラナ(カノーラ)、ブドウ、リンゴ、セイヨウナシ、サクランボ、モモ、ジャガイモ、トマト、アブラナ属、カボチャ、コダチトマト、イチゴ、キュウリ、タマネギ、トウガラシ、レタス、サトウキビ、ヒマワリ、ライ麦、カカオ、コーヒー、柑橘果実及びペポカボチャが挙げられる。本明細書に開示の組成物は、有害生物を死滅させるか、又は、有害生物個体群を防除する、粉剤、粉末若しくはエアロゾル、又は、他の水性若しくは微粒化形態として配合され得る。本明細書に開示の組成物は、予防的に用いられ得、又は、代替的に、処理されるべき特定の環境において標的有害生物が一度確認されてから環境に投薬され得る。組成物は個別のロリンアルカロイドを含み得、又は、本明細書に開示のロリンアルカロイドの種々の組み合わせを含有し得る。
適用方法に関わらず、活性なコンポーネントの量は有害生物防除的に有効な量で適用され、これは、例えば防除されるべき特定の標的有害生物、特定の環境又は場所、例えば処理されるべき植物、作物又は農業用の敷地、環境条件、並びに、方法、割合、濃度、安定性、及び、有害生物防除性活性組成物の適用量などの要因に応じて様々であろう。配合物はまた、気候条件、環境的事項、及び/又は、適用頻度及び/又は有害生物外寄生の重症度に関連して様々であり得る。
記載されている組成物は、本発明の組成物を、任意選択により1種以上の他の薬剤と共に、所望される農学的に許容可能なキャリアと配合することにより形成され得る。組成物は、凍結乾燥、凍結乾燥、乾燥などの適切な手段で、又は、水性キャリア、媒体又は塩類溶液若しくは他の緩衝剤などの好適な希釈剤中において、投薬前に配合され得る。配合した組成物は、粉剤若しくは粒状材料、又は、油中の懸濁液(植物性又は無機)、又は、水若しくは油/水エマルジョンの形態、又は、水和剤として、又は、農業用用途に好適ないずれかの他のキャリア材料との組み合わせであり得る。好適な農業用キャリアは固体又は液体であることが可能であり、技術分野において周知である。「農学的に許容可能なキャリア」という用語は、殺虫剤配合技術において通常用いられるすべての補助剤、不活性コンポーネント、分散剤、界面活性剤、粘着剤、バインダ等を包含し;これらは、殺虫剤配合物における当業者に周知である。配合物は、1種以上の固体又は液体補助剤と混合され得、及び、例えば、従来の配合技術を用いて、殺虫性組成物を好適な補助剤と共に均質混合、ブレンド及び/又は粉砕することによって、種々の手段で調製され得る。
水分散性顆粒
他の実施形態において、本発明の組成物は水分散性顆粒を含む。この顆粒は、1種以上の本発明の組成物を、任意選択により、1種以上の他の薬剤と共に含む。
粉末、粉剤及び乾燥配合物
他の実施形態において、本発明の組成物は、水和剤、粉剤、乾燥配合物、ペレット又はコロイド状濃縮物を含む。この粉末は、1種以上の本発明の組成物を、任意選択により、1種以上の他の薬剤と共に含む。本発明の組成物のこのような乾燥形態は、湿らせた場合にすぐに溶解するよう、又は、代替的に、徐放性、持効性又は他の時間依存の様式で溶解するよう配合され得る。このような組成物は、標的有害生物に適用されるか、又は、標的有害生物により摂取され得、これにより、所与の環境における有害生物の数又はこのような有害生物の拡散の制御に用いられ得る。
水性懸濁液
他の実施形態において、本発明の組成物は、1種以上のロリンアルカロイドの水性懸濁液を、任意選択により、1種以上の溶解されているか、又は、そうでなければ死んでいる、又は、非生存内部寄生菌細胞(ロリンアルカロイドの生成に用いられる1種以上の内部寄生菌細胞を含む)と一緒に含み、これは、例えば培養ろ液、培養上澄、培養媒体、又は、これらから得られる抽出物若しくは画分を含む。このような水性懸濁液は、適用に先立って希釈される濃縮ストック溶液、又は、代替的に、すぐに適用可能な希釈液として提供され得る。
本発明の組成物が完全な状態であるが死細胞を含む場合、このような組成物は、多様な方法で配合され得る。これらは無機ミネラル(フィロケイ酸塩、炭酸塩、硫酸塩、リン酸塩等)又は植物由来物質(粉末化した穂軸、もみ殻、クルミの殻等)などの種々の不活性材料と混合されることにより、水和剤、顆粒又は粉剤として採用され得る。これらの配合物は、拡展−展着補助剤、安定化剤、他の有害生物防除性添加剤又は界面活性剤を含み得る。液体配合物は、水性又は非水性であり得、フォーム、懸濁液、乳化性濃縮物等として採用され得る。処方成分は、レオロジー剤、界面活性剤、乳化剤、分散剤又はポリマーを含み得る。
多官能性配合物
例えば複数の有害生物種の防除が所望される場合などといった一定の実施形態において、本明細書に記載の配合物はまた、1種以上の化学的有害生物防除剤(化学的有害生物防除剤、抗線虫薬、殺菌・殺カビ剤、抗ウイルス薬、殺微生物剤、殺アメーバ薬、殺虫剤等など)などの1種以上の他の薬剤、及び/又は、本明細書において同定されている殺虫性ロリンアルカロイドと同一又は異なる殺虫活性若しくは殺虫特異性を有する1種以上のロリンアルカロイドをさらに含み得る。本発明の組成物はまた、配合物を一回投薬した後における標的領域への長期の投薬を可能とする、肥料、除草剤、抗凍結剤、界面活性剤、洗剤、モノフルオロトリン、ドーマントオイル(dormant oil)、ポリマー、及び/又は、持続放出性若しくは生分解性キャリア配合物などの他の処理剤と併せて用いられ得る。同様に、配合物は、可食性の「餌」に調製され得、又は、標的有害生物による組成物の給餌若しくは摂食が可能である有害生物「トラップ」とされ得る。
本発明の組成物はまた、環境部位に単独で、又は、1種以上の殺虫剤、有害生物防除剤、化学物質、肥料若しくは他の化合物を含む1種以上の追加の薬剤と組み合わされて、連続投薬又は同時投薬に用いられ得る。
本発明の組成物はまた、1種以上の農学的に許容可能なキャリアを含む1種以上のキャリアを含み得る。一実施形態において、農学的に許容可能なキャリアなどのキャリアは、固体又は液体であることが可能である。本明細書において有用なキャリアとしては、農業用組成物の配合に典型的に用いられるいずれかの物質が挙げられる。
一実施形態において、農学的に許容可能なキャリアは、充填材、溶剤、賦形物、界面活性剤、懸濁剤、拡展剤/展着剤(接着剤)、消泡剤、分散剤、湿潤剤、ドリフト低下剤(drift reducing agent)、助剤、補助剤又はこれらの混合物を含む群から選択され得る。
本発明の組成物は、十分に確立された手法により、例えば、濃縮物、溶液、エアロゾル、浸漬浴、浸液、エマルジョン、水和剤、可溶性の粉末、懸濁液濃縮物、粉剤、顆粒、水分散性顆粒、マイクロカプセル、ペースト、ゲル及び他の配合物タイプとして配合され得る。
これらの手法は、充填材、溶剤、賦形物、界面活性剤、懸濁剤、拡展剤/展着剤(接着剤)、消泡剤、分散剤、湿潤剤、ドリフト低下剤(drift reducing agent)、助剤及び補助剤などの農学的に許容可能なキャリア物質を伴った、活性処方成分の混合及び/又は粉末化を含む。
一実施形態において、固体キャリアとしては、これらに限定されないが、ケイ酸、シリカゲル、ケイ酸、タルク、カオリン、活性白土、石灰岩、生石灰、チョーク、油粘土、黄土、クレイ、苦灰石、珪藻土、アルミナ、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、酸化マグネシウムなどの無機質の土類、粉砕したプラスチック、硫酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、硝酸アンモニウム及び尿素などの肥料、並びに、子実荒粉、樹皮荒粉、木材荒粉及び堅果殻荒粉などの植物性の産物、セルロース系粉末等が挙げられる。顆粒用の固体キャリアとしては、以下が好適である:方解石、大理石、軽石、セピオライト及び苦灰石などの破砕又は画分化した天然の岩石;無機又は有機荒粉の合成顆粒;おがくず、ココナツの殻、トウモロコシ穂軸、トウモロコシの包葉又はタバコの茎などの有機材料の顆粒;キースラガー、リン酸三カルシウム、コルク粉又は吸収剤カーボンブラック;水溶性ポリマー、樹脂、ワックス;又は、固体肥料。このような固体組成物は、所望の場合には、固体である場合に希釈剤ともされ得る、1種以上の相溶性の湿潤剤、分散剤、乳化剤又は着色剤を含有し得る。
一実施形態において、キャリアはまた、液体、例えば、水;アルコール、特にブタノール又はグリコール、並びに、そのエーテル又はエステル、特に、酢酸メチルグリコール;ケトン、特にアセトン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン又はイソホロン;パラフィン系炭化水素又は芳香族炭化水素などの石油留分、特にキシレン又はアルキルナフタレン;無機油又は植物油;脂肪族塩素化炭化水素、特にトリクロロエタン又は塩化メチレン;芳香族塩素化炭化水素、特にクロロベンゼン;ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド又はN−メチルピロリドンなどの水溶性又は強極性溶剤;液化ガス等、又は、これらの混合物であり得る。
一実施形態において、界面活性剤としては、ノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤及び/又は両性界面活性剤が挙げられ、凝集物の残留能を促進する。
拡展剤/展着剤は、植物の表面に対する本発明の組成物の接着能を促進する。界面活性剤、拡展剤/展着剤の例としては、これらに限定されないが、Tween及びTriton(Rhom and Hass Company)、Deep Fried(商標)、Fortune(登録商標)、Pulse、C.Daxoil(商標)、Codacide oil(登録商標)、D−C.Tate(商標)、Supamet Oil、Bond(登録商標)、Penetrant、Glowelt(登録商標)及びFreeway、Citowett(商標)、Fortune Plus(商標)、Fortune Plus Lite、Fruimec、Fruimec lite、アルカリ金属、アルカリ土類金属及び芳香族スルホン酸のアンモニウム塩、例えば、リグニンスルホン酸、フェノールスルホン酸、ナフタレンスルホン酸及びジブチルナフタレンスルホン酸、及び、脂肪酸のアンモニウム塩、アルキル及びアルキルアリールスルホン酸塩、及び、アルキル、ラウリルエーテル及び脂肪族アルコール硫酸塩、及び、硫酸化ヘキサデカノール、ヘプタデカノール及びオクタデカノールの塩、脂肪族アルコールグリコールエーテルの塩、スルホン化ナフタレン及びナフタレン誘導体とホルムアルデヒドとの縮合物、ナフタレン又はナフタレンスルホン酸とフェノール及びホルムアルデヒドとの縮合物、ポリオキシエチレンオクチルフェノールエーテル、エトキシル化イソオクチルフェノール、エトキシル化オクチルフェノール及びエトキシル化ノニルフェノール、アルキルフェノールポリグリコールエーテル、トリブチルフェニルポリグリコールエーテル、アルキルアリールポリエーテルアルコール、イソトリデシルアルコール、脂肪族アルコールエチレンオキシド縮合物、エトキシル化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、エトキシル化ポリオキシプロピレン、ラウリルアルコールポリグリコールエーテルアセタール、ソルビトールエステル、リグニン−亜硫酸廃液及びメチルセルロースが挙げられる。包含のために選択される場合、Tweenなどの1種以上の農業用界面活性剤は、公知のプロトコルに従い組成物中に含まれることが望ましい。
湿潤剤は、組成物中の水の表面張力を低減させ、それ故、所与の量の組成物が適用され得る表面積を増大させる。湿潤剤の例としては、これらに限定されないが、ポリアクリル酸の塩、リグノスルホン酸の塩、フェノールスルホン酸又はナフタレンスルホン酸の塩、エチレンオキシドと脂肪族アルコール又は脂肪酸又は脂肪族エステル又は脂肪族アミンとの重縮合物、置換フェノール(特にアルキルフェノール又はアリールフェノール)、スルホコハク酸エステルの塩、タウリン誘導体(特にアルキルタウレート)、アルコールのリン酸エステル、又は、エチレンオキシドとフェノールとの重縮合物のリン酸エステル、脂肪酸とポリオールとのエステル、又は、上記の化合物のスルフェート、スルホネート若しくはリン酸塩官能性誘導体が挙げられる。
上記のとおり、本発明の組成物は、単独で、又は、有害生物防除剤、殺虫剤、殺ダニ剤、殺菌・殺カビ剤又は殺菌剤(ただし、このような殺菌・殺カビ剤又は殺菌剤が組成物中に存在するいずれかの真菌又はバクテリアに対して有害又は有毒性ではない場合)、除草剤、抗生物質、抗菌剤、殺線虫剤、殺鼠剤、昆虫病原物質、フェロモン、誘引剤、植物成長調節剤、植物ホルモン、昆虫成長調節剤、不妊化剤、有害微生物防除剤、忌避剤、ウイルス、摂食刺激物質、植物栄養分、植物肥料及び生物学的防除剤を含む1種以上の他の農業用薬剤との組み合わせで用いられ得る。他の農業用薬剤との組み合わせで用いられる場合、2種の薬剤は、個別に、同時に、又は、順次に投薬され得る。これらの農業用薬剤の特定の例は当業者に公知であり、多くが容易に購入可能である。
植物栄養分の例としては、これらに限定されないが、窒素、マグネシウム、カルシウム、ホウ素、カリウム、銅、鉄、リン、マンガン、モリブデン、コバルト、ホウ素、銅、ケイ素、セレニウム、ニッケル、アルミニウム、クロム及び亜鉛が挙げられる。
抗生物質の例としては、これらに限定されないが、オキシシリン及びストレプトマイシンが挙げられる。
殺菌・殺カビ剤の例としては、これらに限定されないが、以下の殺菌・殺カビ剤の分類が挙げられる:カルボキサミド、ベンズイミダゾール、トリアゾール、ヒドロキシピリジン、ジカルボキサミド、フェニルアミド、チアジアゾール、カルバメート、シアノ−オキシム、桂皮酸誘導体、モルホリン、イミダゾール、β−メトキシアクリレート及びピリジン/ピリミジン。
さらなる殺菌・殺カビ剤の例としては、これらに限定されないが、天然の殺菌・殺カビ剤、有機殺菌・殺カビ剤、硫黄系殺菌・殺カビ剤、銅/カルシウム殺菌・殺カビ剤及び植物生体防御の誘発物が挙げられる。
天然の殺菌・殺カビ剤の例としては、これらに限定されないが、全乳、乳清、脂肪酸又はエステル化脂肪酸が挙げられる。
有機殺菌・殺カビ剤の例としては、これらに限定されないが、生防除剤、天然生成物、誘発物(そのいくつかは天然生成物としても分類され得る)、並びに、硫黄及び銅殺菌・殺カビ剤(制限的な使用に限定される)などの有機認証基準(organic certification standard)に合格するいずれかの殺菌・殺カビ剤が挙げられる。
硫黄系殺菌・殺カビ剤の例はKumulus(商標)DF(BASF,Germany)である。
銅殺菌・殺カビ剤の例は、Kocide(商標)2000DF(Griffin Corporation,USA)である。
誘発物の例としては、これらに限定されないが、キトサン、Bion(商標)、BABA(DL−3−アミノ−n−ブタン酸、β−アミノ酪酸)及びMilsana(商標)(Western Farm Service,Inc.,USA)が挙げられる。
いくつかの実施形態においては、非有機殺菌・殺カビ剤が採用され得る。非有機殺菌・殺カビ剤の例としては、これらに限定されないが、Bravo(商標)(ウリ科植物におけるPMの防除用);Supershield(商標)(Yates,NZ)(バラにおけるボトリチス(Botrytis)及びPMの防除用);Topas(商標)200EW(ブドウ及びウリ科植物におけるPMの防除用);FlintTM(リンゴ及びウリ科植物におけるPMの防除用);Amistar(商標)WG(穀類におけるサビ病及びPMの防除用);並びに、Captan(商標)、Dithane(商標)、Euparen(商標)、Rovral(商標)、Scala(商標)、Shirlan(商標)、Switch(商標)及びTeldor(商標)(ブドウにおけるボトリチス(Botrytis)の防除用)が挙げられる。
有害生物防除剤の例としては、これらに限定されないが、アゾキシストロビン、ビテルタノール、カルボキシン、CuO、シモキサニル、シプロコナゾール、シプロジニル、ジクロフルアニド、ジフェノコナゾール、ジニコナゾール、エポキシコナゾール、フェンピクロニル、フルジオキソニル、フルキコナゾール、フルシラゾール、フルトリアホール、フララキシル、グアザチン、ヘキサコナゾール、ヒメキサゾール、イマザリル、イミベンコナゾール、イプコナゾール、クレソキシム−メチル、マンコゼブ、メタラキシル、R−メタラキシル、メトコナゾール、オキサジキシル、ペフラゾエート、ペンコナゾール、ペンシクロン、プロクロラズ、プロピコナゾール、ピロキロン、SSF−109、スピロキサミン、テブコナゾール、チアベンダゾール、トリフルアミド、トリアゾキシド、トリアジメホン、トリアジメノール、トリフルミゾール、トリチコナゾール及びウニコナゾールが挙げられる。
本明細書に記載の真菌株以外の生物学的防除剤の例は、ウロクラディウムオウデマンシイ(Ulocladium oudemansii)を含むBotryZen(商標)生物学的防除剤である。
本発明の組成物はまた、活性処方成分を増強するために用いられる安定化剤及び浸透剤などの幅広い範囲の添加剤を含み得る。添加剤はまた、長期の保管における安定性の維持を補助する組成物、例えば未精製のコーン油、並びに、連続相としての油及びワックスと分散相としての水、アルギン酸ナトリウム及び活性成分との混合物を含有する、いわゆるインバートエマルジョンを含み得る。
当業者に認識されるであろうとおり、用いられるいずれかの添加剤は、活性薬剤の効力に干渉しない量で存在することが重要である。
組成物は、多数の形態で調製され得る。1種の調製物は、植物若しくはその周囲に散布され得る本発明の組成物の粉末化形態を含む。さらなる形態において、組成物は、水などの希釈剤と混合されてフォーム、ゲル又は浸液を形成し、公知のプロトコルを用いて適切に適用される。
実際にいずれかの公知の技術分野の方法であり得る、注射、なすりつけ、又は、はけ塗りなどの他の適用方法のために配合された組成物もまた用いられ得る。例えば成長培地などの植物の周囲若しくは環境、水への組成物の間接的な適用、又は、例えば種子粉衣としての組成物の間接的な適用が想定される。
上記において検討されているとおり、本発明の組成物が適用されるべき濃度は、最終用途、植物の生理的条件;タイプ(昆虫種を含む)、濃度及び有害生物の感染の程度;温度、季節、湿度、生育期におけるステージ及び植物の齢数;適用されている従来の殺虫剤又は他の処理剤(殺菌・殺カビ剤を含む)の数及びタイプ;並びに、植物処理(葉の摘採及び剪定など)に応じて様々であり得る。
同様に、本発明の組成物の配合、例えば、組成物中の1種以上のロリンアルカロイドの濃度、組成物中の異なるロリンアルカロイドの組み合わせ、組成物中の溶剤、界面活性剤、防腐剤及び/又は酸化防止剤、組成物中の溶剤、界面活性剤、防腐剤及び/又は酸化防止剤の濃度、並びに、適用前における濃縮組成物へのいずれかの希釈剤及び/又は補助剤の添加は、上記の要因に応じて様々であり得ることが認識されるであろう。特に、本発明の組成物の配合物は、組成物が適用される植物又は作物の種、生理的条件及び成長段階、並びに、標的昆虫又は有害生物の種に応じて様々であり得る。
散粉、振りかけ、液浸、注入、種子粉衣、実生コーティング、曝気、ミスティング、噴霧、燻蒸、エアロゾル適用等を含む他の適用技術もまた実施可能であり、例えば有害生物が根若しくは茎に外寄生しているなどの一定の状況下で必要とされ得、又は、繊細な植生若しくは観賞用植物に対する適用のために必要とされ得る。これらの適用手法もまた当業者に周知である。
本発明の組成物はまた、ある領域への防止的又は予防的適用のために配合され得、また、一定の状況においては、ペット、家畜、動物敷料に、又は、農作業用器具、畜舎、住居又は農業用若しくは産業用設備等内及びその周囲に適用され得る。
環境、浸透移行的、局部的又は葉面処理に用いられる組成物の濃度は、特定の配合物の性質、適用手段、環境条件及び活性の程度に応じて幅広く様々であろう。
上記の殺虫性配合物は特定の植物又は標的領域に必要に応じて1回又は複数回の適用で投薬され得、ここで、典型的な1ヘクタール当たりの圃場施用量はおよそ、約100〜約500gの有効成分/ヘクタールの範囲であり、又は、代替的に、約500〜約1000g/ヘクタールが利用され得る。約100g〜約1,000g/ヘクタールの範囲内のすべての施用量が、このような殺虫性配合物を用いる標的病害虫の管理、防除及び駆除において有用であると想定される。従って、約100、125、150、200、250、300、350、400、450、500、600、700、800、900g/ヘクタール若しくは約1kg/ヘクタール、又は、これを超える量の活性薬剤が、上記において本明細書に記載の有害生物防除配合物の一定の農業用途、産業用途及び家庭用途において利用され得る。
約50mL〜約20L活性薬剤/ヘクタールの範囲内の施用量を含む液体組成物の代表的な施用量が想定される。従って、約100、200、300、400、500、600、700、800、900L/ヘクタール、又は、約1、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.5、3.0、3.5若しくは約4.5L/ヘクタール、又は、これを超える量の活性薬剤が利用され得る。
さらなる態様において、本発明は、1種以上の有害生物を防除する方法を提供するものであり、この方法は、植物若しくはその周囲に本明細書に記載の本発明の組成物を適用するステップを含む。
典型的には、稚苗が最も有害生物による損害を受けやすい。従って、発芽前の新たに植付けされた作物に対する本発明の組成物の適用が想定され、発芽してからの適用も想定される。
作物の周期における同一又は異なる時期での反復的な適用もまた想定される。本発明の組成物は、季節の前期又は後期のいずれかにおいて適用され得る。これは、開花期にわたって、又は、結実期中であってもよい。本発明の組成物はまた、例えば有害生物のコロニー形成を予防するため、壊死又は老化している葉、果実、茎、機械収穫した茎等を迅速に移植するために、収穫直前又は収穫直後に適用され得る。本発明の組成物はまた、休眠状態の組織上の有害生物の成長を遅延化するため、及び、成長を増強するために冬季に休眠期の植物に適用され得る。
適用は、発芽の前若しくはその後、及び、収穫の前後の時点であり得る。しかしながら、処理は、開花期と収穫の間に行われることが好ましい。効力を高めるために、本発明の組成物を複数回(例えば、開花期から結実期へのステージの最中に2〜6回の適用)適用することが好ましい。
本発明の組成物の再適用はまた、雨後に検討されるべきである。有害生物感染予想モデル又は感染分析データを用いることで、BCAの適用もまた、有害生物の感染リスクがある時期を考慮して時期を調整することが可能である。
種々の実施形態において、ロリンアルカロイドを含む本発明の組成物は、有害生物防除効力などの効力を達成可能である投薬量でこれらが適用される植物又は植物の周囲に対して有害ではない。
一定の態様において、本発明の組成物は、植物部位を攻撃し、並びに、成長速度、開花、結実及び生産を低減させ、罹病している植物を枯死させ得る多くの収穫前及び収穫後の病害の原因である病害虫の防除に用いられる。本明細書において用いられるところ、昆虫有害生物は、植物に直接摂食する昆虫、並びに、真菌及びバクテリアなどの植物病原体のベクターとなる昆虫を含む。植物病原体のベクターとなる昆虫宿主を防除することにより、植物病害の発生率及び/又は重症度を最低限とすることが可能であることが認識されるであろう。
園芸作物を罹病させる主な病害虫の例としては、これらに限定されないが、モモアカアブラムシ(Myzus persicae)(モモアカアブラムシ)、ワタアブラムシ(Aphis gossypii Glover)(メロン/ワタアブラムシ)、トウモロコシアブラムシ(Rhopalosiphum maidis)(トウモロコシアブラムシ)、ダイズアブラムシ(Aphis glycines Matsumura)(ダイズアブラムシ)、ダイコンアブラムシ(Brevicoryne brassicae)(ダイコンアブラムシ)、アナサトリスチス(Anasa tristis)(ヘリカメムシ);ナガオコナカイガラムシ(Pseudococcus longispinus)(ナガオコナカイガラムシ)、ガハニコナカイガラムシ(Pseudococcus calceolariae)(スカーレットミーリーバグ(scarlet mealybug))、オレンジコナカイガラムシ(Pseudococcus viburni)(オブスキュアミーリーバグ(obscure mealybug))、ミカンコナカイガラムシ(Planococcus citri)(ミカンコナカイガラムシ);オンシツコナジラミ(Trialeurodes vaporariorum)(オンシツコナジラミ)、タバココナジラミ(Bemisia tabaci)(シルバーリーフコナジラミ);コナガ(Plutella xylostella)(コナガ)、シトリペスティスサギッティフェレーラ(Citripestis sagittiferella)(シトラスフルーツモス(citrus fruit moth))、オオタバコガ(Helicoverpa armigera)(オオタバコガ(tomato fruitworm)又はオオタバコガ(corn earworm))、ワタアカミムシガ(Pectinophora gossypiella)(ワタアカミムシ)、ジャガイモガ(Phthorimaea operculella)(ジャガイモキバガ)、アミエロイストランシテラ(Amyelois transitella)(ネーブルオレンジワーム)、コドリンガ(Cydia pomonella)(コドリンガ)、クネファシアジャクタタナ(Cnephasia jactatana)(ブラックライアーリーフローラ(black−lyre leafroller))、リンゴウスチャイロハマキ(Epiphyas postvittana)(リンゴウスチャイロハマキ)、ナシヒメシンクイ(Grapholita molesta)(ナシヒメシンクイ)、アワノメイガ(Ostrinia furnacalis)(アワノメイガ)、ヨーロッパアワノメイガ(Ostrinia nubilalis)(アワノメイガ)、シロオオメイガ(Scirpophaga excerptalis)(シュガーケーントップボーラー(sugarcane top borer))ジアトラエアサッカラリス(Diatraea saccharalis)(シュガーケーンボーラー(sugarcane borer))、キロプレヤデルス(Chilo plejadellus)(ライスストークボーラー(rice stalk borer))、クサオビリンガ(Earias vitella)(クサオビリンガ)、ミスジアオリンガ(Earias insulana)(ミスジアオリンガ)、スポドプテラフルギペルダ(Spodoptera frugiperda)(ツマジロクサヨトウ)、ハスモンヨトウ(Spodoptera litura)(ハスモンヨトウ)、メリッチアククルビタエ(Melittia cucurbitae)(スカッシュバインボーラー(squash vine borer))、テイアアナルトイデス(Teia anartoides)(ペインテッドアップルモス(painted apple moth))、イラクサギンウワバ(Trichoplusia ni)(イラクサキンウワバ);モンシロチョウ(Pieris rapae)(モンシロチョウ);バクテリセラコッケレリ(Bactericera cockerelli)(トマト/ポテトシリッド(potato psyllid))、ミカンキジラミ(Diaphorina citri)(ミカンキジラミ(Asian citrus psyllid))、ミカントガリキジラミ(Trioza erytreae)(アフリカンシトラスシリッド(African citrus psyllid));トリプスオブスクラツス(Thrips obscuratus)(フラワースリップス(flower thrips))、クロトンアザミウマ(Heliothrips haemorrhoidalis)(グリーンハウススリップス(greenhouse thrips))、ネギアザミウマ(Thrips tabaci)(タマネギアザミウマ)、フランクリニエラウィリアムシ(Frankliniella williamsi)(メイズスリップ(Maize thrip));クサギカメムシ(Halyomorpha halys)(クサギカメムシ(brown marmorated stink bug))、オエバルスプグナクス(Oebalus pugnax)(イネカメムシ)、ウェスターンコーンルートワーム(Diabrotica virgifera virgifera)(ウェスタンコーンルートワーム)、ジアブロチカバルベリ(Diabrotica barberi)(ノーザンコーンルートワーム(northern corn rootworm))、ジアブロチカウンデシムプンクタタ(Diabrotica undecimpunctata howardi)(サザンコーンルートワーム(southern corn rootworm))、ウェスターンコーンルートワーム(Diabrotica virgifera zeae)(メキシカンコーンルートワーム(Mexican corn rootworm));ペムフェレスアフィニス(Pempheres affinis)(コットンステムウィービル(cotton stem weevil));タイワンツマグロヨコバイ(Nephotettix virescens)(ツマグロヨコバイ)、トビイロウンカ(Nilaparvata lugens)(トビイロウンカ);クインスランドミバエ(Bactrocera tryoni)(クインスランドミバエ)などの、アブラムシ、コナカイガラムシ、コナジラミ、ガ、チョウ、キジラミ(psillids)、アザミウマ、カメムシ、ネクイムシ、ゾウムシ、リーフホッパー及びショウジョウバエが挙げられる。
本発明の方法は、収穫前又は収穫後における植物及び植物産物に対する特定の適用を含む。例えば、組成物は、果実、野菜、切花及び種子を含む、上記に列挙した種類の貯蔵された産物に適用され得る。好適な適用技術は上記において明確にされているものを含む。
本発明の組成物は、植物への直接適用とは対照的に、場合によって、種子又は成長培地の処理又は前処理に用いられることが可能である。本発明の組成物はまた、保護コーティング、箱及び包装材などの植物加工材料においても使用される。
本発明はまた、本発明の組成物で直接処理された植物、植物産物、成長培地及び種子を含む。
薬学的及び獣医学的使用
本発明は、ヒト又は対象動物における有害生物、寄生生物又は昆虫感染の処置又は予防方法を提供するものであり、治療的に有効な量の本発明の組成物を投薬するステップを含む。
有害生物、寄生生物又は昆虫感染は、ヒト又は非ヒト動物内寄生生物又は外寄生生物のいずれかによる感染又は外寄生を含み得る。
外的寄生生物又は外寄生生物としては、これらに限定されないが、ヒツジハジラミ(Bovicola ovis)(ヒツジシラミ);ウシハジラミ(Bovicola bovis);ウシジラミ(Haematopinus eurysternus)(ウシジラミ(short−nosed cattle louse));ウシバエ属の種(Hypoderma spp.);ヘマトビアイリタンスエクシグア(Haematobia irritans exigua);ネコノミ(Ctenocephalides felis)(ネコノミ)及びイヌノミ(Ctenocephalides canis)(イヌノミ)、コクリオミイア属の種(Cochliomyia spp.)などのイヌノミ属の種(Ctenocephalides spp);オビキンバエ属の種(Chrysomya spp.);ウシホソジラミ(Linognathus vituli)(ウシホソジラミ);アタマジラミ(Pediculus humanus capitis)(ヒトコモロジラミ)、コロモジラミ(Pediculus humanus humanus)(ヒトアタマジラミ)、ケジラミ(Pthirus pubis)(ケジラミ)、ヒトノミ(Pulex irritans)(ヒトノミ)、ケブカウシジラミ(Solenopotes capillatus)(ツベルクル−ベアリングシラウス(tubercule−bearing louse));サルコプテススカビエイカムス(Sarcoptes scabiei cams)、サルコプテススカビエイスイス(Sarcoptes scabiei suis)、サルコプテススカビエイボビス(Sarcoptes scabiei bovis)、サルコプテススカビエイvar.フマニ(Sarcoptes scabiei var.humani)を含むヒゼンダニ属の種(Sarcoptes spp.)(キュウセンヒゼンダニ);ヒツジキュウセンヒゼンダニ(Psoroptes ovis)及びデルマトフゴイデス属の種(Dermatophgoides spp.)を含むキュウセンヒゼンダニ属の種(Psoroptes spp.);オウシマダニ(Boophilus microplus);並びに、ダマリニアボビス(Damaliniabovis)などのトコジラミ、ノミ、ハエ、ブユ(gnat)、マダニ、シラミ及びダニが挙げられる。
内的寄生生物又は内寄生生物としては、これらに限定されないが、マラリア原虫属の種(Plasmodium spp.);トリパノソーマ属の種(Trypanosoma spp.)及びエイメリア属の種(Eimeria spp.)などの原生動物寄生虫、並びに、寄生蠕虫(蠕虫)が挙げられる。蠕虫としては、これらに限定されないが、捻転胃虫(Haemonchus contortus)を含む毛様線虫上科(Trichostrongyloidea);毛様線虫属の種(Trichostrongylus spp.);ディクチオカウルス属の種(Dictyocaulus spp.);トキソカラ属の種(Toxocara spp.)を含む回虫上科(Ascaridoidea);ストロンギルス属の種(Strongylus spp.);イヌ糸状虫(Dirofilariaimmitis)及びオンコセルカ属の種(Onchocerca spp)を含むフィラリア上科(Filarioidea):肝蛭(Fasciolahepatica)及び住血吸虫属の種(Schistosoma spp.)を含む吸虫綱(Trematoda);テニア属の種(Taenia spp.);並びに、モニエジア属の種(Moniezia spp.);オステルタジア属の種(Ostertagia spp.);ネマトジルス属の種(Nematodirus spp.);クーペリア属の種(Cooperia spp.);ブノストムム属の種(Bunostomum spp.);腸結節虫属の種(Oesophagostomum spp.);チャベルチア属の種(Chabertia spp)、鞭虫属の種(Trichuris spp.);トリコネマ属の種(Trichonema spp.);毛頭虫属の種(Capillaria spp.);ヘテラキス属の種(Heterakis spp.);トキソカラ属の種(Toxocara spp.);、蟯虫属の種(Oxyuris spp.);鉤虫属の種(Ancylostoma spp.);ウンシナリア属の種(Uncinaria spp.);トキサスカリス属の種(Toxascaris spp.);並びに、パラスカリス属の種(Parascaris spp)などの条虫(扁形動物)、線虫(回虫)及び吸虫(吸虫)が挙げられる。
本発明の組成物は、意図される投薬経路及び標準的な薬学的実践若しくは獣医による実践に関連して選択された1種以上の薬学的に若しくは獣医学的に許容可能な賦形物、キャリア若しくは希釈剤との混和物で、又は、単独で投薬され得る。
「薬学的に又は獣医学的に許容可能なキャリア」という用語は、発明の組成物のコンポーネントとして対象に投薬されることが可能である、特にこれらに限定されないが、賦形剤、希釈剤又は助剤を含むキャリアを指すことが意図されている。好ましいキャリアは、組成物の活性を低減させず、また、本発明の方法によって生成された組成物の有効量を送達するために十分な投薬量で投薬された場合、又は、他の有害生物防除剤の有効量を送達するために十分な投薬量で投薬された場合に有毒ではない。
本発明の組成物は、局部的に、経口的に、又は、非経口的に投薬され得る。
例えば、組成物は、カプセル、錠剤、エリキシル剤、溶液、懸濁液、又は、例えば結腸若しくは十二指腸において溶解するよう配合された巨丸剤の形態で、経口投薬(舌下投薬を含む)され得る。配合物は、デンプン又はラクトース又は香味料又は着色剤などの賦形物を含み得る。
組成物は、非経口的に注射(例えば静脈注射、筋肉注射又は皮下注射)され得る。非経口投薬のために、組成物は、任意選択により塩又はグルコースなどの他の物質を含む無菌水溶液又は懸濁液中に配合され得る。
組成物は、無菌クリーム、ゲル、ポアオン又はスポットオン配合物、懸濁液、ローション、軟膏剤、散粉粉末、薬物が組み込まれた包帯、シャンプー、首輪又は皮膚用パッチの形態で、局部投薬され得る。例えば、本発明の組成物は、ポリエチレングリコール又は液体パラフィンの水性又は油性エマルジョンを含むクリーム;白ろう軟パラフィン基材を含む軟膏;セルロース又はポリアクリレート誘導体又は他の好適な粘度変性剤を伴うヒドロゲル;乾燥粉末;ブタン、プロパン、HFA又はCFC噴射剤を伴うエアロゾル;チュール生地の包帯、白色ワセリン又はポリエチレングリコールに含浸したガーゼ包帯、又は、ヒドロゲル、親水コロイド若しくはアルギン酸塩フィルムを有する包帯などの包帯に組み込まれ得る。組成物はまた、適切な緩衝剤、粘度変性剤(例えば、セルロース誘導体)及び防腐剤(例えば、塩化ベンザルコニウム)を伴う点眼薬として眼内投薬され得る。
ポアオン又はスポットオン配合物は、butyl digol、液体パラフィン、又は、イソプロパノールなどの揮発性コンポーネントを含む、若しくは、含まない非揮発性のエステルなどの許容可能な液体キャリアビヒクル中に活性処方成分を溶解することにより調製され得る。配合物は、テルペン、脂肪酸エステル、トリグリセリド、グリセロールエステルなどの溶剤、又は、界面活性剤を含む透過増強剤を含み得る。配合物は、直接適用に好適な形態、又は、適用前に好適な量の水若しくは他の希釈剤による希釈が必要である濃縮物の形態であることが可能である。ポアオン又はスポットオン配合物は、動物の表面上に活性薬剤の残渣が残されるよう、カプセル化により調製されることが可能である。
経口投薬のために、カプセル、巨丸剤又は錠剤は、本発明の組成物と、崩壊剤、及び/又は、デンプン、ラクトース、タルク若しくはステアリン酸マグネシウムなどのバインダを追加的に含有する好適な微粉希釈剤又はキャリアとを混合することにより調製され得る。水薬配合物は、活性処方成分を、分散剤又は湿潤剤と共に水溶液中に分散させることにより調製され得る。
本発明の組成物は、例えば、組成物又は配合物を動物用飼料材料又は動物用飲料水中に溶解、懸濁又は分散させることにより、飼料材料又は水と一緒に投薬され得る。
非経口投薬のために、注射液配合物は、無菌溶液又はエマルジョンの形態で調製され得る。
組成物は、活性範囲を拡大するため、又は、耐性の増大を防止するために、他の抗寄生生物剤と併用されてもよい。他の好適な抗寄生性薬剤の例としては、アバメクチン、シデクチン、ドラメクチン、エピリノメクチン、モキシデクチン、イベルメクチン及びミルベマイシンなどのアベルメクチン及びミルベマイシン;アルベンダゾール、カンベンダゾール、フェンベンダゾール、フルベンダゾール、メベンダゾール、オキシフェンダゾール、パルベンダゾール、及びオキシベンダゾールなどのベンズイミダゾール;フェバンテル、チオファネート及びネトビミンなどのプロベンズイミダゾール;クロサンテル及びニクロスアミドなどのサリチルアニリド;ブタミソールなどのイミダゾチアゾール、メトロニダゾール、チニダゾール、レバミゾール、ピランテルパモエート又はテトラミソール;モランテルなどのテトラヒドロピリジミン;並びに、プラジカンテルなどのヘキサヒドロピラジノイソキノリンを含む大環式ラクトンが挙げられる。組成物は、他の抗寄生生物剤と個別に、同時に、又は、順次に投薬され得る。
当業者は、寄生性感染の動物の処置に際して適切な投薬量及び投薬の頻度を容易に判定することが可能であろう。
正確な投薬量は、投薬の頻度及び投薬形態、処置される動物の性別、歳、重量及び一般的な状態、処置される状態の性質及び重症度、並びに、処置されるべきいずれかの随伴する病害、及び、当業者に明らかである他の要因に応じることとなる。
本発明は前述の内容からなり、また、以下において単に例が記載されており、その範囲は如何様にも限定はされない構成が想定される。
分析法
本明細書に記載の組成物中のロリンアルカロイドの含水量及び濃度を識別し判定する方法は、技術分野において周知である。
他の好適な技法は、本明細書を読むことにより当業者には明らかであろう。例えば、ガスクロマトグラフィなどの他のクロマトグラフィ技法を使用し得る。例えば乾燥減量といった他の水分分析法が用いられ得る。
オーブンによる電量水測定
含水量は、カールフィッシャー(KF)電量滴定とオーブンサンプラで計測した。
オーブンを用いる電量カールフィッシャー法は、低含水量のサンプルに好適である。ヨウ素は電気化学的に発生されるものであり、滴定容器における発電機の電極で直接、ヨウ化物含有試薬から陽極酸化により生成される。消費されたヨウ素量、従って、サンプル由来の水の量が、電流の合計消費量(経時的な電流の積分)と比例する。
電量オーブン技術は、ダイアフラムを有するもの又はダイアフラムを有さないものの2つの異なるタイプの発電機電極で行うことが可能である。ダイアフラムは、プロトンが水素に還元される小さな陰極隔室と、ヨウ化物がヨウ素に酸化される大きな陽極隔室とを分離する。ダイアフラムを有さない発電機電極もまた陽極及び陰極を有するが、隔室は分離されておらず、この場合、ダイアフラムレスセル用に特別に設計された試薬が用いられなければならない。ダイアフラムを有するセルにおける電量カールフィッシャーでは、陽極液及び陰極液の2種の試薬溶液が必要とされる。
多くの物質が高温でのみ水を放出し、これにより、直接的なKF滴定には適していない。この場合、サンプルに応じて100℃〜250℃で操作されるカールフィッシャーオーブン中で水を蒸発させることが可能である。次いで、乾燥空気又は不活性ガスでパージすることによりKF滴定セルに移される。電量滴定セルをそれぞれ試薬溶液で満たす。キャリアガスは、例えば分子ふるい(0.3nm)で乾燥されていなければならない。
装置
本方法において用いた好適な器具は以下である:801 Stirrer(Metrohm)、874 Oven Sampler Processor(Metrohm)、852 Titrando+ダイアフラムレス滴定セル(Metrohm)、Software Tiamo(Metrohm)、6mlバイアル+セプタム(Metrohm)、及び、Analytical balance A T261 DeltaRange(Mettler)。
試薬
以下の詳細が好適な試薬の例であり、代替的な同等の試薬を用いることが可能である。オーブンサンプラと組み合わされるダイアフラムを有さない電量セルは、HYDRANAL Coulomat AG Ovenを必要とし、陰極液溶液は不要である。KFオーブンシステムのSSTには、34693 HYDRANAL Water Standard KF Oven(140℃〜160℃)及びキャリーガス(乾燥空気又は不活性ガス)を用いることが可能である。
手法
カールフィッシャーオーブンを用いる推奨パラメータを表1に示す。
作業条件は分析される各生成物について最適化される。選択される温度は調べられる物質の特性に応じる。水を移動させる最適なオーブン温度が判定される。この温度は、サンプル中の水を5分以内に取り出すのに十分に高い必要がある。同時に、この温度は、カールフィッシャー滴定に緩衝する可能性があるサンプルマトリックスの蒸発を防ぐのに十分に低いが、しかしながら、移送管中での凝結を防止するために十分に高い必要性がある。
サンプルの昇華は移送ラインを詰まらせる可能性があり、従って、昇華する傾向を有するサンプルは、クーロメータオーブン技術により分析を行うべきではない。サンプル中に結晶水が存在する場合は通常、高い温度が必要とされる。
判定
滴定セルをコンディショニングした後、サンプル容器の盲検消費を測定する。空のサンプル容器の含水量を三重に測定する。サンプルに関する盲検消費に同一の方法条件を適用する必要がある。
含水量の測定については、通常、およそ100mgのサンプル量が用いられる。通常は、二重測定が行われる。
シーケンス及びSST
以下の注入シーケンスが提案される:
C B SST
C=滴定セルのコンディショニング
B=盲検消費(1、2、3)
S=サンプル(1、2、.....n)
SST=システム適合性テスト
SST(システム適合性テスト)としては、HYDRANAL Water Standard KF Oven 140℃〜160℃(又は同等)が分析される。SSTについては、オーブン温度は140℃に設定し、SST合格判断基準:95%から105%のリカバリー。
評価
機器は、滴定の終点に達するために必要な時間及び電流を計測する。乗法の積(経時的な電流の積分である電荷)は、生成されたヨウ素の量、従って、サンプル中に存在する水の量と正比例する。
ガスクロマトグラフィによるロリンの分析
NANL、NFL、NAL及びロリン含有量を、ガスクロマトグラフィ−水素炎イオン化検出器(GC−FID)により計測した。
装置
ガスクロマトグラフィによるロリンの分析のための好適な器具及び条件を表2に示す。
標準及びテスト溶液の調製
標準物質は、ロリンの技術的混合物、又は、各ロリンの標準材料である。用いた内標準(IS)はコハク酸ジブチルであり、溶剤は、アセトニトリル中の2% v/v NH(水中の濃縮物)である。標準溶液は、およそ70μg/mlのロリン(NANL、NFL、NAL及びロリンの和)及び300μg/mlのISを含有している。
求核性の分析
単純な化学系中における局所的求核性特徴は、十分に確立された求核性指数技法[Journal of Molecular Structure:THEOCHEM,2009,895,86−91;Computational and Theoretical Chemistry,2012,980,49−55]に基づいてシミュレートすることが可能である。得られる係数は、付加環化反応における試薬及び他の有機分子に導入されたグローバル求核性ディスクリプタNの拡大を構成する[Journal of Organic Chemistry 2008,73,4615−4624;Journal of Molecular Structure(THEOCHEM),2008,865,68−72]。
表3における局所的求核性係数は、対応する円で囲んだ原子の求核性強度を反映する。これらは、特定の電子的変化を適応した際における、分子のフロンティア分子軌道における電子密度を記載する関数である福井関数(求核性指数Nを用いて理論のDFT/B3LYP/6−31G(d,p)レベルで算出した)に基づいて算出される。表に示した値は、それぞれの溶剤候補におけるもっとも関連する原子に係る求核係数に対応する。値が大きいほど、より求核性である。観察された傾向は、特にOH係数分析を伴う場合に、NFL安定性について観察されたものと相関する(すなわち、項目3のグリセロールは、項目5のDMLAよりも顕著に高い係数を有する)。これらの計算は単一の分子(気相でシミュレートした)で行い、さらなる溶剤相互作用によって影響される可能性がある。
特定の技法
すべての分子の幾何学的配置を、Gaussian09プログラム[Gaussian Inc.,2013,Wallingford,CT]を用いて、理論のDFT−B3LYP/6−31G(d,p)[Journal of Chemical Physics,1993,98,5648−5652;Physical Review B, 1988,37,785−789]レベルで最適化(分析)した。N−1電子種に対する非制限開殻法を用いるエネルギー計算を、既に得られている最適化された幾何学的配置N−電子で理論の同一レベルで行った。縮合福井関数を、Gaussian09プログラムに実装されている自然密度分析(NPA)[Chemical Review,1988,88,899−926]を用いて算出した。
ガウス分析でHOMO及びLUMOエネルギーを生成した:HOMO(最高被占軌道)及びLUMO(最低空軌道)は、分子のもっとも関連する反応性状態における電子の挙動を記載する数学的関数である。技術分野において公知である方法を利用し、HOMO及びLUMOエネルギーを用いて、求核係数(電子ボルト(eV)で計測される)を算出した。
2種以上の溶剤を含有する溶剤系の求核性は同じ方法を用いて算出可能である。
実施例1−ロリン安定性分析
この実施例は、異なる溶剤系におけるロリンアルカロイドの化学安定性を実証する。
ロリン植物抽出物は、その全体が本明細書において参照により援用される国際公開第2016/091987号パンフレットに記載されている方法に従って精製することが可能である。精製されたロリン植物抽出物(A1)及び技術グレードロリン(粗植物抽出物)、(TGAI)、(A2)を異なる溶剤系中においてテストし、化学安定性テストのために高温保管に供した。表4及び5はそれぞれ、A1及びA2サンプル中におけるロリン含有量を示す。
両方のサンプルは、植物由来の天然の化合物である、N−アセチルノルロリン(NANL)、N−アセチルロリン(NAL)及びN−ホルミルロリン(NFL)の3種のロリンアルカロイドの混合物を含有する。分析はGC−FIDを用いて行って、NANL、NAL、NFL及びロリンの量を測定した。A2はまた、ここでは分析しなかった炭水化物のような他の天然の成分を含有する。
濃縮したロリン溶液(20%(w/w))を、種々の異なる溶剤(単一系、溶剤混合物は評価しなかった)中に調製した。ロリンが20%(w/w)の濃度で溶解した(目視検査)系のみを高温保管テストに供した。
54℃で2週間保管した後のA1及びA2におけるNFLの分解を計測した。結果を、それぞれ表6及び7に示す。図3及び4はそれぞれ、精製及び粗抽出物に対する、溶剤及び水からの全ヒドロキシル基当量に対するNFLの分解を示す。NFLに対する溶剤中のOH基当量は、溶剤中のOH基のモル数をNFLのモル数で除することにより算出される。NFLに対する水当量は、水のモル数をNFLのモル数で除することにより算出される。NFLに対する合計OH基当量は、NFLに対する溶剤中のOH基当量及びNFLに対する水当量の和である。
A1(精製されたロリン植物抽出物)に指定された良好な溶剤のすべてが、テストした濃度で、A2(粗抽出物/TGAI)をも溶解可能であったわけではない。すべての系の含水量はカールフィッシャー滴定で計測した。
A1に係るデータから、NFLに対する合計ヒドロキシル当量が高いほど、及び、より求核性であるほど、NFLの分解は高いことが分かる。A1から調製した20%ロリン非水性濃縮溶液のすべてが、同様の量で微量の水(約1%)を示した。
粗抽出物(A2)から調製した20%ロリン濃縮溶液のすべてが、11.7%〜18.8%の間で様々な含水量を示した。NFLに対する合計OH当量が高いほど、及び、より求核性であるほど、NFLの分解が高いという、A1と同様の傾向が観察された。
ロリンに対するNFLの分解レベルは、NFLに対するOH基の全量を含有するモル当量、及び、系の求核係数に応じる(OH当量が高いほど、及び、系がより求核性であるほど、同一のテスト条件下における分解が高い)。DMLA中においては、NFL分解はきわめてわずかにしか観察されなかった。DMLA又はMPEGSのようないくつかの溶剤は、TGAIである種の安定化効果を示す。
NANL及びNALコンポーネントはテストした条件下で化学的に安定であった。
技術グレード(粗抽出物)A2中に存在する場合、NFLは、同一のテスト条件下で、精製サンプルA1中に存在するものと比してさらなる分解を示す。いかなる理論にも束縛されることは望まないが、本発明者らは、粗抽出物中の他のコンポーネント(すなわち、炭水化物等)が安定性に影響した可能性があると考える。
実施例2−水捕捉剤の効果
この実施例は、ジメチルラクトアミド(DMLA)中におけるNFLの安定性を調べる。
DMLA中の70℃の1%w/w溶液を用いた。温度を70℃に高める前に、溶液を3Å分子ふるい(水捕捉剤)で処理して、系が水を含まないことを確実とした。表8は、70℃で13日間後のDMLA中(1%w/w)におけるA1の安定性を示す。
残存水を分子ふるいで除去した場合、70℃での13日間のテスト後に、A1において分解は観察されなかった。
実施例3−固体配合物中のロリン
この実施例は、固体配合物中におけるA2の安定性を調べる。
A2を、Mettler Toledo製のHalogen Moisture Analyzer HR73において、80℃で乾燥させた。重量が安定したら(約19.4%(w/w)重量損失に対応)、すべての水が除去されたとみなした。サンプルを集め、54/−18℃で2週間の保管テストに供した。
NFLの分解は観察されず、化学的に安定性であることが示された。
実施例4−水中のロリン
この実施例は、水の存在下におけるロリンへのNFLの分解、及び、分解速度論におけるpH及び温度の役割を調べる。
種々のpHでの精製ロリン抽出物の1%w/w溶液及び0.2M緩衝剤をこの研究において用いた。種々のpHで用いた緩衝剤を表9に示す。溶液は54℃(±1℃)及び70℃(±1℃)に維持し、並びに、pHは標的pH(±0.2pH単位)に保持した。サンプルを2〜3週間にわたって定期的にとり、GC−FIDで分析してNFL強度を判定した。
70℃及び50℃でのNFLのロリンへの分解をそれぞれ、図1及び2に示す。NANL及びNALコンポーネントは、24時間で開始するわずかな分解が観察されたpH2及び10の場合を除き、本研究中では化学的に安定であったため、NFLに対するデータのみを報告した。
70℃では、pH4及び酢酸由来の緩衝剤の組み合わせが、170時間の期間におけるロリンへのNFLのもっとも少ない分解を伴い、もっとも高い安定性がもたらされた。pHの増減により、安定性の顕著な低下がもたらされた。pH4でのクエン酸緩衝剤が低い安定性をもたらした。pH2.6では、およそ100時間後に、NFLの安定性はプラトーに達した。
50℃では、全体的な分解速度は低下し、pHの関数としての一般的な傾向は一定のままであった。
50℃及び70℃の両方で、系中において用いた緩衝剤がNFLのロリンへの転換に影響を及ぼした。クエン酸ベースの系は酢酸由来の緩衝剤よりも高い分解を示した。
実施例5−ロリン効力分析
この実施例は、保管後における、異なる溶剤系中にNFLを含む配合物の効力を調べる。
種々の溶剤系中に20%ロリンを含む配合物を調製し、実施例1に記載されているとおり54℃で2週間、加速保管に供する。テストした溶剤を表11に列挙する。
保管の後、水中において配合物を250ppmのロリンアルカロイドの全量の濃度に希釈し、すぐに、モモアカアブラムシによる接触バイオアッセイにおいて、効力をテストする。水中において希釈した同等の量の溶剤を含む配合物を対照として調製する。
加速保管条件に供さず、及び、250ppmに希釈した新たなA2を含む組成物が、陽性対照として含まれる。プレート1枚当たり30匹のアブラムシを含む3枚のプレートを希釈配合物の各々で処理する。
白菜の葉を切り取り、希釈過酸化水素を含む水の中に1時間浸漬する。次いで、葉を乾燥させ、冷却した小型の寒天プレート上に表を下にして置く。コムギ植物で飼育されているコロニーからのアブラムシを白菜の切れ端の入った小型寒天プレートに配置し、次いで、Potterスプレータワーを用いて噴霧する。較正した水平なPotterタワーを用いてアブラムシに処理剤を噴霧して、プレート全体にサンプルの等しい分布を得る。処理の各々の間に、スプレータワーを、エタノールで2回及び水で1回洗浄する。吹付けの後、プレートをメッシュのフタで覆い、パラフィルムでシールする。次いで、プレートを、23℃、84%湿度、16時間明かり/8時間暗闇で、72時間インキュベートする。アブラムシに対して、24時間毎に罹病率及び死亡率についてスコアをつける。
結果は、溶剤1〜3を含む配合物ではアブラムシの死亡率が低いことを示す。
産業上の用途
本発明の組成物及び方法は、植物の有害生物を防除するための有用な手段を園芸家にもたらす、及び、ヒト又は非ヒト動物における昆虫の感染又は外寄生を処置又は予防するための治療をもたらすなど、農業、園芸、医学及び獣医学に係る広い範囲の用途における実用性を有する。

Claims (30)

  1. 少なくとも約10g/Lの式[I]の構造を有する1種以上のロリンアルカロイド:
    (式中、R=H又はCHであり、及び、R’=H、CH、CHO又はCOCHである)と、1種以上の溶剤とを含む組成物であって、前記1種以上のロリンアルカロイドは式[II]の構造を有するN−ホルミルロリン:
    を含み;ここで、
    a)前記組成物に係るN−ホルミルロリンに対するヒドロキシル基及び窒素含有基の全量のモル比は約20未満であるか、又は
    b)前記組成物に係るN−ホルミルロリンに対するヒドロキシル基及び窒素含有基の全量の前記モル比は約20超であり、並びに、ここで、前記組成物の前記ヒドロキシル基又は窒素含有基の求核係数は約0.6eV未満であり;
    ここで、前記窒素含有基は、アンモニア、第一級アミン基、第二級アミン基又はこれらの混合物から選択される、組成物。
  2. 前記式[II]の構造を有するN−ホルミルロリンが、少なくとも部分的に精製されているか、又は、単離されている、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記組成物中に存在するN−ホルミルロリンの濃度が、54℃(1atm)で少なくとも2週間保管された場合に、約10%未満低減する、請求項1又は2に記載の組成物。
  4. 少なくとも約10g/Lの式[I]の構造を有する1種以上のロリンアルカロイド:
    (式中、R=H又はCHであり、及び、R’=H、CH、CHO又はCOCHである)と、1種以上の溶剤とを含む組成物であって、前記1種以上のロリンアルカロイドは、少なくとも部分的に精製されているか、又は、単離されている式[II]の構造を有するN−ホルミルロリン:
    を含み、
    ここで、前記組成物中に存在するN−ホルミルロリンの濃度は、54℃(1atm)で少なくとも2週間保管された場合に、約10%未満低減する、組成物。
  5. a)前記組成物に係るN−ホルミルロリンに対するヒドロキシル基及び窒素含有基の全量の前記モル比が約20未満であるか、又は
    b)前記組成物に係るN−ホルミルロリンに対するヒドロキシル基及び窒素含有基の全量の前記モル比が20超であり、並びに、ここで、前記組成物の前記ヒドロキシル基又は窒素含有基の求核係数が0.6eV未満であり;
    前記窒素含有基が、アンモニア、第一級アミン基、第二級アミン基又はこれらの混合物から選択される、請求項4に記載の組成物。
  6. 前記1種以上の溶剤に係る前記ヒドロキシル又は窒素含有基の前記求核係数が、0.5eV未満である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の組成物。
  7. 前記1種以上のロリンアルカロイドが、ロリン、ノルロリン、N−アセチルロリン(NAL)、N−アセチルノルロリン(NANL)及びN−メチルロリン(NML)、N−ホルミルノルロリン、又は、これらのいずれか2種以上の組み合わせを含む群から選択される、請求項1〜6のいずれか一項に記載の組成物。
  8. 前記組成物が、N−ホルミルロリン(NFL)、N−アセチルロリン(NAL)及びN−アセチルノルロリン(NANL)を含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の組成物。
  9. [NANL]:[NFL]:[NAL]の重量比が、約1:12:1〜約2:5:3である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の組成物。
  10. 少なくとも約5g/Lの前記式[II]の構造を有するN−ホルミルロリンを含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載の組成物。
  11. 前記組成物が、少なくとも約50g/Lの前記式[I]の構造を有するロリンアルカロイドを含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載の組成物。
  12. 前記式[II]の構造を有するN−ホルミルロリン、及び/又は、前記式[I]の構造を有する1種以上のロリンアルカロイドが実質的に純粋である、請求項1〜11のいずれか一項に記載の組成物。
  13. 前記組成物が、非ロリン植物由来アルカロイド又は物質を実質的に含まない、請求項1〜12のいずれか一項に記載の組成物。
  14. 任意選択により式[I]の1種以上のロリンアルカロイドを伴うN−ホルミルロリンと、1種以上の溶剤とから実質的に構成される、請求項1〜13のいずれか一項に記載の組成物。
  15. 前記組成物に係るN−ホルミルロリンに対するヒドロキシル基及び窒素含有基の全量の前記モル比が約10未満であり;ここで、前記窒素含有基は、アンモニア、第一級アミン基、第二級アミン基又はこれらの混合物から選択される、請求項1〜14のいずれか一項に記載の組成物。
  16. 前記1種以上の溶剤が前記組成物の少なくとも約10%w/wを構成する、請求項1〜15のいずれか一項に記載の組成物。
  17. 前記1種以上の溶剤が、アルコール、ケトン、エステル、エーテル、炭酸塩、アミン、アミド、ニトリル、スルホキシド及びスルホンを含む群から選択される、請求項1〜16のいずれか一項に記載の組成物。
  18. 前記1種以上の溶剤が、
    a)ポリアルキレングリコール、又は、そのエーテル若しくはエステル、好ましくは、式R10O−[(C1−6アルキレン)O]−R(式中、R及びR10は各々、水素、脂肪族、脂環式、アシル、アリール又はアリール脂肪族から独立して選択され、及び、xは2〜140の整数である)のポリアルキレングリコール、又は、そのエーテル若しくはエステル;
    b)モノアルキレングリコール、又は、そのエーテル若しくはエステル、好ましくは、式R20O−(C1−6アルキレン)O−R(式中、R20及びRは各々、水素、脂肪族、脂環式、アシル、アリール、又はアリール脂肪族から独立して選択される)のモノアルキレングリコール、又は、そのエーテル若しくはエステル;
    c)式R252627N(式中、R25、R26及びR27は各々、水素若しくは脂肪族から独立して選択され、又は、R26及びR27は、これらが結合している窒素原子と一緒になって、任意選択により追加のヘテロ原子を含む5〜8員ヘテロシクリル環を形成する)のアミン;
    d)モノアルキレンジアミン、好ましくは式R31NH−(C1−6アルキレン)NR30−R32(式中、R31及びR32は各々、水素、脂肪族、脂環式、アシル、アリール又はアリール脂肪族から独立して選択され、及び、R30は、水素又は脂肪族から選択される)のモノアルキレンジアミン;
    e)式CHCH(OH)C(=O)NR(式中、R及びRは各々、水素、C1−6アルキル、C2−6アルケニル又はC3−6シクロアルキルから独立して選択され、これらの各々は、フェニル、ヒドロキシル、C1−5アルコキシ、モルホリニル及びNR(式中、R及びRは各々、C1−3アルキル、又は、C1−3アルキルから独立して選択される3個以下の置換基によって任意選択により置換されているフェニルから独立して選択される)から独立して選択される3個以下の置換基によって任意選択により置換され;又は、R及びRは、これらが結合している窒素原子と一緒になって、モルホリニル、ピロリジニル、ピペリジニル若しくはアゼパニル環を形成し、これらの各々は、C1−3アルキルから各々独立して選択される3個以下の置換基によって任意選択により置換される)のアミド;
    f)ケトン、好ましくは、式RC(=O)R(式中、R及びRは各々、脂肪族、脂環式、アリール、又はアリール脂肪族から独立して選択される)のケトン;
    g)脂肪族アルコール、好ましくは、式R40OR41(式中、R40は脂肪族、好ましくはC1−6アルキルであり、及び、R41は、水素、脂肪族、好ましくはC1−6アルキル又はアシルである)の脂肪族アルコール;
    h)脂環式アルコール、好ましくは、C5−8シクロアルキルアルコール;
    i)芳香族アルコール、好ましくは、アリール脂肪族−OH;
    j)トリオール、又は、そのエーテル、エステル若しくは炭酸塩、好ましくは、式R70OCHCH(OR71)CHOR72(式中、R70、R71、及びR72は各々、水素、脂肪族、脂環式、アリール、アリール脂肪族、アシルから独立して選択され、又は、R71及びR72は、これらが結合している酸素と一緒になって、5員環を形成する)のトリオール、又は、そのエーテル、エステル若しくは炭酸塩;
    k)モノエステル、好ましくは、式R77C(O)OR17(式中、R77及びR17は各々、脂肪族、脂環式、アリール又はアリール脂肪族基から独立して選択され、これらの各々は、1個以上のヒドロキシル基で任意選択により置換されている)のモノエステル;
    l)ジエステル、好ましくは、式R19OC(O)C1−6アルキルC(O)OR18(式中、R19及びR18は各々、脂肪族、脂環式、アリール又はアリール脂肪族基から独立して選択される)のジエステル;
    m)トリエステル、好ましくは、式
    (式中、R10、R11及びR22は、各々独立して、脂肪族脂環式、アリール又はアリール脂肪族基であり、並びに、R21は水素又はヒドロキシルである)のトリエステル;
    n)ニトリル、好ましくは、式R12−CN(式中、R12は、脂肪族、脂環式、アリール又はアリール脂肪族基である)のニトリル;
    o)スルホキシド、好ましくは、式R13S(O)R14(式中、R13及びR14は各々、脂肪族、脂環式、アリール、アリール脂肪族から独立して選択される)のスルホキシド;並びに
    p)スルホン、好ましくは、式R15SO16(式中、R15及びR16は各々、脂肪族、脂環式、アリール、アリール脂肪族から独立して選択される)のスルホン
    を含む群から選択される、請求項1〜17のいずれか一項に記載の組成物。
  19. 前記1種以上の溶剤が、ジメチルラクトアミド、ジプロピレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールフェニルエーテル、アセトフェノン、シクロヘキサノール、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコールメチルエーテル、ジメチルスクシネート、ジメチルグルタレート、アジピン酸ジメチル(dimethyl adapate)、安息香酸ブチル、トリエチルシトレート、グリセリンカーボネート、エチレングリコール、プロピレングリコール、乳酸2−エチルヘキシル及びベンジルアルコールを含む群から選択される、請求項1〜18のいずれか一項に記載の組成物。
  20. 前記1種以上の溶剤が、ジメチルラクトアミド、エチレングリコールフェニルエーテル、100〜6000の分子量を有するポリエチレングリコール、100〜1000の分子量を有するポリエチレングリコールメチルエーテル、ジメチルスクシネート、ジメチルグルタレート、アジピン酸ジメチル(dimethyl adapate)、安息香酸ブチル、トリエチルシトレート、グリセリンカーボネート、乳酸2−エチルヘキシル及びベンジルアルコールを含む群から選択される、請求項1〜18のいずれか一項に記載の組成物。
  21. 前記1種以上の溶剤の1種がジメチルラクトアミドである、請求項19又は20に記載の組成物。
  22. 前記1種以上の溶剤に係る前記ヒドロキシル基又は窒素含有基の前記求核係数が0.3eV未満であり;ここで、前記窒素含有基は、アンモニア、第一級アミン基、第二級アミン基又はこれらの混合物から選択される、請求項1〜21のいずれか一項に記載の組成物。
  23. 前記1種以上の溶剤が、実質的に非水性である溶剤系を含む、請求項1〜22のいずれか一項に記載の組成物。
  24. 前記1種以上の溶剤が、5%w/w未満の水を含む溶剤系を含む、請求項1〜23のいずれか一項に記載の組成物。
  25. 前記組成物に係るN−ホルミルロリンに対するヒドロキシル基及び窒素含有基の全量の前記モル比が約10未満であり、前記組成物に係る前記ヒドロキシル又は窒素含有基の前記求核係数が、0.6eV未満、好ましくは0.5eV未満であり、並びに、前記窒素含有基は、アンモニア、第一級アミン基、第二級アミン基又はこれらの混合物から選択される、請求項1〜24のいずれか一項に記載の組成物。
  26. 1種以上のロリンアルカロイドと1種以上の溶剤とを混合して組成物を形成するステップを含み、前記組成物がヒドロキシル基を含む溶剤を実質的に含まない、請求項1〜25のいずれか一項に記載の組成物を生成する方法。
  27. 植物に浸透移行性病害虫耐性を付与する方法であって、請求項1〜25のいずれか一項に記載の組成物を提供するステップ、及び、前記組成物を前記植物に局部的に適用するステップを含み、これにより、前記1種以上のロリンアルカロイドを前記植物に摂取させて浸透移行性病害虫耐性を付与する方法。
  28. 植物又はその周囲に、請求項1〜25のいずれか一項に記載の組成物を適用するステップを含む、1種以上の病害虫を防除する方法。
  29. 1種以上の昆虫を防除する方法であって、前記1種以上の昆虫に有効量の請求項1〜25のいずれか一項に記載の組成物を接触させるステップを含む方法。
  30. 1種以上の病害虫を防除するための配合物の生産における、請求項1〜25のいずれか一項に記載の組成物の使用。
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