JP2020523305A - 多発性嚢胞疾患を処置するためのリキシバプタン製剤 - Google Patents

多発性嚢胞疾患を処置するためのリキシバプタン製剤 Download PDF

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Abstract

リキシバプタンの製剤、およびその使用方法が多発性嚢胞疾患を処置するために提供される。

Description

[001] 本発明は、一般に、リキシバプタンの製剤、および多発性嚢胞疾患を処置するためのそれらの使用方法に関し、さらに詳しくは、限定するものではないが、リキシバプタンの分割用量製剤、および多発性嚢胞腎疾患、例えば常染色体優性多発性嚢胞腎疾患などを処置するためのそれらの使用方法に関する。
[002] 多発性嚢胞腎疾患は、最も一般的な遺伝性の腎疾患であり、世界における成人の末期腎疾患の主要原因である(Grantham N Engl J Med 2008; 359:1477-85)。2つの認識されている形態があり、常染色体優性多発性嚢胞腎疾患(ADPKD)と常染色体劣性多発性嚢胞腎疾患(ARPKD)である。ADPKDのほとんどの症例はPKD1遺伝子中の変異によるものであり、少数の症例はPKD2中の変異によるものである。PKD1およびPKD2は、3’,5’−環状アデノシン一リン酸(cAMP)、哺乳動物のラパマイシン標的(mTOR)および上皮成長因子受容体経路を含む異なるシグナルを調節するポリシスチン−1およびポリシスチン−2タンパク質(ポリシスチンシグナル伝達複合体)をコードしている。さらに、PC1成熟の欠損によって引き起こされた可能性が高い、以前は遺伝的に解明されていなかった一部のADPKDの症例は、GANAB(グルコシダーゼIIサブユニットαをコードする)の変異が原因であることが明らかになっている(Porath et al 2016 Am J Hum Genet 98(6):1193-207)。
[003] ADPKDは遅発性の進行性疾患であって、典型的には、しかし常にではないが、腎嚢胞の発生が観察され得る成人期までは無症状であり、その後、それらは増殖して最終的に腎不全に至る。ADPKDの合併症は、嚢胞の数、大きさ、および場所に基づいて発症する。総腎容積が大きくなることが、多くの研究で、高血圧、肉眼的血尿、腎結石、および疼痛と関連付けられている。また嚢胞は、他の臓器、例えば、肝臓、膵臓、くも膜、および精嚢などにも生じる可能性がある。ARPKDは、小児の罹患率および死亡率の大きな原因であり、フィブロシスチン(FPC)をコードするPKHD1遺伝子内の変異によって引き起こされ、遺伝子およびタンパク質の両方が常染色体優性多発性嚢胞腎疾患(ADPKD)の遺伝子およびタンパク質と相互に作用する。
[004] 動物モデルの試験は、抗利尿ホルモンのアルギニンバソプレシンおよびそのセカンドメッセンジャーのアデノシン−3’,5’−環状一リン酸(cAMP)が腎嚢胞細胞増殖および管腔液分泌の促進因子として関与していることを示唆している。これらのモデルにおいて、高水分摂取によるバソプレシン放出の抑制、バソプレシンの遺伝的除去、およびバソプレシンV2受容体遮断は、すべて嚢胞の負荷を低減し、腎機能を保護する(Wang, X. et al., 2005 J Am Soc Nephrol 16: 846-851)。そのような前臨床試験から、ヒトADPKDにおけるバソプレッシンV2受容体アンタゴニストのトルバプタンの効果に関する臨床試験が実施された。ただし、トルバプタンの有益な可能性は、それに関連するリスク要因および副作用に大きく影響されてしまう。のどの渇き、多尿、および関連する有害事象は、一部の患者の、有効量のトルバプタンを摂取する能力に影響を及ぼし得る。さらに、アラニンアミノトランスフェラーゼ酵素濃度(肝臓酵素)の上昇は、急性肝不全の可能性を示唆した(Torres, VE. et al., 2012 NEJM 367:2407-18)。
[005] PKDに対する効果的な処置は欠如したままである。したがって、副作用または有害事象が低減したPKDを処置する改良方法が当技術分野で必要とされている。
[006] 当分野における必要性に対処するために、本発明は、リキシバプタン製剤、および多発性嚢胞疾患の処置においてそれを使用する方法を含む。いくつかの実施形態において、多発性嚢胞疾患は、多発性嚢胞腎疾患(PKD)または多発性嚢胞肝疾患である。
[007] 一実施形態において、本発明は、ヒト対象における多発性嚢胞疾患を処置する方法を含む。いくつかの実施形態において、本方法は、リキシバプタンまたはその薬学的に許容可能な塩、プロドラッグ、溶媒和物、互変異性体、もしくは水和物、および薬学的に許容可能な担体を含む治療有効量の医薬組成物を対象に投与することを含み、当該組成物は、リキシバプタン200mg〜800mgを含む。
[008] 一実施形態において、本発明は、それを必要とするヒト対象における多発性嚢胞疾患を処置するための医薬組成物を含む。いくつかの実施形態において、本医薬組成物は、治療有効量のリキシバプタンまたはその薬学的に許容可能な塩、および薬学的に許容可能な担体を含み、治療有効量はリキシバプタン200mg〜800mgである。
[009] 本発明の前述の概要および以下の詳細な説明は、添付した図面と併せて読む場合に一層よく理解される。
[0010]図1は、健康なボランティアにおけるリキシバプタンの1日2回経口用量後の1日目および8日目の平均Uosmの時間経過を図示する。 [0011]図2は、トルバプタンと比較したリキシバプタンで処置された患者を図示しており、y軸は24時間の間、目標レベルより下の中断のない尿浸透圧抑制を達成している対象の%である。 [0012]図3は、健康なボランティアにおけるリキシバプタン単回経口用量後の14日目の平均Uosmの時間経過を図示する。 [0013]図4は、抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(Syndrome of Inappropriate Anti-Diuretic Hormone)の患者におけるリキシバプタン単回経口用量後の1日目の平均Uosmの時間経過を図示する。 [0014]図5は、末期腎疾患の患者と比較した健康なボランティアにおけるリキシバプタンの薬物動態プロファイルを図示する。 [0015]図6は、200mg、300mg、400mg、500mg、600mg、700mg、または800mgの日用量の分割用量(divided-dose)または分割用量(split-dose)処置方法で使用される場合のリキシバプタン用量の例示的な実施形態を示す表を提供する図である。
[0016] 特に断りのない限り、本明細書で使用されているすべての技術用語および科学用語は、本発明が属する当業者によって一般に理解される意味と同じ意味を有する。本明細書において言及されたすべての特許および刊行物は、その全体が参照により組み込まれる。
定義
[0017] 本明細書で使用される場合の「投与する(administer)」、「投与(administration)」または「投与する(administering)」という用語は、(1)医療従事者もしくはその許可を得た行為者による、または本開示に従った前者の指示の下での提供、供給、投与および/または処方;ならびに/あるいは、(2)本開示に従った哺乳動物への注入、哺乳動物による摂取または消費を意味する。
[0018] 本明細書で使用される場合の「併用投与(co-administration)」、「併用投与する(co-administering)」、「組み合わせて投与される(administered in combination with)」、「組み合わせて投与する(administering in combination with)」、「同時(simultaneous)」および「同時的(concurrent)」という用語は、2つ以上の有効医薬成分を対象に投与し、両方の有効医薬成分および/またはそれらの代謝産物が対象中に同時に存在するようにすることを包含する。併用投与には、別々の組成物の同時投与、別々の組成物の異なる時間での投与、または2つ以上の有効医薬成分が存在する組成物の投与が含まれる。別々の組成物の同時投与、および両薬剤が存在する組成物の投与が好ましい。
[0019] 「有効医薬成分」および「薬品」という用語は、リキシバプタン、またはその薬学的に許容可能な塩、プロドラッグ、水和物、共結晶、配座異性体、多形体、結晶形態、互変異性体、もしくは溶媒和物を意味する。
[0020] 「インビボ」という用語は、対象の体内において起こる事象を意味する。
[0021] 「インビトロ」という用語は、対象の体内の外で起こる事象を意味する。インビトロアッセイには、生細胞または死細胞が使用される細胞ベースのアッセイが含まれ、また、完全な細胞を使用しない無細胞アッセイも含まれ得る。
[0022] 本明細書で使用される場合の「治療効果」という用語は、治療上の利点および/または予防効果を含む。予防効果には、疾患もしくは症状の出現の遅延もしくは排除、疾患もしくは症状の徴候の発症の遅延もしくは排除、疾患もしくは症状の進行の遅延、停止もしくは逆転、またはそれらの任意の組合せが含まれる。
[0023] 一般に「治療有効量(therapeutically effective amount)」および「治療有効用量(therapeutically effective dose)」という句は、別段の指定がない限り、多発性嚢胞疾患を処置するために対象に投与した場合に、多発性嚢胞疾患(例えば、多発性嚢胞腎疾患または多発性嚢胞肝疾患)の処置を達成するのに十分であるリキシバプタンの量を意味する。より詳細には、治療有効量または用量は、列挙した投与計画に従って投与した場合に、多発性嚢胞疾患の症状もしくは兆候を予防、緩和もしくは改善するか、または処置される対象の生存を延長するのに有効なリキシバプタンの量を意味する。「治療有効量」または「用量」は、腎臓の危険状態(renal compromise)の重症度に応じて多少変動し得る。本明細書で使用される場合の「治療可能比」とは、治療効果とリキシバプタンの毒性または有害作用との比較を意味する。治療有効量は、意図した適用(インビトロもしくはインビボ)、または治療しようとする対象および病状(例えば、対象の体重、年齢および性別)、病状の重症度、投与方法などに応じ得て変わり得る。その量は当業者が容易に決定することができる。この用語はまた、標的細胞の特定の応答(例えば、血小板粘着および/または細胞遊走の低減)を誘導する用量にも適用される。特定の用量は、従う投与計画、化合物を別の化合物と組み合わせて投与するかどうか、投与のタイミング、投与される組織、および化合物が担持される物理的送達系に応じて変動する。
[0024] 「分割用量」または「分割用量投与計画」とは、明示された総用量に達するように明示された期間にわたり行われる薬品の多数の投与を意味する。例えば、総日用量300mgは2回投与することができ、1回は朝に対象により摂取され、もう1回は晩寝る前に対象により摂取される。いくつかの実施形態において、朝の第1の用量は200mgであってよく、晩の第2の用量は100mgであってよく、これにより日用量の300mgが達成される。
[0025] 「QD」、「qd」、または「q.d.」という用語は、日に1回(quaque die)、1日1回(once a day)、または毎日1回(once daily)を意味する。「BID」、「bid」、または「b.i.d.」という用語は、日に2回(ter in die)、1日2回(twice a day)、または毎日2回(twice daily)を意味する。「TID」、「tid」、または「t.i.d.」という用語は、日に3回(ter in die)、1日3回(three times a day)、または毎日3回(three times daily)を意味する。「QID」、「qid」、または「q.i.d.」という用語は、日に4回(quarter in die)、1日4回(four times a day)、または毎日4回(four times daily)を意味する。
[0026] 「薬学的に許容可能な」という用語は、十分な医学的判断の範囲内で、ヒトの組織と接触させて使用するのに適しており、過度の毒性、炎症、アレルギー反応または他の問題もしくは合併症を伴うことなく、妥当なベネフィット/リスク比に相応する、それらの化合物、材料、組成物、担体、および/または剤形を意味する。
[0027] 「医薬として許容可能な塩」という用語は、当技術分野で知られている様々な有機および無機の対イオンから誘導される塩を意味する。医薬として許容可能な酸付加塩は、無機酸および有機酸を使用して形成することができる。塩を誘導することができる好ましい無機酸としては、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸およびリン酸が挙げられる。塩を誘導することができる好ましい有機酸としては、例えば、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、およびサリチル酸が挙げられる。医薬として許容可能な塩基付加塩は、無機塩基および有機塩基を使用して形成することができる。塩を誘導することができる無機塩基としては、例えば、ナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅、マンガン、およびアルミニウムが挙げられる。塩を誘導することができる有機塩基としては、例えば、第一級アミン、第二級アミンおよび第三級アミン、天然置換アミンを含む置換アミン、環状アミン、および塩基性イオン交換樹脂が挙げられる。特定の例としては、イソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミンおよびエタノールアミンが挙げられる。いくつかの実施形態において、医薬として許容可能な塩基付加塩は、アンモニウム塩、カリウム塩、ナトリウム塩、カルシウム塩およびマグネシウム塩から選択される。「共結晶」という用語は、当技術分野において周知の多くの共結晶形成剤に由来した分子複合体を意味する。塩とは異なり、共結晶は、典型的には共結晶と薬品との間の水素転移にはかかわらず、代わりに結晶構造内における共結晶形成剤と薬品の間の分子間相互作用、例えば、水素結合、芳香族環スタッキング(aromatic ring stacking)、または分散力などにかかわる。
[0028] 「医薬として許容可能な担体」または「医薬として許容可能な賦形剤」は、任意のおよびすべての溶媒、分散媒、コーティング剤、抗細菌剤および抗真菌剤、等張剤および吸収遅延剤、ならびに不活性成分を含むものとする。医薬品有効成分に対するこのような医薬として許容可能な担体または医薬として許容可能な賦形剤の使用は、当技術分野で公知である。任意の従来の医薬として許容可能な担体または医薬として許容可能な賦形剤が有効医薬成分と不適合である場合を除き、本発明の治療組成物におけるその使用が考えられる。さらなる有効医薬成分、例えば、本明細書に開示されている他の薬品もまた、記載した組成物および方法に組み込むことができる。
[0029] 本明細書で使用される場合、「処置する」または「処置」という用語は、多発性嚢胞疾患(例えば、多発性嚢胞腎疾患または多発性嚢胞肝疾患)の進行を制御、処置、または予防することを意味する。多発性嚢胞疾患(例えば、多発性嚢胞腎疾患または多発性嚢胞肝疾患)を「制御する」、「処置する」、または「処置」という用語には、以下が含まれるが、これらに限定されるものではない:(1)多発性嚢胞疾患(例えば多発性嚢胞腎疾患または多発性嚢胞肝疾患)を予防すること、すなわち、疾患に罹患しやすいが、疾患の症状/兆候をまだ経験または提示していない対象において、疾患の臨床症状または兆候を発症させないこと;あるいは(2)疾患を抑制すること、すなわち、疾患またはその臨床症状もしくは兆候の進行を阻止または低減すること。
[0030] 本明細書で使用される場合、「プロドラッグ」という用語は、本明細書に記載されている化合物の誘導体を意味し、その薬理作用は、インビボでの化学的または代謝的プロセスによる活性化合物への変換から得られる。プロドラッグには、アミノ酸残基、または2つ以上(例えば、2、3もしくは4つ)のアミノ酸残基のポリペプチド鎖がリキシバプタンの遊離アミノ、ヒドロキシルまたはカルボン酸にアミド結合またはエステル結合を介して共有結合され、そのような部分を含むように修飾された化合物が包含される。アミノ酸残基は、限定するものではないが、1文字または3文字の記号で一般的に指定される20個の天然アミノ酸を含むが、また、例えば、4−ヒドロキシプロリン、ヒドロキシリジン、デスモシン、イソデスモシン、3−メチルヒスチジン、ベータ−アラニン、ガンマ−アミノ酪酸、シトルリン、ホモシステイン、ホモセリン、オルニチンおよびメチオニンスルホンも含む。さらなる種類のプロドラッグもまた包含される。例えば、遊離カルボキシル基は、アミドまたはアルキルエステル(例えば、メチルエステルおよびアセトキシメチルエステル)として誘導体化することができる。本明細書で使用される場合のプロドラッグエステルには、当業者に周知の方法を使用して、リキシバプタンの1つまたは複数のヒドロキシルを、そのような部分を含むよう改変されるように、アルキル、アルコキシ、またはアリール置換アシル化剤と反応させて酢酸塩、ピバル酸塩、メチルカルボン酸塩、安息香酸塩などを生成することによって形成されたエステルおよびカーボネートが含まれる。さらなる例として、遊離ヒドロキシル基は、Advanced Drug Delivery Reviews, 1996, 19, 115において概説されているように、限定するものではないが、ヘミコハク酸塩、リン酸エステル、ジメチルアミノ酢酸、およびホスホリルオキシメチルオキシカルボニルを含む基を使用して誘導体化することができる。またヒドロキシル基およびアミノ基のカルバメートプロドラッグも含まれ、同様にヒドロキシル基のカーボネートプロドラッグ、スルホン酸プロドラッグ、スルホン酸エステルおよび硫酸エステルも含まれる。また遊離アミンは、アミド、スルホンアミドまたはホスホンアミドに誘導体化することもできる。明示したプロドラッグ部分はすべて、限定するものではないが、エーテル、アミン、およびカルボン酸官能基を含む基を組み入れることができる。さらに、インビボで変換され、生物活性剤(例えばリキシバプタン)を提供することができる任意の化合物は、本発明の範囲内のプロドラッグである。プロドラッグの様々な形態は、当技術分野において周知である。プロドラッグおよびプロドラッグ誘導体の包括的な説明は、以下に記載されている:(a) The Practice of Medicinal Chemistry, Camille G. Wermuth et al., (Academic Press, 1996);(b) Design of Prodrugs, edited by H. Bundgaard, (Elsevier, 1985);(c) A Textbook of Drug Design and Development, P. Krogsgaard−Larson and H. Bundgaard, eds., (Harwood Academic Publishers, 1991)。一般に、プロドラッグは、生体膜を通過する薬品の浸透を改善するように設計して、薬品の吸収を改善し、薬品の作用持続を延長し(プロドラッグからの親薬品の徐放、薬品の初回通過代謝の低減)、薬品作用を標的化し(例えば、器官標的または腫瘍標的)、薬品の水溶性を変更または改善し(例えば、i.v.製剤および点眼剤)、局所用薬品送達を改善し(例えば、皮膚および眼部への薬品送達)、薬品の化学安定性/酵素安定性を改善し、あるいはオフターゲットの薬品効果を減少させ、より一般的には、本発明において利用される化合物の治療効果を改善することができる。
[0031] 例えば、分子量または化学式などの物理的特性または化学的特性を説明するために範囲が本明細書で使用されている場合、範囲および本明細書内の特定の実施形態のすべての組合せおよび下位の組合せが含まれるものとする。数値または数値範囲を言及する場合の「約」という用語の使用は、言及されている数値または数値範囲が実験上の変動内(または統計的な実験誤差内)の近似値であり、したがって、数値または数値範囲は変動し得る。変動は、典型的には、記載した数値または数値範囲の0%〜15%、好ましくは0%〜10%、より好ましくは0%〜5%である。「含む(comprising)」(および関連語、例えば、「含む(「comprise」もしくは「comprises」)」または「有する(「having」)」または「包含する(「including」)」という用語には、それらの実施形態、例えば、記載の特徴「からなる」または「から本質的になる」任意の物質の組成、方法または工程などの実施形態が含まれる。
[0032] 時間の数値を意味する場合の用語「約」を使用する際、その変動は、典型的には、0〜2分、2〜4分、4〜6分、6〜8分、8〜10分、10〜12分、12〜15分、2〜5分、5〜8分、8〜11分、11〜15分、2〜6分、6〜10分、10〜15分、2〜7分、7〜12分、12〜15分、2〜8分、8〜15分、2〜9分、9〜15分、3〜6分、6〜9分、4〜8分、8〜12分、1分、2分、3分、4分、5分、6分、7分、8分、9分、10分、11分、12分、13分、14分、15分の規定の数値または数値範囲である。
[0033] 「部分」とは、分子の特定の区分または官能基を意味する。化学的部分は、多くの場合、分子中に組み入れられているか、または分子に付加されている化学的実体と認識される。
[0034] 「互変異性体」は、互変異性化によって相互交換する構造的に異なる異性体である。「互変異性化」は、異性化の形態であって、酸塩基化学反応の一部と考えられる、プロトトロピー型またはプロトンシフト型互変異性化を含む。「プロトトロピー型互変異性化」または「プロトン移動互変異性化」は、多くの場合、単結合の隣接する二重結合との交換など、結合次数の変化によるプロトンの移動を伴う。互変異性化が可能な場合(例えば、溶液中で)、互変異性体の化学平衡に到達させることができる。互変異性化の一例は、ケト−エノール互変異性化である。ケト−エノール互変異性化の特定の例は、ペンタン−2,4−ジオン互変異性体と4−ヒドロキシペンタ−3−エン−2−オン互変異性体の相互変換である。互変異性化の別の例は、フェノール−ケトの互変異性化である。フェノール−ケトの互変異性化の特定の例は、ピリジン−4−オール互変異性体とピリジン−4(1H)−オン互変異性体の相互変換である。
[0035] 「溶媒和物」とは、医薬として許容可能な溶媒の1種または複数の分子と物理的に結合している化合物を意味する。
[0036] 本発明の化合物はまた、それらの化合物の結晶形態および非晶質形態、例えば、多形体、偽多形体、溶媒和物、水和物、非溶媒和多形体(無水物を含む)、立体配座多形体、および化合物の非晶質形態、ならびにそれらの混合物などを含んでいる。「結晶形態」および「多形体」は、特定の結晶形態または非晶形態が言及されていない限り、化合物のすべての結晶体および非晶形体、例えば、多形体、偽多形体、溶媒和物、水和物、非溶媒和多形体(無水物を含む)、立体配座多形体、および化合物の非晶質形態、ならびにそれらの混合物を含むものとする。
[0037] 疑問を回避するため、本明細書においては、本発明の特定の態様、実施形態または実施例と関連して説明されている特定の特徴(例えば、整数、特性、値、使用、疾患、式、化合物または群)は、もし相容れないということがなければ、本明細書に記載されている他の任意の態様、実施形態、または実施例に適用可能であるものと理解されたい。したがって、そのような特徴は、適宜、本明細書で定義されている定義、特許請求の範囲、または実施形態のいずれかと関連して使用することができる。本明細書に開示されている態様のすべて(すべての添付の特許請求の範囲、要約および図面を含む)、ならびに/あるいはそのように開示されているいずれかの方法またはプロセスの工程のすべては、少なくとも一部の態様および/または工程が相互に排他的である組合せを除き、任意の組合せで組み合わせることができる。本発明は、開示されているいずれの実施形態のいずれの詳細にも限定されない。本発明は、本明細書(添付の特許請求の範囲、要約および図面を含む)に開示されている態様のいずれかの新規なもの、またはそのように開示されているいずれかの方法またはプロセスの工程のいずれかの新規なもの、またはいずれかの新規な組合せにまで及ぶ。
[0038] さらに、本明細書で使用される場合、「約」という用語は、時間、寸法、サイズ、式、パラメーター、形状、ならびに他の量および特性が厳密ではなく、また厳密である必要はないが、所望により、公差、変換係数、四捨五入、測定誤差等、および当業者に周知の他の要因を反映して、近似および/または大きくても小さくてもよいことを意味する。一般に、寸法、時間、サイズ、式、パラメーター、形状、または他の量もしくは特性は、明白にそうであると述べているかどうかにかかわらず、「約」または「およそ」である。非常に異なるサイズ、形状、および寸法の実施形態は、説明した取決めを使用し得ることに留意のこと。
[0039] さらに、添付の特許請求の範囲において使用される場合、移行用語の「含む(comprising)」、「から本質的になる(consisting essentially of)」、および「からなる(consisting of)」とは、元の形式および修正された形式で、詳述されていない追加の特許請求の範囲の要素または工程がもしあった場合に特許請求の範囲(複数可)の範囲からの除外に関して特許請求の範囲を定義する。「含む」という用語は、包含的または無制限であるものとし、追加的な詳述されていないいかなる要素、方法、工程、または材料も除外するものではない。「からなる」という用語は、特許請求の範囲で明示されているもの以外のすべての要素、工程、または材料を除外し、後者の場合、明示された材料(複数可)に通常伴う不純物を除外する。「から本質的になる」という用語は、特許請求の範囲を、明示した要素、工程、または材料(複数可)であって、請求した本発明の基本的および新規な特性(複数可)に実質的に影響しないものに限定する。あるいは、本発明のすべての実施形態は、「含む」、「から本質的になる」、および「からなる」の移行用語のうちのいずれかによってより詳細に定義することができる。
リキシバプタンおよびそれらの変異体
[0040] リキシバプタン(VPA−985、BIIB030およびCL 347,985としても知られている;CAS登録番号168079−32−1)は、バソプレシンV2受容体の強力な非ペプチド選択的拮抗薬である。リキシバプタンの化学名は、5−フルオロ−2−メチル−N−[4−(5H−ピロロ[2,1−C][1,4]ベンゾジアゼピン−10(11H)−イルカルボニル)−3−クロロフェニル]ベンズアミドである。リキシバプタンは、一般的に、ベンゾアゼピンと呼ばれている。リキシバプタンの合成例は、Albright, et al., J. Med. Chem. (1998) 41: 2442−2444で開示されており、またリキシバプタンの構造を以下に示す:
Figure 2020523305
[0041] リキシバプタンは、V2受容体により媒介されるバソプレシンの作用に拮抗し、遊離水分排出を増加させる薬理学的効果をもたらすことにより、結果として、尿浸透圧(Uosm)が低下し、尿流量が増加し、血清浸透圧(Sosm)が増加する。これは低ナトリウム血症を処置するために臨床的に研究されてきた。しかし、低ナトリウム血症を効果的に処置するために研究された用量は、PKDの処置に有益なUosmの低下により測定した場合、バソプレッシンV2受容体活性を抑制しなかった。したがって、本発明の目的は、一部の対象において疾患の効果的な処置を制限または禁止する可能性のあるいくつかの顕著な有害作用を伴わずに、PKDを処置することができるリキシバプタンの用量を提供することである。
[0042] 一実施形態において、リキシバプタンは、本明細書に記載されているように、リキシバプタンの薬学的に許容可能な塩、それらのプロドラッグ、溶媒和物、共結晶、配座異性体、多形体、結晶形態、互変異性体、または水和物を包含する。
リキシバプタンにより多発性嚢胞疾患を処置する方法
[0043] 一実施形態において、本発明は、そのような処置を必要とするヒト対象における多発性嚢胞疾患を処置する方法を含む。いくつかの実施形態において、本発明は、多発性嚢胞腎疾患(PKD)または多発性嚢胞性肝疾患を処置する方法を含む。いくつかの実施形態において、本発明の方法により処置される多発性嚢胞腎疾患(PKD)は、常染色体優性多発性嚢胞腎疾患(ADPKD)であり得る。
[0044] いくつかの実施形態において、本発明の方法は、治療有効量のリキシバプタン、またはその薬学的に許容可能な塩、プロドラッグ、溶媒和物、共結晶、配座異性体、多形体、結晶形態、互変異性体、もしくは水和物をヒト対象に投与することを含む。
[0045] いくつかの実施形態において、本発明の方法は、リキシバプタン、またはその薬学的に許容可能な塩、プロドラッグ、溶媒和物、共結晶、配座異性体、多形体、結晶形態、互変異性体、もしくは水和物、および薬学的に許容可能な担体を含む治療有効量の医薬組成物をヒト対象に投与することを含む。
[0046] いくつかの実施形態において、本発明の方法は、リキシバプタン、またはその薬学的に許容可能な塩、プロドラッグ、溶媒和物、共結晶、配座異性体、多形、結晶形態、互変異性体、もしくは水和物、および薬学的に許容可能な担体を含む第1の医薬組成物を、本明細書に記載されている第1の用量で、ヒト対象に投与する工程を含む。
[0047] いくつかの実施形態において、本発明の方法は、リキシバプタン、またはその薬学的に許容可能な塩、プロドラッグ、溶媒和物、共結晶、配座異性体、多形、結晶形態、互変異性体、もしくは水和物、および薬学的に許容可能な担体を含む第2の医薬組成物を、本明細書に記載されている第2の用量で、ヒト対象に投与する工程を含み、第2の医薬組成物は、第1の期間の後にヒト対象に送達される。
[0048] 一実施形態において、第1の医薬組成物と第2の医薬組成物は同じである。
[0049] いくつかの実施形態において、第1の期間は、約1時間〜約24時間、または約2時間〜約23時間、または約3時間〜約22時間、または約4時間〜約21時間、または約5時間〜約20時間、または約6時間〜約19時間、または約7時間〜約18時間、または約8時間〜約9時間、または約8時間〜約10時間、または約8時間〜約11時間、または約8時間〜約12時間、または約8時間〜約13時間、または約8時間〜約14時間、または約8時間〜約15時間、または約8時間〜約16時間、または約8時間〜約17時間、約9時間〜約10時間、または約9時間〜約11時間、または約9時間〜約12時間、または約9時間〜約13時間、または約9時間〜約14時間、または約9時間〜約15時間、または約9時間〜約16時間、または約9時間〜約17時間、約10時間〜約11時間、または約10時間〜約12時間、または約10時間〜約13時間、または約10時間〜約14時間、または約10時間〜約15時間、または約10時間〜約16時間、または約10時間〜約17時間、または約11時間〜約12時間、または約11時間〜約13時間、または約11時間〜約14時間、または約11時間〜約15時間、または約11時間〜約16時間、または約11時間〜約17時間または少なくとも1時間、または少なくとも2時間、または少なくとも3時間、または少なくとも4時間、または少なくとも5時間、または少なくとも6時間、または少なくとも7時間、または少なくとも8時間、または少なくとも9時間、または少なくとも10時間、または少なくとも11時間、または少なくとも12時間、または少なくとも13時間、または少なくとも14時間、または少なくとも15時間、または少なくとも16時間、または少なくとも17時間、または少なくとも18時間、または少なくとも19時間、または少なくとも20時間、または少なくとも21時間、または少なくとも22時間、または少なくとも23時間または最大1時間、または最大2時間、または最大3時間、または最大4時間、または最大5時間、または最大6時間、または最大7時間、または最大8時間、または最大9時間、または最大10時間、または最大11時間、または最大12時間、または最大13時間、または最大14時間、または最大15時間、または最大16時間、または最大17時間、または最大18時間、または最大19時間、または最大20時間、または最大21時間、または最大22時間、または最大23時間、または約1時間、または約2時間、または約3時間、または約4時間、または約5時間、または約6時間、または約7時間、または約8時間、または約9時間、または約10時間、または約11時間、または約12時間、または約13時間、または約14時間、または約15時間、または約16時間、または約17時間、または約18時間、または約19時間、または約20時間または約21時間、または約22時間、または約23時間、または約24時間である。
[0050] いくつかの実施形態において、本発明の方法は、リキシバプタン、またはその薬学的に許容可能な塩、プロドラッグ、溶媒和物、共結晶、配座異性体、多形、結晶形態、互変異性体、もしくは水和物、および薬学的に許容可能な担体を含む第3医薬組成物を、本明細書に記載されている第3の用量で、ヒト対象に投与する工程を含み、第3の医薬組成物は、第2の期間の後にヒト対象に送達される。
[0051] いくつかの実施形態において、第2の期間は、約1時間〜約24時間、または約2時間〜約23時間、または約3時間〜約22時間、または約4時間〜約21時間、または約5時間〜約20時間、または約6時間〜約19時間、または約7時間〜約18時間、または約8時間〜約9時間、または約8時間〜約10時間、または約8時間〜約11時間、または約8時間〜約12時間、または約8時間〜約13時間、または約8時間〜約14時間、または約8時間〜約15時間、または約8時間〜約16時間、または約8時間〜約17時間、約9時間〜約10時間、または約9時間〜約11時間、または約9時間〜約12時間、または約9時間〜約13時間、または約9時間〜約14時間、または約9時間〜約15時間、または約9時間〜約16時間、または約9時間〜約17時間、約10時間〜約11時間、または約10時間〜約12時間、または約10時間〜約13時間、または約10時間〜約14時間、または約10時間〜約15時間、または約10時間〜約16時間、または約10時間〜約17時間、または約11時間〜約12時間、または約11時間〜約13時間、または約11時間〜約14時間、または約11時間〜約15時間、または約11時間〜約16時間、または約11時間〜約17時間または少なくとも1時間、または少なくとも2時間、または少なくとも3時間、または少なくとも4時間、または少なくとも5時間、または少なくとも6時間、または少なくとも7時間、または少なくとも8時間、または少なくとも9時間、または少なくとも10時間、または少なくとも11時間、または少なくとも12時間、または少なくとも13時間、または少なくとも14時間、または少なくとも15時間、または少なくとも16時間、または少なくとも17時間、または少なくとも18時間、または少なくとも19時間、または少なくとも20時間、または少なくとも21時間、または少なくとも22時間、または少なくとも23時間、または最大1時間、または最大2時間、または最大3時間、または最大4時間、または最大5時間、または最大6時間、または最大7時間、または最大8時間、または最大9時間、または最大10時間、または最大11時間、または最大12時間、または最大13時間、または最大14時間、または最大15時間、または最大16時間、または最大17時間、または最大18時間、または最大19時間、または最大20時間、または最大21時間、または最大22時間、または最大23時間、または約1時間、または約2時間、または約3時間、または約4時間、または約5時間、または約6時間、または約7時間、または約8時間、または約9時間、または約10時間、または約11時間、または約12時間、または約13時間、または約14時間、または約15時間、または約16時間、または約17時間、または約18時間、または約19時間、または約20時間または約21時間、または約22時間、または約23時間、または約24時間である。
[0052] いくつかの実施形態において、24時間での第1の用量、第2の用量、および/または第3の用量は、適用可能な場合、同じ量である。
[0053] いくつかの実施形態において、第1の用量は第2の用量よりも多い。いくつかの実施形態において、第1の用量は第3の用量よりも多い。
[0054] いくつかの実施形態において、第2の用量は第1の用量よりも多い。いくつかの実施形態において、第2の用量は第3の用量よりも多い。
[0055] いくつかの実施形態において、第3の用量は第1の用量よりも多い。いくつかの実施形態において、第3の用量は第2の用量よりも多い。
[0056] いくつかの実施形態において、第1の用量は、約5mg〜約1000mg、または約5mg〜約25mg、または約25mg〜約50mg、または約50mg〜約75mg、または約75mg〜約100mg、または約100mg〜約125mg、または約125mg〜約150mg、または約150mg〜約175mg、または約175mg〜約200mg、または約200mg〜約225mg、または約225mg〜約250mg、または約250mg〜約275mg、または約275mg〜約300mg、または約300mg〜約325mg、または約325mg〜約350mg、または約350mg〜約375mg、または約375mg〜約400mg、または約400mg〜約425mg、または約425mg〜約450mg、または約450mg〜約475mg、または約475mg〜約500mg、または約500mg〜約525mg、または約525mg〜約550mg、または約550mg〜約575mg、または約575mg〜約600mg、または約600mg〜約625mg、または約625mg〜約650mg、または約650mg〜約675mg、または約675mg〜約700mg、または約700mg〜約725mg、または約725mg〜約750mg、または約750mg〜約775mg、または約775mg〜約800mg、または少なくとも5mg、または少なくとも25mg、または少なくとも50mg、または少なくとも75mg、または少なくとも100mg、または少なくとも125mg、または少なくとも150mg、または少なくとも175mg、または少なくとも200mg、または少なくとも225mg、または少なくとも250mg、または少なくとも275mg、または少なくとも300mg、または少なくとも325mg、または少なくとも350mg、または少なくとも375mg、または少なくとも400mg、または少なくとも425mg、または少なくとも450mg、または少なくとも475mg、または少なくとも500mg、または少なくとも525mg、または少なくとも550mg、または少なくとも575mg、または少なくとも600mg、または少なくとも625mg、または少なくとも650mg、または少なくとも650mg、または少なくとも675mg、または少なくとも700mg、または少なくとも725mg、または少なくとも750mg、または少なくとも775mg、または少なくとも800mg、または最大5mg、または最大25mg、または最大50mg、または最大75mg、または最大100mg、または最大125mg、または最大150mg、または最大175mg、または最大200mg、または最大225mg、または最大250mg、または最大275mg、または最大300mg、または最大325mg、または最大350mg、または最大375mg、または最大400mg、または最大425mg、または最大450mg、または最大475mg、または最大500mg、または最大525mg、または最大550mg、または最大575mg、または最大600mg、または最大625mg、または最大650mg、または最大650mg、または最大675mg、または最大700mg、または最大725mg、または最大750mg、または最大775mg、または最大800mg、または約5mg、または約25mg、または約50mg、または約75mg、または約100mg、または約125mg、または約150mg、または約175mg、または約200mg、または約225mg、または約250mg、または約275mg、または約300mg、または約325mg、または約350mg、または約375mg、または約400mg、または約425mg、または約450mg、または約475mg、または約500mg、または約525mg、または約550mg、または約575mg、または約600mg、または約625mg、または約650mg、または約650mg、または約675mg、または約700mg、または約725mg、または約750mg、または約775mg、または約800mgである。
[0057] いくつかの実施形態において、第2の用量は、約5mg〜約1000mg、または約5mg〜約25mg、または約25mg〜約50mg、または約50mg〜約75mg、または約75mg〜約100mg、または約100mg〜約125mg、または約125mg〜約150mg、または約150mg〜約175mg、または約175mg〜約200mg、または約200mg〜約225mg、または約225mg〜約250mg、または約250mg〜約275mg、または約275mg〜約300mg、または約300mg〜約325mg、または約325mg〜約350mg、または約350mg〜約375mg、または約375mg〜約400mg、または約400mg〜約425mg、または約425mg〜約450mg、または約450mg〜約475mg、または約475mg〜約500mg、または約500mg〜約525mg、または約525mg〜約550mg、または約550mg〜約575mg、または約575mg〜約600mg、または約600mg〜約625mg、または約625mg〜約650mg、または約650mg〜約675mg、または約675mg〜約700mg、または約700mg〜約725mg、または約725mg〜約750mg、または約750mg〜約775mg、または約775mg〜約800mg、または少なくとも5mg、または少なくとも25mg、または少なくとも50mg、または少なくとも75mg、または少なくとも100mg、または少なくとも125mg、または少なくとも150mg、または少なくとも175mg、または少なくとも200mg、または少なくとも225mg、または少なくとも250mg、または少なくとも275mg、または少なくとも300mg、または少なくとも325mg、または少なくとも350mg、または少なくとも375mg、または少なくとも400mg、または少なくとも425mg、または少なくとも450mg、または少なくとも475mg、または少なくとも500mg、または少なくとも525mg、または少なくとも550mg、または少なくとも575mg、または少なくとも600mg、または少なくとも625mg、または少なくとも650mg、または少なくとも650mg、または少なくとも675mg、または少なくとも700mg、または少なくとも725mg、または少なくとも750mg、または少なくとも775mg、または少なくとも800mg、または最大5mg、または最大25mg、または最大50mg、または最大75mg、または最大100mg、または最大125mg、または最大150mg、または最大175mg、または最大200mg、または最大225mg、または最大250mg、または最大275mg、または最大300mg、または最大325mg、または最大350mg、または最大375mg、または最大400mg、または最大425mg、または最大450mg、または最大475mg、または最大500mg、または最大525mg、または最大550mg、または最大575mg、または最大600mg、または最大625mg、または最大650mg、または最大650mg、または最大675mg、または最大700mg、または最大725mg、または最大750mg、または最大775mg、または最大800mg、または約5mg、または約25mg、または約50mg、または約75mg、または約100mg、または約125mg、または約150mg、または約175mg、または約200mg、または約225mg、または約250mg、または約275mg、または約300mg、または約325mg、または約350mg、または約375mg、または約400mg、または約425mg、または約450mg、または約475mg、または約500mg、または約525mg、または約550mg、または約575mg、または約600mg、または約625mg、または約650mg、または約650mg、または約675mg、または約700mg、または約725mg、または約750mg、または約775mg、または約800mgである。
[0058] いくつかの実施形態において、第3の用量は、約5mg〜約1000mg、または約5mg〜約25mg、または約25mg〜約50mg、または約50mg〜約75mg、または約75mg〜約100mg、または約100mg〜約125mg、または約125mg〜約150mg、または約150mg〜約175mg、または約175mg〜約200mg、または約200mg〜約225mg、または約225mg〜約250mg、または約250mg〜約275mg、または約275mg〜約300mg、または約300mg〜約325mg、または約325mg〜約350mg、または約350mg〜約375mg、または約375mg〜約400mg、または約400mg〜約425mg、または約425mg〜約450mg、または約450mg〜約475mg、または約475mg〜約500mg、または約500mg〜約525mg、または約525mg〜約550mg、または約550mg〜約575mg、または約575mg〜約600mg、または約600mg〜約625mg、または約625mg〜約650mg、または約650mg〜約675mg、または約675mg〜約700mg、または約700mg〜約725mg、または約725mg〜約750mg、または約750mg〜約775mg、または約775mg〜約800mg、または少なくとも5mg、または少なくとも25mg、または少なくとも50mg、または少なくとも75mg、または少なくとも100mg、または少なくとも125mg、または少なくとも150mg、または少なくとも175mg、または少なくとも200mg、または少なくとも225mg、または少なくとも250mg、または少なくとも275mg、または少なくとも300mg、または少なくとも325mg、または少なくとも350mg、または少なくとも375mg、または少なくとも400mg、または少なくとも425mg、または少なくとも450mg、または少なくとも475mg、または少なくとも500mg、または少なくとも525mg、または少なくとも550mg、または少なくとも575mg、または少なくとも600mg、または少なくとも625mg、または少なくとも650mg、または少なくとも650mg、または少なくとも675mg、または少なくとも700mg、または少なくとも725mg、または少なくとも750mg、または少なくとも775mg、または少なくとも800mg、または最大5mg、または最大25mg、または最大50mg、または最大75mg、または最大100mg、または最大125mg、または最大150mg、または最大175mg、または最大200mg、または最大225mg、または最大250mg、または最大275mg、または最大300mg、または最大325mg、または最大350mg、または最大375mg、または最大400mg、または最大425mg、または最大450mg、または最大475mg、または最大500mg、または最大525mg、または最大550mg、または最大575mg、または最大600mg、または最大625mg、または最大650mg、または最大650mg、または最大675mg、または最大700mg、または最大725mg、または最大750mg、または最大775mg、または最大800mg、または約5mg、または約25mg、または約50mg、または約75mg、または約100mg、または約125mg、または約150mg、または約175mg、または約200mg、または約225mg、または約250mg、または約275mg、または約300mg、または約325mg、または約350mg、または約375mg、または約400mg、または約425mg、または約450mg、または約475mg、または約500mg、または約525mg、または約550mg、または約575mg、または約600mg、または約625mg、または約650mg、または約650mg、または約675mg、または約700mg、または約725mg、または約750mg、または約775mg、または約800mgである。
[0059] 本発明の方法のいくつかの実施形態において、本明細書に記載されている医薬組成物は、1日1回送達される(例えば、第1の組成物)。
[0060] いくつかの実施形態において、医薬組成物の治療有効量は、本明細書に記載されている第1の用量または第2の用量または第3の用量である。
[0061] 本発明の方法のいくつかの実施形態において、医薬組成物は分割用量として送達される。本発明の方法のいくつかの実施形態において、医薬組成物は1日2回送達される(例えば、第1の組成物および第2の組成物)。本発明の方法のいくつかの実施形態において、医薬組成物は1日3回送達される(例えば、第1の組成物、第2の組成物、および第3の組成物)。いくつかの実施形態において、分割用量は合計すると日用量になる。いくつかの実施形態において、医薬組成物の分割用量の治療有効量は、第1の用量および第2の用量の合計、または第1の用量および第の2用量および第3用量の合計であり得る。一実施形態において、リキシバプタンは、300mgの日用量で送達することができ、朝に200mgの第1の用量を、同日の8〜12時間後に100mgの第2の用量を送達することができる。一実施形態において、リキシバプタンは、300mgの日用量で送達することができ、朝に200mgの第1の用量を、同日の約8時間後に100mgの第2の用量を送達することができる。一実施形態において、リキシバプタンは、300mgの日用量で送達することができ、朝に200mgの第1の用量を、同日の約9時間後に100mgの第2の用量を送達することができる。一実施形態において、リキシバプタンは、300mgの日用量で送達することができ、朝に200mgの第1の用量を、同日の約10時間後に100mgの第2の用量を送達することができる。一実施形態において、リキシバプタンは、300mgの日用量で送達することができ、朝に200mgの第1の用量を、同日の約11時間後に100mgの第2の用量を送達することができる。一実施形態において、リキシバプタンは、300mgの日用量で送達することができ、朝に200mgの第1の用量を、同日の約12時間後に100mgの第2の用量を送達することができる。あるいは、リキシバプタンは、300mgの日用量で送達することができ、朝に150mgの第1の用量が対象により摂取され、同日の約6〜8時間後に100mgの第2の用量が対象により摂取され、同日の6〜8時間後に50mgの第3の用量が摂取される。
[0062] いくつかの実施形態において、日用量は第1の用量および第2の用量の合計であってよく、その日用量は約25mg〜約50mg、または約50mg〜約75mg、または約75mg〜約100mg、または約100mg〜約125mg、または約125mg〜約150mg、または約150mg〜約175mg、または約175mg〜約200mg、または約200mg〜約225mg、または約225mg〜約250mg、または約250mg〜約275mg、または約275mg〜約300mg、または約300mg〜約325mg、または約325mg〜約350mg、または約350mg〜約375mg、または約375mg〜約400mg、または約400mg〜約425mg、または約425mg〜約450mg、または約450mg〜約475mg、または約475mg〜約500mg、または約500mg〜約525mg、または約525mg〜約550mg、または約550mg〜約575mg、または約575mg〜約600mg、または約600mg〜約625mg、または約625mg〜約650mg、または約650mg〜約675mg、または約675mg〜約700mg、または約700mg〜約725mg、または約725mg〜約750mg、または約750mg〜約775mg、または約775mg〜約800mg、または少なくとも50mg、または少なくとも75mg、または少なくとも100mg、または少なくとも125mg、または少なくとも150mg、または少なくとも175mg、または少なくとも200mg、または少なくとも225mg、または少なくとも250mg、または少なくとも275mg、または少なくとも300mg、または少なくとも325mg、または少なくとも350mg、または少なくとも375mg、または少なくとも400mg、または少なくとも425mg、または少なくとも450mg、または少なくとも475mg、または少なくとも500mg、または少なくとも525mg、または少なくとも550mg、または少なくとも575mg、または少なくとも600mg、または少なくとも625mg、または少なくとも650mg、または少なくとも650mg、または少なくとも675mg、または少なくとも700mg、または少なくとも725mg、または少なくとも750mg、または少なくとも775mg、または少なくとも800mg、または最大50mg、または最大75mg、または最大100mg、または最大125mg、または最大150mg、または最大175mg、または最大200mg、または最大225mg、または最大250mg、または最大275mg、または最大300mg、または最大325mg、または最大350mg、または最大375mg、または最大400mg、または最大425mg、または最大450mg、または最大475mg、または最大500mg、または最大525mg、または最大550mg、または最大575mg、または最大600mg、または最大625mg、または最大650mg、または最大650mg、または最大675mg、または最大700mg、または最大725mg、または最大750mg、または最大775mg、または最大800mg、または約50mg、または約75mg、または約100mg、または約125mg、または約150mg、または約175mg、または約200mg、または約225mg、または約250mg、または約275mg、または約300mg、または約325mg、または約350mg、または約375mg、または約400mg、または約425mg、または約450mg、または約475mg、または約500mg、または約525mg、または約550mg、または約575mg、または約600mg、または約625mg、または約650mg、または約650mg、または約675mg、または約700mg、または約725mg、または約750mg、または約775mg、または約800mgである。
[0063] いくつかの実施形態において、日用量は、第1の用量、第2の用量、および第3の用量の合計であってよく、その日用量は約25mg〜約50mg、または約50mg〜約75mg、または約75mg〜約100mg、または約100mg〜約125mg、または約125mg〜約150mg、または約150mg〜約175mg、または約175mg〜約200mg、または約200mg〜約225mg、または約225mg〜約250mg、または約250mg〜約275mg、または約275mg〜約300mg、または約300mg〜約325mg、または約325mg〜約350mg、または約350mg〜約375mg、または約375mg〜約400mg、または約400mg〜約425mg、または約425mg〜約450mg、または約450mg〜約475mg、または約475mg〜約500mg、または約500mg〜約525mg、または約525mg〜約550mg、または約550mg〜約575mg、または約575mg〜約600mg、または約600mg〜約625mg、または約625mg〜約650mg、または約650mg〜約675mg、または約675mg〜約700mg、または約700mg〜約725mg、または約725mg〜約750mg、または約750mg〜約775mg、または約775mg〜約800mg、または少なくとも50mg、または少なくとも75mg、または少なくとも100mg、または少なくとも125mg、または少なくとも150mg、または少なくとも175mg、または少なくとも200mg、または少なくとも225mg、または少なくとも250mg、または少なくとも275mg、または少なくとも300mg、または少なくとも325mg、または少なくとも350mg、または少なくとも375mg、または少なくとも400mg、または少なくとも425mg、または少なくとも450mg、または少なくとも475mg、または少なくとも500mg、または少なくとも525mg、または少なくとも550mg、または少なくとも575mg、または少なくとも600mg、または少なくとも625mg、または少なくとも650mg、または少なくとも650mg、または少なくとも675mg、または少なくとも700mg、または少なくとも725mg、または少なくとも750mg、または少なくとも775mg、または少なくとも800mg、または最大50mg、または最大75mg、または最大100mg、または最大125mg、または最大150mg、または最大175mg、または最大200mg、または最大225mg、または最大250mg、または最大275mg、または最大300mg、または最大325mg、または最大350mg、または最大375mg、または最大400mg、または最大425mg、または最大450mg、または最大475mg、または最大500mg、または最大525mg、または最大550mg、または最大575mg、または最大600mg、または最大625mg、または最大650mg、または最大650mg、または最大675mg、または最大700mg、または最大725mg、または最大750mg、または最大775mg、または最大800mg、または約50mg、または約75mg、または約100mg、または約125mg、または約150mg、または約175mg、または約200mg、または約225mg、または約250mg、または約275mg、または約300mg、または約325mg、または約350mg、または約375mg、または約400mg、または約425mg、または約450mg、または約475mg、または約500mg、または約525mg、または約550mg、または約575mg、または約600mg、または約625mg、または約650mg、または約650mg、または約675mg、または約700mg、または約725mg、または約750mg、または約775mg、または約800mgである。
[0064] 本発明の方法のいくつかの実施形態において、医薬組成物は分割用量として送達され、これは、医薬組成物の第1の用量および第2の用量が図6に記載の表に従って配分される2つの用量(例えば、第1の用量および第2の用量)であってもよい。図6に記載のそれぞれの投与方法は、用量1が第1の用量であり、用量2が第2の用量であり、これは本発明の例示的な実施形態を示している。
[0065] いくつかの実施形態において、第1の用量は、日用量の少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、94%、93%、92%、91%、90%、89%、88%、87%、86%、85%、84%、83%、82%、81%、80%、79%、78%、77%、76%、75%、74%、73%、72%、71%、70%、69%、68%、67%、66%、65%、64%、63%、62%、61%、60%、59%、58%、57%、56%、55%、54%、53%、52%、51%、50%、49%、48%、47%、46%、45%、44%、43%、42%、41%、40%、39%、38%、37%、36%、35%、34%、33%、32%、31%、30%、29%、28%、27%、26%、25%、24%、23%、22%、21%、20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、または5%である。いくつかの実施形態において、第1の用量は、日用量の最大99%、98%、97%、96%、95%、94%、93%、92%、91%、90%、89%、88%、87%、86%、85%、84%、83%、82%、81%、80%、79%、78%、77%、76%、75%、74%、73%、72%、71%、70%、69%、68%、67%、66%、65%、64%、63%、62%、61%、60%、59%、58%、57%、56%、55%、54%、53%、52%、51%、50%、49%、48%、47%、46%、45%、44%、43%、42%、41%、40%、39%、38%、37%、36%、35%、34%、33%、32%、31%、30%、29%、28%、27%、26%、25%、24%、23%、22%、21%、20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、または5%である。いくつかの実施形態において、第1の用量は、日用量の約99%、98%、97%、96%、95%、94%、93%、92%、91%、90%、89%、88%、87%、86%、85%、84%、83%、82%、81%、80%、79%、78%、77%、76%、75%、74%、73%、72%、71%、70%、69%、68%、67%、66%、65%、64%、63%、62%、61%、60%、59%、58%、57%、56%、55%、54%、53%、52%、51%、50%、49%、48%、47%、46%、45%、44%、43%、42%、41%、40%、39%、38%、37%、36%、35%、34%、33%、32%、31%、30%、29%、28%、27%、26%、25%、24%、23%、22%、21%、20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、または5%である。
[0066] いくつかの実施形態において、第2の用量は、日用量の少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、94%、93%、92%、91%、90%、89%、88%、87%、86%、85%、84%、83%、82%、81%、80%、79%、78%、77%、76%、75%、74%、73%、72%、71%、70%、69%、68%、67%、66%、65%、64%、63%、62%、61%、60%、59%、58%、57%、56%、55%、54%、53%、52%、51%、50%、49%、48%、47%、46%、45%、44%、43%、42%、41%、40%、39%、38%、37%、36%、35%、34%、33%、32%、31%、30%、29%、28%、27%、26%、25%、24%、23%、22%、21%、20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、または5%である。いくつかの実施形態において、第2の用量は、日用量の最大99%、98%、97%、96%、95%、94%、93%、92%、91%、90%、89%、88%、87%、86%、85%、84%、83%、82%、81%、80%、79%、78%、77%、76%、75%、74%、73%、72%、71%、70%、69%、68%、67%、66%、65%、64%、63%、62%、61%、60%、59%、58%、57%、56%、55%、54%、53%、52%、51%、50%、49%、48%、47%、46%、45%、44%、43%、42%、41%、40%、39%、38%、37%、36%、35%、34%、33%、32%、31%、30%、29%、28%、27%、26%、25%、24%、23%、22%、21%、20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、または5%である。いくつかの実施形態において、第2の用量は、日用量の約99%、98%、97%、96%、95%、94%、93%、92%、91%、90%、89%、88%、87%、86%、85%、84%、83%、82%、81%、80%、79%、78%、77%、76%、75%、74%、73%、72%、71%、70%、69%、68%、67%、66%、65%、64%、63%、62%、61%、60%、59%、58%、57%、56%、55%、54%、53%、52%、51%、50%、49%、48%、47%、46%、45%、44%、43%、42%、41%、40%、39%、38%、37%、36%、35%、34%、33%、32%、31%、30%、29%、28%、27%、26%、25%、24%、23%、22%、21%、20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、または5%である。
[0067] 多発性嚢胞疾患、例えば多発性嚢胞腎疾患または多発性嚢胞肝疾患などは遺伝性疾患であり、そのため処置は対象の生涯にわたり最適に行われる。多発性嚢胞疾患の処置を開始する際、対象は「用量設定段階」を経て、対象によって忍容性が示される最大用量を確立し、それが維持用量として確立される。用量設定段階中、対象は維持用量を確立するために、漸増または漸減のいずれかを探求することができる。漸増アプローチにおいて、対象は、ある程度の有効性が得られることが予測される低用量で開始し、忍容性が示され得る用量まで対象の用量を増加させる。忍容性を示した、または忍容性を示し得るとは、薬品処置による効果と疾患の複合が対象によって管理され得ることを意味する。漸減アプローチにおいては、対象は、効果的で忍容性を示し得る用量まで用量を低減する。用量設定段階の期間は、1日から1カ月であり、また用量設定段階中、日用量は単回用量として、または分割用量として投与され得る。
[0068] 医薬組成物が分割用量として投与されるいくつかの実施形態において、第1の日用量の第1の医薬組成物を約1〜21日間、または約7〜14日間の処置期間投与し、その後、第2の日用量の第2の医薬組成物を約1〜21日間、または約7〜14日間の処置期間投与することができ、ここで、第2の日用量は第1の日用量よりも多いか、少ないか、または等しい。一実施形態において、第1の医薬組成物は第2の医薬組成物と同じであり、両方ともリキシバプタンを含む。いくつかの実施形態において、第2の日用量の第2の医薬組成物の投与に続いて、第3の日用量の第3の医薬組成物を約1〜21日間、または約7〜14日間の処置期間投与することができ、ここで、第3の日用量は第1の日用量および/または第2の日用量よりも多いか、少ないか、または等しい。いくつかの実施形態において、第1の日用量、第2の日用量、および第3の日用量は、本明細書に記載の任意の日用量であってよい(例えば、図6に記載されている実施形態)。
[0069] いくつかの実施形態において、ヒト対象における多発性嚢胞疾患を処置する方法は、a)リキシバプタンを含む医薬組成物を、第1の処置期間に第1の分割用量投与計画でヒトに投与する工程と;b)第1の処置期間のほぼ終了時に尿浸透圧試験を実施する工程と;c)ヒトの尿浸透圧を所定のレベルと比較する工程と;d)ヒトの尿浸透圧が所定のレベルよりも高い場合、リキシバプタンを含む医薬組成物を、第2の処置期間に第2の増量した分割用量投与計画でヒトに投与する工程と;e)ヒトの尿浸透圧が所定のレベル以下である場合、維持分割用量投与計画が達成されるまで、工程b)、c)、およびd)を繰り返す工程を含む。一実施形態において、第1の分割用量投与計画、第2の分割用量投与計画、および維持分割用量投与計画は、第1の用量および第2の用量を含み、第1の用量および第2の用量は同じ日にヒトに投与され、その日用量は第1の用量および第2の用量の合計である。一実施形態において、第2の分割用量投与計画の日用量は、第1の分割用量投与計画の日用量よりも特定量だけ多く、ここで、特定量は、50mg、75mg、100mg、125mg、150mg、175mg、200mg、225mg、250mg、275mg、300mg、325mg、350mg、375mg、および400mgからなる群から選択される。一実施形態において、尿浸透圧の所定レベルは、約500mOsm/kg、約475mOsm/kg、約450mOsm/kg、約425mOsm/kg、約400mOsm/kg、約375mOsm/kg、約350mOsm/kg、約325mOsm/kg、および約300mOsm/kgからなる群から選択される。一実施形態において、第1の処置期間または第2の処置期間は、少なくとも1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、10日、11日、12日、13日、14日、15日、16日、17日、18日、19日、20日、21日、22日、23日、24日、25日、26日、27日、28日、29日、30日、約5週間、約6週間、約7週間、約8週間、約9週間、約10週間、約11週間、約12週間、約13週間、約14週間、約15週間、約16週間、約17週間、約18週間、約19週間、約20週間、約21週間、約22週間、約23週間、約24週間、約25週間、約26週間、約27週間、約28週間、約29週間、約30週間、約31週間、約32週間、約33週間、約34週間、約35週間、約36週間、約37週間、約38週間、約39週間、約41週間、約42週間、約43週間、約44週間、約45週間、約46週間、約47週間、約48週間、約49週間、約50週間、約51週間、約52週間、約2年、および約3年からなる群から選択される。一実施形態において、第1の分割用量投与計画の第1の用量および第2の用量は、約25mg、約30mg、約35mg、約40mg、約45mg、約50mg、約55mg、約60mg、約65mg、約70mg、約75mg、約80mg、約85mg、約90mg、約95mgおよび約100mgからなる群から独立して選択される。一実施形態において、第2の分割用量投与計画の第1の用量および第2の用量は、約50mg、約55mg、約60mg、約65mg、約70mg、約75mg、約80mg、約85mg、約90mg、約95mg、約100mg、約105mg、約110mg、約115mg、約120mg、約125mg、約130mg、約135mg、約140mg、約145mg、約150mg、約155mg、約160mg、約170mg、約175mg、約180mg、約185mg、約190mg、約195mg、約200mg、約205mg、約210mg、約215mg、約220mg、約225mg、約230mg、約235mg、約240mg、約245mg、約250mg、約255mg、約260mg、約265mg、約270mg、約275mg、約280mg、約285mg、約290mg、約295mg、および約300mgからなる群から独立して選択される。一実施形態において、維持分割用量投与計画の第1の用量および第2の用量は、約50mg、約55mg、約60mg、約65mg、約70mg、約75mg、約80mg、約85mg、約90mg、約95mg、約100mg、約105mg、約110mg、約115mg、約120mg、約125mg、約130mg、約135mg、約140mg、約145mg、約150mg、約155mg、約160mg、約170mg、約175mg、約180mg、約185mg、約190mg、約195mg、約200mg、約205mg、約210mg、約215mg、約220mg、約225mg、約230mg、約235mg、約240mg、約245mg、約250mg、約255mg、約260mg、約265mg、約270mg、約275mg、約280mg、約285mg、約290mg、約295mg、および約300mgからなる群から独立して選択される。
[0070] いくつかの実施形態において、ヒト対象における多発性嚢胞疾患を処置する方法は、a)リキシバプタンを含む医薬組成物を、第1の処置期間に第1の分割用量投与計画でヒトに投与する工程と;b)第1の処置期間のほぼ終了時に尿比重測定を実施する工程と;c)ヒトの尿比重を所定のレベルと比較する工程と;d)ヒトの尿比重が所定のレベルよりも高い場合、リキシバプタンを含む医薬組成物を、第2の処置期間に第2の増量した分割用量投与計画でヒトに投与する工程と;e)ヒトの尿比重が所定のレベル以下である場合、維持分割用量投与計画が達成されるまで、工程b)、c)、およびd)を繰り返す工程を含む。一実施形態において、第1の分割用量投与計画、第2の分割用量投与計画、および維持分割用量投与計画は、第1の用量および第2の用量を含み、第1の用量および第2の用量は同じ日にヒトに投与され、その日用量は第1の用量および第2の用量の合計である。一実施形態において、第2の分割用量投与計画の日用量は、第1の分割用量投与計画の日用量よりも特定量だけ多く、ここで、特定量は、50mg、75mg、100mg、125mg、150mg、175mg、200mg、225mg、250mg、275mg、300mg、325mg、350mg、375mg、および400mgからなる群から選択される。一実施形態において、尿比重の所定レベルは、約1.000〜約1.025である。一実施形態において、尿比重の所定レベルは、約1.000、1.005、1.01、1.015、1.02、および1.025からなる群から選択される。一実施形態において、第1の処置期間または第2の処置期間は、少なくとも1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、10日、11日、12日、13日、14日、15日、16日、17日、18日、19日、20日、21日、22日、23日、24日、25日、26日、27日、28日、29日、30日、約5週間、約6週間、約7週間、約8週間、約9週間、約10週間、約11週間、約12週間、約13週間、約14週間、約15週間、約16週間、約17週間、約18週間、約19週間、約20週間、約21週間、約22週間、約23週間、約24週間、約25週間、約26週間、約27週間、約28週間、約29週間、約30週間、約31週間、約32週間、約33週間、約34週間、約35週間、約36週間、約37週間、約38週間、約39週間、約41週間、約42週間、約43週間、約44週間、約45週間、約46週間、約47週間、約48週間、約49週間、約50週間、約51週間、約52週間、約2年、および約3年からなる群から選択される。一実施形態において、第1の分割用量投与計画の第1の用量および第2の用量は、約25mg、約30mg、約35mg、約40mg、約45mg、約50mg、約55mg、約60mg、約65mg、約70mg、約75mg、約80mg、約85mg、約90mg、約95mgおよび約100mgからなる群から独立して選択される。一実施形態において、第2の分割用量投与計画の第1の用量および第2の用量は、約50mg、約55mg、約60mg、約65mg、約70mg、約75mg、約80mg、約85mg、約90mg、約95mg、約100mg、約105mg、約110mg、約115mg、約120mg、約125mg、約130mg、約135mg、約140mg、約145mg、約150mg、約155mg、約160mg、約170mg、約175mg、約180mg、約185mg、約190mg、約195mg、約200mg、約205mg、約210mg、約215mg、約220mg、約225mg、約230mg、約235mg、約240mg、約245mg、約250mg、約255mg、約260mg、約265mg、約270mg、約275mg、約280mg、約285mg、約290mg、約295mg、および約300mgからなる群から独立して選択される。一実施形態において、維持分割用量投与計画の第1の用量および第2の用量は、約50mg、約55mg、約60mg、約65mg、約70mg、約75mg、約80mg、約85mg、約90mg、約95mg、約100mg、約105mg、約110mg、約115mg、約120mg、約125mg、約130mg、約135mg、約140mg、約145mg、約150mg、約155mg、約160mg、約170mg、約175mg、約180mg、約185mg、約190mg、約195mg、約200mg、約205mg、約210mg、約215mg、約220mg、約225mg、約230mg、約235mg、約240mg、約245mg、約250mg、約255mg、約260mg、約265mg、約270mg、約275mg、約280mg、約285mg、約290mg、約295mg、および約300mgからなる群から独立して選択される。
[0071] いくつかの実施形態において、リキシバプタンは、維持用量が対象に対して確立された後、対象の生涯にわたり投与され得る。維持用量は、対象の生涯にわたって調整され、許容可能な治療可能比を維持することができる。
[0072] 本発明の方法に関して、尿浸透圧(Uosm)がPKDにおける有効性に対して好適な薬力学マーカーであることが示されている。FDAは、PKDに対するトルバプタンによる治療効果の臨床マーカーとして、Uosmの抑制を300mOsm/kg以下で支持した(例えば、Devuyst, et al., J. Am. Soc. Nephrol. (2016) 28:1-11を参照のこと)。この数値は、薬品を投与した後の様々な時点(例えば、1、2、4、6、8、10、12、16、24時間)での「スポット尿浸透圧(Spot Urine Osmolality)」として報告することができる。
[0073] PKDの処置におけるリキシバプタンの有効性の他の指標は次の通りである:24時間または7日間の処置に対する尿浸透圧曲線下面積(AUC)、尿量;Uosmが、例えば特定の期間にわたり300mOsm/kg未満を維持する期間;覚醒期間中の排尿;覚醒期間中の毎日の平均排尿回数;通常の睡眠期間中の排尿;通常の睡眠期間中の毎日の平均排尿回数;血清バソプレシンレベル;血清浸透圧;血清コペプチンレベル尿コペプチンレベル;尿HB−EGF;ならびに尿エキソソームまたは尿細胞外小胞の量および/または質。
[0074] リキシバプタンは、トルバプタンを用いてPKDを処置するのに使用される用量と同様の用量で、ヒトにおいて24時間にわたり連続してUosmを300mOsm/kg未満のレベルに低下させないことが確認された。このため、トルバプタンよりも高いレベルを試験したところ、思いがけず、長期の処置期間にわたって、より高レベルのリキシバプタンが尿浸透圧を許容可能なレベルまで抑制することができ、一方、いかなる有意な肝臓毒性も引き起こさないことが分かった。いくつかの実施形態において、分割用量投与計画で毎日送達される200mg以上のリキシバプタンの用量が有効である。いくつかの実施形態において、分割用量投与計画で毎日送達される250mg〜500mgのリキシバプタンの用量が有効である。いくつかの実施形態において、分割用量投与計画で毎日送達される250mg〜400mgのリキシバプタンの用量が有効である。
[0075] 対象に対する臨床試験および用量設定段階期間に、Uosmを約200mOsm/kg〜約400mOsm/kg以下のレベルに低下させる、ヒト対象に投与されるリキシバプタンの用量を明らかにすることは有用である。本明細書に記載されている方法の維持段階中に、Uosmは変動し、多くの要因に応じて変わり得る。用量設定段階または維持投与の過程における任意の時点で、リキシバプタンを投与する対象のUosmは、約200〜約400mOsm/kgであるようにすることができる。いくつかの実施形態において、対象のUosmレベルは、約400mOsm/kg、または約375mOsm/kg、または約350mOsm/kg、または約325mOsm/kg、または約300mOsm/kg、または約275mOsm/kg、または約250mOsm/kg、または約225mOsm/kg、または約200mOsm/kg以下であるものとする。
[0076] いくつかの実施形態において、本発明の方法は、リキシバプタン、またはその薬学的に許容可能な塩、プロドラッグ、溶媒和物、共結晶、配座異性体、多形体、結晶形態、互変異性体、もしくは水和物、および薬学的に許容可能な担体を含む治療有効量の医薬組成物をヒト対象に投与することを含み、対象の肝機能は損なわれない。リキシバプタンは、用量設定段階および維持投与におけるPKDの処置において、本明細書に記載されている用量で肝障害を引き起こさないことが判定されている。肝障害は、対象の血清アラニントランスフェラーゼ(ALT)酵素レベルを測定することにより評価することができる;少なくとも7日間医薬組成物で処置された対象に関して、Hyの法則基準の一部として臨床的に有意であると考えられるレベルである正常上限(ULN)の3倍以上のレベルは、肝障害を随伴し得る。
[0077] 一実施形態において、リキシバプタンは、分割用量投与計画の使用による多発性嚢胞疾患の処置において有利に投与することができ、同量または異なる量のいずれかのリキシバプタンの単位用量がヒトに対して1日2回投与され、好ましくは朝に第1の用量、午後または晩に第2の用量が投与される。一実施形態において、第1の用量は第2の用量よりも多量である。一実施形態において、第1の用量は175〜250mg、180〜240mg、185〜230mg、190〜220mg、195〜210mg、または195〜205mgであり、第2の用量は75〜150mg、80〜140mg、85〜130mg、90〜120mg、95〜110mg、または95〜105mgである。一実施形態において、第1の用量は250mgであり、第2の用量は150mgである。一実施形態において、第1の用量は150mgであり、第2の用量は50mgである。一実施形態において、第1の用量は200mgであり、第2の用量は100mgである。一実施形態において、第1の用量は50mgであり、第2の用量は50mgである。一実施形態において、第1の用量は200mgであり、第2の用量は200mgである。一実施形態において、第1の用量は100mgであり、第2の用量は100mgである。一実施形態において、第2の用量は、第1の用量の約8時間後に投与される。一実施形態において、第2の用量は、第1の用量の約9時間後に投与される。一実施形態において、第2の用量は、第1の用量の約10時間後に投与される。一実施形態において、第2の用量は、第1の用量の約11時間後に投与される。一実施形態において、第2の用量は、第1の用量の約12時間後に投与される。いくつかの実施形態において、多発性嚢胞疾患は、多発性嚢胞腎疾患(PKD)または多発性嚢胞肝疾患である。
[0078] 一実施形態において、リキシバプタンを含む医薬組成物は、分割用量投与計画の使用による多発性嚢胞疾患の処置において有利に投与することができ、同量または異なる量のいずれかのリキシバプタンの単位用量がヒトに対して1日2回投与され、好ましくは朝に第1の用量、午後または晩に第2の用量が投与される。一実施形態において、第1の用量は第2の用量よりも多量である。一実施形態において、第1の用量は175〜250mg、180〜240mg、185〜230mg、190〜220mg、195〜210mg、または195〜205mgであり、第2の用量は75〜150mg、80〜140mg、85〜130mg、90〜120mg、95〜110mg、または95〜105mgである。一実施形態において、第1の用量は250mgであり、第2の用量は150mgである。一実施形態において、第1の用量は250mgであり、第2の用量は150mgである。一実施形態において、第1の用量は150mgであり、第2の用量は50mgである。一実施形態において、第1の用量は200mgであり、第2の用量は100mgである。一実施形態において、第1の用量は50mgであり、第2の用量は50mgである。一実施形態において、第1の用量は200mgであり、第2の用量は200mgである。一実施形態において、第1の用量は100mgであり、第2の用量は100mgである。一実施形態において、第2の用量は、第1の用量の約8時間後に投与される。一実施形態において、第2の用量は、第1の用量の約9時間後に投与される。一実施形態において、第2の用量は、第1の用量の約10時間後に投与される。一実施形態において、第2の用量は、第1の用量の約11時間後に投与される。一実施形態において、第2の用量は、第1の用量の約12時間後に投与される。いくつかの実施形態において、多発性嚢胞疾患は、多発性嚢胞腎疾患(PKD)または多発性嚢胞肝疾患である。
[0079] 一実施形態において、リキシバプタンを含む医薬組成物は、分割用量投与計画の使用による多発性嚢胞疾患の処置において有利に投与することができ、同量または異なる量のいずれかのリキシバプタンの単位用量がヒトに対して1日3回投与され、好ましくは朝に第1の用量、午後に第2の用量、晩に第3の容量が投与される。一実施形態において、第1の用量は175〜250mg、180〜240mg、185〜230mg、190〜220mg、195〜210mg、または195〜205mgであり;第2の用量は75〜150mg、80〜140mg、85〜130mg、90〜120mg、95〜110mg、または95〜105mgであり;第3の用量は75〜150mg、80〜140mg、85〜130mg、90〜120mg、95〜110mg、または95〜105mgである。一実施形態において、第1の用量は100mgであり、第2の用量は100mgであり、第3の用量は100mgである。一実施形態において、第1の用量は150mgであり、第2の用量は100mgであり、第3の用量は75mgである。一実施形態において、第1の用量は200mgであり、第2の用量は75mgであり、第3の用量は75mgである。一実施形態において、第2の用量は、第1の用量の約6時間後に投与される。一実施形態において、第2の用量は、第1の用量の約7時間後に投与される。一実施形態において、第2の用量は、第1の用量の約8時間後に投与される。一実施形態において、第3の用量は、第2の用量の約6時間後に投与される。一実施形態において、第3の用量は、第2の用量の約7時間後に投与される。一実施形態において、第3の用量は、第2の用量の約8時間後に投与される。いくつかの実施形態において、多発性嚢胞疾患は、多発性嚢胞腎疾患(PKD)または多発性嚢胞肝疾患である。
[0080] 本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態において、医薬組成物(例えば、第1の医薬組成物ならびに任意選択により第2および/または第3の医薬組成物)は、用量設定段階の間になくとも1〜14日間、または少なくとも2〜14日、または少なくとも3〜14日、または少なくとも4〜14日、または少なくとも5〜14日、または少なくとも6〜14日、または少なくとも7〜14日、または少なくとも1日、または少なくとも2日間、または少なくとも3日間、または少なくとも4日間、または少なくとも5日間、または少なくとも6日間、または少なくとも1週間、または少なくとも2週間、または少なくとも3週間、または少なくとも1カ月、または最大2カ月、または少なくとも3カ月、または少なくとも4カ月、または少なくとも5カ月、または少なくとも6カ月、ヒト対象に投与される。維持用量として確立された医薬組成物は、用量設定段階に続いて、少なくとも2〜14日、または少なくとも3〜14日、または少なくとも4〜14日、または少なくとも5〜14日、または少なくとも6〜14日、または少なくとも7〜14日、または少なくとも1日、または少なくとも2日、または少なくとも3日、または少なくとも4日、または少なくとも5日、または少なくとも6日、または少なくとも1週間、または少なくとも2週間、または少なくとも3週間、または少なくとも1カ月、または最大2カ月、または少なくとも3カ月、または少なくとも4カ月、または少なくとも5カ月、または少なくとも6カ月、または少なくとも7カ月、または少なくとも8カ月、または少なくとも9カ月、または少なくとも10カ月、または少なくとも11カ月、または少なくとも1年、または少なくとも3年、または少なくとも5年、または少なくとも10年、または少なくとも15年、または少なくとも20年、または少なくとも25年、または少なくとも30年、または少なくとも35年の間、または対象の生涯にわたり投与され得る。
[0081] 本明細書に記載されているリキシバプタンまたはリキシバプタンを含む医薬組成物の投与される量は、処置されるヒトまたは哺乳動物、多発性嚢胞疾患(例えば、多発性嚢胞腎疾患または多発性嚢胞腎疾患)の重症度、投与経路、リキシバプタン製剤の性質、処方する医師の判断によって決まる。個々の対象、例えば小児対象の用量の決定は、患者の年齢、患者のサイズ、患者の特定のバイオアベイラビリティー/薬品の吸収能力、および患者の代謝(例えば、肝臓代謝の効率)、分布(例えば、脂肪または細胞外水分)、排出(例えば、腎臓、消化管)に基づいて最適化することができる。小児対象、特に幼い子どもは、皮膚または他の生物学的バリアを通過してより多くの薬品をより容易に吸収し得る。小児対象の胃のpHはさほど酸性ではない場合があり、リキシバプタンのバイオアベイラビリティーに影響を及ぼす可能性がある。小児対象の用量は、クラークの規則(Clark's rule)(子どもの体重を150lbsで除算)またはヤングの規則(Young's rule)(子どもの年齢を子どもの年齢+12の合計で除算)を使用して計算することができる。いくつかの実施形態において、本発明は、クラークの規則またはヤングの規則のいずれかを使用し、子どもの処置のために変更された本明細書に記載の用量を含む。
[0082] リキシバプタンまたはその医薬組成物の有効用量は、単回投与または分割投与において、1日につき体重1kg当たり約2〜約20mg、例えば約5〜約15mg/kg/日の範囲である。本明細書に記載されているリキシバプタンまたはその医薬組成物の用量は、mg/kg体重またはmg/m体表面積の単位で提供することができる。
[0083] 本明細書に記載されているリキシバプタンまたはリキシバプタンを含む有効量の医薬組成物は、直腸経路、頬側経路、鼻腔内経路および経皮経路を含む類似の有用性を有する薬剤投与の認可方法のいずれかによって、動脈内注射により、静脈内、腹腔内、非経口、筋肉内、皮下、経口、局所的に、または吸入剤として、単回投与または複数回投与のいずれかで投与することができる。
医薬組成物
[0084] 一実施形態において、本発明は、本明細書に記載されている多発性嚢胞疾患(例えば、多発性嚢胞腎疾患または多発性嚢胞肝疾患)の処置において使用するための医薬組成物を提供する。
[0085] 医薬組成物は、典型的には、治療有効量のリキシバプタンもしくは本明細書に記載のリキシバプタンを含む医薬組成物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、配座異性体、多形体、結晶形態、互変異性体、共結晶、もしくは水和物を有効成分として提供するように製剤化される。典型的には、医薬組成物はまた、1つまたは複数の薬学的に許容可能な賦形剤、不活性固体希釈剤および充填剤を含む担体、滅菌水溶液および様々な有機溶媒を含む希釈剤、透過促進剤、可溶化剤およびアジュバントを含む。
[0086] いくつかの実施形態において、医薬組成物は、バルクまたは単位用量(もしくは用量単位)形態で提供することができる。「単位用量」とは、単回投与で患者に投与される医薬組成物の量である。単位用量形態で医薬組成物を製剤化することは、投与の容易性および用量の均一性のために特に有利である。本明細書で使用される場合の単位用量とは、処置される対象に対する単位用量として適した物理的に個別の単位を意味する;リキシバプタンの所定量を含有する各単位は、許容可能な医薬担体との関連で所望の治療効果を得られるように計算した。単位用量剤形は、アンプル、バイアル、座薬、糖衣錠、錠剤、カプセル、またはIVバッグとして包装することができる。
[0087] 本明細書に記載されている医薬組成物は、好ましくは、多発性嚢胞疾患、いくつかの実施形態においては、多発性嚢胞腎疾患(PKD)または多発性嚢胞肝疾患の処置において使用するためのものである。いくつかの実施形態において、多発性嚢胞疾患は多発性嚢胞腎疾患(PKD)であってもよく、それは常染色体優性多発性嚢胞腎疾患(ADPKD)または常染色体劣性多発性嚢胞腎疾患(ARPKD)であり得る。
[0088] いくつかの実施形態において、本発明の医薬組成物で提供されるリキシバプタンの濃度は、例えば、医薬組成物の100%、90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%、0.4%、0.3%、0.2%、0.1%、0.09%、0.08%、0.07%、0.06%、0.05%、0.04%、0.03%、0.02%、0.01%、0.009%、0.008%、0.007%、0.006%、0.005%、0.004%、0.003%、0.002%、0.001%、0.0009%、0.0008%、0.0007%、0.0006%、0.0005%、0.0004%、0.0003%、0.0002%または0.0001%w/w、w/vまたはv/v未満である。
[0089] いくつかの実施形態において、本発明の医薬組成物で提供されるリキシバプタンの濃度は、独立して、医薬組成物の90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、19.75%、19.50%、19.25% 19%、18.75%、18.50%、18.25% 18%、17.75%、17.50%、17.25% 17%、16.75%、16.50%、16.25% 16%、15.75%、15.50%、15.25% 15%、14.75%、14.50%、14.25% 14%、13.75%、13.50%、13.25% 13%、12.75%、12.50%、12.25% 12%、11.75%、11.50%、11.25% 11%、10.75%、10.50%、10.25% 10%、9.75%、9.50%、9.25% 9%、8.75%、8.50%、8.25% 8%、7.75%、7.50%、7.25% 7%、6.75%、6.50%、6.25% 6%、5.75%、5.50%、5.25% 5%、4.75%、4.50%、4.25%、4%、3.75%、3.50%、3.25%、3%、2.75%、2.50%、2.25%、2%、1.75%、1.50%、125%、1%、0.5%、0.4%、0.3%、0.2%、0.1%、0.09%、0.08%、0.07%、0.06%、0.05%、0.04%、0.03%、0.02%、0.01%、0.009%、0.008%、0.007%、0.006%、0.005%、0.004%、0.003%、0.002%、0.001%、0.0009%、0.0008%、0.0007%、0.0006%、0.0005%、0.0004%、0.0003%、0.0002%または0.0001%w/w、w/vまたはv/vよりも高い。
[0090] いくつかの実施形態において、本発明の医薬組成物で提供されるリキシバプタンの濃度は、医薬組成物の約0.0001%〜約50%、約0.001%〜約40%、約0.01%〜約30%、約0.02%〜約29%、約0.03%〜約28%、約0.04%〜約27%、約0.05%〜約26%、約0.06%〜約25%、約0.07%〜約24%、約0.08%〜約23%、約0.09%〜約22%、約0.1%〜約21%、約0.2%〜約20%、約0.3%〜約19%、約0.4%〜約18%、約0.5%〜約17%、約0.6%〜約16%、約0.7%〜約15%、約0.8%〜約14%、約0.9%〜約12%、または約1%〜約10%w/w、w/vまたはv/vの範囲である。
[0091] いくつかの実施形態において、本発明の医薬組成物で提供されるリキシバプタンの濃度は、医薬組成物の約0.001%〜約10%、約0.01%〜約5%、約0.02%〜約4.5%、約0.03%〜約4%、約0.04%〜約3.5%、約0.05%〜約3%、約0.06%〜約2.5%、約0.07%〜約2%、約0.08%〜約1.5%、約0.09%〜約1%、約0.1%〜約0.9%w/w、w/vまたはv/vの範囲である。
[0092] リキシバプタンの正確な用量は、投与経路、化合物が投与される形態、処置される対象の性別および年齢、処置される対象の体重、ならびに主治医の好みおよび経験によって決まる。
[0093] 以下に、非限定的な医薬組成物およびその調製方法を記載する。
経口投与用の医薬組成物
[0094] いくつかの実施形態において、本発明は、リキシバプタンおよび投与に適した医薬賦形剤を含有する経口投与用の医薬組成物を提供する。
[0095] いくつかの実施形態において、本発明は、(i)有効量のリキシバプタン、および(ii)投与に適した医薬賦形剤を含む、経口投与用の固体医薬組成物を提供する。いくつかの実施形態において、組成物は、(iii)有効量のさらなる有効医薬成分をさらに含む。例えば、本明細書で使用される場合のさらなる有効医薬成分は、尿浸透圧を低下させるか、または多発性嚢胞疾患(例えば、多発性嚢胞腎疾患もしくは多発性嚢胞肝疾患)の処置に有用である1つまたは複数の化合物を含み得る。
[0096] いくつかの実施形態において、医薬組成物は、経口摂取に適した液体医薬組成物であり得る。
[0097] 経口投与に適した本発明の医薬組成物は、別々の剤形、例えばカプセル剤、顆粒剤、カシェ剤もしくは錠剤など、または粉末もしくは顆粒として所定量の有効成分をそれぞれ含有している液体もしくはエアロゾルスプレー、溶液、または水性もしくは非水性液体中の懸濁液、水中油型エマルジョン、油中水型液体エマルジョン、復元用の粉末、経口摂取用の粉末、ボトル(ボトル内に粉末もしくは液体を含む)、経口溶解フィルム、ロゼンジ、ペースト、チューブ、ガム、およびパックとして提供することができる。このような剤形は、いずれかの薬学的方法によっても調製することができるが、すべての方法には、有効成分(複数可)を担体と結合させ、1種以上の必要成分を構成する工程が含まれる。一般に、組成物は、有効成分(複数可)を液体担体または微粉固体担体またはその両方と均一に十分に混合し、次いで、必要に応じて、生成物を所望の形態に成形することにより調製される。例えば、錠剤は、任意選択により1種以上の副成分とともに、圧縮または成形によって調製することができる。圧縮錠剤は、任意選択により、賦形剤、例えば、限定するものではないが、結合剤、滑沢剤、不活性希釈剤、および/または界面活性剤または分散剤と混合した自由流動形態、例えば、粉末または顆粒の有効成分を適切な機械で圧縮することにより調製することができる。成形錠剤は、適切な機械で、不活性液体希釈剤で湿られた粉末化合物の混合物を成形することにより調製することができる。
[0098] 本発明は、水が一部の化合物の分解を促進することができることから、無水医薬組成物および剤形をさらに包含している。例えば、医薬分野において、保存可能期間または経時的な製剤の安定性などの特徴を決定するための長期保存をシミュレートする手段として、水を添加することができる(例えば、5%)。本発明の無水医薬組成物および剤形は、無水または低水分含有成分、および低水分または低湿度条件を使用して調製することができる。乳糖を含有する本発明の医薬組成物および剤形は、製造、包装、および/または保管中の水分および/または湿度への実質的接触が想定される場合、無水にすることができる。無水医薬組成物は、その無水特性が維持されるように、調製および保管することができる。したがって、無水組成物は、それらを適切な製剤キットに含めることができるように、水への曝露を阻止することが知られる物質を使用して包装することができる。適切な包装の例としては、限定するものではないが、密封ホイル、プラスチック等、単位用量容器、ブリスターパック、およびストリップパックなどが挙げられる。
[0099] 有効医薬成分は、従来の医薬配合技術に従って、医薬担体との密な混合で組み合わせることができる。担体は、投与に望ましい製剤の剤形に応じて、様々な形態をとることができる。経口剤形用組成物を製造する場合、通常のいずれかの医薬用媒体、例えば、水、グリコール、油状物質、アルコール、香味剤、保存剤、着色料などを担体として使用することができる。経口の液状製剤(例えば、懸濁液、溶液およびエリキシル剤)またはエアロゾルの場合;または、担体、例えば、デンプン、糖、微晶質セルロース、希釈剤、造粒剤、滑沢剤、結合剤および崩壊剤は、経口固形製剤の場合に、ラクトースの使用を用いることなく、いくつかの実施形態において使用することができる。例えば、適切な担体としては、粉末剤、カプセル剤および錠剤を固体状経口用製剤で挙げることができる。所望により、錠剤は、標準の水性または非水性技術によってコーティングすることができる。
[00100] 医薬組成物および剤形における使用に適した結合剤としては、限定するものではないが、トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプンまたは他のデンプン、ゼラチン、天然ガムおよび合成ガム、例えば、アラビアゴム、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸、他のアルギン酸塩、トラガント末、グアーガム、セルロースおよびその誘導体(例えば、エチルセルロース、酢酸セルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム)、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、α化デンプン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、微結晶性セルロース、およびそれらの混合物が挙げられる。
[00101] 本明細書に開示されている医薬組成物および剤形での使用に適した充填剤の例としては、限定するものではないが、タルク、炭酸カルシウム(例えば、顆粒または粉末)、微結晶性セルロース、粉末セルロース、デキストレート、カオリン、マンニトール、ケイ酸、ソルビトール、デンプン、α化デンプン、およびそれらの混合物が挙げられる。
[00102] 崩壊剤を本発明の組成物において使用し、水性環境に曝露された際に崩壊する錠剤を提供することができる。崩壊剤が過剰になると、瓶中で崩壊する錠剤を生成する可能性がある。少量すぎると、崩壊が生じるのに十分でなく、その結果、有効成分の剤形からの遊離の速度と範囲が変わる可能性がある。したがって、有効成分(複数可)の遊離を不利に変えるほど少量すぎる、または過剰すぎることのない十分な量の崩壊剤を使用し、本明細書に開示した化合物の剤形を形成することができる。使用する崩壊剤の量は、製剤の種類および投与方法に基づいて変わる可能性があり、当業者には容易に理解されよう。崩壊剤約0.5〜約15重量パーセントまたは崩壊剤約1〜約5重量パーセントを医薬組成物において使用することができる。本発明の医薬組成物および剤形の形成に使用することができる崩壊剤としては、限定するものではないが、寒天、アルギン酸、炭酸カルシウム、微結晶性セルロース、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、ポラクリリンカリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、ジャガイモデンプンもしくはタピオカデンプン、他のデンプン、α化デンプン、他のデンプン、クレイ、他のアルギン、他のセルロース、ガムまたはそれらの混合物が挙げられる。
[00103] 本発明の医薬組成物および剤形の形成に使用することができる滑沢剤としては、限定するものではないが、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリルフマル酸ナトリウム、鉱油、軽鉱油、グリセリン、ソルビトール、マンニトール、ポリエチレングリコール、他のグリコール、ステアリン酸、ラウリル硫酸ナトリウム、タルク、硬化植物油(例えば、落花生油、綿実油、ヒマワリ油、胡麻油、オリーブ油、トウモロコシ油、およびダイズ油)、ステアリン酸亜鉛、オレイン酸エチル、ラウリン酸エチル(ethylaureate)、寒天、またはそれらの混合物が挙げられる。追加の滑沢剤としては、例えば、シロイドシリカゲル、合成シリカの凝結エアロゾル、ケイ化微結晶セルロース、またはそれらの混合物が挙げられる。滑沢剤は、任意選択により、医薬組成物の約0.5%未満または約1(重量)%未満の量で添加することができる。
[00104] 水性懸濁液および/またはエリキシル剤が経口投与に所望される場合、有効医薬成分(複数可)は、様々な甘味剤または香味剤、着色料または色素、さらに所望により、乳化剤および/または懸濁化剤と、希釈剤、例えば、水、エタノール、プロピレングリコール、グリセリンおよび様々なそれらの組合せと一緒に組み合わせることができる。
[00105] 錠剤は、コーティングされていないか、または、消化管での崩壊および吸収を遅らせ、それによって、長時間にわたる持続作用性を提供するため、公知の技術によってコーティングすることができる。例えば、時間遅延材料、例えば、グリセリルモノステアレートおよびグリセリルジステアレートなどを使用することができる。経口使用のための製剤はまた、硬ゼラチンカプセル剤として提供することができ、この場合、有効成分は、不活性固体状希釈剤、例えば、炭酸カルシウム、リン酸カルシウムまたはカオリンなどと混合され、あるいは、軟質ゼラチンカプセル剤の場合には、有効成分は、水または油状媒体、例えば、落花生油、流動パラフィンまたはオリーブ油などと混合される。
[00106] 本発明の医薬組成物および剤形の形成に使用することができる界面活性剤としては、限定するものではないが、親水性界面活性剤、親油性界面活性剤、およびそれらの混合物が挙げられる。すなわち、親水性界面活性剤の混合物を使用することができるか、親油性界面活性剤の混合物を使用することができるか、または、少なくとも1種の親水性界面活性剤と少なくとも1種の親油性界面活性剤の混合物を使用することができる。
[00107] 適切な親水性界面活性剤は、一般に、HLB値が少なくとも10であり得る。一方、適切な親油性界面活性剤は、一般に、HLB値が約10以下であり得る。非イオン性両親媒性化合物の相対的親水性および疎水性を特性決定するために使用される経験的なパラメーターは、親水性親油性バランス(「HLB」値)である。低HLB値を有する界面活性剤はより親油性または疎水性であり、油中での溶解性が高く、一方、高HLB値を有する界面活性剤はより親水性であり、水溶液中での溶解性が高い。親水性界面活性剤は、一般に、HLB値が約10を超えるこれらの化合物、ならびに、HLBスケールが一般的に適用されない、アニオン性化合物、カチオン性化合物、または両性イオン化合物であると考えられる。同様に、脂溶性(すなわち、疎水性)界面活性剤は、HLB値が約10以下の化合物である。しかし、界面活性剤のHLB値は、一般産業用エマルジョン、医薬用エマルジョンおよび化粧品用エマルジョンの製剤化を可能にするために一般に使用されている単なる目安である。
[00108] 親水性界面活性剤は、イオンであってもよく、非イオンであってもよい。適切なイオン性界面活性剤としては、限定するものではないが、アルキルアンモニウム塩;フシジン酸塩;アミノ酸、オリゴペプチドおよびポリペプチドの脂肪酸誘導体;アミノ酸、オリゴペプチドおよびポリペプチドのグリセリド誘導体;レシチンおよび硬化レシチン;リソレシチンおよび硬化リソレシチン;リン脂質およびその誘導体;リゾリン脂質およびその誘導体;カルニチン脂肪酸エステル塩;硫酸アルキルの塩;脂肪酸塩;ドキュセートナトリウム;アシルラクチレート;モノグリセリドおよびジグリセリドのモノアセチル化およびジアセチル化酒石酸エステル;スクシニル化モノグリセリドおよびジグリセリド;モノグレイセリドおよびジグリセリドのクエン酸エステル;ならびにそれらの混合物が挙げられる。
[00109] 前述の群のうち、イオン性界面活性剤としては、例えば、レシチン、リソレシチン、リン脂質、リゾリン脂質およびそれらの誘導体;カルニチン脂肪酸エステル塩;硫酸アルキルの塩;脂肪酸塩;ドキュセートナトリウム;アシルラクチレート;モノグリセリドおよびジグリセリドのモノアセチル化およびジアセチル化酒石酸エステル;スクシニル化モノグリセリドおよびジグリセリド;モノグレイセリドおよびジグリセリドのクエン酸エステル;ならびにそれらの混合物が挙げられる。
[00110] イオン性界面活性剤は、レシチン、リソレシチン、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジン酸、ホスファチジルセリン、リゾホスファチジルコリン、リゾホスファチジルエタノールアミン、リゾホスファチジルグリセロール、リゾホスファチド酸、リゾホスファチジルセリン、PEG−ホスファチジルエタノールアミン、PVP−ホスファチジルエタノールアミン、脂肪酸のラクチルエステル、ステアロイル−2−ラクチレート、ステアロイルラクチレート、スクシニル化モノグリセリド、モノ/ジグリセリドのモノ/ジアセチル化酒石酸エステル、モノ/ジグリセリドのクエン酸エステル、コリルサルコシン、カプロン酸塩、カプリル酸塩、カプリン酸塩、ラウリン酸塩、ミリスチン酸塩、パルミチン酸塩、オレイン酸塩、リシノール酸塩、リノール酸塩、リノレン酸塩、ステアリン酸塩、ラウリル硫酸塩、テラセシル(teracecyl)硫酸塩、ドキュセート、ラウロイルカルニチン、パルミトイルカルニチン、ミリストイルカルニチン、ならびにそれらの塩および混合物のイオン化形態であってよい。
[00111] 親水性の非イオン性界面活性剤としては、限定するものではないが、アルキルグルコシド;アルキルマルトシド;アルキルチオグルコシド;ラウリルマクロゴールグリセリド;ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、例えば、ポリエチレングリコールアルキルエーテル;ポリオキシアルキレンアルキルフェノール、例えば、ポリエチレングリコールアルキルフェノール;ポリオキシアルキレンアルキルフェノール脂肪酸エステル、例えば、ポリエチレングリコール脂肪酸モノエステルおよびポリエチレングリコール脂肪酸ジエステル;ポリエチレングリコールグリセロール脂肪酸エステル;ポリングリセリン脂肪酸エステル;ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、例えば、ポリエチレングリコールソルビタン脂肪酸エステル;グリセリド、植物油、硬化植物油、脂肪酸およびステロールからなる群の少なくとも1種のメンバーとポリオールとの親水性エステル交換生成物;ポリオキシエチレンステロール、その誘導体および類似体;ポリオキシエチル化ビタミンおよびその誘導体;ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロック共重合体;ならびにそれらの混合物;トリグリセリド、植物油および硬化植物油からなる群の少なくとも1種のメンバーとポリオールとのポリエチレングリコールソルビタン脂肪酸エステルおよび親水性エステル交換生成物が挙げられる。ポリオールは、グリセロール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、ソルビトール、プロピレングリコール、ペンタエリスリトール、またはサッカリドであってよい。
[00112] 他の親水性の非イオン性界面活性剤としては、限定するものではないが、PEG−10ラウレート、PEG−12ラウレート、PEG−20ラウレート、PEG−32ラウレート、PEG−32ジラウレート、PEG−12オレエート、PEG−15オレエート、PEG−20オレエート、PEG−20ジオレエート、PEG−32オレエート、PEG−200オレエート、PEG−400オレエート、PEG−15ステアレート、PEG−32ジステアレート、PEG−40ステアレート、PEG−100ステアレート、PEG−20ジラウレート、PEG−25グリセリルトリオレエート、PEG−32ジオレエート、PEG−20グリセリルラウレート、PEG−30グリセリルラウレート、PEG−20グリセリルステアレート、PEG−20グリセリルオレエート、PEG−30グリセリルオレエート、PEG−30グリセリルラウレート、PEG−40グリセリルラウレート、PEG−40パーム核油、PEG−50硬化ヒマシ油、PEG−40ヒマシ油、PEG−35ヒマシ油、PEG−60ヒマシ油、PEG−40硬化ヒマシ油、PEG−60硬化ヒマシ油、PEG−60トウモロコシ油、PEG−6カプレート/カプリレートグリセリド、PEG−8カプレート/カプリレートグリセリド、ポリグリセリル−10ラウレート、PEG−30コレステロール、PEG−25植物ステロール、PEG−30ダイズステロール、PEG−20トリオレエート、PEG−40ソルビタンオレエート、PEG−80ソルビタンラウレート、ポリソルベート20、ポリソルベート80、POE−9ラウリルエーテル、POE−23ラウリルエーテル、POE−10オレイルエーテル、POE−20オレイルエーテル、POE−20ステアリルエーテル、トコフェリルPEG−100スクシネート、PEG−24コレステロール、ポリグリセリル−10オレエート、Tween40、Tween60、ショ糖モノステアレート、ショ糖モノラウレート、ショ糖モノパルミテート、PEG10−100ノニルフェノールシリーズ、PEG15−100オクチルフェノールシリーズ、およびポロキサマーが挙げられる。
[00113] 適切な親油性界面活性剤としては、単なる一例として、脂肪アルコール;グリセロール脂肪酸エステル;アセチル化グリセロール脂肪酸エステル;低級アルコール脂肪酸エステル;プロピレングリコール脂肪酸エステル;ソルビタン脂肪酸エステル;ポリエチレングリコールソルビタン脂肪酸エステル;ステロールおよびステロール誘導体;ポリオキシエチル化ステロールおよびステロール誘導体;ポリエチレングリコールアルキルエーテル;糖エステル;糖エーテル;モノグリセリドおよびジグリセリドの乳酸誘導体;グリセリド、植物油、硬化植物油、脂肪酸およびステロールからなる群の少なくとも1種のメンバーとポリオールとの疎水性エステル交換生成物;脂溶性ビタミン/ビタミン誘導体;ならびにそれらの混合物が挙げられる。この群のうち、好ましい親油性界面活性剤としては、グリセロール脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、およびそれらの混合物が挙げられ、または、植物油、硬化植物油、およびトリグリセリドからなる群の少なくとも1種のメンバーとポリオールとの疎水性エステル交換生成物である。
[00114] 一実施形態において、組成物としては、本発明の化合物の良好な可溶化および/または溶解を確実にする可溶化剤、ならびに本発明の化合物の沈殿を最小限にする可溶化剤が挙げられる。これは、非経口用途のための組成物、例えば、注射剤用組成物にとって特に重要であり得る。可溶化剤はまた、親水性医薬品および/または他の成分、例えば、界面活性剤の溶解性を増加させるため、あるいは、安定性または均質な溶液または分散剤として組成物を維持するために加えることもできる。
[00115] 適切な可溶化剤の例としては、限定するものではないが、アルコールならびにポリオール、例えば、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、ベンジルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオールおよびこれらのアイソマー、グリセロール、ペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトール、トランスクトール(transcutol)、ジメチルイソソルビド、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリビニルアルコール、ヒドロキシプロピルメチルセルロースならびに他のセルロース誘導体、シクロデキストリンおよびシクロデキストリン誘導体;平均分子量約200〜6000を有するポリエチレングリコールのエーテル、例えば、テトラヒドロフルフリルアルコールPEGエーテル(glycofurol)またはメトキシPEG;アミドおよび他の窒素含有化合物、例えば、2−ピロリドン、2−ピペリドン、ε−カプロラクタム、N−アルキルピロリドン、N−ヒドロキシアルキルピロリドン、N−アルキルピペリドン、N−アルキルカプロラクタム、ジメチルアセトアミド、およびポリビニルピロリドン;エステル、例えば、エチルプロピオネート、トリブチルシトレート、アセチルトリエチルシトレート、アセチルトリブチルシトレート、トリエチルシトレート、エチルオレエート、エチルカプリレート、エチルブチレート、トリアセチン、プロピレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールジアセテート、ε−カプロラクトンおよびそのアイソマー、δ−バレロラクトンおよびそのアイソマー、β−ブチロラクトンおよびそのアイソマー;ならびに当該分野で公知の他の可溶化剤、例えば、ジメチルアセトアミド、ジメチルイソソルビド、N−メチルピロリドン、モノオクタノイン、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、および水が挙げられる。
[00116] 可溶化剤の混合物も使用することができる。例としては、限定するものではないが、トリアセチン、トリエチルシトレート、エチルオレエート、エチルカプリレート、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、N−ヒドロキシエチルピロリドン、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルシクロデキストリン、エタノール、ポリエチレングリコール200−100、グリコフルオール、トランスクトール、プロピレングリコール、およびジメチルイソソルビドが挙げられる。特に好ましい可溶化剤としては、ソルビトール、グリセロール、トリアセチン、エチルアルコール、PEG−400、グリコフルオールおよびプロピレングリコールが挙げられる。
[00117] 含有することができる可溶化剤の量は特に制限されない。所定の可溶化剤の量は、生体的に許容される(bioacceptable)量に限定され得るが、それは当業者によって容易に決定され得る。いくつかの状況下では、例えば、医薬品の濃度を最大限にするために生体的に許容される量よりもはるかに多量の可溶化剤の量を含有させ、患者に組成物を提供する前に、例えば、慣用の技術、例えば、蒸留またはエバポレーションなどを使用して過剰な可溶化剤を除去するのが有利であり得る。したがって、存在する場合、可溶化剤は、医薬品および他の賦形剤の総合重量に対して10重量%、25重量%、50重量%、100重量%、または約200重量%以下であり得る。所望により、非常に少量、例えば、5%、2%、1%、またはそれ未満の可溶化剤もまた使用され得る。典型的には、可溶化剤は、約1重量%〜約100重量%、より典型的には約5重量%〜約25重量%の量で存在し得る。
[00118] 組成物は、1種以上の医薬として許容可能な添加剤および賦形剤をさらに含むことができる。このような添加剤および賦形剤としては、限定するものではないが、粘着防止剤(detackifier)、消泡剤、緩衝剤、ポリマー、抗酸化剤、防腐剤、キレート剤、粘度調節剤、張度調節剤(tonicifier)、香味料、着色料、着臭剤、乳白剤、懸濁剤、結合剤、充填剤、可塑剤、潤滑剤、およびこれらの混合物が挙げられる。
[00119] さらに、加工を容易にし、安定性を高めるため、または他の理由で、酸または塩基を組成物に加えることができる。医薬として許容可能な塩基の例としては、アミノ酸、アミノ酸エステル、水酸化アンモニウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、水酸化マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、合成ケイ酸アルミニウム、合成ヒドロカルサイト、水酸化アルミニウムマグネシウム、ジイソプロピルエチルアミン、エタノールアミン、エチレンジアミン、トリエタノールアミン、トリエチルアミン、トリイソプロパノールアミン、トリメチルアミン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(TRIS)などが挙げられる。さらに、医薬として許容可能な酸の塩である塩基として適切であるのは、例えば、酢酸、アクリル酸、アジピン酸、アルギニン酸、アルカンスルホン酸、アミノ酸、アスコルビン酸、安息香酸、ホウ酸、酪酸、炭酸、クエン酸、脂肪酸、ギ酸、フマル酸、グルコン酸、ヒドロキノスルホン酸、イソアスコルビン酸、乳酸、マレイン酸、シュウ酸、パラ−ブロモフェニル硫酸、プロピオン酸、p−トルエンスルホン酸、サリチル酸、ステアリン酸、コハク酸、タンニン酸、酒石酸、チオグリコール酸、トルエンスルホン酸、尿酸などである。多塩基酸の塩、例えば、リン酸ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、およびリン酸二水素ナトリウムなどもさらに使用することができる。塩基が塩である場合、カチオンは、便利で医薬として許容可能な任意のカチオン、例えば、アンモニウム、アルカリ金属およびアルカリ土類金属などであってよい。例としては、限定するものではないが、ナトリウム、カリウム、リチウム、マグネシウム、カルシウムおよびアンモニウムが挙げられる。
[00120] 適切な酸は、薬学的に許容可能な有機酸または無機酸である。適切な無機酸の例としては、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、硝酸、ホウ酸、リン酸などが挙げられる。適切な有機酸の例としては、酢酸、アクリル酸、アジピン酸、アルギニン酸、アルカンスルホン酸、アミノ酸、アスコルビン酸、安息香酸、ホウ酸、酪酸、炭酸、クエン酸、脂肪酸、ギ酸、フマル酸、グルコン酸、ヒドロキノスルホン酸、イソアスコルビン酸、乳酸、マレイン酸、メタンスルホン酸、シュウ酸、パラ−ブロモフェニル硫酸、プロピオン酸、p−トルエンスルホン酸、サリチル酸、ステアリン酸、コハク酸、タンニン酸、酒石酸、チオグリコール酸、トルエンスルホン酸、尿酸などが挙げられる。
注射剤用医薬組成物
[00121] 好ましい実施形態において、本発明は、リキシバプタンと、注射剤に適した医薬用賦形剤を含有している注射剤用医薬組成物を提供する。組成物中の化合物の成分および量は、本明細書に記載されている通りである。
[00122] 本発明の組成物を注射によって投与するために加えることができる形態としては、胡麻油、トウモロコシ油、綿実油または落花生油を含む、水性懸濁液もしくは油性懸濁液、またはエマルジョン、ならびにエリキシル、マンニトール、デキストロース、または滅菌水溶液、および類似の医薬用ビヒクルが挙げられる。
[00123] 生理食塩水中の水溶液も、従来通りに注射に使用される。エタノール、グリセロール、プロピレングリコールおよび液体ポリエチレングリコール(およびこれらの適切な混合物)、シクロデキストリン誘導体、および植物油を利用することもできる。適切な流動性は、例えば、分散剤の場合、要求される粒径を維持するため、レシチンなどのコーティングを使用することによって、また界面活性剤を使用することによって維持することができる。微生物作用の防止は、様々な抗菌性および抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸およびチメロサールによって行うことができる。
[00124] 滅菌注射用溶液は、必要量のリキシバプタンを、適切な溶媒中に、上記に列挙したような様々な他の成分と一緒に加え、必要に応じ、その後濾過滅菌を行うことにより調製される。一般に、分散液は、様々な滅菌した有効成分を、塩基性分散媒と上記に列挙したものからの必要とされる他の成分を含有する滅菌ビヒクルへ加えることにより調製される。滅菌注射用溶液を調製するための滅菌粉末の場合、特定の望ましい調製方法は、真空乾燥および凍結乾燥技術であり、それによって、事前に滅菌濾過したそれらの溶液から有効成分と任意の追加の所望成分との粉末が得られる。
局所送達用医薬組成物
[00125] 好ましい実施形態において、本発明は、リキシバプタンと、経皮送達に適した医薬用賦形剤とを含有している経皮送達用の医薬組成物を提供する。
[00126] 本明細書の組成物は、局所投与または局部投与に適した固体、半固体、または液体形態の調製物、例えば、ゲル、水溶性ゼリー、クリーム、ローション、懸濁液、フォーム、粉末、スラリー、軟膏、溶液、油、ペースト、坐剤、スプレー、エマルジョン、食塩水溶液、ジメチルスルホキシド(DMSO)系溶液に製剤化することができる。一般に、高密度の担体は、ある部分を長時間有効成分に曝露させることができる。反対に、溶液製剤は、有効成分をより即時的に選択部分に曝露させることができる。
[00127] 医薬組成物は、皮膚角質層の透過性関門を横断する治療分子の透過を増大させ、または送達を補助することができる化合物である、適切な固体またはゲル相担体または賦形剤をさらに含んでいてもよい。局所製剤の分野の当業者に公知であるこれらの浸透促進分子は多数ある。このような担体および賦形剤の例としては、限定するものではないが、保湿剤(例えば、尿素)、グリコール(例えば、プロピレングリコール)、アルコール(例えば、エタノール)、脂肪酸(例えば、オレイン酸)、界面活性剤(例えば、ミリスチン酸イソプロピルおよびラウリル硫酸ナトリウム)、ピロリドン、グリセロールモノラウレート、スルホキシド、テルペン(例えば、メントール)、アミン、アミド、アルカン、アルカノール、水、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、様々な糖、デンプン、セルロース誘導体、ゼラチン、ならびにポリエチレングリコールなどのポリマーが挙げられる。
[00128] 本発明の方法において使用するための別の例示的な製剤は、経皮送達デバイス(「パッチ」)を使用する。このような経皮パッチを使用して、本明細書に記載されたリキシバプタンの連続的または不連続的な注入を制御された量で、別の有効医薬成分の使用の有無にかかわらず、提供することができる。
[00129] 医薬品を送達するための経皮パッチの構築および使用は当技術分野では公知である。例えば、米国特許第5,023,252号;同第4,992,445号および同第5,001,139号を参照のこと。このようなパッチは、医薬品の連続送達、拍動性送達、またはオンデマンド送達に対して構築することができる。
吸入用医薬組成物
[00130] 吸入用または吹送用組成物は、医薬として許容可能な水性溶媒または有機溶媒、またはそれらの混合物中の溶液および懸濁液と、粉末を含んでいる。液体組成物または固体組成物は、上掲のような適切な医薬として許容可能な賦形剤を含有していてもよい。好ましくは、組成物は、局所作用または全身作用のための経口経路または経鼻呼吸経路によって投与される。好ましくは医薬として許容可能な溶媒中の組成物は、不活性ガスの使用によって噴霧することができる。噴霧された溶液は、噴霧装置から直接吸入することができ、または、噴霧装置は、フェイスマスクテント、もしくは間欠的陽圧呼吸装置に接続することができる。溶液、懸濁液または粉末組成物は、好ましくは経口的または経鼻的に、適切な方法で製剤を送達するデバイスから投与することができる。また乾燥粉末吸入器も組成物の吸入送達を提供するために使用することができる。
制御放出、持続放出および延長放出医薬製剤
[00131] さらに本発明は、組成物が送達系に組み込まれている、本明細書に記載の1つまたは複数の医薬組成物のための制御放出、持続放出、または延長放出治療剤形を提供する。この剤形は、リキシバプタンの治療上有効な濃度が長期間にわたり比較的一定に濃度が維持されるようにリキシバプタンの放出を制御し、処置結果を改善する。さらに、制御放出系は、リキシバプタンレベルの最大から最低への変動を最小化することを提供する。
[00132] 例示的な制御放出、持続放出、および延長放出製剤、ならびにそれらの製造方法は、米国特許第9,289,389号および第9,408,806号で提示されており、これらの全体は参照により本明細書に組み込まれる。
他の医薬組成物
[00133] 医薬組成物はまた、本明細書に記載されている組成物と、舌下投与、口腔内投与、直腸内投与、骨内投与、眼内投与、経鼻投与、硬膜外投与または脊髄内投与に適した1種以上の医薬として許容可能な賦形剤から調製することができる。そのような医薬組成物の調製は、当技術分野において周知である。例えば、Anderson, et al., eds., Handbook of Clinical Drug Data, Tenth Edition, McGraw−Hill, 2002;およびPratt and Taylor, eds., Principles of Drug Action, Third Edition, Churchill Livingston, N.Y., 1990を参照のこと。これらはそれぞれ、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
[00134] リキシバプタンまたはリキシバプタンの医薬組成物の投与は、作用部位へ化合物を送達することができる任意の方法によって達成することができる。これらの方法としては、経口経路、十二指腸内経路、非経口注射(静脈内、動脈内、皮下、筋内、血管内、腹腔内、または注入を含む)、局所投与(例えば、経皮適用)、直腸投与、カテーテルもしくはステントによる局所送達によるもの、または吸入を通じるものが挙げられる。また本明細書のリキシバプタンは、脂肪内にまたは髄腔内に投与することもできる。
[00135] 例示的な非経口投与形態としては、リキシバプタンを滅菌水溶液、例えば、プロピレングリコール水溶液またはデキストロース溶液中に含む溶液または懸濁液が挙げられる。このような剤形は、所望により、適切に緩衝液で処理することができる。
[00136] 本発明はまた、キットも提供する。キットは、適切なパッケージ中に包装されているリキシバプタンと、使用説明書、臨床研究考察および副作用の一覧を含み得る書面資料とを含む。このようなキットはまた、情報、例えば、科学参考文献、添付文書資料、臨床試験結果、および/またはこれら概要など情報をさらに含んでいてもよく、これらは組成物の活性および/または利点を示すか確立し、および/または投薬、投与、副作用、薬物相互作用、もしくは医療提供者に有用な他の情報を記載している。こうした情報は、様々な研究、例えば、インビボにおけるモデルが関与している実験動物を使用する研究、およびヒトの臨床試験に基づく研究の結果に基づくものであってもよい。キットは、別の有効医薬成分をさらに含有していてもよい。いくつかの実施形態において、リキシバプタンおよび別の有効医薬成分は、キット内の別々の容器中の別々の組成物として提供される。いくつかの実施形態において、リキシバプタンおよびその薬剤は、キット中の容器内の単一組成物として提供される。適切なパッケージおよび使用のための追加物品(例えば、液体調製物用の計量カップ、空気への曝露を最小限にするホイルラッピングなど)は、当技術分野で公知であり、キットに含むことができる。本明細書に記載されているキットは、医師、看護師、薬剤師、薬局職員などをはじめとする、医療関係者に提供、販売および/または販促することができる。またキットは、いくつかの実施形態において、消費者に直接販売することもできる。
[00137] 上記に記載されているキットは、好ましくは、本明細書に記載の疾患および症状の処置において使用するためのものである。
[00138] 特定の実施形態において、本明細書に記載されているキットは、多発性嚢胞疾患の処置において使用するためのものである。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されているキットは、多発性嚢胞腎疾患(PKD)または多発性嚢胞肝疾患の処置において使用するためのものである。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されているキットは、常染色体優性多発性嚢胞腎疾患(ADPKD)の処置において使用するためのものである。
[00139] 本発明の好ましい実施形態を本明細書に開示および記載したが、このような実施形態は単なる例として提供されており、そうでなければ、本発明の範囲を限定するものではない。本発明の記載されている実施形態に対する様々な代替は、本発明を実施する際に使用することができる。
[00140] ここで、本明細書に包含されている実施形態について以下の実施例を参照して説明する。これらの実施例は単なる例示の目的で提供されており、本明細書に包含されている開示は、決して、これらの実施例に限定されるものと解釈されるべきでなく、本明細書で提供した教示の結果、明白となる任意のすべての変更を包含するように解釈するものとする。
実施例1− 臨床薬物動態試験
[00141] この試験の主たる目的は、7.5日間1日2回投与される単位用量50mgとその倍数を使用して、臨床用途に向けた用量範囲(例えば、1日100〜400mg)に対するリキシバプタンの薬物動態および用量比例性を評価することであった。
[00142] この用量比例性試験は、非盲検、複数回投与、並行群の設計が実施された。対象に、100mg、200mg、または400mg(Q12Hを50、100、および200mgとして投与)の総日用量でリキシバプタンを投与した。30名の対象からなる2つのコホートの対象が試験に登録されたが、実際のコホート数は23名および34名であった。この試験に登録された57名の対象のうち、27名は女性(47.4%)であり、30名は男性(52.6%)であった。ほとんどの対象は白人(35/57、61.4%)およびヒスパニック系またはラテン系民族(46/57、80.7%)であった。試験における対象の全体的な平均年齢は33.6(8.31)歳であり、対象の全体的な平均体型指数は26.2(3.79)であった。約20名の対象が用量レベル毎に登録された。どちらの性別も対象が8名未満にはならないように、ほぼ同数の男性および女性が各用量レベルで登録された。各コホートの対象の開始日は、後方業務目的のため7日間ずらした。スクリーニングの評価は、1日目より前の28日以内に実施した。
[00143] リキシバプタン薬品および投与
[00144] 以下の用量のリキシバプタンをこの試験で対象に投与した:(a)リキシバプタン100mg、50mg[1×50mgカプセル]を12時間毎×15用量として投与;(b)リキシバプタン200mg、100mg[2×50mgカプセル]を12時間毎×15用量として投与;および(c)リキシバプタン400mg、200mg[4×50mgカプセル]を12時間毎×15用量として投与。
[00145] 試験薬(リキシバプタン50mgカプセル、ロット番号A03630−002L01)は、Pharmaceutics International Incorporated(ハントバレー、メリーランド州)により製造された。ブリスターパッケージには、薬品名、用量、およびロット番号を含む2つに分かれたラベルがあった。試験薬は、温度モニターを備えた冷却パックで発送された。試験薬は2〜8℃で保存され、温度、光、湿度のいかなる極端な条件からも保護した。カプセルは投与前に室温に戻した。
[00146] 対象は、試験薬を投与する1日前(1日目)にクリニックに出向き、264時間の血液サンプルが12日目に採取されるまで、クリニックに留まった。対象は、さらなる血液サンプルの追跡と採取のため、15日目、22日目、29日目にクリニックに戻った。
[00147] 1日目および8日目リキシバプタンの朝の投与前、対象はリキシバプタン投与の約10時間前およびリキシバプタン投与の4時間後は絶食した。他のすべての用量は、食事の2時間前または2時間後のいずれかで、絶食条件下で投与された。試験薬は、室温水240ミリリットル(mL)で投与した。対象は、用量投与の1時間前および1時間後、用量投与に使用されたもの以外、いかなる経口液体も摂取しなかった。対象は、排泄以外は、最初の2回の投与後6時間、座位または半仰臥位(semi-supine)のままであった。クリニックにいる間、対象は激しい身体活動は差し控えた。
[00148] 尿浸透圧測定のためのスポット採尿は、クリニック滞在中および試験終了時(EOS)に得た。対象は、それぞれの予定されたスポット採尿の15分前に膀胱を完全に空にするように依頼され、その後、各対象は浸透圧測定用のスポット尿検体を提供するために最大30分間おいた。しかし、一部の対象は、予定されたスポット採尿の15分前に要求に応じた排泄ができず、そのため、そのような対象のスポット採尿は、膀胱を空にした15分後ではなく膀胱排泄と同時に採取したことに留意されたい。
[00149] スポット尿浸透圧は、その日中の異なる時間に評価した。対象は、それぞれの予定されたスポット採尿の15分前に膀胱を完全に空にするように依頼され、その後、各対象は浸透圧測定用のスポット尿検体を提供するために最大30分間おいた。1日目、8日目、9日目、および29日目(試験終了)に評価された尿浸透圧は、1日目および8日目の投与後1時間〜2時間の間、3つのすべての用量レベルで実質的低下を示した。その後、数値は増加したが、投与後12時間、ベースライン値(すなわち、1日目、0時間の数値)を下回ったままであった。尿浸透圧の平均最大低下は、投与された用量にかかわらず、1日目および8日目のリキシバプタンの第1の用量の投与後2時間で生じた。試験したすべての用量は、尿浸透圧に顕著な低下をもたらしたが、尿浸透圧の低下の持続時間は、投与の1日目および8日目の両方で、用量レベルが増加するにつれて上昇した。9日目の投与後24時間で、数値はリキシバプタン100mg群のベースラインレベルに接近し(564.7対587.8mOsm/kg)、一方、200mg(465.9対602.7mOsm/kg)群および400mg(390.3対600.1mOsm/kg)群においては、ベースラインレベルより下回ったままであった。尿浸透圧の概要を以下の表1に示す。
[00150]
Figure 2020523305
[00151] リキシバプタンの平均最大血漿濃度(投与間隔中に観察された最高濃度、Cmax)およびAUQ(0−12)値(投与後0時間〜12時間の濃度対時間曲線下の面積)は、用量の増加につれて増加し、また、各用量レベルについて1日目よりも8日目でより高かった。リキシバプタン薬物動態パラメーターは、2つの分割用量として投与された100mg〜400mgの用量範囲にわたり比例する動態を示した。3つの用量レベルはすべて、3日目〜6日目に定常状態に達するように思われた。
[00152] リキシバプタンのこの試験では忍容性が良好であった。すべての有害事象(AE)は軽度であり、登録された57名の対象により報告された最も頻繁に生じる処置発生のAEは、頭痛(対象7名)、便秘(対象3名)、および胸部不快感(対象2名)であった。頭痛(それぞれ、100、200、400mgの群において2、1、1名の対象)ならびに嘔吐および無力症(400mgの群においてそれぞれ1名の対象)のみが、試験薬との関連の可能性があるか、または想定されると考えられた。明らかな用量相関性の傾向は、AEの種類、頻度、または重症度において認められず、頭痛を除いて、以前の健康なボランティアでの試験で見られ、体重減少と関係すると思われるAE(頭痛、めまい、のどの渇き、起立性低血圧、および頻脈)は本試験においてAEとして報告しなかった。重篤なAEはなく、試験による死亡または試験停止をもたらすAEはなかった。
[00153] 血清浸透圧は試験中に用量関連方式で穏やかに増加したが、尿浸透圧は、1日目および8日目の投与後1時間〜2時間に3つの用量レベルすべてにおいて実質的に低下し、それらの日の投与後の12時間以内はベースライン値より低いままであった。排尿は1〜8日目に増加した。リキシバプタンに関する用量比例動態は、100mg〜400mg(12時間毎に50mg〜200mgとして投与)の範囲で観察された。薬物動態結果における有意な性別関連の差は認められなかった。リキシバプタンは、この反復投与薬物動態試験において健康な対象による忍容性は良好であった。
[00154] 応答者分析のパーセンテージ
[00155] 表1に記載したデータの分析は、リキシバプタン50mgを1日2回投与した場合、対象の約16%のみが300mOsm/kg以下にUosmを24時間完全に抑制したことを示している(図1を参照のこと、この場合、y軸が、24時間で目標レベルより下の連続的な尿浸透圧抑制に達した対象の%である)。100mg1日2回で、対象の約46%のみがUosmを300mOsm/kg以下に24時間完全に抑制した。200mg1日2回では、応答者%は約78%であった。
実施例2− PCKラットに対するリキシバプタンの効果のインビボ試験
[00156] ADPKDを連想させる表現型を発症する常染色体劣性PKDのオルソログ動物モデルのPCKラットにおける体重、腎臓重量、腎臓cAMP、尿排出、および血清電解質濃度に対するリキシバプタンの効果(地上げっ歯動物の固形飼料中にリキシバプタン0.5%または1%w/w)を検討する試験を実施した。
[00157] 実験動物および試験設計。PCKラットは、4週齢で対照群および処置群に分けた(n=59、処置群および性別当たり約10匹の動物)。リキシバプタンをDMSOに溶解し、げっ歯動物用固形飼料(Regrind Labdiet 5053)に均一な混合により0.5%または1.0%濃度(w/w)で添加し、対照動物にはリキシバプタンを含まない同じ飼料を与えた。動物を8週間、対照飼料またはリキシバプタン飼料に接触させ、12週齢で安楽死させた。
[00158]
Figure 2020523305
[00159] 実験プロトコル。代謝ケージ内の24時間尿排出を6週齢および9週齢で2回採取した(それぞれ試験3週目および6週目)。投与期間の終了時に、動物を体重測定し、ケタミン90mg/kgおよびキシラジン10mg/kg、IPで麻酔した。血液サンプルは、血漿電解質、クレアチニンおよび血漿尿素のレベルの決定するため、心臓穿刺により得た。右腎および肝臓の一部を、リン酸緩衝液(pH7.4)中に10%ホルムアルデヒドを含む、予め計量したバイアルに入れた。組織は、組織学試験用にパラフィンに包埋した。左腎は、cAMPの測定用に液体窒素中で直ちに凍結させた。
[00160] 腎臓全体のサイクリックAMP含量。
[00161] 腎臓を秤量し、ステンレススチールの乳鉢中、液体窒素下で微粉砕し、0.1M HCl 10容量でホモゲナイズした。タンパク質濃度は、BCAタンパク質測定キット(Pierce、イリノイ州)を使用して測定した。600gで10分間遠心分離した後、上清を0.1M HClでさらに希釈し、アッセイで直接実施するか、または後の分析用に凍結保存した。cAMP含有量は、メーカー(Enzo Life Sciences、Inc. ファーミングデール、NY)の指示に従い、Direct cAMP ELISAキットにより評価した。サンプルは3回採取した。結果は、タンパク質のpmol/mgで表した。
[00162] 統計分析。群間比較は、一元配置または二元配置分散分析(ANOVA)を使用して分析し、適宜、平均またはスチューデントt検定の最小有意差比較を実施した。データは、平均±SDとして表した。
[00163] 結果。
[00164] この試験の結果を以下の表3に示す。対照群のPCKラットは、多発性嚢胞腎表現型の発症と一致して、腎臓の拡大および広範な嚢胞形成を示した。対照動物と比較して、リキシバプタンで処置したPCKラットは、疾患の症状発現の低下を示した。リキシバプタンの有益な効果は、生化学的マーカー、腎臓形態および腎機能を含む、試験した疾患のすべての面で観察された。対照動物と比較して、0.5%リキシバプタンで処置したPCKラットは、体重のパーセンテージとして腎臓重量に顕著な低下(26%;p<0.008)、および腎臓cAMPレベルの低下(23%;p=0.016)を示した。予想通りに、これらの低下は、試験3週目(7週齢のラット;175%;p<0.0001)および試験6週目(10週齢のラット)(189%、p<0.0001)の24時間尿排出において、また0.5%リキシバプタン群の血清ナトリウム(1.6%;p<0.05)において、統計的に有意な増加と関連していた。試験3週目の尿排出(223%;p<0.0001)および試験6週目の尿排出(237%;p<0.001)での有意な増加が1.0%リキシバプタン群で見られた。
[00165] 両方の性別で分析した場合の腎臓重量の体重に対する比率(腎臓重量/体重%)について、0.5%リキシバプタン群は、統計的に有意な減少を示した(リキシバプタンにおいては1.2%+/−0.3、対照においては1.7%+/−;p<0.01)。0.5%リキシバプタンによる処置は、対照と比較した相対腎臓サイズで26%(p=0.008)の減少と、対照と比較した嚢胞性表現型の54%(p<0.001)の改善に関連しており、また1.0%リキシバプタンは、対照と比較した嚢胞性表現型の25%(p<0.01)の改善と関連していた。さらに、有意な傾向のある腎線維症スコアに対する有益な効果(30%、p=0.12)は、疾患のこのステージの線維症に関する軽度な特徴が報告されているにもかかわらず、0.5%リキシバプタン群で観察された。これらの結果は、腎機能に対するマーカーである血清中クレアチニンの減少を伴っていた(13.2%、p<0.001)。1.0%リキシバプタン群と対照群との間の統計的分離は、1.0%リキシバプタン群の3つの異常値の存在によって良くない影響を受けた。3匹の動物(雄1匹および雌2匹)は、腎臓、心臓、肝臓および/または脾臓の臓器重量対体重比の増加を示した。これらの3つの異常値を1.0%リキシバプタン群から除き、同様の異常値を対象群から除くと、腎臓重量/体重%の比較において、1.0%リキシバプタン群と対象群との間に大きな有意差が生じた(1.6%は1.3%になる;後者の値は1.7%の対象と比較してp<0.01)。
[00166] 腎臓の症状発現に加えて、大多数のPKD患者は、肝嚢胞および線維症も発症する。この試験では、リキシバプタンがPCKラットにおいて肝臓病変を回復させることができるかどうかを評価した。対照動物と比較して、0.5%リキシバプタンによる処置は、肝臓における疾患症状の発現に対する予防効果、すなわち、(a)体重のパーセンテージとしての肝臓重量、(b)肝嚢胞負荷、および(c)肝線維症を示した。組織形態計測分析を実施して、これらの処置効果を定量化した。対照動物と比較して、0.5%リキシバプタンで処置した動物は、肝嚢胞スコアにおける非常に有意な減少(39%;p=0.0002)と、肝臓重量対体重比(5.2%;p=0.08)、および肝線維症スコア(20.6%、p=0.08)の有意性にせまる傾向を示した。1.0%リキシバプタン群では、対照からの分離はなかった。肝臓病変に対するリキシバプタンの有益な効果は、PCKモデルにおける他のバソプレシン遮断薬では認められなかった(Gattone et al., 2003 Nat Med. 9(10): 1323-6)。
[00167] PKDのこの動物モデルにおいて、リキシバプタンの効果は0.5%群において最大であったが、1.0%群はこの試験では一貫して効果はなかった。同様の逆用量反応効果が、PCKモデルにおいて、PPARγアゴニスト(Flaig et al., 2016 J Transl Intern Med. 4: 118-26)およびトルバプタン(Wang et al., 2005 J Am Soc Nephrol. 16(4): 846-851)を含む他の薬剤でも認められた。トルバプタンに関しては、高濃度のトルバプタンでのバソプレッシンV1a受容体に対する遮断作用および細胞内カルシウム放出が高用量の薬品効果の可能性を制限する場合があると推測された(Wang et al., 2005)。同様の競合要因は、この試験においてリキシバプタンの1.0%用量で見られた効果の低減の一因となっていた可能性がある。本発明のいずれかの理論に限定されることなく、この試験結果に対するより詳細な代替の説明には、1.0%リキシバプタン群の異常値の不均衡、および異なる食物摂取または食物嗜好性の影響の可能性が含まれる。後者に関して、1.0%リキシバプタン群の動物は、対照と比較して体重増加の減少を示し、このことは、食物摂取量が減少し、その結果、用量が減少した可能性を示唆している。
[00168]
Figure 2020523305
実施例3− 腎障害患者におけるリキシバプタンに関する試験
[00169] 臨床試験を実施し、腎障害患者におけるリキシバプタンの薬物動態(PK)を決定した。この試験においては、リキシバプタンの100mg単回経口投与後のリキシバプタンのPKを末期腎疾患(ESRD)の対照および腎機能が正常な対象において評価した。バソプレシン濃度、血清ナトリウム濃度、尿量、および尿浸透圧を含む薬力学的(PD)評価を評価した。全体のリキシバプタン総曝露量は、それぞれAUC0−∞およびAUC0−tにより評価した場合、腎機能が正常な対象と比較して、ESRD対象においては平均32%および31%低かった。同様に、ピークの総リキシバプタン濃度は、ESRDの対象において、平均で31%低かった。そのような試験のPK結果を表4に示す。尿浸透圧測定の結果は表5に示す。
[00170]
Figure 2020523305
[00171]
Figure 2020523305
[00172] 健康な人と比較して腎機能障害のある対象において曝露の増加を示したトルバプタンとは好対照に(Shoaf, 2013)、ESRD透析患者におけるリキシバプタン曝露は、正常な対象よりも低かった。リキシバプタン総曝露は、それぞれAUC0−∞およびAUC0−tで評価した場合、正常な腎機能の対象と比較して、ESRD対象において、32%および31%低かった。同様に、ピークの総リキシバプタン濃度は、ESRDの対象において、平均で31%低かった。リキシバプタンの単回用量は両群において十分に忍容性を示し、安全性の問題は確認されなかった。リキシバプタンの既知のPD効果は、V2受容体遮断により水利尿薬として機能することによって、両腎機能群においてバソプレシンレベルが上昇し、同時に正常群においては尿排出が増加し、尿浸透圧が低下した点において、この試験で確認された。しかし、尿浸透圧におけるベースラインからの変化に対するリキシバプタンの効果は、ESRD群において顕著に低下した。
実施例4− 様々な対象におけるUosm試験
[00173] 健康な対象および様々な患者集団(多血症および正常血液量の低ナトリウム血症の患者および末期腎疾患の患者)においてリキシバプタンで実施された臨床試験は、リキシバプタンによる処置が、試験した特定の患者集団にかかわらず、尿浸透圧を300mOsm/kgの目標閾値を下回るレベルにまで容易に抑制したことを証明した。
[00174] 健康なボランティア
[00175] 健康なボランティアにおけるリキシバプタンは、98名の健康な男性の対象において、無作為化、二重盲検、プラセボ対照、昇順の複数回用量、安全性および忍容性の臨床試験で試験された。図3は、リキシバプタンの単回経口投与後14日目の平均Uosmの時間経過を示す。
[00176] SIADH患者
[00177] 抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)の対象は、無作為化、二重盲検、プラセボ対照、昇順の単回用量、安全性および忍容性試験で試験された。図4は、この患者集団におけるリキシバプタンの単回経口投与後1日目の平均Uosmの時間経過を示す。
実施例5− リキシバプタンの肝臓への影響
[00178] シミュレーション試験は、リキシバプタンによる肝障害に関する可能性を評価するため、トルバプタンについて以前に報告された技術を使用して実施した(Woodhead JL et al., 2017 Toxicol Sci. 155(1), 61-74)。インビトロのアッセイデータおよび臨床データのパネルから始めて、このアプローチでは、リキシバプタンの肝臓毒性のリスクを評価するために数学的、機械的モデリングソフトウェアを使用した。
[00179] シミュレーションの結果は、リキシバプタンが肝臓毒性を引き起こさないことを示し、上記試験で報告された臨床観察を確認した(例えば、60日間、BID100mgをシミュレート投与後、臨床的に関連するALT上昇は、リキシバプタンに起因しなかった)。またシミュレーションでは、12週間のリキシバプタンの200/100mgの分割毎日投与で、3X ULN(正常の上限)を超える血清アラニントランスフェラーゼ(ALT)の上昇はなかったことが示された。トルバプタンによる90/30mgの分割毎日投与の後は、約8%の人にALTの上昇があったことがWoodheadにより報告されている。7日間のリキシバプタン400mg BID用量では、シミュレーションにより3X ULNを超えるALT上昇が稀である(2.46%)ことのみが報告されており、臨床的な問題を示唆する特徴はなかった。67名の人が7日間、リキシバプタン400mg BID用量で処置された場合、ALT上昇は認められなかったので、これらのシミュレーション結果は保存的である。
[00180] シミュレーションの結果は、リキシバプタンとトルバプタンとの固有の化学的相違と一致している。分配係数(LogP)が3.0を超える薬品は肝障害を引き起こす可能性と過度に関連していることが確認されている(Chen M. et al., 2013 Hepatology 58 (1), 388-396)。測定されたトルバプタンに対するLogP値は3.0を超えており、これは、トルバプタンに関連する肝臓毒性の臨床所見と一致している。驚いたことに、トルバプタンとの化学的類似性にもかかわらず、測定されたリキシバプタンのLogP値は1.0である。このことは、リキシバプタンが肝臓毒性の高リスク関連の薬品群に属していないことを示唆している。
実施例6− ADPKD患者における臨床PK/PD試験
[00181] 200〜400mgの範囲のリキシバプタンの用量は、表6に示した分割用量投与計画でADPKD患者に投与することができる。尿浸透圧、血清浸透圧、血清バソプレシン、血清コペプチン、尿コペプチン、尿中HB−EGF、尿中エキソソーム、または尿中細胞外小胞を測定することができる。
[00182]
Figure 2020523305
[00183] 1群〜3群の患者は各試験日の午前8時および午後5時に試験薬を摂取し、4群の患者は各試験日の午前8時、午後2時および午後8時に試験薬を摂取する。対象は、各処置期間の1日目および7日目に臨床評価を行い、24時間の薬物動態および薬力学的データを得る。対象は、−1日目の午後から2日目の朝まで来院する。対象は、同様の入院患者期間(すなわち、6日目の午後から8日目の朝まで)、各試験期間の終了時に帰る。各試験期間の1日目および7日目に投与される用量を除いて、他のすべての用量は外来患者として対象により摂取される。
[00184] 薬品のピーク最大濃度、最小濃度、投与後24時間の濃度、最大(ピーク)血漿濃度までの時間、およびリキシバプタンに関する投与後0〜24時間の濃度−時間曲線下面積の測定値を決定する。
実施例7− 健康な成人男性対象におけるリキシバプタンの漸増複数回投与、安全性、および忍容性試験
[00185] 健康な成人男性対象におけるリキシバプタンの無作為化、プラセボ対照、漸増複数回用量試験では、リキシバプタンが顕著な利尿効果を作用させることが確認された。25mg以上の単回用量の後(1日目)、Uvolの倍増(0〜4時間)が観察された。利尿に対する効果は、リキシバプタンが投与された対象とプラセボ投与された対象の0〜4時間および0〜24時間の尿排出を統計的比較することによりさらに明確になった。薬品投与後の最初の4時間、25mg以上の単回用量でプラセボよりも有意に多量の尿排出があった。0〜24時間の採取間隔の間、200mg以上の用量で14日間の用量投与によるプラセボよりも有意に多量の尿排出があった。尿排出の量は、用量相関方式で増加した。これら顕著な利尿作用は、14日間の用量投与を通じて持続した。単位時間当たりのmLで示されるUvolのさらなる試験Uflowでもまた、効果の期間中、用量相関の増加が明らかになった。1日目および14日目のUvolの有意な増加は、液体制限期間(0〜4時間)および液体自由期間(>4時間)に生じた。0〜24時間の液体摂取に関して用量相関性の増加があったが、この期間中有意な多量の尿をもたらした0時間〜4時間の液体摂取では有意な差は認められなかった。
[00186] Uosmの減少に対する有意な効果は、リキシバプタンが投与されたすべての対象において得られた。すべての用量群にわたって、Uosmの最小値は、薬品投与後の最初の2時間以内に一貫して生じた。特に、300mOsm/L未満の最小値は、25mg以上の用量で得られた。しかし、Uosmの抑制は一時的であった。Uosm値は、100mg用量の投与後4時間までこの等浸透圧点を下回ったままであり、最小値の期間は用量とともに増大した。14日目までに、Uosm値によりベースライン値減少の用量相関性パターンが明らかになった。これは、推測では、薬品の作用を持続させるのに十分な循環レベルのリキシバプタンが血漿中(および作用部位)に残っていることによる。これらの結果は、V2受容体に対するリキシバプタンの作用を反映しており、すなわち、14日間のリキシバプタン投与を通して継続した溶質を含まない水分排出の増加を反映したUosmの減少を反映している。
[00187] Uflowの増加およびUosmの減少と一致して、血清浸透圧の有意な用量相関性の増加がリキシバプタンを投与したすべての対象において観察された。
[00188] 様々な用量のリキシバプタンの後に得られたUosmの平均時間経過を図3に示す。そこに示した通り、用量は、25mg、50mg、100mg、200mg、300mg、400mg、500mg、600mg、および800mgの用量で提供された。さらに、リキシバプタンの用量の増加により、最大12時間、尿浸透圧300mOsm/kg未満を維持することができた(例えば、300mg〜800mgの用量)。しかし、800mgの用量だけが最大24時間で300mOsm/kg未満の値までUosmを抑制した。
[00189] さらに、リキシバプタンは、連続14日間投与した場合、最大800mgの経口日用量および最大400mgの1日2回の経口用量で、健康な男性により安全および十分な忍容性を示すことが確認された。
実施例8.FDAガイダンスに基づいたリキシバプタンの安全性、薬物動態および薬力学を確立するための臨床試験
[00190] A.試験の設計。フェーズII非盲検、並行群、複数回投与臨床試験は、FDAガイダンス、(1)比較的腎機能が維持されたADPKD対象(慢性腎疾患(CKD)CKD1およびCKD2として定義)ならびに中程度に腎機能が障害されたADPKD対象(CKD3として定義)における複数回用量(50mgおよび200mgの1日2回用量)後のリキシバプタンの薬物動態プロファイルの特性決定、(2)ADPKD対象におけるリキシバプタンの複数回投与後24時間にわたる尿浸透圧に対するリキシバプタン効果の特性決定、ならびに(3)ADPKD対象における尿排出、総腎容積、肝容積、循環バソプレシン、および血清クレアチニンに対するリキシバプタンの薬力学的効果に関する経時変化の特性決定、に基づいて実施される。
[00191] 対象は、スクリーニング時に18歳〜60歳まで(包括的)で、スクリーニング時の体型指数(BMI)が18kg〜35kg/m(包括的)である男性または女性である。対象は、推定糸球体濾過量(eGFR)60mL/分/1.73m以上(CKD1もしくはCKD2)、またはeGFR30以上60mL/分/1.73m未満(CKD3)を有し、そのeGFRは慢性腎臓病疫学共同研究(Chronic Kidney Disease Epidemiology Collaboration)(CKD-EPI)方程式によって計算される。対象は、変更されたRavine基準に基づいて、ADPKDの家族歴、超音波検査による腎臓につき最低3個の嚢胞、またはコンピューター断層撮影(CT)もしくは磁気共鳴画像法(MRI)による5個の嚢胞を有する対象の場合;あるいは、ADPKDの家族歴はないが、放射線学的方法および他の嚢胞性腎疾患の除去により、腎臓につき最低10個の嚢胞を有する対象の場合、ADPKDと以前に診断されている。この試験のADPKD対象は、ステージ1、2、または3のCKD分類が確認されている。
[00192] 十分な対象を登録するための28日間のスクリーニング期間を含む全試験期間は、66日である。この試験には、以下で説明するように、薬物動態測定および薬力学的測定を実施するために使用される2つの「臨床」期間が含まれている。対象は、チェックインから(−1日目と呼ぶ)臨床調査施設に2日目の朝まで拘束される。対象は、6日目の午後から8日目の朝まで再び拘束される。
[00193] 外来患者日の間、対象は、トラフPK評価のため、4日目の朝および6日目の朝に臨床調査施設(CRU)に戻る。対象は、CKD分類に従って、以下に示したように、7日間リキシバプタンの2つの経口投与計画のうち1つを摂取するように割り当てられる。各投与計画には、朝(AM)および晩(PM)のリキシバプタンの経口投与が含まれる。対象がCRUに拘束される場合、PM用量は、AM用量の10±0.25時間後に投与される。リキシバプタンが自己投与される場合、PM用量は、AM用量の10±1.0時間後に投与される。
Figure 2020523305
[00194] B.薬物動態(PK)評価。PKパラメーターは、リキシバプタン濃度:最大観察血漿薬品濃度(Cmax)、最大血漿濃度に到達する時間(tmax)、濃度−時間曲線下面積(AUC)で0時間から最後の定量可能濃度までのAUC(AUC0-t)、0時間〜投与後14時間のAUC(AUC0-14)、無限まで推定されるAUC(AUC0-inf)、見掛けの終末消失速度定数(λz)、終末消失相半減期(t1/2)、全身クリアランス(CL/F)、および分配の容量(Vz/F)に基づいて計算される。
[00195] C.薬力学的(PD)評価。PD分析には、尿浸透圧および尿排出、総腎容積(TKD)、肝容積(LV)、血漿コペプチン(循環バソプレシンのマーカーとして)、および血清クレアチニンの評価が含まれる。尿浸透圧に対するリキシバプタンの効果は、試験の臨床段階の間の(a)スポット尿浸透圧および(b)24時間尿排出の測定により決定される。総腎容積(TKV)および肝容積(LV)は、腹部磁気共鳴画像法(MRI)によって測定され、試験開始時と、スケジュールを組んだ処置期間の完了後と、リキシバプタンの最終用量の4週間後に評価される。さらなるPD測定には、血中尿素窒素(BUN)および推定糸球体濾過量(eGFR)が含まれる。
実施例9.実施例6および実施例8の拡大臨床試験。
[00196] 拡大試験の対象は、最初に実施例6または8のいずれかに記載された臨床試験を終える。対象は、薬力学的に有効な用量の1日2回のリキシバプタンに用量設定され、次いでそのような用量で最大26週間維持される。用量の段階的増量は週単位で実施され、トラフ尿浸透圧評価により誘導され、事前に指定した用量設定プロトコルに従う。試験薬のすべての用量は、試験参加者によって自己管理される。
[00197] 1日2回の投与計画でのPM用量は、バソプレシン拮抗作用に伴う夜間頻尿の可能性を最小限にするため、AM用量の約10時間後に摂取される。対象は、所定の毎日の液体摂取計画を守ることにより、試験を通して十分な水分補給を維持する。
[00198] 対象は、リキシバプタンの50mg BID用量で治療を開始する。対象は7、14、21、28日目に試験来院を予定し、事前に指定した漸増プロトコルに基づいてリキシバプタンの用量を調整した。用量を増加するか調整するかについての決定は、各来院時の各対象のトラフ尿浸透圧値;対象が報告した現在の用量の忍容性;および治験責任医師の評価に基づく。尿浸透圧に加えて、尿比重は、上記で挙げた各試験来院、ならびに2カ月、4カ月、および6カ月の試験来院で測定される。血清クレアチニンは、7日目来院時および6カ月来院時に評価される。

Claims (21)

  1. ヒト対象における多発性嚢胞疾患を処置する方法であって、
    リキシバプタンまたは、その薬学的に許容可能な塩、プロドラッグ、溶媒和物、共結晶、配座異性体、多形体、結晶形態、互変異性体もしくは水和物、および薬学的に許容可能な担体を含む、治療有効量の医薬組成物を分割用量投与計画で対象に投与することを含み、総日用量が約200mg〜約500mgである、方法。
  2. 分割用量投与計画が、第1の用量および第2の用量からなる、請求項1に記載の方法。
  3. 第1の用量が、リキシバプタン125mg〜325mgである、請求項2に記載の方法。
  4. 第2の用量が、リキシバプタン75mg〜175mgである、請求項2に記載の方法。
  5. 第1の用量が、リキシバプタン200mgである、請求項2に記載の方法。
  6. 第2の用量が、リキシバプタン100mgである、請求項2に記載の方法。
  7. 第2の用量が、第1の用量の約8時間後に投与される、請求項2〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 第2の用量が、第1の用量の約10時間後に投与される、請求項2〜6のいずれか一項に記載の方法。
  9. 第2の用量が、第1の用量の約12時間後に投与される、請求項2〜6のいずれか一項に記載の方法。
  10. 第1の用量が、朝に投与される、請求項2〜9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 第2の用量が、晩に投与される、請求項2〜10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 組成物が、少なくとも1週間投与される、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 組成物が、少なくとも2週間投与される、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
  14. 組成物が、少なくとも1カ月間投与される、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
  15. 多発性嚢胞疾患が、多発性嚢胞腎疾患または多発性嚢胞肝疾患である、請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法。
  16. 多発性嚢胞腎疾患が、常染色体優性多発性嚢胞腎疾患(ADPKD)である、請求項15に記載の方法。
  17. それを必要とするヒト対象における多発性嚢胞疾患を処置するための医薬組成物であって、
    治療有効量のリキシバプタンまたは、その薬学的に許容可能な塩、プロドラッグ、溶媒和物、共結晶、配座異性体、多形体、結晶形態、互変異性体もしくは水和物、および薬学的に許容可能な担体を含み、治療有効量が、分割用量投与計画で送達されるリキシバプタン約200mg〜約500mgである、医薬組成物。
  18. 多発性嚢胞疾患が、多発性嚢胞腎疾患または多発性嚢胞肝疾患である、請求項17に記載の医薬組成物。
  19. 多発性嚢胞腎疾患が、常染色体優性多発性嚢胞腎疾患(ADPKD)である、請求項18に記載の医薬組成物。
  20. それを必要とするヒト対象における多発性嚢胞疾患を処置するための医薬組成物の使用であって、
    医薬組成物が治療有効量のリキシバプタンまたは、その薬学的に許容可能な塩、プロドラッグ、溶媒和物、共結晶、配座異性体、多形体、結晶形態、互変異性体もしくは水和物、および薬学的に許容可能な担体を含み、治療有効量が、分割用量投与計画で送達されるリキシバプタン約200mg〜約500mgである、使用。
  21. 多発性嚢胞腎疾患が、常染色体優性多発性嚢胞腎疾患(ADPKD)である、請求項20に記載の使用。
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