特定の態様において、動作の自由を犠牲にせずに保護を提供するために速度感度物質を組み込んだウェアラブル物品が本明細書に開示される。本開示に従って構成された脊柱支持デバイスまたは支持要素は、横運動と屈曲において頭部と頚部を支持することによって、および被験体自身が生成し得るよりも大きな衝撃、打撃、または何らかの加速度の際中に、頭部と頚部の横運動/屈曲の間の回転エネルギーを吸収することによって、筋疲労を減らす。支持要素は、作用力の度合に応じて抵抗とエネルギー吸収を高めるように構成される。
いくつかの実施形態において、ウェアラブル物品は、複数のフレーム要素を含む力配向フレームを含み、かつ被験体の身体領域に対して解剖学的に相補的であるように形成され、寸法決めされる。ウェアラブル物品が使用される被験体は、好ましくは脊椎動物であり、より好ましくは哺乳動物であり、最も好ましくはヒトである。したがって、本開示で解明される原理に従ったウェアラブル物品は、ヒトだけでなく、例えば限定されないが、ヒツジ、ヤギ、ウマ、ロバ、およびラバ等の有蹄動物、爬虫類、両生動物、イヌおよびネコ等のコンパニオンアニマル、ならびに鳥および齧歯類等の他のペットを含む。本開示に係るウェアラブル物品は、ヒトだけでなく、イヌおよびウマ等の軍事用動物および警察動物によって着用される保護具に組み込まれてもよい。本明細書に開示されるウェアラブル物品は、好ましくは外科的な植え込みをすることなく、ヒトと獣医学用途の両方で使用され得る。
いくつかの実施形態において、速度感度物質はフレームに連結され、および少なくとも1つのファスナーは(直接または間接的に)フレームに連結され、かつ被験体にウェアラブル物品を固定するのに適している。種々様々なファスナーを使用することができ、限定されないがハーネス、ストラップ、物品への組込み等の1つ以上が含まれる。ハーネスまたはストラップの場合、これらは除去可能であってもよく、または恒久的に取り付けられてもよい。好ましくは、ウェアラブル物品は外部的に、すなわち被験体の身体の外部に固定され、かつ非侵襲的に、すなわち被験体の身体内への要素の外科手術または植え込みはないが、支持体のすべてまたは一部が植え込まれる実施形態もまた考慮される。上記で留意されるように、ウェアラブル物品は、それが使用される身体領域に対して解剖学的に相補的であり得る。
いくつかの実施形態において、ウェアラブル物品は、身体領域を係合するために係合面を含み、係合面は連続面または離断面であってもよい。係合面は、気流を促進するためにチャネルおよび/または突部を含んでもよい。係合面の形状は、ウェアラブル物品が固定される身体領域の解剖学的構造の表面の輪郭に相補的である。例えば、身体領域が頚部と僧帽筋である場合、ウェアラブル物品は、頚部を受けとめ、次に僧帽筋を収容するために底部で広がっている細長いチャネルを有してもよい。同様に、肘関節用のウェアラブル物品は、遠位上腕、前肘、肘頭、および近位前腕、またはそれらの一部を係合するように形成されてもよく、かつそのような目的に適した係合面を含んでもよい。これらは、本明細書に記載されるウェアラブル物品が使用され得る身体領域の単なる例であり、限定を意図してはいない。例えば、限定されないが、本開示に係るウェアラブル物品は、頭部と頚部のいずれかのすべてまたは一部を組み合わせて、頚部、胴、脊椎、肩の一方または両方、肘の一方または両方、手首の一方または両方、片手または両手、臀部の一方または両方、膝の一方または両方、踝の一方または両方、および/または足の一方または両方を支持するのに適している場合もある。
ファスナーによって固定された時、特定の実施形態では、ウェアラブル物品は、形態的に密に係合している身体領域との位置に合わせられている。例えば、保護服を含む、十分に薄く、ぴったりとフィットする衣類の1つ以上の層は、身体領域とウェアラブル物品との間の密な形態的係合を妨げることなく、身体領域とウェアラブル物品との間に挟まれてもよい。さらに、用語「密な形態的係合」は、身体領域からウェアラブル物品への力の効果的な送達を可能にするのに十分な係合がある限り、例えば通気または可動性のために、ウェアラブル物品と身体領域の間の係合における間隙(例えば離断係合面)を包含する。
いくつかの実施形態において、力配向フレームのフレーム要素は、フレーム内に少なくとも1つの変形可能領域を形成する;すなわち、フレームにかけられた力に応じて変形を行うことができるフレームの領域である。この変形は、例えば限定されないが、一体丁番として機能する厚みの減らされた領域を含む、関連するフレーム部材のすべてまたは一部の弾性/たわみ性によって、あるフレーム要素から別のフレーム要素への従来のヒンジによる動きによって、他のフレーム要素と摺動可能に係合した1つのフレーム要素によって、これらの組み合わせによって、または他の適切な技術によって、達成され得る。いくつかの実施形態において、力配向フレームは単一体のユニット、または代替的に、複数の別個のフレーム要素を含み、これらは互いに連結され、互いに離れて間隔を置き、または組み合わされている(例えば、いくつかのフレーム要素は他のフレーム要素に連結されてもよく、およびいくつかのフレーム要素は他のフレーム要素に連結されなくてもよい)。
いくつかの実施形態において、フレーム要素は、ウェアラブル物品が身体領域に固定された時、身体領域内の内部歪み力の少なくとも一部を、フレーム要素を介して変形可能領域へと逸らせるように構成され;力の転移は、ウェアラブル物品と身体領域との間の密な形態的係合により達成される。用語「内部歪み力」は、身体の運動中の、例えば関節の屈曲、伸長、および回転中の骨、軟骨、筋肉、および他の軟組織の相対運動中の、互いに対する解剖学的構造の運動を指す。内部歪み力は、外部的に適用された力、身体領域の筋肉組織によって生成された内力、または内力と外力の両方の組み合わせの結果である場合もある。例えば、スポーツ選手または兵士は、自身の体の運動を引き起こす弾丸衝撃による外力にさらされ、または音に反応して急に向きを変える時に内力にさらされ、あるいはコンタクトスポーツ(例えばアメリカンフットボール、ラグビー、または武道)、または実際の接近戦、手対武器の戦闘、または武器対武器の戦闘時にバランスを維持するように試みる場合、内力と外力の両方にさらされ得る。
いくつかの実施形態において、速度感度物質は少なくとも変形可能領域内に配置され、および速度感度物質は、変形可能領域内の速度感度物質の変形によって逸らされた内部歪み力を弱める。事実上、速度感度物質を含む変形可能領域は、そうでなければ身体領域に適用されるであろう力(内力、外力、または両方)のいくらかを吸収する「衝撃吸収帯」として機能する。使用される特定の速度感度物質と、その密度および厚さは、ウェアラブル物品がどのように使用されるか(例えば活動の性質)、およびウェアラブル物品が使用され得る身体領域に依存し、さらに個々の被験体の特性(例えば身長、体重、および他の因子等)に依存し得る。さらに、異なるタイプ、厚さ、および密度の速度感度物質が、異なる変形可能領域において、または単一の変形可能領域内で使用されてもよく(例えば、積層され、または変形可能配列で配置)、および速度感度物質の特性は、例えば、速度感度物質の表面張力を調節するために、速度感度物質の面に適切なコーティングまたは積層を適用することによりさらに調整されてもよい。いくつかの実施形態において、ウェアラブル物品は、単一体量の速度感度物質を含み、およびフレーム要素は、力配向フレームを形成し、かつ変形可能領域を画定するために、速度感度物質の上を覆い、または中へとセットされてもよい。他の実施形態では、速度感度物質の別々の、別個の個々の部分が、変形可能領域に配置されてもよい。
いくつかの実施形態において、変形可能領域の正確な形状、位置、および構成は、ウェアラブル物品が使用される、および/または身体領域が支持される特定の用途に依存するだろう。1つの好ましい実施形態では、ウェアラブル物品は解剖学的に限定されない。1つの好ましいアプローチは、例えば、頭部と頚部のいずれかのすべてまたは一部を組み合わせて、頚部、胴、脊椎、肩の一方または両方、肘の一方または両方、手首の一方または両方、片手または両手、臀部の一方または両方、膝の一方または両方、踝の一方または両方、および/または足の一方または両方等の、解剖学的構造の配列または群を再生成し、模倣し、エミュレートし、または準拠することである。解剖学的構造の配列を再生成し、模倣し、エミュレートし、または準拠することによって、ウェアラブル物品は、身体領域との密な形態的係合により、内部歪み力の少なくともいくらかを脆弱な軟組織から逸らせ、かつ戦略的に、逸らされた力を変形可能領域に配向し、ここでそれらの力は速度感度物質によって弱められ、吸収され、または消され得る。いくつかのそのような実施形態では、フレーム要素は、骨および/または軟骨等の硬組織に対応し、および速度感度物質を含む変形可能領域は、筋肉と結合組織等の軟組織に対応し得る。そのような実施形態では、フレーム要素は、力を移転させる硬組織と位置を合わせ、および速度感度物質を含む変形可能領域は、内部歪み力にさらされた時に変形をうけ、結果として傷害を受けやすい身体領域のそれらの軟組織と位置を合わせて配置されてもよい。いくつかの例では、ウェアラブル物品が内部歪み力の少なくともいくらかを脆弱な軟組織から逸らせて、変形可能領域へと逸らせた力を戦略的に配向する限りにおいて、フレーム要素と硬組織との間および/または変形可能領域と脆弱な軟組織との間の位置合わせは必要ではない。いずれの場合においても、ウェアラブル物品の構成は、着用者が実質的に正常可動域の動作(例えば屈曲、伸長、回転)を通じて関連する身体領域を動かすことができるのが好ましい。いくつかの実施形態において、ウェアラブル物品によって提供される主たる保護は、可動域に対する実質的な制約ではなく、速度感度物質の特性が利用され得る変形可能領域へと内部歪み力を逸らすことに起因する。
以上留意されるように、速度感度物質は、適用された力に対する抵抗が力の増加と共に増す物質であり得る。いくつかの実施形態において、本開示に係るウェアラブル物品は、速度感度物質の圧縮可能/拡張可能/粘弾性の特性に影響を与える。ウェアラブル物品が使用される活動にとって適切な速度感度物質の選択により、ウェアラブル物品は、内部歪み力がその活動に期待される比率でかけられた時、速度感度物質が逸らされた内部歪み力にほとんど抵抗しないように構成することができる。そのため、ウェアラブル物品は、活動中に被験体の通常の動作に対する抵抗をほとんど提供しないだろう。高エネルギーの瞬間において(例えば、衝撃等から生じる突然の過伸展、加速度、減速)、内部歪み力ははるかに高い比率で適用される。それらのより高い比率の内部歪み力の一部が、変形可能領域へと逸らされた時、それらは、そこに含まれる速度感度物質からのはるかに大きな抵抗を満たす。このより大きな抵抗の効果は、逸らされた内部歪み力の制動または吸収であり、これは結果として、外傷を引き起こすことが知られている動作または関節接合の安定化をもたらし得る。例えば、限定されず、かついかなる特定の有用性を約束することもないが、適切に設計された本開示に係るウェアラブル物品が、むち打ちの予防または低減、疲労の低減、適用されたG力の効果の低減(例えば航空機搭乗員用)、受動的な安定化の提供、負荷オフセットの提供、横抵抗力の提供、前部および後部抵抗の提供、姿勢の改善と安定化、外傷の安定化と固定、および抗転化捻挫予防を助け得ることが熟考される。
いくつかの好ましい実施形態は、解剖学的に非制限的であるが、他の実施形態は解剖学的に制限的であり、すなわち、冒された身体部位のために着用者の通常の可動域に実質的な制限を課し得る。解剖学的に制限的な実施形態は、例えば外傷の安定化と術後の用途において、または頚部疲労の予防において(例えばパイロット用)、有利であり得る。
特に、本明細書に開示されるウェアラブル物品の性能は、もっぱら速度感度物質の特性に依存するのではなく、速度感度物質と力配向フレームとの相互作用に依存し;しかし場合によっては、ウェアラブル物品は、速度感度物質の代わりに従来のように弾性材料を使用して、本明細書に記載される原理に従って構成される。さらに、力配向フレームは、それが速度感度物質(または弾性材料)の特定領域に力を分配することによってエネルギー散逸を行わせる機能を行う限り、広範な形態を取り得る。例えば、力配向フレームは、適切な力配向特性を有しており、かつ速度感度物質(または弾性材料)に積層され、付着され、またはそうでなければ固定された薄膜(それは単一体または複合構造であってもよい)の1つ以上の領域を含んでもよく、または該領域から構成されてもよい。用語「エネルギー吸収物質」は、速度感度物質と従来の弾性材料の両方を包含するように本明細書で使用される。
上記で留意されるように、特定の実施形態では、速度感度物質を含む変形可能領域は、そうでなければ身体領域に適用されるであろう力(内力、外力、または両方)のいくらかを吸収する「衝撃吸収帯」として機能する。いくつかの実施形態において、フレーム要素は、速度感度物質の面を制御する、そうでなければ屈曲動作になるであろうものを圧迫へと変換し、ここで速度感度物質は力の吸収/制動に最も効果的である。とりわけ、フレーム要素は、より固い、例えば速度感度物質よりも固い物質から作られてもよく、および速度感度物質がエネルギーを吸収する場所および度合をフレーム要素の形状と構成により支持できるように、フレーム要素の表面は速度感度物質を圧縮することができる。例えば、フレーム要素は、適用されることが予測される力を考慮して特定の速度感度物質の圧縮を効果的に制御するために、速度感度物よりも十分に堅ければ、硬質または半硬質であってもよい。フレーム要素の特性(例えば剛性)および速度感度物質の特性(例えば密度)は、ウェアラブル物品が使用される活動に左右される。より堅いフレーム要素とより高密度の速度感度物質が、高強度のスポーツ/活動(例えばホッケー、フットボール、軍事、モータースポーツ)のために使用され、およびより堅くないフレーム要素とより低密度の速度感度物質が、低強度の用途(例えば外傷回復、自己受容、頚部/関節疲労または過労の緩和等)のために使用されてもよい。特定の用途では、変形可能領域の1つ以上にあるエネルギー吸収物質は、結合性の抵抗性の関節として(下記のように)機能し得る。
いくつかの実施形態において、フレーム要素の1つ以上は、追加の保護(例えば衝撃保護)を提供するために変形領域上に拡がる突起、層、または外部表面を含む。例えば、硬質フォームまたはゴム材料が、膝、肘、または他の関節のまわりに提供されてもよい。本明細書に記載されるウェアラブル物品は、追加の機能性を提供するために1つ以上の追加の層を含み、またはそれに組み込まれてもよい。例えば、追加の層は、衝撃保護、切断保護、射弾に対する保護(例えばKevlar(登録商標)の商標で販売されているもの等のパラ・アラミド合成繊維の層)、不導体、または快適性のために、パッドを提供してもよい。随意に、単一コアのウェアラブル物品が、異なる活動での使用に適し得るように、追加の層は交換可能であってもよい(例えば、頸椎用の単一のカスタムフィットされたウェアラブル物品は、アメリカンフットボール用のパッド/防護部とアイスホッケー用のパッド/防護部の両方と、取り外し可能に相互係合可能であってもよい)。いくつかの実施形態において、追加の層は、衝撃に対する保護および/または緩衝を提供するために、ゲル充填または液体充填のチャンバを組み込んでもよい。最も内側の層はまた、身体領域とのウェアラブル物品の密な形態的係合を改善するために提供されてもよい。支持要素内等のウェアラブル物品で使用される層の典型的な組み合わせとして、硬質フォーム、ゴム、またはプラスチック材料の外層、力の増加に応じて粘度が高まる速度感度物質の内層または中心層(例えば、フォームマトリックスに懸濁された非ニュートン物質)、および支持要素および/またはウェアラブル物品に接する着用者の組織表面を保護するのを助けるための軟質フォームまたはパッドの内層があげられる。
随意に、電子センサー(例えば光センサー、力センサー、または他のもの)が、本開示に係るウェアラブル物品に組み込まれてもよい。例えば、適切な加速度計が力センサーとして使用されてもよい。電子センサーが使用される場合、これらは機載コンピューターまたは機載データ記憶装置に、あるいはコンピューティングデバイス(例えばスマートフォンまたはタブレット)とワイヤレスで通信し得るトランスミッター(例えば無線通信、Wi−Fi、またはBluetoothトランスミッター)に、(例えば有線で)接続されてもよい。
様々な態様では、本明細書に記載されるウェアラブル物品は、有害な動作を制限する方法を可能にする。この方法は、被験体の身体領域に固定されたウェアラブル物品を介して、身体領域内の内部歪み力の少なくとも一部を、ウェアラブル物品のフレーム内の少なくとも1つの変形可能領域内に配置された速度感度物質へと逸らせる工程、および少なくとも1つの変形可能領域内の速度感度物質の変形によって内部歪み力を弱める、または吸収する工程を含む。
脊柱支持デバイス(これは支持要素として本明細書に記載されるウェアラブル物品に組込み可能)の形態の特定の典型的なウェアラブル物品が、ここでほんの一例として記載され、本開示の教示は脊柱支持デバイスに限定されないが、広範な解剖学的構造のための物品に応用され得ることが理解される。
ここで図1〜13を参照すると、これらの図は、概して参照番号(100)によって示される第1の典型的な脊柱支持デバイスを示す。図1〜13に示される脊柱支持デバイスは、本開示に係るウェアラブル物品の1つの典型的な実装であり、および解剖学的構造、この場合は頚部/背中/脊椎のための物品として役立つ。
脊柱支持デバイス(100)は、頸椎支持部(102)、上脊柱支持部(104)、および下脊柱支持部(106)を含む。頸椎支持部(102)は、上脊柱支持部(104)の上端(108)に連結され、および下脊柱支持部(106)は、上脊柱支持部(104)の下端(110)から伸長する。上脊柱支持部(104)と下脊柱支持部(106)は、単一の要素として単一体で形成されてもよく、または互いに連結された2つの部分(その各々がサブ部分から成る場合もある)として形成されてもよい。
ヒト被験体によって着用された場合(図1〜13には示さず)、上脊柱支持部(104)と下脊柱支持部(106)は、ともにヒト脊椎上のC7脊椎から少なくともL1脊椎まで伸長し、および見ることができるように、脊柱支持デバイス(100)はヒトの背中の湾曲にフィットする輪郭を示す。したがって、図6で最もよく見られるように、上脊柱支持部(104)と下脊柱支持部(106)は、ヒトの脊柱弯曲に一致するように適合され、使用においては、さらに以下に記載されるように着用者の脊椎上の位置に固定されるだろう。脊柱支持デバイス(100)の内部輪郭は、背中と首の外面輪郭に一致する係合面を形成する。
上脊柱支持部(104)の上端(108)は、ヒト被験体上の背中から腹部位置へと伸長し、ヒトの僧帽筋と係合するのに適した生物力学的に堅い僧帽筋グラプネル(112)を含む。本明細書で使用されるように、用語「生物力学的に堅い」は、変形により力を吸収するよりもむしろ、実質的に全ての作用力を伝達するのに十分に堅いことを意味する。この意味で、用語「生物力学的に堅い」は、骨格の骨が堅いのと同じ意味で堅いことを意味し、したがって用語「生物力学的に堅い」は、幾分の可撓性を排除しない。上脊柱支持部(104)の全体が、生物力学的に堅くてもよく、または僧帽筋グラプネル(112)のみが生物力学的に堅くてもよい。随意に、上脊柱支持部(104)は、僧帽筋グラプネル(112)が生物力学的に堅く、および上脊柱支持部(104)の剛性がその末端(110)に向かって低下する(例えば可撓性が増加する)ように構成されてもよい。好ましい実施形態では、下脊柱支持部(106)は上脊柱支持部(104)よりも実質的に柔軟である。
例示された実施形態において、上脊柱支持部(104)の上端(108)は概ね三つ又形状であり、および僧帽筋グラプネル(112)は、外向きに拡がる向かい合った僧帽筋支持アーム(114)と、僧帽筋支持アーム(114)の間に配置された脊柱支持アーム(116)を含む。スロット(118)は、脊柱支持アーム(116)と僧帽筋支持アーム(114)の間に挟まれる。僧帽筋支持アーム(114)は、頸椎支持部(102)から僧帽筋またはより広範な胴へと力を運ぶのを可能にしながら、ヒト僧帽筋に係合し、それによって脊柱支持デバイス(100)を安定させるのに適している。着用者の脊椎に上脊柱支持部(104)と下脊柱支持部(106)を固定するのに使用されるメカニズムはまた、着用者の僧帽筋と係合した僧帽筋グラプネル(112)を保全する。三つ又形状は単に、僧帽筋グラプネル(112)の1つの典型的な形状であり、他の適切な形状もまた使用され得る。
図10〜13に最もよく見られるように、頸椎支持部(102)は、概ねC形状の生物力学的に堅いC6脊椎支持体(120)、概ねC形状の生物力学的に堅いC4脊椎支持体(122)、および概ねC形状の生物力学的に堅い環椎支持体(124)を含む。脊柱支持デバイス(100)がヒト被験体によって着用される場合、C6脊椎支持体は、背面からヒトC6脊椎を支えるように位置合わせされて配置され、C4脊椎支持体は、背面からヒトC4脊椎を支えるように位置合わせされて配置され、および環椎支持体(124)は、背面からヒトC1およびC2脊椎骨を支えるように位置合わせされて配置される。
上脊柱支持部(104)と下脊柱支持部(106)は共に、ウェアラブル物品の力配向フレームを形成し、および僧帽筋支持アーム(114)、脊柱支持アーム(116)、C6脊椎支持体(120)、C4脊椎支持体(122)、および環椎支持体(124)は、そのフレーム要素である。見ることができるように、上脊柱支持部(104)と下脊柱支持部(106)によって形成された力配向フレームは、身体領域に、この場合はヒトであるが、被験体の背中と頚部に解剖学的に相補的であるように形成され、寸法決めされる。
C6脊椎支持体(120)、C4脊椎支持体(122)、および環椎支持体(124)は、互いに一定間隔をおいて配置され、それらの間に伸びる結合性の抵抗性ダンパーによって形成されたそれぞれの結合性の抵抗性ジョイントによって共に結合される。用語「結合性の抵抗性ダンパー」は、2つの部分の間に挟まれた場合、それら2つの部分の間の結合性の滑走ジョイントとして機能することができる要素または要素のセットを意味し、それらの部分の一方の、もう一方に対する制限された相対的な角移動(屈曲/拡張)と回転運動を可能にし、同時にそのような移動に制動/減速効果を適用できるようにそのような運動の力に抵抗し、および「結合性の抵抗性ジョイント」は「結合性の抵抗性ダンパー」を含むジョイントを指す。C6−C4の結合性の抵抗性ダンパーは、C6脊椎支持体(120)とC4脊椎支持体(122)との間に伸長して、それらの間にC6−C4の結合性の抵抗性ジョイント(126)を形成し、およびC4環椎の結合性の抵抗性ダンパーは、C4脊椎支持体(122)と環椎支持体(124)との間に伸長して、それらの間にC4環椎の結合性の抵抗性ジョイント(128)を形成する。頸椎部分(102)は、上脊椎頸椎の結合性の抵抗性ジョイント(130)を形成する、上脊柱支持部の上端(108)とC6脊椎支持体(120)との間に伸長する上脊椎頸椎の結合性の抵抗性ダンパーによって、上脊柱支持部(104)の上端(108)に結合される。したがって、複数のダンパーが、そこからの力を吸収するために、上脊柱支持部(104)と下脊柱支持部(106)によって形成された力配向フレームと係合する。図で見ることができるように、力配向フレーム(上脊柱支持部(104)と下脊柱支持部(106))およびダンパー(結合性の抵抗性ジョイント(126)(128)(130))は、被験体の解剖学的構造、この場合はヒトの背中と上脊椎に対して解剖学的に相補的であるように形成され、互いに配置される。この解剖学的構造は、硬組織(脊椎骨)と軟組織(例えば筋肉、椎間板)を含む。
図1〜13に示される典型的な実施形態では、C6−C4の結合性の抵抗性ジョイント(126)、C4環椎の結合性の抵抗性ジョイント(128)、および上脊椎頸椎の結合性の抵抗性ジョイント(130)は、エネルギー吸収物質の別個のピースから形成された別個のジョイントである。したがって力配向フレームは、隣接する力配向要素の間に伸長するダンパー(結合性の抵抗性ジョイント(130)(126)(128))により互いに離間して配置された複数の別個の力配向要素(僧帽筋グラプネル(112)、C6脊椎支持体(120)、C4脊椎支持体(122)、および環椎支持体(124))を含む。例示された実施形態では、C6−C4の結合性の抵抗性ジョイント(126)は、C6脊椎支持体(120)の上端とC4脊椎支持体(122)の下端との間に伸長する概ねC形状の要素であり、およびC4環椎の結合性の抵抗性ジョイント(128)は、C4脊椎支持体(122)の上端と環椎支持体(124)の下端との間に伸長する概ねC形状の要素である。上脊椎頸椎の結合性の抵抗性ジョイント(130)は、僧帽筋グラプネル(112)の形状に一致しており、その上と下の両方に伸長する。より具体的には、上脊椎頸椎の結合性の抵抗性ジョイント(130)は、上脊柱支持部(104)の腹側にあり、かつスロット(118)の下を超えて、および僧帽筋支持アーム(114)と脊柱支持アーム(116)の上を越えて伸長する。上脊柱支持部(104)の上端(108)を越えて、上脊椎頸椎の結合性の抵抗性ジョイント(130)は、C6脊椎支持体(120)の下端まで伸長する準環状のカラー(132)を形成するように収斂する。例示された実施形態では、上脊椎頸椎の結合性の抵抗性ジョイント(130)を形成する物質もまた、脊柱支持デバイス(100)の腹側表面に沿って下脊柱支持部(106)の下端(140)まで下に伸長する。他の実施形態では、上脊椎頸椎の結合性の抵抗性ジョイントを形成する物質は、下に向かって遠くまで伸長しない場合もあり;例えば物質は、上脊柱支持部の下端までのみ伸長する場合もある。
C6−C4の結合性の抵抗性ジョイント(126)、C4環椎の結合性の抵抗性ジョイント(128)、および上脊椎頸椎の結合性の抵抗性ジョイント(130)を形成するために使用されるエネルギー吸収物質は、例えば、本明細書に記載されるもの等のエラストマー材料または適切な力反応性ポリマーであってもよい。したがって、図1〜13に示される典型的な脊柱支持デバイス(100)の一実施形態では、結合性の抵抗性ジョイント(126)(128)(130)を形成するために、ある量の速度感度物質が力配向フレーム(上脊柱支持部(104)と下脊柱支持部(106))に連結される。この特定の実施形態では、これらの結合性の抵抗性ジョイント(126)(128)(130)は、速度感度物質が配置される変形可能領域である。
僧帽筋グラプネル(112)、C6脊椎支持体(120)、C4脊椎支持体(122)、および環椎支持体(124)と、結合性の抵抗性ジョイント(126)(128)(130)との相対的位置は、頸椎支持部(102)と上脊柱支持部(104)の上端(108)が、ヒト脊椎の生来の結合を模倣することを可能にする。同時に、該構造は、脊椎の屈曲/伸長/回転を引き起こす作用力に対する抵抗を提供し(例えば頭部および/または身体に衝撃を与えるボールまたは別のプレーヤーからの)、それによって頭部または身体への衝撃からの頭部と頚部の角加速/回転加速(むち打ち)を低減する。具体的には、結合性の抵抗性ジョイント(126)(128)(130)を形成するエネルギー吸収物質は、漸進的に増加する耐変形性を提供する。変形は、圧迫、張力、または組み合わせであってもよい(運動の性質に応じて、特定の結合性の抵抗性ジョイントの一部は圧迫されてもよく、他方で他の部分は張力をかけられてもよい)。結合性の抵抗性ジョイントがエラストマー材料から形成される場合、耐変形性は、転移が増すにつれて増加し、および結合性の抵抗性ジョイントが力反応性ポリマーから形成される場合、耐変形性は作用力の増加に伴って増加する。僧帽筋グラプネル(112)、C6脊椎支持体(120)、C4脊椎支持体(122)、および環椎支持体(124)の相対運動が、結合性の抵抗性ジョイント(126)(128)(130)の変形をもたらすため、結合性の抵抗性ジョイント(126)(128)(130)は、可動域の限界に向かって漸進的に増加する抵抗を提供し、これは逆に、むち打ち関連および振盪症関連の運動(の例えば制動/減速)に対する機械抵抗を提供する。したがって、フレーム要素(僧帽筋支持アーム(114)、脊柱支持アーム(116)、C6脊椎支持体(120)、C4脊椎支持体(122)、および環椎支持体(124))は、脊椎内の内部歪み力の少なくとも一部を、フレーム要素を通じて変形可能領域(結合性の抵抗性ジョイント(126)(128)(130))へと逸らせ、それによってエネルギー吸収物質は、変形可能領域内のエネルギー吸収物質の変形によって、逸らされた内部歪み力を弱めるように構成される。
脊柱支持デバイス(100)に被験体の頭部の運動を連結するために、脊柱支持デバイス(100)には、環椎支持体(124)に枢軸的に取り付けられた少なくとも1つのヘルメット組込み要素が提供される。図1〜13に示される典型的な実施形態では、脊柱支持デバイス(100)には、単一の概ねC形状のヘルメット組込み要素(134)が設けられている。ヘルメット組込み要素(134)が、制限された範囲の旋回動作内で環椎支持体(124)に対して上と下に旋回できるように、環椎支持体(124)はヘルメット組込み要素(134)内に枢軸的にはめこまれる。例示された実施形態では、ヘルメット組込み要素(134)は、対向するピボットピン(136)によって環椎支持体(124)に連結され;適切なブッシングおよび/またはベアリング(図示せず)が、ピボットピン(136)に関連付けられてもよい。
使用において、頭部の屈曲と伸長中のヘルメットの運動が、ヘルメット組込み要素(134)の対応する運動を引き起こすように、ヘルメット(図示せず)はヘルメット組込み要素(134)に連結され;好ましくは、ヘルメットは、ヘルメット組込み要素(134)に解放可能に連結され得る。例えば、1つ以上のテザー(図示せず)が、ヘルメット組込み要素(134)をヘルメットに固定するためにヘルメット組込み要素(134)から伸長してもよく(例えばスナップフィットまたは他のファスナーを介して)、およびヘルメットの後部は、ヘルメット組込み要素(134)に係合するように形成可能である。そのような実施形態では、頭部の屈曲中のヘルメットの運動は、テザーを介して適用された張力によりヘルメット組込み要素(134)を移動させ、および頭部の伸長中のヘルメットの運動は、ヘルメット組込み要素(134)をヘルメットの後部が押すことによってヘルメット組込み要素(134)を移動させる。他の実施形態では、ヘルメットとヘルメット組込み要素(134)が調和して動くように、ヘルメット組込み要素(134)はヘルメットに堅く連結されてもよい。
頭部の屈曲と伸長が環椎支持体(124)に対するヘルメット組込み要素(134)の旋回動作の制限範囲内にある場合、ヘルメット組込み要素(134)は、環椎支持体(124)に対して自由に旋回することができる。したがって、旋回動作の制限範囲は、運動の自由を維持するために、屈曲と拡張の正常範囲または「安全」範囲に対応して選択される。頭部の屈曲または伸長が正常範囲または「安全」範囲を超えて動く場合、環椎支持体(124)に対するヘルメット組込み要素(134)の旋回運動は、旋回動作の制限範囲を超える。これはヘルメット組込み要素(134)を環椎支持体(124)と係合させ、その結果、頭部のさらなる屈曲/伸長が、ヘルメット組込み要素(134)と環椎支持体を調和して動かし、さらなる運動が、C4環椎の結合性の抵抗性ジョイント(128)(および場合によっては他の結合性の抵抗性ジョイント(126)(130))によって抵抗を受ける。
本明細書に記載される脊柱支持デバイスと併せて使用されるヘルメットが典型的に、そのヘルメット組込み要素に連結するのに特に適している一方で、異なるタイプのヘルメットが異なる活動のために提供されてもよく、そのような各ヘルメットはヘルメット組込み要素への連結に同様に適していることが熟考される。したがって、例えばフットボール、ホッケー、スケートボード、高山スポーツ、または他の活動のための異なるヘルメットがあってもよく、そのような各ヘルメットは、同じタイプのヘルメット組込み要素への連結に適している。そのような実施形態では、単一の脊柱支持デバイスは、ヘルメット組込み要素からあるヘルメットを分断し、次にヘルメット組込み要素に異なるヘルメットを連結することによって、多数の活動に使用されてもよい。
脊柱支持デバイス(100)は、様々な方法で被験体の胴の背面に固定されてもよい。例えば、一実施形態では、ハーネス(図1〜13には示さず)が使用されてもよい。ハーネスは、被験体の背中に脊柱支持デバイス(100)を結び付けるために、上脊柱支持部(102)(特に脊柱支持アーム(116))の上端(108)と下脊柱支持部(106)のY形状の下端(140)との間に伸長する、対向する固定ストラップ(図1〜13には示さず)を含んでもよい。したがって、固定ストラップは、脊椎と位置を合わせてヒトの背中に上脊柱支持部と下脊柱支持部を固定するのに適している。別の実施形態において、上脊柱支持部(104)と下脊柱支持部(106)は、ベスト、圧迫シャツ等の胴物品の背面に組み込まれてもよい。したがって、ハーネスは、ヒトにウェアラブル物品(脊柱支持デバイス(100))を外部的かつ非侵襲的に固定するのに適しており、身体領域、この場合は背中と頚部に位置合わせされ、係合面は背中と頚部の表面輪郭と形態的に密に係合しており、その結果、硬組織(脊椎骨)から力配向フレーム(上脊柱支持部(102)と下脊柱支持部(106))へと力が移される。脊柱支持デバイス(100)がそのように固定されると、硬組織(脊椎骨)にかけられた力の少なくとも一部は、硬組織から力配向フレームを介してダンパーへと力を移すことによって、力を軟組織(例えば筋肉、椎間板)からダンパー(結合性の抵抗性ジョイント(126)(128)(130))へと逸らせ、それによってダンパーは、移された力の部分を吸収し、かつ硬組織によって軟組織にかけられた内力を制限する。
ここで図14〜26を参照すると、これらは概して参照番号(200)で示される第2の典型的な脊柱支持デバイスを示す。図14〜26に示される典型的な脊柱支持デバイス(200)は、図1〜13に示される第1の典型的な脊柱支持デバイス(100)に類似し、接頭辞が「1」の代わりに「2」である以外は、類似の機構は類似の参照番号によって示される。したがって、第2の典型的な脊柱支持デバイス(200)の頸椎支持部は、参照番号(202)によって示され、第2の典型的な脊柱支持デバイス(200)の上脊柱支持部は、参照番号(204)によって示される。第2の典型的な脊柱支持デバイス(200)では、別個のピースのエネルギー吸収物質から形成された別個のジョイントである代わりに、C6−C4の結合性の抵抗性ジョイント(226)とC4環椎の結合性の抵抗性ジョイント(228)と上脊椎頚部の結合性の抵抗性ジョイント(230)を形成する結合性の抵抗性ダンパーが、頸椎支持部(202)に沿って僧帽筋グラプネル(212)から伸長する少なくとも1つの単一体層のエネルギー吸収物質から形成される点で、第2の典型的な脊柱支持デバイス(200)はまず第1の典型的な脊柱支持デバイス(100)とは異なる。
例示された実施形態では、エネルギー吸収物質の1つ以上の層(242)が、上脊柱支持部(204)の腹側に配置され、および下脊柱支持部(206)の下端(240)の真上から上脊柱支持部(204)へと優先的に、さらに僧帽筋グラプネル(212)に沿って通過し、次に頸椎支持部(202)の腹側に沿って環椎支持体(224)まで伸長する。エネルギー吸収物質は、例示される実施形態で示されるほど遠く下方までは伸長する必要はないが、結合性の抵抗性ジョイント機能を行なうために十分に下に伸長する必要がある。上脊柱支持部(204)の上端(208)とC6脊椎支持体(220)との間のジャンクションにおいて、エネルギー吸収物質の層(242)は、上脊椎頸椎の結合性の抵抗性ジョイント(230)の一部を形成する準環状カラー(232)を形成するために収斂し、および頸椎支持部(202)の腹側に沿って続く。C6−C4の結合性の抵抗性ジョイント(226)は、C6脊椎支持体(220)とC4脊椎支持体(222)との間で背部へと突出するエネルギー吸収物質の層(242)の部分によって形成され、およびC4環椎の結合性の抵抗性ジョイント(228)は、C4脊椎支持体(122)と環椎支持体(124)との間で背部へと突出するエネルギー吸収物質の層(242)の部分によって形成される。エネルギー吸収物質は、例えばエラストマー材料または力反応性ポリマーであってもよい。多層(242)が提供される場合、層は、同一の、類似する、または異なるエネルギー吸収物質であってもよい。
ここで図27〜37を参照すると、本開示の態様に係る、概して参照番号(300)によって示される第3の典型的な脊柱支持デバイスが示される。第3の典型的な脊柱支持デバイス(300)は、本明細書に開示される原理に従って構成されたウェアラブル物品の他の典型的な実装である。
図27〜29に最もよく見られるように、第3の脊柱支持デバイス(300)は、上方へ伸長し、かつ背側の位置から腹側の位置へとヒトの僧帽筋を係合するのに適した生物力学的に硬い僧帽筋グラプネル(312)、僧帽筋グラプネル(312)に連結されかつ支持される準環状の頸椎支持部(302)、およびハーネス(395)を含む(図36と37を参照)。本明細書で使用されるように、用語「生物力学的に硬い(stiff)」は、変形によって作用力の小部分を吸収しながら、作用力の大部分を移転させるのに十分に堅いことを意味する。この意味で、用語「生物力学的に硬い」は、厚い繊維軟骨が硬いのと同じ意味で硬いことを意味し、および用語「生物力学的に硬い」は、用語「生物力学的に堅い(rigid)」よりも剛性が低い(可撓性が高い)ことを示唆する。僧帽筋グラプネル(312)は、例えばシリコン、ゴム、または適切なポリマー材料から作られてもよい。
頸椎支持部(302)(図31に最もよく見られる)の準環状の形状は、図27〜29に示されるように、それが被験体の頚部の頸椎部分を支えるのを可能にする。頸椎支持部(302)は、一連の生物力学的に硬い脊椎支持体(340)と、一連の結合性の抵抗性ダンパー(342)を含む。僧帽筋グラプネル(312)のように、生物力学的に硬い脊椎支持体(340)は、例えばシリコン、ゴム、または適切なポリマー材料から作られてもよく、僧帽筋グラプネル(312)に使用されるのと同じ材料であってもよく、または異なる材料であってもよい。脊椎骨支持体(340)は結合性の抵抗性ダンパー(342)に使用される物質よりも堅い。結合性の抵抗性ダンパー(342)は、例えばエラストマー材料または適切な力反応性ポリマーから形成されてもよい。脊椎支持体(340)は、結合性の抵抗性ダンパー(342)によって形成された結合性の抵抗性ジョイントによって互いに間隔をおいて配置される。脊椎支持体(340)の各々は、力配向フレームの一部を形成するフレーム要素であり、図に見ることができるように、硬組織(脊椎骨)と軟組織(例えば筋肉、椎間板)を含むヒトの頸椎に解剖学的に相補的である。これらのフレーム要素(脊椎支持体(340))は、フレーム内の変形可能領域を形成し、つまり脊椎支持体(340)間の空間と、結合性の抵抗性ダンパー(342)を構成するエネルギー吸収物質は、これらの変形可能領域に配置される。とりわけ、結合性の抵抗性ダンパー(342)の1つは、脊椎支持体(340)の各隣接対の間に伸長し、その結果、脊椎支持体(340)は、結合性の抵抗性ダンパー(342)によって形成された結合性の抵抗性ジョイントと互い違いになる。したがって、結合性の抵抗性ダンパー(342)は、力をそこから吸収するために脊椎支持体(340)を含む力配向フレームに係合する。図27〜29に見ることができるように、遠位の結合性の抵抗性ダンパー(342)、すなわち他の結合性の抵抗性ダンパー(342)と比較して僧帽筋グラプネル(312)から最も遠くにある結合性の抵抗性ダンパー(342)は、遠位の脊椎支持体(340)、すなわち他の脊椎支持体(340)と比較して僧帽筋グラプネル(312)から最も遠くにある脊椎支持体(340)よりも僧帽筋グラプネル(312)からさらに遠位にある。
以下にさらに詳細に説明されるように、ハーネス(395)(図36と37を参照)は、僧帽筋グラプネルに機械的に連結され、かつヒト僧帽筋との僧帽筋グラプネルの係合を維持し、それによって第3の脊柱支持デバイス(300)の正確な解剖学的配置を維持するためにヒトの胴に快適に固定されるのに適している。
図30に最もよく見られるように、典型的な第3の脊柱支持デバイス(300)では、結合性の抵抗性ダンパー(342)は、エネルギー吸収物質から形成された単一体のカラー部材(346)上の隆起(344)によって形成され、遠位の結合性の抵抗性ダンパー(342)は単一体のカラー部材(346)の頭蓋端(347)を形成する。単一体のカラー部材(346)は、例えばエラストマー材料または適切な力反応性ポリマーから形成されてもよい。例示された実施形態では、隆起(344)は、各結合性の抵抗性ダンパーを複数の別々の結合性の抵抗要素(350)に分割する長手方向の間隙(348)を含む。長手方向の間隙(348)は、カラー部材の可撓性、延伸、および結合を提供し、例示された実施形態では、単一体のカラー部材(346)の基礎的な基部(352)へと隆起を越えて伸長する。脊椎支持体(340)は、隆起(344)間で長手方向に伸長するチャネル(354)に配置される。したがって力配向フレームは、別個の力配向要素の隣接するものの間に伸長する結合性の抵抗性ダンパー(342)により互いに離間した複数の別個の力配向要素(脊椎支持体(340))を含み、および単一体のカラー部材(346)はまた、僧帽筋グラプネル(312)を受け入れる、その尾側端部(358)、例えば頭蓋端(347)に対向する端部にくぼみ領域(356)を含む。したがって、単一体のカラー部材(346)は、単一体のカラー部材(346)の尾側端部(358)において僧帽筋グラプネル(312)から伸長し、単一体のカラー部材(346)の頭蓋端(347)を形成する遠位の結合性の抵抗性ダンパー(342)を含む。追加の結合性の抵抗性ダンパー(342)は、僧帽筋グラプネル(312)と近位の脊椎支持体(340)、つまり他の脊椎支持体(312)と比較して僧帽筋グラプネル(312)に最も近接する脊椎支持体(340)との間に形成される。
結合性の抵抗性ダンパー(342)を形成するための単一体のカラー部材(346)の使用は、単に1つの典型的な実施形態を表わしている。他の実施形態では、カラー部材と結合性の抵抗性ダンパーは、別個または別々(例えば非単一体)の構成要素であってもよい。例えば、結合性の抵抗性ダンパーは、カラー部材に結合された、またはそうでなければ固定された別個のピースを含んでもよい。
図27〜29に見ることができるように、脊椎支持体(340)と結合性の抵抗性ダンパー(342)によって形成された結合性の抵抗性ジョイントは、それぞれの互い違いになったヒト脊椎骨(360)に対して背側に位置合わせしてサイズ決めされ、配置される。図27〜29に示されるように、C1脊椎(環椎骨)は参照番号(360A)によって示され、C2脊椎は参照番号(360B)によって示され、C3脊椎は参照番号(360C)によって示され、C4脊椎は参照番号(360D)によって示され、C5脊椎は参照番号(360E)によって示され、C6脊椎は参照番号(360F)によって示され、C7脊椎は参照番号(360G)によって示され、およびT1脊椎は参照番号(360H)によって示される。第3の典型的な脊柱支持デバイス(300)の実施形態は、異なる年齢、身長、サイズ、および性別の個体に適合するように、多くの異なるサイズで提供されてもよい。脊柱支持デバイス(300)の所与のサイズについては、脊椎支持体(340)、および結合性の抵抗性ダンパー(342)によって形成された結合性の抵抗性ジョイントの、脊椎骨(360)との正確な位置合わせは、着用者の僧帽筋のサイズと着用者の頚部の長さを含む多くの因子に依存する。したがって、同じサイズの脊柱支持デバイス(300)では、位置合わせは、ある被験体から別の被験体へと、相対的に頭蓋側に、または相対的に尾側に変移されてもよい。図27と28は、相対的により頭蓋側の位置合わせを示し、ここで脊椎支持体(340)は、背部でC2脊椎(360B)、C4脊椎(360D)、およびC6脊椎(360F)を支えるように位置合わせされて配置され、および結合性の抵抗性ダンパー(342)によって形成された結合性の抵抗性ジョイントは、背部でC3脊椎(360C)、C5脊椎(360E)、およびC7脊椎(360G)を支えるように位置合わせされて配置される。図29は、相対的により尾側の位置合わせを示し、ここで脊椎支持体(340)は、背部でC3脊椎(360C)、C5脊椎(360E)、およびC7脊椎(360G)を支えるように位置合わせされて配置され、および結合性の抵抗性ダンパー(342)によって形成された結合性の抵抗性ジョイントは、背部でC4脊椎(360D)、C6脊椎(360F)、およびT1脊椎(360H)を支えるように位置合わせされて配置される。
相対的により頭蓋側の位置合わせ(図27と28)と相対的により尾側の位置合わせ(図29)の両方において、僧帽筋グラプネル(312)、脊椎支持体(340)、および結合性の抵抗性ダンパー(342)によって形成された結合性の抵抗性ジョイントの相対的位置は、頸椎支持部(302)がヒト脊椎の生来の結合を模倣することを可能にする。第1および第2の典型的な脊柱支持デバイス(100)(200)と同様に、結合性の抵抗性ダンパー(342)によって形成された結合性の抵抗性ジョイントは、脊椎の屈曲/伸長/回転を引き起こす作用力に応じて増加する変形を受けるにつれて抵抗を増加させ、その結果、頭部または身体への衝撃からの頭部と頚部の角加速/回転加速(むち打ち)を低減することができる。したがって、フレーム要素(下記に記載の脊椎支持体(340)およびフランジ部分(270))は、変形可能領域(結合性の抵抗性フランジ部分(368)に加えて結合性の抵抗性ダンパー(342))へとフレーム要素を介して頸椎内の内部歪み力の少なくとも一部を逸らせるように構成される。結合性の抵抗性ダンパー(342)と結合性の抵抗性フランジ(368)を形成するエネルギー吸収物質は、速度感度物質の変形によって逸らされた内部歪み力を弱める。したがって、第3の脊柱支持デバイス(300)が着用者の頚部上に固定された時、硬組織(脊椎骨)にかけられた力の少なくとも一部は、硬組織から力配向フレーム(脊椎支持体(340)およびフランジ部分(270))を介してダンパー(結合性の抵抗性ダンパー(342)と結合性の抵抗性フランジ部分(368))へと力を移すことによって、軟組織(例えば筋肉、椎間板)から逸らされ、それによってダンパーは、移された力の一部を吸収し、結果として硬組織によって軟組織にかけられる力の内力を制限する。
第3の脊柱支持デバイス(300)に被験体の頭部の運動を連結するために、第3の脊柱支持デバイス(300)はさらに、僧帽筋グラプネル(312)から遠位の頸椎支持部(302)に機械的に連結され、かつそれによって支持された環椎支持フランジ(362)を含む。環椎支持フランジ(362)は、カラー部材(346)の頭蓋端(347)の頭蓋に配置され、かつ背部で外側へと伸長し、それによって、第3の典型的な脊柱支持デバイス(300)が着用された時、環椎支持フランジ(362)は、着用者の環椎骨(360A)と概ね位置合わせして、着用者の後頭骨(364)と遠位の結合性の抵抗性ダンパー(342)との間に挟まれる。環椎支持フランジ(362)は、着用者の後頭骨(364)と遠位の結合性の抵抗性ダンパー(342)との間の機械的結合を提供し、それによって、衝撃等により着用者の頭部が背部で動く(例えば旋回する)場合に、エネルギーが、着用者の頭蓋から環椎支持フランジ(362)を通じて遠位の結合性の抵抗性ダンパー(342)へと、したがって頸椎支持部(302)へと移される。いくつかの実施形態において、ヘルメットが着用されないスポーツ等では、環椎支持フランジ(362)は直接、着用者の頭に係合してもよい;他の実施形態において、ヘルメットをかぶるスポーツ等では、環椎支持フランジ(362)は、例えばヘルメットの背側の基部においてヘルメットに係合してもよい。環椎支持フランジ(362)は、その意図された使用に応じて、異なるサイズまたは形状を有してもよい。例えば、図32Aと32Bで示されるように、ホッケーでの使用を意図された環椎支持フランジ(362)(図32A)は、アメリカ/カナディアンフットボールでの使用を意図されたもの(図32B)よりも小さい体積であってもよい。環椎支持フランジ(362)は、標準的な未修正のヘルメットで第3の典型的な脊柱支持デバイスが使用されることを可能にする。
例示された実施形態では、図32Aと32Bに最もよく見られるように、環椎支持フランジ(362)は、結合性の抵抗性フランジ部分(368)と半剛性の弾性フランジ部分(370)を含み、環椎支持フランジ(362)が頸椎支持部(302)に係合した時に、半剛性の弾性フランジ部分(370)は結合性の抵抗性フランジ部分(368)と遠位の結合性の抵抗性ダンパー(342)との間に挟まれる。結合性の抵抗性フランジ部分(368)は、カラー部材(346)と同じ物質、例えばエラストマー材料または適切な力反応性ポリマーから作られてもよい。半剛性の弾性フランジ部分(270)は、例えば適切な可撓性ポリマーから作られてもよい。半剛性の弾性フランジ部分(270)はまた、フレーム要素であり、および頭蓋またはヘルメットから、環椎支持フランジ(262)を介した遠位の結合性の抵抗性ダンパー(342)へのエネルギー移動を助ける。結合性の抵抗性フランジ部分(368)はまた、漸進的に高まる耐変形性を提供し、その結果としてむち打ち関連および振盪症関連の運動(の例えば制動/減速)に対するさらなる機械抵抗を提供することができる。
図30に示されるように、例示される実施形態において、環椎支持フランジ(362)は、頸椎支持部(302)の最も内側の面に配置されたライナー(372)に組み込まれ、かつそれから外側に伸長し、その結果、使用時に、ライナー(372)は着用者の頚部と頸椎支持部(302)との間に位置づけられる。例示される実施形態では、ライナーは、フレーム(373)(図30)と、通気性のメッシュ(376)のエンベロープ内に積層された複数の別個の間隔を置いた弾性部材(374)を含む(図32AとBを参照、通気性のメッシュエンベロープ(376)は例示を明確にするために図30と31には示されない)。通気性のメッシュ(376)と弾性部材(374)間の空間は、脊柱支持デバイス(300)を着用している時の快適さを改善するために、被験体の頚部に沿った空気の流れを促す。好ましい実施形態では、図に示されるように、結合性の抵抗性フランジ部分(268)と半剛性の弾性フランジ部分(370)の両方を含む環椎支持フランジ(362)は、断面視で概ねL形状であり、かつライナー(372)の依存性ブレース(378)形成部分を含み、および弾性部材(374)に沿って通気性のメッシュ(376)内に閉じ込められる。好ましい実施形態では、ライナー(372)およびしたがって環椎支持フランジ(362)は、頸椎支持部(302)と選択的に係合可能かつ解放可能であり、および被験体への脊柱支持デバイス(300)のフィットを助けるために、ライナー(372)には、弾性部材(374)および望ましい厚みの依存性ブレースの使用によって異なる厚みが提供されてもよい。ライナー(372)は、とりわけ着用者の頚部と頸椎支持部(302)との間の摩擦および/または圧力、または面ファスナーあるいはスナップファスナー等の正の係合メカニズムを含む多くの方法で、頸椎支持部(302)に係合し、かつそれから解放されてもよい。したがって、脊柱支持デバイス(300)は、被験体の頚部の外面輪郭に一致する係合面を有する。
ここで図33〜35を参照すると、好ましい実施形態において、脊柱支持デバイス(300)は、単一体のカラー部材(346)に係合する弾性のC形状の保持器(380)をさらに含む。保持器(380)は、着用者による運動等からの歪曲に続いて、中性の準環状形状へと頸椎支持部(302)を戻すのを助ける。例示される実施形態において、保持器(380)は、2つの外に伸長するアーム(384)を有する湾曲した中央開口円盾状フレーム(382)、および2つの外側Hフレーム(386)を含み、2つの外側Hフレーム(386)のクロスバー(388)は、リベット等のファスナー(390)によって中央開口円盾状フレーム(382)のアーム(384)へと連結される。ファスナー(390)は、中央開口円盾状フレーム(382)のアーム(384)を介し、外側Hフレーム(386)のクロスバー(388)を介し、および単一体のカラー部材(346)を介して伸長する。保持器(380)は、例えば適切な可撓性ポリマーから作られてもよい。図30と33に示されるように、保持器(380)、脊椎支持体(340)、および単一体のカラー部材(346)は、外側シースに頸椎支持部(302)を設けるように、布地、布、または同様の材料の内側と外側の層(392)(394)の間に積層されてもよい。例示される実施形態では、内側と外側の層(392)(394)の間の積層は、僧帽筋グラプネル(312)および他の脊椎支持体(312)を単一体のカラー部材(346)上の位置に固定し、および熱可塑性ポリウレタン樹脂(TPU)の層が、さらなる構造補強を提供するために、内側と外側の層(392)(394)によって形成された外側シースの外部表面上にコーティングされる。接着剤または結合形成等の他の技術もまた、僧帽筋グラプネル(312)および他の脊椎支持体(312)を単一体のカラー部材(346)上に固定するために使用されてもよい。
上記で留意されるように、第3の脊柱支持デバイス(300)はさらに、ハーネス(395)(図30には示さず;図36と37を参照)を含み、これは、第3の脊柱支持デバイス(300)の正確な解剖学的配置を保全するために、頸椎支持部(302)に固定される。したがって、ハーネス(395)は、頚部の表面輪郭に形態的に密に係合する頸椎と位置を合わせて、ウェアラブル物品(脊柱支持デバイス(300))を外部的かつ非侵襲的に被験体に固定するのに適したファスナーとして役立ち、その結果、力は硬組織(脊椎骨)から力配向フレーム(脊椎支持体(340)およびフランジ部分(270))へと移される。第1および第2の典型的な脊柱支持デバイス(100)(200)のように、第3の典型的な脊柱支持デバイス(300)は、ベスト、圧迫シャツ等の胴物品に組み込まれてもよい。例えば、図36と37に示されるように、頸椎支持部(302)はTPUから形成され、ハーネス(395)はシャツ(396)または類似の物品に積層され、またはそうでなければ適切に固定される。例示される実施形態において、ハーネス(395)は、取り付けによって、例えば、内側と外側の層(392)(394)(図30)によって形成された外側シースに縫い付けることによって、頸椎部分(302)に固定され、さらなる構造補強が、外側シースの外部表面に配置されたTPUの層にハーネスを接合することにより提供される。他の実施形態では、ハーネスは他の適切な物質から作られてもよい。さらに、胴を一周するように胸を横切り、腕の下と肩甲骨の間を通ってループを形成する、図に示されるハーネス設計は、単なる典型的なハーネス構成であり、胴への安楽な固着を提供する任意の適切なハーネス構成が使用されてもよい。
脊柱支持デバイス(300)には、好ましくは、頸椎支持部のアパーチャ(398)を横切って伸長するスロートバンド(397)が設けられる。例えば、スロートバンド(397)は、物質の内側と外側の層(392)(394)によって形成された外側シースに縫い付けられ、またはそうでなければ固定されてもよく、および伸縮性またはそうでなければ弾性であってもよく、あるいはバックルまたは他のファスナーを備えたストラップの形態をとってもよい。いくつかの実施形態において、例えば脊柱支持デバイス(300)がアイスホッケーでの使用を意図される場合、スロートバンド(397)および内側と外側の層(392)(394)は、適切な耐切断性の物質から作られてもよい。例えば、特定のスポーツは、特定の耐切断性基準を満たすスロート保護を必要とする場合もある。
ここで図38〜48Bを参照すると、これらは、第4の典型的な脊柱支持デバイス(400)の形態の他の典型的なウェアラブル物品を示す。第4の典型的な脊柱支持デバイス(400)では、力配向フレーム(402)は、2つの離間した湾曲フレーム要素、すなわち頭蓋フレーム要素(404A)と尾側フレーム要素(404B)によって形成され、これらはヒト頚部の(例えば頸椎領域)の前部および側面部分に解剖学的に相補的であるように形成され、寸法決めされる。フレーム要素(404A)(404B)は、単一体の準環状のカラー部材(408)の形態のある量の速度感度物質に連結され、カラー部材(408)もまた、ヒト頚部の前部および側面部分に解剖学的に相補的であるように形成され、寸法決めされる。フレーム要素(404A)、(404B)を速度感度物質(406)に連結するための特定の典型的な技術は、さらに以下に記載される。
フレーム要素(404A)(404B)は、力配向フレーム(402)内に3つの変形可能領域(410A)(410B)(410C)を形成し、速度感度物質(406)は、変形可能領域(410A)(410B)(410C)内に配置される。上変形可能領域(410A)は、頭蓋フレーム要素(404A)の上(頭蓋側)に形成され、下変形可能領域(404B)は、尾側フレーム要素(404B)の下(尾側)に形成され、および中間変形可能領域(410C)は、頭蓋フレーム要素(404A)と尾側フレーム要素(404B)との間に形成される。カラー部材(408)を形成する速度感度物質(406)の部分は、上変形可能領域(410A)、下変形可能領域(404B)、および中間変形可能領域(410C)の各々内に配置される。第4の典型的な脊柱支持デバイス(400)が被験体の頚部に固定された時、フレーム要素(404A)(404B)は、頚部内の内部歪み力の少なくとも一部を、フレーム要素(404A)(404B)の一方または両方を通じて、上変形可能領域(410A)、下変形可能領域(404B)、および中間変形可能領域(410C)の1つ以上へと逸らせる。上変形可能領域(410A)、下変形可能領域(404B)および/または中間変形可能領域(410C)の速度感度物質(406)は、したがって、速度感度物質(406)の変形によって逸らされた内部歪み力を弱める。
図40と41に示されるように、第4の典型的な脊柱支持デバイス(400)は、組込みハーネス(422)を有する圧迫シャツ(420)を含むファスナーによって、外部的かつ非侵襲的に、頚部と位置を合わせて、かつそれと密に形態的に係合して、被験体に固定され、この構成はさらに以下に記載される。
ここで図38と39を参照すると、第4の典型的な脊柱支持デバイス(400)において、力配向フレーム(402)と速度感度物質(406)は、成型フォームオーバーレイ(432)によって形成されたエンベロープ(430)と、適切な繊維材料(例えばLycra(登録商標)の商標名で販売される弾性布地)から形成され、かつ縫製または他の適切な技術によってオーバーレイ(432)に固定され得る背側ライナー(434)に閉じ込められる。オーバーレイ(432)の使用は、繊維材料の「テンティング」を用いずに背側ライナー(434)をカラー部材(408)の形状により一致させることを可能にする;他の実施形態では、フォームオーバーレイは省かれてもよく、およびカラー部材(408)は布地層の上に直接成型されてもよい。オーバーレイ(432)は、物質に応じていくつかの追加の構造および/または衝撃保護を提供してもよいが、脊柱支持デバイス(400)の主要な機能性は、力配向フレーム(402)と速度感度物質(406)の協同によって提供される。第4の典型的な脊柱支持デバイス(400)は、図39に示されるような結合によって、図39Aで示されるようなオーバーロックによって、図39Bで示されるようなカバースティッチによって、または他の任意の適切な技術によって、圧迫シャツ(420)に固定されてもよい。
ここで図42〜48Bを参照する。図42〜45に最もよく見られるように、好ましい実施形態では、第4の典型的な脊柱支持デバイス(400)は、カラー部材(408)の開口部を横切って伸長し、かつ圧迫シャツ(420)に固定された腹部ライナー(440)をさらに含む。例示された実施形態では、第4の典型的な脊柱支持デバイス(400)は、アイスホッケーでの使用に適しており、および腹部ライナー(440)は耐切断性のライナーである。とりわけ、例示される実施形態において、腹側ライナー(440)は、背側ライナー(434)に固定された弾性布地(例えばLycra(登録商標))の中間層(442)と、オーバーレイ(432)に固定された弾性布地の外層(444)を含み、および適用可能な調節に一致する耐切断性の布(446)の層は、中間層(442)と外層(444)の間に配置され、かつオーバーレイ(432)に固定される。内側層(442)と外側層(444)は、図46Aに示されるように各々が別個のピースであってもよく、または図46Bに示されるように耐切断性の布(446)上に折り重ねられた単一ピースから形成されてもよい。
上記で留意されるように、第4の典型的な脊柱支持デバイス(400)はファスナーによって固定され、かつ組込みハーネス(422)を有する圧迫シャツ(420)を含む。図42〜45および47〜48Bに最もよく見られるように、ファスナーは、耐切断性の布(446)に加えてオーバーレイ(432)にも固定される対向する調整ストラップ(450)をさらに含む。図47に示されるように、調整ストラップ(450)は、被験体の胸を横切り、および調整ストラップ(450)の端部は、Velcro(登録商標)の商標名で販売されるもの等の面ファスナー物質(452)をはめ合わせることによって、圧迫シャツ(420)の組込みハーネス(422)に調整可能に取り付けられてもよい。図48Aと48Bはそれぞれ、調整ストラップ(450)、および圧迫シャツ(420)と組込みハーネス(422)のための典型的な構造を示す。図48Aに示されるように、典型的な実施形態において、各調整ストラップ(450)は、布地層の間に挟まれたTPU層によって共に結合された弾性布地(例えばLycra(登録商標))の3つの層から形成された積層(454)を含み、フックまたはループファブリックパッチ(456)が、対応する大きさのTPUフィルム層(458)によって調整ストラップ(450)端部に接合される。図48Bで示されるように、ハーネス(422)は、圧迫シャツ(420)の布に接合されたTPUオーバーレイ(460)、および対応する大きさのTPUフィルム層(464)によってTPUオーバーレイ(460)に接合されたフックまたはループファブリックパッチ(462)(調整ストラップ(450)上のフックまたはループファブリックパッチ(456)の仲間)を含む。いくつかの例では、調整ストラップ(450)は、脊柱支持デバイスが被験体の頚部および/または胴に快適にフィットされるのを可能にする。いくつかの例では、脊柱支持デバイスの快適なフィットは、ヘルメットに連結される脊柱支持デバイスを必要とすることなく、頭部、頚部、および/または脊椎への支持を提供する。
ここで図49〜54Bを参照すると、これらは、フレーム要素(404A)(404B)と速度感度物質(406)のカラー部材(408)を形成するための、およびそれらを一緒に連結するための2つの典型的な方法を示す。各場合において、フレーム要素(404A)(404B)は、TPUフィルムを有する弾力のある布地(例えばLycra(登録商標))を含む外側層(470)へと過剰成型され;外側層はオーバーレイ(432)と置き換えられる。過剰成型されたフレーム要素(404A)(404B)を有する外側層(470)は次に、鋳型に入れられ、TPUフィルムを有する弾力のある布地(例えばLycra(登録商標))を含む背側ライナー(434)もまた鋳型に入れられる。次に、速度感度物質(406)は鋳型に加えられ、カラー部材(408)へと成型される。図49と51と53は、図50A、50B、52A、52B、53A、および53Bの断面図の位置を示すための参照として含まれる。
図50Aと52Aと54Aは、第1の配置を示し、ここでフレーム要素(404A)(404B)は、高密度ポリウレタンフォームから形成され、それらの長さに沿った断面において概して固体である;図50Bと52Bと54Bは、第2の配置を示し、ここでフレーム要素(404A)(404B)は、それらの長さにわたって概して溝形鋼断面を有するTPUから形成される。
図55〜57は、圧迫シャツ(420)、組込みハーネス(422)、および調整ストラップ(450)のための代替的な構造を示す。
図58〜60は、図38の脊柱支持デバイス(400)の、圧迫シャツ(420)、組込みハーネス(422)、および調整ストラップ(450)のための他の代替的な構造を示す。いくつかの例では、脊柱支持デバイス(400)は、頚椎支持デバイスまたは頚部支持デバイス、調整ストラップ(450)、および組込みハーネス(422)を含む。いくつかの例では、脊柱支持デバイス(400)は、頚椎支持デバイスまたは頚部支持デバイスであり、またはこれらを含み、かつ調整ストラップ(450)および/または組込みハーネス(422)を含まない。図58は、圧迫シャツ(420)、組込みハーネス(422)、および調整ストラップ(450)を有する脊柱支持デバイス(400)の正面斜視図を提供する。図59は、圧迫シャツ(420)、組込みハーネス(422)、および調整ストラップ(450)を有する脊柱支持デバイス(400)の背面斜視図を提供する。図60は、圧迫シャツ(420)、組込みハーネス(422)、および調整ストラップ(450)を有する脊柱支持デバイス(400)の正面図と背面図を提供する。図58〜60に示される脊柱支持デバイスは、図38の脊柱支持デバイスに対する変化形体であってもよい。場合によっては、脊柱支持デバイスは、例えば図58〜60に示されるようなカラー等の、頚部脊柱支持部を含む。いくつかの例では、脊柱支持デバイスは、頚部脊柱支持部を補完するために、頸椎以外の1つ以上の領域を支持することができる脊柱支持部を含む。脊椎領域は、頚部、胸部、腰椎、および仙椎の領域を含む。脊柱支持部は、上脊柱支持部と下脊柱支持部を含んでもよい。いくつかの例では、脊柱支持部は、被験体の背中または脊椎に沿って伸びる。いくつかの例では、脊柱支持部は、被験体の背中または脊椎の少なくとも一部、大部分、または全長に沿って伸びる。脊柱支持部は、被験体の背中の脊椎の全長の、少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、または99%に沿って伸びてもよい。いくつかの例では、脊柱支持部は、被験体の背中または脊椎の部分長に沿って伸びる。いくつかの例では、頚部脊柱支持部が、少なくとも脊椎の頸部を保護する一方で、脊椎の脊柱支持部は、胸部、腰椎、および仙骨部の1つ以上を保護する。例えば、いくつかの例では、脊柱支持部は、脊椎の胸部領域を保護する。いくつかの例では、脊柱支持部は、脊椎の胸部と腰部を保護する。いくつかの例では、脊柱支持部は、脊椎の胸部、横腹、および仙骨部を保護する。いくつかの例では、脊柱支持部は、例えば上脊柱支持体または中央脊柱支持体等の、部分的な脊柱支持体を提供する。いくつかの例では、脊柱支持部は、全面的な脊柱支持体を提供する。例えば、ハーネス(422)は、ハーネスを着用している被験体の背中に沿って伸びる脊柱支持部を含んでもよい。脊柱支持部は、頚部支持部よりも下方に配置されてもよい。いくつかの例では、脊柱支持部は、脊柱支持デバイスの頚部支持部に連結され、取り付けられ、および/または組み込まれてもよい。代替的に、脊柱支持部は、頚部支持部と分離され、その代わりにハーネス自体に連結され、取り付けられ、および/または組み込まれてもよい。いくつかの例では、脊柱支持部は、頚部支持部とハーネスの両方と分離され、その代わりに、被験体によるフィットまたは着用のためのそれ自身のファスナーを含む。いくつかの例では、脊柱支持デバイスは脊柱支持部を含まない。例えば、図58〜60に示される脊柱支持デバイス(400)は、頚部支持部、ハーネス、および調整ストラップを含む。
いくつかの例では、図面に示されるハーネス設計は、胴へのぴったりとした固着を提供するために胴を包囲するように、胸を横切り、腕の下を通り、脇腹を横切って、肩甲骨の間を通るループを描く。ハーネス(422)は、胴を包囲するように、胸を横切って、腕の下を通り、肩甲骨の間を通るループを含んでもよい。ハーネス(422)は、図59に示されるように、背中の中央および/または下背を横切るループを含んでもよく、これはしばしば、脊椎に沿って垂直に配置された脊柱支持部に組み込まれ、または連結される。いくつかの例では、ハーネスは、カラーおよび/または圧迫シャツから分離可能である。いくつかの例では、ハーネスは、カラーおよび/または圧迫シャツから分離可能ではない。いくつかの例では、ハーネスは、エラストマーのオーバーレイを含む。いくつかの例では、ハーネスは、熱可塑性ポリウレタン樹脂(TPU)のオーバーレイを含む。
いくつかの例では、TPUは、ポリエステルTPU、ポリエーテルTPU、ポリカプロラクトンTPU、またはそれらの任意の組み合わせを含む。いくつかの例では、TPUは、芳香族TPU、脂肪族TPU、またはそれらの任意の組み合わせを含む。TPUは、固いブロック(例えば、連鎖延長剤とイソシアン酸から成る)、および柔らかいブロック(例えば、ポリオールとイソシアン酸から成る)から成るブロックコポリマーである。固いブロックと柔らかいブロックの相対的な比率の調整は、変動する物性を有するTPUの生成を可能にする。いくつかの例では、ハーネスは、ラミネーションによって圧迫シャツ(または、シャツ、ジャケット、あるいはセーター等の衣服)に取り付けられ、連結され、接着され、または組み込まれる。いくつかの例では、ハーネスは圧迫シャツ上に積層される。いくつかの例では、ハーネスは、シャツ上に積層された物質(例えばライクラ)の1つ以上の層上に積層される。いくつかの例では、ハーネスは、屈曲および/または可動性を提供するために、1つ以上の開口部(例えばハーネス物質中の間隙)(465)を含む。例えば、いくつかの実例では、ハーネスは、延伸に抵抗するように構成されたTPUを含む。ハーネスは、前方への屈曲および/または最大可動域を可能にするために、後部に1つ以上の開口部(465)を含むことができる。いくつかの例では、後方への屈曲および/または最大可動域を可能にするために、ハーネスは前部に1つ以上の開口部(465)を含む。
図58〜60はまた、圧迫シャツ(420)に組み込まれた、または連結された少なくとも1つの脇腹調整ストラップ(455)を有する組込みハーネス(422)を示す。いくつかの例では、少なくとも1つの脇腹調整ストラップ(455)は、耐切断性の布(446)と共にオーバーレイ(432)に固定される。図58に示されるように、脇腹調整ストラップ(455)は、被験体の脇腹を横切り、または斜めに横切り、および脇腹調整ストラップの端部は、Velcro(登録商標)の商標名で販売されるもの等の面ファスナー物質(452)をはめ合わせることによって、圧迫シャツ(420)上の組込みハーネス(422)に調整可能に取り付けられてもよい。図60はそれぞれ、2つの脇腹調整ストラップのための、および圧迫シャツ(420)と組込みハーネス(422)のための典型的な構造を示す。いくつかの例では、脇腹調整ストラップ(455)は図59に示されるようなハーネスに取り付けられている。したがって、脇腹調整ストラップ(455)は、被験体に脊柱支持システム全体(例えば脊柱支持デバイス、ハーネス、および圧迫シャツ)を固定し、かつ図58のカラー等の脊柱支持デバイスを適所に維持することができ、効果的に被験体のまわりでハーネスの正面と後部の張力の平衡を保つ。例えば、ストラップは、被験体により規定された快適な張力で、被験体が適切な領域に適切にデバイスを固定することを可能にする。いくつかの例では、脇腹調整ストラップ(455)はハーネスおよび/または圧迫シャツに縫いつけられる。いくつかの例では、脇腹調整ストラップは、Velcro(登録商標)を使用して、1つの端部に向かってハーネスの背側(後部)に沿って取り付けられ、および別の端部に向かってハーネスの腹部(正面)側に取り付けられる。いくつかの例では、脇腹調整ストラップは、Velcro(登録商標)を使用せずに、例えばバックル等で取り付けられる。
いくつかの実施形態において、脊柱支持デバイスは、支持および/または安定性を提供するために特定の構造要素を必要としない。例えば、いくつかの実例では、脊柱支持デバイスは、外骨格および/またはウェアラブル物品を含まない。いくつかの例では、脊柱支持デバイスはヒンジ点を含まない。いくつかの例では、脊柱支持デバイスはヘルメットに取り付けられない。いくつかの例では、脊柱支持デバイスは圧迫シャツを含まず、または圧迫シャツに取り付けられない。いくつかの例では、脊柱支持デバイスはハーネスを含まず、またはハーネスに取り付けられない。いくつかの例では、脊柱支持デバイスは、シャツまたは他の衣類に組み込まれないハーネスに連結される。いくつかの例では、ハーネスは、シャツまたは他の衣類(例えば圧迫シャツ)の上に着用される。いくつかの例では、脊柱支持デバイスは調整ストラップを含まない。
図61A−62Cにおいて、典型的な第1の圧迫物品が本明細書に提供される。図61Aは、いくつかの実施形態に従った、典型的な第1の圧迫物品の正面図を示す。図61Bは、図61Aの典型的な第1の圧迫物品の背面図を示す。図61Cは、図61Aの典型的な第1の圧迫物品の側面図を示す。図61Dは、図61Aの典型的な第1の圧迫物品の詳細な正面図を示す。図61Eは、図61Aの典型的な第1の圧迫物品の詳細な背面図を示す。図61Fは、図61Aの典型的な第1の圧迫物品の詳細な側面図を示す。
図61A−62Cに示されるように、典型的な第1の圧迫物品(6100)は、基層(6120)、圧迫要素、および支持要素を含む。示されるように、支持要素は、頚部支持体(6101)、腿支持体(6102)、脛支持体(6103)、および脊椎支持体(6104)を支持する。示されるように、圧迫要素は、胸部圧迫部(6105)、肩圧迫部(6106)、肘圧迫部(6107)、腿圧迫部(6108)、膝圧迫部(6109)、脛圧迫部(6110)、くるぶし圧迫部(6111)、およびウエスト圧迫部(6112)を含む。いくつかの実施形態において、圧迫物品(6100)は、物品の基層の内部表面上に把持要素(図示せず)をさらに含む。
見られるように、典型的な第1の圧迫物品(6100)は、1つの頚部支持体(6101)、2つの腿支持体(6102)、2つの脛支持体(6103)、1つの脊椎支持体(6104)、1つの胸部圧迫部(6105)、2つの肩圧迫部(6106)、2つの肘圧迫部(6107)、2つの腿圧迫部(6108)、2つの膝圧迫部(6109)、2つの脛圧迫部(6110)、2つのくるぶし圧迫部(6111)、1つのウエスト圧迫部(6112)、および1つの基層(6120)を含む。本明細書で使用されるように、支持体と支持要素は同等の意味を有し、区別なく使用される。前述の支持要素の任意の組み合わせを含む物品が本明細書で熟考される。代替的に、いくつかの実施形態において、典型的な第1の圧迫物品(6100)は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、またはより多くの、頚部支持体(6101)、腿支持体(6102)、脛支持体(6103)、脊椎支持体(6104)、胸部圧迫部(6105)、肩圧迫部(6106)、肘圧迫部(6107)、腿圧迫部(6108)、膝圧迫部(6109)、脛圧迫部(6110)、くるぶし圧迫部(6111)、ウエスト圧迫部(6112)、把持要素、またはそれらの任意の組み合わせの各々を含む。
いくつかの実施形態において、支持要素と圧迫要素の少なくとも1つは、恒久的に、または取り外し可能に、基層(6120)に取り付けられる。いくつかの実施形態において、支持要素、圧迫要素、および把持要素の少なくとも1つは、基層に隣接して積層され、または印刷される。いくつかの実施形態では、支持要素、圧迫要素、および把持要素の少なくとも1つは、基層(6120)に取り外し可能に取り付けられている。いくつかの実施形態では、支持要素、圧迫要素、および把持要素の少なくとも1つは、基層(6120)の内部表面に取り外し可能に取り付けられている。いくつかの実施形態では、支持要素と圧迫要素の少なくとも1つは、基層(6120)の外部表面に取り付けられている。いくつかの実施形態では、支持要素、圧迫要素、および把持要素の少なくとも1つは、ファスナーによって基層(6120)に取り外し可能に取り付けられ、随意に、ファスナーは、ストラップ、バックル、面ファスナー、ジッパー、ボタン、フック、めど、レース、磁石、締め金、クリップ、ねじ、ボルト、ナット、タイ、またはそれらの任意の組み合わせを含む。
いくつかの実施形態において、支持要素、圧迫要素、基層(6120)、および把持要素の少なくとも1つは、布、糸、木材、繊維ガラス、炭素繊維、金属、ポリマー、ゲル、フォーム、合成物、またはそれらの任意の組み合わせで形成される。いくつかの実施形態において、ポリマーは、熱可塑性ポリウレタン樹脂、シリコン、ポリエステル、スパンデックス、またはそれらの任意の組み合わせを含む。いくつかの実施形態において、支持要素、圧迫要素、基層(6120)、および把持要素の少なくとも2つは、同じ物質で形成される。いくつかの実施形態において、支持要素、圧迫要素、基層(6120)、および把持要素の少なくとも2つは、異なる物質で形成される。
いくつかの実施形態において、圧迫要素の少なくとも1つは、ポリマー材料または複合材料を含む。いくつかの実施形態において、圧迫要素の少なくとも1つは、シリコン、ナイロン、ライクラ、ゴム、ネオプレン、ビニル、ポリウレタン、またはそれらの任意の組み合わせを含む。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの支持要素は弾性ポリマーを含む。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの支持要素は、ゲル、フォーム、非ニュートン流体、またはそれらの任意の組み合わせを含む。いくつかの実施形態において、フォームは非ニュートン流体を含む。いくつかの実施形態において、フォームはずり増粘非ニュートン流体を含む。いくつかの実施形態において、非ニュートンフォームは、パウチ内に封じ込められる。いくつかの実施形態において、非ニュートン流体はパウチで封じ込められる。いくつかの実施形態において、非ニュートン流体はずり増粘非ニュートン流体を含む。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの支持要素は非ニュートンフォームと非ニュートン流体を含む。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの支持要素は、被験体の体表面と非ニュートン物質との間に配置されたニュートンフォーム物質を含む。
非ニュートン物質または速度感度物質はニュートンの粘性法則に従わず、かつその瞬間または以前のずれ率に比例する粘度を有する。非ニュートン物質は、ずれ揺変またはずり減粘化非ニュートン物質として一般的に分類され、ずれ揺変またはずり減粘化非ニュートン物質の粘度は、ずりの下でそれぞれ低下および増加する。流体の粘度がずれ応力により変化する要因である大きさは、power rule数と呼ばれ、ここでずり減粘化非ニュートン物質は1より大きなpower rule数を示し、およびずれ揺変化非ニュートン物質は、1未満のpower rule数を示す。さらに、非ニュートン物質は、非ニュートン流体または非ニュートン固形物として分類可能であり、これらは0未満のずれ応力下でそれぞれ流体または固形物として存在する。いくつかの実施形態において、固形の非ニュートン物質は、ウェアラブル物品に容易に組み込むことができる。
いくつかの実施形態において、力反応性材料または速度感度物質は、フォーム物質とダイラタント(例えば非ニュートン流体)を含む。いくつかの実施形態において、力反応性材料はフォームマトリックスを含む。いくつかの実施形態において、フォームマトリックスは柔らかい弾性ポリマーで作られる。弾性ポリマーの例として、ポリウレタン、ポリブタジエン、クロロプレン、ポリクロロプレン、ネオプレン、イソブチレンおよびイソプレンコポリマー、スチレン−ブタジエンゴムコポリマー、ブタジエンアクリロニトリルコポリマー、エチレン−プロピレンコポリマー、ポリアクリル酸ゴム、エピクロロヒドリン、フッ素ゴム、パーフロロエラストマー、ポリエーテルブロックアミド、エチレン酢酸ビニル、ポリスルフィドゴム、およびエラストレフィン(elastolefin)があげられる。いくつかの実施形態において、フォームマトリックスは固形フォームのポリマーを含む。いくつかの実施形態では、フォームマトリックスは合成ポリマーを含む。いくつかの実施形態では、ダイラタントはフォームマトリックス内に分散している。いくつかの実施形態において、ダイラタントは、少なくとも約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、または約80%の体積パーセント(v/v)のフォームマトリックスに存在する。いくつかの実施形態において、ポリほう素ジメチルポリシロキサン(polyborodimethylsiloxane)は、多くとも約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、または約80%の体積パーセント(v/v)のフォームマトリックスに存在する。
非ニュートン流体を含む典型的な力反応性材料または速度感度物質は、ポリほう素ジメチルポリシロキサンを含むウレタンフォームである。いくつかの実施形態において、力反応性材料は、ウレタンフォームおよびダイラタント等のフォーム物質を含む。いくつかの実施形態において、ダイラタントはポリほう素ジメチルポリシロキサン等のポリマーベースの物質である。いくつかの実施形態において、ポリほう素ジメチルポリシロキサンは、少なくとも約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、または約60%の体積パーセント(v/v)のフォームマトリックスに存在する。いくつかの実施形態において、ポリほう素ジメチルポリシロキサンは、多くとも約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、または約60%の体積パーセント(v/v)のフォームマトリックスに存在する。
いくつかの実施形態において、ダイラタントは、ポリエチレングリコールに懸濁されたコロイダルシリカ粒子を含む。いくつかの実施形態において、微粒子シリカは、少なくとも約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、または約80%の体積パーセント(v/v)で懸濁される。いくつかの実施形態において、微粒子シリカは、多くとも約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、または約80%の体積パーセント(v/v)で懸濁される。
好ましくは、速度感度物質は固形材料であるが(用語「固形物」はフォームを含む)、非固形の速度感度物質の使用もまた熟考される。例えば、液体の速度感度物質は、その液体に対して不浸透性である包内に封じ込められて、本開示に係るウェアラブル物品で使用されてもよい。いくつかの実施形態において、固体の速度感度物質は、分散拡張器を有するフォームマトリックスを含む。
いくつかの実施形態では、支持要素、圧迫要素、把持要素、および基層(6120)の少なくとも1つは、2つ以上の層を含む。いくつかの実施形態では、支持要素、圧迫要素、把持要素、および基層(6120)の少なくとも1つは、永続性、耐水性、ステンプルーフ、低アレルギー性、抗菌性、自己回復性、熱耐性、摩擦耐性、またはそれらの任意の組み合わせである。いくつかの実施形態では、支持要素、圧迫要素、把持要素、および基層(6120)の少なくとも1つは、ポリマー材料または合成材料で形成される。
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの支持要素は、着用者に、応力除去、負荷転移、疲労軽減、またはそれらの任意の組み合わせを提供するように構成される。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの支持要素は、着用者の筋肉、関節、または骨の少なくとも1つの運動に対する抵抗を提供するように構成され、ここで抵抗は、運動が増すにつれて増加する。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの支持要素は、1つ以上の自由度で着用者のフルレンジまたはパーシャルレンジの動作を通じて、着用者の筋肉、関節、または骨の少なくとも1つに力をかけるように構成される。いくつかの実施形態において、力は、連続力、比例する力、派生的な力、またはそれらの任意の組み合わせを含む。いくつかの実施形態において、比例する力と派生的な力の少なくとも1つは、着用者の骨、筋肉、または関節の直線位置、角位置、速度、または加速度に基づく。いくつかの実施形態において、筋肉は、二頭筋、三頭筋、三角筋、前膊、腿、ふくらはぎ、僧帽筋、殿筋、頚部、胸部、斜筋、上背、下背、または腹筋を含む。いくつかの実施形態において、関節は、くるぶし、膝、臀部、脊椎、手首、肘または肩関節を含む。いくつかの実施形態において、骨は、くるぶし、膝、臀部、脊椎、手首、肘、肩、脛骨、腓骨、腕、頚部またはあばら骨を含む。いくつかの実施形態において、頚部支持体は、着用者の頚部を解剖学的に補う準環状のカラー部材を含む。いくつかの実施形態において、頚部支持体は、着用者の頚部の後部と側部のまわりに配置されるエラストマー材料または力反応性ポリマーを含む。いくつかの実施形態において、頚部支持体、脊椎支持体、腿支持体、脛支持体の少なくとも1つは、溝を含む。いくつかの実施形態において、頚部支持体、脊椎支持体、腿支持体、および脛支持体の少なくとも1つは、2、3、4、5、6、7、8、9、10、またはより多くの溝を含む、複数の溝を含む。いくつかの実施形態において、複数の溝の2つ以上は、等しいサイズまたは形状を有している。いくつかの実施形態において、複数の溝の2つ以上は、等しくないサイズまたは形状を有している。いくつかの実施形態において、溝は、設定された線、アーチ、または平面に沿って屈曲し、または折り畳まれるように構成される。いくつかの実施形態において、溝は、1つ以上の自由度での着用者の動作を妨げ、または抑制するように構成される。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの圧迫要素は、着用者に、ストレスサポート、負荷転移、疲労軽減、またはそれらの任意の組み合わせを提供するように構成される。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの圧迫要素は、着用者の筋肉、骨、または関節に力を欠けるように構成される。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの圧迫要素は、着用者の筋肉、骨、または関節に、筋肉、骨、または関節の動作のフルレンジまたはパーシャルレンジにわたって力をかけるように構成される。いくつかの実施形態において、力は、連続力、比例する力、派生的な力、またはそれらの任意の組み合わせを含む。いくつかの実施形態において、比例する力と派生的な力の少なくとも1つは、着用者の骨、筋肉、または関節の直線位置、角位置、速度、または加速度に基づく。いくつかの実施形態において、筋肉は、二頭筋、三頭筋、三角筋、前膊、腿、ふくらはぎ、僧帽筋、殿筋、頚部、胸部、または腹筋を含む。いくつかの実施形態において、関節は、くるぶし、膝、臀部、脊椎、手首、肘または肩関節を含む。いくつかの実施形態において、骨は、くるぶし、膝、臀部、脊椎、手首、肘、肩、脛骨、腓骨、腕、頚部またはあばら骨を含む。いくつかの実施形態において、物品は、少なくとも1つの支持要素に固定されたハーネスをさらに含む。いくつかの実施形態において、ハーネスは基層に組み込まれる。いくつかの実施形態において、ハーネスは、基層に隣接して積層され、または印刷される。いくつかの実施形態において、物品は、少なくとも1つの調整可能な張力要素をさらに含む。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの調整可能な張力要素は、胸部張力要素、腹部張力要素、ウエスト張力要素、腿張力要素、または脛張力要素の少なくとも1つを含む。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの調整可能な張力要素は、ストラップ、ファスナー、バックル、面ファスナー、ジッパー、ボタン、鉤、めど、レース、磁石、締め金、クリップ、ねじ、ボルト、ナット、タイ、またはそれらの任意の組み合わせを含む。いくつかの実施形態において、物品は、シャツ、1組のズボン、または全身ボディースーツである。いくつかの実施形態において、基層は左右相称である。
図61A−62Eに示されるのは、内部表面と外部表面を有する基層(6120)を含む典型的な第1の圧迫物品(6100)である。いくつかの実施形態において、内部表面は、被験体の体表面に対する第1の摩擦係数(μ1)を有する。いくつかの実施形態において、基層(6120)は第1の弾性率(E1)を有する。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの圧迫要素は、E1より大きい第2の弾性率(E2)を有する。
図61A、61D、および61Eに見られるように、頚部支持体(6101)は、被験体の頚部を支持するように構成される。いくつかの実施形態において、頚部支持体(6101)は、頚部の動作のフルレンジまたはパーシャルレンジにわたって、被験体の頚部との連続的な接触を維持するように構成される。いくつかの実施形態において、頚部支持体(6101)は、頚部の動作のフルレンジまたはパーシャルレンジにわたって、被験体の頚部に力をかけるように構成される。いくつかの実施形態において、頚部支持体(6101)は、被験体の脊椎に、連続力、比例する力、または派生的な力をかけるように構成される。いくつかの実施形態において、頚部支持体(6101)によって被験体にかけられる力は、被験体の頚部の直線位置または角位置、速度、および加速度の少なくとも1つに対応する。いくつかの実施形態において、頚部支持体(6101)は、脊椎支持体(6104)、胸部圧迫部(6105)、肩圧迫部(6106)、および基層(6120)の少なくとも1つに接触し、または堅く、あるいは柔軟に連結される。いくつかの実施形態において、頚部支持体(6101)は、1つ以上の独立した部分を含み、ここで独立した部分の2つ以上は、恒久的に、または取り外し可能に連結される。いくつかの実施形態において、2つ以上の独立した部分は、互いに堅くまたは柔軟に連結される。
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの支持要素は頚部支持デバイスを含む。いくつかの実施形態において、頚部支持デバイスは頚部支持体(6101)を含む。いくつかの実施形態において、頚部支持デバイスは、少なくとも1つの積層によって基層へと組み込まれた非ニュートン物質を含む。いくつかの実施形態において、頚部支持デバイスは、着用者の頚部に接する基層の内部に配置されたインナーメッシュライナーを含む。
いくつかの実施形態において、頚部支持体(6101)は、径方向および線形方向の少なくとも1つにおいて均一な厚みを有する。いくつかの実施形態において、頚部支持体(6101)は不均一な厚みを有する。いくつかの実施形態において、頚部支持体(6101)は左右相称である。図61Eに見られるように、頚部支持体(6101)は、1つ以上の溝(6101a)を含んでもよい。いくつかの実施形態において、1つ以上の溝(6101a)は、設定された線、アーチ、または平面に沿って屈曲し、または折り畳まれるように構成される。いくつかの実施形態において、1つ以上の溝(6101a)は、1つ以上の方向への頚部の動作を妨げるように構成される。いくつかの実施形態において、溝(6101a)の2つ以上は、等しいサイズまたは形状を有している。いくつかの実施形態において、溝(6101a)の2つ以上は、等しくないサイズまたは形状を有している。いくつかの実施形態において、溝(6101a)の少なくとも1つは、被験体の横断面とおおむね平行である。いくつかの実施形態において、溝(6101a)の少なくとも1つは、被験体の頚部のまわりで放射状に伸びる。いくつかの実施形態において、溝(6101a)の少なくとも1つは、被験体の頚部のまわりを放射状かつ正常に伸びる。いくつかの実施形態において、溝(6101a)の少なくとも1つは、頚部支持体(6101)の端部で終端となる。いくつかの実施形態において、溝(6101a)の少なくとも1つは、頚部支持体(6101)の端部と交差することなく終端となる。図61Eに見られるように、頚部支持体(6101)は4つの溝(6101a)を含む。代替的に、いくつかの実施形態において、頚部支持体(6101)は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、またはより多くの溝を含む。
図61Bと61Eに見られるように、脊椎支持体(6104)は、被験体の脊椎を支持するように構成される。いくつかの実施形態において、脊椎支持体(6104)は、脊椎の動作のフルレンジまたはパーシャルレンジにわたって、被験体の脊椎との連続的な接触を維持するように構成される。いくつかの実施形態において、脊椎支持体(6104)は、脊椎の動作のフルレンジまたはパーシャルレンジにわたって、被験体の脊椎に力をかけるように構成される。いくつかの実施形態において、脊椎支持体(6104)は、被験体の脊椎に、連続力、比例する力、または派生的な力をかけるように構成される。いくつかの実施形態において、脊椎支持体(6104)によって被験体にかけられる力は、被験体の脊椎の直線位置または角位置、速度、および加速度の少なくとも1つに対応する。いくつかの実施形態において、脊椎支持体(6104)は、頚部支持体(6101)、胸部圧迫部(6105)、肩圧迫部(6106)、ウエスト圧迫部(6112)、および基層(6120)の少なくとも1つに接触し、または堅く、あるいは柔軟に連結される。いくつかの実施形態において、脊椎支持体(6104)は、1つ以上の独立した部分を含み、ここで独立した部分の2つ以上は、恒久的に、または取り外し可能に連結される。いくつかの実施形態において、2つ以上の独立した部分は、互いに堅くまたは柔軟に連結される。
いくつかの実施形態において、脊椎支持体(6104)は、径方向および線形方向の少なくとも1つにおいて均一な厚みを有する。いくつかの実施形態において、脊椎支持体(6104)は不均一な厚みを有する。いくつかの実施形態において、脊椎支持体(6104)は左右相称である。図61Eに見られるように、脊椎支持体(6104)は、1つ以上の溝(6104a)を含んでもよい。いくつかの実施形態において、1つ以上の溝(6104a)は、設定された線、アーチ、または平面に沿って屈曲し、または折り畳まれるように構成される。いくつかの実施形態において、1つ以上の溝(6104a)は、1つ以上の方向への脊椎の動作を妨げるように構成される。いくつかの実施形態において、溝(6104a)の2つ以上は、等しいサイズまたは形状を有している。いくつかの実施形態において、溝(6104a)の2つ以上は、等しくないサイズまたは形状を有している。いくつかの実施形態において、溝(6104a)の少なくとも1つは、被験体の横断面とおおむね平行である。いくつかの実施形態において、溝(6104a)の少なくとも1つは、被験体の脊椎のまわりで放射状に伸びる。いくつかの実施形態において、溝(6104a)の少なくとも1つは、被験体の脊椎のまわりを放射状かつ正常に伸びる。いくつかの実施形態において、溝(6104a)の少なくとも1つは、脊椎支持体(6104)の端部で終端となる。いくつかの実施形態において、溝(6104a)の少なくとも1つは、脊椎支持体(6104)の端部と交差することなく終端となる。図61Eに見られるように、脊椎支持体(6104)は4つの溝(6104a)を含む。代替的に、いくつかの実施形態において、脊椎支持体(6104)は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、またはより多くの溝を含む。
図61A−Cに見られるように、第1の典型的な圧迫物品の腿支持体(6102)は、被験体の腿、および基礎的な寛骨の少なくとも1つを保護するように構成される。いくつかの実施形態において、腿支持体(6102)は、腿の動作のフルレンジまたはパーシャルレンジにわたって、被験体の腿との連続的な接触を維持するように構成される。いくつかの実施形態において、腿支持体(6102)は、腿の動作のフルレンジまたはパーシャルレンジにわたって、被験体の腿に力をかけるように構成される。いくつかの実施形態において、腿支持体(6102)によって被験体にかけられる力は、被験体の腿の直線位置または角位置、速度、および加速度の少なくとも1つに対応する。いくつかの実施形態において、腿支持体(6102)は、脊椎支持体(6104)、腿支持体(6103)、ウエスト圧迫部(6108)、膝圧迫部(6109)、腿圧迫部(6112)、および基層(6120)の少なくとも1つに接触し、または堅く、あるいは柔軟に連結される。いくつかの実施形態において、腿支持体(6102)は、1つ以上の独立した部分を含み、ここで独立した部分の2つ以上は、恒久的に、または取り外し可能に連結される。いくつかの実施形態において、2つ以上の独立した部分は、互いに堅くまたは柔軟に連結される。
いくつかの実施形態において、腿支持体(6102)は、径方向および線形方向の少なくとも1つにおいて均一な厚みを有する。いくつかの実施形態において、腿支持体(6102)は不均一な厚みを有する。いくつかの実施形態において、腿支持体(6102)は左右相称である。いくつかの実施形態において、腿支持体(6102)は、それぞれ被験体の左側と右側で使用されるように構成された左大腿支持体と右大腿支持体を含む。いくつかの実施形態において、左大腿支持体は右大腿支持体と等しい。いくつかの実施形態において、左大腿支持体は、1つ以上の平面に対する右大腿支持体の鏡像に等しい。
図61A−Cに見られるように、脛支持体(6103)は、被験体の脛、および基礎的な脚骨の少なくとも1つを保護するように構成される。いくつかの実施形態において、脛支持体(6103)は、脛の動作のフルレンジまたはパーシャルレンジにわたって、被験体の脛との連続的な接触を維持するように構成される。いくつかの実施形態において、脛支持体(6103)は、脛の動作のフルレンジまたはパーシャルレンジにわたって、被験体の脛に力をかけるように構成される。いくつかの実施形態において、脛支持体(6103)によって被験体にかけられる力は、被験体の脛の直線位置または角位置、速度、および加速度の少なくとも1つに対応する。いくつかの実施形態において、脛支持体(6103)は、脊椎支持体(6104)、腿支持体(6103)、くるぶし圧迫部(6111)、膝圧迫部(6109)、脛圧迫部(6112)、および基層(6120)の少なくとも1つに接触し、または堅く、あるいは柔軟に連結される。いくつかの実施形態において、脛支持体(6103)は、1つ以上の独立した部分を含み、ここで独立した部分の2つ以上は、恒久的に、または取り外し可能に連結される。いくつかの実施形態において、2つ以上の独立した部分は、互いに堅くまたは柔軟に連結される。
いくつかの実施形態において、脛支持体(6103)は、径方向および線形方向の少なくとも1つにおいて均一な厚みを有する。いくつかの実施形態において、脛支持体(6103)は不均一な厚みを有する。いくつかの実施形態において、脛支持体(6103)は左右相称である。いくつかの実施形態において、脛支持体(6103)は、それぞれ被験体の左側と右側で使用されるように構成された左脛支持体と右脛支持体を含む。いくつかの実施形態において、左脛支持体は右脛支持体と等しい。いくつかの実施形態において、左脛支持体は、1つ以上の平面に対する右脛支持体の鏡像に等しい。
図61A−Cに見られるように、脛支持体(6103)は、被験体の脛、および基礎的な脚骨の少なくとも1つを保護するように構成される。いくつかの実施形態において、脛支持体(6103)は、脛の動作のフルレンジまたはパーシャルレンジにわたって、被験体の脛との連続的な接触を維持するように構成される。いくつかの実施形態において、脛支持体(6103)は、脛の動作のフルレンジまたはパーシャルレンジにわたって、被験体の脛に力をかけるように構成される。いくつかの実施形態において、脛支持体(6103)によって被験体にかけられる力は、被験体の脛の直線位置または角位置、速度、および加速度の少なくとも1つに対応する。いくつかの実施形態において、脛支持体(6103)は、脊椎支持体(6104)、腿支持体(6103)、くるぶし圧迫部(6111)、膝圧迫部(6109)、脛圧迫部(6112)、および基層(6120)の少なくとも1つに接触し、または堅く、あるいは柔軟に連結される。いくつかの実施形態において、脛支持体(6103)は、1つ以上の独立した部分を含み、ここで独立した部分の2つ以上は、恒久的に、または取り外し可能に連結される。いくつかの実施形態において、2つ以上の独立した部分は、互いに堅くまたは柔軟に連結される。
いくつかの実施形態において、脛支持体(6103)は、径方向および線形方向の少なくとも1つにおいて均一な厚みを有する。いくつかの実施形態において、脛支持体(6103)は不均一な厚みを有する。いくつかの実施形態において、脛支持体(6103)は左右相称である。いくつかの実施形態において、脛支持体(6103)は、それぞれ被験体の左側と右側で使用されるように構成された左脛支持体と右脛支持体を含む。いくつかの実施形態において、左脛支持体は右脛支持体と等しい。いくつかの実施形態において、左脛支持体は、1つ以上の平面に対する右脛支持体の鏡像に等しい。
図61Cに示されるように、典型的な第1の圧迫物品(6100)は、胸部圧迫部(6105)、肩圧迫部(6106)、肘圧迫部(6107)、腿圧迫部(6108)、膝圧迫部(6109)、脛圧迫部(6110)、くるぶし圧迫部(6111)、およびウエスト圧迫部(6112)を含む。
図61Cに示されるように、胸部圧迫部(6105)は、被験体の胸部に対する、第1の圧迫物品(6100)の位置と圧力の少なくとも1つを維持するように構成される。いくつかの実施形態において、胸部圧迫部(6105)は、被験体の頚部に対する頚部支持体(6101)の、被験体の脊椎に対する脊椎支持体(6104)の、またはその両方の位置と圧力の少なくとも1つを維持するように構成される。いくつかの実施形態において、胸部圧迫部(6105)は、胸部の動作のフルレンジまたはパーシャルレンジにわたって、被験体の胸部との連続的な接触を維持するように構成される。いくつかの実施形態において、胸部圧迫部(6105)は、胸部の動作のフルレンジまたはパーシャルレンジにわたって、被験体の胸部に力をかけるように構成される。いくつかの実施形態において、胸部圧迫部(6105)によって被験体にかけられる力は、被験体の胸部の直線位置または角位置、速度、および加速度の少なくとも1つに対応する。いくつかの実施形態において、胸部圧迫部(6105)は、脊椎支持体(6104)、頚部支持体(6101)、および基層(6120)の少なくとも1つに接触し、または堅く、あるいは柔軟に連結される。
図61AとCに示されるように、胸部圧迫部(6105)は、被験体の右肩、左肩、および頚部を囲むように構成される。代替的に、いくつかの実施形態において、胸部圧迫部(6105)は、被験体の右肩、左肩、および頚部の少なくとも1つのまわりに構成される。図61AとCそれぞれにおいて、胸部圧迫部(6105)は、被験体の各肩の下と上に分かれ、そして合体する。代替的に、いくつかの実施形態において、胸部圧迫部(6105)は、被験体の各肩の下から上へと連続し、または被験体の各肩の上で多数の部分に分かれる。
図61Cに示されるように、肩圧迫部(6106)は、被験体の肩に対する第1の圧迫物品(6100)の位置と圧力の少なくとも1つを維持するように構成される。いくつかの実施形態において、肩圧迫部(6106)は、肩の動作のフルレンジまたはパーシャルレンジにわたって、被験体の肩との連続的な接触を維持するように構成される。いくつかの実施形態において、肩圧迫部(6106)は、肩の動作のフルレンジまたはパーシャルレンジにわたって、被験体の肩に力をかけるように構成される。いくつかの実施形態において、肩圧迫部(6106)によって被験体にかけられる力は、被験体の肩の直線位置または角位置、速度、および加速度の少なくとも1つに対応する。
図61Cに示されるように、肩圧迫部(6106)は、被験体の右肩または左肩の少なくとも一部のまわりに構成される。代替的に、いくつかの実施形態において、肩圧迫部(6106)は、被験体の右肩、左肩、および頚部の少なくとも1つのまわりに構成される。いくつかの実施形態において、肩圧迫部(6106)は連続している。いくつかの実施形態において、肩圧迫部(6106)は二叉に分かれ、少なくとも一回、合体する。いくつかの実施形態において、肩圧迫部(6106)は、それぞれ被験体の左肩と右肩で使用されるように構成された左肩圧迫部(6106)と右肩圧迫部(6106)を含む。いくつかの実施形態において、左肩圧迫部(6106)は右肩圧迫部(6106)と等しい。いくつかの実施形態において、左肩圧迫部(6106)は、1つ以上の平面に対する右肩圧迫部(6106)の鏡像に等しい。
図61Cに示されるように、肩圧迫部(6106)は、被験体の肩に対する、第1の圧迫物品(6100)の位置と圧力の少なくとも1つを維持するように構成される。いくつかの実施形態において、肩圧迫部(6106)は、肩の動作のフルレンジまたはパーシャルレンジにわたって、被験体の肩との連続的な接触を維持するように構成される。いくつかの実施形態において、肩圧迫部(6106)は、肩の動作のフルレンジまたはパーシャルレンジにわたって、被験体の肩に力をかけるように構成される。いくつかの実施形態において、肩圧迫部(6106)によって被験体にかけられる力は、被験体の肩の直線位置または角位置、速度、および加速度の少なくとも1つに対応する。
図61Cに示されるように、肩圧迫部(6106)は、被験体の右肩または左肩の少なくとも一部のまわりに構成される。代替的に、いくつかの実施形態において、肩圧迫部(6106)は、被験体の右肩、左肩、および頚部の少なくとも1つのまわりに構成される。いくつかの実施形態において、肩圧迫部(6106)は連続している。いくつかの実施形態において、肩圧迫部(6106)は二叉に分かれ、少なくとも一回、合体する。いくつかの実施形態において、肩圧迫部(6106)は、それぞれ被験体の左肩と右肩で使用されるように構成された左肩圧迫部(6106)と右肩圧迫部(6106)を含む。いくつかの実施形態において、左肩圧迫部(6106)は右肩圧迫部(6106)と等しい。いくつかの実施形態において、左肩圧迫部(6106)は、1つ以上の平面に対する右肩圧迫部(6106)の鏡像に等しい。
図62A−Cは、典型的な第1の圧迫物品の調整可能な張力領域を示す。図62Aは、いくつかの実施形態に従った、図61Aの典型的な第1の圧迫物品の調整可能な張力領域の正面図を示す。図62Bは、いくつかの実施形態に従った、図61Aの典型的な第1の圧迫物品の調整可能な張力領域の背面図を示す。図62Cは、いくつかの実施形態に従った、図61Aの典型的な第1の圧迫物品の調整可能な張力領域の側面図を示す。
胸部テンショナ(6201)、腹部テンショナ(6202)、ウエストテンショナ(6203)、腿テンショナ(6204)、およびくるぶしテンショナ(6205)を含む典型的な第1の圧迫物品(6100)が、図62A−Cに示される。見られるように、典型的な第1の圧迫物品(6100)は、1つの胸部テンショナ(6201)、1つの腹部テンショナ(6202)、1つのウエストテンショナ(6203)、2つの腿テンショナ(6204)、および2つのくるぶしテンショナ(6205)を含んでもよい。代替的に、いくつかの実施形態において、典型的な第1の圧迫物品(6100)は、1、2、3、4、5、6、7 8、9、または10、あるいはより多くの胸部テンショナ(6201)、腹部テンショナ(6202)、ウエストテンショナ(6203)、腿テンショナ(6204)、およびくるぶしテンショナ(6205)の各々を含む。
いくつかの実施形態において、胸部テンショナ(6201)、腹部テンショナ(6202)、ウエストテンショナ(6203)、腿テンショナ(6204)、およびくるぶしテンショナ(6205)の少なくとも1つは、頚部支持体(6101)、腿支持体(6102)、脛支持体(6103)、脊椎支持体(6104)、胸部圧迫部(6105)、肩圧迫部(6106)、肘圧迫部(6107)、腿圧迫部(6108)、膝圧迫部(6109)、脛圧迫部(6110)、くるぶし圧迫部(6111)、ウエスト圧迫部(6112)、および基層(6120)の少なくとも1つに恒久的に取り付けられる。いくつかの実施形態において、胸部テンショナ(6201)、腹部テンショナ(6202)、ウエストテンショナ(6203)、腿テンショナ(6204)、およびくるぶしテンショナ(6205)の少なくとも1つは、頚部支持体(6101)、腿支持体(6102)、脛支持体(6103)、脊椎支持体(6104)、胸部圧迫部(6105)、肩圧迫部(6106)、肘圧迫部(6107)、腿圧迫部(6108)、膝圧迫部(6109)、脛圧迫部(6110)、くるぶし圧迫部(6111)、ウエスト圧迫部(6112)、および基層(6120)の少なくとも1つに取り外し可能に取り付けられる。いくつかの実施形態において、胸部テンショナ(6201)、腹部テンショナ(6202)、ウエストテンショナ(6203)、腿テンショナ(6204)、およびくるぶしテンショナ(6205)の少なくとも1つの少なくとも一部は、第1の圧迫物品(6100)に取り付けられている。
いくつかの実施形態において、胸部テンショナ(6201)、腹部テンショナ(6202)、ウエストテンショナ(6203)、腿テンショナ(6204)、およびくるぶしテンショナ(6205)の少なくとも1つは、ベルト、バンド、ストラップ、面ファスナー、締め金、ロープ、ストリング、フック、腹帯、またはそれらの任意の組み合わせを含む。いくつかの実施形態において、胸部テンショナ(6201)、腹部テンショナ(6202)、ウエストテンショナ(6203)、腿テンショナ(6204)、およびくるぶしテンショナ(6205)の少なくとも1つは、被験体によって身体にフィットするように調整されるように構成された、1つ以上の調整可能な長さまたは直径を有する。いくつかの実施形態において、胸部テンショナ(6201)、腹部テンショナ(6202)、ウエストテンショナ(6203)、腿テンショナ(6204)、およびくるぶしテンショナ(6205)の少なくとも1つは弾性である。いくつかの実施形態において、胸部テンショナ(6201)、腹部テンショナ(6202)、ウエストテンショナ(6203)、腿テンショナ(6204)、およびくるぶしテンショナ(6205)の少なくとも1つは、堅い。
いくつかの実施形態において、胸部テンショナ(6201)、腹部テンショナ(6202)、ウエストテンショナ(6203)、腿テンショナ(6204)、およびくるぶしテンショナ(6205)の少なくとも1つは、布、糸、木材、繊維ガラス、炭素繊維、金属、ポリマー、ゲル、フォーム、合成物、またはそれらの任意の組み合わせから作られる。いくつかの実施形態において、胸部テンショナ(6201)、腹部テンショナ(6202)、ウエストテンショナ(6203)、腿テンショナ(6204)、およびくるぶしテンショナ(6205)の少なくとも1つは、同じ物質から作られる。いくつかの実施形態において、胸部テンショナ(6201)、腹部テンショナ(6202)、ウエストテンショナ(6203)、腿テンショナ(6204)、およびくるぶしテンショナ(6205)の少なくとも1つは、異なる物質から作られる。
いくつかの実施形態において、胸部テンショナ(6201)、腹部テンショナ(6202)、ウエストテンショナ(6203)、腿テンショナ(6204)、およびくるぶしテンショナ(6205)の少なくとも1つは、被験体の身体に、連続力、調整可能な比例する力、または派生的な力を働かせるように構成される。いくつかの実施形態において、胸部テンショナ(6201)、腹部テンショナ(6202)、ウエストテンショナ(6203)、腿テンショナ(6204)、およびくるぶしテンショナ(6205)の少なくとも1つは、少なくとも1つの自由度のパーシャルレンジまたはフルレンジの被験体の動作を通じて、被験体の身体に、連続力、比例する力、または派生的な力を働かせるように構成される。
図63A−Cに関し本明細書に提供されるのは、第2の典型的な圧迫物品である。図63Aは、いくつかの実施形態に従った、典型的な第2の圧迫物品の正面図を示す。図63Bは、いくつかの実施形態に従った、典型的な第2の圧迫物品の側面図を示す。図63Cは、いくつかの実施形態に従った、典型的な第2の圧迫物品の背面図を示す。
図63A−Cに示されるように、第2の典型的な圧迫物品(6100)は、基層(6120)、および少なくとも1つの把持要素(図示せず)を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの把持要素は、2、3、4、5、6、7、8、9、10、またはより多くの把持要素を含む。
いくつかの実施形態では、把持要素は、肩把持要素、腕把持要素、前腕把持要素、胸部把持要素、肋骨把持要素、腿把持要素、脛把持要素、膝把持要素、カラー把持要素、殿部把持要素、臀部把持要素、頚部把持要素、手首把持要素、およびくるぶし把持要素の少なくとも1つを含む。
いくつかの実施形態において、把持要素は、被験体の身体と接触するように構成され、ここで把持要素は、体表面に対して第2の摩擦係数(μ2)を有し、第2の摩擦係数(μ2)は第1の摩擦係数(μ1)よりも大きい。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの把持要素は、着用者の体表面上に垂直力と接線力の少なくとも1つをかけるように構成される。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの把持要素は、着用者の肌にわたる物品の実質的な位置の変化を防ぐために、着用者の体表面上に垂直力と接線力の少なくとも1つをかけるように構成される。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの把持要素は、着用者の体表面上に接線力をかけるように構成された表面組織を含む。
把持要素は、被験体の身体に着用された時に、滑りまたは転移を防ぐために、物品の内面に牽引力を提供し得る。いくつかの実施形態において、把持要素は、基層の摩擦係数よりも比較的大きな皮膚との摩擦係数を有する物質で作られる。把持要素は、物品を着用している被験体の対応する組織を保護および/または支持するために、支持要素の最適な位置決めを保全する重要な機能を提供する(例えば頚部支持要素または頚部/脊柱支持デバイス)。例えば、被験体によって着用されている間に実質的に転移する物品は、頚部を保護する頚部支持要素が配列から転移し、もはや被験体の頚部付近にきっちりと配置されていないという事態をもたらし得る。したがって、頚部支持要素は、被験体の頭部への突然の衝撃または加速の場合等に外傷からの望ましい保護をもはや提供しない場合もある。したがって、把持要素は、快適なフィット以上のものを提供するが、実際に、支持要素の対応する機能を改善する重要な機構である。把持要素と支持要素のこの革新的な組み合わせは、被験体による着用時に支持および/または保護を提供するための優れた物品を生み出す。
本明細書に提供される他の態様は、被験体によって着用可能な物品を形成するための方法であって、該方法は:内部表面と外部表面を有する基層を提供する工程であって、ここで内部表面は、被験体の体表面に対する第1の摩擦係数(1)を有し、および基層は第1の弾性率(E1)を有する、工程;基層の内部表面に少なくとも1つの把持要素を連結する工程であって、ここで少なくとも1つの把持要素は、被験体の身体に接触するように構成され、および少なくとも1つの把持要素は、体表面に対する第2の摩擦係数(μ2)を有し、μ2はμ1より大きい、工程;基層に少なくとも1つの圧迫要素を連結する工程であって、ここで少なくとも1つの圧迫要素は、E1より大きい第2の弾性率(E2)を有する、工程;および、基層に、非ニュートン物質を含む少なくとも1つの支持要素を連結する工程、を含む。
いくつかの実施形態において、該方法は、圧迫要素または把持要素を基層に隣接して積層する、または印刷する工程をさらに含む。いくつかの実施形態において、印刷する工程は3次元印刷である。いくつかの実施形態では、支持要素、圧迫要素、および把持要素の少なくとも1つは、基層に取り外し不可能に取り付けられている。いくつかの実施形態では、支持要素、圧迫要素、および把持要素の少なくとも1つは、基層に取り外し可能に取り付けられている。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの支持要素は頚部支持体を含む。いくつかの実施形態において、頚部支持体は、着用者の頚部を解剖学的に補う準環状のカラー部材を含む。いくつかの実施形態において、頚部支持体は、着用者の頚部の後部と側部のまわりに配置されるエラストマー材料または力反応性ポリマーを含む。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの支持要素は、設定された線、アーチ、または平面に沿って屈曲する、または折り畳まれるように構成された少なくとも1つの溝を含む脊椎支持体を含む。
本明細書に提供される他の態様は、被験体の身体に物品(6100)を取り付けるための方法であって、該方法は:基層(6200)、少なくとも1つの把持要素(6300)、少なくとも1つの圧迫要素、および少なくとも1つの支持要素を含む物品を提供する工程;および被験体の身体に物品を取り付ける工程、を含む。いくつかの実施形態において、基層(6200)は内部表面と外部表面を有する。いくつかの実施形態において、内部表面は、被験体の体表面に対する第1の摩擦係数(μ1)を有する。いくつかの実施形態において、基層(6200)は第1の弾性率(E1)を有する。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの把持要素(6300)は、基層(6200)の内部表面に連結される。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの把持要素(6300)は、被験体の身体に接触するように構成される。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの把持要素(6300)は、体表面に対する第2の摩擦係数(μ2)を有している。いくつかの実施形態において、μ2はμ1より大きい。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの圧迫要素は基層(6200)に連結される。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの圧迫要素は、E1より大きい第2の弾性率(E2)を有する。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの支持要素は非ニュートン物質を含む。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの支持要素は基層(6200)に連結される。いくつかの実施形態において、内部表面と少なくとも1つの把持要素(6300)は、被験体の体表面と接触する。
いくつかの実施形態において、被験体の身体に取り付けられた時、少なくとも1つの把持要素(6300)は、物品が多くとも5センチメートル、4センチメートル、3センチメートル、2センチメートル、または1センチメートルまで摺動するように、被験体の体表面と接触する。いくつかの実施形態において、被験体の身体に取り付けられた時、少なくとも1つの把持要素(6300)は、物品が被験体の身体にある点のまわりを多くとも20°、15°、10°、5°、または1°まで摺動するように、被験体の体表面と接触する。いくつかの実施形態において、被験体の身体に取り付けられた時、少なくとも1つの把持要素(6300)は、物品が、第1の方向に把持要素(6300)の長さの多くとも約25%、20%、15%、10%、5%、または1%、第1の方向に摺動するように、被験体の体表面と接触する。いくつかの実施形態において、被験体の身体に取り付けられた時、少なくとも1つの支持要素は、応力除去、負荷転移、疲労軽減、またはそれらの任意の組み合わせを被験体に提供する。いくつかの実施形態において、被験体の身体に取り付けられた時、少なくとも1つの支持要素の非ニュートン物質は、以下を含む:動作が少なくとも1つの支持要素に第1の力(F1)をかける時、被験体による無制限の動作を可能にする第1の粘度(v1);および、動作が少なくとも1つの支持要素に第2の力(F2)をかける時、被験体による動作を制限する第2の粘度(v2)であって、ここでF2はF1より大きく、かつv2はv1より大きい。いくつかの実施形態において、被験体の身体に取り付けられた時、少なくとも1つの支持要素は、被験体の筋肉、関節、または骨の少なくとも1つの運動に対する抵抗を提供し、ここで抵抗は、運動の力が増すにつれて増加する。いくつかの実施形態において、被験体の身体に取り付けられた時、少なくとも1つの支持要素は、1つ以上の自由度で、動作のフルレンジまたはパーシャルレンジにわたって、被験体の筋肉、関節、または骨の少なくとも1つに力をかける。いくつかの実施形態において、被験体の身体に取り付けられた時、少なくとも1つの圧迫要素は、ストレスサポート、負荷転移、疲労軽減、またはそれらの任意の組み合わせを被験体に提供する。いくつかの実施形態において、被験体の身体に取り付けられた時、少なくとも1つの圧迫要素は、筋肉、骨、または関節の動作のフルレンジまたはパーシャルレンジにわたって、着用者の筋肉、骨、または関節に力をかけるように構成される。
図64A−Eに示されるのは、典型的な第3の圧迫物品である。図64Aは、いくつかの実施形態に従った、典型的な長袖の第3の圧迫物品の正面図を示す。図64Bは、いくつかの実施形態に従った、典型的なノースリーブの第3の圧迫物品の正面図を示す。図64Cは、いくつかの実施形態に従った、図64Aの典型的な第3の圧迫物品の詳細な正面図を示す。図64Dは、いくつかの実施形態に従った、図64Aの典型的な第3の圧迫物品の背面図を示す。図64Eは、いくつかの実施形態に従った、図64Aの典型的な第3の圧迫物品の断面側面図を示す。
図64A−Cにおいて、典型的な第3の圧迫物品(6400)は、基層(6420)、少なくとも1つの把持要素(6410)、および頚部支持体(6430)を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの把持要素(6400)は、2、3、4、5、6、7、8、9、または10、あるいはより多くの把持要素(6410)を含む。いくつかの実施形態において、把持要素(6410)は、肩把持要素、腕把持要素、前腕把持要素、胸部把持要素、肋骨把持要素、腿把持要素、脛把持要素、膝把持要素、カラー把持要素、殿部把持要素、臀部把持要素、頚部把持要素、手首把持要素、およびくるぶし把持要素の少なくとも1つを含む。
いくつかの実施形態において、把持要素(6410)は、被験体の身体と接触するように構成され、ここで把持要素は、体表面に対して第2の摩擦係数(μ2)を有し、第2の摩擦係数(μ2)は第1の摩擦係数(μ1)よりも大きい。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの把持要素(6410)は、着用者の体表面上に垂直力と接線力の少なくとも1つをかけるように構成される。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの把持要素(6410)は、着用者の肌にわたる物品の実質的な位置の変化を防ぐために、着用者の体表面上に垂直力と接線力の少なくとも1つをかけるように構成される。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの把持要素(6410)は、着用者の体表面上に接線力をかけるように構成された表面組織を含む。
図64Aで示されるように、第2の典型的な圧迫物品(6400)は、長袖の第2の圧迫物品(6400)を含んでもよい。いくつかの実施形態において、長袖の第2の圧迫物品(6400)は、ウィンタースポーツおよび/またはフルボディコンタクトスポーツでの使用のために構成される。代替的に、図64Aでは、第2の典型的な圧迫物品(6400)は、半袖の第2の圧迫物品(6400)を含んでもよい。いくつかの実施形態において、半袖の第2の圧迫物品(6400)は、サマースポーツおよび/またはセミコンタクトスポーツ(reduced−contact sport)での使用のために構成される。
図64A−Eに見られるように、頚部支持体(6430)は、被験体の頚部を支持するように構成される。いくつかの実施形態において、頚部支持体(6430)は、頚部の動作のフルレンジまたはパーシャルレンジにわたって、被験体の頚部との連続的な接触を維持するように構成される。いくつかの実施形態において、頚部支持体(6430)は、頚部の動作のフルレンジまたはパーシャルレンジにわたって、被験体の頚部に力をかけるように構成される。いくつかの実施形態において、頚部支持体(6430)は、被験体の脊椎に、連続力、比例する力、または派生的な力をかけるように構成される。いくつかの実施形態において、頚部支持体(6430)によって被験体にかけられる力は、被験体の頚部の直線位置または角位置、速度、および加速度の少なくとも1つに対応する。いくつかの実施形態において、頚部支持体(6430)は頚椎支持デバイスを含む。
いくつかの実施形態において、頚部支持体(6430)は、基層(6420)に恒久的に取り付けられる。いくつかの実施形態において、頚部支持体(6430)は、基層に隣接して積層され、または印刷される。いくつかの実施形態において、頚部支持体(6430)は、基層(6420)に取り外し可能に取り付けられる。いくつかの実施形態において、頚部支持体(6430)は、基層(6420)の内部表面に取り外し可能に取り付けられる。いくつかの実施形態において、頚部支持体(6430)は、基層(6420)の外部表面に取り付けられる。
いくつかの実施形態において、頚部支持体(6430)は、1つ以上の独立した部分を含み、ここで独立した部分の2つ以上は、恒久的に、または取り外し可能に連結される。いくつかの実施形態において、2つ以上の独立した部分は、互いに堅くまたは柔軟に連結される。
いくつかの実施形態において、頚部支持体(6430)は、径方向および線形方向の少なくとも1つにおいて均一な厚みを有する。いくつかの実施形態において、頚部支持体(6430)は不均一な厚みを有する。いくつかの実施形態において、頚部支持体(6430)は左右相称である。
図64Cに見られるように、頚部支持体(6430)は、1つ以上の溝(6431)を含んでもよい。いくつかの実施形態において、1つ以上の溝(6431)は、設定された線、アーチ、または平面に沿って屈曲し、または折り畳まれるように構成される。いくつかの実施形態において、1つ以上の溝(6431)は、1つ以上の方向への頚部の動作を妨げるように構成される。いくつかの実施形態において、溝(6431)の2つ以上は、等しいサイズまたは形状を有している。いくつかの実施形態において、溝(6431)の2つ以上は、等しくないサイズまたは形状を有している。いくつかの実施形態において、溝(6431)の少なくとも1つは、被験体の横断面とおおむね平行である。いくつかの実施形態において、溝(6431)の少なくとも1つは、被験体の頚部のまわりで放射状に伸びる。いくつかの実施形態において、溝(6431)の少なくとも1つは、被験体の頚部のまわりを放射状かつ正常に伸びる。いくつかの実施形態において、溝(6431)の少なくとも1つは、頚部支持体(6101)の端部で終端となる。いくつかの実施形態において、溝(6431)の少なくとも1つは、頚部支持体(6430)の端部と交差することなく終端となる。図61Eに見られるように、頚部支持体(6430)は4つの溝(6431)を含む。代替的に、いくつかの実施形態において、頚部支持体(6430)は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、またはより多くの溝(6431)を含む。
図64Cに見られるように、1つ以上の頚部圧迫要素(6441)(6442)を含んでもよい。いくつかの実施形態において、頚部圧迫要素(6441)(6442)は、頚部支持体(6430)、基層(6420)、またはそれら両方に恒久的に取り付けられている。いくつかの実施形態において、頚部圧迫要素(6441)(6442)は、頚部支持体(6430)、基層(6420)、またはそれら両方に取り外し可能に取り付けられている。いくつかの実施形態において、頚部圧迫要素(6441)(6442)は、ユーザーに対する頚部支持体(6430)のベースライン張力を調節するように構成される。図64Cにおいて、頚部圧迫要素(6441)(6442)は、2つの頚部圧迫要素(6441)(6442)を含む。代替的に、頚部圧迫要素(6441)(6442)は、3、4、5、6、7、8、9、または10、あるいはより多くの頚部圧迫要素(6441)(6442)を含む。図64Cにおいて、頚部圧迫要素(6441)(6442)は、面ファスナー等のファスナーを含む。代替的に、いくつかの実施形態において、頚部圧迫要素(6441)(6442)は、ストラップ、バックル、ジッパー、ボタン、フック、めど、レース、磁石、締め金、クリップ、ねじ、ボルト、ナット、タイ、またはそれらの任意の組み合わせを含む。
いくつかの実施形態において、図64Eでは、頚部支持体(6430)は、非ニュートンフォーム(6434)を取り囲む頚部支持体(6433)、および頚部支持体(6433)に取り付けられたライナー(6435)を含む。いくつかの実施形態において、頚部支持体(6433)は、積層ライクラで形成される。いくつかの実施形態において、頚部支持体(6433)は、非ニュートンフォーム(6434)とライナー(6435)に恒久的に取り付けられている。いくつかの実施形態において、頚部支持体(6433)は、非ニュートンフォーム(6434)とライナー(6435)に取り外し可能に取り付けられている。いくつかの実施形態において、ライナー(6435)はメッシュライナーを含む。
本開示のデバイス、物品、システム、および方法は、例えば引用によりその全体が本明細書に組み込まれるPCT/CA2016/051296に開示されるもの等の、他のデバイス、システム、または方法と組み合わせてもよく、またはそれらによって修正されてもよい。
<用語と定義>
他に特段の定義のない限り、本明細書で使用される技術用語はすべて、本発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書および添付の特許請求の範囲で使用されるように、単数形「a」「an」および「the」は、文脈が明確に規定しない限り複数の参照を含む。本明細書における「または」へのいかなる言及も、特に明記されていない限り「および/または」を包含するように意図される。別記されない限り、本明細書および特許請求の範囲で使用されるように、用語「約」および「ほぼ」は、実施形態に応じて、+/−1%、+/−2%、+/−3%、+/−4%、+/−5%、+/−6%、+/−7%、+/−8%、+/−9%、+/−10%、+/−11%、+/−12%、+/−14%、+/−15%、または+/−20%以下の変動を指す。
本明細書で使用されるように、用語「速度感度物質」は、適用された力に対するその抵抗が、力が適用させる速度に依存する物質、およびより具体的には、適用された力に対するその抵抗が、力の適用が速くなるにつれて増加する物質を指す。用語「速度感度物質」は、例えば粘弾性フォーム等の、「速度依存性」、「非ニュートン」、および/または「非線形特性」を有するとして記載される物質を含む。
本明細書で使用されるように、用語「解剖学的に相補的」は、身体領域を受け入れるのに適した、または身体領域上で受け入れられた構造または形状を指し、これは身体領域に係合し、かつ支持するために使用される。
本明細書で使用されるように、用語「摩擦」は、互いに対して摺動する物質または面の相対運動に抵抗する力を指す。摩擦は、乾燥摩擦、流体摩擦、円滑摩擦、表面摩擦、および内部摩擦のいずれかを指し得る。
本明細書で使用されるように、用語「摩擦係数」は、2つの物質または面と、それらを一緒にプレスする力との間の摩擦力間の比率を示す無次元のスカラー値を指す。例えば、低摩擦係数は、2つの面を一緒にプレスする力と比較した、2つの面の間の低量の摩擦を示す(例えばリノリウム面上の氷)。摩擦係数は静止摩擦または運動摩擦を指し得る。異なる物質は、共通の面または物質と比較したそれぞれの摩擦係数値に基づいて比較され得る。例えば、ポリエステル物質とシリコン物質は、被験体の皮膚に対するそれらの摩擦係数に基づいて比較され得る。
本明細書で使用されるように、用語「密な形態的係合」は、部分の造形を指し、ウェアラブル物品と身体領域との間の直接の身体的接触を必要としないが、むしろ身体領域からウェアラブル物品への力の効果的移動を可能にするのに十分な係合である。
本明細書で使用されるように、用語「解剖学的に非制限的」は、ウェアラブル物品が関連する身体領域上で密な組織分布的係合により固定された時、その身体領域が実質的に正常可動域で動くことをウェアラブル物品が可能にすることを意味する。
本明細書で使用されるように、用語「下」および「上」は、それらの解剖学的な意味で本明細書において使用され、「頭蓋側」(頭蓋の方へ)および尾側(臀部の方へ)とそれぞれ同義である。
本発明の好ましい実施形態が、本明細書に示され、記載されているが、このような実施形態がほんの一例として提供されていることは当業者に明白であろう。多数の変形、変更、および置き換えが、本発明から逸脱することなく、当業者によって想到されるだろう。本明細書に記載される本発明の実施形態の様々な代案が、本発明の実施において利用され得ることを理解されたい。ヒト脊柱支持デバイスが、ウェアラブル物品および本開示の原理に従って構成された物品の例として記載され、例示されたが、これらの原理は脊柱支持デバイスに限定されず、かつウェアラブル物品および物品が、本請求の範囲から逸脱することなく他の身体領域および/または他の被験体に適合され得ることを理解されたい。