JP2020516393A - 光線力学療法及び診断のための調節可能な照射装置及び方法 - Google Patents

光線力学療法及び診断のための調節可能な照射装置及び方法 Download PDF

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Abstract

表面を光線力学的に診断又は治療するための照射装置は、複数のパネルを含む。照射装置は、それぞれが複数のパネルのうちの1枚に取り付けられ複数の光源を更に含む。複数の光源は、略均一強度の可視光を表面に照射するように構成される。また、照射装置は、患者に対して熱を放射するように構成された熱源を含む。熱が光活性化剤の形成を促進することにより、光線力学療法を完了するまでに必要な時間が短縮される。【選択図】図9A

Description

〔関連出願の相互参照〕
本願は、2017年4月14日出願の米国特許出願第15/487,991号に基づく優先権主張の利益を請求し、参照により全ての内容を包含するものである。
本開示は、概して、多様な構造において、均一な分布の可視光を提供し、光線力学療法及び診断における使用に適した、調節可能な照射装置及び調節可能な照射装置の操作を含む複数の方法に関する。
光線力学療法(PDT)、光線力学診断(PD)、又は光化学療法は、一般に、皮膚又は体腔内などの他の組織、又はその近傍の様々な疾病を治療及び/又は診断するために使用される。例えば、PDT又はPDは、患者の頭皮又は顔面領域の光線角化症の治療又は診断に使用することができる。また、PDT又はPDは、他の適応症(例えば、ニキビ、いぼ、乾癬、光損傷皮膚、癌)、及び患者の他の部位(例えば、腕や脚)の治療及び診断に使用してもよい。
PDT又はPDの一形態では、最初に、患者に対して、治療又は診断すべき組織内に蓄積する光活性化剤又は光活性化剤の前駆体を投与する。光活性化剤や前駆体は、例えば、皮膚疾患を治療するために投与してもよい。次に、光活性化剤が投与されている部位を可視光に露光し、それによって光活性化剤に化学変化及び/又は生物学的変化が引き起こされる。これらの変化により、薬剤が標的組織を選択的に配置、破壊又は変性させると同時に、治療部位内の他の組織の損傷を軽度かつ可逆的なものにとどめることができる。光活性化剤の前駆体の一例は、5−アミノレブリン酸(「ALA」)であり、光線角化症のPDTにおいて一般的に使用されている。本明細書で使用されるとき、ALA又は5−アミノレブリン酸という用語は、ALA自体、その前駆体、及びそれらの薬学的に許容される塩を指す。
効果的な治療のためには、強度及び色が均一の出力であることが望ましい。PDT及びPDに関連する技術、方法、組成物及び装置に関し、それらの全体が参照により包含される、米国特許第8,758,418号、第8,216,289号、第8,030,836号、第7,723,910号、第7,190,109号、第6,709,446号及び第6,223,071号に開示される照射装置(照明器、イルミネータ)は、治療目的として光の適切な均一性を提供するために典型的に使用される。一般に、これらの装置は、光源(例えば、蛍光管)と、発光が使用可能な形状で所期の標的に到達するように配向、フィルタリング又は導光するカップリング素子と、必要に応じて光の生成を開始及び停止させる制御システムとを含む。
PDTは様々な治療部位の治療に使用できるので、一部の照射装置では、所期の標的部位に光を放射する光源をそれぞれ備える2枚又はそれ以上のパネルを用いている。これらのパネルは、互いに回動可能に連結されている。複数の回動可能なパネルを有することにより、光が照射される範囲全体の寸法と形状を所期の治療部位に応じて変えることができる。
従来の調節可能な照射装置では、複数のパネルは幅及び長さが同一で、通常、同一の電力レベルで駆動される。また、複数のパネルは端部でヒンジによって連結され、所望の形状となるように回動可能に構成される。しかし、複数のパネルの端部と複数のヒンジがあることにより、1つのパネルの光源(1つ又は複数)は、隣接するパネルの光源(1つ又は複数)の直接隣に位置することができない。その結果、複数の光源間の「隙間」からは光が出射されない。複数のパネルに均一な電力を供給する際に、かかる領域から光が出射されないので、治療標的部位の特定の部分に光学的「デッドスペース」が発生する可能性がある。そのため、これらの部分が受光する光の全体量が少なくなり、その結果、治療線量が低くなる。場合によっては、最適量の光を受光する部位に比べて、治療線量が5分の1に下がることもある。
一般に、これらの従来の照射装置はニキビの光線療法に使用され、その場合、効果的な治療に光活性化剤の投与を通常必要としない。したがって、光のみの照射で概して十分な治療となる。また、疾患を効果的に治療するために複数回の治療セッションが利用できるので、治療を施す際に標的部位全体に照射される光の均一性について、関心が低い場合もある。しかしながら、光線角化症を治療するためにALAを使用するなどの、PDTを伴うある種の治療では、効果を得るために特定かつ高い均一性を備えた強度及び色の光が必要となる。これらの例では、PDTの成功は、標的細胞で所望の光化学反応を生じさせるための適正量の光活性化剤及び適正量(すなわち、出力及び波長)の光の両方の標的化導入(targeted delivery)に依存している。よって、これを達成するには、光源は標的部位に光を照射しなければならず、この光照射の波長及び出力の両方が均一でなければならない。従来の調節可能な照射装置では、ヒンジ又はその近傍で発生しうる光学的デッドスペースが、治療部位に沿った光の均一性を低下させるので、特定の治療におけるPDTの効果を低下させていた。更に、これらの照射装置は、また、患者の顔や頭皮など、患者の体の表面の限られた部分のみの治療を行うように、限られた範囲内で調整されるように構成されている。また、患者の体の外形は多様であるため、これらの従来の照射装置によって送られる光の均一性は、患者の治療部位によって大きく異なることもある。
従って、本発明のいくつかの実施の形態は、多様な標的部位のPDT及び/又はPD用に設計された調節可能な照射装置において、これらのデッドスペースを低減又は除去し、より均一な光分布とすることを目的とする。さらに、本開示のいくつかの実施の形態は、患者の顔と頭皮の他にも、患者の四肢(例えば、腕や脚)や胴体などの患者の体の多様な部位全体に均一な光を効果的に送ることができる無限調節可能な照射装置を提供することを目的とする。よって、患者の体の外形や位置にかかわらず、均一な光を治療標的部位に送ることができる。
本開示の一実施の形態は、複数のパネルを含み、少なくとも1つのパネルの幅は他のパネルと異なる。このパネルは、他の2つのパネルの間に配置され、パネルが特定の形状に曲げられた際に、光学的デッドスペースを減少又は除去するのに十分な「フィルインライト(補助光)」を発する「点灯するヒンジ」として機能する。好ましくは、治療可能範囲の総面積を最適に増加するために合計5枚のパネルを設けてもよい。パネルのうちの2枚は、他の3枚のより大きなパネルよりも小さな幅であることが好ましい。パネルは、幅の小さなパネルのそれぞれが、3枚の大きなパネルのうちの2枚の間に位置するように、交互に配置され、これにより、調節可能になると共に均一性を高めている。また、光学的デッドスペースを更に減少又は除去するために、パネル同士を入れ子状ヒンジ(nested hinge)により連結して、照射装置で光源がない領域を減少させることが好ましい。光学的デッドスペースを更に減少又は除去するために、各パネルの複数の光源は、低下した均一性を補償するために、複数のパネルの複数の光源の特定の範囲に特定の電力を供給するように個別に構成可能であることが好ましい。例えば、発光ダイオード(LED)アレイのそれぞれのダイオードに出力される電力は、個別に調整してもよい。
本開示の一実施の形態は、複数のパネルと、それぞれが複数のパネルのうちの1枚に取り付けられ、略均一強度の可視光を表面に照射するように構成された複数の光源と、複数のパネルのうち外側に位置するパネルの間の患者に向かって熱を放射するように構成された熱源とを備える、表面を光線力学的に診断又は治療するための照射装置に関する。
本開示の別の実施の形態は、第1の時間中に患者の皮膚に熱を加えるように熱源を制御することと、複数のパネルを有し、複数のパネルのうち少なくとも1枚に少なくとも1つの光源が設けられた、皮膚疾患を治療するための照射装置により、第1の時間の後の第2の時間中に患者に光を照射することとを含む、患者に対して光線力学的診断又は治療を行う方法に関する。
本開示の更なる実施の形態は、複数の光源を有する照射装置により患者に光を照射し、光の照射中に、熱源から熱を放射して患者の皮膚を加温することを含み、複数の光源からの光の照射を、熱源から患者への熱の放射とほぼ同時に開始することを特徴とする、患者に対して光線力学的診断又は治療を行う方法に関する。
本開示の更なる実施の形態は、複数のパネルと、それぞれが複数のパネルのうちの1枚に取り付けられ、表面に可視光を照射するように構成された複数の光源と、複数のパネルのうち少なくとも1枚の配向を検出するように構成された少なくとも1つのセンサとを備える、表面を光線力学的に診断又は治療するための照射装置を含むシステムに関する。
本開示の特徴、態様及び利点は、下記の記載と、以下に容易に説明する添付の図面に示される例示的な実施の形態から明らかになるであろう。
図1A及び図1Bは、例示的な一実施の形態に係る照射装置の本体を示す上面図である。 図2A及び図2Bは、図1A及び図1Bの照射装置の本体を示す斜視図である。 図3Aは、図1A及び図1Bの照射装置の本体の入れ子状ヒンジを示す詳細図である。 図3Bは、図1A及び図1Bの照射装置の本体の入れ子状ヒンジを示す詳細図である。 図4は、図1A及び図1Bの本体がスタンドに取り付けられた状態の照射装置を示す斜視図である。 図5は、図1A及び図1Bの照射装置の本体に取り付けられたLEDのアドレッサブル・構成を示す概略図である。 図6は、図1A及び図1Bの照射装置の本体のそれぞれのパネルの幅と長さを示す概略図である。 図7は、従来のパネル型照射装置による治療部位全体の光線量を示すグラフである。 図8は、一実施の形態に係る照射装置を用いて図7と同じ部位を治療した場合の治療箇所全体の光線量を示すグラフである。 図9Aは、一実施の形態に係る照射装置を示す。 図9Bは、一実施の形態に係る照射装置を示す。 図9Cは、一実施の形態に係る照射装置を示す。 図9Dは、熱が対照体積(control volume)、例えば、立方体積(cubic volume)に放射される実施の形態に係る照射装置を示す。 図9Eは、一実施の形態に係る対照体積を示す。 図9Fは、一実施の形態に係る構成を示す斜視図である。 図10は、複数のノード(結節点)が設定された立方体積を示す。 図11A及び図11Bは、一実施の形態に係る温度データを示す。 図12A及び図12Bは、光を当てない場合の温度データを示す。 図12Cは、光を当てない場合の温度データを示す。 図12Dは、光を当てない場合の温度データを示す。 図13A及び図13Bは、熱を加えない場合の温度データを示す。 図13Cは、熱を加えない場合の温度データを示す。 図13Dは、熱を加えない場合の温度データを示す。 図14A及び図14Bは、一実施の形態に係るノードベースの温度データを示す。 図14Cは、一実施の形態に係るノードベースの温度データを示す。 図14Dは、一実施の形態に係るノードベースの温度データを示す。
様々な実施の形態が以下に記載される。特定の実施の形態は、網羅的な説明として、又は、本明細書で論じられたより広い態様に対する限定として意図されていないことに留意されたい。特定の実施の形態に関連して説明された一態様は、必ずしもその実施の形態に限定されず、1つ又は複数の他の実施の形態とともに実施され得る。
当業者には理解されるように、特に書面による説明を提供することに関して、ありとあらゆる目的のために、本明細書に開示されているすべての範囲はまた、ありとあらゆる可能な部分範囲およびそれらの部分範囲の組み合わせも包含する。列挙された範囲はいずれも、少なくとも半分、3分の1、4分の1、5分の1、10分の1等に分割される同範囲を十分に記述し可能にするものとして容易に認識され得る。非限定的な例として、本明細書で論じられる各範囲は、下3分の1、中3分の1および上3分の1などに容易に細分することができる。また、当業者には理解されるように、「〜まで」、「少なくとも」、「より大きい」、「未満」などのようなすべての用語は、列挙された数字を含み、上記のように後に部分的な範囲に分割することができる範囲を指す。最後に、当業者には理解されるように、範囲は各個々の要素を含む。
特記しない限り、明細書および特許請求の範囲で使用される特性、パラメータ、条件などの量を表すすべての数字は、すべての場合において用語「約」によって修飾されていると理解されるべきである。したがって、そうでないと示さない限り、以下の明細書および添付の特許請求の範囲に記載の数値パラメータは近似値である。任意の数値パラメータは、報告された有効桁数を考慮して、通常の丸め手法を適用することによって少なくとも解釈されるべきである。「約」という用語は、数値指定、例えば範囲を含む温度、時間、量、および濃度の前に使用される場合、(+)または(−)10%、5%または1%変動し得る近似値を示す。
図1A及び図1B、図2A及び図2Bは、本開示に係る構成可能な照射装置(照明器、イルミネータ)の実施の形態を示す。照射装置の本体100は、好ましくは5枚の個別のパネル10a〜10eを有し、各パネルが入れ子状ヒンジ50を介して、回動可能に接続される。各パネルは発光ダイオード(LED)アレイ60を含み、アレイはパネルの表面全体に等間隔のパターンで構成してもよい。任意のアレイに配列される個別のLEDの数は、特に限定されない。あるいは、蛍光灯やハロゲンランプなどの他の種類の光源を使用してもよい。
好ましくは、各LEDアレイ60は、可能な限り複数の端部まで延在する。さらに、LEDアレイ60は、女性被験者に対応するサイズの5パーセンタイルから男性被験者に対応するサイズの95パーセンタイルまでの範囲に基づき、任意の治療部位に対して全体照射領域を提供する寸法を備えることが好ましい。複数のLEDアレイ60は、所期の治療に適切な波長、あるいは、治療又は診断に使用される特定の光活性化剤を活性化するために適切な波長の光を発する。例えば、ALAが光線角化症治療の光活性化剤の前駆体として使用される場合、複数のLEDアレイ60は、400ナノメートル(nm)以上の波長、例えば、約430nmや約420nm、一例として、417nmの青色光を発することが好ましい。しかし、LEDアレイ60は、400から700nmの間の緑及び/又は赤領域、例えば、約625nm〜640nm、又は、一例として、635nmなど、他のスペクトル領域の可視光を発してもよい。また、例えば、LEDアレイ60は、波長が510nm、540nm、575nm、630nm又は635nmの光を発してもよい。また、複数のLEDアレイ60は、連続的に発光するように構成されてもよく、あるいは、複数のLEDアレイ60は、所定の間隔でダイオードがオン・オフ発光するように構成されてもよい。更に、LEDアレイ60は、1つの波長の光(例えば、青)のみが発せられるように構成されてもよい。あるいは、複数のLEDアレイ60は、2つ又はそれ以上の波長の光がアレイから発光するように構成されてもよい。例えば、複数のLEDアレイ60は、治療を目的として青色光と赤色光を交互に発光するように構成されてもよい。
図1A及び図1B、図2A及び図2Bに示すように、5枚のパネル10a〜10eは、互いに異なる幅を有する。具体的には、特定の実施の形態では、3枚のパネル10a、10c、10eの幅が広く、2枚のパネル10b、10dの幅が狭く、小さくなるように構成されており、狭く構成された2枚のパネル10b、10dの幅はそれぞれ、広く構成された3枚のパネル10a、10c、10eの幅より小さい。いくつかの実施の形態では、広く構成された3枚のパネル10a、10c、10eの幅は、ほぼ等しい。他の実施の形態では、広く構成された3枚のパネル10a、10c、10eの幅は、互いに異なる。また、狭く構成された2枚のパネル10b、10dの幅は、ほぼ等しくても、互いに異なっていてもよい。更に、パネルは、幅狭パネル(例えば、10b)が幅広2枚のパネル(例えば10a、10c)の間に位置する交互配置となっている。図6に示すように、いくつかの実施の形態では、幅狭パネル10b、10dは、幅広パネル10a、10c、10eの幅よりも約30%〜60%小さい幅を有して構成される。他の実施の形態では、幅狭パネル10b、10dは、幅広パネル10a、10c、10eの幅よりも約30%〜50%小さい幅を有して構成される。
図1A及び図1B、図2A及び図2Bに示すように、パネル10a〜10eは、ヒンジ50により回動可能に接続される。ヒンジ50は、光学的デッドスペースを大幅に減少又は除去するヒンジを含む、入れ子状ヒンジの形態であってもよい。図2A及び図2Bに示すように、パネルの少なくとも一方の側において、タブ23がパネルの上部と下部の両方から延出してもよい。図2Aに示すように、複数のタブ23は、隣接するパネルの一側面が複数のタブ23の間に収容されるように構成される。よって、図2A、図2B及び図6に示すように、隣接するパネル(例えば、パネル10a)の高さは、これを収容するタブ付きパネル(例えば、パネル10b)の高さよりもわずかに低い。図6に示すように、中央のパネル(即ち、パネル10c)は、両側にタブを備え、各側で隣接するパネルの側面を収容することができるように、高さが最大となるように構成されることが好ましい。図1A及び図1Bに示すように、各タブ23は、隣接するパネル同士を接続するためのボルトを挿入する開口部を更に含む。
パネル10a〜10eは、パネル10a〜10eのカバー面積又は範囲の合計が拡大するように側方に位置するパネルが移動可能な配置としてもよく、また、患者の胸部や腹部などの部位まで延伸するように構成されてもよい。少なくとも1つの実施の形態では、少なくとも1枚が平坦な又は折り畳んだ(例えば、曲げた又は角度がある)配置となるように、パネル10a〜10eの少なくとも1枚を配置してもよい。パネルは、連続的に形状が変化するように移動されてもよい。少なくとも1つの実施の形態では、1枚以上のパネルに1つ又は複数の戻り止め機構が設けられており、1枚以上のパネルを所望の位置に保持する。患者の治療中にパネルが特定の位置に維持される、治療用の複数の異なるパネル構成を実現するために、戻り止め機構によってパネルの動きを抑制するように、1つ又は複数の戻り止め機構が1枚以上のパネルに設けられてもよい。パネルは、照射装置が1又は複数の特定の形状となるように互いに相対的に配置されてもよい。少なくとも1つの実施の形態では、照射装置が、例えば、曲線状の、平坦な、又は、折り畳んだ形状のうちの少なくとも1つとなるように、パネルを互いに相対的に配置してもよい。
図3A及び図3Bに更に詳細に示すように、入れ子状ヒンジ50が複数のタブ23の間に設けられ、複数の隣接するパネル(例えば、10a、10b)の内側側面に取り付けられていることにより、複数のパネルは回動可能である。ヒンジ50のフランジ51は、複数のボルト53を介してパネルの内側側面に取り付けられる。パネルの内側側面は、フランジ51が配置される凹部を含んでもよい。また、パネルの内側側面は、ヒンジ50の接合部がパネルの外表面と略面一となるように、ヒンジ50の接合部を収容する更なる凹部を含んでもよい。かかる構成により、互いに隣接するパネルの外側の垂直端部同士を互いに近づけて配置することができる。互いに隣接するパネルの垂直端部同士の間隔を近づけることにより、光学的デッドスペースを更に減少又は除去することができる。また、複数のヒンジ50と共に複数のタブ23を設けることにより、システムに存在する複数のピンチポイント(pinch points)の数を減少させることができる。
図1A及び図1Bに示すように、照射装置の本体100は、装着ヘッド40を含んでもよい。装着ヘッド40を有することにより、本体100を図4に示される可動スタンド80に取り付けることができるので、使用者は本体100を適切な治療位置まで容易に移動できる。スタンド80は、基部81と垂直支柱82とを含む。基部81は、使用者が照射装置を適切な位置まで水平移動できるように、底部に複数の車輪87を更に含んでもよい。一旦適切に位置決めされたスタンド80が更に水平移動しないように、複数の車輪87は複数のロックを含んでもよい。また、垂直支柱82は、枢支点83で基部81に取り付けられてもよい。枢支点83により垂直支柱82が回動可能となり、照射装置の位置調整範囲を広げることができる。垂直支柱82はその上端に、本体100の取り付け構造として機能することができる接続アーム85を含む。接続アーム85は、本体100がスタンド80に対して垂直に移動できるように、ヒンジ点86を含む。また、垂直支柱82は、使用者が垂直支柱82の高さを変更できるように、伸縮構造体として構成されてもよい。これにより、本体100の垂直方向の移動範囲が広がり、使用者は、患者の脚や足などの低い位置にある治療部位に本体100を配置することができる。スタンド80は、安定化アーム84を含んでもよい。スタンド80と本体100を配置した後、安定化アーム84を本体100に取り付けて、治療中の本体100の望ましくない動きを防ぐことができる。さらに、図4に示すように、本体100に電力を供給し、使用者が治療目的で本体100を制御できるように、制御装置及び電源90がスタンド80に取り付けられている。あるいは、制御装置及び電源90は、本体100に直接取り付けられてもよい。LEDアレイ60用冷却システムとして、図4に示すように、1つ又は複数のファン70を各パネルに取り付けてもよい。
また、複数の光が所期の治療に必要な均一性と強度を実現するように、供給電力を調整するために、少なくとも1つの制御装置(制御ユニットとも称する)がパネルに接続される。また、少なくとも1つの実施の形態では、制御装置は、後により詳細に述べる、熱源160の出力を制御してもよい。少なくとも1つの実施の形態では、少なくとも1つの動的プロセスを制御し、例えば、1つ又は複数の光源、1つ又は複数の熱源、及び/又は、1つ又は複数の空気源(ファンなど)の出力を任意の組み合わせで制御する、複数の制御装置が設けられてもよい。例えば、複数のLEDアレイ60出力と熱源160の出力をそれぞれ制御するために、複数の制御装置を別個に又は一体化して設けてもよい。少なくとも1つの実施の形態では、一例として、第1の制御装置が光源と熱源の両方を制御し、第2の制御装置が空気源を制御してもよい。
制御装置は、ハードウェア、ソフトウェア、又は、その組み合わせ、例えば、コンピュータプログラムを格納する記憶装置とそのプログラムを実行するプロセッサの組み合わせなどとして実現されてもよい。あるいは、各パネルに専用の制御装置を設け、任意のパネルの1つのLEDアレイに供給する電力を調整して、照射装置により特定した較正を行うことで、均一性及び効率を更に高めてもよい。例えば、ランベルトの余弦則によれば、「ランベルト」面(皮膚など)の任意の一点における光強度は、入射光と面の法線との間の角度の余弦と正比例する。よって、曲面(例えば、患者の頭部)の正面に向けられた光線は、その領域に略垂直に到達するため、吸光度は100%となる。しかし、曲面の側端に届く光線は、略平行に到達する。ランベルトの余弦則によれば、側端では光の強度と吸収がゼロに近似するため、その部位の治療には効果がないものとなる。このように、露光線量の「落ち込み(fall off)」は、曲面の端部で発生する傾向がある。また、光源と面上の点の間の距離が長くなるほど、「落ち込み」が大きくなる。
曲面に適合する照射装置の形状(例えば、表面のカーブを「包み込む」ように設計されたU字型形状)は、この効果の軽減に役立つと共に、全体の均一性を高めている。しかし、均一性を十分に高めるには、治療対象の身体部分が完全に包囲され、治療部位の任意の標的位置にあらゆる角度から光があたるように、光源が治療標的部位より大きくなければならない。照射装置を実用的サイズに保ちつつ、治療部位の露光の均一性を高めるために、特定のダイオードが放射する光の強度が高くして落ち込み現象を補償するように、複数のLEDアレイ60を個別に構成してもよい。
個別に構成できる複数のLEDアレイ60の例を図5に示す。ここで、複数のLEDアレイ60は、3つの領域に分割され、これは「アドレッサブル・ストリング(addressable strings)」(複数のLEDを紐状に連結したもので、各LEDは個別制御可能)であってもよい。領域1、3及び5は、アドレッサブル・ストリング構成に対応し、これは幅広パネル10a、10c及び10eに含ませてもよい。一方、領域2、4及び6は、アドレッサブル・ストリング構成に対応し、これは幅狭パネル10b及び10dに含ませてもよい。各領域への電流は、各領域から放射する光の強度を調節するために調整される。例えば、領域3及び4に供給される電流よりも高い電流を領域1及び2に供給し、領域3及び4よりも高い強度で領域1及び2が発光するようにしてもよい。同様に、領域5及び6に供給される電流よりも高い電流を領域3及び4に供給してもよい。このようにすることで、端部から放射する光の強度が全体的に高くなり、落ち込み現象を軽減することができる。あるいは、任意のLEDアレイ60に含まれる各ダイオードを個別に調整するように照射装置を構成して、更に大きな較正効果が得られる(すなわち、微調整が可能となる)ようにしてもよい。
更に、治療する表面の曲率を検出する予めプログラムされた複数の設定又は複数のセンサを使用し、より強い光を必要な領域にのみ放射するように複数のLEDアレイ60を個別に構成してもよい。また、予めプログラムされた複数のセンサを、1又はそれ以上のパネルの配向(例えば、パネルが湾曲しているか、折り畳まれて平坦か)を検出するために使用してもよく、また、より強い又は弱い光を必要な領域に放射するように複数のLEDアレイ60を構成するために使用してもよい。具体的には、少なくとも1つの実施の形態では、少なくとも1つのセンサが少なくとも1つのパネルの配向を検出し、検出情報(検出結果)を制御装置に提供する。複数のセンサは、パネルの一箇所又はそれ以上に設けられた1つ又は複数のエンコーダ、例えば、1つ又は複数の角度エンコーダを含んでもよい。少なくとも1つの実施の形態では、少なくとも1つのセンサは、少なくとも1枚のパネルの位置を検知するように構成されたマイクロスイッチである。いくつかの実施の形態では、複数のセンサとして、エンコーダ、マイクロスイッチ、又は、その組み合わせを含んでもよい。センサは、制御装置と通信し、パネルの配向に関する情報、例えば、パネルが配置された角度を制御装置に提供するように構成される。そして、制御装置が、検出結果に応じて光の強度を制御する。少なくとも1つの実施の形態では、照射装置の形状が、事前設定された複数の構造のうちの1つであるか否かを制御装置が決定できるように、複数のセンサから制御装置に情報が提供される。例えば、制御装置は、1つ又は複数の事前設定された構造(例えば、湾曲状の照射装置、平坦な照射装置など)に関する情報をメモリに格納してもよい。
複数のセンサから送信された情報を制御装置が受信すると、制御装置は、検知情報と事前設定された構造を比較し、検知情報と1つ又は複数の事前設定された構造との合致を決定してもよい。更に、制御装置は、検知情報が1つ又は複数の事前設定された構造と合致すると決定された場合に実行される、強度を変更するためのプロトコルを格納してもよい。例えば、照射装置が湾曲状の照射装置であると検出された場合、制御装置は、湾曲状の照射装置用に事前設定されたプロトコルと相互に関連付けられた光強度出力を実行する。制御装置は、現在の強度と特定の構造に関連付けられた強度を更に比較し、強度を調整すべきか否かを決定してもよい。これにより、必要に応じて特定のダイオードのみで出力及び/又は光強度が増加され、露光の均一性が効率的に高められる。少なくとも1つの実施の形態では、例えば、タッチスクリーンで複数の構造を臨床医又は診療医に呈示し、臨床環境における照射装置の物理的配置に対応する事前設定された構造を選択できるようにしてもよい。
また、LEDアレイ60の複数のアドレッサブル・ストリングは、特定の領域に取り付けられる個別のダイオードを様々な数で含んでもよい。例えば、幅広パネル10a、10c及び10eの場合、各領域1に12個のダイオードを取り付け、各領域3に9個のダイオードを取り付け、領域5に41個のダイオードを取り付けて、幅広パネル10a、10c及び10eのそれぞれが合計83個の個別のダイオードを含むようにしてもよい。幅狭パネル10b及び10dの場合、各領域2に8個のダイオードを取り付け、各領域4に9個のダイオードを取り付け、領域6に23個のダイオードを取り付けて、幅狭パネル10b及び10dのそれぞれが合計57個の個別のダイオードを含むようにしてもよい。しかし、各LEDアレイ60に含まれるダイオードの数及び配置は特に限定されない。例えば、幅広パネル10a、10c及び10eは、それぞれが合計約80個〜約350個の範囲でダイオードを含んでもよい。同様に、幅狭パネル10b及び10dは、それぞれが合計約50個〜約250個の範囲でダイオードを含んでもよい。LEDアレイ60のアドレッサブル・ストリングのそれぞれにおけるダイオードの配置を変えることにより、任意のアレイから放射される光の出力及び/又は強度をより適切に制御して微調整してもよい。
また、複数のLEDアレイ60に供給される電力を個別に調整することにより、調整しない場合に複数のヒンジ点で発生する可能性がある光学的デッドスペースを減少又は除去することに寄与することもできる。具体的には、入れ子状ヒンジに最も近接するアレイの端部近傍で、出力及び/又は発光強度を増加させ、パネル同士の接触点から放射される光の不足を補償してもよい。また、幅狭パネル10b、10dは、フィルインライトを追加するために、幅広パネル10a、10c、10eよりも高い電力レベル及び/又は高い発光強度で作動されることが好ましい。更に、個別の電力調整を、それぞれのダイオードにおける製造誤差を補償するのに役立ててもよい。最後に、各アレイは特定用途の照明ニーズに対応して個別に構成可能であるので、各アレイ60を微調整することにより、他の用途での使用に際しても容易にパネルを配置することができる。
照射装置は、特定の治療において適切な露光時間の長さを使用者に示すことができるタイマを更に含んでもよい。また、使用者が希望の治療の種類を選択できるように、事前に格納された光線量パラメータで照射装置をプログラムしてもよい。事前に格納されたパラメータとしては、例えば、事前に格納された露光時間、光強度及び出力波長に関する設定が含まれてもよい。選択した治療に基づき、適切な電力が供給されて正確な光線量となり、治療に要求される均一性が得られるように、照射装置が自動的に構成される。あるいは、照射装置には、照射装置の正面に位置する治療部位のサイズを検出するセンサを備えることができる。そして、これらのセンサは、検知された治療部位に基づき正確な光線量パラメータを決定する。また、照射装置はアクチュエータを更に含んでもよく、選択された治療に応じて自動的に移動するようにプログラムされてもよい。治療が選択された後、使用者がシステムを手で移動することなく、アクチュエータによって照射装置が自動的に適切な構造に配置されてもよい。また、センサは、使用者が手動で設定した照射装置の調整位置を検出してもよい。その後、検出された照射装置の位置を、所期の治療部位を示すために用いてもよい。そして、特定の治療部位に関する正確な光線量パラメータが、使用者により設定された検出位置に基づいて提供されてもよい。
本開示の照射装置では、治療標的部位に適合させることができる構造は無限にある。これらの構造は、平板状エミッタ(図1B及び図2Bに示す)から略U字構造(図1A及び図2Aに示す)まで様々である。また、調節可能な照射装置は、両端部の2枚のパネル10a、10eを3枚の中間のパネル10b、10c、10dに対して後ろ側に引いて、これらの中間のパネルによって、より小さなU字型構造を形成するように構成されてもよい。このように、調節可能な照射装置では、患者の体の他の部位を追加で治療できる。すなわち、調節可能な照射装置は、顔や頭皮などの従来対象とされた表面に対して均一強度の光を効果的に送ることができるだけでなく、患者の体の他の部分、特に、腕や脚などの曲面が小さい部分を治療するための装置としても容易に構成できる。更に、調節可能な照射装置は、背中や胸部などのより大きな治療部位に対して均一強度の光を送る位置に容易に配置することもできる。
上述したように、幅狭パネル10b、10dは、これらのパネルが「点灯するヒンジ」として機能するような寸法とされている。よって、幅広パネル10a、10c、10eを所望の形状とした際に、従来「屈曲」は略ヒンジ自体で生じていたが、この照射装置では、幅狭パネル10b、10dにおいて「屈曲」する。このように、従来の照射装置における点灯しない「屈曲」部に代えて、本照射装置では、光も放射するように構成された「屈曲」部を備えており、これによって、必要なフィルインライトを提供するために各パネルの光源間で電力供給量に大きな差を必要とすることなく、光学的デッドスペースを減少させることができる。この構成の効果は、図7と図8の比較により最もよく理解できる。図7は、従来の照射装置による光の均一性を示し、これは、上述した光の入射に対する患者の皮膚の反応を模倣する余弦感応検出器を用いて、2インチの距離で測定したものである。J/cmの単位で表される総光線量を、放射照度(W/cm)に基づき、経時的に(秒単位で)測定した。図示される治療標的部位は患者の頭部であり、高さをy軸、放射面の中心からの回動角度をx軸として示す。図7から理解できるように、患者の鼻近傍である顔の中心(例えば、領域A)で、光線量が約10J/cmと高くなっている。この箇所で、患者は最中央のパネルに最も近接し、かつ、略垂直に対向する。総光線量は、顔の中心から遠ざかるにつれて低下し、余弦の「落ち込み」現象と光学的デッドスペースがより多く見られるようになる。例えば、光線量は、患者の頬領域(例えば、領域B)で約20%低減し、耳や額などの患者の顔の外側の境界部(例えば、領域E)に向かって約80%まで低減する。よって、図7に示すように、同一出力レベルで動作する同一サイズのパネルを用いた従来の調節可能な照射装置では、光の均一性が異なる照射野が生じるため、特に高い光均一性を必要とする治療においては望ましくなく、効果もない。
上述の特定の実施の形態は複数のパネルを含む照射装置に関するものであるが、他の実施の形態は、個別の直線的パネルを持たないアーチ状の照射装置を含んでもよい。例えば、少なくとも1つの実施の形態では、照射装置は少なくとも1つの湾曲部材で構成されてもよい。更に、アーチ状照射装置は、複数の略湾曲部が、これらの間に設けられた略平坦部から延伸するように構成されてもよい。照射装置によって患者の頭部が少なくとも三方から包囲されるように、患者の顔を略平坦部に対向するように配置してもよい。例えば、患者の顔が照射装置の第1の部分と対向し、患者の頭部の左側部及び右側部がそれぞれ第2及び第3の部分に対向してもよい。
一方、図8は、本開示の実施の形態によって生じる光の均一性を示している。治療標的部位は、図7で測定された部位と同一である。しかし、図7と比較して、この照射装置により生じる光の出力の均一性は、患者の顔全体で顕著に高くなり、患者の顔の中心で測定される光出力から患者の顔の端で測定される光出力まで、略又は全くばらつきがない。例えば、図8に示すように、顔の中心(例えば、患者の鼻)、患者の頬領域、耳や額などの患者の頬領域の外側の境界部を含む顔の全ての領域にわたって、総光線量が約10J/cmとなっている(例えば、領域A’)。更に、患者の顔の最外端の境界部における総光線量の低下は最小限である(例えば、領域B’)。一実施の形態では、有効発光領域全体の(全有効発光領域における)測定出力は、余弦感応検出器によりあらゆる動作距離で測定した(全有効発光領域における)最大測定値の60%以上である。より好ましくは、発光領域全体の測定出力は、2インチから4インチまでの距離における最大測定値の70%以上である。更に好ましくは、発光領域全体の測定出力は、2インチから4インチまでの距離における最大測定値の80%以上である。
上述した調節可能な照射装置とALAを併用したPDTによる光線角化症などの前癌病変の治療方法の一例について、以下に説明する。
基本的に、無水ALAは、使用直前に液体希釈剤と混合される。ALA混合物は、ALA混合物の分散を抑制するためにポイント・アプリケータを用いて、病変に局所的に塗布される。混合物は、背景、装置及び方法に関する記載全体が参照により本明細書に包含される、2016年12月7日出願の米国特許出願第15/371,363号に開示される技術により塗布されてもよい。最初に塗布したALA混合物が乾燥した後、同様にして1回以上の連続塗布を行ってもよい。約10〜20%のALA溶液が投与される。感光性ポルフィリンの形成と治療病変の光増感反応は、30分〜18時間後に起こる。この間の直射日光又は他の明るい光源への曝露は最小限に抑えなければならない。ALAの投与後30分〜18時間の間に、本開示に係る調節可能な照射装置により病変に対する照射を行う。照射装置は、所定の時間にわたって均一な青色光を病変に照射する。好ましい治療では、可視光は、公称波長が417nmである。
このように、かかる実施の形態は、患者の起伏のある表面を光線力学診断又は治療する方法であって、上記調節可能な照射装置を提供し、患者を照射装置に対して配置し、患者を診断又は治療するために患者に対して光を照射することを含む方法を提供する。光線角化症、ニキビ、光損傷皮膚、癌、いぼ、乾癬、又は、他の皮膚疾患を治療するために、患者に対して光を照射してもよい。また、かかる方法は、脱毛や、癌の診断及び治療に用いてもよい。
総光線量(J/cm)=放射照度(W/cm)×時間(秒)であるため、正確な治療光線量を送るために制御が必要なパラメータの1つは、露光時間である。これは、上述のタイマによって実現してもよい。このタイマは、複数のLEDアレイ60に供給される電力を適切に制御することができ、そして、タイマは医師による設定が可能である。データは、放射照度密度10mW/cm又は放射照度密度約9.3〜約10.7mW/cmで光源から送られる10J/cmが、所望の治療部位(例えば、顔、頭皮、四肢)に臨床的に許容可能な結果を生じることを示す。上記の式によれば、この光線量には1000秒(16分40秒)の露光時間が必要である。また、調節可能な照射装置が個別制御可能な特性を有することから、効果的な治療に必要な時間を短縮するために、より高出力で照射装置を使用して患者の治療を行ってもよい。例えば、調節可能な照射装置は、露光時間500秒(8分20秒)、放射照度密度20mW/cmで光を放射し、臨床的に許容できる光線量10J/cmの光を放射してもよい。あるいは、調節可能な照射装置は、露光時間中、より高い出力範囲、例えば、30mW/cmで作動し、光線量10J/cmとなるようにしてもよい。また、治療期間内に、放射照度密度を追加的又は代替的に変えることにより、選択光線量を実行してもよい。少なくとも1つの実施の形態では、制御されるパラメータは、以下に説明するように、照射装置で加温する温度である。
一実施の形態によれば、治療方法は、照射装置から熱を放出するために照射装置を準備加温(warming up)することと、患者の皮膚を照射装置に露光することとを含む。熱は、ALAからポルフィリン(例えば、感光性ポルフィリン又はプロトポルフィリン)への変換を促進する。温度曝露とALA変換の関係は非線形であり、変換に関与する酵素経路は温度の影響を非常に受けやすい。少なくとも1つの実施の形態では、温度を約2℃上昇させると、例えば、プロトポルフィリンIX(PpIX)の生成速度を約2倍にすることができる。少なくとも1つの実施の形態では、照射装置の熱出力を、例えば、約2℃増加させることで、治療後約20分で効果を得られるようにすることができる。これは、温度を上昇させずに、1〜3時間の治療を行うコースで実現する効果に匹敵する。
具体的には、一実施の形態に係る方法は、複数のLED60などの光源を作動させることと、照射装置の加熱要素を作動させることとを含む。かかる方法は、治療期間中に光と熱の両方が加えられるように、複数のLED60と加熱要素の両方を同時に作動させることを含んでもよい。また、かかる方法は、ヒータ加熱(例えば、5分間の準備加温)後に複数のLED60を作動させることを更に含んでもよい。治療期間が約20分の場合に、患者に送られる総許容光線量は約10〜20J/cmであってもよい。例示的な一実施の形態における治療期間は、約10分〜約1時間であってもよい。例示的な一実施の形態における総許容光線量は、約10〜40J/cmであってもよい。少なくとも1つの実施の形態では、臨床状況に応じて、治療期間が1時間超又は10分未満でもよく、総許容光線量が10J/cm未満又は40J/cm超でもよい。
少なくとも1つの実施の形態では、複数のLED60と加熱要素(熱源)160は、同時でなく、順次作動してもよい。例えば、最初に、ALAが塗布されてもよい。次に、加熱要素を作動させて、例えば、20〜30分であってもよい熱浸漬のための第1の治療期間の間に、患者の皮膚に熱を加えることができる。顔の表面温度は約5分で安定することが判明している。第1の治療期間に続いて、第2の治療期間、例えば、約8〜15分間光を当てることができる。患者に送られる総光線量は、約10〜20J/cmであってもよい。いくつかの実施の形態では、熱の少なくとも一部は、患者の皮膚に配置された1つ又は複数の加熱パッドを介して送られてもよい。少なくとも1つの実施の形態では、かかるプロセスは、例えば、患者の皮膚疾患を治療するために行われる。例示的な一実施の形態における治療期間は、約10分〜約1時間であってもよい。例示的な一実施の形態における総許容光線量は、約10〜40J/cmであってもよい。少なくとも1つの実施の形態では、臨床状況に応じて、治療期間が1時間超又は10分未満でもよく、総許容光線量が10J/cm未満又は40J/cm超でもよい。
また、少なくとも1つの実施の形態では、治療方法は、体積(volume)の少なくとも1つのノードの温度を示すデータを記録することと、体積の少なくとも1つの追加のノードの温度を示すデータを記録することとを更に含む。体積は、照射装置に晒される患者の皮膚の一部に少なくとも部分的に対応する立方体(cubic)又は他の形状の対照体積(control volume)であってもよい。
図9A及び9Bは、本開示の一実施の形態に係る装置を示す。装置は、例えば、図2A〜2Bに示す特定の構成部品を含む照射装置である。照射装置は、パネル10a〜10eが取り付けられるフレーム150を含む。パネル10a〜10eに加えて、熱源(加熱要素)160がフレーム150に取り付けられる。例えば、図9Bに示すように、熱源160は、パネル10b、10dの間に挟まれ、少なくとも一部がパネル10cの後側に配置されてもよい。熱源160は、複数のパネルを超えて突出する、複数の湾曲した末端部162、164を含んでもよく、熱源の少なくとも一部が、複数のパネルによって遮られることなく患者に直接曝露するようにしてもよい。少なくとも1つの実施の形態では、熱源160は赤外線石英ヒータであってもよい。パネル10a〜10eと、フレーム150と、末端部162、164とを組み合わせることで、部分的に囲まれた空間が形成され、患者の一部(例えば、患者の頭部)を温風浴させることができる温風槽となる。
少なくとも1つの実施の形態では、熱源160は、フレームマウント型抵抗テープヒータで構成されてもよい。少なくとも1つの実施の形態では、熱源160は、赤外線LED、電気抵抗カートリッジヒータ、PTC(正温度係数)ヒータ、又は、上述した赤外線石英ヒータを含む群から選択される少なくとも1つを含む複数のヒータで構成されてもよい。少なくとも1つの実施の形態では、赤外線石英ヒータは応答性が高く、十分な熱を出力する。また、赤外線石英ヒータは、例えば、PID(比例−積分−微分)制御器であってもよい制御装置77により容易に制御することができる。更に、赤外線石英ヒータは小型なので、フレーム150を大型化することなくフレーム150に一体化させることができる。
熱源160は、標的治療の熱出力のために、制御装置77などの少なくとも1つの制御装置(制御ユニット)を備えてもよい。制御ユニットは、ハードウェア、ソフトウェア、又は、その組み合わせ、例えば、コンピュータプログラムを格納する記憶装置とそのプログラムを実行するプロセッサの組み合わせなど、として実現される制御装置であってもよい。少なくとも1つの実施の形態では、熱源160は、監視及び過昇温/過降温制御を行うPID制御器により制御される。いくつかの実施の形態では、制御装置は、入出力(I/O)拡張モジュール、データロギング及びフィールド通信アクセスモジュールのうち1つ以上を更に含んでもよい。制御装置は、後述する基準・対照サーミスタ170からのフィードバックに基づき、入力された設定温度を規定の許容値に制御するようにプログラムされたソフトウェアフレームワークドライバを有するマイクロプロセッサ制御レギュレータであってもよい。少なくとも1つの実施の形態では、熱源は、皮膚又は組織の所定の目標温度、例えば、40℃±2℃に達するのに十分な熱を出力するように構成される。
図9Cは、一実施の形態に係る照射装置を示す。少なくとも1つの実施の形態では、照射装置は、1つ又は複数のサーミスタを更に含む。サーミスタは、照射装置と一体化してもよく、一組の診断道具を含むキット一式のうちの1つとして設けてもよい。少なくとも1つの実施の形態では、負温度係数サーミスタ又は正温度係数サーミスタを、熱源160又はその近傍に配置された基準・対照サーミスタ(reference control thermistor)170として設けてもよい。少なくとも1つの実施の形態では、サーミスタ170は、熱源160の一部であってパネル10c上部の近傍の部分に配置されてもよい。基準・対照サーミスタ170により測定された温度を、例えば、患者の額にセットされた接触式熱電対などの温度プローブにより患者の露出した皮膚で測定された温度と比較してもよい。いくつかの実施の形態では、皮膚温度(熱電対温度)とサーミスタ170により検知された温度(対照温度又はサーミスタ温度)の関係を把握するために、1つ又は複数の熱電対を用いてもよい。
具体的には、照射装置が製造された初期段階、又は、初回の診断を行う際に、皮膚温度と対照温度との関係を把握するために、1つ又は複数の熱電対を用いてもよい。例えば、基準温度又は対照温度は、実験データに基づいて設定してもよく、熱電対温度と比較される基準温度又は対照温度は、照射装置に接続された制御ユニットのメモリに格納されたテーブルから得た温度値であってもよい。少なくとも一実施の形態では、サーミスタは、1つ又は複数の温度値が格納されたプログラム可能なサーミスタであってもよく、サーミスタは、プログラムされた後に、熱源160の熱出力を調整するために使用されてもよい。温度の比較は、患者の露出した皮膚の一箇所以上で行ってもよい。例えば、患者の顔の複数箇所で温度測定を行うことにより、患者の顔の温度マップを作成してもよい。温度マッピングは、治療前後に行なわれてもよい。更に、温度マッピングの結果を、例えば、治療計画又は臨床計画で明示されている使用者のニーズと比較してもよい。患者の温度マッピングの結果を、1人以上の他の患者の温度マッピングデータと比較してもよい。
少なくとも1つの実施の形態では、熱源160は、ファン70と併用してもよい。例えば、ファン70は、システム内で冷却空気を循環させるように作動されてもよい。更に、図9Cにおいて矢印「C」が示す経路に沿って移動する冷気又は室温の空気を、熱源160内の熱交換器に向かわせてもよい。熱交換器は、冷気を加熱する。図9Cにおいて矢印「H」が示す経路に沿って移動する加熱された空気は、緩やかな流量で吹き付けられてもよい。少なくとも1つの実施の形態では、ファン70は、空気速度が約3〜6ノット、体積流量が14立方フィート/分(CFM)となるように、制御装置によって制御される。いくつかの実施の形態では、ファンの速度は、一定であっても不定であってもよい。少なくとも1つの実施の形態では、制御装置(複数のLED60と熱源160のうち少なくともいずれか一方を制御する制御装置であってもよい)が、ファン70を制御する。制御装置は、例えば、ファン70の毎分回動数(RPM)を変化させることにより、1つ又は複数のファン70の出力を制御してもよい。加熱された空気は、ファン70により、例えば、熱源160の上部及び下部から患者の顔に吹き付けられてもよい。この空気の流れは、例えば、患者の顔を暖気で包むように患者の皮膚を略包囲する温風槽又は温風ポケットを形成する。システムの熱力学的挙動により、患者の皮膚の温度(接触式熱電対で測定)とサーミスタで測定された温度との相違が、例えば、約15℃以内となるような制御が可能となる。少なくとも1つの実施の形態では、患者の皮膚(例えば、顔の皮膚)の表面は、熱源160からの熱放射から5分以内に安定した温度に達する。
熱力学的伝達挙動を制御することより、所望の皮膚加熱効果に応じて、吹き付けられる空気と熱源から出力される熱を調整することができる。少なくとも1つの実施の形態では、空気の昇温とこれに対応する時間を決定することにより、皮膚温度の所望の昇温(例えば、2℃)を実行できる。すなわち、制御装置は、患者の皮膚を所望の温度まで加熱するのに、必要な昇温及び時間を決定するようプログラムされてもよい。更に、少なくとも1つの実施の形態では、制御装置は、空気速度及び/又は体積流量に対してもそのような決定を行ってもよい。制御装置によるこのような決定は、制御装置のメモリに格納された1つ又は複数のマップを参照して行ってもよい。例えば、そのようなマップの1つは、サーミスタ170の温度を皮膚温度の上昇に関連付けるマップである。別のマップは、サーミスタ温度を空気速度と空気の体積流量に関連付けるマップである。空気速度と体積流量自体は、熱源160の構成、より具体的には、湾曲部分(プレナム空間)162、164の構成及び配置の形状に少なくとも部分的に基づいて変化する。少なくとも1つの実施の形態では、メモリに記憶された1つ又は複数のマップは、サーミスタ温度、所望の皮膚温度、体積流量、空気速度、及び空気温度の1つ以上を互いに関連付けてもよい。制御装置は、皮膚温度の正確な制御を行うため、1つ又は複数のマップからの情報を参照してもよい。システムは、複数箇所で温度を検知するための複数のセンサを備えてもよく、制御装置は、一箇所以上の場所で熱源160を制御するために、これらのセンサからのデータを含む前述のマップを参照してもよい。更に、温度・ヒートマップからの情報を考慮して、治療計画に沿って複数点における皮膚の加温を制御してもよい。一実施の形態では、そのようなマップを用いることにより、例えば、皮膚上に1つ又は複数の温度センサを配置して皮膚温度を直接測定することなく、所望の皮膚温度を得ることができる。
図9Dは、熱が対照体積(control volume)、例えば、立方体積(cubic volume)に対して放射される実施の形態に係る照射装置を示す。少なくとも1つの実施の形態では、熱源160は、治療標的、例えば、図9Dに示されるような立方体積172の内部の標的に向かって熱を放射してもよい。立方体積172は全高が6インチであってもよく、温度は立方体積172のx、y及びz方向の複数点で測定されてもよい。例えば、温度は、中央のパネル10cから3インチの位置であって、所定の治療標的が立方体積172の中心に配置される位置で検知されてもよい。図9Eは、治療標的が立方体積の中心にある患者の鼻である場合の立方体積172を示す。図9Fは、熱源160及び照射装置に対する患者の位置決めの例を示す斜視図である。
図10は、ノード1〜12が定義される体積(volume、特定の三次元空間)を示し、ノード10は体積の最中心のノードであり、ノード12は体積の外側の(例えば、体積から距離を置く)ノードである。温度マップを作成するために、温度は、任意又は全ての複数のノードで測定することができる。少なくとも1つの実施の形態では、データの記録は、毎分又は異なる所定の時間間隔で行ってもよい。少なくとも1つの実施の形態で、立方体積172は測定フレームワークとして設けられる。温度の測定(及び、1つ又は複数のパネル10からの距離の測定)は、1つ又は複数のノードで行われ、例えば、サーミスタ170で測定された温度と比較することができる。このように、総許容光線量が確実に達成されるように、照射装置に対する患者の位置決めを制御してもよい。
図11A〜11Bは、一実施の形態に係る温度マップを示す。図11Aは、加熱する前の患者の皮膚の温度マップを示している。加熱前の平均皮膚温度は、93.6°Fであった。少なくとも1つの実施の形態では、熱源160の準備加温を5分間行った後、患者を光源60からの光と熱源160からの熱に約10分間曝露することができる。図11Bは、5分間の熱源160の準備加温と10分間の熱浸漬後の温度マップを示している。準備加温時間と10分間の熱浸漬後の平均皮膚温度は、102°Fであった。少なくとも1つの実施の形態では、不安定度が低く、加温された標的全体の温度のばらつきが小さい強制対流を選択して用いることができる。更に、少なくとも1つの実施の形態では、患者の皮膚が熱源160に直接接触しないように、間接加温を用いてもよい。むしろ、熱は患者の皮膚から距離をおいて放射され、制御装置は、対照体積172の複数のノードで得られた複数の温度測定値とサーミスタ170で得られた温度測定値との比較結果に基づき、放射パターン案を決定する。
少なくとも1つの実施の形態では、制御装置は、サーミスタ170から温度のフィードバックを受けて、±1度のファームウェア設定を有するファームウェアを介して、熱源160をオン・オフしてもよい。少なくとも1つの更なる実施の形態では、皮膚温度を検出し、検知した皮膚温度データを制御装置に提供するために、赤外線レーザーセンサなどの非接触赤外線(IR)センサを用いてもよい。非接触IRセンサからの入力は、皮膚温度を示す更なるデータとして制御装置に格納された1つ又は複数のマップに示されてもよい。少なくとも1つの実施の形態では、初期準備加温時間(例えば、5分間)に、熱源160が準備加温を開始するが、システムは所望の出力を送るように制御できる定常状態にはなっておらず、過渡状態にある。非接触IRセンサにより、患者の皮膚温度を検出し、検出結果を複数の患者の皮膚温度値と比較することができるようにしてもよい。かかる皮膚温度データは、サンプル集団から取得し、制御装置内のマップに格納したデータであってもよい。ある患者の皮膚温度が平均皮膚温度よりも低い場合、制御装置は、より効率的に患者の皮膚の昇温を促進するため、熱源160の加熱速度を上げてもよい。あるいは、患者の皮膚温度が平均皮膚温度以上の場合、昇温過程で速度を上げることなくそのまま継続してもよい。
少なくとも一実施の形態では、皮膚又は組織の温度は高い場合で約40.3〜42.6℃であり、平均皮膚温度は41.3℃であった。熱試験を、10mW/cm及び20mW/cmで、光のみ又は熱のみ、あるいは、光と熱の両方を加えて行った。熱試験では、熱が加えられているときは、光自体は患者の顔の皮膚温度に影響を与えないとみられることが示された。
図12A〜12Dは、光を当てない場合の温度データを示している。具体的には、図12Aは、加温前の患者の皮膚又は組織の温度の温度マップを示し、図12Bは、10分間の熱浸漬で加温した後の温度マップを示している。図12Cは、ノード1〜12における皮膚温度(熱電対温度)とサーミスタの温度データを示している。図12Dは、熱浸漬中の中央のノード10における熱電対温度とサーミスタ温度の経時的なプロットを示している。
図13A〜13Dは、熱を加えない場合の温度データを示している。具体的には、図13Aは、熱を加えない患者の皮膚又は組織の温度マップを示している。図13Bは、光線治療後の温度マップを示している。図13Cは、中央のノード10における温度データ(熱電対及びサーミスタのデータ)を示している。図13Dは、熱源160をオンにしなかった治療プロトコルにおける、熱電対とサーミスタのデータの経時的なプロットを示している。具体的には、図13Dは「光のみ」の治療を反映しており、光源が最初に作動されてから患者の皮膚温度が測定されるまでの間に所定の時間が経過していてもよい。例えば、光源が最初に作動されてから患者の皮膚温度が測定されるまでに5分の時間が経過していてもよく、その後、患者は更に10分間の光のみの治療を受けてもよい。
図14A〜14Dは、一実施の形態に係るノードベースの温度データを示している。具体的には、図14A〜14Dは、治療中に患者が光と熱の両方に晒される実施の形態に係るデータを示す。図14Aは、熱治療前の患者の皮膚又は組織の温度の温度マップを示している。図14Bは、熱治療後の患者の皮膚又は組織の温度の温度マップを示している。図14Cは、放射照度密度を20mW/cmとしたときのノード10における熱電対温度(皮膚温度)とサーミスタ温度(control temperature、対照温度)のデータを含む温度データを示しいている。図14Dは、対照温度設定を57℃としたときの正面のパネル(例えば、パネル10c)から3インチの位置における10分間の熱浸漬中の温度データの経時的なプロットを示す。
当業者であれは、更なる利点や変形例に容易に想到するであろう。したがって、本発明は、本明細書に示され説明された特定の詳細や、代表的な装置及び方法に限定されない。よって、添付の特許請求の範囲及びそれらの均等物により定義されるような一般的な発明概念の精神と範囲から逸脱することなく、様々な変形例を実施することができる。
1〜6 領域
1〜12 ノード
10a〜10e パネル
23 タブ
40 装着ヘッド
50 ヒンジ
51 フランジ
53 ボルト
60 LEDアレイ
70 ファン
77 制御装置
80 スタンド
81 基部
82 垂直支柱
83 枢支点
84 安定化アーム
85 接続アーム
86 ヒンジ点
87 車輪
90 制御装置及び電源
100 本体
150 フレーム
160 熱源
162 末端部
164 末端部
170 基準・対照サーミスタ
172 立方体積

Claims (25)

  1. 複数のパネルと、
    それぞれが前記複数のパネルのうちの1枚に取り付けられ、略均一強度の可視光を表面に照射するように構成された複数の光源と、
    前記複数のパネルのうち外側に位置するパネルの間の患者に向かって熱を放射するように構成された熱源と、
    を備えることを特徴とする、表面を光線力学的に診断又は治療するための照射装置。
  2. 前記熱源の動作を制御するようにプログラムされた制御装置を更に備える、請求項1に記載の照射装置。
  3. 前記熱源は、石英エミッタを有する赤外線ヒータを備える、請求項1に記載の照射装置。
  4. 前記複数の光源は発光ダイオードである、請求項1に記載の照射装置。
  5. 前記複数の光源は、波長400nm〜430nmの光を放射するように構成された、請求項1に記載の照射装置。
  6. 前記複数の光源は、波長417nmの光を放射するように構成された、請求項5に記載の照射装置。
  7. 前記複数のパネルのうち少なくとも第1のパネルは、約80〜約350個の個別の発光ダイオードを含み、前記複数のパネルのうちの少なくとも第2のパネルは、約50〜約250個の個別の発光ダイオードを含む、請求項4に記載の照射装置。
  8. 前記熱源の温度を感知するように構成された少なくとも1つのサーミスタを更に備える、請求項1に記載の照射装置。
  9. 前記照射装置の有効発光領域全体における測定出力は、あらゆる動作距離で最大測定値の少なくとも60%である、請求項1に記載の照射装置。
  10. 前記複数の光源のうち周囲部に位置する光源に供給される電力は、前記複数の光源のうち中央領域に位置する光源に供給される電力よりも大きい、請求項1に記載の照射装置。
  11. 前記制御装置は、選択された治療部位に基づいて総光線量を調整するように構成された、請求項2に記載の照射装置。
  12. 前記制御装置は、選択された治療期間に基づいて前記照射装置に一定量の光を照射させるように構成された、請求項2に記載の照射装置。
  13. 第1の時間中に患者の皮膚に熱を加えるように熱源を制御することと、
    複数のパネルを有し、前記パネルのうち少なくとも1枚に少なくとも1つの光源が設けられた皮膚疾患を治療するための照射装置により、前記第1の時間の後の第2の時間中に前記患者に光を照射することと、を含むことを特徴とする患者に対して光線力学的診断又は治療を行う方法。
  14. 前記少なくとも1つの光源は複数の光源であり、
    有効発光領域全体における測定出力があらゆる動作距離で最大測定値の少なくとも60%となるように、前記光源の出力を変化させることを更に含む、請求項13に記載の方法。
  15. 前記パネルのうちの少なくとも1枚から設定距離内にある複数の位置で温度を測定することと、
    前記複数の位置を網羅する温度分布を示す温度マップを作成することと、を更に含む、請求項13に記載の方法。
  16. 前記パネルのうちの少なくとも1枚から設定距離内にある複数の位置で温度を測定することと、
    前記複数の位置で測定された温度を前記熱源で測定された基準温度と比較することと、を更に含む、請求項13に記載の方法。
  17. 前記少なくとも1つの光源は、波長が少なくとも400nmの光を発するように構成される、請求項13に記載の方法。
  18. 前記第1の時間中に前記熱源の準備加温を行うことを更に含む、請求項13に記載の方法。
  19. 複数の光源を有する照射装置により患者に光を照射することと、
    前記光の照射中に、熱源から熱を放射して前記患者の皮膚を加温することと、を含み、
    前記複数の光源からの光の照射を、前記熱源から患者への熱の放射と略同時に開始することを特徴とする、患者に対して光線力学的診断又は治療を行う方法。
  20. 有効発光領域全体における測定出力があらゆる動作距離で最大測定値の少なくとも60%となるように前記光源の出力を変化させることを更に含む、請求項19に記載の方法。
  21. 前記照射装置の一部から設定距離内にある複数の位置で温度を測定することと、
    前記複数の位置を網羅する温度分布を示す温度マップを作成することと、を更に含む、請求項20に記載の方法。
  22. 前記照射装置は、前記患者の頭部を少なくとも三方から囲むように構成される、請求項13に記載の方法。
  23. 複数のパネルと、
    それぞれが前記複数のパネルのうちの1枚に取り付けられ、表面に可視光を照射するように構成された複数の光源と、
    前記複数のパネルの少なくとも1枚の配向を検出するように構成された少なくとも1つのセンサと、を備えたことを特徴とする、表面を光線力学的に診断又は治療するための照射装置。
  24. 前記表面に熱を放射するように構成された熱源と、
    検出された前記配向に基づいて、前記複数の光源のうちの少なくとも1つの光出力と前記熱源の熱出力のうち、少なくとも1つを調整するようにプログラムされた制御装置と、を更に含む、請求項23に記載の照射装置。
  25. 少なくとも前記センサによって検出された前記配向と皮膚温度に基づき、前記複数の光源のうちの少なくとも1つの出力を制御するようにプログラムされた制御装置を更に含む、請求項23に記載の照射装置。
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