JP2020512458A - 接着剤組成物 - Google Patents

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Abstract

本開示は、組成物を提供する。一実施形態では、組成物が提供され、該組成物は、(A)(i)0.850g/cc〜0.900g/ccの密度、および(ii)177℃で10,000mPa・s以下の溶融粘度を有する、プロピレン系インターポリマーと、(B)(i)ロジンエステル中の炭素の総モルに基づいて、75モル%以上の脂肪族の炭素、および(ii)ロジンエステル中の炭素の総モルに基づいて、3.0モル%以下のエステル基の炭素を含む、ロジンエステルとを含む。【選択図】図1

Description

接着剤産業において、優れた接着性能を達成するために、シングルサイト触媒ポリオレフィンエラストマーは、一般にホットメルト接着剤(HMA)用の水素化粘着付与剤と一緒に配合されている。しかしながら、水素化粘着付与剤は製造費が高く、石油原料の供給が厳しくなると供給不足になり得る。ロジン系粘着付与剤(ロジンに由来する粘着付与剤)は、天然に存在し、水素化粘着付与剤よりもコストが低い。ロジン系粘着付与剤を含有し、かつポリオレフィンエラストマーとロジン系粘着付与剤との間の増強された適合性、ならびに好適な接着性能を有する、新しい接着剤組成物の必要性が存在する。
さらに、粘着付与剤の供給不足およびコストの増加により、より多くのポリマー含有量およびより少ない粘着付与剤を含有するHMA配合物の市場需要が増大している。しかしながら、粘着付与剤の量を減らし、ポリマーの量を増やすと、従来の粘着付与剤を使用した場合に、HMA組成物の接着性が低下するという欠点を有する。従来の粘着付与剤は、例えば、WO2015/013472、WO2016/028909、WO2016/029006、WO2016/029012、2016年9月22日に出願された国際出願第PCT/US2016/53040号、2016年6月3日に出願された米国仮出願第62/345,433号、ならびに米国公開第2015/0018470号、JP2002/526592およびJP2008/045138に開示されている。CN105585961Aは、接着剤に使用され得るロジンエステル粘着付与剤を開示しているが、より多くのポリマー含有量およびより少ない粘着付与剤を含有するHMA配合物、ならびにこの配合物に含まれるポリマーの種類については言及していない。好適な接着特性を維持しながら、減少した粘着付与剤を有するHMA組成物の必要性が存在する。
本開示は、接着剤用途、およびさらにホットメルト接着剤用途に好適な組成物を提供する。本開示は、組成物を提供する。一実施形態では、組成物が提供され、(A)(i)0.850g/cc〜0.900g/ccの密度、および(ii)177℃で10,000mPa・s以下の溶融粘度を有する、プロピレン系インターポリマーと、(B)(i)ロジンエステル中の炭素の総モルに基づいて、75モル%以上の脂肪族の炭素、および(ii)ロジンエステル中の炭素の総モルに基づいて、3.0モル%以下のエステル基の炭素を含む、ロジンエステルとを含む。
本開示の一実施形態に従った熱応力試料ホルダの概略図である。
定義
元素周期表へのいずれの参照も、CRC Press,Inc.,1990−1991によって出版されたものへの参照である。この周期表の元素の族への参照は、族の番号付与の新しい表記法による。米国特許慣行の目的のため、いずれの参照される特許、特許出願、または刊行物の内容も、特に定義の開示(本開示に具体的に提供されるいずれの定義とも矛盾しない程度において)および当該技術分野の一般知識に関して、それらの全体が参照により組み込まれる(またはその米国版に相当するものが、参照により同様に組み込まれる)。本明細書に開示されている数値範囲は、下限値および上限値を含む、下限値から上限値の全ての値を含む。明確な数値(例えば、1もしくは2、または3〜5、または6、または7)を含む範囲については、任意の2つの明確な数値間の任意の部分範囲が含まれる(例えば、1〜2、2〜6、5〜7、3〜7、5〜6など)。相反する記載がない限り、文脈から黙示的でない限り、または当該技術分野で慣習的でない限り、全ての部およびパーセントは重量に基づき、全ての試験方法は本開示の出願日時点で最新のものである。
「接着剤組成物」は、熱および/または圧力の適用下で、対象となる基材を一緒に接合することができる成分の混合物である。好適な接着剤組成物の非限定的な例は、ホットメルト接着剤(HMA)組成物である。「ホットメルト接着剤(HMA)組成物」は、熱の適用下、またはより典型的には熱および圧力の適用下で、対象となる基材を一緒に接合することができる成分の混合物である。
「アルキル基」という用語は、脂肪族炭化水素から1個の水素原子を取り除くことによって誘導される有機ラジカルを指す。アルキル基は、直鎖状、分枝鎖状、環状、またはそれらの組み合わせであり得る。一実施形態では、アルキル基は、C−C20アルキル基である。
「組成物」という用語は、組成物を構成する材料の混合物、ならびに組成物の材料から形成された反応生成物および分解生成物を指す。
「〜を含む(comprising)」、「〜を含む(including)」、「〜を有する(having)」という用語、およびそれらの派生語は、それらが具体的に開示されているか否かにかかわらず、任意の追加の成分、ステップ、または手順の存在を除外することを意図するものではない。あらゆる疑義を避けるために、「〜を含む(comprising)」という用語の使用を介して特許請求される全ての組成物は、矛盾する記述がない限り、ポリマー性か、または別のものであるかにかかわらず、任意の追加の添加剤、アジュバント、または化合物を含み得る。対照的に、「本質的に〜からなる」という用語は、操作性に必須ではないものを除いて、任意の後続の引用範囲から、あらゆる他の構成要素、ステップ、または手順を除外する。「からなる」という用語は、具体的に描写または列挙されていないあらゆる構成要素、ステップ、または手順を除外する。
「ヘテロ原子」という用語は、炭素または水素以外の原子を指す。好適なヘテロ原子の非限定的な例には、F、Cl、Br、N、O、P、B、S、Si、Sb、Al、Sn、As、Se、およびGeが含まれる。
「ヒドロカルビル」および「炭化水素」という用語は、水素および炭素原子のみを含有し、分枝鎖状または非分枝鎖状の、飽和または不飽和、環式、多環式または非環式の種を含む置換基を指す。非限定的な例としては、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルカジエニル基、シクロアルケニル基、シクロアルカジエニル基、アリール基、およびアルキニル基が含まれる。
「ポリマー」は、同種であるか異種であるかにかかわらず、モノマーを重合することによって調製されるポリマー化合物である。したがって、ポリマーという一般的な用語は、「ホモポリマー」という用語(微量の不純物がポリマー構造に組み込まれ得るという理解の下に、唯一の種類のモノマーから調製されるポリマーを指すために用いられる)、および本明細書において以下に定義されるような「インターポリマー」という用語を包含する。例えば、触媒残渣などの微量の不純物が、ポリマー中および/またはポリマー内に組み込まれ得る。
「インターポリマー」は、少なくとも2個の異なる種類のモノマーの重合によって調製されるポリマーである。したがって、インターポリマーという一般的な用語は、コポリマー(2個の異なる種類のモノマーから調製されたポリマーを指すために使用される)、および3個以上の異なる種類のモノマーから調製されるポリマーを含む。
「オレフィン系ポリマー」または「ポリオレフィン」は、(ポリマーの重量に基づいて)、例えばエチレンまたはプロピレンなどの、過半量の重合オレフィンモノマーを含有するポリマーであり、任意で、少なくとも1個のコモノマーを含み得る。オレフィン系ポリマーの非限定的な例としては、エチレン系ポリマーおよびプロピレン系ポリマーが含まれる。
「エチレン系ポリマー」または「エチレンポリマー」は、ポリマーの重量に基づいて、過半量の重合エチレンを含有するポリマーであり、任意で、少なくとも1個のコモノマーを含み得る。
「エチレン/α−オレフィンインターポリマー」は、インターポリマーの重量に基づいて、過半量の重合エチレン、および少なくとも1個のα−オレフィンを含有するインターポリマーである。「エチレン/α−オレフィンコポリマー」は、2個のみのモノマーの種類として、コポリマーの重量に基づいて、過半量の重合エチレン、およびα−オレフィンを含有するインターポリマーである。
「プロピレン系ポリマー」は、ポリマーの重量に基づいて、過半量の重合プロピレンを含有するポリマーであり、任意で、少なくとも1個のコモノマーを含み得る。「プロピレン系インターポリマー」は、インターポリマーの重量に基づいて、重合形態で、過半量のプロピレン、および少なくとも1個のコモノマーを含有するインターポリマーである。好ましくは、プロピレン系インターポリマーは、ランダムインターポリマーである(すなわち、モノマー成分のランダム分布を含む)。
「プロピレン/α−オレフィンインターポリマー」は、インターポリマーの重量に基づいて、重合形態で、過半量のプロピレン、および少なくとも1個のα−オレフィンを含有するインターポリマーである。「プロピレン/α−オレフィンコポリマー」は、2個のみのモノマーの種類として、コポリマーの重量に基づいて、重合形態で、過半量のプロピレン、およびα−オレフィンを含有するコポリマーである。好ましくは、プロピレン系インターポリマーまたはコポリマーは、ランダムインターポリマーまたはコポリマーである(すなわち、モノマー成分のランダム分布を含む)。
「プロピレン/エチレンインターポリマー」は、インターポリマーの重量に基づいて、重合形態で、過半量のプロピレン、および少なくともエチレンを含有するインターポリマーである。「プロピレン/エチレンコポリマー」は、2個のみのモノマーの種類として、コポリマーの重量に基づいて、重合形態で、過半量のプロピレン、およびエチレンを含有するコポリマーである。好ましくは、プロピレン系インターポリマーまたはコポリマーは、ランダムインターポリマーまたはコポリマーである(すなわち、モノマー成分のランダム分布を含む)。
詳細な説明
本開示は、ホットメルト接着剤用途に好適な組成物を提供する。組成物は、(A)(i)0.850g/cc〜0.900g/ccの密度、および(ii)177℃で10,000mPa・s以下の溶融粘度を有する、プロピレン系インターポリマーと、(B)(i)ロジンエステル中の炭素の総モルに基づいて、75モル%以上の脂肪族の炭素、および(ii)ロジンエステル中の炭素の総モルに基づいて、3.0モル%以下のエステル基の炭素を含む、ロジンエステルとを含む。
組成物は、本明細書に開示されている2つ以上の実施形態の組み合わせを含み得る。
一実施形態では、本組成物は、170℃で40〜100mPa・s、または45〜90mPa・s、または50〜80mPa・s、または55〜70mPa・sの溶融粘度、および0.88〜0.92g/cc、または0.89〜0.91g/ccの密度を有するプロピレン系ポリマーワックスをさらに含む。さらなる一実施形態では、プロピレン系インターポリマー対プロピレン系ポリマーワックスの重量比は、2.0:1.0〜5.0:1.0、または2.1:1.0〜4.5:1.0、または2.2:1.0〜4.0:1.0、または2.3:1.0〜3.5:1.0、または2.4:1.0〜3.0:1.0である。一実施形態では、ロジンエステル対プロピレン系ポリマーワックスの重量比は、0.4:1.0〜1.0:1.0、または0.5:1.0〜0.9:1.0、または0.6:1.0〜0.8:1.0である。
一実施形態では、本組成物は、170℃で40〜100mPa・s、または45〜90mPa・s、または50〜80mPa・s、または55〜70mPa・sの溶融粘度、および0.88〜0.92g/cc、または0.89〜0.91g/ccの密度を有するプロピレン系ポリマーワックスをさらに含む。さらなる一実施形態では、プロピレン系インターポリマーは、組成物の重量に基づいて、2.0〜50.0重量%、または5.0〜50.0重量%、または10.0〜50.0重量%の量で存在する。さらなる一実施形態では、プロピレン系インターポリマー対プロピレン系ポリマーワックスの重量比は、2.0:1.0〜42.0:1.0、または5.0:1.0〜20.0:1.0、または8.0:1.0〜10.0:1.0である。一実施形態では、ロジンエステル対プロピレン系ポリマーワックスの重量比は、2.0:1.0〜10.0:1.0、または4.0:1.0〜10:1.0、または8.0:1.0〜10.0:1.0である。
一実施形態において、本組成物は、接着剤組成物であり、かつさらにホットメルト接着剤(HMA)組成物である。以下の開示は、HMA組成物を対象とするものであるが、以下の開示は、例えば、感圧接着剤組成物などの他の接着剤組成物に適用可能であることが理解される。
A.プロピレン系インターポリマー
本接着剤組成物は、プロピレン系インターポリマーを含む。好ましくは、プロピレン系インターポリマーは、ランダムインターポリマーである。
一実施形態では、プロピレン系インターポリマーは、プロピレン/α−オレフィンインターポリマーまたはプロピレン/α−オレフィンコポリマーから選択される。好適なα−オレフィンの非限定的な例としては、例えば、C、C−C20α−オレフィン、C−C10α−オレフィン、C−Cα−オレフィン、C、C、C、およびCα−オレフィンが含まれる。一実施形態では、プロピレン系インターポリマーは、プロピレン/エチレンインターポリマーまたはプロピレン/エチレンコポリマーから選択される。
一実施形態において、プロピレン系インターポリマーは、プロピレン系インターポリマーの重量に基づいて、50重量%超のプロピレン由来単位、または51重量%、もしくは55重量%、もしくは60重量%、もしくは65重量%〜70重量%、もしくは75重量%、もしくは80重量%、もしくは85重量%、もしくは90重量%、もしくは95重量%、もしくは98重量%、もしくは99重量%のプロピレン由来単位を含有する。
一実施形態では、プロピレン系インターポリマーは、0.01%、または0.015%〜0.025%、または0.03%の1モルのプロピレン当たりの全不飽和を有する。1モルのプロピレン当たりの全不飽和は、試験方法の段落において以下に記載されているH NMR分析によって測定される。さらなる一実施形態では、プロピレン系インターポリマーは、プロピレン/α−オレフィンインターポリマーであり、かつさらにプロピレン/エチレンインターポリマーである。別の実施形態では、プロピレン系インターポリマーは、プロピレン/α−オレフィンコポリマーであり、かつさらにプロピレン/エチレンコポリマーである。好適なα−オレフィンの非限定的な例としては、例えば、C、C、C、C、およびCα−オレフィンが含まれる。
一実施形態では、プロピレン系インターポリマーは、177℃で、500mPa・s、または750mPa・s、または1,000mPa・s、または1,500mPa・s、または2,000mPa・s〜3,000mPa・s、または3,500mPa・s、または4,000mPa・s、または5,000mPa・s、または6,000mPa・s、または7,000mPa・s、または8,000mPa・s、または9,000mPa・s、または10,000mPa・sの溶融粘度を有する。一実施形態では、プロピレン系インターポリマーは、177℃で、500mPa・s〜10,000mPa・s、または500mPa・s〜8,000mPa・s、または500mPa・s〜5,000mPa・s、または500mPa・s〜4,000mPa・s、または500mPa・s〜3,500mPa・s、または500mPa・s〜3,000mPa・sの溶融粘度を有する。さらなる一実施形態では、プロピレン系インターポリマーは、プロピレン/α−オレフィンインターポリマーであり、かつさらにプロピレン/エチレンコポリマーである。別の実施形態では、プロピレン系インターポリマーは、プロピレン/α−オレフィンコポリマーであり、かつさらにプロピレン/エチレンコポリマーである。好適なα−オレフィンの非限定的な例としては、例えば、C、C、C、C、およびCα−オレフィンが含まれる。
一実施形態では、プロピレン系インターポリマーは、0.95、または0.99〜1.0、または1.01、または1.05の分枝指数(g’)を有する。一実施形態では、プロピレン系インターポリマーは、1.0に等しい分枝指数(g’)を有する。さらなる一実施形態では、プロピレン系インターポリマーは、プロピレン/α−オレフィンインターポリマーであり、かつさらにプロピレン/エチレンコポリマーである。別の実施形態では、プロピレン系インターポリマーは、プロピレン/α−オレフィンコポリマーであり、かつさらにプロピレン/エチレンコポリマーである。好適なα−オレフィンの非限定的な例としては、例えば、C、C、C、C、およびCα−オレフィンが含まれる。
一実施形態では、プロピレン系インターポリマーは、1重量%から、または10重量%ら、または15重量%から、または20重量%から、または25重量%から、30重量%まで、または35重量%まで、または40重量%までの結晶化度を有し、一実施形態では、プロピレン系インターポリマーは、10〜40重量%、または15〜35重量%、または20〜30重量%の結晶化度を有する。さらなる一実施形態では、プロピレン系インターポリマーは、プロピレン/α−オレフィンインターポリマーであり、かつさらにプロピレン/エチレンコポリマーである。別の実施形態では、プロピレン系インターポリマーは、プロピレン/α−オレフィンコポリマーであり、かつさらにプロピレン/エチレンコポリマーである。好適なα−オレフィンの非限定的な例としては、例えば、C、C、C、C、およびCα−オレフィンが含まれる。
一実施形態では、プロピレン系インターポリマーは、40J/g、または42J/g、または44J/g〜50J/g、または55J/g、または60J/g〜70J/g、または75J/g、または80J/gの融解熱(H)を有する。さらなる一実施形態では、プロピレン系インターポリマーは、プロピレン/α−オレフィンインターポリマーであり、かつさらにプロピレン/エチレンコポリマーである。別の実施形態では、プロピレン系インターポリマーは、プロピレン/α−オレフィンコポリマーであり、かつさらにプロピレン/エチレンコポリマーである。好適なα−オレフィンの非限定的な例としては、例えば、C、C、C、C、およびCα−オレフィンが含まれる。
一実施形態では、プロピレン系インターポリマーは、0.850g/cc、または0.855g/cc、または0.860g/cc、または0.865g/cc、または0.870g/cc、または0.875g/cc、または0.880g/cc〜0.885g/cc、または0.890g/cc、または0.895g/cc、または0.900g/ccの密度を有する。さらなる一実施形態では、プロピレン系インターポリマーは、プロピレン/α−オレフィンインターポリマーであり、かつさらにプロピレン/エチレンコポリマーである。別の実施形態では、プロピレン系インターポリマーは、プロピレン/α−オレフィンコポリマーであり、かつさらにプロピレン/エチレンコポリマーである。好適なα−オレフィンの非限定的な例としては、例えば、C、C、C、C、およびCα−オレフィンが含まれる。
一実施形態では、プロピレン系インターポリマーは、85℃、または90℃、または95℃、または98℃〜100℃、または110℃、または115℃、または120℃の融解温度(Tm)を有する。さらなる一実施形態では、プロピレン系インターポリマーは、プロピレン/α−オレフィンインターポリマーであり、かつさらにプロピレン/エチレンコポリマーである。別の実施形態では、プロピレン系インターポリマーは、プロピレン/α−オレフィンコポリマーであり、かつさらにプロピレン/エチレンコポリマーである。好適なα−オレフィンの非限定的な例としては、例えば、C、C、C、C、およびCα−オレフィンが含まれる。
一実施形態では、プロピレン系インターポリマーは、20,000g/mol、または22,000g/mol、または25,000g/mol〜40,000g/mol、または48,000g/mol、または50,000g/molの重量平均分子量(Mw)を有する。さらなる一実施形態では、プロピレン系インターポリマーは、プロピレン/α−オレフィンインターポリマーであり、かつさらにプロピレン/エチレンコポリマーである。別の実施形態では、プロピレン系インターポリマーは、プロピレン/α−オレフィンコポリマーであり、かつさらにプロピレン/エチレンコポリマーである。好適なα−オレフィンの非限定的な例としては、例えば、C、C、C、C、およびCα−オレフィンが含まれる。
一実施形態では、プロピレン系インターポリマーは、1.8、または2.0、または2.1、または2.2〜2.4、または2.5、または3.0、または3.5のMw/Mnを有する。さらなる一実施形態では、プロピレン系インターポリマーは、プロピレン/α−オレフィンインターポリマーであり、かつさらにプロピレン/エチレンコポリマーである。別の実施形態では、プロピレン系インターポリマーは、プロピレン/α−オレフィンコポリマーであり、かつさらにプロピレン/エチレンコポリマーである。好適なα−オレフィンの非限定的な例としては、例えば、C、C、C、C、およびCα−オレフィンが含まれる。
1.B値
「B値」という用語は、ランダム性の尺度であり、プロピレン系インターポリマーのポリマー鎖にわたるプロピレンおよびコモノマーの分布を測定する。プロピレン/エチレンコポリマーの場合、「B値」は、ランダム性の尺度であり、プロピレン/エチレンコポリマーのポリマー鎖にわたるプロピレンおよびエチレンの分布を測定する。B値は、0〜2の範囲である。B値がより高いほど、コポリマー中のエチレン分布はより交互になる。B値がより低いほど、プロピレン/エチレンコポリマー中のエチレン分布はよりブロック状またはクラスター状となる。
一実施形態では、プロピレン系インターポリマーは、1.0未満、または0.99未満、または0.98未満のB値を有する。一実施形態では、プロピレン系インターポリマーは、0.90、または0.92、または0.93、または0.94〜0.95、または0.96、または0.97、または0.98、または0.99のB値を有する。さらなる一実施形態では、プロピレン系インターポリマーは、プロピレン/エチレンインターポリマーであり、かつさらにプロピレン/エチレンコポリマーである。別の実施形態では、プロピレン系インターポリマーは、プロピレン/α−オレフィンコポリマーであり、かつさらにプロピレン/エチレンコポリマーである。好適なα−オレフィンの非限定的な例としては、例えば、C、C、C、C、およびCα−オレフィンが含まれる。
ケーニッヒ(Spectroscopy of Polymers(2d ed.1999))によって開示されているB値は、以下のように計算される。Bは、プロピレン/エチレンコポリマーについて、

として定義され、式中、それぞれ、f(EP+PE)=EPおよびPEの二連子分率の合計であり、FeおよびFp=共重合体中のエチレンおよびプロピレンのモル分率である。二連子分率は、f(EP+PE)=[EPE]+[EPP+PPE]/2+[PEP]+[EEP+PEE]/2に従って、三連子データから導出することができる。B値は、それぞれのコポリマーの二連子の割り当てによって、類似の様式で他のコポリマーについて計算することができる。例えば、プロピレン/1−オクテンコポリマーのB値の計算は、以下の等式を使用する:
プロピレン/エチレンインターポリマーは、本明細書に開示されている2つ以上の実施形態を含み得る。プロピレン/エチレンコポリマーは、本明細書に開示されている2つ以上の実施形態を含み得る。プロピレン/α−オレフィンインターポリマーは、本明細書に開示されている2つ以上の実施形態を含み得る。プロピレン/α−オレフィンコポリマーは、本明細書に開示されている2つ以上の実施形態を含み得る。
2.プロピレン系インターポリマーに好適な触媒
一実施形態において、プロピレン系インターポリマー、さらにプロピレン/エチレンインターポリマー、さらにプロピレン/エチレンコポリマーは、(i)多価アリールオキシエーテルのIV族金属錯体である触媒、(ii)活性化剤、および/または(iii)共触媒で作製される。触媒は、0.5gポリマー/μg金属を超える触媒効率で、極めて高い分子量およびアイソタクチック性を有するプロピレン含有モノマー混合物からポリマーを生成することができ、分子量分布を犠牲にすることなく分子量を制御するために連鎖移動剤を使用することを可能にする。連鎖移動剤を使用しない比較重合と比較して、分子量の実質的な低下(30パーセント超)が生じるように、十分な量の連鎖移動剤が使用される。連鎖移動剤が水素である場合、(プロピレンに基づいて)少なくとも0.01モルパーセントが使用され、最大2モルパーセントが使用される。高度にアイソタクチックなポリマーは、高水準な連鎖移動剤を使用して調製できる一方で、狭い分子量分布のポリマーをなお供給し、低いレベルのアルモキサン活性剤を使用する。一般に、より従来の触媒と一緒に高水準な連鎖移動剤を使用すると、分子量分布が広がったポリマーが生成される。好適なIV族金属の非限定的な例としては、チタン、ジルコニウム、およびハフニウムが含まれる。
本明細書に開示されているように、多価アリールオキシエーテルのIV族金属錯体の触媒は、プロピレン系インターポリマー、およびさらにプロピレン/エチレンコポリマーに独自の特性を付与する。
一実施形態では、プロピレン系インターポリマー、さらにプロピレン/エチレンインターポリマー、さらにプロピレン/エチレンコポリマーは、実質的にアイソタクチックなプロピレン配列を有することを特徴とする。「実質的にアイソタクチックなプロピレン配列」は、13C NMRによって測定される、0.85超、または0.90超、または0.92超、または0.93超、または0.94超のアイソタクチックな三連子(mm)を有する配列である。アイソタクチックな三連子は、13C NMR分光法によって決定される、コポリマー分子鎖内の三連子単位に関してアイソタクチックな配列を指す。一実施形態では、IV族金属錯体は、ハフニウム系多価アリールオキシエーテルである。
多価アリールオキシエーテルの好適なIV族金属錯体の非限定的な例としては、[[2’,2’’’−[(1R,2R)−1,2−シクロヘキサンジイルビス(メチレンオキシ−O)]ビス[3−(9H−カルバゾール−9−イル)−5−メチル[1,1’−ビフェニル]−2−オラト−O]](2−)]ジメチルハフニウム、および[[2’,2’’’−[1,3−プロパンジイルビス(オキシ−O)]ビス−{3−[9H−3,6−ジ−(1,1−ジメチルエチル)−カルバゾール−9−イル]}−5’−フルオロ−5−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−[1,1’−ビフェニル]−2−オラト−O]](2−)]ジメチルハフニウムが含まれる。金属錯体は、付加重合可能なモノマー、特にオレフィン(複数可)を配位、挿入、および重合する、空の配位部位を有する触媒化合物をもたらすように、様々な方法で活性化される。この特許明細書および添付の特許請求の範囲の目的のため、「活性化剤」または「共触媒」は、上述の様式で金属錯体を活性化することができる、任意の化合物または成分または方法である。好適な活性化剤の非限定的な例としては、ルイス酸、非配位性イオン活性剤、イオン化活性化剤、有機金属化合物、および中性金属錯体を触媒活性種に転換することができる上述の物質の組み合わせが含まれる。
一実施形態では、触媒活性化は、プロトン移動、酸化、または他の好適な活性化プロセスによる、カチオン種、部分カチオン種、または双性イオン種の形成を伴い得る。本開示は、「イオン化」プロセスまたは「イオン活性化プロセス」としても知られる活性化プロセス中に、そのような識別可能なカチオン種、部分カチオン種、または双生イオン種が実際に生じるかどうかにかかわらず、操作可能であり、完全に有効である。
イオン化共触媒は、活性プロトン、またはイオン化化合物のアニオンと会合はしているが、配位していないかもしくは緩くしか配位していない、いくつかの他のカチオンを含有し得る。非限定的な例としては、アンモニウムカチオン含有塩、特に1個または2個のC10−40アルキル基を含有するトリヒドロカルビル置換アンモニウムカチオンを含有するもの、特にメチルビス(オクタデシル)−アンモニウムカチオンおよびメチルビス(テトラデシル)アンモニウムカチオンならびに非配位性アニオン、特に、テトラキス(ペルフルオロ)アリールボレートアニオン、特にテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートが含まれる。カチオンは、異なる長さのヒドロカルビル基の混合物を含み得る。例えば、市販の長鎖アミンに由来するプロトン化アンモニウムカチオンは、2個のC14、C16、またはC18アルキル基と1個のメチル基との混合物を含む。そのようなアミンは、Chemtura Corp.からKemamine(商標)T9701の商品名で、およびAkzo NobelからArmeen(商標)M2HTの商品名で入手可能である。一実施形態では、アンモニウム塩活性化剤は、メチルジ(C14−20アルキル)アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートである。
別の好適な分類の有機金属活性化剤または共触媒は、アルキルアルミノキサンとも称されるアルモキサンである。アルモキサンは、メタロセン型触媒化合物と共に使用して付加重合触媒を調製するための、周知の活性化剤である。非限定的な例としては、ルイス酸変性アルモキサン、特にトリ(C3−6)アルキルアルミニウム変性メチルアルモキサン(Akzo NobelからMMAO−3Aとして市販されているトリ(イソブチル)アルミニウム変性メタアルモキサン、またはAkzo NobelからMMAO−12として市販されているトリ(n−オクチル)アルミニウム変性メタアルモキサンを含む)であるアルモキサンが含まれる。活性化剤の組み合わせ、例えば、アルモキサンとイオン化活性化剤との組み合わせもまた、本開示によって企図される。
本開示の範囲内には、活性化剤としてまたは第三成分としてのアルモキサン(複数可)または修飾されたアルモキサン(複数可)の使用がある。すなわち、化合物は、単独で、または中性もしくはイオン性どちらかの他の活性剤、例えばトリ(アルキル)アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート化合物、トリス(ペルフルオロアリール)化合物、ポリハロゲン化ヘテロボランアニオン、およびこれらの材料のうちの2つ以上の組み合わせと共に組み合わせて使用することができる。この実施形態では、アルモキサンは、実際の触媒活性化に大きく寄与し得ない。上記にもかかわらず、活性化プロセスへのアルモキサンのいくらかの関与は必ずしも除外されない。
好適なアルモキサンとしては、ポリマーもしくはオリゴマーのアルモキサン、特にメチルアルモキサン(MAO)、ならびにルイス酸変性アルモキサン、特にトリヒドロカルビルアルミニウム、ハロゲン化トリ(ヒドロカルビル)アルミニウム、または各ヒドロカルビルもしくはハロゲン化ヒドロカルビル基に1〜10個の炭素を有するハロゲン化トリ(ヒドロカルビル)ホウ素修飾化アルモキサンが含まれる。好適なルイス酸変性アルモキサン化合物の非限定的な例は、10〜30または15〜25モルパーセントのi−ブチル含有量、および10〜20または12〜18モルパーセントのn−オクチル含有量、を含むトリ(i−ブチル)アルミニウム変性メタロモキサンおよびトリ(n−オクチル)アルミニウム変性メタロモキサンであり、それぞれ、モルパーセントは総アルキル配位子含有量に基づく。一実施形態において、アルモキサンまたはルイス酸変性アルモキサン活性化剤は、助触媒:触媒のモル比が20〜200:1、または20〜150:1、または20〜80:1で利用される。
高い触媒効率を維持しながら、比較的低水準なアルモキサンまたはルイス酸変性アルモキサン共触媒で活性化できるため、本IV族金属錯体は、得られるポリマー中の共触媒副生成物の水準を低減できる。これにより、高い透明度または低い誘電率を必要とするような要求の厳しい用途でポリマーを使用することができる。
一実施形態では、プロピレン系インターポリマー、さらにプロピレン/エチレンインターポリマー、およびさらにプロピレン/エチレンコポリマーは、1.0未満、または0.99未満、または0.98未満のケーニッヒB値を有する。B値がより低いほど、プロピレン/エチレンコポリマー中のエチレン分布はよりブロック状またはクラスター状となる。多価アリールオキシエーテル触媒のIV族金属錯体で作製されたプロピレン/エチレンインターポリマーの場合、B値は1.0未満である。一実施形態では、プロピレン系インターポリマーは、0.90、または0.92、または0.93、または0.94〜0.95、または0.96、または0.97、または0.98、または0.99のB値を有する。したがって、多価アリールオキシエーテル触媒のIV族金属錯体で作製されたプロピレン/エチレンインターポリマーの場合、所与のパーセンテージのエチレンについてプロピレンブロック長が比較的長いだけでなく、3個以上の連続したエチレン挿入の相当な量の長い配列が、プロピレン/エチレンインターポリマー中に存在する。
一実施形態では、プロピレン系インターポリマー、さらにプロピレン/エチレン、さらにプロピレン/エチレンコポリマーは、以下の特性のうちの1つ、いくつか、または全てを有する:(i)少なくとも50重量%のプロピレン由来単位、および/または(ii)1.0未満のケーニッヒB値、および/または(iii)0.01%〜0.03%の不飽和プロピレンの総モル%、および/または(iv)0.850g/cc〜0.900g/ccの密度、および/または(v)177℃で500mPa・s〜10,000mPa・s、もしくは500mPa・s〜8,000mPa・s、もしくは500mPa・s〜5,000mPa・s、もしくは500mPa・s〜3,000mPa・sの溶融粘度、および/または(vi)0.95、もしくは0.99〜1.0、もしくは1.01、もしくは1.05の分枝指数(g’)、および/または(vii)1重量%〜40重量%の結晶化度、および/または、(viii)20,000〜50,000g/molのMw、および/または(ix)1.8〜3.5のMw/Mn、および/または(x)13C NMRによって測定される、0.85超のアイソタクチックな三連子(mm)を有する配列。さらなる一実施形態では、プロピレン系インターポリマー、さらにプロピレン/エチレンインターポリマー、さらにプロピレン/エチレンコポリマーは、上記の特性(i)〜(x)のうちの全てを有する。
一実施形態では、プロピレン系インターポリマーは、以下の特性のうちの1つ、いくつか、または全てを有する:(i)少なくとも50重量%のプロピレン由来単位、および1重量%、もしくは5重量%〜7重量%、もしくは10重量%のエチレン由来単位、ならびに/または(ii)0.98未満のケーニッヒB値、ならびに/または(iii)0.01%〜0.03%の不飽和プロピレンの総モル%、ならびに/または(iv)0.875g/cc、もしくは0.880g/cc、もしくは0.884g/cc〜0.885g/cc、もしくは0.890g/ccの密度、ならびに/または(v)177℃で800mPa・s、もしくは1,000mPa・s〜3,000mPa・s、もしくは5,000mPa・s、もしくは10,000mPa・sの溶融粘度、ならびに/または(vi)1.0に等しい分枝指数(g’)、ならびに/または(vii)15重量%、もしくは25%〜30%、もしくは40重量%の結晶化度、ならびに/または(viii)20,000、もしくは25,000g/mol〜39,000g/mol、もしくは50,000g/molのMw、および/または(ix)1.8、もしくは2.0、もしくは2.2〜2.3、もしくは3.5のMw/Mn、ならびに/または(x)13C NMRによって測定される、0.85超もしくは0.94超のアイソタクチックな三連子(mm)を有する配列。さらなる一実施形態では、プロピレン系インターポリマーは、上記の特性(i)〜(x)のうちの全てを有する。
一実施形態では、プロピレン系インターポリマーは、組成物の総重量に基づいて、45重量%、または50重量%、または55重量%、または59重量%、または60重量%、または65重量%、または69重量%〜70重量%、または71重量%、または75重量%、または80重量%、または85重量%、または90重量%の量で組成物中に存在する。
プロピレン系インターポリマーは、本明細書に開示されている2つ以上の実施形態を含み得る。プロピレン系コポリマーは、本明細書に開示されている2つ以上の実施形態を含み得る。
B.ロジンエステル
本組成物は、ロジンエステルを含む。「ロジンエステル」とは、重合形態でロジンおよび任意で1個以上のジエンを含むポリマーを指し、次に、そのポリマー構造が1個以上のポリオールでエステル化され、次いで、エステル化されたポリマー構造が任意で水素化される。エステルとして、ロジンエステルは酸素原子を有する少なくとも1個のエステル基を含み、それによりロジンエステルは水素および炭素原子のみから構成される粘着付与剤を除外することが理解される。「ポリオール」は、少なくとも2個のヒドロキシル基(−OH)を含むアルコールである。
「ロジン」は、カルボン酸である樹脂酸の混合物である。好適なロジンの非限定的な例としては、ガムロジン、ウッドロジン、トール油ロジン、およびそれらの組み合わせが含まれる。好適な樹脂酸の非限定的な例としては、アビエチン酸、ネオアビエチン酸、デヒドロアビエチン酸、パルストリン酸、レボピマル酸、ピマル酸、イソピマル酸、およびそれらの組み合わせが含まれる。一実施形態では、ロジンはアビエチン酸を含む。一実施形態では、アビエチン酸は、以下の異性体構造(構造(A)、構造(B)、構造(C))のうちの1つ以上として存在する:
「ジエン」は、炭素原子間に2つの二重結合を含む不飽和炭化水素である。ジエンは、6〜15個の炭素原子を有する共役、非共役、直鎖状、分枝鎖状、または環状炭化水素ジエンであり得る。好適なジエンの非限定的な例としては、1,4−ヘキサジエン;1,6−オクタジエン;1,7−オクタジエン;1,9−デカジエン;分枝鎖状非環式ジエン、例えば5−メチル−1,4−ヘキサジエン、3,7−ジメチル−1,6−オクタジエン、3,7−ジメチル−1,7−オクタジエン、およびジヒドロミリセンとジヒドロオシネンの混合異性体;単環脂環式ジエン、例えば1,3−シクロペンタジエン、1,4−シクロヘキサジエン、1,5−シクロオクタジエン、および1,5−シクロドデカジエン;ならびに多環脂環式縮合および架橋環ジエン、例えばテトラヒドロインデン、メチルテトラヒドロインデン、ジシクロペンタジエン、およびビシクロ−(2,2,1)−ヘプタ−2,5−ジエン;アルケニル、アルキリデン、シクロアルケニル、およびシクロアルキリデンノルボルネン、例えば5−メチレン−2−ノルボルネン(MNB)、5−プロペニル−2−ノルボルネン、5−イソプロピリデン−2−ノルボルネン、5−(4−シクロペンテニル)−2−ノルボルネン、5−シクロヘキシリデン−2−ノルボルネン、5−ビニル−2−ノルボルネン、ノルボルナジエン、5−エチリデン−2−ノルボルネン(ENB)、5−ビニリデン−2−ノルボルネン(VNB)、5−メチレン−2−ノルボルネン(MNB)、ジシクロペンタジエン(DCPD)、ならびにこれらの組み合わせが含まれる。好適なジエンのさらなる非限定的な例としては、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン、5,7−ジメチル−1,6−オクタジエン、3,7,11−トリメチル−1,6,10−オクタトリエン、6−メチル−1,5−ヘプタジエン、1,3−ブタジエン、1,6−ヘプタジエン、1,8−ノナジエン、1,9−デカジエン、1,10−ウンデカジエン、1,5−シクロドデカジエン、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2,5−ジエン(ノルボルナジエン)、テトラシクロドデセン、ブタジエン、ジシクロペンタジエン、ビニルノルボルネン、ジヒドロミリセンとジヒドロオシネンとの混合異性体、テトラヒドロインデン、メチルテトラヒドロインデン、5−プロペニル−2−ノルボルネン、5−イソプロピリデン−2−ノルボルネン、5−(4−シクロペンテニル)−2−ノルボルネン、5−シクロヘキシリデン−2−ノルボルネン、5−ビニル−2−ノルボルネン、およびそれらの組み合わせが含まれる。一実施形態では、ジエンは、DCPDである。
一実施形態では、ロジンエステルは、重合形態でアビエチン酸およびDCPDを含むロジンを含むポリマーであり、次に、そのポリマー構造が1個以上のポリオールでエステル化され、次いで、エステル化されたポリマー構造が水素化される。一実施形態では、ロジンエステルは、CN105585961Aおよび/またはCN102977615Aに開示されているように調製され、その全内容はそれぞれ参照により本明細書に組み込まれる。好適なロジンエステルの非限定的な例としては、KOMOTAC(商標)KM−100およびKOMOTAC(商標)KM−100Wが含まれ、それぞれGuangdong Komo Co.,Ltd.から入手可能である。
本組成物に好適なロジンエステルは、ロジンエステル中の炭素の総モルに基づいて、75モル%以上の脂肪族の炭素を含む。「脂肪族の炭素」は、単結合を介して水素または別の炭素に共有結合した炭素原子である。脂肪族の炭素の水準は、飽和され、単結合を介して水素または別の炭素に結合された最終的なロジンエステル(すなわち、重合、エステル化、および任意で水素化されたポリマー構造)の炭素原子に関係する。脂肪族の炭素には、酸素のようなヘテロ原子に結合した炭素は除外される。一実施形態では、ロジンエステルは、ロジンエステル中の炭素の総モルに基づいて、75モル%、または76モル%、または77モル%、または78モル%、または79モル%、または80モル%、または81モル%〜83モル%、または84モル%、または85モル%、または86モル%、または87モル%、または88モル%、または89モル%、または90モル%、または91モル%、または92モル%、または93モル%、または94モル%、または95モル%の脂肪族の炭素を含む。
一実施形態では、ロジンエステルは、ロジンエステル中の炭素の総モルに基づいて、0.5モル%、または1.0モル%、または1.5モル%、または2.0モル%、または2.1モル%、または2.2モル%〜2.4モル%、または2.5モル%、または2.6モル%、または2.7モル%、または2.8モル%、または2.9モル%、または3.0モル%のエステル基の炭素を含む。「エステル基」は、以下の構造(I)を有する部分である:
。「エステル基の炭素」とは、構造(I)のエステル基の炭素であり、二重結合で1個の酸素原子、単結合で第2の酸素原子に結合した炭素原子である。
一実施形態では、ロジンエステルは、ロジンエステル中の炭素の総モルに基づいて、3.0モルパーセント以下の酸素化物を含む。「酸素化物」は、例えば、−O−CH(n)のように、単結合を介して1個の酸素原子のみに共有結合されている炭素原子である(おそらく、エステル基の二価酸素、またはエーテル基の炭素に結合した「非カルボニルの炭素」)。酸素化物は、二重結合を介して酸素原子に共有結合した炭素原子を除外する(例えば、エステル、ケトン、またはアルデヒドのカルボニル炭素)。一実施形態では、ロジンエステルは、ロジンエステル中の炭素の総モルに基づいて、0.05モル%、または0.1モル%、または0.5モル%、または1.0モル%、または1.5モル%、または1.8モル%、または2.0モル%、または2.2モル%、または2.4モル%〜2.5モル%、または2.6モル%、または2.7モル%、または2.8モル%、または2.9モル%、または3.0モル%の酸素化物を含む。
一実施形態では、ロジンエステルは、ロジンエステル中の炭素の総モルに基づいて、15モルパーセント以下の不飽和の炭素と芳香族の炭素とを組み合わせた量を含む。「芳香族の炭素」は、単結合および二重結合の交互性を有する環構造(C環構造のような)に含まれる炭素原子である。「不飽和の炭素」は、二重の共有結合または三重の共有結合で隣接する炭素原子に結合された炭素原子である。一実施形態では、ロジンエステルは、ロジンエステル中の炭素の総モルに基づいて、0.05モル%、または0.1モル%、または0.5モル%、または1.0モル%、または2.0モル%、または3.0モル%、または4.0モル%、または5.0モル%、または6.0モル%、または7.0モル%、または8.0モル%、または9.0モル%、または10.0モル%、または11.0モル%、または12.0モル%、または12.4モル%〜12.5モル%、または13.0モル%、または13.7モル%、または14.0モル%、または14.5モル%、または15.0モル%の不飽和の炭素と芳香族の炭素とを組み合わせた量を含む。
一実施形態では、ロジンエステルは、ロジンエステル中の炭素の総モルに基づいて、0モル%、または0.05モル%、または0.08モル%、または0.10モル%〜0.15モル%、または0.20モル%、または0.30モル%、または0.40モル%、または0.50モル%、または1.00モル%のアルデヒド基の炭素とケトン基の炭素とを組み合わせた量を含む。「アルデヒド基」は、以下の構造(II)を有する部分である:
。「アルデヒド基の炭素」は、構造(II)のアルデヒド基の炭素原子であり、二重結合で1個の酸素原子、単結合で水素原子に結合した炭素原子である。「ケトン基」は、以下の構造(III)を有する部分である:
。「ケトン基の炭素」は、構造(III)のケトン基の炭素原子であり、二重結合で1個の酸素原子に結合した炭素原子である。
ロジンエステル(すなわち、重合、エステル化、および任意で水素化されたポリマー構造)中の炭素の総モルに基づいて、脂肪族の炭素、エステル基の炭素、酸素化物、不飽和の炭素、芳香族の炭素、アルデヒド基の炭素、およびケトン基の炭素のモル含有量の合計が、100モルパーセント(mol%)をもたらすことが理解される。
一実施形態では、ロジンエステルは、80℃、または85℃、または90℃、または92℃、または93℃、または95℃、または97℃〜100℃、または105℃、または108℃、または110℃、または120℃の環球式軟化温度(ASTM E28に従って測定)を有する。
一実施形態では、ロジンエステルは、15mg KOH/g、または20mg KOH/g、または25mg KOH/g〜30mg KOH/g、または35mg KOH/g、または40mg KOH/g、または45mg KOH/g、または50mg KOH/g、または55mg KOH/g、または60mg KOH/g、または65mg KOH/g、または70mg KOH/gの酸価(ASTM D1386/7に従って測定)を有する。
一実施形態では、ロジンエステルは、ロジンエステル中の炭素の総モルに基づいて、(i)75モル%、もしくは76モル%、もしくは77モル%、もしくは78モル%、もしくは79モル%、もしくは80モル%、もしくは81モル%〜83モル%、もしくは84モル%、もしくは85モル%、もしくは86モル%、もしくは87モル%、もしくは88モル%、もしくは89モル%、もしくは90モル%、もしくは91モル%、もしくは92モル%、もしくは93モル%、もしくは94モル%、もしくは95モル%の脂肪族の炭素、および/または(ii)0.5モル%、もしくは1.0モル%、もしくは1.5モル%、もしくは2.0モル%、もしくは2.1モル%、もしくは2.2モル%〜2.4モル%、もしくは2.5モル%、もしくは2.6モル%、もしくは2.7モル%、もしくは2.8モル%、もしくは2.9モル%、もしくは3.0モル%のエステル基の炭素、および/または(iii)0.05モル%、もしくは0.1モル%、もしくは0.5モル%、もしくは1.0モル%、もしくは1.5モル%、もしくは1.8モル%、もしくは2.0モル%、もしくは2.2モル%、もしくは2.4モル%〜2.5モル%、もしくは2.6モル%、もしくは2.7モル%、もしくは2.8モル%、もしくは2.9モル%、もしくは3.0モル%の酸素化物、および/または(iv)0.05モル%、もしくは0.1モル%、もしくは0.5モル%、もしくは1.0モル%、もしくは2.0モル%、もしくは3.0モル%、もしくは4.0モル%、もしくは5.0モル%、もしくは6.0モル%、もしくは7.0モル%、もしくは8.0モル%、もしくは9.0モル%、もしくは10.0モル%、もしくは11.0モル%、もしくは12.0モル%、もしくは12.4モル%〜12.5モル%、もしくは13.0モル%、もしくは13.7モル%、もしくは14.0モル%、もしくは14.5モル%、もしくは15.0モル%の不飽和の炭素と芳香族の炭素とを組み合わせた量、および/または(v)0モル%、もしくは0.05モル%、もしくは0.08モル%、もしくは0.10モル%〜0.15モル%、もしくは0.20モル%、もしくは0.30モル%、もしくは0.40モル%、もしくは0.50モル%、もしくは1.00モル%のアルデヒド基の炭素とケトン基の炭素とを組み合わせた量を含む。一実施形態では、ロジンエステルは、80℃、もしくは85℃、もしくは90℃、もしくは92℃、もしくは93℃、もしくは95℃、もしくは97℃〜100℃、もしくは105℃、もしくは108℃、もしくは110℃、もしくは120℃の環球式軟化温度、および/または15mg KOH/g、もしくは20mg KOH/g、もしくは25mg KOH/g〜30mg KOH/g、もしくは35mg KOH/g、もしくは40mg KOH/g、もしくは45mg KOH/g、もしくは50mg KOH/g、もしくは55mg KOH/g、もしくは60mg KOH/g、もしくは65mg KOH/g、もしくは70mg KOH/gの酸価を有する。さらなる一実施形態では、ロジンエステルは、重合形態でアビエチン酸およびDCPDを含むロジンを含むポリマーであり、次に、そのポリマー構造が1個以上のポリオールでエステル化され、次いで、エステル化されたポリマー構造が水素化される。さらなる一実施形態では、ロジンエステルは、KOMOTAC(商標)KM−100、KOMOTAC(商標)KM−100W、またはそれらの組み合わせである。
一実施形態では、ロジンエステルは、組成物の総重量に基づいて、1重量%、または5重量%、または9重量%、または10重量%、または15重量%、または19重量%〜20重量%、または21重量%、または23重量%、または25重量%、または28重量%、または30重量%の量で組成物中に存在する。
C.ワックス
一実施形態では、本組成物は、任意のワックスを含む。ワックスは、組成物の溶融粘度を低減するために使用され得る。好適なワックスの非限定的な例としては、エチレン系ポリマーワックス、プロピレン系ポリマーワックス、パラフィンワックス、微結晶性のワックス、副生ポリエチレンワックス、フィッシャー・トロプシュワックス、酸化されたフィッシャー・トロプシュワックス、および官能化ワックス、例えば、ヒドロキシステアラミドワックスおよび脂肪酸アミドワックスが含まれる。
一実施形態では、ワックスは、プロピレン系ポリマーである。「プロピレン系ポリマーワックス」は、170℃で、1,000mPa・s以下、または500mPa・s以下、または100mPa・s以下である溶融粘度を有するプロピレン系ポリマーである。プロピレン系ポリマーワックスは、過半量(すなわち50重量%超)が重合プロピレンモノマーおよび任意のα−オレフィンコモノマーで構成される。一実施形態では、プロピレン系ポリマーワックスは、プロピレンホモポリマーである。プロピレン系ポリマーワックスは、チーグラーナッタ触媒重合またはメタロセン触媒重合によって製造することができ、それぞれチーグラーナッタ触媒プロピレン系ポリマーワックスまたはメタロセン触媒プロピレン系ポリマーワックスが得られる。一実施形態では、プロピレン系ポリマーワックスはプロピレンホモポリマーであり、官能化ワックス、ポリエチレンワックス、フィッシャー・トロプシュワックス、動物性ワックス、植物性ワックス、石油由来ワックス(パラフィンワックス、微結晶性のワックス)、およびモンタンワックスは除外する。好適なプロピレン系ポリマーの非限定的な例としては、Clariantから入手可能な商品名LICOCENEで販売されているワックスである。一実施形態では、プロピレン系ポリマーワックスは、以下の特性のうちの一方または両方を有する:(i)0.89g/cc、もしくは0.90g/cc〜0.91g/ccの密度、および/または(ii)170℃で40mPa・s、もしくは50mPa・s、もしくは60mPa・s〜65mPa・s、もしくは70mPa・s、もしくは75mPa・s、もしくは80mPa・s、もしくは90mPa・s、もしくは100mPa・sの溶融粘度。一実施形態では、プロピレン系ポリマーワックスは、組成物の総重量に基づいて、1重量%、または2重量%、または3重量%、または4重量%、または5重量%、または10重量%〜15重量%、または20重量%、または23重量%、または25重量%、または30重量%の量で組成物中に存在する。
一実施形態では、ワックスは、エチレン系ポリマーワックスである。「エチレン系ポリマーワックス」は、140℃で、1,000mPa・s以下、または500mPa・s以下、または100mPa・s以下である溶融粘度を有するエチレン系ポリマーである。エチレン系ポリマーワックスは、過半量(すなわち50重量%超)が重合エチレンモノマーおよび任意のα−オレフィンコモノマーで構成される。一実施形態では、エチレン系ポリマーワックスは、以下の特性のうちの一方または両方を有する:(i)0.900g/cc、もしくは0.910g/cc、もしくは0.920g/cc、もしくは0.930g/cc〜0.940g/cc、もしくは0.950g/cc、もしくは0.960g/cc、もしくは0.970g/cc、および/または(ii)140℃で40mPa・s、もしくは50mPa・s、もしくは60mPa・s〜65mPa・s、もしくは70mPa・s、もしくは75mPa・s、もしくは80mPa・s、もしくは90mPa・s、もしくは100mPa・sの溶融粘度。一実施形態では、エチレン系ポリマーワックスは、組成物の総重量に基づいて、1重量%、または2重量%、または3重量%、または4重量%、または5重量%、または10重量%〜15重量%、または20重量%、または23重量%、または25重量%、または30重量%の量で組成物中に存在する。
ワックスは、本明細書に開示されている2つ以上の実施形態を含み得る。
D.添加剤
本組成物は、1つ以上の任意の添加剤を含み得る。好適な添加剤の非限定的な例としては、可塑剤、油、安定剤、酸化防止剤、顔料、染料、ブロッキング防止添加剤、ポリマー添加剤、消泡剤、保存剤、増粘剤、レオロジー修飾剤、湿潤剤、充填剤、溶媒、核化剤、表面活性剤、キレート剤、ゲル化剤、加工助剤、架橋剤、中和剤、難燃剤、蛍光剤、相溶化剤、抗菌剤、およびこれらの組み合わせが含まれる。
一実施形態では、本組成物は、酸化防止剤を含む。酸化防止剤は、熱、光、または粘着付与樹脂などの原材料からの残渣触媒などによって誘導される酸素との反応による分解から、組成物を保護する。好適な酸化防止剤としては、高分子量ヒンダードフェノール、および硫黄、および多官能性フェノール(リン含有フェノールなど)が含まれる。代表的なヒンダードフェノールとしては、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−ベンゼン、ペンタエリトリチルテトラキス−3(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、n−オクタデシル−3(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、4,4’−メチレンビス(2,6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(6−tert−ブチル−o−クレゾール)、2,6−ジ−tertブチルフェノール、6−(4−ヒドロキシフェノキシ)−2,4−ビス(n−オクチル−チオ)−1,3,5トリアジン、ジ−n−オクチルチオ)エチル3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−ベンゾエート、およびソルビトールヘキサ[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−フェニル)−プロピオネート]が含まれる。そのような酸化防止剤は、Ciba Specialty Chemicalsから市販されており、ヒンダードフェノールであるIrganox(商標)565、1010、1076、および1726を含む。これらは、ラジカル捕捉剤として作用する主な酸化防止剤であり、単独で、またはCiba Specialty Chemicalsから入手可能なIrgafos(商標)168のような亜リン酸塩酸化防止剤などの他の酸化防止剤と組み合わせて使用することができる。亜リン酸塩触媒は、二次触媒とみなされ、一般に単独では使用されない。これらは主に、過酸化物分解剤として使用される。入手可能な他の触媒は、Cytec Industriesから入手可能なCyanox(商標)LTDPおよびAlbemarle Corp.から入手可能なEthanox(商標)330である。多くのそのような酸化防止剤は、単独で、または他のそのような酸化防止剤と組み合わせて使用するために入手可能である。
一実施形態では、本組成物は、核剤を含む。好適な核剤の非限定的な例は、Milliken Chemicalから入手可能なMillad(登録商標)NX8000である。
一実施形態において、本組成物は、組成物の総重量に基づいて、0.1重量%、または0.2重量%、または0.3重量%、または0.4重量%〜0.5重量%、または0.6重量%、または0.7重量%、または0.8重量%、または1.0重量%、または2.0重量%、または2.5重量%、または3.0重量%の1つ以上の添加剤を含む。
F.組成物
一実施形態において、本組成物は、接着剤組成物であり、かつさらにホットメルト接着剤(HMA)組成物である。一実施形態では、組成物は、(A)45重量%〜90重量%のプロピレン系インターポリマー(例えば、プロピレン/エチレンインターポリマー)、(B)1重量%〜30重量%のロジンエステル、および任意で、(C)1重量%〜30重量%のワックス、および任意で、(D)0.1重量%〜3.0重量%の添加剤を含む。
一実施形態では、組成物は接着剤組成物であり、かつさらにホットメルト接着剤(HMA)組成物であり、組成物の総重量に基づいて、(A)45重量%、または50重量%、または55重量%、または59重量%、または60重量%、または65重量%、または69重量%〜70重量%、または71重量%、または75重量%、または80重量%、または85重量%、または90重量%のプロピレン系インターポリマー(例えば、プロピレン/エチレンコポリマー)、(B)1重量%、または5重量%、または9重量%、または10重量%、または15重量%、または19重量%〜20重量%、または21重量%、または23重量%、または25重量%、または28重量%、または30重量%のロジンエステル、(C)0重量%、または1重量%、または2重量%、または3重量%、または4重量%、または5重量%、または〜10重量%〜15重量%、または20重量%、または23重量%、または25重量%、または30重量%のワックス、および(D)0重量%、または0.1重量%、または0.2重量%、または0.3重量%、または0.4重量%〜0.5重量%、または0.6重量%、または0.7重量%、または0.8重量%、または1.0重量%、または2.0重量%、または2.5重量%、または3.0重量%の1つ以上の添加剤を含むか、またはそれからなる。さらなる一実施形態では、ワックスは、170℃で40〜100mPa・s、または45〜90mPa・s、または50〜80mPa・s、または55〜70mPa・sの溶融粘度、および0.89〜0.92g/cc、または0.89〜0.91g/ccの密度を有するプロピレン系ポリマーワックスである。
一実施形態では、(A)プロピレン系インターポリマー(例えば、プロピレン/エチレンインターポリマー)と、(B)ロジンエステルとを組み合わせた量は、組成物の少なくとも60重量%に等しい。別の実施形態では、(A)プロピレン系インターポリマー(例えば、プロピレン/エチレンコポリマー)と、(B)ロジンエステルとを組み合わせた量は、組成物の総重量の60重量%、または65重量%、または70重量%、または75重量%〜80重量%、または85重量%、または90重量%、または95重量%に等しい。
一実施形態では、(A)プロピレン系インターポリマー(例えば、プロピレン/エチレンインターポリマー)対(B)ロジンエステルの重量比は、3.0:1.0、または3.4:1.0〜5.5:1.0、または6.0:1.0である。
一実施形態では、組成物は、177℃で500mPa・s、または750mPa・s、または760mPa・s〜950mPa・s、または1,000mPa・s、または1,500mPa・s、または2,000mPa・s、または2,500mPa・s、または3,000mPa・sの溶融粘度を有する。
一実施形態では、組成物は、−40℃〜60℃の温度で、50%以上、または55%以上、または60%以上、または65%以上、または70%以上の繊維引き裂きを有する。別の実施形態では、組成物は、−40℃〜60℃の温度で55%、または60%、または65%、または70%〜100%の繊維引き裂きを有する。
一実施形態では、組成物は、55℃以上、または60℃以上の熱応力を有する。
一実施形態では、組成物は、50℃以上、または50℃〜80℃の剥離接着破壊温度(PAFT)を有する。別の実施形態では、組成物は、85℃以上、または85℃、または90℃、または100℃〜120℃のせん断接着破壊温度(SAFT)を有する。
一実施形態では、組成物は、15秒以下、または1秒〜14秒、または15秒の硬化時間を有する。別の実施形態では、組成物は、20秒以下、または30秒以下、または40秒以下、または50秒以下の開放時間を有する。
一実施形態では、組成物は接着剤組成物であり、かつさらにホットメルト接着剤(HMA)組成物であり、(A)45重量%〜90重量%のプロピレン系インターポリマー(例えば、プロピレン/エチレンコポリマー)、(B)1重量%〜30重量%のロジンエステル、任意で、(C)1重量%〜30重量%のワックス(例えば、プロピレン系ポリマーワックス)、および任意で、(D)0.1重量%〜3.0重量%の添加剤を含み、(A)プロピレン系インターポリマー(例えば、プロピレン/エチレンインターポリマー)と、(B)ロジンエステルとを組み合わせた量は、組成物の総重量の60重量%、または65重量%、または70重量%、または75重量%〜80重量%、または85重量%、または90重量%、または95重量%であり、および(A)プロピレン系インターポリマー対(B)ロジンエステルの重量比は3.0:1.0、または3.4:1.0〜5.5:1.0、または6.0:1.0であり、ならびに組成物は、以下の特性のうちの1つ、いくつか、または全てを有する:(i)177℃で500mPa・s、750mPa・s、もしくは760mPa・s〜950mPa・s、もしくは1,000mPa・s、もしくは1,500mPa・s、もしくは2,000mPa・s、もしくは2,500mPa・s、もしくは3,000mPa・sの溶融粘度、および/または(ii)−40℃〜60℃の温度で55%、もしくは60%、もしくは65%、もしくは70%〜100%の繊維引き裂き、および/または(iii)55℃以上、もしくは60℃以上の熱応力、および/または(iv)50℃以上、もしくは50℃〜80℃のPAFT、および/または(v)85℃以上、もしくは85℃、もしくは90℃、もしくは100℃〜120℃のSAFT、および/または(vi)15秒以下、もしくは1秒〜14秒、もしくは15秒の硬化時間、および/または(vii)20秒以上、もしくは30秒以上、もしくは40秒以上、もしくは50秒以上の解放時間。さらなる一実施形態では、組成物は、上記の特性(i)〜(vii)のうちの少なくとも2つ、または少なくとも3つ、または少なくとも4つ、または少なくとも5つ、または少なくとも6つ、または7つ全てを有する。
上記の組成物を含む、本明細書に開示された各組成物における成分の合計が、100重量パーセント(重量%)をもたらすことが理解される。
組成物は、本明細書に開示されている2つ以上の一実施形態を含むことができる。
G.物品
本開示は、物品を提供する。物品は、本組成物から形成された少なくとも1つの成分を含む。本組成物は、上記に開示されている任意の組成物であり得る。一実施形態では、本組成物は、HMA組成物である。好適な物品の非限定的な例としては、HMA結合ボール紙パッケージングボックス、多層物品、木材物品、および不織物品が含まれる。一実施形態では、その物品は基材を含む。組成物は、基材の少なくとも1つの表面上にある。好適な基材の非限定的な例としては、フィルム、シート、織物、ボール紙、および木材が含まれる。一実施形態では、組成物は、基材の少なくとも1つの表面と別の基材の少なくとも1つの表面との間にシールを形成する。
本物品は、本明細書に開示されている2つ以上の実施形態を含み得る。
試験方法
酸価(acid value)(または酸価(acid number))は、ASTM D1386/7に従って測定された。酸価は、物質中に存在する未反応の脂肪酸の量の尺度である。酸価は、物質(例えば、ロジンエステル)1グラム中に存在する遊離脂肪酸の中和に必要とされる水酸化カリウムのミリグラム数である。酸価の単位は、mg KOH/gである。
密度は、ASTM D792、方法Bに従って測定された。結果は、1立方センチメートル当たりのグラム(g)(g/ccまたはg/cm)で記録された。
Inland段ボールを使用する組成物の繊維引き裂き(%)パーセント繊維引き裂き(FT)を、標準化された方法に従って決定した。Olinger Bond Testerを使用して、試料組成物のビーズ(約0.12〜0.13グラム)をボール紙のクーポン(5×6cm)上に適用し、第2のクーポンを同じ試料組成物の上に素早く置いた。約3秒間、軽い指圧を適用して、結合を所定の位置に保持した。試料は、室温および50%の相対湿度で少なくとも4時間調製された。次に、試料は、試験温度で5時間〜24時間調整された。試料(n=5)は、手によって引き離され、破壊様式(繊維引き裂き、凝集破壊、接着破壊)および平均が記録された。
熱応力抵抗(熱応力)は、Institute of Packaging Professions(IoPP)によって作成された「ホットメルト接着剤の熱応力抵抗を決定するための提案された試験方法」、方法T−3006に従って測定された。1つの試料を準備するために、2インチ(50.8mm)x3−3/16インチ(81mm)、および2インチ(50.8mm)x 5−1/2インチ(139.7mm)の寸法を有する2つの厚紙のクーポン(縦方向に走る溝でカット)を、Olinger Bond Tester(適用温度177℃)を使用して、0.00014lb/インチの組成物(約0.12〜0.13グラム)を適用することによって結合され、このtesterは、一定の圧力でクーポンを圧縮するために、かつさらに熱を適用することなく使用された。組成物を短い方のクーポンの中心の縦溝に対して垂直に塗布し、組成物が長い方のクーポンの一端から3/4インチ(19mm)となるようにクーポンを結合した。各組成について5回繰り返された。各クーポンは、22℃〜23℃、および相対湿度50%で24時間保管された。次に、図1に示すように、短いクーポン端部を試料ホルダ(12)の端部と整列させて、試料(10)は試料ホルダ(12)に装填された。試料(10)は、試料ホルダ(10)の幅広のプレート(14)で所定の位置に保持され、プレート(14)は蝶ナット(16)によって試料ホルダ(12)に固定された。「200g」のおもり(18)は、接着部から3.94インチ(100mm)の距離で、クーポン(20)に取り付けられた。おもり(18)は、より長いクーポンの端に作製された穴の中に、おもりに取り付けられたペグを置くことによって固定された。次に、クーポン(20)および取り付けられたおもり(18)を含む試料ホルダ(12)は、対流式オーブン(図示せず)に配置され、設定温度で平衡化し、24時間オーブン内に維持された。24時間の末に、少なくとも80%の結合(つまり4つの結合)が失敗しない場合、試料は試験温度での耐熱性試験に合格したとみなされる。最大通過熱応力抵抗(温度)が決定されるまでオーブン温度を変えた。全ての新しい結合クーポン試料は、各試験温度に使用された。結果は熱応力温度(℃)として報告されている。
溶融粘度は、Brookfield粘度計モデルおよびBrookfield RV−DV−II−Pro粘度計スピンドル31を使用して、プロピレン系インターポリマー、およびさらにプロピレン/エチレンコポリマーについては177℃、組成物については177℃、エチレン系ポリマーワックスについては140℃、およびプロピレン系ポリマーワックスについては170℃で測定した。試料は、アルミ製の使い捨て管型チャンバ内に注入され、次にこれをBrookfield Thermoselに挿入し、所定の位置に固定した。試料チャンバは、Brookfield Thermoselの底部に適合するノッチを底部に有しており、スピンドルが挿入され、回転しているときに、チャンバが回転させられないことを確実にする。試料(約8〜10グラム)を、溶融した試料が試料チャンバ上部の1インチ下になるまで必要な温度に加熱した。粘度計装置は降下され、スピンドルは試料チャンバの中央に沈み、スピンドルはチャンバの側面に接触しなかった。粘度計上のブラケットがThermosel上に整列するまで、下降を続けた。粘度計の電源を入れ、粘度計のrpm出力に基づいて、全トルク容量の40〜60パーセントの範囲内のトルク読み取りをもたらす安定したせん断速度で作動するように設定した。15分毎に読み取りを取得するか、または値が安定するまで読み取りを取得し、その時点で最終読み取りを記録した。
環球式軟化点は、ASTM E28に従って、Mettler Toledo FP900 Thermosystemを使用して測定された。
示差走査熱量測定(DSC)
示差走査熱量測定(DSC)を使用して、広範の温度にわたるポリマーの溶融、結晶化、およびガラス転移挙動を測定することができる。例えば、RCS(冷蔵冷却システム)およびオートサンプラーを備えたTA Instruments Q1000DSCを使用して、この分析を実行した。試験中、50ml/分の窒素パージガス流を使用した。各試料を薄フィルムへと190℃で溶融プレスし、その後、溶融した試料を室温(25℃)まで空冷した。3〜10mg、直径6mmの試験片を冷却したポリマーから抽出し、秤量し、軽量アルミニウムパン(50mg)内に置き、圧着して閉じた。次に、その熱的特性を測定するために分析を行った。
試料の熱挙動は、試料温度に上下の勾配を付けて熱流量対温度プロファイルを作成することによって測定した。熱履歴を除去するために、まず、試料は180℃まで急速に加熱され、3分間等温保持した。次に、試料は10℃/分の冷却速度で−80℃まで冷却され、−80℃で3分間等温保持した。次に、試料は10℃/分の加熱速度で180℃まで加熱された(これは「第2の加熱」勾配である)。冷却曲線および第2の加熱曲線が記録された。決定した値が、外挿される融解開始(T)および外挿される結晶化開始(T)である。(1グラム当たりのジュールでの)融解熱(H)、および以下の等式を使用して計算されたポリプロピレン試料の結晶化度%:
結晶化度%=((H)/165J/g)x100。
融解熱(H)およびピーク融解温度は、第2の熱曲線から報告された。ピーク結晶化温度は、冷却曲線から測定された。
まず、融解転移の開始と終了との間にベースラインを引くことによって、DSC加熱曲線から融点(T)が決定された。その後、融解ピークの低温側のデータに接線を引いた。この線が、ベースラインと交差する場所が、外挿された融解開始(T)である。これは、Bernhard Wunderlich,The Basis of Thermal Analysis,in Thermal Characterization of Polymeric Materials 92,277−278(Edith A.Turi ed.,2d ed.1997)に記載されているとおりである。
結晶化温度(T)は、結晶化ピークの高温側に接線を引いたことを除いて、上記のDSC冷却曲線から決定された。この接線がベースラインと交差する場所が、外挿された結晶化開始(T)である。
ガラス転移温度(T)は、DSC加熱曲線から決定し、Bernhard Wunderlich,The Basis of Thermal Analysis,in Thermal Characterization of Polymeric Materials 92,278−279(Edith A.Turi ed.,2d ed.1997)に記載されるように、試料の半分で液体熱容量が増加した。ガラス転移領域の下および上からベースラインを引き、T領域を介して外挿した。試料の熱容量がこれらのベースラインの中間となる温度が、Tである。
分子量および分枝指数(g’)のためのゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)
自動送達支援(RAD)システムを備えた高温ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)システムは、試料調製および試料注入に使用された。濃度検出器は、Polymer Char Inc.(Valencia,Spain)製の赤外線検出器(IR−5)であった。データ収集は、Polymer Char DM100データ取得ボックスを使用して実行された。担体溶媒は、1,2,4−トリクロロベンゼン(TCB)であった。このシステムは、Agilent製のオンライン溶媒脱ガスデバイスを備えた。カラム区画は150℃で作動された。カラムは、4つのMixed A LSの30cm、20ミクロンカラムであった。溶媒は、約200ppmの2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール(BHT)を含有する窒素パージした1,2,4−トリクロロベンゼン(TCB)であった。流量は1.0mL/分であり、注入量は200μlであった。穏やかに撹拌しながら、Nパージし、予熱したTCB(200ppmのBHTを含有する)中に試料を160℃で2.5時間溶解することによって、「2mg/mL」の試料濃度を調製した。
GPCカラムセットは、20の狭い分子量分布のポリスチレン標準物質を実行することによって較正した。標準物質の分子量(MW)は580g/mol〜8,400,000g/molの範囲であり、標準物質は6つの「カクテル」混合物中に収容された。各標準混合物には、個々の分子量間で少なくとも1桁の分離があった。各PS標準物質のポリプロピレン換算分子量は、ポリプロピレン(Th.G.Scholte,N.L.J.Meijerink,H.M.Schoffeleers,&A.M.G.Brands,J.Appl.Polym.Sci.,29,3763−3782(1984))およびポリスチレン(E.P.Otocka,R.J.Roe,N.Y.Hellman,&P.M.Muglia,Macromolecules,4,507(1971))について報告されるMark−Houwink係数をもって、以下の等式を使用することによって計算された:
であり、式中、MppはPP換算MWであり、MPSはPS換算MWであり、log KならびにPPおよびPSのMark−Houwink係数の値は以下に列挙される。
4次多項式近似を溶出体積の関数として使用して、対数分子量較正を生成した。数平均分子量および重量平均分子量は、以下の等式に従って計算された:
であり、式中、WfおよびMは、それぞれ溶出成分iの重量分率および分子量である。
質量検出器定数、レーザー光散乱検出器定数、および粘度計検出器定数を、重量平均分子量(Mw=120,000g/mol、dn/dc=−0.104mL/g、MWD=2.9)、および固有粘度(1.873dL/g)の即知の値を用い、標準参照(参照ポリマーは直鎖状ポリエチレンホモポリマーである)を使用して決定された。クロマトグラフィー濃度は、第2のビリアル係数効果(分子量に対する濃度効果)への対処を排除するのに十分に低いと仮定された。
検出器オフセットの決定のための体系的手法は、BalkeおよびMoureyらによって公開されたものであり(Mourey&Balke,Chromatography Polym.Chpt 12,(1992))(Balke,Thitiratsakul,Lew,Cheung&Mourey,Chromatography Polym.Chpt 13、(1992))、2つの検出器から得られたデータを使用し、重量平均分子量(Mw=120,000g/mol、dn/dc=−0.104mL/g、MWD=2.9)、および固有粘度(1.873dL/g)の即知の値、および狭いポリスチレン標準を用い、標準参照(直鎖状ポリエチレンホモポリマー)を分析する。体系的手法を用いて各検出器オフセットを最適化し、従来のGPC法を用いて観察されたものにできるだけ近い分子量結果を得た。
試料の絶対重量平均分子量Mwは、以下の等式を使用してLS検出器およびIR−5濃度検出器によって特徴付けされた:
であり、式中、
はLS検出器の応答領域であり、
はIR−5検出器の応答領域であり、KLSは、重量平均分子量(Mw=120,000g/mol、dn/dc=−0.104mL/g、MWD=2.9)、および固有粘度(1.873dL/g)、および濃度の即知の値を用い、標準参照(直鎖状ポリエチレンホモポリマー)を使用して決定された機器定数である。
各溶離容量の絶対分子量は、以下の等式によって計算された:
試料の固有粘度は、以下の等式を使用して粘度計検出器、およびIR−5濃度検出器によって特徴付けされた:
であり、式中、
は粘度計検出器の応答領域であり、
はIR−5検出器の応答領域であり、KIVは、重量平均分子量(Mw=120,000g/mol、dn/dc=−0.104mL/g、MWD=2.9)、および固有粘度(1.873dL/g)、および濃度の即知の値を用い、標準参照(直鎖状ポリエチレンホモポリマー)を使用して決定された機器定数である。
各溶離容量の固有粘度は、以下の等式によって計算された:
各溶出画分のMLS,iおよびIV値を使用して、試料のMark−Houwinkプロットを生成した。
エラストマーの分枝指数(g’)値は、以下の等式によって計算された:
’=(IV試料,i/IV直鎖状参照,i)(式8)、式中、IV直鎖状参照、iは、試料と同等の絶対分子量での直鎖状エラストマー参照の固有粘度である。
直鎖状エラストマー参照は、特徴付けられた樹脂にあるように、「正確に」同じ量のコモノマーを有するエラストマーとして定義された。この直鎖状エラストマー参照のMark−Houwinkプロットは、検出されたMW範囲内の直鎖状ポリエチレンホモポリマーと平行であり、この場合の低MW範囲20,000〜30,000g/molのエラストマー樹脂のMark−Houwinkプロットと重複する。エラストマーの分子量および固有粘度は、短鎖分枝(SCB)パラメータを使用して以下の方法によって「補正」された:MWエラストマー=(1+SCB重量%)*MW直鎖状、同時に、IVエラストマー=IV直鎖状/(1+SCB重量%)。
SCBの重量分率(「SCB重量%」)、および1000炭素あたりのSCB(「SCB/1000C」)は以下の関係性を有する:SCB重量%=[(SCB/1000C*X*14)/14000]、式中、Xはコモノマーの種類であり、この場合、オクテンではX=8、プロピレンではX=3である。
MWDと共にSCBおよびSCB分布は、検出器IR−5の組成様式を使用することによって取得できる。使用される「SCB重量%」は、特にエラストマー中に複数のコモノマーが存在する場合、一貫し得るがエラストマー中のコモノマー重量分率と厳密には等しくない可能性がある実験値である。
絶対分子量および固有粘度に「SCB補正」を導入することによって、コモノマーに起因する因子である、分枝指数(g’)が減少し、排除された。各エラストマー試料中のコモノマー濃度に基づいて、「SCB補正」は異なり得る。「SCB補正」の主な基準は、低MW画分で特徴付けらされたエラストマー試料で適切に重ねられる。これは、「SCB重量%」水準の値を調整することによって完了させた。
剥離接着破壊温度(PAFT)およびせん断接着破壊温度(SAFT)
剥離接着破壊温度(PAFT)は、剥離様式で、100gのおもりと共に、ASTM D4498に従って試験された。試験は室温(25℃/77°F)で開始し、0.5℃/分の平均速度で温度を上昇させた。
せん断接着破壊温度(SAFT)は、せん断様式で、500グラムのおもりと共に、ASTM D4498に従って測定された。試験は室温(25℃/77°F)で開始し、0.5℃/分の平均速度でオーブン温度を勾配させた。試験片が破損した温度が記録される。
各々6×12インチ(152×305mm)寸法の2枚の40ポンドのクラフト紙を使用して、PAFTおよびSAFT試験のための試料を調製した。底部シート上、長さ方向に、かつ1インチ(25mm)の間隙だけ離して、1.75インチまたは2インチ(45mmまたは51mm)幅の2枚の条片の片面感圧テープ(マスキングテープなど)を平行に接着した。試験される組成物試料を177℃(350°F)に加熱し、2枚のテープ条片の間に形成された間隙の中央から均一な様式で垂らした。その後、組成物の粘度が過度に増加する前に、2本のガラスロッドをシートの長さ方向に滑らせた(1本のロッドはテープの上に直接乗り、間隙の各側で同じテープ条片によって水平にされ、その後に第2のロッドおよび(2本のロッド間に)第2の紙が続く)。これは、第1のロッドがテープ条片間の間隙に組成物を均一に広げ、第2のロッドが間隙の上部にわたって、かつテープ条片の上部に第2のシートを均一に圧縮するような様式で行った。したがって、2枚のテープ条片の間に1インチ(25.4mm)幅の試料組成物の単一の条片を作製し、紙シートを結合させた。そのように結合させたシートを横に切断して幅1インチ(25.4mm)および長さ3インチ(76.2mm)の条片にし、各条片は中央に1×1インチ(25×25mm)の接着試料結合を有した。その後、所望に応じて、条片をPAFTおよびSAFT試験に用いた。
開放時間および硬化時間
試験結合を形成し、それを引き裂くのに使用される機械的試験デバイスであるOlinger Bond Testerを使用して、硬化時間特性および開放時間特性が決定された。Olinger Bond Testerは、350℃(177℃)に加熱された。2.5インチ(63.5mm)×2インチ(50.8mm)の段ボール板である底部基材を、接着剤ポット下のトラック上で移動させ、これにより、幅約1/16インチ(1.6mm)〜1/8インチ(3.2mm)および長さ1インチ(25.4mm)のポリマーのビーズが送達された。一貫したビーズサイズを維持するために、接着剤ポットの圧力を増加または低下させた。2.5インチ(63.5mm)×2インチ(50.8mm)の上部基材を、2バールの圧力で下部基材に適用した。Olingerは、秒単位で可能な硬化時間および開放時間の測定をすることができる2つのタイマーを有する。
開放時間測定は、一方の基材への接着剤の適用と、第2の基材の結合との間の最長の時間であり、これは、75%の繊維引き裂き結合をもたらす。試験では、圧縮時間(または硬化時間)を、100%の繊維引き裂きを達成するために、硬化時間の測定によって決定された時間に設定した。開放時間を10秒に設定し、50%未満の繊維引き裂きが達成されるまで10秒間隔で増加させた。開放時間は5秒短縮され、繊維引き裂き%が決定された。最後に、開放時間は1秒間隔で変更され、75%以上の繊維引き裂きを達成するための最大許容時間を決定した。
硬化時間測定は、繊維引き裂き結合を達成するのに必要とされる最小圧縮時間である。試験では、開放時間は2秒に設定された。上部基材が下部基材上に圧縮されるにつれて、結合が形成された。事前に設定した圧縮時間の後、上部基材が底部基材から引き離されるにつれて、引き裂き試験を実行した。その後、事前に設定した試験条件下で達成された繊維引き裂き率を測定するために視覚的評価を行った。硬化時間は1秒間隔で変更され、100%の繊維引き裂きおよび75%未満の繊維引き裂きを達成する時間を決定した。硬化時間を最も近い秒による最短時間として記録し、この時点で最低75%の繊維引き裂きが得られた。
プロピレン系インターポリマーのための13C NMRの実験手順
エチレン含有量、ケーニッヒB値、三連子分布、および三連子立体規則性には、13C NMRを使用し、以下のように実行した。
試料調製(プロピレン−エチレンコポリマー)−0.025M Cr(AcAc)を含有するテトラクロロエタン−d/オルトジクロロベンゼンの50/50混合物およそ2.7gを、Norell1001−7の10mm NMR管内の0.20〜0.30gの試料に添加することによって、試料は調製された。その後、加熱ブロックおよびヒートガンを使用して、管およびその内容物を150℃に加熱することによって、試料を溶解し、均質化した。各試料を目視検査して、均質性を確実にした。
データ取得パラメータ(プロピレン−エチレンコポリマー)−Bruker Dual DUL高温CryoProbeを備えたBruker400MHz分光計を使用して、データを収集した。データは、1データファイル当たり320回の過渡電圧、6秒のパルス反復遅延、90度のフリップ角、および逆ゲート付きデカップリングを使用して、120℃の試料温度で取得された。全ての測定は、固定様式の非回転試料に対して実施された。試料は、データ取得前に7分間熱平衡化された。その後、mm立体規則性パーセントおよびエチレン重量%は、当技術分野において一般的に使用される方法に従って決定された。*
*組成物(E重量%)については、S.Di Martino and M.Kelchtermans;J.Appl.Polym.Sci.,V56,1781−1787(1995)、立体規則性、詳細な割り当てについては、V.Busico,R.Cipullo;Prog.Polym.Sci.V26,443−533(2001)が参照される。
「ケーニッヒB値」またはカイ統計量は、プロピレンエチレンランダムコポリマーにおけるランダム性またはブロック性の1つの尺度である。1.0の値はランダムコポリマーを示し、ゼロの値はモノマーAおよびBの完全なブロックを示す。2つのB値は、交互性のコポリマーを示す。B=[EP]/(2[P][E])であり、式中、[EP]はEP二量体(EP+PEまたは(EEP+PPE+PEP+EPE))の全モル分率であり、[E]はモル分率エチレンであり、[P]=1−[E]である。Jack L.Koenig,Spectroscopy of Polymers(2d ed.1999)。
ロジンエステルのための13C NMRの実験手順
13C NMRは、脂肪族の炭素の含有量、酸素化物の含有量、芳香族の炭素の含有量、不飽和の炭素の含有量、エステル基の含有量、アルデヒド基の含有量、およびケトン基の含有量のために使用され、次のように実行される。
試料調製(ロジンエステル)−0.025M Cr(AcAc)を含有するテトラクロロエタン−dおよそ2.7gを、Norell1001−7の10mm NMR管内の0.20〜0.30gの試料に加えることによって、テトラクロロエタン−d内で試料は調製された。その後、加熱ブロックおよびヒートガンを使用して、管およびその内容物を150℃に加熱することによって、試料を溶解し、均質化した。各試料を目視検査して、均質性を確実にした。
データ取得パラメータ(ロジンエステル)−Bruker Dual DUL高温CryoProbeを備えたBruker400MHz分光計を使用して、データを収集した。データは、1データファイル当たり160回のスキャン、6秒のパルス反復遅延、90度のフリップ角、および逆ゲート付きデカップリングを使用して、120℃の試料温度で取得された。取得は、25,000Hzの分光幅および32Kデータポイントのファイルサイズを使用して実行された。脂肪族の炭素の含有量、酸素化物の含有量、芳香族の炭素の含有量、不飽和の炭素の含有量、エステル基の含有量、アルデヒド基の含有量、およびケトン基の含有量の定量に使用される積分範囲が、以下に列挙される。
H NMR分析−1モルのプロピレン当たりの全不飽和
クロムアセチルアセトネート(緩和剤)中0.0015Mであるテトラクロロエタン−d2/ペルクロロエチレンの50/50混合物およそ3.25gを、10mm NMR管内の0.130gの試料に添加することによって、試料は調製された。管およびその内容物を110℃に加熱することによって、試料を溶解し、均質化した。Bruker Dual DUL高温CryoProbeを備えたBruker400MHz分光計を使用して、データを収集した。1データファイル当たり4回のスキャン、15.6秒のパルス反復遅延を使用して、120℃の試料温度で不飽和データを収集した。10,000Hzのスペクトル幅および16Kデータ点のファイルサイズを使用して、取得を実行した。修正パルスシーケンス、lc1prf2.zz1で、1データファイル当たり100回のスキャンを使用して、事前飽和実験を実行した。以下の計算が使用された:
プロピレン由来のHのモル:プロピレンモル分率*(積分面積δ3.5〜0.2ppm)
本開示のいくつかの実施形態を、以下の実施例においてここに詳細に記載する。
1.プロピレン系インターポリマーの調製
多価アリールオキシエーテル触媒のハフニウム金属錯体である触媒A(ハフニウム,[[2’,2’’’−[(1R,2R)−1,2−シクロヘキサンジイルビス(メチレンオキシ−O)]ビス[3−(9H−カルバゾール−9−イル)−5−メチル[1,1’−ビフェニル]−2−オラト−O]](2−)]ジメチル)を利用して、2つのプロピレン系インターポリマー(P/E1およびP/E2)が生成された。以下の表1は、触媒Aの名称および構造を提供する。
P/E 1およびP/E 2は、以下の手順に従って作製された。触媒Aおよび共触媒成分溶液は、ポンプおよび質量流量計を使用して計量され、触媒フラッシュ溶媒と組み合わされて、反応器の底部に導入される。使用した共触媒は、1/3のi−ブチル/メチル基のモル比を含有する、三次成分であるトリ(イソブチル)アルミニウム変性メタアルモキサン(MMAO)と組み合わせた、メチルジ(オクタデシル)アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(MDB)に等しい、ほぼ化学量論の長鎖アルキルアンモニウムボレートである。触媒Aについて、共触媒は、モル比での、1.2/1のHf、かつMMAO(25/1のAl/Hf)に基づく。
重合プロセスは発熱性である。重合された1ポンド(2009kJ/kg)のプロピレン当たり約900の英国熱量単位(BTU)が放出され、重合された1ポンド(3489kJ/kg)のエチレン当たり約1,500のBTUが放出されたことが存在する。主なプロセス設計の考慮事項は、反応熱の除去である。プロピレン/エチレン(P/E)コポリマーは、3インチ(76mm)のループパイプに加えて2つの熱交換器からなる低圧の溶液重合ループ反応器内で生成され、その全体積は31.4ガロン(118.9リットル)であった。溶媒およびモノマー(プロピレン)は、液体として反応器に注入される。コモノマー(エチレン)ガスは、液体溶媒に完全に溶解させる。反応器に注入する前に、供給物は5℃に冷却される。反応器は、15重量%〜20重量%のポリマー濃度で作動する。溶液の断熱的な温度上昇は、重合反応からの熱除去の一部を占める。反応器内の熱交換器が利用され、残りの反応熱を除去し、反応温度での反応器の温度制御を可能にした。
使用した溶媒は、ISOPAR Eの商標でExxonから入手可能な高純度イソパラフィン画分である。新鮮なプロピレンは、SELEXSORB COSの床に通過させて精製してから、溶媒、プロピレン、エチレン、および水素を含有する再循環流と混合した。再循環流と混合した後、複合流を75重量%のMolecular Sieve13Xおよび25重量%のSelexsorb CDの床に通過させてさらに精製してから、高圧700psig(4826kPa)供給ポンプを使用して内容物を反応器へと通過させた。新鮮なエチレンをSELEXSORB COS床に通過させて精製してから、この流を750psig(5171kPa)に圧縮した。水素(分子量を低減するために使用されるテロゲン)は圧縮エチレンと混合させてから、この2つは液体供給物に混合/溶解される。全流は適切な供給温度(5℃)に冷却される。反応器は500〜525psig(3447〜3619kPa)で作動し、制御温度は表1Aに報告する。触媒注入速度を制御することによって、反応器内のプロピレン転換は維持される。熱交換器のシェル側にわたる水温を85℃に制御することによって、反応温度は維持される。反応器内の滞留時間は短い(10分)。反応器通過1回当たりのプロピレン転換は表1Aにさらに報告される。
反応器を出た後、水および添加剤はポリマー溶液に注入される。水は触媒を加水分解し、重合反応を停止させる。添加剤は、酸化防止剤、すなわち、500ppmのフェノール酸化防止剤および1000ppmの亜リン酸塩酸化防止剤からなり、これはポリマーと共に残存し、保管している間のポリマー分解を防止するための安定剤として作用する。反応器後の溶液は、2段階脱揮発の準備として、反応器温度から230℃に超加熱される。溶媒および未反応のモノマーは、脱揮発プロセス中に除去される。ポリマー溶融物は、水中ペレット切断のためのダイへとポンピングされる。
脱揮発装置の上部を出る溶媒およびモノマーの蒸気は、コアレッサーへと送られる。コアレッサーは、脱揮発中に蒸気中に同伴するポリマーを除去する。コアレッサーを出る清浄な蒸気流は、一連の熱交換器を通して部分的に凝縮される。二相混合物は、分離ドラムに入る。凝縮した溶媒およびモノマーは精製され(これが上述の再循環流である)、反応プロセスで再使用した。分離ドラムから出る、主にプロピレンとエチレンを含有する蒸気はブロックフレアへと送られ、燃焼させた。
P/E1およびP/E2のプロセス条件は以下の表1Aに示される。P/E1およびP/E2の特性は以下の表2に示される。
A.表2におけるアイソタクチック性は13C NMRで決定される−クロムアセチルアセトネート(緩和剤)中0.025Mであるテトラクロロエタン−d2/オルトジクロロベンゼンの50/50混合物約2.6gを、10mmのNMR管内の0.2gの試料に添加することによって、試料は調製される。管およびその内容物を150℃に加熱することによって、試料を溶解し、均質化した。データは、Bruker Dual DUL高温CryoProbeを備えた、Bruker 400MHz分光計を用いて収集された。データは、1データファイル当たり160回のスキャン、6秒のパルス反復遅延を使用して、120℃の試料温度で取得された。取得は、25,000Hzのスペクトル幅および32Kデータ点のファイルサイズを使用して実行された。
2.組成物の生成
組成物、さらにホットメルト接着剤組成物を製造するために使用される材料を以下の表3に示す。表3の出発材料の重量を測定し、温度制御機能を備えた小型缶ミキサーを使用して、177℃で30分間100rpmで溶融ブレンドした。組成物およびそれらの用途性能データを、以下の表4に提供する。
表4に示すように、ロジンエステル中の炭素の総モルに基づいて、プロピレン/エチレンインターポリマーを含む組成物(P/E1およびP/E2)および75モル%以上の脂肪族の炭素、および3.0モル%以下のエステル基の炭素を含むロジンエステル(KOMOTAC(商標)KM−100またはKOMOTAC(商標)KM−100W)は、プロピレン/エチレンインターポリマー、および水素化炭化水素を含む比較組成物(すなわち、EASTOTAC H100W)よりも高い耐熱性(≧55℃の熱応力によって実証される)を示す(実施例1〜5と共にCS 1およびCS 2を比較)。さらに、プロピレン系ポリマーワックス(LICOCENE PP 6102)を含む組成物は、−40℃〜60℃の範囲で50%超の繊維引き裂きを示す(実施例1〜4を参照)。
本開示は、本明細書に含まれる実施形態および例示に限定されず、実施形態の一部、および異なる実施形態の要素の組み合わせを含むこれらの実施形態の変更された形態を、以下の特許請求の範囲の範疇内に含むことが明確に意図される。

Claims (10)

  1. (A)プロピレン系インターポリマーであって、
    (i)0.850g/cc〜0.900g/ccの密度、および
    (ii)177℃で10,000mPa・s以下の溶融粘度を有する、プロピレン系インターポリマーと、
    (B)ロジンエステルであって、
    (i)前記ロジンエステル中の炭素の総モルに基づいて、75モル%以上の脂肪族の炭素、および
    (ii)前記ロジンエステル中の炭素の総モルに基づいて、3.0モル%以下のエステル基の炭素を含む、ロジンエステルとを含む、組成物。
  2. 前記ロジンエステルが、前記ロジンエステル中の炭素の総モルに基づいて、75モル%〜95モル%の脂肪族の炭素を含む、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記ロジンエステルが、前記ロジンエステル中の炭素の総モルに基づいて、0.5モル%〜3.0モル%のエステル基の炭素を含む、請求項1または請求項2に記載の組成物。
  4. 170℃で40〜100mPa・sの溶融粘度および0.88〜0.92g/ccの密度を有する、プロピレン系ポリマーワックスをさらに含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物。
  5. 前記プロピレン系インターポリマー対前記プロピレン系ポリマーワックスの重量比が、2.0:1.0〜5.0:1.0である、請求項4に記載の組成物。
  6. 前記ロジンエステル対前記プロピレン系ポリマーワックスの重量比が、0.4:1.0〜1.0:1.0である、請求項4または請求項5に記載の組成物。
  7. (A)プロピレン系インターポリマーと、(B)ロジンエステルとを組み合わせた量が、前記組成物の少なくとも60重量%に等しい、請求項1〜6のいずれか一項に記載の組成物。
  8. 前記(A)プロピレン系インターポリマー対前記(B)ロジンエステルの重量比が、3.0:1.0〜6.0:1.0である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の組成物。
  9. (A)45重量%〜90重量%の前記プロピレン系インターポリマーであって、177℃で500mPa・s〜10,000mPa・sの溶融粘度を有する、インターポリマーと、
    (B)1重量%〜30重量%の前記ロジンエステルと、を含み、各重量%が前記組成物の重量に基づき、前記組成物が、177℃で500mPa・s〜3,000mPa・sの溶融粘度を有し、前記組成物が、55℃以上の熱応力を有する、請求項1〜8のいずれか一項に記載の組成物。
  10. 請求項1〜9のいずれか一項に記載の組成物から形成された少なくとも1つの成分を含む、物品。

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