以下、本発明に係る好適な実施の形態を、添付図面を参照して詳しく説明する。添付図面と共に以下に開示される詳細な説明は、本発明の例示的な実施形態を説明するためのものであり、本発明が実施し得る唯一の実施形態を示すためのものではない。以下の詳細な説明は、本発明の完全な理解を提供するために具体的な細部事項を含む。しかし、当業者にとってはこのような具体的な細部事項なしにも本発明を実施できることは明らかである。
場合によって、本発明の概念が曖昧になることを避けるために、公知の構造及び装置を省略したり、各構造及び装置の核心機能を中心にしたブロック図の形式で示すことができる。また、この明細書全体を通じて同一の構成要素については同一の図面符号を付して説明する。
以下に説明する技法(technique)及び装置、システムは、様々な無線多元接続システムに適用することができる。多元接続システムの例には、CDMA(code division multiple access)システム、FDMA(frequency division multiple access)システム、TDMA(time division multiple access)システム、OFDMA(orthogonal frequency division multiple access)システム、SC−FDMA(single carrier frequency division multiple access)システム、MC−FDMA(multi carrier frequency division multiple access)システムなどがある。CDMAは、UTRA(Universal Terrestrial Radio Access)又はCDMA2000のような無線技術(technology)によって具現化することができる。TDMAは、GSM(Global System for Mobile communication)、GPRS(General Packet Radio Service)、EDGE(Enhanced Data Rates for GSM Evolution)(i.e.,GERAN)などのような無線技術によって具現化することができる。OFDMAは、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11(Wi−Fi)、IEEE802.16(WiMAX)、IEEE802−20、E−UTRA(evolved−UTRA)などのような無線技術によって具現化することができる。UTRAは、UMTS(Universal Mobile Telecommunication System)の一部であり、3GPP(3rd Generation Partnership Project)LTE(Long Term Evolution)は、E−UTRAを用いるE−UMTSの一部である。3GPP LTEは、下りリンク(downlink、DL)ではOFDMAを採択し、上りリンク(uplink、UL)ではSC−FDMAを採択している。LTE−A(LTE−advanced)は、3GPP LTEの進化した形態である。説明の便宜のために、以下では、本発明が3GPP基盤通信システム、例えば、LTE/LTE−A、NRに適用される場合を仮定して説明する。しかし、本発明の技術的特徴がこれに制限されるものではない。例えば、以下の詳細な説明が、移動通信システムが3GPP LTE/LTE−A/NRシステムに対応する移動通信システムに基づいて説明されても、3GPP LTE/LTE−A/NR特有の事項以外は、他の任意の移動通信システムにも適用可能である。
例えば、本発明は、3GPP LTE/LTE−Aシステムのように、eNBがUEに下りリンク/上りリンク時間/周波数リソースを割り当て、UEがeNBの割当てによって下りリンク信号を受信し、上りリンク信号を送信する非競合ベース(non−contention based)通信だけでなく、Wi−Fiのような競合ベース(contention based)通信にも適用することができる。非競合ベース通信技法は、アクセスポイント(access point、AP)或いは上記アクセスポイントを制御する制御ノード(node)が、UEと上記AP間の通信のためのリソースを割り当てるが、競合ベース通信技法は、APに接続しようとする複数UE間の競合によって通信リソースが占有される。競合ベース通信技法についして簡略に説明すると、競合ベース通信技法の一種として搬送波感知多重アクセス(carrier sense multiple access、CSMA)がある。CSMAとは、ノード或いは通信機器が周波数帯域(band)のような、共有送信媒体(shared transmission medium)(共有チャネルともいう。)上でトラフィック(traffic)を送信する前に、同一の共有送信媒体上に他のトラフィックがないことを確認する確率的(probabilistic)媒体アクセス制御(media access control、MAC)プロトコル(protocol)を指す。CSMAにおいて送信装置は受信装置にトラフィックを送信することを試みる前に、他の送信が進行中であるか否か決定する。換言すれば、送信装置は、送信を試みる前に、他の送信装置からの搬送波(carrier)の存在を検出(detect)することを試みる。搬送波が感知されると、送信装置は、自身の送信を開始する前に、進行中の他の送信装置によって送信が完了(finish)することを待つ。結局、CSMAは、“sense before transmit”或いは“listen before talk”の原理に基づいてした通信技法といえる。CSMAを用いる競合ベース通信システムにおいて送信装置間の衝突を回避するための技法としてCSMA/CD(Carrier Sense Multiple Access with Collision Detection)及び/又はCSMA/CA(Carrier Sense Multiple Access with Collision Avoidance)が用いられる。CSMA/CDは、有線LAN環境での衝突検出技法であり、イーサネット(ethernet)環境で通信をしようとするPC(Personal Computer)やサーバー(server)がまず、ネットワーク上で通信が行われているか確認した後、他の装置(device)がデータを上記ネットワーク上で載せて送っていると、待ってからデータを送る。すなわち、2人以上のユーザ(例、PC、UEなど)が同時にデータを乗せて送る場合、上記同時送信間に衝突が発生するが、CSMA/CDは、上記衝突を監視し、柔軟性あるデータ送信がなされるようにする技法である。CSMA/CDを用いる送信装置は、特定規則を用いて他の送信装置によるデータ送信を感知し、自身のデータ送信を調節する。CSMA/CAは、IEEE802.11標準に明示されている媒体アクセス制御プロトコルである。IEEE802.11標準に従うWLANシステムは、IEEE802.3標準で用いられたCSMA/CDを用いず、CA、すなわち、衝突を回避する方式を用いている。送信装置は、常にネットワークの搬送波を感知しているが、ネットワークが空になると、目録に登載された自身の位置によって、定められた時間を待ってからデータを送る。目録内で送信装置間の優先順位を決め、これを再設定(reconfiguration)するためには様々方法を用いることができる。IEEE802.11標準の一部バージョンに従うシステムでは、衝突が起きることがあり、この場合には衝突感知手順が行われる。CSMA/CAを用いる送信装置は、特定の規則を用いて、他の送信装置によるデータ送信と自身のデータ送信間の衝突を回避する。
後述する本発明の実施例において、装置が“仮定する”という表現は、チャネルを送信する主体が該当の“仮定”に符合するようにチャネルを送信することを意味する。チャネルを受信する主体は、チャネルが該当“仮定”に符合するように送信されたという前提の下に、該当“仮定”に符合する形態でチャネルを受信或いは復号するものであることを意味する。
本発明において、特定のリソースでチャネルがパンクチャリングされるとは、チャネルのリソースマッピング過程でチャネルの信号が特定のリソースにマッピングされるものの、チャネルの送信時にパンクチャリングされるリソースにマッピングされた信号部分は除外されたまま送信されることを意味する。言い換えれば、パンクチャリングされる特定のリソースは、該当チャネルのリソースマッピング過程で該当チャネルのリソースとしてカウントされるものの、該当チャネルの信号のうち、特定のリソースにマッピングされた信号は実際には送信されない。該当チャネルの受信装置はパンクチャリングされた特定のリソースにマッピングされた信号部分は送信されなかったと仮定し、該当チャネルを受信、復調或いは復号する。反面、特定のリソースでチャネルがレートマッチングされるとは、チャネルのリソースマッピング過程でチャネルが特定のリソースに全くマッピングされないことにより、チャネルの送信に使用されないことを意味する。言い換えれば、レートマッチングされる特定のリソースは、該当チャネルのリソースマッピング過程で該当チャネルのリソースとして全くカウントされない。該当チャネルの受信装置はレートマッチングされた特定のリソースが該当チャネルのマッピング及び送信に全然使用されなかったと仮定して、該当チャネルを受信、復調又は復号する。
本発明において、UEは、固定していても移動性を有してもよく、基地局(base station、BS)と通信してユーザデータ及び/又は各種制御情報を送受信する各種機器がこれに属する。UEは、端末(Terminal Equipment)、MS(Mobile Station)、MT(Mobile Terminal)、UT(User Terminal)、SS(Subscribe Station)、無線機器(wireless device)、PDA(Personal Digital Assistant)、無線モデム(wireless modem)、携帯機器(handheld device)などと呼ぶこともできる。また、本発明において、BSは、一般に、UE及び/又は他のBSと通信する固定局(fixed station)のことをいい、UE及び他のBSと通信して各種データ及び制御情報を交換する。BSは、ABS(Advanced Base Station)、NB(Node−B)、eNB(evolved−NodeB)、BTS(Base Transceiver System)、アクセスポイント(Access Point)、PS(Processing Server)などの他の用語で呼ぶこともできる。特に、UTRANの基地局はNode−Bと、E−UTRANの基地局はeNBと、また新しい無線アクセス技術ネットワーク(new radio access technology network)の基地局はgNBとも呼ばれる。以下、説明の便宜のために、BSをgNBと呼ぶ。
本発明でいうノード(node)とは、UEと通信して無線信号を送信/受信し得る固定した地点(point)のことを指す。様々な形態のgNBを、その名称に関係なくノードとして用いることができる。例えば、BS、NB、eNB、ピコセルeNB(PeNB)、ホームeNB(HeNB)、gNB、リレー、リピータなどをノードとすることができる。また、ノードは、gNBでなくてもよい。例えば、無線リモートヘッド(radio remote head、RRH)、無線リモートユニット(radio remote unit、RRU)とすることもできる。RRH、RRUなどは、一般にgNBの電力レベル(power level)よりも低い電力レベルを有する。RRH或いはRRU(以下、RRH/RRU)は、一般に、光ケーブルなどの専用回線(dedicated line)でgNBに接続されているため、一般に、無線回線で接続されたgNBによる協調通信に比べて、RRH/RRUとgNBによる協調通信を円滑に行うことができる。1つのノードには少なくとも1つのアンテナが設置される。このアンテナは物理アンテナを意味することもでき、アンテナポート、仮想アンテナ、又はアンテナグループを意味することもできる。ノードはポイント(point)とも呼ばれる。
本発明でいうセル(cell)とは、1つ以上のノードが通信サービスを提供する一定の地理的領域を指す。従って、本発明で特定セルと通信するということは、上記特定セルに通信サービスを提供するgNB或いはノードと通信するということを意味できる。また、特定セルの下りリンク/上りリンク信号は、上記特定セルに通信サービスを提供するgNB或いはノードからの/への下りリンク/上りリンク信号を意味する。UEに上りリンク/下りリンク通信サービスを提供するセルを特にサービングセル(serving cell)という。また、特定セルのチャネル状態/品質は、上記特定セルに通信サービスを提供するgNB或いはノードとUE間に形成されたチャネル或いは通信リンクのチャネル状態/品質を意味する。3GPP基盤通信システムにおいて、UEは、特定ノードからの下りリンクチャネル状態を、上記特定ノードのアンテナポートが上記特定ノードに割り当てられたCRS(Cell−specific Reference Signal)リソース上で送信されるCRS及び/又はCSI−RS(Channel State Information Reference Signal)リソース上で送信するCSI−RSを用いて測定することができる。
一方、3GPP基盤通信システムは、無線リソースを管理するためにセルの概念を用いているが、無線リソースと関連付くセルは、地理的領域のセルと区別される。
地理的領域の“セル”は、ノードが搬送波を用いてサービスを提供できるカバレッジ(coverage)と理解することができ、無線リソースの“セル”は、上記搬送波によって設定(configure)される周波数範囲である帯域幅(bandwidth、BW)に関連する。ノードが有効な信号を送信できる範囲である下りリンクカバレッジと、UEから有効な信号を受信できる範囲である上りリンクカバレッジは、当該信号を運ぶ搬送波に依存するので、ノードのカバレッジは、上記ノードが用いる無線リソースの“セル”のカバレッジと関連することもある。従って、“セル”という用語は、時にはノードによるサービスのカバレッジを、時には無線リソースを、時には上記無線リソースを用いた信号が有効な強度で到達できる範囲を意味することに用いることができる。
一方、3GPP通信標準は無線リソースを管理するためにセルの概念を使う。無線リソースに関連した“セル”とは下りリンクリソース(DL resources)と上りリンクリソース(UL resources)の組合せ、つまりDLコンポーネント搬送波(component carrier、CC)とUL CCの組合せと定義される。セルはDLリソース単独、又はDLリソースとULリソースの組合せに設定されることができる。キャリアアグリゲーションが支援される場合、DLリソース(又は、DL CC)の搬送波周波数とULリソース(又は、UL CC)の搬送波周波数の間のリンケージ(linkage)は、システム情報によって指示されることができる。例えば、システム情報ブロックタイプ2(System Information Block Type2、SIB2)リンケージ(linkage)によってDLリソースとULリソースの組合せが指示されることができる。ここで、搬送波周波数とは、各セル又はCCの中心周波数と同じであることができる。以下では、1次周波数(primary frequency)上で動作するセルを1次セル(primary cell、Pcell)又はPCCと言い、2次周波数(Secondary frequency)(又はSCC)上で動作するセルを2次セル(secondary cell、Scell)又はSCCと言う。下りリンクでPcellに対応する搬送波は下りリンク1次CC(DL PCC)と言い、上りリンクでPcellに対応する搬送波はUL1次CC(DL PCC)と言う。ScellとはRRC(Radio Resource Control)接続確立(connection establishment)がなされた後に設定可能であり、追加的な無線リソースを提供するために使われることができるセルを意味する。UEの性能(capabilities)によって、ScellがPcellと一緒に、前記UEのためのサービングセルの集団を形成することができる。下りリンクでScellに対応する搬送波はDL2次CC(DL SCC)と言い、上りリンクで前記Scellに対応する搬送波はUL2次CC(ULSCC)と言う。RRC_CONNECTED状態にあるが、キャリアアグリゲーションが設定されていないかキャリアアグリゲーションを支援しないUEの場合、Pcellにだけ設定されたサービングセルがただ一つ存在する。
3GPP基盤通信標準は、上位層から生じる情報を運ぶリソース要素に対応する下りリンク物理チャネルと、物理層によって用いられるが、上位層から生じる情報を搬送しないリソース要素に対応する下りリンク物理信号を定義する。例えば、物理下りリンク共有チャネル(physical downlink shared channel、PDSCH)、物理ブロードキャストチャネル(physical broadcast channel、PBCH)、物理マルチキャストチャネル(physical multicast channel、PMCH)、物理制御フォーマット指示子チャネル(physical control format indicator channel、PCFICH)、物理下りリンク制御チャネル(physical downlink control channel、PDCCH)及び物理ハイブリッドARQ指示子チャネル(physical hybrid ARQ indicator channel、PHICH)が下りリンク物理チャネルとして定義されており、参照信号と同期信号が下りリンク物理信号として定義されている。パイロット(pilot)とも呼ばれる参照信号(reference signal、RS)は、gNBとUEが互いに知っている既に定義された特別な波形の信号を意味するが、例えば、セル固有RS(cell specific RS)、UE固有RS(UE−specific RS、UE−RS)、ポジショニングRS(positioning RS、PRS)及びチャネル状態情報RS(channel state information RS、CSI−RS)が下りリンク参照信号として定義される。3GPP LTE/LTE−A標準は、上位層から生じる情報を搬送するリソース要素に対応する上りリンク物理チャネルと、物理層によって用いられるが、上位層から生じる情報を搬送しないリソース要素に対応する上りリンク物理信号を定義している。例えば、物理上りリンク共有チャネル(physical uplink shared channel、PUSCH)、物理上りリンク制御チャネル(physical uplink control channel、PUCCH)、物理ランダムアクセスチャネル(physical random access channel、PRACH)が上りリンク物理チャネルとして定義され、上りリンク制御/データ信号のための復調参照信号(demodulation reference signal、DMRS)と上りリンクチャネル測定に用いられるサウンディング参照信号(sounding reference signal、SRS)が定義される。
本発明で、PDCCH(Physical Downlink Control CHannel)/PCFICH(Physical Control Format Indicator CHannel)/PHICH((Physical Hybrid automatic retransmit request Indicator CHannel)/PDSCH(Physical Downlink Shared Channel)はそれぞれ、DCI(Downlink Control Information)/CFI(Control Format Indicator)/下りリンクACK/NACK(ACKnowlegement/Negative ACK)/下りリンクデータを搬送する時間−周波数リソースの集合或いはリソース要素の集合を意味する。また、PUCCH(Physical Uplink Control CHannel)/PUSCH(Physical Uplink Shared CHannel)/PRACH(Physical Random Access CHannel)はそれぞれ、UCI(Uplink Control Information)/上りリンクデータ/任意(random)接続信号を搬送する時間−周波数リソースの集合或いはリソース要素の集合を意味する。本発明では、特に、PDCCH/PCFICH/PHICH/PDSCH/PUCCH/PUSCH/PRACHに割り当てられたり、これに属した時間−周波数リソース或いはリソース要素(resource element、RE)をそれぞれ、PDCCH/PCFICH/PHICH/PDSCH/PUCCH/PUSCH/PRACH RE又はPDCCH/PCFICH/PHICH/PDSCH/PUCCH/PUSCH/PRACHリソースと称する。以下では、ユーザ機器がPUCCH/PUSCH/PRACHを送信するという表現は、それぞれ、PUSCH/PUCCH/PRACH上で/或いはPUSCH/PUCCH/PRACHを通じて、上りリンク制御情報/上りリンクデータ/任意(random)接続信号を送信することと同じ意味で使われる。また、gNBがPDCCH/PCFICH/PHICH/PDSCHを送信するという表現は、それぞれ、PDCCH/PCFICH/PHICH/PDSCH上で/或いはPDCCH/PCFICH/PHICH/PDSCHを通じて、下りリンクデータ/制御情報を送信することと同じ意味で使われる。
以下では、CRS/DMRS/CSI−RS/SRS/UE−RS/TRSが割り当てられた或いは設定された(configured)OFDMシンボル/副搬送波/REを、CRS/DMRS/CSI−RS/SRS/UE−RS/TRSシンボル/搬送波/副搬送波/REと称する。例えば、トラッキングRS(tracking RS、TRS)が割り当てられた或いは設定されたOFDMシンボルは、TRSシンボルと称し、TRSが割り当てられた或いは設定された副搬送波は、TRS副搬送波と称し、TRSが割り当てられた或いは設定されたREはTRS REと称する。また、TRS送信のために設定された(configured)スロットを、TRSスロットと称する。また、ブロードキャスト信号が送信されるスロットを、ブロードキャストスロット或いはPBCHスロットと称し、同期信号(例えば、PSS及び/又はSSS)が送信されるスロットを、同期信号スロット或いはPSS/SSSスロットと称する。PSS/SSSが割り当てられた或いは設定された(configured)OFDMシンボル/副搬送波/REをそれぞれ、PSS/SSSシンボル/副搬送波/REと称する。
本発明で、CRSポート、UE−RSポート、CSI−RSポート、TRSポートとは、それぞれ、CRSを送信するように設定された(configured)アンテナポート、UE−RSを送信するように設定されたアンテナポート、CSI−RSを送信するように設定されたアンテナポート、TRSを送信するように設定されたアンテナポートを意味する。CRSを送信するように設定されたアンテナポートは、CRSポートによってCRSが占有するREの位置によって相互に区別でき、UE−RSを送信するように設定された(configured)アンテナポートは、UE−RSポートによってUE−RSが占有するREの位置によって相互に区別でき、CSI−RSを送信するように設定されたアンテナポートは、CSI−RSポートによってCSI−RSが占有するREの位置によって相互に区別できる。したがって、CRS/UE−RS/CSI−RS/TRSポートという用語が、一定リソース領域内でCRS/UE−RS/CSI−RS/TRSが占有するREのパターンを意味する用語として用いられることもある。
本発明で使用される用語及び技術のうち、具体的に説明されていない用語及び技術については、3GPP LTE/LTE−A標準文書、例えば、3GPP TS 36.211、3GPP TS 36.212、3GPP TS 36.213、3GPP TS 36.321及び3GPP TS 36.331などと、3GPP NR 標準文書、例えば、3GPP TS 38.211、3GPP TS 38.212、3GPP TS 38.213、3GPP TS 38.214、3GPP TS 38.215、3GPP TS 38.321及び3GPP TS 38.331などを参照できる。
LTE/LTE−Aシステムにおいて、UEは、電源が入れたか又は新しくセルに接続する場合、セルとの時間及び周波数同期を取得し、セルの物理層セル識別子(physical layer cell identity)Ncell IDを検出するなどのセル探索(initial cell search)過程を行う。このために、UEはeNBから同期信号、例えば、1次同期信号(Primary Synchronization Signal、PSS)及び2次同期信号(Secondary Synchronization Signal、SSS)を受信して、eNBと同期を合わせ、セル識別子(identity、ID)などの情報を得る。初期セル探索を終えたUEは、eNBへの接続を完了するために、ランダムアクセス過程(random access procedure)を行う。このために、UEは物理ランダムアクセスチャネル(physical random access channel、PRACH)を介してプリアンブルを送信し、PDCCH及びPDSCHを介してプリアンブルに対する応答メッセージを受信する。このような手順を行ったUEは、その後、一般的な上り/下りリンク信号の送信手順としてPDCCH/PDSCH受信及びPUSCH/PUCCH送信を行う。ランダムアクセス過程はランダムアクセスチャネル(random access channel、RACH)過程とも呼ばれる。ランダムアクセス過程は初期接続、ランダムアクセス過程は初期接続、上りリンク同期調整、リソース割り当て、ハンドオーバーなどの用途で多様に使用できる。
RACHプリアンブルの送信後、UEは所定の時間ウィンドウ内でランダムアクセス応答(random access response、RAR)受信を試みる。具体的には、LTE/LTE−Aシステムにおいて、UEは時間ウィンドウ内でRA−RNTI(Random Access RNTI)を有するPDCCH(以下、RA−RNTI PDCCH)(例えば、PDCCHでCRCがRA−RNTIにマスキングされる)の検出を試みる。RA−RNTI PDCCHの検出時、UEはRA−RNTI PDCCHに対応するPDSCH内に自分のためのRARが存在するか否かを確認する。RARはUL同期化のためのタイミングオフセット情報を示すタイミングアドバンス(timing advance、TA)情報、ULリソース割り当て情報(ULグラント情報)、臨時端末識別子(例えば、temporary cell−RNTI、TC−RNTI)などを含む。UEはRAR内のリソース割り当て情報及びTA値によってUL送信(例えば、Msg3)を行うことができる。RARに対応するUL送信にはHARQが適用される。従って、UEはMsg3の送信後、Msg3に対応する受信応答情報(例えば、PHICH)を受信することができる。
図1は既存のLTE/LTE−Aシステムにおいてランダムアクセスプリアンブルのフォーマットを例示する図である。
既存のLTE/LTE−Aシステムにおいて、ランダムアクセスプリアンブル、即ち、RACHプリアンブルは、物理層においてTCPのサイクリックプレフィックス(cyclic prefix)及び長さTSEQのシーケンス部分で構成される。パラメータ値TCPのTSEQは以下の表にリストされており、フレーム構造とランダムアクセスの設定に依存する。プリアンブルのフォーマットは上位層により制御される。3GPP LTE/LTE−Aシステムにおいて、セルのシステム情報及び移動性制御情報によりPRACH設定情報をシグナリングする。PRACH設定情報は該当セル内のRACH過程に使用される、ルートシーケンスインデックス、Zadoff−Chuシーケンスの巡回シフト単位(NCS)、ルートシーケンスの長さ、プリアンブルのフォーマットなどを示す。3GPP LTE/LTE−Aシステムにおいて、プリアンブルのフォーマット及びRACHプリアンブルが送信可能な時期であるPRACH機会は、RACH設定情報の一部であるPRACH設定インデックスにより指示される(3GPP TS 36.211のセクション5.7及び3GPP TS 36.331の"PRACH−Config"参照)。RACHプリアンブルに使用されるZCシーケンスの長さは、プリアンブルのフォーマットにより決められる(表4参照)。
LTE/LTE−Aシステムにおいて、RACHプリアンブルはULサブフレームで送信される。ランダムアクセスプリアンブルの送信は特定の時間及び周波数リソースにより制限される。かかるリソースをPRACHリソースといい、PRACHリソースは、インデックス0が無線フレームで低い番号のPRB及びサブフレームに対応するように、無線フレーム内のサブフレーム番号と、周波数ドメインにおけるPRBの増加順に番号が付けられる。ランダムアクセスリソースがPRACH設定インデックスにより定義される(3GPP TS 36.211 標準文書参照)。PRACH設定インデックスは(eNBにより送信される)上位層信号により与えられる。
RACHプリアンブルのうち、シーケンス部分(以下、プリアンブルシーケンス)はZadoff−Chuシーケンスを用いる。RACHのためのプリアンブルシーケンスは、1つ又はいくつかのルートZadoff−Chuシーケンスから生成された、ゼロ相関ゾーンを有するZadoff−Chuシーケンスから生成される。ネットワークはUEの使用が許容されたプリアンブルシーケンスのセットを設定する。既存のLTE/LTE−Aシステムにおいて、各セル内で利用可能な64個のプリアンブルシーケンスがある。セル内の64個のプリアンブルシーケンスのセットは、まず増加する巡回シフトの順に、論理インデックスRACH_ROOT_SEQUENCEを有するルートZadoff−Chuシーケンスの全ての利用可能な巡回シフトを含むことにより見つけられる(found)。ここで、RACH_ROOT_SEQUENCEは(該当セルの)システム情報の一部としてブロードキャストされる。64個のプリアンブルシーケンスが単一のルートZadoff−Chuシーケンスから生成できない場合、64個のプリアンブルシーケンスを全て見つけるまで追加(additional)プリアンブルシーケンスが連続的(consecutive)論理インデックスを有するルートシーケンスから得られる(obtain)。論理ルートシーケンスの順は循環的であり、論理インデックス0が論理インデックス837に連続する。論理ルートシーケンスインデックスと物理ルートシーケンスインデックスuの間の関係は、プリアンブルのフォーマット0〜3に対しては表2のように与えられ、プリアンブルのフォーマット4に対しては表3のように与えられる。
u番目のルートZadoff−Chuシーケンスは、以下の式により定義される。
このZadoff−Chuシーケンスの長さNZCは、以下の表に示される。
u番目のルートZadoff−Chuシーケンスから、長さNZC−1のゼロ相関ゾーンを有するランダムアクセスプリアンブルがxu,v(n)=xu((n+Cv)mod NZC)による巡回シフトにより定義される。ここで、巡回シフトは以下の式により与えられる。
NCSはプリアンブルのフォーマット0〜3に対して表5のように与えられ、プリアンブルのフォーマット4に対して表6のように与えられる。
パラメータzeroCorrelationZoneConfigの上位層により提供される。上位層により提供されるパラメータHigh−speed−flagは、制限されない(unrestricted)セット又は制限された(restricted)セットが使用されることを決定する。
変数(variable)duはサイズ1/TSEQのドップラーシフトに該当する巡回シフトであり、以下の式のように表される。
pは(pu)mod NZC=1を満たす最小の負ではない整数である。巡回シフトの制限されたセットに対するパラメータはduに依存する。NZC≦du<NZC/3に対して、パラメータは以下の通りである。
NZC/3≦du<(NZC−NCS)/2に対しては、パラメータは以下の通りである。
duの全ての値に対して、制限されたセット内にはいかなる巡回シフトもない。
RACHの基底帯域(baseband)信号である時間連続(time−continuous)ランダムアクセス信号s(t)は以下の式により定義される。
ここで、0≦t<TSEQ−TCP、βPRACHは、3GPP TS 36.213に特定された送信電力PPRACHに合わせるための振幅(amplitude)スケーリング因子(factor)であり、k0=nRA PRBNRB sc−NUL RBNRB sc/2である。NRB scは1つのRBを構成する副搬送波の数を示す。NUL RBはULスロットにおけるRBの数を示し、UL送信帯域幅に依存する。周波数ドメイン内の位置は3GPP TS 36.211のセクション5.7.1から導き出される、パラメータnRA PRBにより制御される。因子K=△f/△fRAは、ランダムアクセスプリアンブルと上りリンクデータ送信の間の副搬送波間隔の差を説明する。ランダムアクセスプリアンブルのための副搬送波間隔である変数△fRAと物理リソースブロック内のランダムアクセスプリアンブルの周波数=ドメイン位置を決定する固定されたオフセットである変数φは、以下の表の通りである。
LTE/LTE−Aシステムにおいて、副搬送波間隔Δfは15kHz或いは7.5kHzであるが、表7に示したように、ランダムアクセスプリアンブルのための副搬送波間隔ΔfRAは1.25kHz或いは0.75kHzである。
さらに多い通信装置がより大きな通信容量を要求することにより、既存の無線アクセス技術(radio access technology、RAT)に比べて向上したモバイルブロードバンド通信の必要性が高まっている。また、多数の機器及びモノを接続していつでもどこでも多様なサービスを提供する大規模の(massive)MTCが次世代通信の主要争点の1つになっている。さらに信頼性及び遅延(latency)に敏感なサービス/UEを考慮した通信システムのデザインも考えられている。このように進歩したモバイルブロードバンド通信、mMTC、URLLC(Ultra−Reliable and Low Latency Communication)などを考慮した次世代RATの導入が論議されている。現在、3GPPではEPC以後の次世代移動通信システムに対する研究が進行中である。本発明では便宜上、該当技術を新しいRAT(new RAT、NR)或いは5G RATと呼ぶ。
NR通信システムは、データレート、容量(capacity)、遅延、エネルギー消費及び費用の面で、既存の第4世代(4G)システムより相当に優れる性能の支援が要求されている。従って、NRシステムは帯域幅、スペクトル、エネルギー、シグナリング効率及びビット当たりの費用の領域において相当な進歩が必要である。
<OFDMニューマロロジー>
新しいRATシステムはOFDM送信方式又は類似する送信方式を使用する。例えば、新しいRATシステムはLTEのOFDMパラメータとは異なるOFDMパラメータに従う。又は新しいRATシステムは、既存のLTE/LTE−Aのニューマロロジーにそのまま従うが、より大きいシステム帯域幅(例えば、100MHz)を有することができる。又は、1つのセルが複数のニューマロロジーを支援することもできる。即ち、互いに異なるニューマロロジーで動作するUEが1つのセル内に共存することができる。
<サブフレームの構造>
3GPP LTE/LTE−Aシステムで用いられる無線フレームは、10ms(307200Ts)の長さを有し、10個の均等なサイズのサブフレーム(subframe、SF)で構成される。1無線フレーム内の10個のサブフレームにはそれぞれ番号を与えることができる。ここで、Tsはサンプリング時間を示し、Ts=1/(2048*15kHz)で表示される。各々のサブフレームは1msの長さを有し、2個のスロットで構成される。1無線フレーム内において20個のスロットは0から19まで順にナンバリングされる。各々のスロットは0.5msの長さを有する。1サブフレームを送信するための時間は、送信時間間隔(transmission time interval、TTI)で定義される。時間リソースは無線フレーム番号(或いは無線フレームインデックスともいう)、サブフレーム番号(或いはサブフレーム番号ともいう)、スロット番号(或いはスロットインデックス)などにより区分される。TTIとは、データがスケジューリング可能な間隔を意味する。例えば、現在のLTE/LTE−Aシステムにおいて、ULグラント或いはDLグランドの送信機会は1msごとに存在し、1msより短い時間内にUL/DLグラント機会が複数存在することではない。従って、既存のLTE/LTE−AシステムにおいてTTIは1msである。
図2は新しい無線アクセス技術(new radio access technology、NR)において利用可能なスロット構造を例示する図である。
データ送信遅延を最小化するために、第5世代の新しいRATでは制御チャネルとデータチャネルが時分割多重化(time division multiplexing、TDM)されるスロットの構造が考えられている。
図2において、斜線領域はDCIを運ぶDL制御チャネル(例えば、PDCCH)の送信領域を示し、黒色部分はUCIを運ぶUL制御チャネル(例えば、PUCCH)の送信領域を示す。ここで、DCIはgNBがUEに伝達する制御情報であり、DCIはUEが分かるべきセル設定(configuratoin)に関する情報、DLスケジューリングなどのDL固有情報、またULグラントのようなUL固有情報などを含む。またUCIはUEがgNBに伝達する制御情報であり、UCIはDLデータに対するHARQ ACK/NACK報告、DLチャネル状態に対するCSI報告、またスケジューリング要求(scheduling request,SR)などを含む。
図2において、シンボルインデックス1からシンボルインデックス12までのシンボル領域は、下りリンクデータを運ぶ物理チャネル(例えば、PDSCH)の送信、又は上りリンクデータを運ぶ物理チャネル(例えば、PDCCH)の送信に使用される。図2のスロット構造によると、1つのスロット内においてDL送信とUL送信が順に行われて、DLデータの送信/受信とDLデータに対するUL ACK/NACKの受信/送信が1つのスロット内で行われる。結果として、データ送信エラーの発生時にデータの再送信までにかかる時間を短縮させることにより、最終データ伝達の遅延を最小化することができる。
このようなスロットの構造では、gNB及びUEは送信モードから受信モードへの転換過程又は受信モードから送信モードへの転換過程のための時間ギャップ(time gap)が必要である。このような送信モードと受信モードの間の転換過程のために、スロット構造においてDLからULに転換される時点の一部OFDMシンボルがガード期間(guard period、GP)に設定される。
既存のLTE/LTE−Aシステムにおいては、DL制御チャネルはデータチャネルとTDMされ、制御チャネルであるPDCCHはシステムの全帯域に広がって送信される。しかし、新しいRATでは、1つのシステムの帯域幅が最小約100MHzに達すると予想されるので、制御チャネルを全帯域に拡散して送信することは無理である。UEがデータ送受信のために下りリンク制御チャネル受信のために全帯域をモニタリングすることは、UEのバッテリー消費増大及び効率性低下を招く。従って、本発明ではDL制御チャネルをシステム帯域、即ちチャネル帯域内の一部の周波数帯域でローカライズ(localize)して送信するか、或いは分散して送信することができる。
NRシステムにおいて、基本送信ユニット(basic transmission unit)はスロットである。スロット区間(duration)は正規(normal)サイクリックプレフィックス(cyclic prefix、CP)を有する14個のシンボルからなるか、又は拡張CPを有する12個のシンボルからなる。また、スロットは使用された副搬送波間隔の関数であって、時間でスケーリングされる。
<アナログビームフォーミング(analog beamforming)>
最近論議されている第5世代移動通信システムは広い周波数帯域を用いて多数のユーザに高い送信率を維持しながらデータを送信するために高い超高周波帯域、即ち、6GHz以上のミリメートル周波数帯域を用いる案を考慮している。3GPPではこれをNRと称しており、以下本発明ではNRシステムと称する。しかし、ミリメートル周波数帯域は非常に高い周波数帯域を用いるため、距離による信号減衰が急激であるという周波数特性を有する。従って、少なくとも6GHz以上の帯域を使用するNRシステムでは、急激な電波減衰特性を補償するために、信号送信を全方向ではなく特定の方向にエネルギーを集めて送信することにより、急激な電波減衰によるカバレッジ減少の問題を解決する狭ビーム(narrow beam)送信技法を使用している。しかし、1つの狭ビームのみでサービスする場合、1つの基地局がサービスを提供する範囲が狭くなるので、基地局は多数の狭ビームを集めて広帯域にサービスを提供する。
ミリメートル周波数帯域、即ち、ミリメートル波長(millimeter wave、mmW)では波長が短くなって、同じ面積に多数のアンテナ要素を設けることが可能になる。例えば、1cm程度の波長を有する30GHz帯域においては5by5cmのパネルに0.5λ(波長)間隔で2次元配列形態で合計100個のアンテナ要素を設けることができる。よって、mmWでは、多数のアンテナ要素を使用してビームフォーミング利得を高めてカバレッジを増加させるか、或いは処理量(throughput)を高めることが考えられる。
ミリメートル周波数帯域において狭ビームを形成する方法として、基地局やUEから多数のアンテナに適切な位相差を用いて同じ信号を送信することにより、特定の方向でのみエネルギーが高くなるビームフォーミング方式が主に考えられている。このようなビームフォーミング方式には、デジタル基底帯域(baseband)信号に位相差を形成するデジタルビームフォーミング、変調されたアナログ信号に時間遅延(即ち、巡回シフト)を用いて位相差を形成するアナログビームフォーミング、デジタルビームフォーミングとアナログビームフォーミングを全て利用するハイブリッドビームフォーミングなどがある。アンテナ要素ごとに送信パワー及び位相調節ができるようにトランシーバユニット(transceiver unit、TXRU)を有すると、周波数リソースごとに独立したビームフォーミングが可能になる。しかし、100個余りの全てのアンテナ要素にTXRUを設けることは費用面で実効性が乏しい。即ち、ミリメートル周波数帯域は急激な電波減衰特性を補償するために多数のアンテナを使用する必要があり、デジタルビームフォーミングはアンテナ数ほどのRFコンポーネント(例えば、デジタルアナログコンバータ(DAC)、ミキサー(mixer)、電力増幅器(power amplifier)、線形増幅器(linear amplifier)など)を必要とするので、ミリメートル周波数帯域においてデジタルビームフォーミングを具現化するためには通信機器の単価が上がる問題がある。従って、ミリメートル周波数帯域のようにアンテナが多く必要な場合には、アナログビームフォーミング又はハイブリッドビームフォーミング方式が考慮される。アナログビームフォーミング方式は、1つのTXRUに多数のアンテナ要素をマッピングし、アナログ位相遷移器(analog phase shifter)でビームの方向を調節する。かかるアナログビームフォーミング方式は帯域全体において1つのビーム方向のみを形成するので、周波数選択的ビームフォーミング(beamforming、BF)ができない短所がある。ハイブリッドBFはデジタルBFとアナログBFの中間形態であって、Q個のアンテナ要素より少ない数であるB個のTXRUを有する方式である。ハイブリッドBFの場合、B個のTXRUとQ個のアンテナ要素の連結方式によって差はあるが、同時に送信可能なビームの方向はB個以下に制限される。
上述したように、デジタルビームフォーミングは、送信又は受信デジタルの基底帯域信号に対して信号処理を行うので、多重ビームを用いて同時に複数の方向に信号を送信又は受信できる反面、アナログビームフォーミングは、送信又は受信アナログ信号を変調した状態でビームフォーミングを行うので、1つのビームがカバーする範囲を超える複数の方向に信号を同時に送信又は受信することができない。通常、基地局は広帯域送信又は多重アンテナ特性を用いて同時に多数のユーザと通信を行うが、基地局がアナログ又はハイブリッドビームフォーミングを使用し、1つのビーム方向にアナログビームを形成する場合には、アナログビームフォーミングの特性上、同じアナログビーム方向内に含まれるユーザとのみ通信が可能である。後述する本発明によるRACHリソース割り当て及び基地局のリソース活用案は、アナログビームフォーミング又はハイブリッドビームフォーミングの特性により発生する制約事項を反映して提案される。
<ハイブリッドアナログビームフォーミング(hybrid analog beamforming)>
図3は送受信器ユニット(transceiver unit、TXRU)及び物理的アンテナの観点でハイブリッドビームフォーミングの構造を抽象的に示す図である。
複数のアンテナが使用される場合、デジタルビームフォーミング及びアナログビームフォーミングを結合したハイブリッドビームフォーミング技法が考えられている。この時、アナログビームフォーミング(又はRFビームフォーミング)は、RFユニットがプリコーディング(又は結合(combining))を行う動作を意味する。ハイブリッドビームフォーミングにおいて、基底帯域(baseband)ユニットとRFユニットは各々プリコーティング(又は結合)を行い、これによりRFチェーンの数とD/A(又はA/D)コンバータの数を減らしながらデジタルビームフォーミングに近接する性能を得られるという長所がある。説明の便宜上、ハイブリッドビームフォーミングの構造は、N個のTXRUとM個の物理的アンテナで表すことができる。この時、送信端から送信するL個のデータレイヤに対するデジタルビームフォーミングは、L−by−L行列で表され、その後、変換されたN個のデジタル信号はTXRUを介してアナログ信号に変換され、変換された信号に対してM−by−N行列で表されるアナログビームフォーミングが適用される。図3において、デジタルビームの数はLであり、アナログビームの数はNである。さらに、NRシステムにおいては、アナログビームフォーミングをシンボル単位で変更できるように基地局を設計して、特定の地域に位置したUEに効率的なビームフォーミングを支援する方向が考えられている。また、N個のTXRUとM個のRFアンテナを1つのアンテナパネルと定義した時、NRシステムにおいては、互いに独立したハイブリッドビームフォーミングが適用可能な複数のアンテナパネルを導入する案も考えられている。以上のように基地局が複数のアナログビームを活用する場合、UEごとに信号の受信に有利なアナログビームが異なるので、少なくとも同期信号、システム情報、ページング(paging)などについては、特定のスロット又はサブフレームにおいて基地局が適用する複数のアナログビームをシンボルごとに変化させて全てのUEが受信機会を有するようにするビームスイーピング(beam sweeping)動作が考えられている。
最近3GPP標準化団体では、5G無線通信システムである新しいRATシステム、即ち、NRシステムにおいて単一の物理ネットワーク上に複数の論理ネットワークを具現化するネットワークスライシングが考慮されている。論理ネットワークは様々な要求条件を有する様々なサービス(例えば、eMBB、mMTC、URLLCなど)を支援する必要があり、NRシステムの物理層システムでは、様々なサービスによる可変的なニューマロロジーを有し得る直交周波数分割多重化(orthogonal frequency division multiplexing、OFDM)方式を支援する案が考慮されている。言い換えれば、NRシステムでは、時間及び周波数リソース領域ごとに互いに独立したニューマロロジーを有するOFDM方式(又は多元接続方式)が考慮されている。
また、最近スマート機器の登場によってデータトラフィックが急増することにより、NRシステムではより高い通信容量(例えば、データスループットなど)の支援が求められている。通信容量を高める1つの案として、多数の送信(又は受信)アンテナを活用してデータ送信を行う方法が考えられる。多数のアンテナに対してデジタルビームフォーミングを適用する場合、各アンテナごとにRFチェーン(例えば、電力増幅器(power amplifier)、ダウンコンバータ(down converter)などのRF素子からなるチェーン)とデジタル−to−アナログ(digital−to−Analog、D/A)又はアナログ−to−デジタル(analog−to−digital、A/D)コンバータが必要であるが、かかる構造は、高いハードウェア複雑度と高い電力消費を引き起こして実用的ではない。従って、NRシステムでは、多数のアンテナが使用される場合、上述したデジタルビームフォーミングとアナログビームフォーミングを混用するハイブリッドビームフォーミング技法が台頭されている。
図4は新しい無線アクセス技術(new radio access technology、NR)システムのセルを例示する図である。
図4を参照すると、NRシステムにおいて、既存のLTEなどの無線通信システムに1つの基地局が1つのセルを形成したこととは異なり、複数のTRPが1つのセルを構成する案が論議されている。複数のTRPが1つのセルを構成すると、UEをサービスするTRPが変わっても中断されずに通信が続行され、UEの移動性管理が容易である。
LTE/LTE−Aシステムにおいて、PSS/SSSは全方位的(omni−direction)に送信されることに反して、mmWaveを適用するgNBがビーム方向を全方位的に変化しながらPSS/SSS/PBCHなどの信号をビームフォーミングして送信する方法が考えられている。このように、ビーム方向を変化しながら信号を送信/受信することをビームスイーピング(beam sweeping)又はビームスキャニングという。例えば、gNBが最大N個のビーム方向を有すると仮定すると、N個のビーム方向に対して各々PSS/SSS/PBCHなどの信号を送信する。即ち、gNBは自分が有し得る又は支援しようとする方向をスイーピングしながら各々の方向に対してPSS/SSS/PBCHなどの同期信号を送信する。又はgNBがN個のビームを形成できる場合、いくつずつのビームを集めて1つのビームグループを構成でき、ビームグループごとにPSS/SSS/PBCHを送信/受信することができる。この時、1つのビームグループは1つ以上のビームを含む。同じ方向に送信されるPSS/SSS/PBCHなどの信号が1つのSSブロックと定義されることができ、1つのセル内に複数のSSブロックが存在することができる。複数のSSブロックが存在する場合、各SSブロックの区分のために、SSブロックインデックスを使用できる。例えば、1つのシステムにおいて10個のビーム方向にPSS/SSS/PBCHが送信される場合、同方向へのPSS/SSS/PBCHが1つのSSブロックを構成することができ、該当システムでは10個のSSブロックが存在すると理解できる。本発明において、ビームインデックスはSSブロックインデックスと解析できる。
図5はSSブロックの送信及びSSブロックにリンクされたRACHリソースを例示する図である。
gNBが1つのUEと通信するためには、gNBとUEの間の最適なビーム方向を分かる必要がある。またUEが動くことにより最適なビーム方向も変わるので、最適なビーム方向を持続的に追跡しなければならない。gNBとUEの間の最適なビーム方向を把握する過程をビーム獲得(beam acquisition)過程といい、最適なビーム方向を持続的に追跡する過程をビーム追跡(beam tracking)過程という。ビーム獲得過程は、1)UEがgNBに最初に接続を試みる初期接続、2)UEが1つのgNBから他のgNBに移るハンドオーバー、3)UEとgNBの間の最適なビームを探すビームトラッキング中に最適なビームを失い、gNBとの通信が最適な状態を持続できないか、又は通信不可能になった状態、即ちビーム失敗(beam failure)を復旧するためのビーム回復(beam recovery)などに必要である。
現在開発中であるNRシステムの場合、多重ビームを使用する環境でビーム獲得のために多段階のビーム獲得過程が論議されている。多段階ビーム獲得過程において、gNBとUEが初期接続段階では広いビームを用いて接続セットアップを進行し、接続セットアップの完了後、gNBとUEは狭いビームを用いて最適な品質で通信を行う。本発明で主に論議するNRシステムのビーム獲得のために様々な方式が論議されているが、現在盛んに論議されている方式は以下の通りである。
1)gNBはUEが初期接続段階でgNBを探して、即ちセル探索(cell search)又はセル獲得(cell acquisition)を行って、広いビームのビームごとのチャネル品質を測定してビーム獲得の1次段階で使用する最適な広いビームを探すために広いビームごとに同期ブロック(synchronization block)を送信する。2)UEはビームごとの同期ブロックに対してセル探索を行い、ビームごとのセル検出結果を用いて下りリンクビーム獲得を行う。3)UEは自分が探したgNBに自分が接続することを知らせるために、RACH過程を行う。4)UEがRACH過程と同時に広いビームレベルで下りリンクビーム獲得結果(例えば、ビームインデックス)をgNBに知らせるために、gNBはビームごとに送信された同期ブロックとRACH送信のために使用されるRACHリソースを連結又は関連させる。UEは自分が探した最適なビーム方向に連結されたRACHリソースを用いてRACH過程を行うと、gNBはRACHプリアンブルを受信する過程でUEに適合する下りリンクビームに関する情報が得られる。
<ビーム対応性(beam correspondence、BC)>
多重ビーム環境では、UEと送信及び受信ポイント(transmission and reception point、TRP)の間のTxビーム及び/又は受信(reception、Rx)ビーム方向をUE及び/又はTRPが正確に決定できるかが問題になる。多重ビーム環境において、TRP(例えば、eNB)又はUEのTX/RX相互能力によって、信号送信の繰り返し又は信号受信のためのビームスイーピングが考えられる。TX/RX相互能力はTRP及びUEにおけるTX/RXビーム対応性(correspondence)ともいう。多重ビーム環境において、TRP及びUEでTX/RX相互能力が有効ではないと、UEは自分が下りリンク信号を受信したビーム方向に上りリンク信号を送れないことがある。ULの最適な経路とDLの最適な経路が異なることがあるためである。TRPにおけるTX/RXビーム対応性は、TRPがTRPの1つ以上のTXビームに対するUEの下りリンクの測定に基づいて該当上りリンク受信のためのTRP RXビームを決定できると、及び/又はTRPがTRPの1つ以上のRXビームに対するTRP’の上りリンクの測定に基づいて該当下りリンク送信に対するTRP TXビームを決定できると、有効である。UEにおけるTX/RXビーム対応性は、UEがUEの1つ以上のRXビームに対するUEの下りリンクの測定に基づいて該当上りリンク送信のためのUE RXビームを決定できると、及び/又はUEがUEの1つ以上のTXビームに対する上りリンクの測定に基づくTRPの指示に基づいて該当下りリンクの受信に対するUE TXビームを決定できると、有効である。
LTEシステム及びNRシステムにおいて、gNBへの初期接続、即ちgNBが使用するセルを通じたgNBへの初期接続のために使用するRACH信号は、以下の要素を用いて構成される。
*サイクリックプレフィックス(cyclic prefix、CP):以前の/前の(OFDM)シンボルからの干渉を防ぎ、多様な時間遅延を有してgNBに到着するRACHプリアンブル信号を1つの同時間帯に集める役割を果たす。即ち、セルの最大半径に合うようにCPを設定すると、セル内のUEが同一のリソースで送信したRACHプリアンブルがRACH受信のためにgNBが設定したRACHプリアンブルの長さに該当するRACH受信ウィンドウ内に入る。CPの長さは一般的に最大の往復遅延(maximum round trip delay)より大きいか又は等しく設定される。
*プリアンブル:信号が送信されたことをgNBが検出するためのシーケンスが定義され、プリアンブルはこのシーケンスを運ぶ役割を果たす。
*ガード時間(guard time、GT):RACHカバレッジ上、gNBと最も遠いところから送信され、遅延してgNBに入るRACH信号が、RACHシンボル区間以後に入る信号に干渉を与えないようにするために定義された区間であって、この区間ではUEが信号を送信しないので、GTはRACH信号として定義されないこともできる。
図6はRACHプリアンブルの構成/フォーマットと受信器の機能を例示する図である。
UEは同期信号により得たgNBのシステムタイミングに合わせて指定されたRACHリソースによりRACH信号を送信する。gNBは複数のUEからの信号を受信する。gNBは一般的にRACH受信のために図5に例示された過程を行う。RACH信号に対してCPは最大の往復遅延以上に設定されるので、gNBは最大の往復遅延とCPの長さの間の任意の地点を信号受信のための境界と設定する。境界地点を信号受信のための開始点とし、この開始点からシーケンスの長さに該当する長さほどの信号に対して相関(correlation)を適用すると、gNBはRACH信号の存在有無と巡回シフト情報を得ることができる。
gNBが運用する通信環境がミリメートル帯域のように多重ビームを使用する環境である場合、RACH信号が複数の方向からgNBに入り、gNBは複数の方向から入るRACH受信のためにビーム方向を変更しながらRACHプリアンブル(即ち、PRACH)に対する検出を行う必要がある。上述したように、アナログビームを使用する場合、gNBは一時点では一方向のみに対してRACH受信を行うしかない。かかる理由によって、gNBがRACHプリアンブル検出を適切に行うためのRACHプリアンブル及びRACH過程が設計される必要がある。本発明は、gNBでビーム対応性(beam correspondence、BC)が有効である場合と、BCが有効ではない場合とを考慮して、NRシステム、特にビームフォーミングが適用可能な高周波帯域のためのRACHプリアンブル及び/又はRACH過程を提案する。
図7はRACHプリアンブルを受信するためにgNBに形成される受信(receiving、Rx)ビームを例示する図である。
BCが有効ではない場合、SSブロックに対してRACHリソースがリンクされていても、gNBはSSブロックの送信ビーム方向に受信ビームを形成してもビーム方向が外れることができるので、多数の方向に対して、即ち受信ビームを変更しながらRACHプリアンブル検出を行う/試みるビームスキャンを行うように、図7(a)に例示するフォーマットでRACHプリアンブルが設定されることができる。反面、BCが有効である場合、同期信号ブロック(SSブロック)に対してRACHリソースがリンクされているので、gNBは1つのRACHリソースに対してSSブロックを送信するために使用したビーム方向に受信ビームを形成して、その方向に対してのみRACHプリアンブル検出を行えばよい。従って、図7(b)に例示したフォーマットでRACHプリアンブルが設定されることができる。
上述したように、UEの下りリンクビーム獲得報告及び下りリンク選好(preferred)ビーム報告と、gNBのBCによるビームスキャンというRACH過程の2つの目的を反映して、RACH信号及びRACHリソースを構成しなければならない。
図8はRACH信号及びRACHリソースに関連して、本発明の説明に使用される用語を説明する図である。以下、本発明ではRACH信号が以下の形態で設定されることができる。
*RACHリソース要素(RACH resource element):RACHリソース要素は、UEがRACH信号を送信する基本単位である。他のRACHリソース要素は各々異なるUEによりRACH信号送信のために使用可能であるので、各RACHリソース要素内のRACH信号にCPが挿入される。UEの間の信号に対する保護は、予めCPにより維持されるので、GTはRACHリソース要素の間では不要である。
*RACHリソース(RACH resource):RACHリソースは、1つのSSブロックに連結されている連接したRACHリソース要素の集合として定義される。RACHリソースが連続して隣接して割り当てられる場合、RACHリソース要素と同様に、連続する2つのRACHリソースが各々異なるUEによる信号送信に使用できるので、各RACHリソース内のRACH信号にCPが挿入されることができる。CPにより時間遅延による信号検出の歪曲が防止されるので、RACHリソースとRACHリソースの間にGTは不要である。但し、1つのRACHリソースで構成される場合、即ち、RACHリソースが連続して構成されない場合、RACHリソースの後にPUSCH/PUCCHが割り当てられることができるので、PUSCH/PUCCHの前にGTが挿入されることができる。
*RACHリソースセット(RACH resource set):RACHリソースセットは、連接したRACHリソースの集合である。セルに多数のSSブロックが存在し、多数のSSブロックに各々(respectively)連結されたRACHリソースが連接する場合、連接したRACHリソースが1つのRACHリソースセットとして定義されることができる。RACHリソースからなるRACHリソースセットがPUSCH/PUCCHのような他の信号と接することができる部分であるRACHリソースセットの最後の部分にGTが挿入される。GTは上述したように信号を送信しない区間であるので、信号として定義されないこともできる。GTは図8に図示されていない。
*RACHプリアンブル繰り返し(RACH preamble repetition):gNBの受信ビームスキャンのためのRACHプリアンブルを構成する場合、即ち、gNBが自分が受信ビームスキャンを行えるようにRACHプリアンブルのフォーマットを設定する場合、RACHプリアンブル内で同一の信号(即ち、同一のシーケンス)が繰り返されると、繰り返される信号自体がCPの役割を果たすので、繰り返される信号の間にCPが不要であるが、他の信号を用いてプリアンブルがRACHプリアンブル内で繰り返す場合には、プリアンブルとプリアンブルの間にCPが必要である。RACHプリアンブルとRACHプリアンブルの間にはGTが不要である。以下、同一の信号の繰り返しを仮定して本発明を説明する。例えば、RACHプリアンブルが‘CP+プリアンブル+プリアンブル’の形態で構成される場合、RACHプリアンブル内のプリアンブルは同一のシーケンスからなると仮定して、本発明が説明される。
図8はgNBの観点で複数のSSブロックに対するRACHリソースと各RACHリソース内のRACHプリアンブルを示した図であり、gNBはRACHリソースが設定された時間領域で該当セル上の各RACHリソース内のRACHプリアンブルの受信を試みる。UEはセルの全てのSSブロックに対するRACHリソースのRACHプリアンブルではなく、特定のSSブロック(例えば、受信品質のよいSSブロック)にリンクされたRACHリソースを介して自分のRACHプリアンブルを送信する。上述したように、互いに異なるRACHリソース要素又は互いに異なるRACHリソースは、互いに異なるUEによるRACHプリアンブルの送信に使用されることができる。
図9はRACHリソースセットを例示する図である。図9(a)はBCが有効であるgNBのセル上にRACHリソース当たり2つのRACHリソース要素が設定された場合を例示しており、図9(b)はBCが有効であるgNBのセル上にRACHリソース当たり1つのRACHリソース要素が設定された場合を例示している。図9(a)によれば、SSブロックにリンクされたRACHリソース内で2つのRACHプリアンブルが送信されることができる。図9(b)によれば、SSブロックにリンクされたRACHリソース内で1つのRACHプリアンブルが送信されることができる。
図8に示したRACH信号構成の特性を用いて、RACHリソースの効率性を最大化するようにRACHリソースセットが図9のように構成されることができる。図9に示したように、RACHリソースの使用/割り当ての効率性を高めるためには、RACHリソースセット内のRACHリソースの間に空の区間を割り当てず、RACHリソース又はRACHリソース要素が完全に連接して使用されるように設定することができる。
しかし、図9のようにRACHリソースを設定する場合、以下のような問題が発生し得る。1)BCが有効であり、SSブロック#Nに該当するRACHリソースの受信のためにgNBがSSブロック#Nの方向にビームを形成して受信する場合、データ又は制御チャネルのために定義されたOFDMシンボル(OFDM symbol、OS)の中間で受信ビームが変更されるので、RACHリソースに割り当てられた周波数リソース以外のリソースを部分的に使用するしかないという問題がある。即ち、図9(a)の例から分かるように、SSブロック#1を受信するためにgNBが受信ビームを形成すると、OS#4をデータチャネル又は制御チャネル用として使用できないという問題がある。2)BCが有効ではなく、gNBがRACHリソース要素内でRxビームスキャンを行う時、SSブロック#1に対応するRACHリソースについては、OS#1/OS#2/OS#3の境界に合わせてOSの各々でRxビームを形成してデータ/制御信号を受信しながらRACHプリアンブル検出を行うことができるが、SSブロック#2に該当するRACHリソースに対するビームスキャンを行う時、OS#4に該当する区間でデータ/制御信号の受信のためのビーム方向とRACHプリアンブル受信のためのビーム方向が合わず、RACHプリアンブルの検出に問題が発生することができる。
即ち、RACH信号受信のためにgNBが受信ビームの方向を変更しながらビームスキャンを行い、受信ビームを変更する時点がデータ又は制御チャネルのために定義されるOFDMシンボル境界から外れる場合、RACHリソースとして割り当てられた周波数リソースではない周波数領域でサービスされるデータ又は制御チャネルのリソース使用/割り当て効率性が落ちる問題が発生し得る。かかる問題を解決するために、本発明は、多重ビームのシナリオにおいて、gNBがビーム方向を変更しながらRACHプリアンブルを検出可能にすると同時に、gNBがRACHリソース以外の全ての無線リソースをデータ及び制御チャネルのために使用可能にするために、OFDMシンボル境界と整列される構造でRACHリソースを割り当てることを提案する。例えば、BCが有効である場合、RACHリソース又はRACHリソースで送信されるRACHプリアンブルは、図10に示したように、2つの方法でOFDMシンボル境界と整列されることができる。
図10はRACHリソースの境界整列についての本発明を説明するための図である。図10はBCが有効でありながら、1つのRACHリソースに2つのRACHリソース要素が送信される場合を例示する図である。BCが有効ではない場合、図7(a)又は図8(a)に示したように、1つのRACHプリアンブルが1つのCPと複数の連続するプリアンブルとで構成され、この場合にも以下の本発明を適用できる。1つのRACHリソースに1つのRACHリソース要素のみが送信されることもあり、この場合にも以下の本発明を適用できる。
1)OFDMシンボル境界とRACHリソース境界を一致させる1つの方法(以下、方法1)では、図10(a)に示したように、gNBによるRACHプリアンブル検出能力、gNBのカバレッジ及びRACHプリアンブルの副搬送波間隔を反映して、RACHプリアンブルのCPの長さとプリアンブルの長さを決めた後、これを用いてRACHリソース要素を設定する。gNBはRACHリソース容量(capacity)を反映してRACHリソース当たりのRACHリソース要素の数を決めてRACHリソースを設定する。gNBは、連接して使用するRACHリソースの各々の境界とデータ及び制御チャネルのために使用するOFDMシンボル境界が一致するようにRACHリソースを設定する。この場合、RACHリソースの間には空の区間が発生することができる。この空の区間はいかなる信号も送信しない区間として設定される。又はRACHリソース内の最後のRACHリソース要素のみに限って、ポストフィックス(post−fix)でさらに信号が送信されることができる。即ち、RACHリソース内のRACHリソース要素のうち、時間ドメインにおいて最も後のRACHリソース要素を使用してRACHプリアンブルを送信するUEは、自分のRACHプリアンブルにポストフィックス信号を追加して送信し、最後のRACHリソース要素ではないRACHリソース要素を使用してRACHプリアンブルを送信するUEは、ポストフィックス信号を追加せずそのまま送信することができる。
2)OFDMシンボル境界とRACHリソース境界を一致させる他の方法(以下、方法2)では、図10(b)に示したように、RACHリソース境界をOFDMシンボル境界と整列させるためにCPの長さ及びプリアンブルの長さを設定する。しかし、RACHリソース当たりのRACHリソース要素の数が変わることができるので、RACHプリアンブルの長さをOFDMシンボル境界に合わせて変更する場合、RACHプリアンブル内のプリアンブルシーケンスの特性が変わる恐れがある。即ち、プリアンブルの生成に使用されるZCシーケンスの長さが、表4に示したように、プリアンブルのフォーマットによって839又は139に決められているが、RACHプリアンブルの長さをOFDMシンボル境界に合わせるためにプリアンブルの長さを調節する場合、プリアンブルシーケンスであるZCシーケンスの特性が変わる恐れがある。従って、RACHプリアンブルのフォーマットが決められ、RACHリソース当たりのRACHリソース要素が決められると、RACHプリアンブルの長さは固定し、RACHリソースがOFDMシンボル境界と整列されるようにCPの長さをRACHプリアンブルのフォーマットの設定において決められた長さより長くすることが可能である。即ち、この方法は、プリアンブルシーケンスの特性が維持されるようにRACHプリアンブル内の各プリアンブルの長さは固定し、CPの長さをOFDMシンボル境界に合わせて長くすることにより、RACHリソースの境界、即ち、RACHリソースで送信/受信されるRACHプリアンブルの境界をデータ/制御チャネルの送信用のOFDMシンボル(即ち、一般OFDMシンボル)境界と合わせることである。この場合、gNBは、一部RACHリソース要素のCPの長さのみが長くなるように設定(即ち、一部RACHプリアンブルのCPの長さのみが長くなるように設定)するか、又は全てのRACHリソース要素のCPの長さが適切に長くなるように設定(即ち、各RACHプリアンブルのCPの長さが適切に長くなるように設定)することができる。従って、例えば、gNBがOFDMシンボルで構成された時間領域にRACHリソースを設定する場合、gNBはCPの長さとシーケンス部分の長さを示すプリアンブルのフォーマットを設定するが、シーケンス部分の長さは、該当RACHプリアンブルに含まれるプリアンブルの数によって特定の長さ(例えば、RACHのためのZCシーケンスの長さ)から得られたプリアンブルの長さの正の整数倍であり、CPの長さは、一般OFDMシンボルの全長からプリアンブル部分の長さを引いた値と同一になるようにプリアンブルのフォーマットを設定してシグナリングすることができる。OFDMシンボルの長さがいずれも同一である場合、本発明によるRACHプリアンブルのフォーマットは、プリアンブルの所定の長さ(例えば、所定の長さのZCシーケンスから得られたプリアンブルの長さ)の正の整数倍とCPの長さの和がOFDMシンボル長さの複数倍と同一になるように定義される。UEはセルのSSブロックを検出し、SSブロックに連結されたRACHリソースで送信するRACHプリアンブルを生成する時、gNBが設定したプリアンブルのフォーマットによって特定の長さのシーケンス(例えば、ZCシーケンス)を用いてRACHプリアンブルに含まれる各プリアンブルを生成し、CPをプリアンブル又はプリアンブルの繰り返しの前に付加してRACHプリアンブルを生成する。
方法1と方法2は、BCが有効ではなく、gNBがRxビームスキャンを行う場合にも同様に適用できる。方法1と方法2について、BCが有効である場合は、RACHプリアンブルが1つのプリアンブルを含むフォーマットで構成される可能性が高い反面、BCが有効ではない場合には、RACHプリアンブルがプリアンブルの繰り返しを含むように構成される可能性が高いことを除外すると、図10を示された方法1と方法2は、BCが有効ではなく、gNBがRxビームスキャンを行おうとする場合にも同様に適用できる。例えば、BCが有効ではなく、gNBがRxビームスキャンを行おうとする場合、gNBはRACHプリアンブルがプリアンブルの繰り返しを含む形態でプリアンブルのフォーマット(例えば、図7(a)又は図8(a)参照)を設定してシグナリングするが、方法1の形態でRACHリソースを設定して、1つのRACHリソースの終わりから次のRACHリソースの開始直前までを空の区間又はポストフィックス区間としてRACHプリアンブルをモニタリングするか、又は方法2の形態でRACHリソースを構成して、RACHプリアンブルの境界がOFDMシンボル境界と一致すると仮定して、gNBが設定した各RACHリソース内でRACHプリアンブルをモニタリングすることができる。
本発明で提案したRACHリソース割り当て案は、RACHリソースのために使用される1つのスロット又は多数のスロットでRACHリソースが占める周波数リソース以外の周波数リソースをデータリソース又は制御チャネルリソースとして効率的に使用するためのものである。よって、RACHリソースを考慮したデータ/制御チャネルリソースの効率的な使用のために、gNBは、RACHリソースとして割り当てたスロットに対してビームをどの単位で形成するかに関する情報を用いて、データ又は制御チャネルをスケジューリングする必要がある。またUEは、gNBがどの単位のOFDMシンボル単位でスケジューリングするかに関する情報を受信することにより、情報に基づいてデータ又はデータチャネルを送信することができる。このために、gNBがデータ又は制御チャネルをRACHリソースが割り当てられた時間領域にスケジューリングするために2つの方法が考えられる。
*ミニスロットの割り当て
RACHリソースが割り当てられた時間領域にスケジューリングされる場合、スケジューリングされるチャネルは1つのビーム領域に含まれなければならないので、そのチャネルが割り当てられたリソースの時間の長さはRACHリソースの時間の長さより短く、1つのRACHリソースに対して多数の短いスロットが含まれることができる。
gNBがRACHリソースごとにビーム方向を設定して動作し、RACHリソースが割り当てられた時間領域とRACHリソースが割り当てられない時間領域においてgNBがUEにリソースを割り当てる時間単位が一致しない場合、gNBはRACHリソースが占める時間領域でスケジューリングのためのスロットを定義して、これに関連する情報をUEに知らせる必要がある。以下、RACHリソースが占める時間領域においてスケジューリングに使用されるスロットをミニスロットという。このような構造では、ミニスロットでデータ又は制御チャネルを送信するためには、いくつかの考慮すべき事項がある。例えば、以下のような事項を考慮しなければならない。
1)RACHリソースが割り当てられたスロットに対して1つのミニスロットを定義する場合:
図11はBCが有効である場合に対するRACH用スロット(SLOTRACH)内にミニスロットを設定する方法を例示する図である。
UEはシステム情報によりgNBが使用するRACHリソースに関する情報を全部知っている。よって、SSブロック当たりに割り当てられたRACHリソースを全て含む最小のOFDMシンボルの集合が1つのミニスロットとして定義されることができる。また、gNBがRACHリソースが割り当てられた時間にスケジューリングを行う場合、UEはミニスロットをTTIの長さと解釈してデータ又は制御チャネルを送信する。1つの正規(normal)スロット内に多数のミニスロットが含まれる場合、UEはどのミニスロットでデータ/制御チャネルを送信するかを決定しなければならない。UEがデータ/制御チャネルの送信に使用するミニスロットを決定する方法には大きく以下の2つがある。
>A.gNBが上りリンクデータ/制御チャネルの送信をスケジューリングする場合、DCIを介してスロット内におけるどのミニスロットで送信するかをUEに指定することができる。
>B.UEは多重ビームのシナリオにおいて持続的にビーム追跡を行う。この時、UEは、現在自分にサービスされているサービングビームがどのSSブロックに連結されているかに関する情報がgNBから予め伝達されると、サービングビームに関連するSSブロックに連結されたRACHリソースと同一の時間領域を自分が送信する時間であると解釈する。UEがスケジューリングされたスロット内にUEのサービングビームに関連するSSブロックに連結されたRACHリソースが存在しない場合、UEはビーム不一致(mismatch)が発生したと判断できる。
2)RACHリソースが割り当てられたスロットに対して多数のミニスロットを定義する場合:
図12はBCが有効である場合に対するRACH用スロット(SLOTRACH)内にミニスロットを設定する他の方法を例示する図である。
RACHリソースが割り当てられたスロットに対して多数のミニスロットを定義することは、1つのRACHリソースが割り当てられたスロット内に多数のミニスロットが存在することを除いては、基本的にRACHリソースが割り当てられたスロットに対して多数のミニスロットを定義することと類似する。図11に示した方法と同様に動作するものの、図12に示したように、RACHリソースを全て含む最小限のOFDMシンボルの集合がいくつかに分かれ、各々をミニスロットと定義する。この場合、gNBは1次にRACHリソースを含む最小限のOFDMシンボルの集合をどのように分けるかをUEに知らせる必要がある。例えば、gNBはビットマップ形態でRACHリソースを含む最小限のOFDMシンボルがどのように分かれるかをUEに指示することができる。又は、RACHリソースを含む最小限のOFDMシンボルを等分できる場合、割り当てるミニスロットの数を知らせることもできる。また、スケジューリングされたUEが多数のミニスロットのうち、どのミニスロットを介してデータ/制御チャネルの送信を行うかをgNBが指示しなければならない。gNBはどのミニスロットを介してデータ/制御チャネルの送信を行うかをDCIを介して直接指示するか、又はRACHリソースが割り当てられた時間領域でUEがスケジューリングされる場合、どのミニスロットを使用するかを予め(例えば、連結セットアップ時に)UEに知らせることができる。又は、UE IDのようなUEとgNBが共有している情報を用いて予め決められた規則によって使用するミニスロットが決定されることも可能である。
3)BCが有効ではなく、プリアンブル繰り返しの間にビームスキャンが行われる場合:
図13はBCが有効ではない場合に対するRACH用スロット(SLOTRACH)内にミニスロットを設定する方法を例示する図である。
BCが有効ではない場合は、上述したように、gNBは1つのRACHリソースが割り当てられたスロット内で受信器のビーム方向を変更しながらビームスキャンを行う。よって、BCが有効であり、RACHリソースが割り当てられたスロット内に多数のミニスロットが存在する場合と類似する方式で運用できる。このために、図12に示した方法と同様に、RACHリソースを含む最小限のOFDMシンボルの集合に対してビームスキャンをどのように行うかに関する情報と各々のビームがどのSSブロックに連結されているかに関する情報を伝達し、UEはこれらの情報を自分がどのミニスロットにスケジューリングされるかに関する情報として用いることができる。この場合、UEは自分がスケジューリングされる多数のミニスロットのうち、データ/制御チャネルがどのミニスロットにスケジューリングされたかを、図12に示した方法と同様にDCIを介するか、RRC信号により予め決められるか、又はgNBとUEが共有する情報を用いて予め定義された規則により定義することができる。
4)グラントフリー(Grant−free)スケジューリングの場合:
>A.UEがグラントフリーリソースで送信するデータ/制御チャネルの時間リソースとRACHリソースとが重なる場合、データ/制御チャネルがRACHリソースの時間領域に対して定義されたミニスロットで送信されることができる。しかし、グラントフリースケジューリングであり、UEがグラントフリースケジューリングにより、即ちグラントフリーリソースにより送信するデータ/制御チャネルの信号フォーマットが正規スロットであるか、又は正規スロットより短いものの、RACHリソース領域に対して定義されたミニスロットよりは長い場合、又はミニスロットの長さが正規スロットの長さに比べて短すぎてミニスロットを介したデータ/制御チャネルの送信が指定したコーディング率に比べて高くなる場合、UEはi)送信をドロップするか、ii)トランスポートブロックのサイズ(transport block size)を変更するか、iii)多数のミニスロットが利用可能な場合には、多数のミニスロットを用いて該当データ/制御チャネルを送信することができる。反面、ミニスロットの長さで送信しても指定コーディング率に比べて低い場合には、指定されているトランスポートブロックのサイズで送信することもできる。
>B.グラントフリースケジューリングであり、UEがグラントフリースケジューリングにより、即ち、グラントフリーリソースにより送信するデータ/制御チャネルの信号フォーマットがミニスロットより短い場合は、上述した方式により決められたミニスロットの位置を通じて正常に送信することができる。即ち、グラントフリースケジューリングによるデータ/制御チャネルが時間ドメインでミニスロットより短いリソースを必要とする場合、UEはRACHリソース(即ち、RACHプリアンブル)の長さに合わせて設定されたミニスロットのうち、データ/制御チャネルと同一のgNB Rxビームに該当するミニスロットを介してデータ/制御チャネルを送信する。この時、トランスポートブロックのサイズを予め設定された信号フォーマットに比べてミニスロット長さに比例して所定の規則により大きくすることができる。例えば、グラントフリースケジューリングにより送信する信号フォーマットが2つのOFDMシンボルを使用することと定義され、RACHスロット内のミニスロットの長さが3つのOFDMシンボルである場合は、グラントフリースケジューリングのデータ/制御チャネルが運搬できるトランスポートブロックのサイズが1.5倍に増加する。
5)ガード時間又は空の区間(blank duration)にミニスロットの割り当て:
図14はガード時間を用いてミニスロットを設定する方法を例示する図である。
gNBは、ガード時間として設定された区間の一部、又はガード時間の用途ではなくても1つのスロット内にRACHリソースを構成した後に残ったスロット内の空の区間については、自由に受信ビームを設定できる。よって、gNBは、RACHリソースに関連する情報と共に、スロット内でRACHリソース受信のためのビームと独立して使用できるミニスロットに関する情報をUEに知らせ、UEはガード時間に設定されたミニスロットに対して動的スケジューリングがあると期待できる。割り当てられたミニスロットの位置には、上述した方法(例えば、RACHスロット内に設定されるミニスロットの長さ、位置、ビーム方向などを知らせる方法)を使用できる。
6)短いPUCCHリソースの割り当て:
TDDシステムの場合、制御チャネルを短く構成して、1つのスロット内の一部区間に送信する方式が可能である。NRシステムの場合、1つのスロットに対してスロットの前部分には下りリンク制御チャネルを、スロットの最後の部分には上りリンク制御チャネルを送信する方式が論議されており、特に、このように送信される上りリンク制御チャネルを短いPUCHHという。短いPUCCHは、スロットの最後の1〜2個のシンボルに送信されるようにチャネルが構成されるので、上述したミニスロットに送信されることができる。しかし、上述したように、1つのスロット内でビーム方向が変わることができるので、短いPUCCHをスロットの最後の部分に無条件に位置付けることができない場合もある。よって、短いPUCCHがRACHリソースが割り当てられたスロット領域にスケジューリングされる場合、UEは自分にサービスされているビームと同じ方向のビーム(即ち、gNB Rxビーム、又はgNB Rxビームに対応するUE TXビーム)又はgNBが予め短いPUCCHに対してリンクを形成したビーム(即ち、gNB Rxビーム、又はgNB Rxビームに対応するUE TXビーム)が存在するミニスロットで短いPUCCH送信を行う。この時、PUCCHは、ミニスロット内の最後のシンボル位置、gNBがシグナリングにより指定するシンボル位置、又は規則により決定されるシンボル位置で送信されることができる。しかし、UEは、自分にサービスされているビームと同じ方向のビーム又はgNBが予め短いPUCCHに対してリンクを形成したビームが存在しない場合には、短いPUCCH送信をドロップすることができる。
*ミニスロットの連接(concatenation)
RACHリソースセットに対する受信ビームを形成する段階において、RACHリソースごとの受信ビームの方向が大きく異ならない場合、RACHリソースセット区間にわたって送信する長いスロットを介してデータ又は制御チャネルが送信されることもできる。これを、上述したミニスロットを連接して使用する、ミニスロットの連接と呼ぶことができる。
図15はBCが有効であり、正規スロットと同じ長さでミニスロットの連接を行ってデータを送信する例を示す図である。特に、図15はBCが有効である場合、RACHリソース区間において連接するミニスロットの送信及び参照信号の挿入を例示する図である。例えば、正規スロットと同じ長さになるようにミニスロットが連接して得られる長いスロット(long slot)にわたって1つのデータパケットが送信されることができる。この場合、1つのデータパケットは長いスロット内のミニスロットに分けられて送信される。
このように連接したミニスロットを用いたデータ送信の場合、gNBがSSブロック送信方向情報を用いてRACHリソースごとに受信ビームを形成するので、UEは各々SSブロックを最高の品質で受信可能な方向に信号を送信することが好ましい。よって、gNBはRACHリソース時間領域において、(BCが有効ではない場合は)OFDMシンボルごとに又は(BCが有効である場合は)RACHリソースごとに受信ビームの形成に関連する情報(例えば、SSブロックとの関連情報)をUEに知らせる。この時、連結されたミニスロットを送信し、正規スロットに対して定義されたフォーマットで参照信号(reference signal)を送信する場合、UEによる信号送信中にgNBの受信ビーム方向が変化するので、データチャネルの受信が円滑にならないことがある。よって、gNBの受信ビーム方向の変化を反映してgNBの受信ビーム方向の変化単位で参照信号が挿入される必要がある。このためには、RACHリソース区間に割り当てられる連接したミニスロットのための参照信号の構造を定義することが好ましい。RACHリソース区間に連接したミニスロットフォーマットのデータ又は制御チャネルが割り当てられたUEは、連接したミニスロットフォーマットの参照信号を送信しなければならない。
PUSCH又はPUCCHの送信時、PUSCH又はPUCCHのUE Txビーム方向に対して安定した1つのgNB Rxビームが存在しないか、又は多数のビームが類似品質を有する場合、ビームダイバーシティの特性を利用できるように連接したミニスロットを介してPUSCH又はPUCCHを送信することにより、PUSCH又は長いPUCCHの安定した受信が可能になる。この場合、gNBはRACHリソース領域でPUSCH又はPUCCHを送信することにより、RACHリソースが割り当てられた時間リソースを効率的に利用できる。
さらに、gNBは多重ビーム環境においてサービスを安定して維持するために、最高の品質を有するビームをサービングビームとして維持するように送信ビーム又は受信ビームに対するビームトラッキングを行う。よって、gNBは、RACHリソースが割り当てられたスロット区間内でgNBが受信ビームを変更する特性を用いて、UEがPUSCH、長いPUCCH、又は短いPUCCHのRACHリソース領域ごとに繰り返し送信又はビームトラッキングのために定義されるRSを多数のミニスロットにわたって送信するように指示することにより、gNBはgNB受信ビーム又はUE送信ビームに対する品質を測定し、ビームトラッキングを行うことができる。即ち、ビームトラッキングに対するリソースの効率的な利用のために、RACHリソースが割り当てられた時間領域に対して適合する物理チャネルの送信を指示し、これをビームトラッキングのためのリソースとして利用できる。言い換えれば、ビームトラッキングに対するリソースの効率的な利用のために、gNBはRACHリソースが割り当てられた時間領域に設定されたミニスロットの各々に適合するUE Txビームで物理チャネルを送信するようにUEに指示し、各ミニスロット内の物理チャネルをビームトラッキングのために使用することができる。ビームトラッキングのための信号をUEが効率的に送信するためには、上述したように、gNBがビーム方向の変更情報をUEに知らせ、UEはこの情報と予め定義された規則によって参照信号をgNBの受信ビームごとに挿入して送信する。gNBはこのように送信された参照信号を用いて受信ビーム区間に対するチャネル推定用信号又はビームトラッキングのための信号品質測定用信号として参照信号を使用できる。
ビームダイバーシティによるgNBにおける受信のために送信されたPUSCH又は長いPUCCHの送信時、gNBは受信ビーム区間ごとに信号受信を試みるので、アンテナ利得が異なる特性を有することができる。よって、UEは、受信ビーム方向ごとに(例えば、RACHリソース領域ごとに)PUSCH/PUCCHの送信電力を異なるように設定する。このために、gNBはUEに各々のRACHリソース領域ごとに開ループ(open loop)電力制御用の経路損失(pathloss)計算のための参照チャネル/信号情報及び電力制御パラメータを別に設定するように知らせることができる。UEはこの情報を用いてRACHリソース時間領域ごとに異なる送信電力を設定して送信する。
一方、ビームトラッキング(又はビーム管理)のための用途として信号を多数のRACHリソース領域ごとに送信する場合には、gNBによる受信信号の品質を測定するために、RACHリソース領域ごとに送信電力が同一に維持される必要がある。よって、この場合、1つの電力制御のための参照チャネル/信号が1つだけ必要であり、参照チャネル/信号に関する情報をgNBが知らせるか又は規則により予め定義されると、UEは参照チャネル/信号を用いて送信電力のサイズを決定し、送信電力を全領域に同様に適用してPUSCH/PUCCHを送信することができる。
各ULチャネルごとに、gNBはRACHリソース送信時間領域、即ち該当セルにRACHリソースが設定された時間領域を通じたULデータ又は制御チャネルが、ビームダイバーシティのための用途であるか又はビームトラッキングのための用途であるかをUEに知らせ、その用途に合わせてUEが電力制御動作を行うことができる。
図16は、本発明を実行する送信装置10及び受信装置20の構成要素を示すブロック図である。
送信装置10及び受信装置20は、情報及び/又はデータ、信号、メッセージなどを搬送する無線信号を送受信できるRFユニット13,23と、無線通信システム内における通信に関連した各種情報を記憶するメモリ12,22と、上記RFユニット13,23及びメモリ12,22などの構成要素と動作的に連結され、これらの構成要素を制御して該当装置が前述した本発明の実施例の少なくとも1つを行うようにメモリ12,22及び/又はRFユニット13,23を制御するように構成されたプロセッサ11,21とをそれぞれ備える。
メモリ12,22は、プロセッサ11,21の処理及び制御のためのプログラムを格納することができ、入力/出力される情報を臨時記憶する。メモリ12,22をバッファーとして活用することができる。
プロセッサ11,21は、通常、送信装置又は受信装置内の各種モジュールの全般的な動作を制御する。特に、プロセッサ11,21は、本発明を実行するための各種の制御機能を実行することができる。プロセッサ11,21は、コントローラ(controller)、マイクロコントローラ(microcontroller)、マイクロプロセッサ(microprocessor)、マイクロコンピュータ(microcomputer)などとも呼ばれる。プロセッサ11,21は、ハードウェア(hardware)、ファームウェア(firmware)、ソフトウェア、又はそれらの結合によって具現化することができる。ハードウェアを用いて本発明を具現化する場合、本発明を実行するように構成されたASICs(application specific integrated circuits)、DSPs(digital signal processors)、DSPDs(digital signal processing devices)、PLDs(programmable logic devices)、FPGAs(field programmable gate arrays)などをプロセッサ11,21に具備することができる。一方、ファームウェアやソフトウェアを用いて本発明を具現化する場合には、本発明の機能又は動作を実行するモジュール、手順又は関数などを含むようにファームウェアやソフトウェアを構成することができ、本発明を実行するように構成されたファームウェア又はソフトウェアは、プロセッサ11,21内に設けられてもよく、メモリ12,22に記憶されてプロセッサ11,21によって駆動されてもよい。
送信装置10のプロセッサ11は、プロセッサ11又はプロセッサ11と接続されたスケジューラからスケジュールされて外部に送信される信号及び/又はデータに対して所定のコーディング(coding)及び変調(modulation)を行った後にRFユニット13に送信する。例えば、プロセッサ11は、送信しようとするデータ列を逆多重化及びチャネルコーディング、スクランブリング、変調過程などを経てK個のレイヤに変換する。コーディングされたデータ列はコードワードとも呼ばれ、MAC層が提供するデータブロックであるトランスポートブロックと等価である。1トランスポートブロック(transport block,TB)は1コードワードに符号化され、各々のコードワードは1つ以上のレイヤ形態で受信装置に送信される。周波数アップコンバートのためにRFユニット13はオシレーター(oscillator)を備えることができる。RFユニット13は、Nt個(Ntは1以上の正の整数)の送信アンテナを有することができる。
受信装置20の信号処理過程は、送信装置10の信号処理過程の逆に構成される。プロセッサ21の制御下で受信装置20のRFユニット23は送信装置10によって送信された無線信号を受信する。RFユニット23はNr個の受信アンテナを有することができ、RFユニット23は受信アンテナで受信した信号のそれぞれを周波数ダウンコンバート(frequency down−convert)して基底帯域信号に復元する。RFユニット23は周波数ダウンコンバートのためにオシレーターを備えることができる。プロセッサ21は受信アンテナで受信した無線信号に対する復号(decoding)及び復調(demodulation)を行い、送信装置10が本来送信しようとするデータを復元することができる。
RFユニット13,23は1つ以上のアンテナを具備する。アンテナはプロセッサ11,21の制御下で本発明の一実施例によってRFユニット13,23によって処理された信号を外部に送信したり、外部から無線信号を受信してRFユニット13,23に伝達する機能を果たす。アンテナはアンテナポートとも呼ばれる。各アンテナは1つの物理アンテナに該当してもよく、1つよりも多い物理アンテナ要素(element)の組合せによって構成されてもよい。各アンテナから送信された信号は受信装置20でそれ以上分解することができない。該当アンテナに対応して送信された参照信号(reference signal、RS)は受信装置20の観点で見たアンテナを定義し、チャネルが1つの物理アンテナからの単一(single)無線チャネルであるか、或いは上記アンテナを含む複数の物理アンテナ要素(element)からの合成(composite)チャネルであるかに関係なく、受信装置20にとってアンテナに対するチャネル推定を可能にする。即ち、アンテナは、該アンテナ上のシンボルを伝達するチャネルが上記同一アンテナ上の他のシンボルが伝達される上記チャネルから導出されうるように定義される。複数のアンテナを用いてデータを送受信する多重入出力(Multi−Input Multi−Output、MIMO)機能を支援するRFユニットの場合、2個以上のアンテナと接続することができる。
本発明において、RFユニット13,23は受信ビームフォーミングと送信ビームフォーミングを支援できる。例えば、本発明において、RFユニット13,23は図3に示した機能を行うように構成される。
本発明の実施例において、UEは、上りリンクでは送信装置10として動作し、下りリンクでは受信装置20として動作する。本発明の実施例において、gNBは、上りリンクでは受信装置20として動作し、下りリンクでは送信装置10として動作する。以下、UEに具備されたプロセッサ、RFユニット及びメモリをUEプロセッサ、UE RFユニット及びUEメモリとそれぞれ称し、gNBに具備されたプロセッサ、RFユニット及びメモリをgNBプロセッサ、gNB RFユニット及びgNBメモリとそれぞれ称する。
本発明のgNBプロセッサは、自分のRACHプリアンブル検出能力、セルカバレッジ、RACHプリアンブルの副搬送波間隔などに基づいて、本発明の方法1又は方法2によってセルに対するRACHプリアンブルを設定できる。例えば、プロセッサは、本発明の方法2によってRACHプリアンブルが占めるRACHリソースの境界が時間ドメインでOFDMシンボルの境界と整列されるようにRACHプリアンブルを設定できる。gNBプロセッサは、セルに対するRACHプリアンブルの設定(例えば、プリアンブルのフォーマット、ルートシーケンスインデックス、シーケンス長さ、及び/又は巡回シフト単位(NZC)など)に関する情報を送信するようにgNB RFユニットを制御できる。例えば、gNBプロセッサは、RACHプリアンブル設定情報を送信するようにgNB RFユニットを制御し、gNB RFユニットを制御してRACHプリアンブル設定情報によって各RACHリソース上でRACHプリアンブルをモニタリングできる。任意のUEがRACHリソースでRACHプリアンブルを送信する場合、gNBプロセッサはRACHリソース上でRACHプリアンブルを検出できる。反面、gNBプロセッサが設定したRACHリソースのうち、いかなるUEもRACHプリアンブルの送信に使用しないRACHリソースがある場合、gNBプロセッサはRACHリソースではRACHプリアンブルを検出できない。gNBプロセッサは、RACHリソース内のRACHプリアンブルがRACHプリアンブル設定情報によって送信されたと仮定して、RACHプリアンブルに対する受信/検出を行うことができる。例えば、gNBプロセッサは、RACHプリアンブルの設定が適用されるセル上で自分に送信されるRACHプリアンブルの長さNRAはRACHプリアンブルの受信に使用されるOFDMシンボルの全長と同一であり、RACHプリアンブルは長さNuのプリアンブルをn回含む長さNSEQ=Nu*nであるシーケンス部分(ここで、nは正の整数)、そしてNCP,RA+NSEQ=NRAを満たす長さNCP,RAであるサイクリックプレフィックス(cyclic prefix、CP)で構成されていると仮定して、RACHプリアンブルの受信/検出を行うように構成される。gNBプロセッサは、RACHプリアンブルが時間ドメインでOFDMシンボルをOFDMシンボルの開始から終了までスパンすると仮定して、gNB RFユニットを制御してRACHプリアンブルの受信/検出を試みることができる。
本発明のUEプロセッサは、セル上でRACHプリアンブルを送信する時、セルのRACHプリアンブル設定によってRACHプリアンブルを生成するように構成され、RACHプリアンブルをRACHリソース上で送信するようにUE RFユニットを制御できる。例えば、UEプロセッサは、RACHプリアンブル設定情報(例えば、プリアンブルのフォーマット、ルートシーケンスインデックス、シーケンスの長さ、及び/又は巡回シフト単位(NZC)など)を受信するようにUE RFユニットを制御できる。RACH過程を行う必要がある場合、UEプロセッサはUE RFユニットを制御してRACHプリアンブル設定情報に従ってRACHプリアンブルを生成し(特定の、或いは特定の基準によって選択された)SSブロックに関連するRACHリソース上でRACHプリアンブルを送信する。例えば、UEプロセッサはRACHプリアンブル設定が適用されるセル上で送信するRACHプリアンブルの長さNRAがRACHプリアンブルの受信に使用されるOFDMシンボルの全長と同一になるように、RACHプリアンブルを生成できる。UEプロセッサは長さNuのプリアンブルをn回含む長さNSEQ=Nu*nであるシーケンス部分(ここで、nは正の整数)、そしてNCP,RA+NSEQ=NRAを満たす長さNCP,RAであるサイクリックプレフィックス(cyclic prefix、CP)で構成されるようにRACHプリアンブルを生成できる。UEプロセッサは時間ドメインでOFDMシンボルをOFDMシンボルの開始から終了までスパンするようにRACHプリアンブルを生成できる。UEプロセッサは時間ドメインでOFDMシンボルをOFDMシンボルの開始から終了までスパンする形態でRACHプリアンブルを送信するようにUE RFユニットを制御できる。
本発明のgNBプロセッサは、本発明のミニスロットの割り当て方法(及びミニスロットの連接方法)のうちのいずれか1つによってミニスロットを設定できる。gNBプロセッサはミニスロットの設定に関する情報を送信するようにgNB RFユニットを制御できる。gNBプロセッサは、ミニスロットのうちのいずれか1つにPUCCH或いはPUSCHをスケジューリングするように構成される。gNBプロセッサは、本発明のミニスロットの割り当て方法により設定されたミニスロットに関するスケジューリング情報をUEに送信するようにgNB RFユニットを制御できる。本発明のUEプロセッサはミニスロットに対する設定情報を受信するようにUE RFユニットを制御できる。UEプロセッサは設定情報によって設定されたミニスロットに対するスケジューリング情報を受信するようにUE RFユニットを制御できる。スケジューリング情報に基づいてUEプロセッサはミニスロットにおいてPUSCH或いはPUCCHを送信するようにUE RFユニットを制御できる。
本発明のgNBプロセッサ又はUEプロセッサは、アナログ又はハイブリッドビームフォーミングが使用される6Ghz以上の高周波帯域で動作するセル上で本発明を提供するように構成される。
以上の本発明の好適な実施形態についての詳細な説明は、当業者が本発明を具現化して実施できるように提供された。以上では本発明の好適な実施形態に挙げて本発明を説明したが、該当技術分野における熟練した当業者には、添付の特許請求の範囲に記載された本発明の思想及び領域を逸脱しない範囲内で、本発明を様々に修正及び変更できるということは明らかである。したがって、本発明は、具体的な実施形態に制限されるものではなく、ここに開示された原理及び新規の特徴と一致する最も広い範囲を有するものである。