JP2020510028A - 薬物送達デバイスから吐き気誘発性化合物の投与のための装置及び方法 - Google Patents

薬物送達デバイスから吐き気誘発性化合物の投与のための装置及び方法 Download PDF

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Abstract

対象の治療方法であって、対象を、吐き気誘発性化合物を含む薬物送達デバイスと接触させることを含み、薬物送達デバイスは、吐き気誘発性化合物を対象に投与し、接触させることは、吐き気誘発性化合物を含む薬物送達デバイスを第1の臨床試験中のヒト患者集団に投与した後に生じ;吐き気誘発性化合物を含む薬物送達デバイスを投与したヒト患者集団の10%未満は、第1の臨床試験中に吐き気及び/または嘔吐を有すると報告された、方法を提供する。

Description

関連出願への相互参照
本出願は、2017年3月8日に出願された米国仮出願第62/468,399号に対する優先権及びその利益を主張するものであり、その全体が参照によって本明細書に組み込まれるものとする。
配列表
本出願は、その全体が参照により本明細書に組み入れられる、EFS−Webを介してASCIIフォーマットで提出されている配列表を含む。2018年3月8日に作成された前記ASCIIコピーは、ITCA−051_ST25.txtの名称であり、サイズは、17,957バイトである。
患者に吐き気を催させるためそれらの治療的可能性が欠けている多くの薬物が開発されてきた。そのような療法は、患者に吐き気及び/または嘔吐を催させ、最終的には、(例えば、小分子の)経口投与または(例えば、ペプチドの)定期的な自己注射に伴い得る治療の不十分なアドヒアランスになる傾向がある。吐き気誘発性ペプチドの治療の不十分なアドヒアランスは、特に、自己注射に対する相当な恐怖心、いわゆる「針恐怖症」を有する患者で悪化し、しばしば自己注射後に起こる吐き気及び嘔吐にうんざりしている患者ではなおさらである。吐き気誘発性化合物をより有効に投与し、吐き気及び嘔吐を軽減し、患者の治療アドヒアランス及び生活の質を改善し、そうでなければ吐き気誘発性化合物の治療的可能性を実現する方法が必要とされる。
米国仮出願第62/468,399号
出願人は、ある特定のクラスの吐き気誘発性化合物に一般的に起因していた吐き気及び嘔吐の副作用が、本明細書で開示される方法に従って、そのような化合物の患者への投与を改善することで軽減し、潜在的に排除し得ることを発見した。
経口または注射で投与された薬物は、一般的に、血漿中の薬物濃度がCmaxに到達する急速吸収相、その後、血漿中の薬物濃度が下がる排出相を経る(図1Aを参照)。血漿中の薬物濃度が最小有効濃度(MEC)を下回る前に、その後の用量を投与して、薬物の血漿濃度を治療範囲内に維持する。複数回投与用量は、薬物の濃度が定期的に上下するため、多くのピーク及びトラフを示す薬物の血漿濃度を生じる(図2〜8を参照)。
出願人は、ある特定の薬物送達デバイス、特に、埋め込み型浸透圧式薬物送達デバイスを介したある特定の吐き気誘発性化合物、例えば、長時間作用型吐き気誘発性ペプチドの投与の利点を発見した。埋め込み型浸透圧式薬物送達デバイスからのある特定の長時間作用型吐き気誘発性ペプチドの投与は、吐き気誘発性化合物の漸増吸収をもたらすように構成することができ、その結果、吐き気誘発性化合物は、血漿中の平均定常状態濃度(Css)にゆっくりかつ徐々に到達する。さらに、平均Cssは、排出相を経ることなく着実に維持されるため、血漿濃度中で実質的なピーク及びトラフを被ることがない(図1Bを参照)。さらに、出願人は、アルブミンへの親和性を有し、かつヒト中の排出半減期が延長しているある特定の長時間作用型吐き気誘発性ペプチドが、埋め込み型浸透圧式薬物送達デバイスを介して、本開示の投与方法に特に影響を受けやすいことを発見した。
以下により詳細に説明されるように、ある特定の吐き気誘発性化合物の投与、特に、長時間作用型吐き気誘発性ペプチドの注射からの吐き気及び嘔吐は、(i)吐き気誘発性化合物が平均定常状態濃度(Css)に到達し、維持する際に、ゆっくりかつ着実な上昇勾配を介して、吐き気誘発性化合物の穏やかな吸収をもたらし;(ii)排出相を実質的に含まないため、血漿濃度中で実質的なピーク及びトラフを被ることなく、血漿中の平均Cssを数週間、数ヵ月間、一年間またはそれ以上で維持し;及び(iii)(i)及び(ii)中に、d[吐き気誘発性化合物]/dtまたはd[薬物]/dtと本明細書で代わりに表現される、血漿濃度中の経時変化率、特に正の変化率を可能な限り最小にする埋め込み型薬物送達デバイスからの連続投与時に抑えるかまたは排除することができる。言い換えれば、吐き気及び嘔吐の発生率または有病率は、吐き気誘発性化合物の血漿濃度中の変化率が治療期間中に最小化される場合に抑えることができる。例えば、吐き気及び嘔吐は、血漿濃度中の正の変化率、d[吐き気誘発性化合物]/dtが、治療期間中に吐き気誘発性化合物の平均定常状態濃度(Css)の約+2%/1時間未満に保たれる場合に抑えることができる。
2型糖尿病の対象の治療方法であって、対象を、長時間作用型吐き気誘発性ペプチドを含む埋め込み型浸透圧式薬物送達デバイスと接触させることを含む、方法を提供する。
また、対象と接触させた際に、1用量の吐き気誘発性化合物の対象への投与を提供するように構成された、薬物送達デバイス及び吐き気誘発性化合物を含む装置であって、投与の開始後の最初の24時間中に、吐き気誘発性化合物の平均定常状態濃度(Css)の90%未満またはそれ以下が、対象の血漿中で達成され;Cssが達成されると、吐き気誘発性化合物のCssを、対象の血漿中で少なくとも2週間維持する、装置を提供する。
さらに、対象を治療する関連方法であって、対象を、吐き気誘発性化合物を含む薬物送達デバイスと接触させることを含み、薬物送達デバイスは、吐き気誘発性化合物を対象に投与し、接触させることは、吐き気誘発性化合物を含む薬物送達デバイスを第1の臨床試験中のヒト患者集団に投与した後に生じ;吐き気誘発性化合物を含む薬物送達デバイスを投与したヒト患者集団の10%未満は、第1の臨床試験中に吐き気及び/または嘔吐を有すると報告された、関連方法を提供する。
さらに、対象を治療する関連方法であって、対象を、吐き気誘発性化合物を含む薬物送達デバイスと接触させることを含み、薬物送達デバイスは、吐き気誘発性化合物を対象に投与し、吐き気及び/または嘔吐の発生率は、連続用量の吐き気誘発性化合物を含む薬物送達デバイスの第1のヒト患者集団への投与に関する第1の臨床試験中10%以下であり;吐き気及び/または嘔吐の発生率は、注射または経口用量の吐き気誘発性化合物の第2のヒト患者集団への投与に関する第2の臨床試験中15%以上である、関連方法を提供する。
さらに、対象を治療する関連方法であって、対象を、吐き気誘発性化合物を含む薬物送達デバイスと接触させることを含み、薬物送達デバイスは、吐き気誘発性化合物を対象に投与し、連続用量の吐き気誘発性化合物を含む薬物送達デバイスの第1のヒト患者集団への投与に関する第1の臨床試験中の、第1のヒト患者集団の割合として報告された、吐き気及び/または嘔吐の発生率は、注射または経口用量の吐き気誘発性化合物の第2のヒト患者集団への投与に関する第2の臨床試験中の、第2のヒト患者集団の割合として報告された、吐き気及び/または嘔吐の発生率と比べて少なくとも20%低下する、関連方法を提供する。
また、対象を治療する関連方法であって、対象を、1用量の吐き気誘発性化合物を含む薬物送達デバイスと接触させることを含み、薬物送達デバイスが、吐き気誘発性化合物を対象に投与し、投与の開始後の最初の24時間中に、吐き気誘発性化合物の平均定常状態濃度(Css)の90%未満またはそれ以下が、対象の血漿中で達成され;Cssが達成されると、吐き気誘発性化合物のCssを、対象の血漿中で少なくとも2週間維持し、d[吐き気誘発性化合物]/dtを、吐き気誘発性化合物の平均定常状態濃度(Css)の約+2%/時間未満に保持する、関連方法を提供する。
さらなる実施形態を以下により詳細に記載する。
図1A。口または注射によって投与された仮想薬物のヒト血漿濃度を示すプロットである。血漿中の薬物濃度がCmaxに到達する急速吸収相、その後、血漿中の薬物濃度が下がる排出相を示す。血漿中の薬物濃度が最小有効濃度(MEC)を下回る前に、その後の用量を投与して、薬物の血漿濃度を、最小毒性濃度(MTC)を下回りかつMECを上回る治療範囲内に維持する。例えば、図2〜8を参照されたい。図B。口または注射投与と比べて、吐き気及び/または嘔吐を最小化すると推定された、薬物送達デバイスを介して投与した吐き気誘発性化合物の非連続的な目標注入速度を示すプロットである。理想的な上昇勾配は、ゆっくりかつ着実に、4週間以内に(t1/2 10日以内)に(Css)プラトーに近づくべきである。吐き気誘発性化合物の最終的な血漿濃度は、例えば、6×初期血漿濃度であり得る。 本明細書に記載される好ましい実施形態によれば、そのような目標速度は、提供された投与量を低から高へ増加させることではなく、埋め込み型浸透圧式薬物送達デバイスからの固定用量の所定の速度の連続投与を介したある特定の長時間作用型吐き気誘発性ペプチドで達成される。埋め込み型浸透圧式薬物送達デバイスからの長時間作用型吐き気誘発性化合物の持続用量の連続送達にもかかわらず、吐き気誘発性化合物の血漿濃度は、Cssに徐々に増加する。 定期的な注射(BID水溶液)を介して投与されたエクセナチドのヒト血漿濃度を示すプロットである。1日1回の投与は、エクセナチドのペプチダーゼ耐性によって可能になる。Tmax 約1.3時間;t1/2 約3.2時間(但し、ペプチダーゼプローンGLP−1 t1/2 約3.4分);ピークトラフ ピークの82%;ピーク 1.8×平均;d[薬物]/dt 62%の平均/時間;16〜30週間で、40〜41%の吐き気、13〜18%の嘔吐。 定期的な注射(1日1回の水溶液)を介して投与されたリキシセナチドのヒト血漿濃度を示すプロットである。1日1回の投与は、リキシセナチドのペプチダーゼ耐性によって可能になる。Tmax 約1.7時間;t1/2 約3.0時間;ピークトラフ ピークの97%;ピーク 2.4×平均;d[薬物]/dt 204%の平均/時間;24週間で、26%の吐き気、11%の嘔吐。 定期的な注射(1日1回の水溶液)を介して投与されたリラグルチドのヒト血漿濃度を示すプロットである。1日1回の投与は、アルブミンに対するリラグルチドの結合によって可能になり、腎濾過によるクリアランスを回避する。Tmax 約12時間;ピークトラフ ピークの39%;ピーク 1.2×平均;d[薬物]/dt 11%の平均/時間;52週間で吐き気28%、嘔吐11%。 定期的な注射(週1回の水溶液)を介して投与されたセマグルチドのヒト血漿濃度を示すプロットである。1日1回の投与は、アルブミンに対するセマグルチドの高親和性結合によって可能になる。Tmax 約3.2日。週1回の投与は、高アルブミン親和性によって可能になり、t1/2 約8.3日;ピークトラフ ピークの26%;ピーク 1.12×平均;d[薬物]/dt;3.3%の平均/時間;吐き気 報告22%、離脱6%。 定期的な注射(週1回の水溶液)を介して投与されたデュラグルチド、アルビグルチド、及びエキセンジン−4 AlbudAbのヒト血漿濃度を示すプロットである。ピークトラフ:デュラグルチド ピークの63%、アルビグルチド ピークの28%、エキセンジン−4 AlbudAb ピークの31%。 単回ボーラス注射の投与後のエクセナチド(Bydureon、ポリ(乳酸−共−グリコール酸(PLGA)カプセル化)のヒト血漿濃度を示すプロットである。約2ヵ月の最大放出速度を有する、三段階放出パターン、例えば、かなりのバーストを示す。最大d[薬物]/dt 63%の平均/時間。 PLGAマトリクス(Bydureon)内で製剤化されたエクセナチドの単回皮下ボーラスについて報告された血漿濃度を、記号として示す。三段階放出は、初期バースト、その後、投与後の2週間及び8週間の加速放出の期間からなった。プロファイルは、対数時間領域(X軸)に沿って分布した3つのガウス曲線の合計としてモデリングした。 定期的な注射(週1回の水溶液)を介して投与されたエクセナチド(Bydureon、PLGAカプセル化)のヒト血漿濃度を示すプロットである。三段階放出プロファイルの週1回の積み重ねにより、ピークトラフ ピークの9.9%;ピーク 1.1×平均;最大d[薬物]/dt 4.4%の平均/時間;26週間にわたって吐き気11.3%、嘔吐<5%が得られる。図8に示す、Bydureonの週1回の皮下注射から得られる血漿濃度プロファイルは、図7に記載されるように得られたプロファイルの千鳥状の合計によって得られた。 ITCA−650浸透圧式薬物送達デバイスの単一の皮下配置を介して投与されたエクセナチド(非水性製剤)のヒト血漿濃度を示すプロットである。図2〜8のプロットに示すヒト血漿濃度とは対照的に、図9のプロットは、単一のピークが得られ、平均血漿濃度におけるピークトラフ変動を示さない。 吐き気を報告する患者の発生率対図2〜8の水性製剤の定期的な注射と図9のITCA−650浸透圧式薬物送達デバイスの単一の皮下配置を介して投与されたエクセナチドとに対するd[薬物]/dtを示す概略プロットである。 図11A。浸透圧式薬物送達デバイスの単一の皮下配置を介して投与した場合のリラグルチド及びセマグルチドの経時的な平均Cssを推定するプロットである。比較は、ITCA−650浸透圧式薬物送達デバイスの単一の皮下配置を介して投与されたエクセナチドの経時的な平均Cssと行った(図9に示すように)。 図11B。浸透圧式薬物送達デバイスの単一の皮下配置を介して投与した場合のエクセナチド、リラグルチド、及びセマグルチドの推定d[薬物]/dtを比較したプロットである。d[セマグルチド]/dtは、浸透圧式薬物送達デバイスの単一の皮下配置を介して投与した場合に、d[エクセナチド]/dtよりも35×低い。 吐き気を報告する患者の発生率対各々を浸透圧式薬物送達デバイスの単一の皮下配置を介して投与された場合の図2〜8の化合物及び図9のエクセナチドのd[薬物]/dtを推定する概略プロットである。 皮下(SC)投与したGLP−1アゴニストの薬物動態の説明モデルである。2つの区画(SC及び中央)が考えられる。一定割合のSC薬物は、単位時間あたりで中央区画に入る(Kによって定義)。一定割合の中央薬物は、単位時間あたりで排出される(Kによって定義)。中央薬物濃度(血漿薬物濃度に等しい)は、その分布容積(V)に希釈した中央区画(A)中の薬物の量である。 インキュベーションにおける最終アルブミン濃度に基づくヒトGLP−1受容体でのリラグルチド及びセマグルチドの効力を比較するプロットである。効力は、アルブミン濃度の増加と共に低下し、変化の中点値は、約0.6%のアルブミン(HSA)濃度で生じた。 ヒトGLP−1[7−36]NH(赤色)、リラグルチド(青色)、及びセマグルチド(緑色)について決定された、4%対0.1%アルブミンの効力シフトを比較する3つのプロットを示す。4%アルブミンにおけるヒトGLP−1[7−36]NHの効力は、小さな(1.8倍)増加があった。これに対し、リラグルチドの効力は、9.3倍の低下、及びセマグルチドの効力は、19.9倍の低下があった。GLP−1[7−36]NHで観察された効果と比べて、これらは、リラグルチド及びセマグルチドのそれぞれ17.2倍及び36.8倍の効力シフトを表す。
定義
本明細書で用いられる専門用語は、特定の実施形態のみを記述する目的のためであって、限定されることを意図しないことが理解される。この明細書及び添付の特許請求の範囲に用いられるように、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈が他に明確に指定しない限り、複数形の指示対象を含む。従って、例えば、「溶媒(a solvent)」への言及は、2つまたはそれ以上のそのような溶媒の組み合わせを含み、「ペプチド(a peptide)」への言及は、1つ以上のペプチド、またはペプチドの混合物を含み、「薬物(a drug)」への言及は、1つ以上の薬物を含み、「浸透圧式送達デバイス(an osmotic delivery device)」への言及は、1つ以上の浸透圧式送達デバイスなどを含む。特に明記されていないか、または文脈から明らかでない限り、本明細書で使用される場合、「または」という用語は、包括的であると理解され、「または」及び「及び」の両方を網羅する。
特に明記されていないか、または文脈から明らかでない限り、本明細書で使用される場合、用語「約」は、当該技術分野における通常の許容範囲内、例えば、平均の2標準偏差以内と理解される。「約」は、記載された値の10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%、0.1%、0.05%または0.01%以内として理解され得る。文脈から特段明らかでない限り、本明細書で提供される全ての数値は、用語「約」によって修飾される。
特に明記されていないか、または文脈から明らかでない限り、本明細書で使用する場合、用語「実質的に」は、狭い変動範囲またはあるいは当該技術分野における一般公差として理解される。「実質的に」は、記載された値の5%、4%、3%、2%、1%、0.5%、0.1%、0.05%、0.01%または0.001%以内として理解され得る。
他に定義されない限り、本明細書に用いられる全ての技術及び科学用語は、本発明に関連する当業者により一般に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書に記載されるようなものと同様または同等な他の方法及び物質は、本発明の実施に用いることができるが、好ましい物質及び方法は、本明細書に記載される。
本明細書で使用する場合、埋め込み型薬物送達デバイスに関する用語「接触させること」とは、埋め込み型薬物送達デバイス、例えば、埋め込み型浸透圧式薬物送達デバイスの患者の皮膚の表面の下への皮下配置または挿入を指す。あるいは、本明細書で使用する場合、非埋め込み型薬物送達デバイス、例えば、非埋め込み型小型パッチポンプに関する用語「接触させること」とは、小型パッチポンプを患者の皮膚の外面上に固定することを指す。
用語「ペプチド」、「ポリペプチド」、及び「タンパク質」は、本明細書で区別しないで用いられ、典型的には、2つまたはそれ以上のアミノ酸(例えば、最も典型的には、L−アミノ酸であるがまた、例えば、D−アミノ酸、修飾アミノ酸、アミノ酸アナログ、及びアミノ酸模倣剤を含む)の鎖を含む分子を指す。ペプチドは、自然に生じ、合成的に製造され、または組み換え的に発現され得る。ペプチドは、アミノ酸鎖を修飾する付加基、例えば、翻訳後修飾を介して付加された官能基も含み得る。翻訳後修飾の例は、アセチル化、アルキル化(メチル化を含む)、ビオチン化、グルタミル化、グリシル化、グリコシル化、イソプレニル化、リポイル化、ホスホパンテテイン化、ホスホリル化、セレン化、及びC末端アミド化を含むがこれに限定されない。ペプチドなる用語は、アミノ末端及び/またはカルボキシ末端の修飾を含むペプチドも含む。末端のアミノ基の修飾は、des−アミノ、N−低級アルキル、N−ジ−低級アルキル、及びN−アシル修飾を含むがこれに限定されない。末端のカルボキシ基の修飾は、アミド、低級アルキルアミド、ジアルキルアミド、及び低級アルキルエステル修飾(例えば、ここで低級アルキルは、C〜Cアルキル)を含むがこれに限定されない。ペプチドなる用語は、アミノ及びカルボキシ末端の間のアミノ酸の、例えば、上述のそれらに限定されない修飾も含む。一実施形態では、ペプチドは、小分子薬物の付加により修飾され得る。用語「低級アルキル」及び「低級アルコキシ」は、それぞれ、1〜6個の炭素原子を有するアルキルまたはアルコキシ基を指す。
用語「非水性」は、本明細書で使用する場合、例えば、典型的には、約10重量%以下、例えば、約7重量%以下、約5重量%以下、及び/または約4重量%以下の懸濁製剤の全体的な水分含量を指す。また、本発明の粒子製剤は、約10重量%未満、例えば、約5重量%未満の残留水分を含む。
用語「埋め込み型送達デバイス」は、本明細書で使用する場合、典型的には、薬物の投与に影響を与えるために、対象の皮膚の表面下に完全に埋め込まれる送達デバイスを指す。
代表的な埋め込み型送達デバイスは、Valera Pharmaceuticals.Inc.社製のHydron(登録商標)Implant Technology;iMEDD Inc.社製のNanoGATE(商標)埋め込み物;Debiotech S.A.社製のMIP埋め込み型ポンプまたはDebioStar(商標)薬物送達技術;Delpor Inc.社製のProzor(商標)、Nanopor(商標)またはDelos Pump(商標);またはIntarcia Therapeutics,Inc.社製の埋め込み型浸透圧式送達デバイス、例えば、ITCA−0650を含む。
用語「浸透圧式送達デバイス」及び「埋め込み型浸透圧式送達デバイス」は、本明細書で区別しないで用いられ、典型的には、対象への薬物(例えば、吐き気誘発性化合物)の送達に用いられるデバイスであって、例えば、薬物(例えば、吐き気誘発性化合物)を含む懸濁製剤、及び浸透圧薬剤製剤を含む内腔を有する容器(例えば、チタン合金から作られる)を含むデバイスを指す。内腔中に置かれるピストンアセンブリは、浸透圧薬剤製剤から懸濁製剤を区分けする。半透膜は、浸透圧薬剤製剤に隣接する容器の第1の遠位末端に置かれ、拡散調節器(それは、懸濁製剤がそれを通してデバイスを出る送達オリフィスを定義する)は、懸濁製剤に隣接した容器の第2の遠位末端に置かれる。典型的には、浸透圧式送達デバイスは、対象に、例えば、皮下(subdermalまたはsubcutaneous)に(例えば、上腕の内側、外側、または後側に;または腹部に)、埋め込まれる。例示の浸透圧式送達デバイスは、DUROS(登録商標)(ALZA Corporation,Mountain View,Calif.)送達デバイスである。「浸透圧式送達デバイス」と同義の用語の例は、「浸透圧式薬物送達デバイス」、「浸透圧式薬物送達システム」、「浸透圧式デバイス」、「浸透圧式送達デバイス」、「浸透圧式送達システム」、「浸透圧式ポンプ」、「埋め込み型薬物送達デバイス」、「薬物送達システム」、「薬物送達デバイス」、「埋め込み型浸透圧式ポンプ」、「埋め込み型薬物送達システム」、及び「埋め込み型送達システム」を含むがこれに限定されない。「浸透圧式送達デバイス」の他の用語は、当該技術分野で公知である。
用語「連続送達」は、本明細書で使用する場合、典型的には、浸透圧式送達デバイスから、埋め込み部位近くの組織、例えば、皮下(subdermal及びsubcutaneous)組織への薬物の実質的な連続的放出を指す。例えば、浸透圧式送達デバイスは、浸透圧の原理に基づいて、所定の速度で原則的に薬物を放出する。細胞外液は、浸透圧式送達デバイスに入り、半透膜を通して、ゆっくりとした一定の循環速度でピストンを動かすまでに拡大する浸透圧エンジンに直接入る。ピストンの動作は、拡散調節器のオリフィスを通して薬物製剤を放出させる。従って、浸透圧式送達デバイスからの薬物の放出は、緩徐であり、制御された、一定の速度である。
典型的には、浸透圧式送達システムについて、薬物製剤を含むチャンバーの容量は、約100μl〜約1000μl、より好ましくは、約140μl〜約200μlである。一実施形態では、薬物製剤を含むチャンバーの容量は、約150μlである。
用語「実質的な定常状態送達」、「平均定常状態濃度」及び「Css」は、本明細書で区別しないで用いられ、典型的には、所定の期間にわたって、標的治療濃度でまたは近い標的治療濃度での薬物の送達、ここで、浸透圧式デバイスから送達される薬物の量は、実質的にゼロ次送達である、を指す。活性薬剤(例えば、吐き気誘発性化合物)の実質的なゼロ次送達は、送達される薬物の速度が一定であり、送達システムに利用可能な薬物に依存しないことを意味し;例えば、ゼロ次送達について、送達される薬物の速度が、時間に対してグラフに描かれ、線がデータに合わされた場合、線は、標準的な方法(例えば、直線回帰)により決定されるように、およそゼロの傾きを有する。
用語「非埋め込み型送達デバイス」は、本明細書で使用する場合、典型的には、薬物の投与に影響を与えるために、対象の皮膚の表面下に埋め込まれない、ある特定の成分を有する、送達デバイス、例えば、「非埋め込み型小型パッチポンプ」を指す。
代表的な非埋め込み型送達デバイス(例えば、パッチポンプ)は、Insulet Corp.社製のOmnipod(登録商標);Medingo社製のSolo(商標);Calibra Medical Inc.社製のFinesse(商標);Cellnovo Ltd.社製のCellnovoポンプ;CeQur Ltd.社製のCeQur(商標)デバイス;MedSolve Technologies,Inc.社製のFreehand(商標);Medipacs,Inc.社製のMedipacsポンプ;Medtronic,Inc.社製のMedtronicポンプ及びMiniMed Paradigm;Debiotech S.A.及びSTMicroelectronics社製のNanoポンプ(商標);NiliMEDIX Ltd.社製のNiliPatchポンプ;Altea Therapeutics Corp.社製のPassPort(登録商標);SteadyMed Ltd.社製のSteadyMedパッチポンプ;Valeritas,Inc.社製のV−Go(商標);LifeScan社製のFinesse;Debiotech S.A.社製のJewelPUMP(商標);West Pharmaceutical Services,Inc.社製のSmartDose Electronic Patch Injector;Sensile Medical A.G.社製のSenseFlex FD(使い捨て式)またはSD(半使い捨て式);Bigfoot Biomedical社製のAsante Snap;PicoSulin社製のPicoSulinデバイス;及びAnimas Corp社製のAnimas(登録商標)OneTouch Ping Pumpを含む。
いくつかの実施形態では、非埋め込み型小型パッチポンプは、例えば、皮膚の表面上に置かれるJewelPUMP(商標)(Debiotech S.A.)である。JewelPUMP(商標)デバイスの投与は、調整可能かつプログラム可能である。このように、短時間作用型吐き気誘発性化合物の血漿中の平均定常状態濃度(Css)は、数日、数週間、または数ヵ月にわたって、対象中の用量増加の緩やかな上昇勾配を介して、徐々に達成することができる。あるいは、長時間作用型吐き気誘発性化合物の血漿中の平均定常状態濃度(Css)は、数日、数週間、または数ヵ月にわたって、対象中の用量増加の緩やかな上昇勾配を介して、及び/または固定用量の連続投与を介して、徐々に達成することができる。JewelPUMP(商標)は、化合物の超高精度投与のペイロードを有する使い捨てユニットを備える、微小電気機械システム(MEMS)に基づく小型パッチポンプである。使い捨てユニットは、化合物で一度充填され、使用後に破棄される一方、制御ユニット(電子機器を含む)は、複数の使い捨てユニットを備え、2年間使用することができる。いくつかの実施形態では、JewelPUMP(商標)は、取り外し式の、入浴及び水泳のために防水であり、パッチポンプ上に直接アクセスボーラスボタン及び控えめな振動及び音響アラームを含む。いくつかの実施形態では、JewelPUMP(商標)は、遠隔制御される。いくつかの実施形態では、送達デバイスは、例えば、患者が携帯するかまたは皮膚の表面上に置かれる、MEMSを含む非埋め込み型送達デバイスである。いくつかの実施形態では、送達デバイスは、MEMSを含む埋め込み型送達デバイスである。
語句「薬物半減期」または「t1/2」は、本明細書で使用する場合、薬物がその濃度の2分の1まで血漿から取り除かれるのにかかる時間を指す。薬物の半減期は、通常、注射または静脈を介して投与された場合、薬物分解の仕方を観察することにより測定される。薬物は、通常、例えば、ラジオイムノアッセイ(RIA)、クロマトグラフィー法、電気化学発光(ECL)アッセイ、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、または免疫酵素サンドイッチアッセイ(IEMA)を用いて検出される。いくつかの実施形態では、「薬物半減期」または「t1/2」は、薬物がその濃度の2分の1血漿から取り除かれるのにかかる時間を指す。
用語「血清」とは、物質を検出することができる任意の血液製剤を意味することを意図する。従って、用語「血清」は、少なくとも全血、血清、及び血漿を含む。
本明細書で使用する場合、用語「吐き気誘発性化合物」とは、吐き気誘発性化合物による障害または疾患の治療に関する少なくとも1つの臨床試験(例えば、第2の臨床試験と一般的に称される)中に、患者集団において5%以上の吐き気及び/または嘔吐の発生率に関連する任意の化合物を意味することを意図する。特に、2型糖尿病の治療のための吐き気誘発性化合物、例えば、吐き気誘発性ペプチドのある特定のクラスは、以下により詳細に記載される。これら及び他の構造的に異なる吐き気誘発性化合物は、少なくとも1つの臨床試験中に、患者集団において5%以上の吐き気の発生率に一般的に寄与する。いくつかの実施形態では、吐き気誘発性化合物は、吐き気誘発性化合物による障害または疾患の治療に関する少なくとも1つの臨床試験(例えば、第2の臨床試験)中に、患者集団における少なくとも6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、または10〜20%、20〜30%、30〜40%、40〜50%、50〜75%、75〜100%の吐き気及び/または嘔吐の高い発生率に関連する。これに対し、そのような確立された吐き気誘発性化合物は、本開示の方法に従って投与する場合、第2の臨床試験における上述の吐き気及び/または嘔吐の発生率と比べて、例えば、治療または関連する臨床試験(例えば、第1の臨床試験と一般的に称される)中に、吐き気及び/または嘔吐の発生率の低下に関連する。
ある特定の実施形態は、吐き気誘発性化合物の吐き気の発生率に関する。他の実施形態は、吐き気誘発性化合物の嘔吐の発生率に関する。いくつかの実施形態は、吐き気誘発性化合物の吐き気または嘔吐の発生率に関する。いくつかの実施形態は、吐き気誘発性化合物の吐き気及び嘔吐の発生率に関する。
用語「吐き気の発生率」、「嘔吐の発生率」及び「吐き気及び/または嘔吐の発生率」とは、本明細書で使用する場合、吐き気誘発性化合物の皮下投与後の一定期間中に、吐き気及び/または嘔吐を少なくとも1回経験した患者集団における対象または患者の割合を指し得る。例えば、52週間持続する臨床試験中に100人の患者の患者集団における10%の吐き気の発生率は、10人の患者が、52週の期間中に少なくとも1回吐き気を経験したことを意味する。いくつかの実施形態では、吐き気及び/または嘔吐の発生率は、吐き気誘発性化合物の送達デバイスを介した経口、注射、または連続的に皮下投与した後に、臨床試験の期間を通じて吐き気及び/または嘔吐を1回以上経験した患者集団における患者の割合から決定される。吐き気誘発性化合物の、送達デバイスを介した投与または経口もしくは注射投与からの吐き気及び/または嘔吐の発生率は、例えば、市販の吐き気誘発性化合物の製品挿入物で提供される公開臨床研究及び/または情報から確立することができる。
用語「吐き気の有病率」、「嘔吐の有病率」及び「吐き気及び/または嘔吐の有病率」とは、本明細書で使用する場合、吐き気誘発性化合物の皮下投与後の特定の時点で吐き気及び/または嘔吐を経験した患者集団における対象または患者の割合を指し得る。一般的に、臨床試験の期間にわたる吐き気及び/または嘔吐の発生率は、臨床試験中の任意の特定の時点での吐き気及び/または嘔吐の有病率よりも高い割合の患者を伴う。いくつかの実施形態では、吐き気及び/または嘔吐の有病率は、皮下投与後の1つ以上の特定の時点で決定される。いくつかの実施形態では、吐き気及び/または嘔吐の有病率は、皮下投与後の一定期間(例えば、1週、1ヵ月、3ヵ月、6ヵ月、または1年)の後に決定される。吐き気誘発性化合物の、送達デバイスを介した投与または経口もしくは注射投与からの吐き気及び/または嘔吐の有病率は、例えば、市販の吐き気誘発性化合物の製品挿入物で提供される公開臨床研究及び/または情報から確立することができる。
臨床試験中の吐き気及び/または嘔吐などの有害事象の発生率及び有病率は、吐き気誘発性化合物を投与されている患者集団について一般的に報告され、これらの結果は、吐き気誘発性化合物を投与されていないプラセボ群のものに対して比較される。いくつかの好ましい実施形態では、吐き気及び/または嘔吐の発生率または有病率は、本明細書で使用する場合、プラセボ群における吐き気及び/または嘔吐の発生率または有病率とは無関係に、患者集団の報告された割合である。そのような実施形態では、プラセボ群における吐き気及び/または嘔吐の発生率または有病率は、吐き気誘発性化合物を投与された患者集団における報告された吐き気及び/または嘔吐の発生率または有病率から差し引かれない。他の実施形態では、吐き気及び/または嘔吐の発生率または有病率は、吐き気誘発性化合物を投与された患者集団の報告された割合−プラセボ群における吐き気及び/または嘔吐の発生率または有病率である。
本明細書で使用する場合、「短時間作用型GLP−1受容体アゴニストペプチド」などの「短時間作用型吐き気誘発性ペプチド」は、皮下投与後の約5時間未満のヒト中の消失半減期(t1/2)を有する吐き気誘発性ペプチドである。
本明細書で使用する場合、「長時間作用型GLP−1受容体アゴニストペプチド」などの「長時間作用型吐き気誘発性ペプチド」は、皮下投与後の少なくとも約5時間のヒト中の消失半減期(t1/2)を有する吐き気誘発性ペプチドである。いくつかの実施形態では、吐き気誘発性ペプチドは、皮下投与後の少なくとも約8時間、10時間、12時間、16時間、24時間またはそれ以上で、ヒト中の消失半減期(t1/2)を有する。
例示の実施形態の説明
出願人は、(i)吐き気誘発性化合物が平均定常状態濃度(Css)に到達し、維持する際に、ゆっくりかつ着実な上昇勾配を介して、吐き気誘発性化合物の穏やかな吸収をもたらし;(ii)排出相を実質的に含まないため、血漿濃度中で実質的なピーク及びトラフを被ることなく、血漿中の平均Cssを数週間、数ヵ月間、一年間またはそれ以上で維持し;及び(iii)(i)及び(ii)中に、d[吐き気誘発性化合物]/dtまたはd[薬物]/dtと本明細書で代わりに表現される、血漿濃度中の経時変化率、特に正の変化率を可能な限り最小にするように構成される薬物送達デバイスを介したある特定の吐き気誘発性化合物の投与の利点を発見した。血漿濃度中の経時の正の変化率は、突然のスパイクの発生(すなわち、増加率)によって、または定期的な経口または注射投与に一般的に起因する血漿濃度中のピークトラフ変動中に最大化する。これに対し、治療中の血漿濃度中の正の変化率は、例えば、本明細書に記載される投与方法に従って、ピークトラフ変動の不在下における吐き気誘発性化合物の血漿濃度のゆっくりかつ着実な上昇勾配中に最小化される。本明細書に記載される投与方法の利点は、特に、吐き気誘発性化合物の経口または注射投与と比べて、吐き気誘発性化合物の吐き気及び/または嘔吐の発生率の低下または排除を含む。
第1の態様では、対象を、長時間作用型吐き気誘発性ペプチドを含む埋め込み型浸透圧式薬物送達デバイスと接触させることを含む、2型糖尿病の対象の治療方法を提供する。そのような方法は、理論に束縛されるものではないが、(i)吐き気誘発性化合物が平均定常状態濃度(Css)に到達し、維持する際に、ゆっくりかつ着実な上昇勾配を介して、吐き気誘発性化合物の穏やかな吸収をもたらし;(ii)血漿中の平均Cssを数週間、数ヵ月間、一年間またはそれ以上で維持し;及び(iii)(i)及び(ii)中に、血漿濃度中の経時変化率を可能な限り最小にするように、埋め込み型浸透圧式薬物送達デバイス及び長時間作用型吐き気誘発性ペプチドを構成する。
また、第2の態様では、対象と接触させた際に、1用量の吐き気誘発性化合物の対象への投与をもたらすように構成され;投与の開始後の最初の24時間中に、吐き気誘発性化合物の平均定常状態濃度(Css)の90%未満またはそれ以下が、対象の血漿中で達成され;Cssが達成されると、吐き気誘発性化合物のCssを、対象の血漿中で少なくとも2週間維持する、薬物送達デバイス及び吐き気誘発性化合物を含む装置を提供する。
さらに、第3の態様では、対象を治療する関連方法であって、対象を、第1の用量の吐き気誘発性化合物を含む薬物送達デバイスと接触させることを含み、薬物送達デバイスが、吐き気誘発性化合物を対象に投与し、接触させることが、吐き気誘発性化合物を含む薬物送達デバイスを第1の臨床試験中のヒト患者集団に投与した後に生じ;第1の用量の吐き気誘発性化合物を含む薬物送達デバイスを投与したヒト患者集団の10%未満が、第1の臨床試験中に吐き気及び/または嘔吐を有すると報告された、関連方法を提供する。
また、第3の態様では、対象を、第1の用量の吐き気誘発性化合物を含む薬物送達デバイスと接触させることを含む、対象の治療方法において使用される、吐き気誘発性化合物であって、薬物送達デバイスが、吐き気誘発性化合物を対象に投与し、接触させることが、吐き気誘発性化合物を含む薬物送達デバイスを第1の臨床試験中のヒト患者集団に投与した後に生じ;第1の用量の吐き気誘発性化合物を含む薬物送達デバイスを投与したヒト患者集団の10%未満が、第1の臨床試験中に吐き気及び/または嘔吐を有すると報告された、吐き気誘発性化合物を提供する。
本明細書に記載されるように、吐き気誘発性化合物は、吐き気誘発性化合物による障害または疾患の治療に関する少なくとも1つの臨床試験(例えば、第2の臨床試験と一般的に称される)中に、患者集団における吐き気及び/または嘔吐の高発生率(例えば、少なくとも5%であるが、時々、約10%〜15%または15%〜20%、または20%以上)と関連している。第3の態様による方法は、例えば、第1の用量の吐き気誘発性化合物を含む薬物送達デバイスの投与に関する少なくとも1つの臨床試験(例えば、第1の臨床試験と一般的に称される)中から明らかなように、患者集団における吐き気及び/または嘔吐の発生率(例えば、約10%以下)を低下させる。
いくつかの実施形態では、第1の臨床試験中に吐き気及び/または嘔吐を有すると報告されたヒト患者の割合は、注射形態の吐き気誘発性化合物に関する第2の臨床試験中に吐き気及び/または嘔吐を有すると報告された割合未満(例えば、10%〜25%未満、25%〜50%未満、50%〜75%未満、75%〜99%未満)である。
いくつかの実施形態では、第1の臨床試験中に吐き気及び/または嘔吐を有すると報告されたヒト患者の割合は、経口投与可能形態の吐き気誘発性化合物に関する第2の臨床試験中に吐き気及び/または嘔吐を有すると報告された割合未満(例えば、10%〜25%未満、25%〜50%未満、50%〜75%未満、75%〜99%未満)である。
いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、吐き気誘発性化合物を対象に送達する。他の実施形態では、薬物送達デバイスは、吐き気誘発性化合物を対象に提供する。
さらに、第4の態様では、対象を治療する関連方法であって、対象を、吐き気誘発性化合物を含む薬物送達デバイスと接触させることを含み、薬物送達デバイスが、吐き気誘発性化合物を対象に投与し、吐き気及び/または嘔吐の発生率が、連続用量の吐き気誘発性化合物を含む薬物送達デバイスの第1のヒト患者集団への投与に関する第1の臨床試験中10%以下であり;吐き気及び/または嘔吐の発生率が、注射または経口用量の吐き気誘発性化合物の第2のヒト患者集団への投与に関する第2の臨床試験中15%以上である、関連方法を提供する。
また、第4の態様では、対象を、吐き気誘発性化合物を含む薬物送達デバイスと接触させることを含む、対象の治療方法において使用される吐き気誘発性化合物であって、薬物送達デバイスが、吐き気誘発性化合物を対象に投与し、吐き気及び/または嘔吐の発生率が、連続用量の吐き気誘発性化合物を含む薬物送達デバイスの第1のヒト患者集団への投与に関する第1の臨床試験中10%以下であり;吐き気及び/または嘔吐の発生率が、注射または経口用量の吐き気誘発性化合物の第2のヒト患者集団への投与に関する第2の臨床試験中15%以上である、吐き気誘発性化合物を提供する。
説明したように、吐き気誘発性化合物は、吐き気誘発性化合物による障害または疾患の治療に関する少なくとも1つの臨床試験(例えば、第2の臨床試験と一般的に称される)中に、患者集団における吐き気及び/または嘔吐の高発生率(例えば、少なくとも5%であるが、時々、約10%〜15%または15%〜20%、または20%以上)と関連している。第4の態様による方法は、例えば、第1の用量の吐き気誘発性化合物を含む薬物送達デバイスの投与に関する少なくとも1つの臨床試験(例えば、第1の臨床試験と一般的に称される)中から明らかなように、患者集団における吐き気及び/または嘔吐の発生率を(例えば、約10%以下に)低下させる。
用語「第1の臨床試験」及び「第2の臨床試験」は、臨床試験を区別するために単に使用され、「第1の臨床試験」が、「第2の臨床試験」の前に実施されたことを暗示しない。一般的に、吐き気誘発性化合物の注射または経口投与に関する「第2の臨床試験」は、吐き気誘発性化合物を含む薬物送達デバイスによる投与に関する「第1の臨床試験」に先行する。同様に、「第1のヒト患者集団」及び「第2のヒト患者集団用語」は、ヒト患者集団を区別するために単に使用され、「第1のヒト患者集団」が、「第2のヒト患者集団」への投与前に、吐き気誘発性化合物によって処置または投与されたことを暗示しない。
用語「臨床試験」は、本明細書で使用する場合、10人〜10,000人の患者のヒト患者集団の任意の医学研究を指し、そのうちの少なくとも一部の人には、糖尿病、例えば、2型糖尿病、肥満、または本明細書に記載される「種々の状態」のいずれかなどの任意の疾患または障害の治療のために、吐き気誘発性化合物を(例えば、注射を介して経口的に、または送達デバイスを介して連続的に皮下投与して)投与されている。臨床試験は、一定期間、例えば、数週間から数ヵ月から数年にわたって吐き気誘発性化合物を投与する際のヒト患者集団における疾患または障害を治療するための安全性及び有効性を判断するために実施される。一般的に、臨床試験は、吐き気誘発性化合物を投与するヒト患者集団の少なくとも1つの「治療アーム」、及び吐き気誘発性化合物ではなくプラセボを投与する少なくとも1つの「プラセボアーム」を含む。
同じ吐き気誘発性化合物の、送達デバイスを介した連続投与、注射投与、及び経口投与は、投与する化合物の量が一般的に異なり、同じである必要はない。例えば、送達デバイスを介した連続投与は、例えば、吐き気誘発性化合物の10μg/日〜300μg/日であり得、注射投与は、例えば、吐き気誘発性化合物の5μg/注射〜300μg/注射であり得、及び経口投与は、例えば、吐き気誘発性化合物の10mg/錠剤〜3,000mg/錠剤であり得る。
いくつかの実施形態では、用量(例えば、送達デバイスを介した連続投与)は、10〜50μg/日、50〜100μg/日、100〜150μg/日、または150〜300μg/日である。いくつかの実施形態では、用量(例えば、注射投与)は、10〜50μg/注射、50〜100μg/注射、100〜150μg/注射、または150〜300μg/注射である。いくつかの実施形態では、用量(例えば、経口投与)は、10〜50mg/錠剤、50〜500mg/錠剤、500〜1,000mg/錠剤、1,000〜3,000mg/錠剤である。
全てのそのような用量及び他のものは、どんな組み合わせでも、送達デバイスを介して連続及び皮下に、経口に、または注射を介して投与される吐き気誘発性化合物の絶対量の潜在的な差に関わらず、本開示の方法に適用可能である。むしろ、本開示の方法は、投与した絶対または相対用量に関わらず、有効量の吐き気誘発性化合物の注射及び経口投与に伴う吐き気及び/または嘔吐の発生率と比べて、有効量の吐き気誘発性化合物を対象に皮下投与する薬物送達デバイスに伴う吐き気及び/または嘔吐の発生率の低下に関する。
いくつかの実施形態では、第2の臨床試験は、注射用量の吐き気誘発性化合物の第2のヒト患者集団への投与に関する。いくつかの実施形態では、第2の臨床試験は、経口用量の吐き気誘発性化合物の第2のヒト患者集団への投与に関する。いくつかの実施形態では、第1の臨床試験は、送達デバイスを介した吐き気誘発性化合物のヒト患者集団への連続投与に関する。
一般的に、正確な割合に関わらず、吐き気及び/または嘔吐の発生率は、(例えば、第2の臨床試験からの報告された結果から明らかなように)既存の方法に従って注射または経口用量の吐き気誘発性化合物を投与した際吐き気及び/または嘔吐の発生率と比べて、(例えば、第1の臨床試験からの報告された結果から明らかなように)本開示の方法に従って連続用量の吐き気誘発性化合物を含む薬物送達デバイスを投与した際に低下する。
いくつかの実施形態では、吐き気及び/または嘔吐の発生率は、連続用量の吐き気誘発性化合物を含む薬物送達デバイスの第1のヒト患者集団への投与に関する第1の臨床試験中に、25%、24%、23%、22%、21%、20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%またはそれ以下である。
いくつかの実施形態では、吐き気及び/または嘔吐の発生率は、連続用量の吐き気誘発性化合物を含む薬物送達デバイスの第1のヒト患者集団への投与に関する第1の臨床試験中に、1%〜5%、5%〜10%、10%〜15%、15%〜20%、20%〜25%またはそれ以下である。
いくつかの実施形態では、吐き気及び/または嘔吐の発生率は、注射または経口用量の吐き気誘発性化合物の第2のヒト患者集団への投与に関する第2の臨床試験中に、99%、90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、29%、28%、27%、26%、24%、23%、22%、21%、20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%またはそれ以上である。
いくつかの実施形態では、吐き気及び/または嘔吐の発生率は、注射または経口用量の吐き気誘発性化合物の第2のヒト患者集団への投与に関する第2の臨床試験中に、99%〜75%、75%〜50%、50%〜25%、30〜20%、30〜15%、30〜10%、25〜5%またはそれ以上である。
さらに、第5の態様では、対象を治療する関連方法であって、対象を、吐き気誘発性化合物を含む薬物送達デバイスと接触させることを含み、薬物送達デバイスは、吐き気誘発性化合物を対象に投与し、連続用量の吐き気誘発性化合物を含む薬物送達デバイスの第1のヒト患者集団への投与に関する第1の臨床試験中の、第1のヒト患者集団の割合として報告された、吐き気及び/または嘔吐の発生は、注射または経口用量の吐き気誘発性化合物の第2のヒト患者集団への投与に関する第2の臨床試験中の、第2のヒト患者集団の割合として報告された、吐き気及び/または嘔吐の発生と比べて少なくとも20%低下する、関連方法を提供する。
また、第5の態様では、対象を、吐き気誘発性化合物を含む薬物送達デバイスと接触させることを含み、薬物送達デバイスは、吐き気誘発性化合物を対象に投与し、連続用量の吐き気誘発性化合物を含む薬物送達デバイスの第1のヒト患者集団への投与に関する第1の臨床試験中の、第1のヒト患者集団の割合として報告された、吐き気及び/または嘔吐の発生は、注射または経口用量の吐き気誘発性化合物の第2のヒト患者集団への投与に関する第2の臨床試験中の、第2のヒト患者集団の割合として報告された、吐き気及び/または嘔吐の発生と比べて少なくとも20%低下する、対象の治療方法で使用される、吐き気誘発性化合物を提供する。
第5の態様による方法は、第2の臨床試験中に報告された高発生率に対して、第1の臨床試験中に報告された低発生率を比較することによって、吐き気及び/または嘔吐の発生率が低下する割合に関する。
例えば、連続用量の吐き気誘発性化合物を含む薬物送達デバイスの第1のヒト患者集団への投与に関する第1の臨床試験中に、第1のヒト患者集団の割合として報告された、5%吐き気及び/または嘔吐の発生率は、注射または経口用量の吐き気誘発性化合物の第2のヒト患者集団への投与に関する第2の臨床試験中に、第2のヒト患者集団の割合として報告された、10%吐き気及び/または嘔吐の発生率と比べて50%低下する。
同様に、連続用量の吐き気誘発性化合物を含む薬物送達デバイスの第1のヒト患者集団への投与に関する第1の臨床試験中に、第1のヒト患者集団の割合として報告された、4%吐き気及び/または嘔吐の発生率は、注射または経口用量の吐き気誘発性化合物の第2のヒト患者集団への投与に関する第2の臨床試験中に、第2のヒト患者集団の割合として報告された、20%吐き気及び/または嘔吐の発生率と比べて80%低下する。
いくつかの実施形態では、連続用量の吐き気誘発性化合物を含む薬物送達デバイスの第1のヒト患者集団への投与に関する第1の臨床試験中吐き気及び/または嘔吐の発生率は、注射または経口用量の吐き気誘発性化合物の第2のヒト患者集団への投与に関する第2の臨床試験中吐き気及び/または嘔吐の発生率と比べて、20%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、70%〜80%、80%〜90%、90%〜100%、少なくとも25%、少なくとも50%、少なくとも75%低下する。
いくつかの好ましい実施形態では、吐き気及び/または嘔吐の発生率は、吐き気誘発性化合物を投与したヒト患者集団によって報告された発生率に関し、プラセボ群によって報告された吐き気及び/または嘔吐の発生率の要因ではない。いくつかの実施形態では、吐き気及び/または嘔吐の発生率は、吐き気誘発性化合物を投与したヒト患者集団によって報告された発生率−プラセボ群によって報告された吐き気及び/または嘔吐の発生率に関する。
ある特定の実施形態は、吐き気の発生率に関する。他の実施形態は、嘔吐の発生率に関する。いくつかの実施形態は、吐き気または嘔吐の発生率に関する。いくつかの実施形態は、吐き気及び嘔吐の発生率に関する。
ある特定の実施形態は、吐き気の有病率に関する。他の実施形態は、嘔吐の有病率に関する。いくつかの実施形態は、吐き気または嘔吐の有病率に関する。いくつかの実施形態は、吐き気及び嘔吐の有病率に関する。
いくつかの実施形態では、方法は、対象中の糖尿病の治療のために提供される。いくつかの実施形態では、方法は、対象中の2型糖尿病の治療のために提供される。
いくつかの実施形態では、吐き気誘発性化合物は、吐き気誘発性ペプチドである。いくつかの実施形態では、吐き気誘発性化合物は、長時間作用型吐き気誘発性ペプチドである。
いくつかの実施形態では、方法は、2型糖尿病の対象の治療のために提供され、対象を、長時間作用型吐き気誘発性ペプチドを含む埋め込み型浸透圧式薬物送達デバイスと接触させることを含む。いくつかの実施形態では、長時間作用型吐き気誘発性ペプチドは、GLP−1受容体アゴニスト、PYYアナログ、アミリンアゴニスト、CGRPアナログ、またはニューロテンシンアナログから選択される。いくつかの実施形態では、吐き気誘発性化合物は、GLP−1受容体アゴニストである。いくつかの実施形態では、長時間作用型GLP−1受容体アゴニストは、生体適合性ポリマー中に分散したエクセナチド(Bydureon(登録商標))、セマグルチド(Ozempic(登録商標))、リラグルチド(Victoza(登録商標))、アルビグルチド(Tanzeum(登録商標))、またはデュラグルチド(Trulicity(登録商標))である。いくつかの実施形態では、長時間作用型GLP−1受容体アゴニストは、セマグルチドである。いくつかの実施形態では、長時間作用型GLP−1受容体アゴニストは、リラグルチドである。いくつかの実施形態では、長時間作用型GLP−1受容体アゴニストは、アルビグルチドである。いくつかの実施形態では、長時間作用型GLP−1受容体アゴニストは、デュラグルチドである。いくつかの実施形態では、長時間作用型GLP−1受容体アゴニストは、生体適合性ポリマー中に分散したエクセナチドである。
さらに、第6の態様では、対象を治療する関連方法であって、対象を、1用量の吐き気誘発性化合物を含む薬物送達デバイスと接触させることを含み、薬物送達デバイスが、吐き気誘発性化合物を対象に投与し、投与の開始後の最初の24時間中に、吐き気誘発性化合物の平均定常状態濃度(Css)の90%未満またはそれ以下が、対象の血漿中で達成され;Cssが達成されると、吐き気誘発性化合物のCssを、対象の血漿中で少なくとも2週間維持する、関連方法を提供する。
また、対象を、第1の用量の吐き気誘発性化合物を含む薬物送達デバイスと接触させることを含む、対象の治療方法において使用される吐き気誘発性化合物であって、薬物送達デバイスが、吐き気誘発性化合物を対象に投与し、投与の開始後の最初の24時間中に、吐き気誘発性化合物の平均定常状態濃度(Css)の90%未満またはそれ以下が、対象の血漿中で達成され;Cssが達成されると、吐き気誘発性化合物のCssを、対象の血漿中で少なくとも2週間維持する、吐き気誘発性化合物を提供する。
本明細書に記載される実施形態の各々は、前段落からの第1、第2、及び/または第3の態様を含む、本発明のいずれか及び全ての態様に関する。
いくつかの実施形態では、吐き気及び/または嘔吐の発生率(例えば、一定期間中または臨床試験中の平均発生率)は、吐き気誘発性化合物の経口または注射投与からの吐き気及び/または嘔吐の発生率と比べて、本発明の方法によって、すなわち、薬物送達デバイスを介した投与によって、同じ吐き気誘発性化合物による治療中に対象または患者集団中で低下する。吐き気及び/または嘔吐の発生率の低下は、吐き気、嘔吐、または食事摂取量低下の前臨床試験、例えば、動物モデルにおける吐き気及び/または嘔吐の発生率の結果(例えば、ラットの食欲低下またはイヌの嘔吐の始まり)に対して確立され、比較され得る。さらに、吐き気誘発性化合物の経口または注射投与からの吐き気及び/または嘔吐の発生率は、例えば、市販の吐き気誘発性化合物の製品挿入物で提供される公開臨床研究及び/または情報から確立することができる。
いくつかの実施形態では、吐き気及び/または嘔吐の有病率(例えば、所与の時点での統計的有病率)は、吐き気誘発性化合物の経口または注射投与からの吐き気及び/または嘔吐の有病率と比べて、本発明の方法によって、すなわち、薬物送達デバイスを介した投与によって、同じ吐き気誘発性化合物による治療中に対象または患者集団中で低下する。吐き気及び/または嘔吐の有病率は、吐き気、嘔吐、または食事摂取量低下の前臨床試験、例えば、動物モデルの結果(例えば、ラットの食欲低下またはイヌの嘔吐の始まり)に対して確立され、比較され得る。さらに、吐き気誘発性化合物の経口または注射投与からの吐き気及び/または嘔吐の有病率は、例えば、市販の吐き気誘発性化合物の製品挿入物で提供される公開臨床研究及び/または情報から確立することができる。
いくつかの実施形態では、対象の治療方法は、対象を、第2の用量の吐き気誘発性化合物を含む追加の薬物送達デバイスと接触させることをさらに含み、第2の用量が、第1の用量よりも高い、用量漸増を含む。いくつかの実施形態では、対象の治療方法は、対象を、追加の第1の用量の吐き気誘発性化合物を含む薬物送達デバイスと接触させることを含む、用量漸増を含まない。
いくつかの実施形態では、臨床試験中に第1及び/または第2の用量で吐き気及び/または嘔吐を有すると報告されたヒト患者集団の割合は、吐き気誘発性化合物を含む市販の薬物送達デバイスの製品挿入物(すなわち、処方情報)で提供される公開臨床研究及び/または情報で開示される。いくつかの実施形態では、割合は、平均割合である。
いくつかの実施形態では、臨床試験中に第1及び/または第2の用量で吐き気及び/または嘔吐を有すると報告されたヒト患者集団の割合は、20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%または1%未満であった。いくつかの実施形態では、臨床試験中に第1及び/または第2の用量で吐き気及び/または嘔吐を有すると報告されたヒト患者集団の割合は、20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%または1%であった。いくつかの実施形態では、ヒト患者集団の15%未満が、臨床試験中に第1及び/または第2の用量で、吐き気及び/または嘔吐を有すると報告された。いくつかの実施形態では、ヒト患者集団の10%未満が、臨床試験中に第1及び/または第2の用量で、吐き気及び/または嘔吐を有すると報告された。いくつかの実施形態では、ヒト患者集団の5%未満が、臨床試験中に第1及び/または第2の用量で、吐き気及び/または嘔吐を有すると報告された。いくつかの実施形態では、ヒト患者集団の0.01%〜1%が、臨床試験中に第1及び/または第2の用量で、吐き気及び/または嘔吐を有すると報告された。いくつかの実施形態では、ヒト患者集団の0.01%〜2%が、臨床試験中に第1及び/または第2の用量で、吐き気及び/または嘔吐を有すると報告された。いくつかの実施形態では、臨床試験中に第1及び/または第2の用量で吐き気及び/または嘔吐を有すると報告されたヒト患者集団の割合は、0.01%〜5%、0.1%〜5%、1%〜5%、0.01%〜10%、0.1%〜10%、または1%〜10%の範囲である。
いくつかの実施形態では、第1及び/または第2の用量の吐き気誘発性化合物を含む薬物送達デバイスを投与する臨床試験におけるヒト患者集団の患者数は、20人〜1000人である。いくつかの実施形態では、患者数は、20人〜200人、201人〜500人、501人〜1000人、1001人〜2000人、2001人〜3000人、または3001人〜4000人である。
いくつかの実施形態では、ヒト患者集団の患者は、第1及び/または第2の用量の吐き気誘発性化合物を含む薬物送達デバイスにより、平均で、20〜200週間、20〜100週間、20〜50週間、51〜100週間、または101〜200週間治療した。
いくつかの実施形態では、臨床試験は、第1及び/または第2の用量の吐き気誘発性化合物を含む薬物送達デバイスを投与しないヒト患者のプラセボ群、及び第1及び/または第2の用量の吐き気誘発性化合物を含む薬物送達デバイスを投与するヒト患者の活性化合物群を含む。いくつかの実施形態では、両方の群は、第1及び/または第2の用量の吐き気誘発性化合物から臨床試験中に吐き気及び/または嘔吐を有すると報告し、吐き気及び/または嘔吐を有すると報告する活性化合物群におけるヒト患者の割合と、吐き気及び/または嘔吐を有すると報告するプラセボ群におけるヒト患者の割合との間の差は、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%または1%未満である。いくつかの実施形態では、第1及び/または第2の用量の吐き気誘発性化合物から吐き気及び/または嘔吐を有すると報告する活性化合物群におけるヒト患者の割合は、吐き気及び/または嘔吐を有すると報告するプラセボ群におけるヒト患者の割合よりも高い。いくつかの実施形態では、第1及び/または第2の用量の吐き気誘発性化合物から吐き気及び/または嘔吐を有すると報告する活性化合物群におけるヒト患者の割合は、吐き気及び/または嘔吐を有すると報告するプラセボ群におけるヒト患者の割合と実質的に同様である。
いくつかの実施形態では、本明細書で開示される薬物送達デバイスによって提供される第1及び/または第2の用量の吐き気誘発性化合物から吐き気及び/または嘔吐を有すると報告するヒト患者の割合は、注射形態の吐き気誘発性化合物の以前の臨床試験中に吐き気及び/または嘔吐を有すると報告された他のヒト患者の割合未満である。いくつかの実施形態では、本明細書で開示される薬物送達デバイスによって提供される第1及び/または第2の用量の吐き気誘発性化合物から吐き気及び/または嘔吐を有すると報告されたヒト患者の割合は、経口投与可能形態の吐き気誘発性化合物の以前の臨床試験中に吐き気及び/または嘔吐を有すると報告された他のヒト患者の割合未満であった。
ある特定の実施形態は、吐き気誘発性化合物から吐き気を有すると報告されたヒト患者に関する。他の実施形態は、吐き気誘発性化合物から嘔吐を有すると報告されたヒト患者に関する。他の実施形態は、吐き気誘発性化合物から吐き気または嘔吐を有すると報告されたヒト患者に関する。他の実施形態は、吐き気誘発性化合物から吐き気及び嘔吐を有すると報告されたヒト患者に関する。
ある特定の実施形態では、吐き気誘発性化合物は、セマグルチドである。ある特定の実施形態では、吐き気誘発性化合物は、リラグルチドである。ある特定の実施形態では、吐き気誘発性化合物は、デュラグルチドである。
ある特定の実施形態では、吐き気誘発性化合物は、セマグルチドであり、方法は、対象中の2型糖尿病の治療のために提供される。ある特定の実施形態では、吐き気誘発性化合物は、リラグルチドであり、方法は、対象中の2型糖尿病の治療のために提供される。ある特定の実施形態では、吐き気誘発性化合物は、デュラグルチドであり、方法は、対象中の2型糖尿病の治療のために提供される。
ある特定の実施形態では、対象中の2型糖尿病の治療方法であって、対象を、第1の用量のセマグルチドを含む薬物送達デバイスと接触させることを含み、薬物送達デバイスが、セマグルチドを対象に投与し、接触させることが、セマグルチドを含む薬物送達デバイスを臨床試験中のヒト患者集団に投与した後に生じ;第1の用量のセマグルチドを含む薬物送達デバイスを投与したヒト患者集団の15%未満が、臨床試験中に吐き気を有すると報告された、治療方法を提供する。いくつかの実施形態では、第1の用量のセマグルチドを含む薬物送達デバイスを投与したヒト患者集団の14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%または1%未満が、臨床試験中に吐き気を有すると報告された。
ある特定の実施形態では、対象中の2型糖尿病の治療方法であって、対象を、第1の用量のリラグルチドを含む薬物送達デバイスと接触させることを含み、薬物送達デバイスが、リラグルチドを対象に投与し、接触させることが、リラグルチドを含む薬物送達デバイスを臨床試験中のヒト患者集団に投与した後に生じ;第1の用量のリラグルチドを含む薬物送達デバイスを投与したヒト患者集団の15%未満が、臨床試験中に吐き気を有すると報告された、治療方法を提供する。いくつかの実施形態では、第1の用量のリラグルチドを含む薬物送達デバイスを投与したヒト患者集団の14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%または1%未満が、臨床試験中に吐き気を有すると報告された。
ある特定の実施形態では、対象中の2型糖尿病の治療方法であって、対象を、第1の用量のデュラグルチドを含む薬物送達デバイスと接触させることを含み、薬物送達デバイスが、デュラグルチドを対象に投与し、接触させることが、デュラグルチドを含む薬物送達デバイスを臨床試験中のヒト患者集団に投与した後に生じ;第1の用量のデュラグルチドを含む薬物送達デバイスを投与したヒト患者集団の15%未満が、臨床試験中に吐き気を有すると報告された、治療方法を提供する。いくつかの実施形態では、第1の用量のデュラグルチドを含む薬物送達デバイスを投与したヒト患者集団の14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%または1%未満が、臨床試験中に吐き気を有すると報告された。
ある特定の実施形態では、吐き気誘発性化合物は、アドレノメデュリン、アミリン、アンジオテンシンII、心房性ナトリウム利尿ペプチド、コレシストキニン、絨毛性ゴナドトロピン黄体形成ホルモン、コルチコトロフィン放出因子、エンドセリン、ガストリン、グレリン、グルカゴン、グルカゴン様ペプチド1(GLP−1)、インスリン、インスリン様成長因子、レプチン、Leu−エンケファリン、メラノコルチン、ニューロテンシン、オキシトシン、副甲状腺ホルモン(例えば、PTH、PTHrP)、脳下垂体アデニル酸シクラーゼ活性化ペプチド(PACAP)、プロラクチン、プロラクチン放出ペプチド、ソマトスタチン、タキキニン(例えば、P物質)、甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン、血管作動性腸管ペプチド(VIP)、バソプレシン、ニューロペプチドY(NPY)、膵臓ポリペプチド(PP)及びペプチドYY(PYY)、及びそれらのアゴニストまたはそれらの受容体のアゴニストからなる群から選択される吐き気誘発性ペプチドである。
いくつかの実施形態では、方法は、対象中の2型糖尿病の治療のために提供される。いくつかの実施形態では、方法は、対象中の血糖コントロールをもたらすために提供される。いくつかの実施形態では、方法は、対象中の「種々の状態」の治療(例えば、進行の防止、阻害、抑制、遅延を含む)のために提供され、「種々の状態」は、本明細書で使用する場合、以下:慢性疼痛、血友病及び他の血液障害、内分泌障害、代謝障害、非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、アルツハイマー病、心血管疾患(例えば、心不全、アテローム性動脈硬化症、及び急性冠症候群)、リウマチ性障害、糖尿病(1型、2型糖尿病、ヒト免疫不全ウイルス治療誘発、成人の潜在性自己免疫糖尿病、及びステロイド誘発を含む)、肥満、無自覚性低血糖、拘束性肺疾患、慢性閉塞性肺疾患、皮下脂肪萎縮、代謝症候群、白血病、肝炎、腎不全、感染症(例えば、細菌感染症、ウイルス感染症(例えば、ヒト免疫不全ウイルス、C型肝炎ウイルス、B型肝炎ウイルス、黄熱病ウイルス、ウエスト・ナイル・ウイルス、テング熱ウイルス、マールブルグ・ウイルス、及びエボラウイルスによる感染)、及び寄生虫感染症)、遺伝性疾患(例えば、セレブロシダーゼ欠損症、及びアデノシン・デアミナーゼ欠損症)、高血圧、敗血性ショック、自己免疫疾患(例えば、グレーブス病、全身性エリテマトーデス、多発性硬化症、及びリウマチ性関節炎)、ショック症及び消耗病、嚢胞性繊維症、乳糖不耐症、クローン病、炎症性腸疾患、消化管癌(結腸癌及び直腸癌を含む)、乳癌、白血病、肺癌、膀胱癌、腎臓癌、非ホジキンリンパ腫、膵臓癌、甲状腺癌、子宮内膜癌、及び他の癌)含むがこれに限定されない。さらに、いくつかの上述の薬剤は、結核、マラリア、リーシュマニア症、トリパノソーマ症(睡眠病、及びシャーガス病)、及び寄生虫を含むがこれに限定されない慢性治療を必要とする感染症の治療に有用である。
いくつかの実施形態では、対象の治療方法は、臨床試験中にヒト患者集団の治療方法に対応する。いくつかの実施形態では、臨床試験の方法及びヒト患者集団の対象は、同じ状態を治療される。
いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスが、吐き気誘発性化合物を対象に投与し、投与の開始後の最初の24時間中に、吐き気誘発性化合物の平均定常状態濃度(Css)の90%未満またはそれ以下が、対象の血漿中で達成され;Cssが達成されると、吐き気誘発性化合物のCssを、対象の血漿中で少なくとも2週間維持する。
いくつかの実施形態では、本発明の方法によって患者を吐き気誘発性化合物で治療中に、吐き気及び/または嘔吐の発生率は、同じ吐き気誘発性化合物の経口または注射投与からの吐き気の発生率と比べて、75%、50%、25%、20%、10%、5%、2%または1%未満である。いくつかの実施形態では、本発明の方法によって患者を吐き気誘発性化合物で治療中に、吐き気及び/または嘔吐の発生率は、実質的に排除される。
本投与方法によれば、吐き気誘発性化合物のCssは、血漿中で徐々に達成される。例えば、いくつかの実施形態では、吐き気誘発性化合物の血漿中の平均定常状態濃度(Css)の90%が、投与後の1週間〜8週間まで対象中で到達されない。いくつかの実施形態では、吐き気誘発性化合物の血漿中の平均定常状態濃度(Css)の90%が、投与後の1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、またはこれらの期間の任意の2つの間まで対象中で到達されない。
いくつかの実施形態では、吐き気誘発性化合物の平均定常状態濃度(Css)の90%未満またはそれ以下が、投与後の最初の36時間、48時間、60時間、72時間、4日間、5日間、6日間、7日間、8日間、9日間、10日間、11日間、12日間、13日間、14日間、15日間、16日間、17日間、18日間、19日間、20日間、21日間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、またはこれらの期間の任意の2つの間中に、対象の血漿中で達成される。
いくつかの実施形態では、投与の開始後の吐き気誘発性化合物の血漿中の初期濃度(C)は、徐々に達成されたその後のCss未満である。いくつかの実施形態では、吐き気誘発性化合物の最大定常状態濃度Cmaxは、吐き気誘発性化合物の平均定常状態濃度(Css)を実質的に超えない。
いくつかの実施形態では、投与の開始後の最初の12時間中の吐き気誘発性化合物の血漿中の初期濃度(C)は、対象中で達成されるであろう吐き気誘発性化合物の血漿中の平均定常状態濃度(Css)の50%、25%、または10%以下である。いくつかの実施形態では、投与の開始後の最初の24時間中の吐き気誘発性化合物の血漿中の初期濃度(C)は、対象中で達成されるであろう吐き気誘発性化合物の血漿中の平均定常状態濃度(Css)の50%、25%、または10%以下である。いくつかの実施形態では、投与の開始後の最初の2日、3日、4日、5日、6日または7日間中の吐き気誘発性化合物の血漿中の初期濃度(C)は、対象中で達成されるであろう吐き気誘発性化合物の血漿中の平均定常状態濃度(Css)の50%、25%、または10%以下である。
理論に束縛されるものではないが、吐き気誘発性化合物の血漿濃度中のピークトラフ変動、特に短期間にわたる濃度の大きな変化率、大きなd[吐き気誘発性化合物]/dtは、吐き気及び嘔吐の発生率及び/または有病率を悪化させることが分かっている。いくつかの実施形態では、吐き気誘発性化合物のCssは、吐き気誘発性化合物の血漿濃度中の実質的なピークトラフ変動を被ることがない対象の血漿中で達成される。本明細書で言及されるように、「実質的なピークトラフ変動」は、吐き気誘発性化合物のCssと比べて、少なくとも1%、2%、3%、4%、5%、10%、20%または30%の変動を含む。
いくつかの実施形態では、Cssは、一度達成されると、少なくとも2週間、患者の血漿中で着実に維持される。いくつかの実施形態では、Cssは、一度達成されると、2〜6週間、6〜10週間、10〜14週間、または14〜18週間、患者の血漿中で着実に維持される。いくつかの追加の実施形態では、Cssは、一度達成されると、数週間、数ヵ月間、一年間またはそれ以上、患者の血漿中で着実に維持される。いくつかの実施形態では、Cssは、一度達成されると、1ヵ月、2ヵ月、3ヵ月、4ヵ月、5ヵ月、6ヵ月、9ヵ月、1年、18ヵ月、2年、または3年間、着実に維持される。いくつかの実施形態では、Cssは、平均Cssが、所与の期間中に上昇しないかまたは30%、20%、10%、5%、2%または1%以内に入る場合には維持した。
吐き気及び嘔吐は、吐き気誘発性化合物の血漿濃度中の変化率、特に、正の変化率が治療中に最小化される場合に抑えることができることが発見された。例えば、吐き気及び/または嘔吐は、d[吐き気誘発性化合物]/dtと本明細書に記載される、血漿濃度中の変化率が、吐き気誘発性化合物の平均定常状態濃度(Css)と比べて、1時間当たり約+5%、+4%、+3%、または+2%未満に保持される場合に抑えることができる。言い換えれば、平均Cssは、1時間当たり約+5%、+4%、+3%、または+2%未満の血漿濃度中の変化率に基づいて、徐々に達成される。これは、濃度の経時的な実質的変動/変化をすることなく、吐き気誘発性化合物の濃度が平均Cssにゆっくりかつ着実に上昇勾配することを意味する。
いくつかの実施形態では、d[吐き気誘発性化合物]/dtは、吐き気誘発性化合物の平均Css/時間+1%未満である。いくつかの実施形態では、d[吐き気誘発性化合物]/dtは、吐き気誘発性化合物の平均定常状態濃度(Css)/時間の+0.5%未満である。いくつかの実施形態では、d[吐き気誘発性化合物]/dtは、吐き気誘発性化合物の平均定常状態濃度(Css)/時間の+0.25%未満である。
いくつかの実施形態では、(i)d[吐き気誘発性化合物]/dtは、吐き気誘発性化合物の平均Css/時間の+5%、+4%、+3%、+2%、+1%、+0.5%または+0.25%未満であり、及び(ii)吐き気誘発性化合物の平均定常状態濃度(Css)の90%未満またはそれ以下は、投与後の最初の36時間、48時間、60時間、72時間、4日間、5日間、6日間、7日間、8日間、9日間、10日間、11日間、12日間、13日間、14日間、15日間、16日間、17日間、18日間、19日間、20日間、21日間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、またはこれらの期間の任意の2つの間中に、対象の血漿中で達成される。
いくつかの実施形態では、d[吐き気誘発性化合物]/dtは、吐き気誘発性化合物の平均定常状態濃度(Css)/時間の+4%未満であり;吐き気誘発性化合物の平均定常状態濃度(Css)の90%未満またはそれ以下は、投与後の最初の7日間中に、対象の血漿中で達成される。
いくつかの実施形態では、(i)d[吐き気誘発性化合物]/dtは、吐き気誘発性化合物の平均Css/時間の+1%未満であり、及び(ii)吐き気誘発性化合物の平均定常状態濃度(Css)の90%未満またはそれ以下は、投与後の最初の36時間、48時間、60時間、72時間、4日間、5日間、6日間、7日間、8日間、9日間、10日間、11日間、12日間、13日間、14日間、15日間、16日間、17日間、18日間、19日間、20日間、21日間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、またはこれらの期間の任意の2つの間中に、対象の血漿中で達成される。いくつかの実施形態では、(i)d[吐き気誘発性化合物]/dtは、吐き気誘発性化合物の平均Css/時間の+1%未満であり、及び(ii)吐き気誘発性化合物の平均定常状態濃度(Css)の90%未満またはそれ以下は、投与後の最初の14日間中に、対象の血漿中で達成される。いくつかの実施形態では、(i)d[吐き気誘発性化合物]/dtは、吐き気誘発性化合物の平均Css/時間の+1%未満であり、及び(ii)吐き気誘発性化合物の平均定常状態濃度(Css)の90%未満またはそれ以下は、投与後の最初の6週間中に、対象の血漿中で達成される。いくつかの実施形態では、(i)d[吐き気誘発性化合物]/dtは、吐き気誘発性化合物の平均Css/時間の+1%未満であり、及び(ii)吐き気誘発性化合物の平均定常状態濃度(Css)の90%未満またはそれ以下は、投与後の最初の8週間中に、対象の血漿中で達成される。
いくつかの実施形態では、(i)d[吐き気誘発性化合物]/dtは、吐き気誘発性化合物の平均Css/時間の+0.5%未満であり、及び(ii)吐き気誘発性化合物の平均定常状態濃度(Css)の90%未満またはそれ以下は、投与後の最初の36時間、48時間、60時間、72時間、4日間、5日間、6日間、7日間、8日間、9日間、10日間、11日間、12日間、13日間、14日間、15日間、16日間、17日間、18日間、19日間、20日間、21日間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、またはこれらの期間の任意の2つの間中に、対象の血漿中で達成される。いくつかの実施形態では、(i)d[吐き気誘発性化合物]/dtは、吐き気誘発性化合物の平均Css/時間の+0.5%未満であり、及び(ii)吐き気誘発性化合物の平均定常状態濃度(Css)の90%未満またはそれ以下は、投与後の最初の14日間中に、対象の血漿中で達成される。いくつかの実施形態では、(i)d[吐き気誘発性化合物]/dtは、吐き気誘発性化合物の平均Css/時間の+0.5%未満であり、及び(ii)吐き気誘発性化合物の平均定常状態濃度(Css)の90%未満またはそれ以下は、投与後の最初の6週間中に、対象の血漿中で達成される。いくつかの実施形態では、(i)d[吐き気誘発性化合物]/dtは、吐き気誘発性化合物の平均Css/時間の+0.5%未満であり、及び(ii)吐き気誘発性化合物の平均定常状態濃度(Css)の90%未満またはそれ以下は、投与後の最初の8週間中に、対象の血漿中で達成される。
ヒト中の消失半減期(t1/2)が延長した吐き気誘発性化合物は、薬物送達デバイスを介した本発明の投与方法に特に適切であることが発見された。いくつかの実施形態では、吐き気誘発性化合物は、長時間作用型吐き気誘発性ペプチドである。いくつかの実施形態では、吐き気誘発性化合物は、少なくとも約1日、2日または5日のヒト中のt1/2を有する。いくつかの実施形態では、吐き気誘発性化合物は、約1日〜14日のヒト中のt1/2を有する。いくつかの実施形態では、吐き気誘発性化合物は、約6日〜14日のヒト中のt1/2を有する。いくつかの実施形態では、吐き気誘発性化合物は、約7日〜9日のヒト中のt1/2を有する。
一般的に言えば、かつ理論に束縛されるものではないが、ヒト中の消失半減期が延長された化合物は、1日1回または1日2回の頻繁投与と比べて、比較的低頻度(例えば、週1回)投与に適している。それにもかかわらず、吐き気誘発性化合物の比較的低頻度(例えば、週1回)投与は、1日1回投与より便利であるが、投与の頻度とは無関係に、吐き気誘発性化合物を投与した際に患者に持続する有害事象の発生率に一般的に対処しない。これに対し、本明細書で開示される方法は、そのような有害事象を軽減し、そうでなければ吐き気誘発性化合物の投与に伴い得る、患者の吐き気の発生率を低下させる。
吐き気及び/または嘔吐の発生率及び/または有病率の低下は、本発明の方法に従って薬物送達デバイスを介して投与した場合、ヒト血清アルブミン(HSA、あるいは、アルブミンと本明細書で称される)に対して親和性を有する長時間作用型吐き気誘発性ペプチドに対して最も重要であることが分かった。
いくつかの実施形態では、長時間作用型吐き気誘発性ペプチド、例えば、アシル化の長時間作用型ペプチドまたはアシル化の長時間作用型GLP−1アナログは、アルブミンとその意図した受容体、例えば、GLP−1受容体に同時に結合することができる。いくつかの実施形態では、長時間作用型吐き気誘発性ペプチドは、2%のアルブミンの存在下で100nMを下回る、好ましくは30nMを下回る親和性を有するGLP−1受容体に結合する、アシル化の長時間作用型GLP−1受容体アゴニストである。
いくつかの実施形態では、長時間作用型吐き気誘発性ペプチドは、ヒト血清アルブミン(HSA)に結合し、かつ、0.1%のHSAでのGLP−1受容体の活性化のその効力に対して、4%のHSAでのGLP−1受容体の活性化のアルブミン媒介効力低下(例えば、10〜200倍、10〜100倍、10〜50倍、10〜30倍、または10〜25倍)を示す、アシル化の長時間作用型ペプチドまたはアシル化の長時間作用型GLP−1受容体アゴニストである。例えば、セマグルチドは、0.1%のHSAでのGLP−1受容体の活性化のその効力に対して、4%のHSAでのGLP−1受容体の活性化の効力の19.9×アルブミン媒介低下を示す。いくつかの実施形態では、吐き気誘発性化合物は、その意図した受容体に対する結合親和性が、非常に低濃度の0.1%のヒト血清アルブミンの存在下での結合親和性と比較した場合に、4%のヒト血清アルブミンの存在下で20〜50倍低下している、長時間作用型吐き気誘発性ペプチドである。
いくつかの実施形態では、長時間作用型吐き気誘発性ペプチドは、HSAに結合し、かつ、低(0.1%)HSA濃度で観察された効力に対して、生理的濃度(2〜4%)HSAの存在下で、その意図した受容体、例えば、GLP−1受容体の活性化の効力の低下を示す、アシル化の長時間作用型ペプチドまたはアシル化の長時間作用型GLP−1受容体アゴニストである。これに対し、GLP−1[7−36]NHは、低(0.1%)HSA濃度で観察された効力に対して、生理的濃度(2〜4%)HSAの存在下で、GLP−1受容体の活性化の効力の実質的な低下または僅かな増加を示さない。
いくつかの実施形態では、長時間作用型吐き気誘発性ペプチドは、ヒト血清アルブミン(HSA)に結合し、かつ、ヒトGLP−1[7−36]NHのいずれかの効力シフト(例えば、増加または低下)と比べて、アルブミン媒介効力シフト(例えば、20〜200倍、20〜100倍、20〜50倍、30〜50倍、または30〜40倍)を示す、アシル化の長時間作用型ペプチドまたはアシル化の長時間作用型GLP−1受容体アゴニストである。例えば、実施例2に示すように、GLP−1[7−36]NHは、0.1%のHSAでのGLP−1受容体の活性化の効力に対して、4%のHSAでのGLP−1受容体の活性化の効力のアルブミン媒介0.54×増加を示す一方、セマグルチドは、0.1%のHSAでのGLP−1受容体の活性化の効力に対して、4%のHSAでのGLP−1受容体の活性化の効力のアルブミン媒介19.9×低下を示す。従って、セマグルチドは、実施例2のアッセイ条件において、ヒトGLP−1[7−36]NHの効力シフトと比べて、36.8倍(19.9/0.54)のアルブミン媒介効力シフトを示す。いくつかの実施形態では、吐き気誘発性化合物は、ヒト血清アルブミン(HSA)に結合し、かつ、非常に低濃度の0.1%のヒト血清アルブミンの存在下でのその効力に対して、4%のヒト血清アルブミンの存在下で、10〜25倍のアルブミン媒介効力低下を示す、アシル化の長時間作用型GLP−1受容体アゴニストである。
用語「アルブミン結合部分」は、本明細書で使用する場合、長時間作用型吐き気誘発性ペプチドがヒト血清アルブミンに非共有的に結合することができる残基(例えば、脂肪族置換基または脂肪族置換基を含むアシル化基)を意味する。アルブミン結合残基が結合した長時間作用型吐き気誘発性ペプチドは、典型的には、ヒト血清アルブミンに対して、10μM以下、好ましくは1μM以下の親和性を有する。脂肪族置換基を有する、アルブミン結合残基の範囲は、4〜40個の炭素原子を含む、本明細書に記載される直鎖及び分枝鎖親油性部分を含むことが知られている。
いくつかの実施形態では、長時間作用型吐き気誘発性ペプチドは、1マイクロモル/リットル以下の、アルブミンとの会合の見かけの解離定数を有する。いくつかの実施形態では、長時間作用型吐き気誘発性ペプチドは、0.002/秒以下の、アルブミンからの長時間作用型吐き気誘発性ペプチドの解離のオフ速度を有する。言い換えれば、0.2%以下のペプチド−アルブミン複合体は、無薬物環境において1秒で解離する。
いくつかの実施形態では、長時間作用型吐き気誘発性ペプチドは、以下により詳細に記載されるように、親油性置換基を含む。いくつかの実施形態では、長時間作用型吐き気誘発性ペプチドは、以下により詳細に記載されるように、親油性置換基のいずれか1つを含む。
いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、埋め込み型薬物送達デバイスである。いくつかの実施形態では、デバイスは、埋め込み型浸透圧式送達デバイスである。
いくつかの実施形態では、埋め込み型薬物送達デバイスは、連続用量の吐き気誘発性化合物を投与する。いくつかの実施形態では、治療は、単回用量の吐き気誘発性化合物からなる。いくつかの実施形態では、治療は、比較的低い初期用量の吐き気誘発性化合物、次いで、より高い維持用量の吐き気誘発性化合物からなる。セマグルチドは、例えば、比較的低い初期用量の0.5mg/週(約71μg/日に相当)、次いで、より高い維持用量の1.0mg/週(約143μg/日に相当)で投与される。いくつかの実施形態では、吐き気誘発性化合物は、ボーラス注射を介して投与された吐き気誘発性化合物のFDA承認維持用量(μg/日またはmg/週)より少ない、等しい、またはより多い用量(μg/日)で連続投与される。いくつかの実施形態では、吐き気誘発性化合物は、ボーラス注射を介して投与された吐き気誘発性化合物のFDA承認初期用量(μg/日またはmg/週)より少ない、等しい、またはより多い用量(μg/日)で連続投与される。いくつかの実施形態では、吐き気誘発性化合物は、長時間作用型吐き気誘発性ペプチドである。いくつかの実施形態では、長時間作用型吐き気誘発性ペプチドは、長時間作用型GLP−1アゴニスト、例えば、セマグルチドである。いくつかの実施形態では、長時間作用型吐き気誘発性ペプチドは、長時間作用型GLP−1アゴニスト、例えば、リラグルチドである。
いくつかの実施形態では、埋め込み型薬物送達デバイスは、吐き気誘発性化合物の約1mg/日、500μg/日、250μg/日、150μg/日、143μg/日、140μg/日、130μg/日、120μg/日、110μg/日、100μg/日、90μg/日、80μg/日、70μg/日、60μg/日、50μg/日、40μg/日、30μg/日、20μg/日、10μg/日の連続用量、またはこれらの値のいずれか2つの間の連続用量を投与する。他の実施形態では、埋め込み型薬物送達デバイスは、約1〜10μg/日、10〜20μg/日、20〜30μg/日、30〜40μg/日、40〜50μg/日、50〜60μg/日、60〜70μg/日、70〜80μg/日、90〜100μg/日、100〜110μg/日、110〜120μg/日、120〜130μg/日、130〜140μg/日、140〜150μg/日、150〜200μg/日、200〜250μg/日、250〜500μg/日、または500〜1,000μg/日の連続用量を投与する。
いくつかの実施形態では、デバイスは、非埋め込み型送達デバイスである。いくつかの実施形態では、デバイスは、非埋め込み型小型パッチポンプ、例えば、皮膚の表面上に置かれるJewelPUMP(商標)(Debiotech S.A.)である。いくつかの実施形態では、非埋め込み型小型パッチポンプの投与は、調整可能かつプログラム可能である。このように、短時間作用型または長時間作用型吐き気誘発性化合物の血漿中の平均定常状態濃度(Css)は、数日、数週間、または数ヵ月にわたって、対象中で漸増用量の緩やかな上昇勾配を介して徐々に達成することができる。いくつかの実施形態では、非埋め込み型小型パッチポンプは、遠隔制御される。
いくつかの実施形態では、非埋め込み型小型パッチポンプは、非連続用量の吐き気誘発性化合物を投与する。いくつかの実施形態では、非埋め込み型小型パッチポンプは、漸増用量の吐き気誘発性化合物を投与する。
いくつかの実施形態では、非埋め込み型小型パッチポンプは、短時間作用型吐き気誘発性ペプチドを投与する。いくつかの実施形態では、非埋め込み型小型パッチポンプは、長時間作用型吐き気誘発性ペプチドを投与する。
いくつかの実施形態では、方法は、対象中の任意の状態または疾患の治療のために提供され、治療による吐き気及び/または嘔吐は、治療の副作用である。いくつかの実施形態では、方法は、対象中の糖尿病の治療のために提供される。いくつかの実施形態では、方法は、対象中の2型糖尿病の治療のために提供される。いくつかの実施形態では、方法は、対象中の肥満の治療のために提供される。いくつかの実施形態では、方法は、対象中の体重減少の作用のために提供される。いくつかの実施形態では、方法は、化学療法などの吐き気誘発性化合物の投与によって、対象中のがんの治療のために提供される。いくつかの実施形態では、方法は、例えば、オピオイド系などの吐き気誘発性化合物の投与によって、対象中の疼痛の制御のために提供される。
いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、吐き気誘発性化合物の固体懸濁液を含む。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、吐き気誘発性化合物の実質的な無水製剤を含む。
吐き気誘発性化合物、例えば、吐き気誘発性ペプチドは、種々の疾患及び障害の治療のために開発されている。例えば、糖尿病、特に、2型糖尿病(T2D)の治療のための吐き気誘発性ペプチドは、グルカゴン様ペプチド−1(GLP−1)アゴニスト、ペプチドYY(PYYとしても知られる、ペプチドチロシンチロシンまたは膵臓ペプチドYY3−36)アナログ、及びアミリンアナログ(例えば、プラムリンチド、Amylin Pharmaceuticalsにより開発、AstraZenecaにより市販)を含む。GLP−1アゴニスト、PYYアナログ及びアミリンアナログは、患者に吐き気を徐々に誘発する定期的な自己注射を介して、皮下投与される。
そのようなペプチドは、一般的に、皮下投与後のそれらの薬物動態(PK)プロファイルに基づいて、短時間作用型または長時間作用型ペプチドとして分類される。GLP−1アゴニストに関して、短時間作用型GLP−1受容体アゴニスト、例えば、エクセナチド及びリキシセナチド(Adlyxin(登録商標))は、ヒト血清中で約数時間の平均終末相半減期を有する一方、長時間作用型GLP−1受容体アゴニスト、例えば、リラグルチド(Victoza(登録商標))及びセマグルチドは、皮下投与後に、ヒト血清中で約16時間及び165時間の半減期をそれぞれ有する。
いくつかの実施形態では、吐き気誘発性化合物は、GLP−1受容体アゴニスト、アミリンアナログ、PYYアナログ(米国特許出願公開第2014/0329742号に開示されるもののいずれかを含む;前記PYYアナログは、参照により本明細書に組み込まれる)、アミリンアゴニスト、カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)アナログ、またはニューロテンシンアナログから選択される吐き気誘発性ペプチドである。
いくつかの実施形態では、吐き気誘発性化合物は、GLP−1受容体アゴニスト、アミリンアナログ、PYYアナログ、アミリンアゴニスト、CGRPアナログ、またはニューロテンシンアナログから選択される長時間作用型吐き気誘発性ペプチドであり、各々は、スペーサーを介してペプチドに必要に応じて結合した親油基を含む。
いくつかの実施形態では、吐き気誘発性化合物は、GLP−1受容体アゴニストである。いくつかの実施形態では、吐き気誘発性化合物は、短時間作用型GLP−1受容体アゴニストである。いくつかの実施形態では、吐き気誘発性化合物は、長時間作用型GLP−1受容体アゴニストである。いくつかの実施形態では、吐き気誘発性化合物は、インスリンと共処方されるGLP−1受容体アゴニストである。いくつかの実施形態では、吐き気誘発性化合物は、インスリンアナログと共処方されるGLP−1受容体アゴニストまたは機能的バリアントである。
本明細書で使用する場合、「機能的バリアント」とは、天然親タンパク質の完全活性を保持する天然タンパク質の一部を意味する。いくつかの実施形態では、天然タンパク質の一部は、天然親タンパク質の部分活性を保持する。いくつかの実施形態では、一部は、複合体(タンパク質、糖類、または他のもの)の一部であり得る。他の実施形態では、機能的バリアントは、「アナログ」と意味が等しい。
インスリンアナログ、例えば、GLP−1受容体アゴニストと共処方され得るものは、超高速速効型インスリン(例えば、Novo Nordisk社製のFiasp(登録商標))、速効型インスリン(例えば、Lilly社製のHumalog(登録商標)、Novo Nordisk社製のNovolog(登録商標)、Sanofi社製のApidra(登録商標)またはAdmelog(登録商標))、短時間作用型インスリン(例えば、Novo Nordisk社製のNovolin(登録商標))及び特に長時間作用型インスリン(例えば、インスリンデテミル、Novo Nordisk社製のLevemir(登録商標);インスリンデグルデク、Novo Nordisk社製のTresiba(登録商標);またはインスリングラルギン、例えば、Lilly社製のBasaglar(登録商標)、Sanofi社製のLantus(登録商標)またはSanofi社製のToujeo(登録商標))を含む。いくつかの実施形態では、GLP−1受容体アゴニストは、長時間作用型インスリンであるインスリンアナログ(例えば、インスリンデテミル、インスリンデグルデク、またはインスリングラルギン)と共処方される。
短時間作用型GLP−1受容体アゴニスト
本明細書で言及される短時間作用型GLP−1受容体アゴニストは、皮下投与後に5時間未満のヒト中の平均終末相半減期を有するGLP−1受容体アゴニストである。
エクセナチド(AstraZeneca;Byetta(登録商標)):いくつかの実施形態では、短時間作用型GLP−1受容体アゴニストは、エクセナチドである。Byetta(登録商標)は、T2Dの治療のための抗糖尿病療法として最初(2005年)に承認されたGLP−1受容体アゴニストであった。Byetta(登録商標)は、皮下投与後に約2.4時間の終末相半減期を有し、1日2回適用される(5μg〜10μg/注射)。
エクセナチドは、以下のアミノ酸配列を有する:
H−His−Gly−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Leu−Ser−Lys−Gln−Met−Glu−Glu−Glu−Ala−Val−Arg−Leu−Phe−Ile−Glu−Trp−Leu−Lys−Asn−Gly−Gly−Pro−Ser−Ser−Gly−Ala−Pro−Pro−Pro−Ser−NH(配列番号1)
リキシセナチド(Sanofi;Adlyxin(登録商標)):いくつかの実施形態では、短時間作用型GLP−1受容体アゴニストは、リキシセナチドであり、これは、Zealand Pharma A/Sにより開発され、Sanofiにより市販されるエクセナチドの合成アナログである。エクセナチドと比べて、6つのリシン残基は、アミド化もされているC末端に付加されており、C末端領域でプロリン残基が1つ欠失している。ヒト中で約3時間の平均終末相半減期を有する、リキシセナチド、(des−Pro36−エキセンジン−4(1−39)−Lys−NH)は、米国特許第RE45313号に記載されるように、以下のアミノ酸配列を有する:
H−His−Gly−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Leu−Ser−Lys−Gln−Met−Glu−Glu−Glu−Ala−Val−Arg−Leu−Phe−Ile−Glu−Trp−Leu−Lys−Asn−Gly−Gly−Pro−Ser−Ser−Gly−Ala−Pro−Pro−Ser−(Lys)−NH(配列番号2)
長時間作用型GLP−1受容体アゴニスト
本明細書で言及される長時間作用型GLP−1受容体アゴニストは、皮下投与後に少なくとも5時間のヒト中の平均終末相半減期を有するGLP−1受容体アゴニストである。いくつかの実施形態では、長時間作用型GLP−1受容体アゴニストは、皮下投与後に少なくとも8、10、12、16、20、24時間、または2、3、4、5、6、7、8、9、10日またはそれ以上のヒト中の平均終末相半減期を有する。
いくつかの実施形態では、長時間作用型GLP−1受容体アゴニストは、生体適合性ポリマー中に分散したエクセナチド(Bydureon(登録商標))、セマグルチド(Ozempic(登録商標))、リラグルチド(Victoza(登録商標))、アルビグルチド(Tanzeum(登録商標))、またはデュラグルチド(Trulicity(登録商標))である。
ある特定の実施形態では、半減期延長型の長時間作用型GLP−1受容体アゴニストは、少なくとも部分的には、(i)高分子マトリックスからのGLP−1受容体アゴニストの徐放、例えば、エクセナチド持続放出Bydureon(登録商標)(AstraZeneca);(ii)親油性置換基のGLP−1受容体アゴニストへの共役、例えば、アシル化GLP−1受容体アゴニスト、リラグルチドVictoza(登録商標);及びセマグルチドOzempic(登録商標);(両方ともNovo Nordisk製);(iii)GLP−1受容体アゴニストのアルブミンへの共役、例えば、アルビグルチドTanzeum(登録商標)(GSK);(iv)GLP−1受容体アゴニストの免疫グロブリンG(IgG)のFc領域への共役、例えば、デュラグルチドTrulicity(登録商標)(Eli Lilly)によって達成される。これら非限定の代表的な実施形態の各々は、以下でより詳細に記載される。
(i)高分子マトリックスからのGLP−1受容体アゴニストの徐放
持続放出エクセナチドBydureon(登録商標)(Amylinにより開発、AstraZenecaにより市販)は、週1回処方のエクセナチドであり、エクセナチドは、ポリ(D,L−ラクチド−コ−グリコリド)(PLG)からなる生分解性高分子マトリックスマイクロスフェア内に非共有的に隔離される。高分子マトリックスからの徐放は、拡散及びマイクロスフェア崩壊を通じて行われる。持続放出用のBydureon(登録商標)として製剤化されたエクセナチドは、Byetta(登録商標)のエクセナチドと同じアミノ酸配列(配列番号1)を有する。いくつかの実施形態では、長時間作用型GLP−1受容体アゴニストは、生体適合性ポリマー中に分散したエクセナチドである。
いくつかの実施形態では、長時間作用型GLP−1受容体アゴニストは、米国特許第8,329,648号に記載されるように、生体適合性ポリ(ラクチド−コ−グリコリド)コポリマー中にエクセナチドを含む医薬組成物である。
いくつかの実施形態では、長時間作用型GLP−1受容体アゴニストは、米国特許第7,456,254号に記載されるように、その中に分散している生体適合性ポリマー、約3%〜5%(w/w)エクセナチド、及び約2%(w/w)スクロースから本質的になる、エクセナチドの持続放出のために提供される組成物である。いくつかの実施形態では、長時間作用型GLP−1受容体アゴニストは、その中に分散している生体適合性ポリマー、約5%(w/w)エクセナチド、及び約2%(w/w)スクロースからなる組成物である。いくつかの実施形態では、生体適合性ポリマーは、ポリ(ラクチド)類、ポリ(グリコリド)類、ポリ(ラクチド−コ−グリコリド)類、ポリ(乳酸)類、ポリ(グリコール酸)類、ポリ(乳酸−コ−グリコール酸)類、並びにそれらのブレンド及びコポリマーから選択される。いくつかの実施形態では、生体適合性ポリマーは、ラクチド:グリコリドの比率が約1:1のポリ(ラクチド−コ−グリコリド)である。
(ii)親油性置換基のGLP−1受容体アゴニストへの共役
1つ以上の「親油性置換基」の長時間作用型吐き気誘発性ペプチド、例えば、長時間作用型GLP−1受容体アゴニストへの共役は、血清アルブミンへの結合、及び共役ペプチドの腎クリアランスの遅延を容易にすることで、長時間作用型ペプチドの作用を延長することを意図する。本明細書で使用する場合、「親油性置換基」は、4〜40個の炭素原子、特に、8〜25個の炭素原子、または12〜22個の炭素原子を含む置換基を含む。親油性置換基は、それが結合するアミノ酸残基のアミノ基とアミド結合を形成する親油性置換基のカルボキシル基によって、長時間作用型吐き気誘発性ペプチドまたは長時間作用型GLP−1受容体アゴニストアミノ基に結合し得る。長時間作用型吐き気誘発性ペプチドまたは長時間作用型GLP−1受容体アゴニストは、3つ、2つ、または好ましくは1つの親油性置換基を含むのが好ましい。
いくつかの実施形態では、長時間作用型吐き気誘発性ペプチドまたは長時間作用型GLP−1アゴニストは、ただ1つの親油性置換基を有し、この置換基は、アルキル基、またはω−カルボン酸基を有し、親ペプチドのN末端アミノ酸残基に結合する基を含む。いくつかの実施形態では、長時間作用型吐き気誘発性ペプチドまたは長時間作用型GLP−1受容体アゴニストは、ただ1つの親油性置換基を有し、この置換基は、アルキル基、またはω−カルボン酸基を有し、親ペプチドのC末端アミノ酸残基に結合する基である。いくつかの実施形態では、長時間作用型吐き気誘発性ペプチドまたは長時間作用型GLP−1誘導体は、ただ1つの親油性置換基を有し、この置換基は、親ペプチドのN末端またはC末端アミノ酸残基ではない任意の1つのアミノ酸残基に結合することができる。
いくつかの実施形態では、長時間作用型吐き気誘発性ペプチドまたは長時間作用型GLP−1受容体アゴニストは、2つ、3つ、または4つの親油性置換基を含む。いくつかの実施形態では、親油性置換基は、負に帯電することができる基を有する。1つのそのような好ましい基は、カルボン酸基である。いくつかの実施形態では、親油性置換基は、直鎖または分枝鎖アルキル基である。いくつかの実施形態では、親油性置換基は、直鎖または分枝鎖脂肪酸のアシル基である。
いくつかの実施形態では、親油性置換基は、式CH(CHCO−のアシル基であり、式中、nは、4〜38の整数、好ましくは、4〜24の整数であり、より好ましくは、CH(CHCO−、CH(CHCO−、CH(CH10CO−、CH(CH12CO−、CH(CH14CO−、CH(CH16CO−、CH(CH18CO−、CH(CH20CO−またはCH(CH22CO−である。
いくつかの実施形態では、親油性置換基は、直鎖または分枝鎖アルカンα,ω−ジカルボン酸のアシル基である。
いくつかの実施形態では、親油性置換基は、式HOOC(CHCO−のアシル基であり、式中、mは、4〜38の整数、好ましくは、4〜24の整数であり、より好ましくは、HOOC(CH14CO−、HOOC(CH16CO−、HOOC(CH18CO−、HOOC(CH20CO−またはHOOC(CH22CO−である。
いくつかの実施形態では、親油性置換基は、必要に応じてスペーサーを介して、長時間作用型吐き気誘発性ペプチドまたは長時間作用型GLP−1誘導体の親ペプチドに含まれるLys残基のε−アミノ基に結合する。
いくつかの実施形態では、親油性置換基は、1〜7つのメチレン基、好ましくは、2つのメチレン基を有する非分枝アルカンα,ω−ジカルボン酸基である「スペーサー」によって、長時間作用型吐き気誘発性ペプチドまたは長時間作用型GLP−1受容体アゴニストの親ペプチドに結合し、スペーサーは、親ペプチドのアミノ基と親油性置換基のアミノ基の間に架橋を形成する。
いくつかの実施形態では、スペーサーは、アミノ酸、例えば、コハク酸、Lys、GluまたはAsp、またはGly−Lysなどのジペプチドである。いくつかの実施形態では、スペーサーが、コハク酸である場合、その一方のカルボキシル基は、アミノ酸残基のアミノ基とアミド結合を形成し得、その他方のカルボキシル基は、親油性置換基のアミノ基とアミド結合を形成し得る。いくつかの実施形態では、スペーサーが、Lys、GluまたはAspである場合、そのカルボキシル基は、アミノ酸残基のアミノ基とアミド結合を形成し得、そのアミノ基は、親油性置換基のカルボキシル基とアミド結合を形成し得る。いくつかの実施形態では、Lysをスペーサーとして使用する場合、さらなるスペーサーは、場合によっては、Lysのε−アミノ基と親油性置換基の間に挿入され得る。そのような一実施形態では、そのようなさらなるスペーサーは、Lysのε−アミノ基、及び親油性置換基に存在するアミノ基とアミド結合を形成するコハク酸である。そのような別の実施形態では、そのようなさらなるスペーサーは、Lysのε−アミノ基とアミド結合、親油性置換基(すなわち、親油性置換基は、Nε−アシル化リシン残基である)に存在するカルボキシル基と別のアミド結合を形成するGluまたはAspである。他の好ましいスペーサーは、Nε−(γ−L−グルタミル、Nε−(β−L−アスパラギル)、Nε−グリシル、及びNε−(α−(γ−アミノブタノイル)である。いくつかの実施形態では、親油性置換基は、負に帯電することができる基、例えば、カルボン酸基、またはカルボキシル基を有する他の化合物を有する。
単一の親油性置換基を含む代表的な長時間作用型GLP−1アゴニストは、リラグルチド及びセマグルチドを含む。
リラグルチド(Victoza(登録商標)、Novo Nordiskによって開発及び販売)は、2型糖尿病の治療のために、1日1回注射を介して投与される。リラグルチドは、GLP−1(7−37)に97%の配列同一性を有する。リラグルチドは、2つのアミノ酸変化(1つの付加及び1つの置換)、及び皮下投与後に血清アルブミンと非共有結合を形成することができる親油性置換基の付加によって修飾される。いくつかの実施形態では、長時間作用型GLP−1受容体アゴニストは、リラグルチド、すなわち、Lys26(Nε−(γ−グルタミル(Nα−ヘキサデカノイル)))、Arg34−GLP−1(7−37)であり、これは、以下の構造式I(配列番号3)を有する:
いくつかの実施形態では、長時間作用型GLP−1受容体アゴニストは、インスリンまたはインスリンアナログと共処方されるリラグルチドである。いくつかの実施形態では、米国特許第7,235,627号に記載されるように、式II(配列番号4):
の長時間作用型GLP−1受容体アゴニストを提供し、
式中、
7位のXaaは、His、修飾アミノ酸であるかまたは欠失され
8位のXaaは、Ala、Gly、Ser、Thr、Leu、Ile、Val、Glu、またはAspであり、
18位のXaaは、Ser、Ala、Gly、Thr、Leu、Ile、Val、Glu、Asp、またはLysであり、
19位のXaaは、Tyr、Phe、Trp、Glu、Asp、またはLysであり、
20位のXaaは、Leu、Ala、Gly、Ser、Thr、Leu、Ile、Val、Glu、Asp、またはLysであり、
21位のXaaは、Glu、Asp、またはLysであり、
22位のXaaは、Gly、Ala、Ser、Thr、Leu、Ile、Val、Glu、Asp、またはLysであり、
23位のXaaは、Gln、Asn、Arg、Glu、Asp、またはLysであり、
24位のXaaは、Ala、Gly、Ser、Thr、Leu、Ile、Val、Arg、Glu、Asp、またはLysであり、
25位のXaaは、Ala、Gly、Ser、Thr、Leu、Ile、Val、Glu、Asp、またはLysであり、
26位のXaaは、Lys、Arg、Gln、Glu、Asp、またはHisであり、
27位のXaaは、Glu、Asp、またはLysであり、
30位のXaaは、Ala、Gly、Ser、Thr、Leu、Ile、Val、Glu、Asp、またはLysであり、
31位のXaaは、Trp、Phe、Tyr、Glu、Asp、またはLysであり、
32位のXaaは、Leu、Gly、Ala、Ser、Thr、Ile、Val、Glu、Asp、またはLysであり、
33位のXaaは、Val、Gly、Ala、Ser、Thr、Leu、Ile、Glu、Asp、またはLysであり、
34位のXaaは、Lys、Arg、Glu、Asp、またはHisであり、
35位のXaaは、Gly、Ala、Ser、Thr、Leu、Ile、Val、Glu、Asp、またはLysであり、
36位のXaaは、Arg、Lys、Glu、Asp、またはHisであり、
37位のXaaは、Gly、Ala、Ser、Thr、Leu、Ile、Val、Glu、Asp、またはLysであるかまたは欠失され、
38位のXaaは、Arg、Lys、Glu、Asp、またはHisであるかまたは欠失され、
39位のXaaは、Argであるかまたは欠失され、または
(a)そのC−1−6−エステル、(b)そのアミド、C−1−6−アルキルアミド、またはC−1−6−ジアルキルアミド、及び/または(c)その薬学的に許容される塩であり、但し、
(i)37または38位のアミノ酸が欠失される場合、そのアミノ酸の下流の各アミノ酸も欠失され、
(ii)長時間作用型GLP−1受容体アゴニストは、ただ1つのLysを含み、Lysは、誘導体のN末端またはC末端アミノ酸ではなく、
(iii)12〜25個の炭素の親油性置換基は、必要に応じてスペーサーを介して、Lysのε−アミノ基に付着し、及び
長時間作用型GLP−1受容体アゴニストと対応する天然型のGLP−1との間の異なるアミノ酸の総数は、5を超えない。
いくつかの実施形態では、式IIの長時間作用型GLP−1受容体アゴニストを提供し、
式中、
7位のXaaは、Hisであり、
8位のXaaは、Alaであり、
26位のXaaは、Arg、Gln、Glu、Asp、またはHisであり、及び
長時間作用型GLP−1受容体アゴニストと対応する天然型のGLP−1との間の異なるアミノ酸の総数は、3を超えない。
いくつかの実施形態では、34位のXaaは、Lysであり、37位のXaaは、Glyであるかまたは欠失され、38位のXaaは、Argであるかまたは欠失され、39位のXaaは、欠失される。
いくつかの実施形態では、長時間作用型GLP−1受容体アゴニストと対応する天然型のGLP−1との間の異なるアミノ酸の総数は、2を超えない。
いくつかの実施形態では、長時間作用型GLP−1受容体アゴニストと対応する天然型のGLP−1との間の異なるアミノ酸の総数は、1である。
いくつかの実施形態では、34位のXaaは、Arg、Glu、Asp、またはHisである。
いくつかの実施形態では、18位のXaaは、Lysであり、37位のXaaは、Glyであるかまたは欠失され、38位のXaaは、Argであるかまたは欠失され、39位のXaaは、欠失され、他のXaaの各々は、天然型のGLP−1(7−36)、(7−37)または(7−38)中のアミノ酸である。
いくつかの実施形態では、23位のXaaは、Lysであり、37位のXaaは、Glyであるかまたは欠失され、38位のXaaは、Argであるかまたは欠失され、39位のXaaは、欠失され、他のXaaの各々は、天然型のGLP−1(7−36)、(7−37)または(7−38)中のアミノ酸である。
いくつかの実施形態では、27位のXaaは、Lysであり、37位のXaaは、Glyであるかまたは欠失され、38位のXaaは、Argであるかまたは欠失され、39位のXaaは、欠失され、他のXaaの各々は、天然型のGLP−1(7−36)、(7−37)または(7−38)中のアミノ酸である。
いくつかの実施形態では、36位のXaaは、Lysであり、37位のXaaは、Glyであり、38位のXaaは、Argであるかまたは欠失され、39位のXaaは、欠失され、他のXaaの各々は、天然型のGLP−1(7−37)または(7−38)中のアミノ酸である。
いくつかの実施形態では、38位のXaaは、Lysであり、39位のXaaは、Argであり、他のXaaの各々は、天然型のGLP−1(7−39)中のアミノ酸である。
いくつかの実施形態では、26位のXaaは、Arg、Gln、Glu、Asp、またはHisである。
いくつかの実施形態では、34位のXaaは、Arg、Glu、Asp、またはHisである。
いくつかの実施形態では、7位のXaaは、Hisであり、8位のXaaは、Alaである。
いくつかの実施形態では、7位のXaaは、Hisであり、8位のXaaは、Thr、Ser、GlyまたはValである。
いくつかの実施形態では、7位のXaaは、欠失される。
いくつかの実施形態では、8位のXaaは、Alaである。
いくつかの実施形態では、8位のXaaは、Thr、Ser、GlyまたはValである。
いくつかの実施形態では、7位のXaaは、修飾アミノ酸である。
いくつかの実施形態では、8位のXaaは、Alaである。
いくつかの実施形態では、8位のXaaは、Thr、Ser、GlyまたはValである。
いくつかの実施形態では、18、23または27位のXaaは、Lysであり、37位のXaaは、Glyであるかまたは欠失され、38位のXaaは、Argであるかまたは欠失され、39位のXaaは、欠失される。
いくつかの実施形態では、36位のXaaは、Lysであり、37位のXaaは、Glyであり、38位のXaaは、Argであり、39位のXaaは、欠失される。
いくつかの実施形態では、38位のXaaは、Lysであり、37位のXaaは、Glyであり、39位のXaaは、Argである。
いくつかの実施形態では、34位のXaaは、Lysであり、37位のXaaは、Glyであるかまたは欠失され、38位のXaaは、Argであるかまたは欠失され、39位のXaaは、欠失される。
いくつかの実施形態では、7位のXaaは、Hisであり、8位のXaaは、Alaである。
いくつかの実施形態では、7位のXaaは、Hisであり、8位のXaaは、Thr、Ser、GlyまたはValである。
いくつかの実施形態では、7位のXaaは、欠失される。
いくつかの実施形態では、8位のXaaは、Alaである。
いくつかの実施形態では、8位のXaaは、Thr、Ser、GlyまたはValである。
いくつかの実施形態では、7位のXaaは、修飾アミノ酸である。
いくつかの実施形態では、8位のXaaは、Alaである。
いくつかの実施形態では、8位のXaaは、Thr、Ser、GlyまたはValである。
いくつかの実施形態では、26位のXaaは、Lysであり、及び
34位のXaaは、であり、Arg、Glu、Asp、またはHis、及び
長時間作用型GLP−1受容体アゴニストと対応する天然型のGLP−1(7−36)、(7−37)または(7−38)との間の異なるアミノ酸の総数は、3を超えない。
いくつかの実施形態では、7位のXaaは、Hisであり、8位のXaaは、Alaである。
いくつかの実施形態では、7位のXaaは、Hisであり、8位のXaaは、Thr、Ser、GlyまたはValである。
いくつかの実施形態では、7位のXaaは、修飾アミノ酸である。
いくつかの実施形態では、8位のXaaは、Alaである。
いくつかの実施形態では、8位のXaaは、Thr、Ser、GlyまたはValである。
いくつかの実施形態では、7位のXaaは、欠失される。
いくつかの実施形態では、8位のXaaは、Alaである。
いくつかの実施形態では、8位のXaaは、Thr、Ser、GlyまたはValである。
いくつかの実施形態では、米国特許第6,268,343号に記載されるように、式III(配列番号5)の長時間作用型GLP−1受容体アゴニストを提供し、
式中、
(a)26位のLysのε−アミノ基は、必要に応じてスペーサーを介して、親油性置換基と置換され、
(b)親油性置換基は、(i)CH(CHCO−、式中、nは、6、8、10、12、14、16、18、20または22であり、(ii)HOOC(CHCO−、式中、mは、10、12、14、16、18、20または22であり、または(iii)リソコイルであり、及び
(c)スペーサーは、(i)1〜7個のメチレン基を有する非分枝アルカンα,ω−ジカルボン酸基、(ii)Cysを除くアミノ酸残基、または(iii)γ−アミノブタノイルである。
いくつかの実施形態では、式IIIの長時間作用型GLP−1受容体アゴニストを提供し、式中、親油性置換基は、スペーサーを介して、Lysのε−アミノ基に結合する。いくつかの実施形態では、スペーサーは、γ−グルタミルである。いくつかの実施形態では、スペーサーは、β−アスパラギルである。いくつかの実施形態では、スペーサーは、グリシルである。いくつかの実施形態では、スペーサーは、γ−アミノブタノイルである。いくつかの実施形態では、スペーサーは、β−アラニルである。
いくつかの実施形態では、長時間作用型GLP−1受容体アゴニストは、Lys26(Nε−テトラデカノイル)、Arg34−GLP−1(7−37)である。いくつかの実施形態では、長時間作用型GLP−1受容体アゴニストは、Lys26(Nε−(ω−カルボキシノナデカノイル))、Arg34−GLP−1(7−37)である。いくつかの実施形態では、長時間作用型GLP−1受容体アゴニストは、Lys26(Nε−(ω−カルボキシヘプタデカノイル))、Arg34−GLP−1(7−37)である。いくつかの実施形態では、長時間作用型GLP−1受容体アゴニストは、Lys26(Nε−(ω−カルボキシウンデカノイル))、Arg34−GLP−1(7−37)である。いくつかの実施形態では、長時間作用型GLP−1受容体アゴニストは、Lys26(Nε−(ω−カルボキシペンタデカノイル))、Arg34−GLP−1(7−37)である。いくつかの実施形態では、長時間作用型GLP−1受容体アゴニストは、Lys26(Nε−リソコイル)、Arg34−GLP−1(7−37)である。いくつかの実施形態では、長時間作用型GLP−1受容体アゴニストは、Lys26(Nε−(γ−グルタミル(Nα−ヘキサデカノイル)))、Arg34−GLP−1(7−37)である。いくつかの実施形態では、長時間作用型GLP−1受容体アゴニストは、Lys26(Nε−(γ−グルタミル(Nαテトラデカノイル)))、Arg34−GLP−1(7−37)である。いくつかの実施形態では、長時間作用型GLP−1受容体アゴニストは、Lys26(Nε−(γ−グルタミル(Nαリソコイル)))、Arg34−GLP−1(7−37)である。いくつかの実施形態では、長時間作用型GLP−1受容体アゴニストは、Lys26(Nε−(γ−グルタミル(Nαオクタデカノイル)))、Arg34−GLP−1(7−37)である。いくつかの実施形態では、長時間作用型GLP−1受容体アゴニストは、Lys26(Nε−デカノイル)、Arg34−GLP−1(7−37)である。いくつかの実施形態では、長時間作用型GLP−1受容体アゴニストは、Lys26(Nε−ヘキサデカノイル)、Arg34−GLP−1(7−37)である。いくつかの実施形態では、長時間作用型GLP−1受容体アゴニストは、Lys26(Nε−オクタノイル)、Arg34−GLP−1(7−37)である。いくつかの実施形態では、長時間作用型GLP−1受容体アゴニストは、Lys26(Nε−ドデカノイル)、Arg34−GLP−1(7−37)である。いくつかの実施形態では、長時間作用型GLP−1受容体アゴニストは、Lys26(Nε(N68(γアミノブチロイル−(Nγ−ヘキサデカノイル)))、Arg34−GLP−1(7−37)である。いくつかの実施形態では、長時間作用型GLP−1受容体アゴニストは、Lys26(Nε−(γ−D−グルタミル(Nαヘキサデカノイル)))、Arg34−GLP−1(7−37)である。いくつかの実施形態では、長時間作用型GLP−1受容体アゴニストは、Lys26(Nε−(γ−グルタミル(Nα−ドデカノイル)))、Arg34−GLP−1(7−37)である。いくつかの実施形態では、GLP−1誘導体は、Lys26(Nε−(βアラニル(Nα−ヘキサデカノイル)))、Arg34−GLP−1(7−37)である。いくつかの実施形態では、長時間作用型GLP−1受容体アゴニストは、Lys26(Nε−(α−グルタミル(Nα−ヘキサデカノイル)))、Arg34−GLP−1(7−37)である。いくつかの実施形態では、長時間作用型GLP−1受容体アゴニストは、Lys26(Nε−(γ−グルタミル(Nα−デカノイル)))、Arg34−GLP−1(7−37)である。
セマグルチド(Ozempic(登録商標)、Novo Nordiskによって開発及び販売)は、2型糖尿病の治療のために週1回の注射を介して投与される。いくつかの実施形態では、長時間作用型GLP−1受容体アゴニストは、セマグルチドである。いくつかの実施形態では、長時間作用型GLP−1受容体アゴニストは、インスリンまたはインスリンアナログと共処方されるセマグルチドである。セマグルチドの構造は、リラグルチドに基づき、2つのさらなる修飾を有し、8位のGlyは、Aibに置き換えられる。スペーサー及びセマグルチドの親油性置換基は、連結して、N6−[N−(17−カルボキシ−1−オキソヘプタデシル−L−c−グルタミル[2−(2−アミノエトキシ)エトキシ]アセチル[2−(2−アミノエトキシ)エトキシ]アセチル]残基を形成する。
いくつかの実施形態では、米国特許第8,129,343号に記載されるように、式IV(配列番号6):
の長時間作用型GLP−1受容体アゴニスト、セマグルチドを提供する。
いくつかの実施形態では、米国特許第8,129,343号及び同第8,536,122号に記載されるように、式V(配列番号7):
の長時間作用型GLP−1受容体アゴニストを提供する。
式中、
Xaaは、L−ヒスチジン、D−ヒスチジン、デスアミノ−ヒスチジン、2−アミノ−ヒスチジン、β−ヒドロキシ−ヒスチジン、ホモヒスチジン、Nα−アセチル−ヒスチジン、a−フルオロメチル−ヒスチジン、a−メチル−ヒスチジン、3−ピリジルアラニン、2−ピリジルアラニン、または4−ピリジルアラニンであり;
Xaaは、Gly、Val、Leu、Ile、Lys、Aib、(1−アミノシクロプロピル)カルボン酸、(1−アミノシクロブチル)カルボン酸、(1−アミノシクロペンチル)カルボン酸、(1−アミノシクロヘキシル)カルボン酸、(1−アミノシクロヘプチル)カルボン酸、または(1−アミノシクロオクチル)カルボン酸であり;
Xaa16は、ValまたはLeuであり;
Xaa18は、Ser、Lys、またはArgであり;
Xaa19は、TyrまたはGlnであり;
Xaa20は、LeuまたはMetであり;
Xaa22は、Gly、Glu、またはAibであり;
Xaa23は、Gln、Glu、Lys、またはArgであり;
Xaa25は、AlaまたはValであり;
Xaa27は、GluまたはLeuであり;
Xaa30は、Ala、Glu、またはArgであり;
Xaa33は、ValまたはLysであり;
Xaa34は、Lys、Glu、Asn、またはArgであり;
Xaa35は、GlyまたはAibであり;
Xaa36は、Arg、Gly、Lysであるかまたは不在であり;
Xaa37は、Gly、Ala、Glu、Pro、Lysであるかまたは不在であり;
Xaa38は、Lys、Ser、アミドであるかまたは不在であり;及び
ここで、Uは、
から選択されるスペーサーであり、
ここで、nは、12、13、14、15、16、17、または18であり、
lは、12、13、14、15、16、17、または18であり、
mは、0、1、2、3、4、5、または6であり、
sは、0、1、2、または3であり、
pは、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、または23であり;及び
ここで、Bは、
から選択される酸性基である。
いくつかの実施形態では、式Vの長時間作用型GLP−1受容体アゴニストを提供し、式中、
Xaaは、Hisまたはデスアミノ−ヒスチジンであり;
Xaaは、Gly、Val、Leu、Ile、LysまたはAibであり;
Xaa16は、Valであり;
Xaa18は、Serであり;
Xaa19は、Tyrであり;
Xaa20は、Leuであり;
Xaa22は、Gly、GluまたはAibであり;
Xaa23は、GlnまたはGluであり;
Xaa25は、Alaであり;
Xaa27は、Gluであり;
Xaa30は、AlaまたはGluであり;
Xaa33は、Valであり;
Xaa34は、LysまたはArgであり;
Xaa35は、GlyまたはAibであり;
Xaa36は、ArgまたはLysであり、
Xaa37は、Gly、アミドであるかまたは不在であり;及び
Xaa38は、不在である。
いくつかの実施形態では、式Vの長時間作用型GLP−1受容体アゴニストを提供し、式中、
Xaaは、Hisであり;
Xaaは、Gly、またはAibであり;
Xaa16は、Valであり;
Xaa18は、Serであり;
Xaa19は、Tyrであり;
Xaa20は、Leuであり;
Xaa22は、GluまたはAibであり;
Xaa23は、Glnであり;
Xaa25は、Alaであり;
Xaa27は、Gluであり;
Xaa30は、Alaであり;
Xaa33は、Valであり;
Xaa34は、LysまたはArgであり;
Xaa35は、GlyまたはAibであり;
Xaa36は、Argであり
Xaa37は、Glyであり、及び
Xaa38は、不在である。
いくつかの実施形態では、式Vの長時間作用型GLP−1受容体アゴニストを提供し、式中、前記長時間作用型GLP−1受容体アゴニストは、GLP−1(7−37)配列の8位のAibまたはGlyを含む。
いくつかの実施形態では、式Vの長時間作用型GLP−1受容体アゴニストを提供し、式中、前記長時間作用型GLP−1受容体アゴニストは、Aibを含む。
いくつかの実施形態では、式Vの長時間作用型GLP−1受容体アゴニストを提供し、式中、前記長時間作用型GLP−1受容体アゴニストは、以下の配列HAEGTFTSDVSSYLEGQAAKEFIAWLVKGRG(配列番号8)に記載のGLP−1(7−37)と比較して、置換、付加、または欠失している6個以下のアミノ酸残基を含む。
いくつかの実施形態では、式Vの長時間作用型GLP−1受容体アゴニストを提供し、式中、前記長時間作用型GLP−1受容体アゴニストは、GLP−1(7−37)(配列番号8)と比較して、置換、付加、または欠失している3個以下のアミノ酸残基を含む。
いくつかの実施形態では、式Vの長時間作用型GLP−1受容体アゴニストを提供し、式中、前記長時間作用型GLP−1受容体アゴニストは、ただ1つのリシン残基を含む。
いくつかの実施形態では、式Vの長時間作用型GLP−1受容体アゴニストを提供し、Aib、Arg34−GLP−1(7−37)またはAib8,22、Arg34−GLP−1(7−37)である。
いくつかの実施形態では、式Vの長時間作用型GLP−1受容体アゴニストを提供し、式中、Uは、
から選択されるスペーサーである。
いくつかの実施形態では、Bは、
である。
いくつかの実施形態では、以下の名称:N−ε26−[2−(2−[2−(2−[2−(2−[4−(17−カルボキシヘプタデカノイルアミノ)−4(S)−カルボキシブチリルアミノ]エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Aib,Arg34]GLP−1−(7−37)ペプチドを有する、長時間作用型GLP−1受容体アゴニストを提供する。
(iii)GLP−1受容体アゴニストのアルブミンへの共役
別の半減期延長戦略は、組み換えアルブミンへの融合である。ヒト血清アルブミン(HSA)は、約67kDaの分子量を有する。ヒト中のアルブミンの半減期は、約19日である。
アルビグルチド(Tanzeum(登録商標))。いくつかの実施形態では、長時間作用型GLP−1受容体アゴニストは、GlaxoSmithKline(GSK)により開発アルビグルチドである。アルビグルチドは、アルブミンのN末端に直列反復として融合したGLP−1の2つのコピーを含む。DPP−4−耐性は、DPP−4切断部位で、AlaのGlyへの単一置換によって達成される。アルビグルチドは、ヒト中で6〜8日の半減期を有する。
アルビグルチドは、以下のアミノ酸配列(配列番号9)を有する:
HGEGTFTSDVSSYLEGQAAKEFIAWLVKGRHGEGTFTSDVSSYLEGQAAKEFIAWLVKGRDAHKSEVAHRFKDLGEENFKALVLIAFAQYLQQCPFEDHVKLVNEVTEFAKTCVADESAENCDKSLHTLFGDKLCTVATLRETYGEMADCCAKQEPERNECFLQHKDDNPNLPRLVRPEVDVMCTAFHDNEETFLKKYLYEIARRHPYFYAPELLFFAKRYKAAFTECCQAADKAACLLPKLDELRDEGKASSAKQRLKCASLQKFGERAFKAWAVARLSQRFPKAEFAEVSKLVTDLTKVHTECCHGDLLECADDRADLAKYICENQDSISSKLKECCEKPLLEKSHCIAEVENDEMPADLPSLAADFVESKDVCKNYAEAKDVFLGMFLYEYARRHPDYSVVLLLRLAKTYETTLEKCCAAADPHECYAKVFDEFKPLVEEPQNLIKQNCELFEQLGEYKFQNALLVRYTKKVPQVSTPTLVEVSRNLGKVGSKCCKHPEAKRMPCAEDYLSVVLNQLCVLHEKTPVSDRVTKCCTESLVNRRPCFSALEVDETYVPKEFNAETFTFHADICTLSEKERQIKKQTALVELVKHKPKATKEQLKAVMDDFAAFVEKCCKADDKETCFAEEGKKLVAASQAALGL
(iv)GLP−1受容体アゴニストの、免疫グロブリンG(IgG)のFc領域への共役
FC融合:アルブミン融合と同様に、ペプチドは、免疫グロブリンG(IgG)の定常領域であるFc領域に結合することができる。IgGのFc領域は、約22日の半減期を有する。
デュラグルチド(Trulicity(登録商標)、Eli Lilly)は、小ペプチド[テトラグリシル−L−セリルテトラグリシル−L−セリルテトラグリシル−L−セリル−L−アラニル(配列番号12)]によってヒトIgG4−Fc重鎖バリアントに共有結合した2つのGLP−1ペプチドからなる組み換え融合タンパク質である。デュラグルチドの最初の31個のアミノ酸は、DPP−IV切断からの保護を確保するため、(GLP−1番号付けに対して)以下の置換:Ala8Gly、Gly22Glu、Arg36Glyを有する、ヒトGLP−1の残基3〜37である。次の16個のアミノ酸(GGGGGGGSGGGGSG(配列番号11))は、リンカー配列である。残りの228個のアミノ酸は、合成ヒトFc断片(免疫グロブリンG4)である。2つの同一のペプチド鎖は、Cys55−55とCys58−58の間のモノマー間ジスルフィド結合によって連結した二量体を形成する。
いくつかの実施形態では、以下のアミノ酸配列(配列番号10)を有する、長時間作用型GLP−1受容体アゴニスト、デュラグルチドを提供する:
0 HGEGTFTSDVSSYLEEQAAKEFIAWLVKGGGGGGGSGGGGSGGGGSAESK
50 YGPPCPPCPAPEAAGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDP
100 EVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKC
150 KVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKG
200 FYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGN
250 VFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLG
いくつかの実施形態では、吐き気誘発性化合物は、式I、式II、式III、式IV、及び式Vの化合物のいずれかから選択される長時間作用型GLP−1受容体アゴニストである。いくつかの実施形態では、吐き気誘発性化合物は、式Iの長時間作用型GLP−1受容体アゴニストである。いくつかの実施形態では、吐き気誘発性化合物は、式IIの長時間作用型GLP−1受容体アゴニストである。いくつかの実施形態では、吐き気誘発性化合物は、式IIIの長時間作用型GLP−1受容体アゴニストである。いくつかの実施形態では、吐き気誘発性化合物は、式IVの長時間作用型GLP−1受容体アゴニストである。いくつかの実施形態では、吐き気誘発性化合物は、式Vの長時間作用型GLP−1受容体アゴニストである。
いくつかの実施形態では、吐き気誘発性化合物は、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、及び配列番号10の化合物のいずれかから選択される長時間作用型GLP−1受容体アゴニストである。いくつかの実施形態では、吐き気誘発性化合物は、配列番号1の長時間作用型GLP−1受容体アゴニストである。いくつかの実施形態では、吐き気誘発性化合物は、配列番号2の長時間作用型GLP−1受容体アゴニストである。いくつかの実施形態では、吐き気誘発性化合物は、配列番号3の長時間作用型GLP−1受容体アゴニストである。いくつかの実施形態では、吐き気誘発性化合物は、配列番号4の長時間作用型GLP−1受容体アゴニストである。いくつかの実施形態では、吐き気誘発性化合物は、配列番号5の長時間作用型GLP−1受容体アゴニストである。いくつかの実施形態では、吐き気誘発性化合物は、配列番号6の長時間作用型GLP−1受容体アゴニストである。いくつかの実施形態では、吐き気誘発性化合物は、配列番号7の長時間作用型GLP−1受容体アゴニストである。いくつかの実施形態では、吐き気誘発性化合物は、配列番号8の長時間作用型GLP−1受容体アゴニストである。いくつかの実施形態では、吐き気誘発性化合物は、配列番号9の長時間作用型GLP−1受容体アゴニストである。いくつかの実施形態では、吐き気誘発性化合物は、配列番号10の長時間作用型GLP−1受容体アゴニストである。
延髄最後野及び吐き気誘発性ペプチド
延髄最後野は、嘔吐の引き金となる化学受容器引金帯の場所として、1950年代初頭に同定された。迷走神経背側複合体内の延髄最後野及び隣接構造、例えば、孤束核(NTS)は、ペプチドホルモン、特に、消化管ペプチドの受容体で豊富である。延髄最後野ニューロンで同定されたペプチド薬理学は、以下に記載のものを含む。延髄最後野で感知された以下のペプチドのいくつかは、食物摂取を阻害し、吐き気を潜在的に誘発することが報告されている。ある特定の実施形態では、吐き気誘発性ペプチドは、アドレノメデュリン、アミリン、アンジオテンシンII、心房性ナトリウム利尿ペプチド、コレシストキニン、絨毛性ゴナドトロピン黄体形成ホルモン、コルチコトロフィン放出因子、エンドセリン、ガストリン、グレリン、グルカゴン、グルカゴン様ペプチド1(GLP−1)、インスリン、インスリン様成長因子、レプチン、Leu−エンケファリン、メラノコルチン、ニューロテンシン、オキシトシン、副甲状腺ホルモン(例えば、PTH、PTHrP)、脳下垂体アデニル酸シクラーゼ活性化ペプチド(PACAP)、プロラクチン、プロラクチン放出ペプチド、ソマトスタチン、タキキニン(例えば、P物質)、甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン、血管作動性腸管ペプチド(VIP)、バソプレシン、ニューロペプチドY(NPY)、膵臓ポリペプチド(PP)及びペプチドYY(PYY)、それらのアゴニスト、及びそれらの受容体のアゴニストからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、吐き気誘発性ペプチドは、インスリンではない。
薬物粒子、懸濁ビヒクル、及び薬物送達デバイスを介した投与
一態様では、本発明は、薬物送達デバイスからの分散用の懸濁ビヒクル中で懸濁された薬物粒子の製剤を提供する。懸濁ビヒクルは、薬物粒子製剤が分散される安定した環境を提供する。薬物粒子及び懸濁ビヒクルのある特定の特徴を、以下により詳細に記載する。
薬物粒子
粒子製剤は、典型的には、薬物(すなわち、吐き気誘発性化合物)を含み、1つ以上の安定化成分(「賦形剤」とも本明細書で称される)を含む。安定化成分の例としては、限定されないが、糖類、抗酸化剤、アミノ酸、緩衝剤、無機化合物、及び界面活性剤が挙げられる。
実施形態のいずれかでは、粒子製剤は、約50重量%〜約90重量%の薬物、約50重量%〜約85重量%の薬物、約55重量%〜約90重量%の薬物、約60重量%〜約90重量%の薬物、約65重量%〜約85重量%の薬物、約65重量%〜約90重量%の薬物、約70重量%〜約90重量%の薬物、約70重量%〜約85重量%の薬物、約70重量%〜約80重量%の薬物、または約70重量%〜約75重量%の薬物を含み得る。
実施形態のいずれかでは、粒子製剤は、上述のように、薬物、及び1つ以上の安定化剤を含む。安定化剤は、例えば、糖類、抗酸化剤、アミノ酸、緩衝剤、無機化合物、または界面活性剤であり得る。粒子製剤中の安定化剤の量は、本明細書の技術を考慮して、安定化剤の活性、及び製剤の所望の特性に基づいて実験的に決定され得る。
粒子製剤中に含まれ得る糖類の例としては、限定されないが、単糖(例えば、フルクトース、マルトース、ガラクトース、グルコース、D−マンノース、及びソルボース)、二糖(例えば、ラクトース、スクロース、トレハロース、及びセロビオース)、多糖(例えば、ラフィノース、メレジトース、マルトデキストリン、デキストラン、及びデンプン)、並びにアルジトール(非環式ポリオール;例えば、マンニトール、キシリトール、マルチオール、ラクチトール、キシリトール、ソルビトール、ピラノシル、ソルビトール、及びミオインシトール)が挙げられる。適当な糖類には、スクロース、トレハロース、及びラフィノースなどの二糖及び/または非還元性糖が挙げられる。
粒子製剤中に含まれ得る抗酸化剤の例としては、限定されないが、メチオニン、アスコルビン酸、チオ硫酸ナトリウム、カタラーゼ、プラチナ、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、クエン酸、システイン、チオグリセロール、チオグリコール酸、チオソルビトール、ブチルヒドロキシアニソール、ブチルヒドロキシルトルエン、及び没食子酸プロピルが挙げられる。さらに、容易に酸化するアミノ酸、例えば、システイン、メチオニン、及びトリプトファンは、抗酸化剤として使用され得る。
粒子製剤中に含まれ得るアミノ酸の例としては、限定されないが、アルギニン、メチオニン、グリシン、ヒスチジン、アラニン、L−ロイシン、グルタミン酸、イソロイシン、L−スレオニン、2−フェニルアラニン、バリン、ノルバリン、プラリン、フェニルアラニン、トリプトファン、セリン、アスパラギン、システイン、チロシン、リシン、及びノルロイシンが挙げられる。適当なアミノ酸には、システイン、メチオニン、及びトリプトファンなどの容易に酸化されるものが挙げられる。
粒子製剤中に含まれ得る緩衝剤の例としては、限定されないが、クエン酸塩、ヒスチジン、コハク酸塩、リン酸塩、マレイン酸塩、トリス、酢酸塩、糖類、及びgly−glyが挙げられる。適当な緩衝剤には、クエン酸塩、ヒスチジン、コハク酸塩、及びトリスが挙げられる。
粒子製剤中に含まれ得る無機化合物の例としては、限定されないが、NaCl、NaSO、NaHCO、KCl、KHPO、CaCl、及びMgClが挙げられる。
加えて、粒子製剤には、界面活性剤及び塩などの、他の安定化剤/賦形剤が含まれ得る。界面活性剤の例としては、限定されないが、ポリソルベート20、ポリソルベート80、PLURONIC(登録商標)(BASF Corporation,Mount Olive,NJ)F68、及びドデシル硫酸ナトリウム(SDS)が挙げられる。塩の例としては、限定されないが、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、及び塩化マグネシウムが挙げられる。
本発明の薬物粒子製剤は、送達温度において、少なくとも1ヵ月、好ましくは少なくとも3ヵ月、より好ましくは少なくとも6ヵ月、より好ましくは少なくとも12ヵ月、化学的及び物理的に安定であるのが好ましい。送達温度は、典型的には、正常なヒトの体温であり、例えば、約37℃、または僅かに高く、例えば、約40℃である。さらに、本発明の薬物粒子製剤は、保存温度で、少なくとも3ヵ月、好ましくは少なくとも6ヵ月、より好ましくは少なくとも12ヵ月、化学的及び物理的に安定であるのが好ましい。保存温度の例としては、冷蔵温度、例えば、約5℃、または室温、例えば、約25℃が挙げられる。
薬物粒子製剤は、約25%未満、好ましくは約20%未満、より好ましくは約15%未満、より好ましくは約10%未満、及びより好ましくは約5%未満の薬物粒子の分解産物が、約37℃の送達温度で約3ヵ月後、好ましくは約6ヵ月後、好ましくは約12ヵ月後、かつ約5℃または約25℃の保存温度で約6ヵ月後、約12ヵ月後、及び好ましくは約24ヵ月後に形成される場合、化学的に安定であると考えられ得る。
薬物粒子製剤は、約10%未満、好ましくは約5%未満、より好ましくは約3%未満、より好ましくは1%未満の薬物の凝集が、送達温度で約3ヵ月後、好ましくは約6ヵ月後、かつ保存温度で約6ヵ月後、好ましくは約12ヵ月後に形成される場合、物理的に安定であると考えられ得る。
粒子は、典型的には、埋め込み型浸透圧式送達デバイスを介して送達され得るような大きさにされる。粒子の均一な形状及び大きさは、典型的には、そのような送達デバイスからの放出の一定の均一な速度を提供するのに役立つ;しかしながら、標準的でない粒度分布プロファイルを有する粒子調製も使用され得る。例えば、送達オリフィスを有する典型的な埋め込み型浸透圧式送達デバイスでは、粒子の大きさは、送達オリフィスの直径の約30%未満であり、より好ましくは約20%未満であり、より好ましくは約10%未満である。埋め込み物の送達オリフィスの直径が約0.5mmである浸透圧式送達システムと使用のための粒子製剤の実施形態では、粒子径は、例えば、約150ミクロン〜約50ミクロン未満であり得る。埋め込み物の送達オリフィスの直径が約0.1mmである浸透圧式送達システムと使用のための粒子製剤の実施形態では、粒子径は、例えば、約30ミクロン〜約10ミクロン未満であり得る。一実施形態では、オリフィスは、約0.25mm(250ミクロン)であり、粒子径は、約2ミクロン〜約5ミクロンである。
当業者であれば、粒子の集団が、粒子径分布の原理に従うことが理解されるであろう。粒子径分布を記述する広く使用され、当該技術分野において認識されている方法は、例えば、平均直径及びD値、例えば、所与の試料の粒子径の範囲の平均直径を表すために一般的に使用されるD50値を含む。
いくつかの実施形態では、粒子製剤の粒子は、約1ミクロン〜約150ミクロンの平均直径、例えば、150ミクロン未満の直径、100ミクロン未満の直径、50ミクロン未満の直径、30ミクロン未満の直径、10ミクロン未満の直径、5ミクロン未満の直径、及び約2ミクロン未満の直径を有する。いくつかの実施形態では、粒子は、約1ミクロン〜約50ミクロンの平均直径を有する。いくつかの実施形態では、粒子製剤の粒子は、1ミクロン未満の平均直径を有する。
吐き気誘発性化合物を含む粒子製剤の粒子は、例えば、約0.3ミクロン〜約150ミクロンの平均直径を有し得る。吐き気誘発性化合物を含む粒子製剤の粒子は、約2ミクロン〜約150ミクロンの平均直径、例えば、150ミクロン未満の平均直径、100ミクロン未満の平均直径、50ミクロン未満の平均直径、30ミクロン未満の平均直径、10ミクロン未満の平均直径、5ミクロン未満の平均直径、及び約2ミクロンの平均直径を有する。いくつかの実施形態では、粒子は、約0.3ミクロン〜50ミクロン、例えば、約2ミクロン〜約50ミクロンの平均直径を有する。いくつかの実施形態では、粒子は、0.3ミクロン〜50ミクロン、例えば、約2ミクロン〜約50ミクロンの平均直径を有し、ここで、各粒子は、約50ミクロン未満の直径である。
典型的には、粒子製剤の粒子は、懸濁ビヒクルに組み込まれる場合、約3ヵ月未満沈殿しない、好ましくは約6ヵ月未満沈殿しない、より好ましくは約12ヵ月未満沈殿しない、より好ましくは送達温度で約24ヵ月未満沈殿しない、及びもっとも好ましくは約37℃の送達温度で約36ヵ月未満沈殿しない。懸濁ビヒクルは、典型的には、約5,000〜約30,000ポアズ、好ましくは約8,000〜約25,000ポアズ、より好ましくは約10,000〜約20,000ポアズの粘度を有する。一実施形態では、懸濁ビヒクルは、約15,000ポアズ、プラスマイナス約3,000ポアズの粘度を有する。一般的に言えば、より小さい粒子は、粘性懸濁ビヒクルにおいて、大きい粒子よりもより低い沈降速度を有する傾向がある。従って、ミクロン〜ナノサイズの粒子は、典型的に望ましい。粘性懸濁製剤では、本発明の約2ミクロン〜約7ミクロンの粒子は、シミュレーションモデル試験に基づいて、室温で、少なくとも20年間沈殿しない。本発明の粒子製剤の実施形態では、埋め込み型浸透圧式送達デバイスで使用のために、約50ミクロン未満、より好ましくは約10ミクロン未満、より好ましくは約2ミクロン〜約7ミクロンの範囲の粒子を含む。
いくつかの実施形態では、粒子製剤の粒子は、懸濁ビヒクルからの粒子の分離(例えば、浮遊または沈殿)を最小化するために、懸濁ビヒクルの比密度に実質的に同様(例えば、20%、10%、5%、2%または1%以内)である比密度を有する。
一実施形態では、薬物粒子製剤は、上述のような薬物、1つ以上の安定化剤、及び必要に応じて緩衝剤を含む。安定化剤は、例えば、糖類、抗酸化剤、アミノ酸、緩衝剤、無機化合物、または界面活性剤であり得る。
粒子製剤中に含まれ得る糖類の例としては、限定されないが、単糖(例えば、フルクトース、マルトース、ガラクトース、グルコース、D−マンノース、及びソルボース)、二糖(例えば、ラクトース、スクロース、トレハロース、及びセロビオース)、多糖(例えば、ラフィノース、メレジトース、マルトデキストリン、デキストラン、及びデンプン)、並びにアルジトール(非環式ポリオール;例えば、マンニトール、キシリトール、マルチオール、ラクチトール、キシリトール、ソルビトール、ピラノシル、ソルビトール、及びミオインシトール)が挙げられる。好ましい糖類には、スクロース、トレハロース、及びラフィノースなどの二糖及び/または非還元性糖が挙げられる。
粒子製剤中に含まれ得る抗酸化剤の例としては、限定されないが、メチオニン、アスコルビン酸、チオ硫酸ナトリウム、カタラーゼ、プラチナ、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、クエン酸、システイン、チオグリセロール、チオグリコール酸、チオソルビトール、ブチルヒドロキシアニソール、ブチルヒドロキシルトルエン、及び没食子酸プロピルが挙げられる。さらに、容易に酸化するアミノ酸、例えば、システイン、メチオニン、及びトリプトファンは、抗酸化剤として使用され得る。
粒子製剤中に含まれ得るアミノ酸の例としては、限定されないが、アルギニン、メチオニン、グリシン、ヒスチジン、アラニン、L−ロイシン、グルタミン酸、イソロイシン、L−スレオニン、2−フェニルアラニン、バリン、ノルバリン、プラリン、フェニルアラニン、トリプトファン、セリン、アスパラギン、システイン、チロシン、リシン、及びノルロイシンが挙げられる。
粒子製剤中に含まれ得る緩衝剤の例としては、限定されないが、クエン酸塩、ヒスチジン、コハク酸遠、リン酸塩、マレイン酸塩、トリス、酢酸塩、糖類、及びgly−glyが挙げられる。
粒子製剤中に含まれ得る無機化合物の例としては、限定されないが、NaCl、NaSO、NaHCO、KCl、KHPO、CaCl、及びMgClが挙げられる。
加えて、粒子製剤には、界面活性剤及び塩などの、他の安定化剤/賦形剤が含まれ得る。界面活性剤の例としては、限定されないが、ポリソルベート20、ポリソルベート80、PLURONIC(登録商標)(BASF Corporation,Mount Olive,NJ)F68、及びドデシル硫酸ナトリウム(SDS)が挙げられる。塩の例としては、限定されないが、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、及び塩化マグネシウムが挙げられる。
粒子製剤中に含まれる全ての成分は、典型的には、哺乳動物、特にヒトにおいて、医薬的な使用について許容される。
要約すると、選択された薬物または薬物の組み合わせは、薬物の最大の化学的及び生物学的安定性を保存する、固体状態中の乾燥粉末に製剤化される。粒子製剤は、高温での長期保存安定性を提供し、従って、長期間の、安定的で生物学的に有効な薬物の患者への送達を可能にする。
懸濁ビヒクル
一態様では、懸濁ビヒクルは、薬物粒子製剤が分散された安定的な環境を提供する。薬物粒子製剤は、懸濁ビヒクル中で化学的及び物理学的に安定(上述のように)である。懸濁ビヒクルは、典型的には、1つ以上のポリマー、及び薬物を含む粒子を均一に懸濁するのに十分な粘度の溶液を形成する1つ以上の溶媒を含む。懸濁ビヒクルは、界面活性剤、抗酸化剤、及び/またはビヒクルに溶解性の他の化合物を含むがこれに限定されない、さらなる成分を含み得る。
懸濁ビヒクルの粘度は、典型的には、送達の方法、例えば、埋め込み型浸透圧式送達デバイスにおける保存及び使用の間、薬物粒子製剤が沈殿することを防ぐのに十分である。薬物粒子が生物額的環境に溶解され、粒子中の活性薬剤成分(すなわち、薬物)が吸収される一方で、懸濁ビヒクルが生物学的環境に反応して長期間にわたり分解され、または破壊される点で、懸濁ビヒクルは生物分解性である。
実施形態では、懸濁ビヒクルは、物理的及び化学的に全体が均一である固体、半固体、または液体均一系である「単相」懸濁ビヒクルである。
ポリマーが溶解される溶媒は、懸濁製剤の特性、例えば、保存の間の薬物粒子製剤の性質に影響を及ぼす。溶媒は、得られる懸濁ビヒクルが水性環境と接触した場合に相分離を示すように、ポリマーと組み合わせて選択され得る。本発明のいくつかの実施形態では、溶媒は、得られる懸濁ビヒクルがおよそ約10%未満の水を有する水性の環境と接触した場合に相分離を示すように、ポリマーと組み合わせて選択され得る。
溶媒は、水と混和しない許容される溶媒でもよい。溶媒はまた、ポリマーが高い濃度で、例えば、約30%超のポリマー濃度で溶媒に溶解できるように、選択され得る。本発明の実施に有用な溶媒の例は、ラウリルアルコール、安息香酸ベンジル、ベンジルアルコール、乳酸ラウリル、デカノール(デシルアルコールとも称される)、エチルヘキシル乳酸、及び長鎖(C〜C24)脂肪族アルコール、エステル、またはそれらの混合物を含むがこれに限定されない。懸濁ビヒクルに用いられる溶媒は、それが低水分含量を有する「乾燥状態」でもよい。懸濁ビヒクルの製剤化に使用のための好ましい溶媒は、乳酸ラウリル、ラウリルアルコール、安息香酸ベンジル、及びそれらの混合物を含む。
本発明の懸濁ビヒクルの製剤化のためのポリマーの例は、ポリエステル(例えば、ポリ乳酸、及びポリ乳酸ポリグリコール酸)、ピロリドンを含むポリマー(例えば、約2,000〜約1,000,000に及ぶ分子量を有するポリビニルピロリドン)、不飽和アルコールのエステルまたはエーテル(例えば、酢酸ビニル)、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック共重合体、またはそれらの混合体を含むが、これに限定されない。ポリビニルピロリドンは、粘度指数であるそのK−値(例えば、K−17)により、特徴付けられ得る。一実施形態では、ポリマーは、2,000〜1,000,000の分子量を有するポリビニルピロリドンである。好ましい実施形態では、ポリマーは、ポリビニルピロリドンK−17(典型的には、7,900〜10,800の範囲のおよその平均分子量を有する)である。懸濁ビヒクルに用いられるポリマーは、1つ以上の様々なポリマーを含み得、または1つのポリマーの様々なグレードを含み得る。懸濁ビヒクルに用いられるポリマーはまた、乾燥している、または低水分含量を有する。
一般的に言えば、本発明において使用のための懸濁ビヒクルは、所望のパフォーマンス特性に基づく組成に変更し得る。一実施形態では、懸濁ビヒクルは、約40重量%〜約80重量%ポリマー(複数可)、及び約20重量%〜約60重量%溶媒(複数可)を含み得る。懸濁ビヒクルの好ましい実施形態は、以下の比:約25重量%溶媒及び約75重量%ポリマー;約50重量%溶媒及び約50重量%ポリマー;約75重量%溶媒及び約25重量%ポリマーで合わされたポリマー(複数可)及び溶媒(複数可)で形成されるビヒクルを含む。従って、いくつかの実施形態では、懸濁ビヒクルは、選択された成分を含み得、他の実施形態では、実質的に選択された成分からなる。
懸濁ビヒクルは、典型的には、所定の時間、粒子製剤の均一分散を維持する粘度を提供するために製剤化される。この助けは、薬物粒子製剤に含まれる薬物の制御された送達を提供するために、懸濁製剤を適合させることを容易にする。懸濁ビヒクルの粘度は、所望の適用、粒子製剤の大きさ及び種類、並びに懸濁ビヒクルにおける粒子製剤の充填に応じて変更し得る。懸濁ビヒクルの粘度は、用いられる溶媒またはポリマーの種類または相対量を変えることにより変更し得る。
懸濁ビヒクルは、約100ポアズ〜約1,000,000ポアズ、好ましくは約1,000ポアズ〜約100,000ポアズに及ぶ粘度を有し得る。好ましい実施形態では、懸濁ビヒクルは、典型的には、33℃で約5,000ポアズ〜約30,000ポアズ、好ましくは約8,000ポアズ〜約25,000ポアズ、より好ましくは約10,000ポアズ〜約20,000ポアズの粘度を有する。一実施形態では、懸濁ビヒクルは、33℃で約15,000ポアズ、プラスマイナス約3,000ポアズの粘度を有する。粘度は、平行板レオメーターを用いて、33℃で、10−4/秒のせん断率で測定され得る。
懸濁ビヒクルは、水性の環境と接触した場合、相分離を示し得る;しかしながら、典型的には、懸濁ビヒクルは、温度に応じて実質的に相分離を示さない。例えば、約0℃〜約70℃に及ぶ温度で、及び温度循環、例えば、4℃〜37℃〜4℃の循環において、懸濁製剤は、典型的に相分離を示さない。
懸濁ビヒクルは、乾燥条件下で、例えば、乾燥箱内で、ポリマー及び溶媒を混合することにより調製され得る。ポリマー及び溶媒は、上昇した温度、例えば、約40℃〜約70℃で混合され得り、液化され、単一相を形成され得る。原料は、乾燥原料から生じる気泡を除去するために真空下で混合され得る。原料は、従来の混合器、例えば、約40rpmの速度で設定された二重螺旋回転羽、または同様の混合器、を用いて混合され得る。しかしながら、高速度はまた、原料を混合するために使用され得る。一度、原料の溶液が得られると、懸濁ビヒクルは室温まで冷却され得る。示差走査熱量測定法(DSC)は、懸濁ビヒクルが単一相であることを確認するために使用され得る。さらに、ビヒクルの成分(例えば、溶媒及び/またはポリマー)は、ペルオキシダーゼを実質的に減少、または実質的に除去するために処置され得る(例えば、メチオニンでの処置による;例えば、米国特許出願公開第2007/0027105号を参照されたい)。
薬物粒子製剤は、懸濁製剤を形成するために懸濁ビヒクルに添加される。いくつかの実施形態では、懸濁製剤は、薬物粒子製剤、及び懸濁ビヒクルを含み得、他の実施形態では、本質的に、薬物粒子製剤、及び懸濁ビヒクルからなる。
懸濁製剤は、懸濁ビヒクル中に粒子製剤を分散させることにより調製され得る。懸濁ビヒクルは加熱され得、粒子製剤は、乾燥条件下で懸濁ビヒクルに添加され得る。原料は、真空下で、上昇した温度、例えば、約40℃〜約70℃で混合され得る。原料は、十分な速度で、例えば、約40rpm〜約120rpmで、十分な時間、例えば約15分、懸濁ビヒクル中での粒子製剤の均一な分散を達成するために、混合され得る。混合器は、二重螺旋回転羽または他の好適な混合器でもよい。得られた混合物は、混合器から取り除かれ、水が懸濁製剤に混入することから防ぐために乾燥容器に密閉され、さらなる使用、例えば、埋め込み型薬物送達デバイス、単一の用量容器、または複数用量容器への充填の前に、室温に冷却され得る。
懸濁製剤は、典型的には、約10重量%未満、好ましくは、約5重量%未満、より好ましくは、約4重量%未満の全体の水分含量を有する。
好ましい実施形態では、本発明の懸濁製剤は、実質的に均一であり、対象への浸透圧式送達デバイスから薬物粒子製剤の送達を提供するために流動性を有する。
要約すると、懸濁ビヒクルの成分は、生体適合性を提供する。懸濁ビヒクルの成分は、薬物粒子製剤の安定的な懸濁液を形成するために好適な物理化学的性質を提供する。これらの性質は、以下:懸濁液の粘度;ビヒクルの純度;ビヒクルの残余水分;ビヒクルの密度;乾燥粉末との親和性;埋め込み型デバイスとの適合性;ポリマーの分子量;ビヒクルの安定性;及びビヒクルの疎水性及び親水性を含むがこれに限定されない。これらの性質は、例えば、ビヒクル組成物のバリエーション、及び懸濁ビヒクルに用いられる成分の割合の操作により、操作され、制御され得る。
埋め込み型送達デバイスを介した送達
本明細書に記載される懸濁製剤は、本明細書に記載されるもののいずれかを含む、埋め込み型送達デバイスで使用され得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される懸濁製剤は、長期間にわたって、例えば、複数週間、複数月間、もしくは約1年またはそれ以上にわたって、ゼロ次の、連続的な、制御された、かつ持続した化合物の送達を提供する埋め込み型浸透圧式送達デバイスに使用され得る。そのような埋め込み型浸透圧式送達デバイスは、典型的には、所望の期間にわたって、所望の流速で、薬物を含む懸濁製剤を送達することができる。懸濁製剤は、従来の技術により、埋め込み型浸透圧式送達デバイスに充填され得る。
埋め込み型浸透圧式送達デバイスは、典型的には、少なくとも1つのオリフィスを有する容器を含み、それを通して懸濁製剤が送達される。懸濁製剤は、容器内に保存され得る。好ましい実施形態では、埋め込み型薬物送達デバイスは、薬物の送達が浸透圧的に駆動される浸透圧式送達デバイスである。いくつかの浸透圧式送達デバイス及びそれらの構成部分、例えば、DUROS(登録商標)送達デバイス、または同様のデバイスは記述される(例えば、米国特許第5,609,885号;同第5,728,396号;同第5,985,305号;同第5,997,527号;同第6,113,938号;同第6,132,420号;同第6,156,331号;同第6,217,906号;同第6,261,584号;同第6,270,787号;同第6,287,295号;同第6,375,978号;同第6,395,292号;同第6,508,808号;同第6,544,252号;同第6,635,268号;同第6,682,522号;同第6,923,800号;同第6,939,556号;同第6,976,981号;同第6,997,922号;同第7,014,636号;同第7,207,982号;同第7,112,335号;同第7,163,688号;米国特許出願公開第2005/0175701号、同第2007/0281024号、同第2008/0091176号、及び同第2009/0202608号を参照されたい)。
浸透圧式送達デバイスは、典型的には、浸透圧エンジン、ピストン、及び薬物製剤を含む円筒状容器からなる。容器は、一方の端において、所定の速度の半透膜により覆われ、他方の端において、薬物を含む懸濁製剤がそれを通して薬物容器から放出される拡散調節器に覆われる。ピストンは、浸透圧エンジンから薬物製剤を分離し、密閉を利用し、浸透圧エンジン区画において水が薬物容器に浸入することから防ぐ。拡散調節器は、体液がオリフィスを通して薬物容器に浸入することを防ぐために、薬物製剤とあわせて、設計される。
浸透圧式デバイスは、浸透圧の原理に基づいて所定の速度で薬物を放出する。細胞外液は、半透膜を通して浸透圧式送達デバイスに入り、遅く、一定の送達速度でのピストンを駆動するために拡大する塩エンジンに直接入る。ピストンの動作は、薬物製剤を、所定のせん断率で、オリフィスまたは出口を通して放出させる。本発明の一実施形態では、浸透圧式デバイスの容器は、懸濁製剤で充填され、ここで、デバイスは、長期間(例えば、約1、約3、約6、約9、約10、または約12ヶ月)にわたって、所定の治療的に有効な送達速度で、対象に懸濁製剤を送達することができる。
浸透圧式送達デバイスからの薬物の放出速度は、典型的には、薬物の所定の目的の用量、例えば、1日にわたって送達される治療的に有効な一日の用量で対象に提供され;つまり、デバイスからの薬物の放出速度は、対象への治療濃度での薬物の実質的な定常状態送達を提供する。
典型的には、浸透圧式送達デバイスのための、有益な薬剤製剤を含む有益な試薬チャンバーの容量は、約100μl〜約1000μl、より好ましくは、約120μl〜約500μl、より好ましくは、約150μl〜約200μlである。
典型的には、浸透圧式デバイスは、例えば、皮下薬物送達を提供するために、対象へ皮下に埋め込まれる。デバイス(複数可)は、腕(例えば、上腕の内側、外側、または後側に)、または腹部のいずれか、または双方に、皮下に埋め込まれ得る。腹部における好ましい場所は、肋骨の下、かつベルトのラインの上に及ぶ領域の腹部皮膚下である。腹部内で、1つ以上の浸透圧式送達デバイスの埋め込みのための多数の場所を提供するために、腹壁は、以下:右肋骨の下に少なくとも2〜3センチメートル、例えば、右肋骨の下に少なくとも約5〜8センチメートル、かつ正中線の左に少なくとも2〜3センチメートル、例えば、正中線の右に少なくとも約5〜8センチメートルに及ぶ右上の四半部;ベルトラインの上に少なくとも2〜3センチメートル、例えば、ベルトラインの上に少なくとも約5〜8センチメートル、かつ正中線の右に少なくとも2〜3センチメートル、例えば、正中線の右に少なくとも約5〜8センチメートルに及ぶ右下の四半部;左肋骨の下に少なくとも2〜3センチメートル、例えば、左肋骨の下に少なくとも約5〜8センチメートル、かつ正中線の左に少なくとも2〜3センチメートル、例えば、正中線の左に少なくとも約5〜8センチメートルに及ぶ左上の四半部;ベルトラインの上に少なくとも2〜3センチメートル、例えば、ベルトラインの上に少なくとも約5〜8センチメートル、かつ正中線の左に少なくとも2〜3センチメートル、例えば、正中線の左に少なくとも約5〜8センチメートルに及ぶ左下の四半部の4つの四半部に分けられ得る。これは、1つ以上の機会に関する1つ以上のデバイスの埋め込みのための複数の利用可能な位置を提供する。浸透圧式送達デバイスの埋め込み及び除去は、一般的に、局所麻酔(例えば、リドカイン)を用いて、医学の専門家により行われる。
対象からの浸透圧式送達デバイスの除去による処置の停止は、直接的であり、対象に対する薬物の送達の即時停止の重大な有用性を提供する。
浸透圧式送達デバイスは、薬物製剤が送達される出口(拡散調節器)の目詰まり(pluggingまたはclogging)のような、理論的状況における薬物の不注意な過剰送達またはボーラス送達を防止するためのフェイルセーフ機構を有するのが好ましい。薬物の不注意な過剰またはボーラス送達を防止するため、浸透圧式送達デバイスは、容器から拡散調節器を部分的または全体的に除去または追放するのに必要な圧力が、容器を減圧するのに必要な程度まで半透膜を部分的または全体的に除去または追放するのに必要な圧力を超えるように設計され、構築される。そのようなシナリオでは、半透膜を他端の外側に押すことによって、浸透圧を放出するまで、デバイス内に圧力を構築する。浸透圧式送達デバイスは、静的になり、ピストンが容器と密封関係でない限り、薬物製剤をもはや送達しない。
懸濁製剤は、輸液ポンプ、例えば、実験動物の連続投与用の小型の輸液ポンプであるALZET(登録商標)(DURECT Corporation,Cupertino,Calif.)浸透圧式ポンプにおいても使用され得る。
非埋め込み型送達デバイスを介した送達
本明細書に記載される懸濁製剤は、非埋め込み型送達デバイス、例えば、本明細書に記載されるもののいずれかで使用され得る。いくつかの実施形態では、非埋め込み型送達デバイスは、例えば、皮膚の表面上に置かれる小型パッチポンプ、例えば、JewelPUMP(商標)(Debiotech S.A.)である。JewelPUMP(商標)デバイスの投与は、調整可能かつプログラム可能である。このように、吐き気誘発性化合物の血漿中の平均定常状態濃度(Css)は、数日、数週間、または数ヵ月にわたって、対象中の用量増加の緩やかな上昇勾配を介して、または固定用量の連続投与を介して、徐々に達成することができる。JewelPUMP(商標)は、微小電気機械システム(MEMS)一体型かつ超高精度の使い捨てポンプチップ技術に基づいている。JewelPUMP(商標)は、化合物の投与のペイロードを有する使い捨てユニットを備える小型パッチポンプである。使い捨てユニットは、化合物で一度充填され、使用後に破棄される一方、制御ユニット(電子機器を含む)は、複数の使い捨てユニットを備え、2年間使用することができる。いくつかの実施形態では、JewelPUMP(商標)は、取り外し式の、入浴及び水泳のために防水であり、パッチポンプ上に直接アクセスボーラスボタン及び控えめな振動及び音響アラームを含む。いくつかの実施形態では、JewelPUMP(商標)は、遠隔制御される。
使用
当業者に知られている上記の薬物及び他の薬物は、以下:慢性疼痛、血友病及び他の血液障害、内分泌障害、代謝障害、非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、アルツハイマー病、心血管疾患(例えば、心不全、アテローム性動脈硬化症、及び急性冠症候群)、リウマチ性障害、糖尿病(1型、2型糖尿病、ヒト免疫不全ウイルス治療誘発、成人の潜在性自己免疫糖尿病、及びステロイド誘発を含む)、肥満、無自覚性低血糖、拘束性肺疾患、慢性閉塞性肺疾患、皮下脂肪萎縮、代謝症候群、白血病、肝炎、腎不全、感染症(例えば、細菌感染症、ウイルス感染症(例えば、ヒト免疫不全ウイルス、C型肝炎ウイルス、B型肝炎ウイルス、黄熱病ウイルス、ウエスト・ナイル・ウイルス、テング熱ウイルス、マールブルグ・ウイルス、及びエボラウイルスによる感染)、及び寄生虫感染症)、遺伝性疾患(例えば、セレブロシダーゼ欠損症、及びアデノシン・デアミナーゼ欠損症)、高血圧、敗血性ショック、自己免疫疾患(例えば、グレーブス病、全身性エリテマトーデス、多発性硬化症、及びリウマチ性関節炎)、ショック症及び消耗病、嚢胞性繊維症、乳糖不耐症、クローン病、炎症性腸疾患、消化管癌(結腸癌及び直腸癌を含む)、乳癌、白血病、肺癌、膀胱癌、腎臓癌、非ホジキンリンパ腫、膵臓癌、甲状腺癌、子宮内膜癌、及び他の癌)を含むがこれに限定されない、「種々の状態」のための治療の方法に有用である。さらに、いくつかの上述の薬剤は、結核、マラリア、リーシュマニア症、トリパノソーマ症(睡眠病、及びシャーガス病)、及び寄生虫を含むがこれに限定されない慢性治療を必要とする感染症の治療に有用である。
以下の実施例に記載されるように、ある特定の例示的な実施形態では、化合物は、以下の一般的な手順に従って調製される。一般的な方法は、本発明のある特定の化合物の合成を示しているが、本明細書に記載ように、以下の一般的方法及び当業者に公知の他の方法が、全ての化合物、及びこれらの化合物の各々のサブクラス及び分子種に適用することができることは理解されるであろう。
実施例1.血漿濃度プロファイル
図2〜8は、処方者の情報に従って投与した様々なGLP−1アゴニストの予測血漿濃度を示す。各血漿濃度は、ピーク血漿濃度の一部、すなわち、定常状態濃度(Css)として表される。予測は、血漿濃度の生データまたは単回皮下用量の公開された数値からデジタル化されたデータのいずれかによる、公開されたヒト薬物動態データに基づく。血漿濃度は、皮下貯留物から血漿への吸収速度定数、及び血漿区画からの別の排出速度定数に基づいて、図13に示すように、薬剤ごとの「吸収+単一成分減退」を説明するモデルにフィッティングした。データは、Prism v7.0(GraphPad Software Inc.,San Diego,CA)内の反復最小二乗法を介した非線形回帰を用いてフィッティングした。
単回皮下ボーラス用の導出された血漿濃度プロファイルは、血漿濃度が無視できるまで、投薬時間から延長した。このプロファイルは、指定された投与間隔によって決定された期間をずらし、推奨用量増加によって決定された大きさで、それ自体に連続的に追加される。数値合計は、各プロットで黒線として示す。
理想の血漿濃度プロファイルは、各プロットで濃いオレンジ色の線として示す。
薬物濃度の変化率、特に、正の変化率、d[薬物]/dtは、上記のように合計した血漿濃度プロファイルの一階微分として導出した。d[薬物]/dtは、指示用量の定常状態平均濃度のパーセントに削減した「d[薬物]」単位として表し、異なる効力及び薬物動態を有する薬剤間で比較することができた。「dt」単位は、時間であった。図10及び12のX軸は、「定常状態平均(すなわち、Css)の%/時間」の単位で得られた、d[薬物]/dtを表す。
実施例2.効力シフトによって評価されたアルブミン結合
以下のアッセイを使用して、GLP−1受容体が溶液中の遊離ペプチドによって活性化されたが、アルブミンに結合したペプチドによってはそれほどでもないかどうかを試験した。低(0.1%)HSAで観察された効力に対する、ヒト血清アルブミン(4%のHSA)の生理的濃度の存在下でのGLP−1受容体の活性化の効力の減少は、アルブミン結合の程度の指標として使用した。発現されたヒトGLP−1受容体の活性化は、以下のように決定した:
GLP−1受容体を、培養CHO−K1細胞中で一時的に発現した:1×10個のCHO−K1細胞をT75フラスコ中に播種し、維持培地中で48時間培養し、GLP−1受容体発現構築物でトランスフェクトした。トランスフェクションに関して、GLP1R含有プラスミドDNAを、OptiMEM1及びリポフェクタミン2000と混合し、室温で20分間インキュベートし、CHO−K1細胞に直接添加した後、1×DPBS+/+で単回洗浄吸引ステップを行った。細胞を37℃、5%のCOで48時間インキュベートし、受容体を発現させた。
GLP−1R発現細胞のペプチド処理に関して、各試験ペプチドの10−4Mストックを刺激緩衝剤中で2×10−7Mの濃度に希釈した後、刺激緩衝剤で10倍に連続希釈し、2×10−7M〜2×10−17Mの範囲の2×ペプチド作用濃度を生成した。
トランスフェクション混合物の吸引後、hGLP1R発現CHO−K1細胞を洗浄し、1×DPBS−/−で1回吸引した。細胞を解離し、さらにインキュベートし、繰り返しピペッティング(20×)して、均一懸濁液を生成した後、セロメーターミニ(Nexcelom Bioscience)を用いて計数した。懸濁液を150×gで5分間遠心分離し、上清を除去した後、刺激緩衝剤中で1×10個の細胞/ミリリットルの密度に再懸濁した。画分Vヒト血清アルブミンの0.1%または4%(またはパイロット研究の場合、0、0.0125、0.025、0.05、0.1、0.2、1、2、及び4%の最終濃度)のいずれかの細胞懸濁液(500個の細胞/ウェル)及び試験ペプチドのアリコートを、384ウェルの白い不透明なOptiPlate(PerkinElmer番号6007299)の4つに分注されたウェルに添加した。別途、ホルスコリン(システムcAMP最大制御)及び緩衝剤(システムcAMP最小制御)をインキュベートした。
プレートを覆い、室温で30分間インキュベートし、パーキンエルマー社製のLANCE Ultra cAMPシステムを用いて、cAMP蓄積を評価した。トレーサー及びUlight(登録商標)抗cAMP溶液の添加後、暗中で60分間さらにインキュベートし、SoftMax Pro(バージョン5.4.6.005)を実行するモレキュラーデバイスフレックスステーションIIIマルチモードプレートリーダー(番号0310〜5627)上でアッセイプレートを読み取った。
試験値をホルスコリン誘発cAMPシステム最大値に正規化した。導出したcAMP応答データは、Prism v6.07(GraphPad Software,San Diego,CA)を用いて、3パラメーターロジスティック曲線にフィッティングした。式:pEC50=−Log(EC50)を用いて、EC50値をpEC50値に変換した。推定pEC50値ごとに、標準誤差及びR値も決定した。
結果:ヒトGLP−1受容体でのリラグルチド及びセマグルチドの効力は、インキュベーションにおける最終アルブミン濃度に依存した。効力は、アルブミン濃度の増加に伴って減少し、変化の中点値は、約0.6%のアルブミン濃度で生じた。図14を参照されたい。
その後、効力シフトを、0.1%(それ以下では効力のさらなる獲得はなかった)及び4%(血漿中でみられる濃度に近似する)のアルブミン濃度で評価した。
嘔吐の緩和と効力シフトの関連:0.1%のアルブミン対4%のアルブミンの効力シフトを、ヒトGLP−1[7−36]NH、リラグルチド、及びセマグルチドについて決定した。4%のアルブミン中のヒトGLP−1[7−36]NHの効力は、少し(1.8倍)増加した。これに対し、リラグルチドの効力は、9.3倍の低下で、セマグルチドの効力は、19.9倍低下した。GLP−1[7−36]NHで観察された効果と比べて、これらは、効力の17.2倍及び36.8倍の低下を表す。図15を参照されたい。
吐き気誘発性ペプチドの連続送達の開始時のヒト薬物動態の変化及び吐き気の緩和は、ヒトGLP−1[7−36]NHと比べて、著しいアルブミン媒介効力シフト(例えば、セマグルチドの36.8倍)を示すペプチドが考えられる。吐き気があまり緩和されないのは、比較的控えめなアルブミン媒介効力シフト(例えば、リラグルチドの17.2倍)を示す吐き気誘発性ペプチドの連続送達が考えられる。従って、吐き気誘発性ペプチドを4%のアルブミンに暴露する際の効力の低下は、本明細書に記載される方法に従って、吐き気誘発性ペプチドを連続投与する際の吐き気の発生率及び/または有病率の低下に相関すると考えられる。
実施例3.動物における嘔吐の代理の測定
動物モデルは、吐き気を報告できない。いくつかのモデル、例えば、げっ歯類は、嘔吐しないため、ラットの嘔吐は、吐き気の代理としても利用できない。
理論に束縛されるものではないが、吐き気誘発性化合物は、栄養素、食事関連ペプチド及び他の化学信号を感知する脳幹構造である延髄最後野でのニューロンを活性化を介してそれらの効果を媒介することが知られている。同じ構造が、これらの同じペプチドの食欲減退効果及び栄養素刺激を媒介する。通常に嘔吐する種であるイヌは、延髄最後野が外科的に切除されている場合にはもはや嘔吐しない。他の種では、栄養素及び食事関連ペプチドに応答する食物摂取の制御も、延髄最後野を切除した場合に損なわれる。従って、満腹、拒食症、吐き気、及び嘔吐は、共通の解剖学的構造を介して媒介された応答の連続体としてみなされ得る。ある応答のパターンの変更は、別のパターンの変更をマップすることが合理的に期待され得る。
食物摂取の量及びパターンは、測定可能であるため、吐き気発症のダイナミクスにおける変化の代理として使用することができる。
方法:雄のLong Evansラットに自由摂食させることによる食物摂取を継続的に測定する。食物(Research Diets D12451i;45%の脂肪)は、BioDAQシステム内のディスペンサーに含まれ、そこに含まれるロードセル上の食物塊の減少としてその消費を継続的に記録した。4日にわたる摂取データを1時間エポックにビニングし、投与後の様々な時間にわたりかつ昼食周期全体を通じて用量と化合物の間の効果を比較することができる。
データは、累積効果または瞬時効果(単回「ビン」内)として分析することができる。
BioDAQ環境に順応した1週間後、動物に単回用量の食欲不振/吐き気誘発性薬剤を皮下注入する。
1.非アルブミン結合GLP−1受容体アゴニストの一例として、エクセナチドは、0(ビヒクル)、0.001、0.003、0.01、0.03、0.1、及び1.0mg/kg(n=8/用量群)の単回用量で投与される。
2.アルブミン−結合GLP−1受容体アゴニストの一例として、セマグルチドは、0(ビヒクル)、0.001、0.003、0.01、0.03、0.1及び0.3mg/kg(n=8/用量群)の用量で投与され、食物摂取及び食物摂取のパターンを5日間フォローした。
3.著しいアルブミン結合親和性を有さないGLP−1アゴニストクラス外の食欲減退ペプチドの一例として、プラムリンチド(アミリンアゴニスト)は、0(ビヒクル)、0.01、0.03、0.1、0.3、1.0及び3.0mg/kg(n=8/用量群)の用量で投与され、食物摂取及び食物摂取のパターンを40時間フォローした。
4.GLP−1アゴニストクラス外のアルブミン結合ペプチドの一例として、米国特許第9,023,789 B2号(Novo Nordisk)からの実施例109、アミリンアゴニストは、0(ビヒクル)、0.001、0.003、0.01、0.03、0.1及び0.3mg/kg(n=8/用量群)の用量で投与され、食物摂取及び食物摂取のパターンを5日間フォローした。
吐き気の低下の利益をマップする薬力学的プロファイルの差を示すため、これらの薬剤をALzet 2ML2小型浸透圧式ポンプを介して連続送達する。外科的移植後、動物をBioDAQ環境に戻し、摂食行動を連続測定した。上記の(1)〜(4)に記載される薬剤を0(ビヒクル)、0.001、0.003、0.01、0.03、0.1、及び0.3mg/kg/日の注入速度で送達するように設計された製剤をポンプに装填する。
実施例4.薬物動態方法
血管アクセスポート(Instech)を大腿及び頸静脈に予め埋め込んだ雄のSprague Dawleyラット(Charles River Laboratories,Raleigh)で、ペプチドの薬物動態を研究する。
静脈内薬物動態を特徴付けるため、ペプチドを0.033mg/kgの総用量で1時間静脈内注入する。250μLの試料は、t=0.25、0.5、0.75、1、1.17、1.33、1.5、2、3、5、9、24時間で、頸静脈ポートから採取する。試料は、25μLのKEDTA、プロテアーゼ阻害剤カクテルと混合される。1時間試料は、静脈内ペプチド輸液の停止前に採取される。n=3の動物/群である。
皮下薬物動態を特徴付けるため、ペプチドを0.3mg/kg(2.5mL/kg)のボーラス用量で皮下注射する。試料は、注射した0.083、0.167、0.25、0.5、1、2、4、8、24、及び30時間後に採取する。n=3の動物/群である。
本発明者らは、本発明の多くの実施形態を記載したが、本発明者らの基本的な実施例は、本発明の化合物及び方法を利用する他の実施形態を提供するために変更され得ることは明白である。従って、本発明の範囲は、実施例によって表される特定の実施形態よりもむしろ、添付の特許請求の範囲によって規定されることが理解される。

Claims (69)

  1. 対象の治療方法であって、
    前記対象を、吐き気誘発性化合物を含む薬物送達デバイスと接触させること、前記薬物送達デバイスは、前記吐き気誘発性化合物を前記対象に投与し、前記接触させることは、前記吐き気誘発性化合物を含む前記薬物送達デバイスを第1の臨床試験中のヒト患者集団に投与した後に生じ;
    前記吐き気誘発性化合物を含む前記薬物送達デバイスを投与した前記ヒト患者集団の10%未満は、前記第1の臨床試験中に吐き気及び/または嘔吐を有すると報告された、
    を含む、前記方法。
  2. 前記ヒト患者集団の5%未満が、前記第1の臨床試験中に吐き気及び/または嘔吐を有すると報告された、請求項1に記載の方法。
  3. 対象の治療方法であって、
    前記対象を、吐き気誘発性化合物を含む薬物送達デバイスと接触させること、前記薬物送達デバイスは、前記吐き気誘発性化合物を前記対象に投与し、
    吐き気及び/または嘔吐の発生率は、連続用量の前記吐き気誘発性化合物を含む前記薬物送達デバイスの第1のヒト患者集団への投与に関する第1の臨床試験中10%以下であり;及び
    吐き気及び/または嘔吐の発生率は、注射または経口用量の前記吐き気誘発性化合物の第2のヒト患者集団への投与に関する第2の臨床試験中15%以上である、
    を含む、前記方法。
  4. 対象の治療方法であって、
    前記対象を、吐き気誘発性化合物を含む薬物送達デバイスと接触させること、前記薬物送達デバイスは、前記吐き気誘発性化合物を前記対象に投与し、
    連続用量の前記吐き気誘発性化合物を含む前記薬物送達デバイスの第1のヒト患者集団への投与に関する第1の臨床試験中の、前記第1のヒト患者集団の割合として報告された、吐き気及び/または嘔吐の発生率は、注射または経口用量の前記吐き気誘発性化合物の第2のヒト患者集団への投与に関する第2の臨床試験中の、前記第2のヒト患者集団の割合として報告された、吐き気及び/または嘔吐の発生率と比べて少なくとも20%低下する、
    を含む、前記方法。
  5. 対象中の2型糖尿病を治療する、先行請求項いずれか1項に記載の方法。
  6. 前記吐き気誘発性化合物が、吐き気誘発性ペプチドである、先行請求項いずれか1項に記載の方法。
  7. 前記吐き気誘発性化合物が、長時間作用型吐き気誘発性ペプチドである、先行請求項いずれか1項に記載の方法。
  8. 2型糖尿病の対象を治療する、先行請求項いずれか1項に記載の方法であって、
    前記対象を、長時間作用型吐き気誘発性ペプチドを含む埋め込み型浸透圧式薬物送達デバイスと接触させることを含む、前記方法。
  9. 前記長時間作用型吐き気誘発性ペプチドが、GLP−1受容体アゴニスト、PYYアナログ、アミリンアゴニスト、CGRPアナログ、またはニューロテンシンアナログから選択される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  10. 前記吐き気誘発性化合物が、GLP−1受容体アゴニストである、先行請求項いずれか1項に記載の方法。
  11. 前記長時間作用型GLP−1受容体アゴニストが、生体適合性ポリマー中に分散したエクセナチド(Bydureon(登録商標))、セマグルチド(Ozempic(登録商標))、リラグルチド(Victoza(登録商標))、アルビグルチド(Tanzeum(登録商標))、またはデュラグルチド(Trulicity(登録商標))である、請求項10に記載の方法。
  12. 前記長時間作用型GLP−1受容体アゴニストが、セマグルチドである、請求項11に記載の方法。
  13. 前記長時間作用型GLP−1受容体アゴニストが、リラグルチドである、請求項11に記載の方法。
  14. 前記長時間作用型GLP−1受容体アゴニストが、アルビグルチドである、請求項11に記載の方法。
  15. 前記長時間作用型GLP−1受容体アゴニストが、デュラグルチドである、請求項11に記載の方法。
  16. 前記長時間作用型GLP−1受容体アゴニストが、生体適合性ポリマー中に分散したエクセナチドである、請求項11に記載の方法。
  17. 前記薬物送達デバイスが、前記吐き気誘発性化合物を前記対象に投与し、
    投与の開始後の最初の24時間中に、前記吐き気誘発性化合物の平均定常状態濃度(Css)の90%未満またはそれ以下が、前記対象の血漿中で達成され;及び
    ssが達成されると、前記吐き気誘発性化合物のCssを、前記対象の血漿中で少なくとも2週間維持する、先行請求項いずれか1項に記載の方法。
  18. 対象の治療方法であって、
    前記対象を、1用量の吐き気誘発性化合物を含む薬物送達デバイスと接触させること
    を含み、
    前記薬物送達デバイスが、前記吐き気誘発性化合物を前記対象に投与し、
    投与の開始後の最初の24時間中に、前記吐き気誘発性化合物の平均定常状態濃度(Css)の90%未満またはそれ以下が、前記対象の血漿中で達成され;及び
    ssが達成されると、前記吐き気誘発性化合物のCssを、前記対象の血漿中で少なくとも2週間維持する、前記方法。
  19. 吐き気の発生率が、治療中に前記対象中で低下する、請求項17または18に記載の方法。
  20. 吐き気の発生率が、治療した対象の10%未満である、請求項17〜19のいずれか1項に記載の方法。
  21. 吐き気の発生率が、治療した対象の5%未満である、請求項17〜20のいずれか1項に記載の方法。
  22. 投与の開始後の最初の2日間中に、前記吐き気誘発性化合物の平均定常状態濃度(Css)の90%未満またはそれ以下が、前記対象の血漿中で達成される、請求項17〜21のいずれか1項に記載の方法。
  23. 投与の開始後の最初の7日間中に、前記吐き気誘発性化合物の平均定常状態濃度(Css)の90%未満またはそれ以下が、前記対象の血漿中で達成される、請求項17〜22のいずれか1項に記載の方法。
  24. 投与の開始後の最初の14日間中に、前記吐き気誘発性化合物の平均定常状態濃度(Css)の90%未満またはそれ以下が、前記対象の血漿中で達成される、請求項17〜23のいずれか1項に記載の方法。
  25. 投与の開始後の最初の12時間中の、前記吐き気誘発性化合物の血漿中の初期濃度(C)が、前記対象中で得られるであろう前記吐き気誘発性化合物の血漿中の平均定常状態濃度(Css)の25%未満またはそれ以下である、請求項17〜24のいずれか1項に記載の方法。
  26. d[吐き気誘発性化合物]/dtが、前記吐き気誘発性化合物の平均定常状態濃度(Css)/時間の4%未満である、請求項17〜25のいずれか1項に記載の方法。
  27. d[吐き気誘発性化合物]/dtが、前記吐き気誘発性化合物の平均定常状態濃度(Css)/時間の2%未満である、請求項17〜26のいずれか1項に記載の方法。
  28. d[吐き気誘発性化合物]/dtが、前記吐き気誘発性化合物の平均定常状態濃度(Css)/時間の1%未満である、請求項17〜27のいずれか1項に記載の方法。
  29. d[吐き気誘発性化合物]/dtが、前記吐き気誘発性化合物の平均定常状態濃度(Css)/時間の0.5%未満である、請求項17〜28のいずれか1項に記載の方法。
  30. d[吐き気誘発性化合物]/dtが、前記吐き気誘発性化合物の平均定常状態濃度(Css)/時間の0.25%未満である、請求項17〜29のいずれか1項に記載の方法。
  31. d[吐き気誘発性化合物]/dtが、前記吐き気誘発性化合物の平均定常状態濃度(Css)/時間の4%未満であり;及び
    前記吐き気誘発性化合物の平均定常状態濃度(Css)の90%未満またはそれ以下が、投与後の最初の7日間中に前記対象の血漿中で達成される、請求項17〜30のいずれか1項に記載の方法。
  32. 前記吐き気誘発性化合物の血漿濃度中で実質的なピークトラフ変動を被ることがない、請求項17〜31のいずれか1項に記載の方法。
  33. 吐き気誘発性化合物の最大定常状態濃度Cmaxが、前記吐き気誘発性化合物の平均定常状態濃度(Css)を実質的に超えない、請求項17〜32のいずれか1項に記載の方法。
  34. 前記吐き気誘発性化合物の平均定常状態濃度(Css)が、前記対象中で到達すると、少なくとも1ヵ月間実質的に維持される、請求項17〜33のいずれか1項に記載の方法。
  35. 前記吐き気誘発性化合物が、1日〜14日間のヒト中の消失半減期(t1/2)を有する、請求項1〜34のいずれか1項に記載の方法。
  36. 前記吐き気誘発性化合物が、6日〜10日間のヒト中の消失半減期(t1/2)を有する、請求項1〜35のいずれか1項に記載の方法。
  37. 前記デバイスが、埋め込み型薬物送達デバイスである、請求項1〜36のいずれか1項に記載の方法。
  38. 前記デバイスが、埋め込み型浸透圧式薬物送達デバイスである、請求項1〜37のいずれか1項に記載の方法。
  39. 接触させることが、前記埋め込み型浸透圧式薬物送達デバイスの皮下配置を含む、請求項38に記載の方法。
  40. 前記埋め込み型浸透圧式薬物送達デバイスが、連続用量の前記吐き気誘発性化合物を投与する、請求項38に記載の方法。
  41. 前記吐き気誘発性化合物が、長時間作用型吐き気誘発性ペプチドである、請求項1〜40のいずれか1項に記載の方法。
  42. 前記デバイスが、非埋め込み型送達デバイスである、請求項1〜36のいずれか1項に記載の方法。
  43. 接触させることが、前記非埋め込み型送達デバイスを前記患者の皮膚の外面に固定することを含む、請求項42に記載の方法。
  44. 対象中の糖尿病を治療する、請求項1〜43のいずれか1項に記載の方法。
  45. 対象中の2型糖尿病を治療する、請求項1〜44のいずれか1項に記載の方法。
  46. 前記薬物送達デバイスが、前記吐き気誘発性化合物の固体懸濁液を含む、請求項1〜45のいずれか1項に記載の方法。
  47. 前記薬物送達デバイスが、前記吐き気誘発性化合物の無水製剤を含む、請求項1〜46のいずれか1項に記載の方法。
  48. 前記吐き気誘発性化合物が、非常に低濃度の0.1%のヒト血清アルブミンの存在下でのその意図した受容体への結合親和性と比較した場合に、4%ヒト血清アルブミンの存在下で20〜50倍低下する結合親和性を有する長時間作用型吐き気誘発性ペプチドである、請求項1〜47のいずれか1項に記載の方法。
  49. 前記吐き気誘発性化合物が、1マイクロモル/リットル以下の、アルブミンとの会合の見かけの解離定数を有する長時間作用型吐き気誘発性ペプチドである、請求項1〜48のいずれか1項に記載の方法。
  50. 前記吐き気誘発性化合物が、0.002/秒以下の、アルブミンからの吐き気誘発性化合物の解離のオフ速度を有する長時間作用型吐き気誘発性ペプチドである、請求項1〜49のいずれか1項に記載の方法。
  51. 前記吐き気誘発性化合物が、ヒト血清アルブミン(HSA)に結合し、かつ、非常に低濃度の0.1%のヒト血清アルブミンの存在下でのアルブミン媒介効力と比べて、4%ヒト血清アルブミンの存在下でその効力の10〜25倍の低下を示す、アシル化の長時間作用型GLP−1受容体アゴニストである、請求項1〜50のいずれか1項に記載の方法。
  52. 前記吐き気誘発性化合物が、ヒト血清アルブミン(HSA)に結合し、かつ、ヒトGLP−1[7−36]NHの効力シフトに比べて、20〜50倍のアルブミン媒介効力シフトを示す、アシル化の長時間作用型GLP−1受容体アゴニストである、請求項1〜51のいずれか1項に記載の方法。
  53. 前記吐き気誘発性化合物が、吐き気誘発性ペプチドである、請求項1〜52のいずれか1項に記載の方法。
  54. 前記吐き気誘発性化合物が、長時間作用型吐き気誘発性ペプチドである、請求項1〜53のいずれか1項に記載の方法。
  55. 2型糖尿病の対象の治療方法であって、
    前記対象を、長時間作用型吐き気誘発性ペプチドを含む埋め込み型浸透圧式薬物送達デバイスと接触させること
    を含む、前記方法。
  56. 前記吐き気誘発性化合物または長時間作用型吐き気誘発性ペプチドが、スペーサーを介して、前記ペプチドに必要に応じて結合した親油基を含む、請求項1〜54のいずれか1項に記載の方法。
  57. 前記吐き気誘発性化合物または長時間作用型吐き気誘発性ペプチドが、皮下投与後、ヒト中で少なくとも約24時間のt1/2を有する、請求項1〜56のいずれか1項に記載の方法。
  58. 前記長時間作用型吐き気誘発性ペプチドが、GLP−1受容体アゴニスト、PYYアナログ、アミリンアゴニスト、CGRPアナログ、またはニューロテンシンアナログから選択される、請求項17〜57のいずれか1項に記載の方法。
  59. 前記長時間作用型吐き気誘発性ペプチドが、GLP−1受容体アゴニスト、PYYアナログ、アミリンアゴニスト、CGRPアナログ、またはニューロテンシンアナログから選択され、各々が、スペーサーを介して、前記ペプチドに必要に応じて結合した親油基を含む、請求項17〜58のいずれか1項に記載の方法。
  60. 前記長時間作用型吐き気誘発性ペプチドが、GLP−1受容体アゴニストである、請求項17〜59のいずれか1項に記載の方法。
  61. 前記長時間作用型GLP−1受容体アゴニストが、式I、式II、式III、式IV、及び式Vの化合物のいずれかから選択される、請求項60に記載の方法。
  62. 前記長時間作用型GLP−1受容体アゴニストが、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、及び配列番号10の化合物のいずれかから選択される、請求項60に記載の方法。
  63. 前記長時間作用型GLP−1受容体アゴニストが、生体適合性ポリマー中に分散したエクセナチド(Bydureon(登録商標))、セマグルチド(Ozempic(登録商標))、リラグルチド(Victoza(登録商標))、アルビグルチド(Tanzeum(登録商標))、またはデュラグルチド(Trulicity(登録商標))である、請求項60に記載の方法。
  64. 前記長時間作用型GLP−1受容体アゴニストが、セマグルチドである、請求項63に記載の方法。
  65. 前記長時間作用型GLP−1受容体アゴニストが、リラグルチドである、請求項63に記載の方法。
  66. 前記長時間作用型GLP−1受容体アゴニストが、アルビグルチドである、請求項63に記載の方法。
  67. 前記長時間作用型GLP−1受容体アゴニストが、デュラグルチドである、請求項63に記載の方法。
  68. 前記長時間作用型GLP−1受容体アゴニストが、生体適合性ポリマー中に分散したエクセナチドである、請求項63に記載の方法。
  69. 対象と接触させた際に、1用量の前記吐き気誘発性化合物の前記対象への投与を提供する、薬物送達デバイス及び吐き気誘発性化合物を含む装置であって、
    投与の開始後の最初の24時間中に、前記吐き気誘発性化合物の平均定常状態濃度(Css)の90%未満またはそれ以下は、前記対象の血漿中で達成され;及び
    ssが達成されると、前記吐き気誘発性化合物のCssを、前記対象の血漿中で少なくとも2週間維持する、前記装置。
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