以下では、全てではないが幾つかの例示的実施形態が示されている添付図面を参照しながら、幾つかの例示的実施形態について詳しく説明する。実際は、本明細書において記載及び図示される実施例は、本開示の範囲、適用可能性、又は構成を限定するものとして解釈されるべきではない。むしろ、これらの例示的実施形態は、適用される法的要件を本開示が満たすように提示される。全体を通して、類似の参照符号は類似の要素を参照する。更に、本明細書では、「又は(or)」という語句は、そのオペランドのうちの1つ以上が真であれば必ず真となる論理演算子として解釈されたい。本明細書では、作用的結合は、直接であれ間接であれ、互いに作用的に結合されているコンポーネントの機能的相互接続を可能にする直接又は間接の接続に関するものであることを理解されたい。更に、「データ」という用語が使用される場合、当然のことながら、或る場合には、データは、単純なデータ、又はアルゴリズム及び計算サービスの動作に基づいて生成された特定タイプのデータを含んでよく、又、或る場合には、データは、実際には、サービスとして提供される計算、結果、アルゴリズム等を提供してよい。
本明細書では、「モジュール」という用語は、コンピュータ関連エンティティを包含するものとし、そのようなエンティティとして、ハードウェア、ファームウェア、又はハードウェアとソフトウェアの組み合わせ(即ち、ハードウェア上で実行されるソフトウェアによって特定の方式で構成されるハードウェア)があり、これらに限定されない。例えば、モジュールは、プロセッサ上で動作するプロセス、プロセッサ(又は複数のプロセッサ)、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、及び/又はコンピュータであってよく、これらに限定されない。例えば、コンピュータ装置上で動作するアプリケーション、及び/又はそのコンピュータ装置は両方ともモジュールであってよい。プロセス内、及び/又は実行スレッド内に1つ以上のモジュールが存在してよく、モジュールは、1つのコンピュータに集中していてよく、且つ/又は2つ以上のコンピュータに分散していてよい。更に、これらのコンポーネントは、様々なデータ構造体が記憶されている様々なコンピュータ可読媒体から実行されてよい。これらのモジュールは、集中システム、分散システム、及び/又はネットワーク(インターネットなど)において、ローカル及び/又はリモートのプロセスで他のシステムと通信してよく、例えば、1つ以上のデータパケット(例えば、別のモジュールと相互に作用しているモジュールからのデータ)を有する信号に従って、その信号により他のシステムと通信してよい。各モジュールはそれぞれ、本明細書において詳述される1つ以上の機能を実施してよい。しかしながら、当然のこととして、この実施例は、実施される様々な機能に対応するそれぞれ別個のモジュールに関して説明されるものの、実施例によっては、それぞれ別の機能を用いる為に必ずしもモジュールアーキテクチャを利用してなくてよい。従って、例えば、異なるモジュールの間でコードが共有されてよく、或いは、処理回路自体が、本明細書に記載のモジュールに関連付けられるものとして説明された機能を全て実施するように構成されてよい。更に、本開示のコンテキストにおいては、「モジュール」という用語は、各モジュールの機能性を実施する何らかの汎用手段を識別する臨時語として理解されるべきではない。むしろ、「モジュール」という用語は、処理回路の動作及び/又は機能を、処理回路に追加されるか、他の方法で処理回路に作用的に結合されて、処理回路を適宜構成するハードウェア及び/又はソフトウェアに基づいて変更する為に、処理回路において固有に構成されるモジュールコンポーネントとして、或いは処理回路に作用的に結合されることが可能なモジュールコンポーネントとして理解されるべきである。
本明細書に記載の幾つかの例示的実施形態は、構成可能な処理回路を含む装置においてインスタンス化されることが可能なデータ処理プラットフォームを提供する。この処理回路は、本明細書に記載の技術を用いて、航空宇宙(又は航空)データに対して様々な処理機能を実行するように構成されてよい。このデータ処理プラットフォームは、例えば、複数の独立した(或いは更には独自の)プラットフォームを相互接続することを可能にする為の情報交換を実現するように構成されてよい。そこで、このデータ処理プラットフォームは、航空宇宙産業においてデータ生産者をデータ消費者につなぐ航空宇宙コマース交換プラットフォーム(即ち、ACEプラットフォーム)として実施されてよい。様々なソースのデータの共有を可能にすることにより、新たな見通しを得ることが可能になりうる。更に、ACEプラットフォームにアクセスする全参加者が互いに合意できる条件でのデータ使用を管理する為に、デジタル著作権管理サービスが利用されてよい。従って、データ提供者と現在及び未来のデータ消費者とを、両パーティ間の直接契約を必要とせずにつなぐ商用フレームワークが提供されてよい。これとは対照的に、現行のパラダイムでは、データを共有する為に互いに契約を結ぶことに同意した特定のパートナ同士の間でのみ情報交換が可能である。従って、情報交換が可能になっている場合でも、構築されたそれらの特定のパートナシップが依然として他のパートナシップから隔絶されており、且つ、データ生産者とデータ消費者のより大きなコミュニティから隔絶されているという、情報が断片化された状態がそのまま残っている。全てのパートナを1つに結び付ける団結エクスペリエンスの為の1つの交換プラットフォームが形成されれば、情報交換が簡略化されるだけでなく、将来の技術開発の可能性が大幅に広がる。場合によっては、パーティ間の何らかの契約が全般的に不要であることを強化する為に、ACEプラットフォームは、データ又はトランザクションに関連する特定プラットフォームの契約を(例えば、スマート契約の形で)促進する為のメカニズムを提供してよい。
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例示的実施形態は、ACEプラットフォームを提供するだけでなく、ACEプラットフォーム自体の動作、又はACEプラットフォームと相互に作用しうるコンポーネントの動作を促進しうる様々な実現技術も提供する。例示的実施形態は更に、ACEプラットフォームによって形成される交換環境の特定部分を強化することも可能である。ACEプラットフォームは、ATGリンク又は衛星リンク又は空対空リンク又は空対海リンクを介してのインフライトアセットによるeコマースを強化する為のメカニズムを提供しうるが、完全に地上にあるエンティティ同士の間でインフライトアセットに関して共有されるデータにも使用されてよい。従って、まだ地上にいて、Wi−Fi、セルラ等の地上ネットワークを使用している航空機も、ACEに参加することが可能である。更に、航空機に関連していても実際に航空機そのものに接触することのない地上サービス又は海上サービスも、ACEに参加することが可能である。例えば、飛行経路に基づいて在庫ストックレベルを決定する為の履歴データ、及び着陸後のターゲット旅行者に対する空港ごとのマーケティングキャンペーンの履歴データに、ACEプラットフォームを介してアクセス可能にすることができる。
ここで、図1を参照して、本発明の一例示的実施形態を説明する。図1は、本発明の一実施形態が使用可能なシステムの一例を示す。図1に示されるように、一例示的実施形態によるシステム10が、1つ以上のクライアント装置(例えば、クライアント20)を含んでよい。なお、図1にはクライアント20が3つ示されているが、当然のことながら、実施形態によってはクライアント20は1つであっても、より多くてもよく、従って、図1にクライアント20が3つあるのは、クライアント20が多数ある可能性を示す為に過ぎず、クライアント20の数は、他の例示的実施形態に限定されるものでは全くない。この点において、例示的実施形態は、任意の数のクライアント20がシステム10に結合されるように拡張可能である。更に、場合によっては、幾つかの実施形態が、システム10に全く接続されていない単一クライアント上で実施されてよい。
クライアント20は、場合によっては、それぞれが、単一組織、組織内の単一部門、又は単一拠点に関連付けられてよい(即ち、各クライアント20が組織、部門、又は拠点の個々の分析者に関連付けられてよい)。しかしながら、幾つかの実施形態では、各クライアント20は、異なる複数の対応する拠点、部門、又は組織に関連付けられてよい。例えば、それらのクライアント20の中で、1つのクライアントが第1の組織の第1の設備に関連付けられてよく、それ以外のクライアントのうちの1つ以上が、第1の組織又は別の組織のいずれかの第2の設備に関連付けられてよい。場合によっては、クライアント20の1つ1つが、それぞれ異なる航空機製造者、航空機運用者、航空機メンテナンス/リペア/オーバホール(MRO)提供者、航空機器向け相手先ブランド製造者(OEM)、又は他の、航空宇宙産業に関与しているか、航空宇宙産業界の人々にとって有用になりうるサービスを提供するデータ生産者及びデータ消費者に対応してよい。追加又は代替として、クライアント20の1つ1つが、上記に列挙されたエンティティ(又は他の同様のエンティティ)の1つ1つの航空機、プラント、部門、設備等であってよい。更に、クライアント20の1つ1つが、時には、前述のエンティティによって航空宇宙産業において生産されたデータの消費、又はそのデータへの寄与を望みうる他の組織、エンティティ等であってよく、そのデータは、eコマースへの参加、又はそのような組織又はエンティティへのサービス提供の為に生産されてよい。一般に、クライアント20は、航空宇宙コマース交換メンバ、即ち、ACEメンバと呼ばれてよい。しかしながら、クライアント20は、代替又は追加として、時には、航空宇宙産業界の「エッジ」にある会社又は個人であってよい。従って、ACEメンバは、場合によっては、航空宇宙エンティティであっても非航空宇宙エンティティであってもよい。
各クライアント20は、通信装置の1つ以上のインスタンスを含んでよく、それらは、例えば、ネットワーク30との通信が可能なコンピューティング装置(例えば、コンピュータ、サーバ、ネットワークアクセス端末、個人用携帯情報端末(PDA)、無線機器、携帯電話、スマートフォン等)である。従って、例えば、各クライアント20は、様々な機能を実施する為の命令又はアプリケーションを記憶するメモリと、記憶された命令又はアプリケーションを実行する為の対応プロセッサとを含んでよい(或いはそれらにアクセスすることが可能であってよい)。各クライアント20は更に、クライアント20の各機能を後述のように実施することを可能にするソフトウェア及び/又は対応ハードウェアを含んでよい。一例示的実施形態では、1つ以上のクライアント20(但し、必ずしも全てのクライアント20ではない)が、本発明の一例示的実施形態に従って動作するように構成されたクライアントアプリケーション22を含んでよい。この点において、例えば、クライアントアプリケーション22は、各クライアント20が、本明細書に記載のように、ネットワーク30と通信して、情報及び/又はサービスの要求及び/又は受け取りをネットワーク30経由で行うことを可能にするソフトウェアを含んでよい。クライアントアプリケーション22での受け取りが可能な情報又はサービスは、配信可能なコンポーネント(例えば、クライアント20を構成する為のダウンロード可能なソフトウェア、又はクライアント20において消費/処理される情報)を含んでよい。従って、例えば、クライアントアプリケーション22は、航空宇宙(又は航空)データの共有、処理、及び/又は利用を、後で詳述されるように行うことに対応する機能性を提供するようにクライアント20を構成することに対応する実行可能命令を含んでよい。
ネットワーク30はデータネットワークであってよく、例えば、ローカルエリアネットワーク(LAN)、メトロポリタンエリアネットワーク(MAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)(例えば、インターネット)等であってよく、これらは、クライアント20を処理要素(例えば、パーソナルコンピュータ、サーバコンピュータ等)などの装置及び/又はデータベースと結合することが可能である。ネットワーク30と、クライアント20と、クライアント20が結合されている装置又はデータベース(例えば、サーバ)との間の通信は、有線又は無線の通信メカニズム(例えば、リンク31)及び対応通信プロトコルによって行われてよい。一例示的実施形態では、少なくとも1つのリンク31は、飛行アセット(例えば、航空機、ドローン、又は他の非地上型装置)とネットワーク30との間のリアルタイム空対地(ATG)通信リンクであってよい。
一例示的実施形態では、クライアント20がネットワーク30経由で結合されてよい装置として、1つ以上のアプリケーションサーバ(例えば、アプリケーションサーバ40)、及び/又はデータベースサーバ42があり、これらはともに、サーバネットワーク32の各要素を形成してよい。アプリケーションサーバ40とデータベースサーバ42はそれぞれが「サーバ」と呼ばれているが、これは必ずしも、それらが別々のサーバ又は装置において実施されていることを意味するものではない。従って、例えば、1つのサーバ又は装置が両方のエンティティを含んでよく、データベースサーバ42は単に、アプリケーションサーバ40と同じサーバ又は装置に物理的に配置されているデータベース又はデータベース群を表すものであってよい。アプリケーションサーバ40及びデータベースサーバ42は、それぞれが、様々な機能を実施するようにアプリケーションサーバ40及びデータベースサーバ42をそれぞれ構成する為のハードウェア及び/又はソフトウェアを含んでよい。従って、例えば、アプリケーションサーバ40は、アプリケーションサーバ40が、様々な機能を実施する為の、記憶されているコンピュータ可読命令にアクセスし、且つ/又はこれを実行することを可能にする処理ロジック及びメモリを含んでよい。一例示的実施形態では、アプリケーションサーバ40によって提供されうる機能の1つが、クライアント20が関連付けられている航空機、コンポーネント、端末、又はコンピュータの動作に関連する情報及び/又はサービスへのアクセスを提供することであってよい。例えば、アプリケーションサーバ40は、1つ以上の航空機に関連付けられたイベント又はアクティビティを記述する情報、及び/又は航空機内で生産されるか航空機への配信を意図されたコンテンツを記憶するように構成されてよい。場合によっては、これらのコンテンツは、そのような情報に関連付けられたエンティティを識別する情報の有無にかかわらず、データベースサーバ42に記憶されてよい。代替又は追加として、アプリケーションサーバ40は、例示的実施形態に従ってクライアント20が使用する、eコマース、契約、開発、分析、その他のツールを提供するように構成されてよい。従って、幾つかのデータ及び/又はサービスはメンバ間で交換サービスとして交換されてよいが、他のメンバと契約する特定のニーズ又は要望がある場合には、ACEプラットフォーム44は、そのような契約の為のツールを提供すること、及び/又は、そのような契約のハンドリングに関連付けられたアプリケーションを生成して、場合によってはネゴシエーションを減らしたり、更には無くしたりする為のツールを提供することを行うように構成されてよい。
従って、例えば、幾つかの実施形態では、アプリケーションサーバ40は、本明細書に記載のように例示的実施形態を実施することに関連付けられたアクティビティをハンドリングする為の記憶された命令を含む、ACEプラットフォーム44のインスタンスを含んでよい。従って、幾つかの実施形態では、クライアント20は、ACEプラットフォーム44にオンラインでアクセスして、それによって提供されるサービスを利用することが可能である。しかしながら、当然のこととして、実施形態によっては、ACEプラットフォーム44(又はそのコンポーネント)は、アプリケーションサーバ40から(例えば、ネットワーク30経由のダウンロードにより)1つ以上のクライアント20に提供されてよく、これにより、レシピエントクライアントがACEプラットフォーム44のインスタンスをローカル動作用としてインスタンス化することが可能になり、それによって、ACEプラットフォーム44がコンポーネントの分散コレクションになりうる。更に別の例として、ACEプラットフォーム44は、ACEプラットフォーム44を対応する1つ以上のクライアント20においてインスタンス化する命令を運ぶ取り外し可能又は移動可能なメモリ装置から命令をダウンロードすることに応答する1つ以上のクライアント20においてインスタンス化されてよい。そのような例では、ネットワーク30は、例えば、ピアツーピア(P2P)ネットワークであってよく、その場合は、1つのクライアント20がACEプラットフォーム44のインスタンスを含んで、その対応するクライアント20が他のクライアント20に対してサーバとして働くことを可能にする。
一例示的実施形態では、アプリケーションサーバ40は、様々な機能を実施する為の命令又はアプリケーションを記憶する為のメモリ(例えば、内部メモリ又はデータベースサーバ42)と、記憶された命令又はアプリケーションを実行する為の対応プロセッサとを含んでよく、或いは、これらへのアクセスが可能であってよい。例えば、メモリは、本発明の一例示的実施形態に従って動作するように構成された、ACEプラットフォーム44のインスタンスを記憶してよい。この点において、例えば、ACEプラットフォーム44は、アプリケーションサーバ40が、本明細書に記載のアクティビティを実施することに関連付けられた情報の提供及び/又は受け取りの為にネットワーク30及び/又はクライアント20と通信することを可能にするソフトウェアを含んでよい。更に、幾つかの実施形態では、アプリケーションサーバ40は、消費者、開発者、分析者、その他がシステム10と相互に作用するか、システム10を構成するか、又は他の方法でシステム10をメンテナンスする為に使用するアクセス端末(例えば、ユーザインタフェースを含むコンピュータ)を含んでよく、或いはこれと通信してよい。
従って、図1の環境が示す例においては、航空宇宙産業に関連付けられたコンテンツ及び情報(これは、例えば、リアルタイムで航空機に提供される、且つ/又は航空機から提供される少なくとも幾らかのデータを含む)の提供が、特定のエンティティ(即ち、アプリケーションサーバ40にあるACEプラットフォーム44)によって達成されてよい。しかしながら、この場合も、ACEプラットフォーム44は、代替として、1つの組織又はエンティティの中でコンテンツ及び情報の提供をハンドリングしうることに注目されたい。従って、幾つかの実施形態では、ACEプラットフォーム44は、1つ以上のクライアント20において実施されてよく、そのような例では、ACEプラットフォーム44は、対応する1つの組織にのみ関連付けられたタスクに関連付けられたコンテンツ及び情報の提供をハンドリングするように構成されてよい。従って、ACEプラットフォーム44へのアクセスは、関与する1つ以上の組織と、本明細書において提供されるツールを利用しようとする個人又はエンティティの信用証明とに関して、必要に応じてセキュリティ保護されてよい。
次に、本発明の一例示的実施形態を、図2を参照して説明する。図2は、一例示的実施形態による、ACEプラットフォーム44を提供する装置、又は他の処理回路の幾つかの要素を示す。図2の装置は、例えば、(例えば、ネットワーク装置、サーバ、プロキシ等(例えば、図1のアプリケーションサーバ40)において動作する)ACEプラットフォーム44自体として使用されてよい。或いは、実施形態は、装置の組み合わせにおいて(例えば、クライアント(例えば、図1のいずれかのクライアント20)又は様々な他の装置において分散方式で)使用されてよい。従って、本発明の幾つかの実施形態は、1つの装置(例えば、アプリケーションサーバ40、又は1つ以上のクライアント20)において全体が実施されてよく、或いは、クライアント/サーバ関係にある複数の装置(例えば、アプリケーションサーバ40と1つ以上のクライアント20)によって実施されてよい。従って、図2では、ACEプラットフォーム44が図示されたコンポーネントを含むものとして示されているが、当然のことながら、場合によっては、任意のクライアント20が図示されたコンポーネントのインスタンスをそれぞれ含んでよい。更に、後述される装置又は要素は必須でなくてよく、従って、実施形態によっては、幾つかの装置又は要素が省略されてよいことに注意されたい。
そこで図2を参照すると、航空宇宙産業において情報及び情報に関連付けられたサービスの交換を促進する為のツール、サービス、その他を提供する装置が示されている。本装置は、ACEプラットフォーム44、又はACEプラットフォーム44をホストする装置の一実施形態であってよい。従って、本明細書に記載の装置の構成は、本装置をACEプラットフォーム44に変換するものであってよい。一例示的実施形態では、本装置は、処理回路50を含んでよく、或いは処理回路50と通信してよく、処理回路50は、本発明の一例示的実施形態に従って、データ処理、アプリケーション実行、並びに他の処理及び管理サービスを実施するように構成されている。一実施形態では、処理回路50は、記憶装置54及びプロセッサ52を含んでよく、これらはユーザインタフェース60及び装置インタフェース62と通信してよく、或いは別の方法でそれらを制御してよい。従って、処理回路50は、本明細書に記載の動作を実施するように(例えば、ハードウェア、ソフトウェア、又はハードウェアとソフトウェアの組み合わせにより)構成された回路チップ(例えば、集積回路チップ)として実施されてよい。しかしながら、幾つかの実施形態では、処理回路50は、サーバ、コンピュータ、ラップトップ、ワークステーション、更には様々なモバイルコンピューティング装置のいずれかの一部分として実施されてよい。処理回路50がサーバとして実施されるか、遠隔配置されたコンピュータ装置において実施される状況では、ユーザインタフェース60は、別の装置に配置されてよく(例えば、コンピュータ端末又はクライアント装置(例えば、いずれかのクライアント20)に配置されてよく)、この別の装置は、装置インタフェース62及び/又はネットワーク(例えば、ネットワーク30)を介して処理回路50と通信してよい。
ユーザインタフェース60と処理回路50とが通信することにより、ユーザインタフェース60でのユーザ入力の指示内容を受け取ること、及び/又は、聴覚的、視覚的、機械的、その他の出力をユーザに提供することが可能である。従って、ユーザインタフェース60は、例えば、キーボード、マウス、ジョイスティック、ディスプレイ、タッチスクリーン、マイクロホン、スピーカ、携帯電話、拡張現実/仮想現実装置、電子センサ、又は他の入出力メカニズムを含んでよい。本装置がサーバ又は他のネットワークエンティティにおいて実施される実施形態では、ユーザインタフェース60は、場合によっては限られたものであってよく、更には無くてもよい。或いは、上述のように、ユーザインタフェース60は遠隔配置されてよい。
装置インタフェース62は、他の装置及び/又はネットワークとの通信を可能にする1つ以上のインタフェースメカニズムを含んでよい。装置インタフェース62は、場合によっては、ネットワーク(例えば、ネットワーク30)、及び/又は他の任意の、処理回路50と通信している装置又はモジュールからデータを受信したり、且つ/又はこれらにデータを送信したりするように構成された任意の手段(例えば、ハードウェア、ソフトウェア、又はハードウェアとソフトウェアの組み合わせとして実施される装置又は回路)であってよい。この点において、装置インタフェース62は、例えば、無線通信ネットワークとの通信を可能にするアンテナ(又は複数のアンテナ)及びサポートするハードウェア及び/又はソフトウェア、及び/又は、ケーブル、デジタル加入者線(DSL)、ユニバーサルシリアルバス(USB)、イーサネット(登録商標)、又は他の方式での通信をサポートする通信モデム又は他のハードウェア/ソフトウェアを含んでよい。装置インタフェース62がネットワークと通信する状況では、ネットワークは、無線又は有線の通信ネットワークの様々な例のうちのいずれであってもよく、例えば、ローカルエリアネットワーク(LAN)、メトロポリタンエリアネットワーク(MAN)、及び/又はワイドエリアネットワーク(WAN)(例えば、インターネット)のようなデータネットワークのいずれであってもよい。
一例示的実施形態では、記憶装置54は、1つ以上の非一時的記憶装置又はメモリ装置、例えば、固定式でも取り外し可能でもよい揮発性及び/又は不揮発性メモリを含んでよい。記憶装置54は、本発明の例示的実施形態に従って本装置が様々な機能を実施することを可能にする為の情報、データ、アプリケーション、命令等を記憶するように構成されてよい。例えば、記憶装置54は、入力データを、プロセッサ52による処理に備えてバッファリングするように構成されてよい。追加又は代替として、記憶装置54は、命令を、プロセッサ52による実行に備えて記憶するように構成されてよい。更に別の代替として、記憶装置54は、様々なファイル、コンテンツ、又はデータセットを記憶することが可能な複数のデータベースのうちの1つ(例えば、データベースサーバ42)を含んでよい。記憶装置54のコンテンツのうち、アプリケーション(例えば、クライアントアプリケーション22又はサービスアプリケーション42)は、それぞれのアプリケーションに関連付けられた機能性を実施する為に、プロセッサ52による実行に備えて記憶されてよい。
プロセッサ52は、様々な方式で実施されてよい。例えば、プロセッサ52は、様々な処理手段として実施されてよく、例えば、マイクロプロセッサ又は他の処理要素、コプロセッサ、コントローラ、又は他の様々なコンピューティング装置又は処理装置として実施されてよく、これには、例えば、ASIC(特定用途向け集積回路)、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)、ハードウェアアクセラレータ等のような集積回路が含まれる。一例示的実施形態では、プロセッサ52は、記憶装置54に記憶されている命令、又は他の方法でプロセッサ52からアクセス可能な命令を実行するように構成されてよい。従って、プロセッサ52は、ハードウェア方式、ソフトウェア方式、又はそれらの組み合わせの方式のいずれで構成されるかにかかわらず、本発明の実施形態に従って構成されて、本発明の実施形態による動作を実施することが可能なエンティティ(例えば、回路として物理的に実施されるエンティティ)を表すものであってよい。従って、例えば、プロセッサ52がASIC、FPGA等として実施される場合、プロセッサ52は、本明細書に記載の動作を実施することに特化して構成されたハードウェアであってよい。或いは、別の例として、プロセッサ52がソフトウェア命令の実行器として実施される場合、それらの命令は、プロセッサ52を、本明細書に記載の動作を実施することに特化して構成してよい。
一例示的実施形態では、プロセッサ52(又は処理回路50)は、ACEプラットフォーム44として実施されてよく、或いはACEプラットフォーム44を含んでよく、或いは他の方式でACEプラットフォーム44を制御してよく、プロセッサ52は、ソフトウェアに従って動作する装置又は回路、或いはハードウェア又はハードウェアとソフトウェアの組み合わせとして実施される装置又は回路のような任意の手段(例えば、ソフトウェア制御下で動作するプロセッサ52、本明細書に記載の動作を実施することに特化して構成されたASIC又はFPGAとして実施されるプロセッサ52、又はこれらの組み合わせ)であってよく、これにより、後述されるようにACEプラットフォーム44の対応機能を実施するように装置又は回路を構成してよい。
ACEプラットフォーム44は、航空宇宙情報の作成、消費、使用、管理、及び配信をネットワーク30を介して行うことを促進するツールを含むように構成されてよい。それらのツールは、処理回路50を構成することによってインスタンス化されることが可能な様々なモジュールの形態で用意されてよい。図2には幾つかのモジュール例が示されており、これらは、ACEプラットフォーム44に含まれてよく、一例示的実施形態に従って、大まかにはACEプラットフォーム44に帰属しうる個別のタスク又は機能のうちの1つ以上を実施するように個々に構成されてよい。しかしながら、ACEプラットフォーム44は必ずしもモジュール式でなくてよい。ACEプラットフォーム44がモジュールを採用する場合、これらのモジュールは、例えば、本明細書に記載のタスク及び機能を実施するように構成されてよい。幾つかの実施形態では、ACEプラットフォーム44及び/又はACEプラットフォーム44を構成する任意のモジュールは、ソフトウェアに従って動作する装置又は回路、或いはハードウェア又はハードウェアとソフトウェアの組み合わせとして実施される装置又は回路のような任意の手段(例えば、ソフトウェア制御下で動作するプロセッサ52、本明細書に記載の動作を実施することに特化して構成されたASIC又はFPGAとして実施されるプロセッサ52、又はこれらの組み合わせ)であってよく、これにより、本明細書に記載のように、ACEプラットフォーム44及び/又はその任意のモジュールの対応機能を実施するように装置又は回路を構成してよい。
図2に示されるように、ACEプラットフォーム44は、セキュリティモジュール70を含んでよい。セキュリティモジュール70は、データセキュリティ及びデータ/ユーザアクセス制御を強化するように構成されてよい。幾つかの例示的実施形態では、セキュリティモジュール70は、ACEプラットフォーム44へのアクセスを望むユーザへのアクセス権の提供を、認証ツール及び認可ツールを使用して管理することが可能であり、これは、場合によってはリアルタイムで行うことが可能であり、場合によっては、データへのアクセスを制御する為に非リアルタイム環境で行うことが可能である。幾つかの実施形態では、セキュリティモジュール70は、ネットワーク30を介して伝送される全ての情報ブロックの妥当性を検証して封止するように構成されてよい。更に、セキュリティモジュール70は、ネットワーク上の情報が変更不可であって、全てのユーザから見えない形で保存されることによって、情報の完全性の保持が可能であることを保証するように構成されてよい。ネットワーク30上の情報の完全性が保証されることにより、各企業は、情報が真正であって、他の全てのユーザがアクセスできる同じ情報であることを確信して、情報にアクセスし、情報を使用し、情報を配信することが可能である。幾つかの実施形態では、セキュリティモジュール70は、上述の完全性を達成する為にブロックチェーン技術を使用するように構成されてよい。ブロックチェーンの使用については、後で詳述する。
ACEプラットフォーム44は更に、eコマースモジュール72を含んでよい。eコマースモジュール72は、ACEプラットフォーム44を使用する様々なエンティティにとって望ましいものでありうる様々なアプリケーション又はサービスの為の市場を提供するように構成されてよい。例えば、eコマースモジュール72は、アプリケーションプログラミングインタフェース(API)市場を提供してよく、そこでは、作者らが、ネットワーク30を介して提供されるデータに対して使用されるように開発されてきた様々なAPIをサブミットすることが可能である。これらのAPIは、データ(即ち、航空宇宙データ又は航空データ)の処理、分析、報告の生成、又は他の利用に応じて、ACEメンバにとって有用たりうる形で調整されてよい。
eコマースモジュール72は更に、デジタル支払いの実行及び受け取りの為のツールを含んでよい。従って、例えば、ACEプラットフォーム44を使用して確立された市場決定価格に基づいて支払われるべきであってよい全ての支払いが、ACEメンバ間で、ACEプラットフォーム44上で直接処理されてよい。従って、ACEメンバ間での適時な支払い処理及びトランザクション清算が、ACEプラットフォーム44によって提供されたセキュアな環境でハンドリングされることが可能である。
幾つかの例示的実施形態では、ACEプラットフォーム44は更に、運営モジュール74を含んでよい。運営モジュール74は、ACEメンバになることを望むエンティティ又はパーティに対して受け入れのプロトコル及びプロシージャを設定又は実装するように構成されてよい。従って、例えば、パーティ又はエンティティがACEにメンバシップを要求してよい。メンバシップ要求は、ACEプラットフォーム44によって電子的に処理されることが可能なアプリケーション又は他の通信の形式であってよい。要求が受け取られると、管理及び運営の情報が要求側のパーティ又はエンティティに提供されてよく、条項及び条件が受け入れられると、メンバシップが付与されてよい。メンバシップが付与されると、新メンバは、ACEプラットフォーム44とインタフェースする為のプロトコルを使用して、管理及び運営の情報に従ってACEプラットフォーム44にアクセスすることが可能である。新メンバが(例えば、アプリケーション又はAPIの作成、eコマースなどの為に)他のモジュールを使用することを可能にする為に必要とされる開発者ガイドライン及び任意の文書も提供されてよい。場合によっては、メンバとのトランザクションの完了への反応としてのユーザレビュー、又はトランザクションからのデータ又はサービスの受け取りへの反応としてのユーザレビューが、そのようなメンバから伝えられてよい。そのようなレビューは、メンバに伝えられてよく、或いは、運営組織が必要に応じてメンバにフィードバックを提供したり、メンバを訓練したりする為に使用してよい。
場合によっては、ACEプラットフォーム44は更に、実装モジュール76を含んでよい。実装モジュール76は、ACEプラットフォーム44のアーキテクチャを管理してよく、ACEプラットフォーム44の動作に関連付けられた様々な機能サービスを提供してよい。例えば、実装モジュール76は、個々のメンバについて、且つ/又はメンバ全体について、使用状況の追跡、監査、及び/又はロギングを実施するように構成されてよい。従って、特定のメンバについては、そのメンバに関連付けられた個人による使用の状況が追跡、監査、又はロギングされてよく、その後にメンバによってアクセスされてよい。そのような追跡、監査、又はロギングを促進する為に、一意のIDキーが個人又はデータラインに関連付けられてよい。
一例示的実施形態では、実装モジュール76は更に、ACEプラットフォーム44を管理する為の共通プロトコルを定義してよい。従って、ACEプラットフォーム44の通信及び動作に関するプロトコルは全て、実装モジュール76で管理することが可能である。従って、データフィールドの追加、検索サービスの管理、データの信頼性の検証、サービス品質の識別、その他のサービスが、実装モジュール76によって提供されてよい。実装モジュール76は更に、システム10の他の任意のリンクによるATG通信(例えば、リアルタイムATGリンクに対応するリンク31を介するATG通信)及び地対地通信をハンドリングするように構成されてよい。場合によっては、実装モジュール76は更に、言語サービスを提供してよく、言語サービスは、例えば、クライアントライブラリのメンテナンスを複数の言語で行うことを可能にするものであり、これによって、特定の場所に関連付けられた或るクライアントが、別の場所にある別のクライアントにコンテンツ又はサービスを提供することが可能であって、このことが、そのような別の場所が概してその特定の場所の言語と異なる言語の話者に関連付けられている場合でも可能である。
幾つかの実施形態では、ACEプラットフォーム44は更に、開発モジュール78を含んでよい。開発モジュール78は、上述のようにeコマースモジュール72によってメンテナンスされる市場に対するAPI又はアプリケーションを定義する開発ツールを含んでよい。従って、例えば、ACEプラットフォーム44のプロトコルに準拠するように構成された開発ツールが、開発モジュール78によって提供されてよい。更に、開発モジュール78は、ACEプラットフォーム44用の開発者サンドボックス、開発者コミュニティサポートツール、及びインフラストラクチャ検査ツールを提供してよい。
一例示的実施形態では、開発モジュール78は、他のモジュール(70、72、74、及び76)の機能を拡張又は実装するツールを提供してよい。従って、例えば、開発モジュール78は、スマート契約を定義する為に使用されてよく、交換への参加によって特にカバーされるわけではないデータ又はサービスに関するパーティ間の合意を促進することが可能であり、更に、ブロックチェーン技術を用いて上記スマート契約の管理及び実行をサポートすることが可能である。例えば、パーティ間の特定のトランザクションが相対的に一般化した場合、又は何らかの形で標準化することが少なくとも望ましい場合には、(セキュリティモジュール70によって与えられるセキュリティの下で)eコマースモジュール72及び実装モジュール76の一方又は両方と連係させて開発モジュール78を使用することにより、ACEプラットフォーム44内で容易に処理可能な1つ以上のスマート契約を定義して、関係する全てのパーティによる承認を促進することが可能である。契約自体は、別のパーティに提案されるまで、選択又は修正に備えて記憶されてよく、契約は、(例えば、支払いをハンドリングする)eコマースモジュール72及び(例えば、承認プロセスの処理を管理する)実装モジュール76の一方又は両方の一部であってよく、或いはその機能性を使用してよい。
ACEプラットフォーム44は、航空宇宙産業に関係する様々な領域にメンバを含んでよい。更に、それらのメンバにとってACEプラットフォーム44が魅力的であるのは、まさにそれによって、メンバが他のメンバと相互に作用することが容易に可能である為であろうし、或いはメンバが、ACEに関連付けられたデータを、そのデータがフライト前、フライト中、フライトの合間、又はフライト後のどのタイミングに関するものであっても、使用することが容易に可能である為であろう。メンバには、運航、乗客サービス、空港、空港を拠点とする小売業者、他の小売業者、広告主、マーケティング担当者、気象、データ分析、民間航空会社、旅行代理店、航空機製造者、航空機MRO及びOEM、コンテンツ提供者等に関連付けられたエンティティ又はパーティが含まれてよい。
図3は、一例示的実施形態により達成可能な通信パラダイムのブロック図を示す。ACEのメンバには、交換サービス100が(例えば、ACEプラットフォーム44によって)提供されてよい。メンバにはデータ生産者110及びデータ消費者120が含まれてよい。場合によっては、データ生産者110は、生産者データベース112にあるデータのうちの少なくとも幾つかを記憶してよい。しかしながら、データ生産者110からのデータの幾つかはリアルタイムで提供されてよい(例えば、飛行中の航空機から、図1のリンク31のうちのATGリンクを介して提供されてよい)。幾つかのデータは、サードパーティデータベース130から提供されてもよい。データ生産者110から(直接、又は生産者データベース112を経由して)、又はサードパーティデータベース130から提供されるデータは、直接又は間接的にデータ消費者120に伝達されてよい。場合によっては、データ生産者110又はサードパーティデータベース130から提供されるデータは、データ消費者120に配信される前に中間場所に格納されてよい。中間場所は、データを記憶することが可能な交換データリポジトリ140(例えば、交換データマート)であってよく、そのようなデータは、リアルタイム記録中にあらかじめ記憶されるか、又は、生産者データベース112又はサードパーティデータベース130からのブロックデータアップロードの形であらかじめ記憶されてから、要求に応じて配信されることが可能である。これにより、データ消費者が履歴データを利用することが可能になりうる。
幾つかの実施形態では、データ生産者110向けの情報は、航空機からリアルタイムで提供されてよい。従って、例えば、航空機内の各個人に提供される全てのサービスが各個人に適切に向けられて、それぞれのインターネット/ウェブブラウジングエクスペリエンスを1人1人に合わせて調整することが可能であるようにするには、航空機の実際の現在位置又は目的地を記述している「スマートクッキー」をデータ消費者120に提供することが有用でありうる。他にシステム内にフィードされるものとして、GPSデータ、GPS時刻、ADS−B(自動従属監視ブロードキャスト)、SWIM(システム規模情報管理)、及び他の様々な安全関連又は非安全関連の情報ストリーム又は情報ピースがあってよい。
生産者データベース112及びサードパーティデータベース130はネットワーク30の外部にあってよいが、交換データリポジトリ140はネットワーク30の内部にあってよい。しかしながら、他のアーキテクチャも可能である。場合によっては、データ生産者110は、データ消費者120への即時配信の為に、又は交換データリポジトリ140での記憶の為に、交換サービス100に使用されるデータをリアルタイム又は近リアルタイムで送信してよい。或いは、そのようなデータは事後に伝達されてよく、着陸後に(航空機から直接)伝達されるか、(データをリアルタイムで、又はやはり事後に受け取ってよい)生産者データベース112から伝達されてよい。生産者データベース112が交換機の一部である実施形態では、データ生産者110からのデータは、交換サービス100経由で生産者データベース112にたどりつくことも可能である。交換サービス100によって提供されるデータに対するクエリは、(例えば、生産者データベース112へのデータの送信を要求する)生産者データベース112からもたらされてよく、或いは(例えば、交換データリポジトリ140で記憶する為のデータの送信を要求する)交換データリポジトリ140からもたらされてよく、或いはデータ消費者120からもたらされてよい。データ消費者120は、自身で使用するデータにアクセスする為にデータ取り出しを要求してよく、或いは、生成されていて交換サービス100からアクセス可能な様々な見通し、アプリケーション、又は他のサービスを要求してよい。
図3を参照して説明された通信パラダイムを実現する為に、図2のセキュリティモジュール70を使用して、ACEプラットフォーム44によってサポートされる情報転送のセキュリティの管理が行われてよい。セキュリティは、ネットワーク30を集中ネットワークとして管理しても、分散ネットワークとして管理しても、実現可能である。ネットワーク30が集中ネットワークとして管理される場合には、ネットワーク30の完全性管理がセキュリティモジュール70によって集中管理されてよい。ネットワーク30は、ウェブサービスの提供に関連付けられた代表的な通信プロトコル(例えば、HTTPS/REST)を使用してよい。アプリケーションの実行は、ほぼあらゆる言語及びランタイム環境を使用して行われてよく、クライアント認証は、暗号鍵を使用して行われてよい。
分散ネットワーク構造の場合には、セキュリティモジュール70は、ブロックチェーン固有のワイヤプロトコルを用いるように構成されてよい。完全性の管理は、分散方式で行われることになる。この方式では、ネットワークの全てのコンポーネントが、分散され、非集中化されたネットワークプロトコルを有するデータベースとして働くが、これによって、全ての情報が、プロトコル自体によって検証及び封止された、透明且つ追跡可能な履歴を有するブロックとして記憶されることが可能になる。クライアント認証は、やはり暗号鍵を使用して行われてよいが、ブロックチェーン技術を活用する為に、様々なアプリケーションが一意に作り込まれてよい(例えば、スマート契約)。ブロックチェーン技術の使用については、後で図4及び5を参照して詳述する。
上述のように、ACEプラットフォーム44は、有用なアプリケーション又はAPIを開発する為に、且つ、個々のエンティティが特定の契約又はパートナシップを案出することを必要としない情報の交換及び使用を促進する為に、メンバが他のメンバのデータにアクセスすることを可能にする。この点において、メンバになることに同意することによって、各メンバは更に、(例えば、メンバがデータ生産者であれば)特定の情報セットを提供することに同意することが可能であり、或いは、(例えば、メンバがデータ消費者であれば)受け取るデータの使用に関する、あらかじめ規定された特定の制限事項セットに同意することが可能である。場合によっては、ACEプラットフォーム44を介して交換される情報及び/又はサービス、或いはコンテンツは、フォーマット、プロトコル、機密性、要件等に関して事前同意又は運営上の制限が課されてもよい。従って、例えば、eコマースモジュール72、実装モジュール76、及び開発モジュール78は、それぞれがツールを有してよく、それらのツールは、事前同意に準拠するものであり、データの処理、及び/又はそのようなデータに基づくサービスの提供が、両方とも他のメンバによって使用可能な形であって、更に任意の適用可能なサービスチャージがACEプラットフォーム44を介して適用及びハンドリングされることを可能にする形で行われることを可能にする。
例示的実施形態では、ACEプラットフォーム44のユーザであってよい様々なデータ生成エンティティ、データ処理エンティティ、及びデータ配信エンティティを使用して、全く新しいサービスセットが提供されることが可能になってよい。例えば、航空機ルーティング(即ち、飛行経路)サービスがメンバであってよい。航空機ルーティングサービスは、ルーティングサービスの生成に関して、データ生産者及びデータ消費者の両方として働くことが可能である。そのような例では、航空機ルーティングサービスは、図1に示されたクライアント20の一インスタンスであってよい。航空機ルーティングサービスは、図1のクライアントアプリケーション22の一インスタンスである航空機ルーティングアプリケーションを動作させてよい。航空機ルーティングアプリケーションは、複数の航空機(即ち、データ生産者110)によって提供されるリアルタイム位置情報に対してはデータ消費者であってよい。航空機ルーティングアプリケーションは更に、サードパーティデータベース130から気象情報を受け取ってよく、サードパーティデータベース130には、到着空港の着陸条件、地上の交通、ゲートの空き状況、乗務員の空き状況が含まれてよく、更に、当該航空機、他の航空機、又は他の情報サービスからの(リアルタイムの)乱気流情報又は気象情報が組み込まれてよい。航空機ルーティングアプリケーションは、航空機の軌道、及び(例えば、パイロット報告(PIREP)による)気象情報及び/又は乱気流情報に基づいて、航空機の再ルーティングの為の計算結果を提供することが可能である。従って、航空機ルーティングアプリケーションは、航空機に再ルーティングオプションを(例えば、リアルタイムで)送ることが可能である(これにより、航空機に対してはデータ生産者として働くことが可能である)。航空機は、再ルーティングオプションを受け取り、その再ルーティングオプションを採用することの承認を航空管制に要求してよい。
上述の例のコンテキストでは、航空機は、ATGリンク又は衛星リンク、又は他の任意の上述の、航空機が関連付けられることが可能な無線リンク(例えば、空対海リンク又は空対空リンク)を使用して、航空機ルーティングサービスとの間でリアルタイムデータ又は近リアルタイムデータをやりとりすることが可能であり、一方又は両方のエンティティが、対応するデータサービスに関してネットワークサービス提供者と合意した料金を支払ってよい。ACEプラットフォーム44の交換サービス100は、課金目的で使用されるデータの追跡を可能にしてよく、そのような課金をハンドリングする為にeコマースモジュール72を使用してよい。サードパーティデータベース130から取得されたデータ(もしあれば)も、eコマースモジュール72を使用してチャージされてよい。一方、航空機ルーティングサービス自体は、開発モジュール78を使用して開発されたかシステムに(少なくとも部分的に)組み込まれたものであってよい。航空機(又は航空管制)に提供されるサービスに関連付けられるチャージも、eコマースモジュール72によってハンドリングされてよい。情報の監査、追跡、及び/又はロギングは、実装モジュール76によって管理されてよく、そのような情報は、課金の容易化の為にeコマースモジュール72に提供されてよい。一方、全ての通信のセキュリティは全て、セキュリティモジュール70によって管理されてよい。
幾つかの例示的実施形態では、交換サービス100には、電子航空機記録のメンテナンスに特化されたサービスが含まれてよい。電子航空機記録は、特定の航空機の履歴に関連付けられた情報を含むようにメンテナンスされる記録であってよい。電子航空機記録は、図3に示された通信パラダイムの下にある交換サービス100の1つとして、集中方式又は分散方式でメンテナンスされてよい。従って、電子航空機記録は、図3に示された通信経路に基づいて(例えば、交換データリポジトリ140又は別の場所に)記憶され、メンテナンスされてよい。
従って、電子航空機記録は、電子的にメンテナンスされてよく、異なる複数のソース(例えば、メンバ及びサードパーティ)から提供される入力に基づいてメンテナンスされてよい。一例示的実施形態では、電子航空機記録は、交換サービス100の一環として1つのデータ消費者120によってメンテナンスされてよい。電子航空機記録をメンテナンスするデータ消費者120は、(例えば、リアルタイム又は事後に)データ生産者110から、生産者データベース112から、サードパーティデータベース130から、且つ/又は交換データリポジトリ140から入力を受け取って、電子航空機記録を更新してよい。場合によっては、各更新が真正であるかどうかが検証されてよい。この検証は、集中管理を実施する実施形態(例えば、集中ネットワーク)では、情報を提供する各パーティが認証済みであることを確認することによって行われてよい。分散管理を実施する実施形態(例えば、分散ネットワーク)では、電子航空機記録への各情報エントリの認証にブロックチェーンが使用されてよい。従って、ブロックチェーンは、場合によっては、(例えば、経路によらない)保証されたデータ配信の為に、並びに配信されるデータが真正であることを保証する為に使用されてよい。配信の保証を(例えば、ブロックチェーンを使用して)行うことにより、安全関連トラフィックデータを非安全専用チャネルで送信することが可能である。
幾つかの実施形態では、電子航空機記録は、航空機に関する異なる複数のタイプの情報のそれぞれに関連付けられた、異なる複数の部分を含んでよい。幾つかの例では、電子航空機記録のそれらの部分のうちの1つが、航空機メンテナンス記録部分であってよい。航空機メンテナンス記録部分には、航空機の各構成要素(例えば、航空機の機体、エンジン、プロペラ、ロータ、機器類等)の総稼働時間、並びにそのような構成要素に対する主要な改造(あれば)に関するデータが記録されてよい。従って、航空機メンテナンス記録部分は、実質的に、航空機のメンテナンス履歴の記録であってよい。航空機メンテナンス記録部分には、航空機の各構成要素のそれぞれの現在のステータス(様々な構成要素の、最後のオーバホールからの経過時間を含む)も記録されてよい。航空機メンテナンス記録部分には、航空機の検査ステータスを示す情報、及び、どの構成要素が検査を必要とするかを示す情報も含まれてよい。航空機メンテナンス記録部分には、メンバ又はサードパーティに関連付けられた外部プログラムによって一部又は全体が提供されるデータが含まれてよく、或いは、航空機メンテナンス記録部分には、交換サービス100の1つとして(即ち、メンバが使用する為にネットワーク30を介して提供されるソフトウェア又はプログラムを使用して)一部又は全体が提供されるデータが含まれてよい。上述のデータ受け取り方法を組み合わせることも行われてよい。更に、認可及び認証された個々のアクタが、適正に識別及び信用証明されていれば、航空機メンテナンス記録部分に含まれるようにデータをサブミットすることが可能である。
場合によっては、航空機メンテナンス記録部分自体に、航空機の個々の構成要素又はシステムに特化された部分が更に含まれてよい。例えば、航空機メンテナンス記録部分には、エンジンに関連付けられた記録アクティビティに特化されたエンジン部分、機体に関連付けられた記録アクティビティに特化された機体部分、及び他の様々な部分に関連付けられた記録アクティビティに特化された、そのような対応する部分が含まれてよい。これらの部分は、場合によっては、それぞれが個別に、それ自体で、且つそれだけでメンテナンスされる記録であってよい。同様に、航空機メンテナンス記録部分は、他の部分から独立した記録であってよい。従って、例えば、電子航空機記録は、単独の記録、又は個別記録の集合体であってよい。
データがその出所にかかわらず航空機メンテナンス記録部分に記憶されている場合、そのデータは、アプリケーション開発、研究、サービス提供等において使用する為に他のメンバによって識別され、且つアクセス可能であるフォーマットであってよい。データへのアクセスは、誰にでも無料で開放されている場合もあれば、メンバシップ間で制限されている場合もある。例えば、匿名化されたデータは、全メンバがいつでもアクセス可能であってよい。一方、匿名化されていないデータは、そのようなデータの所有者がアクセスを許可した場合のみアクセス可能であってよい。航空機メンテナンスデータは、そのデータが適用される特定の航空機が必ずしも識別されないように匿名化されてよい。匿名化されたデータは、個別識別情報から取り除かれてよく、或いは、個々の航空機の識別情報が特定できなくなるように集約されてよい。匿名化されたデータは、個々の航空機所有者/運用者のプライバシを保全しながら、アプリケーション開発者及び研究者にとって有用でありうる。
一例示的実施形態では、匿名化されたデータは、メンバが交換サービス100を通してアクセスすることに備えて交換データリポジトリ140に記憶されてよい。実装モジュール76は、データ及びデータへのアクセスをハンドリングすることが可能である。しかしながら、そのようなデータへのアクセスを許可することに幾らかのコスト又はチャージが適用される場合には、そのようなトランザクションのハンドリングにeコマースモジュール72が使用されてよい。一方、全ての場合にそうであるように、セキュリティモジュール70は、要求元のパーティを、要求したいかなるデータでも受け取ることを認可されたメンバであると識別する為に、適正な認可及び認証が受けられるようにしてよい。データが提供された後、必要であれば、開発モジュール78は、その中に用意されたアプリケーション開発ツールとともに、そのデータを使用するアプリケーションの開発に使用されてよい。開発されたアプリケーションには、例えば、航空機メンテナンス記録部分を管理する為の新しいツールが含まれてよく、この場合、そのようなツールは、交換サービス100のうちのメンバがアクセスできる部分になりうる。
電子航空機記録の別の部分として、航空機日誌部分があってよい。航空機日誌部分には、飛行した経路、スケジュール情報、航空機の乗務員情報(例えば、機長)、着陸回数、離陸及び着陸の場所、時刻、及びデータ等を示す情報が記憶されてよい。航空機日誌部分は、実質的に、イベントベースの観点からの航空機の運用履歴の記録であってよく、或いは、必要なだけのパラメータを常時又は定期的に記録する、随時更新される日誌であってよい。場合によっては、電子航空機記録は更に、環境データ記録部分を含んでよく、この部分には、時系列観点からの航空機の内部及び周辺の様々な環境条件に関しての航空機の運用履歴情報が更に記録され、この部分は、必要に応じて自動的に、又はオンデマンドで、様々な公式日誌エントリと相互に関連付けられてよい。環境データ記録部分に記録される環境データは、航空機全体に張り巡らされたセンサネットワークによって収集されてよい。上述の航空機メンテナンス記録部分の場合と同様に、環境データ記録部分及び航空機日誌部分に関連付けられたデータは、それぞれが匿名化されてから他のメンバに提供されてよく、或いは(例えば、メンバ間の合意で決定される場合、又はデータ生産者が許可する場合には)、匿名化されていないデータが交換サービス100を介して共有されてよい。
集中ネットワークパラダイムの下で電子航空機記録に入力を与えることは、電子航空機記録のあらゆる制御態様に対する集中制御として働く、図2の処理回路50の1つ以上のインスタンスの制御下で行われてよい。しかしながら、上述のように、幾つかの例示的実施形態では、ブロックチェーン技術を分散方式で使用してよい。そのような例では、電子航空機記録は、実質的に、航空機データのメンテナンス及び認証を行う為の分散台帳ベースのデータモデルであってよい。そのような実施形態では、電子航空機記録は、実質的に、複数のパーティによって分散方式でメンテナンスされてよく、これらのパーティはいずれも完全な記録を所有せず、データを収集及びメンテナンスする単独の仲介者は存在しない。従って、ブロックチェーンは、大まかにはACEプラットフォーム44を介して実施される通信に関して使用されてよいだけでなく、ACEプラットフォーム44を介して交換可能な個々の記録(例えば、電子航空機記録)のメンテナンスを管理することにも使用されてよい(又は代替として使用されてよい)。更に、後で詳述するように、個々のプラットフォームに関連付けられたデータの管理にブロックチェーンが使用されてもよい。
従って、幾つかの例示的実施形態では、ACEプラットフォーム44によって形成されるエコシステムの中で、ブロックチェーンベースのコンセンサスフレームワークが複数のレベルで使用されてよい。この点において、例えば、エコシステム内の個々のメンバ、アクタ、又はアセット(例えば、個々の航空機又は組織)によって生成されるデータは、システム10内で共有される特定タイプのデータ又は情報に関する記録のメンテナンスを、ブロックチェーンを使用して行ってよい。その後、より高いレベルで、プラットフォーム自体において(即ち、ACEプラットフォーム44において)通信又は交換が可能な特定の記録(例えば、電子航空機記録)がブロックチェーンを頼りにしてよい。
図4は、一例示的実施形態におけるブロックチェーンのマルチレベル実装のブロック図を示す。図4に示されるように、電子航空機記録200のメンテナンスが分散方式で行われてよく、これは、複数の参加者又はアクタが分散台帳(即ち、電子航空機記録200)に真正な変更を加えることが可能な、許可型又は非許可型のブロックチェーン実装を採用することによって行われる。図ではアクタが電子航空機記録200の特定部分(例えば、上述された部分)と相互に作用しているように示されているが、そのような部分は必ずしも全ての実装において別々でなくてよい。
図4に示されるように、航空機メンテナンス記録部分210には、MRO提供者212、OEM214、及びローカルリペア又はメンテナンス施設216から、そのような組織にある個別アクタの形で、又はそのような組織に関連付けられた共通アカウントによって、様々な入力が与えられてよい。航空機メンテナンス記録部分210の変更、更にはそれによる電子航空機記録200の変更はそれぞれ、記録(又は記録部分)へのあらゆるエントリが認証されてから許可されるように確立されたブロックチェーンコンセンサスフレームワークに基づいて行われてよい。エントリが行われたら、その真正性が証明済みであって不変であると見なされてよい。
航空機日誌部分220も、上述のように設けられてよい。パイロット、所有者、運用者、乗務員、又はIoT、又は航空機の各部品自体などによってサブミットされる、記録(又は記録部分)へのエントリ(例えば、パイロット/乗務員入力222)はいずれも、認証されてから許可されてよい。その後は、そのような全てのエントリがやはり証明済みであって不変であると見なされてよい。同様に、環境データ記録部分230は、環境センサ232(例えば、気圧、速度、高度、機首方位、対気速度等を検出する各航空機センサ)のセンサネットワークからの個別入力を受け取ってよい。上述のように、それらの部分のそれぞれは、それ自体で記録であってよく、或いは、1つの記録の各部分であってよい。「部分」が実際には個別記録である場合には、ブロックチェーンは、第1のレベルでは各記録をメンテナンスする為に実施されてよく、その後、やはり、第2のレベルでは、より大きな記録(即ち、電子航空機記録200)の真正性を保証する為に実施されてよい。
幾つかの例示的実施形態では、電子航空機記録200の各部分(即ち、航空機メンテナンス記録部分210、航空機日誌部分220、及び環境データ記録部分230)のうちの幾つか、更にはそれぞれが、その記録が関連付けられているアセット(例えば、航空機)から直接、アセットデータ240を受け取ってよい。そのような例では、航空機(又はアセット)上のコンポーネント/センサ242の全てが、それぞれのステータス、条件、又は他の、コンポーネント/センサ242において測定されるデータに関する報告を中央場所に対して行ってよい。各コンポーネント/センサ242は、ブロックチェーンを使用して通信することにより、アセットデータ240の記録の中身が真正データであることを保証することが可能である。更に、場合によっては、電子航空機記録200(又はその各部分)は、航空機から離れたところでメンテナンスされてよいが、電子航空機記録200(又はその各部分)のメンテナンスに使用されるデータの少なくとも一部が、リンク31のうちの、リアルタイムATGリンクであるリンクを介してリアルタイムで提供されてよい。従って、航空機が地上、又はゲート、又は格納庫、又はリペア施設にある状態になるまで待たなくても、個々のコンポーネント又はセンサに関連付けられたデータをアンロードすることが可能である。一方、アセットデータ240は、航空機がまだ飛行している間に(例えば、ブロックチェーンのセキュリティを使用して)リアルタイムで修正されることが可能である。
幾つかの実施形態では、図4のコンテキストで、パイロット、乗務員、メンテナンス担当者等がブロックチェーンデータストアにデータを追加することが可能であってよい。追加されたデータは、妥当性を検証されてから、任意の利用可能な方法でブロックチェーンにエンコードされてよい。更に、ブロックチェーンノードへのデータのエントリは、任意の適切な方法で、任意の適切なパーティによって行われてよい。場合によっては、例示的実施形態は、実質的にマルチネットワーク構造であるところに実装されてよい。第1のネットワークは、ブロックチェーン参加者ノードとして参加しないクライアントの為の、従来式のクライアントサーバ設計のネットワークであってよい。第2のネットワークは、ブロックチェーンネットワークそのものということになる。そのような例では、第1のネットワークは、第2のネットワーク上のノードにクエリを行ってよく、第2のネットワーク上のそのノードは、ブロックチェーンデータを調べて情報を返す。或いは、第1のネットワークは、ブロックチェーンネットワークにデータが追加されることを可能にするAPIを公表してよい。
ACEプラットフォーム44に関連付けられたアクティビティに関連するブロックチェーンの一例示的実装として、フライト中にロイヤルティポイント(例えば、頻繁に飛行機を利用する人のマイレージ、又は他のロイヤルティプログラム)をグッズやサービスと交換する為のトランザクション台帳が作成されてよい。この点において、乗客が航空会社のマイレージで取引を行う場合、航空会社がサービスの対価を受け取ることは現時点では困難であり、不透明である。ACEプラットフォーム44がブロックチェーン技術を使用するように構成されている場合、ACEプラットフォーム44は、ロイヤルティプログラムが消費者とのトランザクションをフライト中にリアルタイムで実施することを可能にする、信頼できる交換サービスを提供することが本質的に可能である。リアルタイムの情報交換を行うことに何の利点もない幾つかの場合には、通信のバッファリングが含まれてよい。しかしながら、使用事例によってはフライト中のリアルタイム態様が有利である場合がある。ACEプラットフォーム44はロイヤルティプログラムモジュールを含んでよく、このモジュールは、参加者各自のロイヤルティポイント(即ち、各自の通貨)が、交換機において、全ての交換メンバが同意できる方法で、他の交換メンバによって評価されることを可能にする為に、参加者らが適切な変換要件又は他のデータを規定することを可能にするように構成されている。従って、例えば、フライト中の消費者が、航空会社のマイレージを使用してドリンク、エンタテインメント、又は他のサービス(販売されている商品、又は交換機を介して販売される商品を含む)を購入することが可能であり、これは、提供されるサービス又はグッズが、対応するポイントが通貨として使用されるロイヤルティプログラムに関連付けられていない場合でも可能である。従って、ACEプラットフォーム44によって、フライト中の消費者がフライト中の交換メンバとの様々なタイプのコマースに参加することが可能になりうるだけでなく、各交換メンバがリアルタイムで互いに適切に補償し合うことが可能である。ACEプラットフォーム44に関連付けられたアクティビティに関連する、ブロックチェーンの別の例示的実装には、フライト中の消費者にリアルタイム接続性が提供されている状況でトランザクション台帳が含まれ、これによって、消費者がACEプラットフォーム44に接続すると、消費者がフライト中であることが直ちに認識されることが可能であり、そのフライトに関連付けられた謝礼ポイントが即座に消費者に与えられて、その、謝礼ポイントが与えられた同じフライトでのグッズ及びサービスの購入に利用できることが可能である。従って、ACEプラットフォーム44はフライト中の即時償還を可能にすることができ、ブロックチェーンを使用することで更に、トランザクション台帳をリアルタイムでもメンテナンスすることが可能になり、これによって、トランザクションに参加しているパーティ(即ち、交換メンバ)の間でのファンド、クレジット等の受け渡しが可能になり、その際には、第三者の侵入を心配しなくてよく、ACEプラットフォーム44を介して行われるトランザクションの真正性は完全に信頼できる。従って、地上の装置とフライト中の装置の両方(例えば、ラップトップ、スマートフォン等のような個人用通信装置と、サーバ又は地上ベースのコンピュータ端末)が、ACEプラットフォーム44を介して互いに通信することにより、場合によってはブロックチェーン技術を活用しうる固有環境でのコマース交換を行うことが可能である。この点において、そのような装置は、様々な例示的実施形態において、全てが地上にあってもよく、全てが空にあってもよく、地上と空とに分かれていてもよく、それでもACEプラットフォーム44とそれに関連付けられたAPIとを活用することが可能である。
図5は、一例示的実施形態による、認証済みアセットデータ240を生成するように構成された、航空機内の通信環境のブロック図を示す。図5に示されるように、複数のコンポーネント(例えば、コンポーネント1及びコンポーネント2)がアクセスポイント300(又は他のデータ集約モジュール又は処理/通信装置)に作用的に結合されてよく、アクセスポイント300は、コンポーネントバス310を介して、図4に示されたようにアセットデータ240を他のコンポーネントに直接又は間接的に伝達することが可能である。コンポーネントバス310は、コンポーネントデータをコンポーネント(1及び2)からアクセスポイント300まで搬送する単一データワイヤ又はデータワイヤの集合体であってよい。アクセスポイントは更に、無線で幾つかのコンポーネント(例えば、コンポーネント3及びコンポーネント4)に作用的に結合されてよい。コンポーネント3及び4は、それぞれが、アクセスポイント300との無線通信を可能にする無線機、アンテナ、及び/又は他の無線結合装置を有してよく、或いは、コンポーネント3及び4は、情報をアクセスポイント300に中継する為の無線通信機器が作用的に結合されていてもよい。いずれの場合も、アクセスポイント300は、コンポーネント(1〜4)のそれぞれからデータを受け取り、そのようなデータを、後でアセットデータ240として伝達することに備えて、処理、変換、集約、又は他の形で準備してよい。
同様に、センサ1及びセンサ2は、センサバス320を介してアクセスポイント300に作用的に結合されてよく、センサバス320は、コンポーネントバス310と同じであっても別であってもよい。一方、他のセンサ(例えば、センサ3及びセンサ4)は、コンポーネント3及び4に関して上述された方式と同様の方式の無線でアクセスポイント300に作用的に結合されてよい。センサ(1〜4)のいずれかからアクセスポイント300に与えられたデータは、アクセスポイント300に到達した後、更にアセットデータ240として、電子航空機記録200(又はその各部分)に含まれるように与えられてよい。
一例示的実施形態では、センサ(1〜4)又はコンポーネント(1〜4)のいずれかから受け取られるデータは、アセットデータ240を定義する為にブロックチェーンによって与えられてよい。その後、アセットデータ240は、各データ片がブロックチェーン技術により認証されるデータのレコードとして与えられてよい。そして、そのレコード(即ち、アセットデータ240)は、レコードを埋めている各データ片が真正であると認識されていることから、真正であるとして受け入れられてよい。更に、場合によっては、システムに追加された各コンポーネント又はセンサは、アクセスポイント300に対し、最初の通信で自身の認証を行ってよい。例えば、コンポーネント1は、固有の識別情報(例えば、部品番号)を有する新たなコンポーネント1で置き換えられてよい。この新たなコンポーネント1は、コンポーネントバス310内に設置されて、直ちにアクセスポイント300に登録されてよい。その後、新たなコンポーネント1は、登録済みコンポーネントとして、そのデータの報告をブロックチェーン技術を使用して行ってよく、ブロックチェーン技術を使用してデータを利用してよい。報告されるデータは、新たなコンポーネント1の固有の識別情報に関連して報告されてよい。センサも同様に動作してよい。従って、各センサ又は各コンポーネントによって収集されるデータは、コンポーネント又はセンサの部品番号又は他の識別情報に関連して記録されてよい。コンポーネントがデータの報告に失敗したか、不適正なデータを提供した場合、そのコンポーネントは、不具合が存在するかどうかを判定する為の調査を必要としているものと見なされてよい。更に、航空機の各コンポーネントのアクティビティを監視してアセットデータ240を報告する為に、各コンポーネントに関するデータが、ATG通信リンクを無線リアルタイム飛行データ記録器として(例えば、リアルタイムで)記録及び提供されてよい。
言い換えると、航空機は、それぞれがインテリジェントであってよい多数の離散部品で構成されていて(口語的には「モノのインターネット(IoT)」と呼ばれる)、実質的に機内に内部ブロックチェーンを有してよく、これを用いることにより、航空機の部品及び動作状態の正確な記録が完全なトレーサビリティでメンテナンスされるようにすることが可能である。これは、部品が、機内ブロックチェーンの分散ノードを構成する航空機の各部品によって認識される、航空機自体の一部として受け入れられるものと見なされれば、部品からの入力だけを使用する方式で航空機システムとともに働くことまで可能になる。当然のことながら、航空機のコンテキストでの「部品」は、航空機の明白な物理的要素だけにとどまらない意味であってよく、ソフトウェア又はファームウェアを意味してもよい。これにより、フライト中の部品制御のメンテナンスを確実に行うことが可能であり、それによって、ハッカーによる、悪意のあるコードを挿入する試みが阻止される(悪意のあるコードは、当然のことながら、航空機の内部ブロックチェーンにおいて妥当性を確認されず、認証されない)。従って、これは、内部ブロックチェーンを使用して上述の随時更新される日誌を実装する方法の一例になりうる。
従って、ブロックチェーンは、複数のレベルで、且つ、異なる、或いは別個である複数の方式でシステム10内に実装可能である。この点において、ブロックチェーンは、ACEプラットフォーム44を介して共有可能な特定の台帳又は記録(例えば、電子航空機記録200(又はその各部分))をメンテナンスすることに使用されてよく、又、ブロックチェーンは、ACEプラットフォーム44の外部の特定のエンティティ(例えば、個々の航空機又は施設)から特定の台帳又は記録へのエントリが、認証されてからACEプラットフォーム44へのエントリを許可されることを確実に行う為に使用されてよい。ブロックチェーンは、ACEプラットフォーム44上のスマート契約、及びACEプラットフォーム44上の他の交換されるデータ及びサービスの管理を可能にすることに使用されてもよい。
例えば、航空機は、航空機の物理的部品に加えて複数のオペレーショナルデバイス(電子フライトバッグ(EFB)、その多くが現在ではiPad(登録商標)やサーフェスプロのようなタブレットである)を有してよい。一例示的実施形態では、特定のフライトの期間に航空機の内部ネットワーク上にあるようにサポートされる各デバイスは、フライト前プロセスの一環として、フライトの前にあらかじめ自身を内部ネットワークに登録してよい。登録の一環として、パイロット又は乗務員は、(例えば、パスワード、生体認証等により)自分のEFB又は他のスマートデバイスにログインしてそれらをロック解除してよいが、内部ネットワークに対しては更に、任意の適切な認証/登録手段でデバイスをログインさせるか他の方法で認証及び登録してよい。場合によっては、登録には、乗務員/パイロットだけがアクセス可能な一意のサービスセット識別子(SSID)が使用されてよい。その後、航空機の内部ネットワークが、それらのデバイスを、そのフライトにおいて航空機に対して認可されたEFBとして「登録」してよい。更に、場合によっては、各外部デバイス(例えば、個人所有のデバイス)がネットワーク内の他のデバイスによって受け入れられるか認識されることが必要な場合があり、それによって、受け入れられる各デバイスは、そのフライトの乗務員/パイロットの既知のデバイスであり、そのように認識される。その後、この情報は全て、航空機の内部の動的ブロックチェーン認証鍵に入力されてよく、接続性が有効であるか有効になった場合に、これをACE/外部世界に登録してよい。従って、個人所有のデバイスであっても、限定された期間(即ち、1つのフライト)において、航空機の認証済み内部ネットワークの一部になってよい。従って、「動的ブロックチェーン」技術又は「動的グループブロックチェーン」技術を使用することにより、そのプロシージャを経て、個人所有のデバイスであっても、航空機の信頼される内部ネットワークに一時的に追加し、そして更に、そのようなデバイスを、限定された期間(1つのフライト)において外部ネットワークに登録することが可能である。
ブロックチェーンの認証認可は、各デバイスと航空機(例えば、部品及びソフトウェア/ハードウェア)とが組み合わされて、本質的には、それぞれのデバイスが認可されていることを示す組み合わせ鍵を作成することを含んでよい。そして、組み合わせ鍵は、地上(例えば、ACE)に登録されて、組み合わせに新たなレイヤを追加してよい(そして場合によっては、デバイスと割り当てられた乗務員及び航空機とが対応していることを確認するデバイス妥当性チェックを含んでよい)。この外部動的グループブロックチェーンにより、地上から航空機に送られるあらゆるものが、有効な情報と見なされる為に動的鍵を所有することが更に必要になる。
ハッカーが侵入を企てた場合、ハッカーが企てた侵入が機内からであれ、機外からであれ、ハッカーは、フライト前に組み合わせ鍵を形成したデバイスのグループの一要素ではない為、ハッカーが組み合わせ鍵を持たないのは明らかであろう。フライトの終了時には、そのフライトの動的ブロックチェーンが解消されてよく、従って、動的ブロックチェーンは時間的に限定される(例えば、特定のフライトに限定される)。従って、乗務員が使用していたデバイスをハッカーが盗んで、ロックを解除できたとしても、ハッカーは、そのデバイスを使用して別のフライトでの内部ネットワークに侵入することができない。別のフライトではその組み合わせ鍵も別物になり、これは、ハッカーにとっても、前のフライトで航空機の内部ネットワークの一要素として使用されていたデバイスにとっても未知である。更に、例えば、新しいデバイスがネットワーク上の既存のデバイスによって受け入れられなければならない状況であれば、ハッカーのデバイスは受け入れられることができない。例えば、内部ネットワークへのエントリを要求する新しいデバイスがあった場合、そのフライトの組み合わせ鍵を新しいデバイスに対して発行する為には、そのフライトにおける他のデバイスのうちの少なくとも2つ(又はほとんど)のデバイスによる受け入れの意思表示が必要となることがある。
図4及び5の説明に基づくと、当然のことながら、個々のコンポーネント又は部品のステータスは、必要に応じて、リアルタイムで(例えば、航空機の飛行中に)、又は履歴から判定されてよい。そして、交換部品/コンポーネントの事前対応的又は事後対応的な発注、又は、事後対応的であれ、予防的であれ、予測的であれ、そのような部品/コンポーネントに対するメンテナンスの発注は、航空機がまだ飛行中の間にスケジューリング又はハンドリングされてよい。そして、部品の発注及び配送は、航空機の可用性を最大化するように、航空機の位置及びスケジュールに合わせて行われてよい。航空機内で、信頼される部品の確認及び取り付けが可能である。更に、そのような部品は、取り付け直後に航空機内ブロックチェーンを使用して航空機(又はアクセスポイント)に対して自己認証を行ってよく、その後、航空機外ブロックチェーンを使用して自己認証を行ってよく、これにより、更なるデータ完全性が実現される。
技術的観点からは、上述のACEプラットフォーム44は、上述の動作の一部又は全てをサポートするように使用されてよい。従って、図2で説明されたプラットフォームは、幾つかのコンピュータプログラムベース、且つ/又はネットワーク通信ベースの相互作用の実施を促進するように使用されてよい。一例として、図6は、本発明の一例示的実施形態による方法及びプログラム製品のフローチャートである。当然のことながら、フローチャートの各ブロック、及びフローチャート内のブロックの組み合わせは、様々な手段によって実施されてよく、例えば、1つ以上のコンピュータプログラム命令を含むソフトウェアの実行に関連付けられたハードウェア、ファームウェア、プロセッサ、及び/又は他のデバイスによって実施されてよい。例えば、上述のプロシージャのうちの1つ以上が、コンピュータプログラム命令によって実施されてよい。この点において、上述のプロシージャを実施するコンピュータプログラム命令は、ユーザ端末(例えば、クライアント20、アプリケーションサーバ40等)のメモリ装置によって記憶されてよく、ユーザ端末のプロセッサによって実行されてよい。当然のことながら、任意のそのようなコンピュータプログラム命令が、マシンを生成する為に、コンピュータ又は他のプログラマブル装置(例えば、ハードウェア)にロードされてよく、これによって、コンピュータ、又は他のプログラマブル装置で実行される命令は、フローチャートの1つ以上のブロックで指定される機能を実施する手段を形成する。これらのコンピュータプログラム命令は又、コンピュータ可読なメモリに記憶されてもよく、コンピュータ又は他のプログラム可能な装置を特定の様式で機能させることが可能であり、この、コンピュータ可読なメモリに記憶された命令によって、フローチャートの1つ以上のブロックで指定される機能を実施する製造物が製造される。これらのコンピュータプログラム命令は又、コンピュータ又は他のプログラム可能な装置にロードされて、コンピュータ又は他のプログラム可能な装置において一連の動作を実施させることにより、コンピュータで実施されるプロセスを生成してもよく、コンピュータ又は他のプログラム可能な装置で実行される命令は、フローチャートの1つ以上のブロックで指定される機能を実施する。
従って、フローチャートの各ブロックは、指定された機能を実施する手段の組み合わせ、並びに指定された機能を実施する動作の組み合わせをサポートする。更に、当然のことながら、フローチャートの1つ以上のブロック、及びフローチャート内のブロックの組み合わせは、指定された機能を実施する、専用ハードウェアベースのコンピュータシステム、又は専用ハードウェアとコンピュータ命令との組み合わせによって実施可能である。
この点において、本発明の一実施形態による方法を図6に示す。本方法は、動作400において、交換サービスプラットフォームへのアクセスを複数のクライアントに許可するステップを含んでよい。アクセスの許可は、各クライアントが交換のメンバになること、又は他の形で、交換に参加する為の条項及び条件に同意することに基づいて行われてよい。条項及び条件は、データを他のメンバ/パーティと共有すること、並びに、場合によっては、そのようなデータを共有する為のフォーマットを定義することについてのポリシーを含んでよい。本方法は更に、動作410において、クライアント間でのデータ交換及びサービスを可能にするステップを含んでよい。当然のことながら、クライアントらは、それぞれがそれ自体で、それ自体の能力で他のデータソースに接続するプラットフォームであってよい。従って、その意味での交換機は、複数のプラットフォームのうちのプラットフォームである。サービス及びデータの交換は、少なくとも幾つかのトランザクションが交換サービスプラットフォームを介してハンドリングされることが可能になるように調整され、パーティ間での合意や1対1の交渉が別途必要になることがない。本方法は更に、動作420において、データ及びサービスの交換に関連付けられたアプリケーション又は契約開発の為のツールを提供するステップを含んでよい。従って、サービス又はデータに関連付けられた特別な合意を形成することをパーティ同士が強く望むほどであっても、パーティ同士が契約の作成及び処理を簡潔な方法で行うことを可能にするツールが交換において用意される。そのようなスマート契約は、交換に関連するサービスに関して合意に達する能力を急速に加速させることが可能である。本方法は更に、交換サービスプラットフォーム上の全ての通信をセキュリティ保護するツールを提供するステップ430を含んでよい。これらのツールは、ブロックチェーン技術又は他の集中セキュリティ技術の使用を含んでよい。
一例示的実施形態では、上述の図6の方法を実施する装置が、上述の動作(400〜430)の一部又はそれぞれを実施するように構成されたプロセッサ(例えば、プロセッサ52)又は処理回路を含んでよい。プロセッサは、例えば、ハードウェア実装された論理機能を実施すること、又は記憶された命令を実行すること、又はそれらの動作のそれぞれを実施するアルゴリズムを実行することにより、動作(400〜430)を実施するように構成されてよい。幾つかの実施形態では、プロセッサ又は処理回路は更に、動作400〜430に対する追加動作又は任意選択の修正を行うように構成されてよい。
幾つかの例示的実施形態では、航空宇宙コマース交換システムが提供されてよい。本システムは、ネットワークと、ネットワークに作用的に結合された複数のクライアントと、ネットワークに作用的に結合されて、交換サービスをクライアントに提供する航空宇宙コマース交換プラットフォームと、を含んでよい。少なくとも1つのクライアントが、少なくとも1つの交換サービスに関連付けられたデータをやりとりする為に、リアルタイムの空対地無線通信リンクを介して航空宇宙コマース交換プラットフォームに作用的に結合されてよい。
幾つかの実施形態では、本システム(及び、対応する、本システムを特徴付ける動作を実施するように構成された装置)は、追加のコンポーネント/モジュール、任意選択の動作、及び/又は修正又は強化が可能な、上述のコンポーネント/動作を含んでよい(又はこれらを実施するように構成されてよい)。修正、任意選択の動作、及び強化の幾つかの例について以下で述べる。当然のことながら、修正、任意選択の動作、及び強化は、それぞれが単独で加えられてよく、或いは、何らかの望ましい組み合わせで累積的に加えられてよい。一例示的実施形態では、少なくとも1つのクライアントが航空機を含んでよい。航空機は、航空機のコンポーネント又はセンサから航空宇宙コマース交換プラットフォームにデータを提供してよい。少なくとも1つの交換サービスは、電子航空機記録を提供することを含んでよい。一例示的実施形態では、電子航空機記録は、航空機メンテナンス記録部分、航空機日誌部分、又は環境データ記録部分を含む。そのような例では、航空機メンテナンス記録部分、航空機日誌部分、及び環境データ記録部分のうちの1つ以上が、航空機のコンポーネント又はセンサからリアルタイムで提供されたアセットデータを含む。場合によっては、電子航空機記録は、ブロックチェーン技術を使用してメンテナンスされるデータベース又は台帳を含んでよい。一例示的実施形態では、航空宇宙コマース交換プラットフォームは開発モジュールを含んでよく、開発モジュールは、第1のクライアントが第2のクライアントから提供されたデータを使用して、交換サービスの1つとして使用されるべくネットワークを介してアクセス可能なツールを作成することを可能にするように構成される。追加又は代替として、航空宇宙コマース交換プラットフォームはeコマースモジュールを含んでよく、eコマースモジュールは、課金が航空宇宙コマース交換プラットフォームを介してハンドリングされる、交換サービスの1つとして、第1のクライアントが第2のクライアントとのトランザクションを実施することを可能にするように構成される。そのような例では、航空宇宙コマース交換プラットフォームはセキュリティモジュールを含んでよく、セキュリティモジュールは、クライアント間の、交換サービスに関連付けられたセキュアな通信を可能にするように構成される。場合によっては、セキュリティモジュールは、通信の認可又は認証を管理する処理回路を、ネットワーク内の集中化された場所に含んでよい。追加又は代替として、セキュリティモジュールは、通信の認可又は認証の管理に関連付けられた分散処理回路を含んでよい。そのような例では、分散処理回路は、ブロックチェーン技術を使用してよい。幾つかの例示的実施形態では、ブロックチェーン技術は、システム内で複数のレベルで使用されてよい。場合によっては、アセットデータが航空機からリアルタイムで提供されてよく、このアセットデータは、ブロックチェーン技術を使用してメンテナンスされるアセットデータ記録によって提供される。追加又は代替として、交換サービスは、アセットデータ記録に関連付けられた少なくとも1つのサービスを含んでよく、複数のクライアントが互いに通信して、その少なくとも1つのサービスを、ブロックチェーン技術を使用して実施してよい。追加又は代替として、航空機の複数のコンポーネント又はセンサが、無線又はバス経由でアクセスポイントに作用的に結合されてよい。そのような例では、航空機のコンポーネント又はセンサは、それぞれが、アクセスポイントとの通信の前にアクセスポイントに対して認証されてよく、それによって、コンポーネント又はセンサからのデータが、最初にデータが生成されるコンポーネント又はセンサのそれぞれに関連付けられる。一例示的実施形態では、スマート契約が交換サービスの1つとして提供されてよい。
本明細書に記載の発明が属する技術分野の当業者であれば、上述の説明及び関連図面において示された教示の利益を有する、それらの発明の様々な修正及び他の実施形態が思い浮かぶであろう。従って、当然のことながら、本発明は、開示された特定の実施形態に限定されるものではなく、修正形態及び他の実施形態は、添付の特許請求項の範囲に包含されるものとする。更に、上述の説明及び関連図面は要素及び/又は機能の特定の例示的な組み合わせのコンテキストにおける例示的実施形態について説明しているが、当然のことながら、添付の特許請求項の範囲から逸脱しない限り、要素及び/又は機能の別の組み合わせが代替実施形態によって与えられてよい。この点において、例えば、明示的に上述されたものと異なる、要素及び/又は機能の組み合わせも、添付の特許請求項のうちの幾つかにおいて記載されうるものとして想定される。問題に対する利点、利益、及び/又はソリューションが本明細書に記載されている場合、当然のことながら、そのような利点、利益、及び/又はソリューションは、幾つかの例示的実施形態には適用可能でありうるが、必ずしも全ての例示的実施形態に適用可能とは限らない。従って、本明細書に記載のいずれの利点、利益、又はソリューションも、全ての実施形態、又は本明細書において特許請求されている実施形態に対してクリティカル、必須、又は不可欠であると考えられるべきではない。本明細書では具体的な用語が使用されているが、これらは限定目的ではなく包括的且つ説明的な意味でのみ使用されている。