JP2020508780A - 電動ディスペンサ - Google Patents

Abstract

異なるサイズの印象材カートリッジからの歯科材料の電動押し出しおよび正確な配置のための電動ディスペンサ。本ディスペンサは、本ディスペンサの長さおよび幅を減少させるための入れ子状のプランジャと、印象材カートリッジを保持するためにそのカートリッジフランジの上でスナップする本ディスペンサのハウジングに取り付けられるキャップとを備える。【選択図】図２ｄ

Description

本開示は、一般に電動歯科ディスペンサに関し、より具体的にはウォッシュ粘性印象材、支台築造材料および修復用コンポジットなどの歯科材料の電動押し出しおよび正確な配置のための歯科ディスペンサに関する。

歯科技術分野では、例えばドリル、研磨ディスク、予防装置などの電動器具を提供することが知られている。歯科専門家が当該器具を操作するために把持および使用することができるハンドピースの形態のそのような装置を提供することも当該技術分野で知られている。電源スイッチまたは速度制御などの各種制御を有するそのような装置を提供することが有利である。歯科専門家がそのような装置およびそれらの関連する制御を操作している時に、長さおよび重量制限が原因となり、かつ通常はピストル式グリップである把持方式も原因となって当該器具を長時間効率的に取り扱うことは多くの場合難しいことが分かっている。さらに、入手可能なハンドピースは第三者の製品と接続するそれらの能力において制限されている。

米国特許第９，２８３，０５９号は、組織管理印象材の正確な配置を助ける空気を動力とする空気圧式ディスペンサについて記載している。

米国特許第８，５６８，１４１号は、主ハウジングと同軸上に位置し、かつ駆動軸および回転してプランジャロッドの雄ネジ上の割りナットに係合するロッキングリングによって作動される回転円筒体を備えた線形電動歯科用注射器を開示している。ネジ式プランジャロッドはモータに直接取り付けられておらず、回転円筒体内に入れ子になっており、割りナットの係合により前進および後退する。

米国特許第８，１９２，１９８号は、ダブルカートリッジに含まれている２つの異なる種類の医療用粘性流体を同時に絞り出す二成分医療用粘性流体のための絞り出し銃（ｓｑｕｅｅｚｉｎｇ ｇｕｎ）を開示している。スクロールバーは歯車の影響下で前進し、スクロールバーを後方に向かって付勢するためにバネが使用されている。別の実装では、一対のクラッチが回転するネジ式スクロールバーに対して付勢されている。

米国特許第６，３１９，００２号は、ネジ式駆動軸と係合するための中空のネジ穴を有する格納式プランジャを備えた歯科材料を塗布するための手持ち式装置を開示しており、中空のプランジャにより駆動軸をプランジャ内に入れ子にすることができる。

米国特許第５，７７１，９２５号は、手洗浄サイクルの開始および終了を示すシグナリングタイマーディスペンサを含む、ソープディスペンサおよび洗浄シグナル装置を開示している。シグナリング装置は、枢動可能に装着されたソープ吐出ハンドルを有するソープディスペンサのハウジング内に装着されており、ソープ吐出ハンドルを枢動可能に移動させるとハンドルの移動によりシグナリング装置が起動する。

米国特許第Ｄ７２９，４００号では、Ｈａｙｍａｎはピストル式グリップを有する銃形状の混合および吐出装置を開示している。

米国特許出願公開第２０１４／００３６６１６号は、混合される材料を含む容器と共に使用するための線形駆動機構および第２の駆動機構によって駆動される動的混合機を有する電動ディスペンサを備えた吐出および混合システムを開示している。

多くの用途において、異なるサイズのカートリッジと共に使用するための電動ディスペンサを提供することが望ましい。本開示は一般に、印象材カートリッジと共に使用するための装置に関し、より具体的には、プランジャがその中に配置される近位端および遠位端を有するハウジングと、前記ハウジングに着脱可能に取り付けられる第１の端部および第２の端部を有するキャップと、上部、底部および上部に隣接して形成された延在部を有し、かつ充電のためにディスペンサを受け入れるように構成された充電ベースとを備え、キャップの第２の端部は異なるサイズの印象材カートリッジを受け入れるための空洞に通じており、かつハウジングは、前記プランジャに作動可能に係合して印象材カートリッジから印象材を排出するための電動モータを収容するように構成されていることを特徴とする電動歯科ディスペンサに関する。これはウォッシュ粘性印象材など歯科材料の正確な配置のために電動アシスト送達を提供する。支台築造材料および修復用成分などの他の材料の送達も実現することができる。

本装置の特徴のいくつかを、その詳細な説明をより良好に理解することができ、かつ当該技術分野への本寄与をより良好に理解することができるようにするために、どちらかと言えば大まかに概説してきた。そのさらなる特徴は本明細書の後に記載されている。

これに関して本開示の少なくとも１つの実施形態を詳細に説明する前に、本開示はその適用において以下の説明に示されているか図面の中の図示されている構成要素の構成または配置に関する詳細に限定されないことを理解されたい。本装置は他の実施形態が可能であり、かつ様々な方法で実施および実行することができる。また当然のことながら、本明細書に用いられている表現および用語は説明のためのものであり、本発明を限定するものとしてみなされるべきではない。

１つの目的は、ディスペンサの全長および幅を減少させるために入れ子状のプランジャを備えたディスペンサを提供することにある。

別の目的は、歯科医師または衛生士などのユーザがディスペンサをペングリップで把持した場合にディスペンサを自身の指で起動することができるように、ディスペンサの遠位端にあるボタンまたは他の手段の起動によって作動されるディスペンサを提供することにある。

別の目的は、漸増的に変化する吐出速度を有するディスペンサを提供することにある。

さらに別の目的は、可変速度制御を提供するための無線足踏みペダルを備えたディスペンサを提供することにある。

本開示の目的は、作業および硬化時間のための可聴アラームを備えたディスペンサを提供することにある。

別の目的は、充電式電池およびディスペンサを受け入れて充電するためのベースを備えたディスペンサを提供することにある。

本開示のさらに別の目的は、バネがキャップを前方位置において付勢してキャップとディスペンサとの間のあらゆる緩みを取り除くようにキャップおよびバネを備えたディスペンサを提供することにある。

別の目的は、ディスペンサの電子装置が流体侵入を防ぐためにシールされているディスペンサを提供することにある。またディスペンサを受け入れるための充電ベースは、流体の蓄積を防止するために下部に排液孔を有していてもよい。

１つの目的は、カートリッジサイズおよびプランジャ位置を自動的に決定するための電流検出を備えたディスペンサを提供することにある。

本開示の他の目的および利点は読者には明らかになると思われ、これらの目的および利点は本開示の範囲内であることが意図されている。上記および関連する目的の達成のために、本装置は添付の図面に図示されている形態で具体化されてもよいが、この図面は単に例示であって、本出願の範囲内で図示および説明されている具体的な構成における変形が可能であるという事実に留意されたい。

本開示の様々な他の目的、特徴および付随する利点は、添付の図面と共に考察した場合により良好に理解されるため、十分に理解されることになるであろう。図面の中では同様の符号はいくつかの図にわたって同じもしくは同様の部分を示す。

キャップがそこに取り付けられた状態の本ディスペンサのハウジングを示す本開示の一実施形態の上面図である。 図１ａの実施形態の側面である。 本ディスペンサを充電するために使用される充電端子を示す図１ａの実施形態の底面図である。 図１ａの実施形態の斜視図である。 キャップが取り外された状態の図１ａの実施形態の斜視図である。 本ディスペンサのハウジングに取り付けられたキャップおよびカートリッジ混合先端部組立体を示す本開示の一実施形態の上面図である。 本ディスペンサのハウジングに取り付けられたキャップおよびカートリッジ混合先端部組立体を示す本開示の一実施形態の斜視図である。 本ディスペンサのハウジングから分離されたキャップおよびカートリッジ混合先端部組立体を示す本開示の一実施形態の斜視図である。 本ディスペンサのハウジングに取り付けられたキャップおよびカートリッジ混合先端部組立体を示す本開示の一実施形態の側面図である。 本ディスペンサのハウジングに取り付けられたキャップおよびカートリッジ混合先端部組立体を示す本開示の一実施形態の底面図である。 本開示に係るキャップの上面図を示す。 本開示に係るキャップの側面図を示す。 本開示に係るキャップの斜視図を示す。 本開示に係るキャップおよびカートリッジ混合先端部組立体の斜視図である。 本開示のカートリッジ混合先端部組立体に取り付けられたキャップの上面図を示す。 本開示のベースの斜視図を示す。 ベースの中に置かれているディスペンサの斜視図を示す。 本開示の一実施形態に係るカートリッジサイズ検出のためのプロセスフローチャートである。 本開示に係るディスペンサの分解図を示す。 本開示の一実施形態の側断面図である。 本開示の一実施形態の上断面図である。 カートリッジ混合先端部組立体が完全に設置されている状態のキャップを示す断面図である。 本ディスペンサのハウジングに装着された図８ａのキャップおよびカートリッジ混合先端部組立体を示す断面図である。 カートリッジ混合先端部組立体が完全に設置されていない状態のキャップを示す断面図である。 本ディスペンサのリブおよびキャップのスナップアームの妨害により本ディスペンサの本体の中に嵌合することができないカートリッジ混合先端部組立体と共にキャップを示す断面図である。 本開示に係るプランジャの斜視図である。 プランジャロッドのネジ式基部および上側チャネルを示すプランジャの正面図である。 本開示に係るキャップおよび送りネジの周りで入れ子になったプランジャのためのバネ付勢機構を示す断面図である。 本開示に係る異なるカートリッジサイズを示す。

いくつかの図を通して同様の符号が同様の要素を示す図面を参照すると、これらの図は歯科材料の押し出しおよび正確な配置のための線状カートリッジ受け入れ電動歯科装置を示している。添付の図面、特にその中の図２ｃおよび図６を参照すると、本ディスペンサは近位端および遠位端を有するハウジングを備え、本ディスペンサは一般に符号１０によって示されている。本ディスペンサは、第１の端部７３および第２の端部７４を有するキャップ３４をさらに備え、第２の端部７４は異なるサイズの印象材カートリッジ３２を受け入れるための空洞に通じている。本装置は上部７５、底部７６および延在部７７を有する充電ベース３０も備え、延在部７７は上部７５に隣接して形成されており、かつ充電のためにディスペンサ１０を受け入れるように構成されており、本ディスペンサのハウジングはキャップ３４に着脱可能に取り付けられ、前記ディスペンサ１０は、印象材カートリッジ３２から印象材を作動可能に排出させるための電動モータ２３およびプランジャ１６を収容するように構成されている。

特にディスペンサ１０は、電池およびＤＣ電動モータ２３をその中に収容するように構成された上側外側ハウジング７および下側外側ハウジング８を備える。電動モータ２３は送りネジ２１を回転させ、送りネジ２１は伝動連結器２２によってモータ２３に結合されている。図７ａおよび図７ｂに示すように、プランジャ１６は送りネジ２１と係合するネジ式基部１５に一体的に接続されている。プランジャロッドのネジ式基部１５はプランジャロッド１６の近位端に位置している。あるいは、これらのネジ部分は前記プランジャロッド１６の基部の中に挿入成形されているか、別個のネジ式ナットとして取り付けられていてもよい。送りネジ２１の回転によりプランジャ１６を所望どおりに前後に移動させる。モータ２３は充電式電池２６によって電力が供給されてもよく、この電池は過熱を防止するために安全保護回路（図示せず）を有していてもよい。送りネジ２１の遠位端はブッシング１９によって安定化および位置合わせされる。送りネジ２１の遠位端にある短いシャフト４８は安定化ブッシング１９内で自由に回転する。

プランジャ１６は、ディスペンサ１０の全長を減少させるために送りネジ２１の周りで入れ子になっていてもよい。図１０ａおよび図１１に示すように、入れ子は各プランジャ１６の内面４６を切り取ることによって作り出されていてもよく、そうしなければそれは送りネジ２１を妨害することになるであろう。この目的を達成するためにカートリッジチャンバ４７を互いにより近くに位置づけ、それによりディスペンサ１０の幅全体も減少させる。これはディスペンサ１０をペン式グリップで把持する場合に有利である。図７ａおよび図１０ｂを参照すると、プランジャロッドのネジ式基部１５は下側内側フレーム１２内のチャネル３５の中を自由に摺動する底に付加物２４を有していてもよい。チャネル３５は送りネジ２１の軸と位置合わせされている。チャネル３５はプランジャロッドのネジ式基部１５が送りネジ２１の摩擦力により回転するのを防止し、故にこれによりモータ２３の回転運動がプランジャロッド１６の軸方向運動に移行する。プランジャロッドのネジ式基部１５の上部は、底の付加物２４の反対方向に延在し、かつ上側内側フレーム１１内の上側ガイドバー３６上を自由に摺動する上側チャネル３９を形成する２つの垂直延在部１７を有していてもよい。同様に、垂直延在部１７および上側ガイドバー３６もプランジャロッドのネジ式基部１５の回転を防止する。ディスペンサ１０はモータ２３の上方にディスペンサ１０の電子機能を制御する主プリント回路基板（ＰＣＢ）２７を有していてもよい。プリント回路基板２８は、上側外側ハウジング７内の窓９を通して現れるデジタル表示装置５を有していてもよく、これは電池２６の充電状況ならびにモード設定および印象材の硬化時間をスケジューリングするためのカウントダウンタイマーなどの他のパラメータを示す。ＰＣＢ２８は上側外側ハウジング７の外側にある表示装置ラベル（図示せず）を通して発光する発光ダイオード（ＬＥＤ）を有していてもよく、これはユーザのために同様の機能および作動状況を示すことができる。

プランジャロッドのネジ式基部１５の外壁は、片側に延在し、かつ上側内側フレーム１１と下側内側フレーム１２との間に作り出される溝の中を自由に摺動する短いリブを有していてもよい。この２つの溝は送りネジ２１の軸と位置合わせされている。これらの溝はプランジャロッドが送りネジ２１の摩擦力により回転するのを防止し、故にこれによりモータ２３の回転運動がプランジャ１６の軸方向運動に移行する。

図１ａ〜図２ｃから分かるように、ディスペンサ１０は、実施者がディスペンサ１０をペングリップで把持した場合に自身の指でディスペンサ１０を起動させるのを可能にするディスペンサ１０の遠位端にある起動ボタン１および２または他の同様の手段によって作動される。これらのボタンは、ディスペンサ１０の遠位端に位置する突出部１３内の開口部の上方に延在する起動ボタンＰＣＢ３１上に位置していてもよい。前記突出部１３は、カートリッジ混合先端部組立体２０が予め装着されているキャップ３４を受け入れるように構成されている。起動ボタンＰＣＢ３１は水平に方向づけられたカートリッジ混合先端部組立体２０に平行に位置決めされており、それにより垂直に方向づけられるカートリッジ混合先端部組立体２０のより大きなサイズとは対照的にディスペンサ１０のサイズを減少させる。

本装置を作動させるために、ユーザは起動ボタン１または２のうちの１つを押下してモータ２３を始動させ、かつプランジャ１６を前進させる。ユーザは起動ボタン１または２を離して吐出を停止する。好ましくは、前方ボタンは事前設定された低速起動ボタン２であり、後方ボタンは事前設定された高速起動ボタン１である。

本開示の一実施形態によれば、その各位置が漸増吐出速度に関連している多位置ロッカスイッチが本ディスペンサに使用されていてもよい。

別の実施形態によれば、ディスペンサ１０は可変速度制御を提供する無線ブルートゥース（登録商標）足踏みペダル（図示せず）を有していてもよい。足踏みペダルとペアリングした際にブルートゥース（登録商標）記号が窓９内の表示装置５上に現れてもよい。ディスペンサ１０をブルートゥース（登録商標）足踏みペダルとペアリングすると、足踏みペダルは起動ボタン１および２に優先する。実施者は低速度のために足踏みペダルを軽く押下し、かつ高速度のために強く押下することにより足踏みペダルで吐出速度を制御してもよい。好ましくはこの速度は、オフと高速起動ボタン１に対応する事前設定された最大速度との間で変えることができる。

バランスが重量よりも重要である一実施形態では、電池２６はモータ２３と直列ではなくバランスのために手の上方に位置決めされていてもよい。これにより、より短いディスペンサ１０が得られ、かつ使用中の疲労が軽減される。

さらなる実施形態では、キャップ３４は、カートリッジ３２上のカートリッジフランジ４１の上でスナップするスナップアーム３７を有していてもよい。図８ａ、図８ｂ、図９ａ、図９ｂを参照すると、クリップ４０の近位端は傾斜４２を有しているので、カートリッジ混合先端部組立体２０をキャップ３４の中に押し込むと傾斜４２はカートリッジフランジ４１の上に乗り上がる。カートリッジ３２を最後まで押し込むと、クリップ４０の垂直遠位壁４３がカートリッジフランジ４１の垂直近位壁４４の上でスナップする。従って、クリップ４０はカートリッジ３２を定常状態に保持し、かつ吐出中の混合先端部３３内の水圧力によりそれが後方に移動するのを防止する。スナップアーム３７は、クリップ４０がカートリッジフランジ４１に係合した場合に可聴クリック音を鳴らし、ユーザにカートリッジ混合先端部組立体２０がスナップアーム３７によって完全に設置されて固定されているというフィードバックを与える。カートリッジ３２を取り外すために、ユーザはキャップ３４を取り外し、次いでクリップ４０がカートリッジフランジ４１から係脱し、かつ空のカートリッジ３２を取り外すことができるまでスナップアーム３７を外向きに屈曲させる。カートリッジ混合先端部組立体２０がキャップ３４内に完全に設置されていない場合、キャップ３４を本ディスペンサのハウジングに適用することはできない。スナップアーム３７は所定の場所にスナップする前に、カートリッジ混合先端部組立体２０のフランジエッジ４９を妨害するので、それは外向きに曲げられる。この外向き位置では、スナップアーム３７の近位端はリブ４５の遠位面を妨害する位置にある。スナップアーム３７のリブ４５への妨害は、カートリッジ混合先端部組立体２０が完全に設置されていない場合にキャップ３４がディスペンサのハウジングの中に押し込まれるのを防止する。これはユーザにカートリッジ混合先端部組立体２０およびキャップ３４が不適切に組み立てられているというフィードバックを与える。このフィードバックが与えられることでユーザは、キャップ３４を取り外してカートリッジ混合先端部組立体２０を再設置する必要性に気づく。カートリッジ混合先端部組立体２０が完全に設置され、かつクリップ４０がカートリッジフランジ４１上に固定されている場合、スナップアーム３７はその正常位置で屈曲され、かつカートリッジ混合先端部組立体２０の側面と同一平面に置かれる。この同一平面位置では、スナップアーム３７の近位端はリブ４５の遠位端を妨害せず、キャップ３４をディスペンサのハウジングに適切に取り付けることができる。さらにキャップ３４は、カートリッジ３２を装着したり取り外したりするのをより容易にするために上部および底部にＵ字形の切り抜き７１、７２（図３ｂ）を有していてもよい。

一実施形態では、キャップ着脱クリップ１４によりキャップ３４をハウジングに固定してもよい。キャップ着脱クリップ１４は、好ましくはプラスチック部品である。クリップ１４は突出部１３の外側近位端の周りを包み込むものであってもよく、かつヒートステーク（ｈｅａｔ ｓｔａｋｅ）５３または他の同様の付属品により固定されていてもよい。クリップ１４は内向きの屈曲を可能にするための隙間を有して突出部１３の周りに嵌合する。その通常の非屈曲位置では、キャップ着脱クリップ１４上の上側タブ５１は、外側上側ハウジング７上の柔軟側面キャップ着脱ボタン３の内面に対して外向きに付勢されている。また、キャップ着脱クリップ１４の外側面にある下側タブ５０は外向きに付勢されており、キャップ３４の近位端にある四角形の穴３８と係合する。下側タブ５０の遠位面は角度を有する前面５２を有する。キャップ３４をハウジングの中に押し込むと、内側キャップ表面５４は下側タブ５０の角度を有する前面５２の上に乗り、キャップ着脱クリップ１４を屈曲位置まで圧縮する。キャップ３４が完全に取り付けられると、キャップ着脱クリップ１４は外向きにスナップし、下側タブ５０は四角形の穴３８の中にロックし、キャップ３４をしっかりと適所にロックする。キャップ３４を取り外すために、ユーザは上側外側ハウジング７の外側面にある柔軟側面キャップ着脱ボタン３を押して上側タブを内向きに屈曲させ、かつキャップ着脱クリップ３４の直径をより小さい直径になるまで圧縮する。直径が減少するにつれて、下側タブ５０は四角形の穴３８から係脱し、それによりキャップ３４を取り外す。

別の実施形態では、バネ５５がキャップ３４を前方位置において付勢してもよい。このバネは遠位バネポスト５６と近位バネポスト５７との間の適所に保持されていてもよい。好ましくは２つのバネ５５が存在し、１つがキャップ着脱クリップ１４の下側タブ５０の後ろに位置する突出部１３の一方の側面にある。バネ５５は、２つのポスト５６および５７を支持する遠位ポスト壁６３と近位ポスト壁６４との間に僅かに圧縮された状態で保持されている。遠位バネポスト５６は半円形断面を有しているため、送りネジ２１の軸に対してバネ５５の最外側部分は遠位ポスト壁６３によって支持されていない。バネ５５のこの支持されていない外側部分は、キャップ３４の近位端によって圧縮されるキャップ３４に対する位置にある。キャップ３４がハウジング上に配置され、かつ下側タブ５０の上でスナップする場合、キャップ３４の近位端はこれらのバネを圧縮し、これによりキャップ３４を前方に付勢し、キャップ３４とハウジングとの間のあらゆる緩みを取り除く。この付勢バネ力は、下側タブ５０を四角形の穴３８から係脱するように内向きに移動させ、かつキャップ３４を配置したり取り外したりする際にユーザに正の触覚フィードバックを提供することによって、側面キャップ着脱ボタン３を押下した場合にキャップ３４を係脱するのも助ける。

キャップ着脱機構のための別の実施形態は、キャップ着脱クリップ１４の上方のハウジング上に単一のキャップ着脱ボタンを備え、これはアーマチュアを支持する上側タブ５１を圧縮するＹ字形状のアームを押し下げ、それによりキャップ３４を取り外す。あるいは、電動着脱機構をキャップ着脱機構のために使用してもよい。さらに、キャップ３４を前方に付勢する機構は１つ以上のバネを使用して実現してもよい。組み込むことができるバネの形態としては波形バネ、板バネまたはバネワイヤが挙げられる。

カートリッジ混合先端部組立体２０をキャップ３４の中に固定するキャップ着脱機構の別の実施形態は、カートリッジ混合先端部組立体２０がキャップ３４の中に挿入されて所定の場所にスナップするにつれて圧縮されてカートリッジ混合先端部組立体２０を適所にロックする可撓性プラスチックからなる柔軟なラッチを使用することである。

別の実施形態では、ディスペンサ１０は作業時間（ＷＴ）および硬化時間（ＳＴ）のための可聴アラームを有してもよい。ＷＴは、良好な印象を得るために低粘性材料（ウォッシュ材料）を支台歯の上に配置し、かつ印象トレイを設置することができる時間である。ＷＴを超えた場合、低粘性材料はゲルになって印象の欠陥が生じることがある。ＳＴは、印象材が完全に硬化し、かつ実施者が印象トレイを患者の口から取り外すことができる時間である。その材料が完全に硬化する前に印象を抜き出した場合、印象が変形してクラウンが支台歯に適合しないことがある。従ってＷＴおよびＳＴアラーム機能は歯科印象を採得する場合に有利である。

さらに別の実施形態によれば、当該電子装置は、ディスペンサ１０の周囲の周り、本体の周りおよび起動ボタンＰＣＢ３１の周りを一周するシリコーンシールまたは他の同様のシーラントで液体侵入に対してシールされていてもよい。またプランジャ１６は、突出部壁５８内のプランジャ穴６０をシールするＯリング溝５９に適合するＯリング１８を有していてもよい。つまり、Ｏリング１８、突出部壁５８、プランジャ１６およびＯリング溝５９は、プランジャ穴６０（すなわちシール形成位置）と液密シールを形成してもよい。ディスペンサ１０を制御するソフトウェアは、硬化時間後またはプランジャがカートリッジの端部に到達した後にどちらが最初に生じるとしてもプランジャ１６をそれらのシール形成位置（定位置）に戻すようにプログラムされていてもよい。プランジャ１６は電源をオフにするとシール形成位置に自動的に後退してもよい。これにより消毒前に確実に、ディスペンサ１０は液体侵入に対して常にシールされる。特に本ディスペンサは、ディスペンサの外側面の上または突出部１３の中に噴霧したりそこから拭き取ったりすることができる消毒液体に対してシールされている。

別の実施形態では、ディスペンサ１０は電流検出を使用してカートリッジサイズやプランジャ位置を決定し、速度を調整し、かつ過剰な加圧を防止してもよい。装置１０のソフトウェアは、小さいカートリッジ６６（一体化カートリッジ拡張部を含まない）と大きいカートリッジ６７（一体化カートリッジ拡張部を含む）との差異を検出してもよい。モータ２３がプランジャまたは印象材からの抵抗に遭遇した場合、回路における電流レベルが増加して検出される。これはモータ２３に送られる電流の測定を行う電流検出チップにより検出してもよい。これらの電流スパイクはプランジャ１６の位置に相関するイベントとして同定することができる。電流検出は、これらのプログラムされている機能のために位置センサを用いる場合よりも非常に容易であり、かつ費用対効果が高いことが分かった。電流検出を使用してピストン６１を位置づけて、ＳＴおよびＷＴアラームのためのタイマーを始動させてもよい。このタイマーは電流スパイクが特定の期間内に検出された場合に自動的に始動する。例えば図５のフローチャートを参照すると、スパイクが５秒以内に検出された場合、このプログラムは大きいカートリッジ６７が適所にあり、かつ通常硬化材料のためのタイミングシーケンスが実行されたとみなす。電流スパイクが５秒以内に検出されない場合、このプログラムは、小さいカートリッジ６６が適所にあり、かつ高速硬化材料のためのタイミングシーケンスが実行されたとみなす。小さいカートリッジ６６の一体化カートリッジ拡張部の欠如により、プランジャ１６は印象材からの抵抗に遭遇する前にさらに移動しなければならない。また電流検出を使用して適切な定位置を検出してもよい。プランジャ１６が定位置に到達した場合、Ｏリング１８はプランジャ穴６０の中に引っ込み、プランジャロッドのネジ式基部１５が後壁６２に衝突して、それによりシグナリングモータ２３が停止するので、定位置を示す電流スパイクが検出される。なおさらに、電流検出を使用して、プランジャロッドのネジ式基部１５の近位端を後壁６２に周期的に（例えば１０サイクルごと）接触させ、次いで最も奥の位置よりも僅かに前方にある定位置を再計算することにより定位置を再較正してもよい。これにより、毎回ではなく周期的にのみ接触を行うことによって当該組立体に対する摩耗および応力を減少させる。また電流検出を使用して、過剰な加圧によるカートリッジ３２およびディスペンサ１０の故障を防止してもよい。例えば、カートリッジ３２が非常に濃い材料を含むか混合先端部３３が詰まっている場合、ディスペンサ１０は電流の増加および遅延を検出し、必要に応じてモータ２３を停止または反転させて機械的故障を防止する。

さらに、ディスペンサ１０は、少なくとも２つの異なるカートリッジサイズから材料を吐出するように設計されていてもよい。異なるカートリッジは、行われる特定の手順に応じて異なる量の材料を含んでいてもよい。例えば小さいカートリッジ６６は高速硬化材料を含み、かつ１〜２本の歯を印象採得するために使用してもよく、大きいカートリッジ６７は３〜４本の歯のために通常硬化材料を含んでいてもよい。従って、小さいカートリッジ６６のためのＷＴおよびＳＴは大きいカートリッジ６７のためのＷＴおよびＳＴよりも短い。例えば高速硬化材料のためのＷＴは３０秒でありＳＴは２分３５秒であってもよく、通常硬化材料のためのＷＴは７０秒でありＳＴは５分であってもよい。理想的には、ディスペンサ１０はどちらのサイズのカートリッジ３２が使用されているかを認識することができる。センサを利用することができるが、安価な解決方法は、プランジャ１６がカートリッジ３２の内容物により抵抗に遭遇した場合に電流のスパイクを検出することである。電流レベル検出器からのフィードバックを利用するソフトウェアプログラムを使用してどちらのカートリッジ３２がディスペンサ１０の中にあるか、およびどちらのＷＴおよびＳＴアラームを起動させるべきかを決定してもよい。図５はソフトウェアプログラムロジックのプロセスを示す。図５を参照すると、電流検出スパイクのための５秒のチェックポイントは、ディスペンサ１０のプランジャ１６が大きいカートリッジ６７のピストン６１と接触する時点（初期電流スパイクを引き起こす）と小さいカートリッジ６６のピストンと接触する時点（後期電流スパイクを引き起こす）との間であることが知られている任意の時間である。またＷＴアラームはＷＴ＝０であってもよく、あるいはＷＴは実施者がＷＴなしでトレイを安全に配置するために数秒を有することができるように構成された安全係数を有していてもよい。

別の実施形態は、ＷＴが経過する数秒前、例えば実際のＷＴの１０秒前の可聴警報を組み込んでいる。この「作業時間間近」警報は、実施者にＷＴに近づいていること、および実施者がその塗布を完了する準備をすべきことを知らせる。これによりＷＴ塗布エラーを低下させ、かつ印象の欠陥をなくす。例えば、ＷＴアラームは３回の短いビープ音であってもよく、ＷＴアラームは図５に示すように１回の長いビープ音であってもよい。印象の欠陥を回避するために、印象トレイはＷＴの前または直後に挿入してもよい。別の実施形態では、カートリッジ内の印象材の特定の高速硬化の硬化特性に対応する事前設定されたＷＴ警報およびＳＴアラームを含む高速硬化モードが組み込まれていてもよい。さらなる実施形態では、カートリッジ内の印象材の特定の通常硬化の硬化特性に対応する事前設定されたＷＴ警報およびＳＴアラームを含む通常硬化モードが組み込まれていてもよい。あるいは、ユーザが特定の歯科製品に対応するカスタムＷＴおよびＳＴ値を事前設定することができるユーザ設定モードが組み込まれていてもよい。

ホール効果センサを使用してプランジャ１６の位置を検出し、かつソフトウェアプログラムおよびタイマーをそのような位置に基づくものとしてもよい。さらに、カートリッジ３２上のＲＦＩＤラベルおよびディスペンサ１０内のＲＦＩＤリーダを使用して通信し、かつどんな製品がカートリッジ３２内にあるかに基づいて、特定のアラーム、可聴音、塗布速度などを制御してもよい。例えば、製品はカートリッジ上のＲＦＩＤラベルによってロック解除および実行することができる特定のＷＴおよびＳＴを有していてもよい。

一実施形態では、ユーザは適当なサイズのカートリッジおよび混合先端部組立体をディスペンサキャップの中に挿入し、次いでこれを本ディスペンサのハウジングと結合させることによって本ディスペンサを作動させる。ユーザは、２つの事前設定された作動モード、すなわちカートリッジ内の材料の硬化時間に対応する高速硬化または通常硬化のうちの１つを選択する。ユーザがユーザ設定作動モードを利用することを好む場合、デフォルトによってまだ設定されていなければユーザは好ましいＷＴおよびＳＴを設定する。次いでユーザは、ペングリップでそれを把持し、かつ起動ボタンを押してモータを始動させてプランジャを前進させることにより、本ディスペンサを起動させる。カートリッジサイズは初期電流スパイクが生成されているか否かに基づいて自動的に検出される。ユーザはウォッシュ材料を支台歯に塗布する。可聴警報はＷＴが経過する数秒前およびＷＴが経過した場合に再度シグナルを送る。ＷＴトーンサウンドが聞こえる前または直後に印象トレイを口の中に挿入する。良好な印象を得るためにウォッシュ材料が硬化する前にこれを行う。次いでユーザは印象材が硬化するのを待った後に（ＳＴ可聴トーンサウンドが聞こえた時に）印象トレイを取り外す。

本明細書に説明および図示されているものは、その変形のいくつかと共に本開示の好ましい実施形態である。本明細書で使用される説明および図という用語は単に例示として示されており、本発明を限定するものではない。当業者であれば本開示の趣旨および範囲の範囲内で多くの変形が可能であることを認識していると思われ、本開示では特に明記しない限り、全ての用語がそれらの最も広い妥当な意味で解釈されるものとする。本説明の中で利用されているあらゆる見出しは単に便宜上のものであり、法的または限定的効果を有しない。

Claims (17)

1. 近位端および遠位端を有するハウジングと、
   前記ハウジング内に配置され、ネジの周りで入れ子になっており、かつ前記ネジの第１の部分に接続された入れ子状のプランジャと、
   電動モータと、
   前記ハウジングに着脱可能に取り付けられる第１の端部および第２の端部を有するキャップと
   を備え、
   前記キャップの前記第２の端部は第１のカートリッジ混合先端部組立体を受け入れるための空洞に通じており、かつ
   前記ハウジングは、前記ネジの回転により前記入れ子状のプランジャを線形に移動させて歯科材料を前記第１のカートリッジ混合先端部組立体から排出させるように、前記ネジの第２の部分において前記ネジに作動可能に係合するための前記電動モータを収容するように構成されていることを特徴とする、
   電動歯科ディスペンサ。
2. 上部、底部および前記上部に隣接して形成された延在部を有し、かつ充電のために前記ディスペンサを受け入れるように構成された充電ベースをさらに備える、請求項１に記載の電動歯科ディスペンサ。
3. 前記キャップは、前記第１のカートリッジ混合先端部組立体のカートリッジフランジの上でスナップするスナップアームを備える、請求項１に記載の電動歯科ディスペンサ。
4. 前記キャップは、前記カートリッジ混合先端部組立体の前記カートリッジの容易な挿入または取り外しのためにＵ字形状の切り抜きを含む、請求項１に記載の電動歯科ディスペンサ。
5. 前記歯科材料は、印象材、支台築造材料または修復用材料である、請求項１に記載の電動歯科ディスペンサ。
6. 前記キャップは第２のカートリッジ混合先端部組立体を受け入れるように構成されており、前記第２のカートリッジ混合先端部組立体のサイズは前記第１のカートリッジ混合先端部組立体のサイズとは異なる、請求項１に記載の電動歯科ディスペンサ。
7. 前記ディスペンサをペン式グリップで把持した場合に前記ディスペンサを指で起動するためのボタンをさらに備える、請求項１に記載の電動歯科ディスペンサ。
8. 前記ディスペンサには吐出速度を変えるために前記電動モータと通信する多位置ロッカまたは無線ブルートゥース（登録商標）ペダルが設けられている、請求項１に記載の電動歯科ディスペンサ。
9. 前記吐出速度は漸増的に変化される、請求項８に記載の電動歯科ディスペンサ。
10. 前記カートリッジ混合先端部組立体のカートリッジのサイズまたは前記入れ子状のプランジャの位置を自動的に決定するように構成された電流センサをさらに備える、請求項１に記載の電動歯科ディスペンサ。
11. 前記電流センサは電流検出チップである、請求項１に記載の電動歯科ディスペンサ。
12. 作業時間（ＷＴ）および硬化時間（ＳＴ）のための可聴アラームをさらに備え、かつ前記作業時間（ＷＴ）は、良好な印象を得るために前記歯科材料を支台歯の上に配置することができ、かつ印象トレイを設置することができる時間であり、前記硬化時間（ＳＴ）は前記歯科材料が完全に硬化し、かつ前記印象トレイを取り外すことができる時間である、請求項１に記載の電動歯科ディスペンサ。
13. 歯科材料を押し出すための入れ子状のプランジャを有する電動歯科ディスペンサを用意する工程と、
    カートリッジ混合先端部組立体をキャップの中に挿入し、かつ前記キャップを前記ディスペンサのハウジングに結合させる工程と、
    前記カートリッジ混合先端部組立体の前記歯科材料の硬化時間に対応する所定の作動モードを選択する工程と、
    生成された電流スパイクに基づいてカートリッジサイズまたは入れ子状のプランジャの位置を決定する工程と、
    前記決定されたカートリッジサイズの前記作業時間（ＷＴ）および硬化時間（ＳＴ）に対応する可聴警報シグナルを提供する工程と
    を含む、電動歯科ディスペンサを作動させるための方法。
14. プランジャロッドのネジ式基部の近位端を後壁と周期的に接触させ、かつ生成された電流を検出することによって、前記入れ子状のプランジャの定位置を再較正することを決定する工程をさらに含む、請求項１３に記載の方法。
15. 高速硬化材料のための前記作業時間（ＷＴ）は約３０秒であり、前記高速硬化材料のための前記硬化時間（ＳＴ）は約２分３５秒である、請求項１３に記載の方法。
16. 通常硬化材料のための前記作業時間（ＷＴ）は約７０秒であり、前記通常硬化材料のための前記硬化時間（ＳＴ）は約５分である、請求項１３に記載の方法。
17. 前記入れ子状のプランジャの位置をホール効果センサにより決定する、請求項１３に記載の方法。

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