JP2020507783A - 無菌性弛みによるインプラント関連のインプラント再置換リスクの診断のためのバイオマーカー - Google Patents

無菌性弛みによるインプラント関連のインプラント再置換リスクの診断のためのバイオマーカー Download PDF

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Abstract

本発明は概して、インプラント関連の再置換リスク、特に感染症又はメタル・オン・メタル反応によるものではないインプラント関連の再置換リスクの分野に関する。本発明は、インプラント関連の再置換リスクの診断方法、そのような診断目的のためのキットの使用、及びインプラント関連の再置換リスク、特に感染症又はメタル・オン・メタル反応によるものではないインプラント関連の再置換リスクのある被験体の治療における使用のための組成物を提供する。

Description

本発明は概して、インプラント関連の再置換リスク、特に感染症又はメタル・オン・メタル反応によるものではないインプラント関連の再置換リスクの分野に関する。本発明は、インプラント関連の再置換リスクの診断方法、そのような診断目的のためのキットの使用、及びインプラント関連の再置換リスク、特に感染症又はメタル・オン・メタル反応によるものではないインプラント関連の再置換リスクのある被験体の治療に使用される組成物を提供する。
世界中で年間約150万件の股関節全置換(全人工股関節置換術−THA)が行われている。この手術は、今後10年以内に世界中で年間約300万件にまで増加すると見込まれている。さらに、膝、肩、足、足首、手、手首、肘、頭蓋顎顔面、及び歯科等のその他の種類のインプラント及び関節置換の使用も量的に増えてきている。
THAのためのプロテーゼはしばしば、2つの構成部品からなる。人工ソケット又は寛骨臼構成部品(図3)は、骨盤の寛骨臼中にある腔内に配置される(図2及び図3)。この構成部品は、大腿骨髄質中にある腔内に導入される大腿骨ステムに取り付けられた大腿骨ヘッドを含む大腿骨構成部品と一緒に関節をなす(図3)。両方の構成部品には多くの変形形態が存在し、それらの構成部品は、セメントを用いて、又は用いずに保持され得る。THAの目標は、運動性を高め、股関節機能を改善し、そして痛みを和らげることである。THAは、外科的処置が成功したとしても、大腿骨頭全体の切除を必要とするので、いまだに最終手段の治療と考えられている。再置換を困難にする多くは、この大腿骨の大きな改変である。
THA処置は高齢者(彼らは通常インプラントより長く生きない)において90%以上のプロテーゼ残存率を有するが、インプラントの耐用年数は、より若年のより活発な患者においては大幅に短くなる。結果として、より若年の患者は、耐用年数内に複数回の困難な再置換の見通しに直面する。典型的には、股関節プロテーゼは、置換が必要となるまでに少なくとも15年〜20年にわたり持続する。補綴インプラントの最初の10年間にわたり予想される故障率は、約3%〜5%であり、その故障率は、その後の10年間にわたり高まり続ける。ノルウェーにおいて、2012年のデータによれば、再置換は、全ての股関節補綴手術の8.5%を占めることが裏付けられる。
骨溶解及びそれに続く無菌性の関節弛みは、両者とも病状開始の状態として分類されるが、これらは関節再置換の最も一般的な理由である。早期段階では、この状態は一般的に、進行性の骨破壊を引き起こすインプラントと骨の境界面での微小運動と関連している。初めは、この状態はしばしば無痛であり、この無症状の期間のために患者が助言を求める前に骨量の損失が大規模になる場合がある。それまでに、再置換処置のための条件は不利になっている場合があり、新たなプロテーゼについて予想される残存時間は減少する。さらに、より急性病状に進行する前に病状開始が診断されれば、その状態は、例えば抗炎症薬の使用により好ましく治療され得る。その治療に成功すれば、再置換処置を更に進める必要がない場合がある。
したがって、早期段階のインプラントの弛み、すなわち病状開始を無症候の患者でさえも診断することを可能にする方法が必要とされている。
さらに、再置換リスクがある患者の特定、すなわち治療が必要とされる患者の特定を可能にする費用効果の高い方法も必要とされている。
診断的及び予後的バイオマーカーは、不所望なアウトカムの早期の正確で非侵襲的な診断をもたらすとともに、これらの合併症の幾つか、特に無菌性の弛み、インプラントの脱臼、及び骨溶解を予防する介入の設計を補助する可能性を有する。無菌性弛みを診断するためのバイオマーカーの使用を論じる多くの研究が報告されている。
非特許文献1は、末梢血中での破骨細胞の形態及び活性、並びにMCP−1の発現レベルが、股関節全置換後の無菌性弛みの早期診断のために使用され得ることを示唆している。
非特許文献2は、プロテーゼの無菌性弛みを伴う患者においてPICP、OPG、TNF−a、NTX、RANKL、及びIL−1βを含む複数のバイオマーカーの血漿濃度に有意な変化があることを示す研究について触れている。
非特許文献3は、IL−6及びIL−8の両方が無菌性弛みと関連することを裏付けている。
Int. J. Cl in. Exp. Pathol. 2016;9(2): 1954-1960 Int. Orthop. 2013 Jun; 37(6): 1025-1031 J Arthroplasty. 2005 Dec;20(8): 1049-54
股関節全置換後のインプラントの弛みを診断するのに適したバイオマーカーが従来技術で既に論じられているものの、更なるバイオマーカー、特にインプラントの弛みの早期段階で無症候の患者でさえも容易に検出可能なバイオマーカーが依然として必要とされている。
本発明者らは、インプラントの弛みの早期段階の診断を無症候の患者でさえも可能にするバイオマーカー、特にカルプロテクチン、S100A8、及びS100A9を同定したことによって上記必要性を解決した。
本発明の方法
第1の態様において、本発明は、インプラント関連の再置換リスクを診断する方法であって、以下の工程:
インプラントを伴う被験体からの生物学的試料を準備する工程と、
上記生物学的試料中のカルプロテクチン、S100A8、及びS100A9からなる群から選択される少なくとも1種のポリペプチドの濃度を検出する工程と、
を含み、上記生物学的試料は、滑液、好ましくはインプラントの部位からの滑液である、方法を提供する。
本発明による1つの実施の形態においては、上記少なくとも1種のポリペプチドは、カルプロテクチン、S100A8、及びS100A9からなる群から選択される1種のポリペプチドである。本発明による別の実施の形態においては、上記少なくとも1種のポリペプチドは、カルプロテクチン、S100A8、及びS100A9からなる群からそれぞれ選択される2種のポリペプチドであり、それらの2種のポリペプチドは同一ではない。本発明による更なる実施の形態においては、上記少なくとも1種のポリペプチドは、カルプロテクチン、S100A8、及びS100A9からなる群からそれぞれ選択される3種のポリペプチドであり、それらの3種のポリペプチドは同一ではない。
本発明による1つの実施の形態においては、上記少なくとも1種のポリペプチドの4mg/L未満の濃度は、インプラント関連の再置換リスクなしの診断、例えば安定なインプラントの指標である。
本発明による1つの実施の形態においては、上記少なくとも1種のポリペプチドの4mg/L以上の濃度は、インプラント関連の再置換リスクありの診断の指標である。
本発明による1つの実施の形態においては、インプラント関連の再置換リスクありと診断された被験体は、病状開始又は急性病状のいずれかに見舞われている被験体である。
本発明による1つの実施の形態においては、1mg/L〜50mg/Lの範囲内、例えば4mg/L〜50mg/L、5mg/L〜50mg/L、6mg/L〜50mg/L、7mg/L〜50mg/L、又は8mg/L〜50mg/Lの範囲内の上記少なくとも1種のポリペプチドの濃度は、インプラント関連の再置換リスク、特に病状開始の指標である。
本発明による1つの実施の形態においては、1mg/L〜50mg/Lの範囲内、例えば5mg/L〜50mg/L、10mg/L〜50mg/L、20mg/L〜50mg/L、30mg/L〜50mg/L、1mg/L〜45mg/L、1mg/L〜40mg/L、1mg/L〜35mg/L、1mg/L〜30mg/L、又は1mg/L〜25mg/Lの範囲内の上記少なくとも1種のポリペプチドの濃度は、インプラント関連の再置換リスク、特に病状開始の指標である。
本発明による1つの実施の形態においては、病状開始は、無菌性弛み、インプラントの脱臼、骨溶解、及び/又はこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される。
本発明による1つの実施の形態においては、50mg/L超、例えば55mg/L超、60mg/L超、70mg/L超、80mg/L超、90mg/L超、又は100mg/L超の上記少なくとも1種のポリペプチドの濃度は、急性病状の指標である。
本発明による別の実施の形態においては、上記少なくとも1種のポリペプチドの50mg/L超の濃度は、51mg/L〜1000mg/L、55mg/L〜1000mg/L、60mg/L〜1000mg/L、70mg/L〜1000mg/L、80mg/L〜1000mg/L、90mg/L〜1000mg/L、100mg/L〜1000mg/L、51mg/L〜900mg/L、51mg/L〜850mg/L、51mg/L〜800mg/L、51mg/L〜700mg/L、51mg/L〜650mg/L、51mg/L〜600mg/L、51mg/L〜550mg/L、又は51mg/L〜500mg/Lの濃度である。
本発明による1つの実施の形態においては、急性病状は、インプラント関連感染症、及びメタル・オン・メタル反応、特にインプラント関連感染症からなる群から選択される。
特定の実施の形態によれば、インプラント関連感染症は、感染性弛み、慢性関節感染症、バイオフィルム感染症、及び/又はこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される。
本発明による1つの実施の形態においては、上記方法は、病状開始を診断する方法である。
特定の実施の形態によれば、インプラント関連の再置換リスク、特に病状開始は、炎症性関節疾患、骨粗鬆症、無菌性弛み、滑膜炎/滑膜の炎症、磨耗デブリ及び粒子デブリ、インプラントのずれ、骨折、ALVAL、関節及び/又はインプラントの安定性(一方又は両方の不安定性を含む)からなる群から選択される。
特定の実施の形態によれば、上記方法は、急性病状を診断する方法ではない。
他の特定の実施の形態によれば、上記方法は、インプラント関連感染症によるものではないインプラント関連の再置換リスクを診断する方法である。インプラント関連感染症は、感染性弛み、慢性関節感染症、バイオフィルム感染症、及び/又はこれらの任意の組み合わせからなる群から選択されることが好ましい。
特定の実施の形態によれば、上記方法は、メタル・オン・メタル反応によるものではないインプラント関連の再置換リスクを診断する方法である。
本発明による1つの実施の形態においては、生物学的試料中の上記少なくとも1種のポリペプチドの濃度と、コントロール試料中の上記少なくとも1種のポリペプチドの濃度とを比較する工程を更に含む。上記コントロール試料は、インプラント関連の再置換リスクに見舞われていない被験体からの滑液試料であることが好ましい。
特定の実施の形態によれば、診断される被験体は、インプラント関連の再置換リスクが関連する顕著な症候を一切示していない。
特定の実施の形態によれば、診断される被験体は、無症候の被験体である。
特定の実施の形態によれば、診断される被験体は、インプラント関連の再置換リスクの症候を一切有しない。
特定の実施の形態によれば、生物学的試料は、インプラントの部位で収集された滑液である。
特定の実施の形態によれば、上記インプラントは、関節インプラントである。特定の実施の形態によれば、上記インプラントは、プロテーゼである。特定の実施の形態によれば、上記インプラントは、関節プロテーゼである。特定の実施の形態によれば、上記インプラントは、股関節プロテーゼであり、かつ上記生物学的試料は、股関節滑液である。他の特定の実施の形態によれば、上記インプラントは、膝関節プロテーゼであり、かつ上記生物学的試料は、膝関節滑液である。
本発明による1つの実施の形態においては、検出される少なくとも1種のポリペプチドは、S100A9である。本発明による1つの実施の形態においては、検出される少なくとも1種のポリペプチドは、カルプロテクチンである。本発明による1つの実施の形態においては、検出される少なくとも1種のポリペプチドは、S100A8である。
本発明による1つの実施の形態においては、上記少なくとも1種のポリペプチドの濃度は、滑液試料中の該少なくとも1種のポリペプチドを検出するのに適したアッセイにより検出され、好ましくは、上記アッセイは、ラテラルフローイムノクロマトグラフィーアッセイ、又はELISAアッセイ、より好ましくはELISAアッセイである。
本発明による1つの実施の形態においては、上記少なくとも1種のポリペプチドの濃度は、ELISAアッセイにより検出され、上記ELISAアッセイは、以下の工程:
上記生物学的試料を、カルプロテクチン、S100A8、又はS100A9に特異的なモノクローナル抗体で被覆された固体支持体へと導入する工程と、
上記モノクローナル抗体に結合されていない生物学的試料の部分を上記固体支持体から除去する工程と、
カルプロテクチン、S100A8、又はS100A9に特異的な酵素標識されたポリクローナル抗体を含み、その酵素が好ましくはアルカリ性ホスファターゼである酵素コンジュゲートを上記固体支持体へと導入する工程と、
カルプロテクチン、S100A8、又はS100A9に結合されていない酵素コンジュゲートの部分を除去する工程と、
上記酵素コンジュゲートに関する基質を含み、好ましくはp−ニトロフェニルホスフェートである酵素基質を上記固体支持体へと導入する工程と、
上記固体支持体へと酵素基質を導入した後、所定の時間で、上記酵素コンジュゲートによる酵素的処理を受けた酵素基質の量を測定する工程と、
を含み、上記固体支持体は、好ましくはマイクロタイタープレートである。
本発明による1つの実施の形態においては、上記診断は、上記少なくとも1種のポリペプチドの検出濃度のみに基づく。
本発明による1つの実施の形態においては、少なくとも2つの生物学的試料が準備され、その際、2つの生物学的試料は、インプラントを伴う異なる被験体に由来するが、但し、上記被験体の少なくとも1体は病状開始に見舞われているものとする。カルプロテクチン、S100A8、及びS100A9からなる群から選択される少なくとも1種のポリペプチドの濃度は、滑液である生物学的試料中で検出されている。
本発明による1つの実施の形態においては、上記方法は、被験体を上記診断によりグループ化及び層別化することと、発症者及び未発症者を特定することと、治療選択肢を導くことと、そして治療応答を特定することとを更に含む。
キットの使用
第2の態様において、本発明は、インプラントを伴う被験体におけるインプラント関連の再置換リスクを診断するための、生物学的試料中のカルプロテクチン、S100A8、及びS100A9からなる群から選択される少なくとも1種のポリペプチドの濃度を検出するのに適したキットの使用であって、上記生物学的試料は、滑液であり、該滑液は、好ましくはインプラントの部位から収集される、使用を提供する。
好ましい実施の形態においては、本発明の第2の態様は、本発明の第1の態様の方法により、インプラントを伴う被験体におけるインプラント関連の再置換リスクを診断するためのキットの使用に関する。
本発明の第2の態様による1つの実施の形態においては、上記キットは、ELISAアッセイを実施するためのキット、又はラテラルフローイムノクロマトグラフィーアッセイを実施するためのキットである。
本発明の第2の態様による好ましい実施の形態においては、上記キットは、ELISAアッセイを実施するためのキットである。
本発明の第2の態様による好ましい実施の形態においては、上記キットは、ELISAアッセイを実施するためのキットであり、上記ELISAアッセイは、以下の工程:
上記生物学的試料を、カルプロテクチン、S100A8、又はS100A9に特異的なモノクローナル抗体で被覆された固体支持体へと導入する工程と、
上記モノクローナル抗体に結合されていない生物学的試料の部分を上記固体支持体から除去する工程と、
カルプロテクチン、S100A8、又はS100A9に特異的な酵素標識されたポリクローナル抗体を含み、その酵素が好ましくはアルカリ性ホスファターゼである酵素コンジュゲートを上記固体支持体へと導入する工程と、
カルプロテクチン、S100A8、又はS100A9に結合されていない酵素コンジュゲートの部分を除去する工程と、
上記酵素コンジュゲートに関する基質を含み、好ましくはp−ニトロフェニルホスフェートである酵素基質を上記固体支持体へと導入する工程と、
上記固体支持体へと酵素基質を導入した後、所定の時間で、上記酵素コンジュゲートによる酵素的処理を受けた酵素基質の量を測定する工程と、
を含み、上記固体支持体は、好ましくはマイクロタイタープレートである。
本発明の第2の態様による1つの実施の形態においては、ELISAアッセイを実施するためのキットは、
カルプロテクチン、S100A8、又はS100A9に特異的なモノクローナル抗体で被覆された固体支持体と、
少なくとも1種の洗浄液と、
カルプロテクチン、S100A8、又はS100A9に特異的な酵素標識されたポリクローナル抗体を含み、その酵素が好ましくはアルカリ性ホスファターゼである酵素コンジュゲートと、
上記酵素コンジュゲートに関する基質を含み、好ましくはp−ニトロフェニルホスフェートである酵素基質と、
を含む。
使用のための組成物
第3の態様において、本発明は、請求項1に記載の方法によりインプラント関連の再置換リスクありと診断された被験体の治療に使用する組成物であって、抗骨溶解剤、抗炎剤/抗炎症剤、及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される少なくとも1種の作用物質を含む、組成物を提供する。
本発明の第3の態様による1つの実施の形態においては、治療される被験体は、病状開始と診断されている。
本発明の第3の態様による別の実施の形態においては、上記組成物は、不所望な高い濃度のTNFα及び/又は不所望な高い濃度のIL1βと関連する状態の治療に適した少なくとも1種の作用物質を含む。
本発明の第3の態様による別の実施の形態においては、上記組成物は、ビスホスホネート、アセトアミノフェン、NSAID、ジクロフェナク、マクロライド、テトラサイクリン、アンフェニコール、セファロスポリン、スルホンアミド、トリメトプリム、リンコサミド、アミノグリコシド、キノロン、チゲサイクリン(TigecycLins)、バンコマイシン及びバンコマイシン類似体、ゲンタマイシン、グルコサミン、コンドロイチン、アスピリン、コルチゾン、及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される少なくとも1種の作用物質を含む。
本発明の第3の態様による別の実施の形態においては、治療される被験体は、インプラント関連の再置換リスクが関連する顕著な症候を一切示していない。
本発明の第3の態様による別の実施の形態においては、治療される被験体は、無症候の被験体である。
本発明の第3の態様による別の実施の形態においては、治療される被験体は、インプラント関連の再置換リスクの症候を一切有しない。
本発明の第3の態様による別の実施の形態においては、治療される被験体は、病状開始に見舞われている。
本発明の第3の態様による別の実施の形態においては、インプラント関連の再置換リスクは、急性病状又は病状開始のいずれかであり、かつ治療される被験体は、急性病状と診断されていない。
本発明の第3の態様による別の実施の形態においては、治療される被験体は、インプラント関連感染症によるものではないインプラント関連の再置換リスクありと診断されている。一実施の形態において、インプラント関連感染症は、感染性弛み、慢性関節感染症、バイオフィルム感染症、及び/又はこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される。
本発明の第3の態様による別の実施の形態においては、治療される被験体は、メタル・オン・メタル反応によるものではないインプラント関連の再置換リスクありと診断されている。
健康な股関節を示す図である。 健康な股関節と、骨盤骨と直接接触し得る露出した大腿骨を有する摩耗した関節との比較を示す図である。 股関節全置換インプラントを示す図である。 A)は無菌性弛み(矢印)を示す股関節プロテーゼを示す図である。B)は脱臼した股関節プロテーゼを示す図である。 図5は、実施例1の結果を示し、本発明による方法により診断され得る状態の概要を提供する図である。「再置換リスクなし」群は、治療の必要がない安定なインプラントを伴う患者を表す。「再置換リスクあり」群は、治療の必要の見込みがあるインプラントを伴う患者を表す。さらに、「再置換リスクあり」群は、2つのサブグループに分けられる。「病状開始」の群は、弛みの早期段階にある患者を表す。この群は、薬物治療を受けることができ、それにより再置換手術を回避する機会が高まる。「急性病状」の群は、弛みの末期段階にある患者を表し、再置換手術が直ちに必要となる見込みがある。X軸上のそれぞれの数字は、1人の患者からの試料を指す。Y軸上の数は、それぞれの試料におけるカルプロテクチンの量(mg/L)を指す。
本明細書で特段定義されない限り、使用される全ての技術用語及び科学用語は、生化学及び生物学の分野における当業者によって通常理解されるのと同じ意味を有する。
本明細書に記載されるのと同様又は同等の全ての方法及び材料を本発明の実施又は試験において使用することができるが、本明細書においては適切な方法及び材料が記載される。本明細書に挙げられる全ての出版物、特許出願、特許、及びその他の参考文献は、引用することによりこれらの全体が本明細書の一部をなす。矛盾する場合には、定義を含み本明細書が優先される。
数値限界又は数値範囲が本明細書に示される場合に、端点が含まれる。また、数値限界又は数値範囲内の全ての値及び部分範囲は、明記されるかのように具体的に含まれる。
世界中で年間約150万件の股関節全置換(全人工股関節置換術−THA)が行われている。補綴インプラントの最初の10年間にわたり予想される故障率は、約3%〜5%であり、その故障率は、その後の10年間にわたり高まり続ける。骨溶解及びそれに続く無菌性の関節弛みは、両者とも「病状開始」群に属するが、それは関節再置換の最も一般的な理由である。早期段階では、この状態は一般的に、進行性の骨破壊を引き起こすインプラントと骨の境界面での微小運動と関連している。初めは、この状態はしばしば無痛であり、この無症状の期間のために患者が助言を求める前に骨量の損失が大規模になる場合がある。それまでに、再置換処置のための条件は不利になっている場合があり、新たなプロテーゼについて予想される残存時間は減少する。したがって、早期段階のインプラントの弛みを無症候の患者でさえも診断することを可能にする方法が必要とされている。
さらに、再置換リスクがある患者を特定すること、すなわち治療が必要とされる患者と、治療が必要とされない安定なインプラントを伴う患者とを分けることを可能にする費用効果の高い方法も必要とされている。
本発明者らは、インプラントの弛みの早期段階の診断を無症候の患者でさえも可能にするバイオマーカー、特にカルプロテクチン、S100A8、及びS100A9を同定したことによって上記必要性を解決した。
したがって、本発明の第1の態様は、インプラント関連の再置換リスクを診断する方法であって、以下の工程:
インプラントを伴う被験体からの生物学的試料を準備する工程と、
上記生物学的試料中のカルプロテクチン、S100A8、及びS100A9からなる群から選択される少なくとも1種のポリペプチドの濃度を検出する工程と、
を含み、上記生物学的試料は、滑液、好ましくはインプラントの部位からの滑液である、方法に関する。
本発明による1つの実施形態においては、生物学的試料は、インプラントの部位で収集された滑液、例えば人工関節滑液である。
本発明による1つの実施形態においては、インプラントは、関節インプラントである。本発明による別の実施形態においては、インプラントは、プロテーゼ、例えば関節プロテーゼ、特に股関節プロテーゼである。
本発明による1つの実施形態においては、インプラントは、股関節プロテーゼであり、かつ生物学的試料は、股関節滑液である。
カルプロテクチンは、S100タンパク質ファミリーに属する。その名称は、これらが硫酸アンモニウムによる沈殿に耐性であるため、100パーセント飽和(したがってS100)硫酸アンモニウム溶液中でさえも可溶性であることに由来する。これらのタンパク質の共通の特徴は、これらがカルシウム及び亜鉛と結合することができ、それにより酵素分解に対して耐性となることであり、これは特にカルプロテクチンに当てはまる。
カルプロテクチンは、哺乳動物タンパク質S100A8及びS100A9の複合体である。S100A8及びS100A9のそれぞれは、2つのCa2+結合部位を有し、カルプロテクチンは、二量体当たりに合計4つのカルシウムイオン又は四量体当たりに合計8つのカルシウムイオンを結合することができる。カルシウムの結合は、複合体におけるコンフォメーション変化を誘導し、それにより遷移金属に対する親和性が向上し、四量体の形成が促進される。最大2つの遷移金属イオンが、それぞれのカルプロテクチンS100A8−S100A9二量体に結合し得る。この金属封鎖は、複雑な抗微生物特性を与える。
特定の実施形態によれば、検出される少なくとも1種のポリペプチドは、カルプロテクチンである。特定の実施形態によれば、検出される少なくとも1種のポリペプチドは、S100A8である。特定の実施形態によれば、検出される少なくとも1種のポリペプチドは、S100A9である。
当業者は、生物学的試料中のカルプロテクチン及びその単量体をどのように検出するかを容易に知るであろう。国際公開第2013/132347号(引用することによりこれらの全体が本明細書の一部をなす)は、生物学的試料中のカルプロテクチンの濃度を測定するためのELISAアッセイの使用を開示している。ELISAアッセイの使用に代わるものは、よく知られるラテラルフローイムノクロマトグラフィーアッセイ(LFA)である。
本発明による1つの実施形態においては、上記少なくとも1種のポリペプチドの濃度は、滑液試料中の該少なくとも1種のポリペプチドを検出するのに適したアッセイにより検出され、好ましくは、上記アッセイは、ラテラルフローイムノクロマトグラフィーアッセイ、又はELISAアッセイ、より好ましくはELISAアッセイである。
ELISAアッセイの場合、アッセイは、以下の工程:
上記生物学的試料を、カルプロテクチン、S100A8、又はS100A9に特異的なモノクローナル抗体で被覆された固体支持体へと導入する工程と、
上記モノクローナル抗体に結合されていない生物学的試料の部分を上記固体支持体から除去する工程と、
カルプロテクチン、S100A8、又はS100A9に特異的な酵素標識されたポリクローナル抗体を含み、その酵素が好ましくはアルカリ性ホスファターゼである酵素コンジュゲートを上記固体支持体へと導入する工程と、
カルプロテクチン、S100A8、又はS100A9に結合されていない酵素コンジュゲートの部分を除去する工程と、
上記酵素コンジュゲートに関する基質を含み、好ましくはp−ニトロフェニルホスフェートである酵素基質を上記固体支持体へと導入する工程と、
上記固体支持体へと酵素基質を導入した後、所定の時間で、上記酵素コンジュゲートによる酵素的処理を受けた酵素基質の量を測定する工程と、
を含むことが好ましく、上記固体支持体は、好ましくはマイクロタイタープレートである。
カルプロテクチンは、好中球のサイトゾルの可溶性タンパク質含有量の60%ほどを占める。検出されるであるのは、分泌されたカルプロテクチン、S100A8、及び/又はS100A9の量であり、試料中に存在するインタクトな細胞中の細胞内含有量ではない。したがって、細胞を含む試料は、細胞内のカルプロテクチン、S100A8、及び/又はS100A9の放出を引き起こすこととなる処理を受けないことが必須である。
したがって、本発明による1つの実施形態においては、検出される少なくとも1種のポリペプチドは、細胞により分泌されたカルプロテクチン、S100A8、及び/又はS100A9に相当する。本発明による別の実施形態においては、検出される少なくとも1種のポリペプチドは、試料採取の時点でインタクトな細胞の細胞内含有量の一部であったカルプロテクチン、S100A8、及び/又はS100A9に相当するものではない。
本発明による1つの実施形態においては、上記診断は、上記少なくとも1種のポリペプチドの検出濃度のみに基づく。
本明細書で使用される場合に、用語「被験体」は、動物、特に哺乳動物、例えばヒトを指す。本発明による1つの実施形態においては、診断される被験体は、無症候の被験体、例えば無症候の動物、特に無症候の哺乳動物、例えば無症候のヒトである。無症候のヒトは、例えば無症候の患者であり得る。
本発明の文脈においては、用語「インプラント」は、生きている生物、例えばヒトに移植される医療用インプラントを指す。医療用インプラントは、移植される生物医学的組織である移植片とは異なって人造デバイスである。
本発明による1つの実施形態においては、用語「インプラント」は、整形外科用インプラントを指す。整形外科用インプラントは、欠損した関節若しくは骨を置換するか、又は損傷した骨を支持するように製造された医療用デバイスである。医療用インプラントは一般的に、強度のためにステンレス鋼及びチタン合金を使用して作製され、その上に施されるプラスチックコーティングは、人工軟骨として作用する。内部固定は、骨を修復する目的のインプラントの外科的移植を含む整形外科における手術である。なかでも、最も一般的な種類の医療用インプラントは、骨折した骨が治癒する間にそれを固定するために使用されるピン、ロッド、スクリュー、及びプレートである。
1つの好ましい実施形態においては、用語「インプラント」は、欠損した関節を置換するように製造された医療用デバイス、例えば関節プロテーゼ、特に股関節プロテーゼを指す。
本発明による1つの実施形態においては、上記少なくとも1種のポリペプチドの4mg/L未満の濃度は、インプラント関連の再置換リスクなしの診断、すなわち安定なインプラントの指標である。患者がインプラント関連の再置換リスクなしと診断された場合に、インプラントは安定しており、更なる医療的試験は必要ない。
本発明の文脈においては、上記少なくとも1種のポリペプチドの具体的な量へのあらゆる言及(例えば、4mg/L未満)は、CALPROLAB(商標)CaLprotectin ELISA(ALP)キットにより測定される具体的な量を指す。CALPROLAB(商標)CaLprotectin ELISA(ALP)キットは、実施例1に更に記載されている。言い換えれば、試料が4mg/Lのカルプロテクチンを含有すると述べられた場合に、その試料は、実施例1で言及されるCALPROLAB(商標)CaLprotectin ELISA(ALP)キットにより測定される4mg/Lのカルプロテクチンを含有する。
本発明による別の実施形態においては、上記少なくとも1種のポリペプチドの4mg/L以上の濃度は、インプラント関連の再置換リスクありの診断の指標である。少なくとも1種のポリペプチドの濃度は、実施例1で言及されるCALPROLAB(商標)CaLprotectin ELISA(ALP)キットにより測定された濃度を指す。インプラント関連の再置換リスクに見舞われている患者は、高まったインプラントの弛みのリスクを伴い、更なる医療的試験のための専門医に回されるべきである。
更なる医療的試験は、その患者が早期段階の弛みすなわち病状開始、又は急性病状を伴うかどうかを明らかにし得る。急性病状は再置換手術を必要とするが、病状開始を伴う患者は、薬物療法の恩恵を受けることができる。薬物療法が成功しなければ、以後の段階では再置換手術が必要となる場合がある。
本発明の文脈において、用語「再置換手術」は、インプラントの置換、例えばプロテーゼの置換を意味するものと解釈される。
したがって、本発明による別の実施形態においては、インプラント関連の再置換リスクありと診断された被験体は、病状開始又は急性病状のいずれかに見舞われている被験体である(図5を参照)。
驚くべきことに、本発明の発明者らは、インプラント関連の再置換リスクを診断する方法の結果により、インプラント関連の再置換リスクに見舞われている患者が、早期段階の弛みすなわち病状開始、又は急性病状に見舞われているかどうかも指摘され得ることを見出した。
したがって、本発明による別の実施形態においては、上記少なくとも1種のポリペプチドの4mg/L〜50mg/Lの範囲内の濃度は、病状開始の指標である。病状開始は、治療しないままでいるとインプラント再置換が必要となるであろうプロテーゼの弛みの早期段階を指す。この状態は一般的に、進行性の骨破壊を引き起こすインプラントと骨の境界面での微小運動と関連している。初めは、この状態はしばしば無痛であり、この無症状の期間のために患者が助言を求める前に骨量の損失が大規模になる場合がある。無菌性弛み(図4A)、インプラントの脱臼(図4B)、骨溶解、及び/又はこれらの任意の組み合わせは、病状開始の状態の例である。
無菌性弛みは、線維芽細胞及びマクロファージが優勢となる血管新生が不十分な結合組織により特徴付けられる。その後に、炎症誘発性因子、ゼラチナーゼ、及びプロテアーゼの分泌が、人工関節周囲骨溶解及び関節インプラントの故障の原因となる。無菌性弛みは、不適切な初期固定、時間の経過に伴う機械的固定の喪失、又はインプラント周囲の粒子誘発性骨溶解により引き起こされる生物学的な固定の喪失の結果であり得る。
用語「骨溶解」は一般的に、人工関節置換、例えば股関節全置換、膝関節全置換、及び肩関節全置換に共通する問題を指す。骨溶解をもたらし得る幾つかの生物学的機構が存在する。股関節全置換においては、骨溶解について一般に認められている説明は、摩耗粒子(人工的な球関節の接触面から摩耗される)を含む。身体がこれらの摩耗粒子(通常はプラスチック又は金属からなる)を除去しようとする際に、それは、生骨組織の吸収を引き起こす自己免疫反応の引き金となる。骨溶解は、移植後12ヶ月という早さで起こると報告されており、通常は進行性である。
用語「脱臼」は一般的に、インプラントの脱臼を指す。股関節プロテーゼの脱臼は殆どが、大抵は不完全な瘢痕形成及び弛緩した軟部組織のため、挿入後の最初の3ヶ月に発生する。手術中に損傷又は切断された軟部組織が治癒するまでには8週間〜12週間かかる。この期間の間に、股関節ボールはソケットから外れることがある。組織の切断が殆どない場合、切断された組織が修復される場合、及び大径のヘッドボールが使用される場合には、この可能性は低くなる。挿入後3ヶ月から5年の間に起こる脱臼は通常は、構成部品の位置異常、又は近くの筋肉の機能不全が原因で起こる。
1つの実施形態においては、病状開始は、炎症性関節疾患、骨粗鬆症、無菌性弛み、滑膜炎/滑膜の炎症、磨耗デブリ及び粒子デブリ、インプラントのずれ、骨折、ALVAL、関節及び/又はインプラントの安定性(一方又は両方の不安定性を含む)からなる群から選択される。
或る特定の実施形態によれば、炎症性関節疾患は、成人発症スティル病、強直性脊椎炎、腰痛、ベーチェット病、滑液嚢炎、ピロリン酸カルシウム沈着症(CPPD)、手根管症候群、膝蓋軟骨軟化症、慢性疲労症候群、複合性局所疼痛症候群、クリオピリン関連周期性症候群(CAPS)、変性性椎間板疾患、発育性股関節形成不全、エーラスダンロス病、家族性地中海熱、線維筋痛症、第5病、巨大細胞性動脈炎、痛風、ヘマトクロマトーシス、感染性関節炎、炎症性関節炎、炎症性腸疾患、若年性関節炎、若年性皮膚筋炎(JD)、若年性特発性関節炎(JIA)、若年性強皮症、川崎病、狼瘡、ライム病、混合性結合組織病、筋炎(多発性筋炎、皮膚筋炎を含む)、変形性関節症、骨粗鬆症、パジェット病、回帰性リウマチ、膝蓋大腿痛症候群、小児リウマチ性疾患、小児SLE、リウマチ性多発筋痛症、偽痛風、乾癬性関節炎、レイノー現象、反応性関節炎、反射性交感神経性ジストロフィー、ライター症候群、リウマチ熱、リウマチ、関節リウマチ、強皮症、シェーグレン病、脊柱管狭窄症、脊椎関節炎、全身性若年性特発性関節炎、全身性エリテマトーデス、小児及び十代の若者における全身性エリテマトーデス、全身性硬化症、側頭動脈炎、腱炎、血管炎、並びにウェゲナー肉芽腫症からなる群から選択される。
本発明による別の実施形態においては、上記少なくとも1種のポリペプチドの4mg/L〜50mg/L、例えば5mg/L〜50mg/L、10mg/L〜50mg/L、20mg/L〜50mg/L、又は30mg/L〜50mg/Lの範囲内の濃度は、病状開始の指標である。本発明による別の実施形態においては、上記少なくとも1種のポリペプチドの1mg/L〜45mg/L、1mg/L〜40mg/L、1mg/L〜35mg/L、1mg/L〜30mg/L、又は1mg/L〜25mg/Lの範囲内の濃度は、病状開始の指標である。
本発明による別の実施形態においては、上記少なくとも1種のポリペプチドの50mg/L超の濃度は、急性病状の指標である。急性病状は一般的に、診療所でインプラント関連感染症及び/又はメタル・オン・メタル反応と分類される状態である。急性病状に見舞われている患者は、早急な再置換手術を必要とする。
用語「インプラント関連感染症」は、インプラント表面に付着した後に移植部位にバイオフィルムを形成する細菌により一般的に引き起こされる状態を指す。バイオフィルムの形成は、幾つかの段階で、すなわち迅速な表面付着から始まって、多層状の細菌細胞増殖に続き、細胞外多糖マトリックスにおいて細胞間付着することで行われる。
医療用デバイス上のバイオフィルムの形成には、3つの主要な問題がある。第一に、これらの表面上の細菌群集は、体内に流れて慢性感染症を引き起こし得る細菌の病原巣となる。第二に、バイオフィルム細菌は、抗生物質での処理に耐性が高く、したがって一度これらの細菌群集が形成されると、これらは従来の抗微生物療法では排除することが極めて困難である。最後に、宿主応答及び抗微生物療法がバイオフィルム中で増殖する細菌を排除することはしばしば不可能であるため、バイオフィルムの部位での慢性炎症性反応が生じ得る。
組織再生が行われる前に細菌の付着が起こると、宿主防御はしばしば、防御的バイオフィルム層を形成し得る或る特定の細菌種について表面定着を防ぐことができない。したがって、細菌の付着の阻止は、インプラント関連感染症を防ぐために必須である。それというのも、バイオフィルムは、免疫系及び抗生物質の両方に対して極めて耐性であるからである。したがって、整形外科用インプラントに成功するには、インプラント材料は、骨形成細胞の生育が可能であり(骨芽細胞の付着に有利である)、軟部結合組織の形成を妨げ(線維芽細胞の付着を妨げる)、そして抗感染性(細菌の付着を阻止する)でなければならない。
本発明による1つの実施形態においては、インプラント関連感染症は、感染性弛み、慢性関節感染症、バイオフィルム感染症、及び/又はこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される。
用語「メタル・オン・メタル反応」は一般的に、インプラントの摩耗から微細な金属粒子又は金属イオンが放出されて、痛み及び障害が引き起こされることに関連する状態を指す。これらの故障の原因は依然として議論が分かれており、設計要因、技術的要因と患者の免疫応答に関連する要因(アレルギー型反応)との両方を含み得る。
本発明による別の実施形態においては、55mg/L超、例えば60mg/L超、70mg/L超、80mg/L超、90mg/L超、又は100mg/L超の上記少なくとも1種のポリペプチドの濃度は、急性病状の指標である。本発明の別の実施形態においては、51mg/L〜1000mg/L、55mg/L〜1000mg/L、60mg/L〜1000mg/L、70mg/L〜1000mg/L、80mg/L〜1000mg/L、90mg/L〜1000mg/L、100mg/L〜1000mg/L、51mg/L〜900mg/L、51mg/L〜850mg/L、51mg/L〜800mg/L、51mg/L〜700mg/L、51mg/L〜650mg/L、51mg/L〜600mg/L、51mg/L〜550mg/L、又は51mg/L〜500mg/Lの上記少なくとも1種のポリペプチドの濃度は、急性病状の診断、例えばインプラント関連感染症の診断の指標である。
本発明は、患者を2つ以上の群及びこれらの下位群に分けるための新規かつ簡単な方法を提供する。群及び下位群への特性評価は、それが治療レスポンダー群及び非レスポンダー群への患者の新たな層別化として機能し得るだけでなく、診断の感度及び特異度の向上のために使用されるため、関心が持たれている。
したがって、本発明による1つの実施形態においては、上記方法は、被験体を上記診断によりグループ化及び層別化することと、発症者及び未発症者を特定することと、治療選択肢を導くことと、そして治療応答を特定することとを更に含む。
本発明による1つの実施形態においては、上記方法は、病状開始を診断する方法である。
本発明による別の実施形態においては、上記方法は、急性病状を診断する方法ではない。
本発明による別の実施形態においては、上記方法は、インプラント関連感染症によるものではないインプラント関連の再置換リスクを診断する方法である。
本発明による別の実施形態においては、上記方法は、メタル・オン・メタル反応によるものではないインプラント関連の再置換リスクを診断する方法である。
本発明による別の実施形態においては、上記方法は、生物学的試料中の上記少なくとも1種のポリペプチドの濃度と、コントロール試料中の上記少なくとも1種のポリペプチドの濃度とを比較する工程を更に含む。上記コントロール試料は、インプラント関連の再置換リスクに見舞われていない被験体からの滑液試料であることが好ましい。
本発明による別の実施形態において、少なくとも2つの生物学的試料が準備され、その際、2つの生物学的試料は、インプラントを伴う異なる被験体に由来するが、但し、上記被験体の少なくとも1体は病状開始に見舞われているものとする。カルプロテクチン、S100A8、及びS100A9からなる群から選択される少なくとも1種のポリペプチドの濃度は、滑液である生物学的試料中で検出されている。
本発明の第2態様は、インプラントを伴う被験体におけるインプラント関連の再置換リスクを診断するための、生物学的試料中のカルプロテクチン、S100A8、及びS100A9からなる群から選択される少なくとも1種のポリペプチドの濃度を検出するのに適したキットあって、上記生物学的試料は、滑液であり、該滑液は、好ましくはインプラントの部位から収集される、キットに関する。
本発明による1つの実施形態においては、上記キットは、本発明の第1の態様の方法により、インプラントを伴う被験体におけるインプラント関連の再置換リスクを診断するためのものである。
本発明による1つの実施形態においては、上記キットは、ELISAアッセイを実施するためのキット、又はラテラルフローイムノクロマトグラフィーアッセイを実施するためのキットである。
本発明による1つの実施形態においては、上記キットは、ELISAアッセイを実施するためのキットであり、上記ELISAアッセイは、以下の工程:
生物学的試料を、カルプロテクチン、S100A8、又はS100A9に特異的なモノクローナル抗体で被覆された固体支持体へと導入する工程と、
上記モノクローナル抗体に結合されていない生物学的試料の部分を上記固体支持体から除去する工程と、
カルプロテクチン、S100A8、又はS100A9に特異的な酵素標識されたポリクローナル抗体を含み、その酵素が好ましくはアルカリ性ホスファターゼである酵素コンジュゲートを上記固体支持体へと導入する工程と、
カルプロテクチン、S100A8、又はS100A9に結合されていない酵素コンジュゲートの部分を除去する工程と、
上記酵素コンジュゲートに関する基質を含み、好ましくはp−ニトロフェニルホスフェートである酵素基質を上記固体支持体へと導入する工程と、
上記固体支持体へと酵素基質を導入した後、所定の時間で、上記酵素コンジュゲートによる酵素的処理を受けた酵素基質の量を測定する工程と、
を含み、上記固体支持体は、好ましくはマイクロタイタープレートである。
本発明による1つの実施形態においては、キットは、ELISAアッセイを実施するためのキットであり、上記ELISAアッセイは、
カルプロテクチン、S100A8、又はS100A9に特異的なモノクローナル抗体で被覆された固体支持体と、
少なくとも1種の洗浄液と、
カルプロテクチン、S100A8、又はS100A9に特異的な酵素標識されたポリクローナル抗体を含み、その酵素が好ましくはアルカリ性ホスファターゼである酵素コンジュゲートと、
上記酵素コンジュゲートに関する基質を含み、好ましくはp−ニトロフェニルホスフェートである酵素基質と、
を含む。
本発明による別の実施形態においては、上記キットは、ELISAアッセイを実施するためのキットであり、ELISAアッセイは、以下の工程:
生物学的試料を、カルプロテクチン、S100A8、又はS100A9に特異的な結合部、例えば抗体、特にモノクローナル抗体で被覆された固体支持体へと導入する工程と、
上記結合部に結合されていない生物学的試料の部分を上記固体支持体から除去する工程と、
カルプロテクチン、S100A8、又はS100A9に特異的な酵素標識された結合部、例えばポリクローナル抗体を含み、その酵素が好ましくはアルカリ性ホスファターゼである酵素コンジュゲートを上記固体支持体へと導入する工程と、
カルプロテクチン、S100A8、又はS100A9に結合されていない酵素コンジュゲートの部分を除去する工程と、
上記酵素コンジュゲートに関する基質を含み、好ましくはp−ニトロフェニルホスフェートである酵素基質を上記固体支持体へと導入する工程と、
上記固体支持体へと酵素基質を導入した後、所定の時間で、上記酵素コンジュゲートによる酵素的処理を受けた酵素基質の量を測定する工程と、
を含み、上記固体支持体は、好ましくはマイクロタイタープレートである。
本発明による別の実施形態においては、上記キットは、ELISAアッセイを実施するためのキットであり、上記ELISAアッセイは、以下の工程:
生物学的試料を、カルプロテクチン、S100A8、又はS100A9に特異的な結合部(該結合部は、好ましくは標識されていない)、例えば抗体、特にモノクローナル抗体で被覆された固体支持体へと導入する工程と、
上記結合部に結合されていない生物学的試料の部分を上記固体支持体から除去する工程と、
検出される少なくとも1つのポリペプチドの濃度に比例した検出可能なシグナルを生成することが可能な、カルプロテクチン、S100A8、又はS100A9に特異的な、標識された結合部を導入する工程と、
カルプロテクチン、S100A8、又はS100A9に結合されていない標識された結合部の部分を除去する工程と、
検出可能なシグナルを計測して、生物学的試料中の検出される少なくとも1種のポリペプチドの濃度を測定する工程と、
を含む。
1つの好ましい実施形態においては、好ましくは標識されていない結合部は、モノクローナル抗体であり、標識された結合部は、ポリクローナル抗体である。
適切な固体支持体は、当該技術分野でよく知られている。しかしながら、1つの特に適した支持体は、Batzらによる米国特許第4,980,299号に記載される、Nunc A/S社により製造される、ポリスチレン、ルーラン、ポリプロピレン、又はポリ塩化ビニル等の合成樹脂を使用するMaxiSorp(商標)である。当該技術分野ではそのような固体支持体について様々な形式が知られており、1つの特に適切な形式は、96ウェルを有するマイクロウェルプレートの使用である。更なる固体支持体は、例えばD. WiLd & W. Kusnezow, "Separation Systems" in The Immunoassay Handbook(D. WiLd, ed., 3rded., ELsevier, Amsterdam, 2005), ch. 10, pp. 179-185(引用することにより本明細書の一部をなす)に記載されている。
結合部による固体支持体の被覆は一般的に、当該技術分野で知られる方法により行われる。固体支持体を、標識されていないモノクローナル抗S100A9抗体で被覆するために特に好ましいバッファーは、0.1Mのクエン酸ナトリウム(pH6.0)である。一般的に、固体支持体の被覆のためには、モノクローナル抗体は、上記クエン酸バッファー等のバッファー中で約1pg/mL〜4pg/mL、好ましくは約2pg/mLの濃度で使用される。好ましくは、固体支持体は、気密接着性プラスチックで覆われ、約0℃〜約8℃、好ましくは約4℃の温度で、約6時間から数週間までのインキュベート期間にわたり貯蔵される。好ましくは、インキュベート期間は、約2日〜3日である。或いは固体支持体は、約9℃〜約37℃の温度で貯蔵され得る。
ELISAサンドイッチイムノアッセイの実施前に、結合されていない過剰な抗体を除去するために固体支持体が洗浄される。一般的には、固体支持体は、リン酸緩衝生理食塩水等の慣用の洗浄バッファーで洗浄される。一般的に、固体支持体は、アッセイの実施前に3回〜4回洗浄される。
本明細書で使用される場合に、用語「結合部」は、標的分子、細胞、粒子、組織、又は集合体に特異的又は選択的に結合する分子、複合体、又は集合体を指す。したがって、カルプロテクチン結合部は、カルプロテクチンに特異的又は選択的に結合する分子、複合体、又は集合体を指す。同様に、S100A8結合部は、S100A8に特異的又は選択的に結合する分子、複合体、又は集合体を指し、S100A9結合部は、S100A9に特異的又は選択的に結合する分子、複合体、又は集合体を指す。
本明細書で使用される場合に、用語「特異的な結合」は、他方の分子の本質的により低い認識と比較した、一方の分子の特異的な認識を指す。特異的な結合の例には、限定されるものではないが、抗体−抗原相互作用、酵素−基質相互作用等が挙げられる。幾つかの実施形態においては、結合部は、約6〜約8のpH及び約0℃〜約37℃の範囲の温度等の周囲条件下で、標的について約10−1以上の固有平衡会合定数(KA)を有し得る。
1つの実施形態においては、結合部は、抗体、抗体フラグメント、二重特異性抗体、若しくはその他の多重特異性抗体、又はその他の抗体を基礎とする分子若しくは化合物である。しかしながら、当該技術分野で知られるその他の結合部、例えばアプタマー、アビマー、又は標的指向性ペプチドを使用することもできる。
本明細書で使用される場合に、用語「抗体」は、別の分子の特定の構成に特異的に結合し、それにより該構成と相補的であると規定される免疫グロブリンを指す。抗体は、モノクローナル又はポリクローナルであってよく、そして宿主の免疫化及び血清の回収(ポリクローナル)、又は連続ハイブリッド細胞系統の調製及び分泌されたタンパク質の回収(モノクローナル)、又は天然抗体の特異的結合のために必要なアミノ酸配列を少なくともコードするヌクレオチド配列若しくはその突然変異誘発されたもののクローニング及び発現等の当該技術分野でよく知られる技術により製造され得る。抗体は、完全な免疫グロブリン又はそのフラグメントを含んでよく、該免疫グロブリンは、様々なクラス及びアイソタイプ、例えばIgA、IgD、IgE、IgG1、IgG2a、IgG2b、及びIgG3、IgMを含む。機能的抗体フラグメントは、同様の親和性で全長抗体への結合を維持することが可能な抗体の部分(例えば、Fab、Fv、及びF(ab’)2、又はFab’)を含み得る。さらに、免疫グロブリン又はこれらのフラグメントの集合体、多量体、及びコンジュゲートは、特定の分子についての結合親和性が本質的に維持される限りは適宜使用され得る。
本発明は、患者を2つ以上の群及びこれらの下位群に分けるための新規かつ簡単な方法を提供する。群及び下位群への特性化は、それが治療レスポンダー群及び非レスポンダー群への患者の新たな層別化として機能し得るため関心が持たれている。
本発明の第3の態様はそれゆえ、請求項1に記載の方法によりインプラント関連の再置換リスクありと診断された被験体の治療に使用する組成物であって、抗骨溶解剤、抗炎剤/抗炎症剤、及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される少なくとも1種の作用物質を含む、組成物に関する。
本発明の第3の態様による1つの実施形態においては、治療される被験体は、好ましくは本発明の第1の態様の方法により病状開始と診断されている。
本発明の第3の態様による1つの実施形態においては、上記組成物は、不所望な高い濃度のTNFα及び/又は不所望な高い濃度のIL1βと関連する状態の治療に適した少なくとも1種の作用物質を含む。
本発明の第3の態様による1つの実施形態においては、上記組成物は、ビスホスホネート、アセトアミノフェン、NSAID、ジクロフェナク、マクロライド、テトラサイクリン、アンフェニコール、セファロスポリン、スルホンアミド、トリメトプリム、リンコサミド、アミノグリコシド、キノロン、チゲサイクリン、バンコマイシン及びバンコマイシン類似体、ゲンタマイシン、グルコサミン、コンドロイチン、アスピリン、コルチゾン、及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される少なくとも1種の作用物質を含む。
本発明の第3の態様による1つの実施形態においては、治療される被験体は、無症候の被験体である。別の実施形態においては、治療される被験体は、インプラント関連の再置換リスクの症候を一切有しない。別の実施形態においては、治療される被験体は、病状開始に見舞われている。
本発明の第3の態様による1つの実施形態においては、インプラント関連の再置換リスクは、急性病状又は病状開始のいずれかであり、かつ治療されるべき被験体は、事前に急性病状と診断されていない。
本発明の第3の態様による1つの実施形態においては、治療される被験体は、「インプラント関連感染症によるものではないインプラント関連の再置換リスクあり」と診断さらている。インプラント関連感染症は、好ましくは、感染性弛み、慢性関節感染症、バイオフィルム感染症、及び/又はこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される。
本発明の第3の態様による1つの実施形態においては、治療される被験体は、「メタル・オン・メタル反応によるものではないインプラント関連の再置換リスクあり」と診断されている。
本発明を、以下の実施例を参照して更に詳細に記載する。
実施例1
試料中のカルプロテクチンの濃度を測定するためのキット
CALPROLAB(商標)CaLprotectin ELISA(ALP)は、試料中のカルプロテクチンを測定するための定量的アッセイである。該アッセイは市販されている。
試験の原理:
ELISAにおいて、試料及び標準を、カルプロテクチンと結合するモノクローナル抗体で被覆された別々のマイクロタイターウェル中でインキュベートする。インキュベート及びウェルの洗浄の後に、結合されたカルプロテクチンを、酵素標識されたイムノアフィニティ精製されたカルプロテクチン特異抗体と反応させる。この反応後に、マイクロタイターウェル中で結合された酵素の量は、試料又は標準中のカルプロテクチンの量と比例しており、酵素に関する基質と一緒にインキュベートして、色の付いた生成物を生成することで測定される。色強度は、ELISAプレートリーダーを使用して吸光度により測定され、標準及び試料中のカルプロテクチンの濃度と比例している。該アッセイは、白血球抽出物から精製されたカルプロテクチンを使用して較正される。
キットと一緒に供給される試薬
(MTP)被覆されたマイクロタイタープレート:カルプロテクチンに特異的なアフィニティ精製されたモノクローナルマウス抗体で被覆された1ストリップ当たり8ウェルの12枚のストリップ。そのプレートは、乾燥剤と一緒に密閉バッグ中で貯蔵される。
(DIL 5×)試料希釈バッファー(5×濃度)***:1×20mL、5×濃縮物、蒸留水/脱イオン水で希釈される;pH8.0±0.2、黄色の溶液、青色キャップ付きボトル。
(WASH BUF 20×)洗浄液(20×濃度):1×50mL、20×濃縮物、蒸留水/脱イオン水で希釈される、マイクロタイターウェルの洗浄用;pH7.8±0.2、澄明な溶液、白色キャップ付きボトル。
(EC EXTR BUF 2.5×)抽出バッファー(2.5×濃度)**:2×90mL、2.5×濃縮物、蒸留水/脱イオン水で希釈される;pH8.0±0.2、澄明な溶液、白色キャップ付きボトル。
(CAL A〜F)カルプロテクチン標準***:1.0mLを有する6本のバイアル、使用準備済み;黄色の溶液、異なる色のキャップ付きのバイアル。
標準A:青色キャップ 0ng/mL
標準B:緑色キャップ 7.8ng/mL
標準C:黄色キャップ 31.3ng/mL
標準D:赤色キャップ 62.5ng/mL
標準E:白色キャップ 125ng/mL
標準F:黒色キャップ 500ng/mL
(CTR LOW)(CTR HIGH)カルプロテクチンコントロール「Low」及び「High」***:1.0mLを有する2本のバイアル、使用準備済み;黄色の溶液;Ctr Low:褐色のキャップ付きのバイアル;Ctr High:紫色のキャップ付きのバイアル。
(CONJ)酵素コンジュゲート****:13mLのアルカリ性ホスファターゼ標識されたイムノアフィニティ精製されたカルプロテクチンに対するポリクローナルウサギ抗体、使用準備済み;赤色の溶液、白色のキャップ付きの25mL容のDynex試薬チューブ。
(SUB pNPP)酵素基質溶液(pNPP):13mL、使用準備済み;澄明ないし薄黄色の溶液、黄色のキャップ付きの不透明なボトル。該ボトルは、安定化ペレットを含有する。
注釈:Dynex装置を使用する場合に、基質は、試験実行前に25mL容のDynex試薬チューブ中に移す必要がある。
0.1%のKathonを含有する
**0.1%未満のアジ化ナトリウムを含有する
***0.1%のKathon及び0.1%未満のアジ化ナトリウムを含有する
****0.02%のメチルイソチアゾロン及び0.02%のブロモニトロジオキサンを含有する。
インプラントを伴う患者からの滑液試料
滑液試料を、37人の患者から再置換手術の間にニードルを使用して収集した。臨床診断は、外科医により再置換手術中の観察に基づいて決定された。滑液試料を、−20℃の温度に直ちに凍結させた。
次いで試料を氷上で融解させた。次いで融解した試料を、下記の手順に従って更なる調製にかけた。
試薬調製
全ての試薬、試料、及びコントロールは、試験実行開始前に室温にする。
2.5×抽出バッファーを、清浄な容器中で1部(20mL)〜1.5部(30mL)の蒸留水/脱イオン水を添加して50mLの最終容量にすることで希釈し、よく混ぜた。
5×濃縮された試料希釈バッファーを、清浄な容器中で1部(20mL)〜4部(80mL)の蒸留水/脱イオン水を添加して100mLの最終容量にすることで希釈した。希釈された試料希釈物をよく混ぜた。
20×濃縮された洗浄液を、清浄な容器中で1部(10mL)〜19部(190mL)の蒸留水/脱イオン水を添加して200mLの最終容量にすることで希釈し、よく混ぜた。
標準A〜F及びコントロールとラベルしたバイアルは、1.0mLのそれぞれの使用準備済みの溶液を収容している。カルプロテクチンの濃度は、各バイアルのラベル上に印刷されている。最も高い標準(チューブF)は、対象とするカルプロテクチン濃度範囲において頑健な検量線を作成し、この範囲において追加の標準(標準チューブCの50%希釈)のための余地を与えるために省いた。
酵素コンジュゲートのチューブは、バッファー中の13mLのアルカリ性ホスファターゼ(ALP)標識されたイムノアフィニティ精製されたカルプロテクチンに対するウサギ抗体を20種の安定剤、保存剤、及び不活性赤色色素と一緒に収容している。該溶液は使用準備済みである。
酵素基質溶液のボトルは、13mLのp−ニトロフェニルホスフェート溶液を収容している。該溶液は使用準備済みである。
インプラントを伴う患者からの滑液試料中のカルプロテクチンの濃度の測定
1)滑液試料を、まず1×抽出バッファー中で1:100希釈し、ボルテックス処理でよく混ぜた。引き続きその試料を、試料希釈バッファー中で更に1:10希釈に供し、ボルテックス処理でよく混ぜることで、1:1000の最終希釈倍率が得られた。
2)それぞれ100μLの標準、コントロール、及び希釈された滑液試料を、適切なマイクロプレートウェル中に添加した。標準は4つの並行で添加し、試料は3連で添加した。
3)プレートを、シーリングホイルで覆い、水平式プレートシェーカー上にて室温で40分間にわたり600rpmでインキュベートした。
4)インキュベート時間の終わりに、液体を除去し、300μLの洗浄液を各ウェルに添加することによりウェルを洗浄した。この手順を、全体で3回の洗浄が行われるまで繰り返した。各洗浄工程の後に、プレートをひっくり返して、吸収材上を軽くたたくことで、全ての残りの洗浄液を除去した。3回の洗浄工程の最後に、全ての余分な液体が除去されるように注意する。
5)100μLの酵素コンジュゲート溶液を、各ウェルに添加する。
6)プレートを、シーリングホイルで覆い、水平式プレートシェーカー上にて室温で40分間にわたり600rpmでインキュベートする。
7)項目4)に記載される洗浄工程を繰り返す。1ウェル当たり300μLの洗浄液で3回行う。
8)100μLの酵素基質溶液を、各ウェルに添加する。
9)プレートを、遮光して室温(振盪せずに)で25分間にわたりインキュベートする。
10)405nmでの光学密度(OD)値を、ELISAリーダーを使用して読み取る。
11)カルプロテクチン標準の光学測定値、及び各標準試料中のカルプロテクチンの既知の濃度に基づいて検量線を作成する。
12)滑液試料中のカルプロテクチンの濃度を、項目11)で作成した検量線に基づいて計算する。
結果「インプラント関連の再置換リスク」(表1)
インプラントを伴う患者からの37個の試料を、CRP及びカルプロテクチンに関して分析した。結果は、表1に表されている。「臨床診断」は、正しい臨床診断を指す。試験診断は、患者からの滑液試料中のカルプロテクチンの検出濃度に基づいて定められる。カルプロテクチン濃度が4mg/L以上である場合に、患者は、インプラント関連の再置換リスクを有する。しかしながら、カルプロテクチン濃度が4mg/L未満である場合に、患者は、インプラント関連の再置換リスクを有しない。「試験(4mg/L)」は、試験診断が、実際の臨床診断と比較して正しい結果をもたらすかどうかを示している。TN(真陰性)は、試験診断及び臨床診断の両方により、患者がインプラント関連の再置換リスクを有しないと結論づけられる状況(診断試験が正しい結果をもたらす)を指す。TP(真陽性)は、試験診断及び臨床診断の両方により、患者がインプラント関連の再置換リスクを有すると結論づけられる状況(診断試験が正しい結果をもたらす)を指す。FNは、試験診断により、患者がインプラント関連の再置換リスクを有しないと誤って結論づけられる状況(診断試験が誤った結果をもたらす)を指す。FPは、試験診断により、患者がインプラント関連の再置換リスクを有すると誤って結論づけられる状況(診断試験が誤った結果をもたらす)を指す。無菌性弛み、脱臼、感染性弛み、及びメタル・オン・メタルは全て、インプラント関連の再置換リスクのリスクと関連している。真陽性及び真陰性の結果は、図5に表されている。
Figure 2020507783
真陽性患者の全数:26
偽陽性患者の全数:1
偽陰性患者の全数:1
真陰性患者の全数:9
感度:
(真陽性患者の全数)/(偽陰性患者の全数+真陽性患者の全数)
感度=26/(1+26)=0.963
特異度:
(真陰性患者の全数)/(偽陽性患者の全数+真陰性患者の全数)
特異度=9/(1+9)=0.9
陰性的中率:
(真陰性患者の全数)/(偽陰性患者の全数+真陰性患者の全数)
陰性的中率=9/(1+9)=0.9
陽性的中率:
(真陽性患者の全数)/(偽陽性患者の全数+真陽性患者の全数)
陽性的中率=26/(1+26)=0.963
フィッシャーの正確確率検定は、0.0001未満のp値をもたらす(α=0.05)。
結果「病状開始」(表2)
インプラントを伴う患者からの37個の試料を、CRP及びカルプロテクチンに関して分析した。結果は、表2に表されている。「臨床診断」は、正しい臨床診断を指す。試験診断は、患者からの滑液試料中のカルプロテクチンの検出濃度に基づいて定められる。カルプロテクチン濃度が4mg/L〜50mg/Lの範囲内である場合に、患者は、病状開始の指標を有する。「試験(4mg/L〜50mg/L)」は、試験診断が、正しい臨床診断と比較して正しい結果をもたらすかどうかを示している。TN(真陰性)は、試験診断及び臨床診断の両方により、患者が病状開始の指標を有しないと結論づけられる状況を指す。TP(真陽性)は、試験診断及び臨床診断の両方により、患者が病状開始の指標を有すると結論づけられる状況(診断試験が正しい結果をもたらす)を指す。FNは、試験診断により、患者が病状開始の指標を有しないと誤って結論づけられる状況(診断試験が誤った結果をもたらす)を指す。FPは、試験診断により、患者が病状開始の指標を有すると誤って結論づけられる状況(診断試験が誤った結果をもたらす)を指す。
Figure 2020507783
真陽性患者の全数:14
偽陽性患者の全数:2
偽陰性患者の全数:6
真陰性患者の全数:15
感度:
(真陽性患者の全数)/(偽陰性患者の全数+真陽性患者の全数)
感度=14/(6+14)=0.7
特異度:
(真陰性患者の全数)/(偽陽性患者の全数+真陰性患者の全数)
特異度=15/(2+15)=0.882
陰性的中率:
(真陰性患者の全数)/(偽陰性患者の全数+真陰性患者の全数)
陰性的中率=15/(6+15)=0.714
陽性的中率:
(真陽性患者の全数)/(偽陽性患者の全数+真陽性患者の全数)
陽性的中率=14/(2+14)=0.875
フィッシャーの正確確率検定 0.0001に等しい両側p値。

Claims (48)

  1. インプラント関連の再置換リスクを診断する方法であって、以下の工程:
    インプラントを伴う被験体からの生物学的試料を準備する工程と、
    前記生物学的試料中のカルプロテクチン、S100A8、及びS100A9からなる群から選択される少なくとも1種のポリペプチドの濃度を検出する工程と、
    を含み、前記生物学的試料は、滑液、好ましくはインプラントの部位からの滑液である、方法。
  2. 前記少なくとも1種のポリペプチドの4mg/L未満の濃度は、インプラント関連の再置換リスクなしの診断の指標である、請求項1に記載の方法。
  3. インプラント関連の再置換リスクなしは、安定なインプラントからなる群から選択される、請求項2に記載の方法。
  4. 前記少なくとも1種のポリペプチドの4mg/L以上の濃度は、インプラント関連の再置換リスクありの診断の指標である、請求項1に記載の方法。
  5. インプラント関連の再置換リスクありと診断された被験体は、病状開始又は急性病状のいずれかに見舞われている被験体である、請求項1に記載の方法。
  6. 前記少なくとも1種のポリペプチドの4mg/L〜50mg/Lの範囲内の濃度は、病状開始の指標である、請求項5に記載の方法。
  7. 病状開始は、無菌性弛み、インプラントの脱臼、骨溶解、及び/又はこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、請求項5に記載の方法。
  8. 前記少なくとも1種のポリペプチドの50mg/L超の濃度は、急性病状の指標である、請求項5に記載の方法。
  9. 急性病状は、インプラント関連感染症、及びメタル・オン・メタル反応からなる群から選択される、請求項5に記載の方法。
  10. インプラント関連感染症は、感染性弛み、慢性関節感染症、バイオフィルム感染症、及び/又はこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、請求項9に記載の方法。
  11. 病状開始を診断する方法である、請求項1に記載の方法。
  12. 前記方法が、急性病状を診断する方法ではないことを条件とする、請求項1に記載の方法。
  13. 前記方法が、インプラント関連感染症によるものではないインプラント関連の再置換リスクを診断する方法であることを条件とする、請求項1に記載の方法。
  14. インプラント関連感染症は、感染性弛み、慢性関節感染症、バイオフィルム感染症、及び/又はこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、請求項13に記載の方法。
  15. 前記方法が、メタル・オン・メタル反応によるものではないインプラント関連の再置換リスクを診断する方法であることを条件とする、請求項1に記載の方法。
  16. 生物学的試料中の前記少なくとも1種のポリペプチドの濃度と、コントロール試料中の前記少なくとも1種のポリペプチドの濃度とを比較する工程を更に含む、請求項1に記載の方法。
  17. 前記コントロール試料は、インプラント関連の再置換リスクに見舞われていない被験体からの滑液試料である、請求項16に記載の方法。
  18. 診断される被験体は、インプラント関連の再置換リスクが関連する顕著な症候を一切示していない、請求項1に記載の方法。
  19. 診断される被験体は、無症候の被験体である、請求項1に記載の方法。
  20. 診断される被験体は、インプラント関連の再置換リスクの症候を一切有しない、請求項1に記載の方法。
  21. 前記生物学的試料は、インプラントの部位で収集された滑液である、請求項1に記載の方法。
  22. 前記インプラントは、関節インプラントである、請求項1に記載の方法。
  23. 前記インプラントは、プロテーゼである、請求項1に記載の方法。
  24. 前記インプラントは、関節プロテーゼである、請求項1に記載の方法。
  25. 前記インプラントは、股関節プロテーゼであり、かつ前記生物学的試料は、股関節滑液であるか、又は前記インプラントは、膝関節プロテーゼであり、かつ前記生物学的試料は、膝関節滑液である、請求項1に記載の方法。
  26. 検出される少なくとも1種のポリペプチドは、S100A9である、請求項1に記載の方法。
  27. 前記少なくとも1種のポリペプチドの濃度は、滑液試料中の該少なくとも1種のポリペプチドを検出するのに適したアッセイにより検出され、好ましくは、前記アッセイは、ラテラルフローイムノクロマトグラフィーアッセイ、又はELISAアッセイ、より好ましくはELISAアッセイである、請求項1に記載の方法。
  28. 前記ELISAアッセイは、以下の工程:
    前記生物学的試料を、カルプロテクチン、S100A8、又はS100A9に特異的なモノクローナル抗体で被覆された固体支持体へと導入する工程と、
    前記モノクローナル抗体に結合されていない生物学的試料の部分を前記固体支持体から除去する工程と、
    カルプロテクチン、S100A8、又はS100A9に特異的な酵素標識されたポリクローナル抗体を含み、その酵素が好ましくはアルカリ性ホスファターゼである酵素コンジュゲートを前記固体支持体へと導入する工程と、
    カルプロテクチン、S100A8、又はS100A9に結合されていない酵素コンジュゲートの部分を除去する工程と、
    前記酵素コンジュゲートに対する基質を含み、好ましくはp−ニトロフェニルホスフェートである酵素基質を前記固体支持体へと導入する工程と、
    前記固体支持体へと酵素基質を導入した後、所定の時間で、前記酵素コンジュゲートによる酵素的処理を受けた酵素基質の量を測定する工程と、
    を含み、前記固体支持体は、好ましくはマイクロタイタープレートである、請求項27に記載の方法。
  29. 前記診断は、前記少なくとも1種のポリペプチドの検出濃度のみに基づく、請求項1に記載の方法。
  30. 少なくとも2つの生物学的試料が準備され、その際、2つの生物学的試料は、インプラントを伴う異なる被験体に由来するが、但し、前記被験体の少なくとも1体は病状開始に見舞われているものとする、請求項1に記載の方法。
  31. カルプロテクチン、S100A8、及びS100A9からなる群から選択される少なくとも1種のポリペプチドの濃度は、滑液である生物学的試料中で検出されている、請求項30に記載の方法。
  32. 前記方法は、被験体を前記診断によりグループ化及び層別化すること、発症者及び未発症者を特定すること、治療選択を導くこと、及び治療応答を特定することを更に含む、請求項1に記載の方法。
  33. インプラントを伴う被験体におけるインプラント関連の再置換リスクを診断するための、生物学的試料中のカルプロテクチン、S100A8、及びS100A9からなる群から選択される少なくとも1種のポリペプチドの濃度を検出するのに適したキットの使用であって、前記生物学的試料は、滑液であり、該滑液は、好ましくはインプラントの部位から収集される、使用。
  34. 前記キットは、ELISAアッセイを実施するためのキット、又はラテラルフローイムノクロマトグラフィーアッセイを実施するためのキットである、請求項33に記載の使用。
  35. 前記ELISAアッセイは、以下の工程:
    前記生物学的試料を、カルプロテクチン、S100A8、又はS100A9に特異的なモノクローナル抗体で被覆された固体支持体へと導入する工程と、
    前記モノクローナル抗体に結合されていない生物学的試料の部分を前記固体支持体から除去する工程と、
    カルプロテクチン、S100A8、又はS100A9に特異的な酵素標識されたポリクローナル抗体を含み、その酵素が好ましくはアルカリ性ホスファターゼである酵素コンジュゲートを前記固体支持体へと導入する工程と、
    カルプロテクチン、S100A8、又はS100A9に結合されていない酵素コンジュゲートの部分を除去する工程と、
    前記酵素コンジュゲートに関する基質を含み、好ましくはp−ニトロフェニルホスフェートである酵素基質を前記固体支持体へと導入する工程と、
    前記固体支持体へと酵素基質を導入した後、所定の時間で、前記酵素コンジュゲートによる酵素的処理を受けた酵素基質の量を測定する工程と、
    を含み、前記固体支持体は、好ましくはマイクロタイタープレートである、請求項34に記載の使用。
  36. ELISAアッセイを実施するためのキットは、
    カルプロテクチン、S100A8、又はS100A9に特異的なモノクローナル抗体で被覆された固体支持体と、
    少なくとも1種の洗浄液と、
    カルプロテクチン、S100A8、又はS100A9に特異的な酵素標識されたポリクローナル抗体を含み、その酵素が好ましくはアルカリ性ホスファターゼである酵素コンジュゲートと、
    前記酵素コンジュゲートに関する基質を含み、好ましくはp−ニトロフェニルホスフェートである酵素基質と、
    を含む、請求項34に記載の使用。
  37. 請求項1に記載の方法によりインプラント関連の再置換リスクありと診断された被験体の治療に使用する組成物であって、抗骨溶解剤、抗炎剤/抗炎症剤、及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される少なくとも1種の作用物質を含む、組成物。
  38. 治療される被験体は、請求項5に記載の方法により病状開始と診断されている、請求項37に記載の使用のための組成物。
  39. 前記組成物は、不所望な高い濃度のTNFα及び/又は不所望な高い濃度のIL1βと関連する状態の治療に適した少なくとも1種の作用物質を含む、請求項37に記載の使用のための組成物。
  40. 前記組成物は、ビスホスホネート、アセトアミノフェン、NSAID、ジクロフェナク、マクロライド、テトラサイクリン、アンフェニコール、セファロスポリン、スルホンアミド、トリメトプリム、リンコサミド、アミノグリコシド、キノロン、チゲサイクリン、バンコマイシン及びバンコマイシン類似体、ゲンタマイシン、グルコサミン、コンドロイチン、アスピリン、コルチゾン、及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される少なくとも1種の作用物質を含む、請求項37に記載の使用のための組成物。
  41. 治療される被験体は、インプラント関連の再置換リスクが関連する顕著な症候を一切示していない、請求項37に記載の使用のための組成物。
  42. 治療される被験体は、無症候の被験体である、請求項37に記載の使用のための組成物。
  43. 治療される被験体は、インプラント関連の再置換リスクの症候を一切有しない、請求項37に記載の使用のための組成物。
  44. 治療される被験体は、病状開始に見舞われている、請求項38に記載の使用のための組成物。
  45. インプラント関連の再置換リスクは、急性病状又は病状開始のいずれかであり、かつ治療される被験体は、急性病状と診断されていない、請求項37に記載の使用のための組成物。
  46. 治療される被験体は、請求項13に記載の方法によりインプラント関連感染症によるものではないインプラント関連の再置換リスクありと診断されている、請求項37に記載の使用のための組成物。
  47. インプラント関連感染症は、感染性弛み、慢性関節感染症、バイオフィルム感染症、及び/又はこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、請求項46に記載の使用のための組成物。
  48. 治療される被験体は、請求項15に記載の方法によりメタル・オン・メタル反応によるものではないインプラント関連の再置換リスクありと診断されている、請求項37に記載の使用のための組成物。
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