JP2020507591A - 抗がん活性を有するステロイドサポニン - Google Patents

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Abstract

本発明は、興味深い生物活性を有する新しいクラスのステロイドサポニンに関する。特に、本発明は、糖部分が選択的に官能化して、(i)水素イオンドナー、(ii)水素イオンアクセプター、又は(iii)その組み合わせのいずれかを含有する部分を導入するステロイドサポニンのクラスに関する。これらの新規の水溶性化合物は、それ自体に強力な抗がん特性を有するだけでなく、対象の免疫反応を促進する能力も有し、そのため、がん治療のT細胞活性化のアジュバントとして作用することができる。【選択図】図1

Description

本発明は、興味深い生物活性を有する新しいクラスのステロイドサポニンに関する。特に、本発明は、糖部分が選択的に官能化して、(i)水素イオンドナー、(ii)水素イオンアクセプター、又は(iii)その組み合わせのいずれかを含有する部分を導入するステロイドサポニンのクラスに関する。この新規の水溶性化合物は、それ自体に強力な抗がん特性を有するだけでなく、その他の抗がん剤の作用を強める能力を有することも分かった。例えば、化合物は、対象における免疫反応を促進する能力を有し、そのため、がん治療のT細胞活性化のアジュバントとして作用することができる。
がんは世界中で死亡の主要な要因であり、2012年だけで推定14.1症例が診断され、820万人ががんで死亡し、世界保健機関によると、2030年までに1300万人まで死者が増加すると予想されている。この数字は、平均余命の増加に応じて増加し、生活様式、食事及び/又は環境要因が経時的に変化するにつれて、状態のリスク要因が増加すると予想されている。
がんの診断及び治療に大きな改善があるにもかかわらず、依然として、毎年、多くの人々ががんにより死亡し、その死の要因は、典型的には転移及び通常の治療法に耐性のあるがんである。以前に化学療法で治療した進行した及び/又は転移性悪性腫瘍(すなわち、化学療法難治性がん)の現在の治療方法は、有効性及び安全性の観点から不十分である。したがって、依然としてがん治療に使用され得る代替の医薬品を開発する必要がある。
この分野の候補の1つの将来性のあるグループが、ステロイドサポニンである。ステロイドサポニンは、様々な植物及び海洋種に由来する二次的代謝物のクラスであり、特に、その著しい生物活性により新規の活性剤として興味深い。いくつかのサポニンは、細胞膜に結合及び交差し、その他のサポニンは、界面活性剤として使用され、さらにその他のサポニンは、ワクチンのアジュバントとして使用されてきた。サポニンは、また、漢方薬に使用されており補助食品として奨励されてきた。さらに、いくつかのステロイドサポニンは、いくつかの化学療法剤及び抗がん剤の活性を高め、最終的にはがん細胞の増殖を阻害することが知られている。その他のステロイドサポニンは、いくつかのin vivo及びex vivoモデルシステムで血管新生を抑制する能力が実証された。したがって、ステロイドサポニンは、興味深い分子のクラスに多様な生物活性を提供する。
実際に、ともに保有する国際出願PCT/AU2007/001091及びPCT/AU2007/001092において、出願人は、天然に存在するいくつかのステロイドサポニンの有利な治療的用途、組成物及び使用を記載した。
以前に報告したステロイドサポニンのうち、化合物ジオスゲニルα-L-ラムノピラノシル-(1→2)-β-D-グルコピラノシド(化合物A)は、いくつかの希少な植物種に微量に存在する公知の天然の化合物である。化合物はいくつかの病態の治療のための薬学的活性剤として、非常に有望であることを示し、当該化合物の臨床開発が化合物によって実証された活性特性に基づいて進行中である。
Figure 2020507591
当該化合物は、治療薬として非常に有望であるにもかかわらず、依然として、全ての病理学的、欠乏性、遺伝性及び生理学的疾患を治療する新規化合物及び治療薬についての必要性が非常に大きい。特に、生存寿命の増加により、前述のがんのように、非感染性、加齢が関係する疾患の発症が著しく増加した。
残念ながら、化合物Aを含むいくつかのステロイドサポニンは活性医薬成分として非常に有望であることを示しているが、容易に使用されてこなかった。この要因として、概して、当該化合物が生理学的条件下、薬学的に許容される担体若しくは賦形剤と組み合わせても水に僅かに可溶性又は不溶性であるため、製剤し、投与することを極めて困難にしていることが挙げられる。当業者によって理解されるように、将来性のある活性医薬品(又は薬物)の水溶性は、製剤において重要な生理化学的特性である。経口投与されると、薬物の可溶性及び透過特性は、消化管から全身循環への薬物の最終的な吸収に最も大きな影響、すなわち、薬物のバイオアベイラビリティを有し、したがって、その治療有効性及び体内吸収が大切である。したがって、活性剤の天然の又は本来備わる可溶性が低い状況では、許容されるレベルで活性剤を生物利用可能にするように製剤することができることが欠かせない。
PCT/AU2007/001091 PCT/AU2007/001092
したがって、がん等の疾患の治療に適用することができる代替の水溶性ステロイドサポニンを同定することが望まれる。研究の結果として、出願人は、公知の天然のステロイドサポニンよりも改善された特性を示すステロイドサポニンの新しいファミリーを同定し、設計した。
本発明は、式(I)の化合物
Figure 2020507591
(式中、
Rは、(1)少なくとも1つの水素イオンドナー、(2)少なくとも1つの水素イオンアクセプター又は(3)その組み合わせのいずれかを含む部分であり、
R1は、以下で定義される式E、F又はGの基である)
又はその薬学的に許容される塩を提供する。
出願人は、多くの例において、この種の化合物が、公知の化合物よりも高い能力を有し、また、改善された安全特性を示し得ることを発見した。本発明の化合物では、RはHではない。
前述のように、出願人は、新規のステロイドサポニンががん治療に使用され得ることを発見した。したがって、本発明は、また、本発明の化合物の治療有効量を、治療を必要とする対象に投与することを含む、対象のがんを治療する方法を提供する。
それ自体に抗がん作用を有する他に、出願人は、また、本発明の化合物が、その他の抗がん療法の作用を増強し、又は促進する能力を有することを発見した。したがって、さらなる態様において、本発明は、本発明の化合物の有効量を、治療を必要とする対象に投与することを含む、対象の抗がん治療の作用を促進する方法を提供する。
出願人は、また、本発明の化合物が、対象の免疫反応を活性化する能力を実証する点において、アジュバントとして作用する能力を有することを発見した。したがって、さらなる態様において、本発明は、本発明の化合物の有効量を、治療を必要とする対象に投与することを含む、対象の免疫反応を促進する方法を提供する。
さらなる態様において、本発明は、アジュバントとしての本発明の化合物の使用を提供する。
本発明の化合物の1つがアジュバントとして作用する能力に対する試験結果を示す。
定義
本明細書において、当業者に公知のいくつかの用語を使用する。しかし、明確にする目的で、いくつかの用語を定義する。
本明細書で使用する場合、がんに関係して「治療する」という用語は、がんに関連する腫瘍若しくはその他の特徴、又はその1つ以上の症状を阻害、軽減、消滅、停止、又は安定化することを意味する。
したがって、「治療する」は、がんに関連する腫瘍若しくはその他の特徴を退縮し、若しくは根絶し、又は腫瘍サイズを維持して、増加せず、又は標準治療よりも少ない量で増加することを意味する。
「治療を必要とする対象」という用語は、がんを有し、若しくは診断され、又はがんになりやすい、若しくはがんの疑いのある、又はがんを発症するリスクのあるヒト又は動物を意味する。
「治療有効量」又は「有効量」という用語は、利益のある又は所望の臨床結果、例えば、がんの進行を緩和し、軽減し、安定にし、逆転し、緩徐し又は遅らせるのに充分な量を意味する。1回以上の投与で有効量を投与することができる。
「薬学的に許容される塩」という用語は、前述の化合物の所望の生物活性を保持する塩を指し、薬学的に許容される酸付加塩及び塩基付加塩を含む。式(I)の化合物の適切な薬学的に許容される酸付加塩は、無機酸又は有機酸から調製され得る。このような無機酸の例は、塩酸、硫酸及びリン酸である。適切な有機酸は、脂肪族、脂環式、芳香族、複素環カルボン酸及びスルホン酸クラスの有機酸から選択され得、その例は、ギ酸、酢酸、プロパン酸、コハク酸、グリコール酸、グルコン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、フマル酸、マレイン酸、アルキルスルホン酸、アリールスルホン酸である。薬学的に許容される塩の追加の情報は、P.H.Stahl及びC.G.Wermuth Handbook of Pharmaceutical Salts, Properties, Selection, and Use、第2版改訂版、Wiley-VCH 2011に見つけることができる。固形物である薬剤の場合では、本発明の化合物、薬剤及び塩が異なる結晶性又は多形性形態で存在し得、その全てが本発明及び特定の式の範囲内にあることが意図されることを当業者は理解している。
本明細書で使用する場合、「水素イオンドナー」という用語は、適切な条件下で、イオン化し、H+イオンを放出して、負電荷の種を生成することができる基を意味する。この種の基の例として、無機酸、スルホン酸、カルボン酸、アニオン性アミノ酸、ヒドロキシ酸、不溶性塩についての脂肪酸が挙げられ、-CO2H、-SO3H及び-PO3H2によって示される。
本明細書で使用する場合、「水素イオンアクセプター」という用語は、適切な条件下で、H+イオンと反応して、正電荷の種を形成することができる基を意味する。この種の基の例として、有機アミン、カチオン性アミン及び不溶性塩についての塩基が挙げられる。
「サポニン」という用語は、本明細書全体を通して使用する場合、概して、アグリコンのC-3位によって、アグリコンに結合した糖類(糖)を含むグリコシドを意味することが理解される。
「ステロイドサポニン」という用語は、本明細書全体を通して使用する場合、アグリコンに結合し、窒素原子を含有しない(1つ以上の単糖類、二糖類又は多糖類単位を含む)1つ以上の糖類単位を含むグリコシドを意味することが理解される。
これについて、「ステロイドサポニン」という用語は、特に治療的活性剤について機能的に等価である化合物の任意の塩又はその他の任意の誘導体をその範囲に含むことが理解される。このように、ステロイドサポニンは薬学的に許容される塩であり得る。さらに、ステロイドサポニンは自然発生又は合成ステロイドサポニンであり得る。
「アジュバント」という用語は、本明細書全体を通して使用する場合、(i)薬剤に対する対象の免疫反応を高める若しくは促進する、又は(ii)対象の主薬物の活性を促進する若しくは改変する化合物又は材料を指す。
前述のように、本発明は、式(I)の化合物
Figure 2020507591
(式中、
Rは、(1)少なくとも1つの水素イオンドナー、(2)少なくとも1つの水素イオンアクセプター又は(3)その組み合わせのいずれかを含む部分であり、
R1は、
式E、F又はGの基であり、
式Eは、
Figure 2020507591
であり、
R11、R12、R14、R16、R17、R21、R22、R24、R25及びR27は、独立して、H、OH、=O、薬理学的に許容されるエステル基又は薬理学的に許容されるエーテル基であり、
R15は、C-5、C-6が単結合の場合、Hであり、C-5、C-6が二重結合の場合、存在せず、
Aは、Oであり、それと同時にBは、CH2であるか、又はBはOであり、それと同時にAは、CH2であるかのいずれかであり、
R37Aは、Hであり、それと同時にR37Bは、CH3であるか、又はR37Aは、CH3であり、それと同時にR37Bは、Hであるかのいずれかであり、
又はその薬学的に許容される塩であり、
式Fは、
Figure 2020507591
であり、
R11、R12、R14、R16、R17、R21、R22、R24、R25及びR27は、独立して、H、OH、=O、薬理学的に許容されるエステル基又は薬理学的に許容されるエーテル基であり、
R15は、C-5、C-6が単結合の場合、Hであり、C-5、C-6が二重結合の場合、存在せず、
R32は、C-20、C-22が単結合の場合、ヒドロキシル又はアルコキシル基のいずれかであり、C-20、C-22が二重結合の場合、存在せず、
R37Aは、Hであり、それと同時にR37Bは、CH3であるか、又はR37Aは、CH3であり、それと同時にR37Bは、Hであり、
R38は、H若しくは糖類であり、又はその薬学的に許容される塩であり、
又はその薬学的に許容される塩であり、
式Gは、
Figure 2020507591
であり、
R11、R12、R14、R16、R17、R21、R22、R24、R25及びR27は、それぞれ独立して、H、OH、=O、薬理学的に許容されるエステル基又は薬理学的に許容されるエーテル基であり、
R15は、C-5、C-6が単結合の場合、Hであり、C-5、C-6が二重結合の場合、存在せず、
R32及びR39は、それぞれ独立して、H、OH、=O、薬理学的に許容されるエステル基又は薬理学的に許容されるエーテル基であり、
R37Aは、Hであり、それと同時にR37Bは、CH3であるか、又はR37Aは、CH3であり、それと同時にR37Bは、Hであり、
R38は、H若しくは糖類であり、又はその薬学的に許容される塩である)
又はその薬学的に許容される塩を提供する。
一実施形態において、基R1は、化合物が以下に示す式II:
Figure 2020507591
(Rは前に定義された通りである)
を有する、又はその薬学的に許容される塩であるように選択される。
前述のように、本発明の化合物では、基Rは、(1)少なくとも1つの水素イオンドナー、(2)少なくとも1つの水素イオンアクセプター又は(3)その組み合わせのいずれかを含む部分である。いかなる理論に縛られることを望まないが、出願人は、この種の基をこの位置に組み込むことによって、分子の医薬的技術的特性の改善を導き、薬物動態を改善するものと考えている。特に、理論に縛られることを望まないが、この種の基を組み込むことによって、投与後の化合物の吸収、分布、代謝及び排泄の改善を導き得る。
本質的に、R基は、酸素原子に存在し得る状態で結合することができ、(1)少なくとも1つの水素イオンドナー、(2)少なくとも1つの水素イオンアクセプター又は(3)その組み合わせのいずれかを含む限り、多数の可能性のある部分のいずれかになり得る。基は適切な置換基を含むアルキル又はアリール基等の単純な有機置換基であってもよく、又はアミノ酸基等のより複雑な置換基であってもよい。前述のように、RはHではない。
一実施形態において、R基は、少なくとも1つの水素イオンドナーを含む部分である。前述のように、水素イオンドナーは、適切な条件下で、イオン化して、負電荷の種及び水素イオン((H+)を形成することができる基である。本質的に、「酸性基」又は部分は、概して、この能力を有する。一実施形態において、R基は水素イオンドナー置換基を含むC1-C6アルキル基である。適切な水素イオンドナーの例として、-CO2H、-SO3H及び-PO3H2が挙げられる。
一実施形態において、Rは、式-CO2Hの水素イオンドナーを含む。一実施形態において、Rは、式-SO3Hの水素イオンドナーを含む。一実施形態において、Rは、式-PO3H2の水素イオンドナーを含む。
特定の実施形態において、R部分の全体は水素イオンドナーであり得る。一実施形態において、Rは-SO3Hである。一実施形態において、Rは-PO3H2である。
一実施形態において、R基は、少なくとも1つの水素イオンアクセプターを含む部分である。前述のように、「水素イオンアクセプター」という用語は、適切な条件下で、H+イオンと反応して、正電荷の種を形成することができる基を意味する。
当業者に理解される多くの範囲の水素イオンアクセプターが存在する。一実施形態において、水素イオンアクセプターは、式-NH2の基である。一実施形態において、Rは、式(CH3)2CHCH(NH2)C(=O)-の基である。
本発明の一実施形態において、化合物は、式(III)の化合物:
Figure 2020507591
又はその薬学的に許容される塩である。
本発明の一実施形態において、化合物は、式(IV)の化合物:
Figure 2020507591
又はその薬学的に許容される塩である。
一実施形態において、化合物は、式:
Figure 2020507591
を有する。
一実施形態において、化合物は、式:
Figure 2020507591
を有し、XはHO2CCHCHCO2-である。
前述のように、化合物は、薬学的に許容される塩の形態であり得る。R基が水素イオンドナーを含む状況では、薬学的に許容される塩は塩基に由来する。適切な塩の例として、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム及び亜鉛塩が挙げられる。一実施形態において、塩はカリウム塩である。一実施形態において、塩はナトリウム塩である。一実施形態において、塩はカルシウム塩である。一実施形態において、塩はマグネシウム塩である。一実施形態において、塩は亜鉛塩である。
R基が水素イオンアクセプターを含む状況では、塩は、通常、酸に由来する。適切な酸付加塩の例として、臭化水素酸塩、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、メシル酸塩、エシレート、イセチオン酸塩、トシレート、ナプシレート、ベシル酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、安息香酸塩、サリチル酸塩、フマル酸塩(fumurate)、グルタミン酸塩、アスパラギン酸塩、乳酸塩(lacatate)、コハク酸塩、酒石酸塩、グリコール酸塩、ヘキサン酸塩、オクタン酸塩、デカン酸塩、オレイン酸塩、ステアリン酸塩、パモ酸塩、クエン酸塩及びマレイン酸塩が挙げられる。一実施形態において、塩はクエン酸塩である。一実施形態において、塩はマレイン酸塩である。一実施形態において、塩は塩酸塩である。
本発明の化合物は、特定のがんの治療に有益な適用を有することが分かった。したがって、本発明は、また、本発明の化合物の治療有効量を、治療を必要とする対象に投与することを含む、がんを治療する方法を提供する。
化合物は、広範囲のがん種の治療に使用することができる。がんは、癌腫、膀胱がん、骨がん、脳腫瘍、乳がん、子宮頸がん、結腸、直腸、肛門及び虫垂のがんを含む直腸がん、食道がん、ホジキン病、腎臓がん、喉頭がん、白血病、肝臓がん、肺がん、リンパ腫、メラノーマ、母斑及び異形成母斑、多発性骨髄腫、筋肉のがん(muscular cancer)、非ホジキンリンパ腫、口腔がん、卵巣がん、膵臓がん、前立腺がん、肉腫、皮膚がん、胃がん、精巣がん、奇形腫、甲状腺がん、並びに子宮がんからなる群から選択される。
ヒトへの式(I)の化合物の投与は、経口又は直腸等の経腸投与に許容される様式、又は皮下、筋肉内、静脈内及び皮内経路等の非経口投与、又は吸入される化合物の送達があり得る。注射は、ボーラス又は持続静注若しくは間欠注入があり得る。投与経路の例として、局所投与、経腸投与(すなわち、経口、胃管又は直腸等の腸を介して)又は非経口投与(注射等、例えば、静脈内、筋肉内、皮下、又は皮内注射)が挙げられる。
活性化合物は、通常、患者に治療有効量を送達するのに充分な量で、薬学的に許容される担体又は希釈剤に含まれる。
本発明の化合物を使用する場合、化合物を生物利用可能にする任意の形態又は様式で投与することができる。製剤を調製する当業者は、選択される化合物の特定の特徴、治療対象の病態、治療対象の病態のステージ及びその他の関連の状況に依存して、適切な投与形態及び様式を容易に選択することができる。本発明者らは、P.H.Stahl及びC.G.Wermuth(編), Handbook of Pharmaceutical Salts, Properties, Selection, and Use、第2版改訂版、Wiley-VCH (2011)をさらなる情報として示す。
本発明の化合物は、単独でも、又は薬学的に許容される担体、希釈剤又は賦形剤と組み合わせて医薬組成物の形態で投与することができる。本発明の化合物は、それ自体でも有効であるが、通常、薬学的に許容される塩の形態で製剤及び投与され、その形態の方が、通常、安定的で、容易に結晶化され、水溶性が増加する。
しかしながら、化合物は、通常、所望の投与様式に依存して、製剤される医薬組成物の形態で使用される。このように、いくつかの実施形態において、本発明は、式(I)の化合物及び薬学的に許容される担体、希釈剤又は賦形剤を含む医薬組成物を提供する。組成物は、当該技術分野で周知の方法で調製される。
その他の実施形態において、本発明は、本発明の医薬組成物の1つ以上の成分を充填した1つ以上の容器を含む医薬パック又はキットを提供する。このようなパック又はキットでは、薬剤の単位用量を有する容器を見出すことができる。キットは、使用前にさらに希釈することができる(凍結乾燥された組成物を含む)濃縮製剤として有効な薬剤を含む組成物を含み得、又はキットは、使用濃度で提供することができ、バイアルに1つ以上の用量を含み得る。便利なことに、キットには、単位用量が無菌バイアルに提供され得、臨床医はバイアルを直接的に使用することができ、このとき、バイアルは所望の量及び濃度の薬剤を有する。このような容器に、使用説明書、又は医薬品若しくは生物製剤の製造、使用若しくは販売を管理する政府機関によって規定された形態の通知であって、ヒトへの投与のための政府機関による製造、使用若しくは販売の承認を反映する通知のような様々な書面が添付されていてもよい。
本発明の化合物は、前述の障害/疾患を治療するために1つ以上の追加の薬物と併用して使用又は投与され得る。この成分は、同じ製剤又は別々の製剤で投与することができる。別々の製剤で投与される場合、本発明の化合物は、他の薬物と連続して又は同時に投与され得る。
実際に、一実施形態において、本発明の方法は、第2の抗がん剤の投与を含む。広範囲の第2の抗がん剤が、本発明の化合物と併用して使用され得る。適切な第2の抗がん剤の例として、化学療法剤、BCNU(カルムスチン)、ビスルファン(bisulfan)、CCNU(ロムスチン)、クロラムブシル、シスプラチン、メルファン(melphan)、マイトマイシンC、及びチオテパを含むアルキル化剤;タキソール(パクリタキセル)、ドセタキセル、ビンブラスチン硫酸塩及びビンクリスチン硫酸塩を含む有糸分裂阻害薬;ドキソルビシン、ダウノルビシン、m-AMSA(アムサクリン)、ミトキサントロン及びVP-16(エトポシド)を含むトポイソメラーゼ阻害薬;5-フルオロウラシル及びメトトレキサートを含むRNA/DNA代謝拮抗薬;Ara-C(シタラビン)、ヒドロキシ尿素(ヒドロキシカルバミド)及びチオグアニン(thioguanine/tioguanine)を含むDNA代謝拮抗薬;細胞プロセス標的剤(cellular process targeting agent);イマチニブメシル酸塩;トラスツズマブ;及びゲフィチニブ及び抗(プログラム細胞死1受容体)PD-1治療薬;プレムブロジラブ(prembrozilab)及びニボムラブ(nivomulab)の1つ以上から選択される。
実際に、理論に縛られことを望まないが、本発明の化合物は、対象の抗がん治療の作用を促進する能力を有すると考えられる。さらなる実施形態において、本発明は、本発明の化合物の有効量を、治療を必要とする対象に投与することを含む、対象の抗がん治療の作用を促進する方法を提供する。実際に、出願人は、化合物が、T細胞活性を駆動し、抗がん治療の作用を促進する純効果を有する点で、アジュバント作用を有することを発見した。
前述のように、本発明の化合物は、アジュバントとして使用され得、それにより、本発明の化合物はその他の活性剤に対する対象の免疫反応を促進する。このように使用する場合、本発明の化合物は、その他の薬剤と同時に、又はその他の薬剤と(任意の順序で)連続的に併用して投与され得る。
1つ以上の追加の薬物と併用して投与することができる以外に、本発明の化合物は、併用療法に使用され得る。併用療法に使用する場合、化合物は、通常、互いに併用して投与される。したがって、本発明の1つ以上の化合物は、(組み合わされた調製物として)同時に又は順番に連続的に投与されて、所望の効果を達成し得る。これは、特に、各化合物の治療プロファイルが異なる場合に望ましいことであり、2剤の併用効果は改善された治療結果を提供する。
非経口注射についての本発明の医薬組成物は、薬学的に許容される無菌水溶性又は非水溶性液、分散液、懸濁液又は乳濁液、並びに、使用直前に無菌注射溶液又は分散液に再構成するための無菌粉末を含む。適切な水溶性又は非水溶性担体、希釈剤、溶媒又はビヒクルの例として、水、エタノール、ポリオール(グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール等)及びその適切な混合物、植物性油(オリーブ油等)、並びにオレイン酸エチル等の注射可能な有機エステルが挙げられる。例えば、レシチン等のコーティング材料を使用することによって、分散液の場合は必要とされる粒径を保持することによって、及び界面活性剤を使用することによって、適切な流動性を保持することができる。
局所投与に適した組成物の例として、クリーム、ローション、目薬、点耳剤、スプレー、吸入剤、又は埋め込まれた調製物、又は鼻腔、直腸、子宮、膣、肺等を通じて経粘膜的調製物が挙げられる。経腸投与に適した組成物の例として、錠剤、丸薬、粒剤、粉末、カプセル、液体製剤、エリキシル剤、懸濁液、ウエハ、乳濁液、シロップ、座薬等が挙げられる。非経口投与に適した組成物の例として、注射液又は移植可能なペレット等のデポ製剤が挙げられる。
非経口注射の組成物は、薬学的に許容される無菌水溶性又は非水溶性液、分散液、懸濁液又は乳濁液、並びに使用直前に無菌注射溶液又は分散液に再構成するための無菌粉末を含む。適切な水溶性又は非水溶性担体、希釈剤、溶媒又はビヒクルの例として、水、エタノール、ポリオール(グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール等)及びその適切な混合物、植物性油(オリーブ油等)、並びにオレイン酸エチル等の注射可能な有機エステルが挙げられる。例えば、レシチン等のコーティング材料を使用することによって、分散液の場合は必要とされる粒径を保持することによって、及び界面活性剤を使用することによって、適切な流動性を保持することができる。
これらの組成物は、また、保存剤、湿潤剤、乳化剤、緩衝剤、pH調整剤、等張化剤及び分散剤等の賦形剤を含み得る。様々な抗菌剤及び抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、ソルビン酸フェノール等を含むことによって、確実に微生物の活動を防ぐことができる。また、糖類、塩化ナトリウム等の等張化剤を含むことが望ましい場合がある。これらの賦形剤は、当業者に周知である。
適切な保存剤の例は、パラヒドロキシ安息香酸の安息香酸エステル、20フェノール、フェニルエチルアルコール又はベンジルアルコールである。適切な緩衝液の例として、リン酸ナトリウム塩、クエン酸、酒石酸等である。適切な安定化剤の例は、αトコフェロール酢酸エステル、αチオグリセリン、メタ重亜硫酸ナトリウム、アスコルビン酸、アセチルシステイン、8-ヒドロキシキノリン及びエデト酸二ナトリウム等のキレート剤等の抗酸化剤である。適切な増粘剤、懸濁剤、25可溶化又は分散剤の例は、置換セルロースエーテル、置換セルロースエステル、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、カルボマー、ポリオキシプロピレングリコール、ソルビタンモノオレート、ソルビタンセスキオレイン酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60である。
適切なpH調整剤の例として、塩酸、水酸化ナトリウム、緩衝液等が挙げられる。適切な等張化剤の例は、グルコース、D-ソルビトール、D-マンニトール、塩化ナトリウムである。
モノステアリン酸アルミニウム及びゼラチン等の吸収を遅らせる薬剤を含むことによって、注射可能な医薬形態の吸収が遅延する。これらの薬剤は、当業者に公知である。
望ましい場合、より効率的に分布するために、ポリマーマトリックス、リポソーム及びミクロスフェア等の徐放型又は標的送達システムに化合物を組み込むことができる。
注射可能な製剤は、例えば、熱、照射によって、又は細菌保持フィルターによるろ過によって、又は使用直前に、無菌水又はその他の無菌の注射可能媒体に溶解若しくは分散することができる無菌固体組成物の形態の殺菌剤を組み込むことによって殺菌することができる。
経口投与のための固体剤形として、カプセル、錠剤、丸薬、粉末及び粒剤が挙げられる。このような固体剤形では、活性化合物は、例えば、クエン酸ナトリウム又はリン酸二カルシウム等の少なくとも1つの不活性な薬学的に許容される賦形剤又は担体、及び/又はa)デンプン、ラクトース、ショ糖、グルコース、マンニトール及びケイ酸等の充填剤又は増量剤、b)例えば、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、ショ糖及びアカシア等の結合剤、c)グリセロール等の湿潤剤、d)寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモ若しくはタピオカデンプン、アルギン酸、特定のケイ酸塩及び炭酸ナトリウム等の崩壊剤、e)パラフィン等の溶解遅延剤、f)四級アンモニウム化合物等の吸収促進剤、g)例えば、セチルアルコール及びグリセロールモノステアレート等の湿潤剤、h)カオリン及びベントナイト粘土等の吸収剤、及びi)タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固形ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム等の潤滑剤、並びにその混合物と混合される。カプセル、錠剤及び丸薬の場合、剤形は緩衝剤も含み得る。
同様の種類の固体組成物は、また、ラクトース又は乳糖、並びに高分子量のポリエチレングリコール等の賦形剤を使用して、軟質及び硬質ゼラチンカプセルの充填剤として使用され得る。
錠剤、糖剤、カプセル、丸薬及び粒剤の固形剤形は、腸溶コーティング及び製薬分野で公知のその他のコーティング剤等のコーティング及びシェルで調製することができる。固形剤形は、不透明剤を含んでいてもよく、また、好ましくは、腸管の特定の部分に、場合により徐放性に有効成分のみを放出する組成物であり得る。使用することができる埋封組成物の例として、ポリマー物質及びワックスが挙げられる。
活性化合物は、適切な場合、前述の賦形剤の1つ以上とマイクロカプセル化された形態でもよい。
経口投与のための液体剤形は、薬学的に許容される乳剤、溶液、懸濁液、シロップ及びエリキシルを含む。活性化合物の他に、液体剤形は、当該技術分野で使用されることの多い不活希釈剤、例えば、水又はその他の溶媒、可溶化剤及び乳剤、例えば、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、油類(特に、綿実、ピーナッツ、トウモロコシ、胚芽、オリーブ、トウゴマ及びゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコール及びソルビタンの脂肪酸エステル等並びにその混合物を含み得る。
不活希釈剤の他に、経口組成物は、湿潤剤、乳化剤及び懸濁剤、甘味剤、香料、及び芳香剤等のアジュバントも含み得る。
活性化合物の他に、懸濁液は、懸濁剤、例えば、エトキシル化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトール及びソルビタンエステル、微結晶セルロース、アルミニウムメタヒドロキシド、ベントナイト、寒天、トラガント並びにその混合物を含み得る。
直腸又は膣投与のための組成物は、好ましくは、本発明の化合物を適切な非刺激性賦形剤又は担体、例えば、ココアバター、ポリエチレングリコール、又は室温では固体であるが、体温では液体になるため、直腸又は膣腔で溶解し、活性化合物を放出する坐剤ワックスと混合することによって、調製することができる坐剤である。
本発明の化合物の局所投与のための剤形として、粉末、パッチ、スプレー、軟膏及び吸引剤が挙げられる。無菌条件で、活性化合物は、薬学的に許容される担体及び任意の必要とされる保存剤、緩衝液又は必要とされ得る噴霧剤と混合する。
適切な組成物は、通常、賦形剤等の有機又は無機添加物を使用して、一般的に使用される方法によって調製することができる。このような賦形剤は、充填剤又は希釈剤、結合剤、崩壊剤、潤滑剤、香料、保存剤、安定剤、懸濁剤、分散剤、界面活性剤、抗酸化剤又は可溶化剤から選択され得る。
充填剤又は希釈剤の例として、ショ糖、スターチ、マンニトール、ソルビトール、ラクトース、グルコース、セルロース、タルク、リン酸カルシウム又は炭酸カルシウム等が挙げられる。結合剤の例として、セルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリプロピルピロリドン、ポリビニルピロリドン、ゼラチン、アラビアゴム、ポリエチレングリコール又はスターチ等が挙げられる。崩壊剤の例として、デンプングリコール酸ナトリウム又はクロスカルメロースナトリウム等が挙げられる。潤滑剤の例として、ステアリン酸マグネシウム、軽質無水ケイ酸、タルク又はラウリル硫酸ナトリウム等が挙げられる。香料の例として、クエン酸又はメントール等が挙げられる。保存剤の例として、安息香酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、メチルパラベン又はプロピルパラベン等が挙げられる。安定剤の例として、クエン酸、クエン酸ナトリウム又は酢酸等が挙げられる。懸濁剤の例として、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン又はステアリン酸アルミニウム等が挙げられる。分散剤の例として、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等が挙げられる。界面活性剤の例として、ラウリル硫酸ナトリウム、ポロキサマー(polaxamer)、ポリソルベート等が挙げられる。抗酸化剤の例として、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)等が挙げられる。可溶化剤の例として、ポリエチレングリコール、SOLUTOL(登録商標)、GELUCIRE(登録商標)等が挙げられる。
投与される化合物の量は、好ましくは、病態を治療、軽減又は緩和する。治療有効量は、通常の技術を使用することによって、類似の状況下で得られた結果を観察することによって、担当診断医によって容易に決定することができる。治療有効量を決定するときに、いくつかの要因が考えられ、限定されないが、動物の種、サイズ、年齢、健康状態、関係する特定の病態、病態の重症度、治療に対する患者の反応、投与される特定の化合物、投与形態、投与される調製物のバイオアベイラビリティ、選択される投与レジメン、その他の医薬品の使用、及びその他の関連の状況が挙げられる。
好ましい用量は、1日あたり、体重kgあたり約0.01〜300mgの範囲である。より好ましい用量は、1日あたり、体重kgあたり0.1〜100mg、より好ましくは1日あたり、体重kgあたり0.2〜80mg、さらに好ましくは1日あたり、体重kgあたり0.2〜50mgの範囲である。適切な用量は、1日あたり複数回のサブ用量で投与することができる。
本発明の化合物の合成
様々な実施形態の化合物は、以下に記載の反応経路及び合成スキームを使用して、容易に入手することができる出発材料を使用して、当該技術分野で使用可能な技術を使用して調製され得る。実施形態の特定の化合物の調製は、以下の例に詳細に記述するが、当業者は、記載の化学反応を容易に適合して、様々な実施形態のその他のいくつかの薬剤を調製し得ることを認識する。例えば、例示していない化合物の合成は、当業者に明らかな修飾、例えば、干渉している基を適切に保護することによって、当該技術分野で公知のその他の適切な試薬に変更することによって、又は反応条件の通常の変更を行うことによって、うまく実施することができる。有機合成の適切な保護基のリストは、T.W.Greene's Protective Groups in Organic Synthesis、第3版、John Wiley & Sons、1991に見つけることができる。あるいは、本明細書に開示され、当該技術分野で公知のその他の反応は、様々な実施形態のその他の化合物を調製するための適応性を有するものとして認識される。
本発明は、例によって説明されるが、その例は限定するものとして解釈されない。以下に記載の化合物以外の追加の化合物は、本明細書に記載の方法及び合成プロトコル、又は適切な変化例又はその変更を使用して調製され得る。
以下に記載の実施例において、他に断りのない限り、以下に記載の温度は全て摂氏であり、全ての部及び百分率は、他に断りのない限り、重量による。
様々な出発材料及びその他の試薬は、Aldrich Chemical Company又はLancaster Synthesis Ltd.等の商用製造業者から購入し、他に断りのない限り、さらに精製することなく使用した。全ての溶媒は、他に断りのない限り、当該技術分野の標準的な方法を使用することで精製した。
1H NMRスペクトルは、Bruker Avance III-500に500MHzで記録し、13C-NMRスペクトルは、Bruker Avance III-500に126MHzで記録した。ピークの多重度を報告する場合、以下の略語を使用する:s=一重線、d=二重線、t=三重線、m=多重線、br=広幅化、dd=二重線の二重線、dt=三重線の二重線。カップリング定数は、存在する場合はヘルツで報告する。
質量スペクトルは、エレクトロスプレーイオン化で、Waters Q-TOF Premier(商標)タンデム質量分析計を使用して得た。
本発明の化合物は、WO2013/173862として公開されたともに保有するPCT/AU2013/000416において合成された化合物から通常、合成される。
[実施例1]
出発材料1の合成のための前駆体1の合成
ジオスゲニル-(4,6-O-(4-メトキシベンジリデン)-3-ベンゾイル)-β-グルコピラノシド(前駆体1)の調製
Figure 2020507591
中間体1:2,3,4,6-テトラ-O-ベンゾイル-β-D-グルコピラノース(中間体1)の調製
Figure 2020507591
2,3,4,6-テトラ-O-ベンゾイル-D-グルコピラノシドトリクロロアセトイミダート(50.3g、67.9mmol)及びジオスゲニン(26.0g、63mmol)をジクロロメタン(無水、11mL)及びトルエン(無水、314mL)の混合物に溶解し、溶液を回転式蒸発装置で40℃で乾燥した。生成物をジクロロメタン(無水、222mL)に溶解し、乾燥窒素下で0℃に冷却した。TMSOTf(0.250mL、1.38mmol)を添加し、溶液を周囲温度に温め、1時間攪拌した。その後、反応をN-メチルモルホリン(0.343mL、3.1mmol)で停止した。追加のDCM(20mL)を添加し、メタノール(450mL)をゆっくりと添加し、次にメタノール及び水の混合物(3:1のメタノール:水、200mL)をゆっくりと添加することで生成物を懸濁した。生成物をろ過で回収し、メタノール及び水の混合物(4:1のメタノール:水、450mL)で洗浄し、真空下で乾燥して、ジオスゲニル2,3,4,6-テトラ-O-ベンゾイル-β-D-グルコピラノース(中間体1)を得た。
1H NMR 500 MHz (CDCl3) δ 7.81-8.03 (m, 8H), 7.23-7.56 (m, 12 H), 5.89 (t, 1H, J=9.7 Hz), 5.62 (t, 1H, J=9.7 Hz), 5.49 (dd, 1H, J=7.9, 9.7 Hz), 5.22 (m, 1 H), 4.94 (d, 1H, J=7.9 Hz), 4.60 (dd, 1H, J=3.4, 12.0 Hz), 4.52 (dd, 1H, J=5.9, 12.0 Hz), 4.37-4.43 (m, 1H), 4.12-4.18 (m, 1H), 3.34-3.56 (3H, M), 0.74-2.20 (m, 36 H). ES-MS m/z C61H68O12Na 計算値1015.4608, 実測値1015.4604.
中間体2:ジオスゲニル-β-D -グルコピラノシド(中間体2)の調製
Figure 2020507591
窒素下、ジオスゲニル2,3,4,6-テトラ-O-ベンゾイル-β-D-グルコピラノース(中間体1)(59g、59.4mmol)をジクロロメタン(乾燥、400mL)及びメタノール(乾燥、400mL)に溶解した。ナトリウムメトキシド(メタノール中30%、1.9mL、10.1mmol)を添加し、溶液を一晩攪拌した。この間、pHを9未満にし、その後、追加のナトリウムメトキシドを添加した。生成物を含有する溶液を、洗浄された酸性イオン交換樹脂(Amberjet 1200H)で中和した。樹脂をろ過で除去し、残りの酸性化をN-メチルモルホリンで停止した。生成物を回転式蒸発装置によって乾燥してシロップにし、シロップをメタノール(275mL)に懸濁して、ろ過できる固体を得て、その後ろ過により回収した。固体をメタノール(165mL)及び酢酸エチル(165mL)で洗浄した。生成物を真空下、30℃で乾燥して、セスキ水和物としてジオスゲニル-β-D-グルコピラノシド(中間体2)(23.4g、68%)を得た。
ろ過物を合わせ、酢酸エチルを添加し(330mL)、混合物を約190mLに濃縮した。2番目に収集された生成物をろ過により回収し、酢酸エチル(100mL)で洗浄した。2番目に収集された生成物をカラムクロマトグラフィー(溶出剤1:9のメタノール:ジクロロメタン)でさらに精製して、さらにジオスゲニル-β-D-グルコピラノシド(中間体2)(5.21g、15.2%)(合計収率=28.6g、83.4%)を得る。
1H NMR (500 MHz, 3:1 CDCl3/CD3OD): δ5.37 (dd, J = 2.1, 3.1 Hz, 1 H), 4.42 (q, J = 7.4 Hz, 1 H), 4.40 (d, J = 7.8 Hz, 1 H), 3.84 (dd, J = 2.9, 12.0 Hz, 1 H), 3.83 (dd, J = 4.7, 12.0 Hz, 1 H), 3.58 (m, 1 H), 3.47 (ddd, J = 2.1, 4.2, 11.6 Hz, 1 H), 3.45-3.20 (m, 5 H), 2.41 (ddd, J = 2.1, 4.7, 13.2 Hz, 1 H), 2.27 (m, 1 H), 2.05-0.92 (m, 23 H), 1.03 (s, 3 H), 0.97 (d, J = 6.9 Hz, 3 H), 0.80 (d, J = 6.3 Hz, 3 H), 0.80 (s, 3 H); 13C NMR (126 MHz, 3:1 CDCl3/CD3OD): δ141.78, 123.08, 110.95, 102.51, 82.36, 80.39, 77.87, 77.25, 74.94, 71.60, 68.22, 63.38, 63.18, 57.85, 51.49, 42.99, 41.63, 41.08, 40.00, 38.57, 38.19, 33.39, 33.02, 32.78, 32.64, 31.54, 30.89, 30.00, 22.18, 20.56, 18.25, 17.50, 15.60. ES-MS m/z C33H52O8Na 計算値599.3560, 実測値599.3554.
前駆体1:ジオスゲニル-(4,6-O-(4-メトキシベンジリデン)-3-ベンゾイル)-β-D-グルコピラノシド(前駆体1)の調製
Figure 2020507591
DMF(270mL)中のジオスゲニル-β-D-グルコピラノシド(35.95g、62.3mmol)の溶液に、アニスアルデヒドジメチルアセタール(42.5mL、249mmol)及び濃縮H2SO4、pH約2.5を5滴添加した。溶液をハウスバキューム下で60℃で8時間加熱して、メタノールを除去した。反応物を冷却し、酢酸エチル(400mL)で分液漏斗に移し、反復的にH2O(300mLを3回)、0.5Mの水性HCl(200mLを2回)、その後飽和NaHCO3水溶液(200mL)で洗浄し、有機層及び水性層の境界に灰色の物質が沈殿した。
この灰色の物質を少量のDMFで汚染された所望の生成物として同定し、酢酸エチルで取り入れ、ヘキサンで沈殿させて、灰色の粉末を得た(13.89g、32%)。
酢酸エチルの層を減圧下で蒸発させて、静置して凝固する橙色の油を得た。橙色の固体を酢酸エチルに溶解し、ヘキサンで沈殿させて、灰色の粉末を得た(13.47g、31%)。
橙色のろ過物は、より多くの生成物を沈殿するように導くことができず、その代わりに、溶媒として作用する高4-メトキシベンズアルデヒド含有量によって油分を絞り出し、その結果、セライトに吸収し、3:1〜2:1のPE/EA、その後、3:1〜1:1のトルエン/EAの勾配で溶出するショートシリカプラグによってカラム分離され、黄色の固体の追加部分を得た(12.62g、29%;累積39.98g、92%)。
[実施例2]
出発材料1の合成
ジオスゲニル-(2,3,4-トリベンゾイル)- a-L-ラムノピラノシル-(1→2)-3-ベンゾイル)-β-D-グルコピラノシド(出発材料1)の調製
Figure 2020507591
中間体3:ステップ(i)
前駆体1を選択的にベンゾイル化して、ジオスゲニル-(4,6-O-(4-メトキシベンジリデン)-3-ベンゾイル)-β-D-グルコピラノシド(中間体3)を得た。
Figure 2020507591
-78℃に冷却したピリジン(42.8mL)及びジクロロメタン(68.0mL)に溶解されたジオスゲニル-(4,6-O-(4-メトキシベンジリデン)-3-ベンゾイル)-β-D-グルコピラノシド(18.37g、26.4mmol)及びDMAP(0.161g、1.322mmol)の溶液に塩化ベンゾイル(3.38mL、29.1mmol、1.1等量)を滴下した(反応容量に攪拌する前に、Pyr.HClであると思われる固まりの入った固体を過渡的に形成する)。溶液を一晩攪拌しながら室温に温めた。
反応を、MeOH(10mL)を添加することで停止し、200mLのDCMで希釈し、0.5NのHCl(250mLを4回)、NaHCO3(200mL)、飽和食塩水(200mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥した。粗物質をセライト上に吸収し、残りのDCMを取り除くために50mLのトルエンで蒸発させた。この物質をトルエン(200mL)中のスラリーとして、シリカカラムの上部に負荷し、2%のEA/トルエン(diBz溶液)、5%のEA/トルエン(中間体)、及びその後10%のEA/トルエン(monoBz)の段階的な勾配で溶出した。
回収した画分を合わせて、ジオスゲニル-(4,6-O-(4-メトキシベンジリデン)-3-ベンゾイル)-β-D-グルコピラノシド(中間体3)(13.11、62%)を得た。ジオスゲニル-(4,6-O-(4-メトキシベンジリデン)-2,3-ジベンゾイル)-β-D-グルコピラノシドも単離し、3.17g、13.3%を得た。
中間体5:ステップ(ii)
ラムノース部分に結合して、ジオスゲニル-(2,3,4-トリベンゾイル)-α-L-ラムノピラノシル-(1→2)-(4,6-O-(4-メトキシベンジリデン)-3-ベンゾイル)-β-D-グルコピラノシド(中間体5)を得る。
Figure 2020507591
-78℃で攪拌したDCM(450mL)中のジオスゲニル-(4,6-O-(4-メトキシベンジリデン)-3-ベンゾイル)-β-D-グルコピラノシド(中間体3)(18.4g、23.03mmol)、2,3,4-トリ-O-ベンゾイル-α/β-L-ラムノピラノシドトリクロロアセトイミダート(17.87g、28.8mmol、1.25等量)及び4Å MSシーブ(2g/gのアクセプター;37g)の溶液に、トリメチルシリルトリフルオロメタンスルホン酸(0.104mL、0.576mmol)を滴下し、直ぐに明黄色の溶液を形成した。反応液を室温に一晩、攪拌しながら(ホイルで覆った)氷浴で温めた。
NEt3の1滴で反応停止し(黄色がなくなった)、蒸発させた少分量は、1H NMRによって出発材料の完全な消費を示した。
反応を、NEt3(2mL)を添加することで停止し、セライトベッドでろ過して、シーブを分離した。固体支持体をDCMで洗浄した(50mLを2回)。有機溶液を蒸発させて、白色の泡状物を得た。泡状物をEt2O(約200mL)でスラリー化し、ろ過し、冷たいEt2Oで洗浄し(50mLを2回)、純度の優れた白色粉末として、ジオスゲニル-(2,3,4-トリベンゾイル)-α-L-ラムノピラノシル-(1→2)-(4,6-O-(4-メトキシベンジリデン)-3-ベンゾイル)-β-D-グルコピラノシドを得た(22.75g、79%)。
黄色のろ過物は、分解したラムノースドナー及び少量の所望の生成物から構成されることを確認した。セライトに吸収し、EA/トルエンの勾配(2%、4%、その後6%)でシリカで溶出し、追加の3.07g(10.6%)の生成物を得た(累積収率25.82g、90%)。
出発材料1:ステップ(iii)
中間体5を脱保護して、出発材料1;ジオスゲニル-(2,3,4-トリベンゾイル)-α-L-ラムノピラノシル-(1→2)-3-ベンゾイル)-β-D-グルコピラノシド(出発材料1)を得た。
Figure 2020507591
ジオスゲニル-(2,3,4-トリベンゾイル)-α-L-ラムノピラノシル-(1→2)-(4,6-O-(4-メトキシベンジリデン)-3-ベンゾイル)-β-D-グルコピラノシド(20g、15.91mmol)をジクロロメタン(125mL、1943mmol)及び水(45mL)に溶解した。二相性の混合液を攪拌し、トリフルオロ酢酸(15.91mL)を0℃で添加し、明黄/緑の蛍光色の溶液を形成した。
反応液を3.5時間攪拌した。反応を、水(150mLを2回)、NaHCO3(200mLを2回)、飽和食塩水(200mL)で洗浄することによって停止し、MgSO4で乾燥し、蒸発させて、白色泡状物を得た。
粗物質を最小限の熱いEA(約30mL)に溶解し、PE(500mL)に液滴し、「粘質の」材料として白色固体が沈殿した。溶液を一晩攪拌し、ゲルを形成した。ろ過し、冷たい10%EA/PEで洗浄した白色固体(18.202g、100%)を得た。
あるいは、ジオスゲニル-(2,3,4-トリベンゾイル)-α-L-ラムノピラノシル-(1→2)-(4,6-O-(4-メトキシベンジリデン)-3-ベンゾイル)-β-D-グルコピラノシド(1.76g、1.43mmol)及びAmberjet(登録商標)1200H(8.8g)を100mLの丸底フラスコで、メタノール(24mL)及びテトラヒドロフラン(12mL)にスラリー化した。反応液を加熱して、15時間還流した。その後、反応をトリエチルアミン(0.2mL)で停止した。樹脂をろ過で除去し、溶媒は減圧下で蒸発させた。粗生成物をメタノール(25mL)に溶解し、水(15mL)を滴下し、白色固体が結晶化した。固体生成物をろ過で単離し、ケーキを1:1のメタノール/水(15mLを2回)で洗浄し、次に石油エーテル60〜80(15mLを2回)で洗浄した。生成物を真空下、45℃で一晩乾燥し、ジオスゲニル-(2,3,4-トリベンゾイル)-α-L-ラムノピラノシル-(1→2)-3-ベンゾイル)-β-D-グルコピラノシド(出発材料1)を得た(1.33g、81%)。
1H NMR 500 MHz (CDCl3) δ 8.03 (d, 2H), 7.90 (d, 2H), 7.77 (d, 2H), 7.74 (d, 2H), 7.56 (t, J = 7.5 Hz, 1H), 7.53 (t, J = 7.5 Hz, 1H), 7.41 (m, 3H), 7.33 (m, 3H), 7.28 (t, J = 7.5Hz, 2H), 7.23 (t, J=7.5 Hz, 2H), 5.74 (dd, J = 3.6, 10.0 Hz, 1H), 5.48-5.57 (m, 3H), 5.44 (dd, J = 1.6, 3.6 Hz, 1H), 5.16 (d, J = 1.3 Hz, 1H), 4.82 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 4.77 (m, 1H), 4.45 (q, 1H), 3.73-3.95 (m, 6H), 3.47-3.54 (m, 2H), 3.38-3.41 (m, 2H), 2.64 (見かけ上ddd, 1H), 2.45 (t, 1H), 2.03 (m, 3H), 1.09-1.93 (m, 20H), 1.34 (d, J =6.4 Hz, 3H), 0.99 (d, J =6.4 Hz, 3H), 0.95 (s, 3H), 0.81 (d, J= 6.4 Hz, 3H), 0.80 (s, 3H). 13C NMR 126 MHz (CDCl3,MeOD 3:1) δ 166.3, 165.8, 165.3, 164.7, 139.9, 133.24, 133.17, 133.0. 132.9, 129.61, 129.55, 129.5, 129.3, 129.0, 128.9, 128.23, 128.17, 128.1 122.0, 109.4, 99.4, 97.6, 80.8, 79.0, 78.4, 75.9, 75.5, 71.8, 70.2, 69.6, 68.7, 66.7, 66.6, 61.9, 61.4, 56.3, 49.9, 41.4, 40.1, 39.5, 38.6, 37.0, 36.7, 32.0, 31.6, 31.3, 31.1, 30.0, 29.7, 28.5, 20.6, 19.0, 17.1, 16.8, 16.0. ES-MS m/z C67H78O16Na 計算値: 1161.5188, 実測値1161.5186
[実施例3]
出発材料2の調製
出発材料2;ジオスゲニル-α-L-ラムノピラノシル-(1→2)-β-D-グルコピラノシド(出発材料2)の調製
Figure 2020507591
見られるように、出発材料2は出発材料1から作製することができる。したがって、合成の最初の3ステップは、実施例2と同じステップを伴う。
出発材料1を脱保護して、出発材料2のジオスゲニル-α-L-ラムノピラノシル-(1→2)-β-D-グルコピラノシド(出発材料2)を得る。
Figure 2020507591
MeOH(125mL)中のジオスゲニル-(2,3,4-トリベンゾイル)-α-L-ラムノピラノシル-(1→2)-3-ベンゾイル)-β-D-グルコピラノシド(出発材料1)(16.542g、14.52mmol)の溶液に、NaOMe(MeOH中5.4M)を30滴添加し、pHが約10であることを確認した。TLCによる混合物のモニターで、反応が90分以内に完了したことを示した。反応を、pHが約7になるまでDOWEX 50W-X400を添加することで停止し、DOWEXがクリーム色から淡黄色に変化した。樹脂をMeOHで洗浄し、その後、1:1のMeOH/CHCl3dで洗浄した。
ろ液を蒸発させて、乾燥した白色固体を得て、EAで洗浄した(9.58g、91%)。粗物質を10%のMeOH/DCM、その後20%のMeOH/DCMで溶出するシリカでカラム分離し、出発材料2(8.67g、HPLCにより94%純粋)を得た。
あるいは、ジオスゲニル-(2,3,4-トリベンゾイル)-α-L-ラムノピラノシル-(1→2)-3-ベンゾイル)-β-D-グルコピラノシド(出発材料1)(9.3g、8.2mmol)を無水メタノール(74mL)に溶解した。ナトリウムメトキシド(0.1mL、メタノール中30%の溶液)を添加し、反応混合物をアルゴン下、周囲温度で22時間攪拌した。テトラヒドロフラン(74mL)を添加し、反応混合物をAmberjet(登録商標)1200H樹脂を使用してpH7に調整した。樹脂をろ過で除去し、テトラヒドロフランで洗浄した(30mLを2回)。得られた溶液を真空下で濃縮し、メタノールに再溶解した(74mL)。生成物を周囲温度で攪拌して結晶化し、スラリーを水(15mL)で希釈した。固体生成物をろ過で分離し、メタノール中20%の水(30mLを2回)、水(30mL)及び酢酸エチル(30mLを3回)で洗浄した。固体生成物を真空下、35℃で16時間乾燥して、白色固体としてジオスゲニル-α-L-ラムノピラノシル-(1→2)-β-D-グルコピラノシドを得た(4.65g、79%収率)。
1H NMR (500 MHz, 3:1 CDCl3/CD3OD): δ5.35 (dd, J = 1.9, 3.2 Hz, 1 H), 5.19 (d, J = 1.5 Hz, 1 H), 4.46 (d, J = 7.6 Hz, 1 H), 4.41 (q, J = 7.6 Hz, 1 H), 4.08 (m, 1 H), 3.94 (dd, J = 1.5, 3.3 Hz, 1 H), 3.83 (dd, J = 3.0, 12.0 Hz, 1 H), 3.73 (dd, J = 4.7, 12.0 Hz, 1 H), 3.69 (dd, J = 3.5, 9.5 Hz, 1 H), 3.58 (m, 1 H), 3.49 (m, 2 H), 3.38 (m, 4 H), 3.25 (m, 1 H), 2.41 (ddd, J = 1.9, 4.7, 13.4 Hz, 1 H), 2.28 (m, 1 H), 2.00 (m, 2 H), 1.94-0.91 (m, 21 H), 1.27 (d, J = 6.2 Hz, 3 H), 1.02 (s, 3 H), 0.97 (d, J = 7.3 Hz, 3 H), 0.80 (d, J = 6.1 Hz, 3 H), 0.79 (s, 3 H); 13C NMR (126 MHz, 3:1 CDCl3/CD3OD): δ141.80, 123.05, 110.94, 101.93, 100.92, 82.35, 79.97, 79.09, 76.97, 74.19, 72.66, 71.93, 71.80, 69.69, 68.23, 63.38, 63.19, 57.86, 51.53, 42.99, 41.63, 41.09, 39.71, 38.60, 38.21, 33.40, 33.03, 32.78, 32.65, 31.54, 30.89, 30.01, 22.17, 20.47, 18.55, 18.28, 17.51, 15.62; HRMS (TOF ES+) m/z C39H62O12Naの計算値745.4139, 実測値745.4141.
[実施例4]
化合物B及び化合物Bの塩の合成
本発明の化合物Bを3つのステップで、出発材料2から調製した。
Figure 2020507591
N-FMOC-バリンエステル類似体11の調製
実施例3の出発材料2(750mg、1.05mmol)、N-FMOC-バリン(389mg、1.16mmol、1.1等量)及びN,N-ジメチルアミノピリジン(DMAP、30mg、0.23mmol、0.2等量)を無水THF(80〜85mL)に溶解し、混合物を氷/水浴に0℃に冷却した(Ar雰囲気下で維持した)。1-エチル-3-(3-ジメチルアミノ-プロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDCI.HCl;218mg、1.16mmol、1.1等量)を添加し、混合物を氷に2時間攪拌し、その後、室温で一晩攪拌した(約16時間)。
反応を、酢酸エチル(200〜300mL)及び飽和食塩水(100mL)で希釈することで停止した。分離した飽和食塩水層を追加分量の酢酸エチル(200〜400mL)で抽出し、その後、合わせた有機層を乾燥し(硫酸ナトリウム)、ろ過し、濃縮して、オフホワイトの脆性発泡体として未精製の2及び副産物を得た(750mgの反応物については約1.4g及び1.8gの反応物については3.25g)。最初に、それぞれの最適化した反応ロットをBiotageクロマトグラフィーシステム(100gのSNAP KP-Silカートリッジ)によって、溶離剤としてDCM/メタノールを含む勾配システム(最初のメタノール含有量=3%;最後のメタノール含有量=30%)で別々にさらに精製した。所望のmono-FMOC-バリン付加物(TLCクロスチェック)を含む画分だけを合わせて、濃縮した。750mgのスケールで、単離することができる量2は、470〜542mg(43〜50%)の範囲であった。
バリンエステル「遊離塩基」12(化合物B)を得るための(11)の脱保護
熱媒介性脱保護反応の通常の手順は以下である。中間体11を乾燥DMSO(0.1mmolの基材につき1mL、オープンフラスコ)に溶解し、試料を攪拌しながら、120℃で加熱した(内部のプローブは98〜110℃の範囲のフラスコ反応温度を明らかにした)。小分量の反応混合物を0.5、1、2及び3時間で取り、TLC(5:1のDCM/MeOH)により進行をモニターするために、酢酸エチルで希釈した。中間体11の全ては3時間10分で消費された。反応混合物を室温に冷却し、水を(攪拌しながら)添加し、白色の粘着性の沈殿物を得て、ピペットでそれを注意深く除去することによって、液体材料から分離した。
前述の粘着性の物質を酢酸エチル及びヘキサンで処理して、焼結ガラス製品上に単離された吸湿性の固体を得た(母液で得られたNMR及びTLCは、この材料がほとんど、FMOC部分の切断から生じたジベンゾフルベン断片を含むことを示した)。吸湿性の固体をメタノールに溶解し、濃縮し、イソプロパノールに再溶解した。イソプロパノール溶液にヘキサンを添加して、沈殿物を得た。生成量は、溶液を数時間(冷蔵庫に)冷却することによって、さらに最適化した。沈殿した材料を焼結ガラス製品上に回収して、吸湿性の固体を得た。固体をメタノールに溶解することによって材料の空気安定形態を調製し、次に、減圧下で濃縮し、ガラス状の白色泡状物を得た。この材料は充分な純度があり(NMR、TLC)、次のステップに使用した。
化合物B塩の調製
典型的な手順は以下である。中間体3(270〜320mg)をメタノールに溶解し、ろ過又はデカントして痕跡量の溶解していない材料を除去した。溶液を氷水浴に攪拌しながら冷却し、別々に調製したマレイン酸のメタノール溶液(3については0.5mol等量、通常は2mL中22mg)で処理した。合わせた均一な溶液をジエチルエーテル(20mL)で処理し、沈殿物は見られなかった。混合物を濃縮し、メタノール(又はメタノール/アセトン、約2mL)に再溶解し、次に濁るまでジエチルエーテルで処理した。混合物を冷蔵庫に置き、結晶化を生じさせた。結晶性材料を焼結ガラス製品上に回収した。
[実施例5]
化合物C及び化合物Cの塩の合成
化合物Cを以下に示すスキームに従って出発材料1から調製する。この合成では、出発材料1の1級の位置C-6'は、かさ高いシリル基を使用して保護され、残りのヒドロキシ基をベンゾイル化した。1級シリルの選択的切断によって、遊離アルコールが生成され、続いてリン酸化した。P-塩化物の加水分解を行い、次にナトリウムメトキシドを使用して全体的な脱保護を行い、ジナトリウム塩として化合物Cを得た。
Figure 2020507591
ステップ1:13を生成するための出発材料1のシリル化
tert-ブチルジメチルシリル塩化物(1.37g、9.00mmol)をDCM(90mL)中の出発材料1(8.9g、7.8mmol)及びイミダゾール(2.69g、39.5mmol)に0℃で添加し、30分間攪拌し、その後、室温で一晩置いた。反応混合物をDCM(90mL)で希釈し、7%の炭酸水素ナトリウム(200mL)で洗浄し、DCM(100mL)で逆抽出した。合わせた有機相を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、溶媒を減圧下で蒸発して、オフホワイト色の固体として化合物1(10g、定量)を得て、さらに精製することなく以下のステップに使用した。1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 8.05 - 8.02 (m, 2H), 7.90 (dd, J = 8.4, 1.3 Hz, 2H), 7.79 - 7.75 (m, 2H), 7.75 - 7.71 (m, 2H), 7.54 (ddt, J = 8.7, 7.7, 1.3 Hz, 1H), 7.51 - 7.47 (m, 1H), 7.42 - 7.24 (m, 8H), 7.23 - 7.19 (m, 2H), 5.74 (dd, J = 10.1, 3.5 Hz, 1H), 5.57 (t, J = 10.0 Hz, 1H), 5.50 - 5.44 (m, 2H), 5.43 (dd, J = 3.5, 1.7 Hz, 1H), 5.23 (d, J = 1.7 Hz, 1H), 4.76 - 4.71 (m, 2H), 4.43 (td, J = 7.7, 6.3 Hz, 1H), 3.96 - 3.89 (m, 3H), 3.79 - 3.66 (m, 2H), 3.54 (dt, J = 10.0, 5.3 Hz, 1H), 3.48 (dd, J = 9.3, 4.4 Hz, 1H), 3.39 (t, J = 10.9 Hz, 1H), 3.31 (d, J = 3.2 Hz, 1H), 2.59 (ddd, J = 13.2, 4.8, 2.3 Hz, 1H), 2.42 (t, J = 12.5 Hz, 1H), 2.02 (dt, J = 12.4, 6.1 Hz, 2H), 1.91 - 1.81 (m, 2H), 1.81 - 1.69 (m, 2H), 1.70 - 1.38 (
m, 10H), 1.37 - 1.25 (m, 4H), 1.24 - 1.05 (m, 3H), 1.02 - 0.85 (m, 16H), 0.81 - 0.77 (m, 7H), 0.12 - 0.08 (m, 6H) ppm; 13C NMR (126 MHz, CDCl3) δ166.94, 165.69, 165.23, 164.59, 140.18, 133.12, 132.92, 129.99, 129.78, 129.75, 129.65, 129.38, 129.29, 128.33, 128.27, 128.22, 128.15, 122.10, 109.28, 99.79, 97.78, 80.82, 79.34, 75.22, 74.99, 71.99, 71.95, 70.48, 69.63, 66.88, 66.79, 64.45, 62.19, 56.49, 50.10, 41.66, 40.31, 39.76, 38.82, 37.23, 36.89, 32.18, 31.94, 31.55, 31.46, 30.34, 29.92, 28.86, 25.89, 25.66, 20.84, 19.28, 18.33, 17.39, 17.15, 16.28, 14.54, 5.40 ppm; HRMS (ESI-陽イオン): C73H92O16SiNa [M + Na]+ m/zの計算値1275.6052, 実測値m/z 1275.6062.
13のベンゾイル化
塩化ベンゾイル(1.9mL、16mmol)をDCM(60mL)及びピリジン(20mL、247mmol)中の未精製の13(9.8g、7.8mmol)に0℃で添加し、30分間攪拌し、その後、室温に一晩置いた。反応混合物を飽和塩化アンモニウムで反応停止し、DCM(80mL)で希釈し、塩化アンモニウム(100mL)で洗浄し、DCM(50mL)で逆抽出した。合わせた有機層を7%の炭酸水素ナトリウム(200mL)で洗浄し、DCM(50mL)で逆抽出した。これらの合わせた有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、溶媒を蒸発させた。結果として得られる残留物をDCMに再溶解し、再び蒸発させて、オフホワイト色の固体として化合物2(10.5g、定量)を得て、さらに精製することなく以下のステップに使用した。1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ8.62 (dt, J = 4.3, 1.8 Hz, 2H), 8.19 - 8.14 (m, 1H), 7.95 - 7.86 (m, 6H), 7.79 - 7.74 (m, 4H), 7.70 - 7.64 (m, 2H), 7.59 - 7.47 (m, 5H), 7.41 - 7.14 (m, 6H), 5.83 (t, J = 9.5 Hz, 1H), 5.78 (dd, J = 10.1, 3.6 Hz, 1H), 5.57 (t, J = 10.0 Hz, 1H), 5.48 (dt, J = 5.0, 1.8 Hz, 1H), 5.44 (dd, J = 3.6, 1.7 Hz, 1H), 5.32 (t, J = 9.5 Hz, 1H), 5.13 (d, J = 1.7 Hz, 1H), 4.84 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 4.77 (dq, J = 9.9, 6.2 Hz, 1H), 4.44 (ddd, J = 8.7, 7.5, 6.4 Hz, 1H), 4.04 (dd, J = 9.4, 7.7 Hz, 1H), 3.83 - 3.71 (m, 3H), 3.48 (ddd, J = 10.9, 4.4, 2.0 Hz, 1H), 3.39 (t, J = 10.9 Hz, 1H), 2.62 (ddd, J = 13.2, 4.8, 2.2 Hz, 1H), 2.50 - 2.40 (m, 1H), 2.12 - 1.98 (m, 3H), 1.92 - 1.83 (m, 2H), 1.83 - 1.56 (m, 9H), 1.56 - 1.40 (m, 2H), 1.34 (d, J = 6.2 Hz, 3H), 1.26 - 1.06 (m, 3H), 1.06 - 0.89 (m, 8H), 0.86 (s, 9H), 0.82 - 0.77 (m, 7H), 0.02 (d, J = 1.2 Hz, 6H) ppm; 13C NMR (126 MHz, CDCl3) δ165.67, 165.51, 165.43, 165.26, 164.60, 149.88, 140.14, 135.89, 134.51, 133.21, 133.17, 133.09, 132.92, 132.84, 130.57, 129.86, 129.83, 129.79, 129.74, 129.71, 129.66, 129.40, 129.30, 129.19, 129.14, 128.96, 128.88, 128.40, 128.36, 128.33, 128.26, 128.16, 128.06, 123.70, 122.12, 109.27, 99.83, 97.64, 80.82, 79.35, 75.65, 75.61, 75.23, 71.96, 70.47, 69.93, 69.65, 66.87, 66.76, 63.04, 62.20, 56.48, 50.11, 41.66, 40.31, 39.75, 38.82, 37.24, 36.90, 32.18, 31.94, 31.57, 31.46, 30.33, 29.91, 28.86, 25.83, 20.84, 19.27, 18.30, 17.37, 17.15, 16.29, 14.54, 5.35, 5.39 ppm; HRMS (ESI-陽イオン): C80H96O17SiNa [M + Na]+ m/zの計算値1379.6315, 実測値m/z 1379.6313.
14の脱シリル反応
塩化アセチル(5.3mL、74mmol)をDCM(100mL)及びメタノール(50mL)中の未精製の14(10.0g、7.4mmol)に0℃で添加し、0℃で90分間攪拌した。反応混合物を7%の炭酸水素ナトリウム(150mL)で反応停止した。水層をDCM(100mL)で逆抽出し、有機相を合わせ、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、溶媒を蒸発させた。粗残留物をDCMに取り入れ、カラムクロマトグラフィー(シリカ、酢酸エチル/ヘプタン、1:6〜2:5)で精製して、白色泡状物として化合物3(8.3g、90%)を得た。1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ7.97 - 7.88 (m, 6H), 7.78 - 7.72 (m, 4H), 7.55 - 7.46 (m, 3H), 7.41 - 7.35 (m, 5H), 7.35 - 7.16 (m, 6H), 5.92 (t, J = 9.6 Hz, 1H), 5.77 (dd, J = 10.1, 3.5 Hz, 1H), 5.57 (t, J = 10.1 Hz, 1H), 5.46 (ddd, J = 17.0, 3.5, 1.8 Hz, 2H), 5.35 (t, J = 9.6 Hz, 1H), 5.16 (d, J = 1.7 Hz, 1H), 4.89 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 4.76 (dq, J = 9.9, 6.3 Hz, 1H), 4.43 (ddd, J = 8.6, 7.6, 6.4 Hz, 1H), 4.08 (dd, J = 9.5, 7.7 Hz, 1H), 3.86 - 3.67 (m, 4H), 3.48 (ddd, J = 10.8, 4.5, 1.9 Hz, 1H), 3.39 (t, J = 11.0 Hz, 1H), 2.62 (ddd, J = 13.2, 4.9, 2.3 Hz, 1H), 2.53 (dd, J = 8.9, 5.1 Hz, 1H), 2.50 - 2.42 (m, 1H), 2.10 - 1.98 (m, 2H), 1.92 - 1.84 (m, 2H), 1.82 - 1.38 (m, 10H), 1.37 - 1.08 (m, 9H), 1.04 - 0.93 (m, 7H), 0.91 - 0.86 (m, 2H), 0.80 (d, J = 6.5 Hz, 6H) ppm; 13C NMR (126 MHz, CDCl3) δ166.37, 165.68, 165.45, 165.29, 164.61, 140.06, 133.64, 133.21, 133.14, 132.98, 130.01, 129.85, 129.79, 129.72, 129.67, 129.37, 129.25, 129.02, 128.61, 128.51, 128.34, 128.27, 128.18, 128.14, 122.29, 109.28, 99.92, 97.69, 80.82, 79.48, 75.30, 75.08, 74.43, 71.88, 70.44, 69.68, 69.61, 66.87, 62.18, 61.45, 56.48, 50.07, 41.66, 40.31, 39.73, 38.79, 37.18, 36.91, 32.18, 31.94, 31.89, 31.54, 31.46, 30.33, 29.95, 29.02, 28.85, 22.69, 20.84, 19.29, 17.37, 17.15, 16.28, 14.54, 14.11 ppm; HRMS (ESI-陽イオン): C74H82O17Na [M + Na]+ m/zの計算値1265.5450, 実測値m/z 1265.5442.
15のリン酸化
オキシ塩化リン(1.2g、7.8mmol)を、乾燥DCM(80mL)、水浴中の15(8.0g、6.4mmol)及びNメチルモルホリン(1.2g、12mmol)に滴下し、室温で一晩攪拌した。混合物をヘプタン(240mL)で希釈した。0℃で10分間攪拌した後、黄色の沈殿物をコットンウールでろ過し、3:1のヘプタン/DCMで洗浄した。有機溶液を氷冷の0.1MのHCl(200mL)で抽出し、その後、氷冷の水(それぞれ200mL)で2回抽出した。有機相を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、溶媒を減圧下で蒸発して、オフホワイト色の固体として化合物4(8.3g、94%)を得て、さらに精製することなく以下のステップに使用した。1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ7.94 - 7.86 (m, 6H), 7.78 - 7.73 (m, 4H), 7.56 - 7.46 (m, 3H), 7.41 - 7.35 (m, 5H), 7.35 - 7.16 (m, 7H), 5.88 (t, J = 9.5 Hz, 1H), 5.76 (dd, J = 10.1, 3.5 Hz, 1H), 5.58 (t, J = 10.0 Hz, 1H), 5.46 (ddd, J = 21.9, 3.7, 1.8 Hz, 2H), 5.33 (t, J = 9.8 Hz, 1H), 5.16 (d, J = 1.7 Hz, 1H), 4.90 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 4.74 (dq, J = 9.9, 6.2 Hz, 1H), 4.55 - 4.38 (m, 3H), 4.13 - 4.03 (m, 2H), 3.76 (tt, J = 11.3, 4.7 Hz, 1H), 3.48 (ddd, J = 10.9, 4.4, 2.0 Hz, 1H), 3.39 (t, J = 10.9 Hz, 1H), 2.61 (ddd, J = 13.2, 4.8, 2.3 Hz, 1H), 2.51 - 2.40 (m, 1H), 2.04 (dddd, J = 24.7, 13.1, 6.1, 4.0 Hz, 3H), 1.94 - 1.82 (m, 2H), 1.82 - 1.57 (m, 6H), 1.57 - 1.38 (m, 3H), 1.38 - 1.09 (m, 9H), 1.05 - 0.92 (m, 6H), 0.88 (t, J = 7.0 Hz, 2H), 0.80 (d, J = 5.9 Hz, 6H) ppm; 13C NMR (126 MHz, CDCl3) δ165.65, 165.58, 165.36, 165.29, 164.63, 139.97, 133.73, 133.23, 133.17, 133.09, 132.99, 129.95, 129.87, 129.78, 129.71, 129.66, 129.34, 129.23, 129.20, 128.82, 128.55, 128.38, 128.35, 128.29, 128.19, 128.16, 122.34, 109.27, 100.19, 97.71, 80.82, 80.14, 75.15, 74.81, 72.22, 72.14, 71.81, 70.38, 69.81, 69.74, 69.57, 69.32, 66.93, 66.87, 62.17, 56.46, 50.00, 41.66, 40.31, 39.71, 38.88, 37.14, 36.87, 32.17, 31.94, 31.89, 31.55, 31.46, 30.33, 29.93, 29.01, 28.86, 22.69, 20.83, 19.27, 17.37, 17.15, 16.28, 14.54, 14.10 ppm; 31P-NMR (202 MHz, CDCl3) δ7.8 ppm; HRMS (ESI-陽イオン): C74H81O18Cl2PNa [M + Na]+ m/zの計算値1381.4435, 実測値m/z 1381.4441.
16の加溶媒分解
炭酸水素ナトリウム(75mL、7%の溶液)をDCM(75mL)中の16(8.0g、5.9mmol)に添加し、二相の混合物を3晩かけて30℃で強く攪拌した(MSで反応をモニターした)。DCM層を単離し、水層をDCM(75mL)で逆抽出し、有機相を合わせ、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、溶媒を蒸発させて、16の有機リン酸塩を得た(定量的)。HRMS(ESI 陰イオン): C74H82O20P [M - H]-m/zについての計算値1321.5137、実測値m/z 1321.5134。
この材料の半分(4.1g、3.1mmol)をTHF(170mL)に溶解した。この溶液に、メタノール中のナトリウムメトキシド(1.2mL、5.4M、6.5mmol)を添加し、得られた懸濁液を室温で一晩攪拌した。反応を水(50mL)で停止すると透明な溶液を形成し、THFを減圧下で注意深く除去した。白色の懸濁液を水で250mLに希釈し、3gで2分間遠心分離を行った。上清をデカントし、カラムクロマトグラフィー(C18シリカ、アセトニトリル/水、1:3)で精製し、HPLCによって誘導し、凍結乾燥後に白色固体としてORIL019(1.1g、43%)を得た。1H NMR (500 MHz, MeOH-d4, pH 7, 13 mg/mL) δ5.38 (dt, J = 4.2, 2.0 Hz, 1H), 5.23 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 4.46 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 4.44 - 4.36 (m, 1H), 4.21 - 4.08 (m, 2H), 3.99 - 3.89 (m, 2H), 3.70 - 3.59 (m, 2H), 3.59 - 3.47 (m, 2H), 3.47 - 3.36 (m, 3H), 3.31 (p, J = 1.6 Hz, 8H), 3.24 (dt, J = 9.5, 2.8 Hz, 1H), 2.43 (ddd, J = 13.3, 4.8, 2.2 Hz, 1H), 2.34 - 2.24 (m, 1H), 1.99 (dddd, J = 17.0, 13.2, 6.1, 4.3 Hz, 2H), 1.94 - 1.82 (m, 3H), 1.79 - 1.72 (m, 2H), 1.72 - 1.37 (m, 8H), 1.34 - 1.11 (m, 6H), 1.04 (s, 4H), 0.96 (d, J = 6.9 Hz, 4H), 0.86 - 0.73 (m, 6H) ppm; 13C NMR (126 MHz; MeOH-d4, pH 7, 13 mg/mL) δ141.97, 122.64, 110.61, 102.17, 100.95, 82.26, 79.41, 78.59, 77.38, 74.05, 72.43, 72.28, 70.91, 69.74, 67.90, 64.3
4, 63.81, 57.85, 51.76, 42.97, 41.47, 40.98, 39.61, 38.63, 38.09, 33.23, 32.87, 32.80, 32.49, 31.49, 30.78, 29.95, 22.04, 19.89, 18.04, 17.52, 16.81, 14.91 ppm; 31P-NMR (202 MHz, MeOH-d4, pH 7, 13 mg/mL) δ6.0 ppm; HRMS (ESI-陽イオン): C39H63O15PNa [M + 2H -Na]+ m/zの計算値825.3802, 実測値m/z 825.3806; HRMS (ESI-陰イオン): C39H62O15P [M + H - 2Na]- m/zの計算値801.3826, 実測値m/z 801.3820.
[実施例6]
生物学的試験-溶血分析
溶血は、赤血球膜が不可逆的に損傷を受け、ヘモグロビン含有物を放出してしまう臨床状態である。in vitroの溶血分析は、単離され、洗浄した赤血球細胞において、試験物質の溶血能力を測定するための単純な試験である。
この例では、化合物A、化合物Cジナトリウム塩及び化合物B1/2マレイン酸塩として同定された3つの化合物並びにキラヤの樹皮からのサポニン(S4521)の溶血能力の試験を、洗浄したヒト赤血球を使用して実施した。化合物は、最大濃度の100pg/mL及び最小濃度の0.781pg/mLを有する用量曲線で試験を実施した。濃度範囲は100〜0.781μg/mLであった。
1.血液の調製
端的には、全血(40mL)を1名のヒトボランティアから回収し、複数のEDTバキュテナーチューブに入れた。赤血球細胞(RBC)を洗浄し、等張の0.9%の塩化ナトリウム中で3000rpmで5分間3回遠心分離を行うことによって、血漿成分から単離した。最後の洗浄の後、0.1mLの容量の赤血球細胞をそれぞれの処理チューブに添加した。
2.試験溶液の調製
試験化合物である化合物A、化合物Cジナトリウム塩及び化合物B1/2マレイン酸塩並びに参照物品(サポニンS4521)を、初めに、適切な希釈剤(化合物についてはDMSO、サポニンS4521については0.9%のNaCl)において、10mg/mLの濃度で、100倍のストック溶液として配合した。これらのストック溶液を0.9%のNaClで1:100にさらに希釈して、1%のDMSO/NaCl中で最高濃度の100pg/mLを調製した。最高濃度の溶液を1%のDMSO/NaClに1:2でさらに連続希釈して、より低い濃度の50、25、12.5、6.25、3.125、1.562及び0.781pg/mlの活性成分を得た。
3.対照物品の製剤
陽性対照物品(511/1 NaClの高張液)を、10mLのMilliQ水中に2.92gのNaClを秤量することによって配合した。陰性対照物品(0.154MのNaClの等張溶液)は、0.09gのNaClを10mLのMilliQ水に溶解することによって、使用する日に配合した。試験物品を希釈するために使用されたビヒクルである1%のDMSO/NaClは、分析の試薬ブランクとして使用した。
4.方法
細胞及び処理物を含有するチューブを、オービタルミキサーで37℃で3時間、穏やかに攪拌してインキュベートした。インキュベーションの終了時に、チューブを3000rpmの遠心分離に5分間かけ、各チューブの上清の200ptL分量を535nmの吸光度を測定するために、96ウェルマイクロプレートに移した。96ウェルマイクロプレートのレイアウトを付録1に示す。血液がない1%のDMSO/NaClビヒクルは、分析の試薬ブランクとして使用した。
5.データの回収及び分析
陰性(0.154MのNaCl)、陽性(5MのNaCl)及びブランク3反復のウェルの平均値を測定した。この平均値を使用して、以下の式に従って、各試料の%溶血を計算した。
Figure 2020507591
50%の溶血量(HD50)は、Mac OS XのGraphPad Prism(Version 5.Oc、GraphPad Software、California、USA)でフィッティングしたlog(アゴニスト)対正規化された反応可変スロープ曲線を使用して、非直線回帰解析を実施して計算した。
6.結果
陽性対照(5MのNaCl)処理及び陰性対照(0.154MのNaCl)処理は、それぞれ、3.442(プレート1)及び3.472(プレート2)及び0.100(プレート1)又は0.126(プレート2)の平均0D535値であり、100%及び0%の溶血値として同定された。
各試験化合物による処理は、溶血の用量依存的増加であった。キラヤの樹皮(S4521)のサポニンは、最も高い溶血活性を示し、7.35μg/mlの50%の溶血用量(HD50)であった。試験化合物のうち、Aが最も高い溶血活性を示し、31.57μg/mlのHD50であった。Cジナトリウム塩及びB半マレイン酸塩は、この分析ではより低い溶血活性を示し、それぞれ145.70μg/mlのHD50、73.55μg/mlのHD50であった。
溶血の要約
Figure 2020507591
全試料の%溶血の完全な結果は以下であった。
Figure 2020507591
[実施例7]
生物学的試験-細胞増殖の阻害分析
CellTiter-Blue(登録商標)細胞生存能分析を使用して2反復の実験を行い、それぞれの細胞株に対して、化合物A、化合物B、及び化合物CのIC50値を測定した。実施例6に記載の試験物品の調製についての一般的な方法を使用した。試験化合物である化合物A、化合物Cジナトリウム塩及び化合物B1/2マレイン酸塩を、初めに、適切な希釈剤(化合物についてはDMSO)において、10mg/mLの濃度で、100倍のストック溶液として配合した。これらのストック溶液を細胞培地にさらに希釈して、より低い濃度の100、50、25、12.5、6.25及び3.125、1.563、0.781、0.390及び0.195μMの活性成分を得た。特定のがん細胞は、A549、HCT 116、MCF-7及びMIA PaCa-2であった。
細胞株
ヒトがん細胞種は、HTC-116(結腸);A549(肺);HT29(結腸);MCF-7;Mia PaCa-2(膵臓)であった。
(i)細胞培養及び細胞増殖分析
50μlの細胞培地のマイクロタイターのウェルにつき3〜4,000個の細胞を2反復で播種した。24時間後、必要とされる濃度の2倍で、培地に調製した50μlの試験物品又はビヒクル対照を各ウェルに添加した。がん細胞を薬剤の存在下で48時間、増殖させた後、未処理の対照ウェルに対する細胞増殖を、CellTiter-Blue(登録商標)細胞生存能分析で測定した。
IC50値の計算
非線形回帰(log(阻害剤)対反応--可変スロープ(4つのパラメータ))を使用して、Mac OS XのPrism 6を使用してIC50値を計算した。
IC50値で示した細胞阻害増殖の結果は以下である。
Figure 2020507591
[実施例8]
生物学的試験-免疫反応活性
4匹のC57雌マウスの群に、(i)100μgの卵白アルブミンタンパク質(OVA)、(ii)20μgのサポニンと組み合わせた100μgの卵白アルブミンタンパク質(OVA)、又は(iii)20μgの化合物Cジナトリウム塩と組み合わせた100μgの卵白アルブミンタンパク質(OVA)のリン酸緩衝食塩水(PBS)溶液から選択される投与計画(regime)を両側の側腹部に注射した(それぞれの場合の最終容量は200μl)。免疫化後5日で、両耳の厚みをノギスで測定し、右耳にリン酸緩衝食塩水(PBS、20μl)中の15μgのOVAを負荷(注射)し、左耳に陰性対照としてPBS単独を負荷(注射)した。接触高感受性による腫れのエビデンスのために、負荷後1日目及び2日目に、右耳及び左耳の厚みを評価した。
図1を参照することにより分かるように、化合物Cジナトリウム塩は、統計的な有意差を有しなかったリン酸緩衝食塩水とは対照的に、公知の免疫反応改変因子(サポニン)と同様に、免疫反応を誘導する能力を有した。
最後に、本明細書に記載の本発明の方法及び組成物の様々な修正例及び変化例は、本発明の範囲及び趣旨から逸脱しないことが、当業者に明らかであることが理解されよう。特定の好ましい実施形態に結びつけて本発明は記述されているが、請求する発明は、このような特定の実施形態に過度に限定されるべきでないことが理解されるはずである。実際に、当業者に明らかな本発明を実施するための記載の様式の様々な修正例は、本発明の範囲にあることが意図される。

Claims (21)

  1. 式(I)の化合物
    Figure 2020507591
    (式中、
    Rは、(1)少なくとも1つの水素イオンドナー、(2)少なくとも1つの水素イオンアクセプター又は(3)その組み合わせのいずれかを含む部分であり、
    R1は、式E、F又はGの基であり、
    式Eは、
    Figure 2020507591
    であり、
    R11、R12、R14、R16、R17、R21、R22、R24、R25及びR27は、独立して、H、OH、=O、薬理学的に許容されるエステル基又は薬理学的に許容されるエーテル基であり、
    R15は、C-5、C-6が単結合の場合、Hであり、C-5、C-6が二重結合の場合、存在せず、
    Aは、Oであり、それと同時にBは、CH2であるか、又はBはOであり、それと同時にAは、CH2であるかのいずれかであり、
    R37Aは、Hであり、それと同時にR37Bは、CH3であるか、又はR37Aは、CH3であり、それと同時にR37Bは、Hであり、
    又はその薬学的に許容される塩であり、
    式Fは、
    Figure 2020507591
    であり、
    R11、R12、R14、R16、R17、R21、R22、R24、R25及びR27は、独立して、H、OH、=O、薬理学的に許容されるエステル基又は薬理学的に許容されるエーテル基であり、
    R15は、C-5、C-6が単結合の場合、Hであり、C-5、C-6が二重結合の場合、存在せず、
    R32は、C-20、C-22が単結合の場合、ヒドロキシル又はアルコキシル基のいずれかであり、C-20、C-22が二重結合の場合、存在せず、
    R37Aは、Hであり、それと同時にR37Bは、CH3であるか、又はR37Aは、CH3であり、それと同時にR37Bは、Hであり、
    R38は、H又は糖類;若しくはその薬学的に許容される塩であり、
    又はその薬学的に許容される塩であり、
    式Gは、
    Figure 2020507591
    であり、
    R11、R12、R14、R16、R17、R21、R22、R24、R25及びR27は、それぞれ独立して、H、OH、=O、薬理学的に許容されるエステル基又は薬理学的に許容されるエーテル基であり、
    R15は、C-5、C-6が単結合の場合、Hであり、C-5、C-6が二重結合の場合、存在せず、
    R32及びR39は、それぞれ独立して、H、OH、=O、薬理学的に許容されるエステル基又は薬理学的に許容されるエーテル基であり、
    R37Aは、Hであり、それと同時にR37Bは、CH3であるか、又はR37Aは、CH3であり、それと同時にR37Bは、Hであり、
    R38は、H又は糖類;若しくはその薬学的に許容される塩である)
    又はその薬学的に許容される塩。
  2. 式:
    Figure 2020507591
    を有し、Rは請求項1に記載の通りである、請求項1に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  3. Rが、(1)少なくとも1つの水素イオンドナーを含有する部分である、請求項1又は2に記載の化合物。
  4. 前記少なくとも1つの水素イオンドナーが、-CO2H、-SO3H及び-PO3H2からなる群から選択される、請求項3に記載の化合物。
  5. Rが、-PO3H2である、請求項3に記載の化合物。
  6. Rが、少なくとも1つの水素イオンアクセプターを含有する部分である、請求項1に記載の化合物。
  7. 前記水素イオンアクセプターが、-NH2である、請求項6に記載の化合物。
  8. Rが、(CH3)2CHCH(NH2)C(=O)-である、請求項6に記載の化合物。
  9. Figure 2020507591
    Figure 2020507591
    からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  10. 式:
    Figure 2020507591
    を有する、請求項1に記載の化合物。
  11. 式:
    Figure 2020507591
    を有し、XはHO2CCHCHCO2 -である、請求項1に記載の化合物。
  12. 請求項1から11のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩、及び薬学的に許容される希釈剤、賦形剤又は担体を含む医薬組成物。
  13. 請求項1から11のいずれか一項に記載の化合物の治療有効量を、治療を必要とする対象に投与することを含む、対象のがんを治療する方法。
  14. 前記がんが、癌腫、膀胱がん、骨がん、脳腫瘍、乳がん、子宮頸がん、結腸、直腸、肛門及び虫垂のがんを含む直腸がん、食道がん、ホジキン病、腎臓がん、喉頭がん、白血病、肝臓がん、肺がん、リンパ腫、メラノーマ、母斑及び異形成母斑、多発性骨髄腫、筋肉のがん、非ホジキンリンパ腫、口腔がん、卵巣がん、膵臓がん、前立腺がん、肉腫、皮膚がん、胃がん、精巣がん、奇形腫、甲状腺がん、並びに子宮がんからなる群から選択される、請求項13に記載の方法。
  15. 第2の抗がん剤を投与することをさらに含む、請求項13又は14に記載の方法。
  16. 前記第2の抗がん剤が、化学療法剤、BCNU(カルムスチン)、ビスルファン、CCNU(ロムスチン)、クロラムブシル、シスプラチン、メルファン、マイトマイシンC、及びチオテパを含むアルキル化剤;タキソール(パクリタキセル)、ドセタキセル、ビンブラスチン硫酸塩及びビンクリスチン硫酸塩を含む有糸分裂阻害薬;ドキソルビシン、ダウノルビシン、m-AMSA(アムサクリン)、ミトキサントロン及びVP-16(エトポシド)を含むトポイソメラーゼ阻害薬;5-フルオロウラシル及びメトトレキサートを含むRNA/DNA代謝拮抗薬;Ara-C(シタラビン)、ヒドロキシ尿素(ヒドロキシカルバミド)及びチオグアニンを含むDNA代謝拮抗薬;細胞プロセス標的剤;イマチニブメシル酸塩;トラスツズマブ;及びゲフィチニブ及び抗(プログラム細胞死1受容体)PD-1治療薬;プレムブロジラブ及びニボムラブの1つ以上から選択される、請求項15に記載の方法。
  17. 請求項1から11のいずれか一項に記載の化合物の有効量を、治療を必要とする対象に投与することを含む、対象の抗がん治療の作用を促進する方法。
  18. 前記抗がん治療が、化学療法剤、BCNU(カルムスチン)、ビスルファン、CCNU(ロムスチン)、クロラムブシル、シスプラチン、メルファン、マイトマイシンC、及びチオテパを含むアルキル化剤;タキソール(パクリタキセル)、ドセタキセル、ビンブラスチン硫酸塩及びビンクリスチン硫酸塩を含む有糸分裂阻害薬;ドキソルビシン、ダウノルビシン、m-AMSA(アムサクリン)、ミトキサントロン及びVP-16(エトポシド)を含むトポイソメラーゼ阻害薬;5-フルオロウラシル及びメトトレキサートを含むRNA/DNA代謝拮抗薬;Ara-C(シタラビン)、ヒドロキシ尿素(ヒドロキシカルバミド)及びチオグアニンを含むDNA代謝拮抗薬;細胞プロセス標的剤;イマチニブメシル酸塩;トラスツズマブ;及びゲフィチニブからなる群から選択される1つ以上の抗がん剤の投与を含む、請求項17に記載の方法。
  19. 請求項1から11のいずれか一項に記載の化合物の有効量を、治療を必要とする対象に投与することを含む、対象の免疫反応を促進する方法。
  20. 請求項1から11のいずれか一項に記載の化合物の有効量を、治療を必要とする対象に投与することを含む、薬剤に対する対象の免疫反応を促進する方法。
  21. 請求項1から11のいずれか一項に記載の化合物が、前記薬剤と同時投与される、請求項20に記載の方法。
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