JP2020507237A - 電磁波、特に赤外線の検出器、及びこの検出器の製造方法 - Google Patents

電磁波、特に赤外線の検出器、及びこの検出器の製造方法 Download PDF

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Abstract

電磁波、特に赤外線の検出器、及びその検出器の製造方法に関する。赤外線検出器は、基本イメージングボロメータ検出器のアレイであって、前記基本ボロメータ検出器の各々が、6Ω・cmから50Ω・cmの範囲の抵抗率を有する酸化バナジウムVOxから作られたフィルム(5)を含むボロメータ膜(1)から形成され、前記膜(1)が、前記基本検出器によって生成された信号を読み出し、前記基本検出器を順次アドレス指定するための信号を統合する基板(4)上に吊り下げられている、基本イメージングボロメータ検出器のアレイと、前記検出器の形成中及び形成後の残留ガスの捕捉を確実にすることを目的とした少なくとも1つのゲッターと、赤外線に対して透過的な窓を含む上部キャップを有する、前記アレイ及び前記少なくとも1つのゲッターを収容する密封キャビティであって、前記キャップが、前記基本検出器のアレイを支持するチップに、又は、その底部に前記基本検出器のアレイを支持するチップが取り付けられているパッケージに、シールを用いて封止され、前記キャビティが、真空下又は低圧下にある、密封キャビティと、を備える。

Description

本発明は、赤外線イメージングに関する。より具体的には、本発明は、ボロメータ検出器を統合した電磁放射、特に赤外線放射の検出器の製造に関する。
赤外線検出器の分野では、非常に低い温度で、典型的には液体窒素の温度での動作を必要とする「量子検出器」と呼ばれるイメージングデバイスとは逆に、アレイ状に配置され周囲温度で動作可能な、すなわち極低温での冷却を必要としないデバイスを使用することが知られている。
そのような非冷却型検出器は、通常、300K付近で、温度に応じて適切な材料の物理量の変動を使用する。ボロメータ検出器の場合、物理量は、電気抵抗率である。
このような非冷却型検出器は、一般的に以下のものを関連付ける:
−赤外線を吸収し、それを熱に変換するための手段、
−赤外線の作用下で検出器を加熱できるようにするために、検出器を断熱するための手段、
−ボロメータ検出器の文脈において、電極と「サーミスタ」と呼ばれる感応材料の要素とから形成された抵抗要素を使用する温度測定手段、及び、
−温度測定手段によって供給された電気信号を読み出すための手段。
赤外線吸収及び温度測定手段は、読み出し手段、特に読み出し集積回路ROICが配置されている基板の上方で断熱手段によって懸架されている膜に組み込まれている。断熱手段は、典型的には、現在「アーム」と呼ばれ、導電性ピラーに固定された狭い梁で形成されている。
検出器は、基本的に一次元又は二次元の基本検出器のアレイの形態で製造され、前記アレイは、いわゆるモノリシック形態で形成され、又は、基板上に転写され、後者は、一般にシリコン技術でCMOS(“相補型金属酸化物半導体”)に形成され、基本検出器を順次アドレス指定するための手段と、そこに形成された基本検出器から形成された電気信号を電気的に励起し且つ前処理するための手段とを有する。
このアセンブリは、周囲の気体の熱伝導率を全く無視できるようにするために、気密シールされたチャンバ、通常は非常に低い圧力下のパッケージ内に配置される。この種の検出器を介してシーンを取得するために、前記シーンは、基本検出器のアレイ上に適合光学系を通して投影され、クロック式電気刺激は、読み出し回路を介して基本検出器の各々又はそのような検出器の各行に印加され、基本検出器によって到達された温度の画像を形成する電気信号を生成することができる。
この信号は、読み出し回路によって、おそらくパッケージの外部の電子デバイスによって多少複雑に処理されて、観察されたシーンの熱画像を生成する。
従って、このタイプの検出器の重要な要素の1つは、典型的には薄いフィルムに画定された表面要素で形成される温度検出手段、並びに、各マイクロ検出器(又は画素)の構造にあり、温度変化をそれが伝導する電流に変換する。
従って、マイクロ検出器Rの電気抵抗は、以下の関係によってサーミスタ材料の抵抗率ρに従って表すことができる。
ここで、L、w及びeはそれぞれ、電流を流すサーミスタ材料の素子(一般に平行六面体)の長さ、幅及び厚さを示す。
定電圧Vpolの下でバイアスされた抵抗Rbの前記マイクロ検出器の応答R(V/K)は、以下の一般的な関係に従って、シーン温度変化δTSCに関連して出力信号変化δSを表す。
ここで、
Aは、基本感度点(検出器画素)の総面積であり、
εは、ボロメータの一般的な光吸収効率であり、
TCR(「Temperature Coefficient of Resistance」(温度抵抗係数)の頭字語)は、動作温度に近いボロメータの感応部分を形成する材料の抵抗率の変動係数を表し、
thは、膜と基板(すなわち保持アーム)との間の熱抵抗であり、
T1は、使用された光学系によって特徴づけられる立体角内でスペクトル(典型的には8から14μm、すなわち、遠赤外線帯域又はLWIR)にわたって積分された、温度T1でのシーンから生じる入射放射出力であり、
T2は、T1より高いシーン温度T2におけるPT1と等価であり、
intは、読み出し回路のアナログ増幅器(又は「トランスインピーダンス増幅器」の場合はCTIA)を特徴付けるキャパシタンスCintを介して、マイクロ検出器を流れる電流の積分時間である。
関係式(1)及び(2)は、各マイクロ検出器の応答が「サーミスタ」材料の固有の性質、すなわちその抵抗率ρ及びそのTCRに直接関係していることを示している。2つのパラメータが相互依存していることに注意して頂きたい。
従って、製造に関連する技術的制約と目標性能に適合したTCR−ρペアを選択する必要がある。技術的統合に沿ってこれらのパラメータをすべて維持することは、産業上の要求に適合する性能及び効率を得ることを決定することである。
使用されるサーミスタ材料の中で、アモルファスシリコン及びバナジウム酸化物(VO)は、主に区別することができる。後者は一般的に非常に無秩序な、あるいは非晶質の構造を持つことが知られている(例えば、Bryan D. GAUNTTの論文“The nano−composite nature of Vanadium oxide thin films for use in Infrared Microbolometers” − May 2011を参照)。定義により、そのような材料は、熱力学的平衡にはなく、含まれる熱応力の影響下で変化する可能性が高い。調整可能な抵抗率、高いTCR係数、及び低いノイズレベルのために、VO材料は、ボロメータ検出器の一般的な文脈において特に適切である。
従って、VOの抵抗率が30℃で測定して0.1Ω・cmを超える場合、2%以上のTCR値が典型的には利用可能である。この閾値より下に設定された抵抗率については、TCRの低い値は、もはや十分なレベルで検出器特性を保証することを可能にしない。
さらに、高い抵抗率は、それらの電気抵抗Rbの上昇を引き起こすことによってマイクロ検出器の応答Rに悪影響を及ぼす。マイクロ検出器の応答が低くなり過ぎる最大抵抗率の値を定義するために、式(2)の数値的適用を実行することができる。応答Rは、シーン上で観察された1度のコントラストに対して検出器によって送出された信号の偏差を反映する。良質の画像を生成するためには、応答Rは、通常5から15mV/度の範囲内である。
2mV/度の値が、コントラストの欠如によって画像が非常に劣化する最小値であり、利用できないことを考慮すると、式(2)は、最大抵抗値Rbを決定し、200ナノメートルの厚さを有する正方形サーミスタ(w=L)を考慮して、そこから式(1)を有する関連する抵抗率を推定することを可能にする。
厚いフィルムの堆積によって引き起こされる工業的問題とは別に、懸垂質量は、検出器の迅速性を制限する。200ナノメートルを超える厚さを有するサーミスタは、約15msより小さい熱時定数を得ることを可能にせず、これは、この分野における典型的な最大値である。
入射出力の値は、プランクの法則に従って計算できる。焦点面から距離d=Φに配置された直径Φのポートを通して、LWIR帯域において本質的に透明であり、他の波長に対して不透明である典型的な窓が設けられた検出器によってシーンが見られることを考えると、例えば、シーン温度がそれぞれ20℃及び35℃の場合、それぞれ次のようになる。
T1=20℃=38.66W/m
T2=35℃=48.56W/m
この例では、検出器画素は、17μm×17μmの表面積、1006K/Wの熱抵抗及び80%の吸収効率を有し、それは、200nmの厚さ及び2%のTCRを有し、Vpol=2Vでバイアスされた正方形のサーミスタを備えている。
アナログ増幅器は、様々な制約条件、すなわち、「ローリングシャッタ」モードでの50ヘルツでの撮像装置の動作と互換性のある50μsの値のTint、すなわち行の順次読み取りと、比較的高い静電容量Cint、すなわち、電流の積分から生じる分散及び電子ノイズを最小限に抑えるための6pFと、を満たす必要がある。
これらのパラメータを式(2)に代入すると、2.56Ωの抵抗Rbが2mV/度の応答をもたらすと結論付けることができる。
従って、対応する抵抗率は、50Ω・cmに近く、その値は、上限として考えることができる。
酸化バナジウムVOの薄いフィルムは、典型的にはPVD(Physical Vapor Deposition)技術によって基板上に堆積される。この技術によれば、バナジウム又はバナジウムを含む化合物のターゲットを真空中に置き、イオン化中性ガス、典型的にはアルゴン又はクリプトンの原子で衝撃を与える。
制御された方法で反応器に導入された酸素又は他の酸化性ガスの存在下でこのプロセスが起こると、イオン衝撃の作用下でターゲットから抽出されたバナジウム原子は、酸素と反応し、前記ターゲットと実質的に反対側に配置された基板上にVO層を形成する。
得られたVOフィルムの抵抗率がxの値に依存することが示されており(例えば、Bryan D. GAUNTTの論文“The nano−composite nature of Vanadium oxide thin films for use in Infrared Microbolometers” − May 2011によると)、後者は、一次では反応器内の酸素分圧に依存する。
ボロメータ検出器の悪用可能な応答を得るためには、ボロメータの敏感な構造体、特に懸垂膜とその環境との間に最大の断熱を提供することが必要である。この状態を保証するために、微細構造は、非常に低い圧力、典型的には10−3mbarに近い雰囲気中に置かれる。
実際には、典型的にはシリコン又はゲルマニウムで作られた赤外線透過性の窓は、その底部にチップ検出器が予め取り付けられている中空パッケージの上面に封止され、又は、「ウェハレベルパッケージング」タイプの集合的プロセスの場合には実際のチップに直接封止される。
どの方法が実施されようとも、2つの部分は、局所的に溶融され、検出器の動作と両立し且つ時間的に耐久性のある気密性を提供する金属シール(又は半田)によって互いに取り付けられる。
しかしながら、パッケージの内部要素の表面脱ガスにもかかわらず、初期の低圧レベルが検出器の寿命全体にわたってパッケージ内で維持されることを保証するために、封止中又は封止後に起こる脱ガス現象のために、残留ガス分子を吸収する「ゲッター」と呼ばれるガス捕捉デバイスを前記パッケージに一体化することが知られている。そのような「ゲッター」材料は、従来、活性化温度と呼ばれる温度閾値を超えると反応性が高くなる金属合金でできている。
このような真空封入の制約、特に封止操作及びゲッター活性化は、サーミスタ材料の性能及び特性の発展のために実際の検出器の性能を変えることができる熱処理の必要性をもたらす。
例えば、金属シールとして典型的な共晶Au/Sn合金(80/20)の選択は、280℃付近の場合には、低融点によるそのような熱応力を制限することを可能にする。従って、このタイプの合金では、300℃に近い温度でシールを行うことにより、信頼性の高いシールを得ることができ、より複雑なシステムにおけるその後の統合方法に耐えるのに十分な堅牢性を保証することができる。
当然の結果として、ゲッター活性化は、それを形成する材料に依存する。それは、一般的に比較的高い温度で起こる。しかしながら、特定の最適化された合金は、そのようなゲッター材料の活性化閾値を約300℃まで下げることを可能にし、その一方で、優れたガスポンピング又はゲッター容量を保証する(例:SAESの「Pagewafer」製品)。
シール形成工程及びゲッター活性化工程は、一般に、経済的な理由から、検出器チップを300℃以上の温度に晒す単一の熱サイクルの間に同時に処理される。国際公開第2016/09126号には、そのような方法が記載されている。一般に、この温度を少なくとも10分間、例えばゲッター活性化により必要とされる場合には最大90分間保持することが必要である。
この手順は、検出器の寿命全体にわたって真空レベルの優れた安定性を提供しながら、産業上の制約に適合する最小の熱収支の桁数を定義する。
しかしながら、この温度範囲での製造方法による、無秩序なVOサーミスタ材料の使用、すなわち熱力学的平衡の外側での使用は、それらの固有の電気的特性(ρ及びTCR)の変動を生じ、それは、検出器の感度及び検出器信号の品質を支配する。
実際に、アレイ検出器の画素は、各画素に対する信号を送出するように較正され、その抵抗値を直接反映する電子読み出しデバイスによって「読み出される」。電子読み出し回路は、アナログ増幅器の最小及び最大出力電圧値によって定義される、その電気的ダイナミックレンジによって決定される範囲内の抵抗値を読み出すことができる。
従って、そのようなダイナミックレンジを使用して赤外線の捕捉によって発生する抵抗変動を測定できるようにするには、検出器アレイの画素の初期分散を最小限に抑えることが必要である。これは、アレイ検出器の全表面にわたってサーミスタ材料の完全な均一性を必要とする。
VOフィルムを形成するために実施されるPVDタイプの堆積方法が非常に良好な空間的均一性をもたらすが、前述のような、すなわち典型的には300℃に近い温度範囲における、真空封止プロセスに掛けられるそのようなサーミスタ材料を統合するアレイ検出器の形成は、出力信号の均一性、従って当然の結果として、そのような検出器の性能に重大な、又はさらには不自然な形で影響を及ぼす可能性がある。
実際に、工業的最適化及び能力の目的のためには、熱シールサイクルは、好ましくは短く、高真空オーブン中で行われ、この条件は、熱均質化及びオーブンからその部分への熱伝達に悪影響を及ぼす。
熱応力はこのように不均一であり、従来技術では、すなわち30℃で測定して0.1から1Ω・cmの範囲内に設定された抵抗率で実施されたVOサーミスタ材料は、局所的に達した温度に敏感であるので、このプロセスは、必然的にアレイ検出器上のマイクロ検出器の抵抗値の分散の増大をもたらし、読み出し回路のダイナミックレンジにおける出力信号分布の広がりをもたらし、これは、少なくとも生産統計、前記出力信号の分散及び結果として生じる画像に関して、ほとんど不自然な形で変化する。言い換えれば、考慮される温度範囲(及び典型的には280から320℃)において不安定である材料への不均一な熱プロセスの適用から生じるサーミスタ材料の不均一な進展は、壊滅的な方法でアレイ検出器の均一性を悪化させる。
一例として、最終的に3%の分散を示すように、1%の初期分散を有する抵抗を有するアレイ検出器の全ての画素が真空封止中に不均一な態様で展開すると、読み出し回路のダイナミックレンジの中止に予め集中する画素集団は、読み出しダイナミックレンジのほぼ全体にわたって分布する(図3−下部)。
300℃より高いシール温度を実施する通常のパッケージングプロセスが、サーミスタ材料としてのバナジウム酸化物VOに関する問題を引き起こし、150から200℃の範囲におけるこのような材料のシール温度が推奨されることが示されている(例えば、非特許文献1又は非特許文献2を参照)。しかしながら、そのようなシール温度では、現在の技術では効率的なゲッターの使用が不可能であり、それが、パッケージ内の真空レベルの急速な低下をもたらすことが観察され得る。
言い換えれば、工業的規模でそのようなアレイ検出器を形成することは実際上困難であり、それは、熱収支の制約及び検出された画像の品質に関してこれらの検出器の特性の耐久性によるものである。言い換えれば、産業上の利益及びその予算上の制約に悪影響を及ぼすことなく分散を管理することを可能にする、問題の種類のアレイ検出器を形成するための簡単な手段は知られていない。
国際公開第2016/09126号
本発明は基本的に、現在の検出器パッケージングプロセスの適応化もいかなる電子分散補正システムも必要とせず、そのような検出器を形成するための工業プロセスに完全に適応する簡単な解決法でこの困難を克服することを目的とする。
本発明は、サーミスタ材料として、従来文献に記載されたものよりもはるかに大きい、典型的には30℃で測定して6から50Ω・cm、有利には、6から24Ω・cmの抵抗率を有する酸化バナジウムVOのフィルムを使用することを含む。
この目的のために、それは、PVDによって、例えば、バナジウムターゲットのイオンビームスパッタリング(IBS)によって、単結晶シリコンウェハで形成された酸化物層の成長中に入熱なしで、制御された酸素分圧下で、それぞれ30℃で測定して6Ω・cm及び50Ω・cmの抵抗率値に対応する約1.8から2.3の間でxを変えることによって、酸化バナジウムVOのフィルムを形成することを含む(抵抗率と組成xとの間の一致は、Bryan D. GAUNTTの以前に言及された論文において特に確立されている)。
そのような材料によって、出願人は、集積の温度の範囲、従って、パッケージの密閉(封止)及びゲッター活性化の温度の範囲、すなわち、典型的には280から320℃の範囲内で、従来技術で使用されていた材料とは反対に、使用されたサーミスタ材料の抵抗率の変動が、非常に含まれたままであり、そのような安定性が、読み出し回路レベルで得られる信号の満足できる均一性を与えることを示している。
従って、本発明は、
基本イメージングボロメータ検出器のアレイであって、基本ボロメータ検出器の各々が、6Ω・cmから50Ω・cm、有利には6Ω・cmから24Ω・cmの範囲の抵抗率を有する非晶質の酸化バナジウムVOから作られたフィルムを含むボロメータ膜から形成され、この膜が、基本検出器によって生成された信号を読み出し、基本検出器を順次アドレス指定するための信号を統合する基板上に吊り下げられている、基本イメージングボロメータ検出器のアレイと、
検出器の形成中及び形成後の残留ガスを捕捉することを目的とした少なくとも1つのゲッターと、
赤外線に対して透過的な窓を備える上部キャップを有する、アレイ及び少なくとも1つのゲッターを収容する密封キャビティであって、キャップが、基本検出器のアレイを支持するチップに、又は、その底部に基本検出器のアレイを支持するチップが取り付けられているパッケージに、シールを用いて封止され、キャビティが、真空下又は低圧下にある、密封キャビティと、
を備える赤外線検出器を目的とする。
本発明はまた、そのような赤外線検出器の形成方法に関する。この方法は、本質的に、基本検出器がその中に設置された後に、30℃で測定して6Ω・cmから50Ω・cm、有利には、6Ω・cmから24Ω・cmの範囲の抵抗率を有する酸化バナジウムVOのフィルムで作られたそのサーミスタ材料を有する、パッケージの上部キャップの封止、及び、280℃から320℃の範囲における温度でのゲッター活性化を同時に行うことを含む。
一実施形態によれば、ボロメータ膜を形成するために使用される酸化バナジウムVOで作られるフィルムは、30℃で測定して6Ω・cmから9Ω・cmの範囲の抵抗率を有し、基本検出器及び前記ゲッターがその中に設置された後、その上のキャビティの上部キャップの封止は、10分間から90分間の範囲の期間、280℃から320℃の範囲の温度で行われる。
別の実施形態によれば、ボロメータ膜を形成するために使用される酸化バナジウムVOで作られるフィルムは、30℃で測定して9Ω・cmから24Ω・cmの範囲の抵抗率を有し、基本検出器及びゲッターがその中に設置された後、その上のキャビティの上部キャップの封止は、10分間から90分間の範囲の期間、280℃から320℃の範囲の温度で行われる。
それによって、取得された熱画像の品質に関するそのような検出器の性能は、その検出器の寿命をさらに確実にしながら、その製造に固有の経済的制約と組み合わされる。
ボロメータ画素又は基本ボロメータ検出器の簡略図である。 IBS(「Ion Beam Sputtering」の頭文字)による酸化バナジウムフィルムの形成の原理を示す簡略図であり、これは、従来技術において好ましい技術である。 アレイ赤外線検出器の出力信号の分散を示す2つのヒストグラムであり、上部は、本発明による、検出器への統合中に発生しなかった材料の場合であり、下部は、従来技術による、熱処理によって劣化したVOx材料の場合である。 90分間のアニール時間で、アニール温度に従って、30℃で測定された異なる固有抵抗率について、酸化バナジウムVOのフィルムの抵抗率の変化を表すグラフである。 10分間のアニール時間で、アニール温度に従って、30℃で測定された異なる固有抵抗率について、酸化バナジウムVOのフィルムの抵抗率の変化を表すグラフである。
基本ボロメータ検出器が図1に示されている。このような検出器は、基本的に、基板(4)との電気的接続を保証する断熱材「アーム」(2)及び支柱(3)を介して吊り下げられた膜(1)から形成されている。
膜(1)は、その表面の大部分にサーミスタ材料(5)の薄膜を含み、赤外線に対して透過的な窓(及び典型的にはシリコン又はゲルマニウムからなる)の反対側に配向されている。
有利には、基本検出器の性能を最適化するために、金属反射フィルム(6)を懸垂膜の下にそれから適当な距離をおいて貼り付けて共振キャビティを形成し、それによって、赤外線の吸収を最適化する。
サーミスタ材料(5)は、典型的には20から200ナノメートルの範囲の厚さを有し、6Ω・cmから50Ω・cmの範囲の抵抗率を有する酸化バナジウムVOの薄膜から作られる。これらの抵抗率の値は、典型的には、RBS(「Rutherford Backscattering Spectroscopy(ラザフォード後方散乱分光法)」の頭字語)技術によって測定されるように、1.8から2.3の範囲のxの値に対応する。
酸化バナジウムVOの薄膜は、3×10−5Torrから1×10−4Torrの範囲の分圧を有する酸素の存在下で反応器において周囲温度で基板上にIBS(「Ion Beam Sputtering(イオンビームスパッタリング)」の頭字語)堆積によって形成される。
このような反応器を図2に示す。ポンプシステム(11)を備えたこの反応器(10)は、純粋又はほぼ純粋なバナジウムのターゲット(13)を受ける支持体(12)を備える。ターゲットは、それ自体知られているガン(14)によって放出されたイオン化クリプトンのビームによって衝撃を与えられる。クリプトンの使用は、限定的ではなく、他の任意の希ガスを使用することができる。
このイオン衝撃の結果としてターゲットから放出されたバナジウム原子は、反応器に導入された酸素(15)によって多かれ少なかれ酸化される。反応器チャンバ内に存在する酸素の分圧は、最終量xを所望の値に設定するために調整ループによって制御される。スパッタされたバナジウム原子は酸化して基板(16)上に原子状酸素の割合xに依存する抵抗率を有するVOの層を形成する。
基板(16)は、熱輸送流体を使用する冷却システム(図示せず)によって堆積中に室温に近い温度に保たれる。
30℃で測定した0.5から24Ω・cmの範囲の初期抵抗率を有するVOの熱安定性を比較するために、選択された基板は、200ミリメートルの単結晶シリコンのウェハに堆積された窒化ケイ素SiN(又は、酸化ケイ素SiOであり得る)のフィルムで形成される。これにより、VOフィルムとシリコン基板との間に優れた電気絶縁性が得られる。
次に一連の正方形パターン(「ファンデルポー」型パターン)をフォトリソグラフィ、次いでVO材料のエッチングによって画定する。次いで、この材料を、堆積、次いで金属電極の画定によって、この正方形の四隅で付着させる。
次に、このアセンブリを、低温、すなわち280℃で、PECVD(「Plasma−Enhanced Chemical Vapor Deposition」(プラズマ化学気相成長法)の頭字語)によって堆積させた窒化ケイ素SiNの層によってカプセル封入し、VO材料の特性を維持する。カプセル封入は、アニール試験中に周囲の大気との如何なる化学的相互作用からもVO材料を隔離するために、VOパターンを完全に覆うように行われる。
次に、このパターンは、金属電極を介してバイアスされる。次に、VOフィルムの平方当たりの抵抗をファンデルポー法により決定する。VOフィルムの厚さは、専用の隣接パターン上の偏光解析法によって決定される。そのようなフィルムの厚さ及び平方当たりの抵抗は、それらの抵抗率を規定する。この方法は、各アニールの前後に適用されている。90分間のアニールについての結果は、図4のグラフに現れる。窒化ケイ素封入層がVOフィルムの特性を改変していないことは、以前に確認されている。
このようにして、30℃で測定した、それぞれ0.5Ω・cm、6.3Ω・cm、9.3Ω・cm、20Ω・cm及び24Ω・cmの抵抗率を有するVOフィルムをそれぞれ一体化した5枚のウェハを形成した。そのような抵抗率は、1.6、1.8、1.9、2及び2.1のxの値(±0.1以内)に相関する。
次いで、これらのウェハからのサンプルを、それらの熱安定性、言い換えれば熱応力の存在下でのそれらの頑健性を評価するために、窒素流下で、240℃から330℃の間で段階的に異なる温度で行われるアニールにかけた。意図的に材料に対して最も制約があるが、工業的信頼性に関して、特に封止された部品の真空の安定性に関して最も安全な構成になるように、アニール時間は、90分間に設定されている。
次に、図4の曲線から次のことが分かる。
0.5Ω・cmの初期抵抗率を有するフィルムは、温度が250℃に達するとすぐにその抵抗率が著しく低下することが見られる。
6.3Ω・cmの初期抵抗率を有するフィルムは、300℃まで安定であり、次いで、その抵抗率が急激に低下することが見られる。
しかしながら、9.3、20及び24Ω・cmの初期抵抗率を有するフィルムは、310℃までの抵抗率に関して非常に小さい変動しかなく、前記抵抗率は、320℃から低下するだけである。
従って、材料の安定性閾値は、その組成とその固有抵抗率に依存するように見え、最も高い抵抗率を有する材料が最も安定している。
そのような測定は、同一のサンプルに対しても行われたが、真空シーリングプロセスのための現実的な最短時間に対応する、典型的には10分間という短時間のアニールについてである。
従って、30℃で測定した0.5Ω・cm、6.3Ω・cm及び20Ω・cmのそれぞれの初期抵抗率の同じフィルムを一体化した他のデバイスは、対象となる範囲をカバーする種々の温度、すなわち、280℃、300℃、310℃、320℃及び330℃で、窒素流下で10分間のアニールに供されている。
図5のグラフにプロットされた、各サンプルについてアニール後に測定された抵抗率の値は、以下の観察結果をもたらす。
0.5Ω・cmの初期抵抗率を有するフィルムは、アニール時間が10分間に減少したにもかかわらず280℃のアニールに耐えられなかった。この観察は、従来技術を表すそのような材料と、本明細書で考察される真空封止プロセスとの不適合性を意味する。
6.3Ω・cmの初期抵抗率を有するフィルムは、少なくともこの短時間(10分間)のアニールの間、320℃まで安定した特性を維持する。
20Ω・cmの初期抵抗率を有するフィルムは、330℃までの10分間のアニールに耐える。
それによって、30℃で6Ω・cmから50Ω・cmの範囲である、既に示されたような測定された抵抗率によって特徴づけられる、サーミスタ材料としてxが1.8から2.3の範囲にある酸化バナジウムVOを一体化した基本検出器を使用することによって、上部キャップをパッケージに封止する段階及びゲッター活性化段階にもかかわらず、高性能で持続的な性能を有する赤外線アレイ検出器を形成することが可能になり、それは、既に示されているように、適切な金属シール(例えば、AuSn(80/20)タイプ)及びゲッター材料(例えば、「ページウェハ(Pagewafer)との名称でSAESによって市販されているタイプ)が比較的低い活性化温度で選択されるとすぐに、少なくとも300℃で起こることができる。
図3に示されるように(上部)、抵抗率に関するこのようなサーミスタ材料の熱安定性は、読み出し回路の出力で得られる信号の分散を制限し、電気的なダイナミックレンジの中心に含まれる狭い分布ヒストグラムをアナログ増幅器の出力に維持することを可能にする。
典型的には6Ω・cmよりも小さい中間の初期抵抗率(30℃で測定)のフィルムは、考慮されている温度範囲で不安定であり、その結果、ここで電気的なダイナミックレンジの大部分を占める非常に広いヒストグラムが得られる(図3の下部)。そのような材料は、先に示したシール方法の高い信頼性レベルを維持したい場合には、画素の各出力信号を読み出し回路のダイナミックレンジの中心に持っていくための複雑な電子補正システムを必要とする。
最も低い電気抵抗率、0.5Ω・cmを有するフィルムは、適用された温度範囲でそのような変化を受け、それは、この封止技術と両立しないと考えられるべきである。そのTCRは、ゼロ又は低すぎるため、何の関心もない。そのような材料は、低温封止合金を使用することを必要とし、それは、効率的なゲッターを使用することを可能にせず、それは、真空の耐久性、従ってこの方法によって形成される部品の信頼性を危うくする。
本出願人はまた、1Ω・cmに近い抵抗率を有するVOフィルムが、本発明に記載されているVOフィルムよりも通常の雰囲気下で速い分解速度を有することを観察した。
実際に、低密度の層(しばしば、“粗さ層”とも呼ばれる)が周囲空気に晒されるVOフィルムの表面に形成することが記載されている(例えば、N. J. Podrazaらによる“Electrical and optical properties of sputtered amorphous vanadium oxide thin films” − Journal of Applied physics 111 no. 7 − April 1st, 2012, 又は、M. A. Motykaらによる“Microstructural evolution of thin film vanadium oxide prepared by pulsed−direct current magnetron sputtering” − Journal of Applied Physics 112, no. 9 (2012)を参照)。多層モデル、すなわち、少なくとも、フィルムが2つの層から形成され、一方が統合、すなわち100%のVOで作られ、他方が50%のVO及び50%の空気で作られるとみなすモデル(「Bruggeman有効媒体近似」による)によって解釈される偏光解析法による測定により、この“粗さ層”の厚さを決定することが可能になる。この層の厚さの経時的な追跡は、空気に晒され、同じ温度と湿度の条件下では、1Ω・cmのVOフィルムの場合には10Ω・cmのフィルムの場合よりも約2倍速い成長速度を示す。
一例として、80ナノメートルの総厚さを有するVOフィルムの堆積後40日目に、粗さ層の厚さは、10Ω・cmの抵抗率を有するVOフィルムにおいて5ナノメートル未満のままであるが、1Ω・cmの抵抗率を有するVOフィルムにおいて10ナノメートルを超える。
この成長は、一体型のVO層を損なうことになる。この表面層が、一体型のフィルムよりも高い抵抗率を有することが示されており(例えば、前述の2つの刊行物において)、これは、必然的にフィルムの平方当たりの抵抗を経時的に修正する。
さらに、そのような低密度で可変の厚さの表面層の存在は、VOパターンを画定するのに必要なフォトリソグラフィ及びエッチング方法の多様性の問題を引き起こし得る。これら2つの困難は、画素の電気抵抗を所望の値を超えて増大させることによって、又は、これらの値の分散を増大させることによって、最終的な検出器性能を悪化させる可能性がある。しかしながら、本発明によるサーミスタフィルムが使用されるとすぐに、文献(米国特許第6313463号明細書)で推奨されるように、堆積後にインシチュ封止、すなわちVOフィルムの空気との接触を排除することが可能である。
本発明は、非冷却アレイ型赤外線検出器の性能要件及びそのような検出器の製造の工業化の制約を両立させる可能性をもたらす。
さらに、そのような検出器は、それらの製造工程中、周囲空気中での酸化に抵抗するそれらのより大きな能力のために取り扱いがより容易である。
1 ボロメータ膜
2 アーム
3 支柱
4 基板
5 サーミスタ材料
6 金属反射フィルム
10 反応器
11 ポンプシステム
12 支持体
13 ターゲット
14 ガン
15 酸素
16 基板

Claims (8)

  1. 基本イメージングボロメータ検出器のアレイであって、前記基本ボロメータ検出器の各々が、30℃で測定して6Ω・cmから50Ω・cmの範囲の抵抗率を有する酸化バナジウムVOから作られたフィルム(5)を含むボロメータ膜(1)から形成され、前記膜(1)が、前記基本検出器によって生成された信号を読み出し、前記基本検出器を順次アドレス指定するための信号を統合する基板(4)上に吊り下げられている、基本イメージングボロメータ検出器のアレイと、
    前記検出器の形成中及び形成後の残留ガスの捕捉を確実にすることを目的とした少なくとも1つのゲッターと、
    赤外線に対して透過的な窓を備える上部キャップを有する、前記アレイ及び前記少なくとも1つのゲッターを収容する密封キャビティであって、前記キャップが、前記基本検出器のアレイを支持するチップに、又は、その底部に前記基本検出器のアレイを支持するチップが取り付けられているパッケージに、シールを用いて封止され、前記キャビティが、真空下又は低圧下にある、密封キャビティと、
    を備える、赤外線検出器。
  2. 前記ボロメータ膜を形成するために使用される酸化バナジウムVOで作られるフィルム(5)が、30℃で測定して6Ω・cmから24Ω・cmの範囲の抵抗率を有することを特徴とする、請求項1に記載の赤外線検出器。
  3. 前記シールが、AuSn金属合金で作られることを特徴とする、請求項1又は2に記載の赤外線検出器。
  4. 赤外線検出器の形成方法であって、
    前記検出器が、
    基本イメージングボロメータ検出器のアレイであって、前記基本ボロメータ検出器の各々が、30℃で測定して6Ω・cmから50Ω・cmの範囲の抵抗率を有する酸化バナジウムVOから作られたフィルム(5)を含むボロメータ膜(1)から形成され、前記膜が、前記基本検出器によって生成された信号を読み出し、前記基本検出器を順次アドレス指定するための信号を統合する基板(4)上に吊り下げられている、基本イメージングボロメータ検出器のアレイと、
    前記検出器の形成中及び形成後の残留ガスの捕捉を確実にすることを目的とした少なくとも1つのゲッターと、
    赤外線に対して透過的な窓を備える上部キャップを有する、前記アレイ及び前記少なくとも1つのゲッターを収容する密封キャビティであって、前記キャップが、前記基本検出器のアレイを支持するチップに、又は、その底部に前記基本検出器のアレイを支持するチップが取り付けられているパッケージに、シールを用いて封止され、前記キャビティが、真空下又は低圧下にある、密封キャビティと、
    で形成され、
    前記方法において、
    前記基本検出器及び前記ゲッターがその中に設置された後、その上の前記キャビティの上部キャップの封止が、10分間から90分間の範囲の期間、280℃から320℃の範囲の温度で行われ、
    前記ゲッターの活性化が、前記キャビティの上部キャップの封止と同時に行われる、
    赤外線検出器の形成方法。
  5. 前記ボロメータ膜(1)を形成するために使用される酸化バナジウムVOで作られるフィルムが、30℃で測定して6Ω・cmから24Ω・cmの範囲の抵抗率を有する、請求項4に記載の赤外線検出器の形成方法。
  6. 前記ボロメータ膜(1)を形成するために使用される酸化バナジウムVOで作られるフィルム(5)が、30℃で測定して6Ω・cmから9Ω・cmの範囲の抵抗率を有し、前記基本検出器及び前記ゲッターがその中に設置された後、その上の前記キャビティの上部キャップの封止が、10分間から90分間の範囲の期間、280℃から300℃の範囲の温度で行われることを特徴とする、請求項5に記載の赤外線検出器の形成方法。
  7. 前記ボロメータ膜(1)を形成するために使用される酸化バナジウムVOで作られるフィルム(5)が、30℃で測定して9Ω・cmから24Ω・cmの範囲の抵抗率を有し、前記基本検出器及び前記ゲッターがその中に設置された後、その上の前記キャビティの上部キャップの封止が、10分間から90分間の範囲の期間、280℃から320℃の範囲の温度で行われることを特徴とする、請求項5に記載の赤外線検出器の形成方法。
  8. 前記キャビティに前記上部キャップを封止するシールが、AuSn合金で作られることを特徴とする、請求項4から7の何れか一項に記載の赤外線検出器の形成方法。
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