JP2020506201A - 銅−ヒドロキシピロン錯体を含む抗微生物組成物 - Google Patents

銅−ヒドロキシピロン錯体を含む抗微生物組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP2020506201A
JP2020506201A JP2019542542A JP2019542542A JP2020506201A JP 2020506201 A JP2020506201 A JP 2020506201A JP 2019542542 A JP2019542542 A JP 2019542542A JP 2019542542 A JP2019542542 A JP 2019542542A JP 2020506201 A JP2020506201 A JP 2020506201A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
copper
composition
antibacterial composition
treatment
antibacterial
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2019542542A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2020506201A5 (ja
Inventor
パウエル,ジョナサン・ジョセフ
ファリア,ヌーノ・ジョルジ・ロドリゲス
バストス,カルロス・アンドレ・パッソス
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
UK Research and Innovation
Original Assignee
UK Research and Innovation
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by UK Research and Innovation filed Critical UK Research and Innovation
Publication of JP2020506201A publication Critical patent/JP2020506201A/ja
Publication of JP2020506201A5 publication Critical patent/JP2020506201A5/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K31/00Medicinal preparations containing organic active ingredients
    • A61K31/33Heterocyclic compounds
    • A61K31/335Heterocyclic compounds having oxygen as the only ring hetero atom, e.g. fungichromin
    • A61K31/35Heterocyclic compounds having oxygen as the only ring hetero atom, e.g. fungichromin having six-membered rings with one oxygen as the only ring hetero atom
    • A61K31/351Heterocyclic compounds having oxygen as the only ring hetero atom, e.g. fungichromin having six-membered rings with one oxygen as the only ring hetero atom not condensed with another ring
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K33/00Medicinal preparations containing inorganic active ingredients
    • A61K33/24Heavy metals; Compounds thereof
    • A61K33/34Copper; Compounds thereof
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K47/00Medicinal preparations characterised by the non-active ingredients used, e.g. carriers or inert additives; Targeting or modifying agents chemically bound to the active ingredient
    • A61K47/30Macromolecular organic or inorganic compounds, e.g. inorganic polyphosphates
    • A61K47/34Macromolecular compounds obtained otherwise than by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds, e.g. polyesters, polyamino acids, polysiloxanes, polyphosphazines, copolymers of polyalkylene glycol or poloxamers
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K9/00Medicinal preparations characterised by special physical form
    • A61K9/06Ointments; Bases therefor; Other semi-solid forms, e.g. creams, sticks, gels
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P17/00Drugs for dermatological disorders
    • A61P17/02Drugs for dermatological disorders for treating wounds, ulcers, burns, scars, keloids, or the like
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P31/00Antiinfectives, i.e. antibiotics, antiseptics, chemotherapeutics
    • A61P31/04Antibacterial agents
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P31/00Antiinfectives, i.e. antibiotics, antiseptics, chemotherapeutics
    • A61P31/04Antibacterial agents
    • A61P31/06Antibacterial agents for tuberculosis
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P31/00Antiinfectives, i.e. antibiotics, antiseptics, chemotherapeutics
    • A61P31/10Antimycotics

Abstract

銅およびヒドロキシピロン類、例えばマルトールの間で形成される両親媒性銅錯体に基づく銅ベースの抗細菌剤が、記載される。さらなる側面において、本発明は、PEGベースの軟膏に関し、それは、それらが銅の両親媒性錯体の局所送達に特に有効であることを示す。特に、PEG軟膏は、たとえ銅剤の非存在下でさえも細菌増殖を制限することが示された。しかし、この静細菌作用は、銅ヒドロキシピロン類がPEGに添加された場合、真の殺細菌作用になることが、本明細書において示されている。【選択図】なし

Description

本発明は、ポリアルキレングリコールおよび銅ヒドロキシピロン錯体を含む組成物および抗微生物剤としてのそれらの使用に関する。本発明は、さらに組成物の医学的使用に、特に創傷治癒および/または微生物感染の処置もしくは予防のための医学的使用に関する。
新規の抗微生物薬の開発は、1980年代以降次第に減速しており、出現している多剤耐性病原体を前にして厳しいシナリオを残している。いわゆる‘スーパーバグ(superbugs)’は、ますます公衆衛生に対する世界的脅威として認識されており、無機性薬剤、例えば銅および銀に基づく薬剤を含む新規の抗微生物薬の探求を駆動している。これらの金属は、歴史的に使用されており(have had historical usage)、そして重要なことだが、多数の殺生物機序を介して作用すると仮定されており、それは、微生物が耐性を得るために多数の変異を経ることを要求することにより、潜在的に臨床的寿命を高める可能性がある。2種類の金属のうちで、銀は、より大きい抗微生物有効性を示してきた;しかし、費用、宿主に対するインビボでの毒性および化学的不安定性が、感染した創傷の治癒のような臨床適用に関するその有用性を制限しているようである。銅は、一般により有効性が低いと考えられるが、安価であり、必須微量栄養素であり、ヒトおよび他の動物によってよりよく耐容され、それはより大きい用量が用いられることを可能にする。しかし、そのより低い殺生物有効性のため、銅の微生物に対する生物学的利用能を最大化する送達系の開発が、臨床設定におけるその使用に決定的に重要である。
国際公開第2016/170152号(Medical Research Council)は、オキソ水酸化銅(copper oxo−hydroxide)ナノ粒子組成物を開示しており、ここで、1以上の配位子が、オキソ水酸化銅のオキソまたはヒドロキシ基を非化学量論的に置換している。ナノ粒子を含む組成物は、遊離銅を放出することができる抗細菌組成物としての使用に関して開示されている。
国際公開第98/16218号および米国特許第6,197,763号(Pflori limited)は、食事由来の金属、例えば銅、マンガンまたは鉄ならびにアスコルベート、アスパルテート、シトレート、ヒスチジン、マレート、マルトール(3−ヒドロキシ−2−メチル−4−ピロン)、グルコネート、グルタメート、グルタミン、スクシネートおよびタルタレートを含む配位子の間で形成される療法用錯体の胃腸細菌感染症の処置における使用のための使用を記載している。国際公開第00/16736号は、抗プラーク活性を有する口腔ケアにおける有効成分としての銅環状アルファ−ヒドロキシケトン錯体に関する。JP2002/255956は、食料品における抗真菌剤としての銅−ピロン錯体を記載している。Hudekovaら(Foli Microbiol., 41(6) : 473-476, 1996)は、Cu、Zn、Mn、MgまたはNiを用いて調製された金属イオンコウジ酸錯体を記載しており、それは、抗細菌および抗真菌活性に関して試験された。銅錯体は、B.サブティリス(B.subtilis)およびP.エルジノーサ(P.aeruginosa)に対してのみ有効であることが分かった。
抗微生物性金属イオン、例えば銅の有効な送達のためのアプローチの開発は、特に臨床設定における使用に関して当該技術における未解決の問題のままである。
国際公開第2016/170152号 国際公開第98/16218号 米国特許第6,197,763号 国際公開第00/16736号 JP2002/255956
Foli Microbiol., 41(6) : 473-476, 1996
概して、本発明は、銅ヒドロキシピロン錯体(complex)を含む抗細菌組成物は銅を殺細菌的に利用可能な形態で送達することができるという発見に基づいている。強い錯体形成剤は、生理学的流体を含む溶液中で銅を維持し、従って殺生物性銅に関する良好な送達ビヒクルであることが予想されるが、本発明者らは、銅EDTAのような錯体中では銅に関する過剰な親和性を有する配位子はある割合の銅金属を細菌との相互作用に利用不能にする作用を有し、それによりその抗細菌作用を有意に抑制することを見出した。一方で、銅塩類、例えば塩化銅は、遊離の銅を細菌に提供することができ、従って強い銅錯体よりも有利である。しかし、これらの組成物は、それらの殺細菌作用が生物学的に関連する構成要素、例えばタンパク質の存在下で減少する欠点に悩まされる。この制限は、タンパク質は生理学的流体、例えば創傷滲出液中で豊富な構成要素であるため、臨床的に関連している。従って、本発明は、例えば銅およびヒドロキシピロン類、例えばマルトールの間で形成された両親媒性銅錯体の使用によりこれらの欠点の両方を改善する銅ベースの抗細菌剤を提供する。これは、銅がBSAを含む細菌培地中でインキュベートされる実験により実証され、それは、銅マルトールが40ppm銅において大腸菌の増殖を完全に抑制し、一方で塩化銅は50ppm銅において60%の阻害しか達成しないことを示した。
さらなる側面において、本発明は、PEGベースの軟膏に関し、それは、それらが銅の両親媒性錯体の局所送達に特に有効であることを示す。特に、PEG軟膏は、たとえ銅剤の非存在下における場合でさえも、細菌増殖を制限することが示されている。しかし、この静細菌作用は、銅ヒドロキシピロン類がPEGに添加された場合、真の殺細菌作用になることが本明細書において示されている。
驚くべきことに、銅マルトールを含有するPEG軟膏は、調製から3週間より長い期間の後にそれらが豚モデルにおいて調製の数日後よりも有効であるように見えるように(皮膚生検1グラムあたりのMRSAのコロニー形成単位の対数がそれぞれ1.6対数CFU/g対5.1対数CFU/gであるように)、それらが古くなった(aged)際により有効になることが、さらに特筆された。いずれかの特定の理論により束縛されることを望むわけでは一切ないが、本発明者らは、2つの構成要素の間の関係は時間の経過により局所的抗微生物活性に関してより有利になると信じている。
驚くべきことに、本発明の抗細菌組成物は、抗生物質ムピロシンを含有するPEG軟膏の抗細菌有効性と均等な抗細菌有効性を有していた。銅は抗微生物剤であることが知られているが、それは一般に標準的な抗生物質と比較して劣った抗微生物剤である。従って、本発明の銅ヒドロキシピロン錯体がこれらの実験におけるムピロシンによる結果と同じ結果を提供することは、驚くべきことである。本発明者らは、これは銅ヒドロキシピロン錯体およびポリアルキレングリコールの組み合わせの結果であると信じている。
本明細書で銅マルトール−PEG会合体(assemblies)と呼ばれる銅マルトールおよびPEGの間の関係のさらなる利点は、それが銅錯体を分解から保護することである。例えば、マルトールと錯体形成した硫化第二銅(Cu2+)は、アルカリ性溶液中にある場合、赤色沈殿の形成により明示されるように、第一銅形態(Cu)に変わる。この作用は、マルトールにより媒介されると推定され、それは、銅の還元を促進しそうである。驚くべきことに、ポリアルキレングリコール類、例えばPEGの添加は、この現象を抑制する。いずれかの特定の理論により束縛されることを望むわけでは一切ないが、銅マルトール−PEG会合体の形成は、銅マルトールを分解、特に組成物中の銅錯体における緑(Cu2+)から赤(Cu)への色の変化により示されるようにCu2+をCuへと還元させる酸化還元性分解から保護すると思われる。
両親媒性配位子は、銅の殺細菌力を強調するために用いられる。いずれかの特定の理論により束縛されることを望むわけでは一切ないが、本発明者らは、膜障壁を越える両親媒性配位子の能力が、それが銅の細菌細胞中への内部移行を促進しそうである点で殺細菌的に有利であると予想する。
両親媒性錯体、例えばマルトールを含むPEG軟膏は、さらに可溶性シリケートまたはコロイド性もしくはより大きい微粒子状シリケート類を含むことができる。証拠は、シリケートが創傷治癒を促進することを示唆している。有用なことには、本組成物は、シリケート、例えば小さい非晶質シリケートコロイドの包接を受けることができ、重要なことだが、これらのシリケート類は、銅が例えばマルトールとの錯体中にある限り、通常予想され得るように銅と相互作用しない。
一側面において、本発明は、ポリアルキレングリコールおよび銅ヒドロキシピロン錯体を含む抗細菌組成物を提供する。好ましくは、銅ヒドロキシピロン錯体は、マルトールおよび/またはエチルマルトールを含む。最も好ましくは、抗細菌組成物は、銅マルトールを含む。
ポリアルキレングリコール類は、ポリエチレングリコール(PEG)およびポリプロピレングリコールを含むポリエーテル化合物のファミリーである。ある態様において、1種類より多くの異なるポリアルキレングリコール類、例えば2種類、3種類、4種類もしくは5種類またはより多くの糖類またはポリアルキレングリコール類の組み合わせを用いることが、可能である。本発明の抗細菌組成物において、好ましくはポリアルキレングリコールは、ポリエチレングリコール(PEG)またはポリプロピレングリコールである。ポリアルキレングリコールおよび銅ヒドロキシピロン錯体の間で形成される組成物は、一般に軟膏またはクリームであり、従って処置を必要とする対象への外用(例えば局所適用)に適しているであろう。好ましくは、銅のマルトールに対する比率は、1:0.5〜1:10または1:1〜1:5または1:1〜1:4である。
好ましくは、組成物は、少なくとも10%(w/w)のポリアルキレングリコール、より好ましくは少なくとも20%(w/w)のポリアルキレングリコール、少なくとも30%(w/w)のポリアルキレングリコール、少なくとも40%(w/w)のポリアルキレングリコール、少なくとも50%(w/w)のポリアルキレングリコール、場合により少なくとも60%(w/w)のポリアルキレングリコールを含む。
ある態様において、抗細菌組成物は、さらに(可溶性、微粒子状またはコロイド性シリケート類のいずれであろうと)シリケートの生物学的に利用可能な形態を含む。
さらなる側面において、本発明は、微生物感染症を処置する方法における使用のための、例えば抗細菌感染症、例えばMRSA感染症の処置のための本明細書で記載される抗細菌組成物を提供する。他の使用において、本発明の組成物は、例えば創傷の処置において予防的に用いられることができる。
さらなる側面において、本発明は、本明細書で記載される抗細菌組成物を含む医薬組成物を提供する。
さらなる側面において、本発明は、本発明の抗細菌組成物の微生物感染の処置または予防のための医薬品の調製のための使用を提供する。
さらなる側面において、本発明は、微生物感染症を処置または予防する方法を提供し、その方法は、処置を必要とする患者に療法上有効量の本発明の抗細菌組成物を投与することを含む。
本発明の態様は、ここで、添付の図面を参照して例として、限定ではなく記載されるであろう。しかし、本発明の様々なさらなる側面および態様が、本開示を考慮して当業者には明らかであろう。
“および/または”は、本明細書で用いられる場合、2つの明記された特徴または構成要素のそれぞれの、他方を含むかまたは含まない具体的開示として受け取られるべきである。例えば、“Aおよび/またはB”は、あたかもそれぞれが本明細書において個々に述べられたかのような(i)A、(ii)Bならびに(iii)AおよびBのそれぞれの具体的開示として受け取られるべきである。
文脈が別途指示しない限り、上記で述べられた特徴の記載および定義は、本発明の特定の側面または態様に一切限定されず、記載されている全ての側面および態様に等しく適用される。
CuCl、比率1:1および1:10でのCu:EDTA錯体ならびにCu:EDTA 1:10錯体中に存在する濃度に均等な濃度でのEDTAのみと共に6時間インキュベーションした後のHMM(pH7.2)における大腸菌増殖阻害。 4%BSAを含むHMM中でCuClおよびCuマルトール(比率1:1)と共に6時間インキュベーションした際の大腸菌増殖阻害。 細菌培養物の体積の10および20%として添加された銅を含まないPEG軟膏(すなわち0.5mlの細菌培養物中0.05mlまたは0.1mlのPEG)の存在下での(OD595nmにおける吸光度として測定された)時間経過にわたる大腸菌増殖。 10%軟膏と共にインキュベーションした後のHMM中の(OD595nmにおける吸光度として測定された)時間経過にわたる大腸菌増殖(方法参照)。 CuEDTA、Cuマルトール(両方とも1:4 Cu:錯体形成剤の比率を有する)およびCuCl(全て1000ppm Cu)を含有するPEG軟膏からのpH7.0における50mM NaHCO中での銅の放出。 銅マルトール(1:4 Cu:マルトール)またはムピロシンを含むPEG軟膏で処置されたMRSA創傷モデルにおける細菌計数(N=3匹の豚)。さらなる詳細が、方法の節において提供されている。PEG軟膏。Cuマルトール(比率1:4)軟膏は、30mMシリケート(uSANS)および1000ppm Cuを含有していた。 銅マルトール(1:4 Cu:マルトール)またはムピロシンを含むPEG軟膏で処置されたMRSA創傷モデルにおける細菌計数。さらなる詳細が、方法の節において提供されている。 シリケート類を含む、または含まないCuマルトールPEG軟膏(1000ppm Cu)からのpH7.0における50mM NaHCO中での銅の放出。 4%BSAを含むHMM中でのエチルマルトールとのCu錯体(比率1:1)の6時間の曝露の際の大腸菌増殖阻害。 4%BSAを含むHMM中でのマルトールおよびエチルマルトールとのCu錯体(比率1:4)の6時間の曝露の際の大腸菌増殖阻害。
配合および使用
本発明の抗細菌組成物は、抗細菌剤または抗微生物剤としての使用のために、例えば細菌または微生物感染症の処置または予防のために配合されることができる。従って、本発明の組成物は、本発明の固相材料の1種類以上に加えて、薬学的に許容可能な賦形剤、キャリヤー、緩衝剤、安定化剤または当業者に周知の他の材料を含むことができる。そのような材料は、非毒性であるべきであり、かつ問題の適用に関する固相材料の有効性に有意に干渉すべきでない。
用語“抗細菌性”は、本明細書で用いられる際、エスケリキア属の種(Escherichia sp.)、例えば大腸菌、スタフィロコッカス属の種(Staphylococcus sp.)、例えばS.エピデルミス(S.epidermis)、S.アウレウス(S.aureus)およびメチシリン耐性スタフィロコッカス・アウレウス(“MRSA”)、バシラス属の種(Bacillus sp.)、例えばB.サブチリス(B.subtilis)、シュードモナス属の種(Pseudomonas sp.)、例えばP.エルジノーサ(P.aeruginosa)、ビブリオ属の種(Vibrio sp.)、例えばV.フィシェリ(V.fisheri)、ストレプトコッカス属の種(Streptococcus sp.)、例えばS.ピオゲネス(S.pyrogenes)およびS.ニューモニエ(S.pneumoniae)、クレブシエラ属の種(Klebsiella sp.)、マイクロコッカス属の種(Micrococcus sp.)、例えばM.ルテウス(M.luteus)、クロストリジウム属の種(Clostridium sp.)、例えばC.ディフィシル(C.difficile)、アシネトバクター属の種(Acinetobacter sp.)、例えばA.バウマニ(A.baumannii)、マイコバクテリウム属の種(Mycobacterium sp.)、例えばM.ツベルクローシス(M.tuberculosis)ならびにサルモネラ属の種(Salmonella sp.)、またはカンジダ属の種(Candida sp.)、例えばC.アルビカンス(C.albicans)を含む真菌を含むグラム陰性およびグラム陽性微生物により引き起こされる感染症の処置または予防を含む。用語“抗微生物性”は、本明細書で用いられる際、表面への微生物の付着を阻害する、微生物を殺す、および/または微生物の繁殖を阻害する物質を含む物質に適用されることが理解されている。用語“微生物”は、上記で述べられたような細菌、ならびに真菌、例えば酵母、古細菌および原生生物を含む全ての微生物を含むことが理解されている。用語“微生物性”および“抗微生物性”は、それに従って解釈されるべきである。
本発明の抗細菌組成物の使用は、組成物がヒトもしくは動物の対象における感染の処置もしくは予防に関して意図されているか、または細菌もしくは微生物のコロニー形成に耐性である物品の表面を提供することを意図されているかのどちらであるかに応じて異なるであろう。後者の適用の例は、医学用設備または包帯に関するコーティングを提供することを含む。
しかし、ヒトの対象における病気の処置または予防に関する適用を有するのと同様に、本発明は、獣医学の分野における適用、例えば非ヒト動物、より特別には非ヒト哺乳類、例えばイヌ、ネコおよびウマの処置における使用に関する適用を有する。
組成物が例えば創傷または皮膚感染症の処置における対象への投与に関して意図されている態様において、キャリヤーまたは他の構成要素の正確な性質は、組成物の投与の様式または経路(典型的には局所経路による)に関連し得る。これは、固体、半固体もしくはゲルマトリックス中の、または液体キャリヤー、例えば水、石油、動物もしくは植物油、鉱油もしくは合成油中の抗細菌組成物の配合を含み得る。キャリヤーの例は、生理食塩水溶液、デキストロースもしくは他の糖類溶液またはグリコール類、例えばエチレングリコール、プロピレングリコールもしくはポリエチレングリコールを含む。
個体に与えられることが予定されている本発明に従って用いられる材料および組成物は、好ましくは“予防的有効量”または“療法上有効量”(場合によっては予防は療法と考えられ得るが)で投与され、これは、個々の臨床状態に対する利益を示すために十分である。投与される実際の量ならびに投与の速度および時間経過は、処置されているものの性質および重症度に依存するであろう。処置の処方、例えば投与量等の決定は、一般開業医および他の医師の責任の範囲内であり、典型的には、処置されるべき障害、個々の患者の状態、送達の部位、投与の方法および開業医に既知の他の要因を考慮する。上記で言及された技法およびプロトコルの例は、Remington’ s Pharmaceutical Sciences, 第20版, 2000, Lippincott, Williams & Wilkinsにおいて見付けられることができる。組成物は、処置されるべき病気に応じて、単独で、または他の処置との組み合わせで、同時にまたは連続的にのどちらでも投与されることができる。
他の態様において、本発明の抗細菌組成物は、局所投与のために、例えば創傷、潰瘍の処置または細菌感染の処置もしくは予防において有用な固体または半固体の軟膏の形態で配合されることができる。そのような適用において、ポリアルキレングリコール類が、材料の外用、特に局所送達に十分に適しており、これは、それらがクリームまたは軟膏を形成し、ある範囲の異なる分子量で入手可能であり、粘度および最終的な軟膏において望ましい可能性のある他の物理的パラメーターの適合を可能にするためである。ある態様において、クリームまたは軟膏は、好ましくは低分子量PEGおよび高分子量PEGならびに場合によりポリプロピレングリコールを含むであろう。例として、低分子量PEGは、200g/mol〜600g/molのモル重量を有するポリエチレングリコールであることができ、より好ましくは380g/mol〜420g/molの分子量を有するポリエチレングリコール、例えばPEG400である。好ましくは、高分子量PEGは、1500g/mol〜4000g/molの分子量を有するポリエチレングリコールであり、より好ましくは、3200g/mol〜3500g/molの分子量を有するポリエチレングリコール、例えばPEG3350である。ある場合には、本発明の配合物において用いられるポリアルキレングリコールは、1種類以上のポリエチレングリコール類と1種類以上の(one of more)ポリプロピレングリコール類との組み合わせ、例えばPEG400、PEG3350とポリプロピレングリコールとの組み合わせを含む。本発明の局所用製品への適用は、創傷治癒のための、および抗感染組成物におけるような療法的使用を有する。本発明のある態様において、局所投与は、経口投与を含まない。
組成物が対象への投与のために配合される本発明の全ての側面において、組成物またはそれを含有する配合物のpHは、生理的pHまで、好ましくは5.0〜9.0のpHまで、より好ましくは6.0〜8.5のpHまで上げられることが好ましい。実施例は、本発明の組成物がこれらの条件下で遊離の銅を生物学的に利用可能にすることができることを示している。好都合には、これは、塩基、例えば水酸化ナトリウムもしくは炭酸ナトリウム、または酸、例えば塩酸を添加することにより行われることができる。この目的は、対象への投与が結果として意図されない臨床転帰、例えば痛みまたは炎症をもたらさないであろうように、ということである。
銅ヒドロキシピロン錯体に加えて、本発明の抗細菌組成物は、シリケート組成物を(可溶性、微粒子状またはコロイド性シリケート類のいずれの形態であれ)含むことができる。シリケート組成物の特に好ましい形態は、超微細非晶質ナノシリケート類(“uSANs”)であり、ここで、0.5nm〜20nmの平均直径を有するシリカ粒子は、場合により1種類以上の安定化剤により安定化されている。安定化剤を含む安定化されたナノシリカ組成物を含む組成物およびそれらの製造のためのプロセスが、国際公開第2015/121666号(Medical Research Council)およびGB−A−1701827.6からの優先権を主張するPCT/EP2017/070183において記載されており、その全てが、参照によりそのまま援用される。本発明のナノシリカ組成物と共に使用するのに適した安定化剤の例は、ポリオール類、糖類および/または第四級アンモニウム塩類、例えばコリンおよびカルニチンを含む。特に、国際公開第2015/121666号は、ポリマー性ケイ酸およびナノシリカ粒子を含む安定化されたポリマー性シリケート組成物を製造するためのプロセスを提供し、ここで、シリケート類の重合および粒径成長は、制御され、結果として生じる粒子は、シリケート濃度、pHおよび/または安定化剤の組み合わせにより大きさが安定にされる。ある態様において、組成物は、さらに金属陽イオンをドープされることができ、これは、これらが粒径成長を誘導することができ、組成物に有用な追加の特性を提供することができるためである。
本発明のナノシリカ組成物は、可溶性ポリケイ酸および20nm以下の平均直径、ある場合にはより好ましくは10nm未満、より好ましくは5nm、4nm、3nm、2nm、1nmまたは0.5nm未満である平均直径を有するナノシリカ粒子を含む。ある態様において、粒子は、約0.5nm〜約2nm、または約0.5nm〜約3nm、または約0.5nm〜約4nm、または約0.5nm〜約5nm、または約0.5nm〜約10nm、または約0.5nm〜約15nm、または約0.5nm〜約20nm、または約5nm〜約20nm、または約5nm〜約15nm、または約5nm〜約10nm、または約10nm〜約15nm、または約10nm〜約20nm、または約15nm〜約20nmの範囲であることができる。好ましい組成物は、平均直径0.5〜10nmを有するシリカ粒子および2〜5nmの平均直径を有するシリカ粒子を含む。
ポリマー性ケイ酸および/またはナノシリカ粒子の不溶性の性質は、上記で言及されたモリブデン酸アッセイにより、これは可溶性ケイ酸画分を決定するため、間接的に確証されることができる。一般に、その材料は、可溶性ケイ酸と平衡状態にあると考えられ、典型的な可溶性ケイ酸濃度は、pH9.0未満において約2mM未満である。ナノシリカ組成物は、シリケート類のより凝集した形態と対比され得る。より大きいナノ粒子(例えば、好ましくは50nmより大きい、より好ましくは20nmより大きい平均サイズを有する)、ポリケイ酸ゲルおよび−OH基が事実上存在しないケイ酸の完全に凝集した形態である二酸化ケイ素(SiO)を含むシリケート類のより凝集した形態と対比され得る。ポリケイ酸の粒子の大きさは、動的光散乱を用いて決定されることができ、その測定は、安定化されない場合、新しく調製された試料に対してなされることが、好ましい。当業者には理解されるであろうように、ポリケイ酸は、他のシリケート種と平衡状態にあるであろう。例えば、そして存在する正確な条件に依存して、これは、より少ない量の可溶性ケイ酸を含み得る。
有効量の本明細書における抗細菌組成物が、例えば皮膚、爪または毛髪への局所適用のために配合されることができる。これらの組成物は、クリーム、ローション、ゲル、懸濁液、分散物、マイクロエマルジョン、ナノ分散物、マイクロスフェア、ヒドロゲル、エマルジョン(水中油および油中水、ならびに多重エマルジョン)および多層性ゲル等(例えばChemistry and Manufacture of Cosmetics, Schlossman et al., 1998を参照)の形態であることができ、水性もしくはシリコン組成物として配合されることができ、または水性の連続的な相中の1以上の油相(または油相中の水相)のエマルジョンとして配合されることもできる。本発明において利用されるキャリヤーのタイプは、局所組成物の特性に依存する。キャリヤーは、固体、半固体または液体であることができる。適切なキャリヤーは、液体または半固体、例えばクリーム、ローション、ゲル、棒状のもの、軟膏、ペースト、スプレーおよびムースである。具体的には、キャリヤーは、クリーム、軟膏、ローションまたはゲルの形態、より具体的には、粒子が沈降するのを防ぐための十分な濃さまたは降伏点を有する形態である。キャリヤーは、それ自体が不活性であることができ、またはそれ自体の利益を有することができる。キャリヤーはまた、抗細菌組成物またはキャリヤー中に配合された他の成分と物理的および化学的に適合性であるべきである。キャリヤーの例は、水、ヒドロキシエチルセルロース、プロピレングリコール、ブチレングリコールおよびポリエチレングリコール、またはそれらの組み合わせを含む。
本発明の抗細菌組成物の療法的使用に加えて、それらは、物品に対する抗微生物または抗細菌コーティング、例えば織布、不織布、プラスチック、ガラスおよび/または金属を含む支持体上のコーティングとして適用されることもできる。コーティングの抗微生物性の性質は、それらを医学的または個人用ケア適用における使用のための支持体に適用されるのに特に適したものにする。特に、コーティングは、通常の使用において体と、例えば皮膚または粘膜と接触している支持体、例えば包帯、絆創膏および硬膏剤上で特に有用である。
例えば、微生物増殖は、皮膚または粘膜が例えば創傷包帯、おむつまたは下着により覆われている場合に特に問題である。皮膚または粘膜が覆われた状態になるとすぐに、微生物増殖に関する環境条件が向上する。覆われた皮膚または粘膜上に存在する微生物は、特に環境が湿っている、および/または空気に曝露していない場合、増進された速度で増殖することができる。これらの微生物からの分泌物は、皮膚のpHを変化させ得る酸性またはアルカリ性排出物、毒性分泌物およびプロテアーゼ分泌物を含む酵素分泌物を含む。これらの分泌物および排出物は、皮膚および粘膜の刺激、そしてより重篤な場合には皮膚または粘膜の崩壊、例えば皮膚炎を引き起こし得る。
皮膚または粘膜の被覆の後に起こり得る特定の病気は、鵞口瘡を含む。鵞口瘡は、カンジダ属の酵母、特にカンジダ・アルビカンス(Candida albicans)による真菌感染症である。症状は、感染した領域のかゆみ、灼熱感およびひりひりする感触、ならびに炎症を含む。ナプキン(sanitary towels)、尿失禁パッド、おむつおよび/またはきつい下着の着用は、カンジダの増殖に好都合な状態をもたらす可能性があり、それは鵞口瘡につながり得る。本発明のコーティングは、真菌、例えば酵母に対して有効である可能性があり、従って、本発明のコーティングの上述の物品上への提供は、鵞口瘡の処置および/または予防を可能にすることができることは、理解されるであろう。
同様に、接触性皮膚炎(一般におむつかぶれとして知られている)は、尿失禁パッドまたはおむつの着用により引き起こされ得る。湿った、または濡れた皮膚は、その構造を失い、高いpHは、細菌の増殖を促進し、そして細菌は、皮膚組織を崩壊させる酵素を分泌し得る。この環境は、褥瘡(一般に床ずれとして知られている)も促進または悪化させる可能性があり、それは、それらが感染した際に特に問題となる。本発明のコーティングは、細菌に対して有効であることが分かっており、従って、本発明のコーティングのタンポン、ナプキン、尿失禁パッドまたはおむつ上への提供は、接触性皮膚炎および/または褥瘡の処置および/または予防を可能にすることができる。
類似の理由のため、接触性皮膚炎および酵母感染症は、医療用包帯、例えば創傷および火傷のための包帯の下で生じ得る。医療用包帯に関する追加の考慮すべき事柄は、創傷または火傷の細菌感染を予防する必要性である。皮膚が火傷した際、大量の組織が損傷を受ける可能性があり、それは、皮膚の天然の障壁特性を低減または破壊する可能性があり、皮膚を壊す創傷も、皮膚の障壁特性に影響を及ぼす。これは、治癒を遅らせ得る日和見感染に、そして敗血症性ショックにつながり得る。加えて、微生物感染、特に細菌感染は、手術後に問題であり得る。本抗微生物性コーティングでコートされている医学的または外科的デバイス、例えば埋め込み式の医学的デバイスの使用は、手術後感染を予防または処置するのを助けることができる。従って、本発明のコーティングの創傷および/または火傷のための包帯上への提供は、接触性皮膚炎および/または微生物感染の処置および/または予防を可能にすることができる。
従って、本発明の抗細菌組成物は、微生物感染の、ならびに/または皮膚もしくは粘膜障害、例えば炎症および皮膚炎の処置および/または予防のための医薬品の製造において用いられることができる。特に、抗細菌性または抗微生物性コーティングは、創傷の感染、火傷の感染、褥瘡の感染、手術後感染、鵞口瘡、接触性皮膚炎および褥瘡の処置および/または予防のために有用である可能性がある。微生物感染は、あらゆる微生物、特に細菌および/または酵母、例えばスタフィロコッカス属の種、例えばS.アウレウス、シュードモナス属の種、例えばP.エルジノーサ、マイクロコッカス属の種、例えばM.ルテウス、サッカロミケス属の種(Saccharomyces sp.)、例えばS.セレビシエ(S.cerevisiae)、カンジダ属の種、例えばC.アルビカンス、スタフィロコッカス属の種、例えばS.エピデルミス、ストレプトコッカス属の種、例えばS.ピオゲネス、クレブシエラ属の種およびエスケリキア属の種、例えば大腸菌、クラミジア属の種(Chlamydia sp.)によるものであり得る。組成物は、さらに、ウイルスまたは寄生生物に対して有効であることができる。医薬品は、本発明のコーティング法によりコートされた支持体であることができる。従って、例えば、医薬品は、コートされた支持体、例えばコートされた医学的デバイス、例えば埋め込み式の医学的デバイスであることができる。例は、外科用シード(surgical seed)、カテーテル(例えば尿路カテーテル、血管アクセスカテーテル、硬膜外カテーテル)、血管アクセスポート、血管内センサー、気管切開チューブ、経皮内視鏡胃瘻チューブ、気管内チューブ、埋め込み式プロテーゼデバイス、例えばステントおよび関連する短期留置または生体接触デバイスを含む。医薬品は、コートされた支持体、例えばコートされたおむつ、ナプキン、タンポン、尿失禁パッド、包帯、例えば創傷または火傷用包帯、絆創膏または下着であることができる。これらの支持体の多く(特におむつ、ナプキン、尿失禁パッドおよび包帯、例えば創傷または火傷用包帯)は、不織布構成要素を含み、それは、通常の使用において皮膚または粘膜と接触している可能性がある。本発明者らは、本発明のコーティングおよびコーティング法が不織布支持体に特に適していることを実証している。
本明細書で用いられる際、用語“不織布”は、繊維のウェブから形成されたファブリックまたはテキスタイルを含む。不織布において、繊維は、織られても編まれてもいない。不織布は、典型的には小さい繊維を寄せ集めてシートまたはウェブの形態にし、次いでそれらを機械的に結合させることにより製造される。不織布の例は、ポリプロピレン不織布を含む。
医薬品の製造プロセスは、支持体上に抗微生物性コーティングを提供することを含むことができることは、理解されるであろう。従って、医薬品の製造は、抗微生物性コーティングを提供するための本明細書で記載される方法の工程の全てを含むことができる。
本発明は、本方法によりコートされた支持体も提供する。コートされた支持体は、医学的処置の方法における使用のためのものであることができ、上述のコートされた支持体を可能な医薬品として含むことができる。本発明は、微生物感染の、および/または皮膚もしくは粘膜の障害の処置および/または予防のための医学的処置の方法、ならびにそのような方法における本コートされた支持体の使用も提供することは、理解されるであろう。本発明のコーティング法は、医薬品またはその他としての本明細書で言及される支持体のコーティングに適用可能である。
上記の適用と同様に、抗微生物性コーティングは、例えば病院における医学的適用における使用のための他の設備上に提供されることもできる。病院における感染、特に細菌感染、例えばMRSAおよびクロストリジウム・ディフィシルの制御には、重要な関心が存在する。上記で論じられたように、表面の微生物によるコロニー形成は、特定の問題である。しかし、本コーティングは、微生物の多くの種に対して有効であることが分かっており、従って、病院設備の表面上への本抗微生物性コーティングの提供は、有益であり得ることは、理解されるであろう。従って、本発明に従ってコートされることができる支持体は、通常の使用において体または体液と接触する医学的設備およびデバイスを含む。例えば、適切な支持体は、チューブ、流体用袋、カテーテル、注射器ならびに外科用設備、例えばメスおよび鉗子等を含む。加えて、他の設備、例えば病院で用いられる設備(例えばヘルスケア設備)、例えば上衣(例えば手術衣)、外科用マスク、保護手袋(例えば外科用および検査用手袋)、カーテン、制服および寝具、例えば枕カバー、(例えばベビーコットおよび集中治療ベッドにおける)防水マットレスカバーならびにシーツが、本発明に従ってコートされることができる。
代わりのヘルスケア設備は、外科用ドレープ、外科用ソックス、家具、例えばベッドサイドテーブルを含むテーブル、ベッド、および座席の表面、ならびに貯蔵容器、フィルターおよびサービストレーを含む他の設備を含む。
加えて、本発明のコーティングは、微生物がいない状態を保つことが望ましい設備、例えば食品の処理において用いられる設備、例えば台所の設備および表面、ならびに食品の製造または処理において用いられる工場設備のコーティングにおいて有用である。例えば、本発明に従ってコートされることができる支持体は、容器(例えば食品貯蔵容器)、コンベヤー、刃、ミキサー、ローラーおよび台所用品(例えば切断および給仕器具)を含む。追加の支持体は、食品調製表面、柔軟な、および硬い包装ならびにドアハンドルを含む。
加えて、労働者により着用される防護服、例えばオーバーオール、手袋、マスクおよび帽子が、コートされることができるであろう。コートされることができる他の衣服は、肌着、靴下、競技用衣料品、外科用衣料品、ヘルスケア用衣料品、靴およびブーツを含む。
コーティングに適した他の支持体は、フィルター、例えば医療用フィルター(人工呼吸器用濾過媒体および流体濾過媒体を含む)、ならびにHVAC濾過媒体、水濾過媒体および流体濾過媒体を含む他のフィルターを含む。
さらなる適切な支持体は、通貨、デビット/クレジットカード、産業廃棄物および水を取り扱う設備、石油化学製品および原油の生産、流通および貯蔵設備ならびにインフラストラクチャーを含む。追加の適切な支持体は、個人用保護設備および軍事装置、例えば顔面マスク、人工呼吸器、汚染除去用の服および手袋を含む。
酸化還元保護の例証
ストック
40mM銅ストックが、0.347gの塩化銅二水和物を50mLの水中で溶解させることにより調製された。結果として生じた溶液は、青色だった。
160mMマルトールストックが、1.01gのマルトールを50mLの水中で溶解させ、NaOHでpHを調節する(pH>10.5)ことにより調製された。これは、透明な溶液を生成した。
実験A:銅マルトール分解
銅およびマルトールのストックを、水中で1:1の比率(v:v)で混合し、緑色の溶液を生成した。次いで、酸化還元的変換を加速するためにpHを水酸化ナトリウムで11.8に調節した。一夜で、赤色沈殿(水酸化第一銅)がバイアルの底で堆積した。
実験B:銅マルトール−PEG会合体は、酸化還元的変換を妨げる
30%(w/w)PEGが添加されたこと以外は、実験Aと同じであった。水酸化第一銅への変換は、数日後でさえも観察されなかった。
材料および方法
PEG軟膏の調製
PEG軟膏の一般的調製
PEG軟膏は、一般に1)ポリエチレングリコール(PEG)およびプロピレングリコール(PPG)を含むPEGベースの相ならびに2)銅およびシリケート材料を含む水相で構成される。30gのPEGベースの軟膏を調製するため、11.4gのポリエチレングリコール3350(PEG3350)、9.75gのPEG400および3.81gのプロピレングリコール(PPG)が、別々のfalconチューブ中に量り取られ、PEG3350が完全に融解するまで65℃まで加熱された。PEG400およびPPGが、まず100mlビーカー中で混合され、次いで融解したPEG3350が添加され、オーバーヘッド撹拌機を用いて混合された。銅材料が、表1の通りに調製され、次いで5mlの水相が、(下の表の通りに)PEG混合物に添加された。最後に、pHが、6M HClまたは5M NaOHの溶液を用いて7〜8に調節された(pH試験紙で測定された)。最終的な軟膏は、少なくとも5分間混合され、一夜凝固させるために適切な容器中に移された。
Figure 2020506201
Figure 2020506201
抗微生物試験のためのEDTA、マルトールおよびエチルマルトールとの銅錯体の調製
Cu−EDTA錯体は、CuCl.2HOおよびエチレンジアミン四酢酸(EDTA)二ナトリウム二水和物をUHP水中で溶解させることにより新しく調製された。pHは、1M NaOHにより7.5±0.2に調節された。銅の濃度を20mM(約1270ppm)で維持する一方で、EDTAの濃度を変化させ(20および200mM)、そうしてそれぞれ1:1および1:10のCu−EDTA比を達成することにより、様々なCu:EDTA比が達成された。
Cuマルトール(比率1:1)は、等しい体積の100mM CuCl.2HO溶液をアルカリ性(pH>11)100mMマルトール溶液と混合し、混合物を10mM Cuまで急速に希釈することにより調製された(5.7の最終pH)。
Cuエチルマルトール(比率1:1)は、適切な体積の80mM CuCl2.2H2O溶液をアルカリ性(pH>10.5)20mMエチルマルトール溶液と混合し、混合物を10mM Cuおよび10mMエチルマルトールまで急速に希釈することにより調製された(7.2の最終pH)。
Cuマルトール(比率1:4)は、適切な体積の80mM CuCl2.2H2O溶液をアルカリ性(pH>10.5)60mMマルトール溶液と混合し、混合物を10mM Cuおよび40mMマルトールまで急速に希釈することにより調製された(8.5の最終pH)。
Cuエチルマルトール(比率1:4)は、適切な体積の80mMCuCl2.2H2O溶液をアルカリ性(pH>10.5)60mMエチルマルトール溶液と混合し、混合物を10mM Cuおよび40mMエチルマルトールまで急速に希釈することにより調製された(8.5の最終pH)。
細菌的研究
重金属MOPS(HMM)培地、pH7.2±0.2。
HMMは、重金属を試験するために開発された限定培地であり、本明細書ではグルコースおよびcas−アミノ酸(カゼインの酸加水分解物)ならびに場合により4%BSAを補われた。HMMは、それぞれの試薬の濃縮ストック溶液から調製され、pHをpH7.2±0.2に調節された(表1)。新しく調製された培地は、すぐに0.22ミクロンの膜を通して濾過され、4±2℃で保管された。
Figure 2020506201
液体銅溶液に関するインビトロ抗細菌アッセイ
抗微生物活性が、銅化合物の存在下での大腸菌NCTC1110の増殖阻害の決定を通して評価された。比濁測定アッセイが、時間の経過にわたる細菌濃度(これは液体培地中の光学密度(595nmにおけるOD)に比例するため)を追跡するために用いられた。細菌培養物は、HMM中で30℃において一定の振盪(80rpm)の下で一夜増殖させられた。アッセイの日に、細菌懸濁液のODが、595nmにおいてプレートリーダー上で測定され、HMM中で0.05のODを達成するように希釈された。銅ストック溶液(“銅錯体の調製”の節を参照)が、0.1mlの体積中で0.8〜100mg/L Cuの典型的な濃度を達成するためにHMM(4%BSAを含む、または含まない)中で系列希釈された。次に、0.1mlの細菌培養物が添加され、30℃において一定の撹拌(80rpm)の下で銅と共にインキュベートされた。アッセイにおける最終的な銅濃度は、0.4〜50ppmの範囲であり、ODが6〜8時間の典型的な期間の間1時間ごとに測定された。ODのバックグラウンド、すなわち細菌によって引き起こされたのではないOD吸光度が、銅およびブロス由来の読み取りの干渉を除去するために決定された。増殖阻害は、以下のように計算された:
Figure 2020506201
OD対照:培地(細菌なし)のODの減算後の、銅の非存在下でHMM中でインキュベートされた細菌のOD。
OD銅:培地+一致する濃度の銅(細菌なし)のODの減算後の、銅の存在下でHMM中でインキュベートされた細菌のOD。
PEG軟膏の存在下でのインビトロ大腸菌増殖および殺細菌作用
PEG軟膏は、(別途記載されない限り)アッセイの前日に調製され、0.05mlまたは0.1ml(それぞれ細菌培養物の体積の10%および20%が添加された)が、注射器により24ウェルプレート上のウェル中に移された。0.5mlのタンパク質無含有HMM中の大腸菌NCTC11100培養物(銅溶液に関する抗微生物アッセイにおいて記載されたように調製された)が、軟膏の上に添加され、30℃において撹拌(80rpm)しながら24時間培養された。0、6および24時間の時点で、細菌増殖を追跡するために0.1mlが収集され、OD595nmが測定された。PEG軟膏の殺細菌作用が、6時間のインキュベーション後のPEGに曝露した細菌培養物5μlを収集して寒天プレート上に移すことにより評価された。30℃における一夜のインキュベーション後、寒天プレートは、大腸菌コロニーの存在に関して調べられた。
ICP−OESによる銅濃度の決定
誘導結合プラズマ発光分光分析(ICP−OES)が、元素銅濃度を決定するために用いられた。全ての試料が、銅材料を完全に溶解させるために分析の少なくとも24時間前に5% HNO3(v/v)中で希釈された。較正標準は、0.1〜100ppmの範囲で5% HNO中でマトリックスマッチングされた。銅の検出のために用いられた線は、324.754nmであった。
ゲル放出アッセイ
250nmのそれぞれの軟膏が、エッペンドルフチューブ中に移され、5000rpmにおいて2分間遠心分離された。次に、0.75mlの50mM NaHCOの溶液(pH7.0)が、軟膏を含有するエッペンドルフチューブ中に注意深く移された。そのチューブが、室温で(撹拌せずに)静置され、約500mlの分割量が、上部から収集され、ICP−OESにより分析された(銅濃度)。
臨床病原体に対するPEG軟膏のインビボ試験
ブタモデルが、PEG軟膏のメチシリン耐性スタフィロコッカス・アウレウス(MRSA)に対する有効性を調べるために用いられた。深達性部分層創傷(10mm×7mm×1.0mm)が、ブタの傍脊椎および胸部領域において7mmブレードを装着した特殊なエレクトロケラトームにより切り込まれ、創傷は、互いに2〜3cm隔てられた。創傷を負わせた直後に、25μlの10CFU/ml MRSA USA300懸濁液が、それぞれの創傷中に接種され、20分以内に、全ての創傷が、約200mgの軟膏で処置された。ポリウレタンの包帯が、軟膏の適用後にそれぞれの創傷を覆うために用いられた。0日目〜4日目に、処置は1日2回適用され、この後(5日目〜8日目)、用量は1日あたり1回の処置のみに減らされた。4日目および8日目に、皮膚生検が収集され、形成されたMRSAコロニーの数が、生検の質量あたりの細菌の総濃度(CFU/g)を得るために決定された。
結果
臨床での抗微生物的使用に関して意図される銅組成物は、銅を殺細菌的に利用可能な形態で送達することが必要とされる。強い錯体形成剤は、生理学的流体を含む溶液中で銅を維持し、従って殺生物性銅に関する良好な送達ビヒクルであることが予想される。しかし、銅EDTAにより説明されるように、銅に関する過剰な親和性を有する配位子は、この金属を細菌との相互作用に利用不能にし、そうしてその抗細菌作用を有意に抑制する(図1)。銅塩類、例えば塩化銅は、遊離の銅を細菌に提供することができ、従って強い銅錯体よりも有利である。しかし、それらの殺細菌作用は、生物学的に関連する構成要素、例えばタンパク質の存在下で大きく減少する。この制限は、タンパク質は生理学的流体、例えば創傷滲出液中で豊富な構成要素であるため、臨床的に関連している。銅がタンパク質と相互作用するのを防ぐための明らかな解決策は、強い銅錯体を用いることであろうが、示されたように、これらは、細菌に対しては有効ではない。本明細書で提供される結果は、両親媒性錯体、例えばマルトールの使用は、これらの問題を大いに克服することを示している。これは、銅をBSAを含む細菌培地中でインキュベートすることにより実証された:銅マルトールは、40ppm銅において大腸菌増殖を完全に抑制したが、塩化銅のみでは、50ppm銅において60%阻害しか達成しなかった(図2)。
さらなる実験において、銅の両親媒性錯体からの銅の局所送達に適したPEGベースの軟膏は、銅剤の非存在下でさえも細菌増殖を制限することが示された(図3)。しかし、これは単に静菌作用であり(すなわち殺細菌性ではない)、実際、前もってPEGのみの軟膏に曝露した大腸菌は、寒天増殖アッセイにおいて実証されたように、生存可能なままであることが示された(表1)。従って、本発明者らは、銅剤は真の殺生物作用を達成するために必要とされることを発見した。第1に、銅マルトールを含むPEG軟膏は、(部分的でしかない)PEGのみの軟膏の抑制作用とは異なり、大腸菌の増殖に対して完全な抑制作用を有する(図4)。第2に、銅の両親媒性錯体を含むPEG軟膏に曝露した細菌は、寒天増殖アッセイにおいて実証されたように、生存可能であるのを止めた(表4)。
Figure 2020506201
加えて、本発明者らは、強い錯体、例えば銅EDTAとは異なり、銅ヒドロキシピロン錯体は、銅のPEG軟膏からの適度な放出を示すことを観察した(図5)。さらに、緑色の軟膏様の沈殿が、(緑色である)銅マルトール溶液をPEG溶液と混合した際に生成された。重要なことだが、緑色の保持は、直接的な銅−PEG相互作用の非存在を、これは塩化銅を含むPEG軟膏において観察されたような青色を生じるであろうため、暗に示している。いずれかの特定の理論により束縛されることを望むわけではないが、本発明者らは、銅マルトール−PEG会合体がPEG軟膏中で形成されていると信じている。これは、それはより長い期間にわたる銅の制御された放出を可能にするため、創傷治癒または局所感染症の処置において特に有利な特徴である。実際、この有効性が、MRSA感染症に関するインビボ(an vivo)創傷モデル(ブタ)の処置において実証された。驚くべきことに、ある場合には、銅マルトールを含有するPEG軟膏は、抗生物質ムピロシンを含有するPEG軟膏の抗細菌有効性と均等な抗細菌有効性を有していた(8日間の曝露;図6)。銅は抗微生物剤であることが知られているが、それは、一般に標準的な抗生物質と比較して劣った抗微生物剤である。従って、本発明の銅ヒドロキシピロン錯体がこれらの実験におけるムピロシンによる結果と同じ結果を提供することは、驚くべきことである。本発明者らは、これは銅ヒドロキシピロン錯体およびPEGの組み合わせの結果であると信じている。
図7は、時間の経過により増大する有効性を示しており、おそらくこれは、銅マルトールpEG会合体が軟膏中で形成されているためである(全てのブタは、同じバッチの軟膏から処理されたが、ブタ1およびブタ3が処理される間に少なくとも2週間の間隔があった)。
図8は、銅の均等な放出速度により明らかであるように、シリケートがPEG軟膏中で銅マルトールと相互作用しないことを示している。
驚くべきことに、銅マルトールを含有するPEG軟膏は、調製から3週間より長い期間の後にそれらが豚モデルにおいて調製の数日後よりも有効であるように見えるように(皮膚生検1グラムあたりのMRSAのコロニー形成単位の対数がそれぞれ1.6対数CFU/g対5.1対数CFU/gであるように)、それらが古くなった際により有効になることが、さらに特筆された。いずれかの特定の理論により束縛されることを望むわけでは一切ないが、著者らは、2つの構成要素の間の関係は時間の経過により局所的抗微生物活性に関してより有利になると信じている。
好都合には、本発明者らは、銅マルトールの抗微生物活性は他の銅ヒドロキシピロン錯体にも及ぶことを観察した。銅エチルマルトールは、銅マルトールと同様に様々な銅:ヒドロキシピロン比率において用いられることができ、その抗微生物特性がタンパク質に富む環境中で保持されるため、特に有利である。
本明細書において言及された全ての文献は、参照によりそのまま本明細書に援用される。

Claims (27)

  1. ポリアルキレングリコールおよび銅ヒドロキシピロン錯体を含む抗細菌組成物。
  2. 請求項1に記載の抗細菌組成物であって、該銅ヒドロキシピロン化合物が、マルトールおよび/またはエチルマルトールを含む抗細菌組成物。
  3. 該組成物が、少なくとも10%(w/w)のポリアルキレングリコール、場合により少なくとも30%(w/w)のポリアルキレングリコール、場合により少なくとも50%(w/w)のポリアルキレングリコールを含む、請求項1または請求項2に記載の抗細菌組成物。
  4. 該PEG軟膏が、銅マルトールを含む、先行する請求項のいずれか1項に記載の抗細菌組成物。
  5. 該銅マルトール−PEG会合体が、銅マルトールを酸化還元的分解から保護する、先行する請求項のいずれか1項に記載の抗細菌組成物。
  6. 該ポリアルキレングリコールが、1種類以上のポリエチレングリコール類(PEG)および/または1種類以上のポリプロピレングリコール類である、先行する請求項のいずれか1項に記載の抗細菌組成物。
  7. 該ポリアルキレングリコールが、1種類以上のポリエチレングリコール類と1種類以上のポリプロピレングリコール類との組み合わせ、例えばPEG400、PEG3350とポリプロピレングリコールとの組み合わせ、を含む、請求項6に記載の抗細菌組成物。
  8. 該組成物が、軟膏またはクリームである、先行する請求項のいずれか1項に記載の抗細菌組成物。
  9. 銅対マルトールの比率が、1:0.5〜1:10または1:1〜1:5または1:1〜1:4である、先行する請求項のいずれか1項に記載の抗細菌組成物。
  10. 該組成物が、シリケート組成物である、先行する請求項のいずれか1項に記載の抗細菌組成物。
  11. 該シリケート組成物が、ナノシリケートである、請求項10に記載の組成物。
  12. 微生物感染症を処置する方法における使用のための、先行する請求項のいずれか1項に記載の抗細菌組成物。
  13. 該組成物がヒトの対象の処置における使用のためのものである、請求項12に記載の処置の方法における使用のための抗細菌組成物。
  14. 該組成物が非ヒト哺乳類の処置における使用のためのものである、請求項12に記載の処置の方法における使用のための抗細菌組成物。
  15. 該抗細菌組成物が局所投与される、請求項12〜14のいずれか1項に記載の処置の方法における使用のための抗細菌組成物。
  16. 該組成物が獣医学的使用のためのものである、請求項14に記載の処置の方法における使用のための抗細菌組成物。
  17. 該組成物がイヌ、ネコまたはウマの処置における使用のためのものである、請求項14〜16のいずれか1項に記載の処置の方法における使用のための抗細菌組成物。
  18. 該組成物が細菌感染症の処置のためのものである、請求項12〜17のいずれか1項に記載の処置の方法における使用のための抗細菌組成物。
  19. 該細菌感染症がグラム陰性またはグラム陽性細菌により引き起こされる、請求項13〜18のいずれか1項に記載の処置の方法における使用のための抗細菌組成物。
  20. 該細菌感染症がMRSA感染症の処置である、請求項18または19に記載の処置の方法における使用のための抗細菌組成物。
  21. 創傷の処置のための方法における使用のための、請求項12〜20のいずれか1項に記載の処置の方法における使用のための抗細菌組成物。
  22. 該細菌感染症が、エスケリキア属の種、例えば大腸菌、スタフィロコッカス属の種、例えばS.エピデルミス、S.アウレウスおよびメチシリン耐性スタフィロコッカス・アウレウス(“MRSA”)、バシラス属の種、例えばB.サブチリス、シュードモナス属の種、例えばP.エルジノーサ、ビブリオ属の種、例えばV.フィシェリ、ストレプトコッカス属の種、例えばS.ピオゲネスおよびS.ニューモニエ、クレブシエラ属の種、マイクロコッカス属の種、例えばM.ルテウス、クロストリジウム属の種、例えばC.ディフィシル、アシネトバクター属の種、例えばA.バウマニ、マイコバクテリウム属の種、例えばM.ツベルクローシスもしくはサルモネラ属の種、クラミジア属の種、または真菌種、例えばカンジダ属の種、例えばC.アルビカンスにより引き起こされる、請求項18〜21のいずれか1項に記載の処置の方法における使用のための抗細菌組成物。
  23. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の抗細菌組成物、および薬学的に許容可能なキャリヤーを含む、医薬組成物。
  24. 該組成物が、局所送達のために配合される、請求項23に記載の医薬組成物。
  25. 微生物感染の処置または予防のための医薬品の調製のための、請求項1〜11のいずれか1項に記載の抗細菌組成物の使用。
  26. 微生物感染症を処置または予防する方法であって、該方法が、処置を必要とする患者に療法上有効量の請求項1〜11のいずれか1項に記載の抗細菌組成物を投与することを含む、前記方法。
  27. 該組成物が、局所投与のために、より好ましくは対象の皮膚への適用のために配合されている、請求項12〜22、25または26のいずれか1項に記載の。処置の方法における使用のための組成物、使用または方法。
JP2019542542A 2017-02-06 2018-02-06 銅−ヒドロキシピロン錯体を含む抗微生物組成物 Pending JP2020506201A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
GB1701944.9 2017-02-06
GBGB1701944.9A GB201701944D0 (en) 2017-02-06 2017-02-06 Antimicrobial compositions and their uses
PCT/EP2018/052958 WO2018141989A1 (en) 2017-02-06 2018-02-06 Antimicrobial compositions comprising copper-hydroxypyrone complexes

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020506201A true JP2020506201A (ja) 2020-02-27
JP2020506201A5 JP2020506201A5 (ja) 2021-03-18

Family

ID=58462497

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019542542A Pending JP2020506201A (ja) 2017-02-06 2018-02-06 銅−ヒドロキシピロン錯体を含む抗微生物組成物

Country Status (10)

Country Link
US (1) US11000502B2 (ja)
EP (1) EP3576730A1 (ja)
JP (1) JP2020506201A (ja)
CN (1) CN110248654A (ja)
AU (1) AU2018216241A1 (ja)
BR (1) BR112019016189A2 (ja)
CA (1) CA3051519A1 (ja)
GB (1) GB201701944D0 (ja)
SG (1) SG11201906781VA (ja)
WO (1) WO2018141989A1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111647533A (zh) * 2020-06-16 2020-09-11 科里思特(福建)生物科技有限公司 一种枯草芽孢杆菌及其制剂与应用

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07138155A (ja) * 1993-11-12 1995-05-30 Otsuka Pharmaceut Co Ltd 抗微生物剤
JP2003517442A (ja) * 1998-09-23 2003-05-27 ユニリーバー・ナームローゼ・ベンノートシヤープ 口腔手入れ組成物
WO2015121666A1 (en) * 2014-02-14 2015-08-20 Medical Research Council Materials and methods relating to stabilised polymeric silicate compositions

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB9621273D0 (en) * 1996-10-11 1996-11-27 Cortecs Ltd Therapeutic method
US6505233B1 (en) 1999-08-30 2003-01-07 Zaplet, Inc. Method for communicating information among a group of participants
JP2002255956A (ja) 2001-02-27 2002-09-11 Sumitomo Chem Co Ltd 防カビ剤
JP2009256228A (ja) * 2008-04-15 2009-11-05 Lion Corp 液体口腔用組成物

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07138155A (ja) * 1993-11-12 1995-05-30 Otsuka Pharmaceut Co Ltd 抗微生物剤
JP2003517442A (ja) * 1998-09-23 2003-05-27 ユニリーバー・ナームローゼ・ベンノートシヤープ 口腔手入れ組成物
WO2015121666A1 (en) * 2014-02-14 2015-08-20 Medical Research Council Materials and methods relating to stabilised polymeric silicate compositions

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
医薬品インタビューフォーム 水溶性軟膏基剤 日本薬局方 マクロゴール軟膏 ソルベース(R) SOLBASE(R), JPN6021048094, 2016, pages 1 - 26, ISSN: 0004653970 *

Also Published As

Publication number Publication date
EP3576730A1 (en) 2019-12-11
AU2018216241A1 (en) 2019-08-29
US11000502B2 (en) 2021-05-11
CA3051519A1 (en) 2018-08-09
US20190380996A1 (en) 2019-12-19
SG11201906781VA (en) 2019-08-27
BR112019016189A2 (pt) 2020-04-14
WO2018141989A1 (en) 2018-08-09
GB201701944D0 (en) 2017-03-22
CN110248654A (zh) 2019-09-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6775523B2 (ja) オキソ水酸化銅ナノ粒子を含む抗細菌組成物およびそれらの殺生物剤としての使用
US20200222347A1 (en) Antimicrobials and methods of use thereof
Burrell A scientific perspective on the use of topical silver preparations
Borkow et al. Copper oxide impregnated wound dressing: biocidal and safety studies
CN104274490B (zh) 包括银离子源和薄荷醇的抗菌组合物及其用途
US20100068297A1 (en) Antimicrobial Composition
Greenhalgh Topical antimicrobial agents for burn wounds
CA2933594C (en) Acid-solubilized copper-ammonium complexes and copper-zinc-ammonium complexes, compositions, preparations, methods, and uses
JP2010531320A (ja) 治療薬または消毒薬としての相乗的組成物の使用
US11000502B2 (en) Antimicrobial compositions comprising copper-hydroxypyrone complexes
CN100384422C (zh) 包含金属离子螯合剂的抗微生物组合物
Mohammadyari et al. Study of synergistic effect of copper and silver nanoparticles with 10% benzalkonium chloride on Pseudomonas aeruginosa
US20040214809A1 (en) Stabilized silver-ion sulfite complex compositions and methods
KR101796141B1 (ko) 다기능성 치료제 은 및 비타민 b6 착물, 이의 제조방법 및 이를 유효성분으로 함유하는 상처 치료용 약학적 조성물
US20230131873A1 (en) Coated medicinal clay compositions, pharmaceutical compositions, and delivery of cation sources and methods of use thereof
Scanlon et al. To use or not to use? The debate on the use of antiseptics in wound care
Altamirano Reducing bacterial infectious complications from burn wounds
CN109512692B (zh) 一种湿巾抗菌添加液及其制备方法
RO134540A2 (ro) Sisteme antimicrobiene care conţin nanoparticule de argint şi antibiotic pentru aplicaţii biomedicale: preparare şi caracterizare
Mirabeau et al. Antimicrobial potentials of silver colloidal (nanorods) on clinical isolates in Bayelsa state, Nigeria
Dugal et al. Novel drug delivery system for management of S. aureus infections in patients suffering venous stasis ulcers
Beklemyshev et al. Nanomaterials and Coatings with Antimicrobial Properties
Stubbs et al. To use or not to use? The debate on the use of antiseptics in wound care.

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210205

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210205

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20211126

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20211202

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20220621