JP2020504290A - 検査用分析装置のための生物災害を誘発しない溶液及び方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、分析装置の使用者にヒト血液又は血漿に頼ることなく検査結果を提示し、それによって分析装置を使用することとなる度に毎回血液又は血漿を使用するという不利な点を克服するために使用することができる溶液及び方法に関する。いくつかの実施態様において、凝血時間に関するシグナルを生成する1以上の血液凝固センサ基質とともに使用するための溶液を提供し、該溶液は生物災害を誘発しない。【選択図】図1

Description

(関連出願との相互参照)
本願は、2016年10月20日に出願された「検査用分析装置のための生物災害を誘発しない(non-biohazardous)溶液及び方法」という名称の米国仮出願第62/410,565号の恩典を主張する。当該文献の全内容は、参照により本明細書に組み込まれている。
(背景)
病気の検出及び治療において、患者血液の特性を調査することは有用である。この調査は血液試料、例えば指穿刺から得る少量試料又は静脈若しくは動脈採血から得る大量試料を採取することにより、行われることが多い。血液はポイントオブケア装置を含む様々な分析装置において分析することができる。ポイントオブケア血液分析装置は様々なヒト、例えば病院又は臨床環境にある医療専門家、並びに自己検査を受ける患者自身によって使用される。血液試料は典型的に患者から採取し、分析装置に適用して結果を得る。凝固におけるそのような検査は、これらに限定はされないが、血液の一定の凝固特性を決定する活性化凝固時間(ACT)、活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)、及びプロトロンビン/国際標準化比(PT/INR)検査などがある。
典型的なACTポイントオブケア検査は、カオリン粘土又はCelite(登録商標)などの接触活性化因子を含む検査ストリップに血液を適用することを含み得る。接触活性化因子は、血液中の成分を活性化させて血餅の形成を誘発する。
典型的なPT/INRポイントオブケア検査は、血餅形成を刺激する組織因子を含む検査ストリップに血液を適用することを含み得る。異なる分析装置を用いれば、血餅形成の異なる態様を測定することができる。例えば、Siemens Healthineers Xprecia Strideシステムは、血液の導入された組織因子との反応によって形成される成分を測定する。
様々な使用者が正しく使用し、ポイントオブケア分析装置をどのように操作するかを理解する必要があり、分析装置の操作において各使用者を訓練することが必要である。ポイントオブケア分析装置は血液試料の特性の適正な読取値を得るために複数の工程を含むことが多く、血液試料の特性によって異なる結果/出力を提供し得る。一部の使用者、特に自己検査患者は、概してポイントオブケア分析装置の使用及び技術に通じていない場合がある。使用者には、分析装置を何度か操作して手順、出力、及びユーザインターフェースを熟知する必要があり得る。いくつかのポイントオブケア分析装置、例えば凝固特性を検査する分析装置は血液にのみ反応し、又は血液由来の血漿試料にのみ反応し、ここで不適当な流体又は不適当な操作はエラーをもたらす。
従って、結果を提供するためには血液若しくは血漿などの潜在的に生物災害を誘発し得る試料、又は液体の質の管理が通常要求されるため、ポイントオブケア分析装置の操作において潜在的使用者を訓練することは難しい場合がある。時に訓練又は実地説明の間に複数回検査を行うことが必要となり、従って複数の試料が必要となる場合がある。複数回の検査には数回の指穿刺試料を採取することが必要となる場合があり、人を何度も傷つけることになる。他の状況において、血液は訓練生又は指導員以外の人から採取され、汚染、疾患伝達、及び生物災害を誘発し得る廃棄物を出すことの可能性を招来する場合がある。
他の場合、実地説明を行う人々は、潜在的に生物災害を誘発し得る溶液を取り扱うための訓練を受けていない場合がある。例としては:
1) 重役による潜在的な出資者に対するプレゼンテーション;
2) R&D科学者による公開講義;
3) マーケティング専門職員による臨床会議での実地説明;
4) 技術スタッフによるエラーの意図的な作成/検査;
5) ソフトウェア技術者による新たなアルゴリズムの検査;
6) 販売員による新たな使用者の訓練;及び
7) 返還されたセンサの技術者による短時間評価がある。
さらに他の場面、大学の講堂又は学会の貿易展示エリアなどにおいて、血液凝固センサを実地説明することとなるエリアは生物災害を誘発し得る試料、例えば血液の取扱い又は液体質管理のための設備を整えていない場合がある。例として、がある。液体質管理はまた、費用が高く、安定性を欠いており、典型的には面倒となり得る再構成を必要とし、かつ血漿などの生物災害を誘発し得る物質を含むため、不利である。
これらの不利な面は実地説明及びポイントオブケア分析装置の使用の訓練の成功を潜在的に困難にし、又は費用がかかるものとし、かつ/又は健康リスクを招来する。
本明細書では、実地説明、訓練、又は他のポイントオブケア分析装置などの血液凝固分析装置の診断外の使用における血液又は血漿の使用の不利な点のいくつかを克服する溶液及び方法を開示する。
(概要)
本明細書に記載のように、診断外の目的で血液又は血漿試料を得ることは困難となり、災害を誘発する廃棄物が出る場合がある。
本発明は、分析装置の使用者にヒト血液又は血漿を使用することなく検査結果を提供し、それによって分析装置を使用するたびに血液又は血漿を使用するという不利な点を克服するために使用することができる溶液及び方法に関する。
いくつかの実施態様において、本明細書で開示する、凝血時間に関するシグナルを生成する1以上の血液凝固センサ基質とともに使用するための溶液を提供し、該溶液は生物災害を誘発しない。いくつかの実施態様において、本明細書で開示する溶液は、そのC末端に電気化学的メディエータ又は比色定量若しくは蛍光原報告基と結合したアミノ酸を含むペプチドを切断するタンパク質分解酵素を含む。いくつかの実施態様において、酵素はアルギニンのカルボキシル側を切断する。いくつかの実施態様において、アミノ酸はアミド結合により前記電気化学的メディエータ又は比色定量若しくは蛍光原報告基と結合し得る。
本発明のいくつかの実施態様において、タンパク質分解酵素は前記ペプチドから不活性型電気化学的メディエータを放出して、活性型電気化学的メディエータを生成する。いくつかの実施態様において、前記活性型電気化学的メディエータは、電気化学的方法によって定量することができる。いくつかの実施態様において、前記電気化学的方法は、クロノアンペロメトリーとし得る。いくつかの実施態様において、前記タンパク質分解酵素はセリンプロテアーゼである。前記セリンプロテアーゼは、トリプシン又はトロンビンとし得る。
本明細書で開示する本発明のいくつかの実施態様において、前記溶液は、緩衝剤、表面活性種、及び/又は安定化剤をさらに含み得る。いくつかの実施態様において、前記溶液は、分析装置におけるエラーチェックを乗り越えるための成分をさらに含み得る。
一実施態様において、生物災害を誘発しない安定化溶液を提供し、該安定化溶液はトロンビン基質を切断するプロテアーゼを含み得る。例えば、プロテアーゼはトリプシン又はトロンビンとし得る。
いくつかの実施態様において、本明細書で開示するプロテアーゼ、例えばトリプシンは、低温、比較的に高い濃度のカルシウム又はマグネシウムなどの二価カチオン、リシン残基の還元的メチル化、及び/又はプロテアーゼの凍結乾燥とそれに続く個別の液体試料による再構成を含む様々な方法によって安定化し得る。
本明細書ではまた、溶液中のプロテアーゼを安定化することができる支持実体を提供する。支持実体は、プロテアーゼの自己分解を防止する安定化成分を含み得る。例えば、いくつかの実施態様において、トリプシンはカルシウムイオンによって安定化され得る。いくつかの実施態様において、支持実体はpH緩衝液を含み得る。いくつかの分析装置は、試料について例えば、ストリップが正しく設置されていること、ストリップが破損していないこと、投入された流体が血液であることを保証するための検査を行う。いくつかの実施態様において、塩などの要素の追加により、計測器が血液を含まない生物災害を誘発しない試料を許容することが可能となり得る。
本明細書に開示する本発明のいくつかの実施態様は、1以上の生物災害を誘発しない溶液を含むキット、及び/又は1以上の生物災害を誘発しない溶液を作製するための1以上の固体及び液体を含むキットに関する。
本発明のいくつかの実施態様は、1以上の血液凝固センサ基質を含む本明細書に開示された生物災害を誘発しない溶液を使用する凝血時間を生成するための方法を含む。いくつかの実施態様において、方法は、本明細書で開示する生物災害を誘発しない溶液を、電気化学的メディエータと結合された1以上の血液凝固センサ基質と混合すること、該電気化学的メディエータを測定すること、及び凝血時間を生成することを含み得る。
いくつかの実施態様は、分析装置における1以上の血液凝固センサ基質とともに使用して、凝血時間を生成するための本明細書に開示する生物災害を誘発しない溶液の生成方法を含む。方法は、pH緩衝剤をタンパク質分解酵素と混合すること、タイムスケール及び該分析装置の閾値に基づいて該タンパク質分解酵素の濃度を決定すること、並びに該分析装置における1以上の血液凝固センサ基質とともに使用して、凝血時間を生成するための生物災害を誘発しない溶液を生成することを含み得る。
本発明のいくつかの実施態様は、生物災害を誘発しない溶液中で血中トロンビンを模倣するタンパク質分解酵素として使用するためのトリプシンに関する。
(図面の簡単な説明)
古典的な血液凝固経路の構造の概要である。
図2A及び図2Bは、実施例1に記載の検査溶液を用いて得られた検査結果のグラフ表示である。
検査溶液の安定性データのグラフ表示を示す。
図4A及び4Bは、実施例2に記載の検査溶液を用いて得た検査結果のグラフ表示である。
図5A及び5Bは、実施例3に記載の検査溶液を用いて得た検査結果のグラフ表示である。
(詳細な説明)
本明細書では、分析装置の検査ストリップに適用された場合に反応を生成する生物災害を誘発しない物質を開示する。いくつかの血液凝固センサはレポーター基と結合したペプチドを含む。内因性又は外因性血液凝固経路が活性化されると、生成されるトロンビンがペプチドからレポーター基を切り離し、それによりレポーター基を電気化学的に活性化し、又はその分光学的特性を変化させる。2つの電極間に電位を加えると、クロノアンペロメトリー又は他の電気化学的技術を使用して電気活性レポーター基を感知することが可能となる。透過光、反射光、又は蛍光の検出による吸光度または他の光学特性の変化の検出により、発色性又は蛍光レポーター基を感知することができる。
本明細書に記載の発明の実施態様は、タンパク質分解酵素を含み得る生物災害を誘発しない溶液に関する。タンパク質分解酵素は、セリンプロテアーゼとし得る。例えば、酵素はトリプシンなどとし得る。セリンプロテアーゼは、アルギニン又はリシンのカルボキシル側でペプチドを切断し得る。様々な濃度のセリンプロテアーゼを使用して、分析装置に応じた範囲の凝血時間を生成することができる。例えば、濃度はタイムスケール及び溶液を調合する目的となる検査の検出の詳細に基づくことができる。当業者であれば、本明細書に開示する検査のための濃度の決定に関する本明細書中の教示を使用して、他の検査のための濃度を決定することができるであろう。例えば、特定の濃度のタンパク質分解酵素が速すぎて特定の種類の血液凝固検査を実証できない凝血時間反応を生成する場合、タンパク質分解酵素の濃度を減少させることができる。
タンパク質分解酵素は、トリプシン、ブロメライン(パイナップル由来)、パパイン(パパイア由来)、アクチニジン(キウィフルーツ由来)、フィシン(イチジク由来)、組換え第Xa因子(アルギニンの隣を切断する)、組換えトロンビン、又はプロナーゼ(ストレプトマイセス・グリセウス由来)などとすることができる。酵素は凍結乾燥させることができる。
本明細書に記載の発明は、タンパク質分解酵素、例えばトリプシンを、トロンビンの作用を模倣する検査溶液で使用する。この戦略は、トリプシン及びトロンビンが両方とも、アルギニン又はリシンのカルボキシル側でペプチドを切断するセリンエンドペプチダーゼであるために、機能する。様々な濃度のトリプシンを使用して、凝血時間の範囲を生成することができる。
トリプシンは、様々な生物災害を誘発しない無脊椎動物又は脊椎動物供給源、例えばザリガニ、被嚢動物、ヤツメウナギ、サケ、ニワトリ、ブタ、及びマウスなどから単離することができる。
いくつかの実施態様において、トリプシン濃度は臨床試料中で典型的に遭遇するINR値の範囲と同等になるように選択することができる。他の実施態様において、様々な分析装置で利用される液体質管理(LQC)溶液について予想されるINR値の範囲内にあるトリプシン濃度を使用することができる。
本明細書で開示する溶液及び方法は、臨床状況において予想されるINR又はACTの結果の典型的な範囲内にある値を提供するように設計する。本明細書で報告するAPTT値は全血、1段階、非較正APTT値を示す。当業者には、調整により見かけのAPTT値を異なる範囲内に入るように整えることができることが明らかであろう。
タンパク質分解酵素は様々な方法で安定化させることができる。例えば、酵素は低温、比較的に高い濃度のカルシウム又はマグネシウムなどの二価カチオン、リシン残基の還元的メチル化、及び/又は酵素の凍結乾燥とそれに続く個別の液体試料による再構成により安定化させることができる。
いくつかの実施態様において、本明細書に開示される溶液は、4、20、30、又は40℃、及び好ましくは約4℃又は約20℃の温度で1週間以上、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、12週間、4月、6月、1年、2年、3年、4年、又はそれ以上の期間の有効期間を有する。
生物災害を誘発しない溶液は、緩衝剤、界面活性種、安定化剤、又はそれらの任意の組合わせをさらに含み得る。使用する緩衝剤、表面活性種、及び/又は安定化剤は、分析装置に応じて決定することができる。緩衝剤は、トリス、MOPS、Hepes、及びPIPESなどとし得る。表面活性種は好ましくは非イオン性の界面活性剤、例えばTween-20、Triton X-100、Brij 35、及びNonidet P40などとし得る。安定化剤はカルシウム及びマグネシウムなどとし得る。緩衝剤、表面活性種、及び/又は安定化剤の濃度は、分析装置に応じて調整することができる。いくつかの実施態様において、本発明は抗微生物保存料を必要としない。
生物災害を誘発しない溶液は分析装置のエラートラップを乗り越えるための成分をさらに含むことができる。例えば、例としてグリセロール、デキストラン、又はヒドロキシメチルセルロースなどの成分を追加して溶液の粘性を増加させることができ、又は成分を使用して溶液に色を加え、又はその色を変えることができる。さらに、塩を加えて溶液のイオン含有量を調整することができる。
本発明の実施態様は、ボトル又はバイアル中の混合済み生物災害を誘発しない溶液を含むキットに関する。他の実施態様において、キットは凍結乾燥タンパク質分解酵素を含む第1のボトル又はバイアル、及び液体を含む第2のボトル又はバイアルを含み得る。第1及び第2のバイアルの溶液は、使用前に混合することができる。キットは、溶液を使用するための説明書をさらに含み得る。
本発明の実施態様は、1以上の血液凝固センサ基質とともに使用してシグナル関連凝血時間を生成するための生物災害を誘発しない溶液を作製する方法に関する。方法は、pH緩衝剤をタンパク質分解酵素と混合すること及びタイムスケール及び分析装置の閾値に基づいてタンパク質分解酵素の濃度を決定することを含み得る。いくつかの実施態様において、pHの選択はトリプシン活性に最適なpH範囲(pH 7〜9)によって導いてもよい。
図1は血餅形成の古典的な凝固経路を示す。例えばポイントオブケア分析装置によって実施される様々な検査により、ヒト患者血液の凝血時間又は能力を測定することが試みられている。ある検査、例えば活性化凝固時間(ACT)は、検査ストリップ上にヒト血液試料を配置すること、及び血液の活性化因子との表面接触を通じて内因性経路を測定することにより実施する。検査ストリップ上の典型的な活性化因子はカオリン粘土とし得る。検査ストリップへの血液の適用により、血液の内因性経路が活性化される。その結果、凝固カスケードが引き起こされていくつかの血液因子が生成され、これらは血液又は検査ストリップの成分、例えばリン脂質及びカルシウムイオンと反応し、プロトロンビンからトロンビンを形成する。トロンビンは負傷していない健常患者では典型的に、容易に感知できる程度の濃度では存在しない。
別の検査は、図1に示す外因性経路を通じて凝血を測定するプロトロンビン時間/国際標準化比(PT/INR)である。ここで血液試料は組織因子を含む検査ストリップに適用することができる。組織因子と相互作用する血液試料は組織損傷を刺激し、第IIa因子(トロンビン)を生成する。
Abbot Point of Care社製のi-Stat手持ち式血液分析装置などの分析装置において、検査ストリップにおいて生成されたトロンビンのレベルを測定して血液試料の凝血能を決定する。トロンビン基質を試料中に形成されたトロンビンによって切断する;このプロセスにより、脱離基が生成する。トロンビンはアミノ酸アルギニンのカルボキシル側でペプチド鎖を切断する。様々な検出方法、例えば公知の比色定量又は電気化学的方法を使用して切断された脱離基を検出することができる。
(実施例)
(実施例1:UBI PT/INRストリップ)
第1の実施例において、様々な濃度のトリプシン(0.0625 ug/mL〜10 ug/mL)を0.5 M トリス、pH 7.5、50 mM CaCl2、及び1 mg/mL Tween-20に添加した。本実施例では、ブタ膵臓トリプシンを使用した。
使用されたトリプシン濃度範囲を、臨床試料中で典型的に遭遇するINR値の範囲と同等になるように選択した。しかしながら本明細書に記載したように、他の使用では、様々な分析装置で利用される液体質管理(LQC)溶液について予想されるINR値の範囲内にあるトリプシン濃度を使用することも有利となり得る。
7.5というpHの選択はトリプシン活性に最適なpH範囲(pH 7〜9)によって導いた。本実施例における比較的に高いカルシウム濃度を使用して、トリプシンを自己分解に対して安定化させた。非イオン性界面活性剤Tween-20はプラスチックの表面をコーティングし、希釈タンパク質の表面への接着及び変性を防止し、又はそれらを遅延させるのを助けるため、それを含めた。
本実施例中の溶液は生物災害を誘発しないと考えられる。Siemens Healthineers Xprecia Strideストリップ及び液体質管理溶液である同等の計測器を用いて検査する場合、生じた過渡現象(transients)は中途半端な設置及びストリップのはみ出しを検出するために使用される計測器における様々なエラートラップアルゴリズムによってトラップされなかった。従って、本実施例における生物災害を誘発しない溶液は、計測器によってあたかもそれが液体質管理試料であるかのように読み取られた。典型的な液体質管理溶液は血漿から作製されているために生物災害を誘発し得るものであり、かついったん作製されたら短期間だけ実用される。
「LQCアルゴリズム」によって得られるINR値の範囲は、臨床試料中で遭遇する範囲に及ぶ(図2Aを参照されたい)。X軸の単純な変換により、データは線形化される(図2B参照)。図2A及び2Bの値は以下の表1に提供される。
Figure 2020504290
0.87、1.6、及び3.8 ug/mL TrypZean(トウモロコシ中に発現するウシ膵臓トリプシンの組換え形態)を10 mMトリス、pH 7.5、50 mM CaCl2、1 mg/mL Tween-20、及び0.1 mg/mLインジゴカルミン(溶液を使用者に見せることを助ける青色食品色素)を含む溶液に添加した。溶液は-20、4、20、30、及び40℃で保存し、294日の期間にわたり様々な時間で検査した。0.5単位(2未満のINR値に対し)又は30%(2超のINR値に対し)未満のINRの変化を許容し得るものとみなした。
図3における結果は、4及び20℃で保存された3.8 ug/mLトリプシン溶液が、試験期間の全体にわたって許容し得る範囲内の結果を有したことを示す。様々な温度での3.8 ug/mLトリプシン溶液の有効期間を、以下の表に要約する。結果から、溶液は極限的温度(数回の凍結解凍サイクル、又は40℃で2、3日)にも耐え得ることが示される。さらに、上記のように溶液を混合して、使用前に冷蔵温度で4年間又は20℃で1年間保存することができる。対照的に、典型的なLQC試料は、混合してから20分間以内に使用しなければならない。
Figure 2020504290
上記実施例では、トリプシンの自己分解を防止するために比較的に高いカルシウム濃度及び比較的低い温度を使用した。安定なトリプシン溶液を得る他の方法であって、例えば:
1) トリプシン中のリシン残基の還元的メチル化;
2) 安定性について最適化された特別に設計された組換えトリプシン分子の使用、を含む、前記方法がある。組換えアプローチの他の利点は、トリプシンが動物由来でなく、従って病原性生物を含む可能性が非常に低いことである。
(実施例2:UBI ACTストリップ)
第2の実施例において、生物災害を誘発しない検査溶液を開発中の内因性経路アッセイ1について作製した。
図4Aは、内因性経路アッセイ1の凝血時間対様々な濃度のトリプシン(6.25〜125 ng/mL)のプロットを示し、図4Bは、線形化された変換図を示す。図4A及び4Bの値を以下の表3に提供する。
Figure 2020504290
(実施例3:UBI活性化部分的トロンボプラスチン時間ストリップ)
生物災害を誘発しない検査溶液はまた、開発中の内因性経路アッセイ2に有用であり、該アッセイでは異なる接触因子活性化因子を使用する。
図5Aは、内因性経路アッセイ2の凝血時間対様々な濃度のトリプシン(62.5〜250 ng/mL)のプロットを示し、図5Bは、線形化された変換図を示す。図5A及び5Bの値を以下の表4に提供する。
Figure 2020504290
(実施例4:Abbott i-Stat測定器及びACTカートリッジ)
生物災害を誘発しない溶液は、i-Stat計測器及びACTカートリッジとともに使用することが可能である。
以下の表5は異なる濃度のトリプシン(6.25〜34.4 ng/mL)を用いて得られた凝血時間を示す。
Figure 2020504290

Claims (15)

  1. 凝血時間に関するシグナルを生成する1以上の血液凝固センサ基質とともに使用するための溶液であって、生物災害を誘発しない、前記溶液。
  2. そのC末端に電気化学的メディエータ又は比色定量若しくは蛍光原報告基と結合したアミノ酸を含むペプチドを切断するタンパク質分解酵素を含む、請求項1記載の溶液。
  3. 前記酵素がアルギニンのカルボキシル側を切断する、請求項2記載の溶液。
  4. 前記アミノ酸がアミド結合により前記電気化学的メディエータ又は比色定量若しくは蛍光原報告基と結合している、請求項2記載の溶液。
  5. 前記タンパク質分解酵素が前記ペプチドから不活性型電気化学的メディエータを放出して、活性型電気化学的メディエータを生成する、請求項2記載の溶液。
  6. 前記活性型電気化学的メディエータを電気化学的方法によって定量化する、請求項5記載の溶液。
  7. 前記電気化学的方法がクロノアンペロメトリーである、請求項6記載の溶液。
  8. 前記タンパク質分解酵素がセリンプロテアーゼである、請求項2記載の溶液。
  9. 前記セリンプロテアーゼがトリプシン又はトロンビンである、請求項8記載の溶液。
  10. 緩衝剤、表面活性種、及び/又は安定化剤をさらに含む、請求項2記載の溶液。
  11. 分析装置におけるエラーチェックを乗り越えるための成分をさらに含む、請求項2記載の溶液。
  12. 1以上の生物災害を誘発しない溶液、又は1以上の生物災害を誘発しない溶液を作製するための固体及び液体を含むキット。
  13. 生物災害を誘発しない溶液を1以上の血液凝固センサ基質とともに使用して凝血時間を生成するための方法であって:
    生物災害を誘発しない溶液を電気化学的メディエータと結合した1以上の血液凝固センサ基質と混合すること;
    該電気化学的メディエータを測定すること;及び
    凝血時間を生成すること、を含む、前記方法。
  14. 分析装置において1以上の血液凝固センサ基質とともに使用して、凝血時間を生成するための生物災害を誘発しない溶液の生成方法であって:
    pH緩衝剤をタンパク質分解酵素と混合すること;
    タイムスケール及び該分析装置の閾値に基づいて該タンパク質分解酵素の濃度を決定すること;並びに
    該分析装置において1以上の血液凝固センサ基質とともに使用して、凝血時間を生成するための生物災害を誘発しない溶液を生成すること、を含む、前記方法。
  15. 生物災害を誘発しない溶液中で血中トロンビンを模倣するタンパク質分解酵素として使用するためのトリプシン。
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