JP2020502287A - イソブチレン及びハロアルキルスチレン単位を有するエラストマーブロックを含むブロックコポリマーを含むタイヤ - Google Patents

イソブチレン及びハロアルキルスチレン単位を有するエラストマーブロックを含むブロックコポリマーを含むタイヤ Download PDF

Info

Publication number
JP2020502287A
JP2020502287A JP2019520541A JP2019520541A JP2020502287A JP 2020502287 A JP2020502287 A JP 2020502287A JP 2019520541 A JP2019520541 A JP 2019520541A JP 2019520541 A JP2019520541 A JP 2019520541A JP 2020502287 A JP2020502287 A JP 2020502287A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
block
block copolymer
elastomer
styrene
tire
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2019520541A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2020502287A5 (ja
Inventor
エマニュエル カストデロ
エマニュエル カストデロ
マルク グライヴェルディンガー
マルク グライヴェルディンガー
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Compagnie Generale des Etablissements Michelin SCA
Original Assignee
Compagnie Generale des Etablissements Michelin SCA
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Compagnie Generale des Etablissements Michelin SCA filed Critical Compagnie Generale des Etablissements Michelin SCA
Publication of JP2020502287A publication Critical patent/JP2020502287A/ja
Publication of JP2020502287A5 publication Critical patent/JP2020502287A5/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60CVEHICLE TYRES; TYRE INFLATION; TYRE CHANGING; CONNECTING VALVES TO INFLATABLE ELASTIC BODIES IN GENERAL; DEVICES OR ARRANGEMENTS RELATED TO TYRES
    • B60C1/00Tyres characterised by the chemical composition or the physical arrangement or mixture of the composition
    • B60C1/0008Compositions of the inner liner
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60CVEHICLE TYRES; TYRE INFLATION; TYRE CHANGING; CONNECTING VALVES TO INFLATABLE ELASTIC BODIES IN GENERAL; DEVICES OR ARRANGEMENTS RELATED TO TYRES
    • B60C1/00Tyres characterised by the chemical composition or the physical arrangement or mixture of the composition
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F297/00Macromolecular compounds obtained by successively polymerising different monomer systems using a catalyst of the ionic or coordination type without deactivating the intermediate polymer
    • C08F297/02Macromolecular compounds obtained by successively polymerising different monomer systems using a catalyst of the ionic or coordination type without deactivating the intermediate polymer using a catalyst of the anionic type

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Graft Or Block Polymers (AREA)
  • Tires In General (AREA)

Abstract

本発明は、少なくとも1種のスチレンモノマーからの単位を含む少なくとも1つの熱可塑性ブロックと、イソブチレンからの単位及び少なくとも1種のハロアルキルスチレンモノマーからの単位を含む統計コポリマーの形態の少なくとも1つのエラストマーブロックとを含むブロックコポリマーを含むニューマチックタイヤに関する。本発明は、ニューマチックタイヤの緊密層における前記ブロックコポリマーの使用にも関する。本発明はさらに、少なくとも50pceの前記ブロックコポリマーを含むをエラストマーマトリックスを含むエラストマー組成物に基づく緊密層を備えたニューマチックタイヤに関する。【選択図】なし

Description

本発明は、1種以上のスチレンモノマーに由来する単位を含む少なくとも1つの熱可塑性ブロックと、少なくとも、イソブチレンに由来する単位及び1種以上のハロアルキルスチレンモノマーに由来する単位を含む統計コポリマーの形態の少なくとも1つのエラストマーブロックとを含むブロックコポリマーを含むタイヤに関する。
本発明は、前記タイヤの漏れ止め層におけるこのブロックコポリマーの使用にも関する。
最後に、本発明は、少なくとも50phrのブロックコポリマーを含むエラストマーマトリックスを含むエラストマー組成物に基づく漏れ止め層を備えたタイヤに関する。
チューブレスタイヤは、タイヤの収縮を防止するため及び酸化感受性金属コードを含むプライのような酸素及び水の流入からタイヤの感受性内部領域を保護するために空気に対して低透過性の内面を有し、この保護がタイヤの耐久性の改善を可能にする。
今日、タイヤ内面のこのような保護は、一般的にブチルゴムに基づくエラストマー組成物で構成された内層によって行われる。
しかしながら、これらのブチルゴムに基づく漏れ止め層は、かなりのヒステリシス損失を有し、結果としてタイヤの転がり抵抗を増大させる。この転がり抵抗を低減させる目的で、出願人は、スチレン/イソブチレン/スチレンブロックを含有する熱可塑性エラストマーを主エラストマーとして含むタイヤ用漏れ止め層についてWO 2008/145276に記述した。
それにもかかわらず、カーカスプライのように、ブロック熱可塑性エラストマーを含む該漏れ止め層の、タイヤの隣接ジエン層への接着を改善することが有利なままである。
詳細には、カーカスプライへの漏れ止め層の良好な接着は、タイヤの適合後に漏れ止め層の脱離を回避するためにタイヤの製造中に、また種々の機械的応力及び温度応力下でのタイヤの耐用年数中にも必要である。
並行して、漏れ止め層は、膨張ガスに対して漏れ止めの良好な特性を保たなければならない。
今や、驚くべきことに、1種以上のスチレンモノマーに由来する単位を含む少なくとも1つの熱可塑性ブロックと、少なくともイソブチレンに由来する単位及び1種以上のハロアルキルスチレンモノマーに由来する単位を含む統計コポリマーの形態の少なくとも1つのエラストマーブロックとを含むブロックコポリマーが、この技術的課題を満たすことを可能にするタイヤ用漏れ止め層を形成できることを発見した。
その結果として、本発明の1つの主題は、1種以上のスチレンモノマーに由来する単位を含む少なくとも1つの熱可塑性ブロックと、少なくとも、イソブチレンに由来する単位及び1種以上のハロアルキルスチレンモノマーに由する単位を含む統計コポリマーの形態の少なくとも1つのエラストマーブロックとを含むブロックコポリマーを含むタイヤである。
このブロックコポリマーは、タイヤの漏れ止め層の基礎として役立つエラストマー組成物に使用可能である。
このようにして得られた漏れ止め層は、一方で、未硬化状態でも硬化状態でもカーカスプライへの良好な接着を示し、他方で、膨張ガスに対して良好な漏れ止め性を示す。
その結果として、本発明の主題は、タイヤの漏れ止め層におけるこのブロックコポリマーの使用でもある。
最後に、本発明の主題は、少なくとも50phrのこのブロックコポリマーを含むエラストマーマトリックスを含むエラストマー組成物に基づく漏れ止め層を備えたタイヤである。
本発明及びその利点は、以下の説明及び例示実施形態の観点から容易に理解されることになる。
本説明では、明確に別段の指示がない限り、示した全ての百分率(%)は質量%である。
さらに、表現「aとbの間」によって表される値のいずれの区間も、aより大きいからbより小さいに及ぶ値の範囲を表し(すなわち、限界a及びbは除外され)、一方で、表現「a〜b」によって表される値のいずれの区間も、aからbまでに及ぶ値の範囲を意味する(すなわち、厳密な限界a及びbを含む)。
本出願では、用語「エラストマー百部当たりの部」又は「phr」は、エラストマー組成物中で、エラストマーが熱可塑性であれ、非熱可塑性であれ、エラストマー100部当たりの、すなわちエラストマーの総質量の、成分の質量部を意味する。従って、例えば、60phrの成分はエラストマー組成物のエラストマー100g当たり60gのこの成分を意味することになる。
本出願の常として、互換性のある用語「エラストマー」及び「ゴム」を本テキストでは区別せずに使用する。
その結果として、本発明の第一主題は、1種以上のスチレンモノマーに由来する単位を含む少なくとも1つの熱可塑性ブロックと、少なくとも、イソブチレンに由来する単位及び1種以上のハロアルキルスチレンモノマーに由来する単位を含む統計コポリマーの形態の少なくとも1つのエラストマーブロックとを含むブロックコポリマーを含むタイヤである。
本説明では、用語「スチレンモノマー」は、スチレンに基づく、非置換又は置換のいずれのモノマーをも意味するものと理解すべきである。
本出願では、用語「アルキル」は、1〜10個、好ましくは1〜5個の炭素原子を含む置換又は非置換炭化水素に基づく基を意味するものと理解すべきである。
本発明の目的では、用語「ブロック」は、少なくとも5単位、好ましくは少なくとも10単位で構成されたポリマー鎖を意味する。
用語「熱可塑性ブロック」は、このブロックが、1種以上のスチレンモノマーに由来する5単位、好ましくは少なくとも10単位の少なくとも1つのシーケンスを含むことを意味する。
用語「統計コポリマーの形態のエラストマーブロック」は、このブロックが、5単位、好ましくは少なくとも10単位の少なくとも1つのシーケンスを含み、前記シーケンスは、少なくとも、イソブチレン由来単位及び1種以上のハロアルキルスチレンモノマー由来単位のランダム分布によって構成されていることを意味する。
従って、本発明では、熱可塑性ブロックは、1種以上のスチレンモノマーに由来する単位を含む。
好ましくは、スチレンモノマーは、スチレン、o-、m-又はp-メチルスチレン、αメチルスチレン、βメチルスチレン、2,6-ジメチルスチレン、2,4-ジメチルスチレン、αメチル-o-メチルスチレン、αメチル-m-メチルスチレン、αメチル-p-メチルスチレン、βメチル-o-メチルスチレン、βメチル-m-メチルスチレン、βメチル-p-メチルスチレン、2,4,6-トリメチルスチレン、αメチル-2,6-ジメチルスチレン、αメチル-2,4-ジメチルスチレン、βメチル-2,6-ジメチルスチレン、βメチル-2,4-ジメチルスチレン、o-、m-又はp-クロロスチレン、2,6-ジクロロスチレン、2,4-ジクロロスチレン、αクロロ-o-クロロスチレン、αクロロ-m-クロロスチレン、αクロロ-p-クロロスチレン、βクロロ-o-クロロスチレン、βクロロ-m-クロロスチレン、βクロロ-p-クロロスチレン、2,4,6-トリクロロスチレン、αクロロ-2,6-ジクロロスチレン、αクロロ-2,4-ジクロロスチレン、βクロロ-2,6-ジクロロスチレン、βクロロ-2,4-ジクロロスチレン、o-、m-又はp-ブチルスチレン、o-、m-又はp-メトキシスチレン、o-、m-又はp-クロロメチルスチレン、o-、m-又はp-ブロモメチルスチレン、シリル基で置換されたスチレン誘導体、及びこれらのモノマーの混合物から選択される。
さらに特に好ましくは、スチレンモノマーは、スチレン、αメチルスチレン、及びこれらのモノマーの混合物から選択され、さらに優先的にはスチレンモノマーはスチレンである。
本発明では、エラストマーブロックは、少なくとも、イソブチレンに由来する単位及び1種以上のハロアルキルスチレンモノマーに由来する単位を含む統計コポリマーの形態である。
好ましくは、ハロアルキルスチレンモノマーは、クロロアルキルスチレン、ブロモアルキルスチレン及びヨードアルキルスチレンモノマー、並びにこれらのモノマーの混合物から選択され、さらに優先的にはハロアルキルスチレンモノマーは、ブロモアルキルスチレン及びクロロアルキルスチレンモノマーから選択され、なおさらに優先的にはハロアルキルスチレンモノマーはブロモメチルスチレンであり、特にハロアルキルスチレンモノマーはパラ-ブロモメチルスチレンである。
好ましくは、1種以上のハロアルキルスチレンモノマーに由来する単位のエラストマーブロック中の含量は、ブロックコポリマー単位のモル数に対して0.5〜5モル%の範囲である。
本発明で有利には、ブロックコポリマーの熱可塑性ブロックは、ブロックコポリマーの総質量に対して、5〜50質量%に相当し、好ましくは10〜40質量%に相当し、さらに優先的には15〜35質量%に相当する。
本出願において、少なくとも1つの熱可塑性ブロック及び少なくとも1つのエラストマーブロックを含むブロックコポリマーのガラス転移温度に言及するとき、それはエラストマーブロックに関するガラス転移温度である。詳細には、既知の方法で、本発明のブロックコポリマーのようなブロックコポリマーは、2つのガラス転移温度ピークを有し(Tg、ASTM D3418に従って測定)、最低温度はブロックコポリマーのエラストマー部分に関連し、最高温度はブロックコポリマーの熱可塑性部分に関連する。従って、ブロックコポリマーのエラストマーブロックは、室温(25℃)未満のTgによって定義され、一方でブロックコポリマーの熱可塑性ブロックは80℃超のTgを有する。有利には、本発明に従って使用し得るブロックコポリマーは、-20℃未満、好ましくは-40℃未満のガラス転移温度を有する。これらの最小値を超えるTg値は、超低温での使用中の漏れ止め層の性能特性を減じる可能性がある。このような使用のためには、本発明のブロックコポリマーのTgは-50℃未満であるのが好ましい。
本発明に従って使用し得るブロックコポリマーの数平均分子量(Mnと記述)は、優先的には30000〜500000g/モルの範囲、さらに優先的には40000〜400000g/モルの範囲である。指示した最小値未満では、エラストマー鎖間の凝集力が、特にエクステンダー油又は他の液体可塑剤でそれらが希釈される可能性があるため、影響を受けるリスクがある。さらに、過剰に高い分子量Mnは、漏れ止め層の可撓性に有害であり得る。従って、特にタイヤの漏れ止め層にブロックコポリマーを使用するためには、50000〜300000g/モルの範囲の値が特によく適合することが分かった。
好ましくは、本発明に従って使用し得るブロックコポリマーは、100000〜250000g/モルの範囲の質量平均分子量(Mwと記述)を有する。
本発明に従って使用し得るブロックコポリマーの数平均分子量(Mn)及び質量平均分子量(Mw)は、既知の方法で、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)により決定される。最初にサンプルをテトラヒドロフランに溶かして約1g/Lの濃度にしてから溶液を0.45μm有孔性フィルターでろ過した後に注入する。使用装置はWaters Allianceクロマトグラフラインである。溶出溶媒はテトラヒドロフランであり、流速は0.7ml/分であり、システムの温度は35℃であり、分析時間は90分である。1連のStyragel商品名(HMW7、HMW6E及び2つのHT6E)の4つのWatersカラムを順次使用する。ポリマーサンプル溶液の注入体積は100μLである。検出器はWaters 2410示差屈折計であり、クロマトグラフデータを利用するためのその関連ソフトウェアはWaters Millenniumシステムである。平均モル質量の計算値は、ポリスチレン標準物質で生成された更正曲線に関するものである。
本発明に従って使用し得るブロックコポリマーの多分散指数(Ip=Mw/Mn)は、好ましくは3未満であり;さらに優先的には、多分散指数は2未満である。
好ましくは、本発明に従って使用し得るブロックコポリマーは、熱可塑性ブロック/エラストマーブロックジブロックコポリマー、熱可塑性ブロック/エラストマーブロック/熱可塑性ブロックトリブロックコポリマー及びこれらのコポリマーの混合物から選択され、好ましくはブロックコポリマーは熱可塑性ブロック/エラストマーブロック/熱可塑性ブロックトリブロックコポリマーである。
本発明に従って使用し得るブロックコポリマーは、好ましくは本発明のタイヤの漏れ止め層に使用される。
従って、本発明の別の主題は、タイヤの漏れ止め層における上記ブロックコポリマーの使用である。
本発明の別の主題は、少なくとも50phrの上記ブロックコポリマーを含むエラストマーマトリックスを含むエラストマー組成物に基づく漏れ止め層を備えたタイヤである。
用語「エラストマー組成物に基づくタイヤ用漏れ止め層」は、漏れ止め層が、エラストマー組成物に使用される種々の成分の混合物及び/又は反応生成物を含み、これらの基本成分のいくつかは、漏れ止め層の製造の種々の段階中、特にその架橋及び/又は加硫中に、少なくとも部分的に、互いに反応できるか又は反応するよう意図されていることを意味するものと理解すべきである。
本発明の目的では、用語「エラストマーマトリックス」は、エラストマー組成物の全てのエラストマー(又はゴム)を意味する。従って、エラストマーマトリックスは、特に単一のエラストマーで構成され得るが、2種以上のエラストマーのブレンドで構成されてもよい。
本発明に従って使用し得るブロックコポリマーは、エラストマーマトリックスの総質量の少なくとも50phr、すなわち少なくとも50質量%に相当する。
好ましくは、本発明において、エラストマー組成物のブロックコポリマーの含量は、70〜100phrの範囲、好ましくは90〜100phrの範囲である。
特に好ましくは本発明において、本発明に使用し得るブロックコポリマーは、エラストマー組成物の唯一のエラストマーである。
それにもかかわらず、エラストマー組成物は、他のエラストマーを含んでもよい。
ブロックコポリマーに加えてエラストマー組成物に存在する他のエラストマーとしては、特にジエンエラストマーを挙げることができる。
用語「ジエン」エラストマー又はゴムは、既知の様式で、ジエンモノマー(2つの共役又は非共役炭素-炭素二重結合を有するモノマー)に少なくとも部分的に由来する1種以上のエラストマー(すなわち;ホモポリマー又はコポリマー)を意味するものと理解すべきである。
これらのジエンエラストマーは、2つのカテゴリー:「本質的に不飽和」又は「本質的に飽和」に分類することができる。
用語「本質的に不飽和」は、一般的に、少なくとも部分的に、15%(モル%)より多いジエン起源単位(共役ジエン)含量を有する共役ジエンモノマーに由来するジエンエラストマーを指す。「本質的に不飽和」のジエンエラストマーのカテゴリーでは、「高度に不飽和」のジエンエラストマーは、特に50%より多いジエン起源単位(共役ジエン)含量を有するジエンエラストマーを意味する。
従って、ジエンと、EPDM型αオレフィンとの特定コポリマーのようなジエンエラストマーを「本質的に飽和」のジエンエラストマー(常に15%未満の低含量又は超低含量のジエン起源単位)と記述することができる。
これらの定義を所与として、本発明のタイヤの漏れ止め層のエラストマーマトリックスに使用し得る用語「ジエンエラストマー」は、上記カテゴリーに関係なく、さらに特に下記を意味する:
(a)4〜12個の炭素原子を含有する共役ジエンモノマーの共重合によって得られる任意のホモポリマー;
(b)1種以上の共役ジエン相互又は8〜20個の炭素原子を含有する1種以上のビニル芳香族化合物との共重合によって得られる任意のコポリマー;
(c)エチレン及び3〜6個の炭素原子を含有するαオレフィンと、6〜12個の炭素原子を含有する非共役ジエンモノマーとの共重合によって得られる三元コポリマー、例えば、エチレン及びプロピレンと上記タイプの非共役ジエンモノマー、特に例えば1,4-ヘキサジエン、エチリデンノルボルネン又はジシクロペンタジエン等から得られるエラストマー。
以下のものは特に共役ジエンとして適している:1,3-ブタジエン、2-メチル-1,3-ブタジエン、2,3-ジ(C1-C5アルキル)-1,3-ブタジエン、例えば、2,3-ジメチル-1,3-ブタジエン、2,3-ジエチル-1,3-ブタジエン、2-メチル-3-エチル-1,3-ブタジエン又は2-メチル-3-イソプロピル-1,3-ブタジエン、アリール-1,3-ブタジエン、1,3-ペンタジエン又は2,4-ヘキサジエン。ビニル芳香族化合物として、スチレン、オルト-、メタ-、パラ-メチルスチレン、「ビニルトルエン」市販混合物、パラ-tert-ブチルスチレン、メトキシスチレン、クロロスチレン、ビニルメシチレン、ジビニルベンゼン及びビニルナフタレンが使用に適している。
前述のジエンコポリマー(カテゴリー(b))は、99質量と20質量%の間のジエン単位及び1質量%と80質量%の間のビニル芳香族単位を含有し得る。エラストマーは、使用うる重合条件、特に変性剤及び/又はランダム化剤の存在又は非存在並びに利用する変性剤及び/又はランダム化剤の量によって決まる任意のミクロ構造を有し得る。エラストマーは、例えば、ブロック、ランダム、シーケンシャル又はミクロシーケンシャルエラストマーであってよく、分散系又は溶液中で調製可能であり;それらは、カップリング剤及び/又は星形分岐剤又は官能化剤でカップリング及び/又は星形分岐或いは官能化され得る。
以下のものは使用に適している:ポリブタジエン、特に4%と80%の間の1,2-単位の含量(モル%)又は80%超のcis-1,4-単位の含量(モル%)を有するポリブタジエン、ポリイソプレン、ブタジエン/スチレンコポリマー、特に5質量%と50質量%の間、さらに特に20質量%と40質量%の間のスチレン含量、ブタジエン部分の4%と65%の間の1,2-結合含量(モル%)及び20%と80%の間のtrans-1,4-結合含量(モル%)を有するもの、ブタジエン/イソプレンコポリマー、特に5質量%と90質量%の間のイソプレン含量及び-40℃〜-80℃のガラス転移温度(Tg、ASTM D3418に従って測定)を有するもの、又はイソプレン/スチレンコポリマー、特に5質量%と50質量%の間のスチレン含量及び-25℃と-50℃の間のTgを有するもの。ブタジエン/スチレン/イソプレンコポリマーの場合、5質量%と50質量%の間、さらに特に10質量%と40質量%の間のスチレン含量、15質量%と60質量%、さらに特に20質量%と50質量%の間のイソプレン含量、5質量%と50質量%の間、さらに特に20質量%と40質量%の間のブタジエン含量、ブタジエン部分の4%と85%の間の1,2-単位含量(モル%)、ブタジエン部分の6%と80%の間のtrans-1,4-単位含量(モル%)、イソプレン部分の5%と70%の間の1,2-単位プラス3,4-単位含量(モル%)及びイソプレン部分の10%と50%の間のtrans-1,4-単位含量(モル%)を有するもの、さらに一般的に、-20℃と-70℃の間のTgを有する任意のブタジエン/スチレン/イソプレンコポリマーが使用に特に適している。
ブロックコポリマーに加えてエラストマーマトリックスに存在する他のエラストマーとしては、特にイソプレンエラストマーを挙げることができる。
用語「イソプレンエラストマー」は、既知の様式で、イソプレンホモポリマー又はコポリマー、言い換えれば天然ゴム(NR)、合成ポリイソプレン(IR)、種々のイソプレンコポリマー及びこれらのエラストマーの混合物から成る群より選択されるジエンエラストマーを意味する。イソプレンコポリマーのうち、特にイソプレン/スチレン(SIR)、イソプレン/ブタジエン(BIR)又はイソプレン/ブタジエン/スチレン(SBIR)コポリマーに言及することになる。このイソプレンエラストマーは、好ましくは天然ゴム又は合成cis-1,4-ポリイソプレンであり;これらの合成ポリイソプレンの中で、90%超、さらに優先的には98%超のcis-1,4-結合含量(モル%)を有するポリイソプレンを利用するのが好ましい。
前述の本発明のタイヤの漏れ止め層は、それだけで、提起された技術的課題を満たすことを可能にし;特に、それは、一方で、カーカスプライへの良好な接着を有し、他方で、膨張ガスに対して良好な漏れ止め性を有する。
しかしながら、本発明のタイヤの漏れ止め層に使用し得るエラストマー組成物は、1種以上のフィラーを含んでもよい。
本発明によれば、用語「フィラー」には、補強フィラー、半補強フィラー及び不活性フィラーが含まれる。
本発明の目的では、用語「補強フィラー」は、タイヤの製造に使用し得るエラストマー組成物を補強する能力で知られているいずれのタイプのフィラーをも意味し、例えばカーボンブラック等の有機フィラー或いは補強鉱物フィラーを意味する。
従って、本発明において、本発明のタイヤの漏れ止め層に使用し得るエラストマー組成物は、0〜50phrのカーボンブラックを含み得る。
全てのカーボンブラック、特にタイヤに通常使用されるHAF、ISAF又はSAFタイプのカーボンブラック(「タイヤグレード」ブラック)がカーボンブラックとして適している。これらのカーボンブラックのうち、さらに特に100、200又は300系列(ASTIグレード)の補強カーボンブラック、例えば、N115、N134、N234、N326、N330、N339、N347又はN375ブラック、或いは、目標とする用途に応じて、より高い系列のブラック(例えばN660、N683又はN772)、さらにN990に言及することになる。
言うまでもないが、1種だけのカーボンブラック又は異なるASTMグレードの数種のカーボンブラックのブレンドを使用することができる。
本発明のタイヤの漏れ止め層に使用し得るエラストマー組成物では、カーボンブラックは、組成物の唯一のフィラーを構成し得る。
本発明のタイヤの漏れ止め層に使用し得るエラストマー組成物は、カーボンブラックに加えて、1種以上の追加フィラーを含んでもよい。
この又はこれらの追加フィラーは、カーボンブラック以外の補強フィラー、半補強フィラー及び不活性フィラーから選択され得る。
従って、本発明のタイヤの漏れ止め層に使用し得るエラストマー組成物は、1種以上の補強鉱物フィラーを含んでもよい。
本出願では、用語「補強鉱物フィラー」は、定義によって、カーボンブラックとは対照的に、その色及びその起源に関係なく、「ホワイトフィラー」、「クリアフィラー」或いは「ノンブラックフィラー」としても知られ、それ単独で、中間カップリング剤以外のいずれの手段もなく、タイヤの製造を意図したエラストマー組成物を補強できる、言い換えれば、その補強役割において、通常のタイヤグレードのカーボンブラックに取って代わることができるいずれの無機又は鉱物フィラーをも意味するものと理解すべきであり;該フィラーは一般的に既知の様式で、その表面のヒドロキシル(-OH)基の存在を特徴とする。
補強無機フィラーが提供される物理的状態は、粉末、ミクロパール、顆粒、ビーズの形態であれ、或いは任意の他の適切な高密度化形態であれ、重要でない。当然に、補強無機フィラーは、様々な補強無機フィラー、特に後述する高分散性シリカ質及び/又はアルミナ質フィラーの混合物を意味するとも理解される。
シリカタイプの鉱物フィラー、特にシリカ(SiO2)、又はアルミナタイプの鉱物フィラー、特にアルミナ(Al7O3)は、補強鉱物フィラーとして特に適している。使用するシリカは、当業者に既知のいずれの補強シリカ、特に両方とも450m2/g未満、好ましくは30〜400m2/gであるBET比表面積及びCTAB比表面積を有するいずれの沈降シリカ又はヒュームドシリカであってもよい。
高分散性沈降シリカ(「HDS」として知られる)として、言及することになる例には、Degussa社からのUltrasil 7000及びUltrasil 7005シリカ、Rhodia社からのZeosil 1165MP、1135MP及び1115MPシリカ、PPG社からのHi-Sil EZ150Gシリカ、Huber社からのZeopol 8715、8745及び8755シリカ又は特許出願WO 03/16837に記載の高い比表面積を有するシリカが含まれる。
最後に、当業者は、本セクションに記載の補強鉱物フィラーに等価なフィラーとして、別の性質、特に有機性の補強フィラーを利用できるが、この補強フィラーは、シリカ等の鉱物層で覆われているか、或いはその表面に官能性部位、特にヒドロキシル部位を含むことを条件とすることを理解することになる。
エラストマー組成物に鉱物補強フィラー又は鉱物層で覆われるか若しくはその表面に官能性部位を含む別の性質の補強フィラーが存在すると、一般的にフィラーとエラストマーとの間の結合を確立するためにカップリング剤の使用を必要とする。
ここでは、用語「カップリング剤」は、既知の様式で、鉱物フィラー(又は上述の別の性質のフィラー)とエラストマーとの間に、物理的及び/又は化学的性質の十分な結合を確立できる薬剤を意味するものと想起される。
該カップリング剤、特にシリカ/エラストマーカップリング剤は、非常に多数の文書に記載されており、最も周知なのは、アルコキシ官能基及びエラストマーと反応できる官能基、例えばポリスルフィド官能基を有する二官能性有機シラン(すなわち、定義によれば、「アルコキシシラン」)である。
前述したように、本発明の漏れ止め層に使用し得るエラストマー組成物に存在し得る追加フィラーは半補強フィラーから選択可能である。
半補強フィラーは、それらだけではタイヤ製造を意図したエラストマー組成物を補強できない。言い換えると、それらはその補強役割において通常のタイヤグレードのカーボンブラックと交換するのには適さないが、それらが中に組み込まれるエラストマー組成物の引張係数の増加を可能にし、このことがそれらが半補強フィラーと呼ばれる理由である。
本発明の目的で存在し得る半補強フィラーとして、特にグラファイトを挙げることができる。
用語「グラファイト」は、一般的に炭素原子の非緻密六角シート、すなわちグラフェンの集合体を意味する。六方晶系であるグラファイトは、ABAB型の積み重ねを有し、B平面はA平面に対して平行移動され;それは結晶群:P63/mmc空間群に属する。
グラファイトは、カーボンブラック又はシリカとは異なり、補強フィラーとみなすことができない。グラファイトは、それが中に組み込まれるエラストマー組成物の引張係数の増加を可能にするだけであり、この組成物を補強できない。
これらの定義を所与として、本発明に従って使用できるグラファイトは、下記であるとさらに特に理解される:
(a)グラファイト脈に伴う不純物の分離後及び製粉後に変成作用によって影響を受けた岩に付随したいずれもの天然グラファイト;
(b)いずれもの熱膨張可能な天然グラファイト、すなわち液体状態の化合物、例えば酸がそのグラフェン平面間にインターカレートされている;
(c)いずれもの膨張天然グラファイト、このグラファイトは2段階で生成され:液体状態の化合物、例えば酸の、化学処理、及び高温膨張による天然グラファイトのグラフェン平面間のインターカレーション;
(d)石油コークスのグラファイト化によって得られたいずれもの合成グラファイト。
本発明のタイヤの漏れ止め層に使用し得るエラストマー組成物は、単一のグラファイト又は数種のグラファイトの混合物を含有し得る;従って、天然グラファイト及び/又は膨張グラファイト及び/又は合成グラファイトのブレンドであり得る。
上記グラファイトは、形態学的に層状又は非層状の形態であり得る。
好ましくは、本発明に従って使用し得るグラファイトは、層状形態である。
前述したように、追加フィラーは、不活性フィラーから選択可能である。
本発明に従って使用し得る不活性フィラーは、チョーク、粘土、ベントナイト、タルク、カオリン、ガラスミクロビーズ、ガラスフレーク、及びこれらの化合物の混合物から選択可能である。
本発明において、カーボンブラックは、有利には唯一の補強フィラー又は主要補強フィラーを構成し得る。
さらに特に好ましくは、カーボンブラックは、有利にはエラストマー組成物の唯一のフィラーを構成し得る。
漏れ止め内層のエラストマー組成物は、特許出願WO 2011/141466に記載の熱可塑性材料のミクロドメイン又はミクロ粒子を含んでもよい。
本発明のタイヤの漏れ止め層に使用し得るエラストマー組成物は可塑剤をも含み得る。
当業者に既知の様式で、「可塑剤」は、定義によれば室温(23℃)及び大気圧(1.013×105Pa)で液体又は固体であり、相溶性、すなわち使用比率でエラストマー組成物と混和性の化合物であり、このため真の希釈剤として作用するように意図されている。
好ましくは、本発明では、可塑剤は可塑化用油及び可塑化用樹脂から選択される。
定義によれば、可塑化用油(液体可塑剤としても知られる)は、室温及び大気圧で液体である。
この又はこれらの可塑化用油は、一般的に好ましくは-20℃未満、好ましくは-40℃未満の低ガラス転移温度(ASTM D3418に従って測定されるTg)を有する。
ガラス転移温度は、既知の方法で、ASTM D3418規格に従ってDSC(示差走査熱量測定)により測定される。
本発明のタイヤの漏れ止め層に使用し得る可塑化用油として、本発明で使用するエラストマーに対するそれらの可塑化特性が知られているいずれの「エクステンダー」油をも、それらが芳香族性又は非芳香族性のものであれ、利用することができる。
液体ジエンポリマー、ポリオレフィン油、ナフテン油、パラフィン油、DAE(蒸留芳香族抽出物(Distillate Aromatic Extracts))油、MES(中度抽出溶媒和物(Medium Extracted Solvates))油、TDAE(処理蒸留芳香族抽出物(Treated Distillate Aromatic Extracts))油、RAE(残留芳香族抽出物(Residual Aromatic Extracts)油、TRAE(処理残留芳香族抽出物(Treated Residual Aromatic Extracts))油、SRAE(安全残留芳香族抽出物(Safety Residual Aromatic Extracts))油、鉱物油、植物油、エーテル系可塑剤、エステル系可塑剤、リン酸系可塑剤、スルホン酸系可塑剤及びこれらの化合物の混合物によって構成される群から選択される液体可塑剤が使用に特に適している。
オレフィン又はジエンの重合の結果として生じる液体ポリマー、例えばポリブテン、ポリジエン、特にポリブタジエン、ポリイソプレン、ブタジエンとイソプレンのコポリマー、ブタジエン又はイソプレンとスチレンのコポリマー、及びこれらの液体ポリマーの混合物によって構成される群から選択されるものも使用に適している。該液体ポリマーの数平均分子量は、優先的には500g/モル〜50000g/モル、さらに優先的には1000g/モル〜10000g/モルに及ぶ範囲内である。特に言及し得る例としては、Sartomer社からのRicon製品が挙げられる。
200g/モルと40000g/モルの間の分子量を有する官能化又は非官能化ポリイソブチレンオイルも使用に適している。
本発明の別の優先的な実施形態によれば、可塑化用油は植物油(例えば亜麻仁油、紅花油、大豆油、トウモロコシ油、綿実油、ト菜種油、ヒマシ油、桐油、松根油、ヒマワリ油、パーム油、オリーブオイル、ヤシ油、落花生油、グレープシードオイル、及びこれらの油の混合物、特にヒマワリ油)である。
本発明の別の特定実施形態によれば、可塑化用油は、エーテル、例えばポリエチレングリコール又はポリプロピレングリコールである。
エステル系可塑剤、リン酸系可塑剤、スルホン酸系可塑剤及びこれらの化合物の混合物によって構成される群から選択される液体可塑剤も使用に適している。
残余として、可塑剤を可塑化用樹脂から選択してもよい。
可塑化用油とは対照的に、用語「可塑化用樹脂」は、室温(23℃)及び大気圧(1.013×105Pa)で固体である化合物を意味する。
この又はこれらの可塑化用樹脂は、一般的に20℃超、好ましくは30℃超のガラス転移温度(ASTM D3418に従って測定されるTg)を有する。
好ましくは、本発明に従って使用し得る可塑化用樹脂は、炭化水素に基づく可塑化用樹脂である。
炭化水素に基づく樹脂は、当業者に周知のポリマーであり、それらを「可塑化用」とさらに分類すると、本来的にエラストマー組成物に混和性である。
これらの炭化水素に基づく可塑化用樹脂は、一般的に20℃超のガラス転移温度及び170℃未満の軟化点を有する。
軟化点は、ASTM E-28規格に従って測定される。
それらは、例えばR. Mildenberg、M. Zander及びG. Collinによる表題「炭化水素樹脂」の書籍(New York, VCH, 1997, ISBN 3-527-28617-9)に広範に記載されており、その第5章は、特にタイヤゴム分野におけるそれらの用途に特化されている(5.5.“Rubber Tires and Mechanical Goods”)。
可塑化用樹脂は、脂肪族、ナフテン系又は芳香族或いは脂肪族/ナフテン系/芳香族タイプであってよく、すなわち脂肪族及び/又はナフテン系及び/又は芳香族モノマーに基づく。可塑化用樹脂は、天然又は合成であってよく、石油に基づいてもそうでなくてもよい(石油に基づく場合には、可塑化用樹脂は石油樹脂の名称下でも知られる)。可塑化用樹脂は、優先的には排他的に炭化水素に基づく。すなわち可塑化用樹脂は炭素原子と水素原子のみを含む。
本発明のタイヤの漏れ止め層に使用し得るエラストマー組成物中の可塑剤含量は、一般的に0phrから10phr未満の範囲である。
本発明のタイヤの漏れ止め層に使用し得るエラストマー組成物は、タイヤの製造を意図したエラストマー組成物に通常用いられる普通の添加剤、例えば化学的オゾン劣化防止剤、酸化防止剤、抗疲労剤、メチレン受容体(例えばフェノールノボラック樹脂)又はメチレン供与体(例えばHMT又はH3M)等の保護剤、硫黄に基づくか、又は硫黄供与体及び/若しくは過酸化物及び/若しくはビスマレイミドに基づく架橋系及び/又は加硫用樹脂、加硫促進剤又は加硫活性化剤の全て又は一部を含んでもよい。
本発明のタイヤの漏れ止め層に使用し得るエラストマー組成物は、当業者に周知の適切なミキサーで製造可能である。
好ましくは、本発明においては、本発明のタイヤの漏れ止め層に使用し得るエラストマー組成物は架橋されない。
このようにして得られた最終組成物は次に特に研究室で特徴づけするため、例えばシート又はプラークの形態でカレンダー加工してよく、或いは例えば漏れ止め層の製造に用いられるゴム特性要素を形成するために押し出してもよい。
一般に、本発明のタイヤは、個人的乗客タイプの自動車、SUV(スポーツ用多目的車)、二輪車(特にモーターバイク)、航空機、また産業車両、例えばバン、重量物運搬車及び他の輸送又は材料処理車が装備するよう意図される。
本発明及びその利点は、以下の例示実施形態の観点からさらに容易に理解される。
測定方法
接着(又は剥離)試験
接着試験(剥離試験)を行って、硬化後にジエンエラストマー層、さらに正確には天然ゴム(解膠)及びカーボンブラックN330(天然ゴム100部当たり65質量部)に基づき、普通の添加剤(硫黄、促進剤、ZnO、ステアリン酸、酸化防止剤)をも含む、タイヤカーカスを覆うための通常ゴム組成物に接着する本発明のタイヤの漏れ止め層の能力を調べた。
漏れ止め層のカレンダー加工層(1.5mm)及びジエンエラストマーのカレンダー加工層(1.2mm)を積み重ねることによって剥離試験片(180°型剥離用)を調製した。2つのカレンダー加工層間に初期破損を盛り込む。
組立後の試験片を加圧下180℃で10分間加熱し、加圧下で冷却した。切断機を用いて30mm幅の条片にカットした。その後、初期破損の両側をInstron(登録商標)ブランドの引張試験機のジョーに入れた。試験は室温及び100mm/分の牽引速度で行った。引張応力を記録し、それを試験片の幅で標準化する。単位幅当たりの強度(N/mm)の曲線を引張試験機の可動載荷点変位(movable crosshead displacement)(0と200mmの間)の関数として得る。試験片の破損開始、ひいてはこの曲線の最大値に応じて接着値を選択した。この測定は室温と60℃の両方で行った。結果は、試験片の単位幅当たりの平均剥離力(N/mm)として表される。これらの例の性能を、慣例により性能の促進比較について100の性能に帰するコントロールに対して(100を基礎にして)標準化する。従って、100を基礎にして値が大きいほど、接着性能が良好である。
漏れ止め試験
この分析のため、相対圧力センサー(0〜6バールの範囲で較正)を備え、かつインフレーションバルブを備えたチューブに接続したオーブン(本件では60℃の温度)に入れた剛性壁浸透計(rigid-wall permeameter)を利用した。浸透計はディスク形(例えば、本件では直径65mm)で、1.5mmまでに及び得る均一厚さ(本件では0.5mm)を有する標準試験片を受けることができる。0.5Hz(2秒毎に1点)の頻度で連続取得を行うコンピューターに接続されているNational Instrumentsデータ取得カード(0〜10Vのアナログ4チャネル取得)に圧力センサーを接続する。システムの標準化、すなわち圧力が時間の関数として直線的に降下する安定状態の達成後に、試験片が通る圧力での破損の勾配αを時間の関数として与える線形回帰線から透過係数(K)を評価する。結果は、漏れ止め値((m4.N-1.s-1)/E-7)として表される。これらの例の性能を、慣例により性能の促進比較について100の性能に帰するコントロールに対して(100を基礎にして)標準化する。従って、100を基礎にして値が大きいほど、漏れ止め性能が良好であり、結果として透過係数Kは低い。
実施例
1)熱可塑性ブロック/エラストマーブロック/熱可塑性ブロックのブロックコポリマーの調製
比較ブロックコポリマー(C1)及び本発明の5種のブロックコポリマー(C2〜C6)を下記プロトコルに従って調製した。
ブロックコポリマーC1
ブロックコポリマーC1は、レファレンスSibstar 102T下でKaneka社より市販されている。
ブロックコポリマーC2
ブロックコポリマーC2は以下のように合成する。
5リットルの分離可能丸底フラスコ(重合容器)を窒素下に置いてから注射器を用いてn-ヘキサン(分子ふるい上で乾燥、404ml)及び塩化ブチル(分子ふるい上で乾燥、943ml)を加える。次に重合容器を-70℃のドライアイス/メタノール浴に浸漬させて冷却する。三方活栓を備え、イソブチレン(331ml、3.5mol)を含有する耐圧ガラス製収集フラスコにテフロン製供給チューブを接続する。窒素圧を利用してイソブチレンを重合容器に添加する。次に、塩化p-ジクミル(0.55g、2.4mmol)、トリエチルアミン(0.72g、7.1mmol)及びチタンテトライソプロポキシド(6.04ml、20mmol)を加える。次に四塩化チタン(15.7ml、143mmol)を加えて重合を開始させる。
その後すぐに、30分かけてパラ-メチルスチレン(11.2g、95mmol)を連続的に加える。イソブチレンとパラ-メチルスチレンの両方の転化率をガスクロマトグラフィー(GC)でモニターすると、転化率が98.5%超に達する。
次にスチレン(47.7ml、414mmol)を加え、スチレン転化率が80%に達するまで(転化をガスクロマトグラフィー(GC)でモニターする)重合溶液を撹拌する。重合溶液及びn-ヘキサンと塩化ブチルで構成された溶媒混合物(600g、3/7v/v)を脱イオン水(1200g)を55℃で含有する失活容器に入れて反応をクエンチしてからこの混合物を60分間撹拌する。次に重合溶液を脱イオン水(3×2000g)で洗浄する。溶媒及び類似物を粗反応生成物から蒸発させ、減圧下で80℃にて24時間洗浄して無ブロモブロックコポリマーを得る。
無ブロモブロックコポリマー(220g)を塩化ブチル(873g)及びn-ヘキサン(73g)に2リットルの丸底フラスコ内で溶かす。ステンレススチール製シャフトを用いて1時間撹拌するポリマー溶液に窒素を導入する。次に、臭素(14.2g,89mmol)及びアゾビスイソブチロニトリル(0.294g、1.8mmol)を加えて混合物を油浴内で95℃に加熱する。20分後、脱イオン水(200ml)を加え、ポリマー溶液が脱色されるまで混合物を撹拌する。減圧下で80℃にて24時間溶媒及び類似物を粗反応生成物から蒸発させて、本発明のブロモブロックコポリマーC2を得る。
エラストマーブロック(イソブチレン/ブロモチルスチレンコポリマー)、無ブロモブロックコポリマー及び最終ブロモブロックコポリマーの分子量をゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定する。
ブロックコポリマーC3
ブロックコポリマーC3は以下のように合成する。
200リットルの容器(重合容器)を窒素下に置いてからn-ヘキサン(分子ふるい上で乾燥、23.7kg)及び塩化ブチル(分子ふるい上で乾燥、74.3kg)を溶媒パイプにより加える。次にHFC-23(フルオロカーボン)の断熱ジャケットにより重合容器を-70℃で冷却する。イソブチレンタンクからイソブチレン(17.4kg、310mol)を重合容器に添加する。次に、塩化ブチル(分子ふるい上で乾燥、0.31L)に溶かした塩化p-ジクミル(48.8g、0.21mol)、トリエチルアミン(64.1g、0.63mol)及びチタンテトライソプロポキシド(600g、2.1mol)を添加容器により窒素の圧力を利用して加える。次に四塩化チタン(2.8kg、14.8mol)を加えて重合を開始させる。
その後すぐに、n-ヘキサン(分子ふるい上で乾燥、0.24L)に溶かしたパラ-メチルスチレン(0.10kg、8.4mol)及び塩化ブチル(分子ふるい上で乾燥、0.57L)を30分かけて連続的に添加する。イソブチレンとパラ-メチルスチレンの両方の転化率をガスクロマトグラフィー(GC)でモニターすると、転化率が98.5%超に達する。
次にスチレン(3.8kg、36.8mol)を重合容器に加える。スチレンの転化率をガスクロマトグラフィー(GC)でモニターする。スチレン転化率が80%に達したら、重合溶液及びn-ヘキサンと塩化ブチルで構成された溶媒混合物(37.1kg、3/7v/v)を、48質量%のNaOH溶液(12.3kg)及び脱イオン水(112.7kg)を55℃で含有する失活容器に入れて反応をクエンチしてから、この混合物を60分間撹拌する。次に重合溶液を脱イオン水(3×125kg)で洗浄する。溶媒及び類似物を粗反応生成物から蒸発させ、減圧下で80℃にて24時間洗浄して無ブロモブロックコポリマーを得る。
無ブロモブロックコポリマー(2.2kg)を塩化ブチル(9.5L)及びn-ヘキサン(4.1L)に20リットルの丸底フラスコ内で溶かす。ステンレススチール製シャフトを用いて1時間撹拌するポリマー溶液に窒素を導入する。次に、臭素(67.8ml、1.37mol)を加えて混合物に可視光(LED 4×7.3W)を照射する。臭素化工程の転化率をNMR法によってモニターする。臭素化工程の転化率が90%に達したら、塩化ブチル(1.07kg)及び10質量%のNa2SO3を含有する水溶液(1.78kg)を加え、ポリマー溶液が脱色されるまて混合物を撹拌する。次に臭素化ポリマー溶液を脱イオン水(2×1.5kg)で洗浄し、MgSO4上で乾燥させる。ポリマー溶液を濾過し、減圧下で80℃にて24時間溶媒及び類似物を粗反応生成物から蒸発させて、本発明のブロモブロックコポリマーC3を得る。
エラストマーブロック(イソブチレン/ブロモメチルスチレンコポリマー)、無ブロモブロックコポリマー及び最終ブロモブロックコポリマーの分子量をゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定する。
ブロックコポリマーC4
ブロックコポリマーC4は以下のように合成する。
5リットルの分離可能丸底フラスコ(重合容器)を窒素下に置いてから、n-ヘキサン(分子ふるい上で乾燥、515ml)及び塩化ブチル(分子ふるい上で乾燥、1202ml)を注射器を用いて加える。次に重合容器を-70℃のドライアイス/メタノール浴に浸漬させて冷却する。三方活弁を備え、イソブチレン(420ml、4.45mol)を含有する耐圧ガラス製収集フラスコにテフロン製供給チューブを接続する。窒素圧を利用してイソブチレンを重合容器に添加する。次に、塩化p-ジクミル(0.70g、3.0mmol)、トリエチルアミン(0.92g、9.1mmol)及びチタンテトライソプロポキシド(8.97ml、30mmol)を加える。次に四塩化チタン(23.3ml、212mmol)を加えて重合を開始させる。
その後すぐに、パラ-メチルスチレン(8.95g、75.7mmol)を30分かけて連続的に添加する。イソブチレンとパラ-メチルスチレンの両方の転化率をガスクロマトグラフィー(GC)でモニターすると、転化率が98.5%超に達する。
次にスチレン(60.7ml、528mmol)を加え、スチレン転化率が80%に達するまで(ガスクロマトグラフィー(GC)により転化率をモニターする)重合溶液を撹拌する。48質量%のNaOH溶液(70.7g)及び脱イオン水(1233g)を55℃で含有する失活容器に重合溶液及びn-ヘキサンと塩化ブチルで構成された溶媒混合物(551g、3/7v/v)を入れて反応をクエンチしてから、この混合物を60分間撹拌する。次に重合溶液を脱イオン水(3×2000g)で洗浄する。溶媒及び類似物を粗反応生成物から蒸発させ、減圧下で80℃にて24時間洗浄して無ブロモブロックコポリマーを得る。
無ブロモブロックコポリマー(300g)を塩化ブチル(1.27L)に3リットルの丸底フラスコ内で溶かす。ステンレススチール製シャフトを用いて1時間撹拌するポリマー溶液に窒素を導入する。次に、臭素(9.18ml、178mol)を加えて混合物に可視光(LED 4×7.3W)を照射する。臭素化工程の転化率をNMR法によってモニターする。臭素化工程の転化率が90%に達したら、塩化ブチル(1.4kg)及び7質量%のNa2SO3を含有する水溶液(300g)を加え、ポリマー溶液が脱色されるまて混合物を撹拌する。次に臭素化ポリマー溶液を脱イオン水(2×300kg)で洗浄し、MgSO4上で乾燥させる。ポリマー溶液を濾過し、減圧下で80℃にて24時間溶媒及び類似物を粗反応生成物から蒸発させて、本発明のブロモブロックコポリマーC4を得る。
エラストマーブロック(イソブチレン/ブロモメチルスチレンコポリマー)、無ブロモブロックコポリマー及び最終ブロモブロックコポリマーの分子量をゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定する。
ブロックコポリマーC5
ブロックコポリマーC5は以下のように合成する。
200リットルの容器(重合容器)を窒素下に置いてから、n-ヘキサン(分子ふるい上で乾燥、25.3kg)及び塩化ブチル(分子ふるい上で乾燥、79.4kg)を溶媒パイプにより添加する。次にHFC-23(フルオロカーボン)の断熱ジャケットにより重合容器を-70℃で冷却する。イソブチレンタンクからイソブチレン(15.0kg、268mol)を重合容器に添加する。次に、塩化ブチル(分子ふるい上で乾燥、0.12kg)に溶かした塩化p-ジクミル(21.1g、0.09mol)、トリエチルアミン(55.3g、0.55mol)及びチタンテトライソプロポキシド (666g、2.34mol)を添加容器経由で窒素圧を用いて添加する。次に四塩化チタン(3.1kg、16.4mol)を加えて重合を開始させる。
その後すぐに、n-ヘキサン(分子ふるい上で乾燥、0.30L)に溶かしたパラ-メチルスチレン(0.22kg、1.8mol)及び塩化ブチル(分子ふるい上で乾燥、0.93L)を30分かけて連続的に添加する。イソブチレンとパラ-メチルスチレンの両方の転化率をガスクロマトグラフィー(GC)でモニターすると、転化率が98.5%超に達する。
次にスチレン(3.3kg、31.7mol)を重合容器に加える。スチレンの転化率をガスクロマトグラフィー(GC)でモニターする。スチレン転化率が80%に達したら、重合溶液及びn-ヘキサンと塩化ブチルで構成された溶媒混合物(96.3kg、3/7v/v)を、48質量%のNaOH溶液(8.7kg)及び脱イオン水(170.6kg)を55℃で含有する脱活容器に入れて反応をクエンチしてから、この混合物を60分間撹拌する。次に重合溶液を脱イオン水(3×170kg)で洗浄する。溶媒及び類似物を粗反応生成物から蒸発させ、減圧下で80℃にて24時間洗浄して無ブロモブロックコポリマーを得る。
無ブロモブロックコポリマー(0.8kg)を塩化ブチル(4.7L)及びn-ヘキサン(0.5L)に5リットルの丸底フラスコ内で溶かす。ステンレススチール製シャフトを用いて1時間撹拌するポリマー溶液に窒素を導入する。次に、臭素(8.4ml、0.16mol)を加えて混合物に可視光(LED 4×7.3W)を照射する。臭素化工程の転化率をNMR法でモニターする。臭素化工程の転化率が90%に達したら、塩化ブチル(0.82kg)及び10質量%のNa2SO3を含有する水溶液(0.80kg)を添加し、ポリマー溶液が脱色されるまで混合物を撹拌する。次に臭素化ポリマー溶液を脱イオン水(2×0.80kg)で洗浄し、MgSO4上で乾燥させる。ポリマー溶液を濾過し、減圧下で80℃にて24時間溶媒及び類似物を粗反応生成物から蒸発させて、本発明のブロモブロックコポリマーC5を得る。
エラストマーブロック(イソブチレン/ブロモメチルスチレンコポリマー)、無ブロモブロックコポリマー及び最終ブロモブロックコポリマーの分子量をゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定する。
ブロックコポリマーC1〜C5の特性を下表1に整理する。
表1
Figure 2020502287
(1)理想質量平均分子量に対するポリマー鎖中の平均スチレン単位数
(2)理想質量平均分子量に対するポリマー鎖中の平均パラ-ブロモメチルスチレン単位数
(3)100%伸びのときの名目上の割線係数(Nominal secant modulus)
(4)破断応力
(5)破断点伸び
2)純粋エラストマー組成物(100質量%のブロックコポリマー)に基づく漏れ止め層の調製
得られたブロックコポリマー(C1〜C5)を、膨張ガスに対して漏れ止め性である、100%のブロックコポリマーで構成された層に調合した(それぞれ、層A1〜A5)。
比較漏れ止め層(A1)及び本発明に従って使用し得る漏れ止め層(A2〜A5)は、従来法で、例えばブロックコポリマーを2軸押出機に組み入れてマトリックスを溶融させた後に、熱可塑性層を調製するためにフラットダイを用いて調製する。より一般的には、熱可塑性層の形成は当業者に既知のいずれの方法、すなわち押出、カレンダー加工、押出-ブロー成形、射出成形又はキャストフィルム法によっても達成可能である。
次にこれらの漏れ止め層の接着特性を室温及び60℃で評価した。
これらの漏れ止め層の漏れ止め特性は60℃で評価した。
下表2は、本発明に従って使用し得る漏れ止め層A2〜A5についての室温での接着値を比較漏れ止め層A1(如何なるパラ-ブロモメチルスチレン単位をも含まない)に対して100を基礎として整理する。
表2
Figure 2020502287
下表3は、本発明に従って使用し得る漏れ止め層A2〜A5についての60℃での接着値を比較漏れ止め層A1(如何なるパラ-ブロモメチルスチレン単位をも含まない)に対して100を基礎として整理する。
表3
Figure 2020502287
下表4は、本発明に従って使用し得る漏れ止め層A2〜A5についての60℃での漏れ止め値を比較漏れ止め層A1(如何なるパラ-ブロモメチルスチレン単位をも含まない)に対して100を基礎として整理する。
表4
Figure 2020502287
これらのデータは、本発明に従って使用し得る漏れ止め層の接着レベルが、ブロックコポリマーの構造中に如何なるパラ-ブロモメチルスチレン単位をも含まない比較漏れ止め層に対して非常に上昇することを反映している。
3)ブロックコポリマー、補強フィラー及び可塑化用油を含むエラストマー組成物に基づく漏れ止め層の調製、及び試験
前述のブロックコポリマーC1、C2、C3及びC4を気密性層(それぞれ、層F1〜F4)の調製に使用する。
これらの層は、下表3の成分及び含量で調製する。
漏れ止め層は、従来法で、例えば種々の成分を2軸押出機に組み入れて、マトリックスの溶融及び全ての成分の組み入れを行った後に、熱可塑性層の生成を可能にするフラットダイを用いて調製する。より一般的には、熱可塑性層の形成は当業者に既知のいずれの方法、すなわち押出、カレンダー加工、押出-ブロー成形、射出成形又はキャストフィルム法によっても達成可能である。
表5
Figure 2020502287
(1)油PIB
(2)カオリンタイプの層状鉱物フィラー
次にこれらの漏れ止め層の接着特性を室温及び60℃で評価した。
これらの漏れ止め層の漏れ止め特性は60℃で評価した。
下表6は、本発明に従って使用し得る漏れ止め層F2〜F4についての室温での接着値を比較漏れ止め層F1(如何なるパラ-ブロモメチルスチレン単位をも含まない)に対して100を基礎として整理する。
表6
Figure 2020502287
下表7は、本発明に従って使用し得る漏れ止め層F2〜F4についての60℃での接着値を比較漏れ止め層F1(如何なるパラ-ブロモメチルスチレン単位をも含まない)に対して100を基礎として整理する。
表7
Figure 2020502287
下表8は、本発明に従って使用し得る漏れ止め層F2〜F4についての60℃での漏れ止め値を比較漏れ止め層F1(如何なるパラ-ブロモメチルスチレン単位をも含まない)に対して100を基礎として整理する。
表8
Figure 2020502287
これらのデータは、本発明に従って使用し得る漏れ止め層の接着レベルが、ブロックコポリマーの構造中に如何なるパラ-ブロモメチルスチレン単位をも含まない比較漏れ止め層に対して非常に上昇することを反映している。
さらに、本発明に従って使用し得る漏れ止め層は、比較漏れ止め層より良好な(層F3及びF4について)又は等価な(層F2について)漏れ止め性を示す。

Claims (14)

1種以上のスチレンモノマーに由来する単位を含む少なくとも1つの熱可塑性ブロックと、少なくとも、イソブチレンに由来する単位及び1種以上のハロアルキルスチレンモノマーに由来する単位を含む統計コポリマーの形態の少なくとも1つのエラストマーブロックとを含むブロックコポリマーを含むタイヤ。
前記スチレンモノマーが、スチレン、o-、m-又はp-メチルスチレン、αメチルスチレン、βメチルスチレン、2,6-ジメチルスチレン、2,4-ジメチルスチレン、αメチル-o-メチルスチレン、αメチル-m-メチルスチレン、αメチル-p-メチルスチレン、βメチル-o-メチルスチレン、βメチル-m-メチルスチレン、βメチル-p-メチルスチレン、2,4,6-トリメチルスチレン、αメチル-2,6-ジメチルスチレン、αメチル-2,4-ジメチルスチレン、βメチル-2,6-ジメチルスチレン、βメチル-2,4-ジメチルスチレン、o-、m-又はp-クロロスチレン、2,6-ジクロロスチレン、2,4-ジクロロスチレン、αクロロ-o-クロロスチレン、αクロロ-m-クロロスチレン、αクロロ-p-クロロスチレン、βクロロ-o-クロロスチレン、βクロロ-m-クロロスチレン、βクロロ-p-クロロスチレン、2,4,6-トリクロロスチレン、αクロロ-2,6-ジクロロスチレン、αクロロ-2,4-ジクロロスチレン、βクロロ-2,6-ジクロロスチレン、βクロロ-2,4-ジクロロスチレン、o-、m-又はp-ブチルスチレン、o-、m-又はp-メトキシスチレン、o-、m-又はp-クロロメチルスチレン、o-、m-又はp-ブロモメチルスチレン、シリル基で置換されたスチレン誘導体、及びこれらこのモノマーの混合物から選択され;好ましくは、前記スチレンモノマーが、スチレン、αメチルスチレン、及びこれらのモノマーの混合物から選択され、さらに優先的には前記スチレンモノマーがスチレンであることを特徴とする、請求項1に記載のタイヤ。
前記ハロアルキルスチレンモノマーが、クロロアルキルスチレン、ブロモアルキルスチレン及びヨードアルキルスチレンモノマー、並びにこれらのモノマーの混合物から選択され;好ましくは、前記ハロアルキルスチレンモノマーが、ブロモアルキルスチレン及びクロロアルキルスチレンモノマーから選択され、さらに優先的には、前記ハロアルキルスチレンモノマーがブロモメチルスチレンであり、もっとさらに優先的には前記ハロアルキルスチレンモノマーがパラ-ブロモメチルスチレンであることを特徴とする、請求項1又は2に記載のタイヤ。
前記エラストマーブロック中の前記ハロアルキルスチレンモノマーに由来する単位の含量が、前記ブロックコポリマーの単位のモル数に対して0.5〜5モル%の範囲であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のタイヤ。
前記ブロックコポリマーの前記熱可塑性ブロックが、前記ブロックコポリマーの総質量に対して、5質量%〜50質量%に相当し、好ましくは10質量%〜40質量%に相当し、さらに優先的には15質量%〜35質量%に相当することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載のタイヤ。
前記ブロックコポリマーが、-20℃未満、好ましくは-40℃未満のガラス転移温度を有することを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載のタイヤ。
前記ブロックコポリマーが、30000〜500000g/モルの範囲、好ましくは40000〜400000g/モルの範囲、さらに優先的には50000〜300000g/モルの範囲の数平均分子量を有することを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載のタイヤ。
前記ブロックコポリマーが、3未満、好ましくは2未満の多分散指数を有することを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載のタイヤ。
前記ブロックコポリマーが、熱可塑性ブロック/エラストマーブロックジブロックコポリマー、熱可塑性ブロック/エラストマーブロック/熱可塑性ブロックトリブロックコポリマー及びこれらのコポリマーの混合物から選択され、好ましくは前記ブロックコポリマーが、熱可塑性ブロック/エラストマーブロック/熱可塑性ブロックトリブロックコポリマーであることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載のタイヤ。
請求項1〜9のいずれか1項に記載のブロックコポリマーの、タイヤの漏れ止め層における使用。
請求項1〜9のいずれか1項に記載のブロックコポリマーを少なくとも50phr含むエラストマーマトリックスを含むエラストマー組成物に基づく漏れ止め層を備えたタイヤ。
前記エラストマー組成物の前記ブロックコポリマー含量が、70〜100phrの範囲、好ましくは90〜100phrの範囲であることを特徴とする、請求項11に記載のタイヤ。
前記エラストマー組成物が1種以上の補強フィラーを含むことを特徴とする、請求項11又は12に記載のタイヤ。
前記エラストマー組成物が可塑剤を含むことを特徴とする、請求項11〜13のいずれか1項に記載のタイヤ。
JP2019520541A 2016-11-17 2017-11-15 イソブチレン及びハロアルキルスチレン単位を有するエラストマーブロックを含むブロックコポリマーを含むタイヤ Pending JP2020502287A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
FR1661140 2016-11-17
FR1661140A FR3058727A1 (fr) 2016-11-17 2016-11-17 Pneumatique comprenant un copolymere a blocs comprenant un bloc elastomere avec des unites isobutylene et halogenoalkylstyrene
PCT/EP2017/079286 WO2018091509A1 (fr) 2016-11-17 2017-11-15 Pneumatique comprenant un copolymère à blocs comprenant un bloc élastomère avec des unités isobutylène et halogénoalkylstyrène

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020502287A true JP2020502287A (ja) 2020-01-23
JP2020502287A5 JP2020502287A5 (ja) 2020-12-24

Family

ID=57750284

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019520541A Pending JP2020502287A (ja) 2016-11-17 2017-11-15 イソブチレン及びハロアルキルスチレン単位を有するエラストマーブロックを含むブロックコポリマーを含むタイヤ

Country Status (4)

Country Link
EP (1) EP3541635B1 (ja)
JP (1) JP2020502287A (ja)
FR (1) FR3058727A1 (ja)
WO (1) WO2018091509A1 (ja)

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11100420A (ja) * 1997-09-25 1999-04-13 Kuraray Co Ltd ブロック共重合体とその製造方法及び樹脂組成物
JP2012087201A (ja) * 2010-10-19 2012-05-10 Kaneka Corp 空気入りタイヤ用インナーライナー用組成物および空気入りタイヤ用インナーライナー
WO2016190358A1 (ja) * 2015-05-26 2016-12-01 株式会社カネカ 熱可塑性エラストマーの製造方法及び熱可塑性エラストマー

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
SE519792C2 (sv) 2001-08-17 2003-04-08 Volvo Lastvagnar Ab Metod för estimering av massan hos ett fordon vilket framförs på en väg med en varierande lutning samt metod för estimering av lutningen av den väg där ett fordon framförs
FR2916679B1 (fr) 2007-05-29 2009-08-21 Michelin Soc Tech Objet pneumatique pourvu d'une couche etanche aux gaz a base d'un elastomere thermoplastique
FR2954335B1 (fr) * 2009-12-23 2013-01-11 Michelin Soc Tech Objet pneumatique pourvu d'une couche etanche aux gaz a base d'un melange d'un elastomere thermoplastique et d'un caoutchouc butyl partiellement reticule
FR2959963B1 (fr) 2010-05-12 2015-04-24 Michelin Soc Tech Objet pneumatique pourvu d'une couche etanche aux gaz a base d'un elastomere thermoplastique et d'un thermoplastique
FR2990157B1 (fr) * 2012-05-03 2014-04-25 Michelin & Cie Objet pneumatique pourvu d'une couche etanche aux gaz a base d'un elastomere thermoplastique et d'une charge lamellaire

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11100420A (ja) * 1997-09-25 1999-04-13 Kuraray Co Ltd ブロック共重合体とその製造方法及び樹脂組成物
JP2012087201A (ja) * 2010-10-19 2012-05-10 Kaneka Corp 空気入りタイヤ用インナーライナー用組成物および空気入りタイヤ用インナーライナー
WO2016190358A1 (ja) * 2015-05-26 2016-12-01 株式会社カネカ 熱可塑性エラストマーの製造方法及び熱可塑性エラストマー

Also Published As

Publication number Publication date
FR3058727A1 (fr) 2018-05-18
EP3541635B1 (fr) 2020-12-30
EP3541635A1 (fr) 2019-09-25
WO2018091509A1 (fr) 2018-05-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8088861B2 (en) Tire inner gum
JP5459676B2 (ja) 樹脂を含むタイヤトレッド
KR920005531B1 (ko) 디엔블록 중합체 및 중합체 조성물
JP6175731B2 (ja) ジエンエラストマーと熱可塑性エラストマーとの混合物を含む内部層を備えたタイヤ
CN110167764B (zh) 设置有包含一种或多种热塑性弹性体和一种或多种合成二烯弹性体的外胎侧的轮胎
JP6265390B2 (ja) タイヤ内部ライナー
BRPI0904874A2 (pt) pneumÁtico com banda de rodagem
US20120315408A1 (en) Inflatable article provided with a gastight layer based on a blend of a thermoplastic elastomer and of a partially crosslinked butyl rubber.
US20130209716A1 (en) Inflatable article provided with gas-impermeable layer based on a blend of a butyl rubber and a thermoplastic elastomer
JP2015500909A (ja) ジエンエラストマーと熱可塑性エラストマーとの混合物から製造したトレッドを備えたタイヤ
WO1997049743A1 (fr) Copolymer sequence, composition de caoutchouc contenant ce dernier et pneumatique fabrique avec ladite composition de caoutchouc
JP6804460B2 (ja) ブロック共重合体(A−b−(α−メチルスチレン−co−B))n−b−Cの形態の熱可塑性エラストマーで作製されたエラストマー層を備えたタイヤ
BR102016014891A2 (pt) pneu com compósito de banda de rodagem estratificada
JP6802781B2 (ja) 低含量のカーボンブラック及び他の追加の充填剤を含むブチルゴムをベースとするタイヤインナーライナー
US20180355152A1 (en) Process for manufacturing a tire containing microcapsules, and said tire
JP2018529562A (ja) タイヤのバリア層として使用し得る多層ラミネート
CN113227175B (zh) 包含具有丁二烯和苯乙烯嵌段的热塑性弹性体和相容增塑剂的聚合物组合物
JP2020502287A (ja) イソブチレン及びハロアルキルスチレン単位を有するエラストマーブロックを含むブロックコポリマーを含むタイヤ
WO2018101360A1 (ja) ゴム組成物および空気入りタイヤ
EP1512553A1 (en) Pneumatic tire having a component containing high trans isoprene-butadiene rubber
US11535742B2 (en) Polymer composition comprising a branched thermoplastic elastomer and a thermoplastic styrene polymer
JP2018514598A (ja) ブロックコポリマーの形態の熱可塑性エラストマーの混合物から製造されており、膨張ガスに対して密封された、エラストマー層を備えるタイヤ
CN110072937A (zh) 包括低炭黑含量和高含量另一种填料的橡胶组合物
CN112236312A (zh) 具有包括一种或多种热塑性弹性体和一种或多种合成二烯弹性体的外胎侧的轮胎
CN112243452A (zh) 具有包括一种或多种热塑性弹性体和一种或多种合成二烯弹性体的外胎侧的轮胎

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20201106

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20201106

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20211026

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20211101

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220131

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20220302

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220701

C60 Trial request (containing other claim documents, opposition documents)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C60

Effective date: 20220701

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20220708

C21 Notice of transfer of a case for reconsideration by examiners before appeal proceedings

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C21

Effective date: 20220711

A912 Re-examination (zenchi) completed and case transferred to appeal board

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20220902

C211 Notice of termination of reconsideration by examiners before appeal proceedings

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C211

Effective date: 20220907