JP2020502149A - 組成物およびその使用 - Google Patents

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Abstract

本発明は、とりわけ、癌の予防または処置のための方法および使用、ならびに癌の処置または予防のための組成物、組合せおよびキットに関する。一実施態様において、本発明は、処置または予防を必要とする患者に、免疫チェックポイントモジュレーター、例えばPD-1阻害剤ニボルマブを式(I):式(I)[式中、Xは、SO3MまたはHであり、Mは、任意の医薬的に許容されるカチオンであり;少なくとも70%のX基は、SO3Mである]で示される化合物、例えばPG-545(ピキサチモド)と共に投与することを含む、癌を処置または予防する方法を提供する。

Description

本発明は、とりわけ、癌の予防または処置のための方法および使用、ならびに癌の処置または予防のための組成物、組合せおよびキットに関する。
先行技術の刊行物を本明細書で参照しても、この参照は、当該刊行物がオーストラリアまたは他のいずれの国においても本分野の技術常識の一部を形成することを承認するものではないことが明確に理解されるだろう。
免疫系は、ヒト体内で生じる悪性腫瘍細胞と戦うのに有効であり得る。悪性腫瘍細胞が免疫系を回避できれば、それらは増殖および拡散し、生命を脅かす癌に発達し得る。多数の癌が免疫系を回避する能力を発達させ、それらの多くは、健康に影響を及ぼし、世界中の多くの人々の平均余命を短くする極めて深刻な疾患である。
癌細胞が免疫系を回避するために使用するプロセスを特異的に標的とする治療剤を用いる癌の処置において成功が達成されている。1つの重要なプロセスは、チェックポイント標的(例えばチェックポイント受容体およびチェックポイントリガンド)を含む。健康な組織において、チェックポイント標的は、そうでなければ自己免疫疾患を引き起こし得る免疫系の過剰な刺激を防止するのに重要である。しかしながら、多くの種類の癌細胞は、1つ以上のこれらのチェックポイント標的と相互作用し、それ故に免疫応答を低下または不活性化させる。チェックポイントモジュレーターは、免疫細胞の表面においてチェックポイント標的を調節し、癌細胞がこれらのチェックポイントと選択的に結合して免疫細胞を不活性化するのを防ぐ治療剤である。
例えばチェックポイント受容体PD-1およびCTLA-4を標的とする医薬は、近年様々な癌を処置するのに承認されている。ニボルマブおよびペムブロリズマブは、PD-1の阻害剤であり、イピリムマブは、CTLA-4を阻害する。これらの薬剤が承認されている癌は、黒色腫(イピリムマブ、ニボルマブ、ペムブロリズマブ;Franklin 2016)、非小細胞性肺癌(NSCLC)(ニボルマブ、ペムブロリズマブ;Chen 2016)、腎細胞癌(RCC)(ニボルマブ;Mennitto 2016)およびホジキンリンパ腫(ニボルマブ;US FDA 2016)を含む。しかしながら、これらの癌においてさえ、処置から限られた恩恵を受けているまたは全く恩恵を受けていない多くの患者がいる。
PG545は、特に癌の処置のための、コレスタノール-スルホテトラサッカライド結合小分子化合物である。PG545は、ヘパラナーゼ阻害剤として記載されているが(Dredge et al, 2010, Hammond et al, 2013)、免疫モジュレーター特性もまた有する。この化合物の使用は、膵臓癌の前臨床モデル(Ostapoff et al, 2013)および皮膚癌の化学的誘発モデル(Boyango et al, 2014)により証明されるように、腫瘍微小環境(TME)内の腫瘍関連マクロファージ(TAM)および骨髄由来抑制細胞(MDSC)などの免疫抑制性前癌免疫細胞の枯渇を引き起こすことが示されている。
しかしながら、PG545はまた、MyD88依存性トール様受容体9(TLR9)経路およびナチュラルキラー(NK)細胞のその後の活性化により別の骨髄由来細胞である樹状細胞(DC)において強力な免疫刺激活性を引き起こす(Brennan et al, 2016)。著者らはまた、PG545の免疫刺激作用はヘパラナーゼノックアウトマウスにおいて再現されるが、別のヘパラナーゼ阻害剤のムパフォスタット(PI-88)は正常なマウスにおいてこの活性プロファイルを有しない(未発表データ)ことを見出した。総合すれば、これらの結果は、DCに対するPG545の作用がヘパラナーゼ依存的であることを示している。また、DCに対するPG545の作用は、NK細胞の強力な活性化をもたらすが、T細胞の活性化を生じない(Brennan et al, 2016)。Brennan et al, 2016に示されているように、PG545単独の投与は、ナイーブマウスにおいても(図3C参照)、A20リンパ腫腫瘍を有するマウスにおいても(補足資料の図2CおよびEを参照)T細胞を活性化しない。したがって、PG545の免疫モジュレーター活性は、T細胞または適応免疫に対していかなる相互作用または影響も示さない。
本発明は、とりわけ、癌細胞への免疫応答を改善し得るか、または有用なまたは商業的選択肢を消費者に提供し得る方法、組成物またはキットに関する。
上記に鑑み、いくつかの形態の本発明は、癌を処置または予防するための方法、使用、組合せ、キットおよび組成物に広く属する。
第1態様において、本発明は、処置または予防を必要とする患者に、免疫チェックポイントモジュレーターを式(I):
式(I)
[式中、Xは、SO3MまたはHであり、Mは、任意の医薬的に許容されるカチオンであり;少なくとも70%のX基は、SO3Mである]
で示される化合物と共に投与することを含む、癌を処置または予防する方法を提供する。
有利には、式(I)で示される化合物および免疫チェックポイントモジュレーター、特にT細胞免疫チェックポイント阻害剤は、T細胞を腫瘍中に集積するための相乗効果を有することが見出された。式(I)で示される化合物がT細胞に対する相互作用または影響を示さないこと(Brennan et al, 2016)を考慮すると、この効果は特に驚くべきことである。さらに、いくつかの研究において、免疫チェックポイントモジュレーターは、単独で投与されるとき、腫瘍におけるT細胞の集積に対する限定的な効果を提供することが示されている(例えばSpranger 2016参照)。この相乗効果は、患者の免疫系が特に癌細胞に対する免疫応答の向上を提供することを可能にすると考えられる。
一実施態様において、式(I)で示される化合物における少なくとも9個のXは、SO3Mである。別の一実施態様において、式(I)で示される化合物における少なくとも10個のXは、SO3Mであり;特に、式(I)で示される化合物における少なくとも11個のXは、SO3Mであり;より具体的には、式(I)で示される化合物における少なくとも12個のXは、SO3Mであり;とりわけ、式(I)で示される化合物における13個またはすべてのXは、SO3Mである。一実施態様において、少なくとも75%のX基は、SO3Mであり;特に、少なくとも80%のX基は、SO3Mであり;より具体的には、少なくとも90%のX基は、SO3Mであり;とりわけ、100%のX基は、SO3Mである。
式(I)で示される化合物において、Mは、任意の医薬的に許容されるカチオンであり得る。例示的なカチオンは、ナトリウム、カルシウム、カリウム、マグネシウムまたはアンモニウムを含み;特に、ナトリウムまたはカリウムであり;より具体的には、ナトリウムである。
一実施態様において、式(I)で示される化合物は、式(II)で示される化合物であり得る:
式(II)
別の一実施態様において、式(I)で示される化合物は、式(III)で示される化合物であり得る:
式(III)
別の一実施態様において、式(I)で示される化合物は、式(IV)で示される化合物であり得る:
式(IV)
別の一実施態様において、式(I)で示される化合物は、式(V)で示される化合物であり得る:
式(V)
別の一実施態様において、式(I)で示される化合物は、式(VI)で示される化合物であり得る:
式(VI)
別の一実施態様において、式(I)で示される化合物は、式(VII)で示される化合物であり得る:
式(VII)
式(II)から(VII)で示される化合物は、不斉中心を有する。これらの化合物は、実質的に純粋な1つ以上の該中心における異性体であり得て、例えば約90%超のエナンチオマー過剰率(ee)またはジアステレオマー過剰率(de)、例えば95%超のeeもしくはde、または97%超のeeもしくはde、または99%超のeeもしくはdeであり得る。このような異性体は、例えばキラル出発物質もしくは中間体を用いた不斉合成により、またはキラル分割により製造され得る。
式(I)で示される化合物が式(VII)で示される化合物であり、XがSO3Naである場合、該化合物は、PG545である。一実施態様において、式(I)で示される化合物は、PG545である。PG545は、3β,5α-コレスタニル2,3,4,6-テトラ-O-ナトリウムスルホナト-α-D-グルコピラノシル-(1→4)-2,3,6-トリ-O-ナトリウムスルホナト-α-D-グルコピラノシル-(1→4)-2,3,6-トリ-O-ナトリウムスルホナト-α-D-グルコピラノシル-(1→4)-2,3,6-トリ-O-ナトリウムスルホナト-β-D-グルコピラノシドであり、WO2009/049370に記載されている。
一実施態様において、免疫チェックポイントモジュレーターは、免疫チェックポイント阻害剤または免疫チェックポイントアクティベーターであり;特に、免疫チェックポイント阻害剤である。別の一実施態様において、免疫チェックポイントモジュレーターは、T細胞、抗原提示細胞(APC)/腫瘍細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞、ナチュラルキラーT細胞(NKT)、γδT細胞、インバリアントT細胞、またはインバリアントナチュラルキラーT細胞(NKT)の1つ以上を標的とする。免疫チェックポイントモジュレーターは、特にT細胞を標的とし;特にT細胞免疫チェックポイント阻害剤である。免疫チェックポイントモジュレーターは、CD8 T細胞を標的とし得て、特にエフェクターメモリーCD8 T細胞またはセントラルメモリーCD8 T細胞である。免疫チェックポイントモジュレーターは、CD4 T細胞を標的とし得る。
免疫チェックポイントモジュレーターは、CTLA-4、PD-1、PD-L1、LAG3、B7-H3、B7-H4、TIM3、Galectin9、BTLA、HVEM、A2aR、VISTA、KIR、TIGIT、IDO、CD47、CD28、ICOS、CD137 (4-1BB)、CD137L、CD40、CD40L、OX40、OX40L、GITRおよびCD27の1つ以上を標的とし得る。免疫チェックポイントモジュレーターは、CTLA-4、PD-1、LAG3、TIM3、BTLA、A2aR、CD28、ICOS、CD137 (4-1BB)、CD40L、OX40、GITRおよびCD27の1つ以上を標的とし得る。免疫チェックポイントモジュレーターは、PD-1、CTLA-4またはPD-L1の1つ以上を標的とし得る。免疫チェックポイントモジュレーターは、PD-1を標的とし得る。免疫チェックポイントモジュレーターは、PD-1阻害剤であり得る。
免疫チェックポイントモジュレーターは、イピリムマブ、トレメリムマブ、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、ピジリズマブ、アテゾリズマブ、アベルマブ、デュルバルマブ、エノビリツズマブ、リリルマブ、エパカドスタット、インドキシモド、ウレルマブ、ウトミルマブ、ルカツムマブ、ダセツズマブ、オキセルマブおよびバルリルマブの1つ以上であり得る。免疫チェックポイントモジュレーターは、特にニボルマブ、ペムブロリズマブまたはピジリズマブであり得る。
例示的な免疫チェックポイント標的、細胞種および薬剤を表1に示す。
患者は、哺乳類、特にヒトであり得る。しかしながら、患者は、霊長類または動物患畜、例えばイヌ、ネコまたはウマであり得る。
癌は、悪性または良性癌、特に悪性癌であり得る。癌は、固形腫瘍または血液腫瘍であり得る。血液腫瘍は、血液悪性腫瘍、例えばリンパ腫、骨髄腫または白血病であり得る。固形腫瘍は、黒色腫、結腸癌、乳癌、前立腺癌、肝臓癌、肺癌(非小細胞、小細胞または中皮腫を含む)、頭頸部癌、皮膚癌、腎臓癌、膵臓癌、食道癌、胆管癌、胃癌、尿路上皮または膀胱癌、肉腫、子宮癌、子宮内膜癌、卵巣癌、子宮頸癌および脳腫瘍(神経膠腫および星状細胞腫を含む)からなる群より選択され得る。癌は、乳癌であり得る。
癌は、T細胞が豊富な腫瘍であり得る。別の一実施態様において、癌は、T細胞を実質的に含まない腫瘍、またはT細胞の集積に抵抗性である腫瘍であり得る。T細胞を実質的に含まない腫瘍、またはT細胞の集積もしくは浸潤に抵抗性である腫瘍は、ときに「冷たい(cold)」または「非炎症(non-inflamed)」腫瘍と呼ばれ、このような用語は、当業者に公知である(例えばSpranger 2016, Woo 2015参照)。式(I)で示される化合物および免疫チェックポイントモジュレーターは、このような「冷たい」腫瘍を、T細胞が豊富な「熱い(hot)」または「炎症(inflamed)」腫瘍へ炎症または変換させ得て、これにより腫瘍への免疫応答を改善する。
免疫チェックポイントモジュレーターおよび式(I)で示される化合物の投与の結果、癌は、より効果的に処置または予防されてもよく、および/または腫瘍に対する医学的有益な効果を提供してもよい。免疫チェックポイントモジュレーターおよび式(I)で示される化合物の投与は、癌細胞に対する免疫細胞の活性を開始させ、可能にし、増加させ、向上させまたは延長させてもよく、および/または抗腫瘍適応的免疫応答を提供し得る。
免疫チェックポイントモジュレーターおよび式(I)で示される化合物の投与は、腫瘍に集積する免疫細胞の数を増加させ得る。免疫チェックポイントモジュレーターおよび式(I)で示される化合物の投与は、腫瘍におけるリンパ球;特にT細胞;より具体的にはエフェクターメモリーCD8+T細胞、セントラルメモリーCD8+T細胞およびCD4+T細胞の集積を引き起こし得る。
本明細書で用いられる用語「処置」(または「処置する」)および「予防」(または「予防する」)は、それらの最も広い状況において考えられるべきである。例えば、用語「処置」は、患者が完全に回復するまで処置されることを必ずしも意味しない。用語「処置」は、疾患または状態の症状の改善、または疾患または状態の重症度の軽減を含む。同様に「予防」は、対象体が疾患または状態に罹患しないことを必ずしも意味しない。「予防」は、疾患または状態の発症の可能性を低下させる、または疾患または状態を発症する危険性を防止するか他の方法で低下させるとみなされ得る。
方法は、免疫チェックポイントモジュレーターの有効量および/または式(I)で示される化合物の有効量を投与することを含み得る。式(I)で示される化合物の「有効量」は、所望の反応を少なくとも部分的に達成するかまたは癌の発症もしくは進行を遅延させるのに必要な量を意味する。量は、化合物を投与される個体の健康および身体の状態、化合物を投与される個体の分類群、所望される処置/予防の程度、製剤の組成、および医学的状況の評価などの要因に依存して変化し得る。「有効量」は、日常的な試験により決定され得る広い範囲内に入ると予想される。有効量は、ヒト患者に関して、例えば1投与につきおよそ0.1 ng/kg体重から1 g/kg体重の範囲、または1投与につきおよそ100 ng/kg体重から100 mg/kg体重の範囲内であり得る。投与レジメンは、最適な治療反応を提供するように調整され得る。例えば、いくつかの用量を、毎日、週2回もしくは毎週、または他の適切な時間間隔で投与してもよく、または用量を、状況により示されるように比例的に減少させてもよい。投与量の決定は、患者の治療を担当する医師または獣医師の技術の範囲内である。
式(I)で示される化合物および免疫チェックポイントモジュレーターは、連続して、同時にまたは実質的に同時に投与され得る。式(I)で示される化合物は、免疫チェックポイントモジュレーターの前または後に投与され得る。式(I)で示される化合物および免疫チェックポイントモジュレーターのいずれかまたは両方は、処置レジメンまたは周期的投与の一部として投与され得る。免疫チェックポイントモジュレーターおよび式(I)で示される化合物は、経時的に患者に集積し得て、免疫チェックポイントモジュレーターおよび式(I)で示される化合物は、相乗的に作用しても数時間または数日間さらに投与され得る。
式(I)で示される化合物および免疫チェックポイントモジュレーターをそのままの化合物で投与し得ることが可能であるが、担体または添加剤を含む医薬組成物の一部として投与し得る。式(I)で示される化合物および免疫チェックポイントモジュレーターは、単一の医薬組成物中で一緒に提供され得る。あるいは、式(I)で示される化合物および免疫チェックポイントモジュレーターは、別々の医薬組成物中で提供され得る。式(I)で示される化合物および免疫チェックポイントモジュレーターが異なる時点でまたは異なる投与量で投与されるべき場合、別々の医薬組成物において式(I)で示される化合物および免疫チェックポイントモジュレーターを提供することが有利であり得る。
任意の該医薬組成物は、活性物質(すなわち式(I)で示される化合物および/または免疫チェックポイントモジュレーター)および医薬的に許容される担体または添加剤を含み得る。任意の医薬的に許容される担体または添加剤は、組成物中の他の成分と適合性であり患者に有害でないという意味で許容されなければならない。
医薬組成物の種類は、活性物質の吸収、分布、代謝および排泄(ADME)プロファイルに依存し得る。例えば、式(I)で示される化合物および/または免疫チェックポイント阻害剤を非経腸的、特に静脈内投与することが最も適切であり得て、それ故に医薬組成物は、非経腸または静脈内投与のために製剤化され得る。しかしながら、可能であれば、医薬組成物は、経口もしくは直腸投与または非静脈内経路による投与に適するものを含み得る。
非経腸投与は、静脈内、髄腔内、経皮、皮下、経鼻、筋肉内、眼内、経上皮、膣内、腹腔内、局所経路の1つ以上を含み得る。局所投与は、バッカル、舌下、経皮、眼内、直腸、経鼻および吸入またはエアゾル手段による投与を含む。静脈内、経皮もしくは皮下注射、または処置が所望される部位の注射について、活性物質は、発熱物質を含まず、適切なpH、等張性および安定性を有する、非経腸的許容される水溶液の形態であり得る。当業者は、適切な溶液を調製することができる。
医薬組成物および担体または添加剤の性質は、投与経路ならびに処置される状態および患者の性質に依存する。特定の担体、添加剤またはデリバリーシステムの選択および投与経路は、当業者により容易に決定され得ると考えられる。いくつかの状況において、公知の手段、例えばマイクロカプセル化により保護することが必要であり得る。投与経路はまた、活性物質が作用部位に到達するように、選択されるべきである。医薬組成物は、活性物質が、使用される意図された投与量範囲に対応する任意の適切な有効量を含み得る。
医薬組成物は、固形(錠剤、充填カプセル剤、散剤、カシェ剤、カプセル剤、トローチ剤、オブラート剤、坐剤、分散性顆粒剤、膣坐剤を含む)、または液体(液剤、懸濁剤、シロップ剤、乳剤、コロイド、エリキシル剤、クリーム剤、ゲル剤およびフォーム剤を含む)の形態であり得る。一実施態様において、医薬組成物は、非経腸使用のための滅菌注射溶液の形態であり得る。
医薬的に許容される担体または添加剤は、固形または液体のいずれかであり得る。担体または添加剤は、希釈剤、緩衝剤、安定化剤、等張化剤、香料、抗酸化剤、可溶化剤、滑沢剤、懸濁化剤、結合剤、防腐剤、錠剤崩壊剤またはカプセル化材料として作用し得る。適切な担体および添加剤は、当業者に公知である。緩衝剤に関して、水性組成物は、生理学的pHでまたは少なくともpH6.0〜9.0の範囲内で組成物を維持するために緩衝剤を含み得る。
医薬組成物が散剤である場合、活性物質および担体または添加剤は両方とも、一緒に混合される微粉化粉末であり得る。
医薬組成物が錠剤である場合、活性成分は、所望の形状またはサイズの錠剤に打錠する前に必要な結合能を有する適量の担体または添加剤と混合され得る。
散剤または錠剤は、任意の適切な量の活性物質を含み得て、散剤または錠剤の活性物質の例示的な量は、約5または10%から約70%の範囲であり得る。散剤または錠剤についての例示的な担体または添加剤は、例えば炭酸マグネシウム、タルク、糖、ラクトース、ペクチン、デキストリン、デンプン、ゼラチン、トラガカント、メチルセルロース、低融点ワックス、カカオバターなどを含み得る。
液体形態製剤は、例えば水、生理食塩水、水-デキストロース、水-プロピレングリコール、石油、または油(動物油、植物油または合成油を含む)溶液を含み得る。例えば、非経腸注射液体製剤は、ポリエチレングリコール水溶液中の溶液として製剤化され得る。このような液体形態製剤は、少なくとも0.1重量%の活性化合物を含み得る。
液体医薬組成物は、単位投与形態に製剤化され得る。例えば、組成物は、アンプル、プレフィルドシリンジ、小容量点滴または多回投与容器において提供され得る。このような組成物は、防腐剤を含み得る。組成物はまた、製剤用作用物質、例えば懸濁化剤、安定化剤および/または分散剤を含み得る。組成物はまた、使用前に適切なビヒクル(例えば滅菌水)で構成するための粉末形態であり得る。液体担体および添加剤は、着色剤、香料、安定化剤、緩衝剤、人工および天然甘味剤、分散剤、増粘剤、可溶化剤、懸濁化剤などを含み得る。
経口用水溶液は、水に活性物質を溶解させ、着色剤、増粘剤、香料および安定化剤を必要に応じて加えることより製造され得る。経口用水性懸濁液は、粘性物質、例えば天然または合成ゴム、樹脂、メチルセルロースまたは他の懸濁化剤を有する水に活性物質を分散させることより製造され得る。
表皮への局所投与のために、化合物は、軟膏剤、クリーム剤もしくはローション剤または経皮パッチ剤に製剤化され得る。
組成物はまた、噴射剤、例えば二酸化炭素ガス、ジクロロジフルオロメタン、窒素、プロパンまたは他の適切なガスまたはガスの組合せを含む、加圧ディスペンサーまたは容器からのエアゾルスプレーの形態で吸入により投与され得る。医薬組成物は、吸入または吹送による投与に適する形態であり得る。
医薬組成物は、活性物質の徐放性を提供するように適合させ得る。
医薬組成物は、単位剤形であり得る。このような形態において、医薬組成物は、適切な量の活性物質を含有する単位用量として製造され得る。単位剤形は、包装された製剤であり得て、包装は、個別量の製剤、例えば包装された錠剤、カプセル剤、およびバイアルまたはアンプル中の散剤を含む。また、単位剤形は、カプセル剤、錠剤、カシェ剤またはロゼンジ剤自体であってもよく、または包装された形態における適切な数のこれらのいずれかであってもよい。
医薬組成物はまた、式(I)で示される化合物および/または免疫チェックポイントモジュレーターに加えて少なくとも1つの更なる活性成分を含み得る。このような成分は、抗癌、抗血管新生、抗転移性、抗炎症性、抗凝血性、抗菌性または抗血栓性薬剤、および高血中トリグリセリドレベルおよび心血管疾患に対して有効な薬剤として有効性を有し得る。しかしながら、医薬組成物は、任意の適切な更なる活性成分を含み得る。
第2態様において、本発明は、癌の処置または予防のための医薬の製造における式(I)で示される化合物の使用であって、
式(I)で示される化合物が
式(I)
[式中、Xは、SO3MまたはHであり、Mは、任意の医薬的に許容されるカチオンであり;少なくとも70%のX基は、SO3Mである]
であり;
医薬が免疫チェックポイントモジュレーターとの投与のために製剤化される、使用を提供する。
第3態様において、本発明は、癌の処置または予防のための医薬の製造における免疫チェックポイントモジュレーターの使用であって、
医薬が式(I):
式(I)
[式中、Xは、SO3MまたはHであり、Mは、任意の医薬的に許容されるカチオンであり;少なくとも70%のX基は、SO3Mである]
で示される化合物との投与のために製剤化される、使用を提供する。
第4態様において、本発明は、癌の処置または予防のための医薬の製造における免疫チェックポイントモジュレーターと式(I)で示される化合物の使用であって、
式(I)で示される化合物が
式(I)
[式中、Xは、SO3MまたはHであり、Mは、任意の医薬的に許容されるカチオンであり;少なくとも70%のX基は、SO3Mである]
である、使用を提供する。
第5態様において、本発明は、癌の処置または予防における使用のための免疫チェックポイントモジュレーターと式(I)で示される化合物であって;
式(I)で示される化合物が
式(I)
[式中、Xは、SO3MまたはHであり、Mは、任意の医薬的に許容されるカチオンであり;少なくとも70%のX基は、SO3Mである]
である、免疫チェックポイントモジュレーターと式(I)で示される化合物を提供する。
第6態様において、本発明は、式(I)で示される化合物および免疫チェックポイントモジュレーターを含む医薬組成物であって;式(I)で示される化合物が
式(I)
[式中、Xは、SO3MまたはHであり、Mは、任意の医薬的に許容されるカチオンであり;少なくとも70%のX基は、SO3Mである]
である、医薬組成物を提供する。
本発明の第2〜第6態様の特徴は、本発明の第1態様について記載するとおりであり得る。本発明の第2〜第4態様の医薬は、上記の医薬組成物であり得る。
第7態様において、本発明は、式(I)で示される化合物および免疫チェックポイントモジュレーターを含むキットであって;式(I)で示される化合物が
式(I)
[式中、Xは、SO3MまたはHであり、Mは、任意の医薬的に許容されるカチオンであり;少なくとも70%のX基は、SO3Mである]
である、キットを提供する。
本発明の第7態様の特徴は、本発明の第1〜第6態様について記載するとおりであり得る。キットは、1つの医薬組成物または少なくとも2つの医薬組成物を含み得る。キットは、免疫チェックポイントモジュレーターと式(I)で示される化合物を同一の医薬組成物または別々の医薬組成物中において含み得る。
第8態様において、本発明は、式(I)で示される化合物および免疫チェックポイントモジュレーターを含む組合せ医薬であって;式(I)で示される化合物が
式(I)
[式中、Xは、SO3MまたはHであり、Mは、任意の医薬的に許容されるカチオンであり;少なくとも70%のX基は、SO3Mである]
である、組合せ医薬を提供する。
第8態様の特徴は、本発明の第1〜第7態様について記載するとおりであり得る。組合せ医薬は、医薬組成物であってもよく、または医薬組合せは、少なくとも2つの医薬組成物を含み得る。組合せ医薬は、免疫チェックポイントモジュレーターと式(I)で示される化合物を同一の医薬組成物または別々の医薬組成物中において含み得る。
第9態様において、本発明は、患者において免疫応答を向上させる方法であって、それを必要とする患者に、免疫チェックポイントモジュレーターを式(I):
式(I)
[式中、Xは、SO3MまたはHであり、Mは、任意の医薬的に許容されるカチオンであり;少なくとも70%のX基は、SO3Mである]
で示される化合物と共に投与することを含む、方法を提供する。
本発明の第9態様の特徴は、本発明の第1〜第8態様について記載するとおりであり得る。
本明細書に記載の特徴のいずれも、本発明の範囲内で、任意の1つ以上の他の本明細書に記載の特徴との任意の組合せで組み合わされ得る。
本発明の実施例を添付の図面を参照して例として以下に説明する。
図1は、4T1.2腫瘍担持マウス体重に対する処置の効果を示す。PG545を1、8および15日目(垂直線)に腹腔内投与し、抗体を1、4、8、11および15日目に投与した。
図2は、インビボにおける4T1.2腫瘍に対するPD-1抗体およびPG545単独ならびに組合せの抗腫瘍活性を示す。
図3は、実施例2の試験をとおしたマウスの平均腫瘍体積および平均体重変化を示す。
図4は、各処置群からのバルク腫瘍培養物のフローサイトメトリー分析を示す。
図5は、4T1.2腫瘍および脾臓関連CD8 T細胞頻度の治療誘発変化を示す。
図6Aおよび6Bは、4T1.2乳腺腫瘍における治療へのCD8 T応答を分析するためのゲート設定を示す。
図7は、各処置群における腫瘍関連エフェクターおよびセントラルメモリーCD8 T細胞群の両方についてのグランザイムB状態を示すヒストグラムを示す。
図8は、4T1.2腫瘍および脾臓関連CD4 T細胞頻度の治療誘発変化を示す。
図9は、各処置群内のCD4 T細胞コンパートメントの腫瘍関連変化を示すフローサイトメトリー分析を示す(各処置群(4腫瘍/群)について連結結果を示す)。
図10は、4T1.2腫瘍および脾臓関連NK細胞頻度の治療誘発変化を示す。
図11Aおよび11Bは、4T1.2乳腺腫瘍における治療へのNK細胞応答を分析するためのゲート設定を示す。
図12は、4T1.2腫瘍の骨髄細胞頻度の治療誘発変化を示す。
図13Aは、4T1.2乳腺腫瘍における治療(群1 - ビヒクル+コントロール抗体)への骨髄細胞応答を分析するためのゲート設定を示す。
図13Bは、4T1.2乳腺腫瘍における治療(群2 - PG545+コントロール抗体)への骨髄細胞応答を分析するためのゲート設定を示す。
図13Cは、4T1.2乳腺腫瘍における治療(群3 - ビヒクル+抗PD-1)への骨髄細胞応答を分析するためのゲート設定を示す。
図13Dは、4T1.2乳腺腫瘍における治療(群4 - PG545+抗PD-1)への骨髄細胞応答を分析するためのゲート設定を示す。
図14は、4T1.2腫瘍関連骨髄細胞におけるPD-L1発現の治療誘発変化を示す。
本発明の好ましい特徴、実施態様および変形は、当業者が本発明を実施するのに十分な情報を提供する以下の実施例から認識され得る。以下の実施例は、決して前述の本発明の概要の範囲を限定するとみなすべきでない。
本発明の実施例を図1〜14を参照して以下に説明する。
使用化合物
PG545(または3β,5α-コレスタニル2,3,4,6-テトラ-O-ナトリウムスルホナト-α-D-グルコピラノシル-(1→4)-2,3,6-トリ-O-ナトリウムスルホナト-α-D-グルコピラノシル-(1→4)-2,3,6-トリ-O-ナトリウムスルホナト-α-D-グルコピラノシル-(1→4)-2,3,6-トリ-O-ナトリウムスルホナト-β-D-グルコピラノシド)は、下記の構造を有する。PG545は、ピキサチモド(酸について)との世界保健機関により提案された国際一般名(INN)が割り当てられている。この化合物は、WO2009/049370に開示されている。PG545は、Ferro et al 2012またはWO2009/049370において提供されるように合成され得る。
抗PD-1抗体(RMP1-14)をBio-X-Cell(NH, USA)から購入した。
アイソタイプコントロール抗体(2A3)をBio-X-Cell(NH, USA)から購入した。
実施例1 - 4T1.2腫瘍モデルにおける研究
雌性Balb/cマウス(8週齢;Walter and Eliza Hall Institute of Medical Research (WEHI), Victoria Australia)の乳腺内脂肪体にリン酸緩衝生理食塩水中1×105個の4T1.2細胞を接種した。4T1.2は、マウス乳腺腫瘍モデルである。
マウスの体重を量り、腫瘍を週に2〜3回電子ノギスを用いて測定した。腫瘍体積(mm3)を長さ(mm)/2×幅(mm)2として計算した。移植1週間後、同様のサイズの腫瘍(平均腫瘍体積56 mm3)を有するマウスを6匹の動物からなる4群に無作為化した(1日目)。処置群は、生理食塩水+コントロール抗体、PG545+コントロール抗体、生理食塩水+抗PD-1およびPG545+抗PD-1であった。
PG545を15 mg/kg/週(0.1 ml/10g体重)にて3週間投与し、抗PD-1またはコントロール抗体(200μg;2mg/mL溶液100μL)を1、4、8、11および15日目に腹腔内投与した。マウスに、栄養補助食品(飼料粉塵と混合したEnsure)の入った小皿を毎日与えた。これらのマウスにおける20 mg/kg PG545にて観察された体重の問題を考慮して、15 mg/kg PG545の用量を選択した(すなわち、20 mg/kg PG545での最大耐量の問題。最大耐性薬物用量(MTD)は、10%体重減少を引き起こす量であって、動物が体重を7〜10日以内にベースラインまで回復する量と定義される。)。
18日目または倫理的エンドポイントを満たした場合はそれより早く実験を終了した。血液を心出血により採取し、血清を調製し、-80℃にて凍結した。
処置後の平均体重変化を図1に示す。図1において、各群についてデータは1日目からの平均体重変化率を示し;バーは平均値の標準誤差(SEM)である。15日目に、生理食塩水+コントロール抗体群において1匹のマウスの死亡が判明した。18日目に:(i)PG545+抗PD-1群において1匹のマウスの死亡が判明し、残りのマウスは苦痛の兆候(毛並みの乱れ)を示した;および(ii)PG545+コントロール抗体群において6匹のうち4匹のマウスが浮腫み、苦痛の兆候(毛並みの乱れ)を示した。18日目に試験の結果を出すことを決定した。
腫瘍増殖阻害率を式100×(1−ΔT/ΔC)に従って決定した。式中、ΔCおよびΔTを、処置の1日目の各群の平均腫瘍体積を分析日の平均腫瘍体積から減ずることにより計算した。インビボデータの統計分析を、Graph Pad Prism Version 6.0(Graph Pad La Jolla, CA)を用いて実施した。ANOVA分析を行い、続いてダネットの事後検定を行って、処置群の腫瘍増殖をビヒクルコントロールと比較した。
図2は、4T1.2腫瘍増殖に対する処置の効果を要約する。PG545+コントロール抗体、生理食塩水(またはビヒクル)+抗PD-1およびPG545+抗PD-1群における腫瘍増殖は、18日目にてそれぞれ68%、44%および84%阻害された。PG545+コントロール抗体およびPG545+抗PD-1群における腫瘍増殖は、生理食塩水(またはビヒクル)+コントロール抗体群と比較して有意に阻害された(両方についてP<0.01)。他の群間で有意差は見られなかった。図2において、腫瘍体積を平均腫瘍体積(±SEM)として表す;**は、ビヒクル+コントロール抗体と比較してP<0.01を表す。
実施例2 - 腫瘍浸潤白血球を評価する研究
上記実施例1において移植されたコホートからの16匹のマウスを、実施例1について4匹のマウスからなる4群への接種の1週間後に、無作為化した(平均腫瘍体積=77 mm3)。PG545を15 mg/kg(0.1 ml/10g体重)にて1および8日目に腹腔内投与し、抗PD-1またはコントロール抗体(100μl)を1、4および8日目に腹腔内投与した。
11日目に、マウスを安楽死させ、腫瘍を採取した。腫瘍を機械的に分解させ、その後コラゲナーゼIVおよびDNase 1中で消化させた後、セルストレーナーによりろ過して、単一細胞懸濁液を得た。脾臓をまた取り除き、バックグラウンド染色コントロールとして用いた。必要に応じて、細胞を固定し、透過処理した[EbioscienceまたはBD Pharmingen Fixation/Permeabilisation Kits;www.bdbiosciences.comより利用可能なBD Cytofix/CytopermTMのテクニカルデータシートにおいて提供される手順もまた参照されたい]。その後、表2に要約した抗体カクテルと共に細胞をインキュベートした。フローサイトメトリー分析をLSR II分析器(BD Biosciences)で実施した。
染色セット概要:
- 染色1(グランザイムB細胞内染色による固定群)採取のための停止ゲートをすべての群についてCD45.2に設定して、腫瘍サイズに関連するいずれのバイアスも取り除いた。
- 染色2 明確なデータセットを作らず、更なる分析から除去した。
- 染色3および4 採取のための停止ゲートをすべての群についてDAPI陰性細胞(生存可能細胞採取日)に設定して、腫瘍サイズに関連するいずれのバイアスも取り除いた。
この研究において、マン・ホイットニーのU検定を用いて統計分析を実施した。
この研究におけるマウスの平均腫瘍体積および体重変化を図3に示す。
PG545+抗PD-1処置腫瘍内において単剤およびコントロール処置腫瘍と比較してリンパ球頻度の有意な増加が観察された(図4)。4T1.2腫瘍関連リンパ球頻度の増加は、PG545+抗PD-1処置腫瘍におけるCD45.2陰性細胞の減少と相関した;腫瘍および/または間質細胞生存率に対する併用治療の影響を強調する。図4において、各群の4匹のマウスからの連結(統合)結果をデータは示す。群1=ビヒクル(生理食塩水)+コントロール抗体(CIg);群2=PG545+コントロール抗体;群3=ビヒクル(生理食塩水)+抗PD-1;群4=PG545+抗PD-1。列1は、CD45.2対FSCについての連結した蛍光活性化細胞選別(FACs)ブロットを示す。列2は、CD45+白血球ゲートにおけるSSC対FSC(形態プロット)についての連結したFACsブロットを示す。
PG545+抗PD-1処置への応答における腫瘍関連リンパ球の増加は、CD8(TCRb+CD8+)およびCD4(TCRb+CD8-)T細胞の両方における有意な増加と相関した(図5;染色2について採取されたFACSデータは、中断不能とみなされ、それ故にCD4+ Tエフェクター細胞および制御性T細胞に対する処置関連効果は正確に定量化されなかった)。染色1を分析するのに用いられるゲート設定を図6に示す(連結結果は各処置群(4つの腫瘍/群)について示されている)。特に、T細胞頻度のこれらの治療誘発変化が脾臓において観察されなかった(図5);これらの効果の腫瘍特異的性質を強調する。図5において、各シンボルは、個々の腫瘍を表す。各処置群で示される水平線は、4匹のマウスからなる群についての腫瘍関連CD8 T細胞の平均頻度を表す。各処置群からの脾臓を分析のために統合した。各水平バーは、各処置群についての平均脾臓関連CD8 T細胞頻度を表す。
腫瘍関連CD8+ T細胞コンパートメント内において、セントラルメモリーCD8+ T細胞(CD62L+CD44+細胞)の頻度の有意な増加が観察された(図5)。PG545+抗PD-1処置腫瘍内においてエフェクターメモリーCD8+ T細胞の頻度は、コントロールおよび抗PD-1処置群と比較して増加した(図5)。しかしながら、CD69+グランザイムB+エフェクターCD8+ T細胞の頻度は、4つの処置群間で同等と考えられた(図6および7)。図7において、連結結果は各処置群(4つの腫瘍/群)について示されている。
腫瘍関連CD4+CD44+CD62L+およびCD4+CD44+CD62L- T細胞の頻度は、PG545+抗PD-1群において単剤およびコントロール群と比較して増加した(図8、図9)。PG545+抗PD-1処置腫瘍のCD4 T細胞コンパートメントのこれらの変化は、これらのマウスの脾臓内において明白でなく(図8)、また、これらの効果の腫瘍特異的性質を強調する。図8において、各シンボルは、個々の腫瘍を表す。各処置群で示される水平線は、4匹のマウスからなる群についての腫瘍関連CD4 T細胞の平均頻度を表す。各処置群からの脾臓を分析のために統合した。各水平バーは、各処置群についての平均脾臓関連CD4 T細胞頻度を表す。
NK細胞頻度は、4T1.2腫瘍において低い。PG545+抗PD-1での共処置は、腫瘍関連CD69+ NK細胞の頻度を単剤およびコントロール処置と比較して有意に増加させた(図10、図11A〜11B)。特に、PG545+抗PD-1処置のこの効果は、これらのマウスの脾臓内において観察されなかった。CD335発現のNK細胞発現の治療関連変化は、検出されなかった(図10、図11A〜11B)。図10において、各シンボルは、個々の腫瘍を表す。各処置群で示される水平線は、4匹のマウスからなる群についての腫瘍関連NK細胞の平均頻度を表す。各処置群からの脾臓を分析のために統合した。各水平バーは、各処置群についての平均脾臓関連NK細胞頻度を表す。図11A〜11Bにおいて、連結結果は各処置群(4つの腫瘍/群)について示されている。
4T1.2腫瘍関連骨髄集団内における薬物関連変化は、好中球サブセット(Ly6CintCD11b+CD11-Ly6G+細胞)のみで観察された(図12;図13A〜13D(連結結果は各処置群(4つの腫瘍/群)について示されている))。抗PD-1処置は、腫瘍関連好中球において観察された減少の主要メディエーターである(図12)。図12において、各シンボルは、個々の腫瘍を表し、各処置群で示される水平線は、4匹のマウスからなる群についての腫瘍関連骨髄細胞の平均頻度を表す。
4T1.2腫瘍関連骨髄コンパートメント内におけるPD-L1発現の薬物関連変化は、観察されなかった(図14;図13A〜13D)。図14において、各シンボルは、個々の腫瘍内におけるPD-L1発現についての平均蛍光強度(MFI)を表す。各処置群で示される水平線は、PD-L1発現についての平均MFIを表す。
結論
PG545および抗PD-1群の%TGI(84%)は、ビヒクル+抗PD1抗体群(44%)と比較してほぼ2倍高く、PG545+コントロール抗体群(68%)より高い。
免疫分析は、切除された4T1.2乳腺腫瘍におけるPG545と抗PD-1の有意な相乗効果を明らかにした。腫瘍関連リンパ球の有意な増加が観察され、エフェクターメモリーCD8+ T細胞、セントラルメモリーCD8+ T細胞およびCD4+ T細胞は、4T1.2腫瘍に集積した。
PG545と抗PD-1の相乗効果はまた、4T1.2腫瘍関連NK細胞において明白であった。NK細胞コンパートメント内における腫瘍関連NK細胞頻度およびCD69発現の有意な増加が、PG545+抗PD-1処置4T1.2腫瘍において観察された。
PG545と抗PD1抗体の組合せは、抗PD1単独と比較してTGIをほぼ2倍増加させた。また、腫瘍関連CD8+ T、CD4+ TおよびNK細胞の相乗的増加は、PG545および抗PD1治療の両方で処置された4T1.2腫瘍において確認された。
本明細書および特許請求の範囲(存在する場合)において、用語「含む(comprising)」ならびにその派生語「含む(comprises)」および「含む(comprise)」は、記載の整数の各々を含むが、1つ以上の更なる整数を含むことを除外しない。
本明細書全体を通して「一実施態様(one embodiment)」または「一実施態様(an embodiment)」への言及は、実施態様に関連して記載される特定の特徴、構造または特性が、本発明の少なくとも1つの実施態様に含まれることを意味する。したがって、本明細書全体を通して様々な箇所での語句「一実施態様において(in one embodiment)」または「一実施態様において(in an embodiment)」出現は、同一実施態様へ必ずしもすべて言及するものではない。また、特定の特徴、構造または特性は、1つ以上の組合せで任意の適切な方法で組み合わせられ得る。
法令に従って、本発明は、構造的または方法的特徴に多かれ少なかれ特異的な言語で記載している。本明細書に記載の手段は、本発明を実施する好ましい形態を含むため、本発明は、示されるかまたは記載される特定の特徴に限定されないと理解されたい。したがって、本発明は、当業者によって適切に解される添付の特許請求の範囲(存在する場合)の適切な範囲内のその形態または改変のいずれかで請求される。
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Claims (21)

  1. 処置または予防を必要とする患者に、免疫チェックポイントモジュレーターを式(I):
    式(I)
    [式中、Xは、SO3MまたはHであり、Mは、任意の医薬的に許容されるカチオンであり;少なくとも70%のX基は、SO3Mである]
    で示される化合物と共に投与することを含む、癌を処置または予防する方法。
  2. 少なくとも90%のX基が、SO3Mである、請求項1に記載の方法。
  3. 式(I)で示される化合物が、式(VI):
    式(VI)
    で示される化合物である、請求項1または2に記載の方法。
  4. 免疫チェックポイントモジュレーターが、免疫チェックポイント阻害剤である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 免疫チェックポイントモジュレーターが、T細胞、抗原提示細胞(APC)/腫瘍細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞、ナチュラルキラーT細胞(NKT)、γδT細胞、インバリアントT細胞、またはインバリアントナチュラルキラーT細胞(NKT)の1つ以上を標的とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 免疫チェックポイントモジュレーターが、T細胞免疫チェックポイント阻害剤である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 免疫チェックポイントモジュレーターが、PD-1阻害剤である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  8. 免疫チェックポイントモジュレーターが、ニボルマブである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  9. 癌が、固形腫瘍である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 癌の処置または予防のための医薬の製造における式(I)で示される化合物の使用であって、
    式(I)で示される化合物が、
    式(I)
    [式中、Xは、SO3MまたはHであり、Mは、任意の医薬的に許容されるカチオンであり;少なくとも70%のX基は、SO3Mである]
    であり;
    医薬が、免疫チェックポイントモジュレーターとの投与のために製剤化される、使用。
  11. 癌の処置または予防のための医薬の製造における免疫チェックポイントモジュレーターの使用であって、
    医薬が、式(I):
    式(I)
    [式中、Xは、SO3MまたはHであり、Mは、任意の医薬的に許容されるカチオンであり;少なくとも70%のX基は、SO3Mである]
    で示される化合物との投与のために製剤化される、使用。
  12. 少なくとも90%のX基が、SO3Mである、請求項10または11に記載の使用。
  13. 式(I)で示される化合物が、式(VI):
    式(VI)
    で示される化合物である、請求項10〜12のいずれか一項に記載の使用。
  14. 免疫チェックポイントモジュレーターが、免疫チェックポイント阻害剤である、請求項10〜13のいずれか一項に記載の使用。
  15. 免疫チェックポイントモジュレーターが、T細胞、抗原提示細胞(APC)/腫瘍細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞、ナチュラルキラーT細胞(NKT)、γδT細胞、インバリアントT細胞、またはインバリアントナチュラルキラーT細胞(NKT)の1つ以上を標的とする、請求項10〜14のいずれか一項に記載の使用。
  16. 免疫チェックポイントモジュレーターが、T細胞免疫チェックポイント阻害剤である、請求項10〜15のいずれか一項に記載の使用。
  17. 免疫チェックポイントモジュレーターが、PD-1阻害剤である、請求項10〜14のいずれか一項に記載の使用。
  18. 免疫チェックポイントモジュレーターが、ニボルマブである、請求項10〜13のいずれか一項に記載の使用。
  19. 癌の処置または予防における使用のための免疫チェックポイントモジュレーターと式(I)で示される化合物であって、
    式(I)で示される化合物が、
    式(I)
    [式中、Xは、SO3MまたはHであり、Mは、任意の医薬的に許容されるカチオンであり;少なくとも70%のX基は、SO3Mである]
    である、免疫チェックポイントモジュレーターと式(I)で示される化合物。
  20. 式(I)で示される化合物および免疫チェックポイントモジュレーターを含む医薬組成物または組合せ医薬であって、式(I)で示される化合物は、
    式(I)
    [式中、Xは、SO3MまたはHであり、Mは、任意の医薬的に許容されるカチオンであり;少なくとも70%のX基は、SO3Mである]
    である、医薬組成物または組合せ医薬。
  21. 式(I)で示される化合物および免疫チェックポイントモジュレーターを含むキットであって、式(I)で示される化合物が、
    式(I)
    [式中、Xは、SO3MまたはHであり、Mは、任意の医薬的に許容されるカチオンであり;少なくとも70%のX基は、SO3Mである]
    である、キット。
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