JP5417653B2 - 抗−4−1bb抗体及び化学抗癌剤を含む癌疾患の予防及び治療用調合薬学的組成物 - Google Patents

抗−4−1bb抗体及び化学抗癌剤を含む癌疾患の予防及び治療用調合薬学的組成物 Download PDF

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Description

本発明は、抗-4-1BB抗体及び化学抗癌剤を有効成分として含有する癌疾患の予防、及び治療用薬学的組成物に関するものである。
数多くの研究者らが化学療法と放射能治療の副作用を克服するため、成功的な癌治療を目指した方法、及び治療剤の開発に努力してきた。癌と免疫細胞に関する生物学が進歩するにつれ癌治療のための新しい方法が考案され、興味深い方法のうち一つに宿主の免疫反応をあげたり、癌に対抗する坑癌免疫反応を増加させるために免疫寛容を壊す免疫治療法がある(Waldmann TA, Nat. Med. Rev., 9, pp269-277, 2003; Ye Z et al., Nat. Med., 8, pp343-348, 2002; Yu P et al., Nat. Immunol., 5, pp141-149, 2004)。
癌治療において、亢進性(agonistic)抗-4-1BB抗体(anti-4-1BB)の効能は既に証明されており、その治療効果は自然殺害細胞とCD8+ T細胞の活性、そしてインターフェロン-ガンマ(IFN-γ)の生産を増加させることで媒介されるものとして知られている(Xu D et al., Int. J. Cancer. 109, pp499-506, 2004; Ito F et al., Cancer Res., 64, pp8411-8419, 2004; Sun Y et al., J. Immunol., 168, pp1457-1465, 2002; Ju SA et al., Immunol. Cell Biol., 83, pp344-351, 2005)。しかし抗-4-1BB抗体の単独投与ではメラノーマ(黒色腫)(melanoma)の成長を完全に抑制することはできない(Ju SA et al., Immunol. Cell Biol., 83, pp344-351, 2005)。
亢進性抗-4-1BB抗体は、CD8 T細胞の反応を差別的に増進させることでよく知られており、このような特徴により長い間癌治療のための免疫治療の標的として研究されてきた(Shuford WW et al., J. Exp. Med., 186(1), pp47-55, 1997; Halstead ES et al., Nat. Immunol., 3(6), pp536-541, 2002)。現在までの研究結果では、4-1BBを利用した癌治療方法が相当に成功していることを見せてくれているが(Chen SH et al., Mol. Ther., 2(1), pp39-46, 2000; Martinet O et al., Gene Ther., 9(12), pp786-792, 2002; Melero I et al., Nat. Med., 3(6), pp682-685, 1997)、亢進性抗-4-1BB単独では免疫性が低い細胞の治療には効果的ではないことが分かった(Wilcox RA et al., J. Clin. Invest., 109(5), pp651-659, 2002; Ju SA et al., Immunol. Cell Biol., 83(4), pp344-351, 2005)。免疫性の低い癌細胞の場合、T細胞の活性化が難しく、これにより4-1BBを発現する細胞の頻度が低くなるために抗-4-1BB抗体の効果が非効率的になる。このような抗-4-1BB抗体を利用した癌治療効果の限界を克服するために癌細胞の特異的な抗原に対する免疫反応を高めることのできる、また他の精製との複合投与を考慮してみることができる。
シクロホスファミド(cyclophosphamide, CTX)は、癌患者の化学治療(chemotherapy)に使われる化学物質で、素早く増殖する細胞の成長を抑制する細胞増殖阻害剤である(Lake RA and Robinson BW, Nat. Rev. Cancer, 5(5), pp397-405, 2005)。一般的な化学抗癌剤は細胞増殖を阻害する物質であるために、癌細胞のみならず、素早く増殖する正常な免疫細胞をも除去してしまうという副作用がある(Lake RA and Robinson BW, Nat. Rev. Cancer, 5(5), pp397-405, 2005; Bast RC Jr et al., Clin. Immunol. Immunopathol., 28(1), pp101-114, 1983; Mackall CL et al., Blood, 84(7), pp2221-2228, 1994)。上記特徴により抗体を利用した免疫治療に化学抗癌剤を併行して用いることは効果的ではないものと予想された。
しかしCTXの場合、B細胞とCD4+CD25+ regulatory T細胞のみを選択して取り除き、正常なCD4及びCD8 T細胞は取り除かないものとして知られており(Ghiringhelli F et al., Eur. J. Immunol., 34(2), pp336-344, 2004; Taieb J et al., J. Immunol., 176(5), pp2722-2729, 2006; Cupps TR et al., J. Immunol., 128(6), pp2453-2457, 1982; Winkelstein A, Immunology, 46(4), pp827-832, 1982; Mackall CL et al., Blood, 84(7), pp2221-2228, 1994)、このような特性でもって癌細胞の直接的な除去能力と免疫増進効果を誘発することにより、CTXは化学的な治療剤にもかかわらず免疫治療剤として扱われている(Lake RA and Robinson BW, Nat. Rev. Cancer, 5(5), pp397-405, 2005; Tsung K et al., J. Immunol., 160(3), pp1369-1377, 1998; Le HN et al., J. Immunol., 167(12), pp6765-6772, 2001)。
ここに本発明者らは、活性化したT細胞が作用対象である抗-4-1BB抗体の場合、CTXと併行して用いても互いの坑癌効果を相殺しないものと期待し、これを証明するためにCTXを含んだ多様な化学抗癌剤と亢進性抗-4-1BB抗体を利用してB16-F10メラノーマ(黒色腫)癌細胞を対象に予防及び治療効果を実験し、その結果抗-4-1BBと抗癌剤それぞれの単独治療に比べ、複合投与が癌細胞の特異的な免疫反応の増進及び卓越した癌細胞除去の活性を有することを確認し、癌の予防及び治療により効果的であるということを証明することで本発明を完成した。
本発明の目的は、癌細胞の特異的な免疫反応増進の活性及び卓越した癌細胞除去の活性を有する抗-4-1BB抗体及び化学抗癌剤を有効成分として含有する癌疾患の予防及び治療に有用な薬学的組成物を提供することである。
上記目的を果たすために、本発明は癌細胞の特異的な免疫反応増進の活性及び卓越した癌細胞除去の活性を有する抗-4-1BB抗体及び化学抗癌剤の調合を有効成分として含有する癌疾患の予防及び治療用薬学的組成物を提供する。
本願発明の抗-4-1BB抗体は、4-1BB(CD137)分子に特異性を有するポリペプチド、望ましくは単一クローン抗-4-1BB抗体(monoclonal anti-4-1BB antibody)を含む。
本願発明の4-1BBは人間を含む多様な哺乳動物の4-1BBを含むが、これに限定されるものではない。
本願発明の化学抗癌剤は、シクロホスファミド(cyclophosphamide)、シスプラチン(cisplatin)、5-フルオロウラシル(5-fluorouracil)、イリノテカン(irinotecan)、タキソール(paclitaxel)、またはドキソルビシン(Doxorubicin; Doxo)、望ましくはシクロホスファミド(cyclophosphamide)を含む。
本願発明の抗-4-1BB抗体及び化学抗癌剤は、組成物の総重量のうち0.1〜50重量%を含むことを特徴とする。
また、本発明は抗-4-1BB抗体及び化学抗癌剤を含有する上記組成物を投与する段階を含む癌疾患の予防、及び治療方法を提供する。
上記癌疾患とは、子宮頸部癌、肺癌、膵臓癌、非小細胞性肺癌、肝臓癌、結腸癌、骨癌、皮膚癌、頭部または頸部癌、皮膚または眼球内メラノーマ(黒色腫)、子宮癌、卵巣癌、直腸癌、胃癌、肛門周囲癌、結腸癌、乳癌、卵管癌腫、子宮内膜癌腫、膣癌腫、陰門癌腫、食道癌、小腸癌、内分泌腺癌、甲状腺癌、副甲状腺癌、副腎癌、軟組織肉腫、尿道癌、陰茎癌、前立腺癌、膀胱癌、腎臓、または輸尿管癌、腎臓細胞癌腫、腎臓骨盤癌腫、望ましくは肺癌、肝臓癌、皮膚癌または眼球内メラノーマ(黒色腫)を含む。
C57BL/6マウスにメラノーマ(黒色腫)癌細胞株であるB16F10細胞で腫瘍を誘発するとともに本発明の抗-4-1BB抗体及び化学抗癌剤であるシクロホスファミド(CTX)の複合投与は、腫瘍の大きさを減少させるとともにマウスの生存率を向上させて腫瘍予防効果を表し、上記実験は他の化学抗癌剤であるシスプラチン、5-フルオロウラシル、ドキソルビシン、イリノテカン及びタキソールと抗-4-1BB抗体を複合投与した場合と比較すると、非常に卓越した抗腫瘍の活性及び生存率の向上を示した。また腫瘍が誘発されたマウスでも本発明の抗-4-1BB抗体及びシクロホスファミドの複合投与が腫瘍の大きさを減少させるとともにマウスの生存率を向上させ腫瘍治療効果を示した。上記結果は本発明の抗-4-1BB抗体及びシクロホスファミドの複合投与が卓越した癌細胞除去の活性を有することを示している。また、メラノーマ(黒色腫)癌細胞株であるB16F10細胞で腫瘍を誘発したC57BL/6マウスに本発明の抗-4-1BB抗体及びシクロホスファミドを複合投与した場合、CTX単独で処理した場合と比較して免疫細胞であるCD4及びCD8 T細胞数の減少が相殺され、CD8 T細胞の場合はインターフェロン-ガンマを発現するCD8 T細胞の個体数が増加して、本発明の抗-4-1BB抗体及びシクロホスファミドの複合投与はそれぞれの単独処理と比較した時、癌細胞の特異的な免疫反応増進の活性を表したことにより、癌疾患の予防及び治療効果の卓越性を確認できた。
本発明の抗-4-1BB抗体及び化学抗癌剤を含有する薬学的組成物は、薬学的組成物の製造に通常用いる適切な担体(carrier)、賦形剤、及び希釈剤を更に含むことができる。
本発明の抗-4-1BB抗体及び化学抗癌剤は、単独または他の薬学的活性化合物との結合だけでなく適当な集合として用いられることもできる。
本発明による抗-4-1BB抗体及び化学抗癌剤を含有する薬学的組成物は、それぞれ通常の方法により散剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤、懸濁液、乳剤(emulsion)、シロップ、エアゾール(aerosol)などの経口型剤形、外用剤、坐剤及び滅菌注射溶液の形態で剤形化して用いられることもでき、抽出物を含む組成物に含有できる担体(carrier)、賦形剤及び希釈剤としては乳糖、デキストロース、ショ糖、ソルビトール、マンニトール、キシリトール(xylitol)、エリトリトール(erythritol)、マルチトール、澱粉、アカシアゴム、アルギン酸塩(alginate)、ゼラチン、カルシウムリン酸塩、カルシウムケイ酸塩、セルロース、メチルセルロース、微晶質セルロース、ポリビニルピロリドン、水、メチルヒドロキシ安息香酸、プロピルヒドロキシ安息香酸、タルク、マグネシウムステアリン酸塩、及び鉱物油を挙げることができる。製剤化する場合には通常用いる、充填剤(filler)、増量剤、結合剤、湿潤剤、崩解剤、界面活性剤などの希釈剤または賦形剤を用いて調剤される。経口投与のための固形製剤には錠剤、丸剤(pill)、散剤、顆粒剤、カプセル剤などが含まれ、このような固形製剤は上記化合物に少なくとも一つ以上の賦形剤、例えば、澱粉、炭酸カルシウム(calcium carbonate)、ショ糖(sucrose)、またはラクトース(lactose)、ゼラチンなどを混ぜて調剤される。また単純な賦形剤以外にもステアリン酸マグネシウムタルクのような潤滑剤も使用される。経口用の液状製剤としては、懸濁剤、内用液剤、乳剤、シロップ剤などが該当するが、よく用いられる単純希釈剤である水、リキッドパラフィン以外にさまざまな賦形剤、例えば湿潤剤、甘味剤、芳香剤、保存剤などが含まれることもある。非経口投与用の製剤には滅菌された水溶液、非水性溶剤、懸濁剤、乳剤、凍結乾燥製剤、坐剤が含まれる。非水性溶剤、懸濁剤としては、プロピレングリコール(propylene glycol), ポリエチレングリコール、オリーブオイルのような植物性油、オレイン酸エチルのような注射可能なエステルなどの使用も可能である。坐剤の基剤としてはハードファット(witepsol)、マクロゴール、ツイン(tween)61、カカオ脂、ラウリン脂、グリセロールゼラチンなどの使用が可能である。
本発明の抗-4-1BB抗体及び化学抗癌剤の望ましい投与量は、患者の状態及び体重、疾病の程度、薬物形態、投与経路及び期間によって異なるが、当業者により適切に選択されうる。望ましい効果を得るためには本発明の抗-4-1BB抗体及び化学抗癌剤は1日0.0001mg/kg乃至100mg/kgで、望ましくは0.001乃至100mg/kgで投与するのがよい。投与は一日に一度の投与でも、数回に分けて投与するのでも構わない。したがって上記投与量はいかなる面においても、本発明の範囲を限定するものではない。
本発明の抗-4-1BB抗体及び化学抗癌剤はマウス、二十日ネズミ、家畜、人間などの哺乳動物に多様な経路を介して投与されうる。投与のあらゆる方式は予想されうることであるが、例えば、経口、直腸または静脈、筋肉、皮下、子宮内硬膜または脳血管内(intracerebroventricular)注射による投与などがある。
本発明の抗-4-1BB抗体及び化学抗癌剤自体には毒性及び副作用はほとんど無いため、長期間の服用でも安心して使用することのできる薬剤である。
本発明の抗-4-1BB抗体及び化学抗癌剤の複合投与は、癌細胞の特異的な免疫反応増進の活性及び卓越した癌細胞除去の活性を有するため、癌疾患の免疫治療方法を提供するとともに、癌疾患の予防及び治療用薬学的組成物に使用するのに有益である。
以下、本発明を実施例及び実験例により詳しく説明していく。
但し、下記実施例及び実験例は本発明を例示するに過ぎず、本発明の内容が下記実施例に限定されるものではない。
参考例1. 抗体及び化学抗癌剤
抗-4-1BB単一クローン抗体(anti-4-1BB monoclonal antibody)を生産する融合細胞はロバートミトラー博士(Dr. Robert Mittler, Emory University, Atlanta, GA)より提供された。上記抗体はマウスの腹水及び融合細胞培養液から生産され、タンパク質G-コラム(protein G-column, Sigma, St. Louis, MO)を用いて実験室にて精製した。化学抗癌剤であるシスプラチン(cisplatin; Cis)、5-フルオロウラシル(5-fluorouracil; 5-FU)は中外製薬(ソウル、韓国)より、イリノテカン(irinotecan)は株式会社アベンティスパーマ(ソウル、韓国)より、タキソール(paclitaxel; Taxel)はブリストル・マイヤーズスクイブ(Bristol-Myers Squibb, New York, NY)より、そしてドキソルビシン(Doxorubicin; Doxo)は保寧製薬株式会社(ソウル、韓国)より購入した。
対照群の抗体に用いられる精製されたマウスIgGはシグマ社(Sigma-Aldrich)より購入をし、抗-CD4-FITC抗体及び抗-CD8a-PE抗体、そして抗-IFM-γ-PE抗体はイーバイオサイエンス社(eBioscience, San Diego, CA)より購入した。
参考例2. 実験動物及び細胞株
実験動物はC57BL/6雄性マウス(Harlan Laboratories, Indianapolis, IN)を使用し、動物飼育室で一定の条件(温度:21±2℃、明暗:12時間の明暗周期)で、飼料と飲水は自由に摂取できるようにし、実験開始前まで水とエサを充分に与えた。マウスのメラノーマ(黒色腫)細胞株であるB16F10(ATCC CRL-6475, アメリカ)は、10%のウシ胎仔血清(Fetal Bovine Serum; FBS, Gibco BRL, NY)、2mMのL-グルタミン、100U/lのペニシリン(penicillin, Invitrogen, USA)及び100μg/mlのストレプトマイシン(streptomycin, Invitrogen, USA)が添加されたDMEM培地(Dulbeco's modified eagle's medium, GIBCO BRL, USA)を使用し培養した。
実施例1. 腫瘍誘発マウスに抗体及び化学抗癌剤を投与
マウスに腫瘍を誘発するためにメラノーマ(黒色腫)細胞であるB16F10(4×10個)をマウスの背中中央部位に皮下注射した。この時、癌細胞を注射するとともにシクロホスファミド(CTX)3mg及び抗-4-1BB単一クローン抗体100μgを1回腹腔注射し、抗-4-1BB単一クローン抗体の場合は5日間隔で腹腔注射をした。投与期間の比較用の対照群マウスには、癌細胞注射で腫瘍誘発をした後5日目または10日目からCTX及び抗-4-1BB単一クローン抗体の同一量を同一方法により注射した。また、多様な化学抗癌剤との比較用の対照群マウスには、癌細胞注射とともにシスプラチン(cisplatin; Cis)50-200μg、5-フルオロウラシル(5-fluorouracil; 5-FU)800-10,000μg、ドキソルビシン(Doxorubicin; Doxo)200-400μgは静脈注射した。癌組職の大きさ及び生存率は周期的に測定した。
実施例2. 流入領域リンパ節(draining lymph node)内の免疫細胞数の変化測定
抗-4-1BB及び抗癌剤の複合投与による流入領域リンパ節内の免疫細胞数の変化を測定するために上記実施例1の方法でマウスに腫瘍を誘発した直後、CTX3mgそして/または抗-4-1BB単一クローン抗体100μgを1回腹腔投与した(Tsung K et al., J. Immunol., 160(3), pp1369-1377, 1998; Wilcox RA et al., J. Clin. Invest., 109(5), pp651-659, 2002)。癌細胞を注射した後、1、2、4、8、12、16、20、24日目に各実験群の流入領域リンパ節を分離して細胞数を調査した。CD4及びCD8 T細胞数を計算するために各実験群からリンパ節細胞懸濁液を準備し、これら細胞はFc部位を通じる染色抗体らの非特異的な結合を阻むためにFc阻害用抗体(2.4G2, BD Biosciences, USA)で4℃で10分間反応させ、以降、抗-CD4-FITC(eBioscience, USA)及び抗-CD8a-PE抗体(eBioscience, USA)を用いて細胞表面を染色した。乳細胞分析器(FACScan, BD Bioscience, USA)を利用して各サンプル内の免疫細胞の比率を測定し、全体の細胞数と各細胞群の比率を掛けて、CD4及びCD8 T細胞の数字を計算した。
実施例3. リンパ節(lymph node)内のインターフェロン-ガンマ(IFN-γ)の発現度測定
抗-4-1BB及び抗癌剤の複合投与によるリンパ節内インターフェロン-ガンマの発現変化を測定するために上記実施例1の方法でマウスに腫瘍を誘発した直後、CTX3mgそして/または抗-4-1BB単一クローン抗体100μgを1回腹腔投与した。癌細胞を注射した後、1、2、4、8、12、16、20、24日目に各実験群の腫瘍組職と最も近い流入領域リンパ節(draining lymph node; inguinal lymph node)を分離してインターフェロン-ガンマ(IFN-γ)の発現程度を測定した(Kim YH et al., Cell. Immunol., 238(2), pp76-86, 2005)。細胞内のIFN-γサイトカイン染色のために各実験群からリンパ節細胞懸濁液を準備し、分離した細胞はブレフェルディンA(Brefeldin A, BD Bioscience, USA)が含まれた培養液に50ng/mlのPMA及び500ng/mlのイオノマイシン(Ionomycin, Sigma, USA)を処理した後、6時間培養した。6時間後、細胞のFc部位を阻む2.4G2を利用して4℃で10分間反応させ、FITC-抗CD8または抗-CD4で染色した。その後、サイトフィックス/サイトパームキット(Cytofix/cytoperm, BD Pharmingen. USA)を利用して製造社が提供した使用マニュアルに基づいて固定/透過させ、抗-IFN-ガンマ-PE(anti-IFN-γ-PE, eBioscience, USA)で染色し、試料はすべて乳細胞分析器(FACScan, BD Bioscience, USA)で分析した。
実験例1. 抗-4-1BB単一クローン抗体及びCTXの複合投与による坑癌効果
1-1. 抗-4-1BB抗体及びCTXの複合投与による癌予防効果
亢進性抗-4-1BB抗体とCTXの複合投与による癌予防効果を調査するためにメラノーマ(黒色腫)癌細胞株であるB16-F10(4×10個)を背中側に投与し腫瘍を誘発したC57BL/6マウスを用いて実験し、実施例1のように癌細胞を注射するとともにシクロホスファミド(CTX)3mgまたは/及び抗4-1BB単一クローン抗体100μgを1回腹腔注射し、抗4-1BB単一クローン抗体の場合は5日間隔で6回腹腔注射をした。実験期間中、腫瘍の大きさ及びマウスの生存率を分析し下記図1に表した。
図1に示されるように、B16-F10メラノーマ(黒色腫)癌細胞のみを注射したマウスの場合、約15日目から腫瘍が成長し始め、癌細胞注射後30日前後ですべて死亡した。抗-4-1BB抗体を投与したマウスの場合、腫瘍の成長には陰性対照群と異なる点は無かったがマウスの生存が約6-7日程度延長した。CTXを投与したマウスの場合、CTX単独だけでも癌組職の成長が約30日まで大きく増加しないほど強い癌成長抑制効果があることを示し、マウスの生存も約20日程度延長した。抗-4-1BB抗体及びCTXを複合投与したマウスの場合、癌細胞注射後約50日まで腫瘍のかさも大きく増加することはなく、90%以上のマウスが生存した。しかし、50日以降、癌組職の成長が少しずつ増加し、同じく生存率も減少し始めた。抗-4-1BB抗体及びCTXを複合投与したマウスのうち約20%は100日以上生存した。
1-2. 抗-4-1BB抗体及びCTXの複合投与による癌治療効果
亢進性抗-4-1BB抗体とCTXの単独または複合投与による癌治療効果を調査するためにメラノーマ(黒色腫)癌細胞株であるB16-F10(4×10個)を背中側に投与して腫瘍を誘発したC57BL/6マウスを用いて実験を行い、実施例1のように癌細胞を注射した後5日目及び10日目にシクロホスファミド(CTX)3mgを腹腔注射し、抗-4-1BB抗体の場合、癌細胞注射後5日目または10日目から5日間隔で6回腹腔注射をした。実験期間中、腫瘍の大きさ及びマウスの生存率を分析して下記図2に表した。
図2a及び図2bに示されるように、癌細胞注射後5日目に抗-4-1BB抗体を投与した場合、癌組職の成長及びマウスの生存率に何ら影響を及ぼすことはなく、CTXも同様で実験例1の癌予防効果とは異なり全く坑癌効果を表さなかった。ラット-免疫グロブリンG(Rat IgG)を投与した対照群と類似し、抗-4-1BB抗体またはCTXを単独投与したマウスは約35日以内にすべて死亡し、腫瘍の成長も同じく対照群と等しかった。ところが、抗-4-1BB抗体及びCTXを複合投与した場合、約30日まで腫瘍の成長が鈍くなり、30日以降になって腫瘍の成長が少しずつ増加した。癌細胞の投与から30日以降には抗-4-1BB抗体及びCTXを複合投与した実験群の生存率は減少し始め、50日目には生存率が40%、80日前後ですべてのマウスが死亡した。図2c及び図2dに示されるように、癌細胞注射後10日目から抗-4-1BB抗体または/及びCTXを単独投与した場合、5日目から投与した結果と同様、何らの坑癌効果を表さなかった。ところが、抗-4-1BB抗体及びCTXの複合投与の場合、5日目から投与した結果と類似のレベルで腫瘍組職の成長が鈍くなり、生存率も大きく増加した。
CTXは癌細胞が組職を形成する前に効果的に坑癌反応を誘導するが、癌細胞が組職を形成した以降はその坑癌効果が減少されて、抗-4-1BB抗体または癌細胞の免疫性が低い場合は坑癌反応を充分に誘導できないということを表す上記結果は、CTX及び抗-4-1BB抗体が複合で使用される場合にのみ癌の予防及び治療効果が増進されることができるということを表している。
実験例2. 抗-4-1BB単一クローン抗体及び化学抗癌剤の複合投与による坑癌効果
上記実験例1の亢進性抗-4-1BB抗体及びCTXの複合投与は相互増進的に癌予防及び治療効果を表した。したがって現在の臨床で使用する多様な化学抗癌剤もCTXと類似した抗-4-1BB抗体との相互増進効果を有するか否かの可否を調査するため、メラノーマ(黒色腫)癌細胞株であるB16-F10(4×10個)を背中側に投与して腫瘍を誘発したC57BL/6マウスを用いて実験を行い、実施例1のように癌細胞を皮下注射するとともに抗4-1BB単一クローン抗体100μgまたは/及びシスプラチン(cisplatin; Cis)50または200μg、5-フルオロウラシル(5-fluorouracil; 5-FU)800または10,000μg、イリノテカン(irinotecan)2mg及びタキソール(paclitaxel; Taxel)200または500μgは腹腔注射をし、抗-4-1BB抗体の場合は5日間隔で6回腹腔注射した。抗4-1BB単一クローン抗体100μgまたは/及びドキソルビシン(Doxorubicin; Doxo)200または400μgは単独または複合して静脈注射をし、抗-4-1BB抗体の場合は5日間隔で6回腹腔注射した。実験期間中、腫瘍の大きさ及びマウスの生存率を分析して下記図3に表した。
2-1. 抗-4-1BB単一クローン抗体及びシスプラチンの複合投与による坑癌効果
図3a及び3bに示されるように、シスプラチン(cisplatin; Cis)を単独投与したマウスの場合、対照群であるラット-免疫グロブリンG(rat IgG)投与群に比べてCisの投与濃度に比例して癌組職の成長が鈍くなり、マウスの生存率も同じく部分的に増加した。亢進性抗-4-1BB抗体及びCisを複合投与したマウスの場合、単独投与より高いレベルの坑癌効果を表し、200μg Cis及び抗-4-1BB抗体を複合投与したマウスが最も低い癌組職成長率を表し、癌細胞の注射後50日まで約20%のマウスが生存した。
2-2. 抗-4-1BB単一クローン抗体及び5-フルオロウラシルの複合投与による坑癌効果
図3c及び3bに示されるように、5-フルオロウラシル(5-fluorouracil; 5-FU)は5-FUの濃度に比例して癌組職の成長は鈍くなったが、マウスの生存率は反比例だった。亢進性抗-4-1BB抗体及び5-FUを複合投与したマウスの場合、5-FUの単独投与の副作用は部分的に相殺されて癌組職の成長鈍化だけでなくマウスの生存率も同じく増加した。ところが、5-FUはすべての実験群のマウスが40日以前に死亡することにより、5-FUはCTXやCisに比べて抗-4-1BB抗体と低い共同相乗作用を表した。
2-3. 抗-4-1BB単一クローン抗体及びドキソルビシンの複合投与による坑癌効果
図3e及び3fに示されるように、ドキソルビシン(Doxorubicin; Doxo)は単独投与によっても使用濃度に比例して強力な坑癌効果を表すことで、癌組職の成長鈍化だけでなくマウスの生存率を大きく増加させた。亢進性抗-4-1BB抗体とDoxoを複合投与した場合、坑癌効果が更に増加して400μg Doxoと抗-4-1BB抗体を複合投与したマウスは癌組職の成長が鈍くなっただけでなく、癌細胞の注射後50日までの生存率が60%というレベルを維持した。
2-4. 抗-4-1BB単一クローン抗体及びイリノテカンの複合投与による坑癌効果
図3g及び3hに示されるように、イリノテカン(Irinotecan)の単独投与もやはり濃度に比例して坑癌効果を見せたが、他の抗癌剤に比べては低いレベルであり、大部分のマウスが対照群であるラットIgG投与マウスと類似して30日以内にすべて死亡した。亢進性抗-4-1BB抗体とイリノテカンを一緒に投与する場合にも共同相乗作用によって相対的に強力な坑癌効果を表したが、複合投与の場合にも40日前後ですべてのマウスが死亡し、他の抗癌剤との複合投与に比べて一時的な効果であることを表した。
2-5. 抗-4-1BB単一クローン抗体及びタキソールの複合投与による坑癌効果
図3i及び3jに示されるように、タキソール(Paclitaxel; Taxel)の単独投与は上記の他の抗癌剤に比べてB16-F10メラノーマ(黒色腫)の成長抑制効果が低いものと表れた。投与濃度に比例して癌組職成長の鈍化及び生存率増加現象が若干表れたが対照群のラットIgG投与マウスと比べたら大きな有意性は無かった。また亢進性抗-4-1BB抗体と複合投与した時にも増進効果は表れたが有意性は低かった。
図3に示されるように、上記実験で用いたシスプラチン、5-フルオロウラシル、ドキソルビシン、イリノテカン、タキソールのような一般的な化学抗癌剤は免疫細胞をも取り除くために抗-4-1BB抗体とは相互補完的とはいえない製剤であるが、未だ知られていないメカニズムを通して抗-4-1BBの刺激が抗癌剤によって減少される免疫細胞の再分割を素早く促進することで比較的高い共同相乗作用を表したものと予想され、シクロホスファミド(CTX)の場合、上記抗癌剤とは異なる方式で坑癌作用を表した。CTXは癌細胞を直接取り除くだけでなく、CTXによってCD4+CD25+ regulatory T細胞とB細胞のみを選択して取り除くことで癌細胞に対するT細胞の活性を増加させる(Ghiringhelli F et al., Eur. J. Immunol., 34(2), pp336-344, 2004; Taieb J et al., J. Immunol., 176(5), pp2722-2729, 2006; Cupps TR et al., J. Immunol., 128(6), pp2453-2457, 1982; Winkelstein A, Immunology, 46(4), pp827-832, 1982)。したがってCTXと抗-4-1BB抗体を複合投与する場合、癌細胞の特異的なCD8+ T細胞の反応が増進されて坑癌効果が増進されるものと予想できる。
実験例3. 抗-4-1BB単一クローン抗体及びCTXの複合投与による免疫細胞再分割(lymphocyte repopulation)の促進効果
CTXは癌細胞を直接取り除くだけでなく、免疫細胞をも部分的に取り除く。特にCTXは、B細胞とCD4+CD25+ T細胞のみを選択して取り除くものと報告された(Ghiringhelli F et al., Eur. J. Immunol., 34(2), pp336-344, 2004; Taieb J et al., J. Immunol., 176(5), pp2722-2729, 2006; Cupps TR et al., J. Immunol., 128(6), pp2453-2457, 1982; Winkelstein A, Immunology, 46(4), pp827-832, 1982)。したがって、CTX及び抗-4-1BB抗体の複合投与による持続的な癌治療効果は坑癌効果を表すT細胞の再分割(repopulation)と関連があるものと予想した。これを検証するために実施例1に記載した方法通りにB16-F10メラノーマ(黒色腫)細胞の皮下注射とともにCTXを投与した後、5日間隔で抗-4-1BB抗体を腹腔投与しながら実施例2に記載した方法によってリンパ節内細胞数の変化を測定した。実験結果図4aに示されるように、ラットIgGを投与したマウスのリンパ節内細胞数は癌細胞投与後8日目から漸進的に増加し、抗-4-1BB抗体を投与する場合、2-3日以内に急激に増加した。CTXを投与したマウスのリンパ節は一時的に減少し、癌細胞注射後16日前後に増加したが、細胞数を回復した後にもラットIgGまたは抗-4-1BBを投与したマウスの細胞数に比べると1/2〜1/5以下の水準にとどまった。CTX及び抗-4-1BB抗体の複合投与の場合にも一時的な細胞数の減少現象が発生したが、癌細胞注射後約8日目から細胞数が増加し始め、20日目には抗-4-1BB抗体の単独投与群と類似したレベルで回復した。CD4及びCD8 T細胞数も同じくリンパ節内細胞数と類似した傾向を表した(図4b及び4c参照)。抗-4-1BB抗体を投与する場合、CD4及びCD8 T細胞の数が急激に増加し、CTX投与時には上記結果とは反対にCD4及びCD8 T細胞の数は減少した。CTXを単独投与した場合、約14日後に正常レベルに復旧したが、抗-4-1BB抗体を一緒に投与する場合は8日後から回復し始めた。上記の結果は、抗-4-1BB抗体を投与する場合、CTXによって表れる免疫細胞の減少という副作用が相殺されるということを表し、これにより抗-4-1BB抗体及びCTXの複合投与は坑癌効果を増進させることができるということを表す。
実験例4. 抗-4-1BB単一クローン抗体及びCTXの複合投与によるインターフェロン-ガンマ(IFN-γ)の発現増加効果
インターフェロン-ガンマ(IFN-γ)は、T細胞による癌治療に必須の役割を担い、特に抗-4-1BB抗体の刺激後に増加する最も代表的なサイトカイン(cytokine)である(Ikeda H et al., Cytokine Growth Factor Rev., 13(2), pp95-109, 2002; Ye Z et al., Nat. Med., 8(4), pp343-348, 2002)。したがって抗-4-1BB抗体とCTXによる癌治療効果がIFN-γの発現増加に関連しているのかを調査するために下記実験を遂行した。CTX(3mg)と抗-4-1BB抗体(100μg)をそれぞれまたは一緒に1回投与し、CTX 投与後細胞が再分割し始める時点である17日目とリンパ節細胞の再分割が充分に起こった22日目に各実験群から細胞を分離して実施例3に記載した方法のように乳細胞分析を介してIFN-γの発現を測定した。CTX投与後17日目に分離した細胞を分析した結果、図5aに示されるように、ラットIgGを投与した実験群のCD4及びCD8 T細胞は低いレベルのIFN-γを発現し、(<1%)、抗-4-1BB抗体投与時、T細胞、特にCD8 T細胞のIFN-γが増加した(約5%)。CTXの単独投与の場合にもT細胞のIFN-γ発現が多少高くなり(2〜3%)、CTX及び抗-4-1BB抗体の複合投与の場合は、CD4 T細胞のIFN-γ発現には大きな変化は無かったが(約2.3%)、CD8 T細胞のIFN-γ発現は増加した(5〜6%)。CTX投与後22日目に測定したIFN-γの場合、ラットIgG、抗-4-1BB抗体、またはCTXの単独投与実験群では17日目と大きく変わらなかったが、CTX及び抗-4-1BB抗体の複合投与実験群のCD8 T細胞のうち約1/3がIFN-γを発現した(図5b参照)。この結果は、CTX及び抗-4-1BB抗体の複合投与の結果として表れた持続的な坑癌効果がIFN-γを発現するCD8 T細胞の増加のためであろうと示唆する。
上記実験例の実験結果は、免疫治療剤である抗-4-1BB抗体と化学抗癌剤が相互増進的な癌治療効果を誘発することができ、と同時に、抗原性の低い癌細胞の場合にも免疫反応の開始を誘発できる製剤と亢進性抗-4-1BB抗体を複合投与することで抗-4-1BB抗体を基盤とした癌治療が可能であることを示した。
下記に、本発明の組成物を含有する薬学的組成物の製剤例を説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、あくまでも具体的に説明するために提示するものである。
製剤例1. 注射製剤の製造
抗-4-1BB抗体及びCTX………………100mg
ピロ亜硫酸ナトリウム…………………3.0mg
メタルパラベン…………………………0.8mg
プロピルパラベン………………………0.1mg
注射用滅菌蒸留水………………………適量
上記の成分を混合して、通常の方法により最終のかさが2mlになるように製造した後、2ml用量のアンプルに充填し滅菌して注射剤を製造する。
製剤例2. 丸剤(pill)の製造
抗-4-1BB抗体及びCTX………………120mg
とうもろこし澱粉………………………100mg
滅菌蒸留水………………………………適量
上記の成分を混合して、通常の丸剤(pill)製造方法により直径0.3cmに製丸して丸剤(pill)を製造する。
製剤例3. 錠剤の製造
抗-4-1BB抗体及びCTX………………200mg
乳糖………………………………………100mg
澱粉………………………………………100mg
ステアリン酸マグネシウム……………適量
通常の錠剤製造方法により上記の成分を混合し打錠して、錠剤を製造する。
製剤例4. カプセル剤の製造
抗-4-1BB抗体及びCTX………………100mg
乳糖………………………………………50mg
澱粉………………………………………50mg
タルク………………………………………2mg
ステアリン酸マグネシウム………………適量
通常のカプセル剤製造方法により上記の成分を混合し、ゼラチンカプセルに充填してカプセル剤を製造する。
製剤例5. 液剤の製造
抗-4-1BB抗体及びCTX………………1000mg
砂糖…………………………………………20g
異性化糖……………………………………20g
レモン香料…………………………………適量
精製水を加えて全体を1000mlにする。通常の液剤の製造方法により上記の成分を混合した後、茶色のビンに充填して滅菌し液剤を製造する。
C57BL/6マウスにB16F10癌細胞を注射して腫瘍を誘発するとともに、抗-4-1BB抗体(Anti-4-1BB)、及びシクロホスファミド(CTX)の複合投与による腫瘍の大きさの変化(a)、及びマウスの生存率(b)を表した図である。 C57BL/6マウスにB16F10癌細胞を注射して腫瘍を誘発した後、抗-4-1BB抗体(Anti-4-1BB)、及びシクロホスファミド(CTX)の複合投与による腫瘍の大きさの変化、及びマウスの生存率を表した図であり、詳しくは複合物を5日間投与した場合(a, b)、及び10日間投与した場合(c, d)である。 C57BL/6マウスにB16F10癌細胞を注射して腫瘍を誘発した後、抗-4-1BB抗体(3E1)、及び数種類の化学抗癌剤の複合投与による腫瘍の大きさの変化、及びマウスの生存率を表した図であり、詳しくは、各化学抗癌剤とはシスプラチン(Cis; a, b)、5-フルオロウラシル(5-FU; c, d)、ドキソルビシン(Doxo; e, f)、イリノテカン(irinotecan; g, h)、及びタキソール(Taxel; i, j)である。 B16F10癌細胞を注射して腫瘍を誘発したC57BL/6マウスにシクロホスファミド(CTX)、及び/または抗-4-1BB抗体(3E1)を注射した後に流入領域リンパ節細胞を収去し、リンパ節細胞の数(a)、CD4細胞(b)、及びCD8細胞(c)の数字を計算して表した図であり、 B16F10癌細胞を注射して腫瘍を誘発したC57BL/6マウスにシクロホスファミド、及び/または抗-4-1BB抗体を注射した後の17日目(a)、及び22日目(b)の流入領域リンパ節内のCD4、及びCD8細胞を染色してインターフェロン-ガンマの発現レベルを測定し表した図である。

Claims (4)

  1. 抗4−1BB抗体と化学抗癌剤から成り、前記化学抗癌剤はシクロホスファミドおよびシスプラチンからなる群から選ばれる一つ又は二つであることを特徴とする癌疾患の治療または予防のための効果的な合成物としての治療用薬学組成物。
  2. 上記抗-4-1BB抗体及び化学抗癌剤は、組成物の総重量に対して0.1〜50重量%であることを特徴とする、請求項1に記載の薬学的組成物。
  3. 上記癌疾患は、子宮頸部癌、肺癌、膵腸癌、非小細胞性肺癌、肝臓癌、結腸癌、骨癌、皮膚癌、頭部または頸部癌、皮膚または眼球内メラノーマ(黒色腫)、子宮癌、卵巣癌、直腸癌、胃癌、肛門周囲癌、結腸癌、乳癌、卵管癌腫、子宮内膜癌腫、膣癌腫、陰門癌腫、食道癌、小腸癌、内分泌腺癌、甲状腺癌、副甲状腺癌、副腎癌、軟組織肉腫、尿道癌、陰茎癌、前立腺癌、膀胱癌、腎臓または輸尿管癌、腎臓細胞癌腫または腎臓骨盤癌腫であることを特徴とする、請求項1に記載の薬学的組成物。
  4. 上記癌疾患は、肺癌、肝臓癌、皮膚癌または眼球内メラノーマ(黒色腫)であることを特徴とする、請求項3に記載の薬学的組成物。
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