JP2020500702A - カスケードトレイ、そのカスケードトレイを備える精留塔、その様な精留塔の運用方法、およびその使用 - Google Patents

カスケードトレイ、そのカスケードトレイを備える精留塔、その様な精留塔の運用方法、およびその使用 Download PDF

Info

Publication number
JP2020500702A
JP2020500702A JP2019530177A JP2019530177A JP2020500702A JP 2020500702 A JP2020500702 A JP 2020500702A JP 2019530177 A JP2019530177 A JP 2019530177A JP 2019530177 A JP2019530177 A JP 2019530177A JP 2020500702 A JP2020500702 A JP 2020500702A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
weir
cascade
tray
rectification column
height
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2019530177A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7073374B2 (ja
Inventor
ベルント、ペンネマン
ユルゲン、バウザ
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Covestro Deutschland AG
Original Assignee
Covestro Deutschland AG
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Covestro Deutschland AG filed Critical Covestro Deutschland AG
Publication of JP2020500702A publication Critical patent/JP2020500702A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7073374B2 publication Critical patent/JP7073374B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D3/00Distillation or related exchange processes in which liquids are contacted with gaseous media, e.g. stripping
    • B01D3/14Fractional distillation or use of a fractionation or rectification column
    • B01D3/16Fractionating columns in which vapour bubbles through liquid
    • B01D3/24Fractionating columns in which vapour bubbles through liquid with sloping plates or elements mounted stepwise

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Vaporization, Distillation, Condensation, Sublimation, And Cold Traps (AREA)

Abstract

本発明は、精留塔内で使用するのに適しており、ワイヤ型カスケード縁に開口部を備えるカスケードトレイと、本発明に係る少なくとも1つのカスケードトレイを備える精留塔と、そのような精留塔を運用する方法と、特定の物質混合物の精留における特許請求された精留塔の使用とに関する。

Description

本発明は、精留塔にて使用するのに適しており、かつカスケード堰(cascade weir)に複数の開口部を有するカスケードトレイ、本発明に係る少なくとも1つのカスケードトレイを備える精留塔、その様な精留塔の運用方法、ならびに更には、材料の特異的な混合物を精留するための本発明に係る精留塔の使用に関する。
工業規模では、材料の混合物を成分へと分離する蒸留は、概して精留塔で行われる。精留塔の主要な構要素は塔体である。更なる構成要素としては、特に、分離される材料の混合物を気化させるための気化器、および蒸気を液化する復水器がある。塔体は、分離力を増強(送出している蒸気[図中2で示す]と滴り落ちる液体[図中1で示す]との間の熱交換および物質移動の強化)させるための種々の内部構造物、例えば、網目板、バブルキャップトレイもしくはバルブトレイ(トレイ塔)、種々のタイプの充填要素(ランダム充填要素を備える塔)、または構造化充填(順序化充填を伴う塔)を備える。更なる内部構造体は、塔体の断面積全域にわたって流下する液体(1)の均一な分布が確保された、液体回収器および液体分配器である。塔体は通常、円筒形である。
トレイ塔では、液体の強制流動があるものとないものとが区別される。液体の強制流動が起こるトレイはまた、「クロスフロートレイ」とも呼ばれる。本発明はこのようなクロスフロートレイに関する。クロスフロートレイ(以下、クロスフロートレイを略してトレイ、対応する塔を略してトレイ塔と称する)を有する精留塔は、液体(1)がそこを介して流入側から流出側へ流れ、かつ塔体内において上昇蒸気(2)が流動液体(1)と接触可能な開口部を有する少なくとも1つのトレイを有する。このような開口部は、穴、可動部またはバブルキャップを有するまたは有しないバルブであることが好ましい。
米国特許第4,439,350号には、化学反応器として同時に働く、すなわち、化学反応が材料の分離に加えて発生する蒸留塔が記載されている。ここでのプロセスは、したがって、反応蒸留である。流入側および流出側に堰を有するクロスフロートレイについて記載する(参照:図2の17および12、またならびに図5の47および42)。これらのトレイ上には、所望の反応に好適な触媒が存在する穿孔または多孔中空体(図2の「容器」16およびまた図5の46)が配置されている。塔は、これらの触媒充填中空体が実質的に液体で覆われることで、塔中に存在する触媒が作用することができるように運用される。このような触媒充填中空体は、当業者が理解するような堰ではないことは言うまでもない。本特許は、一貫した用語上の区別によってこれを考慮する。一実施形態(図5)では、触媒充填中空体は、液体の流れ方向に対して実質的に垂直に配置される。充分な液体流量を確保するためには、この場合、トレイは流れ方向に傾斜して設けられる(図5に示す通り)か、または複数の面を有するカスケード状配置が採用される(参照:列5行64〜列6行7)。後者の場合において堰がカスケードのステップで仮にも使用されるか否か、そして使用される場合には、堰がどのように構成されるかは、本文書によって開示されていない。
液体(1)の流れ距離が長い大口径トレイでは、流入側と流出側とで液位に大きな差が生じる可能性がある。この差は、液体(1)の流れ距離と、トレイ上への搬送に必要な液位における勾配とに起因する。トレイの流入側と流出側との液位の差が大き過ぎると、液柱(1)の高さが小さいために、トレイの出口側付近を優先的に通過する上昇蒸気(2)の流れとなる。このため、同じ駆動圧差でトレイの流入側付近よりもトレイの流出側付近の開口部を通過する蒸気(2)が多くなる。一方で、入口領域での蒸気の通過における対応する減少は、この領域における「レインスルー(raining-through)」をもたらす。いずれの効果もトレイの効率に影響することで、精留塔の分離力を低下させる。記載したような影響を防止するため、内径の比較的大きなトレイ塔(例えば、内径2.0m以上、特に2.5m以上)には、液体(1)の流れ距離を短くすることで液位における同一勾配での液位差を小さくする、カスケードトレイが設けられることが多い。
カスケードトレイは、トレイが少なくとも2セクションの個々のセクションに分けられ、垂直オフセットが1つのセクションから次のセクションへの移行時に存在するために、液体出口に最も近いトレイのセクションが以前のセクションよりも低位であるという点で、従来のトレイと異なる。本方法にて形成された上述の「ステップ」には、堰が存在する(カスケード堰)。更なる堰は流出位置に位置する(流出堰)。図1は、1ステップである最も単純な場合に対する、従来技術(100S)のこのようなカスケードトレイを図示する。1と標識された矢印は液体の流れ方向を示す。カスケード堰は600S、ステップ形成オフセットは700S、および流出堰は500Sと示される。この構成により、最初に導入された液体(1)は、カスケード堰(600S)においてトレイ(流入側、110S)の前半部に溜まり、これを越えて流れて、トレイ(流出側、120S)の半セクションまで到達した後、流出堰(500S)で溜まって、最終的に流出軸(図1には示されず)へ溢れる。
カスケード堰が、幾何学的理由のために流出堰よりも常に長いが、いずれの堰も超える同一量の液体流動である円柱断面(通常使用されるような)の場合、堰負荷(単位時間および堰長ごとの体積流量)は、流出堰での負荷よりもカスケード堰での負荷の方が小さい。堰負荷が小さいほどオーバーフローの高さもまた小さくなるため、カスケード堰と流出堰との堰高さが同じでも、流入側(110S)の液位は流出側(120S)の液位よりも低くなる。これによりトレイの両半分の負荷が不均一となるため、塔の分離力が減少する。これを防ぐために、以下の通り2種の変異形を通常使用する。
・カスケード堰は流出堰よりも若干高く設定されているため、公称塔負荷時における堰高さとオーバーフロー高さの和は、両堰で同じとなる。
・カスケード堰は「ピケットフェンス(picket fence)」として構成されている。このような堰は、上縁に長方形のカットアウトを有し、液体はこのカットアウトを通過することができる。カットアウトはこのような高さから始まり、カットアウトによって形成される「尖塔(pinnacle)」は、液体(1)がカットアウトのみを通過できることが確実なような高さを有する。カットアウトはまた、異なる形状であってもよく、特に三角形であってもよいために、「尖塔」の代わりとして、鋸の刃の場合のような「鋸歯(serration)」が形成される。カットアウト領域内のカスケード堰の高さ(以下で定義される高さHに対応)は流出堰の高さに対応し、カットアウトの全長は流出堰の長さに対応する。
しかしながら、最近の研究は、このような対策を施してもカスケードトレイ(600S)は特に作動状態が悪い場合があり、特にガス負荷が比較的低く、特に比較的低ガス負荷かつ小液体流量である、すなわちスループットが低いものは、トレイの両半分で液位が極端に異なる傾向があるために、前述のような「レインスルー」の問題が解決されないにも関わらずいくつか状況が悪化する場合を示している。液体がカスケード堰上を流れるのに必要な程度までトレイの前半分(流入側、110S)に液体が蓄積しない場合、これは起こる。このような場合、液体はしたがって、トレイの流入側(110S)の領域の開口部を完全に通って「降る(rains)」。カスケード堰上を流れる液体が不足しているため、トレイの第2の側(流出側、120S)はいかなる流入液体流(1)をも受けず、そのため、そこにも液位は蓄積され得ない。したがって、上昇蒸気(2)は、トレイ(120S)の乾燥した後半部分を通過した後、所定の液位を有するトレイ(110S)の前半部分を通過することがより一層容易になり得る。その結果、蒸気(2)のほぼ全量がトレイ(120S)の乾燥した後半部分の開口部(800S)を介してトレイを通過することで、液体(1)に接触しなくなる。これによって、最終的には、物質移動量が大幅に減少するために、トレイの効率が非常に低くなり、精留塔の分離力が悪化する。この問題は、Chemical Engineering Research and Design, 99 (2015), 43-48(著者:J. Bausa and B. Pennemann)にて論じられている。ここで、カスケードトレイは、カスケードトレイが解決するよりも多くの問題を引き起こす場合があり得るので、実際に必要な場合にのみ使用すべきであると結論した。
しかしながら、カスケードトレイにもまた明白な利点があるため、この技術分野において更なる改良が必要である。特に、カスケード堰の両側の液位が、特定の作動状態における従来技術と常に同じであるか、または少なくとも著しく異なることのないようなカスケードトレイを有することが望ましい。結果として、特定の作動状態における極端なレインスルーの上記の問題は、発生しないか、または少なくとも極端に減少した程度にしか発生しない。これは、分離力が損なわれることなく、より多くの作動状態において(特に、小さなスループットでも)、信頼性を持って動作することができる精留塔に寄与する。その結果、精留塔の利用可能性が増加することで、種々の経済的(ダウンタイムの短縮、分離される混合物の小スループットの可能性、需要変動時の部分負荷動作)かつ生態学的(エネルギー使用量の削減)な利点につながる。
驚くべきことに、この要求は、カスケード堰(600)に開口部(900)を有するカスケードトレイ(100)が使用される場合(参照:図2)に満たされ得ることが見出されている。
したがって、本発明は特に、塔体(200)内を下方へ流れる液体(1)を上昇蒸気(2)と接触させるのに適したカスケードトレイ(100)(好ましくは円形、特に円弧ベース領域)を提供し、ここで、カスケードトレイ(100)は、
・流下する液体(1)を堰き止めるための流出堰(500)を有し、かつ
・流出堰の上流に配置され、特にカスケード堰(100)のベース領域に対して中央に配置されるカスケード堰(600)である、少なくとも1つの更なる堰を有し、ここで、少なくとも1つのカスケードトレイ(100)が少なくとも1つのカスケード堰(600)の位置にオフセット(700)を有する(特に、ステップを有する)ことで、カスケードトレイ(100)中に流出堰(500)を備える部分(120)がカスケードトレイ(100)の上流部分(110)よりも低位となり、かつ
・カスケードトレイ(100)の両部分(110)および(120)において(すなわち、カスケードトレイ(100)中に流出堰(500)を備える部分(120)およびカスケードトレイ(100)の上流部分(110)において)、複数の開口部(800)を有し、開口部(800)は、上昇蒸気(2)が通過するために随意に(optionally)閉鎖可能であって、
ここで、カスケード堰(600)は、液体(1)が通過するための複数の開口部(900)、特に1〜20、好ましくは1〜6の開口部(900)を有し、開口部(900)は、好ましくは円形、正方形、または長方形の穴であり、そして開口部の総面積は、カスケード堰(600)が開口部(900)を有しない総面積の、好ましくは0.5〜3.0%、特に好ましくは0.8〜1.5%である。
本発明は、上述のような少なくとも1つのカスケードトレイ(100)を備える精留塔(10000)、特に、材料の混合物(10)を精留する精留塔(10000)をさらに提供し、ここで、精留塔(10000)は、塔体(200)内を下方へ流れる液体(1)を上昇蒸気(2)と接触させるための少なくとも1つのカスケードトレイ(100)を有し、ここで、少なくとも1つのカスケードトレイ(100)は、
・位置、すなわちカスケードトレイ(100)の流入位置(310)において、塔体(200)内を下方へ流れる液体(1)用の第1の貯蔵所(410) と水力学的に接続され、かつ流出堰(500)を介して少なくとも1つのカスケードトレイ(100)より流れ出す液体(1)を収容するための第2の貯蔵所(420)と反対に位置する流出位置(310)である別の位置、すなわち流出位置(320)と水力学的に接続され、
・流入位置(310)と流出位置(320)の間、特に中央に配置されるカスケード堰(600)である、少なくとも1つの更なる堰を有し、ここで、少なくとも1つのカスケード堰(100)は、少なくとも1つのカスケード堰(600)の位置に少なくとも1つのオフセット(700)を有する(特に、ステップを有する)ことで、流出堰(500)を備え、かつ少なくとも1つのカスケードトレイ(100)中の流出位置(320)の方向に位置する部分(100)が、少なくとも1つのカスケードトレイ(100)の上流部分(110)よりも低位となり、
・カスケードトレイ(100)の両部分(110)および(120)において(すなわち、カスケードトレイ(100)中に流出堰(500)を備える部分(120)およびカスケードトレイ(100)の上流部分(110)において)、開口部(800)、特に、穴、バルブ、可動部を有しないバルブ、および/またはバブルキャップを有し、開口部(800)は、上昇蒸気(2)が通過するために随意に閉鎖可能であって、
カスケード堰(600)は、第2の貯蔵所(420)へと少なくとも1つのカスケードトレイ(100)を介して第1の貯蔵所(410)から流れる液体(1)が通過するための開口部(900)、特に1〜20、好ましくは1〜6の開口部(900)を有し、ここで、開口部(900)は、好ましくは円形、正方形、または長方形の穴であり、そして開口部の総面積は、カスケード堰(600)が開口部(900)を有しない総面積の、好ましくは0.5〜3.0%、特に好ましくは0.8〜1.5%である。
図3は、本発明に係る精留塔(10000)のセクションを示す。
本発明はさらに、本発明に係る精留塔(10000)を運用する方法を提供し、また、特定の材料の混合物(10)を精留するための本発明による精留塔(10000)の使用も提供する。
本発明による「カスケードトレイ(100)」は、図1、図2、図4、および図5中に容易に見られるように、円形、特に円弧ベース領域を有することが好ましく、これは、これらが精留塔内に設置するのに適しており、かつ後者は概して円筒形であるためである。
液体(1)は、全ての図に示すように、流れ方向をブロック矢印で示すカスケードトレイ(100)上を流れる。
カスケードトレイ(100)は、少なくとも1つの「オフセット(700)」(特に、ステップ)によって、少なくとも2つの「部分」、すなわち流出堰(500)および上流部分(110)を備える部分(120)へ分けられ、蒸気(2)の流れ方向で見られるこれらの部分は、異なる高さ(すなわち、一方は他方よりも低い)を有し、かつそれによって面とも称され得る。1つ以上のオフセット(700)が存在する場合、対応する2つ以上の部分(面)が存在する。この場合、全ての部品(面)は、「開口部(800)、随意に閉鎖可能である開口部(800)上昇蒸気(2)が通過するための開口部(800)、随意に閉鎖可能である開口部(800)を有する」状態である。本発明のカスケードトレイ(100)は、好ましくは、正確に1つのオフセット(700)を、すなわち特に、正確に1つのステップを含んでなるために、正確に2つの部分(面)、すなわち流出堰(500)および上流部分(110)を備える部分(120)を備える。
本発明の目的のために、用語「堰」とは、当業者の理解と極めて一貫して、液体の流れ、すなわち具体的にはカスケードトレイ(100)上を流れる液体(1)が堰き止められる手段による装置に対して使用される。これをカスケード堰(600)および流出堰(500)の両方に適用する。液体は、各堰の上を流れ、カスケード堰(600)の場合にはまた、カスケード堰開口部(900)を流れ、流出堰(500)の場合にはまた、随意に、特定の実施形態に存在し、以下に詳述されるような複数の流出堰開口部(910)をも流れる。「堰」とは、本発明の目的のためには、好ましくは金属またはプラスチック、特に金属で作られた装置である。「堰」は、本発明の目的のためには、触媒充填中空体ではない。「堰」は、本発明の目的のためには、言うまでもなく、カスケード堰開口部(900)および随意に流出堰開口部(910)を除いた固体デバイスであり、すなわち、これらもまた多孔質ではない。
本発明に従って使用される「堰」(カスケード堰および流出堰)は、カスケードトレイ(100)上に本質的に垂直に、特に垂直に配置され、かつ本質的に長方形であるベース形状を有する。これは、カスケードトレイ(100)のベース領域と平行に見た堰が、(i)長方形の形状を有しているか、または(ii)「尖塔」もしくは「鋸歯」の形成につながるカットアウトを堰の上縁に有している(上の説明を参照)ことを意味する。
(i)の例は、円形のベース領域を有するカスケードトレイ(100)について図4で模式的に示されており、ここでは図の簡略化のためオフセット(700)は示されていない。同様に、図面を簡略化するため、カスケード堰(600)[開口部(900)は簡略化のため描かれていない]または流出堰(500)のいずれかとなり得る堰のみを、本明細書では「X」と記す。この堰「X」は、簡略化のため中央に描かれている。これは必要な制限として解釈されるべきではない。
図4aは、平面図(上部)に長方形の形状を有する堰X、およびカスケードトレイ(100)(底部)のベース領域と平行に見た同じ堰Xの例を示す。下の図では、長方形の形状を容易に見ることができる。この最も単純な実施形態では、堰Xは、上から見て、円形のベース領域を有するカスケードトレイ(100)の割線である。
図4bは、長方形の形状であり平面図(上部)が「屈曲(kinks)」している堰X、およびカスケードトレイ(100)(底部)のベース領域と平行に見た同じ堰Xの例を示す。
図4cは、長方形の形状であり平面図(上部)が曲がっている堰X、およびカスケードトレイ(100)(底部)のベース領域と平行に見た同じ堰Xの例を示す。
以下にさらに述べる堰Xの高さHは、これらの場合において、図で示すように、単にカスケードトレイから堰Xの上縁までの高さを測定したものである。
図4a〜図4cに示す実施形態は、カスケード堰(600)およびまた流出堰(500)の両方について考えられる。図4aによる実施形態が好ましい。
実施形態(ii)を図5に模式的に示す。カットアウト(X10)により「尖塔」(X20)が形成される。カットアウトは図5に示すような長方形となるだけではない場合がある。「鋸歯」の形成につながる異なる形状、特に長方形の形状が、同様に可能である。高さHは、各場合において、図に示すように、「尖塔」(X20)または「鋸歯」を除いた状態、すなわちカットアウトが始まる高さまで測定される。本実施形態(ii)においてもまた、堰Xは、図4bに示すように屈曲しているか、または図4cに示すように曲げられていてもよい。しかしながら、堰Xはまた本明細書において、上から見て、円形(特に、円弧)ベース領域を有するカスケードトレイ(100)の割線である実施形態であることも好ましい。
表現「流出堰の上流に配置」および類似の形式は、堰X上の液体(1)の流れ方向に基づいている。これは、図4および図5にブロック矢印で示されている。
本発明の種々の可能な実施形態の概要は、まず以下の通りに示される。
本発明の精留塔(10000)の第1の実施形態あり、他の全実施形態と組み合わせることができる実施形態では、上昇蒸気(2)が通過するための開口部(800)は、穴、バルブ、可動部を有しないバルブ、およびバブルキャップからなる群から選択される。
本発明の精留塔(10000)の第2の実施形態であり、他の全実施形態と組み合わせることができる実施形態では、塔体(200)は、円筒形状を有し、かつ特に、2.0〜6.0m、好ましくは2.5〜4.0mの内径を有する。
本発明の精留塔(10000)の第3の実施形態であり、他の全実施形態と組み合わせることができる実施形態では、開口部(900)の下縁は、カスケード堰(600)の高さH600の下3分の1内に位置する(H600の定義については、以下の説明、ならびに図4、5、7、および8を参照)。
本発明の精留塔(10000)の第4の実施形態であり、上で述べた全実施形態と組み合わせることができる実施形態では、流出堰(500)は、開口部(910)を有する。
本発明の精留塔(10000)の第5の実施形態であり、第4の実施形態の特定の変異形である実施形態では、オフセット(700)の高さH700は、この高さH700が、精留塔(10000)の動作範囲全体にわたって、連続する動作において流出堰(500)を備えるカスケードトレイ(100)の部分(120)にそれぞれ存在する液位(=液面;本発明の目的のため、液位または液面という用語は常に、それぞれの(各面の)部分から測定された液面の高さである)よりも高くなるように選択される。
本発明の精留塔(10000)の第6の実施形態であり、第4の実施形態と代替可能か、かつそうでなければ他の全実施形態と組み合わせることができる実施形態では、流出堰(500)は開口部を有しない。
本発明の精留塔(10000)の第7の実施形態であり、第6の実施形態の特定の変異形である実施形態では、流出堰(500)の高さH500、オフセット(700)の高さH700、およびカスケードトレイ(100)より上方の開口部(900)の上縁の高さH900が、カスケード堰(600)における開口部(900)が、精留塔(10000)の動作範囲全体を超え、流出堰(500)を備えるカスケードトレイ(100)の部分(120)内に存在する液体(1)によって連続して動作している間に完全に覆われるような方法で、互いに一致する。
本発明の精留塔(10000)の第8の実施形態であり、第6および第7の実施形態の特定の変異形である実施形態では、カスケード堰(600)が流出堰(500、H500)を超える高さH600を有し、高さの差H600−H500は、特に精留塔(10000)の動作範囲全体にわたって、実質的に同一、好ましくは同一である液位が、流出堰(500)を備えるカスケードトレイ(100)の部分(120)およびカスケードトレイ(100)の上流部分(110)において得られるように選択される。更なる説明のために、以下の詳細な説明を参照する。
本発明の精留塔(10000)の第9の実施形態であって、第6および第7の実施形態の特定の変異形であり、かつ第8の実施形態と代替可能である実施形態では、カスケード堰(600)は、高さが最大H600までである開口部(900)の例外を伴ういかなるカットアウトも有さず、ここで、
カスケード堰が、高さH600を上回る長さL600を超える一定間隔で長さL610を有する、好ましくは長方形のカットアウト(610)を備え、
高さH600が、流出堰(500)の高さH500と等しく、
長さL610の合計は、実質的に同一、好ましくは同一である液位が、流出堰(500)を備える前記カスケードトレイ(100)の部分(120)およびカスケードトレイの上流部分(110)において得られるほど、特に精留塔(10000)の動作範囲全体にわたって、長さL500よりも非常に小さい。
更なる説明のために、以下の詳細な説明を参照してもよい。
本発明の精留塔(10000)を運用するための本発明の方法の第1の実施形態であり、本発明の精留塔(10000)の第4および第5の実施形態に特に適した実施形態では、材料の混合物(10)による精留塔(10000)の負荷が、連続した動作において、流出堰(500)を備えるカスケードトレイ(100)の部分(120)に存在する液体(1)によってカスケード堰(600)の開口部(900)が覆われないように選択される。
本発明の精留塔(10000)を運用するための本発明の方法の第2の実施形態であり、本発明の精留塔(10000)の第6〜9の実施形態に特に適した実施形態では、材料の混合物(10)による精留塔(10000)の負荷が、連続した動作において、流出堰(500)を備えるカスケードトレイ(100)の部分(120)に存在する液体(1)によってカスケード堰(600)の開口部(900)が常に覆われるように選択される。
特定の材料の混合物(10)を分離するための本発明の精留塔(10000)の本発明に係る使用の第1の実施形態であって、本発明の精留塔(10000)の全実施形態と組み合わせることができる実施形態では、分離される混合物(10)は、以下からなる群から選択される:
化学プロセス、特に、ジフェニルメタン系のトルエンジアミン、トリレンジイソシアネート、アニリン、ジアミン、およびポリアミン、ジフェニルメタン系またはフェノールのジイソシアネートおよびポリイソシアネートを調製する化学プロセスより、反応水を分離除去するための相分離へ随意に供されているだけである、特に粗プロセス産物である水含有および/または溶媒含有の有機産物混合物;
化学プロセス、特に、ジフェニルメタン系のトルエンジアミン、トリレンジイソシアネート、アニリン、ジアミン、およびポリアミン、ジフェニルメタン系またはフェノールのジイソシアネートおよびポリイソシアネートを調製する化学プロセスに由来するプロセス産物であって、特に、水および随意に存在するいかなる溶媒をも含有しない精製プロセス産物である、低沸点物(low boiler)および/または高沸点物(high boiler)含有の有機産物混合物(低沸点物および高沸点物という用語の定義については、下記の説明を参照のこと);
ならびに、
油性混合物、特に、原油、液化ガス、ガソリン、灯油、ディーゼル燃料、暖房用油、植物油。
上で簡単に示された実施形態および本発明の更なる可能な実施形態は、以下により詳細に説明される。種々の実施形態は、何か異なるものが技術的文脈から当業者に対して曖昧に明らかでない限り、あらゆる方法で互いに組み合わせることができる。
なお、本発明に係るカスケードトレイ(100)を備える本発明の精留塔(10000)は、従来技術において一般的である全ての周辺装置、特に気化器および復水器を備えていてもよく、かつ必要に応じて備えるということは言うまでもない。本発明に係る精留塔(10000)はまた、少なくとも一つのカスケードトレイ(100)およびその運用に必要な装置に加えて、従来技術において一般的な更なる内部構造物、特に他の非カスケードトレイ、ランダム充填要素、および/または構造化パッキング、ならびにまた液体回収器および分配器を備えることもできる。これら全ての装置およびその使用は、当業者には周知であるため、以下では特に言及および説明しない。
本発明に係るカスケードトレイ(100)の開口部(800)は、穴、バルブ、可動部を有しないバルブ、およびバブルキャップからなる群から選択されることが好ましい。本発明のカスケードトレイ(100)は、本発明に係る精留塔(10000)が、円筒形状の塔体(200)を有し、かつ好ましくは、2.0〜6.0m、好ましくは2.5〜4.0mの内径を有することから、円形(特に、円弧)ベース領域を有する。
低液位であってもカスケード堰(600)を液体(1)が通過できるようにするためには、開口部(900)がカスケード堰(600)の底に位置するのが好ましく、すなわち開口部(900)の下縁が、有効堰高(effective weir height)(有効堰高とは、液体の堰を超えたオーバーフローをもたらす、液体の最低高さである;「ピケットフェンス」設計の場合では、これは以下で説明するような「尖塔を有しない」または「鋸歯」を有しない高さである)である、堰の高さH600の3分の1であることが好ましい。開口部(900)は、円形、正方形、または長方形の穴であることが好ましく、開口部の総面積は、カスケード堰(600)が開口部(900)を有しない総面積の、好ましくは0.5〜3.0%、特に好ましくは0.8〜1.5%である。カスケード堰は、1〜20、特に1〜6の開口部(900)を有することが好ましい。
結果として、カスケードトレイ(600)の流入側(110)での液体(1)を堰き止めることおよび完全に降らせることが一切できなくなる。
本発明の第一の変形例では、両方の堰、すなわちカスケード堰(600)と流出堰(500)とに開口部(900,910)を設ける。この変形例が図6に示され、ここではカスケードトレイ(100)が、単に図面を簡略化するため、長方形で示されている。本実施形態においてもまた、図2、図4、および図5に示すような円形、特に円弧ベース領域が好ましい。両方の堰に開口部を設けることは、カスケードトレイ(100)の両部分(110、120)にて実質的に同一である(すなわち最高液位を基準に5%以下だけ異なる)液位の維持に役立つ。開口部(910)のタイプ、数、およびサイズの好ましい構成に関しては、開口部(900)について上述した構成をまた適用する。
本変形例では、オフセット(700)は、好ましくは高さH700であり、この高さH700は、精留塔(10000)の動作範囲全体にわたって、連続する中にカスケードトレイ(100)の部分(120)に存在する液位よりも高い。表現「精留塔(10000)の動作範囲全体」とは、本発明の目的のために、最大負荷までの精留塔(10000)を通る材料の混合物(10)の可能なスループット全幅に関する。材料の混合物(10)による精留塔(10000)の最大負荷は、精留塔(10000)の境界条件(分離活性内部構造物の高さ、内径、タイプ、および数)を考慮して、充分な分離がなお達成される混合物(10)の最大可能スループット(例えば、kg/時)である。その上、充分な分離がなお達成されているスループット、すなわち最小負荷にもまた下限がある。
この測定の結果として、カスケード堰(600)の開口部(900)は、トレイの後半部(120)の液体によって覆われず、かつ液体(1)は両堰の開口部を自由に流下することができる。これにより、液体(1)がカスケード堰(600)の開口部を通過する危険性(したがって、最終的には、トレイの両半分(110、120)における異なる液位の危険性)が低減する。装置に対する一定の条件下において、精留塔(10000)の連続した動作での材料の混合物(10)による精留塔(10000)の負荷は、カスケードトレイ(100)の部分(120)に存在する液体(1)によってカスケード堰(600)の開口部(900)が覆われないように選択されることが好ましい。
この第1の変形例は、精留塔(10000)の動作中に、それぞれの開口部(900、910)を通じて同じ量の液体がカスケード堰(600)および流出堰(500)の両方を確実に通過する1つの可能な方法である。したがって、堰上をオーバーフローする液体の残量は、両方の堰で同じである。堰が適切に構成される(カスケード堰の堰高がより高いか、または上記のようなカットアウトを有するカスケード堰の使用)場合、同じ液位がしたがってトレイの両半分(110、120)に得られる。
本発明の第2の変形例では、カスケード堰だけが開口部(900)を有する。この測定の結果として、また、カスケードトレイ(100)の両部分(110、120)にて実質的に同一である(すなわち最高液位を基準に最大5%異なる)液位の維持も役立つ。この実施形態が図7に示され、ここではカスケードトレイ(100)が、単に図面を簡略化するため、長方形の形状で示される。本変形例においてもまた、図2、図4、および図5に示すような円形、特に円弧ベース領域が好ましい。この変形例では、流出物(500)の高さH500、オフセット(700)の高さH700、およびカスケードトレイ(100)より上方の開口部(900)の上縁の高さH900(カスケードトレイの部分110より測定)が、精留塔(10000)の動作範囲全体にわたって、精留塔(10000)の連続して動作している間にカスケードトレイ(100)の部分(120)内に存在する液体(1)によって、カスケード堰(600)における開口部(900)が覆われるよう互いに一致することが好ましい。実際にはこれは、流出堰の高さH500と、開口部の高さH900の上縁の高さとを、オフセットの所与の値H700で適切に一致させることによって、最も簡単に実現することができる。精留塔(10000)の連続して動作する間に開口部(900)を覆うことによって、トレイの両半分(110、120)が液体で完全に満たされると、開口部(900)を通る液体流量が減少して、液体(1)の大部分がカスケード堰(600)上を再びオーバーフローする。開口部(900)を通る残りの液体流量によってオーバーフローする量を減少させ、したがってオーバーフロー高さを減少させるためには、カスケード堰を幾分か上昇させる(第1の実施形態)か、または開口部(900)を通る液体流がちょうど等しくなるようにカスケード堰(600)の有効オーバーフロー長を減少させる(第2の実施形態)ことが可能である。
この第2の変形例の第1の実施形態では、カスケード堰(600)が流出堰(500、H500)を超える高さH600を有し、たとえカスケード堰(600)を超えてオーバーフローする液体の量がカスケード堰(600)の開口部(900)を通る流れによって減少されていても、高さの差H600−H500は、特に精留塔(10000)の動作範囲全体にわたって、実質的に同一、好ましくは同一である液位がカスケードトレイ(100)の部分(110、120)において得られるように選択される。本明細書において「実質的に同一である液位」とは、カスケードトレイ(100)の各部分(110、120)(または面であり、上記説明を参照されたい)における液位が、最高液位を基準に5%以下だけ異なることを意味する。カスケードトレイが2以上の部分(2以上の面)を有する場合、2つの液位間の最大差は、最高液位を基準に5%以下である。特徴「液位」は、(各面からの)各部分より測定された液面の高さに関する。
第2の変形例の別の第2の実施形態では、カスケード堰(600)は、高さが最大H600までである開口部(900)の例外を伴うカットアウトを一切有さず、ここで、
カスケード堰は、高さH600を上回るその長さL600にわたって一定間隔で長さL610を有するカットアウト(610)を、特に長方形で備え、
高さH600が、流出堰(500)の高さH500と等しく、
長さL610の合計は、たとえカスケード堰(600)を超えてオーバーフローする液体の量がカスケード堰(600)の開口部(900)を通る流れによって減少しても、特に精留塔(10000)の動作範囲全体にわたって実質的に同一、好ましくは同一である液位がカスケードトレイの両方の部分(110、120)において得られるような長さL500より、非常に小さい。
「実質的に同一である液位」とは、本明細書において、上述の通り、カスケードトレイ(100)の各部分(110、120)(または面であり、上記説明を参照されたい)における液位が、最高液位を基準に互いに5%以下だけ異なることを意味する。カスケードトレイが2以上の部分(2以上の面)を有する場合、2つの液位間の最大差は、最高液位を基準に5%以下である。特徴「液位」は、(各面からの)各部分より測定された液面の高さに関する。
この実施形態が図8に示され、ここではカスケードトレイ(100)が、単に図面を簡略化するため、長方形の形状で示される。本実施形態においてもまた、図2、図4、および図5に示すような円形、特に円弧ベース領域が好ましい。カットアウト(610)により、「尖塔」(620)が形成される。三角形の「鋸歯」を有する実施形態も同様に可能である。上述した通り、図8に示すようなカットアウトが存在する場合の堰の高さは、本発明の目的のために、常に尖塔(または鋸歯)を有しない高さである。長さL610は、本発明の目的のために、最大位置におけるカットアウトの長さであり、すなわち三角形のカットアウトである場合、L610は三角形の上側の長さである。
第2の変形例の全の実施形態では、精留塔(10000)は、カスケード堰(600)の開口部(900)がカスケードトレイ(100)の部分(120)に存在する液体(1)によって常に完全に覆われるよう、連続した動作において材料の混合物(10)によるその負荷が選択される。
この第2の変形例は、精留塔(10000)のが動作している間にカスケード堰(600)の開口部(900)を通って液体が流れるにもかかわらず、両方の部分(110、120)で同じ液位が得られることを保証する更なる可能な方法である。
本発明の精留塔(10000)は、減圧、大気圧、および高圧下において蒸留を行うのに適している。これは、多くの分離作業に使用することができる。好適な材料の混合物(10)として、以下の例によるものを挙げることができる:
化学プロセス、特に、ジフェニルメタン系のトルエンジアミン、トリレンジイソシアネート、アニリン、ジアミン、およびポリアミン、ジフェニルメタン系またはフェノールのジイソシアネートおよびポリイソシアネートを調製する化学プロセスより、単に反応水を分離除去するための相分離へ随意に供されている、水含有および/または溶媒含有の有機産物混合物、特に粗プロセス産物(反応水および随意に溶媒を除去して、精製した有機産物混合物を得る);
化学プロセス、特に、ジフェニルメタン系のトルエンジアミン、トリレンジイソシアネート、アニリン、ジアミン、およびポリアミン、ジフェニルメタン系またはフェノールのジイソシアネートおよびポリイソシアネートを調製する化学プロセスに由来する、特に、水および存在するいかなる溶媒をも含有しない精製プロセス産物である、低沸点物および/または高沸点物含有の有機産物混合物(有機産物を高純度精製するための高沸点物および低沸点物の除去);
トルエンジアミンの異性体混合物、トリエンジイソシアネートの異性体混合物、ジフェニルメタン系のジアミンの異性体混合物、またはジフェニルメタン系のジイソシアネートの異性体混合物といった芳香族化合物である、異性有機化合物、特に(E)/(Z)異性体の混合物(異性体分離);
油性混合物、特に、原油、液化ガス、ガソリン、灯油、ディーゼル燃料、暖房用油、植物油(天然原料の精錬)。
本明細書において、低沸点物という用語は、単離される価の産物の沸点を下回る沸点を有する第2の構成成分を指す。類似する方法では、単離される価の産物の沸点を上回る沸点を有する第2の構成成分は、高沸点物であると称される。

Claims (15)

  1. 塔体(200)内を下方へ流れる液体(1)を上昇蒸気(2)と接触させるのに適したカスケードトレイ(100)であって、前記カスケードトレイ(100)は、
    ・流下する液体(1)を堰き止めるための流出堰(500)を有し、かつ
    ・前記流出堰の上流に配置されるカスケード堰(600)である少なくとも1つの更なる堰を有し、少なくとも1つのカスケードトレイ(100)は、前記少なくとも1つのカスケード堰(600)の位置にオフセット(700)を有することで、前記流出堰(500)を備える前記カスケードトレイ(100)の部分(120)が前記カスケードトレイ(100)の上流部分(110)よりも低位となり、かつ
    ・前記流出堰(500)を備える前記カスケードトレイ(100)の前記部分(120)において、かつ前記カスケードトレイ(100)の前記上流部分(110)において、複数の開口部(800)を有し、前記開口部(800)は、前記上昇蒸気(2)が通過するために随意に閉鎖可能であり、
    前記カスケード堰(600)は、前記液体(1)が通過するための複数の開口部(900)を有することを特徴とするカスケードトレイ(100)。
  2. 請求項1に記載の少なくとも1つのカスケードトレイ(100)を備える、材料の混合物(10)を精留するための精留塔(10000)。
  3. 前記少なくとも1つのカスケードトレイ(100)は、
    前記カスケードトレイ(100)の流入位置(310)である位置において、前記塔体(200)内を下方へ流れる液体(1)用の第1の貯蔵所(410)と水力学的に接続され、かつ、前記流入位置(310)と反対の流出位置(320)である別の位置において、前記流出堰(500)を介して前記少なくとも1つのカスケードトレイ(100)より流れ出す液体(1)を収容するための第2の貯蔵所(420)と水力学的に接続され、前記少なくとも1つのカスケード堰(600)は、前記流入位置(310)と前記流出位置(320)との間に配置される、請求項2に記載の材料の混合物(10)を精留するための精留塔(10000)。
  4. 前記上昇蒸気(2)が通過するための前記開口部(800)は、穴と、バルブと、可動部を有しないバルブと、バブルキャップと、からなる群から選択される、請求項2または3に記載の精留塔(10000)。
  5. 前記塔体(200)は、円筒形である、請求項2〜4のいずれかに記載の精留塔(10000)。
  6. 前記開口部(900)の下縁は、前記カスケード堰(600)の高さH600の下3分の1内に位置する、請求項2〜5のいずれかに記載の精留塔(10000)。
  7. 前記流出堰(500)は、複数の開口部(910)を有する、請求項2〜6のいずれかに記載の精留塔(10000)。
  8. 前記オフセット(700)の高さH700は、この高さH700が、前記精留塔(10000)の動作範囲全体にわたって、連続する動作において、前記流出堰(500)を備える前記カスケードトレイ(100)の前記部分(120)にそれぞれ存在する液位よりも高くなるように選択される、請求項7に記載の精留塔(10000)。
  9. 前記流出堰(500)は、開口部を有しない、請求項2〜6のいずれかに記載の精留塔(10000)。
  10. 前記流出堰(500)の高さH500と、前記オフセット(700)の高さH700と、前記カスケードトレイ(100)より上方の前記開口部(900)の上縁の高さH900は、前記精留塔(10000)の前記動作範囲全体にわたって、前記流出堰(500)を備える前記カスケードトレイ(100)の前記部分(120)内に存在する前記液体(1)によって連続して動作している間に、前記カスケード堰(600)における前記開口部(900)が完全に覆われるような方法で互いに一致する、請求項9に記載の精留塔(10000)。
  11. 前記カスケード堰(600)は、前記流出堰(500、H500)を超える高さH600を有し、前記高さの差H600−H500は、実質的に同一である(すなわち最高液位を基準に5%以下だけ異なる)液位が、前記流出堰(500)を備える前記カスケードトレイ(100)の前記部分(120)および前記カスケードトレイ(100)の前記上流部分(110)において得られるように選択される、請求項9または10に記載の精留塔(10000)。
  12. 前記カスケード堰(600)は、高さが最大H600までである前記開口部(900)の例外を伴ういかなるカットアウトも有さず、
    前記カスケード堰は、前記高さH600を上回るその長さL600にわたって一定間隔で長さL610を有するカットアウト(610)を備え、
    前記高さH600は、前記流出堰(500)の前記高さH500と等しく、
    前記長さL610の合計は、前記流出堰(500)を備える前記カスケードトレイ(100)の前記部分(120)および前記カスケードトレイの前記上流部分(110)において、実質的に同一である(すなわち最高液位を基準に5%以下だけ異なる)液位が得られるほど、前記長さL500よりも非常に小さい、請求項9または10に記載の精留塔(10000)。
  13. 前記材料の混合物(10)による前記精留塔(10000)の負荷は、連続した動作において、前記流出堰(500)を備える前記カスケードトレイ(100)の前記部分(120)に存在する前記液体(1)によって前記カスケード堰(600)の前記開口部(900)が覆われないように選択される、請求項3〜8のいずれか、特に請求項7または8のいずれか一項に記載の精留塔(10000)を運用する方法。
  14. 前記材料の混合物(10)による前記精留塔(10000)の負荷は、連続した動作において、前記流出堰(500)を備える前記カスケードトレイ(100)の前記部分(120)に存在する前記液体(1)によって、前記カスケード堰(600)の前記開口部(900)が常に覆われるように選択される、請求項3〜6および9〜12のいずれか、特に請求項9〜12のいずれかに記載の精留塔を運用する方法。
  15. 水含有および/または溶媒含有の有機産物混合物と、
    低沸点物および/または高沸点物含有の有機産物混合物と、
    油性混合物と、
    からなる群から選択される、材料の混合物(10)を精留するための請求項2〜12のいずれかに記載の精留塔(10000)の使用。
JP2019530177A 2016-12-06 2017-12-04 カスケードトレイ、そのカスケードトレイを備える精留塔、その様な精留塔の運用方法、およびその使用 Active JP7073374B2 (ja)

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
EP16202419.4 2016-12-06
EP16202419 2016-12-06
EP17200048.1 2017-11-06
EP17200048 2017-11-06
PCT/EP2017/081369 WO2018104226A1 (de) 2016-12-06 2017-12-04 Kaskadenboden, rektifikationskolonne enthaltend den kaskadenboden, verfahren zum betreiben einer solchen rektifikationskolonne und ihre verwendung

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020500702A true JP2020500702A (ja) 2020-01-16
JP7073374B2 JP7073374B2 (ja) 2022-05-23

Family

ID=60654950

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019530177A Active JP7073374B2 (ja) 2016-12-06 2017-12-04 カスケードトレイ、そのカスケードトレイを備える精留塔、その様な精留塔の運用方法、およびその使用

Country Status (7)

Country Link
US (1) US10799810B2 (ja)
EP (1) EP3551308B1 (ja)
JP (1) JP7073374B2 (ja)
KR (1) KR102427560B1 (ja)
CN (1) CN110022955B (ja)
HU (1) HUE064276T2 (ja)
WO (1) WO2018104226A1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB2623592A (en) * 2022-10-21 2024-04-24 Distillation Equipment Company Ltd A dual-flow tray for vapor-liquid contacting, and its use

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US2085522A (en) * 1933-11-04 1937-06-29 Shell Dev Apparatus for fractional distillation
JPS5588802A (en) * 1978-12-28 1980-07-04 Mitsubishi Heavy Ind Ltd Rectifying column
JPS5898102A (ja) * 1982-04-08 1983-06-10 Chuo Kakoki Kk 泡鐘式気液接触装置の製造方法
US4439350A (en) * 1982-06-21 1984-03-27 Chemical Research & Licensing Company Contact structure for use in catalytic distillation
JPH0498082A (ja) * 1990-08-13 1992-03-30 Kobe Steel Ltd 深冷分離装置の精留塔

Family Cites Families (25)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US2005316A (en) * 1932-06-15 1935-06-18 Texas Co Apparatus for fractionating hydrocarbon oil vapor
US2678201A (en) * 1950-07-17 1954-05-11 Koch Eng Co Inc Gas-liquid contacting apparatus
GB719197A (en) * 1952-01-30 1954-11-24 Koppers Gmbh Heinrich Bubble trays for distillation columns and the like
DE949733C (de) * 1952-01-31 1956-09-27 Koppers Gmbh Heinrich Glockenboden fuer Destillationskolonnen od. dgl.
BE518215A (ja) * 1952-03-07
US2713478A (en) * 1952-10-03 1955-07-19 Edw G Ragatz Co Apparatus for counter-current contacting of liquids and vapors
BE576298A (ja) * 1958-03-03
US3083148A (en) * 1960-10-10 1963-03-26 Mojonnier Bros Co Fractionation column
JPS5527045A (en) * 1978-08-15 1980-02-26 Mitsubishi Heavy Ind Ltd Plate structure in gas liquid contact equipment
US4578153A (en) * 1980-12-11 1986-03-25 Air Products And Chemicals, Inc. Sectioned bubble tray distillation over a wide range of feed composition and bubble tray loading
US4582569A (en) * 1981-01-22 1986-04-15 Distillation Technology Limited Mass transfer apparatus
EP0057493B2 (en) * 1981-01-22 1990-01-24 Distillation Technology Limited Mass transfer apparatus
US4869851A (en) * 1987-05-26 1989-09-26 Uni-Frac Inc. Vapor/liquid contact device and method of mixing a vapor flow and a counter current reflux liquid flow
US5366666A (en) * 1990-05-25 1994-11-22 Uop Multiple downcomer fractionation tray having packing between downcomers
US5213719A (en) * 1992-09-28 1993-05-25 Chuang Karl T Gas-liquid contacting device
US5466419A (en) * 1994-05-02 1995-11-14 Yount; Thomas L. Split flow reactor trays for vertical staged polycondensation reactors
CN1167486C (zh) * 1999-06-03 2004-09-22 株式会社日本触媒 用于含有易堵塞性物质的有机化合物的精制塔及精制法
BR0108415B1 (pt) * 2000-02-16 2010-06-15 bandeja de contato gás-lìquido com múltiplos tubos de descida, e, coluna de contato gás-lìquido.
US7770873B2 (en) * 2003-02-06 2010-08-10 Sulzer Chemtech Ag Tray apparatus, column with same and method of assembling and using
CN100366314C (zh) * 2005-12-28 2008-02-06 南京大学 一种防结垢抗脏堵塔板
CN101053700B (zh) * 2007-03-05 2010-05-19 中国石油化工集团公司 一种挡板式塔盘
CN101417198B (zh) * 2008-10-10 2010-12-29 南京大学 一种立体传质洗灰塔板
EP2945716B1 (en) * 2013-01-16 2020-01-08 Sulzer Management AG Hybrid contact tray for a mass transfer column
CN106139629A (zh) * 2016-08-17 2016-11-23 泰兴金江化学工业有限公司 一种复合精馏塔板
WO2019130173A1 (en) * 2017-12-27 2019-07-04 Koch-Glitsch, Lp Contact tray for a mass transfer column

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US2085522A (en) * 1933-11-04 1937-06-29 Shell Dev Apparatus for fractional distillation
JPS5588802A (en) * 1978-12-28 1980-07-04 Mitsubishi Heavy Ind Ltd Rectifying column
JPS5898102A (ja) * 1982-04-08 1983-06-10 Chuo Kakoki Kk 泡鐘式気液接触装置の製造方法
US4439350A (en) * 1982-06-21 1984-03-27 Chemical Research & Licensing Company Contact structure for use in catalytic distillation
JPH0498082A (ja) * 1990-08-13 1992-03-30 Kobe Steel Ltd 深冷分離装置の精留塔

Also Published As

Publication number Publication date
KR102427560B1 (ko) 2022-08-01
KR20190089902A (ko) 2019-07-31
HUE064276T2 (hu) 2024-02-28
US20200061491A1 (en) 2020-02-27
WO2018104226A1 (de) 2018-06-14
EP3551308B1 (de) 2023-09-20
CN110022955B (zh) 2022-04-08
US10799810B2 (en) 2020-10-13
CN110022955A (zh) 2019-07-16
EP3551308A1 (de) 2019-10-16
JP7073374B2 (ja) 2022-05-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN108136272B (zh) 蒸馏塔及其在异氰酸酯的纯化中的用途
KR101631332B1 (ko) 물질 전달 칼럼용 구조화된 패킹 모듈 및 이와 수반된 방법
WO2010117856A2 (en) Vapor-liquid contacting apparatuses with vortex contacting stages
US20160061541A1 (en) Contacting device and method
WO1998003258A1 (en) Chemical process tower deentrainment assembly
EP2826532A1 (en) A liquid mixing collector and a method for its use
WO2020194123A1 (en) Two-stage liquid distribution device for mass transfer column
KR102207506B1 (ko) 피켓형 액체 유동 장벽을 갖는 접촉 트레이 및 이를 수반하는 방법
AU2015371658B2 (en) Fluid contact tray particularly for the use in an offshore fractionation column
JP2020500702A (ja) カスケードトレイ、そのカスケードトレイを備える精留塔、その様な精留塔の運用方法、およびその使用
US20190193047A1 (en) Structured packing with enhanced fluid-flow interface
KR102268769B1 (ko) 낮은 액체 유동을 집중시키기 위한 배플 벽을 갖는 접촉 트레이 및 이를 수반하는 방법
US20180369712A1 (en) Mass transfer column with cross flow of liquid and gas (vapour) phases of peton system

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20201204

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20210226

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20210311

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210929

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20211005

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220104

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220426

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220511

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7073374

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150