JP2020205291A - トルク発生装置 - Google Patents

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Asuka Koike
飛鳥 小池
高橋 一成
Kazunari Takahashi
一成 高橋
祥宏 久家
Yoshihiro Kuge
祥宏 久家
未鈴 ▲高▼橋
未鈴 ▲高▼橋
Mirei Takahashi
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Abstract

【課題】小型化に適し、かつ、大きなせん断応力を得ることができるトルク発生装置を提供する。【解決手段】第1ヨークは、第1コイルと第1磁性ディスクとの間に第1磁気ギャップを形成するように、第1コイルと第1磁性ディスクとの間において、径方向に延在して設けられており、第2ヨークは、第2コイルと第2磁性ディスクとの間に第2磁気ギャップを形成するように、第2コイルと第2磁性ディスクとの間において、径方向に延在して設けられている。【選択図】図4

Description

本発明は、磁気粘性流体を用いて回転抵抗を変化させることができるトルク発生装置に関する。
特許文献1に記載のブレーキは、ハウジングと、回転可能なシャフトに接続されたロータと、ハウジングの第1のハウジング室に置かれた磁場発生手段(磁界発生器)と、磁界応答材料(磁気粘性流体)と、ブレーキの動作を制御または監視する手段とを備えている。また、磁界発生器はコイルと極片を備え、コイルは、ロータに対向配置された極片に磁界を発生させる。
特許第4695835号公報
しかしながら、特許文献1に記載のブレーキは、ロータの外周辺部の近くでしか磁界が印加されていないため、発生するブレーキ力が充分でなかった。そのため、より小型化を図りつつ大きなせん断応力を得ることは困難であった。
そこで本発明は、磁気粘性流体を用いたトルク発生装置であって、小型化に適し、かつ、大きなせん断応力を得ることができるトルク発生装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のトルク発生装置は、互いに対向して配置され、回転軸を中心にそれぞれ回転可能な、第1磁性ディスク及び第2磁性ディスクと、第1磁性ディスクと第2磁性ディスクの間に位置する中間ヨークと、回転軸と平行な第1の方向において第1磁性ディスクを挟んで中間ヨークとは反対側に位置する第1ヨークと、第1の方向において第2磁性ディスクを挟んで中間ヨークとは反対側に位置する第2ヨークと、第1の方向において、第1磁性ディスクと離間して第1ヨーク側に配置され通電により磁界を発生させる第1コイルと、第1の方向において、第2磁性ディスクと離間して第2ヨーク側に配置され通電により磁界を発生させる第2コイルと、第1磁性ディスクと第1ヨーク及び中間ヨークとの間、並びに、第2磁性ディスクと中間ヨーク及び第2ヨークとの間に、それぞれ充填された磁気粘性流体とを備え、第1ヨークは、第1コイルと第1磁性ディスクとの間に第1磁気ギャップを形成するように、第1コイルと第1磁性ディスクとの間において、径方向に延在して設けられており第2ヨークは、第2コイルと第2磁性ディスクとの間に第2磁気ギャップを形成するように、第2コイルと第2磁性ディスクとの間において、径方向に延在して設けられていることを特徴としている。
これにより、第1コイルで発生した磁界の磁束のほとんど又は全てが第1磁性ディスクを通過し、かつ、第2コイルで発生した磁界の磁束のほとんど又は全てが第2磁性ディスクを通過し、さらに、それぞれの磁性ディスクのほぼ全面に対応する範囲で磁気粘性流体のせん断応力が発生するため、装置を大型化させることなく大きなせん断応力を得ることができる。
本発明のトルク発生装置において、第1コイル及び第2コイルに印加する電流を制御する通電制御部を備え、通電制御部は、第1コイルに電流を印加する第1通電部と、第2コイルに電流を印加する第2通電部と、を有し、第1コイル及び第2コイルに同時に電流を印加するときには、中間ヨークにおける磁界の向きが同一の向きとなるように制御されることが好ましい。
これにより、抵抗力(トルク)の最大値を大きくすることができ、また、抵抗力の制御範囲を広くすることが可能となる。
本発明のトルク発生装置において、第1磁気ギャップは、第1コイルに近づくほど径方向における幅が大きくなる形状を有し、第2磁気ギャップは、第2コイルに近づくほど径方向における幅が大きくなる形状を有することが好ましい。
これにより、それぞれのコイルに近接する位置、特に、コイルと、それに対応する磁性ディスクとの間において、コイルが発生する磁界の磁束の向きが乱れることを抑制することができる。このため、それぞれの磁性ディスクへ磁束を集中させることが可能となるため、第1の方向の磁界が磁気粘性流体により多く与えられる。これにより、磁性ディスクを大型化することなく大きなせん断応力を得ることができる。
本発明のトルク発生装置において、第1磁気ギャップにより、第1磁性ディスクと対向する第1ヨークの対向面が径方向において第1磁気ギャップの内側と外側に分割され、第1磁気ギャップは、第1ヨークの対向面において、第1磁気ギャップの内側の面積と外側の面積とが互いに略同一となる位置に設けられており、第2磁気ギャップにより、第2磁性ディスクと対向する第2ヨークの対向面が径方向において第2磁気ギャップの内側と外側に分割され、第2磁気ギャップは、第2ヨークの対向面において、第2磁気ギャップの内側の面積と外側の面積とが互いに略同一となる位置に設けられていることが好ましい。
これにより、第1ヨークおよび第2ヨークにおいて、それぞれ、磁気ギャップの内側と外側とで対向面における磁束密度を均一にすることができるため、磁気粘性流体によるせん断応力を制御できる範囲を広くすることが可能となる。
本発明のトルク発生装置において、第1ヨーク、中間ヨーク、及び、第2ヨークを、第1の方向において互いに接続する環状部材を備え、環状部材は、第1磁性ディスク及び第2磁性ディスクの外周面との間に間隙を有して囲むように全周に亘って配置されている非磁性体部を有することが好ましい。
これにより、それぞれの磁性ディスクの外周面の外側にヨーク材が配置されない構成となるため、それぞれのコイルが発生する磁界の磁束は、それぞれの磁性ディスクを挟んだ2つのヨークの一方から他方へ短絡することなく磁性ディスクを通るようになる。
本発明によると、磁気粘性流体を用いたトルク発生装置において、小型化に適し、かつ、大きなせん断応力を得ることができる構成を実現できる。
(a)は本発明の実施形態に係るトルク発生装置を上側から見た斜視図、(b)は(a)のトルク発生装置を下側から見た斜視図である。 本発明の実施形態に係るトルク発生装置の上側部分を上側から見た分解斜視図である。 本発明の実施形態に係るトルク発生装置の下側部分を上側から見た分解斜視図である。 図1(a)のIV−IV’線に沿った断面図である。 図4の一部拡大図である。 本発明の実施形態に係るトルク発生装置の制御系統のブロック図である。 (a)は本発明の実施形態のトルク発生装置における磁束の流れを示すコンター図、(b)は比較例のトルク発生装置におけるコンター図である。 (a)は磁性ディスクの上側における磁束密度の変化を示すグラフ、(b)は磁性ディスクの下側における磁束密度の変化を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態に係るトルク発生装置について図面を参照しつつ詳しく説明する。
図1(a)は本実施形態に係るトルク発生装置210を上側から見た斜視図、(b)はトルク発生装置210を下側から見た斜視図である。図2と図3は、トルク発生装置210を上側から見た分解斜視図である。図2はA部までの上側の上部210Aの斜視図、図3はA部から下側の下部210Bの斜視図である。図4は図1(a)のIV−IV’線に沿った断面図であり、2つのコイル250、450が発生した磁界を概念的に示している。図5は図4の一部拡大図である。図1(a)から図5において、説明の便宜上、中心軸211に沿って上下方向を規定しているが、実際の使用時における方向を制限するものではない。以下の説明において、中心軸211と平行な方向を第1の方向D1(図1、図4)とし、中心軸211に直交する径方向を、第2の方向D2(図1、図4)と称する。また、中心軸211に沿って、上側から下側を見た状態を平面視ということがある。さらにまた、図2と図3においては、一部のネジや磁気粘性流体の表示を省略している。
図1(a)、(b)に示すように、トルク発生装置210は、保持部220と、操作部300とを備える。操作部300は、シャフト部310と、2枚の磁性ディスク320、520とを含み、一体となって中心軸211(回転軸)を中心として両方向に回転するように連結される。操作部300は、2つのラジアル軸受351、551、及び、2つのプッシャ352、552を介して、回転可能な状態で保持部220に支持されている(図2、図3参照)。さらに、図5に示すように、トルク発生装置210内に設けた2つの隙間280、480には、磁気粘性流体360、560がそれぞれ満たされている。
保持部220は、図2に示す上部210Aにおいては、第1ヨーク230、第1中間ヨーク240、磁界発生部としての第1コイル250、封止部材260、及び、上部ケースとしての第3ヨーク290を含む。図2に示すように、第1ヨーク230は第1磁性ディスク320を挟んで第1中間ヨーク240とは反対側に位置するように組み合わされている。また、図3に示す下部210Bにおいては、第2ヨーク430、第2中間ヨーク440、磁界発生部としての第2コイル450、封止部材460、及び、下部ケースとしての第3ヨーク490を含む。第2ヨーク430は第2磁性ディスク520を挟んで第2中間ヨーク440とは反対側に位置するように組み合わされている。さらに、保持部220は、上部210Aと下部210Bにまたがる環状部材270を含む。上部210Aにおいて、第1ヨーク230、第1中間ヨーク240、及び、第3ヨーク290は、それぞれ別々に加工されて形成されており、下部210Bにおいて、第2ヨーク430、第2中間ヨーク440、及び、第3ヨーク490は、それぞれ別々に加工されて形成されている。ただし、これらのヨークのいずれかが組み合わされて一体に形成されていてもよい。また、第1中間ヨーク240と第2中間ヨーク440は、一体の中間ヨークとして構成してもよい。中間ヨークを一体とする構成にすれば、付随する部品点数や工数を少なくすることができる。
上部210Aの第1コイル250は、図2に示すように円環状をなしている。第1コイル250は、中心軸211の周りを回るように巻き付けられた導線を含むコイルである。下部210Bの第2コイル450は円環状をなしている。第2コイル450も、中心軸211の周りを回るように巻き付けられた導線を含むコイルである。2つのコイル250、450には、接続部材(不図示)が電気的にそれぞれ接続され、図示しない経路で電流がそれぞれ供給される。電流が供給されることにより、コイル250、450のそれぞれに磁界が発生する。
図2に示すように、上部210Aの第1ヨーク230は、内周側部材としての内側ヨーク231と、外周側部材としての外側ヨーク232とを備える。内側ヨーク231と外側ヨーク232は、中心軸211を中心として同心状に配置される。図3に示すように、下部210Bの第2ヨーク430は、内周側部材としての内側ヨーク431と、外周側部材としての外側ヨーク432とを備える。内側ヨーク431と外側ヨーク432は、中心軸211を中心として同心状に配置される。
図2に示すように、上部210Aの内側ヨーク231は、円筒部231aと、円筒部231aの下面から外側へ広がるように、径方向に沿って延在するように設けられた、平面視円環状の鍔状部231b(図5)とを備える。また、円筒部231aの上部の外周面の外径と、円筒部231aの内周面の内径とは、それぞれ、上下方向の位置に応じて変化するように設定されている。一方、下部210Bの内側ヨーク431は、図3に示すように、円筒部431aと、円筒部431aの上面から外側へ広がるように、径方向に沿って延在するように設けられた、平面視円環状の鍔状部431b(図5)とを備える。円筒部431aの下部の外周面の外径と、円筒部431aの内周面の内径とは、それぞれ、上下方向の位置に応じて変化するように設定されている。
図2に示すように、上部210Aの外側ヨーク232は、円筒部232aと、円筒部232aの下面から内側へ向かうように、径方向に沿って延在するように設けられた、平面視円環状の縁部232bとを備える。図4又は図5に示すように、外側ヨーク232の円筒部232aの内周面は、内側ヨーク231の円筒部231aの外周面と対向し、両者の間には環状の第1空間233が形成されている。この第1空間233内には磁界発生部としての第1コイル250が収納される。内側ヨーク231の上側から、略円板状の第3ヨーク290をのせ、ねじ291を用いて第3ヨーク290を内側ヨーク231と外側ヨーク232に固定することによって、第1空間233が閉じられ、内側ヨーク231、外側ヨーク232、及び、第3ヨーク290によって第1コイル250を囲む磁路が形成される。
一方、図3に示すように、下部210Bの外側ヨーク432は、円筒部432aと、円筒部432aの上面から内側へ向かうように、径方向に沿って延在するように設けられた、平面視円環状の縁部432bとを備える。図4又は図5に示すように、外側ヨーク432の円筒部432aの内周面は、内側ヨーク431の円筒部431aの外周面と対向し、両者の間には環状の第1空間433が形成されている。この第1空間433内には磁界発生部としての第2コイル450が収納される。内側ヨーク431の下側に、略円板状の第3ヨーク490を配置し、ねじ491を用いて第3ヨーク490を内側ヨーク431と外側ヨーク432に固定することによって、第1空間433が閉じられ、内側ヨーク431、外側ヨーク432、及び、第3ヨーク490によって第2コイル450を囲む磁路が形成される。
図4に示すように、上部210Aの外側ヨーク232の縁部232bの内周面と、内側ヨーク231の鍔状部231bの外周面との間にも、環状の空間234、235が形成されている。第2空間234は上記第1空間233に連なり、第3空間235は上記第2空間234に連なっている。
ここで、図5に示すように、鍔状部231bの内周面は、下側に行くほど径方向(図4に示す第2の方向D2)の外側へ向かうように傾斜した第1面231cと、第1面231cの下端から第1の方向(図5の方向D1)に沿って延びる第2面231dとを備える。一方、縁部232bの内周面は、下側に行くほど径方向の内側へ向かうように傾斜した第1面232cと、第1面232cの下端から第1の方向D1に沿って延びる第2面232dとを備える。そして、第1の方向D1において、内側ヨーク231の第1面231cと外側ヨーク232の第1面232cは互いに対応する位置に設けられ、両者に挟まれた第2空間234を形成する。この第2空間234は、物体を配置していない部分であり、下側へ行くほど径方向の幅が小さくなる第1磁気ギャップを構成する。別言すると、この第1磁気ギャップは、第1コイル250に近づくほど、すなわち、上へ行くほど径方向における幅が大きくなるテーパ形状を有している。
また、第2面231dと第2面232dは、第1の方向D1において互いに対応する位置に設けられ、かつ、径方向において互いに平行に対向し合うように設けられ、両者に挟まれた第3空間235を形成する。この第3空間235には、非磁性体からなる封止部材260が配置され、これによって、第2空間234と第3空間235による第1磁気ギャップが形成される。封止部材260は、円環状をなしており、合成樹脂などの非磁性材料で構成される。封止部材260は、例えば、流動状態の材料を第3空間235内に充填され、これを固化させることにより配置される。または、あらかじめ円環状に形成され、弾性を有する材料を第3空間235内に圧入することによって配置される。または、非弾性材料を円環状に加工して接着材で固定して構成してもよい。
ここで、内側ヨーク231の下面231eと、外側ヨーク232の下面232eは、第1磁性ディスク320と対向する対向面を構成する(図9、図10)。この対向面は、第2空間234と第3空間235で構成される磁気ギャップによって、内側と外側に分割され、内側は内側ヨーク231の下面231eに対応し、外側は外側ヨーク232の下面232eに対応する。磁気ギャップは、この対向面において、磁気ギャップの内側の面積と外側の面積とが互いに略同一となる位置に設けられている。
第1コイル250が配置される位置において、中心軸211に直交する断面の面積は、内側ヨーク231と外側ヨーク232とで互いに同じとしている。これにより、飽和磁束密度に至るまでの磁界が最適な構造を実現することができる。
一方、図4に示すように、下部210Bの外側ヨーク432の縁部432bの内周面と、内側ヨーク431の鍔状部431bの外周面との間にも、環状の空間434、435が形成されている。第2空間434は上記第1空間433に連なり、第3空間435は上記第2空間434に連なっている。
ここで、図5に示すように、鍔状部431bの内周面は、上側に行くほど径方向の外側へ向かうように傾斜した第1面431cと、第1面431cの上端から第1の方向D1に沿って延びる第2面431dとを備える。一方、縁部432bの内周面は、上側に行くほど径方向の内側へ向かうように傾斜した第1面432cと、第1面432cの上端から第1の方向D1に沿って延びる第2面432dとを備える。そして、第1の方向D1において、内側ヨーク431の第1面431cと外側ヨーク432の第1面432cは互いに対応する位置に設けられ、両者に挟まれた第2空間434を形成する。この第2空間434は、物体を配置していない部分であり、上側へ行くほど径方向の幅が小さくなる第2磁気ギャップを構成する。別言すると、この第2磁気ギャップは、第2コイル450に近づくほど、すなわち、下へ行くほど径方向における幅が大きくなるテーパ形状を有している。
また、第2面431dと第2面432dは、第1の方向D1において互いに対応する位置に設けられ、かつ、径方向において互いに平行に対向し合うように設けられ、両者に挟まれた第3空間435を形成する。この第3空間435には、非磁性体からなる封止部材460が配置され、これによって、第2空間434と第3空間435による第2磁気ギャップが形成される。封止部材460は、上記封止部材260と同様に円環状をなしており、合成樹脂などの非磁性材料で構成される。封止部材460は、例えば、流動状態の材料を第3空間435内に充填され、これを固化させることにより配置される。または、あらかじめ円環状に形成され、弾性を有する材料を第3空間435内に圧入することによって配置される。または、非弾性材料を円環状に加工して接着材で固定して構成してもよい。
ここで、内側ヨーク431の上面431eと、外側ヨーク432の上面432eは、第2磁性ディスク520と対向する対向面を構成する(図9、図10)。この対向面は、第2空間434と第3空間435で構成される磁気ギャップによって、内側と外側に分割され、内側は内側ヨーク431の上面431eに対応し、外側は外側ヨーク432の上面432eに対応する。磁気ギャップは、この対向面において、磁気ギャップの内側の面積と外側の面積とが互いに略同一となる位置に設けられている。
第2コイル450が配置される位置において、中心軸211に直交する断面の面積は、内側ヨーク431と外側ヨーク432とで互いに同じとしている。これにより、飽和磁束密度に至るまでの磁界が最適な構造を実現することができる。
図4に示すように、径方向(第2の方向D2)において、上部210Aの第1空間233の幅は第2空間234の最小幅よりも大きく設定されている。さらに、第3空間235の径方向における中心位置235xは、第1空間233の径方向における中心位置233xよりも外側に設定されている。同様に、下部210Bの第1空間433の幅は第2空間434の最小幅よりも大きく設定されている。さらに、第3空間435の径方向における中心位置は上記中心位置235xと一致しており、第1空間433の径方向における中心位置と一致する上記中心位置233xよりも外側に設定されている。
したがって、上部210Aにおいては、内側ヨーク231の第1面231cと外側ヨーク232の第1面232cは、第1の方向D1に対する傾斜角度が異なっており、内側ヨーク231の第1面231cの傾斜角度の方が大きくなっている。別言すると、径方向に対しては、内側ヨーク231の第1面231cの方が傾斜角度は緩くなっている。また、下部210Bにおいても同様に、内側ヨーク431の第1面431cと外側ヨーク432の第1面432cは、第1の方向D1に対する傾斜角度が異なっており、内側ヨーク431の第1面431cの傾斜角度の方が大きくなっている。したがって、径方向に対しては、内側ヨーク431の第1面431cの方が傾斜角度は緩くなっている。
図4に示すように、上部210Aの内側ヨーク231と外側ヨーク232は、第3空間235の径方向における中心位置235xが第1ヨーク230全体の径方向における中心よりも外側に位置するように、形状が設定されている。これにより、平面視において、内側ヨーク231が第1磁性ディスク320と対向する対向面としての下面231eの面積と、外側ヨーク232が第1磁性ディスク320と対向する対向面としての下面232eの面積と、が互いに略同一となる。このため、磁気ギャップより内側と外側とで磁束密度が互いに略同一となる。下部210Bにおいても、内側ヨーク431と外側ヨーク432は、第3空間435の径方向における中心位置と一致する上記中心位置235xが第2ヨーク430全体の径方向における中心よりも外側に位置するように、形状が設定されている。これにより、平面視において、内側ヨーク431の第2磁性ディスク520と対向する対向面としての上面431eの面積と、外側ヨーク432が第2磁性ディスク520と対向する対向面としての上面432eの面積と、が互いに略同一となる。このため、磁気ギャップより内側と外側とで磁束密度が互いに略同一となる。
図2に示すように、上部210Aの第1中間ヨーク240は、円板状をなしており、第1ヨーク230の下方に配設される。第1中間ヨーク240は、中心軸211に沿った上下方向に直交する上面241を有する。第1中間ヨーク240には、中心軸211を囲んで上下に貫通する環状の孔部242が設けられている。図3に示すように、下部210Bの第2中間ヨーク440は、円板状をなしており、第2ヨーク430の上方に配設される。第2中間ヨーク440は、中心軸211に沿った上下方向に直交する底面441を有する。第2中間ヨーク440には、中心軸211を囲んで上下に貫通する環状の孔部442が設けられている。図4に示すように、第1中間ヨーク240と第2中間ヨーク440は、中間ヨークとして、第1の方向D1に沿って、第1中間ヨーク240が上側となるように重ねて配置され、第1中間ヨーク240の孔部242、及び、第2中間ヨーク440の孔部442にはシャフト部310の軸部311が挿通される。軸部311は第1の方向D1に沿って延びるように配置され、その延伸方向の略中央にフランジ部312を有する。フランジ部312は、軸部311の外周面より外側に拡がる鍔状の形状を備え、第1の方向D1における厚みは、第1中間ヨーク240と第2中間ヨーク440の厚みよりも所定量だけ厚くなっている。この所定量は、第1中間ヨーク240と第1磁性ディスク320との間隔、及び、第2中間ヨーク440と第2磁性ディスク520との間隔に対応する。
なお、ヨーク230、240、290、430、440、490の平面形状は必ずしも円形でなくてもよい。また、ヨークの分割は、本実施形態のような組み合わせでなくても良く、分割位置によっては矩形状の平面形状とすることもできる。
図5に示すように、上部210Aにおいては、第1ヨーク230の底面236及び封止部材260の下面261と、第1中間ヨーク240の上面241とは、互いに略平行とされており、底面236と上面241との間に第1磁性ディスク320が配置される。第1磁性ディスク320と底面236と上面241との間に隙間280が形成されている。下部210Bにおいては、第2ヨーク430の上面436及び封止部材460の上面461と、第2中間ヨーク440の底面441とは、互いに略平行とされており、上面436と底面441との間に第2磁性ディスク520が配置される。第2磁性ディスク520と上面436と底面441との間に隙間480が形成されている。
径方向において、上部210Aの第1ヨーク230及び第1中間ヨーク240と、下部210Bの第2ヨーク430及び第2中間ヨーク440との外側には環状部材270が配置されている。この環状部材270は、中心軸211を軸とする円環状をなしており、合成樹脂などの非磁性材料で構成されている。環状部材270の内周面は、上部210Aの第1ヨーク230及び第1中間ヨーク240、並びに、下部210Bの第2ヨーク430及び第2中間ヨーク440に沿った形状とされており、各ヨークの外周面にそれぞれ固定されている。これにより、第1の方向D1に沿って延びる環状部材270によって、第1の方向D1において、上部210Aの第1ヨーク230、第1中間ヨーク240、下部210Bの第2中間ヨーク440、第2ヨーク430の順に並んで、互いに接続される。そして、径方向において、上部210Aの隙間280と下部210Bの隙間480のそれぞれが環状部材270によって閉じられる。このように、環状部材270によって、上部210Aの第1ヨーク230と第1中間ヨーク240、及び、下部210Bの第2中間ヨーク440と第2ヨーク430が順に互いに接続され、保持部220が一体に固定されている。なお、環状部材270は、全体が非磁性体材料で形成されなくてもよく、上部210Aの第1ヨーク230と第1中間ヨーク240、及び、下部210Bの第2中間ヨーク440と第2ヨーク430を、それぞれ磁気的に短絡させない非磁性体部を有する複合材料であってもよい。この場合でも、径方向において、隙間280、480が非磁性体部によって閉じられることが好ましい。
図4と図5に示すように、上部210Aにおいて、第1磁性ディスク320は、第1ヨーク230と第1中間ヨーク240との間の隙間280において、中心軸211に直交する方向に延びるように配設されている。よって、第1磁性ディスク320は、中心軸211に沿った方向において、第1コイル250と互いに重複するように位置する。下部210Bにおいて、第2磁性ディスク520は、第2ヨーク430と第2中間ヨーク440との間の隙間480において、中心軸211に直交する方向に延びるように配設されている。よって、第2磁性ディスク520は、中心軸211に沿った方向において、第2コイル450と互いに重複するように位置する。また、環状部材270は、第1磁性ディスク320の外周面との間に間隙281を有し、また、第2磁性ディスク520の外周面との間に間隙481を有して囲むように全周に亘って配置されている。
上述のように、第1ヨーク230の内側ヨーク231及び外側ヨーク232と第3ヨーク290とがそれぞれ接続され、第1磁性ディスク320を挟んで第1中間ヨーク240が接続されることによって、上部210Aにおいて、第1コイル250が発生する磁界を閉ループにする磁路(磁気回路)が形成される。同様に、第2ヨーク430の内側ヨーク431及び外側ヨーク432と第3ヨーク490とがそれぞれ接続され、第2磁性ディスク520を挟んで第2中間ヨーク440が接続されることによって、下部210Bにおいて、第2コイル450が発生する磁界を閉ループにする磁路(磁気回路)が形成される。
以上の構成において、2つのコイル250、450に電流をそれぞれ印加すると図5の矢印で概略的に示す方向の流れを有する磁界が形成される。この磁界によれば、第1中間ヨーク240及び第2中間ヨーク440において、径方向内側から外側へ向かう同一の向きに磁束が通っている。なお、コイル250、450に対して逆向きに電流を印加すると、図5とは逆向きの流れの磁界が形成される。
図5に示す例では、上部210Aにおいては、中心軸211の方向に沿って第1ヨーク230の内側ヨーク231から第1中間ヨーク240側へ、磁束が、隙間280内の第1磁性ディスク320を通り、この磁束は第1中間ヨーク240では中心軸211から遠ざかる方向へ進み、さらに、第1中間ヨーク240の径方向外側においては、中心軸211の方向に沿って下から上へ、すなわち第1中間ヨーク240から外側ヨーク232側へ進む。この磁束は、第1コイル250よりも上側の第3ヨーク290においては、外側ヨーク232側から内側ヨーク231側へ向けて、中心軸211へ近づく方向ヘ進み、第1コイル250の内側に対応する領域で、上から下へ、第1ヨーク230の内側ヨーク231内を進み、再び第1磁性ディスク320を通って第1中間ヨーク240に至る。
一方、下部210Bにおいては、図5に示すように、中心軸211の方向に沿って第2ヨーク430の内側ヨーク431から第2中間ヨーク440側へ、磁束が、隙間480内の第2磁性ディスク520を通り、この磁束は第2中間ヨーク440では中心軸211から遠ざかる方向へ進み、さらに、第2中間ヨーク440の径方向外側においては、中心軸211の方向に沿って上から下へ、すなわち第2中間ヨーク440から外側ヨーク432側へ進む。この磁束は、第2コイル450よりも下側の第3ヨーク490においては、外側ヨーク432側から内側ヨーク431側へ向けて、中心軸211へ近づく方向ヘ進み、第2コイル450の内側に対応する領域で、下から上へ、第2ヨーク430の内側ヨーク431内を進み、再び第2磁性ディスク520を通って第2中間ヨーク440に至る。
このような磁路の磁界において、上部210Aの第1ヨーク230の所には、第1磁気ギャップとして、第2空間234と第3空間235が設けられている。この第1磁気ギャップは、第1コイル250の下方であって、第1コイル250と、隙間280及び第1磁性ディスク320との間に設けられている。第1コイル250は第1磁性ディスク320と離間して第1ヨーク230側に配置され、第1コイル250と第1磁性ディスク320との間の一部に第1磁気ギャップが形成されているために、磁気ギャップの近傍では、第1コイル250が発生する磁界の磁束が第1ヨーク230内において、中心軸211に直交する径方向に沿って進行することが規制される。すなわち、第1コイル250と第1磁性ディスク320との間において、第1コイル250が発生する磁界の磁束を、内側ヨーク231の第1面231cおよび外側ヨーク232の第1面232cの2つの傾斜面に沿って第1磁性ディスク320へ向かわせることができる。これによって、内側ヨーク231内を通る磁束は、確実に下向きに第1中間ヨーク240側へ進行し、また、外側ヨーク232内を通る磁束は、確実に上向きに、第1中間ヨーク240側から第3ヨーク290側へ進行する。
一方、下部210Bの第2ヨーク430の所にも、第2磁気ギャップとして、第2空間434と第3空間435が設けられている。この第2磁気ギャップは、第2コイル450の上方であって、第2コイル450と、隙間480及び第2磁性ディスク520との間に設けられている。第2コイル450は第2磁性ディスク520と離間して第2ヨーク430側に配置され、第2コイル450と第2磁性ディスク520との間の一部に第2磁気ギャップが形成されているために、磁気ギャップの近傍では、第2コイル450が発生する磁界の磁束が第2ヨーク430内において、中心軸211に直交する径方向に沿って進行することが規制される。すなわち、第2コイル450と第2磁性ディスク520との間において、第2コイル450が発生する磁界の磁束を、内側ヨーク431の第1面431cおよび外側ヨーク432の第1面432cの2つの傾斜面に沿って第2磁性ディスク520へ向かわせることができる。これによって、内側ヨーク431内を通る磁束は、確実に上向きに第2中間ヨーク440側へ進行し、また、外側ヨーク432内を通る磁束は、確実に下向きに、第2中間ヨーク440側から第3ヨーク490側へ進行する。
次に、操作部300の構造について説明する。
図2と図4に示すように、操作軸としてのシャフト部310は、中心軸211に沿って上下に延びる棒状材であり、第1の方向D1の略中央のフランジ部312と、フランジ部312から上下に延びる軸部311とを有する。
図2と図3に示すように、上部210Aの第1磁性ディスク320と下部210Bの第2磁性ディスク520は、第1の方向D1に直交するように配置される円形平面を有する円板状をなし、磁性材料で構成される。これらの磁性ディスク320、520の形状は互いに同一である。
上部210Aの第1磁性ディスク320の円形平面の中心には、第1の方向D1に貫通する中央孔部321が設けられ、この中央孔部321を囲む位置には、第1磁性ディスク320を上下に貫通する複数の貫通孔部322が設けられている。第1磁性ディスク320は、貫通孔部322内に第1の方向D1に沿って挿通させたネジ(一部のみ図示)の軸部をシャフト部310のフランジ部312内に嵌め込むことによって、シャフト部310に対して固定される。
また、下部210Bの第2磁性ディスク520の円形平面の中心には、第1の方向D1に貫通する中央孔部521が設けられ、この中央孔部521を囲む位置には、第2磁性ディスク520を上下に貫通する複数の貫通孔部522が設けられている。第2磁性ディスク520は、貫通孔部522内に第1の方向D1に沿って挿通させたネジ(一部のみ図示)の軸部をシャフト部310のフランジ部312内に嵌め込むことによって、シャフト部310に対して固定される。
図5に示すように、上部210Aの第1磁性ディスク320の中央孔部321の内径と、下部210Bの第2磁性ディスク520の中央孔部521の内径は、それぞれ、シャフト部310の軸部311の外径と略同一であって、フランジ部312の外径よりも小さい。また、上述のように、フランジ部312の第1の方向D1における厚みは、第1中間ヨーク240と第2中間ヨーク440の厚みよりも所定量だけ厚くなっている。これにより、第1中間ヨーク240と第2中間ヨーク440を第1の方向D1に沿って重ねた状態で、孔部242と孔部442にフランジ部312を挿通させると、フランジ部312は、第1中間ヨーク240の上面241から上側に突出して第1磁性ディスク320の下面に当接し、かつ、第2中間ヨーク440の底面441から下側に突出して第2磁性ディスク520の上面に当接する。このとき、フランジ部312の第1中間ヨーク240からの突出量に応じて、第1磁性ディスク320と第1中間ヨーク240との間の隙間280の高さが定まり、第2中間ヨーク440からの突出量に応じて、第2磁性ディスク520と第2中間ヨーク440との間の隙間480の高さが定まる。
図4に示すように、シャフト部310は、上部210Aにおいては、軸部311がラジアル軸受351によって回転自在に支持され、ラジアル軸受351は、プッシャ352によって第1の方向D1の上側(図4の上側)に付勢されるように支持される。プッシャ352は、軸部311の外周面と内側ヨーク231の内周面との間において上下位置が維持されるように配置されたオーリング353によって支持されている。これによってラジアル軸受351は、第1ヨーク230に対して、密着性を維持しつつ、第1の方向D1の所定位置で支持される。軸部311の上部は第3ヨーク290の上方に露出されており、軸部311の露出部分には、入力操作に必要な部材をシャフト部310に結合するための結合部314が設けられている。
また、下部210Bにおいては、図4に示すように、シャフト部310は、軸部311がラジアル軸受551によって回転自在に支持され、ラジアル軸受551は、プッシャ552によって第1の方向D1の下側に付勢されるように支持される。プッシャ552は、軸部311の外周面と内側ヨーク431の内周面との間において上下位置が維持されるように配置されたオーリング553によって支持されている。これによってラジアル軸受551は、第2ヨーク430に対して、密着性を維持しつつ、第1の方向D1の所定位置で支持される。軸部311の下部は第3ヨーク490の下方に所定量露出されている。この所定量は、軸部311がラジアル軸受551によって確実に支持されるような量である。
図2に示すように、上部210Aの第1磁性ディスク320には、第1の方向D1(厚み方向)に貫通する4つのスリット323a、323b、323c、323dが設けられている。これらのスリットは、円形平面の中心から同一の距離に、周方向に沿って、等角度間隔に設けられている。また、径方向において、第3空間235に対応する位置に設けられている。そして、第1磁性ディスク320において、磁束が4つのスリットを径方向に通ることを規制することができる。第1コイル250に図5に示す磁界を発生させると、4つのスリット323a、323b、323c、323dが磁気ギャップとして機能するため、磁界の磁束が4つのスリット323a、323b、323c、323dを径方向に通ることが規制される。これに対して、4つのスリット323a、323b、323c、323dよりも中心軸211側(内側)では、第1ヨーク230の内側ヨーク231から第1中間ヨーク240に向けて、磁束が下向きに通り、4つのスリット323a、323b、323c、323dよりも外側では、第1中間ヨーク240から第1ヨーク230の外側ヨーク232に向けて、磁束が上向きに通る。さらに、4つのスリットを第3空間235に対応する位置に設けたことによって、第2空間234、第3空間235、及び、4つのスリット323a、323b、323c、323dが第1の方向D1に並ぶため、第1コイル250で発生した磁界が、第1ヨーク230や第1磁性ディスク320内で径方向に沿って進行することを確実に規制することができ、安定した磁気回路が確保される。
図3に示すように、下部210Bの第2磁性ディスク520にも、第1の方向D1(厚み方向)に貫通する4つのスリット523a、523b、523c、523dが設けられている。これらのスリットは、円形平面の中心から同一の距離に、周方向に沿って、等角度間隔に設けられている。また、径方向において、第3空間435に対応する位置に設けられている。そして、第2磁性ディスク520において、磁束が4つのスリットを径方向に通ることを規制することができる。第2コイル450に図5に示す磁界を発生させると、4つのスリット523a、523b、523c、523dが磁気ギャップとして機能するため、磁界の磁束が4つのスリット523a、523b、523c、523dを径方向に通ることが規制される。これに対して、4つのスリット523a、523b、523c、523dよりも中心軸211側(内側)では、第2ヨーク430の内側ヨーク431から第2中間ヨーク440に向けて、磁束が主に上向きに通り、4つのスリット523a、523b、523c、523dよりも外側では、第2中間ヨーク440から第2ヨーク430の外側ヨーク232に向けて、磁束が主に下向きに通る。さらに、4つのスリットを第3空間435に対応する位置に設けたことによって、第2空間434、第3空間435、及び、4つのスリット523a、523b、523c、523dが第1の方向D1に並ぶため、第2コイル450で発生した磁界が、第2ヨーク430や第2磁性ディスク520内で径方向に沿って進行することを確実に規制することができ、安定した磁気回路が確保される。
シャフト部310を回転操作すると、第1磁性ディスク320が第1ヨーク230及び第1中間ヨーク240に対して相対的に回転し、かつ、第2磁性ディスク520が第2ヨーク430及び第2中間ヨーク440に対して相対的に回転する。このとき、上部210Aにおいては、第1磁性ディスク320の上面と第1ヨーク230の底面236との間の第1の方向D1の距離は、略一定に保たれ、第1磁性ディスク320の下面と第1中間ヨーク240の上面241との間の第1の方向D1の距離は略一定に保たれ、さらに、第1磁性ディスク320の外周面と環状部材270の内周面との第2の方向D2の距離も略一定に維持される。また、下部210Bにおいても、第2磁性ディスク520の下面と第2ヨーク430の上面436との間の第1の方向D1の距離は、略一定に保たれ、第2磁性ディスク520の上面と第2中間ヨーク440の上面241との間の第1の方向D1の距離は略一定に保たれ、さらに、第2磁性ディスク520の外周面と環状部材270の内周面との第2の方向D2の距離も略一定に維持される。
図4と図5に示すように、第1磁性ディスク320の周囲の隙間280には磁気粘性流体360が満たされ、また、第2磁性ディスク520の周囲の隙間480には磁気粘性流体560が満たされている。したがって、上部210Aにおいては、隙間280のうち、第1磁性ディスク320の上面と第1ヨーク230の底面236とに第1の方向D1を挟まれた隙間に磁気粘性流体360が存在し、かつ、第1磁性ディスク320の下面と第1中間ヨーク240の上面241とに第1の方向D1を挟まれた隙間にも磁気粘性流体360が存在する。さらに、第1磁性ディスク320の外周面と環状部材270とに径方向に挟まれた、上記間隙281にも磁気粘性流体360が存在する。第1磁性ディスク320の周囲の隙間280は、封止部材260、環状部材270、シャフト部310、フランジ部312、第1ヨーク230、第1中間ヨーク240等で封止されている。このため、磁気粘性流体360は隙間280内に確実に保持される。下部210Bにおいては、隙間480のうち、第2磁性ディスク520の底面と第2ヨーク430の上面436とに第1の方向D1を挟まれた隙間に磁気粘性流体560が存在し、かつ、第2磁性ディスク520の上面と第2中間ヨーク440の底面441とに第1の方向D1を挟まれた隙間にも磁気粘性流体560が存在する。さらに、第2磁性ディスク520の外周面と環状部材270とに径方向に挟まれた、上記間隙481にも磁気粘性流体560が存在する。第2磁性ディスク520の周囲の隙間480は、封止部材460、環状部材270、シャフト部310、フランジ部312、第2ヨーク430、第2中間ヨーク440等で封止されている。このため、磁気粘性流体560は隙間480内に確実に保持される。
ここで、磁気粘性流体360、560は、磁界が印加されると粘度が変化する物質であり、例えば、非磁性の液体(溶媒)中に磁性材料からなる粒子(磁性粒子)が分散された流体である。磁気粘性流体360、560に含まれる磁性粒子としては、例えば、カーボンを含有した鉄系の粒子やフェライト粒子が好ましい。カーボンを含有した鉄系の粒子としては、例えば、カーボン含有量が0.15%以上であることが好ましい。磁性粒子の直径は、例えば0.5μm以上が好ましく、さらには1μm以上が好ましい。磁気粘性流体360、560は、磁性粒子が重力で沈殿しにくくなるように、溶媒と磁性粒子を選定することが望ましい。さらに、磁気粘性流体360、560は、磁性粒子の沈殿を防ぐカップリング材を含むことが望ましい。
第1コイル250に対して電流が印加されると、上述したように図5に示すような磁界が発生し、第1磁性ディスク320においては第1の方向D1に沿った方向のみの磁束が通り、第1磁性ディスク320の内部では、径方向に沿った磁束は生じないか生じてもその磁束密度はわずかである。この磁界により、第1中間ヨーク240においては径方向に沿った磁力線が生じ、第1コイル250の外側においては、第1の方向D1に沿った方向の磁力線が生じる。第3ヨーク290においては、第1中間ヨーク240における磁力線とは逆方向であって径方向に沿った方向の磁力線が生じる。一方、下部210Bにおいては、第2コイル450に対して電流が印加されると図5に示すような磁界が発生し、第2磁性ディスク520においては、主に、第1の方向D1に沿った方向のみの磁束が通り、第2磁性ディスク520の内部では、径方向に沿った磁束は生じないか生じてもその磁束密度はわずかである。この磁界により、第2中間ヨーク440においては径方向に沿った磁力線が生じ、第2コイル450の外側においては、第1の方向D1に沿った方向の磁力線が生じる。第3ヨーク490においては、第2中間ヨーク440における磁力線とは逆方向であって径方向に沿った方向の磁力線が生じる。
磁気粘性流体360、560のいずれにおいても、コイル250、450による磁界が生じていないときには、磁性粒子は溶媒内で分散されている。したがって、操作者がシャフト部310を操作すると、保持部220は、大きな抵抗力を受けずに、操作部300に対して相対的に回転する。あるいは、コイル250、450に通電されていない状態で、ヨーク内に残留磁束があるときは、その残留磁束の密度に応じてシャフト部310に抵抗トルクが残留する。
一方、コイル250、450に電流を印加して磁界を発生させると、磁気粘性流体360、560には第1の方向D1に沿った磁界が与えられる。この磁界により、磁気粘性流体360、560中で分散していた磁性粒子は磁力線に沿って集まり、第1の方向D1に沿って並んだ磁性粒子が磁気的に互いに連結される。この状態において、中心軸211を中心とする方向にシャフト部310を回転させようとする力を与えると、連結された磁性粒子による抵抗力(トルク)がはたらくため、磁界を発生させていない状態と比べて操作者に抵抗力を感じさせることができる。
本実施形態においては、シャフト部310から径方向外側に円板状に広がった2つの磁性ディスク320、520を使用しているため、シャフト部310だけの場合に比べると広い範囲に磁気粘性流体360、560を配置できる。さらに、磁界が印加された磁気粘性流体360、560の抵抗力の大きさは、その配置範囲の広さに関係する。特に、シャフト部310の操作によって2つの磁性ディスク320、520を回転させたときの磁界が印加された磁気粘性流体360、560による抵抗力の大きさは、その回転方向に直交する面の磁気粘性流体360、560の磁界が印加された面積に関係する。よって、磁界を印加可能な磁気粘性流体360、560の配置範囲が広くなるほど、抵抗力(トルク)の制御幅を広くすることができる。本実施形態では、2つの磁性ディスク320、520の広い範囲において、第1の方向D1に沿った磁界成分を主方向とする磁束を通過させることができ、この磁束の方向に基づいた方向に抵抗力(トルク)を発生させることができるため、装置を大型化することなく大きなせん断応力を得ることが可能となる。
図6は、トルク発生装置210の制御系統のブロック図である。トルク発生装置210は、上述のコイル250、450のほかに、通電制御部371、第1通電部372、及び、第2通電部373を更に備える。通電制御部371は、2つのコイル250、450のそれぞれに印加する電流を制御する。第1通電部372は、通電制御部371からの制御信号にしたがって、第1コイル250に対して所定の電流を印加し、第2通電部373は、通電制御部371からの制御信号にしたがって、第2コイル450に対して所定の電流を印加する。図4と図5に示す例では、2つの磁性ディスク320、520のいずれにおいても、第1中間ヨーク240及び第2中間ヨーク440で中心軸211から遠ざかる方向に磁束が通るように、2つのコイル250、450のそれぞれに同時に電流を印加しているが、互いに異なる方向に磁束が通るように、又は、一方のコイルのみに電流を印加するように制御することもできる。また、2つのコイル250、450のそれぞれに印加する電流の大きさは同一であってもよいし、異なってもよい。
図7(a)は、本実施形態のトルク発生装置210における磁束の流れを示すコンター図、(b)は比較例のトルク発生装置におけるコンター図である。図8(a)は、磁性ディスクの上側における磁束密度の変化を示すグラフ、(b)は磁性ディスクの下側における磁束密度の変化を示すグラフである。図7(b)に示す比較例では、テーパ形状の第2空間が設けられておらず、本実施形態の第3空間235、435と同様に第1の方向D1に沿って互いに平行な空間がコイルまで延びている。ただし、比較例においても、磁性ディスク側からコイルまで延びる空間は、磁気ギャップとして、径方向において、コイルを収容する第1空間よりも狭くなるように設定されている。図8(a)、(b)では、磁性ディスクの中心から外周までの磁束強度の分布を示しており、黒丸(「テーパ有」)は本実施形態に対応しており、テーパ形状の第2空間を有する場合であり、白丸(「テーパ無」)は図7(b)の比較例に対応しており、テーパ形状の第2空間を有していない場合である。
図7(a)、(b)に示すように、本実施形態と比較例のいずれにおいても、コイルと磁性ディスクとの間で、特に磁気ギャップの近傍において、磁束が径方向に沿って進行することが規制されており、磁気ギャップを設けていない構成と比べて面積を有効に活用できていることが分かる。さらに、図7(a)、(b)を比較すると、本実施形態のトルク発生装置210(図7(a))では、比較例よりさらに、磁束が効率的に磁性ディスク側へ導かれていることが分かる。
図8(a)、(b)を見ると、磁性ディスクの上下両面の何れにおいても、本実施形態のトルク発生装置210のようなテーパ形状を設けることによって磁束密度が大きくなっていることが分かる。これは、テーパ形状の第2空間を設けることによって、ヨーク内において磁性ディスクの手前で磁束が左右に流れることを規制することができ、この領域における磁束の短絡を減少させることができ、磁性ディスクに対して効率的に磁束が誘導されやすくなったことに起因すると考えられる。このような構成によれば、磁気粘性流体に対して、操作軸と平行な方向の磁束を効率よく与えることができ、これによって、磁気粘性流体を硬化させやすくなり、せん断応力を増加させることが可能となることから、大型化することなくトルク性能を向上させることができる。
本発明について上記実施形態を参照しつつ説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、改良の目的または本発明の思想の範囲内において改良または変更が可能である。
以上のように、本発明に係るトルク発生装置は、小型でありながら、大きなせん断応力を得ることができる点で有用である。
210 トルク発生装置
210A 上部
210B 下部
211 中心軸
220 保持部
230 第1ヨーク
231、431 内側ヨーク
231a、431a 円筒部
231b、431b 鍔状部
231c、431c 第1面
231d、431d 第2面
232、432 外側ヨーク
232a、432a 円筒部
232b、432b 縁部
232c、432c 第1面
232d、432d 第2面
233、433 第1空間
233x 中心位置
234 第2空間(第1磁気ギャップ)
235x 中心位置
235 第3空間(第1磁気ギャップ)
236 底面
240 第1中間ヨーク(中間ヨーク)
241 上面
242、442 孔部
250 第1コイル(磁界発生部)
260、460 封止部材
261 下面
270 環状部材
280、480 隙間
281、481 間隙
290、490 第3ヨーク
300 操作部
310 シャフト部(操作軸)
311 軸部(操作軸)
312 フランジ部
314 結合部
320 第1磁性ディスク
321、521 中央孔部
322、522 貫通孔部
323a、323b、323c、323d スリット
351、551 ラジアル軸受
352、552 プッシャ
353、553 オーリング
360、560 磁気粘性流体
371 通電制御部
372 第1通電部
373 第2通電部
430 第2ヨーク
434 第2空間(第2磁気ギャップ)
435 第3空間(第2磁気ギャップ)
436 上面
440 第2中間ヨーク(中間ヨーク)
441 底面
450 第2コイル(磁界発生部)
461 上面
520 第2磁性ディスク
523a、523b、523c、523d スリット
D1 第1の方向
D2 第2の方向

Claims (5)

  1. 互いに対向して配置され、回転軸を中心にそれぞれ回転可能な、第1磁性ディスク及び第2磁性ディスクと、
    前記第1磁性ディスクと前記第2磁性ディスクの間に位置する中間ヨークと、
    前記回転軸と平行な第1の方向において前記第1磁性ディスクを挟んで前記中間ヨークとは反対側に位置する第1ヨークと、
    前記第1の方向において前記第2磁性ディスクを挟んで前記中間ヨークとは反対側に位置する第2ヨークと、
    前記第1の方向において、前記第1磁性ディスクと離間して前記第1ヨーク側に配置され、通電により磁界を発生させる第1コイルと、
    前記第1の方向において、前記第2磁性ディスクと離間して前記第2ヨーク側に配置され、通電により磁界を発生させる第2コイルと、
    前記第1磁性ディスクと前記第1ヨーク及び前記中間ヨークとの間、並びに、前記第2磁性ディスクと前記中間ヨーク及び前記第2ヨークとの間に、それぞれ充填された磁気粘性流体とを備え、
    前記第1ヨークは、前記第1コイルと前記第1磁性ディスクとの間に第1磁気ギャップを形成するように、前記第1コイルと前記第1磁性ディスクとの間において、径方向に延在して設けられており、
    前記第2ヨークは、前記第2コイルと前記第2磁性ディスクとの間に第2磁気ギャップを形成するように、前記第2コイルと前記第2磁性ディスクとの間において、前記径方向に延在して設けられていることを特徴とするトルク発生装置。
  2. 前記第1コイル及び前記第2コイルに印加する電流を制御する通電制御部を備え、
    前記通電制御部は、前記第1コイルに電流を印加する第1通電部と、前記第2コイルに電流を印加する第2通電部と、を有し、
    前記第1コイル及び前記第2コイルに同時に電流を印加するときには、前記中間ヨークにおける磁界の向きが同一の向きとなるように制御される請求項1に記載のトルク発生装置。
  3. 前記第1磁気ギャップは、前記第1コイルに近づくほど前記径方向における幅が大きくなる形状を有し、
    前記第2磁気ギャップは、前記第2コイルに近づくほど前記径方向における幅が大きくなる形状を有する請求項1又は請求項2に記載のトルク発生装置。
  4. 前記第1磁気ギャップにより、前記第1磁性ディスクと対向する前記第1ヨークの対向面が前記径方向において前記第1磁気ギャップの内側と外側に分割され、前記第1磁気ギャップは、前記第1ヨークの対向面において、前記第1磁気ギャップの内側の面積と外側の面積とが互いに略同一となる位置に設けられており、
    前記第2磁気ギャップにより、前記第2磁性ディスクと対向する前記第2ヨークの対向面が前記径方向において前記第2磁気ギャップの内側と外側に分割され、前記第2磁気ギャップは、前記第2ヨークの対向面において、前記第2磁気ギャップの内側の面積と外側の面積とが互いに略同一となる位置に設けられている請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のトルク発生装置。
  5. 前記第1ヨーク、前記中間ヨーク、及び、前記第2ヨークを、前記第1の方向において互いに接続する環状部材を備え、
    前記環状部材は、前記第1磁性ディスク及び前記第2磁性ディスクの外周面との間に間隙を有して囲むように全周に亘って配置されている非磁性体部を有することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のトルク発生装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114215875A (zh) * 2021-11-26 2022-03-22 重庆川仪自动化股份有限公司 磁流变阻尼器及磁流变转矩测试装置

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