JP6967158B2 - 操作装置及び操作装置の制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は、磁気粘性流体を用いて回転抵抗を変化させることができる操作装置及び操作装置の制御方法に関する。
特許文献1に記載のブレーキは、ロータと、ロータとの間の相対回転を抑制するように接続されているシャフトと、第1及び第2のハウジング室を有するハウジングと、ロータの少なくとも作業部分と接触した制御可能材料とを備える。第1のハウジング室にはロータが回転可能に収容され、第2のハウジング室には、磁界発生器と電子装置が入っている。この電子装置は、ロータの相対回転位置を検出するセンサを備え、ロータの相対回転位置によって決められる強さを有する磁界を加えるように磁界発生器を制御する。
特表2005−507061号公報
特許文献1に記載のブレーキでは、上記センサによってシャフトとロータの回転が検出され、この検出結果に応じて磁界発生器のコイルに加える電流が制御される。しかし、強いブレーキ力を掛けるように印加電流を変化させるときには問題が少ないが、弱いブレーキ力によって操作感触を制御する場合には、コイルに通電していないときのトルク(初期トルク)の変動が操作感触の違和感となる課題があった。初期トルクの変動を抑制するために、磁界を測定する磁気センサを追加したフィードバック制御では、複雑な制御回路が必要となり、また、磁気センサを適切な位置に設けたり、磁気センサの配線が必要になるなどにより、部品・製造コストが増大し、また、構成部材の配置に制約が生じるおそれがある。
そこで本発明は、磁気粘性流体を用いた操作装置であって、制御にかかわるコストを抑えつつ、所望の一定の初期トルクを得ることができる操作装置、及び、操作装置の制御方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の操作装置は、回転可能に支持された操作部材と、操作部材と一体に回転するロータと、ロータを通過する磁界を生成する磁界発生手段と、ロータに接触して設けられ、ロータを通過する磁界の作用により回転に対する抵抗力を付与する磁気粘性流体と、磁界発生手段を制御する制御部とを備える操作装置であって、磁界発生手段は、通電によって磁界を生成するコイルと、ロータを通過する磁界に対する磁路を形成するヨークとを有し、制御部は磁化手段及び回転トルク制御手段を備え、磁化手段は、ヨークの残留磁場を所定の大きさとするようにコイルに通電するものであり、回転トルク制御手段は、ヨークの残留磁場の分だけコイルに通電する電流値を調整するものであって、回転トルク制御手段においてコイルに通電する電流値の最大値の絶対値は、磁化手段において通電する電流値の絶対値より小さいことを特徴としている。
これにより、磁気センサを設けてフィードバック制御を行う必要がなくなるため、制御にかかわるコストを抑えることができる。また、磁化手段によってヨークの残留磁場を所定の大きさとするようにコイルに通電し、さらに、回転トルク制御手段においてコイルに通電する電流値の最大値の絶対値を磁化手段において通電する電流値の絶対値より小さくすることにより、ヨークに用いる材料に特有のヒステリシス特性に基づいた所望の一定の初期トルクを得ることができる。これにより、操作感触を安定して制御することができる。
本発明の操作装置において、磁化手段は、コイルへ通電を行うことによってヨークを飽和状態とし、これにより上記所定の大きさを飽和残留磁化の大きさとすることが好ましい。
このように上記所定の大きさを設定することにより、残留磁場を、ヨークに用いる材料に特有の数値に特定することが可能となる。このため、所望の一定の初期トルクを容易かつ確実に得ることができる。
本発明の操作装置において、制御部は、操作装置の起動時に磁化手段によるコイルへの通電を実行させることが好ましい。
これにより、使用者が操作を行う前にヨークを所定の磁化に設定でき、ロータを通過する残留磁束を所定値にできるため、初期トルクを安定して一定値にすることができる。
本発明の操作装置において、回転トルク制御手段は、ロータを通過する磁束がゼロとなるようにコイルに通電する電流値をオフセットし、最小トルクをゼロに近づけることが好ましい。
これにより、ヨークの残留磁場に基づく初期トルクが大きくても、使用者が感じる抵抗力を抑えて操作性を高めることができる。
本発明の操作装置の制御方法は、回転可能に支持された操作部材と、操作部材と一体に回転するロータと、ロータを通過する磁界を生成する磁界発生手段と、ロータに接触して設けられ、ロータを通過する磁界の作用により回転に対する抵抗力を付与する磁気粘性流体とを備えた操作装置の制御方法であって、磁界発生手段は、通電によって磁界を生成するコイルと、ロータを通過する磁界に対する磁路を形成するヨークとを有し、ヨークの残留磁場を所定の大きさとするようにコイルに通電を行う磁化ステップと、ヨークの残留磁場の分だけコイルに通電する電流値を調整する回転トルク制御ステップであって、コイルに通電する電流値の最大値の絶対値を、磁化ステップにおいて通電する電流値の最大値の絶対値より小さくしている回転トルク制御ステップとを備えることを特徴としている。
これにより、磁気センサを設けてフィードバック制御を行う必要がなくなるため、制御にかかわるコストを抑えることができる。また、磁化手段によってヨークの残留磁場を所定の大きさとするようにコイルに通電することにより、ヨークに用いる材料に特有のヒステリシス曲線に基づいて、所望の一定の初期トルクを得ることができる。
本発明によると、制御にかかわるコストを抑えつつ、所望の一定の初期トルクを得ることができる操作装置、及び、このような操作装置の制御方法を提供することができる。
(A)は操作装置の基本形態を上側から見た斜視図、(B)は図1(A)の操作装置を下側から見た斜視図である。 図1(A)、(B)に示す操作装置を上側から見た分解斜視図である。 図1(A)、(B)に示す操作装置を下側から見た分解斜視図である。 (A)、(B)は、図1(A)のIV−IV’線に沿った断面図であり、(B)は励磁コイルが発生させた磁界を概念的に示す図である。 (A)、(B)は、図1(A)のV−V’線に沿った断面図であり、(B)は励磁コイルが発生させた磁界を概念的に示す図である。 図4(A)の一部拡大図である。 (A)は実施形態における磁性ディスクの構成を示す平面図、(B)は(A)の磁性ディスクの斜視図、(C)は(A)のVII−VII’線における断面図である。 図1(A)、(B)に示す操作装置の機能ブロック図である。 磁性体のヒステリシス曲線を示すグラフである。 磁化手段による磁化及びオフセットの制御時のMRF発揮トルクの変化を示すグラフである。 磁化が飽和状態となった後のコイルに対する印加電流とMRF発揮トルクの関係を示すグラフである。 本実施形態の操作装置の処理の流れの例を示すフローチャートである。 回転トルク制御ステップにおける励磁コイルへの印加電流とMRF発揮トルクの関係を示すグラフである。 回転トルク制御ステップにおける励磁コイルへの印加電流とMRF発揮トルクの関係を示すグラフである。 従来の操作装置のフィードバック制御におけるコイルへの印加電流とMRF発揮トルクの関係を示すグラフである。
<基本形態>
図面を参照しつつ、本実施形態に係る操作装置の基本形態について説明する。この基本形態においては、磁性ディスク120の形状を、上面124と下面125が平坦な略円板状として説明しているが、具体的な実施形態における磁性ディスク170(図7)の形状は後述する。
図1(A)は基本形態に係る操作装置10を上側から見た斜視図、(B)は操作装置10を下側から見た斜視図である。図2と図3は操作装置10の分解斜視図である。図2は上側から見た分解斜視図、図3は下側から見た分解斜視図である。図4(A)、(B)は、図1(A)のIV−IV’線に沿った断面図であり、(B)は励磁コイル50が発生させた磁界を概念的に示す説明図である。図5(A)、(B)は図1(A)のV−V’線に沿った断面図であり、(B)は励磁コイル50が発生させた磁界を概念的に示す図である。図6は図4(A)の一部拡大図である。
図1(A)から図6において、説明の便宜上、中心軸11に沿って上下方向を規定しているが、実際の使用時における方向を制限するものではない。中心軸11に沿った方向を第1の方向とし、中心軸11から、中心軸11に直交する径方向を第2の方向と称する。以下の説明において、中心軸11に沿って、上側から下側を見た状態を平面視ということがある。また、図2と図3においては、一部のネジや磁気粘性流体の表示を省略している。
図1(A)、図1(B)に示すように、操作装置10は、保持部20と、操作部100とを備える。操作部100は、操作部材としてのシャフト部110と、シャフト部110と一体に回転する磁性ディスク120(ロータ)とを含み、中心軸11(回転軸)を中心として両方向に回転動作可能に保持部20に支持されている。操作部100は、支持部材140とラジアル軸受150を介して、回転可能な状態で保持部20に支持されている(図2)。さらに、図4〜図6に示すように、操作装置10内に設けた隙間80には、磁気粘性流体(MRF)160が満たされている。
保持部20は、第1ヨーク30、第2ヨーク40、励磁コイル50、環状部材60、及び、上部ケースとしての第3ヨーク70を含む。第1ヨーク30、第2ヨーク40、第3ヨーク70は、それぞれ別々に加工されて形成されている。ただし、第1ヨーク30、第2ヨーク40、第3ヨーク70のいずれかが組み合わされて一体に形成されていてもよい。
図2に示すように、第1ヨーク30は、円環部31と、円環部31の上面から円環部31と同心状に上側へ延びるように一体に設けられた円筒部32とを備える。円環部31と円筒部32は、平面視において、中心軸11を中心とする円形状をなしており、その外径は、円環部31よりも円筒部32の方が小さくされている。円環部31と円筒部32の外径の違いにより、円筒部32の外周面32aの外側に段差部33が形成される。また、第1ヨーク30は、中心軸11を中心とした平面視円形状の内周面34を有する。内周面34は、中心軸11に沿って円環部31と円筒部32を貫いており、その内径は、上下方向の位置に応じて変化するように設定されている。
図4(A)に示すように、第1ヨーク30の段差部33には磁界発生部としての励磁コイル50が配設される。励磁コイル50は、内周50aが円筒部32の外周面32aに沿うような円環状をなしており、外周50bは径方向において円環部31の外周面31aよりも外側に位置する。よって、励磁コイル50は、平面視において、延在部としての円環部31に重なっている。励磁コイル50は、中心軸11の周りを回るように巻き付けられた導線を含むコイルである。励磁コイル50には接続部材51が電気的に接続され、第3ヨーク70の上部から露出した接続部材51の入力部51aに対して図示しない経路で電流が供給される。励磁コイル50に電流が供給されると磁界が発生する。
第1ヨーク30の円環部31には、その外周面31aに沿って環状部材60が固定されている。この環状部材60は円環状をなしており、合成樹脂などの非磁性材料で構成される。第1ヨーク30に固定された状態の環状部材60は、平面視において、段差部33に配設された励磁コイル50と略同一の外径の円形状を有する。図6に示すように、環状部材60の下面61は、第1ヨーク30の底面35と略同一面を形成し、この面は、中心軸11に直交する方向に沿って延びる。環状部材60の径方向の厚みは、励磁コイル50が発生させた磁界が、環状部材60を通じて径方向に通じることを妨げることができる厚みとなっている。また、環状部材60の径方向の厚みは上下で変化してもよい。
図2に示すように、第2ヨーク40は、円板状をなしており、第1ヨーク30の下方に配設される。第2ヨーク40は、中心軸11に沿った上下方向に直交する上面41を有する。この上面41には、中心軸11を囲んで上方に開口する環状の溝42が設けられている。溝42の中央には第2ヨーク40を上下方向に貫通する孔部43が形成されている。図6に示すように、孔部43内には上下方向に延びる支持部材(ピボット支持部材)140が挿入されており、この支持部材140は第2ヨーク40の下面44に固定された保持具141によって第2ヨーク40に固定されている。支持部材140は、上側へ開いた凹部としての受け部140aを有し、この受け部140aでシャフト部110の先端部113を回転自在に支持する。
なお、ヨーク30、40の平面形状は必ずしも円形でなくてもよい。また、ヨークの分割は、上述の第1ヨーク30と第2ヨーク40のような組み合わせでなくても良く、分割位置によっては矩形状の平面形状とすることもできる。
図6に示すように、第1ヨーク30の底面35及び環状部材60の下面61と、第2ヨーク40の上面41とは、互いに略平行とされており、底面35と上面41との間に隙間80が形成されている。
図3に示すように、第3ヨーク70は、(1)励磁コイル50、第1ヨーク30、及び、環状部材60と、(2)接続部材51と、(3)ラジアル軸受150、シャフト部110、及び、磁性ディスク120とを内部に収容する空間72を有する。この空間72は、内周面71によって平面視円形状に形成されており、第2ヨーク40を配置することによって下部が閉じられる。空間72は、第3ヨーク70の上壁部74と側壁部75によって囲まれている。図1(A)、(B)に示すように、第3ヨーク70は平面視略四角形である一方、空間72は上述のように平面視円形状である。このため、側壁部75の平面視形状、すなわち、第3ヨーク70の側壁部75の外側面の平面視形状は、第3ヨーク70の角部が厚く、辺部が薄くなっている。
第2ヨーク40は、第3ヨーク70の側壁部75を径方向に貫通するネジ(不図示)によって、第3ヨーク70に固定される。これによって、第2ヨーク40の外周面45が第3ヨーク70の側壁部75に接触した状態で固定され、第2ヨーク40と第3ヨーク70とが互いに磁気的に接続される(図6参照)。なお、第2ヨーク40と第3ヨーク70との固定は、ネジ以外の手段、例えば溶接によって行うこともできる。
第1ヨーク30、第2ヨーク40、及び、第3ヨーク70を使用することで励磁コイル50が発生する磁界を閉ループにする磁路(磁気回路)が形成できる。
ここで、第1ヨーク30、第2ヨーク40、第3ヨーク70、及び、励磁コイル50は、ロータとしての磁性ディスク120を通過する磁界を生成する磁界発生手段を構成する。
図4(A)、(B)に示すように、第3ヨーク70と第1ヨーク30とは、第3ヨーク70の上壁部74を上下に貫通する複数のネジ90で互いに固定されている。これにより、第1ヨーク30の上部と第3ヨーク70の上壁部74とが接触した状態で固定され、この領域において、第1ヨーク30と第3ヨーク70が磁気的に接続される。
一方、第1ヨーク30の円環部31の外周面31aには、非磁性材料からなる環状部材60が固定されており、この環状部材60の外周面が第3ヨーク70の内周面71に接している。したがって、第1ヨーク30の円環部31と第3ヨーク70の側壁部75とは、中心軸11に直交する方向において環状部材60によって離間されており磁気ギャップGが形成される。この磁気ギャップGは、中心軸11に沿った第1の方向においては、励磁コイル50の底面から第2ヨーク40の上面41まで延びている。
また、磁気ギャップGは、径方向としての第2の方向においては、第1ヨーク30と第2ヨーク40との隙間80内に配置された磁性ディスク120の外周縁126と第3ヨーク70の内周面71との隙間に対応している。磁気ギャップGを設けることによって、励磁コイル50が発生させた磁界の磁束が、第1ヨーク30の円環部31から第3ヨーク70の側壁部75へ、また、磁性ディスク120から第3ヨーク70の側壁部75へ、中心軸11に直交する方向に沿って通過することを規制することができる。第3ヨーク70には、磁気ギャップGによって、磁性ディスク120と励磁コイル50の外側において磁性ディスク120に近接する領域が形成されている。
以上の構成において、励磁コイル50に電流を印加すると図4(B)の矢印で概略的に示す方向の流れを有する磁界が形成される。また、励磁コイル50に対して逆向きに電流を印加すると、図4(B)とは逆向きの流れの磁界が形成される。図4(B)に示す例では、中心軸11の方向に沿って第1ヨーク30から第2ヨーク40側へ磁束が磁性ディスク120を横断し、この磁束は第2ヨーク40では中心軸11から遠ざかる方向へ進み、第3ヨーク70の側壁部75では中心軸11の方向に沿って下から上へ進む。
さらに、第3ヨーク70の上壁部74では中心軸11へ近づく方向へ進み、励磁コイル50の内側に対応する領域で、上から下へ、すなわち第1ヨーク30の円筒部32側へ進み、励磁コイル50の内側では下向きに進行し、再び磁性ディスク120を横断して第2ヨーク40に至る。
このような磁路の磁界において、磁気ギャップGが形成されているために、円環部31及び磁性ディスク120から第3ヨーク70の側壁部75に磁束が通過することは規制されている。また、第2ヨーク40と第3ヨーク70の側壁部75が磁気的に接続されているため、第2ヨーク40から側壁部75を通る磁路が確保される。さらに、上述のように、側壁部75の平面視形状は、第3ヨーク70の角部が厚く、辺部が薄くなっているため、特に角部に対応する側壁部75において広い磁路が確保でき、この磁路に沿って磁界が確実に生成される(図5(B)参照)。なお、ここでは第3ヨーク70が平面視略四角形である例を示しているが、磁路が確保できれば平面視円形やその他の形状であってもよい。
第3ヨーク70は、中心軸11を含む領域に略円柱形の貫通孔73を有する。貫通孔73は、第3ヨーク70を上下方向に貫通している。この貫通孔73内の空間は、第1ヨーク30の内周面34に囲まれた空間と上下方向に連通している。
次に、操作部100の構造について説明する。
図2、図3に示すように、シャフト部110は、中心軸11に沿って上下に延びる棒状材であり、上側の軸部111と、軸部111よりも下側に設けられた溝部112とを有する。溝部112は、外周面に中心軸11を中心とした溝が設けられている。溝部112の下面中央に設けた先端部113は下に行くほど先細となる形状を有する。
図3に示すように、ロータとしての磁性ディスク120は、磁性材料で構成され、上下方向に直交するように配置される円形平面を有する円板状の部材である。磁性ディスク120の円形平面の中心には、上下方向に貫通する中央孔部121が設けられ、この中央孔部121を囲む位置には、磁性ディスク120を上下に貫通する複数の貫通孔部122が設けられている。磁性ディスク120は、下方から貫通孔部122内に挿通させたネジ91の軸部をシャフト部110の溝部112内に嵌め込むことによって、シャフト部110に対して固定され、これによって、操作部材としてのシャフト部110と一体となって回転可能となる。
なお、ロータとしては、磁性ディスク120のような円板状の形状に限定されない。シャフト部110と一体となって回転し、磁気粘性流体160によって抵抗力が付与される構成を有していれば円板以外の形状とすることもできる。
図4(A)、(B)に示すように、シャフト部110は、軸部111がラジアル軸受150によって回転自在に支持され、溝部112の下端の先端部113が磁性ディスク120の中央孔部121を通じて支持部材(ピボット支持部材)140でピボット支持される。ラジアル軸受150は第3ヨーク70及び第1ヨーク30によって、上下方向の所定位置で支持される。溝部112の溝にはOリング116が装着されている。これにより、シャフト部110は、第1ヨーク30との密着性を維持しつつ、第1ヨーク30、第2ヨーク40、及び、第3ヨーク70に対して、中心軸11を中心として回転可能に支持される。軸部111の上部は第3ヨーク70の上方に露出されており、軸部111の露出部分には、入力操作に必要な部材をシャフト部110に結合するための結合孔部114、115が設けられている。
図4〜図6に示すように、磁性ディスク120は、第1ヨーク30と第2ヨーク40との間の隙間80において、中心軸11に直交する方向に延びるように配設されている。よって、磁性ディスク120は、中心軸11に沿った方向において、励磁コイル50と互いに重複するように位置する。これにより、磁性ディスク120は、平面視において、延在部としての円環部31に重なる。ここで、磁性ディスク120と励磁コイル50は、中心軸11に沿った方向において、少なくとも一部が重複するように位置していればよい。図6に示すように、磁性ディスク120は、中心軸11に沿った第1の方向に垂直で互いに対向しあう2つの面として、上面124と下面125を有している。磁性ディスク120の上面124と第1ヨーク30の底面35との間には隙間81が存在し、また、磁性ディスク120の下面125と第2ヨーク40の上面41との間には隙間82が存在する。さらに、磁性ディスク120の外周縁126と第3ヨーク70の側壁部75とは、磁気ギャップGによって離間している。
シャフト部110を回転操作することによって磁性ディスク120が第1ヨーク30及び第2ヨーク40に対して相対的に回転するとき、磁性ディスク120の上面124と第1ヨーク30の底面35との間の上下方向の距離は、略一定に保たれ、磁性ディスク120の下面125と第2ヨーク40の上面41との間の上下方向の距離は略一定に保たれ、さらに、磁性ディスク120の外周縁126と側壁部75の内周面71との径方向の距離も略一定に維持される。
図4〜図6に示すように、磁性ディスク120の周囲の隙間80には磁気粘性流体160が満たされている。したがって、磁性ディスク120の上面124と第1ヨーク30の底面35とに上下方向を挟まれた隙間81に磁気粘性流体160が存在し、かつ、磁性ディスク120の下面125と第2ヨーク40の上面41とに上下方向を挟まれた隙間82にも磁気粘性流体160が存在する。さらに、磁性ディスク120の外周縁126と第3ヨーク70の側壁部75とに径方向に挟まれた空間(磁気ギャップG)にも磁気粘性流体160が存在する。磁性ディスク120の周囲の隙間80は、シャフト部110、Oリング116、支持部材140、第1ヨーク30、第2ヨーク40、第3ヨーク70、及び環状部材60等で封止されている。このため、磁気粘性流体160は隙間80内に確実に保持される。
ここで、隙間80の全てが磁気粘性流体160で埋められていなくてもよい。例えば、磁気粘性流体160は、上面124側と下面125側とのいずれか一方のみに存在していてもよい。また、磁気粘性流体160は、隙間80内に注入して充填するほか、磁性ディスク120の上面124や下面125、円環部31の底面35、第2ヨーク40の上面41、環状部材60の下面61、第3ヨーク70の内周面71などに塗布することによって隙間80内に配置しても良い。
磁気粘性流体160は、磁界が印加されると粘度が変化する物質であり、例えば、非磁性の液体(溶媒)中に磁性材料からなる粒子(磁性粒子)が分散された流体である。磁気粘性流体160に含まれる磁性粒子としては、例えば、カーボンを含有した鉄系の粒子やフェライト粒子が好ましい。カーボンを含有した鉄系の粒子としては、例えば、カーボン含有量が0.15%以上であることが好ましい。磁性粒子の直径は、例えば0.5μm以上が好ましく、さらには1μm以上が好ましい。磁気粘性流体160は、磁性粒子が重力で沈殿しにくくなるように、溶媒と磁性粒子を選定することが望ましい。さらに、磁気粘性流体160は、磁性粒子の沈殿を防ぐカップリング材を含むことが望ましい。
励磁コイル50に対して電流が印加されると、上述したように図4(B)に示すような磁界が発生し、磁性ディスク120においては上下方向に沿った方向のみの磁束が横断し、磁性ディスク120の内部では、径方向に沿った磁束は生じないか生じてもその磁束密度はわずかである。この磁界により、第2ヨーク40においては径方向に沿った磁力線が生じ、第3ヨーク70の側壁部75においては、磁性ディスク120における磁力線とは逆方向で上下方向に沿った方向の磁力線が生じる。さらに、第3ヨーク70の上壁部74においては、第2ヨーク40における磁力線とは逆方向であって径方向に沿った方向の磁力線が生じる。
磁気粘性流体160においては、励磁コイル50に電流を印加して磁界を発生させると、磁気粘性流体160には上下方向に沿った磁界が与えられる。この磁界により、磁気粘性流体160中で分散していた磁性粒子は磁力線に沿って集まり、上下方向に沿って並んだ磁性粒子が磁気的に互いに連結され、クラスタが形成される。この状態において、中心軸11を中心とする方向にシャフト部110を回転させようとする力を与えると、連結された磁性粒子にせん断力がはたらき、これらの磁性粒子による抵抗力(トルク)が生じる。このため、磁界を発生させていない状態と比べて操作者に抵抗力を感じさせることができる。
これに対して、励磁コイル50による磁界が生じていないときには、磁性粒子はクラスタを形成せずに溶媒内で分散されている。したがって、操作者がシャフト部110を操作すると、保持部20は、大きな抵抗力を受けずに、操作部100に対して相対的に回転する。あるいは、励磁コイル50に通電されていない状態で、ヨーク内に残留磁場があるときは、その残留磁場に基づく磁束に応じてシャフト部110に抵抗トルクが残留する。
以上述べたように、シャフト部110から径方向外側に円板状に広がった磁性ディスク120を使用しているため、シャフト部110だけの場合に比べると広い範囲に磁気粘性流体160を配置できる。さらに、磁気粘性流体160の抵抗力の大きさは、第1ヨーク30の底面35又は第2ヨーク40の上面41に上下方向を挟まれた磁気粘性流体160の配置範囲の広さに関係する。特に、シャフト部110の操作によって磁性ディスク120を回転させたときの磁気粘性流体160による抵抗力の大きさは、その回転方向に直交する面の磁気粘性流体160の面積に関係する。よって、磁気粘性流体160の配置範囲が広くなるほど、抵抗力(トルク)の制御幅を広くすることができる。
<磁性ディスクの構成>
図7(A)は本実施形態における磁性ディスク170(ロータ)の構成を示す平面図、(B)は(A)の磁性ディスク170の斜視図、(C)は(A)のVIII−VIII’線における断面図であって、周囲の円環部31、第2ヨーク40、及び、環状部材60も同時に示している。
図7(A)、(B)に示すように、磁性ディスク170は、上述の磁性ディスク120と同様に、磁性材料で構成され、全体として、上下方向(図7(A)の紙面に垂直な方向)に直交するように配置される円形平面(上面174、下面175)を有する円板状の部材である。さらに、磁性ディスク120と同様に、円形平面の中心には、上下方向に貫通する中央孔部171が設けられ、この中央孔部171を囲む位置には、磁性ディスク170を上下に貫通する複数の貫通孔部172が設けられている。
なお、磁性ディスク120、170に中央孔部121、171をそれぞれ設けずに、磁性ディスク120、170と、シャフト部110とを溶接によって互いに固定してもよい。
さらに、磁性ディスク170は、その円形平面の中心から外周縁176へ向かう径方向に沿って設けられた、6つの切り欠き部173を備えている。これらの切り欠き部173は、トルク増大部として、径方向としての第2の方向の外周領域において、上記円形平面の中心に関して等角度間隔に配置されており、上下方向(磁性ディスク170の厚み方向)に貫通するように設けられている。これにより、切り欠き部173は、第2の方向を長手方向とする長孔状の開口部とされている。
切り欠き部173の形成は、磁性ディスク170の円板状部材の製造と同時に行ってもよいが、円板状部材の製造の後に、レーザー加工、エッチングその他の手段によって行っても良い。また、6つの切り欠き部173は、円形平面の径方向の長さ、及び、周方向の幅が互いに同一となるように形成されている。ここで、上記外周領域とは、磁性ディスク170において、径方向(第2の方向)の外側を含む領域であり、中心軸11の方向において励磁コイル50を投映した領域が含まれる。
なお、上記切り欠き部173は磁性ディスク170を上下に貫通するように設けたが、磁性ディスク170を貫通させることなく有底の凹部として設けても良い。この場合の凹部は、磁性ディスク170の上面174と下面175のいずれか一方に設けても良いし、両方に設けても良い。
<制御部・制御方法>
図8は、操作装置10の機能ブロック図である。操作装置10は、上述の励磁コイル50と、接続部材51を介して励磁コイル50に接続された制御部130とを備える。制御部130は、励磁コイル50に与える電流値を制御することによって、励磁コイル50が生成する磁束、及び、この磁束に対する磁路を制御する。これにより、磁気粘性流体160及び磁性ディスク170(磁性ディスク120)を通過する磁束が制御され、制御された磁束の作用によって、磁気粘性流体160中で分散していた磁性粒子が磁力線に沿って集まり、上下方向に沿って並んだ磁性粒子が磁気的に互いに連結され、クラスタが形成される。この状態において、中心軸11を中心とする方向にシャフト部110を回転させようとする力を与えると、連結された磁性粒子にせん断力がはたらき、これらの磁性粒子による抵抗力(トルク)が生じるため、シャフト部110の操作者が感じる抵抗力をコントロールすることができる。
さらに、制御部130は、磁化手段として、第1ヨーク30、第2ヨーク40、及び、第3ヨーク70の残留磁場を所定の大きさ(磁束密度)とするように、励磁コイル50に対して通電を行う。磁性ディスク170においては、第1ヨーク30、第2ヨーク40、及び、第3ヨーク70のヒステリシス特性に依存して生じる残留磁場に基づいて、磁性ディスク170を通過する残留磁束が生成される。なお、励磁コイル50とは別に、または励磁コイル50を分割コイルにして、磁化手段専用コイルを設けてもよい。
また、制御部130は、回転トルク制御手段として、第1ヨーク30、第2ヨーク40、及び、第3ヨーク70の残留磁場の分だけ励磁コイル50に通電する電流値を調整する。この調整における電流値の最大値(絶対値)は、磁化手段として通電する電流値の絶対値よりも小さく設定する。
以下の説明において、磁気粘性流体160及び磁性ディスク170(磁性ディスク120)を通過する残留磁束を、磁性ディスク120を通過する残留磁束と言う。
図9は、磁性体のヒステリシス曲線を示すグラフであり、横軸は磁界を示し、縦軸はこの磁界中に置かれた磁性体の磁化(磁束密度)を示している。本実施形態において、第1ヨーク30、第2ヨーク40、及び、第3ヨーク70が同じ磁性体、例えば、同じ軟鉄材で構成された場合、励磁コイル50において図9の横軸に示す磁界を生成すると、この磁界中に置かれた、第1ヨーク30、第2ヨーク40、及び、第3ヨーク70は、ともに図9の曲線に示すような磁化(磁束密度)の変化を生じ、ヒステリシス特性に依存して生じる残留磁場が生じる。この残留磁場に基づいて磁性ディスク120を通過する残留磁束が生成される。
なお、図9〜図11は、磁化(磁束密度)又はトルクを概念的に示したグラフである。
図9に示すように、磁界をゼロから強くしていくと磁化は飽和状態(飽和磁化)に至り(曲線L1(実線))、磁性体における磁束密度は飽和磁束密度Bsとなる。飽和に至ったときの磁化(磁束密度)は、飽和後に磁界をゼロに近づけていってもほとんどが残留し、ヨークの残留磁場の大きさ(残留磁束密度)はBrとなる(曲線L2(実線))。本実施形態において、磁化手段としての制御部130は、第1ヨーク30、第2ヨーク40、及び、第3ヨーク70が飽和状態となるまで、励磁コイル50に電流を与えることが好ましい。これにより、第1ヨーク30、第2ヨーク40、及び、第3ヨーク70の磁化が上記飽和磁化に達するため、第1ヨーク30、第2ヨーク40、及び、第3ヨーク70における残留磁場が所定の大きさ(飽和残留磁化)に設定される(操作装置の制御方法における磁化ステップ)。
ここで、磁化ステップにおける所定の大きさの残留磁場は飽和残留磁化に限定されない。すなわち、所定の大きさの残留磁場(磁束密度)としては、磁化ステップ後の操作装置10の稼働時において第1ヨーク30、第2ヨーク40、及び、第3ヨーク70に設定する範囲(使用範囲)における磁場よりも大きくすることが好ましい。この使用範囲は、操作装置10の構成に基づいたシミュレーションにより、又は、操作装置10を動作させたときの各ヨークの磁化を予め外部測定機器等によって測定することにより設定される。上記所定の大きさの残留磁場が飽和残留磁化でない場合、例えば図9に示すように、使用範囲における磁場の最大値がBr2であれば、残留磁場(残留磁束密度)をBr2よりも大きな値Brxに設定し、図9において破線で示すようなヒステリシス曲線Cを描くように励磁コイル50に電流を印加するとよい。
このように磁化ステップにおいて所定の大きさの残留磁場(残留磁束密度)を設定し、後述の回転トルク制御ステップによって、第1ヨーク30、第2ヨーク40、及び、第3ヨーク70の残留磁場の分だけ励磁コイル50に通電する電流値を調整すると、磁性ディスク120(磁性ディスク170)を通過する磁束が少なくなるため、操作開始時にMRFにより発揮されるMRF発揮トルク(操作者が受ける抵抗力)を低減させることができる。
磁化手段による磁化(磁化ステップ)は、操作装置10の起動時に毎回実行される。飽和磁化は磁性体(第1ヨーク30、第2ヨーク40、及び、第3ヨーク70)が置かれる磁界を弱くしても低下しづらいが、初期トルクをより安定させるためには、起動時以外にも適当なタイミングでも実行することが好ましく、操作者による手動操作によって実行するようにしてもよい。さらに、磁化手段による磁化は、エンドストップ状態を実現するための電流印加において行っても良い。これにより、シャフト部110に強いブレーキ力を与え、操作者に対して仮想的な壁に当たって停まったような操作感触(エンドストップ)をあたえることができる。
一方、回転トルク制御手段としての制御部130は、上記磁化ステップにおいて生成された、第1ヨーク30、第2ヨーク40、及び、第3ヨーク70における残留磁場の分だけ励磁コイル50へ通電する電流値を調整する(回転トルク制御ステップ)。回転トルク制御手段において励磁コイル50に通電する電流値の最大値(絶対値)(図11のMRF発揮トルクA3に対応する電流値)は、磁化ステップにおいて通電する電流値の絶対値(図10のMRF発揮トルクA1に対応する電流値)よりも小さく設定される。ここで、上記MRF発揮トルクA3はMRF発揮トルクA1よりも小さい。
上述のように、操作装置10の制御方法においては、磁化ステップと回転トルク制御ステップが実行される。図12は、操作装置10の処理の流れの例を示すフローチャートである。
<磁化ステップ>(図12のステップS1、S2)
磁化ステップでは、第1ヨーク30、第2ヨーク40、及び、第3ヨーク70の残留磁場を所定の大きさとするように励磁コイル50に通電が行われる。これにより、操作装置10の起動時(図9の曲線L1の始点、図10の時刻T1)にゼロであった磁化(磁束密度)は、通電時間の経過とともに増加する。このとき、励磁コイル50が生成する磁界の増加にともなって磁気粘性流体160による抵抗力(MRF発揮トルク)(図10の縦軸)も上昇する。
そして、磁化ステップにおける通電開始から一定時間が経過すると、第1ヨーク30、第2ヨーク40、及び、第3ヨーク70の磁化は飽和状態となる。このとき、すなわち図10における時刻T2において、磁気粘性流体160においては抵抗力(MRF発揮トルク)がA1に達し、第1ヨーク30、第2ヨーク40、及び、第3ヨーク70の磁束密度は飽和磁束密度Bsとなる(図9)(図12のステップS1)。
上記飽和状態に至ったところで、時刻T3において励磁コイル50への通電を停止すると、図9の曲線L2において磁界(横軸)が正の領域に示すように、第1ヨーク30、第2ヨーク40、及び、第3ヨーク70における残留磁場を生じる。この間は、図10においては時刻T3〜T4に対応しており、磁気粘性流体160による抵抗力(MRF発揮トルク)がA2で一定となっている。そして、第1ヨーク30、第2ヨーク40、及び、第3ヨーク70においては、このMRF発揮トルクA2に対応する残留磁場が生成される(図12のステップS2)。
<回転トルク制御ステップ>(図12のステップS3〜S5)
図13と図14は、回転トルク制御ステップにおける励磁コイル50への印加電流とMRF発揮トルクの関係を示すグラフである。図15は、従来の操作装置のフィードバック制御におけるコイルへの印加電流とMRF発揮トルクの関係を示すグラフである。図13に示す例は、第1ヨーク30、第2ヨーク40、及び、第3ヨーク70の残留磁場が飽和残留磁化の大きさになるように生成された場合である。図14に示す例は、ヨークが完全飽和しない場合、すなわち、所定の大きさの残留磁場が飽和残留磁化の大きさより小さい場合であり、励磁コイル50に通電する電流値の最大値(絶対値)に対応するMRF発揮トルクは、図13に示す例において励磁コイル50に通電する電流値の最大値(絶対値)に対応するMRF発揮トルクA3より小さくなっている。
回転トルク制御ステップでは、磁化ステップにおいて所定の大きさとされた、第1ヨーク30、第2ヨーク40、及び、第3ヨーク70の残留磁場の分だけ励磁コイル50に通電される電流値が調整される(図12のステップS3)。図10に示す例では、時刻T4において回転トルク制御ステップが実行され、これによって、磁気粘性流体160による抵抗力(MRF発揮トルク)はA2からゼロへ減少する。この間、第1ヨーク30、第2ヨーク40、及び、第3ヨーク70における残留磁場の大きさ(残留磁束密度)に対応して、励磁コイル50に通電する電流値がマイナスにオフセットされて、磁性ディスク120を通過する磁束はゼロまで低下する。
回転トルク制御ステップにおいて抵抗力(MRF発揮トルク)をA3から低下させるときに励磁コイル50に印加する電流は、図11、図13、又は図14に示すように与えられ、この電流値の変化に対して抵抗力(MRF発揮トルク)はほぼ比例して減少し、操作開始時の発揮トルクとして一定のトルクを得ることが可能となっている。
図11、図13、及び図14に示すように、初期トルク(電流値がゼロのときのMRF発揮トルク)がゼロより大きい場合であっても、マイナスの電流を励磁コイル50に通電することによってMRF発揮トルクをゼロまで低減させることができる(図12のステップS3)。ここで、図14に示す例では、磁化ステップにおいてヨークが完全飽和に至っていないため、MFR発揮トルクをゼロにするためのマイナス電流値の絶対値を小さくすることができる。
これに対して、従来の操作装置においては、図15に示すような電流を、本実施形態の励磁コイル50に対応するコイルに印加することによって抵抗力の低減を図ることができるが、例えば以下の要因(1)〜(3)により、MRF発揮トルクをゼロにし、又は、所望の大きさに調整することが困難であった。このため、最小トルクと最大トルクに基づいたダイナミックレンジは、図11、図13、及び図14に示す場合と比べて小さいことが明らかである。
(1)コイルに通電していないときの初期トルクがゼロでない、又は、初期トルクの変動が大きい。
(2)通電履歴に依存してヨーク材料に残留磁場が生じている。
(3)磁気粘性流体160や摺動する部材の影響によってトルクが生じている。
本実施形態における回転トルク制御ステップとしては、図12のステップS3の後にさらに、シャフト部110の回転操作が検出されたとき(図12のステップS4でYES)に、検出した操作に応じて、励磁コイル50に通電する電流量を調整する。これによってMRF発揮トルクを制御することができ、操作開始時のMRF発揮トルクを一定の値に安定させることが可能となる(ステップS5)。
以上のような、磁化ステップ及び回転トルク制御ステップを実行することによって、簡便かつ正確に、回転トルクを制御でき、初期トルクを所望の一定値に設定することができる。特に、第1ヨーク30、第2ヨーク40、及び、第3ヨーク70の構成材料によって、飽和磁化に至るのに必要な印加電流値、さらには、回転トルク制御ステップにおいて残留磁場の影響をゼロとするための負の電流値が予め設定できるため、実際の磁界や磁化(磁束密度)を検出してフィードバック制御する必要がなく、容易かつ確実に所望の初期トルクを設定することができる。また、フィードバック制御に必要なセンサ類を設ける必要がないため、部品コストの増大を抑えることができるとともに、各部材の配置の制約が少なくなり、装置の大型化を防ぐことができる。さらにまた、フィードバック制御のための回路等を追加する必要がないため、製造又は設計のコストを抑えることができる。
これに対して、上記磁化手段や上記回転トルク制御手段を備えない構成では次のような問題がある。すなわち、磁化ステップと同様に励磁コイル50へ通電した後に、励磁コイル50の通電を停止すると、その停止前に発生させた磁界に応じて各ヨークに残留磁場が生じる。ここでは、磁気粘性流体160には、励磁コイル50に電流を流していない状態であっても、各ヨークの残留磁場の大きさに応じた磁束(残留磁束)が与えられる。この残留磁束は、シャフト部110のトルク発生源となるため、その後の装置使用時の初期トルクの変動要因となる。この変動を抑えるために残留磁束を磁気センサで測定して、残留磁束をキャンセルするような磁界を励磁コイル50から発生させれば、初期トルクを低減させることができるが、構成部品が増えてしまう。また、磁気センサによる測定に代えて、消磁(脱磁)プロファイルに対応する電流を、しだいに減衰する正弦波として励磁コイル50に与えることも考えられる。しかし、この場合は、コイル時定数を考慮した反応時間を設定することが必要となるため、多大な時間を要してしまうという問題がある。
一方、本実施形態の操作装置10においては、上記磁化ステップにより、励磁コイル50に電流を流した後に、励磁コイル50への通電を停止することにより、所定の大きさの残留磁場(残留磁束密度)がヨークに発生するようにしている。このように制御することで、磁気粘性流体160に与えられる残留磁束の大きさを一定とすることができる。磁気粘性流体160に与えられる残留磁束の大きさが一定であれば、その残留磁束を測定することなく、励磁コイル50の電流によりヨークに与えられる磁界を制御して、磁性ディスク120を通過する磁束を制御することができる。
変形例について説明する。
上述の実施形態の回転トルク制御ステップでは、磁気粘性流体160における抵抗力がゼロになるようにマイナス電流を励磁コイル50に通電し、抵抗力を初期トルクよりも小さくしていたが、ゼロまで低減させなくてもよい。例えば、操作者が操作を開始したときのMRF発揮トルクをゼロに近い所望の抵抗力にして、操作者に対して一定の感触を与えることが可能となる。
また、磁化ステップ直後に操作者が操作しない場合には、回転トルク制御ステップを実施せず、MRF発揮トルクを初期トルクのままで操作感触を重くしておいてもよい。この場合には、操作者が操作を開始したと検知したときに回転トルク制御ステップを実施し、マイナス電流を印加することによって、MRF発揮トルクをゼロまで低減させることができる。
本発明について上記実施形態を参照しつつ説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、改良の目的又は本発明の思想の範囲内において改良又は変更が可能である。
以上のように、本発明に係る操作装置は、制御にかかわるコストを抑えつつ、所望の一定の初期トルクを得ることができる。
10 操作装置
11 中心軸
20 保持部
30 第1ヨーク(磁界発生手段)
31 円環部
32 円筒部
33 段差部
34 内周面
35 底面
40 第2ヨーク(磁界発生手段)
41 上面
42 溝
43 孔部
50 励磁コイル(磁界発生手段)
51 接続部材
60 環状部材
70 第3ヨーク(磁界発生手段)
71 内周面
72 空間
73 貫通孔
74 上壁部
75 側壁部
80、81、82 隙間
100 操作部
110 シャフト部(操作部材)
111 軸部
112 溝部
113 先端部
114、115 結合孔部
120 磁性ディスク(ロータ)
121 中央孔部
122 貫通孔部
124 上面
125 下面
126 外周縁
130 制御部(磁化手段、回転トルク制御手段)
140 支持部材
150 ラジアル軸受
160 磁気粘性流体
170 磁性ディスク(ロータ)
171 中央孔部
172 貫通孔部
173 切り欠き部(開口部)
174 上面
175 下面
176 外周縁
A1、A2、A3 抵抗力(MRF発揮トルク)
Br ヨークの残留磁場の大きさ(残留磁束密度)
Bs 飽和磁束密度
G 磁気ギャップ
T1、T2、T3、T4 時刻

Claims (5)

  1. 回転可能に支持された操作部材と、
    前記操作部材と一体に回転するロータと、
    前記ロータを通過する磁界を生成する磁界発生手段と、
    前記ロータに接触して設けられ、前記ロータを通過する磁界の作用により回転に対する抵抗力を付与する磁気粘性流体と、
    前記磁界発生手段を制御する制御部とを備える操作装置であって、
    前記磁界発生手段は、通電によって磁界を生成するコイルと、前記ロータを通過する磁界に対する磁路を形成するヨークとを有し、
    前記制御部は磁化手段及び回転トルク制御手段を備え、
    前記磁化手段は、前記ヨークの残留磁場を所定の大きさとするように前記コイルに通電するものであり、
    前記回転トルク制御手段は、前記ヨークの残留磁場の分だけ前記コイルに通電する電流値を調整するものであって、前記回転トルク制御手段において前記コイルに通電する電流値の最大値の絶対値は、前記磁化手段において通電する電流値の絶対値より小さいことを特徴とする操作装置。
  2. 前記磁化手段は、前記コイルへ通電を行うことによって前記ヨークを飽和状態とし、これにより前記所定の大きさを飽和残留磁化の大きさとする請求項1に記載の操作装置。
  3. 前記制御部は、前記操作装置の起動時に前記磁化手段による前記コイルへの通電を実行させる請求項1又は請求項2に記載の操作装置。
  4. 前記回転トルク制御手段は、前記ロータを通過する磁束がゼロとなるように前記コイルに通電する前記電流値をオフセットし、最小トルクをゼロに近づける請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の操作装置。
  5. 回転可能に支持された操作部材と、
    前記操作部材と一体に回転するロータと、
    前記ロータを通過する磁界を生成する磁界発生手段と、
    前記ロータに接触して設けられ、前記ロータを通過する磁界の作用により回転に対する抵抗力を付与する磁気粘性流体とを備えた操作装置の制御方法であって、
    前記磁界発生手段は、通電によって磁界を生成するコイルと、前記ロータを通過する磁界に対する磁路を形成するヨークとを有し、
    前記ヨークの残留磁場を所定の大きさとするように前記コイルに通電を行う磁化ステップと、
    前記ヨークの残留磁場の分だけ前記コイルに通電する電流値を調整する回転トルク制御ステップであって、前記コイルに通電する電流値の最大値の絶対値を、前記磁化ステップにおいて通電する電流値の絶対値より小さくしている回転トルク制御ステップとを備えることを特徴とする操作装置の制御方法。
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