JP2020204387A - 運動案内装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】負荷路にバンドの幅方向の端部が入る負荷路溝を形成しなくても、バンドを円滑に循環させることができる運動案内装置を提供する。【解決手段】戻し路B及び方向転換路Cには、バンド7の幅方向の端部が入る戻し路溝B1及び方向転換路溝C1が形成される。負荷路Aには、バンド7の幅方向の端部が入る負荷路溝が形成されていない。方向転換路溝C1の負荷路A側の端部の外周側に方向転換路溝C1の幅が負荷路Aに向かって広がるようにテーパ15が形成される。【選択図】図4

Description

本発明は、可動体の運動を案内する運動案内装置に関する。
運動案内装置は、ボール、ボール等の転動体の転がり運動を利用して、テーブル等の可動体の運動(直線運動又は曲線運動)を案内する。運動案内装置は、軌道部材と、軌道部材に沿って移動可能な移動部材と、を備える。軌道部材と移動部材との間には、ボール、ボール等の複数の転動体が介在する。転動体の転がり運動を利用して可動体を案内することで、可動体を高精度にかつ高剛性で案内することができる。
軌道部材に沿って移動部材が移動する際、転動体は循環路を循環する。軌道部材には、転動体転走部が形成される。移動部材には、軌道部材の転動体転走部に対向する負荷転動体転走部、転動体転走部と負荷転動体転走部との間に形成される負荷路に実質的に平行な戻し路、負荷路と戻し路に接続される方向転換路が形成される。負荷路、戻し路、方向転換路によって、循環路が構成される。
複数の転動体は、バンドに収容される。バンドの幅方向の端部は、転動体から突出する。負荷路、戻し路及び方向転換路のそれぞれには、バンドの幅方向の端部が入る負荷路溝、戻し路溝及び方向転換路溝それぞれが形成される(特許文献1参照)。これらの溝を形成することで、循環路を循環するバンドを案内することができる。
特開2006−138387号公報
しかし、負荷路、戻し路及び方向転換路のそれぞれにバンドの幅方向の端部が入る溝を形成すると、バンドがこれらの溝の壁面を滑って摩耗するおそれがある。
戻し路及び方向転換路は、閉じた断面に形成されるので、バンドとの干渉を避けるために、戻し路溝及び方向転換路溝を形成しなければならない。一方、負荷路は、軌道部材と移動部材との間で開いた断面に形成されるので、軌道部材と移動部材との間にバンドの幅方向の端部を収容することができ、負荷路に負荷路溝を形成しないこともできる。
しかし、負荷路に負荷路溝を形成しないと、軌道部材の長さ方向視において、バンドが転動体を中心にして、時計方向又は反時計方向に傾く。バンドは、バンドの幅方向の端部が軌道部材又は移動部材に当接するまで傾く。負荷路でバンドが傾くと、バンドが負荷路から方向転換路の方向転換路溝に移行することができないおそれがある。
そこで、本発明は、負荷路にバンドの幅方向の端部が入る負荷路溝を形成しなくても、バンドを円滑に循環させることができる運動案内装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の一態様は、転動体転走部を有する軌道部材と、前記軌道部材の前記転動体転走部に対向する負荷転動体転走部、前記転動体転走部と前記負荷転動体転走部との間に形成される負荷路に実質的に平行な戻し路、前記負荷路と前記戻し路に接続される方向転換路を有する移動部材と、前記負荷路、前記戻し路、及び前記方向転換路を含む循環路を循環可能な複数の転動体と、前記複数の転動体が収容されるバンドと、を備える運動案内装置において、前記戻し路及び前記方向転換路それぞれには、前記バンドの幅方向の端部が入る戻し路溝及び方向転換路溝それぞれが形成され、前記負荷路には、前記バンドの幅方向の端部が入る負荷路溝が形成されておらず、前記方向転換路溝の前記負荷路側の端部の外周側に前記方向転換路溝の幅が前記負荷路に向かって広がるようにテーパが形成される運動案内装置である。
本発明によれば、方向転換路溝の負荷路側の端部の外周側に方向転換路溝の幅が前記負荷路に向かって広がるようにテーパが形成されるので、負荷路でバンドが傾いても、バンドが負荷路から方向転換路に形成された方向転換路溝に円滑に移行する。また、負荷路には、バンドが突き当たる壁のような部分が存在しないので、バンドは方向転換路溝から負荷路に円滑に移行する。
本発明の一実施形態の運動案内装置の外観斜視図(一部断面図を含む)である。 図2(a)は本実施形態の運動案内装置の循環路の一部の断面図を示し、図2(b)は負荷路の長さ方向からみたバンドの形状を示し、図2(c)は、戻し路の長さ方向から見たバンドの形状を示す。 本実施形態の運動案内装置の循環路の詳細な断面図である。 図3のIV部拡大図である。 図3のV-V線矢視図である。 手前側の蓋部材を取り外した状態の運動案内装置の正面図である。 図3のVII-VII線矢視図である。 図8(a)は図3のVII-VII線矢視図であり、図8(b)は図8(a)のA−A線断面図であり、図8(c)は図8(a)のB−B線断面図であり、図8(d)は図8(c)のd部拡大図である。 ブロックの組立て方法の工程図である。
以下、添付図面に基づいて、本発明の実施形態の運動案内装置を説明する。ただし、本発明の運動案内装置は種々の形態で具体化することができ、本明細書に記載される実施形態に限定されるものではない。本実施形態は、明細書の開示を十分にすることによって、当業者が発明の範囲を十分に理解できるようにする意図をもって提供されるものである。
図1は、本発明の一実施形態の運動案内装置の外観斜視図(一部断面図を含む)を示す。なお、以下では、説明の便宜上、運動案内装置1を水平面に配置し、運動案内装置1を正面視したときの方向、すなわち図1の上下、左右、前後を用いて運動案内装置1の構成を説明する。もちろん、運動案内装置1の配置はこれに限られるものではない。また、転動体としてのボール6はバンド7(図2参照)に収容されているが、この図では、バンドを省略している。
図1に示すように、運動案内装置1は、軌道部材としてのレール2と、移動部材としてのブロック3と、を備える。レール2は、前後方向に直線的に延びる。図2に示すように、ブロック3は、断面視で逆U字状であり、跨るようにレール2に組み付けられる。レール2は、図示しない例えばベース等に取り付けられる。レール2の上面には、レール2をベースに取り付けるためのボルトの通し穴2bが形成される。ブロック3は、図示しない例えばテーブル等の可動体に取り付けられる。ブロック3の上面には、可動体を取り付けるためのねじ穴3bが形成される。
レール2には、転動体転走部としての複数条のボール転走溝2aが形成される。ボール転走溝2aは、互いに平行であり、レール2の長さ方向に延びる。ボール転走溝2a上をボール6が転がる。この実施形態では、レール2の左右の側面のそれぞれ上端部に突条2cが形成されていて、突条2cの上下に2条のボール転走溝2aが形成される。全体で4条のボール転走溝2aが形成される。
ブロック3は、レール2の長さ方向に相対的に直線的に移動する。レール2に対するブロック3の移動は相対的なものであり、ブロック3が移動してもよいし、レール2が移動してもよい。また、ブロック3が曲線的に移動するように、レール2は曲線状に湾曲していてもよい。
ブロック3は、金属製のブロック本体4と、ブロック本体4の移動方向の両端面に取り付けられる一対のRピース11(図3参照)と、ブロック本体4の移動方向の両端面に取り付けられ、一対のRピース11を覆う一対の蓋部材5と、を備える。10は、蓋部材5に取り付けられるシール部材である。
ブロック本体4には、レール2のボール転走溝2aに対向する負荷ボール転走溝4aが形成される。この実施形態では、ブロック本体4は、レール2の上面に対向する中央部3−1と、レール2の左右一対の側面に対向する左右一対の袖部3−2と、を備える。左右一対の袖部3−2それぞれに、2条の負荷ボール転走溝4aが形成される。レール2のボール転走溝2aとブロック本体4の負荷ボール転走溝4aとの間に負荷路Aが形成される。
ブロック本体4には、負荷路Aと平行に戻し路Bが形成される。戻し路Bは、負荷路Aと1対1に対応する。負荷路Aと戻し路Bには、円弧状の方向転換路Cが接続される。負荷路A、戻し路B、方向転換路Cによって、循環路が構成される。循環路には、複数のボール6が循環可能に配列される。
図2(a)は、循環路の一部の断面図を示す。図2(b)は、負荷路Aの長さ方向からみたバンド7の形状を示し、図2(c)は、戻し路Bの長さ方向から見たバンド7の形状を示す。2はレール、3はブロック、4はブロック本体、11はRピース、5は蓋部材である。
図2(a)に示すように、蓋部材5には、方向転換路Cの外周側が形成される。Rピース11には、方向転換路Cの内周側が形成される。Rピース11は、方向転換路内周側構成部品である。
複数のボール6は、バンド7に収容される。バンド7は、ボール6間に介在する複数のスペーサ8と、スペーサ8に連結されるバンド本体9と、を備える。スペーサ8は、短円柱状に形成される。スペーサ8の両端面には、ボール6の形状に対応した曲面状凹部が形成される。バンド本体9は、帯状に形成される。バンド本体9は、循環路に沿って湾曲できるように可撓性を有する。バンド本体9には、ボール6を収容できるようにボール6の形状に対応した開口が形成される。バンド7は、有端である。バンド7の一端部のスペーサ8aとバンド7の他端部のスペーサ8bとの間には、これらのスペーサ8a,8b間に円周方向隙間が生じないようにスペーサボール6aが介在する。
図2中の一点鎖線L1は、ボール6の中心の軌道を示す。バンド7の厚み方向の中心、すなわちバンド本体9の厚み方向の中心は、ボール6の中心よりも外側に配置される。戻し路Bには、バンド7の幅方向の端部9aが入る戻し路溝B1が形成される。方向変換路Cには、バンド7の幅方向の端部9aが入る方向転換路溝C1が形成される。
図3は、循環路の詳細な断面図(ボール6、バンド7を循環路から抜いた状態)を示す。図4は、図3のIV部拡大図(ボール6、バンド7を負荷路Aに配置した状態)を示す。2はレール、3はブロック、4はブロック本体、11はRピース、5は蓋部材である。上記のように、レール2のボール転走溝2aとブロック本体4の負荷ボール転走溝4aとの間に負荷路Aが形成される。ブロック本体4には、負荷路Aと平行に貫通孔13が形成される。貫通孔13には、戻し路構成部材としてのパイプ14が挿入される。戻し路Bは、パイプ14の内面に形成される。
図5は、図3のV-V線矢視図(ブロック本体4の貫通孔13にパイプ14を挿入した状態)を示す。パイプ14は一対の半パイプ14a,14bから構成される。半パイプ14a,14bは、互いに離れていて、半パイプ14a,14b間に一対の戻し路溝B1が形成される。戻し路溝B1の壁面は、半パイプ14a,14bの周方向の端面に形成される。戻し路溝B1の底面は、貫通孔13の内面に形成される。このように、互いに離れた半パイプ14a,14b間に戻し路溝B1を形成することで、戻し路溝B1の幅を広くし、戻し路溝B1の深さを深くすることができる。なお、一対の半パイプ14a,14bを互いに接合し、これらの接合部に戻し路溝B1を形成してもよい。
図3に示すように、方向転換路Cには、バンド7の幅方向の端部9aが入る円弧状の方向転換路溝C1が形成される。方向転換路溝C1の外周側は、蓋部材5に形成される。方向転換路Cの内周側は、Rピース11に形成される。方向転換路溝C1の戻し路B側の端部の幅は、戻し路溝B1の幅に略等しい。
図4の拡大図に示すように、方向転換路溝C1の内周側は、円弧状である。方向転換路溝C1の外周側は、円弧状である。方向転換路溝C1の負荷路A側の端部の外周側には、方向転換路Cの幅が負荷路Aに向かって広がるようにテーパ15が形成される。
図6は、手前側の蓋部材5を取り外した状態の運動案内装置1の正面図を示す。2はレール、4はブロック本体、11は手前側のRピースであり、5は奥側の蓋部材である。
Rピース11には、上側の方向転換路Cの内周側が形成されると共に、上側の一対の方向転換路溝C1の内周側が形成される。また、Rピース11には、下側の方向転換路Cの内周側が形成されると共に、下側の一対の方向転換路溝C1の内周側が形成される。
L2は、荷重を受けられる方向を表す接触角線である。上側のボール6の接触角α(水平線L3と接触角線L2とのなす角度α)は、例えば45°に設定される。下側のボール6の接触角βも、例えば45°に設定される。接触角α、βは、一例であり、運動案内装置1に働くラジアル荷重、逆ラジアル荷重、横方向荷重に応じて適宜設定される。この図6に示すように、レール2の長さ方向から見て、方向転換路Cの方向は、接触角線L2の方向に対して傾いている。ブロック本体4の上下方向の寸法を小さくするためである。なお、接触角線L2の方向と方向転換路Cの方向とを一致させてもよい。
蓋部材5には、上側の方向転換路Cの外周側が形成されると共に、上側の一対の方向転換路溝C1の外周側が形成される。また、蓋部材5には、下側の方向転換路Cの外周側が形成されると共に、下側の一対の方向転換路溝C1の外周側が形成される。
図7は、図3のVII-VII線矢視図を示し、上側の方向転換路Cの拡大図を示す。2はレール、11は奥側のRピースであり、5は奥側の蓋部材である。蓋部材5には、上側の方向転換路Cの外周側が形成されると共に、上側の一対の方向転換路溝C1の外周側が形成される。15は上側の方向転換路溝C1の外周側に形成されたテーパ15である。上側の方向転換路溝C1の底面C1−1は、蓋部材5に形成される。下側の方向転換路溝C1の底面C1−1も、蓋部材5に形成される。
図3に示すように、負荷路Aには、バンド7の端部が入る負荷路溝が形成されていない。このため、図7に示すように、レール2の長さ方向視において、バンド7は、ボール6を中心にして時計方向又は反時計方向に傾く。図7中の破線7−1は、バンド7が時計方向に傾いてブロック3に当接した状態を示し、図7中の○で囲んだ部分7−3は、ブロック3とバンド7との当接箇所を表す。図7中の破線7−2は、バンド7が反時計方向に傾いてレール2に当接した状態を示し、図7中の○で囲んだ部分7−4は、レール2とバンド7との当接箇所を表す。方向転換路溝C1の負荷路A側の端部の間口W1(図4も参照)は、テーパ15によってバンド7の傾き量W2よりも大きく形成される。
図8(a)は、図3のVII-VII線矢視図を示し、Rピース11と蓋部材5の斜視図を示す。2はレール、11はRピースであり、5は蓋部材、Cは上側の方向転換路、C1は上側の一対の方向転換路溝、15は方向転換路溝C1の外周側に形成されるテーパである。図8(a)の上側の方向転換路溝C1には、テーパ15が形成される。テーパ15は平面に形成されてもよいし、凸状の曲面に形成されてもよいし、凹状の曲面に形成されてもよい。
図8(b)は、図8(a)のA−A線断面図を示す。蓋部材5のブロック本体4側の端面5aには、突起17が形成される。方向転換路溝C1のテーパ15は、突起17に形成される(図4も参照)。18はボール6の中心の軌道である。ボール6の中心の軌道は、円弧状である。
図8(c)は図8(a)のB−B線断面図を示す。図8(a)の下側の方向転換路溝C1の外周側にも、テーパ19が形成される。本実施形態では、図6に示すように、接触角線L2の方向に対して方向転換路Cの方向を傾けている。図8(c)に示すように、下側の方向転換路溝C1のテーパ19は、レール2との干渉を避けるために、蓋部材5のブロック本体4側の端面5aから奥側に引っ込んでいる。18はボール6の中心の軌道である。
図8(b)に示すように、テーパ15の傾斜角、すなわちレール2の長さ方向20とテーパ15とのなす角度は、θAである。
図8(d)は図8(c)のd部拡大図を示す。図8(d)に示すように、テーパ19の傾斜角、すなわちレール2の長さ方向20とテーパ19とのなす角度は、θBである。θAとθBとは異なり、θB>θAに設定される。この理由は後述する。
なお、図6に示す接触角線L2の方向と方向転換路Cの方向が一致する場合には、θAとθBを一致させ、テーパ15の前後方向の位置とテーパ19の前後方向の位置を一致させてもよい。
図6に示すように、下側の方向転換路Cにも、バンド7の幅方向の両端部9aが入る下側の一対の方向転換路溝C1が形成される。上側の一対の方向転換路溝C1と下側の一対の方向転換路溝C1は、水平線L3に関して上下対称であるので、同一の符号を附してその説明を省略する。
図3に示すように、負荷路Aには、バンド7の幅方向の端部9aが入る負荷路溝は形成されていない。図5に示すように、負荷路Aは、レール2とブロック本体4との間で開いた断面である。レール2とブロック本体4との間に、バンド7の幅方向の端部9aが収容される。
図9は、ブロック3の組立て方法の工程図を示す。図9(a)に示すように、ブロック本体4の各貫通孔13には、一対の半パイプ14a,14bから構成されるパイプ14が挿入される。図9(b)に示すように、ブロック本体4の移動方向の端面には、Rピース11が取り付けられる。なお、図9(a)(b)では、ブロック本体4の右側のパイプ14とRピース11を示すが、ブロック本体4の左側にもパイプ14とRピース11が存在する。図9(c)(d)に示すように、ブロック本体4の移動方向の端面には、蓋部材5が取り付けられる。蓋部材5は、ねじ等の締結部材によってブロック本体4の端面に取り付けられる。Rピース11は、蓋部材5に組み込まれる。Rピース11は、蓋部材5と協働して方向転換路Cと方向転換路溝C1とを形成する。なお、図9(c)(d)では、蓋部材5の右側半分のみを示すが、蓋部材5は左側半分にも存在する。
図4に示すように、レール2に対してブロック3を相対的に移動させると、これらの間に介在するボール6が荷重を受けながら負荷路Aを転がる。負荷路Aの一端まで転がったボール6は、蓋部材5の掬い部22によって掬い上げられて方向転換路Cに入る。方向転換路Cに入ったボール6は、後続のボール6に押されて、またバンド7によって引っ張られて、戻し路Bに入り、反対側の方向転換路Cを経由して、再び負荷路Aに入る。
蓋部材5の掬い部22の構成を説明する。図8(a)に示すように、蓋部材5に形成される方向転換路Cの外周側はゴシックアーチ溝(断面が2つの円弧から構成される溝)に形成される。ボール6は、レール2のボール転走溝2aの幅方向に隣接するゴシックアーチ溝の一方側22aに掬い上げられる。その後、ボール6は、ゴシックアーチ溝の一方側22aとRピース11によって案内されながら方向転換路Cの奥に導かれる。このように、ボール6をゴシックアーチ溝の一方側22aで掬い上げることで、ボール6をゴシックアーチ溝の他方側22bに接触させないようにすることができる。すなわち、レール2のボール転走溝2aの幅方向の範囲内にボール6を掬い上げる楔状のリップ部ないし舌部を形成する必要がなくなる。このため、高速のボール6を掬い上げても、掬い部22が損傷するのを防止できる。なお、蓋部材5に楔状のリップ部ないし舌部を形成し、リップ部ないし舌部によってボール6を掬い上げてもよい。
以上に本実施形態の運動案内装置1の循環路の構成を説明した。本実施形態の運動案内装置1によれば、以下の効果を奏する。
方向転換路溝C1の負荷路A側の端部の外周側に方向転換路溝C1の幅が負荷路Aに向かって広がるようにテーパ15,19が形成されるので、負荷路Aでバンド7が傾いても、バンド7が負荷路Aから方向転換路Cに形成された方向転換路溝C1に円滑に移行する。また、負荷路Aには、バンド7が突き当たる壁のような部分が存在しないので、バンド7が方向転換路溝C1から負荷路Aに円滑に移行する。
図2に示すように、循環路に沿った断面視において、バンド7の厚み方向の中心がボール6の中心よりも外側に配置されるので、隣り合うスペーサ8間のバンド7が方向転換路溝C1の外周側に盛り上がる(図2中破線28で示すように盛り上がるように変形する)のを防止することができ、バンド7が方向転換路溝C1の外周側を滑るのを防止することができる。
図4に示すように、テーパ15を蓋部材5に形成するので、テーパ15を形成するのが容易である。
図8(b)に示すように、蓋部材5のブロック本体4側の端面5aに突起17を形成し、突起17にテーパ15を形成するので、方向転換路溝C1の負荷路A側の端部の間口をより広くすることができる。
図2に示すように、スペーサボール6aによって円周方向隙間がゼロに保たれれば、バンド7がスペーサボール6aによって湾曲させられるので、バンド7が方向転換路溝C1に接触することはない。ただし、ブロック3を高加減速で移動させた場合、円周方向隙間が発生する場合があり、バンド7の先端部が直線状のまま負荷路Aから方向転換路Cに入るおそれがある。本実施形態によれば、図8(b)(d)に示すように、一方の方向転換路溝C1のテーパ19の傾斜角θBを他方の方向転換路溝C1のテーパ15の傾斜角θAよりも大きくするので、バンド7の先端部が直線状のまま負荷路Aから方向転換路Cに入ったとしても、バンド7を間口が広い一方の方向転換路溝C1のテーパ15によって湾曲させることができる。バンド7を間口が狭い他方の方向転換路溝C1のテーパ19に接触させないようにすることができるので、バンド7の損傷をより防止できる。
なお、本発明は、上記実施形態に具現化されるのに限られることはなく、本発明の要旨を変更しない範囲で他の実施形態に具現化できる。
上記実施形態のレールのボール転走溝及びブロック本体の負荷ボール転走溝の条数、配置、接触角等は、一例であり、運動案内装置の許容荷重、荷重方向に応じて適宜設定することができる。
上記実施形態では、転動体としてボールを使用した場合を説明したが、転動体としてローラを使用することもできる。
1…運動案内装置、2…レ−ル(軌道部材)、2a…ボール転走溝(転動体転走部)、3…ブロック(移動部材)、4…ブロック本体(移動部材本体)、4a…負荷ボール転走溝(負荷転動体転走部)、5…蓋部材、5a…蓋部材の端面、6…ボール(転動体)、7…バンド、9a…バンドの幅方向の端部、11…Rピース、15,19…テーパ、17…突起、A…負荷路、B…戻し路、C…方向転換路、B1…戻し路溝、C1…方向転換路溝、θA…テーパ15の傾斜角、θB…テーパ19の傾斜角

Claims (5)

  1. 転動体転走部を有する軌道部材と、
    前記軌道部材の前記転動体転走部に対向する負荷転動体転走部、前記転動体転走部と前記負荷転動体転走部との間に形成される負荷路に実質的に平行な戻し路、前記負荷路と前記戻し路に接続される方向転換路を有する移動部材と、
    前記負荷路、前記戻し路、及び前記方向転換路を含む循環路を循環可能な複数の転動体と、
    前記複数の転動体が収容されるバンドと、
    を備える運動案内装置において、
    前記戻し路及び前記方向転換路それぞれには、前記バンドの幅方向の端部が入る戻し路溝及び方向転換路溝それぞれが形成され、
    前記負荷路には、前記バンドの幅方向の端部が入る負荷路溝が形成されておらず、
    前記方向転換路溝の前記負荷路側の端部の外周側に前記方向転換路溝の幅が前記負荷路に向かって広がるようにテーパが形成される運動案内装置。
  2. 前記循環路に沿った断面視において、前記バンドの厚み方向の中心が前記転動体の中心よりも外側に配置されることを特徴とする請求項1に記載の運動案内装置。
  3. 前記移動部材は、
    前記負荷転動体転走部を有する移動部材本体と、
    前記方向転換路溝の外周側が形成される蓋部材と、を備え、
    前記テーパが前記蓋部材に形成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の運動案内装置。
  4. 前記蓋部材の前記移動部材本体側の端面には、突起が形成され、
    前記テーパが前記突起に形成されることを特徴とする請求項3に記載の運動案内装置。
  5. 前記方向転換路には、前記バンドの幅方向の両端部が入る一対の前記方向転換路溝が形成され、
    前記一対の方向転換路溝のそれぞれに前記テーパが形成されており、
    一方の前記方向転換路溝の前記テーパの傾斜角と他方の前記方向転換路溝の前記テーパの傾斜角とが互いに異なることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一項に記載の運動案内装置。
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JP2002130272A (ja) * 2000-10-18 2002-05-09 Nippon Thompson Co Ltd セパレータ用連結体を持つ直動案内ユニット
JP2009103292A (ja) * 2007-10-25 2009-05-14 Nsk Ltd 保持器及びそれを備えた直動案内装置

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