JP2020203498A - ガス発生器 - Google Patents

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才浩 藤
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一重 高柳
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Takahiro Onaka
崇弘 大中
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【課題】本発明は、タンク室の内部に発熱剤を配置してなるガス発生器において、ガス発生器自体の構成の簡素化を図る。【解決手段】ガス発生器1Aの構成は、長尺筒状のハウジングの内部に配置された圧縮ガスが封入されたタンク室S2と、ハウジングの一端部に組付けられた点火器22と、ハウジングの内部には圧縮ガスを封入するためにハウジングの途中を仕切るための仕切り部40と、ハウジングの内部の空間であって、かつ仕切り部から見て一方端部側の空間が、点火器に面する点火室S1として構成され、他端側の空間が、タンク室として構成され、仕切り部には、点火室とタンク室とを連通させるための連通孔がハウジングの軸方向に設けられ、連通孔を閉鎖するとともに点火器の作動に起因して開裂が可能な第1破裂板42が仕切り部の一方端側の主面に溶接され、タンク室の内部の圧縮ガスが封入された空間に発熱剤がハウジングの周壁部60に配置されている。【選択図】図1

Description

本発明は、ハウジングの内部に設けられたタンク室に配置された発熱剤が、点火器が作動することで着火し、外部に向けて噴出するように構成されたガス発生器に関する。
自動車等の乗員保護装置であるエアバッグ装置に組み込まれるガス発生器は、車両等衝突時に車両に別途設けられたコントロールユニットからの通電によって点火器が着火し、これに起因して瞬時に多量のガスが外部に向けて放出されるように構成されたものであり、これによってエアバッグを膨張および展開させる。当該ガス発生器は、そのガスの放出メカニズムに基づき、パイロ型ガス発生器と、ストアード型ガス発生器と、ハイブリッド型ガス発生器とに大別される。
パイロ型ガス発生器は、ガス発生剤がハウジングの内部に収容されてなるものであり、ガス発生剤が点火器の作動によって着火されて燃焼し、これによって多量のガスが発生させられて外部に放出されるものである。
ストアード型ガス発生器は、圧縮ガスがハウジングの内部に封入されてなるものであり、圧縮ガスを封止する破裂板が点火器の作動によって開裂し、これによって圧縮ガスが外部に放出されるものである。
ハイブリッド型ガス発生器は、圧縮ガスがハウジングの内部に封入されるとともに、さらに発熱剤がハウジングの内部に収容されてなるものであり、圧縮ガスを封止する破裂板が点火器の作動によって開裂するとともに、発熱剤が点火器の作動によって着火されて燃焼し、これにより圧縮ガスが断熱膨張することで発生し得るエネルギーロスを当該発熱剤が燃焼することで生じる熱によって補いつつ、圧縮ガスが外部に放出されるように構成されたものである。
ここで、上述した各種のガス発生器のうち、ストアード型ガス発生器の具体的な構造が開示された文献としては、たとえば特開2003−182506号公報(特許文献1)等があり、ハイブリッド型ガス発生器の具体的な構造が開示された文献としては、たとえば特開2009−51236号公報(特許文献2)や特開2016−68658号公報(特許文献3)等がある。
このうち、上記特許文献1に開示のストアード型ガス発生器および上記特許文献2に開示のハイブリッド型ガス発生器は、一般にブローダウン構造と称される構造のものであり、圧縮ガスが封入されたタンク室と点火器が収容された点火室とを仕切る仕切り部に連通孔が設けられるとともに、タンク室を規定する部分のハウジングにガス噴出口が設けられてなるものである。当該ブローダウン構造のストアード型ガス発生器およびハイブリッド型ガス発生器においては、連通孔およびガス噴出口がいずれもタンク室に面するように設けられているため、上述した破裂板は、これら連通孔およびガス噴出口をそれぞれ個別に閉鎖するように一対設けられる。
一方、上記特許文献3に開示のハイブリッド型ガス発生器は、一般にリバースフロー構造と称される構造のものであり、圧縮ガスが封入されたタンク室と点火器が収容された点火室とを仕切る仕切り部に連通孔が設けられるとともに、点火室を規定する部分のハウジングにガス噴出口が設けられてなるものである。当該リバースフロー構造のハイブリッド型ガス発生器においては、連通孔およびガス噴出口のうちの連通孔のみがタンク室に面するように設けられているため、上述した破裂板は、この連通孔を閉鎖するように設けられ、ガス噴出口は、点火室を外部から気密に封止する封止部材によって閉鎖されるのみである。
上述したハイブリッド型ガス発生器においては、ハウジングの内部に発熱剤を配置することで、熱の膨張を利用して、ストアード型ガス発生器よりも小型軽量が可能である。発熱剤を配置する位置として、点火室または燃焼室が知られているが、加圧室に発熱剤を配置している構造としては、たとえば特開2018−177170号公報(特許文献4)に開示の構造が知られている。
当該特許文献4に開示の発明によれば、発熱剤はハウジング内で高圧力状態が形成された加圧領域に配置されている。加圧領域の圧力は0.2MPa〜2.0MPaであり、内部にはアルゴンやヘリウム等の不活性ガスが充填されている。加圧領域は点火器の作動前において気密状態を維持し、点火器の作動により発生する発熱剤からの燃焼ガスによってシール部材が開裂する領域を有する。
特開2003−182506号公報 特開2009−051236号公報 特開2016−068658号公報 特開2018−177170号公報
しかしながら、上記特許文献4に開示される如くの発熱剤を加圧領域に配置する場合には、発熱剤は圧力依存するため、高圧力下で発熱剤が燃焼すると、燃焼速度が異常に速くなり、ハウジングが内圧に耐えきれず、破裂する恐れがある。解決方法として、発熱剤の配置量を減らすことで内圧の制御は可能であるが、発熱剤の配置量は加圧領域の体積に依存するため、配置量を調整することは困難であった。さらに、ガス発生器を小型軽量しつつ、所望のガス圧を達成するには、加圧領域の充填圧を高めていく方法や点火室の発熱剤の配置量を増やす方法がある。しかし、加圧領域の充填圧を高めるとハウジングの板厚が厚くなることや、成形体の発熱剤の配置量と比例して、点火室は大きくなることで、小型軽量なガス発生器は困難であった。このため、ガス発生器自体の構成の複雑化、部品点数の増加、組立作業の煩雑化等を招来し、結果として製造コストが増大してしまう問題があった。
したがって、本発明は、上述した問題に鑑みてなされたものであり、タンク室の内部に発熱剤を配置してなるガス発生器において、ガス発生器自体の構成の簡素化を図ることを目的とする。
本発明に基づくガス発生器の構成は、軸方向の一端部および他端部が閉塞された周壁部を有する長尺筒状のハウジングと、ハウジングの内部に配置された圧縮ガスが封入されたタンク室と、ハウジングの前記一端部に組付けられた点火器とを備え、ハウジングの内部には、圧縮ガスを封入するためにハウジングの途中を仕切るように設けられたハウジングの内部の空間を仕切る仕切り部とを含み、ハウジングの内部の空間であって、かつ仕切り部から見て一方端部側の空間が、点火器に面する点火室として構成され、ハウジングの内部の空間であって、かつ仕切り部から見て他端側の空間が、タンク室として構成され、仕切り部には、点火室とタンク室とを連通させるための連通孔がハウジングの軸方向に設けられ、連通孔を閉鎖するとともに、点火器の作動に起因して開裂が可能な第1破裂板が設けられ、破裂板が、仕切り部の一方端側の主面に溶接され、タンク室の内部の圧縮ガスが封入された空間に発熱剤を備え、発熱剤がハウジングの周壁部に配置されているガス発生器である。
ここで、上述したハウジングには、ガス発生器を構成する各種の部材のうち、ガス発生器の骨格を成す各種の壁部を構成する部材が含まれ、より特定的には、圧力隔壁として機能する部位のすべてが含まれる。すなわち、上述したハウジングには、ガス発生器の外殻を構成する部材または部位のみならず、当該ガス発生器の内部の空間を仕切る部材または部位も含まれる。
本発明に基づくガス発生器は、圧縮ガスが封入されたタンク室が内部に設けられてなるハウジングと、上記ハウジングに組付けられた点火器とを備えている。上記ハウジングは、軸方向の一方端を少なくとも開口端として有する筒状部材と、上記筒状部材の上記一方端から奥まった位置に配置されることで上記筒状部材の内部の空間を仕切る仕切り部とを含んでいる。上記ハウジングの内部の空間であってかつ上記仕切り部から見て上記一方端側の空間は、上記点火器に面する点火室として構成されている。また、ハウジングの他端部に組み付けられた、ガス流路部としての中空部が形成された一端が閉塞された筒状形状のノズル部が設けられている。上記ハウジングの内部の空間であってかつ上記仕切り部から見て上記一方端側とは反対側の空間は、上記タンク室として構成されている。上記仕切り部には、上記点火室と上記タンク室とを連通させるための連通孔が上記筒状部材の軸方向を向くように設けられている。上記仕切り部には、上記連通孔を閉鎖するとともに、上記点火器の作動に起因して開裂が可能な破裂板が設けられており、上記破裂板は、上記仕切り部の上記一方端側の主面に溶接され、ノズル部には、中空部とタンク室とを連通させるための連通孔がハウジングの軸方向に設けられ、連通孔を閉鎖するとともに、点火器の作動に起因して開裂が可能な第2破裂板が設けられている。また、タンク室の内部の圧縮ガスが封入された空間に発熱剤を備え、発熱剤は第1破裂板又は第2破裂板に隣接して配置されているガス発生器である。
上記本発明に基づくガス発生器の構成にあっては、発熱剤は筒状部材の内周壁部、第1破裂板又は第2破裂板に配置されている。成形体の発熱剤をタンク室へ密充填すると、圧力依存が高い発熱剤は燃焼速度が異常に速くなり、ハウジングは内部圧力に耐えられない可能性がある。反対に、成形体の発熱剤をタンク室へ粗充填すると、自動車の振動により、発熱剤は粉砕され、表面積が著しく増大した粉状の発熱剤により、燃焼速度が異常に速くなることで、燃焼を制御できない問題がある。したがって、タンク室の周壁部、第1破裂板又は第2破裂板に発熱剤を配置することで、発熱剤の配置量を調整しつつ、振動による発熱剤の粉砕の恐れがない。
好適には、上記本発明に基づくガス発生器の構成にあっては、筒状部材のタンク室の周壁部は凹凸形状93が施されている。凹凸形状93の溝部に発熱剤が入り込むことで、タンク室の周壁部への発熱剤の配置量を増やしつつ、発熱剤と周壁部との接触面積が増加することで、発熱剤が周壁部と密着し、剥がれ落ちる状態を抑制することができる。
好適には、上記本発明に基づくガス発生器の構成にあっては、発熱剤の発火温度が150℃以上500℃以下である。ハウジングは金属で構成されており、車両火災等の外部からの熱の影響により、金属材料のせん断強度は低下する。せん断強度が低下する前に発熱剤が自動着火し、車両火災による異常な燃焼速度を回避することができる。
好適には、上記本発明に基づくガス発生器の構成にあっては、発熱剤をタンク室の周壁部に配置する手法として、バルク塗布、スプレー塗布、紛体塗布を用いる。発熱剤を塗布する方法は汎用的に用いられる塗布方法が採用される。より好ましくは、エアスプレーによる塗布や浸漬で付着した部位に発熱剤を塗布する方法を用いる。
好適には、上記本発明に基づくガス発生器の構成にあっては、タンク室の圧縮ガスの充填圧は40MPa以上100MPa以下である。高圧力下では成形体の発熱剤は異常な燃焼速度になる。タンク室の周壁面に塗布することで、充填圧が40MPa以上であっても、燃焼を制御できる。
好適には、上記本発明に基づくガス発生器の構成にあっては、第1破裂板又は第2破裂板は仕切り部にレーザー溶接、摩擦圧接、抵抗溶接によって固定されている。なお、抵抗溶接はプロジェクション溶接とスポット溶接であることが好ましい。上記構成により、容易に仕切り部に破裂板を設けることができる。
本発明によれば、ハウジングの内部に圧縮ガスが封入されてなるガス発生器において、圧縮ガスが封入された領域に発熱剤を配置することで、ガス発生器自体の構成の簡素化と小型軽量化を図ることができる。
実施の形態1に係るハイブリッド型ガス発生器の模式断面図である。 図1に示す仕切り部および点火器組立体近傍の拡大図である。 図1に示すノズル組立体近傍の拡大図である。 実施の形態1に係るハイブリッド型ガス発生器への発熱剤塗布のフロー図である。 実施の形態1に係るハイブリッド型ガス発生器の作動フロー図である。 実施の形態2に係るハイブリッド型ガス発生器の模式断面図である。 実施の形態3に係るハイブリッド型ガス発生器の模式断面図である。 実施の形態3に係るストアード型ガス発生器の拡大図である。 実施の形態4に係るストアード型ガス発生器の模式断面図である。
以下、本発明の実施の形態について、図を参照して詳細に説明する。以下に示す実施の形態は、サイドエアバッグ装置に組み込まれるシリンダ型ガス発生器に本発明を適用した場合を例示するものである。なお、以下に示す実施の形態においては、同一のまたは共通する部分について図中同一の符号を付し、その説明は繰り返さない。
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1に係るハイブリッド型ガス発生器の模式断面図である。図2は、図1に示すハイブリッド型ガス発生器の仕切り部および点火器組立体近傍の拡大図であり、図3は、ノズル組立体近傍の拡大図である。まず、これら図1ないし図3を参照して、本実施の形態に係るハイブリッド型ガス発生器1Aの構成について説明する。なお、本実施の形態に係るハイブリッド型ガス発生器1Aは、いわゆるブローダウン構造を有するものである。
図1に示すように、ハイブリッド型ガス発生器1Aは、全体として長尺略円柱状の外形を有している。ハイブリッド型ガス発生器1Aは、筒状部材としての円筒状部材10と、点火器組立体20と、ノズル組立体30と、仕切り部40と、発熱剤50と、図には現れない圧縮ガスとを備えている。
ハイブリッド型ガス発生器1Aのハウジングは、円筒状部材10と、点火器組立体20と、ノズル組立体30と、仕切り部40とによって主として構成されている。発熱剤50および圧縮ガスは、これら円筒状部材10、点火器組立体20、ノズル組立体30および仕切り部40によって構成されたハウジングの内部に収容されている。
点火器組立体20は、円筒状部材10の軸方向の一方端側に位置する開口端を閉塞するように円筒状部材10に組付けられており、ノズル組立体30は、円筒状部材10の軸方向の他方端側に位置する開口端を閉塞するように円筒状部材10に組付けられている。一方、仕切り部40は、円筒状部材10の内部の空間を当該円筒状部材10の軸方向において仕切るように円筒状部材10の内部の所定位置に組付けられている。
これにより、ハウジングの内部の空間は、円筒状部材10、点火器組立体20および仕切り部40によって規定された点火室S1と、円筒状部材10、ノズル組立体30および仕切り部40によって規定されたタンク室S2とに区画されている。点火室S1には、第1発熱剤50aが収容されており、タンク室S2には、圧縮ガスと第2発熱剤50bが収容されている。
図1ないし図3に示すように、円筒状部材10は、軸方向の一方端および他方端のみが開口した長尺円筒状の部材からなる。円筒状部材10は、その周壁にガスを注入するためのガス注入口を有しておらず、当然にこれを封止する封止ピンも有していない。
円筒状部材10は、圧力隔壁として機能するものであり、たとえばステンレス鋼や鉄鋼等の金属製の部材にて構成される。ここで、円筒状部材10の一部は、長期間にわたって圧縮ガスと第1発熱剤50aに晒されることになるため、耐腐食性に優れたものとなるように、クロムやマンガン、モリブデン、ニオブ、ニッケル等が添加された鋼材にて構成されていることが好ましい。
図1および図2に示すように、点火器組立体20は、ホルダ21と、点火器22と、樹脂成形部23とを有している。点火器組立体20は、ホルダ21と点火器22とを樹脂成形部23を用いて固定してなるものであり、予め一体化された部品として構成されている。点火器組立体20は、上述したように円筒状部材10の軸方向の一方端側に位置する開口端を閉塞するように当該円筒状部材10に組付けられている。
図2に示すように、ホルダ21は、外形が略円筒状の部材からなり、軸方向に沿って延びる貫通部21aを有している。貫通部21aは、点火器22が収容されるとともに樹脂成形部23が設けられる部位である。
ホルダ21は、圧力隔壁として機能するものであり、たとえばステンレス鋼や鉄鋼等の金属製の部材にて構成される。
点火器22は、火炎を発生させるためのものであり、一般にスクイブと称される火工品からなる。点火器22は、点火部22aと、一対の端子ピン22bとを有している。点火部22aは、その内部に、作動時において着火して燃焼することで火炎を発生する点火薬と、この点火薬を着火させるための抵抗体(ブリッジワイヤ)とを含んでいる。一対の端子ピン22bは、点火薬を着火させるために点火部22aに接続されている。
より詳細には、点火部22aは、カップ状に形成されたスクイブカップと、当該スクイブカップの開口端を閉塞し、一対の端子ピン22bが挿通されてこれを保持する塞栓とを含んでおり、スクイブカップ内に挿入された一対の端子ピン22bの先端を連結するように上述した抵抗体が取付けられ、この抵抗体を取り囲むようにまたはこの抵抗体に近接するようにスクイブカップ内に点火薬が装填された構成を有している。
ここで、抵抗体としては一般にニクロム線等が利用され、点火薬としては一般にZPP(ジルコニウム・過塩素酸カリウム)、ZWPP(ジルコニウム・タングステン・過塩素酸カリウム)、鉛トリシネート等が利用される。なお、上述したスクイブカップおよび塞栓は、一般に金属製またはプラスチック製である。
衝突を検知した際には、端子ピン22bを介して抵抗体に所定量の電流が流れる。抵抗体に所定量の電流が流れることにより、抵抗体においてジュール熱が発生し、点火薬が燃焼を開始する。燃焼により生じた高温の火炎は、点火薬を収納しているスクイブカップを破裂させる。抵抗体に電流が流れてから点火器22が作動するまでの時間は、抵抗体にニクロム線を利用した場合に一般に2[ms]以下である。
樹脂成形部23は、射出成形(より特定的にはいわゆるインサート成形)によって形成された樹脂製の部位からなり、ホルダ21および点火器22の双方に固着している。この樹脂成形部23は、射出成形時において型を用いることにより、ホルダ21と点火器22の間の空間を充填するようにこれらの間に流動性樹脂材料を流し込んでこれを固化させることで形成することができる。これにより、ホルダ21の貫通部21aは、点火器22と樹脂成形部23とによって埋め込まれた状態となり、当該部分におけるシール性が樹脂成形部23によって確保できることになる。
射出成形によって形成される樹脂成形部23の原料としては、硬化後において耐熱性や耐久性、耐腐食性等に優れた樹脂材料が好適に選択されて使用される。その場合、エポキシ樹脂等に代表される熱硬化性樹脂に限られず、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリアミド樹脂(たとえばナイロン6やナイロン66等)、ポリプロピレンスルフィド樹脂、ポリプロピレンオキシド樹脂等に代表される熱可塑性樹脂を利用することも可能である。
樹脂成形部23には、外部に向けて露出する凹部23aが設けられている。凹部23aの内部には、点火器22の一対の端子ピン22bが配置されている。これにより、上述した円筒状部材10の一方端側の端面に、凹部23aおよび一対の端子ピン22bからなる雌型コネクタ部が設けられている。
当該雌型コネクタ部は、点火器22とコントロールユニット(不図示)とを結線するためのハーネスの雄型コネクタ(図示せず)を受け入れるための部位である。雌型コネクタ部は、ハウジングの外部に向けて露出しており、当該雌型コネクタ部に上述した雄型コネクタが挿し込まれることにより、ハーネスの芯線と端子ピン22bとの電気的導通が実現されることになる。
なお、点火器22のホルダ21への固定方法は、上述した樹脂成形部23を用いた固定方法に限られず、他の固定方法を利用してもよい。
点火器組立体20は、当該点火器組立体20が有するホルダ21が円筒状部材10の上述した一方端側の開口端に圧入されるとともに、ホルダ21と円筒状部材10との接触部またはその近傍においてこれらが接合されることで固定されている。ここで、ホルダ21と円筒状部材10との接合には、電子ビーム溶接やレーザ溶接、抵抗溶接、摩擦圧接等が好適に利用できる。
なお、点火器組立体20の円筒状部材10への固定方法は、上述した圧入および溶接を利用した固定方法に限られず、他の固定方法を利用してもよい。
図1および図3に示すように、ノズル組立体30は、ノズル31と、第2破裂板32とを有している。ノズル組立体30は、ノズル31に第2破裂板32を接合することで予め一体化された部品として構成されている。ノズル組立体30は、上述したように円筒状部材10の軸方向の他方端側に位置する開口端を閉塞するように当該円筒状部材10に組付けられている。
図3に示すように、ノズル31は、中央に貫通孔が設けられた略円盤状のベース部31aと、一端が閉塞された略円筒状のノズル部31bとを有している。ノズル部31bは、ベース部31aの中央から軸方向に沿って突設されており、これによりハウジングの外部に向けて延びるように位置している。
ノズル31は、圧力隔壁として機能するものであり、たとえばステンレス鋼や鉄鋼等の金属製の部材にて構成される。ここで、ノズル31の一部は、長期間にわたって圧縮ガスと第2発熱剤50bに晒されることになるため、耐腐食性に優れたものとなるように、クロムやマンガン、モリブデン、ニオブ、ニッケル等が添加された鋼材にて構成されていることが好ましい。
ノズル31は、その内部に中空状の流路部31cを有している。当該流路部31cは、ベース部31aに設けられた貫通孔と、ノズル部31bに設けられた中空部とによって構成されており、これにより当該流路部31cは、タンク室S2に向けて開口する開口部をその一端に有している。この流路部31cのタンク室S2側に設けられた開口部は、第2破裂板32によって閉鎖されている。
ノズル部31bの周壁には、複数のガス噴出口31dが設けられており、当該複数のガス噴出口31dは、いずれも流路部31cに連通している。当該複数のガス噴出口31dは、ハイブリッド型ガス発生器1Aの作動時において、ガスを外部に向けて噴出するための部位であり、流路部31cを介して第2破裂板32によって閉鎖されている。
第2破裂板32は、薄板状の外形を有しており、上述したように流路部31cのタンク室S2側に設けられた開口部を閉鎖するようにノズル31のベース部31aに固定されている。第2破裂板32は、点火器22の作動および後述する第1破裂板42の開裂に起因して開裂が可能なものであり、好適には金属製の部材にて構成される。
ここで、第2破裂板32の一部は、長期間にわたって圧縮ガスと第2発熱剤50bに晒されるものであるため、第2破裂板32は、耐腐食性の観点からSUS316(JIS規格記号)やインコネル(登録商標)等の薄肉の金属板から形成されたニッケル合金製の部材にて構成されていることが望ましい。たとえば、第2破裂板32としては、耐熱性および耐腐食性を有する金属製の薄板(たとえば厚みが200[μm]程度)が好適に用いられ、Ni:10重量%、Cr:23重量%、Mn:6重量%、Mo:2重量%、C:0.01重量%、N:0.5重量%、その他、の成分割合からなるステンレス鋼やインコネル合金(インコネル625)からなる薄板が特に好適に用いられる。
第2破裂板32は、たとえば電子ビーム溶接やレーザ溶接、抵抗溶接等によってノズル31に接合されることで固定される。
ノズル組立体30は、当該ノズル組立体30が有するノズル31のベース部31aが円筒状部材10の上述した他方端側の開口端に圧入されるとともに、ノズル31と円筒状部材10との接触部またはその近傍においてこれらが接合されることで固定されている。ここで、ノズル31と円筒状部材10との接合には、電子ビーム溶接やレーザ溶接、抵抗溶接、摩擦圧接等が好適に利用できる。
なお、ノズル組立体30の円筒状部材10への固定方法は、上述した圧入および溶接を利用した固定方法に限られず、他の固定方法を利用してもよい。
図1および図2を参照して、仕切り部40は、仕切り板41と、第1破裂板42とを有している。仕切り部40は、上述したように円筒状部材10の内部の空間を点火室S1とタンク室S2とに区画するように円筒状部材10の内部の所定位置に組付けられている。
図2に示すように、仕切り板41は、外形が円環板状の部材からなり、その中央部に軸方向に沿って貫通する連通孔41aが設けられている。当該連通孔41aは、点火室S1とタンク室S2とを連通させるための部位である。この連通孔41aの点火室S1側に位置する開口部は、第1破裂板42によって閉鎖されている。
ここで、上述した連通孔41aは、ハイブリッド型ガス発生器1Aの製造時において、タンク室S2にガスを注入するためのガス注入口としても機能する。なお、この点については、後において詳述することとする。
仕切り板41は、圧力隔壁として機能するものであり、たとえばステンレス鋼や鉄鋼等の金属製の部材にて構成される。ここで、仕切り板41は、長期間にわたって圧縮ガスと第1発熱剤50aに晒されることになるため、耐腐食性に優れたものとなるように、クロムやマンガン、モリブデン、ニオブ、ニッケル等が添加された鋼材にて構成されていることが好ましい。
第1破裂板42は、薄板状の外形を有しており、上述したように連通孔41aの点火室S1側に位置する開口部を閉鎖するように仕切り板41に固定されている。第1破裂板42は、点火器22の作動による点火室S1の圧力上昇に起因して開裂が可能なものであり、好適には金属製の部材にて構成される。
ここで、第1破裂板42の一部は、長期間にわたって圧縮ガスと第1発熱剤50aに晒されるものであるため、第1破裂板42は、耐腐食性の観点からSUS316(JIS規格記号)やインコネル(登録商標)等の薄肉の金属板から形成されたニッケル合金製の部材にて構成されていることが望ましい。たとえば、第1破裂板42としては、耐熱性および耐腐食性を有する金属製の薄板(たとえば厚みが200[μm]程度)が好適に用いられ、Ni:10重量%、Cr:23重量%、Mn:6重量%、Mo:2重量%、C:0.01重量%、N:0.5重量%、その他、の成分割合からなるステンレス鋼やインコネル合金(インコネル625)からなる薄板が特に好適に用いられる。
本実施の形態においては、後述するように、第1破裂板42が抵抗溶接によって仕切り板41に接合されることで固定される。ここで、第1破裂板42は、仕切り板41の厚み方向に位置する一対の主面のうちの点火室S1に面する方の主面に宛がわれて当該主面に溶接されている。なお、後において詳述するが、この仕切り板41への第1破裂板42の溶接は、仕切り板41が円筒状部材10に組付けられた後に行なわれる。
仕切り板41は、円筒状部材10の内部に圧入されるとともに、仕切り板41と円筒状部材10との接触部またはその近傍においてこれらが接合されることで固定されている。ここで、仕切り板41と円筒状部材10との接合には、電子ビーム溶接やレーザ溶接、抵抗溶接、摩擦圧接等が好適に利用できる。
なお、仕切り板41の円筒状部材10への固定方法は、上述した圧入および溶接を利用した固定方法に限られず、他の固定方法を利用してもよい。
図1および図2を参照して、上述したように、円筒状部材10、点火器組立体20および仕切り部40によって規定された点火室S1には、第1発熱剤50aが収容されている。
第1発熱剤50aは、燃焼することによって高温の熱を発生させる薬剤からなる。第1発熱剤50aは、ハイブリッド型ガス発生器1Aの動作時において、第1破裂板42および第2破裂板32が開裂することにより、圧縮ガスが断熱膨張することで生じ得るエネルギーロスを補うための熱を当該圧縮ガスに供給するものであり、たとえばB/KNO3、B/NaNO3、Sr(NO32等に代表される金属粉/酸化剤からなる組成物やこれに硝酸グアニジンまたはニトログアニジンを加えた組成物、水素化チタン/過塩素酸カリウムからなる組成物、B/5−アミノテトラゾール/硝酸カリウムからなる組成物、B/5−アミノテトラゾール/硝酸カリウム/三酸化モリブデンからなる組成物、過塩素酸アンモニウム/過塩素酸カリウム/ニトログアニジンからなる組成物、Sr(NO32/ニトログアニジンからなる組成物等が用いられる。
第1発熱剤50aとしては、粉状のものや、バインダによって所定の形状に成形されたもの等が利用できる。バインダによって成形された第1発熱剤50aの形状としては、たとえば顆粒状、円柱状、シート状、球状、単孔円筒状、多孔円筒状、タブレット状など種々の形状が挙げられる。
一方、図1ないし図3を参照して、上述したように、円筒状部材10、ノズル組立体30および仕切り部40によって規定されたタンク室S2には、圧縮ガスと第2発熱剤50bが収容されている。
圧縮ガスはタンク室S2に充填され、ハイブリッド型ガス発生器1Aの動作時において、第2破裂板32が開裂することにより、これが外部へと放出されることで当該ハイブリッド型ガス発生器1Aに隣接して設けられたエアバッグを膨張および展開させるものである。圧縮ガスとしては、各種の不活性ガスが利用可能であり、たとえばヘリウムガス、アルゴンガス、ネオンガス、窒素ガス、炭酸ガス等を利用することができる。
第2発熱剤50bは、タンク室S2に配置されている。より具合的には、第2発熱剤50bは、円筒状部材10の内側の空間であってかつ仕切り板41とノズル31の間の空間に配置されている。第2発熱剤50bは、点火器22が作動することによって生じた熱粒子によって着火され、燃焼することによってガスを発生させる薬剤からなる。
上述した第2発熱剤50bとしては、非アジド系ガス発生剤を用いることが好ましく、一般に燃料と酸化剤と添加剤とを含む組成で形成される。
燃料としては、たとえばトリアゾール誘導体、テトラゾール誘導体、グアニジン誘導体、アゾジカルボンアミド誘導体、ヒドラジン誘導体等またはこれらの組み合わせが利用される。具体的には、たとえばニトログアニジンや硝酸グアニジン、シアノグアニジン、5−アミノテトラゾール等が好適に利用される。
酸化剤としては、たとえば塩基性硝酸銅や塩基性炭酸銅等の塩基性金属水酸化物、過塩素酸アンモニウム、過塩素酸カリウム等の過塩素酸塩、アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属、アンモニアから選ばれたカチオンを含む硝酸塩等が利用される。硝酸塩としては、たとえば硝酸ナトリウム、硝酸カリウム等が好適に利用される。
添加剤としては、バインダやスラグ形成剤、燃焼調整剤等が挙げられる。バインダとしては、たとえばポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロースの金属塩、ステアリン酸塩等の有機バインダや、合成ヒドロタルサイト、酸性白土等の無機バインダが好適に利用可能である。また、この他にも、バインダとしては、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、ニトロセルロース、微結晶性セルロース、グアガム、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、デンプン等の多糖誘導体や、二硫化モリブデン、タルク、ベントナイト、ケイソウ土、カオリン、アルミナ等の無機バインダも好適に利用可能である。スラグ形成剤としては、窒化珪素、シリカ、酸性白土等が好適に利用可能である。燃焼調整剤としては、金属酸化物、フェロシリコン、活性炭、グラファイト等が好適に利用可能である。
図1を参照して、粘着テープ90は、シート状成形体からなる基材91と、基材91の一方の主表面上に設けられた粘着剤層92とを有しており、粘着剤層92の粘着面がタンク室S2の周壁部60に貼着されている。また、タンク室S2の周壁部60に貼付された粘着テープ90は、第2発熱剤50bによって覆われている。
粘着テープ90の基材91は、繊維質または多孔質のシート状成形体にて構成されている。具体的には、基材91としては、化学繊維、天然繊維、紙、樹脂発泡体およびゴム発泡体のいずれかまたはこれらの組み合わせからなるものが好適に利用でき、より好適には、アセテート繊維、クレープ紙、不織布等に代表されるセルロース系繊維の集合体や、ガラス繊維、ポリエチレン繊維等に代表される非セルロース系繊維の集合体、発泡ポリエチレン、発泡ポリプロピレン、発泡シリコーン等に代表される樹脂発泡体、EPDM発泡体、クロロプレン発泡体等に代表されるゴム発泡体などが利用できる。なお、樹脂発泡体およびゴム発泡体としては、独立気泡型のものであってもよいし、連続気泡型のものであってもよい。
一方、粘着テープ90の粘着剤層92としては、粘着性および弾性を有する材料からなるものであればどのようなものでもその利用が可能であり、特にゴム系材料からなるもの、シリコーン系材料からなるもの、アクリル系材料からなるもの等が好適に利用可能である。
ここで、上述したように、粘着テープ90の基材91として繊維質または多孔質のシート状成形体を利用した場合には、基材91の表面に微小な凹凸93が無数に存在することになり、さらに、粘着テープ90の基材91として繊維質または連続気泡型の多孔質のシート状成形体を利用した場合には、基材91の表面に微小な凹凸93が無数に存在するばかりでなく、当該凹凸93と連続して基材91の内部にまで繋がる微小な迷路状の通路が無数に存在することになり、第2発熱剤50bの塗布時において上記微小な凹凸93あるいはこれに加えて上記微小な迷路状の通路にまで第2発熱剤50bが入り込んでそのまま第2発熱剤50bが硬化することになる。そのため、基材91と第2発熱剤50bとの界面における密着性が飛躍的に向上することになり、これに伴ってこれら基材91と第2発熱剤50bとの間の固着力が大幅に高まって密着性が向上することになる。
また、塗布時における第2発熱剤50bの注入圧により、タンク室内に充填された第2発熱剤50bによって基材91を介して粘着剤層92が周壁部60に向けて押し付けられることにもなり、その状態のまま第2発熱剤50bが硬化することにより、粘着剤層92の全体が、周壁部60に向けて押し付けられることで圧縮変形した圧縮変形領域を有することにもなる。したがって、粘着剤層92が周壁部60に向けて押し付けられた状態が維持されることになり、当該粘着剤層92と周壁部60との界面における密着力も大幅に高まって密着性が向上することになる。
したがって、上記構成を採用することにより、粘着テープ90が設けられた部分において周壁部60と第2発熱剤50bとの間の高い密着性が確保できることになり、周壁部60と第2発熱剤50bとの間に何ら部材を介在させずに、第2発熱剤50bを周壁部60へ塗布によって固定した場合に比べ、飛躍的に信頼性が向上することになる。
第2発熱剤50bの成形体の形状は、顆粒状、ペレット状、円柱状等の粒状のもの、ディスク状のものなど様々な形状のものがある。また、円柱状のものでは、成形体内部に貫通孔を有する有孔状(たとえば単孔筒形状や多孔筒形状等)の成形体も利用される。これらの形状は、ディスク型ガス発生器1Aが組み込まれるエアバッグ装置の仕様に応じて適宜選択されることが好ましく、たとえばガス発生剤の燃焼時においてガスの生成速度が時間的に変化する形状を選択するなど、仕様に応じた最適な形状を選択することが好ましい。また、ガス発生剤の形状の他にもガス発生剤の線燃焼速度、圧力指数などを考慮に入れて成形体のサイズや充填量を適宜選択することが好ましい。
ここで、第1発熱剤50aおよび第2発熱剤50bは、それらの組成が同じものであってもよいし、それらの組成が異なるものであってもよい。また、第1発熱剤50aおよび第2発熱剤50bは、それらの形状や大きさが同じものであってもよいし、それらの形状や大きさが異なるものであってもよい。
第2発熱剤50bの発火温度は通常150〜500℃である。ここで、150〜300℃であることが好ましく、150〜250℃であることがより好ましい。第2発熱剤50bとしては、発火温度が低いものを使用することが好適である。これは、第1発熱剤50aによって生じた火炎によって容易に第2発熱剤50bを燃焼させることで、円滑にガスが発生し、エアバッグを膨張・展開させることが可能となるためである。このように発火温度が低くなる組成を選択することが好適である。例えば、B/5−アミノテトラゾール/硝酸カリウム/三酸化モリブデンからなる組成物は発火温度が200℃近辺である。
図1におけるハイブリッド型ガス発生器への第2発熱剤50bの配置態様としては、第2発熱剤50bはスラリー状の薬剤を塗布して乾燥した形態や、第2発熱剤50bを成形体にして粘着剤で固着させた形態等が挙げられる。
スラリー状の薬剤を塗布するために使用する、スラリー状の薬剤について説明する。スラリー状の薬剤は、前記の通り、燃料、酸化剤及び添加剤等を含む組成で形成された薬剤に、好適には溶剤を混合して得ることができる。溶剤としては、例えば、酢酸エチル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル等の酢酸エステル類、またはアセトンが例示できる。また、その添加量は塗布または噴霧に好適なスラリー状になるように適宜選択すればよい。さらに、第2発熱剤50bの組成物のスラリーを塗り重ねすることで、第2発熱剤50bの塗布厚を増すこともできる。
スラリー状の第2発熱剤50bは、後述する塗布方法によって吹き付け、真空引き等の手法により溶媒を除去することで、ハイブリッド型ガス発生器への第2発熱剤50bを設けることができる。このように、スラリー状の第2ガス発熱剤50bをハイブリッド型ガス発生器へ配置すると、粒状の第2発熱剤50bを充填した場合等と比較して、第2発熱剤50b同士の間の空隙が少なく密の状態で第2発熱剤50bを配置することが可能となる。そのため、充填密度が向上することから、ハイブリッド型ガス発生器を小型化することが可能となる。また、このような配置をすることで、運転時等でハイブリッド型ガス発生器が振動した際の衝撃で破砕が生じることを有効に防止することが可能となる。
第2発熱剤50bを、成形体にして、粘着剤で固着させる形態について説明する。まず、粘着剤をハイブリッド型ガス発生器へ後述する塗布方法等を使用して塗布する。そして、必要に応じて粘着剤を乾燥させて、粘着性を保持している粘着剤層をハイブリッド型ガス発生器のタンク室S2に設ける。このときの粘着剤層の膜厚としては、10μm以上であることが好ましく、100μm以上であることがより好ましい。また、膜厚の上限は特に限定されるものではないが、2000μm以下であることが好ましく、1000μm以下であることがより好ましい。その後、第2発熱剤50bを粘着剤上に配置する。第2発熱剤50bは、例えば、後述する塗布方法等によって、粘着剤上に配置される。ここで、適宜後述する真空引き等を行うこともできる。このようにすることで、粘着剤層上に第2発熱剤50bが層状に形成される。
粘着剤層上に第2ガス発熱剤50bをハイブリッド型ガス発生器へ配置した場合においても、粒状の第2発熱剤50bを充填した場合等と比較して、第2発熱剤50b同士の間の空隙が少なく密の状態で第2発熱剤を配置することが可能となる。そのため、充填密度が向上することから、ハイブリッド型ガス発生器を小型化することが可能となる。また、このような配置をすることで、運転時等でハイブリッド型ガス発生器が振動した際の衝撃で破砕が生じることを有効に防止することが可能となる。
以下、本実施の形態に係るハイブリッド型ガス発生器への発熱剤塗布の方法を具体的に説明しつつ、上記の点についてより詳細に説明する。図4A、図4Bは、本実施の形態に係るハイブリッド型ガス発生器への発熱剤塗布方法を示すフロー図である。
図4に示すように、本実施の形態に係るハイブリッド型ガス発生器1Aへ第2発熱剤50bを塗布するに際しては、まず、円筒状部材10にノズル組立体30および仕切り板41がそれぞれ組付けられている。円筒状部材10の軸方向の上述した他方端側に位置する開口端に対して、ノズル組立体30のノズル31のベース部31aが内挿されることで圧入され、その後、ノズル31が円筒状部材10にたとえばレーザ溶接等によって溶接されることにより、ノズル組立体30が円筒状部材10に組付けられる。また、円筒状部材10の軸方向の上述した一方端側に位置する開口端から仕切り板41が当該一方端を越えて円筒状部材10の内部に入り込むように内挿されることで圧入され、その後、仕切り板41が円筒状部材10にたとえばレーザ溶接等によって溶接されることにより、仕切り板41が円筒状部材10に組付けられる。
図4Aに示すように、発熱剤塗布装置(図示しない)は、第2発熱剤50bの注入と吸入とを組み合わせた構成である。まず、発熱剤塗布装置(図示しない)に対する円筒状部材10の位置決めが行なわれ、発熱剤塗布装置(図示しない)から管110が充填前のタンク室S2へ挿入され、管110の先端部120または外周面130から第2発熱剤50bがタンク室S2へ注入または噴霧される。その後、タンク室S2の周面へ第2発熱剤50bが付着するまで、所定の時間経過後、管110の先端部120または外周面130から吸入する。図4Bに示すように、発熱剤はタンク室S2に塗布される。この方法により、第2発熱剤50bの塗布量と塗布領域を制御することができる。
第2発熱剤50bをタンク室S2へ塗布する方法としては、バルク塗布のローラーブラシ、浸漬、ローラーコーター、はけ塗り、カーテンフローコーター等やスプレー塗布のエアスプレー、エアレススプレー等や紛体塗布の静電、電着、紛体等の汎用的な手法が用いられる。好ましくはエアスプレーによる噴霧や浸漬による付着した部位を塗布する方法がある。
タンク室S2は真空引きが行なわれる。この真空引きは、圧縮ガス封入装置(図示しない)が用いられることで行なわれる。当該真空引きは、タンク室S2の圧力が所定の真空度に達するまで実施される。その後、ガス充填が行なわれる。このガス充填は、圧縮ガス封入装置(図示しない)が引き続き用いられることで行なわれる。連通孔41aを介して連通するタンク室S2内にガスが送り込まれ、送り込まれたガスが圧縮されることにより、タンク室S2が圧縮ガスにて満たされる。当該ガス充填は、タンク室S2の圧力が所定の高圧状態(たとえば、5MPa〜100MPa程度、好適には40MPa〜100MPa、より好適には70MPa〜100MPa)になるまで実施される。
本発明においては、周壁部60に第2発熱剤50bが配置されていることから、第2発熱剤50bの使用量を調整することが容易である。さらに圧縮ガスの充填でタンク室S2を高圧状態にしてもバーストする恐れを抑えられる。そのため、第2発熱剤50bの配置量を抑え、圧縮ガスを高圧になるように充填しても、バーストするおそれはない。
以上において説明した本実施の形態に係るハイブリッド型ガス発生器の構造においては、圧縮ガスをタンク室S2に封入する前に、第2発熱剤50bをタンク室S2に配置し、仕切り板41に設けられた連通孔41aがガス注入口として利用されるとともに、圧縮ガスの注入後において当該連通孔41aが第1破裂板42によって閉鎖されることとしている。そのため、当該構造を採用することにより、または、上述した本実施の形態に係るハイブリッド型ガス発生器1Aとすることにより、ガス発生器自体の構成の簡素化と小型軽量を図ることができる。本実施の形態に関わるハイブリッド型ガス発生器は、第2発熱剤50bを、ハウジングの筒状部材の周壁面に塗布する方法により配置する方法を説明したが、配置する場所及び配置方法はこの方法に限られるものではない。例えば、第2発熱剤配置する場所は、ハウジングの円筒状部材10上以外にも、前記第1破裂板42又は前記第2破裂板上に配置されていても良い。また、配置方法は、必ずしも塗布されていることを要するものでなく、配置されていれば、配置の方法は問わない。具体的には、塗布以外にも、ハウジングの筒状部材10の周壁部、第1破裂板42又は第2破裂板32に隣接させて公知の形状の第2発熱剤50bを圧入して配置、又は積層して配置しても構わない。
次に、上述した構成を有する本実施の形態に係るハイブリッド型ガス発生器1Aの動作について、図5を参照しつつ説明する。
まず、図5Aに示すように、上述したコントロールユニットからの通電を受けることにより、点火器22が作動する。点火器22が作動することにより、点火部22aに充填された点火薬が抵抗体によって加熱されることで着火され、当該点火薬が燃焼することで点火部22aが破裂する。これにより、点火室S1に収容された第1発熱剤50aが点火器22によって着火されて燃焼する。
次に、図5Bに示すように、この点火薬および第1発熱剤50aの燃焼によって点火室S1の圧力および温度が上昇することになり、これに伴って第1破裂板42のうちの連通孔41aに面する部分に開裂が生じる。この第1破裂板42の開裂に伴い、点火室S1とタンク室S2とが連通孔41aを介して連通した状態となる。
次に、図5Cに示すように、点火室S1とタンク室S2とが連通孔41aを介して連通したことに伴い、第1発熱剤50aの火炎がタンク室S2へ流入し、タンク室S2に配置された第2発熱剤50bが着火する。ここで、第2発熱剤50bはタンク室S2において、ハウジングの内周面に配置されていることから、圧縮ガスを取り囲むように燃焼が生じる。そのため、圧縮ガスが円滑に加熱されることで膨張することとなる。タンク室S2の圧力および温度は上昇することになり、これに伴って第2破裂板32のうちの流路部31cに面する部分に開裂が生じる。この第2破裂板32の開裂に伴い、タンク室S2と複数のガス噴出口31dとが流路部31cを介して連通した状態となる。
これにより、図5Dに示すように、タンク室S2に収容されていた圧縮ガスと第2発熱剤50bの燃焼ガスが、流路部31cを介して複数のガス噴出口31dへと至り、その後、当該複数のガス噴出口31dから外部に向けて噴出することになる。
なお、複数のガス噴出口31dからハイブリッド型ガス発生器1Aの外部へと噴出されたガスは、当該ハイブリッド型ガス発生器1Aに隣接して設けられたエアバッグの内部に導入され、当該エアバッグを膨張および展開させる。
以上において説明した本実施の形態に係るハイブリッド型ガス発生器1Aにあっては、圧縮ガスが封入されたタンク室S2を規定する部分のハウジングの壁部のうち、円筒状部材10の周壁に該当する部分に開口が設けられておらず、また、仕切り板41に設けられた連通孔41aを閉鎖するように当該仕切り板41に設けられた第1破裂板42が、円筒状部材10の上述した一方端(すなわち、点火器組立体20が組付けられた方の開口端)側に位置する部分の仕切り板41の主面に溶接されている。所定の圧力または熱量を受けることで開裂する。上記タンク室は圧縮ガスで封入されており、ガス及び熱を放出する発熱剤が配置され、上記タンク室は充填圧が5MPa以上、好適には40MPa以上、より好適には70MPa以上で構成されている。
このような特徴的な構成は、本実施の形態に係るハイブリッド型ガス発生器1Aが、以下において説明する本実施の形態に係るハイブリッド型ガス発生器の構造に起因するものであり、要約すれば、第2発熱剤50bをタンク室S2に配置し、圧縮ガスで封入することで、タンク室S2の空間を有効利用することになる。
(実施の形態2)
図6は、実施の形態2に係るハイブリット型ガス発生器の概略図である。以下、この図6を参照して、本変形例について説明する。
図6に示すように、本実施におけるハイブリッド型ガス発生器1Bは、上述した実施の形態1と近似の構成を有する一方、ハウジングの円筒状部材10の周壁部60に注入孔61が存在し、注入孔61にピン11が差し込まれている点において、上述した実施の形態1とその構成が相違している。
本実施の形態におけるハイブリット型ガス発生器1Bは、第1の実施形態と同じく、タンク室S2内に、アルゴン、ヘリウムなどのガスが高圧で充填されている。一方、本実施の形態においては、図6に示すように、圧縮ガスは円筒状部材10の周壁部60の注入孔61にピン11を差し込んだ状態で、孔とピン11の隙間から充填した後、周壁部60とピン11を一緒に溶接することで封入されている。
本実施の形態においては、ハイブリッド型ガス発生器1Bへ発熱剤を塗布するに際しては、まず、円筒状部材10にノズル組立体30および仕切り板41がそれぞれ組付けられている。円筒状部材10の軸方向の上述した他方端側に位置する開口端に対して、ノズル組立体30のノズル31のベース部31aが内挿されることで圧入され、その後、ノズル31が円筒状部材10にたとえばレーザ溶接等によって溶接されることにより、ノズル組立体30が円筒状部材10に組付けられる。また、円筒状部材10の軸方向の上述した一方端側に位置する開口端から仕切り板41が当該一方端を越えて円筒状部材10の内部に入り込むように内挿されることで圧入され、その後、仕切り板41が円筒状部材10にたとえばレーザ溶接等によって溶接されることにより、仕切り板41が円筒状部材10に組付けられる。
発熱剤塗布装置(図示しない)は、第2発熱剤50bの注入と吸入とを組み合わせた構成である。まず、発熱剤塗布装置(図示しない)に対する円筒状部材10の位置決めが行なわれ、発熱剤塗布装置(図示しない)から管110が充填前のタンク室S2へ挿入され、管110の先端部120または外周面130から第2発熱剤50bが注入または噴霧される。その後、タンク室S2の周面へ第2発熱剤50bが付着するまで、所定の時間経過後、管110の先端部120または外周面130から吸入する。発熱剤はタンク室S2に塗布される。この方法により、第2発熱剤50bの塗布量と塗布領域を制御することができる。
第2発熱剤50bをタンク室S2へ塗布する方法としては、バルク塗布のローラーブラシ、浸漬、ローラーコーター、はけ塗り、カーテンフローコーター等やスプレー塗布のエアスプレー、エアレススプレー等や紛体塗布の静電、電着、紛体等の汎用的な手法が用いられる。好ましくはエアスプレーによる噴霧や浸漬による付着した部位を塗布する方法がある。
タンク室S2は真空引きが行なわれる。この真空引きは、圧縮ガス封入装置(図示しない)が用いられることで行なわれる。当該真空引きは、タンク室S2の圧力が所定の真空度に達するまで実施される。その後、ガス充填が行なわれる。このガス充填は、圧縮ガス封入装置(図示しない)が引き続き用いられることで行なわれる。連通孔41aを介して連通するタンク室S2内にガスが送り込まれ、送り込まれたガスが圧縮されることにより、タンク室S2が圧縮ガスにて満たされる。当該ガス充填は、タンク室S2の圧力が所定の高圧状態(たとえば、5[MPa]〜100[MPa]程度、好適には40〜100MPa、より好適には70〜100MPa)になるまで実施される。
本発明においては、周壁部60に第2発熱剤50bが配置されていることから、第2発熱剤50bの使用量を調整することが容易である。さらに圧縮ガスの充填でタンク室S2を高圧状態にしてもバーストするおそれを抑えられる。そのため、第2発熱剤50bの使用量を抑え、圧縮ガスを高圧になるように充填しても、バーストするおそれはない。
そして、本実施の形態に係るハイブリッド型ガス発生器においては、圧縮ガスをタンク室S2に封入する際に、予めハウジングの円筒状部10に設けられた注入孔61がガス注入口として利用され、圧縮ガスの注入後において当該注入孔61がピン11によって閉鎖され、ハイブリッド型ガス発生器が得られる。
(実施の形態3)
図7は実施の形態3に係るハイブリット型ガス発生器の模式断面図である。図8は実施の形態3に係るハイブリット型ガス発生器の拡大図である。この図7及び図8を参照して、本変形例について説明する。
図7と図8に示すように、本実施におけるハイブリッド型ガス発生器1Cは、上述した実施の形態1と近似の構成を有する一方、ハウジングの円筒状部材10の周壁部60に凹凸形状93が存在している点において、上述した実施の形態1とその構成が相違している。図8に示すように、タンク室S2の円筒状部材10の周壁部60は凹凸形状93加工が施されている。凹凸形状93はバレル加工やショットブラスト加工、ねじ切り加工等により設けることができ、凹凸形状93を設けることで、第2発熱剤50bと円筒状部材10の周面との接触面積が増大する。このように形成することで、第2発熱剤50bと円筒状部材10の周壁部60との界面の密着性は増大する。さらに、凹凸形状93に第2発熱剤50bが侵入することで、塗布量を向上させることができる。
内筒状部材10の凹凸形状93上に第2発熱剤50bを形成する方法としては、前述と同様に、例えば、スラリー状の第2発熱剤50bを塗布スラリー状の第2発熱剤50bを、前述した塗布方法によって吹き付けて、前述の真空引き等の手法により、溶媒を除去することで、ハイブリッド型ガス発生器への第2発熱剤を設けることができる。又、前述と同様に粘着剤を用いて形成することもできる。具体的には、粘着剤をハイブリッド型ガス発生器へ塗布する方法を用いる。そして、必要に応じて粘着剤を乾燥させて、粘着性を保持している粘着剤層をタンク室S2に設ける。その後、第2発熱剤50bを粘着剤上に配置する。第2発熱剤50bは、例えば、前述する塗布方法等によって、粘着剤上に配置される。ここで、適宜前述する真空引き等を行うこともできる。このようにすることで、粘着剤層上に第2発熱剤50bが層状に形成される。
(実施の形態4)
図9は、実施の形態4に係るストアード型ガス発生器の模式断面図である。まず、この図9を参照して、本実施の形態に係るストアード型ガス発生器1Dの構成について説明する。なお、本実施の形態に係るストアード型ガス発生器1Dは、いわゆるリバースフロー構造を有するものである。
図9に示すように、本実施の形態に係るストアード型ガス発生器1Bは、上述した実施の形態1に係るハイブリッド型ガス発生器1Aと近似の構成を有しており、当該ハイブリッド型ガス発生器1Aと比較した場合に、主としてタンク室S2を規定する部分のハウジングの構成が相違しており、またこれに加えて、ノズル組立体30および第1発熱剤50a(いずれも図1等参照)を具備していない点、複数のガス噴出口の形成位置や複数のガス噴出口近傍の構成、単一の破裂板42のみを備えている点等においてその構成が相違している。
具体的には、ストアード型ガス発生器1Dにおいては、円筒状部材10が、軸方向の一方端を開口端として有するとともに軸方向の他方端を閉塞端として有する長尺有底円筒状の部材にて構成されており、その軸方向の上述した一方端側の開口端に点火器組立体20が組付けられている。また、円筒状部材10の内部の空間の所定位置には、仕切り部40が組付けられており、これにより円筒状部材10の内部の空間が、点火室S1とタンク室S2とに区画されている。
点火室S1を規定する部分の円筒状部材10には、複数のガス噴出口10aが設けられている。当該複数のガス噴出口10aは、ストアード型ガス発生器1Dの作動時において、ガスを外部に向けて噴出するための部位である。
また、点火室S1を規定する部分の円筒状部材10の内周面には、複数のガス噴出口10aを閉鎖するように金属製のシールテープ10bが貼付されている。このシールテープ10bとしては、片面に粘着部材が塗布されたアルミニウム箔等が好適に利用でき、当該シールテープ10bによって点火室S1の気密性が確保されている。
ここで、本実施の形態に係るストアード型ガス発生器1Bにおいても、仕切り板41に設けられた連通孔41aの点火室S1側に位置する開口部が、破裂板42によって閉鎖されている。すなわち、破裂板42は、仕切り板41の厚み方向に位置する一対の主面のうちの点火室S1に面する方の主面に宛がわれて当該主面に溶接されている。
タンク室S2の円筒状部材10の周面には第2発熱剤50bが塗布され、点火薬の燃焼により、第2発熱剤50bは着火し、ガスまたは熱を放出する。ここで、第2発熱剤50bの成分、性状、塗布方法、円筒状部材10の形状等は前述のものを適用することができる。
次に、上述した構成を有する本実施の形態に係るストアード型ガス発生器1Dの動作について、引き続き図9を参照して説明する。
まず、上述したコントロールユニットからの通電を受けることにより、点火器22が作動する。点火器22が作動することにより、点火部22aに充填された点火薬が抵抗体によって加熱されることで着火され、当該点火薬が燃焼することで点火部22aが破裂する。
この点火薬の燃焼によって点火室S1の圧力および温度が上昇することになり、これに伴って破裂板42のうちの連通孔41aに面する部分に開裂が生じる。この破裂板42の開裂に伴い、点火室S1とタンク室S2とが連通孔41aを介して連通した状態となる。
次に、点火室S1とタンク室S2とが連通孔41aを介して連通したことに伴い、燃焼ガスがタンク室S2に流入する。燃焼ガスの熱により、第2発熱剤50bは着火され、ガスまたは熱を放出し、さらに、圧縮ガスが連通孔41aを介して点火室S1に流れ込む。そして、シールテープ10bを開裂させ、複数のガス噴出口10aが開口する。その後複数のガス噴出口10aから外部に向けて噴出することになる。
なお、複数のガス噴出口10aからストアード型ガス発生器1Dの外部へと噴出されたガスは、当該ストアード型ガス発生器1Dに隣接して設けられたエアバッグの内部に導入され、当該エアバッグを膨張および展開させる。
以上において説明した本実施の形態に係るストアード型ガス発生器1Dにあっても、圧縮ガスが封入されたタンク室S2を規定する部分のハウジングの壁部のうち、円筒状部材10の周壁に該当する部分に開口が設けられておらず、また、仕切り板41に設けられた連通孔41aを閉鎖するように当該仕切り板41に設けられた破裂板42が、円筒状部材10の上述した一方端(すなわち、点火器組立体20が組付けられた方の開口端)側に位置する部分の仕切り板41の主面に溶接され、所定の圧力または熱量を受けることによって開裂し、タンク室の内部の圧縮ガスが封入された空間に発熱剤を備えている。
このような特徴的な構成は、上述した実施の形態1に係るハイブリッド型ガス発生器の構造に準じており、従ってストアード型ガス発生器も同様の構造を実現できるものである。したがって、本実施の形態に係るストアード型ガス発生器1Bとした場合にも、ガス発生器自体の構成の簡素化と組立作業の容易化とが実現できることになる。
(その他の形態等)
また、上述した本発明の実施の形態1,2およびそれらの変形例においては、本発明をサイドエアバッグ装置に組み込まれるシリンダ型ガス発生器に適用した場合を例示して説明を行なったが、本発明の適用対象はこれに限られるものではなく、カーテンエアバッグ装置やニーエアバッグ装置、シートクッションエアバッグ装置等に組み込まれるシリンダ型ガス発生器や、シリンダ型ガス発生器と同様に長尺状の外形を有するいわゆるT字型ガス発生器等にもその適用が可能である。
このように、今回開示した上記実施の形態およびその変形例はすべての点で例示であって、制限的なものではない。本発明の技術的範囲は特許請求の範囲によって画定され、また特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
1A〜1C ハイブリッド型ガス発生器、1D ストアード型ガス発生器、10 円筒状部材、10a ガス噴出口、10b シールテープ、11 ピン、20 点火器組立体、21 ホルダ、21a 貫通部、22 点火器、22a 点火部、22b 端子ピン、23 樹脂成形部、23a 凹部、30 ノズル組立体、31 ノズル、31a ベース部、31b ノズル部、31c 流路部、31d ガス噴出口、32 第2破裂板、40 仕切り部、41 仕切り板、41a 連通孔(ガス注入口)、42 第1破裂板(破裂板)、50 発熱剤、50a 第1発熱剤、50b 第2発熱剤、60 周壁部、61 注入孔、90 粘着テープ、91 基材 、92 粘着剤層、93 凹凸形状、110 管、120 管先端部、130 外周面、S1 点火室、S2 タンク室。

Claims (7)

  1. 軸方向の一端部および他端部が閉塞された周壁部を有する長尺筒状のハウジングと、
    前記ハウジングの内部に配置された圧縮ガスが封入されたタンク室と、
    前記ハウジングの前記一端部に組付けられた点火器とを備え、
    前記ハウジングの内部には、前記圧縮ガスを封入するために前記ハウジングの途中を仕切るように設けられた前記ハウジングの内部の空間を仕切る仕切り部とを含み、
    前記ハウジングの内部の空間であって、かつ前記仕切り部から見て前記一方端部側の空間が、前記点火器に面する点火室として構成され、
    前記ハウジングの内部の空間であって、かつ前記仕切り部から見て前記他端側の空間が、前記タンク室として構成され、
    前記仕切り部には、前記点火室と前記タンク室とを連通させるための連通孔が前記ハウジングの軸方向に設けられ、前記連通孔を閉鎖するとともに、前記点火器の作動に起因して開裂が可能な第1破裂板が設けられ、
    前記第1破裂板が、前記仕切り部の前記一方端側の主面に溶接され、
    前記タンク室の内部の圧縮ガスが封入された空間に発熱剤を備え、
    前記発熱剤が前記ハウジングの前記周壁部に配置されている、ガス発生器。
  2. 軸方向の一端部および他端部が閉塞された周壁部を有する長尺筒状のハウジングと、
    前記ハウジングの内部に配置された圧縮ガスが封入されたタンク室と、
    前記ハウジングの前記一端部に組付けられた点火器と
    前記ハウジングの前記他端部に組み付けられた、ガス流路部としての中空部が形成された一端が閉塞された筒状形状のノズル部を備え、
    前記ハウジングの内部には、前記圧縮ガスを封入するために前記ハウジングの途中を仕切るように設けられた前記ハウジングの内部の空間を仕切る仕切り部とを含み、
    前記ハウジングの内部の空間であって、かつ前記仕切り部から見て前記一方端部側の空間が、前記点火器に面する点火室として構成され、
    前記ハウジングの内部の空間であって、かつ前記仕切り部から見て前記他端側の空間が、前記タンク室として構成され、
    前記仕切り部には、前記点火室と前記タンク室とを連通させるための連通孔が前記ハウジングの軸方向に設けられ、前記連通孔を閉鎖するとともに、前記点火器の作動に起因して開裂が可能な第1破裂板が設けられ、
    前記第1破裂板が、前記仕切り部の前記一方端側の主面に溶接され、
    前記ノズル部には、前記中空部と前記タンク室とを連通させるための連通孔が前記ハウジングの軸方向に設けられ、前記連通孔を閉鎖するとともに、前記点火器の作動に起因して開裂が可能な第2破裂板が設けられ、
    前記タンク室の内部の圧縮ガスが封入された空間に発熱剤を備え、
    前記発熱剤は第1破裂板又は第2破裂板に隣接して配置されている、ガス発生器。
  3. 前記タンク室の周壁部が凹凸形状である、請求項1又は請求項2に記載のガス発生器。
  4. 前記発熱剤の発火温度が150℃以上500℃以下である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のガス発生器。
  5. 前記発熱剤が前記タンク室にエアスプレーまたは浸漬によって塗布されている、請求項1〜4のいずれか一項に記載のガス発生器。
  6. 前記タンク室の圧縮ガスの充填圧が40MPa以上100MPa以下である、請求項1〜5のいずれか一項に記載のガス発生器。
  7. 前記第1破裂板又は第2破裂板が、前記仕切り部又は前記ノズル部にレーザー溶接、摩擦圧接、抵抗溶接によって溶接されている、請求項1〜5のいずれか一項に記載のガス発生器。






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WO2022239790A1 (ja) * 2021-05-11 2022-11-17 株式会社ダイセル 点火器組立体及びガス発生装置

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