JP2020201800A - 自動点検システム及び無線子機 - Google Patents

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Abstract

【課題】データサイズが大きい熱画像のデータをそのまま送信すると、無線子機の消費電力が大きくなっていた。【解決手段】自動点検システム1が備える無線子機10は、撮影範囲に存在する点検対象物2の温度に基づく熱画像を取得する熱画像取得部11と、熱画像取得部11が取得した熱画像を解析し、解析結果を出力する解析部12と、無線親機30に解析結果を含むデータを無線送信する無線通信部13と、熱画像取得部11、解析部12及び無線通信部13に電力を供給する電源部14とを有する。無線親機30は、無線子機10からデータを受信して管理し、当該データに含まれる解析結果に基づいた点検対象物2の状態を示す情報を監視端末40に送信する処理を行う。【選択図】図1

Description

本発明は、設備の温度を点検する自動点検システム及び無線子機に関する。
発電プラント、化学プラント、及び鉄鋼プラントなどの現場では、モータ、コンプレッサ、タービン等の設備が設置されている。従来、作業員が設備の表面温度を測定し、異常な過熱が発生していないかどうかを判断する運用が行われていた。設備によっては作業員が直接設備に手を触れたり、設備に温度計を接触させたりして測定することができない部位(高電圧部、超高温部)があるが、そのような設備には、示温材(サーモラベル)がよく用いられている。示温材は、特定温度を超過すると不可逆に色変化を起こす素材でできており、作業員は示温材の色から過去に異常な過熱があったかを判断することができる。
しかし、作業員は、示温材を貼り付けた局所的なポイントでしか異常過熱の有無を判定することができない。そこで、特許文献1において、作業員の装着したウェアラブル端末に監視対象物のサーモグラフィ画像を表示し、設備の異常な過熱の有無を点検するシステムが提案されている。
また、非特許文献1では、常設型のサーモカメラで取得した熱画像をネットワーク経由でサーバに転送し、ソフトウェアで熱画像を解析することにより設備の異常な過熱の有無を常時監視するシステムが提案されている。
特開2019−29983号公報
フリアーシステムズ(FLIR Systems, Inc.)のホームページ、[平成31年3月2日検索]、インターネット<URL:https://www.flir.jp/discover/instruments/utilities/thermal-imaging-cameras-for-substation-monitoring/>
特許文献1に記載の従来技術では、作業員が点検をしたタイミングで異常な過熱があるかどうかを発見することができるものの、作業員が点検をしたタイミング以外(過去の任意のタイミング)で異常な過熱があったかどうかを特定することができなかった。また、作業員が広い現場をあちこち歩き回って点検するため、作業員の負荷が大きい。近年では、熟練作業員の高齢化が進み、新たな作業員の確保も難しい。
非特許文献1に記載の従来技術では、特許文献1の課題を解決できるものの、一般的に熱画像データはそのままではデータサイズが大きい。そのため、サーモカメラからサーバに熱画像データを転送するためにネットワーク負荷が大きくなる。また、その画像解析に多くのコンピュータリソースが必要となってしまう。点検対象の設備の数が多くなるほどこれらの課題は顕著となるため、結果的にシステムの導入コストが増加してしまう。
また、プラントの現場設備にいわゆる後付けでセンサ装置を設置する場合、設備の近くにコンセントがあるとは限らず、センサ装置に電力を供給可能な有線の電源を得ることが難しい。したがって、センサ装置は内蔵電池を動力源として作動させる必要がある。しかし、センサ装置が消費電力の大きい処理(例えば、データサイズが大きい画像データを送信する処理)を実行すると、すぐに内蔵電池が切れてしまい、電池交換の頻度が高くなって使い勝手が悪くなる。
本発明はこのような状況に鑑みて成されたものであり、点検対象物の熱画像を取得するセンサ装置の消費電力を低減することを目的とする。
本発明の一態様の自動点検システムは、無線子機と、無線親機とを備える。無線子機は、撮影範囲に存在する点検対象物の温度に基づく熱画像を取得する熱画像取得部と、その熱画像取得部が取得した熱画像を解析し、解析結果を出力する解析部と、無線親機に当該解析結果を含むデータを無線送信する無線通信部と、熱画像取得部、解析部及び無線通信部に電力を供給する電源部とを有する。無線親機は、無線子機からデータを受信して管理し、当該データに含まれる解析結果に基づいた点検対象物の状態を示す情報を、点検対象物の状態を監視する監視端末に送信する処理を行う。
本発明によれば、無線子機は、点検対象物を撮影した熱画像全体のデータを無線親機へ送信するのではなく、取得した熱画像を無線子機内で解析し、解析結果のみを無線親機に送信する。このため、無線子機から無線親機に送信するデータのデータサイズを低減し、無線子機の消費電力を低減することができる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施の形態の説明により明らかにされる。
本発明の第1の実施の形態に係る自動点検システムの全体構成例を示すブロック図である。 本発明の第1の実施の形態に係る解析結果を含むパケットの構成例を示す図である。 本発明の第1の実施の形態に係る無線子機を構成する計算機のハードウェア構成例を示すブロック図である。 本発明の第1の実施の形態に係る無線中継機、無線親機及び監視端末を構成する計算機のハードウェア構成例を示すブロック図である。 本発明の第1の実施の形態に係る無線子機で実行される処理の例を示すフローチャートである。 本発明の第1の実施の形態に係る無線中継機で実行される処理の例と、無線親機で実行される処理の例とを示すフローチャートである。 本発明の第1の実施の形態に係る第1の特徴抽出方法の例を示す説明図である。 本発明の第1の実施の形態に係る第2の特徴抽出方法の例を示す説明図である。 本発明の第1の実施の形態に係る第3の特徴抽出方法の例を示す説明図である。 本発明の第1の実施の形態に係る第4の特徴抽出方法の例を示す説明図である。 本発明の第2の実施の形態に係る自動点検システムの全体構成例を示すブロック図である。 本発明の第2の実施の形態に係る学習済み熱画像の第1の選択方法の例を示す説明図である。 本発明の第2の実施の形態に係る学習済み熱画像の第2の選択方法の例を示す説明図である。 本発明の第2の実施の形態に係る学習済み熱画像の第3の選択方法の例を示す説明図である。 本発明の第3の実施の形態に係る自動点検システムのマルチホップネットワークの第1の構成例(シングルマネージャ)を示す図である。 本発明の第3の実施の形態に係る自動点検システムのマルチホップネットワークの第2の構成例(マルチマネージャ)を示す図である。
以下、本発明を実施するための形態について、添付図面を参照して説明する。本明細書及び図面において、実質的に同一の機能又は構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複する説明を省略する。以下に説明する各実施の形態に係る自動点検システムでは、プラントなどの現場設備の熱画像を撮影し、撮影した熱画像を解析してその特徴となる部分を解析結果として無線親機へ送信する。
<第1の実施の形態>
初めに、本発明の第1の実施の形態に係る自動点検システムの構成例及び動作例について図1〜図10を参照して説明する。
図1は、第1の実施の形態に係る自動点検システム1の全体構成例を示すブロック図である。自動点検システム1は、例えば、発電プラント、化学プラント、鉄鋼プラント、及び変電所等のプラントやビル等の建物に適用される。
自動点検システム1は、無線子機10,10’、無線中継機20、無線親機30及び監視端末40を備える。無線子機10,10’と無線中継機20の間、及び、無線中継機20と無線親機30の間は、無線通信経路L1により各種のデータを送受信可能である。また、無線親機30と監視端末40の間は、無線通信経路L2により各種のデータを送受信可能である。なお、無線親機30と監視端末40の間は、有線通信経路により各種のデータを送受信可能としてもよい。
プラントには、例えば、モータ、ポンプ、コンプレッサ、タービン、ボイラ、変圧器、高圧端子等の、動作時に温度上昇が発生する設備が設けられている。それらの温度上昇が発生する設備の少なくとも一部は、自動点検システム1による監視対象(点検対象)となる。以下の説明では、監視対象となる設備を「点検対象物」と呼ぶ。点検対象物A2の近傍には、無線子機10(無線子機の一例)が設けられている。無線子機10は、点検対象物A2から離れて設けられている。図1では、異なる点検対象物A2及び点検対象物B3に対して、それぞれ一つの異なる無線子機10及び無線子機10’が設けられ、それぞれの無線子機10及び無線子機10’により点検対象物A2及び点検対象物B3を監視する構成である。また、一つの点検対象物に対して2以上の無線子機を設け、点検対象物の異なる部位をそれぞれの無線子機が監視する構成としてもよい。無線子機10と無線子機10’は同じ機能を有している。以下、無線子機10について説明する。
[無線子機]
無線子機10は、点検対象物A2の熱画像を撮影し、当該熱画像の特徴を検出する「温度センサ装置」として用いられる。このため、無線子機10は、点検対象物A2の熱画像を撮影し、撮影した熱画像を解析した解析結果を得て、無線親機30に解析結果を含むデータを送信する。解析結果を含むデータは、後述する図2に示されるパケットD1であり、以下の説明では、解析結果を含むデータをパケットD1と呼ぶ。
この無線子機10は、例えば、熱画像取得部11、解析部12、無線通信部13、電源部14を備える。無線子機10が備える各部は、防水、防塵機能を有する筐体内に格納されることが望ましい。ここでは、無線子機10を、センサ機能と無線通信機能とを一体化した装置として説明する。ただし、別々に構成されたセンサ機能部(熱画像取得部11、解析部12)と、無線通信機能部(無線通信部13)とを信号線を通じて接続した装置を無線子機10として扱ってもよい。
熱画像取得部11は、一定時間ごとに点検対象物A2を撮影し、点検対象物A2の表面の温度分布を示す画像(熱画像)を取得してデジタルデータとして出力する。本明細書では、熱画像のデジタルデータを「熱画像データ」と表記することがある。熱画像取得部11が出力する熱画像データは、解析部12へ入力される。
解析部12は、熱画像取得部11により取得された熱画像を解析し、当該熱画像の特徴を表す情報(特徴量)を抽出する特徴量抽出部15を備える。解析部12は、特徴量抽出部15で抽出された熱画像の特徴量を、当該熱画像の解析結果として無線通信部13へ送る。
無線通信部13は、解析部12が得た解析結果に無線親機30の宛先情報を付したパケットD1を、無線中継機20を介して無線親機30に所定のタイミングで無線送信する。この処理は、無線通信部13が、無線中継機20の無線通信部21と通信することで行われる。解析結果を含むパケットD1は、無線通信経路L1に示すように無線中継機20に送信され、さらに無線通信経路L1に示すように無線中継機20から無線親機30へ送信される。
電源部14は、無線子機10が内蔵する内蔵電池58(後述する図3を参照)に蓄電された電力を供給して、熱画像取得部11、解析部12及び無線通信部13を動作させる。内蔵電池58の種類は問わないものとする。なお、無線子機10に、電源部14に給電する発電部14A(後述する図11を参照)を設けてもよい。
[無線中継機]
無線中継機20は、プラントに張り巡らされたセンサネットワークの一部を構成しており、上述したように無線子機10,10’から送信されたパケットD1を無線親機30に転送することが可能である。センサネットワークは、点検対象物A2,B3が放射する赤外線(温度)を検出して点検対象物A2,B3の状態を診断することが可能な温度センサネットワークの他にも、音、湿度、圧力、電圧値、電流値、周波数、抵抗値、流量、流速、色、画像等の少なくともいずれか一つ以上の情報を検出することが可能なセンサネットワークを含んでもよい。あるいは、プラント内に設けられたセンサネットワークの全てが温度センサネットワークで構成されてもよい。
無線中継機20は、一つの無線子機10又は複数の無線子機10,10’から無線送信されたパケットD1(解析結果)を受信した後、無線親機30にパケットD1を無線送信することが可能である。また、無線中継機20は、複数の無線子機10,10’から受信したそれぞれのパケットD1を無線親機30に転送することが可能である。具体的には、無線中継機20は、複数の無線子機10,10’と無線通信し、各無線子機10,10’から受信したパケットD1を無線親機30へ送信することができる。ここで、無線親機30は、複数の無線子機10,10’に対してパケットD1の送信順を指示して、送信順に従って無線子機10,10’が送信したデータを、無線中継機20を介して無線受信する。
例えば、無線親機30は、ポーリング方式により順に選択した複数の無線子機10,10’に対して、パケットD1の送信を無線中継機20を介して指示する。無線親機30から指示を受信した無線子機10,10’は、無線中継機20にパケットD1を順に送信する。その後、無線中継機20は、各無線子機10,10’から受信したパケットD1を、指示された送信順に従って無線親機30に向けて順に送信する。このため、無線親機30は、複数の無線子機10,10’から無線中継機20を介して送信されるパケットD1の衝突を避けてパケットD1を受信することができる。なお、近接する複数の無線子機10,10’間では、後述する図15と図16に示すように、いわゆるバケツリレー方式(マルチホップルーティング)で無線子機10,10’同士がパケットD1を無線親機30まで転送することもできる。このとき、パケットD1をバケツリレーする無線子機10(3)(図15と図16を参照)はパケットD1を中継する無線中継機として機能する。
なお、図1には、1つの無線中継機20だけが設けられた例が示されるが、複数の無線中継機20が設けられてもよい。また、無線通信経路L1が無線中継機20を含まなくてもよい。この場合、無線子機10,10’は無線親機30と直接無線通信することもできる。また、無線中継機20には、パケットD1を一時蓄積したり、パケットD1のデータ編集・変換を行うゲートウェイ機能を持たせたりしてもよい。
[無線親機]
無線親機30は、無線子機10から無線中継機20を介して受信したデータ(パケットD1)を保持及び管理する。このため、無線親機30は、例えば、パケットD1の内容を解釈して(これを例えばデータパース機能と呼ぶ)、ファイルとして保存する機能を有する。このファイルに記載されるデータの内容は、無線子機10,10’から送信された解析結果がテキストに変換されたものでもよいし、パケットのビット、もしくは、バイト情報をそのままテキスト化したものでもよい。ファイルの形式もタブ区切り、スペース区切り、カンマ区切り等、様々なものが考えられ、作業者が任意に設計すればよい。
この無線親機30は、当該データに含まれる解析結果に基づいた点検対象物A2,B3の状態を示す情報を、点検対象物A2,B3の状態を監視する監視端末40に送信する処理を行う。このため、無線親機30は、無線子機10,10’から受信した解析結果を保持する。そして、無線親機30は、解析結果である熱画像の特徴量に基づいて、点検対象物A2,B3に異常が発生したことなど点検対象物A2,B3の状態を示す情報を監視端末40に通知する。この無線親機30は、無線通信部31と、データ格納部32と、データ公開部33とを備える。
無線通信部31は、無線中継機20と通信する。
データ格納部32は、無線子機10から受信したパケットD1から解析結果を含むデータを取り出し、無線親機30がパケットD1を収集した時刻と対応付けてデータを格納する。これにより、データ格納部32は、データを時系列データ化する。データ格納部32が全ての時系列データを保持可能なストレージ容量を具備していない場合には、外部の情報処理装置、もしくは、情報記憶装置に保存用データを転送してシステム全体としては全ての情報を保持するように構成してもよい。
データ公開部33は、データ格納部32が保持する点検対象物A2,B3に関する時系列データや点検対象物A2,B3の異常の可能性などを、監視端末40からの要求に応じて監視端末40に提供(送信)する。また、データ公開部33は、所定のタイミングで又は異常発生時などに、監視端末40からの要求にかかわらず能動的に、これらの点検対象物A2,B3の状態を示す情報を監視端末40に提供してもよい。
無線親機30に、データ格納部32が保持する時系列データに対しクラスタリング処理などを行うデータ分析処理手段を設けることで、異常度の変動パターンを分析することも可能である。データ公開部33が、このデータ分析処理手段の機能を備えていてもよい。
[監視端末]
監視端末40は、無線親機30を通じて、作業者が点検対象物A2,B3の状態を監視するために用いられる。この監視端末40は、無線親機30から受信した解析結果から点検対象物A2,B3の状態を判定して公開する処理を行う。例えば、監視端末40は、時系列データのグラフ表示等を監視結果として、例えば、ディスプレイ、プリンタ等へ出力する。また、監視端末40は、無線親機30のデータ公開部33に対して、上述した異常度の変動パターンの分析結果を要求し、当該分析結果を表示することも可能である。監視端末40に、データ格納部32が保持する時系列データに対しクラスタリング処理などを行うデータ分析処理手段を設けてもよい。
図2は、解析結果を含むパケットD1の構成例を示す。
パケットD1は、ヘッダとデータ部によって構成される。ヘッダには、パケットD1が最終的に到達する無線親機30を特定するネットワークアドレス(例えば、IPアドレス)、又は無線親機30の識別情報等で表される宛先情報が含まれている。データ部には、熱画像の特徴量(解析結果)を表すデータとして格納される。
[計算機のハードウェア構成]
次に、自動点検システム1の各装置を構成する計算機50,60のハードウェア構成例について、図3と図4を参照して説明する。
図3は、無線子機10を構成する計算機50のハードウェア構成例を示すブロック図である。なお、無線子機10’を構成する計算機50のハードウェア構成例は、無線子機10と同様であるため、以下の説明では、無線子機10に注目して無線子機10を構成する計算機50のハードウェア構成例を説明する。
計算機50は、無線子機10で使用されるコンピュータとして用いられるハードウェアである。計算機50は、MPU(Micro Processing Unit)51、主記憶装置52、補助記憶装置53及びバス54を備える。さらに、計算機50は、熱画像カメラ55、入出力回路56、通信回路57及び内蔵電池58を備える。各ブロックは、バス54を介して相互に通信可能に接続されている。
MPU51は、本実施の形態に係る無線子機10の各機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを補助記憶装置53から読み出して主記憶装置52にロードし、実行する。このため、補助記憶装置53には、ブートプログラム、各種のパラメーターの他に、計算機50を機能させるためのプログラムが記録されている。補助記憶装置53は、MPU51が動作するために必要なプログラムやデータ等を永続的に記録しており、計算機50によって実行されるプログラムを格納したコンピュータ読取可能な非一過性の記録媒体の一例として用いられる。補助記憶装置53としては、半導体メモリ等からなる不揮発性のメモリが用いられる。
主記憶装置52には、MPU51の演算処理の途中で発生した変数やパラメーター等が一時的に書き込まれ、これらの変数やパラメーター等がMPU51によって適宜読み出される。無線子機10では、MPU51がプログラムを実行することで無線子機10内の各部の機能が実現される。また、無線子機10では、熱画像取得部11(熱画像カメラ55)から受け取った熱画像データが補助記憶装置53に一時的に記憶され、解析部12の解析結果についても補助記憶装置53に一時的に記憶される。
熱画像カメラ55は、撮影範囲に存在する点検対象物2が放射する赤外線から点検対象物2の温度分布を取得し、その温度分布を表す画像(熱画像)をデジタルデータとして出力する。熱画像カメラ55は、MPU51の制御に従って一定時間ごとに起動し、点検対象物A2の熱画像を撮影する。熱画像取得部11には、例えば赤外線サーモグラフィカメラを用いることができる。
入出力回路56は、データを入出力するためのインターフェースである。熱画像カメラ55から入力したデータを解析部12に出力する機能を有する。
通信回路57には、例えば、NIC(Network Interface Card)やIoT(Internet of Things)向け低電力無線モジュールなどが用いられ、NICに接続された無線LAN(Local Area Network)やマルチホップ型低電力無線などからなる無線通信経路を介して各種のデータを装置間で送受信することが可能である。無線子機10では、無線通信部13が通信回路57の動作を制御して、パケットD1を無線中継機20に送信したり、他の無線子機10から受信したパケットD1を無線中継機20に転送したりすることができる。
内蔵電池58は、無線子機10に搭載され、図1に示した電源部14の制御により計算機50内の各部に電力を供給する。本実施の形態に係る内蔵電池58は、一次電池を想定したものであるが、後述する第2の実施の形態(図11参照)では内蔵電池58を二次電池としてもよい。
図4は、無線中継機20、無線親機30及び監視端末40を構成する計算機60のハードウェア構成例を示すブロック図である。
計算機60は、無線中継機20、無線親機30及び監視端末40で使用されるコンピュータとして用いられるハードウェアである。計算機60は、MPU61、主記憶装置62、補助記憶装置63、バス64、通信回路65及びユーザインターフェース装置66を備える。各ブロックは、バス64を介して相互に通信可能に接続されている。
MPU61は、本実施の形態に係る無線中継機20、無線親機30及び監視端末40の各機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを補助記憶装置63から読み出して主記憶装置62にロードし、実行する。
主記憶装置62には、MPU61の演算処理の途中で発生した変数やパラメーター等が一時的に書き込まれ、これらの変数やパラメーター等がMPU61によって適宜読み出される。無線中継機20では、無線子機10から受信したパケットD1を無線親機30に転送するために無線通信部21を制御する機能がMPU61によって実現される。無線親機30では、無線通信部31が通信回路65の動作を制御して、無線中継機20から転送されたパケットD1を取り込み、MPU61がパケットD1のデータ部から取り出した各種のデータをデータ格納部32に格納する。また、無線親機30では、データ公開部33がデータ格納部32から取り出したデータを監視端末40に公開(送信)する機能がMPU61によって実現される。監視端末40では、データ公開部33によって公開処理が行われたデータを受信し、このデータを、ユーザインターフェース装置66を通じて作業者に提示する機能がMPU61によって実現される。
補助記憶装置63としては、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フレキシブルディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、磁気テープ、不揮発性のメモリ等が用いられる。補助記憶装置63には、OS、各種のパラメーターの他に、計算機60を機能させるためのプログラムが記録されている。補助記憶装置63は、MPU61が動作するために必要なプログラムやデータ等を永続的に記録しており、計算機60によって実行されるプログラムを格納したコンピュータ読取可能な非一過性の記録媒体の一例として用いられる。無線親機30では、データ格納部32の機能が補助記憶装置63によって実現される。また、監視端末40では、無線親機30から送信された解析結果を蓄積する機能が補助記憶装置63によって実現される。
通信回路65には、例えば、監視端末40ではNIC等が用いられ、NICに接続された無線LAN等からなる無線通信経路、又は有線通信経路を介して各種のデータを装置間で送受信することが可能である。無線中継機20及び無線親機30では通信回路65にIoT向け低電力無線モジュールなどが用いられる。そして、無線中継機20では、無線通信部21が通信回路65の動作を制御して、無線子機10,10’から受信したパケットD1を無線親機30に転送することができる。無線親機30では、無線通信部31が通信回路65の動作を制御して、無線中継機20から送信されたパケットD1を受信する。また、無線親機30は、通信回路65を通じて監視端末40にデータを送信することができる。監視端末40では、不図示の無線通信部が通信回路65の動作を制御して、無線親機30から送信されたデータを受信する。
ユーザインターフェース装置66には、例えば、液晶ディスプレイモニタ、タッチパネル装置、マウス、キーボード等が用いられる。作業者は、ユーザインターフェース装置66に表示されたデータを確認し、ユーザインターフェース装置66を通じて各種のコマンドを入力することが可能である。ユーザインターフェース装置66は、主に監視端末40に設けられる。無線中継機20、無線親機30には、ユーザインターフェース装置66が設けられなくてもよい。
なお、計算機60が無線親機30及び監視端末40に実装される場合には、各部に対し有線の電源から電力を供給することが可能であるが、その電源の記載は省略する。また、無線中継機20に対する外部電源からの電力供給がない場合に、無線中継機20も内蔵電池を備えてもよい。
[無線子機の処理]
次に、無線子機10で実行される処理の例について、図5を参照して説明する。
図5は、無線子機10で実行される処理の例を示すフローチャートである。無線子機10で実行される処理と同様である無線子機10’で実行される処理の詳細な説明は省略する。
無線子機10は、所定のタイミングが到来したか監視している(S11)。所定のタイミングが到来しなければ(S11:NO)、無線子機10は、所定のタイミングの到来を監視し続ける。
所定のタイミングが到来すると(S11:YES)、無線子機10は、電源部14から熱画像取得部11に電力を供給し、熱画像カメラ55を起動する(S12)。所定のタイミングは、一定の周期でもよいし、あるいは不定でもよい。さらには、無線中継機20を介して無線子機10に伝えられる無線親機30からの指示に従って、無線子機10が所定のタイミングを設定してもよい。
熱画像取得部11は、熱画像カメラ55により点検対象物2の熱画像を撮影する(S13)。熱画像取得部11により撮影された熱画像は、解析部12へ入力される(S14)。
解析部12は、熱画像取得部11から入力された熱画像を解析し、熱画像の特徴を表すデータ(特徴量)を解析結果として抽出する(S15)。この熱画像の特徴量を抽出する方法については図7〜図10を用いて詳述する。そして、解析部12は、解析結果を無線通信部13へ送信する(S16)。
無線通信部13は、解析部12から受信した解析結果に基づいてパケットD1を生成し、無線中継機20へ送信する(S17)。ステップS17の処理後、ステップS11の判定処理に移行し、無線子機10は再び所定のタイミングの到来を監視する。
[無線中継機及び無線親機の処理]
次に、無線中継機20及び無線親機30で実行される処理の例について、図6を参照して説明する。
図6は、無線中継機20で実行される処理の例と、無線親機30で実行される処理の例とを示すフローチャートである。
無線中継機20は、無線通信部21により無線子機10から解析結果を含むパケットD1を受信すると(S21)、その解析結果を含むパケットD1を無線親機30へ転送する(S22)。無線子機10から送信されたパケットD1は、途中で他の装置を経由した場合でも、ヘッダに含まれるネットワークアドレス又は識別情報に従って無線親機30へ到達する。
無線親機30は、無線通信部31により、無線中継機20を介して無線子機10からの解析結果を含むパケットD1を受信すると(S31)、そのパケットD1から解析結果を取り出して、データ化する(S32)。データ化とは、パケットD1を収集した時刻の時刻情報と解析結果とを対応付けてデータ格納部32に格納することにより、時系列データとしてデータ格納部32に登録することである。
その後、無線親機30は、データ公開部33により監視端末40からの要求に応じて時系列データ(解析結果の一例)を送信し、監視端末40が解析結果から点検対象物A2の状態を判定して公開する(S33)。監視端末40には、要求に応じて公開された時系列データが、ユーザインターフェース装置66にて所定のユーザインターフェースで表示される。
[特徴量抽出方法の例]
次に、図5のステップS15における、特徴量抽出部15による熱画像の特徴量を抽出する方法の例を説明する。
(第1の特徴量抽出方法)
図7は、特徴量抽出部15による第1の特徴量抽出方法の例を示す。
熱画像カメラ55(図3参照)は、作業者が接触できない物体の温度を計測する目的で使用されるものであるため、通常は点検対象物A2(設備)から一定距離離れた位置に設置される。したがって、熱画像カメラ55から得られた熱画像には、点検対象物A2以外の部分も多く含まれる場合がある。設備の異常な過熱を検知することを目的とする場合には、得られた熱画像のうち温度に関する情報として最高温度点の値が分かれば、作業者は設備の異常判定を行うことができる。熱画像は多数の温度データの集まりである。そのため、第1の特徴量抽出方法では、多数ある温度データ(すなわち熱画像を構成する画素)のうち、最高温度点の値のみを無線通信部13へ送る。
図7に示す例の場合、特徴量抽出部15は、熱画像Imの特徴量として、熱画像Imの最高温度点P1の値を抽出する。そして、解析部12は、最高温度点P1の値を熱画像Imの解析結果として無線通信部13へ送る。無線親機30は、無線中継機20を介して無線子機10から熱画像Imの解析結果(最高温度点P1の値)を受信して蓄積することができる。
なお、上述した本例では、撮影された熱画像の最高温度点の値を抽出する構成としたが、最高温度点の値に加えて、他の1つ以上の温度点(例えば2番目に高い温度点)の値を抽出するようにしてもよい。
(第2の特徴量抽出方法)
図8は、特徴量抽出部15による第2の特徴量抽出方法の例を示す。
第2の特徴量抽出方法では、熱画像カメラ55で撮影した熱画像のうち予め測定したい領域を無線子機10に設定しておく。特徴量抽出部15は、熱画像のうち予め測定したい領域の情報のみを無線通信部13へ送る。
図8に示す例の場合、特徴量抽出部15は、熱画像Imの特徴量として、熱画像Imのうち指定領域A1の情報(温度データ)と指定領域A2の情報(温度データ)とを抽出する。そして、解析部12は、指定領域A1の情報(温度データ)と指定領域A2の情報(温度データ)とを、熱画像Imの解析結果として無線通信部13へ送る。無線親機30は、無線中継機20を介して無線子機10から熱画像Imの解析結果(指定領域A1,A2の情報)を受信して蓄積することができる。
これにより、無線親機30へ熱画像Im全体を送ることなく、過熱が予想される範囲(例えば指定領域A1,A2)のみを効率的に無線親機30に蓄積することができる。そして、監視端末40を使用する作業者は、熱画像カメラ55から得られた熱画像の一部の領域の情報に基づいて、設備の異常判定を行うことができる。本例は、熱画像カメラ55で撮影した範囲のうち、点検対象物A2が過熱すると予想される領域が複数存在する場合、又は過熱すると予想される領域(例えば面積又は外径)が所定の大きさを超えると予想される場合に有効な方法である。
なお、上述した本例では、撮影された熱画像の指定領域の情報として各画素の温度データ、すなわち当該指定領域の温度分布を表す画像(熱画像の一部)を抽出するようにしているが、これに限定されない。例えば、指定領域を構成している各画素の温度データと、該当画素の位置情報とを抽出するようにしてもよい。点検対象物A2上の位置と、熱画像の各画素の位置との関係を予め対応づけて補助記憶装置53に設定しておくことで、対象画素の位置情報から対象画素が点検対象物A2のどの部分に該当するかがわかる。このようにした場合、指定領域内の各画素の温度データと位置情報とから、点検対象物A2の状態についてさらに詳細な分析を行うことができる。
(第3の特徴量抽出方法)
図9は、特徴量抽出部15による第3の特徴量抽出方法の例を示す。
第3の特徴量抽出方法では、予め無線子機10に温度データの値に対するしきい値を設定しておく。特徴量抽出部15は、熱画像カメラ55で撮影した熱画像のうち、しきい値を超過している温度データの数を無線通信部13へ送る。
図9に示す例の場合、特徴量抽出部15は、熱画像Imの特徴量として、熱画像Imのうちしきい値を超過した温度データの数(図9では「しきい値超過点P2の数」と表記)を抽出する。そして、解析部12は、しきい値超過点P2の数を、熱画像Imの解析結果として無線通信部13へ送る。無線親機30は、無線中継機20を介して無線子機10から熱画像Imの解析結果(しきい値超過点P2の数)を受信して蓄積することができる。
これにより、無線親機30へ熱画像Im全体を送ることなく、しきい値を超過した温度データの数(しきい値超過点P2の数)を無線親機30に蓄積することができる。そして、監視端末40を使用する作業者は、熱画像カメラ55から得られた熱画像Imのうちしきい値を超過している温度データの数の時系列変化を見ることができるため、設備の過熱の進行具合を把握することができる。
なお、上述した本例では、撮影された熱画像のうちしきい値を超過した温度データの数を抽出するようにしたが、温度データがしきい値を超過した箇所(画素)の位置情報のみを無線通信部13へ送るようにしてもよい。熱画像のどの画素でしきい値を超過したかを示す位置情報は、設備の異常判定を行う上で有用な情報となり得る。
(第4の特徴量抽出方法)
図10は、特徴量抽出部15による第4の特徴量抽出方法の例を示す。
第4の特徴量抽出方法では、過熱が発生していない状態(正常運転時)の点検対象物A2の熱画像(参照温度データ)を予め学習しておき、学習済み熱画像Imaを無線子機10の補助記憶装置53に記憶しておく。そして、図10に示すように、特徴量抽出部15は、撮影した熱画像Imbの特徴量として、当該熱画像Imbを、過熱が発生していない状態の点検対象物A2の熱画像から学習した学習済み熱画像Imaと比較して、撮影した熱画像Imbと学習済み熱画像Imaとの差分を評価し、その結果(差分評価値MSE)を無線通信部13へ送る。差分評価値MSEが大きくなるほど、点検対象物A2の点検時の温度が予め学習した正常運転時の温度と相違することを示すため、設備の異常判定を行うことができる。
差分評価の方法は、一例として下記式(1)に示す平均二乗誤差(Mean Squared Error)を用いて行う。ここで、Mは熱画像の縦方向のピクセル数、M´は熱画像の横方向のピクセル数、a(i,j)は学習済み熱画像Imaの画素(i,j)における温度値、b(i,j)は熱画像Imbの画素(i,j)における温度値を示す。
ただし、本例のポイントは、無線子機10において撮影で得られた熱画像Imbを学習済みの熱画像Imaと差分評価を行うことにあり、差分評価の具体的方法は問わない。解析部12が差分評価等の解析処理を実行するときの消費電力は、無線通信部13のデータ送信時の消費電力と比べれば微々たるものである。
上述した第1〜第3の特徴量抽出方法は、熱画像の特徴的な部分の情報を抽出する構成であり、第4の特徴量抽出方法は、熱画像全体の温度データから特徴量を算出する構成である。これら第1の特徴量抽出方法から第4の特徴量抽出方法において、特徴量抽出部15から無線通信部13へ送信する熱画像の特徴量のデータサイズの小さい順番は、第1の特徴量抽出方法、第3の特徴量抽出方法、第4の特徴量抽出方法、そして第2の特徴量抽出方法の順である。
第1の特徴量抽出方法が、最も簡素な方法かつ出力するデータサイズが最も小さい。
第4の特徴量抽出方法は、予め学習した熱画像を利用するため、環境や気候等の変動を反映できるという点で好適である。環境や気候等の情報は、温度センサ17(後述する図11参照)や湿度センサから取得できる。
また、本実施の形態では、上述した第1の特徴量抽出方法から第4の特徴量抽出方法を適宜組み合わせてもよい。例えば第1の特徴量抽出方法と第2の特徴量抽出方法の組み合わせ、第2の特徴量抽出方法と第4の特徴量抽出方法の組み合わせ、又は第2の特徴量抽出方法と第3の特徴量抽出方法の組み合わせなどが考えられる。
以上説明した第1の実施の形態に係る自動点検システム1では、熱画像カメラ55で撮影した熱画像全体のデータを無線子機10から無線親機30へ送信するのではなく、そのごく一部である特徴量だけを解析結果として含むパケットD1を無線親機30へ送信する。このため、無線子機10から無線親機30へ送信する解析結果を含むパケットD1のデータサイズを、熱画像全体のデータサイズよりも低減できる。
また、無線子機10は、間欠駆動するとともに、解析結果を含む最低限のサイズのパケットD1を送信するため、無線子機10の消費電力を低減することができる。したがって、無線子機10は、点検対象物A2の状態を表す情報を一回送信するのに要する電力エネルギーを少なくし、内蔵電池58の電力消費(消耗)を抑制することができる。この結果、無線子機10の内蔵電池58の寿命が長くなるので、無線子機10の内蔵電池58の交換頻度を少なくすることができる。それゆえ、長期間にわたって点検対象物A2を監視することができる。また、本実施の形態に係る自動点検システム1では、電池交換の頻度を減少できるため、自動点検システム1の運用コストを低減するだけではなく、自動点検システム1の使い勝手を向上することも可能となる。
また、無線子機10は、長期間にわたって点検対象物A2から取得した熱画像から抽出した特徴量を無線親機30に向けて送信する。そして、無線親機30は、無線子機10が取得した熱画像の特徴量を管理し、異常を検出した際には、監視端末40に対して、点検対象物A2に異常が発生したことを通知する。このため、監視端末40を使用する作業者は、点検対象物A2の状態を遠隔監視することができるため、点検対象物A2まで近づいて温度を点検する機会を減らすことができる。このため、点検対象物A2を備えるプラントの運用コストを低減するだけではなく、自動点検システム1の使い勝手を向上することも可能となる。
なお、無線子機10の通信可能距離の範囲内に無線親機30があれば、自動点検システム1に無線中継機20を設けず、無線子機10が無線親機30と直接通信するように構成してもよい。
<第2の実施の形態>
次に、本発明の第2の実施の形態に係る自動点検システムの構成例及び動作例について、図11を参照して説明する。第2の実施の形態は、第1の実施の形態における第4の特徴量抽出方法で使用する学習済み熱画像(いわゆる学習データ)を、点検対象物A2の環境温度に応じて選択(取得)する方法の例である。
図11は、第2の実施の形態に係る自動点検システム1Aの全体構成例を示すブロック図である。本実施の形態では、解析部12が、特徴量抽出部15と選択部16を備える。なお、無線子機10に発電部14Aを設けることにより、電源部14の内蔵電池58の消耗を抑制することを可能としている。電源部14Aを、第1の実施形態及び後述する第3の実施形態にも適用することができる。
図11に示す解析部12は、選択部16と特徴量抽出部15を備える。選択部16は、温度センサ17で測定された環境温度と予め用意された学習済み熱画像の学習条件の温度とを比較し、比較結果に基づいて、熱画像取得部11で撮影された熱画像と比較すべき学習済み熱画像を選択する。そして、選択部16は、選択した学習済み熱画像を特徴量抽出部15へ送る。温度センサ17は、点検対象物A2の周辺又は無線子機10に設置され、測定した温度(環境温度)に応じたデジタル信号を選択部16に出力する。
特徴量抽出部15は、熱画像取得部11で撮影された熱画像を、選択部16で選択された学習済み熱画像と比較し、熱画像の特徴量(解析結果)として、撮影された熱画像と学習済み熱画像との差分評価値を出力する。
[学習済み熱画像の選択方法の例]
以下、選択部16による学習済み熱画像を選択する方法の例を説明する。
(第1の選択方法)
図12は、選択部16による学習済み熱画像の第1の選択方法の例を示す説明図である。第1の選択方法では、予め複数の学習条件で学習した学習済み熱画像を用意しておき、学習条件が温度センサ17で測定された環境温度にもっとも近い学習済み熱画像を選択する。
例えば図12に示すように、予め補助記憶装置53(図3参照)に、学習条件としての環境温度が“10℃”のときの学習済み熱画像Ima(1)、学習条件“20℃”の学習済み熱画像Ima(2)、及び学習条件“30℃”の学習済み熱画像Ima(3)を記憶しておく。ここで、温度センサ17で測定された環境温度が14℃の場合、選択部16は、学習条件“10℃”の学習済み熱画像Ima(1)を選択し、特徴量抽出部15へ通知する。
特徴量抽出部15は、撮影された熱画像Imb(図10参照)を補助記憶装置53内の学習済み熱画像Ima(1)と比較し、熱画像Imbの特徴量(解析結果)を得る。
(第2の選択方法)
図13は、選択部16による学習済み熱画像の第2の選択方法の例を示す説明図である。第2の選択方法では、予め用意された学習済み熱画像に補間処理を行い、目的の環境温度の学習済み熱画像(図中「仮想学習済み熱画像」と表記)を作成する。学習済み熱画像を元に作成される仮想学習済み熱画像は、学習済み熱画像の一種である。
例えば図13に示すように、予め補助記憶装置53(図3参照)に、学習条件“10℃”の学習済み熱画像Ima(1)、学習条件“20℃”の学習済み熱画像Ima(2)、及び学習条件“30℃”の学習済み熱画像Ima(3)を記憶しておく。ここで、温度センサ17で測定された環境温度が14℃の場合、選択部16は、学習条件“10℃”の学習済み熱画像Ima(1)と学習条件“20℃”の学習済み熱画像Ima(2)とを用いて補間処理(例えば線形補間)を行い、目的の環境温度14℃の仮想学習済み熱画像Imvを算出する。
特徴量抽出部15は、撮影された熱画像Imb(図10参照)を目的の環境温度14℃の仮想学習済み熱画像Imvと比較し、熱画像Imbの特徴量(解析結果)を得る。
(第3の選択方法)
図14は、選択部16による学習済み熱画像の第3の選択方法の例を示す説明図である。
環境温度上昇に対する設備の温度上昇幅は、環境温度の高低にかかわらずほぼ一定である。例えば環境温度が20℃から30℃に上昇(上昇幅10℃)するとき、環境温度の変化を受けて設備の温度も60℃から70度へ上昇(上昇幅10℃)するというように、互いの温度が同じように変化する。そこで、第3の選択方法では、一つの学習済み熱画像とそのときの環境温度に基づいて、仮想学習済み熱画像を作成する。
例えば図14に示すように、予め補助記憶装置53(図3参照)に、学習条件“10℃”の学習済み熱画像Ima(1)を記憶しておく。ここで、温度センサ17で測定された環境温度が14℃の場合、選択部16は、学習条件“10℃”と環境温度“14℃”との差分“+4℃”に基づいて、学習済み熱画像Ima(1)に補正情報を適用し、目的の環境温度14℃の仮想学習済み熱画像Imvを算出する。補正情報は、学習済み熱画像Ima(1)の各温度データの値をどの程度補正するかを表す情報であり、例えば学習条件と環境温度との差分1℃あたりの、学習済み熱画像Ima(1)を構成する各温度データの値の変化量である。
環境温度が学習条件と異なる場合における環境温度に対する学習済み熱画像の精度は、第2の選択方法による仮想学習済み画像がもっとも高く、次に第3の選択方法による仮想学習済み画像、最後に第1の選択方法で選択される学習済み画像となる。
上述したとおり、図11に示す無線子機10Aは、発電部14Aをさらに備えている。発電部14Aは、例えば、太陽光や室内光を電気エネルギー(電力)に変換する発電装置である。発電部14Aで発電された電力は、電源部14に供給される。
電源部14は、発電部14Aから供給された電力と、内蔵電池58から取り出した電力の両方を、熱画像取得部11、解析部12及び無線通信部13へ電力を供給(給電)することができる。内蔵電池58を充電可能な二次電池として構成することで、電源部14は、発電部14Aで発電された電力で内蔵電池58を充電してもよい。また、発電部14Aからの電力だけでは足りない場合に、電源部14は、無線子機10内の各部に内蔵電池58からの電力を供給する構成でもよい。発電部14Aの発電方式は問わない。例えば、発電部14Aは、圧電振動子等を含んで構成されており、点検対象物A2が発する音波による振動、又は点検対象物A2から生じる振動を電気エネルギーに変換して発電する装置でもよい。
第2の実施の形態に係る自動点検システム1Aにおいても、第1の実施の形態に係る自動点検システム1と同様の作用効果を奏する。さらに第2の実施の形態に係る自動点検システム1Aでは、無線子機10が発電部14Aを備えているため、内蔵電池58の交換頻度を、第1の実施の形態に係る無線子機10の内蔵電池58よりも低減することができる。
上記のとおり発電部14Aはいわゆる環境発電を行う装置である。本実施形態では、無線子機10の消費電力(特にデータ送信に係る消費電力)を低減できるために、発電部14Aの発電量が小さくても、無線子機10において電力不足が発生する可能性を低く抑えられる。発電部14Aの発電量で無線子機10の電力を賄うことができれば、内蔵電池58の交換、又は内蔵電池55自体が不要になる。
<第3の実施の形態>
[マルチホップネットワークの第1の構成例(シングルマネージャ)]
図15は、第1の実施の形態に係る自動点検システム1のマルチホップネットワークの第1の構成例(シングルマネージャ)を示す図である。
図1に示したように、自動点検システム1は、複数の無線子機10,10’、無線中継機20で構成される。通常、無線子機10,10’がパケットD1を最初に送信する宛先である無線中継機20は予め決まっている。しかし、無線子機10,10’が設置される環境は、様々な形状の設備が配置されるプラント内であることが多い。このため、無線子機10,10’が設置された後に、新たに設備6が設置されると無線子機10,10’から無線中継機20にパケットD1を送信できなくなってしまう。
ここで、自動点検システム1が構成する第1の構成例に係るマルチホップネットワークについて説明する。マルチホップネットワークでは、複数の無線子機10,10’がパケットD1を転送することが可能となる。複数の無線子機10,10’を識別するため、(1)〜(4)の符号を付した無線子機10(1)〜10(4)がマルチホップネットワークに設けられた例を示す。また、複数の無線中継機20を識別するため、(1),(2)の符号を付した無線中継機20(1),20(2)がマルチホップネットワークに設けられた例を示す。
無線子機10(1)は、点検対象物A2から熱画像を取得し、無線子機10(2)は、点検対象物B3から熱画像を取得する。そして、無線子機10(3),10(4)は、それぞれ点検対象物C4の異なる場所から熱画像を取得する。例えば、図11の左側に示す無線中継機20(1)には、2台の無線子機10(1),10(2)からパケットD1が送信される。また、図11の右側に示す無線中継機20(2)にも、2台の無線子機10(3),10(4)からパケットD1が送信されていたとする。
しかし、図11の右側に示す無線中継機20(2)と、2台の無線子機10(3),10(4)との間に設備6が設置されたことにより、無線中継機20(2)と、2台の無線子機10(3),10(4)とが直接通信できなかったとする。このように、複数の無線子機10(1)〜10(4)のうち、無線子機10(3),10(4)は、無線中継機20(2)に対してパケットD1を送信できないことを検出した場合に、他の無線中継機20(1)にデータを送信可能である他の無線子機10(2)に対して、パケットD1の転送を依頼する。
そこで、無線中継機20(2)にパケットD1を送信できない無線子機10(3),10(4)は、他の無線中継機20(1)にパケットD1を送信できる無線子機10(1),10(2)を探索する。そして、無線中継機20(2)にパケットD1を送信できない無線子機10(3),10(4)は、パケットD1を送信できる無線子機10(2)までパケットD1を転送する。この時、無線子機10(3)は、自身のパケットD1を無線子機10(2)に送信し、さらに無線子機10(4)から送信されたパケットD1を無線子機10(2)に転送する。
そして、他の無線子機10(2)は、無線子機10(3),10(4)から送信されたパケットD1を無線中継機20(1)に転送する。つまり、無線子機10(2)は、自身のパケットD1を無線中継機20(1)に送信するとともに、無線子機10(3)から送信又は転送されたパケットD1についても無線中継機20(1)に送信する。このように自動点検システム1がマルチホップネットワークを構成することにより、全ての無線子機10(1)〜10(4)が無線中継機20(1)を介して無線親機30までパケットD1を送信することができる。
なお、無線子機10(2),10(3)が長期間にわたってパケットD1の転送を続けると、無線子機10(2),10(3)の内蔵電池58の消費電力が他の無線子機10(1),10(4)よりも多くなってしまう。このため、他の無線子機10(3),10(4)から送信されたパケットD1の転送を開始した無線子機10(2)の存在が無線親機30(1)を通じて監視端末40に通知されてもよい。この通知により、作業者は、無線子機10(3),10(4)と無線中継機20(2)とが無線通信できていない状況を知ることができる。そして、作業者は、無線中継機20(2)と通信可能な位置に無線子機10(3),10(4)を移動させたり、設備6を移動させたりする等の措置をとることができる。
監視端末40は、外部のインターネットを介して、点検対象物A2が設置されたプラントから離れた場所で点検対象物A2の状態を監視することが可能である。
[マルチホップネットワークの第2の構成例(マルチマネージャ)]
次に、自動点検システム1が構成する第2の構成例に係るマルチホップネットワークについて説明する。
図16は、第3の実施の形態に係る自動点検システム1のマルチホップネットワークの第2の構成例(マルチマネージャ)を示す図である。
自動点検システム1は、無線中継機20を備えない形態でマルチホップネットワークを構成することができる。複数の無線親機30を識別するため、(1),(2)の符号を付した無線親機30(1),30(2)がマルチホップネットワークに設けられた例を示す。つまり、このマルチホップネットワークでは、図15に示した無線中継機20(1),20(2)が、2台の無線親機30(1),30(2)に置き換えて構成される。そして、無線親機30(1),30(2)は、インターネット等からなる通信網を経由して監視端末40に接続される。
マルチホップネットワークでは、複数の無線子機10,10’がパケットD1を転送することが可能となる。例えば、図16の左側に示す無線親機30(1)には、2台の無線子機10(1),10(2)からパケットD1が送信される。また、図16の右側に示す無線親機30(2)にも、2台の無線子機10(3),10(4)からパケットD1が送信されていたとする。
しかし、図16の右側に示す無線親機30(2)と、2台の無線子機10(3),10(4)との間に設備6が設置されたことにより、無線親機30(2)と、2台の無線子機10(3),10(4)とが直接通信できなかったとする。このように、複数の無線子機10(1)〜10(4)のうち、無線子機10(3),10(4)は、無線親機30(2)に対してパケットD1を送信できないことを検出した場合に、他の無線親機30(1)にデータを送信可能である他の無線子機10(2)に対して、パケットD1の転送を依頼する。
そこで、無線親機30(2)にパケットD1を送信できない無線子機10(3),10(4)は、他の無線親機30(1)にパケットD1を送信できる無線子機10(1),10(2)を探索する。そして、無線親機30(2)にパケットD1を送信できない無線子機10(3),10(4)は、パケットD1を送信できる無線子機10(2)までパケットD1を転送する。この時、無線子機10(3)は、自身のパケットD1を無線子機10(2)に送信し、さらに無線子機10(4)から送信されたパケットD1を無線子機10(2)に転送する。
そして、他の無線子機10(2)は、無線子機10(3),10(4)から送信されたパケットD1を無線親機30(1)に転送する。つまり、無線子機10(2)は、自身のパケットD1を無線親機30(1)に送信するとともに、無線子機10(3)から送信又は転送されたパケットD1についても無線親機30(1)に送信する。このように自動点検システム1がマルチホップネットワークを構成することにより、全ての無線子機10(1)〜10(4)が無線親機30(1)を介して監視端末40までパケットD1を送信することができる。
なお、無線子機10(2),10(3)が長期間にわたってパケットD1の転送を続けると、無線子機10(2),10(3)の内蔵電池58の消費電力が他の無線子機10(1),10(4)よりも多くなってしまう。このため、他の無線子機10(3),10(4)から送信されたパケットD1の転送を開始した無線子機10(2)の存在が無線親機30(1)を通じて監視端末40に通知されてもよい。この通知により、作業者は、無線子機10(3),10(4)と無線親機30(2)とが無線通信できていない状況を知ることができる。そして、作業者は、無線親機30(2)と通信可能な位置に無線子機10(3),10(4)を移動させたり、設備6を移動させたりする等の措置をとることができる。
[マルチホップネットワークの第3の構成例(マルチマネージャ)]
図16に示したマルチホップネットワークの第2の構成例に係るマルチマネージャ構成では、無線子機10と無線親機30との間に無線中継機20が配置されてもよい。例えば、マルチホップネットワークの第3の構成例では、無線子機10(1),10(2)に無線中継機20(1)(図示略)が接続され、無線子機10(3),10(4)に無線中継機20(2)(図示略)が接続される。そして、無線中継機20(1)と無線親機30(1)が接続され、無線中継機20(2)と無線親機30(2)が接続される。
第3の構成例に係るマルチホップネットワークにおいても、無線子機10(3),10(4)と無線中継機20(2)(図示略)との間に設備6が設置され、無線中継機20(2)と、2台の無線子機10(3),10(4)とが直接通信できない場合、無線子機10(3),10(4)が、他の無線子機10(2)を探索する。そして、無線子機10(4)は、無線子機10(3)にパケットD1を送信する。無線子機10(3)は、無線子機10(3)自体が作成するパケットD1を無線子機10(2)に送信すると共に、無線子機10(4)から受信したパケットD1を無線子機10(2)に転送する。その後、無線子機10(2)が無線中継機20(1)(図示略)にパケットD1を転送することで、無線子機10(3),10(4)のパケットD1は、無線中継機20(1)から無線親機30(1)に送信され、無線親機30(1)から通信網を経て監視端末40に送信される。
このように自動点検システム1が第3の構成例に係るマルチホップネットワークを構成することにより、全ての無線子機10(1)〜10(4)が、無線中継機20(1)、無線親機30(1)を介して監視端末40までパケットD1を送信することができる。なお、長期間にわたってパケットD1の転送が続くことを防ぐため、無線子機10(2),10(3)がパケットD1の転送を開始したことを監視端末40に通知する処理は、第1の構成例に係るマルチホップネットワークと同様である。
なお、本発明は上述した各実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の要旨を逸脱しない限り、その他種々の応用例、変形例を取り得ることは勿論である。本発明の各構成要素は、任意に取捨選択することができ、取捨選択した構成を具備する発明も本発明に含まれる。さらに特許請求の範囲に記載された構成は、特許請求の範囲で明示している組合せ以外にも組み合わせることができ、本発明の目的を達成する範囲内で、実施の形態の構成や処理方法は適宜変更することが可能である。
また、図中の制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
1…自動点検システム、2…点検対象物、10…無線子機、11…熱画像取得部、12…解析部、13…無線通信部、14…電源部、15…特徴量抽出部、20…無線中継機、21…無線通信部、30…無線親機、31…無線通信部、32…データ格納部、33…データ公開部、40…監視端末、58…内蔵電池、A1,A2…領域、Im,Imb…熱画像、Ima,Ima(1)〜Ima(3)…学習済み熱画像、Imv…仮想学習済み熱画像、P1…最高温度点、P2…しきい値超過点

Claims (13)

  1. 無線子機と、無線親機と、を備え、
    前記無線子機は、
    撮影範囲に存在する点検対象物の温度に基づく熱画像を取得する熱画像取得部と、
    前記熱画像取得部が取得した熱画像を解析し、解析結果を出力する解析部と、
    前記無線親機に前記解析結果を含むデータを無線送信する無線通信部と、
    前記熱画像取得部、前記解析部及び前記無線通信部に電力を供給する電源部と、を有し、
    前記無線親機は、前記無線子機から前記データを受信して管理し、前記データに含まれる前記解析結果に基づいた前記点検対象物の状態を示す情報を、前記点検対象物の状態を監視する監視端末に送信する処理を行う
    自動点検システム。
  2. 前記解析部は、前記解析結果として前記熱画像の特徴を表す特徴量を出力する
    請求項1に記載の自動点検システム。
  3. 前記解析部は、前記熱画像の前記特徴量として、前記熱画像から最も高い温度の値を出力する
    請求項2に記載の自動点検システム。
  4. 前記解析部は、前記熱画像の前記特徴量として、前記熱画像の予め設定された指定領域の温度データを出力する
    請求項2に記載の自動点検システム。
  5. 前記解析部は、前記熱画像の前記特徴量として、前記熱画像のうち閾値を超過した温度データの数を出力する
    請求項2に記載の自動点検システム。
  6. 前記解析部は、前記熱画像の前記特徴量として、前記熱画像取得部で撮影された熱画像を、過熱が発生していない状態の前記点検対象物の熱画像から学習した学習済み熱画像と比較し、撮影された前記熱画像と前記学習済み熱画像との差分評価値を出力する
    請求項2に記載の自動点検システム。
  7. 前記解析部は、環境温度と前記学習済み熱画像の学習条件の温度とを比較し、比較結果に基づいて、前記熱画像取得部で撮影された前記熱画像と比較すべき前記学習済み熱画像を取得する
    請求項6に記載の自動点検システム。
  8. 複数の前記無線子機に対して前記解析結果を含むデータの送信順を指示する前記無線親機と前記無線子機との間に配置され、前記送信順に従って前記無線子機から受信した前記データを前記無線親機に無線送信する無線中継機、を備える
    請求項1に記載の自動点検システム。
  9. 複数の前記無線子機のうち、一の前記無線子機は、一の前記無線中継機に前記解析結果を含むデータを送信できないことを検出した場合に、他の前記無線中継機にデータを送信可能である他の前記無線子機に対して、前記解析結果を含むデータの転送を依頼し、
    他の前記無線子機は、一の前記無線子機から送信された前記解析結果を含むデータを一の前記無線中継機に転送する
    請求項8に記載の自動点検システム。
  10. 複数の前記無線子機のうち、一の前記無線子機は、一の前記無線親機に前記解析結果を含むデータを送信できないことを検出した場合に、前記無線親機にデータを送信可能である他の前記無線子機に対して、前記解析結果を含むデータの転送を依頼し、
    他の前記無線子機は、一の前記無線子機から送信された前記解析結果を含むデータを前記無線親機に転送する
    請求項1に記載の自動点検システム。
  11. 前記無線子機は、内蔵電池、を有し、
    前記電源部は、前記内蔵電池の電力を前記熱画像取得部、前記解析部及び前記無線通信部へ供給するように制御する
    請求項1乃至9のいずれか一項に記載の自動点検システム。
  12. 前記無線子機は、環境発電を行う発電部を備え、
    前記電源部は、前記発電部が発電した電力を前記熱画像取得部、前記解析部及び前記無線通信部に供給し、又は前記無線子機の前記内蔵電池を充電する
    請求項11に記載の自動点検システム。
  13. 撮影範囲に存在する点検対象物の温度に基づく熱画像を取得する熱画像取得部と、
    前記熱画像取得部が取得した熱画像を解析し、解析結果を出力する解析部と、
    前記解析結果を含むデータを受信して管理する無線親機であって、前記データに含まれる前記解析結果に基づいた前記点検対象物の状態を示す情報を、前記点検対象物の状態を監視する監視端末に送信する処理を行う前記無線親機に対して、前記解析結果を含むデータを無線送信する無線通信部と、
    前記熱画像取得部、前記解析部及び前記無線通信部に電力を供給する電源部と、を備える
    無線子機。
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