JP2020201170A - 構造物判定システム - Google Patents

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【課題】 適切に橋梁等の建築物の状態を判定する。【解決手段】 サーバ10は、構造物の状態を判定する構造物判定システムであって、構造物の2つの部分間における相対的な変動を示す変動情報を、複数の部分の組み合わせについて取得する変動情報取得部11と、所定の部分の組み合わせの相対的な変動を、変動情報取得部11によって取得された変動情報によって示される当該所定の部分以外の組み合わせの相対的な変動に基づいて予測する予測部12と、予測部12によって予測された所定の部分間の組み合わせの相対的な変動と、変動情報取得部11によって取得された変動情報によって示される当該所定の部分の組み合わせの相対的な変動とを比較して、構造物の状態を判定する判定部13と、を備える。【選択図】 図1

Description

本発明は、構造物の状態を判定する構造物判定システムに関する。
従来から、橋梁の画像を解析することにより、橋梁の複数の箇所における振動を特定して、橋梁の劣化の進行を把握することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2017−207339号公報
構造物は、通常、複数の構造部材を含んで構成されている。例えば、橋梁でいうと、上部構造である桁、下部構造である橋台、及びそれらをつなぐ構造部材である支承部を含んでいる。このような構造物に対しては、単に複数の箇所における振動を用いるだけでは、必ずしも、劣化の進行等の構造物の状態を適切に推定することはできない。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、適切に橋梁等の建築物の状態を判定することができる構造物判定システムを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明に係る構造物判定システムは、構造物の状態を判定する構造物判定システムであって、構造物の2つの部分間における相対的な変動を示す変動情報を、複数の部分の組み合わせについて取得する変動情報取得部と、所定の部分の組み合わせの相対的な変動を、変動情報取得部によって取得された変動情報によって示される当該所定の部分以外の組み合わせの相対的な変動に基づいて予測する予測部と、予測部によって予測された所定の部分間の組み合わせの相対的な変動と、変動情報取得部によって取得された変動情報によって示される当該所定の部分の組み合わせの相対的な変動とを比較して、構造物の状態を判定する判定部と、を備える。
本発明に係る構造物判定システムでは、構造物の複数の部分間の組み合わせにおける相対的な変動が適切に用いられて構造物の状態が判定される。従って、本発明に係る構造物判定システムによれば、適切に橋梁等の建築物の状態を判定することができる。
本発明によれば、適切に橋梁等の建築物の状態を判定することができる。
本発明の実施形態に係る構造物判定システムであるサーバの構成を示す図である。 構造物の判定に用いられる画像の例を示す図である。 画像から算出される変位量の値を示すテーブルである。 構造物の判定に用いられるテンソルを示す図である。 テンソルのデータのイメージを示すグラフである。 本発明の実施形態に係る構造物判定システムであるサーバで実行される処理を示すフローチャートである。 変形例を説明するための図である。 本発明の実施形態に係る構造物判定システムであるサーバのハードウェア構成を示す図である。
以下、図面と共に本発明に係る構造物判定システムの実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明においては同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
図1に本実施形態に係る構造物判定システムであるサーバ10を示す。サーバ10は、構造物の状態を判定するシステムである。判定対象となる構造物は、例えば、図1に示すような橋梁30である。但し、判定対象となる構造物は、橋梁30に限られず、建物等の任意の構造物であってもよい。本実施形態では、橋梁30の部分のうち、特に上部構造である桁31と下部構造である橋台32とをつなぐ構造部材である支承部33及びその周辺の部分を判定対象とする。判定対象は、水平移動及び回転が可能な可動支承である支承部33としてもよい。但し、これ以外を判定対象としてもよい。判定される構造物(の部分)の状態は、例えば、構造物に異常が生じている(例えば、劣化が生じている)か否かである。サーバ10は、構造物の箇所毎に状態を判定してもよい。サーバ10による判定の結果は、例えば、構造物の補強又は改修等の判断に用いられる。
サーバ10は、例えば、サーバ装置によって実現される。また、サーバ10は、複数のサーバ装置、即ち、コンピュータシステムによって実現されてもよい。サーバ10は、通信機能を有しており、他の装置との間で情報の送受信を行うことができる。
サーバ10は、カメラ20で撮像された動画像を用いて構造物の状態を判定する。カメラ20は、判定対象の構造物(の部分)を撮像して、構造物の動画像を取得する撮像装置である。カメラ20は、予め構造物(の部分)を撮像できる位置に固定的に設置される。カメラ20としては、構造物の状態の判定に用いることが可能な程度の解像度で撮像を行うことが可能な周知のカメラを用いることができる。図1に示されるように、判定を行う構造物の部分毎に複数のカメラ20が設けられてもよい。なお、以下の説明する判定は、カメラ20(によって撮像された動画像)毎に行われる。サーバ10とカメラ20とは、互いに情報の送受信を行うことができる。カメラ20は、予め設定されたフレームレート(fps)で建築物を撮像して、撮像した動画像をサーバ10に送信する。
図1に示すようにサーバ10は、機能的には、変動情報取得部11と、予測部12と、判定部13とを備えて構成される。
変動情報取得部11は、構造物の2つの部分間における相対的な変動を示す変動情報を、複数の部分の組み合わせについて取得する機能部である。変動情報取得部11は、構造物を撮像した動画像を取得し、取得した動画像に基づいて相対的な変動を算出して変動情報を取得してもよい。
サーバ10による構造物の状態の判定は、構造物に生じる変動に基づいて行われる。例えば、本実施形態のように判定対象となる構造物が橋梁30である場合、橋梁30の上を自動車等の車両が通過すると、当該車両の通過に応じて橋梁30が振動する。当該振動による橋梁30の部分の変動に基づいて、橋梁30の状態の判定が行われる。
変動情報取得部11は、例えば、以下のように変動情報を取得する。変動情報取得部11は、カメラ20から送信される、構造物を撮像した動画像を受信して取得する。変動情報取得部11は、受信した動画像のうち、設定された時間帯の部分のみを用いて変動情報を取得してもよい。当該時間帯は、例えば、サーバ10の管理者に指定される時間帯であり、橋梁30の上を車両が通過して構造物に振動が生じる時間帯である。変動情報取得部11は、受信した動画像から、従来の技術によってサブピクセル単位での変位を検出して、建築物の複数の部分についての変動(振動)を検出する。変動を検出する部分は、2つの部分の組み合わせを複数構成できるように3つ以上とする。
図2に動画像を構成する画像の例を示す。画像には、変動を検出する部分(計測点)である複数の領域(ROI:Region of Interest)40が予め位置決めされて設定されている。当該領域40は、桁31、支承部33の上沓33a、下沓33b及び底板33c、並びに橋台32のそれぞれの部分に複数、設定されている。図2に示す画像の例では、縦方向であるI軸方向の領域40の位置によって、領域40に写る橋梁30を構成している部材が異なるものとなる。また、横方向であるJ軸方向の領域40の位置によって、領域40に写る同一の部材内の位置が異なるものとなる。なお、底板33c内の下沓33bには、ローラー33dが設けられているが、底板33c内部に位置しているので画像には写らない。変動が検出される複数の領域40は、上記のI軸方向のように異なる部材に跨って設定されてもよいし、上記のJ軸方向のように同一の部材において設定されてもよいし、それらが混在していてもよい。
J軸方向に設けられる領域40の数は、どのI軸方向の位置でも同一であるものとする。後述するテンソルを適切に作成するためである。例えば、より広い範囲に領域40が設けられる画像の下側では、画像の上側と比べて大きい間隔で領域が設けられる。但し、領域40は、上記以外の箇所に設けられてもよい。変動情報取得部11は、予め各領域40の位置を記憶している。
変動情報取得部11は、動画像を構成する各画像の各領域40について基準となる画像からの画像の位置ずれ(変位量)を各部分における変動として算出する。基準となる画像は、例えば、変動を算出する対象となる動画像の最初の画像である。変動情報取得部11は、例えば、変動をI軸方向及びJ軸方向毎の変位量の値として算出する。変位量は、各軸方向の予め設定された方向での変位量とする。従って、予め設定された方向と逆方向に位置ずれしていた場合には、変位量の値はマイナスとなる。
図3に算出した変位量の値のテーブルの例を示す。領域40の位置(i,j)及び各画像に対応する時刻毎にI軸方向の変位量の値(xi,j)及びJ軸方向の変位量の値(yi,j)となる。ここで、i,jは、それぞれ領域40のI軸方向及びJ軸方向のインデックスである。また、変位量の値は、時刻毎の値、即ち、時系列の値である。本実施形態では、I軸方向の領域40の数をI、J軸方向の領域40の数をJ、時間軸であるK方向の変位量の数をKとする。
変動情報取得部11は、算出した時系列の変位量の値(x,y)から、図4に示す、サイズがI×J×Kであると共に各領域40の空間的な維持関係が保持される3階テンソルTを生成する。図5(a)に、時系列データとなるTi,jのイメージ50を示す。Ti,j,kは、図5(a)のグラフにおける1サンプル(1つの時刻に対応する点)に対応する。Ti,j,kは、時刻kにおけるI軸方向(xi,j)及びJ軸方向(yi,j)の変位量の値を含む。
変動情報取得部11は、算出したテンソルTに基づいて、構造物の2つの領域40間における相対的な変動を示す変動情報を算出する。相対的な変動は、本実施形態では、同一の時刻kにおける、2つの位置の領域40におけるI軸方向の変位量の値(xi,j)及びJ軸方向の変位量の値(yi,j)の差分である。変動情報取得部11は、変動情報として、基準となる領域40毎に当該領域40から見た各領域40の変位量の値を示すテンソルT´を算出する。基準となる領域40の位置(i,j)に対して、テンソルT´の要素T´k,i,jは、Ti,j,k−Tir,jr,kとなる。図5(b)に、時系列データとなるT´i,jのイメージ51を示す。変動情報取得部11は、全ての領域40を基準となる領域40とした場合毎にT´を算出する。変動情報取得部11は、基準となる領域40の位置(i,j)の数LのテンソルT´を4階テンソルT´´とする。変動情報取得部11は生成した4階テンソルT´´を予測部12及び判定部13に出力する。
なお、ある領域40から見た別の領域40の変位量と、別の領域40から見たある領域40の変位量とは、変位の方向が逆である同一の値となるため、T´´には何れか一方のみを含むようにしてもよい。
予測部12は、所定の部分の組み合わせの相対的な変動を、変動情報取得部11によって取得された変動情報によって示される当該所定の部分以外の組み合わせの相対的な変動に基づいて予測する機能部である。予測部12は、変動情報によって構成されるテンソルT´´に対するテンソル分解によって、所定の部分間の組み合わせの相対的な変動を予測する。
予測部12は、所定の基準位置(i,j)の所定のT´i,jの値を、それ以外のテンソルT´´の値から予測する。予測部12は、例えば、CP(Canonical Polyadic)分解に基づく重み付き最適化(CP−WOPT(Weighted Optimization))を利用して上記の予測を行う。予測の対象となる基準位置(i,j)、及びT´i,j(のi,j,i,j、即ち、予測の対象となる領域40の位置の組み合わせ)は、予め設定されている。予測部12は、T´´のうち、予測の対象となるT´i,jの要素(構造物の状態の検知の対象とするインデックスの要素)の値を欠損として扱う。予測部12は、T´´の要素のうち、欠損とする要素の値を0としたテンソルTD´´を算出する。
予測部12は、予測の対象となる基準位置(i,j)、及びT´i,jに応じた、テンソルT´´と同じサイズの重みテンソルWを予め記憶している(あるいは、この時点で算出してもよい)。テンソルWは、予測対象となるT´i,jに対応する要素(欠損として扱う要素)の値を0、それ以外の要素(予測に用いる)の値を1としたテンソルである。
予測部12は、以下の式に基づいて予測データを含むテンソルTP´´を算出する(即ち、欠損部分の補完を行う)。
TP´´=W*TD´´+(1−W)*[A(I軸),A(J軸),A(K軸),A(L軸)
上記の式において、*は要素積を示す。1は、Wと同じサイズで全ての要素を1としたテンソルである。A(I軸),A(J軸),A(K軸),A(L軸)のそれぞれは、CP−WOPTで求められる各軸の因子テンソルである。[...]は、因子テンソルのテンソル積から生成されるTD´´と同じサイズのテンソルである。TP´´の予測の対象となる要素に対応する要素の値が予測する値である。
予測部12は、例えば、サーバ10の管理者に指定される基準位置(i,j)、及びT´i,jについて予測してもよい。また、予測部12は、複数の基準位置(i,j)、及びT´i,jの組み合わせについて予測してもよい。その場合、予測部12は、それに応じた複数のTP´´を算出する。また、予測部12は、全ての基準位置(i,j)、及びT´i,jの組み合わせについて予測してもよい。予測部12は、算出したTP´´を判定部13に出力する。
判定部13は、予測部12によって予測された所定の部分間の組み合わせの相対的な変動と、変動情報取得部11によって取得された変動情報によって示される当該所定の部分の組み合わせの相対的な変動とを比較して、構造物の状態を判定する機能部である。判定部13は、例えば、以下のように判定を行う。
判定部13は、変動の実測データであるT´´を変動情報取得部11から入力する。判定部13は、変動の予測データ(補完データ)を含むTP´´を予測部12から入力する。判定部13は、以下の式によって、予測の対象となる領域40の位置の組み合わせの要素について、実測データと予測データとの差Eを算出する。
E=(1−W)*(T´´−TP´´)
判定部13は、Eの全要素を用いたフロベニウスノルムD=||E||を算出する。判定部13は、算出したDの値と予め設定された閾値とを比較して、Dが閾値よりも大きければ、構造物に異常が生じていると判定する。この判定は、構造物に異常が生じていなければ、実測データと予測データとの間に差は生じないとの考え方に基づくものである。
また、判定部13は、領域40の位置の複数の組み合わせに対して上記のEを算出して、位置毎に他の位置との組み合わせについて算出されたDと閾値とを比較してもよい。判定部13は、閾値よりも大きいDの数が、予め設定した一定数よりも大きい場合、その位置に異常が生じていると判定していてもよい。なお、判定部13は、上記以外の方法で判定してもよい。
判定部13は、判定結果を示す情報を出力する。判定部13は、例えば、サーバ10に接続されたクライアント端末に当該情報を送信して表示させる。判定部13による出力は、例えば、ユーザにより参照され、上述したように、建築物の補強又は改修等の判断に用いられる。なお、判定部13による出力は、上記以外の装置に対して、また、上記以外の形態で行われてもよい。以上が、本実施形態に係るサーバ10の構成である。
引き続いて、図6のフローチャートを用いて、本実施形態に係るサーバ10で実行される処理(サーバ10が行う動作方法)を説明する。まず、カメラ20によって撮像された動画像がカメラ20からサーバ10に送信されて、変動情報取得部11によって受信されて取得される(S01)。続いて、変動情報取得部11によって、動画像を構成する画像の部分である複数の領域40について、時系列の変位量が算出される(S02)。続いて、変動情報取得部11によって、領域40間の相対的な変位量に係るテンソルT´´が生成される(S03)。
続いて、予測部12によって、テンソルT´´から、テンソル分解によって予測データを含むテンソルTP´´が算出される(S04)。続いて、判定部13によって、予測データと実測データとの比較が行われる。具体的には、実測データと予測データとの差Eが算出される(S05)。続いて、判定部13によって、差Eに基づいて構造物の状態の判定が行われる(S06)。続いて、判定部13によって、建築物の状態の判定結果を示す情報が出力される(S07)。以上が、本実施形態に係るサーバ10で実行される処理である。
上述したように本実施形態では、構造物の複数の部分間の組み合わせにおける相対的な変動が適切に用いられて構造物の状態が判定される。構造物を構成する部材が、健全であれば所望の機能を果たす動き(例えば、支承部33であれば上部構造の変形を吸収する機能)が発生し、隣接する複数部材の動きには相関がある。構造物の機能を把握するためには、複数の部分間、特に空間的に近い部分同士の相対的な変動が重要である。従って、本実施形態によれば、適切に橋梁等の建築物の状態を判定することができる。
また、本実施形態のようにテンソル分解によって相対的な変動を予測することとしてもよい。この構成によれば、適切かつ確実に予測することができ、適切かつ確実に建築物の状態を判定することができる。但し、本実施形態以外の方法で予測してもよい。
また、本実施形態のように構造物の動画像に基づいて相対的な変動を算出してもよい。この構成によれば、容易かつ確実に変動情報を取得することができ、容易かつ確実に建築物の状態を判定することができる。但し、相対的な変動は動画像に基づいて行われる必要はない。例えば、構造物の複数の部分に変動を検出するセンサ(例えば、変位センサ又はひずみゲージ)を設けておき、センサによって検出された変動を用いて変動情報を算出してもよい。
引き続いて、本実施形態の変形例を説明する。予測部12は、複数のタイミング毎の所定の部分間の組み合わせの相対的な変動を予測すると共に、各複数のタイミングについての予測において当該複数のタイミングの何れか1つのタイミングについて求めた因子テンソルを用いることとしてもよい。例えば、状態の判定対象となる構造物の上を連続的に車両が通過する等して、構造物が周期的に変動(振動)する場合に、予測部12は、当該周期毎に予測することとしてもよい。
予測部12は、上述したテンソルTを図7に示すように時間軸の方向に周期の長さ1/f(fは変動の周波数)に分割して、予測に用いるテンソルTとする。図7(a)に上述したテンソルTを示す。図7(a)において破線で示された一部が分割されたテンソルTの一つである。図7(b)に時系列データとなるTi,jの分割される時間帯を示す。予測部12は、予め周期の長さを示す情報を入力して記憶しており、当該情報に基づいて分割を行う。
予測部12は、分割したテンソルTそれぞれを用いて予測する。予測部12は、分割したテンソルTの何れか1つについては、例えば、最初のテンソルTについては、上記と同様に予測する。予測部12は、予測の際に算出する因子テンソルを記憶しておく。予測部12は、それ以外のテンソルTについては、記憶した因子テンソルを用いて予測する。即ち、予測部12は、予測対象となるテンソルTを1/fずつずらしていき、複数に処理を分割し、因子テンソルについては初回のみに算出したものを移行の予測で利用し続ける。判定部13は、予測部12による予測結果を用いて上記と同様に判定する。このように予測を行うことで、予測部12による予測の計算コストを減少させることができる。
なお、予測の対象となる時間帯(タイミング)は、上記のように同一の長さに分割したものである必要はなく、同一の長さであるものであれば任意に設定されてもよい。
なお、上記実施形態の説明に用いたブロック図は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及びソフトウェアの少なくとも一方の任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現方法は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的又は論理的に結合した1つの装置を用いて実現されてもよいし、物理的又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的又は間接的に(例えば、有線、無線などを用いて)接続し、これら複数の装置を用いて実現されてもよい。機能ブロックは、上記1つの装置又は上記複数の装置にソフトウェアを組み合わせて実現されてもよい。
機能には、判断、決定、判定、計算、算出、処理、導出、調査、探索、確認、受信、送信、出力、アクセス、解決、選択、選定、確立、比較、想定、期待、見做し、報知(broadcasting)、通知(notifying)、通信(communicating)、転送(forwarding)、構成(configuring)、再構成(reconfiguring)、割り当て(allocating、mapping)、割り振り(assigning)などがあるが、これらに限られない。たとえば、送信を機能させる機能ブロック(構成部)は、送信部(transmitting unit)や送信機(transmitter)と呼称される。いずれも、上述したとおり、実現方法は特に限定されない。
例えば、本開示の一実施の形態におけるサーバ10は、本開示の情報処理を行うコンピュータとして機能してもよい。図8は、本開示の一実施の形態に係るサーバ10のハードウェア構成の一例を示す図である。上述のサーバ10は、物理的には、プロセッサ1001、メモリ1002、ストレージ1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006、バス1007などを含むコンピュータ装置として構成されてもよい。
なお、以下の説明では、「装置」という文言は、回路、デバイス、ユニットなどに読み替えることができる。サーバ10のハードウェア構成は、図に示した各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
サーバ10における各機能は、プロセッサ1001、メモリ1002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることによって、プロセッサ1001が演算を行い、通信装置1004による通信を制御したり、メモリ1002及びストレージ1003におけるデータの読み出し及び書き込みの少なくとも一方を制御したりすることによって実現される。
プロセッサ1001は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ1001は、周辺装置とのインターフェース、制御装置、演算装置、レジスタなどを含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)によって構成されてもよい。例えば、上述のサーバ10は、プロセッサ1001によって実現されてもよい。
また、プロセッサ1001は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュール、データなどを、ストレージ1003及び通信装置1004の少なくとも一方からメモリ1002に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、上述の実施の形態において説明した動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。例えば、サーバ10は、メモリ1002に格納され、プロセッサ1001において動作する制御プログラムによって実現されてもよい。上述の各種処理は、1つのプロセッサ1001によって実行される旨を説明してきたが、2以上のプロセッサ1001により同時又は逐次に実行されてもよい。プロセッサ1001は、1以上のチップによって実装されてもよい。なお、プログラムは、電気通信回線を介してネットワークから送信されても良い。
メモリ1002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、RAM(Random Access Memory)などの少なくとも1つによって構成されてもよい。メモリ1002は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)などと呼ばれてもよい。メモリ1002は、本開示の一実施の形態に係る情報処理を実施するために実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールなどを保存することができる。
ストレージ1003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、CD−ROM(Compact Disc ROM)などの光ディスク、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu−ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリ(例えば、カード、スティック、キードライブ)、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップなどの少なくとも1つによって構成されてもよい。ストレージ1003は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。サーバ10が備える記憶媒体は、例えば、メモリ1002及びストレージ1003の少なくとも一方を含むデータベース、サーバその他の適切な媒体であってもよい。
通信装置1004は、有線ネットワーク及び無線ネットワークの少なくとも一方を介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。
入力装置1005は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、センサなど)である。出力装置1006は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカー、LEDランプなど)である。なお、入力装置1005及び出力装置1006は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。
また、プロセッサ1001、メモリ1002などの各装置は、情報を通信するためのバス1007によって接続される。バス1007は、単一のバスを用いて構成されてもよいし、装置間ごとに異なるバスを用いて構成されてもよい。
また、サーバ10は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアにより、各機能ブロックの一部又は全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ1001は、これらのハードウェアの少なくとも1つを用いて実装されてもよい。
本開示において説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本開示において説明した方法については、例示的な順序を用いて様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
入出力された情報等は特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルを用いて管理してもよい。入出力される情報等は、上書き、更新、又は追記され得る。出力された情報等は削除されてもよい。入力された情報等は他の装置へ送信されてもよい。
判定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真偽値(Boolean:true又はfalse)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
本開示において説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行うものに限られず、暗黙的(例えば、当該所定の情報の通知を行わない)ことによって行われてもよい。
以上、本開示について詳細に説明したが、当業者にとっては、本開示が本開示中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本開示は、請求の範囲の記載により定まる本開示の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本開示の記載は、例示説明を目的とするものであり、本開示に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。
また、ソフトウェア、命令、情報などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、有線技術(同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL:Digital Subscriber Line)など)及び無線技術(赤外線、マイクロ波など)の少なくとも一方を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び無線技術の少なくとも一方は、伝送媒体の定義内に含まれる。
本開示において使用する「システム」及び「ネットワーク」という用語は、互換的に使用される。
また、本開示において説明した情報、パラメータなどは、絶対値を用いて表されてもよいし、所定の値からの相対値を用いて表されてもよいし、対応する別の情報を用いて表されてもよい。
サーバ及びクライアントの少なくとも一方は、送信装置、受信装置、通信装置などと呼ばれてもよい。なお、サーバ及びクライアントの少なくとも一方は、移動体に搭載されたデバイス、移動体自体などであってもよい。当該移動体は、乗り物(例えば、車、飛行機など)であってもよいし、無人で動く移動体(例えば、ドローン、自動運転車など)であってもよいし、ロボット(有人型又は無人型)であってもよい。なお、サーバ及びクライアントの少なくとも一方は、必ずしも通信動作時に移動しない装置も含む。例えば、サーバ及びクライアントの少なくとも一方は、センサなどのIoT(Internet of Things)機器であってもよい。
また、本開示におけるサーバは、クライアント端末で読み替えてもよい。例えば、サーバ及びクライアント端末間の通信を、複数のユーザ端末間の通信(例えば、D2D(Device-to-Device)、V2X(Vehicle-to-Everything)などと呼ばれてもよい)に置き換えた構成について、本開示の各態様/実施形態を適用してもよい。この場合、上述のサーバが有する機能をクライアント端末が有する構成としてもよい。
同様に、本開示におけるクライアント端末は、サーバで読み替えてもよい。この場合、上述のクライアント端末が有する機能をサーバが有する構成としてもよい。
本開示で使用する「判断(determining)」、「決定(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する場合がある。「判断」、「決定」は、例えば、判定(judging)、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up、search、inquiry)(例えば、テーブル、データベース又は別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、受信(receiving)(例えば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(例えば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、比較(comparing)などした事を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。つまり、「判断」「決定」は、何らかの動作を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。また、「判断(決定)」は、「想定する(assuming)」、「期待する(expecting)」、「みなす(considering)」などで読み替えられてもよい。
「接続された(connected)」、「結合された(coupled)」という用語、又はこれらのあらゆる変形は、2又はそれ以上の要素間の直接的又は間接的なあらゆる接続又は結合を意味し、互いに「接続」又は「結合」された2つの要素間に1又はそれ以上の中間要素が存在することを含むことができる。要素間の結合又は接続は、物理的なものであっても、論理的なものであっても、或いはこれらの組み合わせであってもよい。例えば、「接続」は「アクセス」で読み替えられてもよい。本開示で使用する場合、2つの要素は、1又はそれ以上の電線、ケーブル及びプリント電気接続の少なくとも一つを用いて、並びにいくつかの非限定的かつ非包括的な例として、無線周波数領域、マイクロ波領域及び光(可視及び不可視の両方)領域の波長を有する電磁エネルギーなどを用いて、互いに「接続」又は「結合」されると考えることができる。
本開示において使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
本開示において使用する「第1の」、「第2の」などの呼称を使用した要素へのいかなる参照も、それらの要素の量又は順序を全般的に限定しない。これらの呼称は、2つ以上の要素間を区別する便利な方法として本開示において使用され得る。したがって、第1及び第2の要素への参照は、2つの要素のみが採用され得ること、又は何らかの形で第1の要素が第2の要素に先行しなければならないことを意味しない。
本開示において、「含む(include)」、「含んでいる(including)」及びそれらの変形が使用されている場合、これらの用語は、用語「備える(comprising)」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本開示において使用されている用語「又は(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
本開示において、例えば、英語でのa, an及びtheのように、翻訳により冠詞が追加された場合、本開示は、これらの冠詞の後に続く名詞が複数形であることを含んでもよい。
本開示において、「AとBが異なる」という用語は、「AとBが互いに異なる」ことを意味してもよい。なお、当該用語は、「AとBがそれぞれCと異なる」ことを意味してもよい。「離れる」、「結合される」などの用語も、「異なる」と同様に解釈されてもよい。
10…サーバ、11…変動情報取得部、12…予測部、13…判定部、20…カメラ、1001…プロセッサ、1002…メモリ、1003…ストレージ、1004…通信装置、1005…入力装置、1006…出力装置、1007…バス。

Claims (4)

  1. 構造物の状態を判定する構造物判定システムであって、
    前記構造物の2つの部分間における相対的な変動を示す変動情報を、複数の部分の組み合わせについて取得する変動情報取得部と、
    所定の部分の組み合わせの相対的な変動を、前記変動情報取得部によって取得された変動情報によって示される当該所定の部分以外の組み合わせの相対的な変動に基づいて予測する予測部と、
    前記予測部によって予測された前記所定の部分間の組み合わせの相対的な変動と、前記変動情報取得部によって取得された変動情報によって示される当該所定の部分の組み合わせの相対的な変動とを比較して、前記構造物の状態を判定する判定部と、
    を備える構造物判定システム。
  2. 前記予測部は、前記変動情報によって構成されるテンソルに対するテンソル分解によって、前記所定の部分間の組み合わせの相対的な変動を予測する請求項1に記載の構造物判定システム。
  3. 前記予測部は、複数のタイミング毎の前記所定の部分間の組み合わせの相対的な変動を予測すると共に、各複数のタイミングについての予測において当該複数のタイミングの何れか1つのタイミングについて求めた因子テンソルを用いる請求項2に記載の構造物判定システム。
  4. 前記変動情報取得部は、前記構造物を撮像した動画像を取得し、取得した動画像に基づいて前記相対的な変動を算出して前記変動情報を取得する請求項1〜3の何れか一項に記載の構造物判定システム。
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