JP2021148622A - 構造物判定システム - Google Patents

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基成 小林
Motonari Kobayashi
基成 小林
隆仁 齊藤
Takahito Saito
隆仁 齊藤
優馬 實成
Yuma Jitsunari
優馬 實成
大造 池田
Daizo Ikeda
大造 池田
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Abstract

【課題】 適切に橋梁等の構造物の状態を判定する。【解決手段】 構造物判定装置10は、構造物30の状態を判定する構造物判定システムであって、構造物30の複数の箇所についての変位を示す値を取得する変位取得部11と、変位取得部11によって取得された変位を示す値に基づいて箇所の数の次元のベクトルを生成して、当該ベクトルと、構造物30の所定の状態における当該構造物30の複数の箇所についての変位を示す値に基づいて予め設定された基準とを比較して当該構造物30の状態を判定する判定部12とを備える。【選択図】 図1

Description

本発明は、構造物の状態を判定する構造物判定システムに関する。
従来から、橋梁の画像を解析することにより、橋梁の複数の箇所における振動を特定して、橋梁の劣化の進行を把握することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2017−207339号公報
しかしながら、橋梁の複数の箇所における振動を箇所毎に考慮するだけでは、必ずしも、劣化の進行等の構造物全体の状態を適切に推定することはできない。複数の箇所それぞれの振動に基づいて構造物の状態を統計的に判定しようとすると、例えば、箇所の数だけ統計的検定を繰り返すこととなり、検定の多重性の問題が生じる。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、適切に橋梁等の構造物の状態を判定することができる構造物判定システムを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明に係る構造物判定システムは、構造物の状態を判定する構造物判定システムであって、構造物の複数の箇所についての変位を示す値を取得する変位取得部と、変位取得部によって取得された変位を示す値に基づいて箇所の数の次元のベクトルを生成して、当該ベクトルと、構造物の所定の状態における当該構造物の複数の箇所についての変位を示す値に基づいて予め設定された基準とを比較して当該構造物の状態を判定する判定部と、を備える。
本発明に係る構造物判定システムでは、構造物の複数の箇所の変位を示す値に基づいて生成された箇所の数の次元のベクトルが用いられて構造物の状態が判定される。従って、複数の箇所の状態を全て適切に考慮した判定が可能となる。即ち、本発明に係る構造物判定システムによれば、適切に橋梁等の構造物の状態を判定することができる。
本発明によれば、複数の箇所の状態を全て適切に考慮した判定が可能となり、適切に橋梁等の構造物の状態を判定することができる。
本発明の実施形態に係る構造物判定システムである構造物判定装置の構成を示す図である。 構造物の判定に用いられる変位量及びベクトルを示す図である。 ベクトルの角度による構造物の判定を説明するための図である。 ベクトルの距離による構造物の判定を説明するための図である。 統計的検定による構造物の判定を説明するための図である。 構造物の劣化箇所の判定を説明するための図である。 本発明の実施形態に係る構造物判定システムである構造物判定装置で実行される処理を示すフローチャートである。 本発明の実施形態に係る構造物判定システムである構造物判定装置のハードウェア構成を示す図である。
以下、図面と共に本発明に係る構造物判定システムの実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明においては同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
図1に本実施形態に係る構造物判定システムである構造物判定装置10を示す。構造物判定装置10は、構造物の状態を判定(推定、検査)するシステム(装置)である。判定対象となる構造物は、例えば、図1に示すような橋梁30である。但し、判定対象となる構造物は、橋梁30に限られず、建築物等の任意の構造物であってもよい。判定される構造物の状態は、例えば、構造物に異常が生じているか否か(例えば、劣化が生じているか否か)である。また、構造物判定装置10は、構造物に異常が生じていると判定した場合、異常が生じている箇所(例えば、劣化箇所)を判定(推定)してもよい。構造物判定装置10によるによる判定の結果は、例えば、構造物の補強又は改修等の判断に用いられる。以下の説明では、判定対象の構造物を橋梁30として説明する。
構造物判定装置10は、例えば、サーバ装置、即ち、コンピュータによって実現される。また、構造物判定装置10は、複数のサーバ装置、即ち、コンピュータシステムによって実現されてもよい。構造物判定装置10は、通信機能を有しており、他の装置との間で情報の送受信を行うことができる。
構造物判定装置10は、カメラ20で撮像された動画像を用いて橋梁30の状態を判定する。カメラ20は、判定対象の橋梁30を撮像して、橋梁30の動画像を取得する撮像装置である。カメラ20は、橋梁30を撮像できる位置に予め固定的に設置される。カメラ20としては、橋梁30の状態の判定に用いることが可能な程度の解像度で撮像を行うことが可能な周知のカメラを用いることができる。構造物判定装置10とカメラ20とは、有線若しくは無線、又はそれら両方の通信網を介して互いに情報の送受信を行うことができる。カメラ20は、予め設定されたフレームレート(fps)で橋梁30を撮像して、撮像した動画像を構造物判定装置10に送信する。なお、カメラ20は、構造物判定システムの構成要素であってもよい。即ち、この場合、構造物判定システムは、構造物判定装置10とカメラ20とを含んで構成される。また、構造物判定装置10とカメラ20とは一体の装置(例えば、スマートフォン)であってもよい。
図1に示すように構造物判定装置10は、機能的には、変位取得部11と、判定部12とを備えて構成される。
変位取得部11は、橋梁30の複数の箇所についての変位を示す値を取得する機能部である。変位取得部11は、複数のタイミングにおける変位を示す値を取得してもよい。変位取得部11は、橋梁30を撮像した動画像を取得し、取得した動画像に基づいて当該橋梁30の複数の箇所についての変位を示す値を算出してもよい。
構造物判定装置10による橋梁30の状態の判定は、橋梁30に生じる変位(変動)に基づいて行われる。例えば、橋梁30の上を自動車等の車両40が通過すると、当該車両40の通過に応じて橋梁30が振動して橋梁30に変位が生じる。当該振動による橋梁30の変位に基づいて、橋梁30の状態の判定が行われる。なお、橋梁30に変位を生じさせる要因は、必ずしも車両40の通過である必要はない。判定対象の構造物が橋梁30以外のものである場合、何らかの要因で生じる構造物の変位に基づいて判定が行われればよい。
変位取得部11は、例えば、以下のように変位を示す値を取得する。変位取得部11は、カメラ20から送信される、橋梁30を撮像した動画像を受信して取得する。変位取得部11は、受信した動画像のうち、特定の時間帯の部分のみを用いて変位を示す値を取得してもよい。当該時間帯は、例えば、橋梁30の上を1台の車両40が通過して橋梁30に振動が生じる時間帯、即ち、橋梁30における車両40の片道走行時である。1つの時間帯が、橋梁30の変位に係る1つのタイミングに対応する。なお、橋梁30の上を複数の車両40が同時に通過する時間帯は、橋梁30の振動が複数の車両40の通過に応じた複雑なものとなるため、変位を示す値の取得に用いないこととしてもよい。当該時間帯は、構造物判定装置10の管理者等によって指定されてもよいし、物体認識等の従来技術に基づいて構造物判定装置10が特定してもよい。
変位取得部11は、受信した動画像から、橋梁30の複数の箇所についての変位を示す値を算出する。変位を算出する橋梁30の箇所(位置、計測点)は、予め固定的に設定されている。変位を算出する箇所は、例えば、図1に示すように橋梁30の橋桁の長手方向に所定の間隔(例えば、等間隔)を空けた、当該橋桁の複数の箇所30a(より具体的には、当該箇所30aの橋桁の下端)である。なお、変位を算出する箇所は、必ずしも上記のように設定される必要はなく、構造物に応じて構造物の状態を適切に判定できる任意の箇所に設定されればよい。
カメラ20は、固定的に設定されているため、変位を算出する橋梁30の箇所30aは、動画像において当該箇所30aに応じた概ね特定の位置に写る。変位取得部11は、動画像を構成する各画像の変位を検出する橋梁30の複数の箇所30aについて、基準となる画像からの画像の位置ずれを、変位を示す値である変位量として算出する。基準となる画像は、例えば、車両40が通行していない時間帯の画像である。変位量は、状態の判定に用いる特定の方向のみの変位量、例えば、図1に示す橋梁30の例であれば、鉛直方向のみの変位量としてもよい。
変位量の算出は、従来の技術(例えば、ブロック・マッチング法又はデジタル画像相関法)によってサブピクセル単位で行うことができる。動画像を構成する各画像について変位量を算出すると、各箇所30aについて時系列の変位量が得られる。変位取得部11は、例えば、各箇所30aについて、時系列の変位量のうち最も大きい変位量を、当該時間帯(即ち、1台の車両40の通過)における(状態の判定に用いる)当該箇所30aの変位量とする。最も大きい変位量は、通常、当該箇所30aに最も大きい荷重(負荷)がかかる、即ち、当該箇所30aの真上に車両40が位置する際の変位量である。この場合、最も大きい変位量が算出(計測)される時刻は、車両40の移動に応じて箇所30a毎に少しずつ異なる。変位取得部11は、このように1つの時間帯について箇所30a毎の変位量を算出する。例えば、図1に示すように状態の判定対象の橋梁30に変位を算出する箇所30aが5つ設定されていたら、当該箇所30a毎に5つの変位量x1,x2,x3,x4,x5が算出される。
なお、各箇所30aについて時系列の変位量に基づく、状態の判定に用いる変位量の算出は、上記以外の方法で行われてもよい。例えば、時系列の変位量の移動平均を算出して、即ち、ローパスフィルタを適用して、ローパスフィルタ適用後の最大値を、状態の判定に用いる変位量としてもよい。ローパスフィルタを適用することで、各箇所30aの変位量を静的な変位量とすることができる。あるいは、時系列の変位量の平均値を、状態の判定に用いる変位量としてもよい。
変位取得部11は、車両40の通過毎に各箇所30aについて状態の判定に用いる変位量を算出してもよい。即ち、変位取得部11は、複数のタイミングの時間帯毎に各箇所30aについて変位量を算出してもよい。例えば、橋梁30の状態を判定する短い時期(例えば、1日)における、複数のタイミングの変位量を算出してもよい。複数のタイミングの変位量を用いることで、より精度よく判定することができる。変位取得部11は、算出した変位量を示す情報を判定部12に出力する。
変位取得部11は、判定の基準とする変位量を、橋梁30の状態の判定を行うときまでに予め算出する。判定の基準とする変位量は、例えば、橋梁30が劣化しておらず正常(健全)である状態(例えば、橋梁30が完成した直後、又は物理的な橋梁30の検査で橋梁30が正常と判定された時)での変位量である。橋梁30が正常である状態での変位量も、上記と同様に算出される。即ち、その状態でカメラ20によって橋梁30の撮像を行い、撮像によって得られた動画像から各箇所30aの変位量を算出する。この際の箇所30aと判定時の算出される箇所30aとは同じ位置とする。また、この際も、複数のタイミングの変位量を算出してもよい。変位取得部11は、算出した、基準とする変位量を示す情報も判定部12に出力する。なお、判定の基準とする変位量に係る橋梁30の状態は、正常である状態以外でもよい。
判定部12は、変位取得部11によって取得された変位量に基づいて上記の箇所30aの数の次元のベクトルを生成して、当該ベクトルと、橋梁30の所定の状態における当該橋梁30の複数の箇所30aについての変位を示す値に基づいて予め設定された基準とを比較して当該橋梁30の状態を判定する機能部である。判定部12は、複数のタイミングに応じた複数のベクトルを生成して、複数のベクトルに基づいて橋梁30の状態を判定してもよい。判定部12は、変位取得部11によって取得された変位を示す値に基づいて箇所30aの数の次元の標準化(指標化)されたベクトルを生成してもよい。
判定部12は、生成したベクトルと基準である基準ベクトルとの角度に基づいて橋梁30の状態を判定してもよい。判定部12は、生成したベクトルと基準である基準ベクトルとの間の距離に基づいて橋梁30の状態を判定してもよい。判定部12は、統計的検定によって橋梁30の状態を判定してもよい。判定部12は、生成したベクトルに基づいて判定した橋梁30の状態に対応する箇所を判定してもよい。具体的には、判定部12は、以下のように判定を行う。
判定部12は、変位取得部11からタイミング及び箇所30a毎の変位量を入力する。判定部12は、各タイミングについての変位量から、各タイミングについてベクトルを生成する。生成されるベクトルは、箇所30aの数の次元のベクトルである。例えば、図1及び図2に示す例の場合には、5次元(要素が5つの)ベクトルである。判定部12は、ベクトルの各要素の値を各箇所30aの変位量に基づいて設定する。ベクトルの要素の位置と箇所30aの位置とについては、予め対応関係が設定されている。例えば、図2において1番左の箇所30aは、ベクトルの1番目の要素に対応している。図2に示すように、判定部12は、各箇所30aの変位量の値をそれらの値の平方和の正の平方根で割った値である相対変位(面的相対変位)を算出する。判定部12は、各箇所30aの相対変位の値を要素の値としたベクトルである相対変位ベクトル(面的相対変位ベクトル)を生成する。上記のベクトルは、大きさが1のベクトルである。判定部12は、箇所30a毎の変位量から相対変位ベクトル、即ち、標準化されたベクトルを生成する。
判定部12は、判定対象となるタイミングでのベクトルと、判定の基準とするタイミングでの(例えば、橋梁30が正常な状態での)ベクトルとの両方を生成する。変位取得部11によって複数のタイミング(例えば、橋梁30における車両40の通過毎)での変位量を示す情報が取得されている場合には、それぞれのタイミングについて複数のベクトルを生成する。
なお、ベクトルの標準化は、一定の基準で行われればよく、必ずしも上記のようにベクトルの大きさが1となるようにされなくてもよい。例えば、各箇所30aの変位量の値で、予め設定された箇所30aである基準位置の変位量を割った値を相対変位の値として、ベクトルの各要素の値としてもよい。基準位置の変位量は、例えば、通常、最も変位が大きくなる位置の変位量(例えば、図2の例ではx3)とする。変位量が図2に示すものとするとこの場合のベクトルは、(x3/x1,x3/x2,x3/x3=1,x3/x4,x3/x5)となる。
判定部12は、生成したベクトルに基づいて橋梁30の状態の判定を行う。判定対象のベクトルは、判定対象のタイミングでの橋梁30の複数の箇所30aでの変位を示している。また、判定の基準となるタイミングが、橋梁30が正常な状態であるタイミングである場合、当該タイミングに係る基準のベクトルは、正常な状態での橋梁30の複数の箇所30aでの変位を示している。これらの変位が同様であれば橋梁30は正常であると判定し、異なっていれば橋梁30は正常ではない、即ち、劣化していると判定する。具体的には、それらのベクトル同士を比較して判定する。以下、判定部12の具体的判定方法を説明する。
まず、ベクトルの角度による判定方法を説明する。この場合、複数の基準のベクトル、即ち、複数の正常時のベクトルXnorm,iが用いられる。ここで、iは、(1つのタイミングに対応する)正常時のベクトルXnorm,iのインデックスである。判定部12は、複数の正常時のベクトルXnorm,iの平均のベクトルAnormを算出する。続いて、判定部12は、各正常時のベクトルXnorm,iと平均のベクトルAnormとの角度θ(Xnorm,i,Anorm)を算出して、それらの標準偏差σ(θ(Xnorm,i,Anorm))を算出する。また、判定部12は、判定時のベクトルXins,jと平均のベクトルAnormとの角度θ(Xins,j,Anorm)を算出する。ここで、jは、(1つのタイミングに対応する)判定時のベクトルXins,jのインデックスである。
判定部12は、これらの値から以下の式によって劣化度Aを算出する。
=θ(Xins,j,Anorm)/3σ(θ(Xnorm,i,Anorm))
判定部12は、A>1であれば橋梁30は劣化している、A≦1であれば橋梁30は劣化していない、即ち、正常であると判定する。これは、図3に示すように判定時のベクトルVI(VIa,VIbの総称)が、判定時のベクトルの平均Aを中心とした、正常時のベクトルのばらつきの範囲R内にあれば正常、外れていれば劣化と判断するものである。ばらつきの範囲Rは、上記の式の3σ(θ(Xnorm,i,Anorm))に相当する。なお、ばらつきの範囲Rの3σ(θ(Xnorm,i,Anorm))は、正規分布を仮定した場合の99%区間である。ばらつきの範囲Rは、必ずしも上記のものに限られず、任意に設定することができる。例えば、係数の数値3を信頼度に応じて変更してもよい。図3に示すように、判定時のベクトルVIaが正常時のベクトルのばらつきの範囲R内にある場合、即ち、劣化度Aが0〜1の範囲にある場合、橋梁30は正常であると判定される。判定時のベクトルVIbが正常時のベクトルのばらつきの範囲R内にない場合、即ち、劣化度Aが1〜の範囲にある場合、橋梁30は劣化していると判定される。
なお、判定時のベクトルXins,jが複数ある場合、それらの平均を取って上記により判定してもよいし、判定時のベクトル毎に判定してもよい。判定時のベクトル毎に判定する場合、例えば、一定数又は一定割合の判定時のベクトルXins,jについて橋梁30は劣化していると判定された場合、総合的な判定として橋梁30は劣化していると判定してもよい。また、上記のように角度による判定を行う場合には、図2に示すベクトルのVで割っていないもの、即ち、(x1,x2,x3,x4,x5)のベクトルを用いて判定を行ってもよい。以上が、ベクトルの角度による判定方法である。
続いて、ベクトルの距離による判定方法を説明する。この場合、角度の場合と同様に複数の基準のベクトル、即ち、複数の正常時のベクトルXnorm,iが用いられる。判定部12は、複数の正常時のベクトルXnorm,iの平均のベクトルAnormを算出する。続いて、判定部12は、各正常時のベクトルXnorm,iと平均のベクトルAnormとの距離d(Xnorm,i,Anorm)を算出して、それらの標準偏差σ(d(Xnorm,i,Anorm))を算出する。なお、ベクトルX,Y間の距離d(X,Y)は、例えば、||X−Y||である。また、判定部12は、判定時のベクトルXins,jと平均のベクトルAnormとの距離d(Xins,j,Anorm)を算出する。
判定部12は、これらの値から以下の式によって劣化度Aを算出する。
=d(Xins,j,Anorm)/3σ(d(Xnorm,i,Anorm))
判定部12は、A>1であれば橋梁30は劣化している、A≦1であれば橋梁30は劣化していない、即ち、正常であると判定する。これは、図4に示すように判定時のベクトルVI(VIa,VIbの総称)が、判定時のベクトルの平均Aを中心とした、正常時のベクトルのばらつきの範囲R内にあれば正常、外れていれば劣化と判断するものである。ばらつきの範囲Rは、上記の式の3σ(d(Xnorm,i,Anorm))に相当する。なお、ばらつきの範囲Rの3σ(d(Xnorm,i,Anorm))は、正規分布を仮定した場合の99%区間である。ばらつきの範囲Rは、必ずしも上記のものに限られず、任意に設定することができる。例えば、係数の数値3を信頼度に応じて変更してもよい。図4に示すように、判定時のベクトルVIaが正常時のベクトルのばらつきの範囲R内にある場合、即ち、劣化度Aが0〜1の範囲にある場合、橋梁30は正常であると判定される。判定時のベクトルVIbが正常時のベクトルのばらつきの範囲R内にない場合、即ち、劣化度Aが1〜の範囲にある場合、橋梁30は劣化していると判定される。
なお、上記の例では、ユークリッド距離を用いているが、マハラノビス距離を用いてもよい。橋梁30の端部と中央部とでは、元々中央部の方が大きく変位する。そのため、変位のばらつきの大きさも場所によって異なり、正常時のベクトルも方向によってばらつきの大きさが変わる。よって、劣化場所によって検出精度が変わってしまう。マハラノビス距離を用いることにより、元々の変位のばらつきを考慮した判定を行うことができる。また、判定時のベクトルが複数ある場合、それらの平均を取って上記により判定してもよいし、判定時のベクトル毎に判定してもよい。判定時のベクトル毎に判定する場合、例えば、一定数又は一定割合の判定時のベクトルについて橋梁30は劣化していると判定された場合、総合的な判定として橋梁30は劣化していると判定してもよい。以上が、ベクトルの距離による判定方法である。
続いて、統計的検定による判定方法を説明する。この場合、複数の基準のベクトル、即ち、複数の正常時のベクトルXnorm,i及び複数の判定時のベクトルXins,jが用いられる。図5に正常時のベクトルVNの分布と、判定時のベクトルVIの分布とを示す。この方法では、図5に示すように、正常時のベクトルVNの平均ベクトルと判定時のベクトルVIの平均ベクトルとが同一かが判定される。判定部12は、多変量の平均値の差の検定を行う。「これらの平均ベクトルは等しい」との帰無仮説H0が仮定される。判定部12は、予め設定した有意水準αに基づいて帰無仮説H0が棄却されるか否かを判定し、棄却される場合、橋梁30は劣化している、棄却されない場合、橋梁30は劣化していない(劣化しているとは言えない)、即ち、正常であると判定する。
具体的には、判定部12は、以下の式によってウィルクスのΛを算出する。
Λ=|W|/|B+W|
ここで、Bは群間平方和・積和行列であり、Wは群内平方和・積和行列である。続いて、判定部12は、以下の式によってF0を算出する。
F0=(1−Λ/Λ)・(n−p−1/p)
ここで、nは正常時のベクトルの数、pは判定時のベクトルの数である。続いて、判定部12は、有意確率P=Pr{F≧F}により判定を行う。ここで、Pr{F≧F}は、F≧FとなるF分布の確率である。判定部12は、P>αのとき帰無仮説H0が棄却されない、即ち、橋梁30は正常であると判定する。判定部12は、P≦αのとき帰無仮説H0が棄却される、即ち、橋梁30は劣化していると判定する。以上が、統計的検定による判定方法である。
なお、橋梁30の状態の判定は、橋梁30の状態を判定するものであれば、上記以外の方法による判定であってもよい。また、橋梁30の状態の判定は、上記の方法が組み合わせられて行われてもよい。また、上記のように正常か劣化しているかの判定ではなく、劣化の程度を段階的に判定するものであってもよい。
判定部12は、橋梁30は劣化していると判定した場合、生成したベクトルに基づいて判定した橋梁30の状態に対応する箇所、即ち、橋梁30の劣化している箇所を判定してもよい。具体的には、判定部12は、正常時のベクトルXnorm,iの平均のベクトルAnormの要素の値と判定時のベクトルXins,jの要素の値とを要素毎に比較する。判定部12は、図6に示すように、判定時のベクトルXins,jの値が平均のベクトルAnormの値よりも大きい要素に対応する箇所30aを劣化している箇所と判定する。判定時のベクトルXins,jの値が平均のベクトルAnormの値よりも大きい要素に対応する箇所30aは、劣化によって正常時よりも大きく変位(振動)していると考えられるためである。
判定部12は、判定結果を示す情報を出力する。判定結果には、橋梁30が劣化しているか否かが含まれる。また、橋梁30の劣化している箇所を判定する場合には、判定結果には、橋梁30が劣化している場合には劣化している箇所が含まれる。判定部12は、例えば、構造物判定装置10に接続された端末に当該情報を送信して表示させる。判定部12による出力は、例えば、ユーザにより参照され、上述したように、構造物の補強又は改修等の判断に用いられる。なお、判定部12による出力は、上記以外の装置に対して、また、上記以外の形態で行われてもよい。以上が、本実施形態に係る構造物判定装置10の構成である。
引き続いて、図7のフローチャートを用いて、本実施形態に係る構造物判定装置10で実行される処理(構造物判定装置10が行う動作方法)を説明する。まず、カメラ20によって撮像された動画像がカメラ20から構造物判定装置10に送信されて、変位取得部11によって受信されて取得される(S01)。取得される動画像は、基準となるタイミングである正常時でのものと、判定時でのものとを含む。即ち、正常時での撮像と判定時での撮像とは、異なるタイミングで行われる。続いて、変位取得部11によって、橋梁30の複数の箇所30aについての変位量が算出される(S02)。続いて、判定部12によって、変位量に基づいて上記の箇所30aの数の次元のベクトルが生成される(S03)。ここで生成されるベクトルは、正常時のベクトルと、判定時のベクトルとを含む。正常時のベクトルの生成と、判定時のベクトルの生成とは異なるタイミングで行われてもよい。また、同じ橋梁30について判定を複数の時点で行う場合には、正常時のベクトルの生成は毎回行われる必要はなく、判定の前までに1度行われればよい。
続いて、判定部12によって、これらのベクトルの比較によって橋梁30の劣化が判定される(S04)。橋梁30が劣化していると判定された場合(S05のYES)、続いて、判定部12によって、ベクトルに基づいて劣化箇所が判定される(S06)。続いて、判定部12によって、橋梁30の状態の判定結果を示す情報が出力される(S07)。また、橋梁30が正常であると判定された場合(S05のNO)、判定部12によって、橋梁30の状態の判定結果を示す情報が出力される(S07)。以上が、本実施形態に係る構造物判定装置10で実行される処理である。
上述した実施形態では、橋梁30等の構造物の複数の箇所30aの変位を示す値に基づいて生成された箇所30aの数の次元のベクトルが用いられて構造物の状態が判定される。従って、複数の箇所30aの状態を全て適切に考慮した判定が可能となる。即ち、本実施形態によれば、適切に橋梁等の構造物の状態を判定することができる。
また、本実施形態のように複数のタイミング(例えば、橋梁30における車両40の通過毎)に対応する複数のベクトルを生成して、複数のベクトルを用いて構造物の判定を行うこととしてもよい。この構成によれば、上述した方法によって橋梁等の構造物の状態をより精度よく判定することができる。但し、判定用のベクトルは、必ずしも複数である必要はなく、1つの判定用のベクトルから判定が行われてもよい。
また、本実施形態のように判定に用いるベクトルは、上述したように標準化されたものとしてもよい。この構成によれば、橋梁30等の構造物を振動させる荷重、例えば、本実施形態では車両40の重量を必要とせずに構造物の劣化を判定することができる。但し、判定方法によっては、例えば、ベクトルの角度による判定方法では、必ずしも標準化したベクトルを用いる必要はなく、変位量そのものを要素の値としたベクトルを用いて判定を行ってもよい。
また、ベクトルを用いた判定方法としては、上述したようにベクトルの角度による判定方法、ベクトルの距離による判定方法及び統計的検定による判定方法を用いることができる。これらの方法によれば、確実かつ適切に橋梁等の構造物の状態を判定することができる。但し、ベクトルを用いた判定方法として、上記以外の方法が用いられてもよい。
また、本実施形態のように判定した構造物の状態に対応する箇所、例えば、橋梁30における劣化した箇所を判定してもよい。この構成によれば、構造物の補強又は改修等の判断により有用な情報を提供することができる。但し、当該箇所の判定は、必ずしも行われる必要はない。
また、本実施形態のように構造物の動画像に基づいて変位量を算出してもよい。この構成によれば、容易かつ確実に変位量を取得することができ、容易かつ確実に構造物の状態を判定することができる。但し、変位量は動画像に基づいて算出される必要はない。例えば、構造物の複数の箇所に変位量を検出するセンサ(例えば、変位センサ又はひずみゲージ)を設けておき、センサによって検出された変位量を用いてもよい。
なお、上記実施形態の説明に用いたブロック図は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及びソフトウェアの少なくとも一方の任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現方法は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的又は論理的に結合した1つの装置を用いて実現されてもよいし、物理的又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的又は間接的に(例えば、有線、無線などを用いて)接続し、これら複数の装置を用いて実現されてもよい。機能ブロックは、上記1つの装置又は上記複数の装置にソフトウェアを組み合わせて実現されてもよい。
機能には、判断、決定、判定、計算、算出、処理、導出、調査、探索、確認、受信、送信、出力、アクセス、解決、選択、選定、確立、比較、想定、期待、見做し、報知(broadcasting)、通知(notifying)、通信(communicating)、転送(forwarding)、構成(configuring)、再構成(reconfiguring)、割り当て(allocating、mapping)、割り振り(assigning)などがあるが、これらに限られない。たとえば、送信を機能させる機能ブロック(構成部)は、送信部(transmitting unit)や送信機(transmitter)と呼称される。いずれも、上述したとおり、実現方法は特に限定されない。
例えば、本開示の一実施の形態における構造物判定装置10は、本開示の情報処理を行うコンピュータとして機能してもよい。図8は、本開示の一実施の形態に係る構造物判定装置10のハードウェア構成の一例を示す図である。上述の構造物判定装置10は、物理的には、プロセッサ1001、メモリ1002、ストレージ1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006、バス1007などを含むコンピュータ装置として構成されてもよい。
なお、以下の説明では、「装置」という文言は、回路、デバイス、ユニットなどに読み替えることができる。構造物判定装置10のハードウェア構成は、図に示した各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
構造物判定装置10における各機能は、プロセッサ1001、メモリ1002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることによって、プロセッサ1001が演算を行い、通信装置1004による通信を制御したり、メモリ1002及びストレージ1003におけるデータの読み出し及び書き込みの少なくとも一方を制御したりすることによって実現される。
プロセッサ1001は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ1001は、周辺装置とのインターフェース、制御装置、演算装置、レジスタなどを含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)によって構成されてもよい。例えば、上述の構造物判定装置10における各機能は、プロセッサ1001によって実現されてもよい。
また、プロセッサ1001は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュール、データなどを、ストレージ1003及び通信装置1004の少なくとも一方からメモリ1002に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、上述の実施の形態において説明した動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。例えば、構造物判定装置10における各機能は、メモリ1002に格納され、プロセッサ1001において動作する制御プログラムによって実現されてもよい。上述の各種処理は、1つのプロセッサ1001によって実行される旨を説明してきたが、2以上のプロセッサ1001により同時又は逐次に実行されてもよい。プロセッサ1001は、1以上のチップによって実装されてもよい。なお、プログラムは、電気通信回線を介してネットワークから送信されても良い。
メモリ1002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、RAM(Random Access Memory)などの少なくとも1つによって構成されてもよい。メモリ1002は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)などと呼ばれてもよい。メモリ1002は、本開示の一実施の形態に係る情報処理を実施するために実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールなどを保存することができる。
ストレージ1003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、CD−ROM(Compact Disc ROM)などの光ディスク、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu−ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリ(例えば、カード、スティック、キードライブ)、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップなどの少なくとも1つによって構成されてもよい。ストレージ1003は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。構造物判定装置10が備える記憶媒体は、例えば、メモリ1002及びストレージ1003の少なくとも一方を含むデータベース、サーバその他の適切な媒体であってもよい。
通信装置1004は、有線ネットワーク及び無線ネットワークの少なくとも一方を介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。
入力装置1005は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、センサなど)である。出力装置1006は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカー、LEDランプなど)である。なお、入力装置1005及び出力装置1006は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。
また、プロセッサ1001、メモリ1002などの各装置は、情報を通信するためのバス1007によって接続される。バス1007は、単一のバスを用いて構成されてもよいし、装置間ごとに異なるバスを用いて構成されてもよい。
また、構造物判定装置10は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアにより、各機能ブロックの一部又は全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ1001は、これらのハードウェアの少なくとも1つを用いて実装されてもよい。
本開示において説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本開示において説明した方法については、例示的な順序を用いて様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
入出力された情報等は特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルを用いて管理してもよい。入出力される情報等は、上書き、更新、又は追記され得る。出力された情報等は削除されてもよい。入力された情報等は他の装置へ送信されてもよい。
判定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真偽値(Boolean:true又はfalse)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
本開示において説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行うものに限られず、暗黙的(例えば、当該所定の情報の通知を行わない)ことによって行われてもよい。
以上、本開示について詳細に説明したが、当業者にとっては、本開示が本開示中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本開示は、請求の範囲の記載により定まる本開示の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本開示の記載は、例示説明を目的とするものであり、本開示に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。
また、ソフトウェア、命令、情報などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、有線技術(同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL:Digital Subscriber Line)など)及び無線技術(赤外線、マイクロ波など)の少なくとも一方を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び無線技術の少なくとも一方は、伝送媒体の定義内に含まれる。
本開示において使用する「システム」及び「ネットワーク」という用語は、互換的に使用される。
また、本開示において説明した情報、パラメータなどは、絶対値を用いて表されてもよいし、所定の値からの相対値を用いて表されてもよいし、対応する別の情報を用いて表されてもよい。
本開示で使用する「判断(determining)」、「決定(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する場合がある。「判断」、「決定」は、例えば、判定(judging)、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up、search、inquiry)(例えば、テーブル、データベース又は別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、受信(receiving)(例えば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(例えば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、比較(comparing)などした事を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。つまり、「判断」「決定」は、何らかの動作を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。また、「判断(決定)」は、「想定する(assuming)」、「期待する(expecting)」、「みなす(considering)」などで読み替えられてもよい。
「接続された(connected)」、「結合された(coupled)」という用語、又はこれらのあらゆる変形は、2又はそれ以上の要素間の直接的又は間接的なあらゆる接続又は結合を意味し、互いに「接続」又は「結合」された2つの要素間に1又はそれ以上の中間要素が存在することを含むことができる。要素間の結合又は接続は、物理的なものであっても、論理的なものであっても、或いはこれらの組み合わせであってもよい。例えば、「接続」は「アクセス」で読み替えられてもよい。本開示で使用する場合、2つの要素は、1又はそれ以上の電線、ケーブル及びプリント電気接続の少なくとも一つを用いて、並びにいくつかの非限定的かつ非包括的な例として、無線周波数領域、マイクロ波領域及び光(可視及び不可視の両方)領域の波長を有する電磁エネルギーなどを用いて、互いに「接続」又は「結合」されると考えることができる。
本開示において使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
本開示において使用する「第1の」、「第2の」などの呼称を使用した要素へのいかなる参照も、それらの要素の量又は順序を全般的に限定しない。これらの呼称は、2つ以上の要素間を区別する便利な方法として本開示において使用され得る。したがって、第1及び第2の要素への参照は、2つの要素のみが採用され得ること、又は何らかの形で第1の要素が第2の要素に先行しなければならないことを意味しない。
本開示において、「含む(include)」、「含んでいる(including)」及びそれらの変形が使用されている場合、これらの用語は、用語「備える(comprising)」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本開示において使用されている用語「又は(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
本開示において、例えば、英語でのa, an及びtheのように、翻訳により冠詞が追加された場合、本開示は、これらの冠詞の後に続く名詞が複数形であることを含んでもよい。
本開示において、「AとBが異なる」という用語は、「AとBが互いに異なる」ことを意味してもよい。なお、当該用語は、「AとBがそれぞれCと異なる」ことを意味してもよい。「離れる」、「結合される」などの用語も、「異なる」と同様に解釈されてもよい。
10…構造物判定装置、11…変位取得部、12…判定部、20…カメラ、30…橋梁(構造物)、40…車両、1001…プロセッサ、1002…メモリ、1003…ストレージ、1004…通信装置、1005…入力装置、1006…出力装置、1007…バス。

Claims (8)

  1. 構造物の状態を判定する構造物判定システムであって、
    前記構造物の複数の箇所についての変位を示す値を取得する変位取得部と、
    前記変位取得部によって取得された変位を示す値に基づいて前記箇所の数の次元のベクトルを生成して、当該ベクトルと、前記構造物の所定の状態における当該構造物の複数の箇所についての変位を示す値に基づいて予め設定された基準とを比較して当該構造物の状態を判定する判定部と、
    を備える構造物判定システム。
  2. 前記変位取得部は、複数のタイミングにおける変位を示す値を取得し、
    前記判定部は、前記複数のタイミングに応じた複数のベクトルを生成して、複数のベクトルに基づいて前記構造物の状態を判定する請求項1に記載の構造物判定システム。
  3. 前記判定部は、生成したベクトルと前記基準である基準ベクトルとの角度に基づいて前記構造物の状態を判定する請求項1又は2に記載の構造物判定システム。
  4. 前記判定部は、前記変位取得部によって取得された変位を示す値に基づいて前記箇所の数の次元の標準化されたベクトルを生成する請求項1〜3の何れか一項に記載の構造物判定システム。
  5. 前記判定部は、生成したベクトルと前記基準である基準ベクトルとの間の距離に基づいて前記構造物の状態を判定する請求項4に記載の構造物判定システム。
  6. 前記判定部は、統計的検定によって前記構造物の状態を判定する請求項4又は5に記載の構造物判定システム。
  7. 前記判定部は、生成したベクトルに基づいて判定した構造物の状態に対応する箇所を判定する請求項4〜6の何れか一項に記載の構造物判定システム。
  8. 前記変位取得部は、前記構造物を撮像した動画像を取得し、取得した動画像に基づいて当該構造物の複数の箇所についての変位を示す値を算出する請求項1〜7の何れか一項に記載の構造物判定システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016084579A (ja) * 2014-10-23 2016-05-19 国立研究開発法人産業技術総合研究所 構造物のたわみ量分布監視方法及び監視装置
JP2017215306A (ja) * 2016-02-24 2017-12-07 パナソニックIpマネジメント株式会社 変位検出装置および変位検出方法

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