JP2020200795A - ベーン式ポンプ - Google Patents

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Abstract

【課題】所望の摺動特性を長期にわたって発揮し得るベーン式ポンプを提供する。【解決手段】本発明は、カムリングと、カムリングの内周面に先端部を摺接させつつカムリング内を移動する板片状のベーンとを備えるベーン式ポンプである。このベーンは、合金全体に対してCr:3〜6質量%とC:0.6〜1.6質量%とを含む鉄基合金の基材からなる。ベーンの先端部は、曲率半径が0.5〜3mmである断面略円弧状の曲面からなる。その先端部は、基材上に形成された中間層と中間層上に形成された非晶質炭素膜とで被覆されている。中間層は、厚さが100〜500nmである。また中間層の基材側領域は、金属クロムを構成するCrの原子比率(金属クロム率)が10%以上である。【選択図】図2A

Description

本発明は、オイルの圧送等をするベーン式ポンプ等に関する。
自動車の燃費向上等を図るため、各摺接面間の低摩擦化が望まれている。摺接面間の摩擦係数は、対向する摺接面の表面性状等に大きく依存し得る。このため、例えば、硬質炭素膜または非晶質炭素膜(単に「DLC膜」ともいう。)を摺動面に形成して低摩擦化が図られることが多い。また、そのDLC膜の基材に対する密着性を高めるために、下地層または中間層として、TiやCr等の金属層が設けられることもある。これに関連する記載は、例えば、下記の特許文献にある。
特開2004−68092号公報 特開2016-128599号公報
上述した特許文献は、特定の摺動部材や摺動機械に特化した内容ではなく、ベーン式ポンプについて、何ら記載をしていない。
本発明はこのような事情に鑑みて為されたものであり、所定の摺動特性を長期にわたって確保できるベーン式ポンプ等を提供することを目的とする。
本発明者はこの課題を解決すべく鋭意研究した結果、変動する高荷重(面圧)を受けるベーンの先端部にDLC膜を設けると共に、DLC膜と基材の間に特定の中間層を形成することにより、ベーン式ポンプの摺動特性の安定化を図れることを新たに見出した。この成果を発展させることにより、以降に述べる本発明を完成するに至った。
《ベーン式ポンプ》
本発明は、カムリングと、該カムリングの内周面に先端部を摺接させつつ該カムリング内を移動する板片状のベーンとを備えるベーン式ポンプであって、該ベーンは、合金全体に対してCr:3〜6質量%とC:0.6〜1.6質量%とを含む鉄基合金の基材からなり、該ベーンの先端部は、曲率半径が0.5〜3mmである断面略円弧状の曲面からなり、該先端部は、該基材上に形成された中間層と該中間層上に形成された非晶質炭素膜とで被覆されており、該中間層は、厚さが100〜500nmであると共に、該基材表面から連なる厚さ50nmの基材側領域に、該基材側領域にある全Cr原子に対して金属クロムを構成するCrの原子比率である金属クロム率が10%以上であるベーン式ポンプである。
ベーンの先端部は、カムリングとの接触面積が小さく、大きな変動荷重を受ける。つまり、その先端部には、非常に大きな変動面圧が作用する。このような過酷な状況下でも、本発明のように、特定の中間層を介して先端部に形成された非晶質炭素膜は剥離し難い。この結果、本発明のベーン式ポンプは、長期にわたって安定した摺動特性を発揮し得る。
《ベーンの製造方法》
本発明は、ベーン式ポンプに用いられるベーンの製造方法としても把握できる。例えば、本発明は、カムリングと該カムリングの内周面に先端部を摺接させつつ該カムリング内を移動する板片状のベーンとを備えるベーン式ポンプに用いられるベーンの製造方法であって、該ベーンは、合金全体に対してCr:3〜6質量%とC:0.6〜1.6質量%とを含む鉄基合金の基材からなり、該ベーンの先端部は、曲率半径が0.5〜3mmである断面略円弧状の曲面からなり、該先端部の基材上にクロムを蒸着させて中間層を形成する中間層形成工程と、該中間層上に非晶質炭素膜を形成する非晶質炭素膜形成工程とを備え、さらに、該中間層形成工程前に、該中間層に混入し得る炭素源を除去するクリーニング工程を備えるベーンの製造方法でもよい。
なお、ここでいう炭素源は、例えば、処理炉(チャンバー)の内壁面、処理炉内にあるベーン基材や各装置の表面、ターゲット表面等に付着している、Cを含む固体、液体または気体(単に「有機物」ともいう。)等である。
クリーニング工程は、例えば、各表面の加熱や各表面に対するイオンエッチング等によりなされるとよい。そのイオンは、Cを含まない元素、特にAr等の不活性元素のイオンがよい。
《その他》
(1)本発明でいうベーン先端部は、カムリングの内周面と摺接し得るベーンの曲面部をいう。その摺接範囲内において、ベーン先端部の曲率が変化するとき、曲率半径の最小値を本発明に係る「曲率半径」とする。通常、ベーンの最先端部(適宜「先端頂部」という。)の曲率半径が、本発明に係る「曲率半径」となる。
(2)特に断らない限り、本明細書でいう「x〜y」は下限値xおよび上限値yを含む。本明細書に記載した種々の数値または数値範囲に含まれる任意の数値を新たな下限値または上限値として「a〜b」のような範囲を新設し得る。特に断らない限り、本明細書でいう「x〜ynm」はxnm〜ynmを意味する。他の単位系(μm、mm等)についても同様である。
ベーン式オイルポンプの概要を示す構造図と、ベーンの形状を示す模式図である。 試料1・2に係るAESスペクトル図である。 試料C1〜C3に係るAESスペクトル図である。 分析対象毎のCに関するオージェ電子分光分析(AES)のスペクトル図である。 各試料に係るベーンの先端部を模式的に示した説明図である。
上述した本発明の構成要素に、本明細書中から任意に選択した一つまたは二つ以上の構成要素を付加し得る。本明細書で説明する内容は、ベーン式ポンプのみならず、ベーンの製造方法等にも該当し得る。製造方法に関する構成要素も物に関する構成要素ともなり得る。いずれの実施形態が最良であるか否かは、対象、要求性能等によって異なる。
《ベーン式ポンプ》
(1)構造
ベーン式ポンプは、少なくともカムリングとベーンを備える。図1に示すように、ベーンは、通常、板片状であり、ロータの外周側に、径方向へ進退可能に保持される。ロータの回転に伴い、ベーンは遠心力により拡径方向へ突出し、その先端部をカムリングの内周面に摺接(摺動)させつつ移動(回転)する。ベーンの移動に伴い、カムリングの内周面とロータの外周面とベーンの側面で形成される容積が変化し、オイルの吸入と吐出(圧送)がなされる。
図1からわかるように、ベーン式ポンプは、通常、カムリング、ベーンおよびロータに加えて、それら軸方向の両端側に配設されるサイドプレート、ロータの回転軸であるシャフト、シャフトを支持すると共にそれらを収容するハウジングを備える。そのシャフトが駆動源(エンジンまたはモータ)により回転駆動されて、ベーン式ポンプは作動する。ベーン式オイルポンプの摩擦損失の約8割はベーンとカムリングの間で生じ得る。それらの摺動部における低摩擦化により、ベーン式ポンプの効率は大幅に向上し得る。
なお、ベーン式ポンプの用途は問わない。例えば、車載用ベーン式ポンプなら、無段変速機(CVT:Continuously Variable Transmission)やパワーステアリングシステム等へのオイル(油圧)供給源とある。
(2)ベーン
ベーンは、図1に示すように、板片状であり、その先端部は、断面が略円弧状をした曲面からなる。本発明では、先端部の曲率が相当に大きいベーンを想定しており、その曲率半径(r)は、例えば、0.5〜3mmさらには1〜2mmである。
ベーン式ポンプのシャフト(ロータ)は、例えば、500〜4000rpmさらには1000〜2000rpmで高速回転する。このとき、ベーンの先端部は、短い周期で繰り返し変動する高面圧を受けつつ、カムリングの内周面を高速で摺動する。特に、ベーン先端部は、オイル吸入部付近において、すべり摩擦を主体とした過酷な摺動状態(境界潤滑状態〜混合潤滑状態)に曝される。このようなベーンの先端部には、信頼性を確保するために、高い耐摩耗性も要求される。
そこでベーンの基材には、耐摩耗性に優れる鉄基合金(鋼材等)が用いられる。鉄基合金は、その合金全体(100質量%)に対して、少なくとも、Cr:3〜6質量%さらには3.5〜5質量%と、C:0.6〜1.6質量%さらには0.7〜1.3質量%とを含むとよい。さらに鉄基合金は、W、Mo、V等の少なくとも一種以上を含んでもよい。例えば、W:1〜20質量%さらには5〜18質量%、Mo:3〜12質量%さらには4〜8質量%、V:0.5〜3質量%さらには1〜2質量%等である。このような鉄基合金として、例えば、炭素工具鋼(JIS SK材)、合金工具鋼(JIS SKD材、SKT材、SKS材)、高速度工具鋼(JIS SKH材/いわゆるハイス鋼)等の工具鋼がある。なお、本明細書では、特に断らない限り、基材(鉄基合金)の成分組成は、残部であるFeと不純物を含む合金全体に対する質量割合で示す。
ちなみに、少なくともCrとCを多く含む鉄基合金からなる基材表面は、微細な炭化物(クロム炭化物等)が生成または析出した状態と考えられる(図4参照)。このような炭化物が分布した基材表面にもDLC膜の製膜が可能であり、一般的な摺動部材なら、十分な密着性が確保され得る。
但し、本発明に係るベーン先端部は、かなり曲率が大きく(曲率半径が小さく)、高面圧が高速で繰り返して印加される。このようなベーン先端部に設けられるDLC膜は、仮に、従来のようなCr系下地層(中間層)を設けても、剥離等を生じ得る。しかし、本発明のように、特定の中間層を設けると、ベーン先端部でも、DLC膜の密着性の確保が可能となる。この点については後述する。
なお、ベーンの摺動相手であるカムリングは、内周面の形状が複雑であるため、例えば、鉄基焼結材からなる。鉄基焼結材からなる内周面は表面粗さが大きいため、ベーン先端部に作用する摩擦力も大きくなり易い。このような状況でも、本発明の場合、上述したDLC膜の密着性が確保される。
その他、ベーンは、適宜、熱処理(焼入れ・焼戻し等)、研削等がされて、所望の特性、寸法、表面粗さ等にされてもよい。カムリングの内周面には、リン酸塩皮膜等を形成する化成処理がなされていてもよい。これにより、カムリング側の摺動特性(耐摩耗性や低摩擦特性等)の向上が図られる。
《非晶質炭素膜》
中間層上に形成される非晶質炭素膜(DLC膜)は、単層膜でも、組成、構造、製法等が異なる複数層からなる積層膜でもよい。
DLC膜は、主成分(残部)であるCに加えて、H、O、B、Si等の非金属元素や、Cr、Ti等の金属元素を含んでもよい。DLC膜は、例えば、H含有量が少ない水素フリー非晶質炭素(「HフリーDLC」という。)からなるものでも、ドープ元素としてBを含むホウ素含有非晶質炭素(「B−DLC」という。)からなるものでもよい。
DLC膜は、基材上に形成された第1層と第1層上に形成された第2層とを少なくとも有する積層膜でもよい。この場合、例えば、第1層はHフリーDLCからなり、第2層はB−DLCからなってもよい。なお、HフリーDLCは、例えば、その全体に対してH含有量が5at%以下さらには3at%以下である。B−DLCは、例えば、その全体に対してB含有量が1〜40at%さらには5〜20at%である。
H量は、弾性反跳粒子検出法(ERDA)により定量化される。H以外の元素(B等)は、電子プローブ微小部分析法(EPMA)により定量化される。本明細書では、特に断らない限り、DLC膜の成分組成は、対象としている層または膜の全体に対する原子割合(at%)でいう。この点は、後述する中間層についても同様である。
DLC膜またはDLC膜を構成する各層は、厚さが0.5〜7μm、1〜5μmさらには2〜4μmの範囲で調整されるとよい。膜厚は、透過電子顕微鏡(TEM)による断面観察または膜厚計(CMS社製Calotest等)による測定により特定される。
《中間層》
中間層は、ベーン先端部の基材表面とDLC膜の中間にある。特定の中間層を設けることにより、基材が炭化物(炭化クロム等)を形成し易い鋼材からなる場合でも、ベーン先端部に、高密着性のDLC膜を形成できる。
中間層の厚さは、例えば、100〜500nm、130〜300nmさらには140〜250nmである。その厚さが過小では、基材側における金属クロムの形成が不十分となる。その厚さが過大になると、製膜効率や密着性の低下を招く。ベーン先端部の曲率半径(r)に対する中間層の厚さ(t)の比率である厚さ比(t/r)なら、0.7〜3、0.8〜2さらには0.9〜1.5(×10-4)とするとよい。
DLC膜の密着性を高めるため、中間層は、基材側に金属クロム(Cr単体)が十分にあるか、その基材側に生成される炭化物(炭化クロム等)が少ないとよい。具体的にいうと、基材表面から連なる厚さ50nmの基材側領域に、その基材側領域にある全Cr原子に対して、金属クロムを構成するCrの原子比率である金属クロム率が10%以上、30%以上、50%以上さらには60%以上あるとよい。また、基材側領域にある全Cr原子に対して炭化されているCrの原子比率である炭化クロム率は、50%未満、45%以下、40%以下さらには35%以下であるとよい。
本明細書でいう中間層の厚さ、その特定領域の厚さ(幅)、その原子組成等は全て、オージェ電子分光分析(AES)のスペクトルに基づいて定める。中間層自体の厚さや基材側領域の幅(厚さ)は、そのスペクトルの分析深さに基づいて定める。スペクトルの分析深さは、SiOからなる標準試料をAr+イオンでスパッタ・エッチングしたときのスパッタ時間と標準試料(SiO)の厚さ減少量とから換算して求まる。各元素量(Fe量、Cr量、C量等)は、特に断らない限り、観察域の全原子に対する原子比率(at%)で示す。
分析深さの原点は、基材と中間層の界面とする。その界面位置は、基材側からDLC膜側(表面側)に向かって、Fe量が基材中の平均値から10%減少した位置とする。基材中のFe量の平均値は、Fe量が安定している範囲(例えば、分析深さ100nmの領域で、Fe量が最大値〜5%減少値(最大値の95%値)となる範囲)における積分平均値とする。なお、基材と中間層の界面位置を単に「基材表面」ともいう。
中間層とDLC膜の界面位置は、中間層からDLC膜側へ向かって、中間層中のCr量が20at%となった位置とする。この位置と、上述した基材表面との距離(分析深さ)を中間層の厚さとする。
《製膜》
(1)DLC膜
DLC膜は種々の方法により製膜される。例えば、スパッタリング(SP)法(特にアンバランスドマグネトロンスパッタリング(UBMS)法)、アークイオンプレーティング(AIP)法等の物理蒸着(PVD)法により製膜され得る。
SP法は、ターゲットを陰極側、被覆面を陽極側として電圧を印加し、グロー放電により生じた不活性ガス原子(Ar等)のイオンをターゲット表面に衝突させて、飛び出したターゲットの粒子(原子・分子)を被覆面に堆積させて製膜をする方法である。例えば、B−DLCをSP法で成層または製膜する場合なら、ターゲットとして、純ボロン、BC等を用いることができる。放出されたB等の原子(イオン)と導入した炭化水素ガス(Cガス等)とを反応させると、B−DLCが形成される。なお、マグネトロン型スパッタリング装置については、例えば、特開平3−193871号公報等に記載がある。
AIP法は、例えば、反応ガス(プロセスガス)中で、ターゲット(蒸発源)を陰極(カソード)としてアーク放電を起こし、ターゲットから生じたイオンと反応ガス粒子を反応させて、バイアス電圧(負圧)を印加した被覆面に製膜する方法(カソードアーク法)である。反応ガスとして、メタン(CH)、アセチレン(C)、ベンゼン(C)等の炭化水素ガスを用いることもできる。例えば、水素フリーDLCは、AIP法で製膜されるとよい。なお、特開2013−53369号公報等に記載があるような、アーク・カソード型とマグネトロンスパッタリング型の複合装置を用いて製膜してもよい。
(2)中間層
中間層も種々の方法により形成される。例えば、純クロム(金属クロム)をターゲットとして、上述したスパッタリング法により中間層の形成が可能である。但し、本発明に係る中間層の形成は、炭化物(主に炭化クロム)の生成が抑止された環境下でなされるとよい。例えば、ターゲット、基材、処理炉(チャンバー)の内壁面等に付着している炭素や有機物等を十分に除去するクリーニング工程後に、中間層形成工程が行われるとよい。クリーニング工程は、例えば、Arイオンを照射するエッチング等によりなされる。クリーニング工程は、3〜20分間さらには7〜15分間程度なされるとよい。
《オイル》
ベーン式ポンプは、通常、オイル(作動油、潤滑油等)の存在下で稼働する。オイルは、例えば、自動変速機用フルード(ATF)、無段変速機用フルード(CVTF)、パワーステアリングフルード(PSF)、エンジンオイル等である。オイルは、その用途に応じて、各種の添加剤(極圧剤、摩耗防止剤、清浄分散剤等)を含んでもよい。
基材上に中間層およびDLC膜を形成したベーン(試料)を製作した。各中間層を分析すると共に、各ベーンを用いた実機試験によりDLC膜の密着性を評価した。このような具体例に基づいて、以下で本発明をさらに詳しく説明する。
《試料の製作》
(1)基材
試験片の基材として、高速度工具鋼(JIS SKH材/ハイス鋼)を用いた。この基材は、C:0.8%、Cr:4%、Mo:5%、W:6%、V:2%、残部:Feおよび不純物からなる。なお、組成は、鋼材全体に対する質量割合(質量%)である。
試験片は、実機(ベーン式ポンプ)試験に用いるベーン試験片と、中間層等の分析に用いるブロック試験片(15.7mm×6.5mm×5mm)とを用意した。ベーン試験片の形状とサイズは図1に示した板片状である。その先端(頂)部は、断面が略円弧状(かまぼこ状)の略半円筒曲面からなり、カムリング(相手材)の内周面と接触する最先端(頂部)の曲率半径(r)は1.5mmとした。
各試験片は、焼入れ、焼戻し処理によりビッカース硬さHV700以上とした後、研削加工により所望の寸法および表面粗さに仕上げた。鏡面仕上げ(表面粗さRa:0.08μm)した先端部の被覆面(単に「基材表面」ともいう。)に、後述する中間層とDLC膜を形成した。
(2)DLC膜
各試験片の被覆面(基材表面)に、金属Cr(ターゲット)をスパッタリングして中間層を形成した。その中間層上にDLC膜を製膜した(DLC製膜工程)。こうして、表1に示す試料1、2と試料C1〜C5に係る各試験片を用意した。
各DLC膜は、スパッタリング法および/またはアークイオンプレーティング法(カソードアーク法)で製膜した。その詳細は次の通りである。
試料1と試料C1では、マグネトロンスパッタリング装置(特開平3-193871号公報参照)を用いて、スパッタリング法のみにより、中間層上にB−DLC膜を形成した。
試料2と試料C2では、アーク・カソード型とマグネトロンスパッタリング型の複合装置(特開2013-53369号公報参照)を用いて、HフリーDLC層(第1層)とB−DLC層(第2層)との積層膜を、中間層上に形成した。HフリーDLC層はカソードアーク法により形成し、B−DLC層はスパッタリング法により形成した。
なお、試料1と試料2では、Hauser社製の製膜装置を用いた。試料C1と試料C2では株式会社神戸製鋼製の製膜装置を用いた。なお、いずれの試料のスパッタリングも、アンバランスドマグネトロンスパッタリング(UBMS)法により行った。この他、例えば、特開2011-26591号公報([0038]〜[0042])等で詳述されている内容を参考にDLC膜を形成した。
試料C3は、市販のHフリーDLC膜(日本アイ・ティ・エフ株式会社製ジニアスコートHA)を、中間層上に形成した。そのHフリーDLC膜は、日本アイ・ティ・エフ株式会社の製膜装置により、アークイオンプレーティング法により形成されていた。また、その中間層も、同社で標準的に形成されているCr系中間層であった。
(3)中間層
上述したように、試験片の基材表面には中間層を、DLC製膜前に形成した。具体的には、次のように中間層を形成した。
試料1、2では、先ず、中間層の形成前に、処理炉(チャンバー)の内壁面、ターゲット表面、試験片表面等に付着していた汚染物(炭素、有機物等)を除去するクリーニング工程を約10分間行った。クリーニング工程は、処理炉内を3×10-3Paまで真空排気した後、処理炉内(試験片、ターゲット等)を180℃に加熱しながら、処理炉内へHガスを1×10-2Paとなるまで導入した後、Arイオンを照射するエッチングにより行った。こうして、炭素系ガス等となって中間層へ混入し得る炭素源を可能な限り除去した。
クリーニング工程後、金属クロム(純クロム)をターゲットとして、スパッタリング法により、試験片の基材表面(被覆面)に、Cr系中間層を形成した(中間層形成工程)。
試料C1、C2でも同様に、クリーニング工程および中間層形成工程を行った。但し、これら試料に係るクリーニング工程では、Hのガス導入を行わず、Arイオン照射のみを5分間しか行わなかった。このようなクリーニング工程では、処理炉の内壁面、ターゲット表面、試験片表面等に付着していた炭素源の除去が不十分であったと推察される。
《分析・観察》
(1)DLC膜
各試料のブロック試験片に被覆したDLC膜について、膜厚、組成、構造を分析した。
DLC膜の膜厚は、その断面の走査型透過電子顕微鏡(STEM)による観察像から求めた。各DLC膜の膜厚(各層の厚さ)を表1にまとめて示した。
膜組成は次のようにして求めた。H量は、ラザフォード後方散乱分析(RBS)/水素前方散乱分析(HFS)により定量した。B量とC量は電子線マイクロアナライザ(EPMA)により定量した。
各HフリーDLC層は、いずれもH量が2at%以下であった。各B−DLC膜(層)は、いずれもB量が6〜17at%さらには8〜14at%であった。例えば、試料1のB−DLC膜はB量が10at%、試料2のB−DLC層(第2層)はB量が10at%であった。
各DLC膜(層)の厚さ方向の断面中央部へ、STEMを用いて電子線を照射したところ、いずれの試料についても、ブロードなハローパターンの電子線回折像が得られた。これにより、各DLC膜がアモルファス構造であることが確認された。
(2)中間層
各試料のブロック試験片に形成したDLC膜、中間層および基材を、オージェ電子分光分析(AES:Auger Electron Spectroscopy)した。これにより、DLC膜の表面側から内部(基材側)に向かう深さ方向について、構成元素量(組成分布)を明らかにした。具体的には、次のようにして分析した。
走査型オージェ電子分光分析装置(アルバック・ファイ株式会社製PHI700)を用いて、30°傾斜させた試験片に対して、アルゴンイオン(Ar+)ビームを照射して表面を削り(スパッタ・エッチング)、露出した新生面を分析する操作を繰返した。こうして、試験片のDLC膜側から深さ方向の分析を行った。
このとき、Ar+ビームのスキャン面積:1mm×1mm、Ar+の加速電圧:3kV、電子線加速電圧:5kV、電子線電流:10nAとした。分析面積は、試料1のみ1.6μm角とし、他の試料は0.4μm角とした。スパッタ深さ(分析深さ)は、既述したように、標準試料(SiO)のスパッタレートに基づいて換算して求めた。
こうして得られた各試料の分析結果を図2Aと図2B(両者を併せて単に「図2」という。)に示した。なお、各図中に示した分析深さの原点は、既述したように、Fe量(at%)が基材中の平均値(例えば、分析深さ20〜150nmにおけるFe量の平均値)から10%減少した位置(基材表面)とした。
さらに、各試料について、Cに関するAES分析を行った。その一例である試料1とC1に関する分析結果を、中間層に関するスペクトル:C in int.layer、B−DLC層に関するスペクトル:C in DLC として、図3に併せて示した。また、別途用意したCr(標準試料)について同様にAES分析して得られたスペクトル:C in Cr std も、各スペクトルに重ねて図3中に示した。
いずれの試料についても、中間層中のCに関する波形パターン(C in int.layer)は、DLC膜中のCに関する波形パターン(C in DLC)とは異なるが、標準試料であるCr中のCに関する波形パターンと共通することが明らかとなった。例えば、検出強度のピークが現れるとき(電子の運動エネルギーが約266eV、約276eV等であるとき)で比較すると、各波形パターン間の類否が明らかである。これらのことから、Cr系中間層に含まれるCは、ほぼCrとして存在していることがわかった。
このようにAESにより得られた各分析結果に基づいて求めた、中間層の厚さ(基材表面からDLC界面までの深さ)と、分析深さが基材表面(0nm)から−50nmまでに相当する領域(基材側領域)における金属クロム量(at%)、金属クロム率および炭化クロム率を表1に併せて示した。なお、ベーン先端部の曲率半径(r)に対する中間層の厚さ(t)の比率である厚さ比(t/r)も、表1に併せて示した。
なお、金属クロム量、金属クロム率および炭化クロム率は、AESスペクトルから次のようにして算出した。AES分析により得られたCに関する波形(図3参照)の解析結果から、CrとみなされるC量が算出される。炭化されているCr量は、原子比率で、そのC量の1.5倍存在すると判断できる。また、AESスペクトルから、中間層に存在する総Cr量(at%)も求まる。その総Cr量から、炭化されているCr量(CrとみなされるCr量)を減じると、金属Crとして存在するCr量(at%)が求まる。また、金属Crとして存在するCr量と炭化されているCr量との原子比率から、それぞれ、金属クロム率と炭化クロム率が求まる。いずれも、基材側領域の区間における積分平均値として求めた。なお、図2には、その金属Crとして存在するCr量を「金属クロム」、炭化されているCr量を「炭化クロム」として、図2に併せて示した。
《実機試験》
(1)実機
ベルト式無段変速機(CVT)用のベーン式ポンプ(図1参照)に、各試料のベーン試験片を組み込んだ。ベーン試験片の摺動相手材であるカムリングは鉄系焼結材製とした。ベーン試験片の先端部が摺接するカムリングの内周面は、リン酸塩皮膜で被覆した。オイルには、市販のCVTフルード(トヨタ自動車株式会社製CVTF)を用いた。CVTFは、CVTの作動油であると共に、各部の潤滑油でもある。このようなベーン式ポンプは、作動油圧源であると共に潤滑油供給源でもある。
(2)試験条件
各ベーン試験片を組み込んだベーン式オイルポンプを、モータリング法により稼働させてオイルを循環させた。このとき、ロータ回転数:1500rpm、吐出油圧:5.7MPa、油温:80℃として、5.5hr運転を継続した。
ちなみに、ベーン先端部のカムリング内周面への押付圧力は、オイルの吸引開始から吐出完了までの間において、吸引圧力から吐出圧力への油圧変化に応じて大きく変化する。このため、ポンプが1回転する毎に大きな変動荷重がベーン先端部に加わり、この変動荷重が回転数×時間に対応した回数繰り返しベーン先端部に印加される。
(3)観察
実機試験の終了後、ベーン先端部にあるDLC膜の剥離の有無を観察した。その結果を表1に併せて示した。
《評価》
(1)密着性
表1から明らかなように、実機試験後のベーン先端部のDLC膜は、試料1と試料2では剥離していなかった。一方、試料C1〜C3のベーン先端部には、長さ数十μm〜数百μm程度の大きさで、基材の露出が観察された。つまり、試料C1〜C3のDLC膜には、剥離が確認された。
(2)中間層
図2に示した各試料のAESスペクトルを比較するとわかるように、試料1・2と試料C1〜C3とでは、中間層における金属クロムと炭化クロムの分布形態が、大きく異なっていた。具体的にいうと、表1に示すように、中間層の基材表面近傍(基材側領域)において、試料1・2では金属クロムが15at%以上さらには20at%以上存在していた。一方、試料C1〜C3では、その基材側領域に金属クロムが殆ど存在せず、ほぼ全てが炭化クロムとなっていた。
また、中間層のDLC膜との界面近傍(DLC側領域)を観ると、試料C1〜C3は試料1・2よりも、炭化クロムが多い傾向にあった。
(3)考察
以上の観察結果を踏まえると、各試料の中間層付近は、図4の模式図に示すような状態になっていると推察される。また、図2、図4および表1に示したことを総合的に考慮すると、下地となる中間層として、基材表面近傍に所定量以上の金属クロムが存在していると、ベーン先端部に設けたDLC膜の密着性が高まるといえる。このような特定の中間層上に形成されたDLC膜でベーン先端部が被覆されている場合、ベーン式ポンプは所望の摺動特性を長期にわたって発揮し得る。

Claims (8)

  1. カムリングと、該カムリングの内周面に先端部を摺接させつつ該カムリング内を移動する板片状のベーンとを備えるベーン式ポンプであって、
    該ベーンは、合金全体に対してCr:3〜6質量%とC:0.6〜1.6質量%とを含む鉄基合金の基材からなり、
    該ベーンの先端部は、曲率半径が0.5〜3mmである断面略円弧状の曲面からなり、
    該先端部は、該基材上に形成された中間層と該中間層上に形成された非晶質炭素膜とで被覆されており、
    該中間層は、厚さが100〜500nmであると共に、該基材表面から連なる厚さ50nmの基材側領域に、該基材側領域にある全Cr原子に対して金属クロムを構成するCrの原子比率である金属クロム率が10%以上であるベーン式ポンプ。
  2. 前記基材側領域にある全Cr原子に対して炭化されているCrの原子比率である炭化クロム率が50%未満である請求項1に記載のベーン式ポンプ。
  3. 前記非晶質炭素膜は、膜厚が0.5〜7μmである請求項1または2に記載のベーン式ポンプ。
  4. 前記非晶質炭素膜は、前記基材上に形成された第1層と該第1層上に形成された第2層とを少なくとも有する積層膜である請求項1〜3のいずれかに記載のベーン式ポンプ。
  5. 前記第1層は、水素フリー非晶質炭素からなり、
    前記第2層は、ホウ素含有非晶質炭素からなる請求項4に記載のベーン式ポンプ。
  6. 前記鉄基合金は、さらにW:1〜20質量%含む請求項1〜5のいずれかに記載のベーン式ポンプ。
  7. 前記鉄基合金は、工具鋼である請求項1〜6のいずれかに記載のベーン式ポンプ。
  8. 前記カムリングは、鉄基焼結材からなる請求項1〜7のいずれかに記載のベーン式ポンプ。
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