JP2020199833A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】転がり抵抗、タイヤ騒音、耐クラック性能をバランス良く改善した空気入りタイヤを提供する。【解決手段】少なくとも2本の周方向主溝22が形成された空気入りタイヤ10であって、ベルト14のタイヤ幅方向最外側位置に等しいトレッドゴム18の表面のプロファイルライン上の点をP1とした場合に最外側周方向主溝22aのタイヤ幅方向外側の端部よりもタイヤ幅方向内側の領域をセンター領域Ceとするとともに、前記端部から点P1までのタイヤ幅方向寸法の0.3倍の寸法を有し且つ点P1を含む領域をショルダー外領域とし、内圧を50kPaから230kPaとした際に前記センター領域と前記ショルダー外領域とにおけるタイヤ径方向成長量をそれぞれCG及びSOGとしたとき、比CG/SOGが0.25以上0.55以下であることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本開示は、転がり抵抗に関する性能、タイヤ騒音に関する性能、耐クラック性能をバランス良く改善した空気入りタイヤに関する。
燃費の向上のため、タイヤにおいては転がり抵抗を低減することが重要である。例えば、転がり抵抗を低減する目的で、トレッド部の剛性を低下させ、且つ低発熱のゴムを配置するために、アンダートレッドゴムを厚くする手法がとられる。しかし、アンダートレッドゴムを厚くすると、トレッド部にクラックが発生するという問題がある。
転がり抵抗の低減及び耐クラック性能の向上を同時に実現すべく、各種技術が提案されている。例えば、特許文献1には、公称最大空気圧の5%に相当する空気圧を充填したときのショルダー領域の曲率半径CR1と公称最大空気圧を充填したときのショルダー領域の曲率半径CR2との比CR2/CR1を0.70〜0.95とすることにより、インフレートによりショルダー領域がタイヤ径方向外側に大きくなるように構成された空気入りタイヤが記載されている。斯かる構成により、特許文献1に記載の空気入りタイヤでは、転がり抵抗の低減及び耐クラック性能の向上が図られている。
特開平1−9002号公報
ところで、トレッド部においては、タイヤ周方向に延在し且つタイヤ幅方向最外側に形成された主溝の近傍に位置する陸部に荷重が集中しやすいことから、特にこのタイヤ幅方向最外側に形成された主溝の近傍に位置する陸部にクラックが発生しやすい。このタイヤ幅方向最外側に形成された主溝近傍の陸部におけるクラックの発生には、タイヤ空気圧の変化によるショルダー領域の成長量の変化だけではなく、タイヤのセンター領域とショルダー領域との成長量の関係も大きく影響するところ、特許文献1には、そのようなセンター領域とショルダー領域との成長量の関係に関する知見は一切開示されていない。このため、特許文献1に記載の技術においてはさらに改良の余地がある。
また、近年では、転がり抵抗の低減及び耐クラック性能の向上のみならず、地域環境への貢献のためタイヤ騒音を低減することも、同時に要求されることが多い。
上記事情に鑑みて、本開示は、転がり抵抗に関する性能、タイヤ騒音に関する性能、耐クラック性能をバランス良く改善した空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本開示の要旨は、以下の通りである。
アンダートレッドゴムとキャップトレッドゴムとを含むトレッドゴムを備えるとともに、前記トレッドゴムの表面にタイヤ周方向に延在する少なくとも2本の周方向主溝が形成された空気入りタイヤであって、
前記少なくとも2本の周方向主溝の合計幅は、規定リムに組み込んで規定内圧を充填した最大負荷能力の70%の荷重負荷状態における接地幅の15%以上であり、
規定リムに組み込んで規定内圧の5%の内圧を充填した無負荷状態のタイヤ子午断面視において、タイヤ赤道面におけるタイヤ表面の点をP0とし、タイヤ幅方向位置が前記空気入りタイヤのベルトのタイヤ幅方向最外側位置のタイヤ幅方向位置に等しい前記トレッドゴムの表面のプロファイルライン上の点をP1とした場合に前記点P0と前記点P1とを結ぶ線分のタイヤ幅方向に対してなす角度をθとし、タイヤ断面高さをSHとし、タイヤ最大幅位置までのタイヤ径方向高さをSWHとしたとき、
θが4°以上7°以下であり、
比SWH/SHが0.4以上0.55以下であり、
タイヤ総幅SWが規格中央値以上であり、
前記周方向主溝のうちタイヤ幅方向最外側に位置する最外側周方向主溝のタイヤ幅方向外側の端部よりもタイヤ幅方向内側のタイヤ幅方向領域をセンター領域とするとともに、前記端部から前記点P1までのタイヤ幅方向領域をショルダー領域とし、さらに、前記ショルダー領域のうち、前記端部から前記点P1までのタイヤ幅方向寸法の0.3倍の寸法を有し且つ前記点P1を含む領域をショルダー外領域とし、無負荷状態において内圧を50kPaから230kPaとした際に前記センター領域と前記ショルダー外領域とにおけるタイヤ径方向成長量をそれぞれCG及びSOGとしたとき、比CG/SOGが0.25以上0.55以下であることを特徴とする、空気入りタイヤ。
本開示に係る空気入りタイヤによれば、センター領域とショルダー領域との成長量の関係等に着目することで、転がり抵抗に関する性能、タイヤ騒音に関する性能、耐クラック性能をバランス良く改善することができる。
図1は、基本形態に係る空気入りタイヤを示すタイヤ子午断面図である。 図2は、基本形態に係る空気入りタイヤのトレッド表面の一例を示す平面図である。 図3は、基本形態に係る空気入りタイヤの全体構成を示すタイヤ子午断面図である。 図4は、内圧50kPa及び230kPaをそれぞれ充填した状態における、最外側周方向主溝近傍の拡大図である。 図5は、ベルトカバー16の歪みに対する、センター領域Ce及びショルダー領域Shの各々に加わる応力の関係を示す図である。
以下、本開示に係る空気入りタイヤの実施の形態(以下に示す、基本形態及び付加的形態1乃至5)を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、これらの実施の形態は、本開示を限定するものではない。また、上記実施の形態の構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、或いは実質的に同一のものが含まれる。さらに、上記実施の形態に含まれる各種形態は、当業者が自明の範囲内で任意に組み合わせることができる。
≪基本形態≫
以下に、本発明に係る空気入りタイヤについて、その基本形態を説明する。以下の説明において、タイヤ径方向とは、空気入りタイヤの回転軸と直交する方向をいい、タイヤ径方向内側とはタイヤ径方向において回転軸に向かう側、タイヤ径方向外側とはタイヤ径方向において回転軸から離れる側をいう。また、タイヤ周方向とは、上記回転軸を中心軸とする周り方向をいう。さらに、タイヤ幅方向とは、上記回転軸と平行な方向をいい、タイヤ幅方向内側とはタイヤ幅方向においてタイヤ赤道面(タイヤ赤道線)に向かう側、タイヤ幅方向外側とはタイヤ幅方向においてタイヤ赤道面から離れる側をいう。なお、タイヤ赤道面CLとは、空気入りタイヤの回転軸に直交するとともに、空気入りタイヤのタイヤ幅の中心を通る平面である。
図1は、本基本形態に係る空気入りタイヤを示すタイヤ子午断面図である。なお、図1は、規定リムに組み込んで規定内圧の5%の内圧を充填した無負荷状態の空気入りタイヤ10を示す。ここで、規定リムとは、JATMAに規定される「適用リム」、TRAに規定される「Design Rim」、又はETRTOに規定される「Measuring Rim」をいう。また、規定内圧とは、JATMAに規定される「最高空気圧」、TRAに規定される「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」の最大値、又はETRTOに規定される「INFLATION PRESSURES」をいう。
図1に示す空気入りタイヤ10は、カーカス12と、ベルト14と、ベルトカバー16と、トレッドゴム18と、を備える。
カーカス12は、図示しないタイヤ幅方向両側のビードコア間に架け渡され、タイヤの骨格を形成する部材である。カーカス12は、少なくとも1層(図1においては1層)のカーカス層を含む。
ベルト14は、カーカス12のタイヤ径方向外側に配置され、カーカス12を強く締め付け、トレッド部Tの剛性を高める部材である。ベルト14は、タイヤ径方向内側から外側に向けて順に形成された2層以上、図1に示す例では2層のベルト層14a及び14bから構成されている。ベルト層14a及び14bは、ベルトコードが互いに交差する構造を有する。
ベルトカバー16は、ベルト層14a及び14bのタイヤ幅方向外端部を覆うようにベルト14のタイヤ径方向外側に配置され、高速走行時のベルト14のタイヤ幅方向両端部の遠心力による浮き上がりを抑制する部材である。ベルトカバー16は、タイヤ径方向内側から外側に向けて順に形成された複数枚の、図1に示す例では2枚のベルトカバー16a及び16bから構成されている。これにより、主にベルト14の端部の剥離故障を防止して高速耐久性を向上させることができる。
トレッドゴム18は、主に、カーカス12及びベルト14のタイヤ径方向外側に配置されて路面と接する部材であり、カーカス12を保護し、その摩耗や外傷を防止するタイヤの外皮部材である。図1に示すように、トレッドゴム18は、アンダートレッドゴム18a(同図の斜線部分)と、アンダートレッドゴム18aのタイヤ径方向外側に形成されたキャップトレッドゴム18bと、を含む。
図2は、図1に示す本基本形態の空気入りタイヤのトレッドパターンを示す平面図である。図2における符号E1及びE2は、それぞれ接地端線(連続する接地端をタイヤ周方向に連ねた線)を示す。図2に示すように、空気入りタイヤ10のトレッド部Tには、タイヤ周方向に延在する少なくとも2本の周方向主溝22(同図では4本の周方向主溝22a乃至22d)が形成されている。これら4本の周方向主溝22の合計幅は、規定リムに組み込んで規定内圧を充填した最大負荷能力の70%の荷重負荷状態における接地幅の15%以上である。
ここで、主溝とは、JATMAに規定されるウェアインジケータの表示義務を有する溝であり、一般にトレッド幅TWの2%以上の溝幅を有する溝をいう。また、溝幅とは、溝の開口部において溝の延在方向と垂直な方向に測定した、隣り合う陸部同士間の寸法をいう。また、最大負荷能力とは、JATMAに規定される「最大負荷能力」、TRAに規定される「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」の最大値、又はETRTOに規定される「LOAD CAPACITY」をいう。
そして、図2に示すように、本実施形態の空気入りタイヤ10は、周方向主溝22a乃至22dのうちタイヤ幅方向最外側に位置する最外側周方向主溝22a及び22dのタイヤ幅方向外側のそれぞれに、タイヤ幅方向に対して傾斜する複数のラグ溝24が、タイヤ周方向に一定の間隔で形成されている。また、図2に示す例では、タイヤ幅方向外側の2つの最外側周方向主溝22a及び22dのそれぞれからタイヤ幅方向に対して傾斜してタイヤ幅方向内側に延在して周方向主溝22b及び22cのそれぞれに連通する第一細溝26a及び26bの組がタイヤ周方向に一定の間隔で形成されている。さらに、図2に示す例では、タイヤ幅方向内側の2つの周方向主溝22b及び22cのそれぞれからタイヤ幅方向に対して傾斜してタイヤ幅方向内側に延在して陸部内で終端する第二細溝28がタイヤ周方向に一定の間隔で形成されている。
以下、規定リムに組み込んで規定内圧の5%の内圧を充填した無負荷状態における各溝の寸法を示す。周方向主溝22の溝幅は、例えば、6mm〜12mmであり、周方向主溝22の溝深さは、例えば、6mm〜9mmであり、周方向主溝22間の間隔は、例えば、10mm〜35mmである。ラグ溝24の溝幅は、例えば、1.5mm〜4mmであり、ラグ溝24の溝深さは、例えば、4.4mm〜7.4mmであり、ラグ溝24間の間隔は、例えば、12mm〜40mmである。第一細溝26a、26b及び第二細溝28の溝幅は、例えば、0.5mm〜1.5mmであり、第一細溝26a、26b及び第二細溝28の溝深さは、例えば、4.4mm〜7.4mmである。隣り合う第一細溝26a及び26b間の間隔は、例えば、12mm〜25mmであり、第一細溝26a及び26bの隣り合う組同士の間隔は、例えば、8mm〜20mmであり、隣り合う第二細溝28間の間隔は、例えば、12mm〜40mmである。ここで、溝幅とは、溝の延在方向に垂直な方向における最大寸法であり、溝深さとは、溝がないとした場合におけるタイヤプロファイルラインから溝底までタイヤ径方向に測定した際の最大寸法である。
図3は、本基本形態に係る空気入りタイヤの全体構成を示すタイヤ子午断面図である。図3に示すように、規定リムに組み込んで規定内圧の5%を充填した無負荷状態におけるタイヤ子午断面視で、タイヤ赤道面CLにおけるタイヤ表面の点をP0とし、タイヤ幅方向位置がベルト14のタイヤ幅方向最外側位置のタイヤ幅方向位置に等しいトレッド表面のプロファイルライン上の点をP1とし、点P0と点P1とを結ぶ線分のタイヤ幅方向に対してなす角度をθとし、タイヤ断面高さをSHとし、タイヤ最大幅位置までのタイヤ径方向高さをSWHとしたとき、本基本形態に係る空気入りタイヤ10は、
θが4°以上7°以下であり、
比SWH/SHが0.4以上0.55以下であり、
タイヤ総幅SWが規格中央値以上である、
ように構成されている。
ここで、規格とは、上述したJATMA、TRA、又はETRTOをいう。また、規格中央値とは、JATMA等に掲載されている複数のタイヤ総幅を小さい値から順に並べた場合に、中央に位置する値をいう。
また、図3に示すように、周方向主溝22a乃至22dのうちタイヤ幅方向最外側に位置する最外側周方向主溝22a及び22dのタイヤ幅方向外側の端部23よりもタイヤ幅方向内側のタイヤ幅方向領域をセンター領域Ceとするとともに、端部23から点P1までのタイヤ幅方向領域をショルダー領域Shとし、さらに、ショルダー領域Shのうち、端部23から点P1までのタイヤ幅方向寸法の0.3倍の寸法を有し且つ点P1を含む領域をショルダー外領域Shoutとし、ショルダー外領域Shoutよりもタイヤ幅方向内側の領域をショルダー内領域Shinとする。このとき、本基本形態に係る空気入りタイヤ10は、規定リムに組込んで無負荷状態において内圧を50kPaから230kPaとした際にセンター領域Ceとショルダー外領域Shとにおけるタイヤ径方向成長量をそれぞれCG及びSOGとしたとき、比CG/SOGが0.25以上0.55以下となるように構成されている。
ここで、各タイヤ径方向成長量CG及びSOGは、例えば、無負荷状態におけるタイヤ子午断面視で、センター領域Ce及びショルダー外領域Shoutの各々の任意の3点(溝が形成されている部分を除く)における、内圧50kPaを充填した場合と内圧230kPaを充填した場合とでのタイヤ径方向の各変化量の平均値とすることができる。特に、上述のセンター領域Ce及びショルダー外領域Shoutの各々の任意の3点とは、例えば、無負荷状態におけるタイヤ子午断面視で、センター領域Ce及びショルダー外領域Shoutの各々を、溝が形成されている部分を除いて3等分する3点とすることができる。なお、各タイヤ径方向成長量CG及びSOGとしては、これに限定されず、センター領域Ce及びショルダー外領域Shoutの各々において溝が形成された部分を除く任意の少なくとも1点におけるタイヤ径方向の変化量を用いてもよい。また、SOGとしては、タイヤ幅方向両側の2つのショルダー外領域Shoutにおけるタイヤ径方向の変化量の平均値を用いてもよい。
なお、本発明では、空気入りタイヤ10の寸法は、通常使用される範囲の内圧を充填したときの無負荷状態で測定される。本基本形態では、空気入りタイヤの寸法を規定するために規定内圧の5%の内圧が選択されている。しかしながら、本基本形態に係る空気入りタイヤ10は、通常使用される範囲の内圧が充填されていれば、効果を発揮する。よって、空気入りタイヤ10に規定内圧の5%の内圧が充填されていることが本発明の実施上、必須でないことに留意されたい。
以上に示す、本基本形態に係る空気入りタイヤは、通常の各製造工程、即ち、タイヤ材料の混合工程、タイヤ材料の加工工程、グリーンタイヤの成型工程、加硫工程及び加硫後の検査工程等を経て得られるものである。本基本形態の空気入りタイヤを製造する場合には、加硫用金型の内壁に、例えば、図2に示すトレッドパターンに対応する凸部及び凹部を形成し、この金型を用いて加硫を行う。
(作用等)
本基本形態に係る空気入りタイヤ10によれば、以下のような作用効果を奏することができる。
本基本形態に係る空気入りタイヤ10は、規定リムに組み込んで規定内圧の5%を充填した無負荷状態において、θが4°以上7°以下となるように構成されている。
トレッド部Tにおいては、タイヤ子午断面視においてセンター領域Ceからショルダー領域Shにかけてタイヤ径方向内側に傾斜している分、走行時の入力によってショルダー領域Shがタイヤ径方向に変形しやすい。このショルダー領域Shの変形により、周方向主溝22a乃至22dのうち、特にセンター領域Ceとショルダー領域Shとの境界に位置する最外側周方向主溝22a及び22dの近傍に位置する陸部に荷重がかかりやすく、その結果、最外側周方向主溝22a及び22d近傍の陸部にクラックが発生しやすい。θを4°以上とすることにより、トレッド部Tからショルダー領域Shまでの厚みの変化(即ち剛性の変化)を滑らかにすることができる。このような剛性の滑らかな変化によって、特に最外側周方向主溝22a及び22d近傍の陸部に局所的に荷重がかかることが抑制されるため、最外側周方向主溝22a及び22d近傍の陸部にクラックが生じることを抑制することができる(作用効果1)。
これに対し、θを7°以下とすることで、接地幅の荷重依存性が過度に大きくならず、接地面積が過度に増大しないため、荷重負荷状態での転がり抵抗を低減することができる(作用効果2)。
ここで、θが4°よりも小さいと、ショルダー領域Shがフラットになりすぎる結果、接地長及び接地幅が大きくなり、ひいては接地面積が大きくなりすぎる。そのため、トレッド部Tの振動等によって励起されるショルダー領域Shのラグ溝24内の空気の固有振動に起因する気柱共鳴音が増大し、その結果、タイヤ騒音に関する性能が悪化する。なお、接地長とは、タイヤの接地領域におけるタイヤ周方向の最大長さである。一方、θが7°よりも大きいと、ショルダー領域Shが丸くなりすぎて、走行時の入力によって主にショルダー領域Shの部分が大きく変形し、剛性が低下してしまうため、転がり抵抗が悪化する。
本基本形態に係る空気入りタイヤ10は、規定リムに組み込んで規定内圧の5%を充填した無負荷状態において、SHに対するSWHの比SWH/SHが0.40以上0.55以下となるように構成されている。比SWH/Hを0.40以上とすることで、図3におけるタイヤ子午断面視で、タイヤ最大幅位置からタイヤ径方向最外位置までのタイヤ径方向寸法が過度に大きくなることを抑制することができる。これにより、走行時の入力によって主にショルダー領域Shの部分が大きく変形することが抑制され、特に最外側周方向主溝22a及び22d近傍の陸部に局所的に荷重がかかることが抑制されるため、最外側周方向主溝22a及び22d近傍の陸部にクラックが生じることを抑制することができる(作用効果3)。
これに対し、比SWH/SHを0.55以下とすることで、図3におけるタイヤ子午断面視で、タイヤ最大幅位置からタイヤの径方向最外位置までのタイヤ径方向寸法を十分に確保することができる。これにより、タイヤ子午断面視で、トレッド部Tからショルダー領域Shまでの厚みの変化(即ち剛性の変化)を滑らかにすることができる。このような剛性の滑らかな変化によって、特に最外側周方向主溝22a及び22d近傍の陸部に局所的に荷重がかかることが抑制されるため、最外側周方向主溝22a及び22d近傍の陸部にクラックが生じることを抑制することができる(作用効果4)。
ここで、SWH/SHが0.4よりも小さいと、走行時の入力によって主にショルダー領域Shの部分が大きく変形し、剛性が低下してしまうため、転がり抵抗が悪化してしまう。一方、SWH/SHが0.55よりも大きいと、タイヤ最大幅位置からタイヤの径方向最外位置までのタイヤ径方向寸法を十分に確保できず、ショルダー領域Shにおけるタイヤ径方向成長量が不十分になる。そのため、特に最外側周方向主溝22a及び22d近傍の陸部に局所的に荷重がかかりやすくなることから、最外側周方向主溝22a及び22d近傍の陸部におけるクラックの発生を十分に抑制することができない。
本基本形態に係る空気入りタイヤ10は、規定リムに組み込んで規定内圧の5%を充填した無負荷状態において、図3に示すタイヤ総幅SWが規格中央値以上となるように構成されている。タイヤ総幅SWを規格中央値以上とすること、換言すれば、タイヤ総幅SWをある程度大きくすることにより、タイヤ内空洞の体積を十分に確保し、荷重負荷状態におけるタイヤの撓みを低減することができ、ひいては荷重負荷状態での転がり抵抗を低減することができる(作用効果5)。なお、SWが規格中央値よりも小さい場合、タイヤ内空洞の体積を十分に確保できず、ショルダー領域Shにおけるタイヤ径方向成長量が不十分になる。そのため、特に最外側周方向主溝22a及び22d近傍の陸部に荷重が局所的にかかりやすくなることから、最外側周方向主溝22a及び22d近傍の陸部におけるクラックの発生を十分に抑制することができない。
本基本形態に係る空気入りタイヤ10は、規定リムに組み込んで規定内圧の5%を充填した無負荷状態において、SOGに対するCGの比CG/SOGが0.25以上0.55以下となるように構成されている。比CG/SOGを0.25以上とすることで、ショルダー領域Shにおいて十分なタイヤ径方向成長量を確保することができる。その結果、特に最外側周方向主溝22a及び22d近傍の陸部に局所的に荷重がかかることが抑制されるため、最外側周方向主溝22a及び22d近傍の陸部にクラックが生じることを抑制することができる(作用効果6)。
これに対して、比CG/SOGを0.55以下とすることで、ショルダー領域Shにおける接地長及び接地幅を十分に小さくし、ひいてはショルダー領域Shにおける接地面積を十分に小さくすることができる。そのため、トレッド部Tの振動等によって励起されるショルダー領域Shのラグ溝24内の空気の固有振動に起因する気柱共鳴音を低減し、ひいてはタイヤ騒音を低減することができる(作用効果7)。
ここで、比CG/SOGが0.25よりも小さいと、センター領域Ceのタイヤ径方向成長量と比較してショルダー領域Shにおけるタイヤ径方向成長量が大きくなりすぎて、ショルダー領域Shがフラットになりすぎる結果、ショルダー領域Shにおける接地長及び接地幅が大きくなり、ひいてはショルダー領域Shにおける接地面積が大きくなる。そのため、トレッド部Tの振動等によって励起されるショルダー領域Shのラグ溝24内の空気の固有振動に起因する気柱共鳴音が増大し、その結果、タイヤ騒音に関する性能が悪化する。一方、比CG/SOGが0.55よりも大きいと、ショルダー領域Shにおけるタイヤ径方向成長量が小さすぎて特に最外側周方向主溝22a及び22d近傍の陸部に荷重が局所的にかかりやすくなることから、最外側周方向主溝22a及び22d近傍の陸部におけるクラックの発生を十分に抑制することができない。
以上に示すように、本実施形態の空気入りタイヤでは、θ、比SWH/SH、SW、及び比CG/SOG、についてそれぞれ改良を加えることで、上記作用効果1乃至7が相まって、転がり抵抗、タイヤ騒音性能、及び耐クラック性能をバランス良く改善することができる。
≪付加的形態≫
次に、本発明に係る空気入りタイヤの上記基本形態に対して、任意選択的に実施可能な、付加的形態1から5を説明する。
(付加的形態1)
図4は、内圧50kPa及び230kPaをそれぞれ充填した状態における、最外側周方向主溝22近傍の拡大図である。図4では、規定リムに組込んで内圧230kPaを充填した状態が実線で表され、規定リムに組込んで内圧50kPaを充填した状態が点線で表されている。
図4に示すように、付加的形態1に係る空気入りタイヤ10は、規定リムに組込んで内圧50kPaを充填した状態における最外側周方向主溝22のタイヤ幅方向寸法をGW50とし、内圧230kPaを充填した状態における最外側周方向主溝22のタイヤ幅方向寸法をGW230としたとき、GW230に対するGW50の比GW50/GW230が、0.92以上0.96以下であるように構成されていることが好ましい。ここで、最外側周方向主溝22のタイヤ幅方向寸法は、最外側周方向主溝22におけるタイヤ幅方向の内側端部と外側端部との間の寸法(最外側周方向主溝22が面取りされている場合にはその面取り部分を含むタイヤ幅方向の内側端部と外側端部との間の寸法)によって設定されるものとする。また、最外側周方向主溝22のタイヤ幅方向寸法は、2つの最外側周方向主溝22a及び22dのタイヤ幅方向寸法の平均値を用いて設定されてもよい。
比GW50/GW230を0.92以上とすることで、内圧充填時において最外側周方向主溝22a及び22d近傍の陸部をタイヤ幅方向について十分に変形させることができ、ひいてはショルダー領域Shにおいて十分なタイヤ径方向成長量を確保することができる。その結果、特に最外側周方向主溝22a及び22d近傍の陸部に局所的に荷重がかかることが抑制されるため、最外側周方向主溝22a及び22d近傍の陸部にクラックが生じることを抑制することができる。
これに対して、比GW50/GW230を0.96以下とすることで、内圧充填時においてショルダー領域Shにおける接地長及び接地幅が十分に小さくなり、ひいてはショルダー領域Shにおける接地面積が十分に小さくなる。そのため、トレッド部Tの振動等によって励起されるショルダー領域Shのラグ溝24内の空気の固有振動に起因する気柱共鳴音を低減し、ひいてはタイヤ騒音に関する性能を向上させることができる。また、接地面積が過度に増大しないため、荷重負荷状態での転がり抵抗を低減することができる。
ここで、比GW50/GW230が0.92よりも小さいと、内圧充填時における最外側周方向主溝22a及び22d近傍の陸部のタイヤ幅方向についての変形量が小さすぎてしまい、ショルダー領域Shにおいて十分なタイヤ径方向成長量を確保することができないことから、最外側周方向主溝22a及び22d近傍の陸部におけるクラックの発生を十分に抑制することができない。一方、GW50/GW230が0.96よりも大きいと、内圧充填時における最外側周方向主溝22a及び22d近傍の陸部のタイヤ幅方向についての変形量が大きくなりすぎてしまう結果、接地面積が過度に増大してしまうため、転がり抵抗が増大する。
(付加的形態2)
図1に示すように、規定リムに組み込んで規定内圧の5%を充填した無負荷状態における周方向主溝22下のキャップトレッドゴム18bの厚さをUGGとすると、付加的形態2に係る空気入りタイヤ10は、厚さUGGが0.3[mm]以上1.5[mm]以下になるように構成されていることが好ましい。ここで、厚さUGGは、周方向主溝22の溝底のタイヤ幅方向中心位置から、アンダートレッドゴム18aまでのタイヤ径方向の寸法とする。
厚さUGGを0.3[mm]以上とすることで、周方向主溝22下のキャップトレッドゴム18bを十分に薄くすることができるため、走行時の入力によって周方向主溝22下のキャップトレッドゴム18bが大きく変形することを抑制することができる。これにより、周方向主溝22下のキャップトレッドゴム18bにおいて十分な剛性を確保することができることから、転がり抵抗を低減することが可能となる。
これに対して、厚さUGGを1.5[mm]以下とすることで、周方向主溝22下のキャップトレッドゴム18bにおけるタイヤ径方向の振動幅を十分に小さくすることができるため、タイヤ騒音を低減することが可能となる。
厚さUGGが0.3[mm]よりも小さいと、周方向主溝22下のキャップトレッドゴム18bが薄くなりすぎて周方向主溝22下のキャップトレッドゴム18bにおいて十分な耐久性能を得ることができないことから、周方向主溝22近傍の陸部にクラックが発生しやすくなる。一方、UGGが1.5[mm]よりも大きいと、周方向主溝22下のキャップトレッドゴム18bにおける剛性が小さくなりすぎるため、転がり抵抗が増大する。
(付加的形態3)
キャップトレッドゴム18bの硬度をCHSとし、アンダートレッドゴム18aの硬度をUHSとすると、付加的形態3に係る空気入りタイヤ10は、硬度CHSと硬度UHSとの差CHS−UHSが、JIS硬度で、5より大きく15よりも小さくなるように構成されていることが好ましい。ここで、JIS硬度とは、JIS K 6253に規定されているように、デュロメータを計測器として用いた方法で測定した値である。
また、本基本形態に係る空気入りタイヤ10は、60℃でのキャップトレッドゴム18bのtanδCが60℃でのアンダートレッドゴム18aのtanδUよりも大きくなるように構成されていることが好ましい。
さらに、本基本形態に係る空気入りタイヤ10は、タイヤ子午断面視において、トレッドゴム18の断面積TAに対するアンダートレッドゴム18aの断面積UAの比UA/TAが0.2以上0.4以下となるように構成されていることが好ましい。
上記硬さの差CHS−UHSがJIS硬度で5より大きく15よりも小さいことで、特にショルダー領域Shにおいて、車両走行時に路面からキャップトレッドゴム18bに入力があった際にアンダートレッドゴム18aが十分に追随して変形することができる。このため、特に最外側周方向主溝22a及び22d近傍の陸部に局所的に荷重がかかることが抑制されるため、最外側周方向主溝22a及び22d近傍の陸部にクラックが生じることを抑制することができる。
60℃でのキャップトレッドゴム18bのtanδCが60℃でのアンダートレッドゴム18aのtanδUよりも大きいことにより、転がり抵抗を低減し且つ耐発熱性を強化することができる。
比UA/TAが0.2以上であることで、トレッドゴム18においてアンダートレッドゴム18aの比率が十分に大きくなり、走行時にベルト14とキャップトレッドゴム18bとが異なる挙動を示した場合に、アンダートレッドゴム18aがこれらの挙動に対して緩衝的な役割を果たすことができる。そのため、タイヤ騒音を低減することが可能となる。
これに対して、比UA/TAが0.4以下であることで、トレッドゴム18においてアンダートレッドゴム18aの比率が過度に大きくならず、トレッドゴム18全体において十分な剛性を確保することができるため、転がり抵抗を低減することが可能となる。
比UA/TAが0.2よりも小さい場合、トレッドゴム18においてアンダートレッドゴム18aの比率が小さくなりすぎてしまう結果、走行時にベルト14とキャップトレッドゴム18bとが異なる挙動を示した場合に、アンダートレッドゴム18aがこれらの挙動に対して緩衝的な役割を果たすことができない。そのため、タイヤ騒音が増大する。また、トレッドゴム18においてキャップトレッドゴム18bの比率が大きくなりすぎてしまう結果、トレッドゴム18の剛性が増加することで接地面積が小さくなり、転動中の接地圧が上昇するため、転がり抵抗が増大する。
一方、比UA/TAが0.4よりも大きい場合、トレッドゴム18において比較的柔らかいアンダートレッドゴム18aの比率が大きくなりすぎてしまい、トレッドゴム18全体において十分な剛性を確保することができない。そのため、特に、局所的に荷重がかかりやすい最外側周方向主溝22a及び22d近傍の陸部において十分な耐久性能を確保することができないことから、最外側周方向主溝22a及び22d近傍の陸部においてクラックが発生しやすくなる。
(付加的形態4)
図5は、ベルトカバー16の歪みに対する、センター領域Ce及びショルダー領域Shの各々に加わる応力の関係を示す図である。図5に示すように、規定リムに組み込んで規定内圧の5%を充填した無負荷状態で、ベルトカバー16がその全長の1%歪んだ場合にセンター領域Ceに加わる応力とベルトカバー16がその全長の3%歪んだ場合にセンター領域Ceに加わる応力とによるセンター領域Ceにおける応力の傾きをCSとし、ベルトカバー16がその全長の1%歪んだ場合にショルダー領域Shに加わる応力とベルトカバー16がその全長の3%歪んだ場合にショルダー領域Shに加わる応力とによるショルダー領域Shにおける応力の傾きをSSとしたとき、付加的形態4に係る空気入りタイヤ10は、比CS/SSが2以上3以下であるように構成されていることが好ましい。ここで、斯かる応力の傾きCS及びSSがそれぞれ小さいほど、その領域におけるベルトカバー16による拘束が弱くなり、各領域に応力が加わった場合に、その領域が歪みやすく、その領域における変形量が大きくなる。また、斯かる応力の傾きCS及びSSがそれぞれ大きいほど、その領域におけるベルトカバー16による拘束が強くなり、各領域に応力が加わった場合に、その領域が歪みにくく、その領域における変形量が小さくなる。
比CS/SSが2以上であることで、ベルトカバー16によるショルダー領域Shの拘束を十分に弱くすることができるため、センター領域Ceのタイヤ径方向成長量に対してショルダー領域Shにおいて十分なタイヤ径方向成長量を確保することができる。その結果、特に最外側周方向主溝22a及び22d近傍の陸部に局所的に荷重がかかることが抑制されるため、最外側周方向主溝22a及び22d近傍の陸部にクラックが生じることを抑制することができる。
これに対して、比CS/SSが3以下であることで、ベルトカバー16によるショルダー領域Shの拘束が過度に弱くならず、トレッド部Tにおいて十分な剛性を確保することができるため、転がり抵抗を低減することが可能となる。
比CS/SSが2より小さい場合、ベルトカバー16によるショルダー領域Shの拘束が強くなりすぎるため、センター領域Ceのタイヤ径方向成長量に対してショルダー領域Shにおいて十分なタイヤ径方向変形量が得られない。その結果、特に最外側周方向主溝22a及び22d近傍の陸部に荷重が局所的にかかりやすくなることから、最外側周方向主溝22a及び22d近傍の陸部におけるクラックの発生を十分に抑制することができない。
一方で、比CS/SSが3より大きい場合、ベルトカバー16によるショルダー領域Shの拘束が弱くすぎて、センター領域Ceのタイヤ径方向成長量に対してショルダー領域Shのタイヤ径方向成長量が大きくなりすぎる。そのため、ショルダー領域Shがフラットになりすぎる結果、ショルダー領域Shにおける接地長及び接地幅が大きくなり、ひいてはショルダー領域Shにおける接地面積が大きくなる。そのため、トレッド部Tの振動等によって励起されるショルダー領域Shのラグ溝24内の空気の固有振動に起因する気柱共鳴音が増大し、その結果、タイヤ騒音に関する性能が悪化する。
(付加的形態5)
センター領域Ceの面積に対するトレッド面内の第一細溝26a、26b及び第二細溝28の溝面積比をGRとすると、付加的形態5に係る空気入りタイヤ10は、溝面積比GRが0.02以上0.07以下であるように構成されていることが好ましい。
溝面積比GRが0.02以上であることで、内圧充填時においてセンター領域Ceにおける接地面積が十分に小さくなる。そのため、トレッド部Tの振動等によって励起されるセンター領域Ceの第一細溝26a、26b及び第二細溝28内の空気の固有振動に起因する気柱共鳴音を低減し、ひいてはタイヤ騒音を低減することができる。
これに対し、溝面積比GRが0.07以下であることで、センター領域Ceにおける接地面積を十分に低減することができるため、転がり抵抗を低減することが可能となる。
溝面積比GRが0.02よりも小さいと、第一細溝26a、26b付近のブロックの剛性が高くなり、トレッド部Tにおけるタイヤ径方向変形量が小さくなるため、トレッド部Tが変形しづらくなり、トレッド部Tの発熱が増えてしまうことから、転がり抵抗を低減させることができない。一方、溝面積比GRが0.07よりも大きいと、内圧充填時においてセンター領域Ceにおける接地面積が大きくなりすぎてしまうため、トレッド部Tの振動等によって励起されるセンター領域Ceにおける第一細溝26a、26b及び第二細溝28の内の空気の固有振動に起因する気柱共鳴音が増大し、その結果、タイヤ騒音が増大する。
ここで、第一細溝26a、26b及び第二細溝28は、各リブについて合計で70〜120個配置されることが好ましい。また、第二細溝28のように溝が途中で分断されている場合は、その途中で分断されている溝のカウント数×0.5を溝の本数としてもよい。
≪実施例≫
タイヤサイズを185/60R15 84Hとし、図1、3に示すタイヤ子午断面形状及び図2に示すトレッドパターンを有する実施例1乃至6の空気入りタイヤ、並びに従来例の空気入りタイヤを作製した。なお、これらの空気入りタイヤの細部の諸条件については、以下の表1、2に示すとおりである。
このように作製した、実施例1乃至6に係る空気入りタイヤ及び従来例に係る空気入りタイヤを規定リムに組んで、最大負荷能力の66%の荷重(330kg)を負荷して、排気量(1300cc)の試験車両に装着し、以下の要領に従い、転がり抵抗、タイヤ騒音及びグルーブクラックについての評価を行った。
(転がり抵抗に関する性能)
ISO 28580に準拠したフォース法により、各試験タイヤについて転がり抵抗を測定した。そして、この測定結果に基づいて従来例を基準(100)とした指数評価を行った。この評価は、指数が大きいほど、転がり抵抗に関する性能が高いことを示す。
(タイヤ騒音に関する性能)
ISO 10844:1994の規定を満たした路面を走行した際の車外通過音の大きさによって評価した。具体的には、各試験タイヤを装着した試験車両を、テストコースにて速度50km/hで走行させて車両の幅方向における両側からタイヤノイズを8回測定し、その平均値を算出した。そして、この測定結果を、従来例を基準(100)とした指数評価を行った。このタイヤ騒音に関する指数は音圧レベル差を示すため、この指数が小さいほどタイヤ騒音に関して優れた結果を示すことを意味する。
(耐クラック性能)
各試験タイヤについて耐クラック性能を評価した。具体的には、各試験タイヤを規定リムに組み付け、内圧50kPa、温度50℃、オゾン濃度100pphmの環境下で3日間8時間ずつ暴露させた後、最終的に発生したクラックの数をカウントした。そして、この測定結果を、従来例を基準(100)とした指数評価を行った。この評価は、指数が大きいほど、耐クラック性能が高いことを示す。
Figure 2020199833
Figure 2020199833
表1、2によれば、本発明の技術的範囲に属する(即ち、θ、比SWH/SH、タイヤ総幅SW及び比CG/SOGの関係、比GW50/GW230の関係、周方向主溝22下のキャップトレッドゴム18bの厚さUGGの関係、硬度の差CHS−UHS、tanδC、tanδU及び比UA/TAの関係、比CS/SSの関係、並びに比GRの関係について改良を加えた)実施例1から6の空気入りタイヤについては、いずれも、本発明の技術的範囲に属しない、従来例の空気入りタイヤに比べて、転がり抵抗性能と、タイヤ騒音性能と、耐クラック性能と、がバランス良く改善されていることがわかる。
10 空気入りタイヤ
12 カーカス
14 ベルト
16 ベルトカバー
18 トレッドゴム
22 周方向主溝
Ce センター領域
Sh ショルダー領域
CL タイヤ赤道面
T トレッド部

Claims (6)

  1. アンダートレッドゴムとキャップトレッドゴムとを含むトレッドゴムを備えるとともに、前記トレッドゴムの表面にタイヤ周方向に延在する少なくとも2本の周方向主溝が形成された空気入りタイヤであって、
    前記少なくとも2本の周方向主溝の合計幅は、規定リムに組み込んで規定内圧を充填した最大負荷能力の70%の荷重負荷状態における接地幅の15%以上であり、
    規定リムに組み込んで規定内圧の5%の内圧を充填した無負荷状態のタイヤ子午断面視において、タイヤ赤道面におけるタイヤ表面の点をP0とし、タイヤ幅方向位置が前記空気入りタイヤのベルトのタイヤ幅方向最外側位置のタイヤ幅方向位置に等しい前記トレッドゴムの表面のプロファイルライン上の点をP1とした場合に前記点P0と前記点P1とを結ぶ線分のタイヤ幅方向に対してなす角度をθとし、タイヤ断面高さをSHとし、タイヤ最大幅位置までのタイヤ径方向高さをSWHとしたとき、
    θが4°以上7°以下であり、
    比SWH/SHが0.4以上0.55以下であり、
    タイヤ総幅SWが規格中央値以上であり、
    前記周方向主溝のうちタイヤ幅方向最外側に位置する最外側周方向主溝のタイヤ幅方向外側の端部よりもタイヤ幅方向内側のタイヤ幅方向領域をセンター領域とするとともに、前記端部から前記点P1までのタイヤ幅方向領域をショルダー領域とし、さらに、前記ショルダー領域のうち、前記端部から前記点P1までのタイヤ幅方向寸法の0.3倍の寸法を有し且つ前記点P1を含む領域をショルダー外領域とし、無負荷状態において内圧を50kPaから230kPaとした際に前記センター領域と前記ショルダー外領域とにおけるタイヤ径方向成長量をそれぞれCG及びSOGとしたとき、比CG/SOGが0.25以上0.55以下であることを特徴とする、空気入りタイヤ。
  2. 無負荷状態において、50kPaの内圧を充填したときの前記最外側周方向主溝の幅をGW50とし、230kPaの内圧を充填したときの前記最外側周方向主溝の幅をGW230とした場合、比GW230/GW50は、0.92以上0.96以下である、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 規定内圧の5%を充填した無負荷状態における、前記周方向主溝の溝底のタイヤ幅方向中心位置から前記アンダートレッドゴムまでのタイヤ径方向の寸法を前記周方向主溝下の前記キャップトレッドゴムの厚さUGGとすると、前記厚さUGGは、0.3[mm]以上1.5[mm]以下である、請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記キャップトレッドゴムの硬度CHSと前記アンダートレッドゴムの硬度UHSとの差CHS−UHSが、JIS硬度で、5より大きく15よりも小さく、
    60℃での前記キャップトレッドゴムのtanδCは、60℃での前記アンダートレッドゴムのtanδUよりも大きく、
    規定内圧の5%を充填した無負荷状態のタイヤ子午断面視における、前記トレッドゴムの断面積TAに対する前記アンダートレッドゴムの断面積UAの比UA/TAは、0.2以上0.4以下である、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記ベルトを覆う少なくとも1層のベルトカバーをさらに備え、
    規定リムに組み込んで規定内圧の5%を充填した無負荷状態で、前記ベルトカバーがその全長の1%歪んだ場合に前記センター領域に加わる応力と前記ベルトカバーがその全長の3%歪んだ場合に前記センター領域に加わる応力とによる前記センター領域における応力の傾きをCSとし、前記ベルトカバーがその全長の1%歪んだ場合に前記ショルダー領域に加わる応力と前記ベルトカバーがその全長の3%歪んだ場合に前記ショルダー領域に加わる応力とによる前記ショルダー領域における応力の傾きをSSとしたとき、比CS/SSが2以上3以下である、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記最外側周方向主溝からタイヤ幅方向に対して傾斜してタイヤ幅方向内側に延在して前記周方向主溝に連通する第一細溝と、
    前記周方向主溝からタイヤ幅方向に対して傾斜してタイヤ幅方向内側に延在して陸部内で終端する第二細溝と、
    が前記センター領域に形成されており、
    前記センター領域の面積に対する前記第一細溝及び前記第二細溝の溝面積比をGRとすると、前記溝面積比GRは、0.02以上0.07以下である、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
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