JP2020198814A - 乳成分とゲラニオールを含有する茶飲料 - Google Patents

乳成分とゲラニオールを含有する茶飲料 Download PDF

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【課題】本発明は、甘味度が1〜6の乳成分含有茶飲料において、加熱殺菌処理による乳のフレッシュ感の低減が抑制された飲料を提供することを目的とする。【解決手段】甘味度が1〜6の乳成分含有茶飲料において、350ppb以上のゲラニオールを含有させ、加熱殺菌処理を行う。【選択図】なし

Description

本発明は、乳成分を含む茶飲料に関し、より詳細には、乳のフレッシュ感が改善された加熱殺菌済みの乳成分含有茶飲料に関する。
ミルク紅茶等のような乳成分を含む茶飲料は、乳成分を含まない従来の茶飲料と比べて、茶本来の味わいとともに乳のフレッシュ感やコクも併せて感じることができ、嗜好性の高い飲料の一つである。消費者がこのような乳成分含有茶飲料を手軽に飲用できるように、乳成分を加えた茶飲料を密封容器に充填した容器詰め飲料も広く販売されている。
今日、容器詰め飲料の市場においては、再栓可能で軽量なペットボトル容器が主流となっており、移動時にも携帯しながら長時間かけて飲用するスタイルが多く見られる。そのようなスタイルに従って近年では、甘みの強い濃厚な乳成分含有茶飲料よりも、甘味を抑えたスッキリした味わいのものの方が好まれる傾向にある。
一方、容器詰めを行う乳成分含有飲料の製造工程においては、微生物保証のための加熱殺菌工程が必要であり、従来、この加熱殺菌工程で乳成分由来の加熱劣化臭が発生することが知られていた。乳成分の加熱劣化による不快な香味を改善する技術としては、例えば、イソ吉草酸エチルをミルク入り飲料に添加し、飲料の高温殺菌時及び/又は加温状態での保管時に発生する乳加熱臭や酸化臭を抑制する方法が開示されている(特許文献1)。また、乳類含有飲食品の加熱による劣化を防止する方法として、紅茶葉の抽出液を吸着剤で精製処理した精製物を乳類含有飲料に添加する方法が開示されている(特許文献2)。また、シソ科メンタ属植物の抽出物を牛乳入り紅茶飲料に添加して、牛乳類入り飲食品の加熱による劣化臭を抑制する方法が開示されている(特許文献3)。また、乳飲料にトコフェロール、ルチン及びアスコルビン酸を添加して、加熱又は光に曝される条件下において乳成分の劣化を抑制する方法も開示されている(特許文献4)。しかしながら、これらの方法は、乳のフレッシュ感を改善する方法としては、必ずしも十分とは言えなかった。
ところで、ゲラニオールは、ゼラニウムやレモンなどの精油に含まれている成分であり、バラに似た芳香を持つことが知られている。ゲラニオールを用いた飲料の香味改善方法としては、ゲラニオール含有量に対するゲラン酸含有量の比を特定の範囲にすることによってビール風味飲料の香りを改善する方法が開示されている(特許文献5)。
特開2010−75178号公報 特開2010−200659号公報 特開2009−45021号公報 特開2008−86216号公報 特開2017−143808号公報
加熱殺菌を行う乳成分含有茶飲料の開発過程において、本発明者らは、飲料の甘味度が1〜6の場合に、乳成分含有茶飲料における乳のフレッシュ感が加熱殺菌処理によって著しく低減することを見出した。そこで、本発明は、甘味度が1〜6の乳成分含有茶飲料において、加熱殺菌処理による乳のフレッシュ感の低減が抑制された飲料を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、加熱殺菌を行う乳成分含有茶飲料においてゲラニオールを添加することによって、当該茶飲料における加熱殺菌処理後の乳のフレッシュ感低減の改善に関して特に優れた効果が得られることを見出した。かかる知見に基づき、本発明者らは、本発明を完成するに至った。
本発明は、これに限定されるものではないが、以下に関する。
(1)乳成分を含む加熱殺菌処理済みの茶飲料であって、
(a)飲料の甘味度が1〜6であり、
(b)ゲラニオールを350ppb以上含有する、
上記茶飲料。
(2)紅茶抽出物を含む、(1)に記載の飲料。
本発明によって、甘味度が1〜6の乳成分含有茶飲料において、加熱殺菌処理による乳のフレッシュ感の低減を抑制することが可能となる。これにより、本発明では、茶の味わいとともに乳のフレッシュ感やコクも併せて感じ、さらに甘味を抑えたスッキリした味わいを有する加熱殺菌済みの容器詰め茶飲料を提供することができる。
本発明の飲料について、以下に説明する。なお、特に断りがない限り、本明細書において用いられる「%」及び「ppb」は、重量/重量(w/w)の%及びppbをそれぞれ意味する。また、本明細書において下限値と上限値によって表されている数値範囲、即ち「下限値〜上限値」は、それら下限値及び上限値を包含するものとする。例えば、「1〜2」により表される範囲は、1及び2を含む。
本発明の一態様は、乳成分を含む加熱殺菌処理済みの茶飲料であって、
(a)飲料の甘味度が1〜6であり、
(b)ゲラニオールを350ppb以上含有する、
上記茶飲料である。上述した通り、本発明の茶飲料は、加熱殺菌処理による乳のフレッシュ感の低減を抑制することができる。ここで、本明細書において乳のフレッシュ感とは、乳由来の青っぽいフレッシュな香りを意味する。特定の理論に拘束されるわけではないが、加熱殺菌処理による乳のフレッシュ感の低減は、加熱により生じた乳由来の甘い香りと茶の香ばしさが合わさることによって、米を炊いた時に生じるような匂いが発生し、これが青っぽいフレッシュな香りをマスキングするものと考えられる。
(乳成分)
本発明の飲料は、乳成分を含有する。ここで、乳成分とは、乳由来の成分で、茶飲料に乳風味や乳感を付与するために添加される成分をいう。本発明において、乳成分を含む原料としては、特に限定されないが、例えば、牛乳、練乳、脱脂乳、還元乳(全粉乳、脱脂粉乳又は調製粉乳から還元した還元乳)、濃縮ホエー、濃縮乳、クリーム、及び植物性ミルク(豆乳、アーモンドミルク等)を使用することができる。乳成分を含む原料は、1種のみを使用してもよく、必要に応じて、2種以上を組み合わせて使用してもよい。また、かかる原料は、液体だけでなく粉末状のものも使用することができる。本発明では、乳成分を含む原料として好ましくは牛乳が使用される。
本発明の飲料における乳成分の含有量は、乳の風味が知覚できる濃度であれば特に制限されない。本発明の飲料中の乳成分の含有量は、乳成分に含まれる乳タンパク質の量で規定することができる。ここで、本明細書において乳タンパク質とは、乳成分由来のタンパク質、すなわちアミノ酸が重合した高分子化合物をいうが、本発明における乳タンパク質には当該高分子化合物が酵素等の処理で分解された各種ペプチドや各種アミノ酸も含まれる。また、本発明における乳タンパク質には、植物性ミルクに含まれる乳成分由来のタンパク質も含まれる。
本発明の飲料中の乳タンパク質の含有量は、例えば0.1g/100mL以上であり、好ましくは0.2g/100mL以上、より好ましくは0.3g/100mL以上である。飲料中の乳タンパク質の含有量が0.1g/100mLに満たない場合は、飲料において知覚される乳の風味が物足りなくなる傾向にある。また、本発明の飲料における乳タンパク質の含有量は、特に限定されないが、例えば2.0g/100mL以下であり、好ましくは1.5g/100mL以下、より好ましくは1.2g/100mL以下である。当該含有量が2.0g/100mLを超える場合は、飲料の流通形態によっては、加熱殺菌による長期保存における微生物増殖抑制の効果が不十分となる可能性がある。本発明の飲料中の乳成分の含有量は、乳タンパク質の含有量が上記範囲となるように調整することができる。本発明の飲料における乳タンパク質の含有量は、当業者に公知の方法により飲料に含まれる乳成分中の各タンパク質を測定し、合計して算出することができ、或いは「食品表示基準について(平成30年9月21日消食表第492号)」の「別添 栄養成分等の分析方法等」記載の窒素定量換算法(燃焼法等)で測定することができる。
(甘味度)
本発明の飲料の甘味度は1〜6である。上述した通り、乳成分を含有する茶飲料において甘味度が1〜6である場合、加熱殺菌処理によって乳のフレッシュ感が著しく低減し、本発明の課題が顕著に表れることとなる。飲料の甘味度が1に満たない場合は、加熱殺菌処理による乳のフレッシュ感の低減はほとんど知覚されない傾向にある。一方、飲料の甘味度が6を超える場合は、乳成分含有茶飲料における乳のフレッシュ感自体が弱いため、加熱殺菌処理による乳のフレッシュ感の低減が問題とならない傾向にある。本発明の飲料の甘味度は、特に制限されないが、好ましくは2〜6、より好ましくは3〜5、さらに好ましくは3〜4である。
本明細書における甘味度とは、飲料100g中にショ糖1g含有する飲料の甘さを「1」とした、飲料の甘味を表す指標である。当該飲料の甘味度は、各甘味成分の含有量を、ショ糖の甘味1に対する当該甘味成分の甘味の相対比に基づいて、ショ糖の相当量に換算して、次いで当該飲料に含まれる全ての甘味成分のショ糖甘味換算量(果汁やエキス等由来の甘味成分も含む)を総計することによって求められる。ショ糖の甘味1に対する各種代表的な甘味成分の甘味の相対比は、下表に示す。下表に記載のない甘味成分については、当該甘味成分を製造あるいは販売しているメーカーが提示する甘味度を用いたり、官能評価より甘味度を求めたりすることができる。
Figure 2020198814
本発明の飲料では、甘味成分を用いて飲料の甘味度を調整することができる。甘味成分としては、例えば、上表に記載されている甘味成分を用いることができるが、それ以外の甘味成分を用いてもよい。また、飲料中にこれら甘味成分を甘味料として直接配合してもよいし、甘味成分を含有する原料、例えば果汁やエキス等を配合してもよい。本発明の飲料の好ましい甘味成分は、単糖類(ブドウ糖、果糖)及び二糖類(麦芽糖、ショ糖、乳糖)であり、より好ましい甘味成分はショ糖である。本発明の飲料は、高甘味度甘味料を含まないことが好ましいが、高甘味度甘味料を用いる場合は、飲料中の甘味度全体に対し高甘味度甘味料由来の甘味度が好ましくは50%以下、より好ましくは30%以下、さらに好ましくは10%以下となるように調整することが望まれる。高甘味度甘味料を含んでいても本発明の効果は失われないものの、高甘味度甘味料により乳のフレッシュ感がマスキングされて知覚しにくくなるおそれがあるためである。なお、本明細書でいう高甘味度甘味料とは、ショ糖と比べて十倍以上の甘味度を有する人工又は天然の甘味料を意味し、例えば、スクラロース、アセスルファムカリウム、アスパルテーム、ステビアが挙げられる。
また、本発明の飲料は、本発明の効果を奏する限りにおいて特に限定されないが、飲料中の単糖類及び二糖類、すなわち、ブドウ糖、果糖、麦芽糖、ショ糖及び乳糖の合計含有量が、例えば1〜7重量%、好ましくは2〜6重量%、より好ましくは3〜5重量%となるように調整することができる。
また、本発明の飲料は、特に限定されないが、Brix値が2〜12°Bx、好ましくは3〜9°Bx、より好ましくは5〜7°Bxとなるように、甘味成分の種類や濃度を調整することができる。飲料のBrix値は、市販の糖度計や屈折計などを用いて測定することができる。なお、本明細書においてBrix値は、20℃で測定された屈折率を、ICUMSA(国際砂糖分析統一委員会)の換算表に基づいてショ糖溶液の質量/質量パーセントに換算した値を意味する。Brix値の単位は「°Bx」、「%」または「度」で表示される。
(ゲラニオール)
本発明の飲料は、ゲラニオールを特定量で含有する。これにより、乳成分含有茶飲料における加熱殺菌処理による乳のフレッシュ感の低減を改善することができる。ゲラニオールは、ゼラニウムやレモンなどの精油に含まれている直鎖モノテルペノイドの一種であり、CAS登録番号106−24−1で特定される化合物である(IUPAC名:3,7-ジメチル-2,6-オクタジエン-1-オール)。本発明の飲料中のゲラニオールの含有量は350ppb以上であり、好ましくは500〜10000ppb、より好ましくは600〜5000ppb、さらに好ましくは700〜2000ppbである。飲料中のゲラニオールの含有量が350ppbより少ないと本発明の効果が十分に得られない傾向にある。一方、飲料中のゲラニオールの含有量が10000ppbを超えるとゲラニオールに由来する風味が強くなりすぎて飲料自体の味が損なわれるおそれがあり、結果として本発明の効果が十分に得られない傾向にある。
本発明の飲料においては、乳タンパク質含有量に対するゲラニオール含有量の比率(ゲラニオール含有量/乳タンパク質含有量)は、特に限定されないが、例えば0.03×10−3以上であり、好ましくは0.06×10−3以上、より好ましくは0.1×10−3以上である。
本発明の飲料中のゲラニオールの含有量は、公知のGC−MS法にて測定することができる。ただし、本発明においては、カラムに高極性カラム(アジレントテクノロジーズ社製、DB−WaxUI)、抽出法に固相マイクロ抽出法(CTCアナリティクス社製、SPME−Arrow Carbon WR/PDMS)、検出器に高分解能質量分析装置(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製、Q Exactive GC Orbitrap)を用いるのがよい。
本発明で用いるゲラニオールは、特に限定されないが、精製品の他、粗製品であってもよい。例えば、ゲラニオールを含有する天然物又はその加工品(植物抽出物、精油、植物の発酵物、これらの濃縮物等)であってもよい。より具体的な例として、ゲラニオールを含有する香料の他、果汁やエキス等を挙げることができる。原料として飲料への添加量が少量で済むことから、ゲラニオールを含有する香料の使用が好ましい一例である。
(茶飲料)
本発明の飲料は、乳成分を含有する茶飲料である。本明細書において茶飲料とは、茶抽出物を含む飲料を意味する。ここで、茶抽出物とは、茶抽出液、その濃縮物及びそれらの精製物を包括する概念であり、これらを単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。茶抽出液は、茶樹(学名:Camellia sinensis)の主に葉や茎を用いて製造された緑茶、紅茶、ウーロン茶、プアール茶などの茶、これら茶にさらに玄米、麦類、その他各種植物原料をブレンドしたもの、或いは、茶樹以外の各種植物の主に葉や茎、地下茎、根、花、果実などの原料や,それらをブレンドしたものを、水系溶媒で抽出して得ることができる。また、茶抽出液の濃縮物は、例えば、茶葉から熱水又は水溶性有機溶媒により抽出した茶抽出液から水分を一部除去し、場合によっては精製して得られ、その形態としては、固体、水溶液、スラリーなど種々のものが挙げられる。本発明の茶飲料に含まれる茶抽出物は、乳成分との相性から、好ましくは紅茶抽出物である。
本発明の飲料における茶抽出物の含有量は、特に制限されない。茶抽出物として茶抽出液を用いた場合、その含有量は、特に限定されないが、茶風味の観点から例えば1〜50重量%とすることができる。また、茶抽出液の濃縮物又は精製物を用いた場合、その含有量は、特に限定されないが、0.05〜10重量%とすることができる。茶抽出物として紅茶抽出物を使用した場合、本発明の飲料にはタンニンが含まれる。その場合、飲料中のタンニンの含有量は、特に限定されないが、例えば0.02〜0.25重量%であり、好ましくは0.03〜0.2重量%、より好ましくは0.04〜0.15重量%である。本発明の飲料における紅茶抽出物の含有量は、タンニンの含有量が前記範囲となるように調整することができる。なお、飲料中のタンニンの含有量は、「五訂 日本食品標準成分分析マニュアルの解説」(中央法規;2001年7月 252頁)に記載の公定法(酒石酸鉄試験法)に従って測定することができる。
(加熱殺菌処理)
本発明の飲料は、加熱殺菌処理済みの茶飲料である。本発明における加熱殺菌処理の条件は、特に制限されないが、例えばF値4〜100となるような加熱温度及び加熱時間とすることができる。F値とは、基準温度(121.1℃)で一定数の微生物を死滅させるのに要する加熱時間(分)であって、121.1℃における加熱時間として定義される。例えば、F=1と同等の殺菌条件とは、111.1℃では10分、121.1℃では1分、F=20と同等の殺菌条件とは、121.1℃では20分、137.2℃では30秒のように設定できる。本発明において、加熱殺菌処理の加熱温度は、特に限定されないが、例えば110〜150℃に調整することができる。具体例として、容器として耐熱性容器(金属缶、ガラス等)を使用する場合には、レトルト殺菌(110〜140℃、1〜数十分間)を行うことができる。また、容器として非耐熱性容器(PETボトル、紙容器等)を用いる場合は、例えば、調合液を予めプレート式熱交換器等で高温短時間殺菌(UHT殺菌:110〜150℃、1〜数十秒間)し、一定の温度まで冷却した後、その非耐熱性容器に充填することができる。
(pH)
本発明の飲料のpHは、特に限定されないが、飲料の微生物保証の点から、5.0〜8.0であることが好ましく、6.0〜7.0であることがより好ましい。飲料のpH調整は、クエン酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、重曹等のpH調整剤を用いて適宜行うことができる。飲料のpHは市販のpHメーターを使用して測定することができる。
(その他の成分)
本発明の飲料には、上記に示した各種成分に加えて、飲料に一般的に用いられる成分を配合することができる。例えば、特に限定されないが、香料、酸味料、ミネラル、栄養強化剤、酸化防止剤、乳化剤、保存料、エキス類、食物繊維、品質安定剤などを、本発明の効果を損なわない範囲で添加することができる。
(容器詰め飲料)
本発明の飲料は、容器に詰められた状態の容器詰め飲料であることが好ましい。飲料を充填する容器は、特に限定されないが、例えば、PETボトル、アルミ缶、スチール缶、紙パック、チルドカップ、瓶などを用いることができる。手軽ないし利便性の側面からみれば、軽量で持ち運びが容易であり、かつ再栓が可能である容器、例えば、PETボトルのような容器が好ましい。
(製造方法)
本発明の飲料は、上述した成分を適宜配合することにより製造することができる。本発明の飲料の製造において、各種成分の配合順序は特に限定されるものではない。また、本発明の飲料の製造においては、上記に示した成分及び材料を配合する工程やそれらの含有量を調整する工程も含むことができる。本発明の飲料の製造における飲料中の成分の種類やその含有量等の各種要素については、本発明の飲料に関して上記した通りであるか、それらから自明である。
また、本発明の飲料の製造においては、飲料を加熱殺菌する工程が含まれ、また、必要に応じて飲料の容器詰めを行う工程も含むことができ、これらの工程を経て、容器詰め飲料とすることができる。本発明の飲料の加熱殺菌及び容器詰めに関する方法や条件についても、本発明の飲料に関して上記した通りであるか、それらから自明である。
以下、実験例を示して本発明の詳細を具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。また、本明細書においては、特に記載しない限り、数値範囲はその端点を含むものとして記載される。
<参考例>
水に、紅茶抽出物(「インスタントティーCWS509」;丸紅食料;タンニン含有量17重量%)、牛乳(乳タンパク質3.3g/100mL、乳固形分11.9g/100mL、乳糖5g/100mL)、及び砂糖を添加し、全量1kgの乳含有茶飲料を調製した。その後、各種飲料を、F値が4となる条件で加熱殺菌処理し、500mLペットボトル容器に充填して容器詰め飲料を作製した。飲料中の各種成分の最終濃度は下表の通りである。なお、飲料のpHは6.6であった。
加熱殺菌処理前の各種飲料と加熱処理後の各種飲料の乳のフレッシュ感について、官能評価を行った。官能評価は3名の専門パネラーが以下の基準に従って評価した。
4:乳のフレッシュ感がとても強い
3:乳のフレッシュ感が強い
2:乳のフレッシュ感が弱い
1:乳のフレッシュ感がない
Figure 2020198814
官能評価の結果は上記の通りであり、パネラー全員の評価結果が一致した。上記の結果から、甘味度が1〜6の乳成分含有茶飲料において、加熱殺菌処理による乳のフレッシュ感の低減が見られることがわかった。
<実験例1>
下表に示した全量1kgの乳成分含有茶飲料を各種調製し、F値が4となる条件で加熱殺菌処理し、500mLペットボトル容器に充填して容器詰め飲料を作製した。なお、原料として紅茶抽出物と牛乳は上記と同じものを使用し、牛乳の他に脱脂粉乳(乳タンパク質34g/100g、乳糖48g/100g)及び豆乳(乳タンパク質3.6g/100mL、ショ糖0.8g/100mL)を使用した。また、異性化糖は、糖分が75重量%で、果糖とブドウ糖との比(果糖:ブドウ糖)が55:45のものを使用した。飲料中の各種成分の最終濃度は下表の通りである。
加熱殺菌処理前の飲料と比べたときの加熱殺菌処理後の飲料における乳のフレッシュ感の変化について、3名の専門パネラーで官能評価を行った。官能評価は、4段階の評価基準(1:低減している〜4:同程度である)に基づいてパネラー各自で評価した後、パネラー全員で協議して最終的な評価結果を決定した。なお、評点1の基準は、試料2−1とした。
Figure 2020198814
Figure 2020198814
Figure 2020198814
結果は上記の通りであり、特定量のゲラニオールを乳成分含有茶飲料に含有させた場合、加熱殺菌処理による乳のフレッシュ感の低減が抑制されることが示された。
<実験例2>
下表の通り紅茶香料と乳成分とを含有する全量1kgの紅茶飲料を調製し、F値が60となる条件で加熱殺菌処理を行い、500mLペットボトル容器に充填して、容器詰め飲料を作製した。原料の紅茶抽出液には、市販の紅茶茶葉を湯で抽出して、Brixが1.5となるように調製した紅茶抽出液を用いた。また、牛乳と脱脂粉乳は上記実験例1と同じものを用いた。飲料中の各種成分の最終濃度は、下表のとおりである。なお、試料3−2は、試料3−1に対して飲料中のゲラニール濃度が1100ppb高くなるようにゲラニオールを添加したものである。
上記実験例1と同様の方法及び評価基準を用いて、加熱殺菌処理前の飲料と比べたときの加熱殺菌処理後の飲料における乳のフレッシュ感の変化について官能評価を行った。
Figure 2020198814
結果は上記の通りであり、特定量のゲラニオールを乳成分含有紅茶飲料に含有させた場合、加熱殺菌処理による乳のフレッシュ感の低減が抑制されることが示された。

Claims (2)

  1. 乳成分を含む加熱殺菌処理済みの茶飲料であって、
    (a)飲料の甘味度が1〜6であり、
    (b)ゲラニオールを350ppb以上含有する、
    上記茶飲料。
  2. 紅茶抽出物を含む、請求項1に記載の飲料。
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