JP2020197171A - エンジンの回転速度制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 回転数制御の安定性および応答性を両立できるエンジンの回転速度制御装置を提供する。【解決手段】 エンジンコントローラ14が、車両の動力源であるエンジン1を停止しての走行中、所定のエンジン始動条件が成立した場合に、エンジン1を始動し、実エンジン回転数が目標エンジン回転数となるようにエンジン1を回転数制御するにあたり、エンジン1の無駄時間がエンジントルクの制御周期に対して所定倍(2倍)となるときのエンジン回転数をF/B許可回転数(1,000rpm)としたとき、回転数制御では、目標エンジン回転数がF/B許可回転数を超えるまでの間、目標エンジン回転数と実エンジン回転数との偏差である回転制御誤差に基づくエンジン1のF/B制御を禁止し、目標エンジン回転数に応じてエンジン1をF/F制御する。【選択図】 図1

Description

本発明は、エンジンの回転速度制御装置に関する。
特許文献1には、動力源としてのエンジンおよび走行用モータと、エンジンおよび走行用モータ間の動力伝達を断接可能なクラッチとを備えたハイブリッド車両が記載されている。このハイブリッド車両では、EVモードからHEVモードへのモード遷移時、クラッチ締結に伴うショックの抑制を狙いとし、目標エンジン回転速度と実エンジン回転速度との偏差に基づきエンジンを回転数制御し、クラッチの入出力回転速度を同期させた後、クラッチを締結している。
特開2013-208944号公報
しかしながら、上記従来技術にあっては、エンジンの無駄時間により、回転数制御の安定性および応答性の両立が困難であるという問題があった。
本発明の目的の一つは、回転数制御の安定性および応答性を両立できるエンジンの回転速度制御装置を提供することにある。
本発明では、エンジンの無駄時間がエンジントルクの制御周期に対して所定倍となるときのエンジン回転速度を基準回転速度としたとき、回転数制御では、目標エンジン回転速度が基準回転速度を超えるまでの間、目標エンジン回転速度と実エンジン回転速度との偏差に基づくエンジンのフィードバック制御を禁止し、目標エンジン回転速度に応じてエンジンをフィードフォワード制御する。
よって、本発明にあっては、回転数制御の安定性および応答性を両立できる。
実施形態1の副変速機付き無段変速機4が搭載されたエンジン車両の全体構成を示す図である。 実施形態1の変速機コントローラ12の内部構成を示す図である。 実施形態1の変速機コントローラ12の記憶装置122に格納されている変速マップの一例である。 実施形態1の統合コントローラ13で実行されるセーリングストップ制御の流れを示すフローチャートである。 実施形態1のエンジンコントローラ14における回転同期制御のブロック図である。 実施形態1のエンジンコントローラ14で実行される回転同期制御の流れを示すフローチャートである。 エンジンの低回転領域における目標エンジン回転数および実エンジン回転数のタイムチャートである。 4気筒エンジンにおけるエンジン回転数に対する点火間隔(=無駄時間)の特性図である。 ドライバのアクセル踏み込みによるセーリング抜け時の回転同期制御において、F/B許可回転数以下の領域でF/B制御(F/Bゲイン大)を実施した比較例1のエンジン回転数およびエンジントルクのタイムチャートである。 ドライバのアクセル踏み込みによるセーリング抜け時の回転同期制御において、F/B許可回転数以下の領域でF/B制御(F/Bゲイン小)を実施した比較例2のエンジン回転数およびエンジントルクのタイムチャートである。 実施形態1のセーリング抜け時の回転同期制御におけるエンジン回転数およびエンジントルクのタイムチャートである。 実施形態2のハイブリッド車両の全体構成を示す図である。 実施形態2の統合コントローラ13で実行されるEVモードからHEVモードへのモード遷移制御の流れを示すフローチャートである。
〔実施形態1〕
図1は、実施形態1の副変速機付き無段変速機4が搭載されたエンジン車両の全体構成を示す図、図2は、実施形態1の変速機コントローラ12の内部構成を示す図である。
図1に示すエンジン車両(以下、車両)は、動力源としてエンジン1を備える。エンジン1は、エンジン始動用のスタータモータ15を有する。エンジン1の出力回転は、ロックアップクラッチ9を有するトルクコンバータ2、リダクションギア対3、副変速機付き無段変速機4(以下、「自動変速機4」という。)、ファイナルギア対5、終減速装置6を介して駆動輪7へと伝達される。ファイナルギア対5には、駐車時に自動変速機4の出力軸を機械的に回転不能にロックするパーキング機構8が設けられている。車両は、油圧源として、エンジン1の動力により駆動されるメカオイルポンプ10を備える。また、車両は、メカオイルポンプ10からの吐出圧を調圧して自動変速機4の各部位に供給する油圧制御回路11と、油圧制御回路11を制御する変速機コントローラ12と、統合コントローラ13と、エンジンコントローラ14と、を備える。
自動変速機4は、ベルト式無段変速機構(以下、「バリエータ20」という。)と、バリエータ20に対して直列に設けられる副変速機構30とを備える。ここで、「直列に設けられる」とは、動力伝達経路においてバリエータ20と副変速機構30が直列に設けられるという意味である。副変速機構30は、この例のようにバリエータ20の出力軸に直接接続されていてもよいし、その他の変速ないし動力伝達機構(例えば、ギア列)を介して接続されていてもよい。
バリエータ20は、プライマリプーリ21と、セカンダリプーリ22と、プーリ21,22の間に掛け回されるVベルト23とを備えるベルト式無段変速機構である。プーリ21,22は、それぞれ固定円錐板と、この固定円錐板に対してシーブ面を対向させた状態で配置され、固定円錐板との間にV溝を形成する可動円錐板と、この可動円錐板の背面に設けられて可動円錐板を軸方向に変位させるプライマリ油圧シリンダ23aとセカンダリ油圧シリンダ23bを備える。プライマリ油圧シリンダ23aとセカンダリ油圧シリンダ23bに供給される油圧を調整すると、V溝の幅が変化してVベルト23と各プーリ21,22との接触半径が変化し、バリエータ20の変速比(入力回転数/出力回転数)が無段階に変化する。
副変速機構30は、前進2段・後進1段の変速機構である。副変速機構30は、2つの遊星歯車のキャリアを連結したラビニョウ型遊星歯車機構31と、ラビニョウ型遊星歯車機構31を構成する複数の回転要素に接続され、それらの連係状態を変更する複数の摩擦締結要素(ローブレーキ32、ハイクラッチ33、リバースブレーキ34)とを備える。
各摩擦締結要素32〜34への供給油圧を調整し、各摩擦締結要素32〜34の締結・解放状態を変えることにより、副変速機構30の変速段を変更できる。例えば、ローブレーキ32を締結し、ハイクラッチ33とリバースブレーキ34を解放すれば副変速機構30の変速段は前進1速段(以下、「低速モード」という。)となる。ハイクラッチ33を締結し、ローブレーキ32とリバースブレーキ34を解放すれば副変速機構30の変速段は1速よりも変速比が小さな前進2速段(以下、「高速モード」という。)となる。また、リバースブレーキ34を締結し、ローブレーキ32とハイクラッチ33を解放すれば副変速機構30の変速段は後進段となる。なお、副変速機構30のローブレーキ32とハイクラッチ33とリバースブレーキ34の全てを解放すれば、駆動輪7への駆動力伝達経路が遮断される。以下、ローブレーキ32およびハイクラッチ33を、「フォワードクラッチFwd/C」という。
変速機コントローラ12は、図2に示すように、CPU121と、RAM・ROMからなる記憶装置122と、入力インターフェース123と、出力インターフェース124と、これらを相互に接続するバス125とから構成されている。この変速機コントローラ12は、バリエータ20の変速比を制御すると共に、副変速機構30の複数の摩擦締結要素(ローブレーキ32、ハイクラッチ33、リバースブレーキ34)を架け替えることで所定の変速段を達成する。
入力インターフェース123には、アクセルペダルの踏み込み開度(以下、「アクセル開度APO」という。)を検出するアクセル開度センサ41の出力信号、バリエータ20の入力回転数(=プライマリプーリ21の回転数、以下、「プライマリ回転数Npri」という。)を検出するプライマリ回転数センサ42の出力信号、車両の走行速度(以下、「車速VSP」という。)を検出する車速センサ43の出力信号、自動変速機4のライン圧(以下、「ライン圧PL」という。)を検出するライン圧センサ44の出力信号、セレクトレバーの位置を検出するインヒビタスイッチ45の出力信号、ブレーキ状態を検出するブレーキスイッチ46の出力信号、などが入力される。さらに、CVT油温を検出するCVT油温センサ48の出力信号、バリエータ20の出力回転数(=セカンダリプーリ22の回転数、以下、「セカンダリ回転数Nsec」という。)を検出する回転数センサ49の出力信号が入力される。
記憶装置122には、自動変速機4の変速制御プログラム、この変速制御プログラムで用いる変速マップ(図3)が格納されている。CPU121は、記憶装置122に格納されている変速制御プログラムを読み出して実行し、入力インターフェース123を介して入力される各種信号に対して各種演算処理を施して変速制御信号を生成し、生成した変速制御信号を、出力インターフェース124を介して油圧制御回路11に出力する。CPU121が演算処理で使用する各種値、その演算結果は記憶装置122に適宜格納される。
油圧制御回路11は、複数の流路、複数の油圧制御弁で構成されている。油圧制御回路11は、変速機コントローラ12からの変速制御信号に基づき、複数の油圧制御弁を制御して油圧の供給経路を切り替える。詳しくは後述する。
統合コントローラ13は、変速機コントローラ12による変速機制御やエンジンコントローラ14によるエンジン制御などが適切に担保されるように、複数の車載コントローラの統合管理を行う。この統合コントローラ13は、変速機コントローラ12やエンジンコントローラ14などの車載コントローラとCAN通信線25を介して情報交換が可能に接続されている。そして、惰性走行中にエンジン1を停止するセーリングストップ制御、などを行う。
エンジンコントローラ14は、エンジン1へのフューエルカットによるエンジン停止制御、スタータモータ15を用いてエンジン1を始動するエンジン始動制御、などを行う。このエンジンコントローラ14には、エンジン1の回転数(以下、「エンジン回転数Ne」という。)を検出するエンジン回転数センサ47の出力信号、などが入力される。
実施形態1の変速機コントローラの記憶装置に格納されている変速マップの一例である。
自動変速機4の動作点は、図3に示す変速マップ上で車速VSPとプライマリ回転数Npriとに基づき決定される。自動変速機4の動作点と変速マップ左下隅の零点を結ぶ線の傾きが自動変速機4の変速比(バリエータ20の変速比vRatioに、副変速機構30の変速比subRatioを掛けて得られる全体の変速比、以下、「スルー変速比Ratio」という。)を表している。
この変速マップには、従来のベルト式無段変速機の変速マップと同様に、アクセル開度APO毎に変速線が設定されており、自動変速機4の変速はアクセル開度APOに応じて選択される変速線に従って行われる。なお、図3には簡単のため、全負荷線F/L(アクセル開度APO=8/8のときの変速線)、パーシャル線P/L(アクセル開度APO=4/8のときの変速線)、コースト線C/L(アクセル開度APO=0のときの変速線)のみが示されている。
自動変速機4が低速モードのときには、自動変速機4はバリエータ20の変速比vRatioを最大にして得られる低速モード最ロー線LL/Lと、バリエータ20の変速比vRatioを最小にして得られる低速モード最ハイ線LH/Lと、の間で変速することができる。このとき、自動変速機4の動作点はA領域とB領域内を移動する。一方、自動変速機4が高速モードのときには、自動変速機4はバリエータ20の変速比vRatioを最大にして得られる高速モード最ロー線HL/Lと、バリエータ20の変速比vRatioを最小にして得られる高速モード最ハイ線HH/Lと、の間で変速することができる。このとき、自動変速機4の動作点はB領域とC領域内を移動する。
副変速機構30の各変速段の変速比は、低速モード最ハイ線LH/Lに対応する変速比(低速モード最ハイ変速比)が高速モード最ロー線HL/Lに対応する変速比(高速モード最ロー変速比)よりも小さくなるように設定される。最ハイ変速比は最小変速比、最ロー変速比は、最大変速比を意味する。これにより、低速モードでとり得る自動変速機4のスルー変速比Ratioの範囲である低速モードレシオ範囲LREと、高速モードでとり得る自動変速機4のスルー変速比Ratioの範囲である高速モードレシオ範囲HREと、が部分的に重複する。自動変速機4の動作点が高速モード最ロー線HL/Lと低速モード最ハイ線LH/Lで挟まれるB領域(重複領域)にあるときは、自動変速機4は低速モード、高速モードのいずれのモードも選択可能である。
変速機コントローラ12は、この変速マップを参照して、車速VSPおよびアクセル開度APO(車両の運転状態)に対応するスルー変速比Ratioを到達スルー変速比DRatioとして設定する。この到達スルー変速比DRatioは、当該運転状態でスルー変速比Ratioが最終的に到達すべき目標値である。そして、変速機コントローラ12は、スルー変速比Ratioを所望の応答特性で到達スルー変速比DRatioに追従させるための過渡的な目標値である目標スルー変速比tRatioを設定し、スルー変速比Ratioが目標スルー変速比tRatioに一致するようにバリエータ20および副変速機構30を制御する。
変速マップ上には、副変速機構30のアップ変速を行うモード切り替えアップ変速線MU/L(副変速機構30の1→2アップ変速線)が、低速モード最ハイ線LH/L上に略重なるように設定されている。モード切り替えアップ変速線MU/Lに対応するスルー変速比Ratioは、低速モード最ハイ線LH/L(低速モード最ハイ変速比)に略等しい。また、変速マップ上には、副変速機構30のダウン変速を行うモード切り替えダウン変速線MD/L(副変速機構30の2→1ダウン変速線)が、高速モード最ロー線HL/L上に略重なるように設定されている。モード切り替えダウン変速線MD/Lに対応するスルー変速比Ratioは、高速モード最ロー変速比(高速モード最ロー線HL/L)に略等しい。
そして、自動変速機4の動作点がモード切り替えアップ変速線MU/Lまたはモード切り替えダウン変速線MD/Lを横切った場合、すなわち、自動変速機4の目標スルー変速比tRatioがモード切り替え変速比mRatioを跨いで変化した場合やモード切り替え変速比mRatioと一致した場合には、変速機コントローラ12はモード切り替え変速制御を行う。このモード切り替え変速制御では、変速機コントローラ12は、副変速機構30の変速を行うとともに、バリエータ20の変速比vRatioを副変速機構30の変速比subRatioが変化する方向と逆の方向に変化させるというように2つの変速を協調させる「協調制御」を行う。
「協調制御」では、自動変速機4の目標スルー変速比tRatioがモード切り替えアップ変速線MU/LをB領域側からC領域側に向かって横切ったときや、B領域側からモード切り替えアップ変速線MU/Lと一致した場合に、変速機コントローラ12は、1→2アップ変速判定を出し、副変速機構30の変速段を1速から2速に変更するとともに、バリエータ20の変速比vRatioを最ハイ変速比からロー変速比に変化させる。逆に、自動変速機4の目標スルー変速比tRatioがモード切り替えダウン変速線MD/LをB領域側からA領域側に向かって横切ったときや、B領域側からモード切り替えダウン変速線MD/Lと一致した場合、変速機コントローラ12は、2→1ダウン変速判定を出し、副変速機構30の変速段を2速から1速に変更するとともに、バリエータ20の変速比vRatioを最ロー変速比からハイ変速比側に変化させる。
モード切り替えアップ変速時またはモード切り替えダウン変速時において、バリエータ20の変速比vRatioを変化させる「協調制御」を行う理由は、自動変速機4のスルー変速比Ratioの段差により生じる入力回転数の変化に伴う運転者の違和感を抑えることができるとともに、副変速機構30の変速ショックを緩和することができるからである。
図4は、実施形態1の統合コントローラ13で実行されるセーリングストップ制御の流れを示すフローチャートである。
ステップS1では、エンジン1を動力源とし、フォワードクラッチFwd/C(ローブレーキ32またはハイクラッチ33)を締結しての走行中、セーリング入り条件(エンジン停止条件)の一つであるアクセルOFF条件が成立したかを判断する。YESの場合はステップS2へ進み、NOの場合はステップS1を繰り返す。
ステップS2では、セーリング入り条件の他の一つであるブレーキOFF条件が成立したかを判断する。YESの場合はステップS3へ進み、NOの場合はステップS1へ戻る。
ここで、「セーリング入り条件」とは、
(a) エンジン駆動による前進走行中(レンジ位置信号や車速信号などにより判断)
(b) アクセルOFF(アイドルスイッチ信号により判断)
(c) ブレーキOFF(ブレーキスイッチ信号により判断)
をいい、上記(a)〜(c)の条件を全て満足する状態が所定時間(ディレイ時間:例えば、1〜2秒)経過すると、セーリング入り条件成立とする。即ち、運転者が加速や停止を意図しておらず、惰性走行を行うことを検知する条件に設定している。
ステップS3では、締結されているロックアップクラッチ9を解放するロックアップ解放指令を出力する。ここで、ロックアップクラッチ9を解放するのは、駆動連結状態であるエンジン1と自動変速機4を切り離し、独立した制御性を確保するためである。
ステップS4では、エンジン1への燃料噴射を停止する(燃料カット)。ここで、ロックアップクラッチ9は、エンジン回転数Ne(入力回転数)とプライマリ回転数Npri(出力回転数)が所定回転数以上の差回転となったら解放完了と判断する。
ステップS5では、ロックアップクラッチ9の解放によりバリエータ20から切り離されて回転数が低下するエンジン1の回転数が規定回転数以下まで低下したかを判断する。YESの場合はステップS6へ進み、NOの場合はステップS5へ戻る。ここで、「規定回転数」は、フォワードクラッチFwd/C(ローブレーキ32またはハイクラッチ33)の解放タイミング、つまり、バリエータ20を駆動輪7から切り離し、バリエータ20の回転数低下を決める回転数であり、例えば、500rpm程度に設定される。この規定回転数の設定により、エンジン1の回転停止タイミングよりもバリエータ20の回転停止タイミングの方が遅くなるようにしている。
ステップS6では、締結状態を維持していたフォワードクラッチFwd/C(ローブレーキ32またはハイクラッチ33)を解放する。
ステップS7では、エンジン1への燃料噴射停止状態とし、フォワードクラッチFwd/Cを解放したセーリングストップ制御による惰性走行を開始する。
ステップS8では、惰性走行開始後、セーリング抜け条件(エンジン始動条件)の一つであるアクセル踏み込み操作条件(アクセルON条件)が成立したかを判断する。YESの場合はステップS9へ進み、NOの場合はステップS8を繰り返す。ここで、「セーリング抜け条件」とは、加速要求による抜け条件であるアクセルON、または、減速要求による抜け条件であるブレーキON、または、車速条件、または、エアコン条件、または、電源条件等をいう。
ステップS9では、スタータモータ15によるエンジン1の再始動制御を開始する。
ステップS10では、フォワードクラッチFwd/Cの入出力回転数の回転同期制御(回転数制御)を実施する。ここで、回転同期制御とは、フォワードクラッチFwd/Cの入力回転数(バリエータ20のセカンダリ回転数Nsec)と出力回転数(自動変速機4の出力回転数Nout)を同期させる制御をいう。バリエータ20のセカンダリ回転数Nsecの情報は、セカンダリ回転数センサ49により取得し、自動変速機4の出力回転数Noutの情報は、車速センサ43により取得する。そして、回転同期制御では、再始動したエンジン1の回転数を目標エンジン回転数(目標エンジン回転速度)まで上昇させる制御を行うもので、エンジン回転数を高めることでセカンダリ回転数Nsecを上昇させ、出力回転数Noutに近づける。回転同期制御の詳細ついては後述する。
ステップS11では、バリエータ20のセカンダリ回転数Nsecと自動変速機4の出力回転数Noutの差が同期判定閾値以下かを判断する。YESの場合はステップS12へ進み、NOの場合はステップS10へ戻る。ここで、「同期判定閾値」は、フォワードクラッチFwd/Cの締結ショックが抑えられる回転差に設定される。
ステップS12では、解放状態であるフォワードクラッチFwd/C(ローブレーキ32またはハイクラッチ33)を再締結する。
図5は、実施形態1のエンジンコントローラ14における回転同期制御のブロック図である。
エンジンコントローラ14は、フィードフォワード(以下、F/F)制御量演算部141およびフィードバック(以下、F/B)制御量演算部142を有する。
F/F制御量演算部141は、セカンダリ回転数Nsecを出力回転数Noutとするための目標エンジン回転数(目標エンジン回転速度)およびエンジン回転数センサ47により検出されたエンジン回転計測値(実エンジン回転速度)に基づき、F/F制御量としての要求イナーシャトルクおよび要求フリクショントルクを演算する。F/F制御量演算部141は、要求イナーシャトルク演算部141aおよび要求フリクショントルク演算部141bを有する。要求イナーシャトルク演算部141aは、目標エンジン回転数の変化速度に応じたイナーシャトルク分のエンジントルクである要求イナーシャトルクを演算する。要求フリクショントルク演算部141bは、エンジン回転計測値に応じたフリクショントルク分のエンジントルクである要求フリクショントルクを演算する。
F/B制御量演算部142は、目標エンジン回転数およびエンジン回転計測値に基づき、F/B制御量としての誤差F/B分トルクを演算する。F/B制御量演算部142は、回転制御誤差演算部142a、回転制御誤差切り替え部142b、誤差F/B分トルク演算部142cおよび制御量切り替え部142dを有する。回転制御誤差演算部142aは、目標エンジン回転数とエンジン回転計測値との偏差を回転制御誤差として演算する。回転制御誤差切り替え部142bは、判定部143の判定結果に応じて、誤差F/B分トルク演算部142cに入力される回転制御誤差を、回転制御誤差演算部142aにより算出された回転制御誤差と0とで選択的に切り替える。判定部143は、目標エンジン回転数がF/B許可回転数(基準回転速度)よりも大きいかを判定する。回転制御誤差切り替え部142bは、判定部143により目標エンジン回転数がF/B許可回転数よりも大きいと判定された場合には、回転制御誤差として回転制御誤差演算部142aにより算出された回転制御誤差を出力する。一方、回転制御誤差切り替え部142bは、判定部143により目標エンジン回転数がF/B許可回転数以下であると判定された場合には、回転制御誤差として0を出力する。F/B許可回転数は、エンジン1の点火間隔がエンジンコントローラ14におけるエンジン1の制御周期に対して所定倍(例えば、2倍)となるときのエンジン回転数(例えば、1,000rpm)であって、回転制御誤差に基づくエンジントルクのF/B制御を安定的に実施可能なエンジン回転数の最低値または当該最低値よりも僅かに高いエンジン回転とする。
誤差F/B分トルク演算部142cは、PID制御器を有し、公知のPID制御則に基づき、回転制御誤差をなくすエンジントルクである誤差F/B分トルクを演算する。
制御量切り替え部142dは、判定部143の判定結果に応じて、目標エンジントルク演算部144に入力される誤差F/B分トルクを、誤差F/B分トルク演算部142cで演算された誤差F/B分トルクと0とで選択的に切り替える。制御量切り替え部142dは、判定部143により目標エンジン回転数がF/B許可回転数よりも大きいと判定された場合には、誤差F/B分トルクとして誤差F/B分トルク演算部142cで演算された誤差F/B分トルクを出力する。一方、制御量切り替え部142dは、判定部143により目標エンジン回転数がF/B許可回転数以下であると判定された場合には、誤差F/B分トルクとして0を出力する。
目標エンジントルク演算部144は、要求イナーシャトルク、要求フリクショントルクおよび誤差F/B分トルクを加算して目標エンジントルクを演算する。
図6は、実施形態1のエンジンコントローラ14で実行される回転同期制御の流れを示すフローチャートである。
ステップS21では、エンジンコントローラ14において、回転同期制御中であるかを判断する。YESの場合はステップS22へ進み、NOの場合はステップS30へ進む。
ステップS22では、要求イナーシャトルク演算部141aにおいて、要求イナーシャトルクを演算する。
ステップS23では、要求フリクショントルク演算部141bにおいて、要求フリクショントルクを演算する。
ステップS24では、判定部143において、目標エンジン回転数がF/B許可回転数よりも大きいかを判定する。YESの場合はステップS25へ進み、NOの場合はステップS27へ進む。
ステップS25では、回転制御誤差演算部142aにおいて、目標エンジン回転数からエンジン回転計測値を減じて回転制御誤差を演算する。
ステップS26では、誤差F/B分トルク演算部142cにおいて、回転制御誤差からPID制御則に基づき、誤差F/B分トルクを演算する。
ステップS27では、回転制御誤差切り替え部142bにおいて、回転制御誤差を0とする。
ステップS28では、制御量切り替え部142dにおいて、誤差F/B分トルクを0とする。
ステップS29では、目標エンジントルク演算部144において、要求イナーシャトルク、要求フリクショントルクおよび誤差F/B分トルクを加算して目標エンジントルクを演算する。
ステップS30では、エンジンコントローラ14において、目標エンジントルクを0とする。
ステップS31では、回転制御誤差切り替え部142bにおいて、回転制御誤差を0とする。
次に、作用を説明する。
セーリングストップからのセーリング抜けや、ハイブリッド車両におけるEVモードからHEVモードへのモード遷移のように、走行中に停止状態のエンジンを始動する場合、エンジン回転の安定性がクラッチ締結時のショックに影響し、目標エンジン回転数からのずれが大きいほどショックが悪化する。一方、加速性能の観点から、エンジン始動後は速やかにクラッチを締結し、エンジントルクを駆動輪に伝達することが求められるため、目標エンジン回転数に対する応答性も要求される。つまり、セーリング抜けやEV→HEVモード遷移時におけるエンジンの回転数制御では、安定性および応答性の両立が求められている。
ここで、エンジンは、4工程のうち、点火・膨張行程のみでトルクを生じるため、回転数毎に、制御出力(目標エンジントルク)により吸気系の空気の量が変化しても、エンジン回転計測値(プラント出力)の変化が生じない「無駄時間」が生じる。この無駄時間は、エンジンの点火間隔に一致する。ここで、エンジンの点火間隔は、エンジン回転数と気筒数とから決まるため、無駄時間は、エンジン回転数が低いほど大きくなる。このため、エンジン回転数をエンジントルクに対するF/Bで制御する場合、エンジンの低回転領域(例えば、実施形態1のエンジン1では、1,000rpm未満の回転数領域)では、F/B制御が不安定となる。詳述すると、無駄時間が大きい制御対象(エンジン)に対して連続的にPID制御を行う場合、制御出力(目標エンジン回転数)の結果(実エンジン回転数)を確認できないうちに、次々に制御出力を更新することになり、F/B制御の基本から離反していくことになる。この結果、制御対象の無駄時間が大きくなるほど、オーバーシュート量が大きくなり、制御性が悪化する。
図7は、エンジンの低回転領域における目標エンジン回転数(実エンジン回転速度)および実エンジン回転数のタイムチャートである。図7に示すように、回転数制御の応答性を重視し、F/B制御のゲインを比較的大きな値とした場合、無駄時間の影響によりオーバーシュート量が大きくなるため、実エンジン回転数にハンチングが残る。一方、回転数制御の安定性を重視し、F/B制御のゲインを比較的小さな値とした場合、ハンチングは生じないものの、実エンジン回転数の立ち上がりが緩慢となるため、応答性の悪化を招く。よって、F/B制御のゲイン調整のみでは、安定性および応答性の両立が困難であった。なお、スミス法に基づくスミス予測器等を用いて無駄時間を補償することにより、制御性能は改善されるが、制御の複雑化を招くと共に、適合にも時間を要するという問題がある。
これに対し、実施形態1では、目標エンジン回転数がF/B許可回転数(1,000rpm)以下の場合には、目標エンジントルクをF/F制御量(要求イナーシャトルク+要求フリクショントルク)のみとし、目標エンジン回転数がF/B許可回転数を超えた場合には、目標エンジントルクをF/F制御量とF/B制御量(誤差F/B分トルク)との和とする。
図8は、4気筒エンジンにおけるエンジン回転数に対する点火間隔(=無駄時間)の特性図である。図8に示すように、エンジンの無駄時間(点火間隔)は、エンジン回転数が低いほど大きくなり、エンジン回転数に反比例する特性を有する。そこで、実施形態1では、目標エンジン回転数がF/B許可回転数以下の領域、すなわち、無駄時間が制御周期に対して所定倍を超える領域であって、エンジントルクのF/B制御が不安定となる領域では、F/B制御を禁止してF/F制御のみによりエンジントルクを制御する。一方、目標エンジン回転数がF/B許可回転数を超える領域、すなわち、無駄時間が制御周期に対して所定倍以下となる領域であって、エンジントルクのF/B制御を安定的に実行できる領域では、F/F制御およびF/B制御によりエンジントルクを制御する。
図9および図10は、実施形態1の比較例として、ドライバのアクセル踏み込みによるセーリング抜け時の回転同期制御において、F/B許可回転数以下の領域でF/B制御を実施した場合のエンジン回転数およびエンジントルクのタイムチャートである。図9はF/B制御のゲインを比較的大きな値とした場合、図10はF/B制御のゲインを比較的小さな値とした場合である。なお、図9および図10には、F/F制御+F/B制御に基づく目標エンジントルク(F/B有り目標エンジントルク)と、F/B制御のみに基づく目標エンジントルク(F/B無し目標エンジントルク)を記載している。図9に示すように、エンジン回転数が低く、目標エンジン回転数と実エンジン回転数との回転制御誤差が大きい領域でF/B制御のゲインを大きくした場合、無駄時間により、目標エンジントルクに対して実エンジントルクが遅れるため、実エンジン回転数が増加せず、さらにF/B制御により目標エンジントルクを増加させてしまう。その後、実エンジン回転数が増加し、目標エンジン回転数を大きく上回ってしまう(オーバーシュートの発生)。一旦大きなオーバーシュートが生じると、それを解消するためにエンジントルクを大きく下げなければならず、この結果、実エンジン回転数が目標エンジン回転数を大きく下回り、ハンチングを起こすこととなる。一方、図10に示すように、F/B制御のゲインを小さくした場合には、回転制御誤差に対する補正が効かないため、応答が遅くなる。
図11は、実施形態1のセーリング抜け時の回転同期制御におけるエンジン回転数およびエンジントルクのタイムチャートである。実施形態1では、目標エンジン回転数がF/B許可回転数(1,000rpm)を超えるまでの間、F/B制御を禁止し、F/F制御のみでエンジントルクを制御するため、比較例1と比べて、無駄時間の大きな領域で必要以上のエンジントルクが出力されるのを抑制できる。また、無駄時間の小さな領域では、F/F制御により生じた回転制御誤差をF/B制御により補正できるため、比較例1および比較例2と比べて、実エンジン回転数を速やか、かつ安定的に目標エンジン回転数へ変更できる。よって、エンジン1の回転同期制御において、安定的かつ良好な応答を実現できる。この結果、ドライバのアクセル踏み込みによるセーリング抜け条件の成立後、速やかにフォワードクラッチFwd/Cを締結できるため、動力伝達のタイミングを早めることができ、加速性能を向上できる。
実施形態1の回転同期制御では、目標エンジン回転数とF/B許可回転数との比較によりF/B制御を禁止または許可するという簡単なロジックでもって、上記の効果(安定性および応答性の両立)が得られるため、制御の複雑化を抑制できると共に、適合のための手間暇を軽減できる。ここで、仮にF/B許可回転数と実エンジン回転数との比較によりF/B制御の禁止または許可を判断する場合、実エンジン回転数はエンジントルクの脈動や走行負荷によって変動しやすいため、実エンジン回転数がF/B許可回転数を挟んでハンチングし、F/B制御の禁止または許可が頻繁に切り替わるおそれがある。一方、目標エンジン回転数は滑らかに変化し、ハンチングが起こりにくいため、F/B制御の禁止または許可が頻繁に切り替わるのを回避でき、制御性の悪化を抑制できる。
エンジンコントローラ14における回転同期制御のブロック図において、目標エンジン回転数がF/B許可回転数以下であると判定された場合、すなわち、F/B制御が禁止されている場合、誤差F/B分トルク演算部142cには、回転制御誤差として0が入力される。誤差F/B分トルク演算部142cの積分器には、F/B制御が禁止されている場合であっても、回転制御誤差の積分値が蓄積されるため、F/B制御が禁止から許可に切り替わったとき、積分値によって過大な目標エンジントルクが生成されることにより、実エンジン回転数が目標エンジン回転数に対して大きくオーバーシュートするおそれがある。よって、F/B制御が禁止されている間は、積分値をゼロリセットしておくことにより、実エンジン回転数のオーバーシュートを抑制できる。
実施形態1にあっては、以下の効果を奏する。
(1) エンジンコントローラ14が、車両の動力源であるエンジン1を停止しての走行中、所定のエンジン始動条件が成立した場合に、エンジン1を始動し、実エンジン回転数が目標エンジン回転数となるようにエンジン1を回転数制御するにあたり、エンジン1の無駄時間がエンジントルクの制御周期に対して所定倍(2倍)となるときのエンジン回転数をF/B許可回転数(1,000rpm)としたとき、回転数制御では、目標エンジン回転数がF/B許可回転数を超えるまでの間、目標エンジン回転数と実エンジン回転数との偏差である回転制御誤差に基づくエンジン1のF/B制御を禁止し、目標エンジン回転数に応じてエンジン1をF/F制御する。
よって、回転数制御の安定性および応答性を両立できる。
(2) F/B許可回転数は、エンジン1の点火間隔が制御周期に対して所定倍(2倍)となるときのエンジン回転数である。
よって、エンジン1の無駄時間は点火間隔と等しいため、点火間隔に応じてF/B許可回転数を設定することにより、F/B制御を安定的に実施可能であるか否かを精度よく判定できる。
(3) 車両は、エンジン1と駆動輪7との動力伝達を断接可能なフォワードクラッチFwd/Cを備え、エンジンコントローラ14は、走行中に所定のセーリング入り条件が成立した場合に、フォワードクラッチFwd/Cを解放状態とし、エンジン1を停止して惰性走行するセーリングストップを行い、セーリングストップ中にセーリング抜け条件が成立した場合に、回転同期制御を実施してフォワードクラッチFwd/Cの入出力回転数を同期させた後、フォワードクラッチFwd/Cを締結状態とする。
よって、セーリング抜け条件の成立後におけるショックを抑制しつつ、加速性能を向上できる。
〔実施形態2〕
実施形態2の基本的な構成は実施形態1と同じであるため、実施形態1と相違する部分のみ説明する。
図12は、実施形態2のハイブリッド車両の全体構成を示す図である。なお、実施形態1と同じ部位には同一の符号を付して説明は省略する。
図12に示すハイブリッド車両(以下、車両)は、動力源としてエンジン1およびモータ(走行用モータ)50を備える。エンジン1の出力回転は、クラッチ51、モータ50、自動変速機4介して駆動輪7へと伝達される。なお、自動変速機4は副変速機構を持たない。また、自動変速機4および駆動輪7間の動力伝達経路には、図外のファイナルギア対および終減速装置が設けられている。エンジン1の出力軸はクラッチ51の入力軸に接続されており、クラッチ51とモータ50の共通の出力軸は自動変速機4の入力軸に接続されている。図12では、パワートレインのコンパクト化を狙いとし、モータ50をクラッチ51と自動変速機4の間の動力伝達経路に介装しているが、自動変速機4を挟んでクラッチ51と反対側にモータ50を接続してもよい。クラッチ51には入力軸から出力軸への伝達トルクが調節可能なものが用いられ、例えば、電磁コイルに流す励磁電流の強さに応じて伝達トルクを調節可能なパウダークラッチが用いられる。
車両は、走行モードとして、クラッチ51を締結してエンジン1およびモータ50で車両を駆動するHEVモードと、クラッチ51を解放してモータ50のみで車両を駆動するEVモードとを有する。一般には、エンジン1の効率の悪い発進時や極低速走行時には走行モードをEVモードとし、ある程度車速が上がったところでクラッチ51を締結してHEVモードへ移行する。また、アクセル全開で発進加速を行うシーンのように大きな駆動力が要求されるときは、クラッチ51を締結してHEVモードで走行する。
エンジン1の出力軸のクラッチ51と反対側にはジェネレータ52が接続されており、エンジン1が発生する動力を電力として回生可能である。また、ジェネレータ52は図外のバッテリから電力の供給を受けて、エンジン始動時のスタータモータとしても機能する。
エンジン1、クラッチ51モータ50、自動変速機4およびジェネレータ52は、それぞれエンジンコントローラ14、クラッチコントローラ53、モータコントローラ55、変速機コントローラ12およびジェネレータコントローラ54によって制御される。統合コントローラ13には、図外のアクセル開度センサ、車速センサ等から各種信号が入力されると共に、エンジン1、クラッチ51、モータ50、自動変速機4およびジェネレータ52の運転状態(回転数、トルク、変速比等)が入力され、これらに基づき各コントローラ12〜14,53,54を統括制御する。
図13は、実施形態2の統合コントローラ13で実行されるEVモードからHEVモードへのモード遷移制御の流れを示すフローチャートである。
ステップS41では、EVモードからHEVモードへモード遷移する条件(例えば、アクセル全開)が成立したかを判定する。YESの場合はステップS42へ進み、NOの場合はステップS41を繰り返す。
ステップS42では、スタータモータ(ジェネレータ52)によるエンジン1の始動制御を開始する。
ステップS43では、クラッチ51の入出力回転数の回転同期制御(回転数制御)を実施する。ここで、回転同期制御とは、クラッチ51の入力回転数(エンジン回転数Ne)と出力回転数(プライマリ回転数Npri)を同期させる制御をいう。回転同期制御では、始動したエンジン1の回転数を目標エンジン回転数(目標エンジン回転速度)まで上昇させる制御である。なお、実施形態2の回転同期制御は、実施形態1と同様であるため、説明は省略する。
ステップS44では、エンジン回転数Neとプライマリ回転数Npriの差が同期判定閾値以下かを判定する。YESの場合はステップS45へ進み、NOの場合はステップS43へ戻る。ここで、「同期判定閾値」は、クラッチ51の締結ショックが抑えられる回転差に設定される。
ステップS45では、解放状態であるクラッチ51を締結する。
実施形態2にあっては、以下の効果を奏する。
(4) 車両は、動力源としてのモータ50と、エンジン1とモータ50との動力伝達を断接可能なクラッチ51を備えると共に、走行モードとして、クラッチ51を解放状態とし、エンジン1を停止してモータの50駆動力により走行するEVモードと、クラッチ51を締結状態とし、モータ50およびエンジン1の駆動力により走行するHEVモードと、を有し、エンジンコントローラ14は、エンジン始動条件の成立によりEVモードからHEVモードへモード遷移する際、回転同期制御を実施してクラッチ51の入出力回転数を同期させた後、クラッチ51を締結状態とする。
よって、EVモードからHEVモードへのモード遷移時におけるショックを抑制しつつ、加速性能を向上できる。
以上、本発明を実施するための形態を実施形態に基づいて説明したが、本発明の具体的な構成は実施形態に示した構成に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明に含まれる。
1 エンジン
7 駆動輪
14 エンジンコントローラ(コントローラ)
50 モータ(走行用モータ)
51 クラッチ
Fwd/C フォワードクラッチ(クラッチ)

Claims (4)

  1. コントローラが、車両の動力源であるエンジンを停止しての走行中、所定のエンジン始動条件が成立した場合に、前記エンジンを始動し、実エンジン回転速度が目標エンジン回転速度となるように前記エンジンを回転数制御するにあたり、
    前記エンジンの無駄時間が前記エンジントルクの制御周期に対して所定倍となるときのエンジン回転速度を基準回転速度としたとき、
    前記回転数制御では、前記目標エンジン回転速度が前記基準回転速度を超えるまでの間、前記目標エンジン回転速度と前記実エンジン回転速度との偏差に基づく前記エンジンのフィードバック制御を禁止し、前記目標エンジン回転速度に応じて前記エンジンをフィードフォワード制御する
    エンジンの回転速度制御装置。
  2. 請求項1に記載のエンジンの回転速度制御装置であって、
    前記基準回転速度は、前記エンジンの点火間隔が前記制御周期に対して前記所定倍となるときのエンジン回転速度である
    エンジンの回転速度制御装置。
  3. 請求項1または2に記載のエンジンの回転速度制御装置であって、
    前記車両は、前記エンジンと駆動輪との動力伝達を断接可能なクラッチを備え、
    前記コントローラは、走行中に所定のエンジン停止条件が成立した場合に、前記クラッチを解放状態とし、前記エンジンを停止して惰性走行するセーリングストップを行い、前記セーリングストップ中に前記エンジン始動条件が成立した場合に、前記回転数制御を実施して前記クラッチの入出力回転速度を同期させた後、前記クラッチを締結状態とする
    エンジンの回転速度制御装置。
  4. 請求項1または2に記載のエンジンの回転速度制御装置であって、
    前記車両は、前記動力源としての走行用モータと、前記エンジンと前記モータとの動力伝達を断接可能なクラッチを備えると共に、走行モードとして、前記クラッチを解放状態とし、前記エンジンを停止して前記走行用モータの駆動力により走行するEVモードと、前記クラッチを締結状態とし、前記走行用モータおよび前記エンジンの駆動力により走行するHEVモードと、を有し、
    前記コントローラは、前記エンジン始動条件の成立により前記EVモードから前記HEVモードへモード遷移する際、前記回転数制御を実施して前記クラッチの入出力回転速度を同期させた後、前記クラッチを締結状態とする
    エンジンの回転速度制御装置。
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