JP2020196054A - ロボット装置、ロボット装置の制御方法、ロボット装置およびロボット装置の制御方法を用いた物品の製造方法、駆動装置、駆動装置の制御方法、制御プログラムおよび記録媒体 - Google Patents

ロボット装置、ロボット装置の制御方法、ロボット装置およびロボット装置の制御方法を用いた物品の製造方法、駆動装置、駆動装置の制御方法、制御プログラムおよび記録媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】 ロボット装置の停止状態において、ブレーキ機構による停止状態から、サーボモータによる停止状態に切り換える際、リンクの位置変動をより高い精度で抑制することができるロボット装置を提供する。【解決手段】 リンクを有し、リンクを駆動源により動作させ所定の作業を行うロボット装置であって、トルクを検出するセンサと、ブレーキ機構と、駆動源を制御する制御装置と、を備え、制御装置は、ブレーキ機構によりリンクの位置を保持する第1の状態から、駆動源によりリンクの位置を保持する第2の状態に切り換える際、第2の状態に切り換える前にセンサで検出された値に基づいて駆動源を制御する、ことを特徴とするロボット装置を採用した。【選択図】 図5

Description

本発明は、ロボット装置に関する。
近年、製品を製造する生産ラインにおいて、多関節のロボットアームを備えたロボット装置が用いられている。この種のロボットアームは、エンドエフェクタとして先端に、例えば把持装置としてのロボットハンドや、その他の工具などのツールを設けてワークを操作し、工業製品やその部品などの物品の製造を行う。
このようなロボットアームには、リンクを駆動させるための駆動源としてサーボモータが設けられることが一般的である。その際、ロボット装置を停止させるために、リンクに外力が働いても、リンクが動作しないようにする機構が設けられる。1つ目は、サーボモータにより、リンクが動作する方向とは逆の方向にトルクをかける方法(サーボオン)がある。2つ目は、サーボモータの回転軸に機械的なブレーキ機構を設け、サーボモータの回転軸を回転しないように保持することで、リンクが動作しないようにする方法がある。
従来では、ロボット装置に異常が発生した際に、ロボット装置およびその周辺の安全を確保するべく確実にロボット装置を停止するためにブレーキ機構によりサーボモータの回転軸が回転しないように保持する。そしてロボット装置の異常が取り除かれたら、ブレーキ機構によるサーボモータの回転軸の保持を解除するとほぼ同時に、サーボモータへ電力を供給し、リンクが動作する方向とは逆の方向にトルクをかけ、ロボット装置の停止状態を維持している。
しかしながら上記のようにブレーキ機構による停止状態からサーボモータによる停止状態に切り換える際、停止しているリンクの位置姿勢によっては、リンクが停止している位置姿勢から動作してしまうことがある。これは、リンクの動作によりサーボモータの回転軸に位置の変化が発生しないと、リンクの位置姿勢を維持するためにどの程度トルクを出力すればよいか算出できないためである。一旦、リンクが動作することにより生じるサーボモータの回転軸の位置偏差を検出して初めてサーボモータが出力するべきトルクが算出でき、リンクが停止していた位置姿勢に戻すことができるのである。
よって、このリンクの動作によって、ロボットアームに設けられたエンドエフェクタが周辺物に衝突するなどして周辺物及びエンドエフェクタに傷が付く危険性があった。それ以外にも、ロボット装置の姿勢の状態が変わってしまうことで、ロボット装置と周辺物との位置関係を元に戻す作業が発生するなどし、異常が発生した場合のロボット装置のメンテナンスに時間を要してしまう。
上記に対し、特許文献1のような提案がなされている。特許文献1には、モータのサーボオン時に、ロボット装置のパラメータモデルから、ロボット装置の姿勢を保持するために必要な各関節のトルクを計算で求める手法が記載されている。これにより、サーボモータの回転軸に位置偏差が発生してなくても、ロボット装置の姿勢を保持するために必要なトルクを算出できる。そして算出したトルクに基づいて制御ループのゲインを変更することで、ロボット装置の姿勢を保持するために必要なトルクが出力している状態でブレーキ機構を解除することができる。よってリンクが停止している位置姿勢から動作してしまうことを抑制することができる。
特開2013−226619号公報
しかしながら、特許文献1に記載の方法では以下のような課題がある。ロボット装置の姿勢を保持するために必要なトルクの算出に用いるロボット装置のパラメータモデルは、実機のロボット装置との誤差が生じやすい。例えば、リンク長や重心位置、慣性モーメント、粘性摩擦など種々の原因により、パラメータモデルに誤差が生じ、正確にロボット装置の姿勢を保持するために必要なトルクを算出することが困難となる。
以上の課題を鑑み、本発明では、ロボット装置の停止状態において、ブレーキ機構による停止状態から、サーボモータによる停止状態に切り換える際、リンクの位置変動をより高い精度で抑制することができるロボット装置を提供する。
上記課題を解決するために本発明においては、リンクを有し、前記リンクを駆動源により動作させ所定の作業を行うロボット装置であって、トルクを検出するセンサと、ブレーキ機構と、前記駆動源を制御する制御装置と、を備え、前記制御装置は、前記ブレーキ機構により前記リンクの位置を保持する第1の状態から、前記駆動源により前記リンクの位置を保持する第2の状態に切り換える際、前記第2の状態に切り換える前に前記センサで検出された値に基づいて前記駆動源を制御する、ことを特徴とするロボット装置を採用した。
本発明によれば、リンクにかかるトルクを直接測ることで、パラメータモデルで算出するよりもさらに高精度にロボット装置の姿勢を保持するために必要なトルクを取得できる。よってリンクの位置変動をより高い精度で抑制することができる。
実施形態におけるロボット装置100の概略構成を示す図である。 実施形態におけるロボット装置100の制御ブロック図である。 実施形態における関節Jの概略図である。 実施形態におけるブレーキ機構の概略図である。 実施形態における制御フローチャートである。 実施形態における制御フローチャートである。 実施形態における関節Jの概略図である。 実施形態における制御フローチャートである。
以下、添付図面を参照して本発明を実施するための形態につき説明する。なお、以下に示す構成はあくまでも一例であり、例えば細部の構成については本発明の趣旨を逸脱しない範囲において当業者が適宜変更することができる。また、本実施形態で取り上げる数値は、参考数値であって、本発明を限定するものではない。
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態におけるロボット装置100を、XYZ座標系のある方向から見た平面図である。なお以下の図面において、図中の矢印X、Y、Zはロボット装置100全体の座標系を示す。一般に、ロボット装置を用いたロボットシステムでは、XYZ3次元座標系は、設置環境全体のグローバル座標系の他に、制御の都合などによって、ロボットハンド、指部などに関して適宜ローカル座標系を用いる場合がある。本実施形態ではロボット装置100全体の座標系をXYZ、ローカル座標系をxyzで表すものとする。
図1に示すように、ロボット装置100は、多関節のロボットアーム本体200、ロボットハンド本体300、ロボットアーム本体200の動作を制御するロボットアーム制御装置400を備えている。
また、ロボットアーム制御装置400に教示データを送信する教示装置としての外部入力装置500を備えている。外部入力装置500の一例としてティーチングペンダントが挙げられ、作業者がロボットアーム本体200やロボットハンド本体300の位置を指定するのに用いる。
本実施形態では、エンドエフェクタとしてロボットアーム本体200の先端部に設けられるものが、ロボットハンドである場合について説明するが、これに限定するものではなく、ツール等であってもよい。
ロボットアーム本体200の基端となるリンク201は、基台210に設けられている。
ロボットハンド本体300は、部品やツール等の対象物を把持するものである。本実施形態のロボットハンド本体300は詳細不図示の駆動機構により2本の指部301を開閉し、対象物の把持ないし開放を行う。対象物をロボットアーム本体200に対して相対的に変位させないように把持できれば良い。
ロボットハンド本体300はリンク206に接続され、リンク206が回転することで、ロボットハンド本体300も回転させることができる。
ロボットアーム本体200は、複数の関節、例えば6つ関節(6軸)を有している。ロボットアーム本体200は、各関節J1〜J6を各回転軸A〜Aまわりにそれぞれ回転駆動させる複数(6つ)のサーボモータ211〜216を有している。
ロボットアーム本体200は、複数のリンク201〜206が各関節J1〜J6で回転可能に連結されている。ここで、ロボットアーム本体200の基端側から先端側に向かって、リンク201〜206が順に直列に連結されている。
ロボットアーム本体200は、可動範囲の中であれば、任意の3次元位置で任意の3方向の姿勢に、ロボットアーム本体200のエンドエフェクタ(ロボットハンド本体300)を向けることができる。
ここで、ロボットアーム本体200の手先とは、本実施形態では、ロボットハンド本体300のことである。ロボットハンド本体300が物体を把持している場合は、ロボットハンド本体300と把持している物体(例えば部品やツール等)とを含めてロボットアーム本体200の手先という。
つまり、ロボットハンド本体300が物体を把持している状態であるか物体を把持していない状態であるかにかかわらず、エンドエフェクタであるロボットハンド本体300を手先という。
各関節J1〜J6は、それぞれモータ211〜216と、各モータ211〜216にそれぞれ接続されたセンサ部221〜226と、ブレーキ機構231〜236とをそれぞれ有している。各センサ部221〜226は、関節J1〜J6の位置(角度)を検出する位置センサ(角度センサ)と、各関節J1〜J6のトルクを検出するトルクセンサ261〜266(図1では不図示)を備えている。さらに各軸の電磁モータ211〜216に流れている電流値を検出する電流センサを有する。ブレーキ機構231〜236、トルクセンサ261〜266については後述する。
また、各関節J1〜J6は、不図示の減速機を有し、直接、又は不図示のベルトやベアリング等の伝達部材を介して各関節で駆動されるリンク201〜206に接続されている。
基台210の内部には、各モータ211〜216の駆動を制御する駆動制御部としてのアーム用モータドライバ230が配置されている。アーム用モータドライバ230に電流センサを備えていても構わない。
アーム用モータドライバ230は、入力された各関節J1〜J6に対応する各トルク指令値に基づき、各関節J1〜J6のトルクがトルク指令値に追従するよう、各モータ211〜216に電流を出力し、各モータ211〜216の駆動を制御する。
なお、本実施形態では、アーム用モータドライバ230が1つの制御装置で構成されているものとして説明しているが、各モータ211〜216にそれぞれ対応した複数の制御装置の集合体で構成されていてもよい。
また、本実施形態では、アーム用モータドライバ230は、基台210の内部に配置されているものとして説明するが、ロボットアーム制御装置400の内部に配置されていてもよい。
以上の構成により、ロボットアーム本体200によりロボットハンド本体300を任意の位置に動作させ、所望の作業を行わせることができる。所望の作業とは例えば、対象物同士を組み付け物品の製造を行う等の作業である。
図2は、本実施形態におけるロボット装置100の構成を示すブロック図である。ロボットアーム制御装置400は、コンピュータで構成されており、制御装置400は、コンピュータで構成されており、制御部(処理部)としてのCPU(Central Processing Unit)401を備えている。
また制御装置400は、記憶部として、ROM(Read Only Memory)402、RAM(Random Access Memory)403、HDD(Hard Disk Drive)404を備えている。また、制御装置400は、記録ディスクドライブ405、各種のインタフェース406〜409を備えている。
CPU401には、ROM402、RAM403、HDD404、記録ディスクドライブ405、各種のインタフェース406〜409が、バス410を介して接続されている。ROM402には、BIOS等の基本プログラムが格納されている。RAM403は、CPU401の演算処理結果等、各種データを一時的に記憶する記憶装置である。
HDD404は、CPU401の演算処理結果や外部から取得した各種データ等を記憶する記憶装置であると共に、CPU401に、演算処理を実行させるためのプログラム430を記録するものである。CPU401は、HDD404に記録(格納)されたプログラム430に基づいてロボット制御方法の各工程を実行する。
記録ディスクドライブ405は、記録ディスク431に記録された各種データやプログラム等を読み出すことができる。
外部入力装置500はインタフェース406に接続されている。CPU401はインタフェース406及びバス410を介して外部入力装置500からの教示データの入力を受ける。
アーム用モータドライバ230は、インタフェース409に接続されている。CPU401は、アーム用モータドライバ230、インタフェース409及びバス410を介して各センサ部221〜226から検出結果を取得する。また、CPU401は、各関節のトルク指令値のデータを所定時間間隔でバス410及びインタフェース409を介してアーム用モータドライバ230に出力する。
同様にハンド用モータドライバ301も、インタフェース411に接続され、バス410を介してCPU401と通信可能に設けられている。CPU401は、ハンド用モータドライバ301、バス410及びインタフェース411を介してセンサ部321から検出結果を取得する。また、CPU401は、ロボットハンド本体300の各指部の指令値のデータを所定時間間隔でバス410及びインタフェース411を介してハンド用モータドライバ301に出力する。
同様にブレーキ用ドライバ290も、インタフェース412に接続され、バス410を介してCPU401と通信可能に設けられている。CPU401は、ブレーキ用ドライバ290、バス410及びインタフェース412を介して後述するブレーキ機構231〜236を制御する。
インタフェース407には、モニタ421が接続されており、モニタ421には、CPU401の制御の下、各種画像が表示される。インタフェース408は、書き換え可能な不揮発性メモリや外付けHDD等の記憶部である外部記憶装置422が接続可能に構成されている。
なお本実施形態では、コンピュータ読み取り可能な記録媒体がHDD404であり、HDD404にプログラム430が格納される場合について説明するが、これに限定するものではない。プログラム430は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であれば、いかなる記録媒体に記録されていてもよい。
例えば、プログラム430を供給するための記録媒体としては、ROM402、記録ディスク431、外部記憶装置422等を用いてもよい。具体例を挙げて説明すると、記録媒体として、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、磁気テープ、不揮発性メモリ、ROM等を用いることができる。
次に図3を用いて各関節J〜Jについて詳述する。図3は、例として関節Jを模式的に表した図であり、リンク201に対し、リンク202をモータ212が駆動する構成となっている。
モータ212は電磁モータであり、ブラシレスDCモータやACサーボモータが例示できる。モータ212はリンク201の内部に支持されるよう、モータフランジ7にビスによる締結で取り付けられている。モータ212からの回転はモータ回転軸212aが回転し、減速機242の減速機入力軸242aに伝達される。
モータ212の出力は、減速機242とトルクセンサ262を介して、リンク202に接続されており、軸受282は減速機242とトルクセンサ262の間に位置する。減速機242は、減速機入力軸242aからの回転を減速手段232bで1/Nに減速し、減速機出力軸242cに伝える。例として平歯車列や波動歯車減速機等が挙げられる。本実施形態では波動歯車減速機を用いており、減速機出力軸242cはフレックススプラインを用いている。
減速後のトルクを出力する減速機出力軸242cは、接続部材252を介して軸受282に接続される。また、軸受282の他方はリンク201に取り付けられている。軸受282の例としてクロスローラーベアリングが挙げられる。
接続部材252はトルクセンサ262を介してリンク202に取り付けられている。トルクセンサ262は、例えば、自身に加わる関節の回転軸A周りのトルクを検出、求めるために弾性体の変位を測定するトルクセンサなどから構成される。その場合、トルクセンサ262は、例えば内輪部262a、外輪部262bと、これらを結合するバネ部262cで構成される。内輪部262aは接続部材252に設け、外輪部262bはリンク202に設けられている。このような構成では、トルクセンサ262に回転軸A周りのトルクT2nが作用した際、接続部材252とリンク202とが相対変位することにより、バネ部262cが変形する。そのため、トルクセンサ262はバネ部262cの変形量に基づいてリンク202に作用するトルクを測定できる。
例えば、トルクセンサ262の変形量をトルクに換算する感度行列をあらかじめテーブルメモリなどの形式で用意しておき、測定した変形量をトルクの測定量に換算することができる。トルクセンサ262の変形量を測定する力センサの変位検出方式には、ひずみゲージ方式、静電容量方式、磁気方式、光学エンコーダ方式などがある。例えば光学エンコーダ方式の場合には、光学ロータリーエンコーダのスケールと光センサ(不図示)を、それぞれ内輪部262aと外輪部262bに対向して配置する構成が考えられる。リンク201とリンク202の間には、トルクセンサ262の変位量を検出するセンサを防塵するためのシール部材272が設けられている。
以上の構造でトルクセンサを実装すると、摩擦の大きな減速機、軸受の先にトルクを検出する検出部があるため、シール材等の残留応力も含めて精度よく検出できる。他の関節でも上記での述べた構造を適宜使用しているものとする。
次にブレーキ機構232について詳しく説明する。本実施例ではブレーキ機構として電磁石を用いた例を示す。図4は本実施形態におけるブレーキ機構232の概略図である。図4(a)はブレーキされた後、図4(b)はブレーキされる前である。
図4(a)より、ヨーク15をモータ212の内部に固定して設け、ヨーク15内にコイル16を設ける。さらに不図示のベアリングホルダにより、ベアリングを介してモータ回転軸212aをA軸まわりに回転可能に支持する。また、モータ回転軸212aに円盤ばね20を固定して設ける。さらに円盤ばね20に強磁性体で製作した反発部材21を固定して設けている。
ここで、反発部材21は円盤ばね20がたわむので矢印22の方向に移動することができる。また、反発部材21に固定して摩擦板23aを設け、ヨーク15に固定して摩擦板23bを設ける。これによりヨーク15、反発部材21はコイル16の周りに磁気回路を形成する。ここで反発部材21は、コイル16の通電により、コイル16の周りに磁気回路が形成されると、ヨーク15に対して反発する構成とする。
そして図4(b)より、コイル16に通電すると、反発部材21はヨーク15に対して反発し、摩擦板23aと23b間の摩擦が解除され、モータ回転軸212aの回転がアンロックされる。逆に、コイル16への通電を解除すると、図4(a)のように円盤ばね20の付勢により摩擦板23aと23bは互いに押し付けられ、摩擦力が発生する。これによりモータ回転軸212aの回転がロックされる。つまり、モータ回転軸212aを介してリンク202の回転を、摩擦板23aと23b間の摩擦によってロックし、リンク202を所定の位置姿勢に保持する。
さらに上述したブレーキ用ドライバ290は、ブレーキオン(ロック)とブレーキオフ(解除)の指令を受けとり、ブレーキ機構241を制御する回路を有する。上述したコイル式のメカブレーキの場合は、ブレーキオン(ロック)の指令の際には、コイル16の流れる電流を止めてモータ回転軸212aの回転をロックし、ブレーキオフ(解除)の場合はコイル16に所望の電流を流しモータ212aの回転をアンロックする。上述したブレーキ機構232は各モータにも設けられているものとする。
次に図5を用いて本実施形態における制御方法について詳述する。図5は、本実施形態における制御方法のフローチャートである。ここでいうサーボオンとは、ブレーキ機構の保持力で各リンクの位置姿勢を保持している状態から、ブレーキ機構の保持力を解除して、各モータから出力されるトルクによって各リンクの位置姿勢を保持する(サーボロック)状態に切り替える処理とする。
図5に示したフローチャートのスタートは、各ブレーキ機構により各リンクの位置姿勢が保持された状態で、各モータと各トルクセンサには電力が供給された状態からスタートする。上記のような状態は、ロボット装置で異常が検出された際にブレーキ機構でロボット装置の各リンクの動作を緊急停止させる際を想定している。また、以下で述べる処理は制御装置400にCPU401が行うものとする。
まずS101では、ロボット装置100を操作する作業者が外部入力装置500を用いてサーボオンの指令を行うと、制御装置400のバス410を介してCPU401がその信号を受け取る。CPU401は、サーボオンの処理を開始する信号を受け取ると、S102以降の処理を順次進めていく。
次にS102では、トルクセンサ261〜266により、各関節J〜JのトルクTjnを検出する。各ブレーキ機構により各モータ回転軸を動作しないように保持しているため、ブレーキ機構により発生するトルクが各モータ回転軸212aおよび各減速機242を介して各トルクセンサに伝達される。本実施形態では、トルクセンサ261〜266の変位量の検出値が、インタフェース409、バス410を介して、CPU401に入力される。そしてCPU401が上述した変形量をトルクに換算する感度行列を用いてトルクを検出するものとする。なお、トルクセンサ261〜266にマイコン等のCPUを設け、トルクセンサのマイコンによりトルクに換算したうえで、CPU401に入力する形式でも構わない。
次にS103で、検出したトルクTjnから、それに相当するモータトルクを発生させるモータ指令値Ijnに変換する。モータに流れるモータ電流とモータが発生させるモータトルクは、モータ固有のトルク定数で関係づけられることができ、トルク定数を使って検出したTjnから計算で必要なモータ電流を求める。
最も単純にはIjn=f(Tjn)=1/K×Tjnという式で表せる。Kは各関節Jのモータのトルク定数である。また、制御装置400の記憶部であるROM402のハードウェア内にトルク値とモータ電流を変換するテーブルを予め記憶して、テーブルから必要なモータ電流値を参照してもよい。このようなテーブルは実測したモータトルクとモータ電流の関係性のデータを元に作成してもよい。
次にS104では、S103で求めたモータ電流値Ijnをそれぞれ各関節のモータ211〜216に流し、モータ211〜216にトルクを発生させる。具体的には、通常サーボモータのサーボ制御で使用する位置、速度、電流のPID制御の積分器にオフセット値を与え所望のモータ電流値が発生するように設定する。
S105では、S103で計算した所定のモータ電流値が各モータで発生したかどうか、センサ部221〜226の電流センサによる検出値で確認する。S105:Noであれば、所定のモータ電流値にするためにS104の直前まで戻り、再度電流を流す。S105:Yesであれば、S106に進む。
S106では、各モータのモータトルクが各リンクの位置姿勢が変化しない程度のモータトルクがすでに発生しているため、ブレーキ機構を通電させ、ブレーキ機構を解除する。以上によりサーボオンの処理が完了する。
以上より本実施形態におけるサーボオンの処理は、トルクセンサにより、シール材などによる回転軸まわりの残留応力を含め、重力加速度、重力以外の外力の影響のほぼ全てをトルクセンサにより検出することができ、モータ指令値として補償することができる。また、各リンクにかかっているトルクを直接求めることができ、従来のようなモデル化の精度に依らず、リンクの位置姿勢を保持するためのモータトルクを求める精度が高い。さらに、フィードフォワード的にモータトルクを発生させた後にブレーキ機構を解除するので、制御系の応答遅れがない。以上により、関節軸に連結された負荷側のリンクの落下を抑制することができる。よってリンクの位置変動をより高い精度で抑制することができる。
また、例えば溶接を行うロボット装置等は、エンドエフェクタとして溶接ガンをロボットアーム本体の先端に具えている。溶接ガンへの電力供給のためのケーブルは、ロボットアーム本体の先端の溶接ガンから、ロボットアーム本体とは別体となる溶接ガンの制御装置まで配線されるのが一般的である。溶接ガンのケーブルは、ロボットアーム本体の動作により、ケーブルがロボットアーム本体自身や対象物に干渉しないように、リンク側面や釣りバネで配線経路が維持されるように設置されている。このようなケーブルからの応力がロボットアーム本体のリンクに加わった場合でも、本実施形態ではトルクセンサによりケーブルからの応力を直接検出できるためモータトルクを高精度に補償できる。
同様に、ロボットアーム本体の内部を通り、制御装置からロボットアーム本体に内蔵されたモータやセンサ部、ブレーキ機構へ接続されるハーネス(ケーブル)が発生する電線のコシ(応力)に関しても補償することができる。
さらに、ロボットアーム本体の内部の防塵のために、可動部のすき間を埋めるシール材が捻じれて発生する残留応力も影響を及ぼす。シール材の残留応力は、サーボオフ直前のロボットアーム本体の動作に関わるモータの回転と逆方向の向きに発生し、その向きによっては、ロボットアーム本体の姿勢を維持するためのモータトルクに10%〜20%の割合で影響する。また、サーボオフしてから1分後にサーボオンしたとき、24時間後にサーボオンしたとき等、経過時間によってシール部材の捻じれが解放して変化することもありモデル化が困難である。しかし本実施形態ではトルクセンサにより直接検出できるので高精度にモータトルクを補償できる。
また本実施形態のS104では、S103で求めたモータ電流値Ijnを流すためのPID制御ループの積分器の値にオフセットを与えてリンクの位置変動を補償しているが、これに限らない。例えば、計算したモータ電流値Ijnの大きさに応じて、サーボ制御のPIDのゲインも変更しても良い。例えば、ある程度のリンクの位置変動が発生することを許容した上で、モータ電流値Ijnに係数を掛け(0.8など)、モータ指令値Ijnより少ない電流値IjnTHがモータに流れるよう積分器にオフセットを与える。電流値IjnTHが発生したことを、センサ部221〜226の電流センサで確認し、ブレーキ機構の解除を実行する。その後ブレーキ機構を解除すると、僅かなリンクの位置変動が発生するが、サーボ制御のPIDのゲインを通常より一定時間大きくして、発生する位置変動を素早くフィードバック制御で抑制する。このようにフィードフォワード要素とフィードバック制御を組み合わせて安定性を重視した制御とすることも可能である。
また本実施形態では、ブレーキ機構によりモータの回転軸がロックされている状態でモータ電流値を発生させる制御を行っているがこれに限られない。上記のようにある程度のリンクの位置変動が発生することを許容できるならば、ブレーキ機構を解除するとほぼ同時に、電流値IjnTHを出力させても良い。こうすることで、ブレーキ機構に与えられるダメージを抑制することも可能となる。
またS105では、所定のモータ電流値が発生したことをセンサ部221〜226の電流センサの検出値で確認してからブレーキ機構を解除しているが、電流値の判定でなくタイマーで管理しても良い。例えば、電流を流し始めてから確実にモータ電流値が発生したことを保障できる時間、例えば10msec後にブレーキ機構の解除を実行するなどでもよい。
また本実施形態では、ロボット装置の緊急停止といった、モータとトルクセンサに電力が供給されている状態でブレーキ機構を動作させた状態から、サーボオンの状態に切り換える際を例にとり説明したがこれに限られない。例えば、モータとトルクセンサに電力が供給されておらず、ロボット装置の電源がオフにされた状態でブレーキ機構によりリンクの位置が保持されている状態から、サーボオンの状態に切り換える際にも適用できる。その際は、モータとトルクセンサに電力を供給するとほぼ同時に、トルクセンサで検出されている値を取得し、各リンクの位置姿勢が変化しない程度のモータトルクを出力できる電流値を算出する。後の制御は上述した制御と同じ制御を実行する。これにより、ロボット装置の電源がオフにされた状態からサーボオンの状態に切り換える際も、リンクの落下を抑制することができる。
なお、本実施形態の図3で、トルクセンサの構造を示したが、トルクセンサの実装方法や構造はこれに限らない。位置姿勢を保持したいリンクにかかるトルクがトルクセンサにより検出できる構成であればよい。また本実施形態で用いたトルクセンサ261〜266は、アブソリュート型のトルクセンサでもインクリメント型のトルクセンサでもよい。
アブソリュート型のトルクセンサは、リンクにかかるトルクの絶対値を検出できるセンサである。一方で、インクリメント型のトルクセンサとは、例えば、図3で示したトルクセンサの構造弾性体が変形した際の変位量をインクリメント型の光学エンコーダ方式で測定するタイプのトルクセンサである。インクリメント型のトルクセンサは、トルクセンサを初期化したときのエンコーダの読み値を基準に、検出部に力が加わり弾性体が変形した後のエンコーダ値の変化分から相対的に増減したトルク値ΔTを検出する。
上述したロボット装置100のサーボオンの手段及び制御フローは、アブソリュート型のトルクセンサとして記載している。インクリメント型のセンサを、本実施形態で使用するためには、各リンクにかかるトルクが既知の状態で、トルクセンサの初期化を実行し、その状態を基準(0点)としてトルクセンサを起動し続けておく必要がある。例えばロボット装置100に、各リンクにかかるトルクが既知である初期化姿勢を設け、その姿勢、その状態で各リンクにかかるトルクを制御装置400のROM402のハードウェア内に記憶しておく。このトルクをTj0とすると、図3における各関節のトルク値 Tjn は以下のようになる。
jn =Tj0 + ΔT
このようにして得られたTjnを用いて、それに相当するモータトルクを発生させるモータ電流値Ijnに変換することで、インクリメント型のトルクセンサでも、本実施形態を適用することができる。
(第2の実施形態)
上述した第1の実施形態では、インクリメント型のトルクセンサで実現する方法について記載したが、そのためには各リンクにかかるトルクが既知である初期化姿勢を設定する必要があった。また初期化姿勢でトルクセンサを初期化した情報を保持し続けるためにトルクセンサを起動し続けていないといけなかった。本実施形態では、インクリメント式のトルクセンサであっても、初期化姿勢を設定することなく、リンクの位置変動を補償することができる形態につき説明する。
以下では、第1の実施形態とは異なるハードウェアや制御系の構成の部分について図示し説明する。また、第1の実施形態と同様の部分については上記と同様の構成ならびに作用が可能であるものとし、その詳細な説明は省略するものとする。
図6は、本実施形態におけるサーボオンの制御フローチャートである。本実施形態ではトルクセンサとしてインクリメント型のトルクセンサを使用することを前提として説明する。インクリメント型のトルクセンサで実施する場合、サーボオンする前に必ず行うサーボオフの処理からフローがスタートする。図6(a)はサーボオフ時のフローチャート、図6(b)はサーボオン時のフローチャートである。
図6(a)よりS201では、ロボット装置100を操作する作業者が外部入力装置500からサーボオフの指令を行うと、制御装置400のバス310を介してCPU401がその信号を受け取る。サーボオフの処理を開始する信号を受け取ると、CPU401はS202以降の処理を順次進めていく。
S202では、トルクセンサ261〜266の初期化を行う。そして、その際のモータ電流値Ij(n−1)を測定して、制御装置400のROM402のハードウェアメモリに保存する。
次にS203で、CPU401は、各ブレーキ機構241〜246のブレーキオン(ロック)の信号をバス410及びインタフェース412を介してブレーキ用ドライバ290に出力し、ブレーキ機構によりモータ回転軸をロックする。ここで、モータへの電流をオフにするのと、ブレーキ機構のロックのタイミングは問わないが、サーボオフの際に、リンク位置変動を抑制するには、ブレーキ機構231〜236でモータ回転軸をロックした後にモータの電流値を0にするのがよい。以上によりサーボオフの処理を終了する。
次に図6(b)を用いて本実施形態におけるサーボオンの処理について説明する。まずS204では、ロボット装置100を操作する作業者が外部入力装置500を用いてサーボオンの指令を行うと、制御装置400のバス410を介してCPU401がその信号を受け取る。CPU401は、サーボオンの処理を開始する信号を受け取ると、S205以降の処理を順次進めていく。
次にS205で、各リンクにかかるトルク値の変化ΔTを計測する。その際、基準となるのはS202で、トルクセンサ261〜266を初期化した際の状態のトルク値である。そのため、初期化した基準情報を失わないようにS202で初期化を行った以降は、トルクセンサ261〜266の電源を入れたままにしておく必要がある。例えば、ロボット装置100の主電源を入れたままにしておく。
ロボット装置100の主電源を切るケースが想定される場合は、トルクセンサ261〜266の電源系統を主電源と別にしてトルクセンサの電源を入れたままにしておけるように装置設計をしておく必要がある。ロボット装置100の主電源オフの期間のトルクセンサ261〜266へのバックアップ電源としてバッテリーをロボット装置100に搭載してもよい。
また、トルクセンサが温度ドリフト特性を持つ場合は、各関節周りの温度を検出できる温度センサをロボット装置100に搭載し、トルクセンサの計測値を温度補正することで、より正確なΔTを得ることができる。主電源をオフにした状態で長時間ロボットを放置した場合、トルクセンサまわりの環境温度は大きく変化する可能性があるからである。
次にS206では、リンクにかかるトルク値がΔT変化してしまった分を、サーボオフ処理の際(S202)に計測したモータ211〜216のモータ電流値Ij(n−1)から補正する。モータ電流とモータが発生するトルクの変換式は、S103のフローで記載したように最も単純にはIjn=f(Tjn)=1/K×Tjnという式で表せる。Kは各関節Jのモータのトルク定数である。よってモータ電流値Ijnは次のように計算できる。
jn=Ij(n−1)+f(ΔT)=Ij(n−1)+ 1/K×ΔT
S103で記載したように、制御装置400のROM402のハードウェア内にトルク値とモータ電流値を変換するテーブルを予め記憶して、テーブルから必要なモータ電流値を参照してもよい。このようなテーブルは実測したトルクとモータ電流の関係性のデータを元に作成してもよい。
次にS207では、S206で求めたモータ電流値Ijnをそれぞれ各関節のモータ211〜216に流し、モータ211〜216にトルクを発生させる。具体的には、通常サーボモータのサーボ制御で使用する位置、速度、電流のPID制御の積分器にオフセット値を与え所望のモータ電流値が発生するように設定する。
S208では、S206で計算した所定のモータ電流値が各モータで発生したかどうか、センサ部221〜226の電流センサによる検出値で確認する。S208:Noであれば、所定のモータ電流値にするためにS207の直前まで戻り、再度電流を流す。S208:Yesであれば、S209に進む。
S209では、各モータのモータトルクが各リンクの位置姿勢が変化しない程度のモータトルクがすでに発生しているため、ブレーキ機構を通電させ、ブレーキ機構を解除する。以上によりサーボオンの処理が完了する。
以上により、インクリメント形式のトルクセンサを用いる場合でも、ロボット装置の初期化姿勢を設定することなく、リンクの位置変動が少ないサーボオン処理を行わせることができる。
なお本実施形態においてアブソリュート型のトルクセンサを使用する場合は、以下のように実施する。S202でトルクセンサ261〜266の初期化を実行するかわりに、各リンクにかかるトルクTj(n−1)を検出し、制御装置400のROM402のハードウェアメモリに保存する。次にS205で、各リンクにかかるトルクTj(n)を検出し各リンクにかかるトルク値の変化ΔTをΔTj=j(n)−Tj(n−1)として計算で求めて使用すれば良い。
第1の実施形態では、S103で検出したTjnから、それに相当するモータトルクを発生させるためのモータ電流値Ijnに変換するが、その際、この変換式、または変換テーブルに変換誤差が含まれることがある。その点、本実施形態の方法では、実測のIj(n−1)をベースに、ΔTに相当する電流値だけ、変換して電流値を補正するため、変換誤差の影響が小さくする効果も付随して得ることができる。
(第3の実施形態)
上述した第1の実施形態、第2の実施形態では、ブレーキ機構がモータに設けられている場合を例にとり説明した。しかしながら本実施形態では、ブレーキ機構がリンクに直接設けられている場合でもリンクの位置変動を補償することができる。以下で詳述する。
以下では、第1の実施形態、第2の実施形態とは異なるハードウェアや制御系の構成の部分について図示し説明する。また、第1の実施形態と同様の部分については上記と同様の構成ならびに作用が可能であるものとし、その詳細な説明は省略するものとする。
図7は本実施形態における関節Jを表した図である。第1の実施形態、第2の実施形態と異なる点は、ブレーキ機構232がリンク202に直接設けられている点である。本実施形態におけるブレーキ機構232は図4で説明したブレーキ機構と同様の物を使用している。ブレーキ機構232には不図示の配線により電力が供給されるものとする。
図8は、本実施形態における制御方法のフローチャートである。図8(a)は本実施形態におけるブレーキオンの処理、図8(b)は本実施形態におけるサーボオンの処理である。ここでいうブレーキオンとは、ブレーキ機構232によりリンク202が保持されている状態のことを指す。図8(a)に示したフローチャートのスタートは、各モータにより各リンクの位置姿勢が保持された状態からスタートする。また、以下で述べる処理は制御装置400のCPU401が行うものとする。
まずS301では、ロボット装置100を操作する作業者が外部入力装置500を用いてブレーキオンの指令を行うと、制御装置400のバス410を介してCPU401がその信号を受け取る。CPU401は、ブレーキオンの処理を開始する信号を受け取ると、S302以降の処理を順次進めていく。
次にS302では、トルクセンサ261〜266により、各関節J〜JのトルクTjnを検出する。各モータにより各リンクが動作しないように保持しているため、モータにより発生するトルクが各モータ回転軸および各減速機を介して各トルクセンサに伝達される。本実施形態では、トルクセンサ261〜266の変位量の検出値が、インタフェース409、バス410を介して、CPU401に入力される。そしてCPU401が上述した変形量をトルクに換算する感度行列を用いてトルクを検出するものとする。なお、トルクセンサ261〜266にマイコン等のCPUを設け、トルクセンサのマイコンによりトルクに換算したうえで、CPU401に入力する形式でも構わない。
次にS303で、各トルクセンサで検出したトルク値をROM402等の記憶装置に格納する。そしてS304によりブレーキ機構を動作させ、リンクが動作しないようにロックする。
そしてサーボオンの処理は、図8(b)より、S101でサーボオンの指令を受信した後、図5で説明したS102の処理を飛ばし、S103で、S302で取得したトルク値よりモータ電流値を算出する。後の処理は、図5と同様である。
以上により、ブレーキ機構を動作させる寸前までにリンクにかかっているトルクを検出することができる。本実施形態におけるブレーキ機構の仕様では、ブレーキ機構により直接リンクの動作をロックしているため、ブレーキオン状態ではリンクにトルクがかからない。
そこで上述したように、ブレーキ機構が動作する直前にリンクで生じているトルク値を取得し、格納しておく。こうすることで、サーボオンを行う際に、ブレーキ機構がかかる直前のリンクの位置姿勢を保つために必要なモータ電流値を算出することができる。よって、関節軸に連結された負荷側のリンクの落下を抑制することができ、リンクの位置変動を抑制することができる。
上述した種々の実施形態の処理手順は具体的には制御装置400により実行されるものとして説明した。しかし、上述した機能を実行可能なソフトウェアの制御プログラムおよびそのプログラムを記録した記録媒体を外部入力装置6に搭載させて実施しても良い。
従って上述した機能を実行可能なソフトウェアの制御プログラムおよびそのプログラムを記録した記録媒体、通信装置は本発明を構成することになる。
また、上記実施形態では、コンピュータで読み取り可能な記録媒体がROM或いはRAMであり、ROM或いはRAMに制御プログラムが格納される場合について説明したが、本発明はこのような形態に限定されるものではない。
本発明を実施するための制御プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であれば、いかなる記録媒体に記録されていてもよい。例えば、制御プログラムを供給するための記録媒体としては、HDD、外部記憶装置、記録ディスク等を用いてもよい。
(その他の実施形態)
また上述した種々の実施形態では、ロボットアーム本体200が複数の関節を有する多関節ロボットアームを用いた場合を説明したが、関節の数はこれに限定されるものではない。ロボット装置の形式として、垂直多軸構成を示したが、パラレルリンク型など異なる形式の関節においても上記と同等の構成を実施することができる。
また上述した種々の実施形態では、ロボットアーム本体200の構成例を各実施形態の例図により示したが、これに限定されるものではなく、当業者において任意に設計変更が可能である。また、ロボットアーム本体1に設けられる各モータは、上述の構成に限定されるものではなく、各関節を駆動する駆動源は例えば人工筋肉のようなデバイス等であってもよい。
また上述した種々の実施形態では、ロボットアーム本体に装着されるエンドエフェクタに、制御装置400から制御値を送信する際、ロボットアーム本体内部に設けられた配線により供給したがこれに限られない。例えば、制御装置400とエンドエフェクタに、制御値を無線で通信できる無線通信手段をそれぞれ設け、無線によりエンドエフェクタを制御してもかまわない。
また上述したブレーキ機構は、電磁石により各モータの回転軸の回転をロックするものであったが、これに限られない。例えば、シュークラッチのようなブレーキ機構を用いても構わない。
また上述した種々の実施形態は、制御装置に設けられる記憶装置の情報に基づき、伸縮、屈伸、上下移動、左右移動もしくは旋回の動作またはこれらの複合動作を自動的に行うことができる機械に適用可能である。
15 ヨーク
16 コイル
20 円盤ばね
21 反発部材
23a、23b 摩擦板
100 ロボット装置
200 ロボットアーム本体
201〜206 リンク
211〜216 モータ
221〜226 センサ部
231〜236 ブレーキ機構
230 アーム用モータドライバ
242 減速機
252 接続部材
261〜266 トルクセンサ
272 シール部材
282 軸受
290 ブレーキ用ドライバ
300 ロボットハンド本体
400 制御装置
500 外部入力措置

Claims (27)

  1. リンクを有し、前記リンクを駆動源により動作させ所定の作業を行うロボット装置であって、
    トルクを検出するセンサと、
    ブレーキ機構と、
    前記駆動源を制御する制御装置と、を備え、
    前記制御装置は、
    前記ブレーキ機構により前記リンクの位置を保持する第1の状態から、前記駆動源により前記リンクの位置を保持する第2の状態に切り換える際、前記第2の状態に切り換える前に前記センサで検出された値に基づいて前記駆動源を制御する、
    ことを特徴とするロボット装置。
  2. 請求項1に記載のロボット装置において、
    前記制御装置は、
    前記第1の状態において前記センサで検出された値に基づいて前記駆動源を制御する、
    ことを特徴とするロボット装置。
  3. 請求項1または2に記載のロボット装置において、
    前記制御装置は、
    前記第1の状態において前記センサで検出された値に基づいて、前記駆動源により前記リンクの位置を保持する制御値を算出する、
    ことを特徴とするロボット装置。
  4. 請求項3に記載のロボット装置において、
    前記制御装置は、
    前記第1の状態で、前記制御値を前記駆動源に入力する、
    ことを特徴とするロボット装置。
  5. 請求項3または4に記載のロボット装置において、
    前記駆動源は電流センサを備えており、
    前記制御装置は、
    前記制御値を前記駆動源に入力し、前記電流センサにより所定の値を検出したら、前記ブレーキ機構を解除する、
    ことを特徴とするロボット装置。
  6. 請求項3または4に記載のロボット装置において、
    前記制御装置は、
    前記制御値を前記駆動源に入力し、所定の時間が経過したら、前記ブレーキ機構を解除する、
    ことを特徴とするロボット装置。
  7. 請求項1から6のいずれか1項に記載のロボット装置において、
    前記制御装置は、
    前記センサを初期化した際の前記駆動源の電流値を記憶しており、
    前記ロボット装置を、前記第1の状態から前記第2の状態に切り換える際、前記電流値と前記センサで検出された値とに基づいて、前記駆動源により前記リンクの位置を保持する制御値を算出する、
    ことを特徴とするロボット装置。
  8. 請求項7に記載のロボット装置において、
    前記センサはインクリメント式である、
    ことを特徴とするロボット装置。
  9. 請求項1から8のいずれか1項に記載のロボット装置において、
    前記第1の状態において、前記駆動源と前記センサには電力が供給された状態となっている、
    ことを特徴とするロボット装置。
  10. 請求項1から8のいずれか1項に記載のロボット装置において、
    前記第1の状態において、前記駆動源と前記センサには電力が供給されていない状態であり、
    前記制御装置は、
    前記第1の状態から前記第2の状態に切り換える際、前記駆動源と前記センサに電力を供給し、
    前記センサで検出された値を取得し、
    取得した当該値に基づいて、前記駆動源により前記リンクの位置を保持する制御値を算出する、
    ことを特徴とするロボット装置。
  11. 請求項1から10のいずれか1項に記載のロボット装置において、
    前記センサは、シール部材により覆われている、
    ことを特徴とするロボット装置。
  12. 請求項1から11のいずれか1項に記載のロボット装置において、
    前記ブレーキ機構は、前記駆動源の回転軸をロックする機構である、
    ことを特徴とするロボット装置。
  13. 請求項12に記載のロボット装置において、
    前記センサは、前記駆動源が動作させるリンクと共に動作するように設けられている、
    ことを特徴とするロボット装置。
  14. リンクを有し、前記リンクを駆動源により動作させ所定の作業を行うロボット装置の制御方法であって、
    前記ロボット装置は、
    トルクを検出するセンサと、
    ブレーキ機構と、
    前記駆動源を制御する制御装置と、を備え、
    前記制御装置は、
    前記ブレーキ機構により前記リンクの位置を保持する第1の状態から、前記駆動源により前記リンクの位置を保持する第2の状態に切り換える際、
    前記第2の状態に切り換える前に前記センサで検出された値を取得し、
    検出された前記値に基づいて前記駆動源を制御し、前記駆動源により前記リンクの位置を保持する第2の状態に切り換える、
    ことを特徴とする制御方法。
  15. 請求項14に記載の制御方法において、
    前記駆動源は電流センサを備えており、
    前記制御装置は、
    前記制御値を前記駆動源に入力し、前記電流センサにより所定の値を検出したら、前記ブレーキ機構を解除する、
    ことを特徴とする制御方法。
  16. 請求項14または15に記載の制御方法において、
    前記制御装置は、
    前記制御値を前記駆動源に入力し、所定の時間が経過したら、前記ブレーキ機構を解除する、
    ことを特徴とするロボット装置。
  17. 請求項14から16のいずれか1項に記載の制御方法において、
    前記制御装置は、
    前記センサを初期化した際の前記駆動源の電流値を記憶しており、
    前記電流値と前記センサで検出された値とに基づいて、前記駆動源により前記リンクの位置を保持する制御値を算出する、
    ことを特徴とする制御方法。
  18. 請求項14から17のいずれか1項に記載の制御方法において、
    前記第1の状態において、前記駆動源と前記センサには電力が供給されていない状態であり、
    前記制御装置は、
    前記第1の状態から前記第2の状態に切り換える際、前記駆動源と前記センサに電力を供給し、
    前記センサで検出された値を取得し、
    取得した当該値に基づいて、前記駆動源により前記リンクの位置を保持する制御値を算出する、
    ことを特徴とする制御方法。
  19. 請求項1から13のいずれか1項に記載のロボット装置を用いて物品の製造を行うことを特徴とする物品の製造方法。
  20. リンクを駆動させる駆動装置であって、
    駆動源と、
    トルクを検出するセンサと、
    ブレーキ機構と、
    前記駆動源を制御する制御装置と、を備え、
    前記制御装置は、
    前記ブレーキ機構により前記リンクの位置を保持する第1の状態から、前記駆動源により前記リンクの位置を保持する第2の状態に切り換える際、前記第2の状態に切り換える前に前記センサで検出された値に基づいて前記駆動源を制御する、
    ことを特徴とする駆動装置。
  21. リンクを駆動させる駆動装置の制御方法であって、
    駆動源と、
    トルクを検出するセンサと、
    ブレーキ機構と、
    前記駆動源を制御する制御装置と、を備え、
    前記制御装置は、
    前記ブレーキ機構により前記リンクの位置を保持する第1の状態から、前記駆動源により前記リンクの位置を保持する第2の状態に切り換える際、
    前記第2の状態に切り換える前に前記センサで検出された値を取得し、
    検出された前記値に基づいて前記駆動源を制御し、前記駆動源により前記リンクの位置を保持する第2の状態に切り換える、
    ことを特徴とする制御方法。
  22. 請求項1に記載のロボット装置において、
    前記制御装置は、
    前記ブレーキ機構により前記リンクの位置を保持する第1の状態となる直前の状態において前記センサで検出された値を取得し、
    前記第1の状態から、前記駆動源により前記リンクの位置を保持する第2の状態に切り換える際、取得した当該値に基づいて前記駆動源を制御する、
    ことを特徴とするロボット装置。
  23. 請求項22に記載のロボット装置において、
    前記ブレーキ機構は、前記リンクに直接設けられている、
    ことを特徴とするロボット装置。
  24. 請求項22または23に記載のロボット装置において、
    前記制御装置は、
    前記値を記憶部に格納し、
    前記第1の状態から前記第2の状態に切り換える際、前記記憶部に格納された前記値に基づいて前記駆動源を制御する、
    ことを特徴とするロボット装置。
  25. 請求項14に記載の制御方法において、
    前記制御装置は、
    前記ブレーキ機構により前記リンクの位置を保持する第1の状態となる直前の状態において前記センサで検出された値を取得し、
    取得した当該値に基づいて前記駆動源を制御し、前記駆動源により前記リンクの位置を保持する第2の状態に切り換える、
    ことを特徴とする制御方法。
  26. 請求項14から18のいずれか1項に記載の制御方法、または請求項19に記載の物品の製造方法、または請求項21に記載の制御方法、または請求項25に記載の制御方法を実行可能な制御プログラム。
  27. 請求項26に記載の制御プログラムを記録した、コンピュータで読み取り可能な記録媒体。
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