JP2020192509A - 下水処理システム及び下水処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の課題は、下水処理に係る処理をできる限り集約し、下水処理場における処理を効率化することができる下水処理システム及び下水処理方法を提供することである。【解決手段】上記課題を解決するために、第一の下水処理場と、第一の下水処理場の下流に設けられ、第一の下水処理場から排出された処理対象物が導入される第二の下水処理場とを備える下水処理システム及び下水処理方法を提供する。これによれば、第一の下水処理場における処理を経た処理対象物を、さらに下流側の第二の下水処理場に導入することで、下水処理に係る工程を効果的に集約することが可能となる。特に、本来、第一の下水処理場において行うべき処理工程の一部を、第二の下水処理場で実施することが可能となるため、第一の下水処理場では処理設備の大型化や付帯設備の増設の必要がなく、下水処理に掛かるコストを大幅に削減することが可能となる。【選択図】図1

Description

本発明は、下水処理システム及び下水処理方法に関するものである。
一般に、家庭や工場などから排出される汚水と雨水を併せたものは、下水と呼ばれている。この下水は、下水道(下水管渠)を介して集められて、下水処理場に導入される。そして、下水処理場に導入された下水は、下水処理場にて処理を行った後、最終的に河川に放流されている。
例えば、非特許文献1には、下水処理場の一般的な設備として、最初沈殿池、反応槽(曝気槽)、最終沈殿池、消毒設備(塩素注入)が記載されている。このような設備によって、下水は浄化処理されて河川放流される。また、非特許文献1には、最初沈殿池及び最終沈殿池で沈殿した汚泥を汚泥槽に回収した後、汚泥処理設備によって廃棄可能な状態にすることが記載されている。
栗田工業株式会社著、「よくわかる水処理技術」2006年6月20日発行、p.16−17、p.138−153
非特許文献1に記載されるように、下水処理場では、処理の過程で汚泥が発生する。このとき発生する汚泥のうち、処理過程において余剰となる汚泥(以下、「余剰汚泥」という。)は、産業廃棄物として処理する必要がある。非特許文献1には、この余剰汚泥を処理する汚泥処理設備として、汚泥濃縮設備や脱水設備などが挙げられているが、これらの汚泥処理設備を全ての下水処理場に設置することは、設備投資、ランニングコストなどのコスト増や、維持管理の負担増となるため、好ましくない。
また、人口減少が進行する現状の社会情勢において、処理する下水量は減少傾向にある。このため、既設の下水処理場ごとで下水処理を行うと、処理する下水量に対して下水処理設備の規模が過剰となり、処理における費用対効果に係る問題が生じることになる。さらに、人口減少に伴い、設備の維持管理に係る人手不足が懸念されている。
これらの問題を解決するため、下水処理場における処理を効率化することが求められている。
本発明の課題は、下水処理に係る処理をできる限り集約し、下水処理場における処理を効率化することができる下水処理システム及び下水処理方法を提供することである。
本発明者は、上記の課題について鋭意検討した結果、第一の下水処理場と第二の下水処理場を備え、第一の下水処理場から排出された処理対象物を第二の下水処理場へと導入して処理することで、効率的に集約した下水処理を行うことが可能となることを見出して、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下の下水処理システム及び下水処理方法である。
上記課題を解決するための本発明の下水処理システムは、第一の下水処理場と、第一の下水処理場の下流に設けられ、第一の下水処理場から排出された処理対象物が導入される第二の下水処理場とを備えるという特徴を有する。
本発明の下水処理システムは、第一の下水処理場における処理を経た処理対象物を、さらに下流側の第二の下水処理場に導入することで、下水処理に係る工程を効果的に集約することが可能となる。特に、本来、第一の下水処理場において行うべき処理工程の一部を、第二の下水処理場で実施することが可能となるため、第一の下水処理場では処理設備の大型化や付帯設備の増設の必要がなく、下水処理に掛かるコストを大幅に削減することが可能となる。
また、本発明の下水処理システムの一実施態様としては、第二の下水処理場は、余剰汚泥を処理する汚泥処理設備を有するという特徴を有する。
この特徴によれば、第二の下水処理場では、下水処理に伴い発生する余剰汚泥の処理が可能となる。これにより、下水処理において水処理以外にも必要とされる処理工程も含めた処理を実施することができ、下水処理に係る工程をより効果的に集約することが可能となる。
また、本発明の下水処理システムの一実施態様としては、第一の下水処理場は、下水を河川放流可能なレベルまで処理できる機能を有し、第二の下水処理場は、導入された処理対象物を河川放流可能なレベルまで処理できる機能を有するという特徴を有する。
この特徴によれば、下水処理を効果的に集約するとともに、それぞれの下水処理場において、下水を河川放流可能とするまでの処理に必要な機能を備えることで、下水処理場ごとに処理を完結する工程と下水処理場間で集約する工程とを、処理状況や処理対象物の種類等に応じて区別して実施することが可能となる。これにより、処理状況等に応じて下水処理の分散と集約を効果的に行うことができ、下水処理全体の効率を向上させることが可能となる。
また、本発明の下水処理システムの一実施態様としては、第一の下水処理場と第二の下水処理場は、配管により接続され、処理対象物は、配管により移送されるという特徴を有する。
この特徴によれば、第一の下水処理場と第二の下水処理場の間を配管で接続することで、処理対象物の搬送のために車両等の移送手段を設ける必要がなくなるため、移送手段に掛かるコスト(車両購入費、人件費等)の削減が可能となる。また、処理対象物が配管内を移動する過程で、処理対象物の処理が一部進行するという効果も奏する。
また、本発明の下水処理システムの一実施態様としては、処理対象物は、余剰汚泥を含むという特徴を有する。
この特徴によれば、第一の下水処理場で発生した余剰汚泥を、第二の下水処理場に導入して処理することができ、第一の下水処理場には余剰汚泥の処理に係る汚泥処理設備を備える必要がなくなる。これにより、第一の下水処理場における設備投資及びランニングコストなどのコストを大幅に削減することが可能となる。
また、上記課題を解決するための本発明の下水処理方法としては、下水を第一の下水処理場に導入する工程と、第一の下水処理場の下流に設けられた第二の下水処理場に対し、第一の下水処理場から排出された処理対象物を導入する工程とを備えるという特徴を有する。
本発明の下水処理方法は、下水を第一の下水処理場に導入し、第一の下水処理場における処理を経た処理対象物を、さらに下流側の第二の下水処理場に導入することで、下水処理に係る工程を効果的に集約することが可能となる。特に、第一の下水処理場における処理工程の一部を、第二の下水処理場で実施することが可能となるため、第一の下水処理場では処理設備の大型化や付帯設備の増設の必要がなく、下水処理に掛かるコストを大幅に削減することが可能となる。
本発明によれば、下水処理に係る処理をできる限り集約し、下水処理場における処理を効率化することができる下水処理システム及び下水処理方法を提供することができる。
本発明の第1の実施態様における下水処理システムの概略説明図である。 本発明の第1の実施態様における下水処理場の概略説明図である。 本発明の第1の実施態様の下水処理システムにおける処理対象物の導入に係るフロー図である。 本発明の第2の実施態様における下水処理システムの概略説明図である。 本発明の第2の実施態様における下水処理システムの別態様を示す概略説明図である。 本発明の第3の実施態様における下水処理システムの概略説明図である。 本発明の第3の実施態様における下水処理システムの別態様を示す概略説明図(フロー図)である。
以下、図面を参照しつつ本発明に係る下水処理システム及び下水処理方法の実施態様を詳細に説明する。本発明における下水処理方法は、本発明における下水処理システムの構成及び作動の説明に置き換えるものとする。
なお、実施態様に記載する下水処理システム及び下水処理方法については、本発明に係る下水処理システム及び下水処理方法を説明するために例示したにすぎず、これに限定されるものではない。
本発明の下水処理システムにおける下水処理場としては、下水を処理する汚水処理施設であれば特に限定されない。具体的な下水処理場の例としては、例えば、下水道法(平成28年4月1日施行)第2条第2号及び第6号で定められる法令上の下水道における汚水処理施設(終末処理場)のほか、農業集落排水施設、合併処理浄化槽、コミュニティ・プラントなどの汚水処理施設などが挙げられる。なお、以下の実施態様においては、下水処理場として法令(下水道法)に基づく汚水処理施設について説明するが、これに限定されるものではない。
本発明の下水処理システムに導入される下水は、上述した下水処理場で処理する対象となるものであれば特に限定されない。具体的な下水の例としては、例えば、一般家庭から排出される生活排水や、農林漁業や工場等の産業活動に伴って排出される産業排水のような汚水のほか、雨水などが挙げられる。
〔第1の実施態様〕
図1は、本発明の第1の実施態様における下水処理システムを示す概略説明図である。
本実施態様に係る下水処理システム100Aは、図1に示すように、複数の下水処理場10を備え、第一の下水処理場10Aの下流側に、第二の下水処理場10Bが配置されている。また、下水処理システム100Aは、第一の下水処理場10Aと第二の下水処理場10Bの間を接続する配管20を備えるものである。
図1に示すように、本実施態様の下水処理システム100Aにおいて、第一の下水処理場10A及び第二の下水処理場10Bには、各下水処理場が設置された区域に整備された下水道(下水管渠)を介し、それぞれ下水W(下水W、下水W)が導入される。そして、各下水処理場に導入された下水W、Wは、それぞれの下水処理場で処理されて、処理水W1、W1として河川放流される。
また、図1に示すように、本実施態様の下水処理システム100Aにおいては、第一の下水処理場10Aで下水Wを処理する過程で発生した処理対象物Sを、配管20により第二の下水処理場10Bに移送する。移送された処理対象物Sは、第二の下水処理場10Bにて、系外に排出可能となる状態まで処理される。
一般に、法令上の下水道に下水を流す場合には、下水道法第12条の2に基づき、政令又は区市町村の各自治体が定める下水道条例に基づく水質規制が適用される。ここで、下水道法や下水道法施行令等の政令、又は自治体の条例に基づき設定された下水道に放流可能な水質基準を、以下、下水排除基準という。
本実施態様における下水Wとしては、下水排除基準に適合するものであれば、特に限定されない。例えば、一般家庭や工場などから排出される汚水のほか、雨水などが挙げられる。
本実施態様の下水処理場10は特に限定されないが、少なくとも下水を河川放流可能なレベルに処理する水処理プロセスを実施することが可能な下水処理設備11を備えることが好ましい。特に、第二の下水処理場10Bは、水処理プロセスに加え、余剰汚泥の処理に係る汚泥処理プロセスを実施することが可能な下水処理設備11を備えることが好ましい。このとき、第一の下水処理場10Aでは、下水Wに対する水処理プロセスを実施し、水処理プロセスを行う過程で排出される処理対象物Sを第二の下水処理場10Bに導入する。一方、第二の下水処理場10Bでは、下水W及び処理対象物Sに対する水処理プロセスに加えて、汚泥処理プロセスを実施するものとする。これにより、下水処理に係る処理工程の一部を、第一の下水処理場10Aから第二の下水処理場10Bに集約することが可能となる。なお、第二の下水処理場10Bには、汚泥処理プロセスを実施する下水処理設備11として汚泥の消化設備を備え、さらに消化ガス発電プロセスを実施可能な下水処理設備11を備えることが好ましい。これにより、余剰汚泥を嫌気性消化により処理し、消化ガスとしてエネルギー回収を行うことが可能となる。
図2は、本実施態様における下水処理場10の一例を示すものである。
図2に示すように、下水処理場10の下水処理設備11としては、例えば、水処理プロセスに用いる下水処理設備として、最初沈殿池11a、反応槽11b、最終沈殿池11c、消毒設備11dなどが挙げられる。また、汚泥処理プロセスに用いる下水処理設備として、濃縮設備11e、消化設備11f、脱水設備11g、焼却設備11hなどが挙げられる。さらに、消化ガス発電プロセスに用いる下水処理設備として、脱硫装置11i、ガスホルダ11j、発電設備11kなどが挙げられる。
一般に、下水処理場10に下水道(下水管渠)を介して流入した下水Wは、最初沈殿池11a、反応槽11b、最終沈殿池11c、消毒設備11dを経て、処理水W1として河川などに放流される。また、最初沈殿池11a及び最終沈殿池11cで排出した汚泥は、濃縮設備11eに送られて濃縮処理(固液分離処理)を行った後、消化設備11fで嫌気性消化を行い、消化ガスの回収を行う。消化処理後の汚泥は脱水設備11gにより脱水処理され、焼却設備11hで焼却処分される。また、回収した消化ガスは脱硫装置11iを介しガスホルダ11jに一時貯留され、発電設備11kにて電気と熱のエネルギーを回収することができる。
なお、回収したエネルギーのうち、電気エネルギーは下水処理場10内の水処理プロセスや汚泥処理プロセス等における各種設備で使用し、熱エネルギーは消化設備11fの加温に使用することができる。また、回収したエネルギーを下水処理場10外で利用するものであってもよい。
本実施態様の第一の下水処理場10Aの下水処理設備11Aは、例えば、水処理プロセスを実施するものとして、図2に示す下水処理設備11a〜11dを備えるものとすることが挙げられる。これにより、第一の下水処理場10Aに導入された下水Wは、処理水W1として河川放流することが可能となる。
また、第一の下水処理場10Aは、水処理プロセス以外の下水処理設備を備えるものとしてもよいが、本実施態様の下水処理システム100Aとしては、第一の下水処理場10Aにおいて水処理プロセス以外の処理が必要なものについては、処理対象物Sとして配管20を介して第二の下水処理場10Bに移送し、処理を行うものとすることが好ましい。これにより、第一の下水処理場10Aに必要な下水処理設備11Aを最小限に抑えることができ、施設整備及び維持管理に係る建設費、人件費等のコストを低減させることが可能となる。
また、第一の下水処理場10Aから排出され、第二の下水処理場10Bへ移送される処理対象物Sは、第一の下水処理場10A内の下水処理設備11Aにおける処理工程を1つ以上実施されたものであれば特に限定されない。処理対象物Sの具体的な例としては、例えば、第一の下水処理場10Aの最初沈殿池11a及び最終沈殿池11cで排出される余剰汚泥や、最初沈殿池11aから消毒設備11dにおける処理工程で発生する被処理水W0などが挙げられる。なお、ここで、被処理水W0とは、河川放流可能なレベル未満の処理状態にあるものを指している。
本実施態様の処理対象物Sとしては、特に、第一の下水処理場10Aの最初沈殿池11a及び最終沈殿池11cで排出される余剰汚泥を含むものを、固液分離や脱水等の処理を行わずに、そのまま配管20内を移送させることが好ましい。なお、余剰汚泥を含む処理対象物Sを配管20で移送することに係る詳細については後述する。
一方、本実施態様の第二の下水処理場10Bの下水処理設備11Bは、例えば、水処理プロセスを実施する下水処理設備11a〜11dに加えて、図2に示す汚泥処理プロセス及び消化ガス発電プロセスを実施する下水処理設備11e〜11kを備えるものとすることが挙げられる。これにより、第二の下水処理場10Bに導入された下水Wは、処理水W1として河川放流することが可能となる。また、第一の下水処理場10Aから導入された処理対象物S及び下水Wを水処理プロセスにより処理することで発生する汚泥は、汚泥処理プロセス及び消化ガス発電プロセスによって、汚泥を系外に排出可能な状態とするとともに、汚泥の消化処理により発生した消化ガスを電気エネルギーとして回収、利用することが可能となる。
本実施態様の下水処理場10は、新設の下水処理場であってもよく、既設の下水処理場を利用するものであってもよい。なお、設備投資などのコスト面を鑑みると、既設の下水処理場を利用することがより好ましい。
また、下水処理場10を新設する場合、第一の下水処理場10Aは、少なくとも下水Wを河川放流可能なレベルに処理する機能を有するものであればよく、余剰汚泥の処理に係る汚泥処理設備である固液分離設備や脱水設備を備える必要はない。これにより、下水処理場を新設する際、設備の建設コストの大幅削減ができることに加え、従来よりも下水処理場の敷地面積を小さくすることが可能となるため、下水処理場の新設に係る課題解決がより容易となる。一方、第二の下水処理場10Bは、下水W及び処理対象物Sに含まれる汚水部分を河川放流可能なレベルに処理する機能を有し、かつ下水W及び処理対象物Sの処理工程で発生する余剰汚泥の処理に係る汚泥処理設備を備えるものとし、第二の下水処理場10Bにおいて、下水処理に係る全ての工程が完了するように設計することが好ましい。これにより、異なる流域で発生する下水W及び下水Wの下水処理に係る工程を効果的に集約することが可能となる。
本実施態様の配管20は、第一の下水処理場10Aから発生した処理対象物Sを、第二の下水処理場10Bまで移送するためのものである。
配管20の材質及び形状は、処理対象物Sを移送することができるものであればよく、特に限定されない。例えば、下水管渠として一般的に用いられている材質及び形状とすることが挙げられる。具体的な例としては、鋼管(金属管)、塩ビ管と呼ばれるものなどが挙げられる。
また、第一の下水処理場10Aに対する配管20の接続箇所は特に限定されない。例えば、第一の下水処理場10Aにおける下水処理設備11に直接接続するものや、第一の下水処理場10Aにおける下水処理設備11から排出される処理対象物Sを一時貯留する槽と接続するものなどが挙げられる。一方、第二の下水処理場10Bに対する配管20の接続箇所としては、例えば、第二の下水処理場10Bにおいて、最初の下水処理工程を行う下水処理設備11(図2における最初沈殿池11a)に処理対象物Sを導入するように配管20を接続することが挙げられる。これにより、処理対象物Sと下水Wとを同じ処理工程で処理し、下水処理の集約を実施することが可能となる。特に、第一の下水処理場10Aに導入される下水量が少ない場合において、処理を集約することで、処理に係る効率の向上及びコスト削減が可能となる。また、処理対象物Sが主として余剰汚泥である場合、例えば、第二の下水処理場10Bにおける汚泥処理プロセスを行う下水処理設備11(図2における濃縮設備11eや消化設備11f)に処理対象物Sを導入するように配管20を接続することが挙げられる。これにより、汚泥処理プロセスに係る処理工程について、効果的に集約することが可能となるとともに、汚泥処理に係る効率の向上及びコスト削減が可能となる。
また、配管20の他の例としては、既設の下水道(下水管渠)を一部利用するものが挙げられる。このとき、配管20としては、例えば、第一の下水処理場10Aから排出される処理対象物Sを、第二の下水処理場10Bが設置された区域の下水道に導入するまでのラインとして設けるものが挙げられる。これにより、第一の下水処理場10Aと第二の下水処理場10Bの間を直接接続する配管20を新たに配設する必要がなくなるため、新たに配設する配管20の総距離が短くなる分、大幅なコスト削減が可能となる。
なお、配管20として、既設の下水道(下水管渠)を利用する際には、処理対象物Sが下水排除基準を満たす必要がある。下水排除基準は、自治体ごとに異なるものである。したがって、例えば、自治体ごとに処理対象物Sが下水排除基準を満たすか否かを判断し、本実施態様における下水処理システムにおける配管20の構成を決定することが挙げられる。また、下水排除基準の改正と併せて、本実施態様における下水処理システムにおける配管20の構成を決定するものとしてもよい。
配管20内に処理対象物Sを導入する際、処理対象物Sが余剰汚泥などの固形分を含むものである場合、配管20内に固形分が堆積する可能性がある。配管20内に固形分が堆積すると、配管20の閉塞や腐食の進行により処理対象物Sの移送が困難になるという問題が生じる。したがって、配管20内部に水流の加速あるいは乱流を生じさせるための構造物を設けることが好ましい。これにより、配管20内における固形分の堆積を抑制することが可能となり、処理対象物Sを安定して移送することが可能となる。
このような配管20内の構造物としては、配管20内における固形分の堆積を抑制することが可能となる程度の水流の加速あるいは乱流を起こすことが可能となるものであればよく、特に限定されない。配管20内の構造物の一例としては、例えば、配管20内の下部側に、ランダムあるいは所定間隔ごとに、三角錐、三角柱のような突起物を設けることや、配管20内部に螺旋状の構造物の配置あるいは切り込みを入れること等が挙げられる。
図3は、本実施態様の下水処理システムにおける処理対象物の導入に係るフロー図を示す。なお、図3においては、図2で示した下水処理場10における下水処理設備11の構成を一部省略して示している。
図3に示した本実施態様の下水処理システム100Aにおいては、第一の下水処理場10Aは、下水処理設備11Aとして、水処理プロセスを実施する下水処理設備11aA〜11dAを備え、第二の下水処理場10Bは、下水処理設備11Bとして、水処理プロセス、汚泥処理プロセス及び消化ガス発電プロセスを実施する下水処理設備11aB〜11kBを備えている。
そして、下水処理場10A及び10Bには、それぞれの下水処理場が設置されている区域で発生した下水W及びWが導入され、下水処理設備11aA〜11dA及び下水処理設備11aB〜11dBにより、処理水W1及びW1として河川放流される。
また、図3に示すように、配管20は、第一の下水処理場10Aの一部の下水処理設備11A(図3中の最初沈殿池11aA及び最終沈殿池11cA)から排出される処理対象物Sを集約し、第二の下水処理場10Bの下水処理設備11B(図3中の最初沈殿池11aB)に導入するように接続されている。
第一の下水処理場10Aと第二の下水処理場10Bの間を接続する配管20の上流側開口部21(下水処理設備11Aからの処理対象物Sの排出口に相当)に、ネットやフィルターなどの篩機能を有するものを設け、配管20の内径より大きい夾雑物を除去することとしてもよい。また、配管20の下流側開口部22(下水処理設備11Bへの処理対象物Sの導入口に相当)に、ネットやフィルターなど篩機能を有するものや、回転刃などを設け、配管20内で凝集などによってサイズが大きくなった処理対象物S中の固形分を再分散させるものとしてもよい。
第一の下水処理場10A(図3中の最初沈殿池11aA及び最終沈殿池11cA)から排出される処理対象物Sは、余剰汚泥と被処理水W0とを含んでいる。この処理対象物Sを、固液分離処理や脱水処理の工程を行わず、そのまま配管20を介して、第二の下水処理場10Bへと移送する。仮に、配管20ではなく、処理対象物Sを運搬するための車両等の運搬手段を用いた場合、処理対象物Sの運搬効率を鑑みると、処理対象物Sの固液分離処理や脱水処理が必要となる。この場合、第一の下水処理場10Aには、固液分離設備や脱水設備を備えなくてはならない。一方、本実施態様のように、配管20を介して処理対象物Sの移送を行う場合、固液分離設備や脱水設備を備える必要がなく、これらの設備に係るコストを大幅に削減することが可能となる。
配管20を介して、第二の下水処理場10Bの下水処理設備11B(図3中の最初沈殿池11aB)に導入された処理対象物Sは、下水Wと混合され、被処理水W0部分は下水処理設備11aB〜11dBにより処理水W1として河川放流される。
一方、最初沈殿池11aB及び最終沈殿池11cBで発生した汚泥は、汚泥処理プロセス及び消化ガス発電プロセスを実施する下水処理設備11eB〜11kBに導入される。
第二の下水処理場10Bの濃縮設備消化設備11fBにおける処理により発生する消化ガスは、脱硫装置11i、ガスホルダ11jを経て(図3中省略)、発電設備11kBにおいて、電気エネルギーや熱エネルギーに変換され、水処理プロセスや汚泥処理プロセスにおける下水処理設備11B、又は下水処理場10A等で利用される。
なお、図3には示していないが、消化ガスの一部を、焼却設備11hBの燃料とするものであってもよい。また、発電設備11kBからの電気エネルギー及び熱エネルギーは、下水処理場10外で利用されるものであってもよい。
図3に示すように、処理対象物Sとして、余剰汚泥と被処理水W0を配管20で移送することにより、配管20内では被処理水W0の水処理プロセスが進行すると考えられる。すなわち、被処理水W0に残存する有機物に対し、共存する余剰汚泥による嫌気反応が進行しながら、配管20内を移送していくものとなる。これにより、第一の下水処理場10Aから排出される処理対象物Sを、第二の下水処理場10Bに移送しても、第二の下水処理場10Bの下水処理に対して過剰な負荷をかけないという効果も奏する。
また、第一の下水処理場10Aから排出される処理対象物Sとして、余剰汚泥を含むものとすることにより、第一の下水処理場10Aでは余剰汚泥の処理設備が不要となるため、第一の下水処理場10Aにおける設備投資やランニングコストなどの大幅なコスト減が可能となる。さらに、第二の下水処理場10Bの汚泥処理プロセスにおいては、本来の処理対象である下水W由来以上の汚泥量を処理するものとなる。一般に、汚泥処理プロセスにおける消化処理は、一定量以上の汚泥を一度に処理するほうが好ましい。これにより、消化ガスの発生量が多くなり、消化ガスの回収効率が上がるため、消化ガスのエネルギー利用に係る効果を高めることができる。
また、処理対象物Sとしては、図3に示した下水処理設備11A(最初沈殿池11aA及び最終沈殿池11cA)以外から排出されるものであってもよい。例えば、第一の下水処理場10Aが設置された区域における水の使用量が減少し、第一の下水処理場10Aに導入される下水Wの総量が少ない場合や、下水Wの水質が比較的良い場合など、下水Wに対して反応槽11bAによる処理自体が不要、あるいは反応槽11bAにおいて高い処理効率が必要とされないと判断されたときに、最初沈殿池11aAで発生する汚泥及び被処理水W0、並びに反応槽11bA内の被処理水W0をそのまま処理対象物Sとして、第二の下水処理場10Bに移送するものとしてもよい。これにより、少量あるいは高い処理効率を必要としない下水Wを、第一の下水処理場10Aではほとんど処理を行わずに、下流側の第二の下水処理場10Bに移送し、下水Wと下水Wを集約して下水処理を行うことで、下水処理の効率化を図ることが可能となる。また、第一の下水処理場10Aの稼働を最小限とすることで、維持管理に係るコストを削減することが可能となる。
図3では、配管20を介して、第一の下水処理場10Aと第二の下水処理場10Bを直接接続しているが、これに限定されるものではない。
例えば、下水Wを導入する既設の下水道(下水管渠)と配管20とを接続するものとし、第一の下水処理場10Aから新たに配設する配管20の総延長を短縮するものとしてもよい。これにより、設備投資に掛かるコストを大幅に削減することが可能となる。
また、図3では、第二の下水処理場10Bの下水処理設備11Bのうち、最初沈殿池11aBに処理対象物Sを導入しているが、これに限定されるものではない。
処理対象物Sのその他の導入箇所としては、例えば、第二の下水処理場10Bの消化設備11fB内の消化槽や、濃縮設備11eBの濃縮槽に直接導入するものが挙げられる。さらに、第二の下水処理場10Bの消化設備11fBと濃縮設備11eBを接続するライン上に導入するものが挙げられる。なお、配管20と第二の下水処理場10Bとの接続について、処理対象物Sの導入箇所が可変となるようにすることで、処理対象物S中の固形分の比率に応じて導入箇所を変更するものとしてもよい。
以上のように、本実施態様における下水処理システム及び下水処理方法は、第一の下水処理場及び第二の下水処理場のそれぞれで、下水処理における水処理プロセスを実施するとともに、第一の下水処理場における処理を経た処理対象物を、下流側の第二の下水処理場に導入して処理を行うようにすることで、下水処理に係る工程を効果的に集約することが可能となる。特に、本来、第一の下水処理場において行うべき処理工程の一部を、第二の下水処理場で実施することが可能となるため、第一の下水処理場では処理設備の大型化や付帯設備の増設の必要がなく、下水処理に掛かるコストを大幅に削減することが可能となる。
〔第2の実施態様〕
図4は、本発明の第2の実施態様における下水処理システムを示す概略説明図である。また、図5は、本発明の第2の実施態様における下水処理システムの別態様を示す概略説明図である。
第2の実施態様に係る下水処理システム100Bは、配管20内に処理対象物Sが堆積することを抑制するための堆積抑制手段23を設けるものである。なお、第1の実施態様の構成と同じものについては、説明を省略する。
堆積抑制手段23は、配管20内で、処理対象物S中の固形分(余剰汚泥等)が堆積することを抑制するためのものであり、これにより、配管20の閉塞、腐食を抑制するものである。
堆積抑制手段23としては、配管20内で処理対象物Sが堆積することを抑制することができるものであれば特に限定されない。例えば、撹拌機構や押し出し機構を備えるものを配管20内に配置することが挙げられる。
このような堆積抑制手段23の具体的な例としては、例えば、撹拌機や空気曝気装置等の撹拌機構を備えるものや、圧縮した液体又は気体を供給する圧縮流体供給装置等の押し出し機構を備えるもの等が挙げられる。これにより、配管20内の水流の加速あるいは乱流を起こすことが可能となり、処理対象物Sが配管20内に堆積することを抑制することが可能となる。
ここで、堆積抑制手段23として、撹拌機や空気曝気装置を用いた場合、配管20内における処理対象物S中に空気を含ませることが可能となり、配管20内を好気状態とすることができる。本実施態様においては、配管20内に、処理対象物Sとして汚泥と被処理水W0が共存することで嫌気反応が進行することが考えられるが、このとき、臭気ガスが発生することがある。したがって、堆積抑制手段23として撹拌機構を備えるものを用いることで、処理対象物Sが配管20内に堆積することを抑制するとともに、配管20内を好気状態とし、臭気ガスの発生を抑制することが好ましい。
また、堆積抑制手段23の他の例としては、移動機構(車輪、プロペラ等)が付いた本体を有する小型の移動式ロボットが挙げられる。このような小型の移動式ロボットとしては、いわゆるドローンや、配管内の検査ロボットとして知られているヘビ型ロボット等が挙げられる。この小型の移動式ロボットが配管20内の底部側を水流に沿って移動することで、配管20内に堆積した処理対象物Sが巻き上がるとともに、下流側の方向、すなわち第二の下水処理場10Bの方向に処理対象物Sが押し出される。
堆積抑制手段23として、小型の移動式ロボットを用いる場合、ロボット本体に各種センサ(pH、ORP、BOD、SS等の測定・検出が可能なセンサ)を設け、配管20内の水質や汚泥の蓄積に係る情報を得るものとすることが好ましい。これにより、処理対象物Sが配管20内に堆積することを抑制するとともに、配管20内の状況を把握することが可能となる。また、小型の移動式ロボットに各種センサを集約して搭載することで、コスト削減が可能となるという効果も奏する。
また、堆積抑制手段23として、小型の移動式ロボットを用いる場合、ロボットへの電源供給手段として配管20内に電源ケーブルを設けるものとしてもよい。なお、電源ケーブルへの電気エネルギーの供給は、消化ガス発電プロセスにおける発電設備11kによるものとしてもよい。さらに、電源ケーブルにロボット本体を吊り下げ可能とし、電源ケーブルをロボットの姿勢を維持(固定)するための支持体として用いるものとしてもよい。
本実施態様における堆積抑制手段23を配管20内に設ける位置及び個数は、特に限定されない。堆積抑制手段23の設け方としては、例えば、配管20の総延長に対して、等間隔で設けるものとすることや、配管20の配設状態や第一の下水処理場10Aからの距離等によって十分な水流が得られない配管20内の箇所を選択して設けるものとしてもよい。
図5は、本実施態様における下水処理システム100Bの別の態様を示すものである。
図5に示すように、第一の下水処理場10Aと第二の下水処理場10Bが河川を挟んで対岸にある場合、河川の下を通るように配管20を配設することが考えられる。このとき、図5に示すように、マンホール24及び函渠25を備えた、いわゆる伏せ越し構造とした場合、マンホール24部分に汚泥が堆積しやすくなる。したがって、マンホール24部分に堆積抑制手段23を設けることが好ましい。このとき、堆積抑制手段23としては、撹拌機や空気曝気装置などのように、装置自体の移動を伴わないものとすることが好ましい。これにより、メンテナンス作業を容易にすることができる。
本実施態様により、第一の下水処理場10Aと第二の下水処理場10Bの間を接続する配管20内に処理対象物Sが堆積することを抑制し、処理対象物Sを安定して移送することが可能となる。これにより、下水処理に係る工程を効果的かつ安定して集約することが可能になるとともに、効率的な処理を行うことが可能となる。
〔第3の実施態様〕
図6は、本発明の第3の実施態様における下水処理システムを示す概略説明図である。また、図7は、本発明の第3の実施態様における下水処理システムにおける制御部の別の態様を示す概略説明図(フロー図)である
第3の実施態様に係る下水処理システム100Cは、図6及び図7に示すように、第1の実施態様に係る下水処理システム100Aにおいて、配管20内の処理対象物Sの量を調整するための制御部30を設けるものである。
本実施態様における下水処理システム100Cは、配管20内に固形分(余剰汚泥等)を含む処理対象物Sを導入する場合、処理対象物Sが配管20内で堆積することを抑制するために、制御部30により、配管20内に導入する処理対象物Sの量、あるいは配管20内を移送する処理対象物Sの量を適切に調整するものである。
制御部30は、配管20内の処理対象物Sの量を調整することができるものであればよく、特に限定されない。制御部30による制御の具体的な例としては、例えば、第一の下水処理場10Aから排出する処理対象物Sの排出量や排出のタイミングを制御することが挙げられる。これにより、配管20内に処理対象物Sが多量に導入されて、配管20の閉塞などが生じることを抑制することができる。また、制御部30の他の例としては、処理対象物S以外に処理水W1を配管20内に導入するように制御することが挙げられる。これにより、配管20内の水量や流速が十分ではないために、処理対象物S中の固形分が堆積することを抑制することができる。
以下、それぞれの制御例に基づき、制御部30の構成について詳細に説明する。
まず、制御部30による制御として、第一の下水処理場10Aから排出する処理対象物Sの排出量や排出のタイミングを制御する場合について、図6を用いて説明する。
このとき、制御部30の構成としては、図6に示すように、第一の下水処理場10Aの下水処理設備11A内又は配管20の上流側開口部21近傍に、処理対象物Sの排出量及び排出のタイミングを調整するための流量制御機構31を設けることが挙げられる。流量制御機構31としては、例えば、流量調節弁や開閉堰などが挙げられる。
また、制御部30として、流量制御機構31の開度を調整する判断基準となるパラメータを収集・解析する情報解析部32を設けることが好ましい。
情報解析部32で収集・解析するパラメータとしては、第一の下水処理場10Aで発生した処理対象物Sの量のほか、第二の下水処理場10Bの下水処理設備11Bにおける汚泥の蓄積量や降雨予測などが挙げられる。これにより、第一の下水処理場10Aから配管20内に排出される処理対象物Sが、配管20内で堆積しないように調整するとともに、第二の下水処理場10Bにおける処理許容量を超えることがないように処理対象物Sを配管20内に導入することが可能となる。なお、パラメータの収集手段については、特に限定されない。例えば、第一の下水処理場10Aにおける処理対象物Sの発生量や第二の下水処理場10Bにおける汚泥の蓄積量については、第一の下水処理場10A及び第二の下水処理場10Bに設けたセンサの検出結果や作業員による確認結果を、情報端末などを用いて収集することが挙げられる。
また、配管20として、既設の下水道(下水管渠)を利用する場合、下水道を共有する他の施設からの下水排出量や、下水の水質から予測される汚泥発生量などをパラメータとすることが好ましい。これにより、処理対象物Sと、他の施設からの下水とが合わさることで、配管20内での固形分の堆積による閉塞や、第二の下水処理場10Bにおける処理許容量の超過が起こらないように、処理対象物Sを配管20内に導入することが可能となる。
次に、制御部30による制御として、処理対象物S以外に処理水W1を配管20内に導入するように制御する場合について、図7を用いて説明する。
このとき、制御部30の構成としては、処理水W1を配管20に対して導入するためのライン33を設け、さらにライン33上に流量制御機構34を設けることが挙げられる。流量制御機構34としては、上述した流量制御機構31と同様に、例えば、流量調節弁や開閉堰などが挙げられる。
また、制御部30として、流量制御機構34の開度を調整する判断基準となるパラメータを収集・解析する情報解析部35を設けることが好ましい。
情報解析部35で収集・解析するパラメータとしては、第一の下水処理場10Aで発生した処理対象物Sの量のほか、第二の下水処理場10Bの下水処理設備11Bに導入される処理対象物Sの流量などが挙げられる。これにより、第一の下水処理場10Aから配管20内に排出される処理対象物Sが、水量及び流速の不足により配管20内で堆積しないように調整することが可能となる。また、処理水W1を用いて、配管20内の水量及び流速を増加させるため、第二の下水処理場10Bにおける下水処理に対して過剰な負荷をかけないようにすることが可能となる。なお、パラメータの収集手段については、特に限定されない。例えば、第一の下水処理場10Aにおける処理対象物Sの発生量や第二の下水処理場10Bに導入される処理対象物Sの流量については、第一の下水処理場10A及び第二の下水処理場10Bに設けたセンサの検出結果や作業員による確認結果を、情報端末などを用いて収集することが挙げられる。
また、本実施態様における制御部30としては、図6及び図7に示した構成を全て含むものとしてもよい。このとき、情報解析部32及び情報解析部35に係る機能は1つにまとめるものとしてもよい。これにより、配管20内への処理対象物Sの過剰導入や、処理対象物Sの水量及び流速不足に起因して、配管20に処理対象物Sが堆積することを抑制することが可能となる。
制御部30は、パラメータ収集・解析及び流量制御機構の駆動に係る一連の工程を全てプログラムにより自動化するものであってもよく、作業員による手動制御を含むものであってもよい。なお、作業員の負荷低減及び人手不足解消の観点から、制御部30はできる限り自動化することが好ましい。
本実施態様により、配管20内における処理対象物Sの量を適切に制御することができ、配管20内における閉塞、腐食などを抑制し、処理対象物Sを安定して移送することが可能となる。これにより、下水処理に係る工程を効果的かつ安定して集約することが可能になるとともに、効率的な処理を行うことが可能となる。
なお、上述した実施態様は、下水処理システム及び下水処理方法の一例を示すものである。本発明に係る下水処理システム及び下水処理方法は、上述した実施態様に限られるものではなく、請求項に記載した要旨を変更しない範囲で、上述した実施態様に係る下水処理システム及び下水処理方法を変形してもよい。
例えば、本実施態様における下水処理システムは、第一の下水処理場10Aと第二の下水処理場10Bが配管20により1対1で接続されているものに限定されず、3以上の下水処理場10を配管20で接続するものとしてもよい。
より具体的な例としては、水処理プロセスを実施する下水処理設備11a〜11dを備えた下水処理場(第一の下水処理場10Aに相当)を複数備え、それぞれの下水処理場から排出される処理対象物Sを、水処理プロセス、汚泥処理プロセス及び消化ガス発電プロセスを実施する下水処理設備11a〜11kを備えた下水処理場(第二の下水処理場10Bに相当)に全て導入するものとしてもよい。これによって、より広域における下水処理の効果的な集約が可能となる。
また、他の具体的な例としては、水処理プロセスを実施する下水処理設備11a〜11dを備えた下水処理場(第一の下水処理場10Aに相当)を複数備え、これらの下水処理場同士を配管20で連結するものとし、この下水処理場間で処理対象物Sの移送、集約を行うものとしてもよい。また、それぞれの下水処理場で発生する処理対象物Sの量や物性に応じて、処理対象物Sを移送する量や移送する場所を制御するものとしてもよい。これにより、効率的に処理対象物Sを集約するとともに、配管20内で嫌気反応が進行する条件下においては、下水処理の効率を向上させることも可能となる。さらに、集約した処理対象物Sは、水処理プロセス、汚泥処理プロセス及び消化ガス発電プロセスを実施する下水処理設備11a〜11kを備えた下水処理場(第二の下水処理場10Bに相当)に導入するものとしてもよい。これによって、集約した処理対象物Sに対する下水処理を効果的に行うことが可能となる。
また、本実施態様において、第一の下水処理場10Aから排出される処理対象物Sを、第二の下水処理場10Bに導入する手段として、既設の下水道(下水管渠)を一部利用する場合、第一の下水処理場10Aから第二の下水処理場10Bが設置された区域の下水道まで配管を設けること以外の手段を用いてもよい。
例えば、第一の下水処理場10Aから排出される処理対象物Sを、車両等の運搬手段を用いて第二の下水処理場10Bの区域における下水道まで搬送するものとしてもよい。これにより、第一の下水処理場10Aと第二の下水処理場10Bの間を配管により接続することが地理的条件等により困難な区域においても、本実施態様における下水処理システム及び下水処理方法を適用することが可能となる。
なお、このとき、第一の下水処理場10Aから排出される処理対象物Sについては、固液分離処理や脱水処理を実施するものとしてもよく、そのまま搬送するものとしてもよい。例えば、第一の下水処理場10Aに導入される下水Wが少量である場合は、固液分離処理や脱水処理を行うことなく、車両等によってそのまま搬送するものとしてもよい。また、処理対象物Sに対して固液分離処理や脱水処理を実施して搬送するかどうかは、車両等による搬送に係るコストと、固液分離設備や脱水設備を整備、維持するコストとを比較して、決定するものとしてもよい。
本発明の下水処理システム及び下水処理方法は、所定の区域内に複数の下水処理場を備える下水処理において好適に利用されるものである。
特に、汚泥処理施設を持たない下水処理場と汚泥処理施設を備える下水処理場とを効果的に集約した下水処理として好適に利用されるものである。
100A,100B,100C 下水処理システム、10,10A,10B 下水処理場、11,11A,11B 下水処理設備、11a,11aA,11aB 最初沈殿池、11b,11bA,11bB 反応槽、11c,11cA,11cB 最終沈殿池、11d,11dA、11dB 消毒設備、11e,11eB 濃縮設備、11f,11fB 消化設備、11g,11gB 脱水設備、11h,11hB 焼却設備、11i 脱硫装置、11j ガスホルダ、11k,11kB 発電設備、20 配管、21 上流側開口部、22 下流側開口部、23 堆積抑制手段、24 マンホール、25 函渠、30 制御部、31,34 流量制御機構、32,35 情報解析部、33 ライン、S 処理対象物、W,W,W 下水、W0 被処理水、W1,W1,W1 処理水

Claims (6)

  1. 第一の下水処理場と、
    前記第一の下水処理場の下流に設けられ、前記第一の下水処理場から排出された処理対象物が導入される第二の下水処理場とを備えることを特徴とする、下水処理システム。
  2. 前記第二の下水処理場は、余剰汚泥を処理する汚泥処理設備を有することを特徴とする、請求項1に記載の下水処理システム。
  3. 前記第一の下水処理場は、下水を河川放流可能なレベルまで処理できる機能を有し、
    前記第二の下水処理場は、導入された前記処理対象物を河川放流可能なレベルまで処理できる機能を有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の下水処理システム。
  4. 前記第一の下水処理場と前記第二の下水処理場は、配管により接続され、
    前記処理対象物は、前記配管により移送されることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の下水処理システム。
  5. 前記処理対象物は、余剰汚泥を含むことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の下水処理システム。
  6. 下水を第一の下水処理場に導入する工程と、
    前記第一の下水処理場の下流に設けられた第二の下水処理場に対し、前記第一の下水処理場から排出された処理対象物を導入する工程とを備えることを特徴とする、下水処理方法。


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