<第1の実施形態>
以下、遊技機の一種である回胴式遊技機、具体的にはスロットマシンに適用した場合の一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はスロットマシン10の正面図、図2はスロットマシン10の前面扉12を閉じた状態の斜視図、図3はスロットマシン10の前面扉12を開いた状態の斜視図、図4は前面扉12の背面図、図5は筐体11の正面図である。
図1〜図5に示すように、スロットマシン10は、その外殻を形成する筐体11を備えている。筐体11は、全体として前面を開放した箱状に形成されており、遊技ホールへの設置の際にいわゆる島設備に対し釘を打ち付ける等して取り付けられる。
筐体11の前面側には、前面扉12が開閉可能に取り付けられている。すなわち、筐体11には、その正面から見て左側部に上下一対の支軸13a,13bが設けられており、前面扉12には、各支軸13a,13bと対応する位置に軸受部14a,14bが設けられている。そして、各軸受部14a,14bに各支軸13a,13bが挿入された状態では、前面扉12が筐体11に対して両支軸13a,13bを結ぶ上下方向へ延びる開閉軸線を中心として回動可能に支持され、前面扉12の回動によって筐体11の前面開放側を開放したり閉鎖したりすることができるようになっている。また、前面扉12は、その裏面に設けられた施錠装置20によって開放不能な施錠状態とされる。前面扉12の右端側上部には、施錠装置20と一体化されたキーシリンダ21が設けられており、キーシリンダ21に対する所定のキー操作によって前記施錠状態が解除されるように構成されている。
前面扉12の中央部上寄りには、遊技者に遊技状態を報知する遊技パネル25が設けられている。遊技パネル25には、縦長の3つの表示窓26L,26M,26Rが横並びに形成されており、各表示窓26L,26M,26Rを通じてスロットマシン10の内部が視認可能な状態となっている。なお、各表示窓26L,26M,26Rを1つにまとめて共通の表示窓としてもよい。
図3に示すように、筐体11は仕切り板30によりその内部が上下2分割されており、仕切り板30の上部には、可変表示手段を構成するリールユニット31が取り付けられている。リールユニット31は、円筒状(円環状)にそれぞれ形成された左リール32L,中リール32M,右リール32Rを備えている。各リール32L,32M,32Rは、その中心軸線が当該リールの回転軸線となるように回転可能に支持されている。各リール32L,32M,32Rの回転軸線は略水平方向に延びる同一軸線上に配設され、それぞれのリール32L,32M,32Rが各表示窓26L,26M,26Rと1対1で対応している。したがって、各リール32L,32M,32Rの表面の一部はそれぞれ対応する表示窓26L,26M,26Rを通じて視認可能な状態となっている。また、リール32L,32M,32Rが正回転すると、各表示窓26L,26M,26Rを通じてリール32L,32M,32Rの表面は上から下へ向かって移動しているかのように映し出される。
ここで、リールユニット31の構成を簡単に説明する。
各リール32L,32M,32Rは、それぞれがステッピングモータに連結されており、各ステッピングモータの駆動により各リール32L,32M,32Rが個別に、すなわちそれぞれ独立して回転駆動し得る構成となっている。ステッピングモータは、例えば500パルスの駆動信号(以下、励磁パルスともいう。)を与えることにより1回転されるように設定されており、この励磁パルスによってステッピングモータの回転位置、すなわちリールの回転位置が制御される。また、リールユニット31には、リールが1回転したことを検出するためのリールインデックスセンサが各リール32L,32M,32Rに設置されている。そして、リールインデックスセンサからは、リールが1回転したことを検出した場合、その検出の都度、後述する主制御装置101に検出信号が出力されるようになっている。このため主制御装置101は、リールインデックスセンサの検出信号と、当該検出信号が入力されるまでに出力した励磁パルス数とに基づいて、各リール32L,32M,32Rの角度位置を1回転毎に確認するとともに補正することができる。
各リール32L,32M,32Rの外周面には、その長辺方向(周回方向)に、識別情報としての図柄が複数個描かれている。より具体的には、20個の図柄が等間隔に描かれている。このため、所定の位置においてある図柄を次の図柄へ切り替えるには、25パルス(=500パルス÷20図柄)の励磁パルスの出力を要する。また、主制御装置101は、リールインデックスセンサの検出信号が入力されてから出力した励磁パルス数により、表示窓26L,26M,26Rから視認可能な状態となっている図柄を把握したり、表示窓26L,26M,26Rから視認可能な位置に所定の図柄を停止させたりする制御を行うことができる。
次に、各リール32L,32M,32Rに描かれている図柄について説明する。
図6には、左リール32L,中リール32M,右リール32Rの図柄配列が示されている。同図に示すように、各リール32L,32M,32Rには、それぞれ20個の図柄が一列に配置されている。また、各リール32L,32M,32Rに対応して番号が0〜19まで付されているが、これら番号は主制御装置101が表示窓26L,26M,26Rから視認可能な状態となっている図柄を認識するための番号であり、リール32L,32M,32Rに実際に付されているわけではない。但し、以下の説明では当該番号を使用して説明する。
図柄としては、「ベル」図柄(例えば、左リール32Lの1番目)、「リプレイ」図柄(例えば、左リール32Lの0番目)、「赤7」図柄(例えば、左リール32Lの14番目)、「スイカ」図柄(例えば、左リール32Lの2番目)、「チェリー」図柄(例えば、左リール32Lの8番目)、「BAR」図柄(例えば、左リール32Lの9番目)、「白7」図柄(例えば、左リール32Lの3番目)、「青年」図柄(例えば、左リール32Lの18番目)、「赤貝」図柄(例えば、左リール32Lの4番目)、「白貝」図柄(例えば、左リール32Lの19番目)の10種類がある。そして、図6に示すように、各リール32L,32M,32Rにおいて各種図柄の数や配置順序は全く異なっている。
各表示窓26L,26M,26Rは、対応するリールに付された20個の図柄のうち図柄全体を視認可能となる図柄が3個となるように形成されている。このため、各リール32L,32M,32Rがすべて停止している状態では、3×3=9個の図柄が表示窓26L,26M,26Rを介して視認可能な状態となる。
本スロットマシン10では、上記視認可能となる図柄のうち、各リール32L,32M,32Rそれぞれ1の図柄ずつ、計3つの図柄の組合せを利用して各ゲームの遊技結果が報知される。上記のように3×3=9個の図柄が視認可能となることから、これら3つの図柄の組合せとしては、例えば、図7に示すように、各リール32L,32M,32Rの上段図柄を結んだ上ラインL1に停止する各図柄の組合せや、各リール32L,32M,32Rの中段図柄を結んだ中ラインL2に停止する各図柄の組合せや、各リール32L,32M,32Rの下段図柄を結んだ下ラインL3に停止する各図柄の組合せがある。また、左リール32Lの上段図柄,中リール32Mの中段図柄,右リール32Rの下段図柄を結んだ右下がりラインL4に停止する各図柄の組合せや、左リール32Lの下段図柄,中リール32Mの中段図柄,右リール32Rの上段図柄を結んだ右上がりラインL5に停止する各図柄の組合せがある。その他、左リール32Lの中段図柄,中リール32Mの上段図柄,右リール32Rの上段図柄を結んだ折れ曲がりラインL6に停止する各図柄の組合せもある。上記のラインL1〜L5は各図柄を並べると一直線となるラインであり、折れ曲がりラインL6は各図柄を並べると途中で折れ曲がりが生じるラインである。なお、折れ曲がりが生じるラインに停止する各図柄の組合せとしては、折れ曲がりラインL6以外にもあるが、ここでは説明を省略する。
これらラインL1〜L6のうち、メダルのベットによって有効化されるラインと有効化されないラインとが設定され、有効化されたライン、すなわち有効ライン上に図柄が所定の組合せで停止した場合には、入賞成立として、遊技媒体たるメダルが所定数払い出される特典が付与されたり、遊技状態が移行される特典が付与されたりするようになっている。その一方で、有効化されないライン上に図柄が所定の組合せで停止した場合には、入賞は成立せず、上記特典は付与されない。
本スロットマシン10では、上記のラインL1〜L6のうち、折れ曲がりラインL6が有効ラインとして設定される。より詳しくは、本スロットマシン10では、3枚のメダルがベットされてゲームが開始される場合と2枚のメダルがベットされてゲームが開始される場合とがあり、これら3枚又は2枚のメダルがベットされてゲームが開始される場合には、折れ曲がりラインL6のみが有効ラインとして設定され、他のラインL1〜L5は有効ラインとしては設定されない。以下の説明では、折れ曲がりラインL6を有効ラインMLと称する場合がある。また、以下では、3枚のメダルがベットされて開始されるゲームを3ベットゲーム、2枚のメダルがベットされて開始されるゲームを2ベットゲーム、1枚のメダルがベットされて開始されるゲームを1ベットゲーム、ともいう。なお、本実施形態では、1ベットゲームは設定されない。
図8〜図10は、入賞となる図柄の組合せと、入賞となった場合に付与される特典と、の対応関係を示す図である。
メダル払出が行われる小役入賞としては、第1小役入賞〜第32小役入賞がある。
左リール32Lの「リプレイ」図柄と、中リール32Mの「リプレイ」図柄と、右リール32Rの「リプレイ」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第1小役入賞となる。第1小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは13枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは5枚のメダル払出が行われる。
図11(a)に示すように、有効ラインMLに第1小役入賞に対応する図柄が停止すると、右下がりラインL4には「ベル」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、ベルに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となる。
左リール32Lの「リプレイ」図柄と、中リール32Mの「ベル」図柄と、右リール32Rの「ベル」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第2小役入賞となる。第2小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは13枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは5枚のメダル払出が行われる。
図11(b)に示すように、有効ラインMLに第2小役入賞に対応する図柄が停止すると、上ラインL1には「ベル」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、ベルに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となるとともに、「ベル」図柄が揃うラインの相違から、上記の第1小役入賞とは異なる小役入賞が成立していることも理解可能となる。
左リール32Lの「ベル」図柄と、中リール32Mの「リプレイ」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄又は「赤貝」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第3小役入賞となる。第3小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは13枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは5枚のメダル払出が行われる。
図11(c)に示すように、有効ラインMLに第3小役入賞に対応する図柄が停止すると、中ラインL2には「ベル」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、ベルに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となるとともに、「ベル」図柄が揃うラインの相違から、上記の第1小役入賞や第2小役入賞とは異なる小役入賞が成立していることも理解可能となる。
左リール32Lの「スイカ」図柄と、中リール32Mの「リプレイ」図柄と、右リール32Rの「ベル」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第4小役入賞となる。第4小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは13枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは5枚のメダル払出が行われる。
図11(d)に示すように、有効ラインMLに第4小役入賞に対応する図柄が停止すると、右上がりラインL5には「ベル」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、ベルに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となるとともに、「ベル」図柄が揃うラインの相違から、上記の第1小役入賞〜第3小役入賞とは異なる小役入賞が成立していることも理解可能となる。
左リール32Lの「スイカ」図柄と、中リール32Mの「スイカ」図柄と、右リール32Rの「リプレイ」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第5小役入賞となる。第5小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは13枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは5枚のメダル払出が行われる。
図11(e)に示すように、有効ラインMLに第5小役入賞に対応する図柄が停止すると、下ラインL3には「ベル」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、ベルに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となるとともに、「ベル」図柄が揃うラインの相違から、上記の第1小役入賞〜第4小役入賞とは異なる小役入賞が成立していることも理解可能となる。
左リール32Lの「スイカ」図柄と、中リール32Mの「リプレイ」図柄と、右リール32Rの「リプレイ」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第6小役入賞となる。第6小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは13枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは5枚のメダル払出が行われる。
図11(f)に示すように、有効ラインMLに第6小役入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの下段、中リール32Mの中段、右リール32Rの下段にそれぞれ「ベル」図柄が停止する(小山型に停止する)。そのため、遊技者は、ベルに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となるとともに、「ベル」図柄の停止位置の相違から、上記の第1小役入賞〜第5小役入賞とは異なる小役入賞が成立していることも理解可能となる。
左リール32Lの「ベル」図柄と、中リール32Mの「白7」図柄、「チェリー」図柄、「赤貝」図柄又は「青年」図柄と、右リール32Rの「白7」図柄、「白貝」図柄又は「青年」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第7小役入賞となる。第7小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは3枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは3枚のメダル払出が行われる。
図12(a)に示すように、有効ラインMLに第7小役入賞に対応する図柄が停止すると、右下がりラインL4には「スイカ」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、スイカに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となる。
左リール32Lの「ベル」図柄と、中リール32Mの「スイカ」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第8小役入賞となる。第8小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは3枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは3枚のメダル払出が行われる。
図12(b)に示すように、有効ラインMLに第8小役入賞に対応する図柄が停止すると、上ラインL1には「スイカ」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、スイカに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となるとともに、「スイカ」図柄が揃うラインの相違から、上記の第7小役入賞とは異なる小役入賞が成立していることも理解可能となる。
第9小役〜第32小役は、主に、第1小役〜第6小役の取りこぼし時に入賞が成立する、所謂取りこぼし役である。第9小役入賞〜第32小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは1枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは1枚のメダル払出が行われる。第9小役〜第32小役は、左リール32Lの「リプレイ」図柄、「赤7」図柄、「BAR」図柄、「赤貝」図柄、「白貝」図柄、「青年」図柄又は「ベル」図柄と、中リール32Mの「白7」図柄、「チェリー」図柄、「赤貝」図柄、「青年」図柄、「赤7」図柄、「スイカ」図柄、「リプレイ」図柄、「BAR」図柄、「ベル」図柄又は「白貝」図柄と、右リール32Rの「赤7」図柄、「白7」図柄、「白貝」図柄、「青年」図柄、「スイカ」図柄、「赤貝」図柄、「BAR」図柄又は「リプレイ」図柄と、による対応する組み合わせが有効ラインML上に停止することで入賞が成立する。図8及び図9に示すように、これら第9小役入賞〜第32小役入賞に対応する図柄の組み合わせは、いずれも直線ライン(L1〜L5)に「ベル」図柄が揃って停止することがないように設定されており、ベルに対応する小役入賞が成立していないことを容易に理解可能となるように設定されている。
ちなみに、上記の第1小役入賞〜第32小役入賞に基づいてメダルが払い出される構成において、払い出される小役は、遊技の結果に応じて付与される特典の一種である。なお、本明細書においては、払い出されたメダルのことを出玉とも称する場合があり、投入した(ベットした)メダルの数に対する払出メダル(出玉)の数の割合を出玉率とも称する場合がある。
メダルを投入することなく次ゲームの遊技を行うことが可能な再遊技の特典が付与される入賞としては、第1再遊技入賞〜第12再遊技入賞がある。図10に示すように、これら第1再遊技〜第12再遊技に対して、入賞となる図柄組み合わせがそれぞれ設定されている。
第1再遊技は、左リール32Lの「リプレイ」図柄と、中リール32Mの「スイカ」図柄と、右リール32Rの「赤7」図柄、「白7」図柄、「白貝」図柄又は「青年」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。図12(c)に示すように、有効ラインMLに第1再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、中ラインL2には「リプレイ」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、リプレイに対応する再遊技入賞が成立したことを容易に理解可能となる。
第2再遊技は、左リール32Lの「リプレイ」図柄と、中リール32Mの「ベル」図柄と、右リール32Rの「BAR」図柄又は「チェリー」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。有効ラインMLに第2再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、図14(a)に示すように、右上がりラインL5に「BAR」図柄が揃って停止したり、図14(b)に示すように、右上がりラインL5に左から順に「赤7」図柄、「赤7」図柄、「BAR」図柄が停止したりする。第2再遊技入賞が成立すると、遊技者にとって有利な特典が付与される場合がある。
第3再遊技は、左リール32Lの「ベル」図柄、「赤貝」図柄又は「青年」図柄と、中リール32Mの「ベル」図柄と、右リール32Rの「ベル」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。有効ラインMLに第3再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、図14(c)に示すように、下ラインL3に「白7」図柄が揃って停止したり、図14(d)に示すように、右下がりラインL4に「赤7」図柄が揃って停止したりする。第3再遊技入賞が成立すると、遊技者にとって有利な特典が付与される場合がある。
第4再遊技及び第5再遊技は、複数の再遊技が重複して当選する場合の調整用の再遊技である。
第6再遊技は、左リール32Lの「ベル」図柄と、中リール32Mの「スイカ」図柄と、右リール32Rの「赤7」図柄、「白7」図柄、「BAR」図柄、「チェリー」図柄、「白貝」図柄又は「青年」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。図12(d)に示すように、有効ラインMLに第6再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの上段と中リール32Mの上段とに「スイカ」図柄が停止する一方、右リール32Rの上段には「スイカ」図柄が停止せず(右リール32Rの下段に「スイカ」図柄が停止し)、所謂上段スイカテンパイ外れの停止態様となる。また、有効ラインMLに第6再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの上段と右リール32Rの下段とに「スイカ」図柄が停止する一方、中リール32Mの中段には「スイカ」図柄が停止せず(中リール32Mの上段に「スイカ」図柄が停止し)、所謂右下がりスイカテンパイ外れの停止態様となる。
第7再遊技は、左リール32Lの「ベル」図柄と、中リール32Mの「白7」図柄、「チェリー」図柄、「赤貝」図柄又は「青年」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄又は「赤貝」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。図12(e)に示すように、有効ラインMLに第7再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの上段と右リール32Rの上段とに「スイカ」図柄が停止する一方、中リール32Mの上段には「スイカ」図柄が停止せず(中リール32Mの中段に「スイカ」図柄が停止し)、所謂上段スイカテンパイ外れの停止態様となる。また、有効ラインMLに第7再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの上段と中リール32Mの中段とに「スイカ」図柄が停止する一方、右リール32Rの下段には「スイカ」図柄が停止せず(右リール32Rの上段に「スイカ」図柄が停止し)、所謂右下がりスイカテンパイ外れの停止態様となる。
第8再遊技は、左リール32Lの「スイカ」図柄と、中リール32Mの「白7」図柄、「チェリー」図柄、「赤貝」図柄又は「青年」図柄と、右リール32Rの「リプレイ」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。図13(a)に示すように、有効ラインMLに第8再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、中ラインL2には「スイカ」図柄が揃って停止する。
第9再遊技は、左リール32Lの「リプレイ」図柄と、中リール32Mの「スイカ」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄又は「赤貝」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。図13(b)に示すように、有効ラインMLに第9再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの中段と中リール32Mの中段とに「リプレイ」図柄が停止する一方、右リール32Rの中段には「リプレイ」図柄が停止せず(右リール32Rの中段に「ベル」図柄が停止し)、所謂中段リプレイテンパイ外れの停止態様となる。
第10再遊技は、左リール32Lの「BAR」図柄と、中リール32Mの「白7」図柄、「BAR」図柄、「チェリー」図柄、「赤貝」図柄又は「青年」図柄と、右リール32Rの「赤7」図柄、「白7」図柄、「BAR」図柄、「チェリー」図柄、「白貝」図柄又は「青年」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。また、第12再遊技は、左リール32Lの「BAR」図柄と、中リール32Mの「BAR」図柄と、右リール32Rの「ベル」図柄、「スイカ」図柄又は「赤貝」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。図13(c)及び図13(d)に示すように、有効ラインMLに第10再遊技入賞又は第12再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの下段に「チェリー」図柄が停止する。第10再遊技又は第12再遊技に当選している場合、右リール32Rに「チェリー」図柄を狙って停止操作を行うと、第10再遊技入賞の場合には上段に「チェリー」図柄が停止し、第12再遊技入賞の場合には中段又は下段に「チェリー」図柄が停止するため、これら第10再遊技入賞と第12再遊技入賞とを区別することが可能である。第11再遊技は、これら第10再遊技や第12再遊技を入賞させることができない場合、すなわち取りこぼしが生じ得る場合に入賞が成立するものである。
遊技状態の移行のみが行われる状態移行入賞としては、第1BB入賞,第2BB入賞がある。
左リール32Lの「白7」図柄と、中リール32Mの「白貝」図柄と、右リール32Rの「チェリー」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第1BB入賞となる。第1BB入賞が成立した場合、遊技状態が第1BB状態に移行する。図13(e)に示すように、有効ラインMLに第1BB入賞に対応する図柄が停止すると、中ラインL2には「白7」図柄が揃って停止する。
左リール32Lの「白7」図柄と、中リール32Mの「白貝」図柄と、右リール32Rの「BAR」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第2BB入賞となる。第2BB入賞が成立した場合、遊技状態が第2BB状態に移行する。図13(f)に示すように、有効ラインMLに第2BB入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの中段及び中リール32Mの中段に「白7」図柄が停止し、右リール32Rの中段に「赤7」図柄が停止する。
遊技パネル25の下方左側には、各リール32L,32M,32Rの回転を開始させるために操作されるスタートレバー41が設けられている。スタートレバー41はリール32L,32M,32Rを回転開始、すなわち図柄の可変表示を開始させるべく操作される開始操作手段又は始動操作手段を構成する。所定数のメダルが投入されている状態でスタートレバー41を操作された場合、各リール32L,32M,32Rが回転を開始するようになっている。
スタートレバー41の右側には、回転している各リール32L,32M,32Rを個別に停止させるために操作されるボタン状のストップスイッチ42〜44が設けられている。各ストップスイッチ42〜44は、停止対象となるリール32L,32M,32Rに対応する表示窓26L,26M,26Rの直下にそれぞれ配置されている。
ストップスイッチ42〜44には、それぞれストップ検出センサ42a〜44a(図15)が接続されており、ストップ検出センサ42a〜44aと後述する主制御装置101とが接続されている。そして主制御装置101では、ストップ検出センサ42a〜44aからの検知信号に基づいて、ストップスイッチ42〜44の操作が行われたことを把握する。具体的には、ストップスイッチ42〜44が操作されていない場合には、ストップ検出センサ42a〜44aからはLOW信号の検知信号が出力されており、ストップスイッチ42〜44が操作されることにより、当該検知信号がLOW信号からHI信号に切り換わる。主制御装置101では、かかる信号の切り換わりを把握して、ストップスイッチ42〜44が操作されたことを把握する。主制御装置101では、ストップスイッチ42〜44が操作されたことを把握した場合には、操作されたスイッチに対応するリールの回転を停止するように制御する。
すなわち、左ストップスイッチ42が操作された場合には左リール32Lの回転が停止し、中ストップスイッチ43が操作された場合には中リール32Mの回転が停止し、右ストップスイッチ44が操作された場合には右リール32Rの回転が停止する。ストップスイッチ42〜44はリール32L,32M,32Rの回転に基づく図柄の可変表示を停止させるべく操作される停止操作手段を構成する。
表示窓26L,26M,26Rの下方右側には、メダルを投入するためのメダル投入口45が設けられている。メダル投入口45は遊技媒体を入力する入力手段を構成する。また、メダル投入口45が遊技者によりメダルを直接投入するという動作を伴う点に着目すれば、遊技媒体を直接入力する直接入力手段を構成するものとも言える。
メダル投入口45から投入されたメダルは、前面扉12の背面に設けられた通路切替手段としてのセレクタ46によって貯留用通路47か排出用通路48のいずれかへ導かれる。より詳しくは、セレクタ46にはメダル通路切替ソレノイド46aが設けられており、そのメダル通路切替ソレノイド46aの非励磁時にはメダルが排出用通路48側に導かれ、前記メダル通路切替ソレノイド46aの励磁時にはメダルが貯留用通路47側に導かれるようになっている。貯留用通路47に導かれたメダルは、筐体11の内部に収納されたホッパ装置51へと導かれる。一方、排出用通路48に導かれたメダルは、前面扉12の前面下部に設けられたメダル排出口49からメダル受け皿50へと導かれ、遊技者に返還される。
ホッパ装置51は、メダルを貯留する貯留タンク52と、メダルを遊技者に払い出す払出装置53とより構成されている。払出装置53は、図示しないメダル払出用回転板を回転させることにより、排出用通路48に設けられた開口48aへメダルを排出し、排出用通路48を介してメダル受け皿50へメダルを払い出すようになっている。また、ホッパ装置51の右方には、貯留タンク52内に所定量以上のメダルが貯留されることを回避するための予備タンク54が設けられている。ホッパ装置51の貯留タンク52内部には、この貯留タンク52から予備タンク54へとメダルを排出する誘導プレート52aが設けられている。したがって、誘導プレート52aが設けられた高さ以上にメダルが貯留された場合、かかるメダルが予備タンク54に貯留されることとなる。
メダル投入口45の下方には、ボタン状の返却スイッチ55が設けられている。メダル投入口45に投入されたメダルがセレクタ46内に詰まった状況下で返却スイッチ55を操作された場合、セレクタ46が機械的に連動して動作され、当該セレクタ46内に詰まったメダルがメダル排出口49から返却されるようになっている。
表示窓26L,26M,26Rの下方左側には、遊技媒体としてのクレジットされた仮想メダルを一度に、ゲームの規定枚数のうちの予め定められた特定枚数を投入するための第1クレジット投入スイッチ56が設けられている。特定枚数は、遊技の進行状況によって設定されるものである。例えば、ゲームの規定枚数が3枚として設定されており特定枚数が3枚として設定されている場合に第1クレジット投入スイッチ56が操作されると、クレジットがあることを条件に3枚の仮想メダルの投入が行われ、規定枚数が2枚として設定されており特定枚数が2枚として設定されている場合に第1クレジット投入スイッチ56が操作されると、クレジットがあることを条件に2枚の仮想メダルの投入が行われ、規定枚数が3枚又は2枚として設定されている場合であって、特定枚数が3枚として設定されている場合に第1クレジット投入スイッチ56が操作されると、クレジットがあることを条件に3枚の仮想メダルの投入が行われ、規定枚数が3枚又は2枚として設定されている場合であって、特定枚数が2枚として設定されている場合に第1クレジット投入スイッチ56が操作されると、クレジットがあることを条件に2枚の仮想メダルの投入が行われる。また、第1クレジット投入スイッチ56の左方には第2クレジット投入スイッチ57が設けられている。第2クレジット投入スイッチ57は仮想メダルを2枚投入するためのものである。各クレジット投入スイッチ56,57は前記メダル投入口45とともに遊技媒体を入力する入力手段を構成する。また、メダル投入口45が遊技者によりメダルを直接投入するという動作を伴うのに対し、各クレジット投入スイッチ56,57は貯留記憶に基づく仮想メダルの投入という動作を伴うに過ぎない点に着目すれば、遊技媒体を間接入力する間接入力手段を構成するものとも言える。なお、本スロットマシン10では、仮想メダルを1枚投入するためクレジット投入スイッチは設けられていない。
第1クレジット投入スイッチ56は第2クレジット投入スイッチ57よりも、遊技者により操作される操作面が大きく設定されており、その操作性が第1クレジット投入スイッチ56の方が第2クレジット投入スイッチ57よりも優れている。そのため、通常であれば、遊技者は、第1クレジット投入スイッチ56を操作して遊技を進行することが想定される。つまり、通常であれば、規定枚数のうちの設定されている特定枚数を投入して遊技を行うものと考えられる。
第1クレジット投入スイッチ56と第2クレジット投入スイッチ57との右方には、演出発生時に操作される演出スイッチ66が設けられている。
スタートレバー41の左方には、精算スイッチ59が設けられている。すなわち、本スロットマシン10では、所定の最大値(メダル50枚分)となるまでの余剰の投入メダルや入賞時の払出メダルを仮想メダルとして貯留記憶するクレジット機能を有しており、仮想メダルが貯留記憶されている状況下で精算スイッチ59を操作された場合、仮想メダルが現実のメダルとしてメダル排出口49から払い出されるようになっている。この場合、クレジットされた仮想メダルを現実のメダルとして払い出すという機能に着目すれば、精算スイッチ59は貯留記憶された遊技媒体を実際に払い出すための精算操作手段を構成するものとも言える。
遊技パネル25の表示窓26L,26M,26R下方には、クレジットされている仮想メダル数を表示するクレジット表示部60と、BB状態が終了するまでに払い出される残りのメダル数を表示する残払出枚数表示部61と、入賞時に払い出したメダルの枚数を表示する払出枚数表示部62とがそれぞれ設けられている。これら表示部60〜62は7セグメント表示器によって構成されているが、液晶表示器等によって代替することは当然可能である。
遊技パネル25における表示窓26L,26M,26R下方であって、払出枚数表示部62の右方には、ストップスイッチ42〜44の操作順序を報知する押し順表示器と、操作順序を報知することによって小役の入賞率を変化させ遊技者にとって有利な状況で遊技を進行可能となる区間である有利区間を示すための区間表示器と、を有する指示モニタ68が設けられている。指示モニタ68については、後に詳細に説明する。
前面扉12の上部には、遊技の進行に伴い点灯したり点滅したりする上部ランプ63と、遊技の進行に伴い種々の効果音を鳴らしたり、遊技者に遊技状態を報知したりする左右一対のスピーカ64と、遊技者に各種情報を与える補助表示部65とが設けられている。補助表示部65は、遊技の進行に伴って各種表示演出を実行するためのものであり、各リール32L,32M,32Rによる遊技を主表示部によるものと考えることができることから、本実施形態では補助表示部65と称している。補助表示部65の背面には、上部ランプ63やスピーカ64、補助表示部65を駆動させるための表示制御装置81が設けられている。
前面扉12において、遊技パネル25の下方であって、ストップスイッチ42〜44よりも下方には、遊技機の機種名が記載されたり、所定の表示画面を構成する下表示部69が設けられている。なお、下表示部69を液晶表示部として構成してもよく、下表示部69に演出用の操作ボタンを設けてもよく、下表示部69全体を操作可能に構成してもよい。
筐体11の内部においてホッパ装置51の左方には、電源ボックス70が設けられている。電源ボックス70は、その内部に電源装置91を収容するとともに、電源スイッチ71やリセットスイッチ72、設定キー挿入孔73などを備えている。電源スイッチ71は、主制御装置101を始めとする各部に電源を供給するための起動スイッチである。リセットスイッチ72は、スロットマシン10のエラー状態をリセットするためのスイッチである。また、設定キー挿入孔73は、ホール管理者などがメダルの出玉調整を行うためのものである。すなわち、ホール管理者等が設定キーを設定キー挿入孔73へ挿入してON操作することにより、スロットマシン10の当選確率(設定値)を設定できるようになっている。なお、リセットスイッチ72は、エラー状態をリセットする場合の他に、スロットマシン10の当選確率を変更する場合にも操作される。
リールユニット31の上方には、遊技を統括管理する主制御装置101が筐体11に取り付けられている。
主制御装置101には、遊技者にとって有利な遊技状態と、そうではない状態との比率を明示するための役比モニタ77が設けられている。役比モニタ77は、前面扉12を開放状態とすることで遊技機前方から視認可能となり、且つ、前面扉12を閉鎖状態とすることで遊技機前方から視認不可となるように、主制御装置101において遊技機前方を向く側に設置されており、より詳しくは、主制御装置101が収容される基板ボックスを介して役比モニタ77の表示面が視認可能となるように、基板ボックス内に収容されている。ちなみに、前面扉12が閉鎖状態とされている場合、役比モニタ77は表示窓26L〜26Rの隙間等のからも視認不可であり、キーシリンダ21に対する所定のキー操作によって施錠状態が解除されて前面扉12を開放状態としない限り、役比モニタ77を確認することが不可となっている。なお、役比モニタ77については、後に詳細に説明する。
次に、本スロットマシン10の電気的構成について、図15及び図16のブロック図に基づいて説明する。
主制御装置101には、演算処理手段であるCPU102を中心とするマイクロコンピュータが搭載されている。CPU102には、電源装置91の他に、所定周波数の矩形波を出力するクロック回路103や、入出力ポート104などが内部バスを介して接続されている。かかる主制御装置101は、スロットマシン10に内蔵されるメイン基盤としての機能を果たすものである。
主制御装置101の入力側には、リールユニット31(より詳しくは各リール32L,32M,32Rが1回転したことを個別に検出するリールインデックスセンサ)、スタートレバー41の操作を検出するスタート検出センサ41a、各ストップスイッチ42〜44の操作を個別に検出するストップ検出センサ42a〜44a、メダル投入口45から投入されたメダルを検出する投入メダル検出センサ45a、ホッパ装置51から払い出されるメダルを検出する払出検出センサ51a、第1クレジット投入スイッチ56の操作を個別に検出する第1クレジット投入検出センサ56a、第2クレジット投入スイッチ57の操作を個別に検出する第2クレジット投入検出センサ57a、精算スイッチ59の操作を検出する精算検出センサ59a、リセットスイッチ72の操作を検出するリセット検出センサ72a、設定キー挿入孔73に設定キーが挿入されてON操作されたことを検出する設定キー検出センサ73a等の各種センサが接続されており、これら各種センサからの信号は入出力ポート104を介してCPU102へ出力されるようになっている。
また、主制御装置101の入力側には、入出力ポート104を介して電源装置91が接続されている。電源装置91には、主制御装置101を始めとしてスロットマシン10の各電子機器に駆動電力を供給する電源部91aや、停電監視回路91bなどが搭載されている。
停電監視回路91bは電源の遮断状態を監視し、停電時はもとより、電源スイッチ71による電源遮断時に停電信号を生成するためのものである。そのため停電監視回路91bは、電源部91aから出力されるこの例では直流12ボルトの安定化駆動電圧を監視し、この駆動電圧が例えば10ボルト未満まで低下したとき電源が遮断されたものと判断して停電信号が出力されるように構成されている。停電信号はCPU102と入出力ポート104のそれぞれに供給され、CPU102ではこの停電信号を認識することにより後述する停電処理が実行される。また、この停電信号は表示制御装置81にも供給されるように構成されている。
電源部91aは、出力電圧が10ボルト未満まで低下した場合でも、主制御装置101などの制御系において駆動電圧として使用される5ボルトの安定化電圧が出力されるように構成されている。この安定化電圧が出力される時間としては、主制御装置101による停電処理を実行するに十分な時間が確保されている。
主制御装置101の出力側には、リールユニット31(より詳しくは各リール32L,32M,32Rを回転させるためのステッピングモータ)、セレクタ46に設けられたメダル通路切替ソレノイド46a、ホッパ装置51、クレジット表示部60、残払出枚数表示部61、払出枚数表示部62、指示モニタ68、役比モニタ77、表示制御装置81、図示しないホール管理装置などに情報を送信できる外部集中端子板121等が入出力ポート104を介して接続されている。
上述したCPU102には、このCPU102によって実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM105と、このROM105に記憶されている制御プログラムを実行するにあたって各種のデータを一時的に記憶する作業エリアを確保するためのRAM106の他に、図示はしないが周知のように割込み回路を始めとしてタイマ回路、データ送受信回路などスロットマシン10において必要な各種の処理回路や、クレジット枚数をカウントするクレジットカウンタなどの各種カウンタが内蔵されている。ROM105とRAM106によって記憶手段としてのメインメモリが構成され、各種処理を実行するためのプログラムは、制御プログラムの一部として上述したROM105に記憶されている。
RAM106は、スロットマシン10の電源が遮断された後においても電源装置91からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっている。RAM106には、各種のデータを一時的に記憶するためのメモリや、役の抽選結果を記憶するための当選フラグ格納エリア106a、各リール32L,32M,32Rの停止制御を行う場合に用いる停止情報を記憶するための停止情報格納エリア106b、BB状態等の遊技状態を記憶するための状態情報格納エリア106c等の他に、バックアップエリアが設けられている。
バックアップエリアは、停電等の発生により電源が遮断された場合において、電源遮断時(電源スイッチ71の操作による電源遮断をも含む。以下同様)のスタックポインタの値を記憶しておくためのエリアであり、停電解消時(電源スイッチ71の操作による電源投入をも含む。以下同様)には、バックアップエリアの情報に基づいてスロットマシン10の状態が電源遮断前の状態に復帰できるようになっている。バックアップエリアへの書き込みは停電処理(図17参照)によって電源遮断時に実行され、バックアップエリアに書き込まれた各値の復帰は電源投入時のメイン処理において実行される。
また、CPU102のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路91bからの停電信号が入力されるように構成されている。そして、電源遮断時には、停電フラグ生成処理としてのNMI割込み処理が即座に実行されるようになっている。
図16に示すように、表示制御装置81は、演算処理手段であるCPU181を中心とするマイクロコンピュータが搭載されている。CPU181には、このCPU181によって実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM182と、このROM182内に記憶されている制御プログラムを実行するに当たって各種のデータを一時的に記憶する作業エリアを確保するためのRAM183などが内蔵されている。
表示制御装置81には、図示しない入出力ポートが設けられており、入力側に主制御装置101が接続されており、出力側に上部ランプ63、スピーカ64、及び補助表示部65が接続されている。そして、主制御装置101から入力する各種コマンドに基づいて上部ランプ63、スピーカ64、及び補助表示部65を駆動制御する。つまり、表示制御装置81は、遊技を統括管理するメイン基盤たる主制御装置101との関係では補助的な制御を実行するサブ基盤となっている。即ち、間接的な遊技に関する音声やランプ、表示についてはサブ基盤を設けることにより、メイン基盤の負担軽減を図っている。
表示制御装置81の入力側には、演出スイッチ66(より詳しくは当該演出スイッチ66の操作を検出する演出スイッチ検出センサ)等が接続されている。なお、各種表示部60〜62、68も表示制御装置81が駆動制御する構成としてもよい。
続いて、主制御装置101のCPU102により実行される各制御処理について説明する。かかるCPU102の処理としては、大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施の形態では1.49msec周期で)起動されるタイマ割込み処理と、NMI端子への停電信号の入力に伴い起動されるNMI割込み処理とがある。以下では、これら各処理のうち遊技の進行に関わる処理、すなわちタイマ割込み処理と、メイン処理にて行われる通常処理とを説明する。
図17は、主制御装置101で定期的に実行されるタイマ割込み処理のフローチャートであり、主制御装置101のCPU102により例えば1.49msec毎にタイマ割込みが発生する。
先ず、ステップS101に示すレジスタ退避処理では、後述する通常処理で使用しているCPU102内の全レジスタの値をRAM106のバックアップエリアに退避させる。ステップS102では停電フラグがセットされているか否かを確認し、停電フラグがセットされているときにはステップS103に進み、停電処理を実行する。
ここで、停電処理について概略を説明する。
停電の発生等によって電源が遮断されると、電源装置91の停電監視回路91bから停電信号が出力され、当該停電信号がNMI端子を介して主制御装置101に入力される。主制御装置101は、停電信号が入力された場合、即座にNMI割込み処理を実行し、停電フラグをRAM106に設けられた停電フラグ格納エリアにセットする。
停電処理では、先ずコマンドの送信が終了しているか否かを判定し、送信が終了していない場合には本処理を終了してタイマ割込み処理に復帰し、コマンドの送信を終了させる。コマンドの送信が終了している場合には、CPU102のスタックポインタの値をRAM106のバックアップエリアに保存する。その後、入出力ポート104における出力ポートの出力状態をクリアし、図示しない全てのアクチュエータをオフ状態にする。そして、停電解消時にRAM106のデータが正常か否かを判定するためのRAM判定値を算出してバックアップエリアに保存することにより、それ以後のRAMアクセスを禁止する。以上の処理を行った後は、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるのに備え、無限ループに入る。なお、例えばノイズ等に起因して停電フラグが誤ってセットされる場合を考慮し、無限ループに入るまでは停電信号が出力されているか否かを確認する。停電信号が出力されていなければ停電状態から復旧したこととなるため、RAM106への書き込みを許可するとともに停電フラグをリセットし、タイマ割込み処理に復帰する。停電信号の出力が継続してなされていれば、そのまま無限ループに入る。ちなみに、無限ループ下においても停電信号が出力されているか否かを確認しており、停電信号が出力されなくなった場合にはメイン処理に移行する。
タイマ割込み処理の説明に戻り、ステップS102にて停電フラグがセットされていない場合には、ステップS104以降の各種処理を行う。
すなわち、ステップS104では、誤動作の発生を監視するためのウオッチドッグタイマの値を初期化するウオッチドッグタイマのクリア処理を行う。ステップS105では、CPU102自身に対して次回のタイマ割込みを設定可能とする割込み終了宣言処理を行う。ステップS106では、各リール32L,32M,32Rを回転させるために、それぞれの回胴駆動モータであるステッピングモータを駆動させるステッピングモータ制御処理を行う。ステップS107では、入出力ポート104に接続されたストップ検出センサ42a〜44a,投入メダル検出センサ45a,払出検出センサ51a等の各種センサ(図15参照)の状態を読み込むとともに、読み込み結果が正常か否かを監視するセンサ監視処理を行う。ステップS108では、各カウンタやタイマの値を減算・加算するタイマ更新処理を行う。ステップS109では、メダルのベット数や、払出枚数をカウントした結果を外部集中端子板121へ出力するカウンタ処理を行う。
ステップS110では、後述する抽選結果コマンド等の各種コマンドを表示制御装置81へ送信するコマンド出力処理を行う。ステップS111では、クレジット表示部60、残払出枚数表示部61、払出枚数表示部62及び指示モニタ68にそれぞれ表示されるセグメントデータを設定するセグメントデータ設定処理を行う。ステップS112では、セグメントデータ設定処理で設定されたセグメントデータを各表示部60〜62,68に供給して該当する数字、記号などを表示するセグメントデータ表示処理を行う。ステップS113では、入出力ポート104からI/O装置に対応するデータを出力するポート出力処理を行う。ステップS114では、先のステップS101にてバックアップエリアに退避させた各レジスタの値をそれぞれCPU102内の対応するレジスタに復帰させる。その後ステップS115にて次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行い、この一連のタイマ割込み処理を終了する。
次に、遊技に関わる主要な制御を行う通常処理について図18のフローチャートに基づき説明する。
先ずステップS201では、次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行う。ステップS202では、遊技を可能とするための開始前処理を行う。開始前処理では、表示制御装置81等が初期化を終了するまで待機する。表示制御装置81等の初期化が終了した場合には、ステップS203〜ステップS212に示す遊技管理処理を行う。
遊技管理処理として、ステップS203では、RAM106に格納された各種遊技情報等のデータ(例えば前回の遊技で用いた乱数値等)をクリアする。その後、ステップS204では開始待ち処理を行う。
開始待ち処理では、前回の遊技でいずれかの再遊技入賞が成立したか否かを判定する。いずれかの再遊技入賞が成立していた場合には、前回のベット数と同数の仮想メダルを自動投入する自動投入処理を行い、開始待ち処理を終了する。具体的には、例えば、3ベットゲームにて再遊技入賞が成立した場合には3枚の仮想メダルを自動投入する処理を行い、2ベットゲームにて再遊技入賞が成立した場合には2枚の仮想メダルを自動投入する処理を行う。
なお、自動投入処理では、クレジット表示部60に表示された仮想メダル数を減じることなく仮想メダルの投入を行う。つまり、前回の遊技でいずれかの再遊技入賞が成立した場合には、遊技者は所有するメダルを減らすことなく且つメダルを投入することなく今回の遊技を行うことができる。いずれの再遊技入賞も成立していなかった場合には、タイマ割込み処理のセンサ監視処理ステップS107にてなされたセンサの読み込み結果に異常が発生していないかを確認するセンサ異常確認処理を行い、異常が発生している場合にはスロットマシン10をエラー状態とするとともにエラーの発生を報知する異常発生時処理を行う。かかるエラー状態は、リセットスイッチ72が操作されるまで維持される。センサの読み込み結果が正常である場合には精算スイッチ59が操作されたか否かを判定し、精算スイッチ59が操作された場合には、クレジットされた仮想メダルと同数のメダルを払い出すメダル返却処理を行う。
メダル返却処理の終了後又は精算スイッチ59が操作されていない場合には、前回の開始待ち処理から今回の開始待ち処理までの間にメダルの投入又はクレジット投入スイッチ56,57の操作がなされたか否かを判定し、いずれかが行われた場合には、ベット数の変更等を行うメダル投入処理を行い、開始待ち処理を終了する。また、前回の開始待ち処理から今回の開始待ち処理までの間にメダルの投入とクレジット投入スイッチ56,57の操作のいずれもなされていない場合には、そのまま開始待ち処理を終了する。
開始待ち処理の終了後、ステップS205ではメダルのベット数が規定枚数に達しているか否かを判定する。本スロットマシン10では、ボーナス状態(BB状態)における規定枚数として「3」が設定されており、ボーナス状態以外の遊技状態における規定枚数として「2」及び「3」が設定されている。つまり、ボーナス状態においては、ベット数が「3」となっていることを条件にステップS205にて肯定判定し、ボーナス状態以外ではベット数が「2」又は「3」となっていることを条件にステップS205にて肯定判定する。言い換えると、ボーナス状態以外の遊技状態において、メダルがベットされていない場合、又は、ベットされていてもベット数が「1」である場合にはステップS205にて否定判定する。ベット数が規定枚数に達していない場合には、ステップS204の開始待ち処理に戻り、当該処理のうちセンサ異常確認処理以降の処理を行う。
ベット数が規定枚数に達している場合には、ステップS205にて肯定判定することとなったベット数の情報を含むベットコマンドを、ステップS206にてサブ側の制御装置としての表示制御装置81への出力対象としてセットする。ここでセットされたコマンドは、タイマ割込み処理におけるステップS110にて表示制御装置81へ出力される。ベットコマンドを受信した表示制御装置81では、ベット操作に基づく報知(例えば、遊技開始条件が成立したことの報知や、以前のゲームでの抽選結果の報知)のための処理を実行し、スピーカ64や補助表示部65の制御を行う。
ステップS206の処理を実行した後は、ステップS207にてスタートレバー41が操作されたか否かを判定する。スタートレバー41が操作されていない場合には、ステップS204の開始待ち処理に戻り、当該処理のうちセンサ異常確認処理以降の処理を行う。
一方、スタートレバー41が操作された場合には、規定枚数のメダルがベットされている状況下でスタートレバー41が操作されると遊技を開始できる構成となっているため、遊技を開始させるべく開始指令が発生したことを意味する。かかる場合には、ステップS208にてベット数と対応する組合せラインを有効ラインと設定する有効ライン設定処理を行う。すなわち、折れ曲がりラインL6のみを有効ラインと設定する。ステップS209では、メダル通路切替ソレノイド46aを非励磁状態に切り替えてベット受付を禁止する。その後、ステップS210の抽選処理、ステップS211のリール制御処理、ステップS212のメダル払出処理を順に実行し、ステップS203に戻る。
次に、ステップS210の抽選処理について、図19のフローチャートに基づき説明する。
ステップS301では、役の当否判定を行う際に用いる乱数を取得する。本スロットマシン10では、スタートレバー41が操作されると、ハード回路がその時点におけるフリーランカウンタの値をラッチする構成となっている。フリーランカウンタは0〜65535の乱数を生成しており、CPU102は、スタートレバー41の操作を確認した後、ハード回路がラッチした値をRAM106に格納する。かかる構成とすることにより、スタートレバー41が操作されたタイミングで速やかに乱数を取得することが可能となり、同期等の問題が発生することを回避することが可能となる。本スロットマシン10のハード回路は、スタートレバー41が操作される毎にその都度のフリーランカウンタの値をラッチする構成となっている。
乱数を取得した後、ステップS302では、役の当否判定を行うための抽選テーブルを選択する。本スロットマシン10では、遊技状態として、大別して通常遊技状態及びボーナス状態を有しており、抽選テーブルは、各遊技状態用にそれぞれ設定されている。そして、通常遊技状態においては、上記のようにベットの規定枚数が「3」と「2」が設定されていることから、通常遊技状態用の抽選テーブルは、3ベットゲームでの抽選テーブルと、2ベットゲームでの抽選テーブルとが設定されている。
すなわち、ステップS302では、ベット数と状態情報格納エリア106cにセットされている遊技状態用のフラグとに基づいてスロットマシン10の現在の遊技状態を判別し、ベット数と遊技状態と対応した抽選テーブルを選択する。例えば、ベット数が「3」であって、状態情報格納エリア106cにいずれのボーナス状態フラグがセットされていない場合には、現在の遊技状態が通常遊技状態であると判別し、通常遊技状態用抽選テーブルを選択する。そして、今回のゲームが3ベットゲームである場合には、3ベットゲーム用の通常遊技状態用抽選テーブル(図20)を選択し、今回のゲームが2ベットゲームである場合には、2ベットゲーム用の通常遊技状態用抽選テーブル(図21)を選択する。また、本スロットマシン10では、「設定1」から「設定6」まで6段階の当選確率が予め用意されており、設定キー挿入孔に設定キーを挿入してON操作するとともに所定の操作を行うことにより、いずれの当選確率に基づいて内部処理を実行させるのかを設定することができる。ステップS302では、設定状態が「設定1」のときにメダル払出の期待値が最も低い抽選テーブルを選択し、「設定6」のときにメダル払出の期待値が最も高い抽選テーブルを選択する。
ここで、当選確率の設定に関する処理について補足説明する。
当選確率の設定処理は、電源投入時に主制御装置101にて起動されるメイン処理にて実行される。より詳しくは、当選確率の設定処理は、設定キー挿入孔に設定キーが挿入されてON操作されていることを設定キー検出センサ73aにて検出している状態で、電源投入された場合に、RAM106の初期化処理の後に起動される。当選確率の設定処理では、所定の操作として、スタートレバー41の操作毎に設定値を1ずつ更新し、例えば、スタートレバー41が1回操作される度に、「設定1」→「設定2」→「設定3」→「設定4」→「設定5」→「設定6」→「設定1」となるように設定値を更新する。なお、各設定値は、例えばクレジット表示部60にて表示され、上記設定値の更新毎にその表示も更新される。そして、設定キー検出センサ73aがOFF操作された状態でスタートレバー41が操作されたことを設定値の確定操作とし、その時点での設定値を今回の設定値として、当選確率の設定処理を終了する。当選確率の設定処理の終了に基づいて、クレジット表示部60の表示も終了する。当選確率の設定処理で設定された設定値は、次の当選確率の設定処理が起動されるまで、RAM106に記憶保持される。ステップS302では、この記憶されている設定値に基づいて、抽選テーブルを選択する処理を行うこととなる。
抽選テーブルについて、簡単に説明する。図20は、3ベットゲームにおいて通常遊技状態で選択される通常遊技状態用抽選テーブルである。また、図21は、2ベットゲームにおいて通常遊技状態で選択される通常遊技状態用抽選テーブルである。抽選テーブルには、インデックス値IVが設定されており、各インデックス値IVには、当選となる役がそれぞれ一義的に対応付けられるとともにポイント値PVが設定されている。
抽選テーブルを選択した後、ステップS303ではインデックス値IVを1とし、続くステップS304では役の当否を判定する際に用いる判定値DVを設定する。かかる判定値設定処理では、現在の判定値DVに、現在のインデックス値IVと対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVを設定する。なお、初回の判定値設定処理では、ステップS301にて取得した乱数値を現在の判定値DVとし、この乱数値に現在のインデックス値IVである1と対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVとする。
その後、ステップS305ではインデックス値IVと対応する役の当否判定を行う。役の当否判定では判定値DVが65535を超えたか否かを判定する。65535を超えた場合には、ステップS306にて、ステップS305にて肯定判定したインデックス値IVに応じた遊技結果の当選フラグを、当選フラグ格納エリア106aにセットする処理を実行する。例えば、IV=23のときに判定値DVが65535を超えた場合、ステップS306にて第7小役当選フラグ及び第8小役当選フラグをセットする。また、IV=25のときに判定値DVが65535を超えた場合、ステップS306にて第1BB当選フラグをセットし、IV=26のときに判定値DVが65535を超えた場合、ステップS306にて第2BB当選フラグをセットする。
ちなみに、セットされた当選フラグが第1BBに当選したことを示す当選フラグ(第1BB当選フラグ)又は第2BBに当選したことを示す当選フラグ(第2BB当選フラグ)でない場合、当選フラグ格納エリア106aにセットされた当選フラグは該当選フラグがセットされたゲームの終了後にリセットされる(通常処理のS203参照)。一方、当選フラグが第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグである場合、これら当選フラグは対応する入賞が成立したことを条件の1つとしてリセットされる。すなわち、第1BB当選フラグ及び第2BB当選フラグは、複数回のゲームに亘って有効とされる場合がある。
なお、第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグを持ち越した状態におけるステップS306では、第1BB,第2BB以外の役に当選していれば対応する当選フラグをセットし、第1BB,第2BB以外の役に当選していなければ対応する当選フラグをセットしない。
すなわち、例えば、第1BB当選フラグが持ち越された状態で、例えば、インデックス値IV=25のときに判定値DVが65535を超えた場合、第1BB当選フラグはセットしない。また、第1BB当選フラグが持ち越された状態で、例えば、インデックス値IV=11のときに判定値DVが65535を超えた場合、第1小役当選フラグ、第9小役当選フラグ、第10小役当選フラグ及び第13小役当選フラグをセットする。
なお、第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグを持ち越した状態における抽選テーブルを別途用意しておき、第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグを持ち越した状態では、当該別途用意した抽選テーブルにて抽選処理を行う構成としてもよい。この場合、当該別途用意した抽選テーブルにおいては、第1BB,第2BBに当選しないように各インデックス値IVやポイント値PV値を設定するとよい。
ステップS305にて判定値DVが65535を超えなかった場合には、インデックス値IVと対応する役に外れたことを意味する。かかる場合にはステップS307にてインデックス値IVを1加算し、続くステップS308ではインデックス値IVと対応する役があるか否か、すなわち当否判定すべき判定対象があるか否かを判定する。具体的には、1加算されたインデックス値IVが抽選テーブルに設定されたインデックス値IVの最大値を超えたか否かを判定する。当否判定すべき判定対象がある場合にはステップS304に戻り、役の当否判定を継続する。このとき、ステップS304では、先の役の当否判定に用いた判定値DV(すなわち現在の判定値DV)に現在のインデックス値IVと対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVとし、ステップS305では、当該判定値DVに基づいて役の当否判定を行う。
ちなみに、図20に示した抽選テーブルを用いて役の当否判定を行う場合、すなわち、通常遊技状態において3ベットゲームで遊技を行った場合、通常リプAに当選となる確率(IV=1の際に当選となる確率)は、設定1では約27.3分の1であり、設定3では約27.5分の1であり、設定6では約28.3分の1であり、設定値が高くなるほど当選しにくくなるように設定されている。通常リプBに当選となる確率(IV=2の際に当選となる確率)及び通常リプCに当選となる確率(IV=3の際に当選となる確率)は、いずれも設定値に関わらず約26.2分の1である。チャンス目Aに当選となる確率(IV=4の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約164分の1であり、チャンス目Bに当選となる確率(IV=5の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約262分の1であり、チャンス目Cに当選となる確率(IV=6の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約16400分の1であり、チャンス目Cよりもチャンス目Bの方が当選し易く、チャンス目Bよりもチャンス目Aの方が当選し易くなるように設定されている。チェリーAに当選となる確率(IV=7の際に当選となる確率)は、設定1では約107分の1であり、設定3では約104分の1であり、設定6では約93.6分の1であり、設定値が高くなるほど当選し易くなるように設定されている。チェリーBに当選となる確率(IV=8の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約215分の1であり、チェリーCに当選となる確率(IV=9の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約13100分の1であり、チェリーCよりもチェリーBの方が当選し易く、チェリーBよりもチェリーAの方が当選し易くなるように設定されている。共通ベルに当選となる確率(IV=10の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約504分の1である。順押しベル1、順押しベル2、挟み押しベル1、挟み押しベル2、中順押しベル1、中順押しベル2、中逆押しベル1、中逆押しベル2、逆挟みベル1、逆挟みベル2、逆押しベル1、逆押しベル2(以下では、これらをまとめて押し順ベルと称する)に当選となる確率(IV=11〜22の際に当選となる確率)は、設定値に関わらずそれぞれ約18.4分の1である。スイカに当選となる確率(IV=23の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約107分の1である。第1BBに当選となる確率(IV=25の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約5.03分の1であり、他の役(再遊技や小役、IV=1〜24)の当選確率よりも高く設定されている。3ベットゲームにおいては重複1枚役(IV=24)や第2BB(IV=26)には当選しないように設定されている(対応するポイント値PVに0が設定されている)。3ベットゲームにおいて、第1BBを含めていずれの役にも当選しない確率は0となっている。そして、第1BBに当選している状況では、3ベットゲームにおいていずれの役にも当選しない確率は、設定値に関わらず約5.03分の1(第1BBの分)である。ちなみに、3ベットゲームにおいては、第1BB状態での増加分を除いて、1ゲーム当たり約1.77枚のメダル減少が期待できる(純増枚数マイナス約1.77枚)。
これに対して、図21に示した抽選テーブルを用いて役の当否判定を行う場合、すなわち、通常遊技状態において2ベットゲームで遊技を行った場合、通常リプA、通常リプB、通常リプC、チャンス目A、チャンス目B、チャンス目C、チェリーA、チェリーB、チェリーCに当選となる確率(IV=1〜9の際に当選となる確率)は、上記3ベットゲームで遊技を行った場合の確率と同じ確率である。共通ベルに当選となる確率(IV=10の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約9.64分の1であり、3ベットゲームで遊技を行った場合よりも当選し易くなるように設定されている。押し順ベル(IV=11〜22)は、2ベットゲームでは当選しないように設定されている。スイカに当選となる確率(IV=23の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約257の1であり、3ベットゲームで遊技を行った場合よりも当選しにくくなるように設定されている。2ベットゲームにおいては重複1枚役(IV=24)に当選し得るように設定されており、その確率は設定値に関わらず約1.81分の1である。また、2ベットゲームでは第1BB(IV=25)には当選しないように設定されている一方、第2BB(IV=26)に当選し得るように設定されており、その確率は設定値に関わらず約4.95分の1である。2ベットゲームにおいても、第2BBを含めていずれの役にも当選しない確率は0となっている。そして、第2BBに当選している状況では、2ベットゲームにおいていずれの役にも当選しない確率は、設定値に関わらず約4.95分の1(第2BBの分)である。ちなみに、2ベットゲームにおいては、第2BBの増加分を除いて、1ゲーム当たり約0.64枚のメダル減少が期待できる(純増枚数マイナス約0.64枚)。
ステップS306にて当選フラグをセットした後、又はステップS308にて当否判定すべき判定対象がないと判定した場合には、役の当否判定が終了したことを意味する。かかる場合には、ステップS309に進み、ストップスイッチ42〜44の操作を所定期間無効とするフリーズ演出を実行するか否かを決定すべくフリーズ抽選処理を行う。
続くステップS310では、抽選結果対応処理を行う。抽選結果対応処理では、ステップS301〜ステップS308の抽選の結果に応じて遊技状態を移行させるか否かの処理や、押し順役の報知用の処理等を行う。当該抽選結果対応処理については、後に詳細に説明する。
ステップS310の処理を実行した後は、ステップS311にて抽選結果コマンドをセットする。ここで、抽選結果コマンドとは、役の当否判定の結果を把握させるべく表示制御装置81に対して送信されるコマンドである。但し、通常処理では、上記抽選結果コマンド等の各種コマンドをリングバッファにセットするのみであって、表示制御装置81に対してコマンドを送信しない。表示制御装置81へのコマンド送信は、先述したタイマ割込み処理のコマンド出力処理(ステップS110)にて行われる。
そして、ステップS312では、今回のゲームの抽選結果に基づいて各リール32L,32M,32Rに停止可能な図柄を設定する停止情報設定処理を実行する。停止情報設定処理では、ステップS306にてセットされる当選フラグに基づいて、入賞可能な役に応じた停止図柄情報を設定する。例えば、押し順ベル1に当選(IV=11の際に当選)となり、第1小役当選フラグ、第9小役当選フラグ、第10小役当選フラグ及び第13小役当選フラグがセットされた場合、第1小役、第9小役、第10小役及び第13小役入賞に対応する図柄が各リール32L,32M,32Rに停止可能となるように停止図柄情報を設定する。また、スイカに当選(IV=23の際に当選)となり、第7小役当選フラグ及び第8小役当選フラグがセットされた場合、第7小役入賞及び第8小役入賞に対応する図柄が各リール32L,32M,32Rに停止可能となるように停止図柄情報を設定する。
本スロットマシン10においては、第1BBは3ベットゲームでおいてのみ入賞が成立し得るように設定されており、第2BBは2ベットゲームにおいてのみ入賞が成立し得るように設定されている。そのため、第1BB当選フラグがセットされている場合であっても、2ベットゲームでゲームが開始された場合には、ステップS312の停止情報設定処理では、第1BB入賞を成立させる停止図柄情報の設定を行わない(第1BB入賞を回避する停止図柄情報の設定が行われる)。また、第2BB当選フラグがセットされている場合であっても、3ベットゲームでゲームが開始された場合には、ステップS312の停止情報設定処理では、第2BB入賞を成立させる停止図柄情報の設定を行わない(第2BB入賞を回避する停止図柄情報の設定が行われる)。
続くステップS313では、ステップS312にて複数の停止可能な図柄情報が設定された場合に、その優先順位を設定する優先設定処理を実行する。例えば、小役,再遊技,ボーナスの各役種のうち複数の役種に当選している場合、以下に示す優先順位を設定する。小役とボーナスに当選している場合には、小役入賞が優先して成立するように、小役入賞を成立させることができない場合にボーナス入賞が成立するようにして、優先順位を設定する。再遊技とボーナスに当選している場合には、再遊技入賞が優先して成立するようにして優先順位を設定する。
例えば、第1BBに当選している状況(第1BB当選フラグがセットされており、第1BB当選が持ち越されている状況)で、更にスイカに当選し、第1BB入賞と、第7小役入賞及び第8小役入賞とに対応する停止図柄情報の設定が行われている場合、第1BB入賞よりも第7小役入賞、第8小役入賞が優先して成立するように優先順位を設定する。また、第2BBに当選している状況(第2BB当選フラグがセットされており、第2BB当選が持ち越されている状況)で、更に通常リプAに当選し、第2BB入賞と、第1再遊技、第2再遊技、第3再遊技及び第4再遊技入賞とに対応する停止図柄情報の設定が行われている場合、第2BB入賞よりも各再遊技入賞が優先して成立するように優先順位を設定する。
ここで、再遊技に当選している場合、当選している再遊技のうちのいずれかの再遊技が必ず入賞するように、入賞となる図柄の組合せが設定されている。つまり、再遊技に当選している場合には再遊技入賞が必ず成立し、取りこぼしは発生しない。そのため、再遊技とボーナスとの停止図柄情報の設定が行われている場合、設定されている再遊技のいずれかの再遊技入賞が必ず成立し、ボーナス入賞が成立することがない。
ステップS313の処理を実行した後は、ステップS314にて区間表示第1処理を実行してから、抽選処理を終了する。区間表示第1処理は、指示モニタ68や役比モニタ77の表示制御に関する処理であり、かかる処理については後に詳細に説明する。
次に、ステップS211のリール制御処理について、図22のフローチャートに基づき説明する。
リール制御処理では、先ずステップS401において回転演出処理を行う。回転演出処理は、上記ステップS309にて行ったフリーズ抽選処理の結果や、ステップS310にて行った抽選結果対応処理の結果等に基づいて、無効期間中のリール制御を用いた演出を行うための処理である。回転演出処理については、後に詳細に説明する。続くステップS402では、各リール32L,32M,32Rの回転を開始させる回転開始処理を行う。
回転開始処理では、前回の遊技でリールが回転を開始した時点から予め定めたウエイト時間(例えば4.1秒)が経過したか否かを確認し、経過していない場合にはウエイト時間が経過するまで待機する。ウエイト時間が経過した場合には、次回の遊技のためのウエイト時間を再設定するとともに、RAM106に設けられたモータ制御格納エリアに回転開始情報をセットするモータ制御初期化処理を行う。かかる処理を行うことにより、タイマ割込み処理のステッピングモータ制御処理(ステップS106)にてステッピングモータの加速処理が開始され、各リール32L,32M,32Rが回転を開始する。このため、遊技者が規定枚数のメダルをベットしてスタートレバー41を操作したとしても、直ちに各リール32L,32M,32Rが回転を開始しない場合がある。その後、各リール32L,32M,32Rが所定の回転速度で定速回転するまで待機し、回転開始処理を終了する。また、CPU102は、各リール32L,32M,32Rの回転速度が定速となると、各ストップスイッチ42〜44の図示しないランプを点灯表示することにより、停止指令を発生させることが可能となったことを遊技者等に報知する。
回転開始処理に続き、ステップS403では、ストップスイッチ42〜44のいずれかが操作されたか否かを判定する。いずれのストップスイッチ42〜44も操作されていない場合には、ストップスイッチ42〜44のいずれかが操作されるまで待機する。ストップスイッチ42〜44のいずれかが操作されたと判定した場合には、ステップS404に進み、回転中のリールと対応するストップスイッチが操作されたか否か、すなわち停止指令が発生したか否かを判定する。停止指令が発生していない場合には、ステップS403に戻り、ストップスイッチ42〜44のいずれかが操作されるまで待機する。停止指令が発生した場合には、ステップS405にて停止指令コマンドをセットする。ここで、停止指令コマンドとは、いずれのストップスイッチが操作されて停止指令が発生したのかを把握させるべく表示制御装置81に対して送信されるコマンドである。停止指令コマンドをセットした場合には、回転中のリールを停止させるべくステップS406〜ステップS412に示す停止制御処理を行う。
ステップS406では、ストップスイッチの操作されたタイミングで基点位置(本実施形態では下段)に到達している到達図柄の図柄番号を確認する。具体的には、リールインデックスセンサの検出信号が入力された時点から出力した励磁パルス数により、基点位置に到達している到達図柄の図柄番号を確認する。続くステップS407では、停止情報格納エリア106bに格納されている停止情報に基づいて、今回停止させるべきリールのスベリ数を算出する。本スロットマシン10では、各リール32L,32M,32Rを停止させる停止態様として、ストップスイッチ42〜44が操作された場合に、基点位置に到達している到達図柄をそのまま停止させる停止態様と、対応するリールを1図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、2図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、3図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、4図柄分滑らせた後に停止させる停止態様との5パターンの停止態様が用意されている。そこでステップS407では、停止情報格納エリア106bに格納されている停止情報に基づいて、スベリ数として0〜4のいずれかの値を算出する。その後、ステップS408では、算出したスベリ数を到達図柄の図柄番号に加算し、基点位置に実際に停止させる停止図柄の図柄番号を決定する。ステップS409では今回停止させるべきリールの到達図柄の図柄番号と停止図柄の図柄番号が等しくなったか否かを判定し、等しくなった場合にはステップS410にてリールの回転を停止させるリール停止処理を行う。その後、ステップS411では、全リール32L,32M,32Rが停止したか否かを判定する。全リール32L,32M,32Rが停止していない場合には、ステップS412にて停止情報第2設定処理を行い、ステップS403に戻る。
ここで、停止情報第2設定処理とは、RAM106の停止情報格納エリア106bに格納された停止情報を、リールの停止後に変更する処理である。停止情報第2設定処理では、セットされている当選フラグと、停止しているリールの停止出目と、に基づいて停止情報を変更する。本スロットマシン10では、例えばIV=11〜22の際に当選となった場合、すなわち押し順ベルに当選となった場合(図20、図21参照)に、停止指令を発生させたストップスイッチ42〜44の操作順序によって成立する入賞態様を変化させるべく停止情報第2設定処理を行う。
図23は、当選役と、ストップスイッチ42〜44の操作順序と成立する入賞態様との対応関係を示す説明図である。例えば、中順押しベル1に当選している場合には、各ストップスイッチ42〜44が左→中→右、左→右→中、中→右→左、右→左→中、又は右→中→左の順で操作された場合には第17小役入賞、第18小役入賞又は第21小役入賞が成立するように停止情報を設定し、中→左→右の順で操作された場合には第3小役入賞が成立するように停止情報を設定する。但し、このように停止情報を設定した場合であっても、ストップスイッチ42〜44の操作タイミングによっては対応する入賞が成立しない場合がある。
各リール32L,32M,32Rの図柄配列について簡単に説明する。本スロットマシン10では、リール32L,32M,32Rをストップスイッチ42〜44の操作されたタイミングから最大4図柄分滑らせた後に停止させることができる。このため、各リール32L,32M,32Rに同種図柄同士の間隔が4図柄以下で配置されている場合には、ストップスイッチ43の操作タイミングに関わらず当選図柄となった際に当該当選図柄を有効ライン上に停止させることができる。一方、5図柄以上離れた区間が形成されるようにして配置されている図柄に関しては、有効ライン上に停止させる場合に遊技者が図柄を狙ってストップスイッチ42〜44を操作する必要がある。
中順押しベル1に当選となり、各ストップスイッチ42〜44が左→中→右の順で操作された場合を例として説明する。かかる場合には、上記のとおり、第17小役入賞、第18小役入賞又は第21小役入賞を成立させるべく各リール32L,32M,32Rの停止制御を行う。
左リール32Lにおける第17小役図柄は、「赤7」図柄及び「BAR」図柄である。また、左リール32Lにおける第18小役図柄は、「赤貝」図柄及び「白貝」図柄である。そして、左リール32Lにおける第21小役図柄は、「リプレイ」図柄及び「青年」図柄である。左リール32Lには、これら第17小役図柄、第18小役図柄及び第21小役図柄が、図柄同士の間隔が4図柄以下となるように配置されている。そのため、左ストップスイッチ42が最初に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず、有効ライン(中段)に第17小役図柄、第18小役図柄及び第21小役図柄のいずれかが停止する。本スロットマシン10では、複数の対象図柄を停止可能なタイミングで操作された場合には、スベリコマ数が少ない図柄を有効ラインに停止させるように停止制御が行われる。すなわち、例えば、左リール32Lの1番目の「ベル」図柄が下段に到達したタイミングで左ストップスイッチ42の操作が行われた場合、第18小役図柄である4番目の「赤貝」図柄(2コマスベリ)、及び、第21小役図柄である5番目の「リプレイ」図柄(3コマスベリ)を中段に停止させることが可能であるところ、最もスベリコマ数の少ない4番目の「赤貝」図柄が中段に停止するように左リール32Lの停止制御が行われる。この場合、第18小役入賞が成立する余地は残るものの、第17小役入賞及び第21小役入賞は成立しないこととなる。
左リール32Lの第18小役図柄が中段に停止した場合、停止情報第2設定処理では、第18小役入賞が成立し得るように停止情報を変更する。
中リール32Mにおける第18小役図柄は、「リプレイ」図柄である。左リール32Lには、「リプレイ」図柄同士の間隔が4図柄以下となるように「リプレイ」図柄が配置されている。そのため、この場合には、中ストップスイッチ43の操作タイミングに関わらず、中リール32Mの上段に「リプレイ」図柄が停止するように停止制御が行われる。
右リール32Rにおける第18小役図柄は、「白貝」図柄及び「青年」図柄である。右リール32Rには、「白貝」図柄及び「青年」図柄同士の間隔が5図柄以上となるようにこれらの図柄が配置されている。つまり、右ストップスイッチ44の操作タイミングによって、第18小役図柄である「白貝」図柄又は「青年」図柄を上段に停止させることができる場合と、上段に停止させることができない場合と、がある。上段に停止させることが可能なタイミングで右ストップスイッチ44の操作が行われると第18小役入賞が成立し、上段に停止させることができないタイミングで右ストップスイッチ44の操作が行われると所謂取りこぼしとなる。
ここで、左リール32Lの中段に「赤貝」図柄が停止し、中リール32Mの上段に「リプレイ」図柄が停止する場合とは、上記のように中順押しベル1に当選して第18小役入賞が成立する可能性がある場合のほか、中順押しベル2に当選して第20小役入賞が成立する可能性がある場合もある。すなわち、中順押しベル2における第20小役図柄は、左リール32Lと中リール32Mとが第18小役図柄と共通している。そして、右リール32Rにおいて、第18小役図柄が「白貝」図柄及び「青年」図柄であるのに対して、第20小役図柄が「赤7」図柄及び「白7」図柄であり異なっている。特に、右リール32Rにおいて、第18小役図柄と第20小役図柄とは、第18小役図柄を有効ラインに停止させることが可能なタイミングで右ストップスイッチ44を操作すると第20小役図柄を有効ラインに停止させることができず、第20小役図柄を有効ラインに停止させることが可能なタイミングで右ストップスイッチ44を操作すると第18小役図柄を有効ラインに停止させることができないようにこれら各図柄が配置されている。そのため、中順押しベル1に当選しているのか中順押しベル2に当選しているのかがわからないことを前提とすると、左リール32Lと中リール32Mとを停止させて、第18小役入賞及び第20小役入賞の可能性がある停止態様となっていても、それを狙って入賞させることができない。
次に、中順押しベル1当選となり、各ストップスイッチ42〜44が、中→左→右の順で操作された場合を例として説明する。かかる場合には、第3小役入賞を成立させるべく各リール32L,32M,32Rの停止制御を行う。
中リール32Mには、第3小役図柄である「リプレイ」図柄が、「リプレイ」図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして配置されている。そのため、中ストップスイッチ43が最初に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず上段に「リプレイ」図柄が停止する。
左リール32Lには、第3小役図柄である「ベル」図柄が、「ベル」図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして配置されている。そのため、左ストップスイッチ42が2番目に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず中段に「ベル」図柄が停止する。
右リール32Rには、第3小役図柄である「スイカ」図柄及び「赤貝」図柄が、これら図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして配置されている。そのため、右ストップスイッチ44が3番目に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず上段に「スイカ」図柄又は「赤貝」図柄が停止する。上のとおり、中順押しベル1に当選となり、中ストップスイッチ43→左ストップスイッチ42→右ストップスイッチ44の順で操作された場合には、その操作タイミングに関わらず第3小役入賞が成立する。
上記のように、押し順ベルに当選となった場合には、予め定められた所定の操作順序でストップスイッチ42〜44が操作された場合、その操作タイミングに関わらず第1小役入賞、第2小役入賞、第3小役入賞、第4小役入賞、第5小役入賞、又は第6小役入賞が成立し、他の操作順序でストップスイッチ42〜44が操作された場合、その操作タイミングにより、他の小役入賞が成立するか、いずれの小役入賞も成立せずに取りこぼしとなる。ちなみに、共通ベルに当選となった場合には、操作順序及び操作タイミングに関わらず第1小役入賞、第2小役入賞、第3小役入賞、第4小役入賞、第5小役入賞、又は第6小役入賞が成立する。
リール制御処理の説明に戻り、ステップS411にて全リール32L,32M,32Rが停止していると判定した場合には、ステップS413にて払出判定処理を行う。払出判定処理とは、当選図柄の組合せが有効ライン上に並んでいることを条件の1つとしてメダルの払出枚数を設定する処理である。払出判定処理では、各リール32L,32M,32Rの下段に停止した停止図柄の図柄番号から有効ライン上に形成された図柄の組合せを導出し、有効ライン上で入賞が成立しているか否かを判定する。入賞が成立している場合には、さらに入賞成立役が当選フラグ格納エリア106aにセットされている当選フラグと対応しているか否かを判定する。入賞成立役が当選フラグと対応している場合には、入賞成立役と、当該入賞成立役と対応する払出数と、をRAM106に設けられた払出情報格納エリアにセットする。一方、入賞成立役が当選フラグと対応していない場合には、スロットマシン10をエラー状態とするとともにエラーの発生を報知する異常発生時処理を行う。かかるエラー状態は、リセットスイッチ72が操作されるまで維持される。
払出判定処理を行った後は、ステップS414にて、ボーナス状態処理を実行する。ボーナス状態処理については、後に詳細に説明する。ボーナス状態処理を実行した後は、ステップS415にて入賞結果対応処理を行う。入賞結果対応処理では、入賞結果に基づいて遊技状態を移行させる処理等を行う。当該入賞結果対応処理については、後に詳細に説明する。
入賞結果対応処理を行った後は、ステップS416にて区間表示第2処理を実行する。区間表示第2処理は、指示モニタ68の表示制御に関する処理であり、かかる処理については後に詳細に説明する。その後、ステップS417にて今回のゲームにおける入賞成立役を表示制御装置81に把握させるべく入賞結果コマンドをセットし、リール制御処理を終了する。
次に、ステップS212のメダル払出処理について、概略を説明する。
メダル払出処理では、払出情報格納エリアにセットされた払出数が0か否かを判定する。払出数が0の場合、先の払出判定処理にて小役入賞が成立していないと判定したことを意味する。かかる場合には、払出判定処理にてセットした入賞成立役に基づいて、第1再遊技入賞〜第12再遊技入賞のいずれかが成立したか否かを判定する。いずれの再遊技入賞も成立していない場合にはそのままメダル払出処理を終了し、いずれかの再遊技入賞が成立している場合には、遊技モードを再遊技モードとする再遊技設定処理を行い、メダル払出処理を終了する。なお、先に説明した開始待ち処理(ステップS204)では、現在の遊技モードが再遊技モードであると判定した場合に自動投入処理を行っている。
一方、払出情報格納エリアにセットされた払出数が0でない場合には、当該払出数と同数のメダルを払い出し、メダル払出処理を終了する。メダルの払い出しについて具体的には、クレジットカウンタのカウント値が上限(貯留されているメダル数が50枚)に達していない場合、クレジットカウンタのカウント値に払出数を加算するとともに加算後の値をクレジット表示部60に表示させる。また、クレジットカウンタのカウント値が上限に達している場合、又は払出数の加算途中でカウント値が上限に達した場合には、メダル払出用回転板を駆動し、メダルをホッパ装置51からメダル排出口49を介してメダル受け皿50へ払い出す。なお、メダル払出処理では、メダルの払い出しにあわせて払出枚数表示部62に表示される払出数を変更する処理も行っている。また、現在の遊技状態がBB状態である場合には、後述する残払出数カウンタの値から払出数を減算するとともに、残払出枚数表示部61に表示される残払出数を減算する処理を行う。
次に、ステップS414のボーナス状態処理を、図24のフローチャートに基づいて説明する。
先ずステップS501では、現在の遊技状態がボーナス状態か否か、すなわち現在の遊技状態が第1BB状態又は第2BB状態であるか否かを判定する。これら第1BB状態や第2BB状態であるか否かは、第1BB状態又は第2BB状態へ移行する際にRAM106の各種フラグ格納エリア106dにセットされる第1BB状態フラグや第2BB状態フラグの有無により判別可能である。すなわち、ステップS501では、第1BB状態フラグ及び第2BB状態フラグのいずれもがセットされていない場合には、第1BB状態及び第2BB状態ではないと判定してステップS502に進む。
ステップS502では、第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグがセットされており、いずれかのBBに当選している状態であるか否かを判定する。いずれのBB当選フラグもセットされていない場合は、そのままボーナス状態処理を終了する。いずれかのBB当選フラグがセットされている場合には、ステップS503に進む。
ステップS503では、RAM106の各種カウンタエリア106eに設けられたMAXベットカウンタに3を入力する処理を行う。MAXベットカウンタは、第1クレジット投入スイッチ56が操作された場合に仮想メダルの投入を行う特定枚数を設定するためのものである。すなわち、MAXベットカウンタに3が入力されている状況で第1クレジット投入スイッチ56が操作されると、3枚の仮想メダルの投入が行われる。この場合、MAXベットカウンタはゲームの規定枚数を設定するものではないため、ゲームの規定枚数として2枚又は3枚が設定されている状況においては、第2クレジット投入スイッチ57の操作を行うことで2ベットゲームを行うことは許容されている。なお、ステップS503にて既にMAXベットカウンタに3が入力されている場合には、その状態を維持する。
なお、MAXベットカウンタの初期値は2であり、リセットスイッチ72が操作されてRAMクリアが行われると、当該MAXベットカウンタには2が入力されてスロットマシン10が起動する。
続くステップS504では、第1BB入賞又は第2BB入賞が成立したか否かを判定する。いずれかのBB入賞も成立していない場合には、そのままボーナス状態処理を終了する。いずれかのBB入賞が成立している場合には、ステップS505に進み、第1BB入賞が成立したか否かを判定する。
第1BB入賞が成立している場合には、ステップS506にて、各種カウンタエリア106eに設けられたBBカウンタに「90」を入力する処理を実行する。BBカウンタは、各BB状態における上限払出数を規定するためのカウンタである。すなわち、ステップS506にてBBカウンタに「90」が入力されることにより、90枚以上のメダルが払い出されることにより第1BB状態が終了するように設定される。ステップS507では、第1BB当選フラグをクリアする。そして、ステップS508では、第1BB状態フラグを各種フラグ格納エリア106dにセットする。これにより、次ゲームからはステップS501にて肯定判定することになる。続くステップS509では、第1BB開始コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。第1BB開始コマンドは、第1BB状態が開始されることを表示制御装置81へ把握させるためのコマンドであり、かかる第1BB開始コマンドを受信した表示制御装置81では、第1BB状態が開始されることに対応する第1BB開始演出が行われるようにスピーカ64や補助表示部65等を制御する。また、表示制御装置81では、第1BB開始コマンドを受信することにより、次ゲームからが第1BB状態であることが把握可能となり、次ゲームから第1BB状態用の演出が行われるようにスピーカ64や補助表示部65等を制御する。
ステップS509にて第1BB開始コマンドの出力設定を行った後は、ステップS510にて規定ベット数を3に設定する処理を実行してから、本ボーナス状態処理を終了する。規定ベット数とは、上記のゲームの規定枚数に相当する。すなわち、第1BB状態に移行することでゲームの規定枚数が3枚に設定され、3ベットゲームにて第1BB状態が行われる。
なお、規定ベット数の初期値は2及び3であり、リセットスイッチ72が操作されてRAMクリアが行われると、当該規定ベット数は2と3が設定されてスロットマシン10が起動する。
ステップS505にて第1BB入賞が成立していないと判定する場合とは、第2BB入賞が成立している場合である。この場合、ステップS511に進み、上記のBBカウンタに「90」を入力する処理を実行する。すなわち、90枚以上のメダルが払い出されることにより第2BB状態が終了するように設定される。そして、ステップS512にて第2BB当選フラグをクリアする処理を実行し、ステップS513にて第2BB状態フラグをセットする処理を実行する。その後、ステップS514にて第2BB開始コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。第2BB開始コマンドは、第1BB開始コマンドに対応するものであり、第2BB状態が開始されることを表示制御装置81へ把握させるためのコマンドである。第2BB開始コマンドを受信した表示制御装置81では、第2BB状態が開始されることに対応する第2BB開始演出が行われるようにスピーカ64や補助表示部65等を制御し、次ゲームからは第2BB状態用の演出が行われるようにスピーカ64や補助表示部65等を制御する。なお、第1BB開始演出と第2BB開始演出とは、見た目や内容が、遊技者が識別可能な程度に異なっている。また、第1BB状態用の演出と第2BB状態用の演出とも、見た目や内容が、遊技者が識別可能な程度に異なっている。第1BB開始コマンドや第2BB開始コマンドを受信した場合の表示制御装置81側の処理については、後に詳細に説明する。
ステップS514にて第2BB開始コマンドの出力設定を行った後は、ステップS510にて規定ベット数を3に設定する処理を実行してから、本ボーナス状態処理を終了する。すなわち、第1BB状態だけでなく、第2BB状態においてもゲームの規定枚数が3枚に設定され、3ベットゲームにて第2BB状態が行われる。
ステップS501にて肯定判定し、第1BB状態又は第2BB状態である場合、ステップS515に進み、第1BB状態や第2BB状態中の処理を行う。図25は、BB状態用抽選テーブルの一例を示している。なお、本実施形態では、第1BB状態と第2BB状態とで共通の抽選テーブルを用いる構成としているが、それぞれ別々の抽選テーブルを設け、当選し得る役の種類や各役の当選確率を異ならせてもよい。本実施形態では、図25に示すように、第1BB状態や第2BB状態において、通常リプAと、共通ベルと、重複1枚役とに当選し得るように設定されている。通常リプA当選となる確率(IV=1の際に当選となる確率)は約61.2分の1であり、共通ベル当選となる確率(IV=10の際に当選となる確率)は約5.96分の1であり、重複1枚役当選となる確率(IV=24の際に当選となる確率)は約1.31分の1である。また、第1BB状態や第2BB状態において、いずれの役にも当選しない外れ結果となる確率は、約10.14分の1である。この場合、1ゲーム当たりで約0.00枚のメダル増加が期待でき(純増枚数プラスマイナス約0.00枚)、第1BB状態や第2BB状態ではメダルの増減が生じない。言い換えると、第1BB状態や第2BB状態ではメダル増加を見込めないもののメダルを減らすことなくゲームを進行することが可能となる。
ここで、3ベットゲームにおける通常遊技状態と、3ベットゲームにて移行し得る第1BB状態とにおいて、メダル増加のメインはいずれも13枚払出が発生する第1小役入賞〜第6小役入賞により生じるものであり、その役としては、通常遊技状態では押し順ベルであり、第1BB状態においては共通ベルである。これらメイン小役の入賞率を比較すると、通常遊技状態においては、一定の操作順序でストップスイッチ42〜44が操作されていることを想定すると、約9.19分の1の確率で入賞するのに対して、第1BB状態においては約5.96分の1の確率で入賞し、3ベットゲームでは、第1BB状態のほうが通常遊技状態よりも入賞が発生し易くなるように設定されている。また、2ベットゲームにおける通常遊技状態と、2ベットゲームにて移行し得る第2BB状態とにおいて、メダル増加のメインはいずれも共通ベルであり、通常遊技状態では約9.64分の1の確率で入賞するのに対して、第2BB状態においては約5.96分の1の確率で入賞し、2ベットゲームにおいても、第2BB状態のほうが通常遊技状態よりも入賞が発生し易くなるように設定されている。
但し、上記のとおり、第1BB状態や第2BB状態では、各ゲームでメダルが減少し得る抽選テーブルを採用していることから、第1BB状態や第2BB状態を消化しても持ちメダルの増加は期待できず、逆に、第1BB状態や第2BB状態を消化することで持ちメダルが減少することが想定される。
ボーナス状態処理において、ステップS515では、上記のBB状態用抽選テーブルによる抽選処理や各リール制御の結果として、今回のゲームでいずれかの小役入賞が成立したか否かを判定する。入賞が成立していない場合には、そのままボーナス状態処理を終了する。入賞が成立している場合には、ステップS516にて入賞に対応する払出数を上記各種カウンタエリア106eのBBカウンタから減算する処理を実行する。そして、ステップS517にて、ステップS516の減算処理の結果としてBBカウンタが0以下となったか否かを判定する。例えば、共通ベル当選となり、第1小役入賞〜第6小役入賞が成立すると13枚の払出が発生することから、ステップS516ではBBカウンタから13を減算する。
ステップS517にて0以下ではないと判定した場合は、そのままボーナス状態処理を終了する。一方、0以下であると判定した場合、ステップS518にて、現状のBB状態に対応するBB状態フラグをクリアする処理を行う。すなわち、第1BB状態であれば第1BB状態フラグをクリアし、第2BB状態であれば第2BB状態フラグをクリアする。そして、ステップS519にてMAXベットカウンタに2を入力する処理を実行し、ステップS520にて今回終了するBB状態に対応するBB終了コマンドを表示制御装置81への出力対象として設定する。より詳しくは、第1BB状態を終了する場合には第1BB終了コマンドを出力設定し、第2BB状態を終了する場合には第2BB終了コマンドを出力設定する。第1BB終了コマンド又は第2BB終了コマンドを受信した表示制御装置81は、第1BB終了用の演出や第2BB終了用の演出が行われるようにスピーカ64や補助表示部65を制御する。第1BB終了コマンドや第2BB終了コマンドを受信した場合の表示制御装置81側の処理については、後に詳細に説明する。
その後、ステップS521にて、規定ベット数を2と3に設定してから、本ボーナス状態処理を終了する。この場合、第1BB状態や第2BB状態の終了後の通常遊技状態においては、2ベットゲームと3ベットゲームとが可能となる。これに対して、上記のとおりステップS519にてMAXベットカウンタに2が入力されることから、第1クレジット投入スイッチ56の操作を行うと、2枚の仮想メダルの投入が行われ、2ベットゲームにてゲームが行われるようになる。つまり、第1BB当選フラグや第2BB当選フラグのいずれもがセットされていない状況においては、2ベットゲームにてゲームが行われ易くなるように設定されている。ちなみに、第1BB状態や第2BB状態の終了後においては、MAXベットカウンタに2が入力されることから第1クレジット投入スイッチ56や第2クレジット投入スイッチ57の操作では3枚ベットができず、3ベットゲームを行うためにはメダル投入口45からメダルを3枚投入する必要がある。
ここで、本スロットマシン10において、2ベットゲームと3ベットゲームとを利用した遊技性について、図26を参照しながら簡単に説明する。
第1BB当選フラグや第2BB当選フラグがセットされておらず、いずれのBBにも当選してない通常遊技状態は、所謂非内部状態と称される状態である。この場合、上記のとおり、規定ベット数(ゲームの規定枚数)は2枚と3枚が設定されており、2ベットゲームと3ベットゲームとが可能である。但し、MAXベットカウンタは上記のとおり2が入力され、第1クレジット投入スイッチ56を操作して遊技を開始する場合には2ベットゲームとなる。
非内部状態において、3ベットゲームでは第1BBには当選し得る一方、第2BBには当選せず、2ベットゲームでは第2BBには当選し得る一方、第1BBには当選しない。上記のように第1クレジット投入スイッチ56を操作する遊技においては、基本的には2ベットゲームにおいて第2BBの当選が生じ得る。
第1BBや第2BBに当選し、その当選ゲームにおいて入賞が成立しなかった場合には、第1BB当選や第2BB当選を持ち越した内部状態(持ち越し状態)となる。内部状態においても、上記のとおり、規定ベット数(ゲームの規定枚数)は2枚と3枚が設定されており、2ベットゲームと3ベットゲームとが可能である。但し、MAXベットカウンタは上記のとおり3が入力され、第1クレジット投入スイッチ56を操作して遊技を開始する場合には3ベットゲームとなる。
既に説明した通り、本スロットマシン10では、第1BBに当選している内部状態においては、3ベットゲームでは第1BB入賞が成立し得る一方、2ベットゲームでは第1BB入賞が成立しないように各リール32L,32M,32Rの停止制御が行われる。また、第2BBに当選している内部状態においては、3ベットゲームでは第2BB入賞が成立しない一方、2ベットゲームでは第2BB入賞が成立し得るように各リール32L,32M,32Rの停止制御が行われる。つまり、3ベットゲームにおいて第1BBに当選した場合に、そのまま3ベットゲームを継続すれば第1BB入賞を成立させることができるものの、第1BBに当選後、2ベットゲームに切り替えると、当該第1BB入賞を成立させることができない。また、2ベットゲームにおいて第2BBに当選した場合に、そのまま2ベットゲームを継続すれば第2BB入賞を成立させることができるものの、第2BBに当選後、3ベットゲームに切り替えると、当該第2BB入賞を成立させることができない。そして、第1BBや第2BBは重複して当選することはなく、第1BB当選を持ち越している状況で再度第1BBに当選することはないし、第2BBに重複して当選することもない。また、第2BB当選を持ち越している状況で再度第2BBに当選することはないし、第1BBに重複して当選することもない。つまり、第1BBに当選した場合に2ベットゲームで遊技を行うと、第1BB当選を持ち越している内部状態での遊技が延々と継続し、第2BBに当選した場合に3ベットゲームで遊技を行うと、第2BB当選を持ち越している内部状態での遊技が延々と継続することになる。
ここで、上記のように第1BB入賞が3ベットゲームにおいてのみ成立するようにし、第2BB入賞が2ベットゲームにおいてのみ成立するようにしていることから、第2BB当選を持ち越している状況での3ベットゲームでいずれの役にも当選しない外れ結果となった場合であっても第2BB入賞が成立することはないし、第1BB当選を持ち越している状況での2ベットゲームで外れ結果となった場合であっても第1BB入賞が成立することはない。このようにすることで、第1BB当選や第2BB当選を持ち越している内部状態における役構成や各リール32L,32M,32Rの制御を劇的に簡素化することが可能となる。仮に、3ベットゲームにおいて第2BB入賞が成立し得る構成であったり、2ベットゲームにおいて第1BB入賞が成立し得る構成であったりすると、その第1BB当選や第2BB当選を持ち越している内部状態を継続させようとする場合、外れ結果とならないような抽選テーブルとする必要が生じるし、例えば取りこぼしが生じ得る役において、その取りこぼし時に別の役に入賞させる必要が生じるからである。
また、第1BB状態や第2BB状態においては、メダル増加のメインとなる役はいずれも共通ベルである。また、非内部状態や内部状態において、2ベットゲームでのメダル増加のメインとなる役は共通ベルであるのに対して、3ベットゲームでのメダル増加のメインとなる役は押し順ベルである。共通ベルについては、各ストップスイッチ42〜44の操作順序や操作タイミングに関わらず第1小役〜第6小役のいずれかの入賞が成立するものであるのに対して、押し順ベルについては、各ストップスイッチ42〜44の操作順序や操作タイミングによって入賞する小役が異なる。つまり、第1BB状態や第2BB状態よりも、3ベットゲームでの非内部状態や内部状態の方が、押し順ベル当選時の操作順序や操作タイミング(主に操作順序)によるメダル増減の振れ幅は大きい。そして、例えば、押し順ベル当選時に第1小役入賞〜第6小役入賞となる操作順序(図25)の報知等を行うことで、入賞をアシストするATモード(アシストタイムモード、ナビモード)と行わない非ATモード(非ナビモード)とを切り替えることで、その報知(アシスト)の有無によってメダルが増加する状態とメダルが減少する状態とを創出することも可能となる。
第1クレジット投入スイッチ56を操作する遊技の基本的な流れとしては、先ず、非内部状態において、2ベットゲームにて遊技が行われ、その2ベットゲームにて第2BBに当選する。第2BBに当選すると、内部状態となり、3ベットゲームに切り替わり、上記当選した第2BB入賞を成立させることができない状態のまま遊技が進行する。この場合、上記のように、第2BB当選を持ち越した3ベットゲームにおいては、第1BBに当選となることもないし第2BB入賞となることもなく、第2BB当選が持ち越される内部状態での遊技が継続されることになる。
以下、第2BB当選を持ち越した状態での遊技を前提とし、その遊技(以下の説明では、通常遊技とも称する)での押し順ベル当選時の報知(押し順報知)等を利用した遊技性を説明する。
<抽選結果対応処理>
先ず、図27のフローチャートを参照しながら、ステップS310にて実施される抽選結果対応処理について説明する。抽選結果対応処理は、各ゲームの抽選処理が行われた後に実施される処理であり、ゲームの抽選結果に基づいて押し順報知が発生するATモードへの移行抽選等を行う処理である。
先ず、ステップS601〜ステップS603では、今回開始するゲームのベット数を把握する処理を実行する。すなわち、ステップS601では、第1BB状態フラグ及び第2BB状態フラグのいずれかのフラグがセットされているか否かを把握して、今回開始するゲームがいずれかのBB状態であるか否かの判定を行う。BB状態ではない場合には、ステップS602にてベット数が3であるか否かを判定する。また、BB状態である場合には、ステップS603にてベット数が2であるか否かを判定する。既に説明した通り、第1BBや第2BBの当選前の非内部状態や、第1BBや第2BB当選後の内部状態においては規定ベット数として2と3が設定されており、第1BB状態や第2BB状態においては規定ベット数として3が設定されている。ステップS602やステップS603の処理は、今回のゲームのベット数が、遊技状態に対応付けられて規定(設定)されている一の特定規定数(特定設定数)であるか否かを判定する処理であり、当該特定規定数はない場合には、ステップS604以降の表示モード用の処理(指示機能用の処理)を行うことなく抽選結果対応処理を終了する。
すなわち、非内部状態や内部状態においては、3ベットゲームでは表示モード用の処理は実行される一方、2ベットゲームでは表示モード用の処理は実行されない。また、第1BB状態や第2BB状態においては、規定ベット数として3が設定されていることから、2ベットゲームは実行されず、第1BB状態や第2BB状態では表示モード用の処理は実行されない。
つまり、本実施形態では、仮に内部状態が2ベットゲームにて遊技された場合、ステップS604以降のATモードへの移行抽選等が行われずに遊技者にとって不利となる構成としている。このようにすることで、内部状態を3ベットゲームにて遊技させ、第2BBを持ち越す通常遊技を行わせ易くすることができる。
ステップS602又はステップS603にて肯定判定した場合、ステップS604にて、各種フラグ格納エリア106dに有利区間フラグがセットされているか否かを判定する。本スロットマシン10では、押し順報知等の発生の有無について、当該押し順報知等が発生し得る有利区間と、発生し得ない通常区間とが設定されている。有利区間フラグは、今回のゲームが有利区間であることをCPU102が把握するためのフラグであり、有利区間へ移行することに基づいてセットされ、通常区間に移行することに基づいてクリアされる。
有利区間フラグがセットされていない場合、今回のゲームが通常区間であることを意味し、この場合、ステップS605にて有利区間移行抽選処理を実行してから、抽選結果対応処理を終了する。
有利区間移行抽選処理では、図28のフローチャートに示すように、ステップS701にて今回のゲームの抽選結果を把握する。そしてステップS702にて、ROM105の各種テーブル記憶エリア105aから有利区間移行抽選テーブルを取得する。有利区間移行抽選テーブルは、図30に示すように、各ゲームの抽選結果に応じて、有利区間への移行率(有利区間移行抽選の当選確率)が設定されている。有利区間への移行抽選の契機役としては、図30にも示すように、通常リプA、通常リプB、通常リプC、チャンス目A、チャンス目B、チャンス目C、チェリーA、チェリーB、チェリーC、共通ベル、押し順ベル、スイカが設定されている。すなわち、第2BBを持ち越している3ベットゲームとしての通常遊技において、当選し得る全ての結果が有利区間への移行抽選の契機役として設定されている。
ステップS702にて抽選テーブルを取得した後は、ステップS703にて有利区間移行抽選用の乱数を取得する処理を実行する。有利区間移行抽選用の乱数は、各種カウンタエリア106eの専用のカウンタが用いられ、当該専用のカウンタは所定周期で更新され、ステップS703ではそのカウンタのうち最新の更新値を取得する。そして、ステップS704にて有利区間移行抽選を実行し、ステップS705にて、移行抽選に当選したか否かを判定する。ちなみに、本実施形態では、いずれの契機役であっても100%の確率で有利区間移行抽選に当選するように抽選テーブルが設定されている。この場合、ステップS701にて把握したゲームの結果が、移行抽選の契機役である(外れ結果ではない)と判定した場合、ステップS702〜ステップS705の処理を省略することも可能である。
ステップS705にて移行抽選に当選していると判定した場合、ステップS706にて、各種フラグ格納エリア106dに有利区間当選ゲームフラグをセットする処理を実行する。有利区間当選ゲームフラグは、今回のゲームで有利区間への移行抽選に当選したゲームであることをCPU102が把握するためのフラグである。ステップS705にて否定判定した場合、又はステップS706の処理を実行した後は、有利区間移行抽選処理を終了する。
抽選結果対応処理の説明に戻り、ステップS604にて有利区間フラグがセットされていると判定した場合、ステップS606に進む。ステップS606では、各種フラグ格納エリア106dに第1ATモードフラグ又は第2ATモードフラグがセットされているか否かを判定する。ここで、本実施形態では、ATモードとして上乗せ当選確率が異なる第1ATモードと第2ATモードとが設定されており、第1ATモードフラグや第2ATモードフラグは、ATモードであることと、その種類をCPU102が把握するためのフラグであって、ATモード移行時にセットされるフラグである。ステップS606にていずれのATモードフラグもセットされていない場合には、ステップS607にてAT抽選用処理を実行する。一方、ステップS606にていずれかのフラグがセットされている場合、ステップS608にてAT上乗せ用処理を実行する。
<AT抽選用処理>
先ず、ステップS607のAT抽選用処理について図29のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS801では、今回のゲームの抽選結果を把握する処理を実行する。そして、ステップS802では、各種フラグ格納エリア106dに第1モードフラグがセットされているか否かを判定することで、ATモードへの移行抽選の抽選モードを把握する。すなわち、本実施形態では、ATモード移行抽選の当選確率が異なる抽選モードとして第1モードと第2モードとが設定されており、第1モードよりも第2モードの方がATモード移行抽選にて当選し易くなるように設定されている。上記の第1モードフラグは、ATモード移行抽選の抽選モードが第1モードであることをCPU102が把握するためのフラグである。
ステップS802にて第1モードフラグがセットされている場合には、ステップS803にて、各種テーブル記憶エリア105aから第2モード移行抽選テーブルを取得する処理を実行する。一方、ステップS802にて第1モードフラグがセットされていない場合には、ステップS804にて第1モード移行抽選テーブルを取得する処理を実行する。第2モード移行抽選テーブルは、第1モードから第2モードへ移行させるか否かのAT抽選モード移行抽選にて用いられるテーブルであり、第1モード移行抽選テーブルは、第2モードから第1モードへ移行させるか否かのAT抽選モード移行抽選にて用いられるテーブルである。
これら第2モード移行抽選テーブルと第1モード移行抽選テーブルとは、図30に示すように、各ゲームの抽選結果に応じて、滞在しているモードから別のモードへの移行率(AT抽選モード移行抽選の当選確率)が設定されている。第1モードから第2モードへの移行抽選の契機役としては、図30にも示すように、通常リプA、通常リプB、通常リプC、チャンス目A、チャンス目B、チャンス目C、チェリーA、チェリーB、チェリーC、スイカが設定されている。そして、第2モードへの移行抽選においては、基本的には、チャンス目A、チャンス目B、チャンス目C、チェリーA、チェリーB、チェリーC、スイカといった所謂レア役と称される特定役を契機とする移行抽選にて当選し易くなるように設定されている。例えば、通常リプA〜通常リプCを契機とする移行抽選では1%の確率で当選するのに対して、チェリーAを契機とする移行抽選では10%の確率で当選するように設定されている。これに対して、第2モードから第1モードへの移行抽選の契機役としては、図30に示すように、通常リプA、通常リプB、通常リプCが設定されており、特定役は第1モードへの移行抽選の契機役として設定されていない。
ステップS803又はステップS804にて各モード移行抽選テーブルを取得した後は、ステップS805にてAT抽選モード移行抽選処理を実行する。そして、ステップS806にてAT抽選モード移行抽選にて当選したか否かを判定する。当選している場合、ステップS807にて第1モードフラグがセットされているか否かを判定する。
第1モードフラグがセットされており、第1モードから第2モードへの移行抽選に当選した場合、ステップS808にて、第1モードフラグをクリアする処理を実行する。これにより、ATモード移行抽選の抽選モードが第1モードから第2モードに移行する。そして、ステップS809にて第2モード移行コマンドをセットする処理を実行する。第2モード移行コマンドは、ATモード移行抽選の抽選モードが第1モードから第2モードに移行したことを表示制御装置81へ把握させるためのコマンドである。第2モード移行コマンドを受信した表示制御装置81側の処理については、後に詳細に説明する。
ステップS807にて第1モードフラグがセットされておらず、第2モードから第1モードへの移行抽選に当選した場合、ステップS810にて、第1モードフラグをセットする処理を実行する。これにより、ATモード移行抽選の抽選モードが第2モードから第1モードに移行する。そして、ステップS811にて第1モード移行コマンドをセットする処理を実行する。第1モード移行コマンドは、ATモード移行抽選の抽選モードが第2モードから第1モードに移行したことを表示制御装置81へ把握させるためのコマンドである。第1モード移行コマンドを受信した表示制御装置81側の処理については、後に詳細に説明する。
ステップS806にて否定判定した場合、又はステップS809若しくはステップS811の処理を実行した後は、ステップS812に進む。ステップS812では、各種フラグ格納エリア106dに抽選契機フラグがセットされているか否かを判定する。抽選契機フラグは、ATモードへの移行抽選を実行する特定契機が生じたことをCPU102が把握するためのフラグである。本実施形態では、有利区間への移行が生じてから所定数のゲームが実行された場合に上記の特定契機が生じる構成としており、より具体的には、有利区間への移行が生じてから50ゲームが実行されると抽選契機フラグがセットされる構成としている。
ステップS812にて抽選契機フラグがセットされていない場合には、ステップS813にて各種テーブル記憶エリア105aから非契機ATモード移行抽選テーブルを取得する処理を実行する。抽選契機フラグがセットされている場合には、ステップS814にて第1モードフラグがセットされているか否かを判定し、第1モードフラグがセットされている場合には、ステップS815にて各種テーブル記憶エリア105aから第1用ATモード移行抽選テーブルを取得する処理を実行する。第1モードフラグがセットされていない場合には、ステップS816にて各種テーブル記憶エリア105aから第2用ATモード移行抽選テーブルを取得する処理を実行する。
非契機ATモード移行抽選テーブルは、図30に示すように、ゲームの抽選結果に応じて、ATモード移行抽選の当選確率が設定されている。これに対して、第1用ATモード移行抽選テーブルと第2用ATモード移行抽選テーブルとは、ゲームの抽選結果に関わらず、ATモード移行抽選の当選確率が設定されている。より詳しくは、非契機ATモード移行抽選テーブルでは、ATモード移行抽選の契機役として上記の特定役が設定されており、例えば通常リプA〜通常リプCといった特定役以外の抽選結果である場合には、ATモード移行抽選が実行されない。また、第1用ATモード移行抽選テーブルでは、ゲームの抽選結果に関わらず10%の確率でATモード移行抽選に当選し、第2用ATモード移行抽選テーブルでは、ゲームの抽選結果に関わらず60%の確率でATモード移行抽選に当選し、第2用ATモード移行抽選テーブルを用いた場合の方が、第1用ATモード移行抽選テーブルを用いた場合よりも、ATモード移行抽選に当選し易くなるように設定されている。
各ATモード移行抽選テーブルについてより詳しくは、非契機ATモード移行抽選テーブルでは、上記のように特定役を契機役としてATモード移行抽選を実行する一方、第1用ATモード移行抽選テーブルや第2ATモード移行抽選テーブルでは、ゲームの抽選結果に関わらずATモード移行抽選を実行するところ、各ゲームの抽選結果の割合を考慮したATモード移行抽選に当選するトータルの確率は、非契機ATモード移行抽選テーブルが最も当選しにくく、第2用ATモード移行抽選テーブルが最も当選し易くなるように設定されている。但し、例えば、ゲームの抽選結果がチェリーCである場合には、非契機ATモード移行抽選テーブルでは100%の確率で当選するものの、第1用ATモード移行抽選テーブルや第2用ATモード移行抽選テーブルでは当選しない場合もあるように設定されており、ゲームの抽選結果によっては、非契機ATモード移行抽選テーブルを用いた方が当選し易い場合もあるように設定されている。
ステップS813、ステップS815又はステップS816にてATモード移行抽選テーブルを取得した後は、ステップS817にてATモード移行抽選を実行する。そして、ステップS818にてATモード移行抽選に当選したか否かの判定を実行する。ATモード移行抽選に当選している場合、ステップS819にてATモード当選フラグをセットする処理を実行する。ステップS819の処理を実行した後は、ステップS820にてAT当選報知コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本AT抽選用処理を終了する。
ステップS818にてATモード移行抽選に非当選であると判定した場合、ステップS821に進む。ステップS821では、抽選契機フラグがセットされているか否かを判定し、今回のATモード移行抽選が特定契機に基づく抽選であったか否かを判定する。特定契機に基づくATモード移行抽選であった場合、ステップS822にて抽選契機フラグをクリアする処理を実行し、ステップS823にて各種フラグ格納エリア106dに契機非当選フラグをセットする処理を実行する。契機非当選フラグは、特定契機に基づくATモード移行抽選にて非当選であったことをCPU102が把握するためのフラグである。その後、ステップS824にて契機非当選コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本AT抽選用処理を終了する。契機非当選コマンドは、特定契機に基づくATモード移行抽選にて非当選であったことを表示制御装置81へ把握させるためのコマンドであり、当該契機非当選コマンドを受信した場合の表示制御装置81側の処理については、後に詳細に説明する。また、ステップS821にて特定契機に基づくATモード移行抽選ではない場合には、そのままAT抽選用処理を終了する。
<AT上乗せ用処理>
次に、ステップS608にて実行されるAT上乗せ用処理について、図31のフローチャートを参照しながら説明する。既に説明した通り、AT上乗せ用処理は、いずれかのATモードフラグがセットされている状況で実行される処理であり、ATモードの継続ゲーム数の上乗せを行うための処理である。
AT上乗せ用処理では、先ずステップS901にて、今回のゲームの抽選結果を把握する。そして、ステップS902にて、各種テーブル記憶エリア105aから上乗せ抽選テーブルを取得する処理を実行する。
上記のように、本実施形態では上乗せ当選確率の異なる第1ATモードと第2ATモードとが設定されており、第1ATモードよりも第2ATモードの方が上乗せ当選率が高くなるように設定されている。より詳しくは、図32に示すように、上乗せ抽選テーブルでは、ゲームの抽選結果と、ATモードの種類と、に応じて上乗せ当選率が設定されており、例えば、チェリーAを契機とする上乗せ抽選においては、第1ATモードでは5%の確率で上乗せ抽選に当選する一方、第2ATモードでは10%の確率で上乗せ抽選に当選するように設定されている。
ステップS903では上乗せ抽選を実行し、ステップS904にて上乗せ抽選に当選したか否かの判定を行う。上乗せ抽選に非当選であった場合には、そのままAT上乗せ用処理を終了する。上乗せ抽選に当選であった場合には、ステップS905にて上乗せゲーム数抽選処理を実行する。上乗せゲーム数抽選処理では、各種テーブル記憶エリア105aから上乗せゲーム数テーブルを取得し、今回の上乗せゲーム数を抽選により決定する。上乗せゲーム数テーブルは、図32に示すように、上乗せ契機となったゲームの抽選結果に応じて、上乗せゲーム数が異なるように設定されており、例えば、通常リプAを契機として上乗せが行われる場合には平均150ゲームの上乗せが発生する一方、チェリーAを契機として上乗せが行われる場合は平均15ゲームの上乗せが発生する、といったように、上乗せ抽選に当選しにくい契機にて上乗せが行われる場合の方が上乗せゲーム数が多くなるように設定されている。
ステップS905にて上乗せゲーム数抽選処理を実行した後は、ステップS906にて各種カウンタエリア106eに設けられたATカウンタに、今回の上乗せゲーム数を加算する処理を実行する。ATカウンタは、ATモードの残りゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタである。ステップS906の処理を実行した後は、ステップS907にて上乗せコマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、AT上乗せ用処理を終了する。上乗せコマンドを受信した表示制御装置81は、上乗せが行われたことに対応する上乗せ報知演出を補助表示部65やスピーカ64にて行うための処理を実行する。
<回転演出設定処理>
本実施形態では、いずれのATモードに移行するかについて、ATモード当選フラグがセットされてからATモードへ移行する前に決定される構成としている。より詳しくは、ATモード移行抽選に当選したゲームのリール回転開始時における回転演出処理にて決定される構成としている。回転演出処理はリール制御処理(図22)におけるステップS401にて実行される処理であり、抽選処理(図19)の後に実行される。
図33に示すように、ステップS1001では、抽選契機フラグ又は契機非当選フラグがセットされており、特定契機に基づくATモード移行抽選が行われたゲームであるか否かを判定する。いずれのフラグもセットされていない場合には、そのまま本回転演出処理を終了する。いずれかのフラグがセットされている場合、ステップS1002にて、抽選契機フラグがセットされているか否かを判定し、セットされている場合には、ステップS1003にて当該抽選契機フラグをクリアする。そして、ステップS1004にて、AT種別決定処理を実行する。AT種別決定処理では、例えば、設定値や前回のATモードの種別、有利区間中のメダル増加数や有利区間中のゲーム数等に応じて、又はランダムに今回のATモード種別を抽選により決定する。続くステップS1005では、ステップS1004の処理結果が第1ATモードであったか否かを判定する。今回のATモードが第1ATモードとして決定された場合には、ステップS1006にて第1ATモードフラグをセットする処理を実行し、続くステップS1007にて今回の回転演出として第1AT報知用回転演出を実行するように設定してから、回転演出処理を終了する。
第1AT報知用回転演出としては、例えば、図47(b1)に示すように、各リール32L,32M,32Rの回転が開始された後、図47(b2)に示すように、第1ATに対応する第1AT用図柄組合せとして、「白7」図柄が所定ライン(中ラインL2)に一時停止(停留停止)し、その後、図47(b4)に示すように、各リール32L,32M,32Rの回転が再開する演出が設定されている。なお、第1AT報知用回転演出は、ゲームが開始されてからストップスイッチ42〜44の操作が有効となるよりも前の無効期間中に実施される演出である。
ステップS1005にて、今回のATモードが第2ATモードとして決定された場合には、ステップS1008にて第2ATモードフラグをセットする処理を実行し、続くステップS1009にて今回の回転演出として第2AT報知用回転演出を実行するように設定してから、回転演出処理を終了する。
第2AT報知用回転演出としては、例えば、図47(b1)に示すように、各リール32L,32M,32Rの回転が開始された後、図47(b3)に示すように、第2ATに対応する第2AT用図柄組合せとして、「BAR」図柄が所定ライン(中ラインL2)に一時停止(停留停止)し、その後、図47(b4)に示すように、各リール32L,32M,32Rの回転が再開する演出が設定されている。なお、第2AT報知用回転演出は、ゲームが開始されてからストップスイッチ42〜44の操作が有効となるよりも前の無効期間中に実施される演出である。
ステップS1002にて抽選契機フラグがセットされておらず、今回の特定契機に基づくATモード移行抽選に非当選であった場合、ステップS1010にて今回の回転演出として外れ報知用回転演出を実行するように設定してから、回転演出処理を終了する。
外れ報知用回転演出としては、例えば、図47(b1)に示すように、各リール32L,32M,32Rの回転が開始された後、図47(b2)の第1AT用図柄組合せ、及び図47(b3)の第2AT用図柄組合せのいずれもを一時停止させることなく、例えば、所定ライン(中ラインL2)にばらけ目を一時停止させてから、その後、図47(b4)に示すように、各リール32L,32M,32Rの回転が再開する演出が設定されている。なお、外れ報知用回転演出は、ゲームが開始されてからストップスイッチ42〜44の操作が有効となるよりも前の無効期間中に実施される演出である。
つまり、本実施形態では、ATモード移行抽選に当選すると、そのゲームにて当該ATモード移行抽選に当選したことの報知が実行され、対応するATモードフラグがセットされてATモードへの移行が生じることになる。ATモードへの移行が生じると、押し順ベル当選時のストップスイッチ42〜44の操作順序の報知が行われ得るようになる。
そして、回転演出としてゲームの開始時に、各リール32L,32M,32Rに第1AT用図柄組合せが一時停止されることで第1ATモードへの移行が生じることが報知され、各リール32L,32M,32Rに第2AT用図柄組合せが一時停止されることで第2ATモードへの移行が生じることが報知される。この場合、補助表示部65では、例えば、図47(a)に示すように、「AT確定」といった文字表示を行う等、ATモード移行抽選に当選したことの報知を行う構成とするとよい。なお、当該補助表示部65での報知態様について、移行するATモードの種類に応じて異ならせてもよく、移行するATモードの種類に関わらず共通の報知態様としてもよい。
ストップスイッチ42〜44の操作順序の報知は、抽選結果対応処理(図27)における、ステップS609〜ステップS612の処理にて実行される。すなわち、ステップS607又はステップS608の処理にてAT抽選用処理やAT上乗せ用処理を実行した後は、ステップS609〜ステップS612にて押し順報知用の処理を実行する。
<押し順報知の概要>
ステップS609〜ステップS612にて実行される押し順報知用の処理の説明に先立って、指示モニタ68にて実行される押し順報知や、補助表示部65にて実行される押し順報知演出の概要について説明する。なお、押し順報知や押し順報知演出は、例えば、押し順ナビ、順序報知や態様報知とも称することが可能である。指示モニタ68は主制御装置101に接続されており、主制御装置101により押し順報知が行われる。これに対して、補助表示部65は表示制御装置81に接続されており、表示制御装置81により押し順報知演出が行われる。
先ず、この指示モニタ68の構成について、図34を参照しながら説明する。図34(a)は、指示モニタ68の正面図であり、図34(b)は、指示モニタ68の表示態様と表示内容との関係を説明するための図である。
図34(a)に示すように、指示モニタ68には8個の表示用セグメントN1〜N8が設けられている。各表示用セグメントN1〜N8は、LEDからなる個別の光源を有しており、それら個別の光源がオンオフ制御されることで、任意の1個の表示用セグメントのみを点灯させることができるとともに、任意の組み合わせの表示用セグメントを点灯させることができる。これにより、指示モニタ68では、それぞれ個別に所定の記号(アルファベットや数字を含む)が表示されるようになっている。なお、上記個別の光源はいずれも同一色の光を照射するものであるため、各表示用セグメントN1〜N8においてはいずれも同一の色が表示されることとなる。
各表示用セグメントN1〜N8について詳細には、第1表示用セグメントN1〜第7表示用セグメントN7は、いずれも直線状の表示用セグメントであり、これら第1表示用セグメントN1〜第7表示用セグメントN7は、数字の「1」〜「6」を少なくとも表示することができるように配置されている。また、第8表示用セグメントN8は、円形状の表示用セグメントであり、第1表示用セグメントN1〜第7表示用セグメントN7が設けられた領域の右下部分の横方に配置されている。したがって、指示モニタ68では、「1」〜「6」と、「1.」〜「6.」と、「 .」と、を少なくとも表示することができる。
なお、指示モニタ68において、複数パターンの記号をそれぞれ個別に表示することが可能であれば、各表示用セグメントN1〜N8の形状や配置態様は任意であり、さらには8個のセグメントではなく7個のセグメント、又は9個のセグメント等を用いる構成としてもよい。また、各表示用セグメントN1〜N8において表示される色が同一であることは必須ではなく、各表示用セグメントN1〜N8において表示される色が適宜変更可能となる構成としてもよい。また、光源をオンオフ制御することで、各表示用セグメントN1〜N8の点灯又は消灯を制御する構成は必須のものではなく、各表示用セグメントN1〜N8において個別に表示制御が行えるのであれば、単一のバックライトと液晶ディスプレイとによりセグメント表示器を構成してもよい。さらには、各表示領域に対してセグメント表示を適用するのではなく、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT、ドットマトリックス等その他のタイプの表示装置によって記号を表示する構成としてもよい。
第1表示用セグメントN1〜第7表示用セグメントN7は、押し順役の操作順序の報知に用いられる表示用セグメントである。例えば、図34(b)に示すように、各ストップスイッチ42〜44の操作順序として「左」→「中」→「右」の順で停止操作を行うことにより遊技者にとって有利な入賞態様となる場合、第6表示用セグメントN6及び第7表示用セグメントN7が点灯表示されて「1」が表示される。また、各ストップスイッチ42〜44の操作順序として「右」→「左」→「中」の順で停止操作を行うことにより遊技者にとって有利な入賞態様となる場合、第1表示用セグメントN1、第2表示用セグメントN2、第3表示用セグメントN3、第5表示用セグメントN5及び第6表示用セグメントN6が点灯表示されて「5」が表示される。つまり、各表示用セグメントN1〜N7にて表示される数字(記号)は、ストップスイッチ42〜44の操作順序と1対1で対応付けられており、表示用セグメントN1〜N7にて表示される数字(記号)に基づいて、ストップスイッチ42〜44を停止操作することで、遊技者にとって有利な態様にて入賞させることが可能となる。
第8表示用セグメントN8は、有利区間に移行し、押し順報知が発生し得る状況となる報知条件を含む所定の開始条件が成立した場合に、その開始条件が成立したゲームにて点灯される。また、ATモードが終了して有利区間から通常区間へ移行する場合に消灯される。
つまり、押し順ベル等の操作順序が報知され易くなることによって遊技者にとって有利な態様にて入賞させ易くなる区間を有利区間(特定遊技状態、特定モード)とし、第8表示用セグメントN8は、当該有利区間において、実際に押し順報知による恩恵が得られるようになる特定区間中は点灯し、有利区間ではない通常区間や、有利区間であっても特定区間ではない非特定区間中は消灯する区間表示器(特定報知手段)をなすものである。
既に説明したとおり、押し順表示器としての第1表示用セグメントN1〜第7表示用セグメントN7、及び区間表示器としての第8表示用セグメントN8を有する指示モニタ68は、遊技パネル25において払出枚数表示部62の側方付近に配置されている。つまり、指示モニタ68は、遊技者が操作するストップスイッチ42〜44等よりも上方に配置されており、言い換えると、ストップスイッチ42〜44等が設けられている位置よりも下方において遊技機前面部である化粧パネルに配置されていない。そのため、ストップスイッチ42〜44等を操作する手等によって、第8表示用セグメントN8が隠されることが抑制され、遊技者が視認し易い位置に配置されているといえる。また、メダルの獲得を目指して遊技を進行させる遊技者が注視し易い払出枚数表示部62の近くに配置されていることからしても、遊技者による見逃しが抑制されているといえる。
さらに、指示モニタ68において特に第8表示用セグメントN8は、周囲の表示部(例えば払出枚数表示部62や、遊技パネル25のバックライト)の明度よりも高い明度となるように(より詳しくは、周囲の表示部の明度の2倍の明度となるように)、対応するLEDの明度が定められている。そのため、第8表示用セグメントN8と周囲の表示部とがいずれも発光制御されている場合(点灯状態となっている場合)であっても、第8表示用セグメントN8が一際目立つようになっている。遊技機前方に向けた照度についても、第8表示用セグメントN8の方が周囲の表示部より、遊技機前方に向けた照度が高くなるように(より詳しくは、周囲の表示部の照度の2倍の照度となるように)、対応するLEDの照度が定められている。このような構成からも、第8表示用セグメントN8の視認性が向上されており、当該第8表示用セグメントN8が点灯状態となった場合の見逃しが抑制されている。
次に、補助表示部65にて行われる押し順報知演出について、図35を参照しながら説明する。ここでは、今回報知する操作順序が、中→右→左である場合の押し順役に当選している場合を例として、補助表示部65での押し順報知演出を説明する。
図35(a)に示すとおり、補助表示部65では、ストップスイッチ42〜44に対応して3つ並列したボタン表示のうち、最初に操作すべきストップスイッチに対応するボタン表示(図では中ストップスイッチ43に対応する真ん中のボタン表示)に数字の1が付されて、他のボタン表示よりも大きく表示される。また、各ボタン表示は、当選役に対応する色(ベルなら黄色、再遊技なら青色等)にて表示される。これにより、遊技者は、今回のゲームにて当選している役と、最初に操作すべきストップスイッチが中ストップスイッチ43であることを認識することができる。また、補助表示部65では、次に操作すべきストップスイッチが右ストップスイッチ44であり、最後に操作すべきストップスイッチが左ストップスイッチ42であることを示すように、右のボタン表示に数字の2が付されて表示され、左のボタン表示に数字の3が付されて表示される。
遊技者が中ストップスイッチ43を操作すると、図35(b)に示すように、補助表示部65では、中ストップスイッチ43に対応する真ん中のボタン表示が消え、右ストップスイッチ44に対応する右のボタン表示が大きく表示される。これにより、遊技者は、中ストップスイッチ43の操作が完了したこと、及び、次に操作すべきストップスイッチが右ストップスイッチ44であることを確認することができる。
遊技者が右ストップスイッチ44を操作すると、図35(c)に示すように、補助表示部65では、右ストップスイッチ44に対応する右のボタン表示が消え、左ストップスイッチ42に対応する左のボタン表示が大きく表示される。これにより、遊技者は、右ストップスイッチ44の操作が完了したこと、及び、次に操作すべきストップスイッチが左ストップスイッチ42であることを確認することができる。
押し順報知の実行タイミングについて説明すると、各リール32L,32M,32Rの回転が開始されてから、加速期間を経て定速回転に至るまでのストップスイッチ42〜44の無効期間中に、押し順報知が実行されるように設定されている。このようにストップスイッチ42〜44の操作が有効となるよりも前のタイミングで押し順報知を実行する構成とすることで、ストップスイッチ42〜44の操作順序を認識したうえでストップスイッチ42〜44の操作に望ませることが可能となり、テンポ良く遊技を進行させることができる。
ステップS609〜ステップS612における押し順報知用の処理の説明を行う。
すなわち、ステップS609では、今回のゲームの抽選結果が押し順ベル当選であったか否かを判定する。押し順ベル当選である場合、ステップS610にて、第1ATモードフラグ又は第2ATモードフラグがセットされているか否かを判定する。いずれかのATモードフラグがセットされている場合、ステップS611にて今回の押し順ベルの種類に応じて第1小役入賞〜第6小役入賞に対応する押し順報知が行われるように指示モニタ68を制御する。そして、ステップS612にて、第1小役入賞〜第6小役入賞に対応する操作順序の情報を含む押し順報知コマンドを、表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本押し順報知用処理を終了する。この押し順報知コマンドを受信した表示制御装置81では、第1小役入賞〜第6小役入賞に対応する押し順報知演出が行われるように補助表示部65やスピーカ64を制御する。
ステップS609にて押し順ベル当選ではない場合、又はステップS610にていずれのATモードフラグもセットされていない場合には、そのまま抽選結果対応処理を終了する。
<入賞結果対応処理>
次に、リール制御処理におけるステップS415にて実施される入賞結果対応処理について、図36のフローチャートを参照しながら説明する。入賞結果対応処理では、ゲームの遊技結果に応じて、ATモードを開始させたり終了させたりするための処理を行う。
先ずステップS1101にて、第1BB状態フラグ及び第2BB状態フラグのいずれかのフラグがセットされているか否かを把握して、今回開始するゲームがいずれかのBB状態であるか否かの判定を行う。BB状態ではない場合には、ステップS1102にてベット数が3であるか否かを判定する。また、BB状態である場合には、ステップS1103にてベット数が2であるか否かを判定する。すなわち、ステップS1101〜ステップS1103の処理は、上記ステップS601〜ステップS603の処理に対応する処理であり、遊技状態に対応付けられて規定されている一の特定規定数であるか否かを判定する処理である。特定規定数ではない場合には、ステップS1104以降の表示モード用の処理(指示機能用の処理)を行うことなく入賞結果対応処理を終了する。
ステップS1102又はステップS1103にて肯定判定し、ベット数が特定規定数である場合には、ステップS1104に進む。ステップS1104では、ATモード当選フラグがセットされているか否かを判定する。ATモード当選フラグがセットされている場合とは、今回のゲームの開始時に当該ATモード当選フラグがセットされた場合である。この場合、ステップS1105にてATモード当選フラグをクリアする処理を実行してから、ステップS1106にて、各種カウンタエリア106eに設けられたATカウンタに「50」を入力する処理を実行する。ATカウンタは、ATモードの残りゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタであり、ATモード中において1ゲーム消化する度に1ずつ減算されるカウンタである。すなわち、第1ATモードと第2ATモードとは、上乗せ当選率は異なる一方、移行時に設定される初期ゲーム数は共通している。
ステップS1104にてATモード当選フラグがセットされていない場合、又はステップS1106の処理を実行した後は、ステップS1107に進む。ステップS1107では、いずれかのATモードフラグがセットされているか否かを判定する。いずれかのATモードフラグがセットされている場合、ステップS1108にてATカウンタを1減算する処理を実行する。そして、ステップS1109にてATカウンタが0となったか否かを判定し、0となった場合には、ステップS1110にてATモードフラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップS1111にて各種フラグ格納エリア106dにATモード終了フラグをセットする処理を実行する。ATモード終了フラグは、ATモードが終了したことをCPU102が把握するためのフラグである。その後、ステップS1112にてAT終了コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、入賞結果対応処理を終了する。AT終了コマンドを受信した表示制御装置81側の処理については、後に詳細に説明する。ステップS1107にていずれのATモードフラグもセットされていない場合や、ステップS1109にてATカウンタが0ではない場合には、そのまま入賞結果対応処理を終了する。
<有利区間の管理>
次に、区間表示器としての第8表示用セグメントN8を制御したり、有利区間へ移行させたり有利区間を終了させるための、区間表示第1処理、及び区間表示第2処理について説明する。
<区間表示第1処理>
先ず、区間表示第1処理について、図37を参照しながら説明する。区間表示第1処理は、抽選処理(図19)におけるステップS314にて実施される処理であり、スタートレバー41の操作に基づいて当該ゲームの抽選結果が決定されるとともに、当該抽選結果に基づいて表示モードの移行抽選等(抽選結果対応処理)が行われた後に実施される。
ステップS1201では、区間表示器としての第8表示用セグメントN8が表示中であるか否か、より詳しくは、第8表示用セグメントN8を点灯中か否かを判定する。既に説明した通り、第8表示用セグメントN8を点灯中である場合とは、有利区間のうち、少なくとも押し順報知が発生し得る報知条件が成立している特定区間である場合を示している。ステップS1201にて否定判定し、第8表示用セグメントN8を消灯中であると判定した場合、ステップS1202に進む。
ステップS1202では、各種フラグ格納エリア106dに有利区間フラグがセットされているか否かを判定する。有利区間フラグがセットされていない場合、ステップS1203にて、有利区間当選ゲームフラグがセットされているか否かを判定する。有利区間当選ゲームフラグは、有利区間移行抽選処理において有利区間移行抽選に当選した場合にセットされるフラグであり、その当選ゲームであることをCPU102が特定するためのフラグである。有利区間当選ゲームフラグがセットされている場合、ステップS1204にて有利区間当選ゲームフラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップS1205にて有利区間フラグをセットする処理を実行する。
ステップS1206では、有利区間中のゲーム数のカウント、より詳しくは、各種カウンタエリア106eの有利区間ゲーム数AGの計測を開始する処理を行う。有利区間ゲーム数AGは、有利区間の実行ゲーム数を把握する把握手段に相当するものである。そして、ステップS1207にて、有利区間移行ゲーム用処理を実行する。有利区間移行ゲーム用処理では、今回移行させる有利区間の設定として、例えば、ATモードの天井ゲーム数の設定等を行う。
ステップS1207の有利区間移行ゲーム用処理を実行した後、又はステップS1202にて有利区間フラグがセットされていると判定した場合、ステップS1203にて、有利区間当選ゲームフラグがセットされていないと判定した場合、ステップS1208に進む。ステップS1208では、いずれかのATモードフラグがセットされており、区間表示器の表示開始条件が成立している状況か否かの判定を行う。いずれかのATモードフラグがセットされている場合には、ステップS1209にて、第8表示用セグメントN8を点灯させることにより区間表示器の表示を開始する。
ステップS1201にて区間表示器としての第8表示用セグメントN8を表示中であると判定した場合、ステップS1210にて、有利区間中の表示を継続する処理を実行する。ステップS1210について具体的には、第8表示用セグメントN8が点灯状態である状況を継続させるための処理を行う。すなわち、区間表示器の表示を終了するための処理は、本区間表示第1処理では実施しない。
ステップS1208にていずれのATモードフラグもセットされていないと判定した場合は、ステップS1211に進む。ステップS1211では、各種カウンタエリア106eに設けらた役比第1カウンタに1を加算する処理を実行する。役比第1カウンタは、押し順報知が発生しないゲーム数、すなわち、通常区間と非特定区間のゲーム数をカウントするためのカウンタである。
また、ステップS1209にて区間表示器の表示開始処理を実行した後と、ステップS1210の表示継続処理を実行した後は、ステップS1212に進む。ステップS1212では、各種カウンタエリア106eに設けられた役比第2カウンタに1を加算する処理を実行する。役比第2カウンタは、押し順報知が発生可能なゲーム数、すなわち、特定区間のゲーム数をカウントするためのカウンタである。
ステップS1211又はステップS1212の処理を実行した後は、ステップS1213にて役比算出処理を実行する。かかる処理では、役比第2カウンタの値を役比第1カウンタと役比第2カウンタとの加算値(全ゲーム数)で除算する処理を行う。すなわち、役比算出処理は、全ゲーム数のうち、押し順報知が発生し得るゲーム数の割合を算出する処理である。そして、ステップS1214にて、ステップS1213の演算処理結果が役比モニタ77にて表示されるようにするための処理を実行する。
図5に示すように、役比モニタ77は、7つの表示用セグメントからなる7セグ表示部を複数有している。具体的には、役比モニタ77は、7セグ表示部としての第1表示部77a、第2表示部77b、第3表示部77c、第4表示部77d、第5表示部77eを有している。第1表示部77a〜第5表示部77eにおける表示用セグメントは、指示モニタ68の表示用セグメントN1〜N7と同様に、LEDからなる個別の光源を有しており、それら個別の光源がオンオフ制御されることで、任意の1個の表示用セグメントのみを点灯させることができるとともに、任意の組み合わせの表示用セグメントを点灯させることができる。これにより、役比モニタ77は、それぞれ個別に所定の記号(アルファベットや数字を含む)が表示されるようになっており、特に、役比モニタ77では、5桁の数字を表示可能となっている。
ステップS1214では、ステップS1213の演算処理の結果を役比モニタ77に出力するとともに、役比モニタ77にて、4桁の数字が表示されるように役比モニタ77における各表示部77a〜77eの表示制御を行う。具体的には、全ゲーム数のうち、押し順報知が発生し得るゲーム数の割合として、例えば、「0.5012」といったように、1よりも小さい数であって、小数点以下4桁までの数字が役比モニタ77にて表示される。ステップS1214の処理を実行した後は、区間表示第1処理を終了する。
なお、ステップS1213の演算処理において小数点以下第5桁の数字を四捨五入する処理を行ったうえで、役比モニタ77の表示制御を行う構成としてもよい。また、役比モニタ77のうち、第1表示部77aは、基本的には「0」が表示されるため、第1表示部77aを有さないようにしたり、第1表示部77aを印刷等によって「0」との表示が常にされる構成としてもよい。また、第1表示部77aと第2表示部77bとの間に、小数点が印刷等により表示される構成とするとよい。
<区間表示第2処理>
次に、区間表示第2処理について、図38のフローチャートを参照しながら説明する。既に説明したとおり、区間表示第2処理は、リール制御処理のステップS416にて実施される処理であり、1ゲームの終了に際して、メダルの払出(払出判定処理)及び入賞結果に基づく遊技状態の移行等(入賞結果対応処理)が行われてから実施される。
ステップS1301では、有利区間フラグがセットされているか否かを判定する。セットされていない場合には、そのまま区間表示第2処理を終了する。有利区間フラグがセットされている場合には、ステップS1302にて、有利区間中のゲーム数をカウントする処理を実行する。具体的には、上記有利区間ゲーム数AGを1加算する処理を行う。ステップS1302の処理を実行した後は、ステップS1303にて、各種カウンタエリア106eに設けられた有利区間増減枚数MY(MYカウンタ)の更新処理を実行する。
ステップS1303のMY更新処理では、今回のゲームの遊技結果がいずれかの再遊技入賞ではないことを条件として、払出枚数から投入枚数(ベット数)を減算し、その減算結果を有利区間増減枚数MYに加算することによって、有利区間増減枚数MYの更新を行う。
ステップS1303のMY更新処理を実行した後は、ステップS1304にて、残ゲーム数管理処理を実行し、続くステップS1305にて、残枚数管理処理を実行する。残ゲーム数管理処理は、ATモードの残りゲーム数等に基づき、現状の残りゲーム数で有利区間が上限ゲーム数(1500ゲーム)に達する状況となっているか否かの管理を行うための処理である。残ゲーム数管理処理では、例えば、有利区間ゲーム数AG(有利区間の消化ゲーム数)と、ATカウンタ(ATモードの残りゲーム数)との合計が、有利区間の上限ゲーム数より多い状況か否かを把握する。そして、そのような状況であれば、その状況を特定するためのフラグとして、各種フラグ格納エリア106dに第1超過フラグをセットする。また、残枚数管理処理は、ATモードの残りゲーム数等に基づき、現状の残りゲーム数で有利区間が上限増加数(2400枚)に達する状況となっているか否かの管理を行うための処理である。残払出枚数管理処理では、例えば、ATカウンタとATモード中の1ゲーム当たりの平均増加枚数とから算出される期待増加枚数と、現状の有利区間増減枚数MYとの合計が有利区間の増減枚数より多い状況か否かを把握する。そして、そのような状況であれば、その状況を特定するためのフラグとして、各種フラグ格納エリア106dに第2超過フラグをセットする。
続くステップS1306では、有利区間ゲームコマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。有利区間ゲームコマンドには、上記ステップS1302〜ステップS1305の処理結果の内容が含まれている。すなわち、有利区間ゲームコマンドには、有利区間ゲーム数AGの情報、MYカウンタの情報、第1超過フラグや第2超過フラグの有無の情報が含まれている。有利区間ゲームコマンドを受信した表示制御装置81側の処理については、後に詳細に説明する。
続くステップS1307では、抽選契機判定処理を実行する。抽選契機判定処理は、ATモード移行抽選を実行する特定契機が生じたか否かの判定を行うための処理である。
<抽選契機判定処理>
抽選契機判定処理では、図39のフローチャートに示すように、ステップS1401にて有利区間ゲーム数AGが予め定められた所定数であるか否かを判定する処理を実行する。より詳しくは、有利区間ゲーム数AGが50であるか否かを判定する。50ではない場合には、そのまま抽選契機判定処理を終了する。50である場合には、ステップS1402に進み、抽選契機フラグをセットする処理を実行する。かかる処理を実行することにより、次のゲームの抽選結果対応処理において、抽選契機フラグに基づくATモード移行抽選が実行されることになる。
続くステップS1403では、抽選契機コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。抽選契機コマンドを受信した表示制御装置81側の処理については、後に詳細に説明する。ステップS1403の処理を実行した後は、抽選契機判定処理を終了する。
区間表示第2処理の説明に戻り、ステップS1307にて抽選契機判定処理を実行した後は、ステップS1308にて、上記有利区間ゲーム数AGが上限ゲーム数である1500に達したか否か、又は有利区間増減枚数MYが上限増加数である2400以上となったか否かを判定する。これらいずれかの強制終了条件が成立している場合には、ステップS1309にて、有利区間ゲーム数AG及び有利区間増減枚数MYを0にクリアする。続くステップS1310では、区間表示器としての第8表示用セグメントN8の表示を終了させる処理を行う。そして、ステップS1311にて、有利区間中の各種フラグやカウンタ等のパラメータ、情報を初期化する処理を行ってから、本区間表示第2処理を終了する。
ステップS1311の有利区間用情報の初期化処理について、より詳しくは、より詳しくは、今回の有利区間への移行に際して設定されたフラグやカウンタ、及び、今回の有利区間中に設定されたフラグやカウンタを初期値に戻す処理である。例えば、有利区間フラグや、ATモード当選フラグや各種ATモードフラグ等がクリアされておらずセットされていれば、これらのフラグをクリアする。さらに、有利区間ゲーム数AGや有利区間増減枚数MY、ATモードの継続ゲーム数用のカウンタ等が0より大きければ、これらのカウンタを全て0にリセットする。つまり、初期化処理では、押し順報知を用いた有利な状態としての有利区間に関し、押し順報知に係る性能に及ぼす全ての変数乃至パラメータを初期化するものであり、かかる変数乃至パラメータに関してRAMクリアを行う処理である。
ステップS1308にて有利区間ゲーム数AGが上限値に達しておらず、且つ有利区間増減枚数MYが上限増加数に達していないと判定した場合は、ステップS1312に進み、ATモード終了フラグがセットされているか否かを判定する。ATモード終了フラグがセットされている場合、ステップS1309に進み、有利区間終了用の処理を実行する。ATモード終了フラグがセットされていない場合、ステップS1313にて契機非当選フラグがセットされているか否かを判定する。契機非当選フラグがセットされている場合、ステップS1309に進み、有利区間終了用の処理を実行する。
すなわち、本実施形態では、有利区間に移行した後、ATモードへの移行抽選が行われ、その移行抽選に当選するとATモードに移行する。そして、ATモードが終了すると、当該ATモードの終了とともに有利区間も終了する。また、有利区間移行後のゲーム数が50となると、特定契機に基づくATモード移行抽選が行われ、当該ATモード移行抽選に非当選となることでも有利区間は終了する。
これに対して、ATモード終了フラグ及び契機非当選フラグのいずれもセットされていない場合、有利区間を終了することなく、そのまま区間表示第2処理を終了する。
既に説明した通り、本実施形態では、ATモード移行抽選や上乗せ抽選、ATモード移行抽選のモード移行抽選といった指示機能に関する処理は、遊技状態に応じて設定された特定規定数のベットが行われたゲームにて実行され、特定規定数以外のベットが行われたゲームでは実行されない。より具体的には、非内部状態や内部状態といった第1BB状態や第2BB状態移行前の状態においては、2ベットゲーム及び3ベットゲームのいずれもが実行可能であるものの、特定規定数が3として設定されていることから、当該非内部状態や内部状態では、3ベットゲームでは指示機能に関する処理は実行されるものの、2ベットゲームでは指示機能に関する処理は実行されない。これに対して、第1BB状態や第2BB状態では、3ベットゲームだけが実行可能であるものの、特定規定数が2として設定されていることから、当該第1BB状態や第2BB状態では指示機能に関する処理は実行されない。つまり、指示機能に関する処理は、非内部状態や内部状態における3ベットゲームにて実行されるものの、非内部状態や内部状態における2ベットゲームや各BB状態では、指示機能に関する処理は実行されない。
これに対して、ATモード移行抽選の契機となる特定契機は、上記のように、ベット数や状態に関わらずカウントされる有利区間ゲーム数AGによって規定され、有利区間ゲーム数AGが50となることで抽選契機フラグがセットされる。より具体的には、非内部状態や内部状態における3ベットゲームのゲーム数だけでなく、非内部状態や内部状態における2ベットゲームや各BB状態のゲーム数によっても有利区間ゲーム数AGはカウントされる。
そうすると、例えば、非内部状態や内部状態において2ベットゲームにて遊技を行うことで、指示機能に関する処理は行われないものの、抽選契機フラグをセットさせることは可能であり、この場合、抽選契機フラグがセットされてから最初の特定規定数での遊技にて、抽選契機フラグに基づくATモード移行抽選が実行される。つまり、非内部状態や内部状態にて2ベットゲームから3ベットゲームに切り換えたゲームにて、特定契機に基づくATモード移行抽選が実行されることになる。
より詳しくは、指示機能に関する処理の一部として、ATモード移行抽選の抽選モードの移行は、非内部状態や内部状態における3ベットゲームにて生じるものの、非内部状態や内部状態における2ベットゲームや各BB状態では、ATモード移行抽選の抽選モードの移行は生じない。これに対して、特定契機は、遊技状態やベット数に関わらず有利区間へ移行してから50ゲームで発生する。そのため、例えば、非内部状態や内部状態を3ベットゲームにて遊技することで、AT抽選モード移行抽選処理が実行され、ATモード移行抽選の抽選モードを第1モードから第2モードに移行させることに成功した後は、特定契機が生じるまで、2ベットゲームにてゲームを進行させることで、再度のAT抽選モード移行抽選処理が実行されることを回避することが可能となる。そうすると、第2モードに滞在したまま、特定契機を生じさせることが可能となり、その後、3ベットゲームに切り替えることで、高確率側の第2用ATモード移行抽選テーブルを利用したATモード移行抽選を受ける、といった遊技を実現することが可能となる。
本実施形態では、このように、特定規定数によって規定される指示機能に関する処理の実行の有無と、特定規定数に関わらず生じる特定契機との関係性を利用した上記の斬新な遊技を実現可能としている。以下、上記の遊技を実現するための演出上の処理について説明する。
<演出設定処理>
表示制御装置81のCPU181にて実行される演出設定処理について、図40のフローチャートに基づき説明する。演出設定処理は、CPU181により所定周期(例えば、2msec周期)で起動される処理である。
演出設定処理では、先ずステップS1501にて、主制御装置101から新たなコマンドを受信したか否かを判定する。新たなコマンドを受信している場合には、ステップS1502にて、受信したコマンドをRAM183に格納する処理を実行する。RAM183にはコマンド格納エリアが設けられており、当該コマンド格納エリアは、複数のコマンドを個別に記憶可能であって先に記憶したコマンドから読み出し可能なリングバッファとして構成されている。
ステップS1501にて否定判定した場合、又はステップS1502の処理を実行した後は、ステップS1503にて、新たに受信したコマンドが、ベット時コマンドであったか否かを判定する。ベット時コマンドとは、ベット操作が行われたことに基づいて主制御装置101から出力されるコマンドであり、通常処理のステップS206にてセットされるベットコマンド等である。ベット時コマンドである場合には、ステップS1504にて今回のベット操作に基づく演出設定を行うためのベット時演出設定処理を実行する。
ステップS1503にて否定判定した場合、又はステップS1504の処理を実行した後は、ステップS1505にて、新たに受信したコマンドが、開始時コマンドであったか否かを判定する。開始時コマンドとは、スタートレバー41の操作が行われたことに基づいて主制御装置101から出力されるコマンドであり、抽選処理のステップS311にてセットされる抽選結果コマンドの他、抽選結果対応処理(図27)にてセットされる第1モード移行コマンド、第2モード移行コマンド、AT当選報知コマンド、契機非当選コマンド、上乗せコマンドや押し順報知コマンド等がある。これらの開始時コマンドである場合には、ステップS1506にて開始時演出設定処理を実行する。
ステップS1505にて否定判定した場合、又はステップS1506の処理を実行した後は、ステップS1507にて、新たに受信したコマンドが、各停止操作時コマンドであったか否かを判定する。各停止操作時コマンドとは、各リール32L,32M,32Rのそれぞれの停止操作が行われたことに基づいて主制御装置101から出力されるコマンドであり、リール制御処理(図22)のステップS405にてセットされる停止指令コマンドである。かかる各停止操作時コマンドとしての停止指令コマンドである場合には、ステップS1508にて今回の停止操作に基づく演出設定を行うための各停止操作時演出設定処理を実行する。
ステップS1507にて否定判定した場合、又はステップS1508の処理を実行した後は、ステップS1509にて、新たに受信したコマンドが、全停止時コマンドであるか否かを判定する。全停止時コマンドとは、全リール32L,32M,32Rが停止したことに基づいて主制御装置101から出力されるコマンドであり、リール制御処理(図22)のステップS417にてセットされる入賞結果コマンドの他、ボーナス状態処理(図24)、入賞結果対応処理(図36)や区間表示第2処理(図38)にてセットされる第1BB開始コマンド、第2BB開始コマンド、第1BB終了コマンド、第2BB終了コマンド、AT終了コマンドや有利区間ゲームコマンド、抽選契機コマンド等がある。これらの全停止時コマンドである場合には、ステップS1510にて全停止時演出設定処理を実行する。
ステップS1509にて否定判定した場合、又はステップS1510の処理を実行した後は、ステップS1511にて、その他の処理を実行してから、演出設定処理を終了する。ステップS1511では、上記の各演出設定処理にて設定された各種演出が、対応するタイミングにて実行されるように補助表示部65やスピーカ64等を制御する。また、ステップS1511では、ベット時、開始時、停止時以外の主制御装置101からの指令に基づく演出(例えば、精算スイッチ59の操作に基づく演出等)の設定や、主制御装置101を介さずに接続されたセンサ(演出スイッチ検出センサ等)からの信号に基づく演出の設定、エラー報知用の設定等を行う。
以下、開始時演出設定処理、全停止時演出設定処理について説明する。
<開始時演出設定処理>
ステップS1506の開始時演出設定処理について、図41のフローチャートに基づき説明する。
ステップS1601では、受信している抽選結果コマンドに基づいて、今回開始されるゲームの抽選結果が押し順役当選(押し順ベル当選)であるか否かを判定する。押し順役当選である場合には、ステップS1602にて、押し順報知コマンドを受信しているか否かを判定する。押し順報知コマンドを受信している場合、ステップS1603にて第1小役入賞〜第6小役入賞に対応する押し順報知演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われるようにするための設定を実行する。
ステップS1601にて、今回のゲームの抽選結果が押し順役当選ではないと判定した場合、ステップS1604にて今回のゲームの抽選結果が特定役当選であるか否かを判定する。既に説明した通り、特定役とは、各ゲームの抽選結果として出現しにくい(当選しにくい)所謂レア役と称される抽選結果であり、本実施形態では、チャンス目A〜チャンス目C、チェリーA〜チェリーC及びスイカを特定役として設定している。図30に示す通り、特定契機が生じていなくてもこれらの抽選結果を契機としてATモード移行抽選が行われる場合があるし、また、図33に示す通り、これらの抽選結果を契機とするATモードの上乗せ抽選においては、特定役以外の抽選結果を契機とするよりも上乗せ当選となり易いように設定されている。今回のゲームの抽選結果が特定役当選である場合、ステップS1605にて、特定役報知用処理を実行する。特定役報知用処理では、今回のゲームの抽選結果が上記特定役のいずれかであることの特定役報知が補助表示部65やスピーカ64にて行われるようにするための設定を実行する。特定役報知としては、例えば、図48(b)に示すように、3つ設けられているストップスイッチ42〜44に対応させて、ビックリマークのキャラクタが補助表示部65に3つ表示されるような演出が設定されている。
ステップS1602若しくはステップS1604にて否定判定した場合、又はステップS1603若しくはステップS1605の処理を実行した後は、ステップS1606に進む。ステップS1606では、上乗せコマンドを受信しているか否かを判定する。上乗せコマンドを受信している場合、ステップS1607にて上乗せ演出の設定処理を実行する。上乗せ演出の設定処理では、ATモードの残りゲーム数の上乗せが行われたことに対応する報知として、当該上乗せされたゲーム数を補助表示部65にて表示する上乗せ演出を実行する。なお、当該上乗せ演出の態様は、当該上乗せが行われたゲームにて行われる態様に限定されず、例えば、当該上乗せが行われたゲームを契機として所定ゲーム数後に上乗せゲーム数の報知が行われる態様が含まれていてもよいし、例えば、ATモードの残りゲーム数が所定数(例えば残り1ゲーム)となった状況で上乗せ演出を実行する所謂後乗せ演出の態様が含まれる構成としてもよい。
ステップS1606にて否定判定した場合、又はステップS1607の処理を実行した後は、ステップS1608にてAT抽選モード報知用処理を実行する。既に説明した通り、本実施形態では、ATモード移行抽選の抽選モードとしてATモード移行抽選に当選しにくい第1モードと当該第1モードよりも当選し易い第2モードとが設定されている。本実施形態では、第1モードや第2モードのいずれに滞在しているかを示唆する特別報知が実行される場合があり、AT抽選モード報知用処理は、当該特別報知の実行条件を設定するための処理である。
<AT抽選モード報知用処理>
AT抽選モード報知用処理では、図42のフローチャートに示すように、先ず、ステップS1701にて今回の開始時コマンドとして第1モード移行コマンドを受信しているか否かを判定する。第1モード移行コマンドを受信している場合、ステップS1702にて各種フラグ格納エリア183aに第1フラグをセットする処理を実行する。第1フラグは、AT抽選モードが低確率側の第1モードであることをCPU181が把握するためのフラグである。
ステップS1701にて否定判定した場合、又はステップS1702の処理を実行した後は、ステップS1703にて、今回の開始時コマンドとして第2モード移行コマンドを受信しているか否かを判定する。第2モード移行コマンドを受信している場合、ステップS1704にて、上記の第1フラグをクリアする処理を実行する。
ステップS1703にて否定判定した場合、又はステップS1704の処理を実行した後は、ステップS1705にて、今回の開始時コマンドとして契機非当選コマンドを受信しているか否かを判定する。既に説明した通り、契機非当選コマンドは、特定契機に基づくATモード移行抽選において非当選となった場合に、主制御装置101側から出力されるコマンドである。契機非当選コマンドを受信している場合、ステップS1706にて、各種カウンタエリア183bに設けられた契機スルーカウンタを1加算する処理を実行する。契機スルーカウンタは、特定契機に基づくATモード移行抽選に非当選であった連続回数をCPU181が把握するためのカウンタである。特別報知を実行するための処理については、後に詳細に説明するが、本実施形態では、当該契機スルーカウンタの値に応じて、第2モードである場合の特別報知が実行され得る構成としている。
ステップS1705にて否定判定した場合、又はステップS1706の処理を実行した後は、ステップS1707にて、今回の開始時コマンドとしてAT当選報知コマンドを受信しているか否かを判定する。AT当選報知コマンドを受信している場合には、ステップS1708にて上記の契機スルーカウンタを0にクリアする処理を実行してから、本AT抽選モード報知用処理を終了する。また、ステップS1707にてAT当選報知コマンドを受信していない場合には、そのままAT抽選モード報知用処理を終了する。
開始時演出設定処理の説明に戻り、ステップS1608にてAT抽選モード報知用処理を実行した後は、ステップS1609にて、今回の開始時コマンドとして、AT当選報知コマンド又は契機非当選コマンドを受信しているか否かを判定する。AT当選報知コマンドや契機非当選コマンドを受信している場合とは、特定契機に基づくATモード移行抽選が行われた可能性が高く、より詳しくは、特定契機に基づくATモード移行抽選又は特定役当選に基づくATモード移行抽選にて当選した場合(AT当選報知コマンド)か、特定契機に基づくATモード移行抽選にて非当選となった場合(契機非当選コマンド)である。本実施形態では、これらの場合、補助表示部65にてATモード移行抽選の結果を報知するための結果報知演出が実行される構成としている。
結果報知演出は、例えば、図52に示すように、メインキャラクタと敵キャラクタとがバトルを行い、そのバトルにてメインキャラクタが勝利することでATモード移行抽選に当選したことの報知が行われ、そのバトルにてメインキャラクタが敗北することでATモード移行抽選に非当選であったことの報知が行われる。より詳しくは、結果報知演出が発生する場合、先ず図52(a)に示すように、バトルが発生する開始演出として、補助表示部65にて「バトル開始!!」といった文字表示を行うとともに、敵キャラクタのアニメーションを表示する。そして、図52(b1)に示す、メインキャラクタが攻撃する様子を示す攻撃演出や、図52(b2)に示す、敵キャラクタが攻撃する様子を示す被攻撃演出を経て、メインキャラクタが勝利する勝利演出(図52(c1))と、メインキャラクタが敗北する敗北演出(図52(c2))と、のいずれかが行われることで結果報知演出が終了する。この場合、結果報知演出の契機となったATモード移行抽選が当選結果である場合、勝利演出が実行され、当該ATモード移行抽選が非当選結果である場合、敗北演出が実行される。
ステップS1609にてAT当選報知コマンド又は契機非当選コマンドを受信した場合、上記の結果報知演出を実行するための処理をステップS1610〜ステップS1613にて行う。すなわち、ステップS1610では、結果報知演出の開始処理として、図52(a)の開始演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われるようにするための演出設定処理を実行する。より詳しくは、開始演出用の演出データをROM182の各種テーブル記憶エリア182aに記憶されている演出テーブルから取得し、かかる演出データによる演出が対応するタイミングにて、対応する報知手段(補助表示部65やスピーカ64)にて実行されるように、演出データの設定を行う。この場合、表示制御装置81では、演出設定処理(図40)におけるステップS1511のその他の処理において、対応するタイミングにて当該演出データを読み出し、読み出したデータにて演出が行われるように対応する報知手段を制御する。このようにすることで、各種演出設定処理にて設定された演出が所望のタイミングで実行されるようになる。なお、これら演出設定と演出実行に関する処理は、他の演出についても同様であるため、以下の説明では基本的にはその説明を省略する。
ちなみに、特定契機に基づくATモード移行抽選が行われる場合には、既に説明した通り、回転演出処理(図33)において、ストップスイッチ42〜44の無効期間中の回転演出が行われるように設定される。この場合、特定契機に基づくATモード移行抽選についての結果報知演出を実行する場合には、上記回転演出において、ATモード移行抽選の当否やATモードの種類に対応する一時停止(図47(b2)、図47(b3)が発生するよりも前(図47(b1))に、上記の開始演出から勝利演出、敗北演出が行われるように設定される。そして、結果報知演出側の勝利演出が行われ、回転演出側のATモードの種類に対応する一時停止が行われた後、図47(a)のAT当選報知演出が行われる。
これに対して、特定役に基づく結果報知演出が行われる場合、当該結果報知演出よりも以前に特定役報知演出が行われる(ステップS1605)。この場合、例えば、複数のゲームに亘って実行される連続演出として、結果報知演出が行われるように、各演出の発生タイミングを設定してもよいし、当該特定役当選となったゲームにおける特定役報知演出の後のタイミングで結果報知演出が開始され、当該ゲームにて当該結果報知演出が終了するように設定してもよい。
ステップS1610の処理を実行した後は、ステップS1611にて、今回受信しているコマンドが、AT当選報知コマンドであるか否かを判定し、AT当選報知コマンドである場合には、ステップS1612にて今回の結果報知演出が最終的に勝利演出として終了されるようにするための演出設定処理を実行する。この場合、被攻撃演出よりも攻撃演出の方が選択され易くなるようにするよい。
ステップS1611にて、今回受信しているコマンドがAT当選報知コマンドではなく契機非当選コマンドである場合、ステップS1613にて今回の結果報知演出が最終的に敗北演出として終了されるようにするための演出設定処理を実行する。この場合、攻撃演出よりも被攻撃演出の方が選択され易くなるようにするよい。
ステップS1609にていずれのコマンドも受信していない場合、又はステップS1612若しくはステップS1613の処理を実行した後は、ステップS1614に進む。ステップS1614では、BB用報知第1処理を実行する。かかる処理は、第1BB状態や第2BB状態を利用した遊技の演出を行うための処理であり、後に詳細に説明する。その後、ステップS1615にてその他の開始時演出設定処理を実行してから、本開始時演出設定処理を終了する。ステップS1615では、例えば、ゲーム開始に対応させて抽選結果を示唆する演出を設定したり、スタートレバー41周辺のランプを消灯させてその操作が受け付けられたことの報知を行うための処理等を実行する。
<全停止時演出設定処理>
次に、ステップS1510の全停止時演出設定処理について、図43を参照しながら説明する。既に説明した通り、全停止時演出設定処理は、新たに受信したコマンドが、入賞結果コマンド、AT終了コマンド、有利区間ゲームコマンド、抽選契機コマンド等の全停止時コマンドである場合に、演出設定を行うための処理である。
ステップS1801では、AT終了コマンドを受信しているか否かを判定する。AT終了コマンドを受信している場合、ステップS1802にてAT終了演出を補助表示部65やスピーカ64にて行うための演出設定を実行する。AT終了演出は、例えば、図48(a)に示すように、今回のATモードの継続ゲーム数や今回のATモードで獲得したメダル数を補助表示部65にて表示する。
ステップS1801にて否定判定した場合、ステップS1803にて、有利区間ゲームコマンドを受信しているか否かを判定する。有利区間ゲームコマンドを受信している場合、ステップS1804にて現状の表示モードがATモードであるか否かを判定し、ATモードではない場合、すなわち、有利区間であって且つATモードへの移行前の状態である場合、ステップS1805に進む。ステップS1805では、抽選契機報知用処理を実行し、続くステップS1806では、特別報知用処理を実行する。
ステップS1802又はステップS1806の処理を実行した後、ステップS1803にて否定判定した場合、又はステップS1804にて肯定判定した場合、ステップS1807に進む。ステップS1807では、BB用報知第2処理を実行する。かかる処理は、第1BB状態や第2BB状態を利用した遊技の演出を行うための処理であり、後に詳細に説明する。その後、ステップS1808にてその他の全停止時演出設定処理を実行してから、本全停止時演出設定処理を終了する。ステップS1808では、例えば、入賞役に対応させた色で上部ランプ63が点灯するように制御したり、入賞役の払出数に対応する効果音がスピーカ64から発せられるように制御したり、リプレイ時の自動ベットに対応する効果音がスピーカ64から発せられるように制御したりする。
<抽選契機報知用処理>
ステップS1805の抽選契機報知用処理では、図44のフローチャートに示すように、ステップS1901にて、ゲーム数報知演出を補助表示部65やスピーカ64にて行うための演出設定を実行する。ゲーム数報知演出とは、有利区間へ移行してから特定契機が生じるまでのゲーム数を報知するための演出である。より詳しくは、例えば、図49(a)に示すように、「チャンスまで後50ゲーム」といったように、抽選契機フラグがセットされることによる特定契機に基づくATモード移行抽選が行われるまでのゲーム数を、今回受信している有利区間ゲームコマンドの有利区間ゲーム数AGの情報をもとに報知する(図49(a)においては、50ゲーム後に特定契機に基づくATモード移行抽選が行われることを示している)。この場合、例えば、有利区間中のゲームが進行するにつれて、ゲーム数報知演出にて報知されるゲーム数も減算されて毎ゲーム更新される(図49(b)参照)。そして、特定契機が生じるまでのゲーム数が0となって特定契機が生じた場合、図50(a)に示すように、ゲーム数報知演出にて報知されるゲーム数も0となる(「チャンスまで後0ゲーム」と表示される)。
続くステップS1902では、今回終了するゲームが3ベットゲームであったか否かを判定する。3ベットゲームである場合には、ステップS1903にて第1BB状態又は第2BB状態のゲームであるか否かを判定する。ステップS1902にて3ベットゲームではないと判定した場合、又はステップS1903にて第1BB状態や第2BB状態である場合とは、指示機能に関する処理の実行が制限される制限状態(規制状態、制限遊技)であることを意味する。この場合、ステップS1904にて、モード移行制限報知演出を補助表示部65やスピーカ64にて行うための演出設定を実行する。モード移行制限報知演出は、上記の制限状態であることを遊技者に報知するための演出であり、例えば、図51(a)に示すように、補助表示部65の表示画面にて「HOLD!!」といった文字表示を行うことで、当該制限状態であることの報知を行う。
ステップS1903にて否定判定した場合と、ステップS1904の処理を実行した後は、ステップS1905にて抽選契機コマンドを受信しているか否かを判定する。抽選契機コマンドを受信していない場合には、そのまま抽選契機報知用処理を終了する。抽選契機コマンドを受信している場合、ステップS1906にて今回終了するゲームが3ベットゲームであったか否かを判定する。3ベットゲームである場合には、ステップS1907にて第1BB状態又は第2BB状態のゲームであるか否かを判定する。
3ベットゲームであって且つ第1BB状態や第2BB状態ではない場合とは、非内部状態や内部状態での特定規定数のベットにて遊技が行われており、指示機能に関する処理の実行が許容される許容状態(許容遊技)であることを意味する。つまり、当該許容状態にて抽選契機コマンドを受信している場合である。この場合、ステップS1908にて、抽選予告演出を補助表示部65やスピーカ64にて行うための演出設定を実行してから、本抽選契機報知用処理を終了する。抽選予告演出は、上記の許容状態にて抽選契機コマンドを受信したこと、すなわち、次のゲームも許容状態にて実行することで、特定契機に基づくATモード移行抽選が実行されることを遊技者に報知するための演出であり、例えば、図50(a)に示すように、補助表示部65の表示画面にてメインキャラクタを表示したうえで、「次回バトルだぜ!!」といった文字表示を行う。
これに対して、抽選契機コマンドを受信している場合であって、2ベットゲームである場合、又は第1BB状態や第2BB状態である場合とは、特定規定数以外のベットにて遊技が行われており、指示機能に関する処理の実行が制限される制限状態であることを意味する。つまり、当該制限状態にて抽選契機コマンドを受信している場合である。この場合、ステップS1909にて、待機演出を補助表示部65やスピーカ64にて行うための演出設定を実行してから、本抽選契機報知用処理を終了する。待機演出は、上記の制限状態にて抽選契機コマンドを受信したこと、すなわち、次のゲーム以降で制限状態から許容状態に切り替えて遊技を実行することで、特定契機に基づくATモード移行抽選が実行されることを遊技者に報知するための演出であり、例えば、図51(b)に示すように、補助表示部65の表示画面にてメインキャラクタを表示したうえで、「MAXBETで敵を倒すんだ!!」といった文字表示を行う。
なお、ここでいうMAXBETとは、第1クレジット投入スイッチ56を意味する。既に説明した通り、第1クレジット投入スイッチ56を操作することで、MAXベットカウンタに対応付けられたベット数がベットされ、より詳しくは、非内部状態では2ベットが設定され、内部状態では3ベットが設定され、第1BB状態や第2BB状態では3ベットが設定される。つまり、第1クレジット投入スイッチ56を操作した場合、特定規定数によるベットにてゲームが実行される場合(内部状態及び各BB状態)と、特定規定数によるベットにてゲームが実行されない場合(非内部状態)とがあることになる。
このように、図50(b)に示すように、抽選契機コマンドを受信し、特定契機が生じると(抽選契機フラグがセットされると)、補助表示部65やスピーカ64にて抽選予告演出又は待機演出が実行される。そして、これらの抽選予告演出や待機演出が実行されている状況で、次のゲームを2ベットゲームにて実行すると、当該2ベットゲームにて実行されたゲームでは特定契機に基づくATモード移行抽選は実行されない。なお、この場合、再度待機演出が実行される。
これに対して、抽選予告演出や待機演出が実行されている状況で、次のゲームを3ベットゲームにて実行すると、当該ゲームが第1BB状態や第2BB状態ではないことを条件として、特定契機に基づくATモード移行抽選が実行され、AT当選報知コマンド又は契機非当選コマンドに基づく結果報知演出(バトル演出)が実行されることになる。
<特別報知用処理>
次に、ステップS1806にて実行される特別報知用処理について、図45のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS2001では、上記の契機スルーカウンタを把握する処理を実行する。既に説明した通り、契機スルーカウンタは、特定契機に基づくATモード移行抽選に非当選であった連続回数を示すカウンタである。続くステップS2002では、第1フラグがセットされているか否かを判定する。第1フラグがセットされており、ATモード移行抽選の抽選モードが低確率側の第1モードである場合、ステップS2003にて各種テーブル記憶エリア182aから第1用特別報知抽選テーブルを取得する処理を実行する。また、ステップS2002にて第1フラグがセットされておらず、ATモード移行抽選の抽選モードが高確率側の第2モードである場合、ステップS2004にて各種テーブル記憶エリア182aから第2用特別報知抽選テーブルを取得する処理を実行する。そして、ステップS2005にて、ステップS2003又はステップS2004にて取得した特別報知抽選テーブルを用いた特別報知抽選処理を実行する。特別報知抽選処理は、ATモード移行抽選の抽選モードの示唆としての特別報知を実行するか否かを抽選により決定する処理である。
第1用特別報知抽選テーブル(図46(a))と第2用特別報知抽選テーブル(図46(b))とを比較すると、第2用特別報知抽選テーブルを利用した特別報知抽選の方が特別報知が発生し易くなるように設定されている。つまり、特別報知は、第2モードに滞在していることを示唆する演出である。
また、第1用特別報知抽選テーブル及び第2用特別報知抽選テーブルは、当選確率の設定処理にて設定される設定値と、契機スルーカウンタの値とによって、特別報知の発生率が異なるように設定されている。より詳しくは、設定値が高く、出玉率が高い設定値ほど、同じ契機スルーカウンタの値でも特別報知の発生率が高く、また、同じ設定値でも契機スルーカウンタの値が大きいほど特別報知の発生率が高くなるように設定されている。
ステップS2005にて特別報知抽選処理を実行した後は、ステップS2006にて特別報知抽選に当選したか否かの判定を行う。特別報知抽選に当選している場合には、ステップS2007にて、特別報知を補助表示部65やスピーカ64にて行うための演出設定を実行してから、本特別報知用処理を終了する。特別報知抽選に当選していない場合には、そのまま特別報知用処理を終了する。特別報知としては、例えば、図49(b)や、図51(a)に示すように、補助表示部65におけるメインキャラクタの背後に炎が燃え上がり、メインキャラクタの気合いが高まっている様子を表す演出が設定されている。
<遊技の流れ>
次に、遊技の基本的な流れについて、図53のタイミングチャートを参照しながら説明する。なお、図53では、第2BB当選を持ち越している内部状態での遊技を想定して説明する。
図53に示すように、上記内部状態を3ベットゲームにて遊技し、有利区間移行抽選を経てt1のタイミングで有利区間へ移行した場合、抽選契機フラグをセットするまでのゲーム数、すなわち特定契機が生じるまでのゲーム数のカウントが開始される。内部状態の3ベットゲームでの遊技は特定規定数での遊技であるため、上記のように有利区間移行抽選は実行されるし、有利区間への移行も生じる。また、有利区間移行後のATモード移行抽選も実行され得るし、ATモード移行抽選の抽選モードについての移行抽選(モード移行抽選)も実行される。
例えば、t2のタイミングでATモード移行抽選の抽選モードが第2モードに移行し、t3のタイミングで第1モードに移行する。但し、これらの抽選モードは、特定契機に基づくATモード移行抽選の当選確率に影響を及ぼすものであることから、特定契機前のt2やt3のタイミングでモード移行が生じても、そのモード情報を利用したATモード移行抽選は実行されない。t4のタイミングで有利区間移行後のゲーム数が50ゲームに達すると、特定契機が生じたとして抽選契機フラグがセットされる。そして、その次のゲームにて特定契機に基づくATモード移行抽選が実行される。なお、図においては、特定契機が生じるゲームと、特定契機に基づくATモード移行抽選が実行されるゲームをいずれもt4のタイミングとして表示しているが、実際には上記のように1ゲームのズレが生じている。
上記のように、t3のタイミングで第1モードへの移行が生じ、t4のタイミングまで第1モードが維持されている。そのため、t4のタイミングでの特定契機に基づくATモード移行抽選は、低確率側の第1モードで実行される。t4のタイミングのATモード移行抽選が非当選であった場合、契機非当選フラグがセットされることで、当該ゲームにて有利区間が終了する(区間表示第2処理)。
t5のタイミングで有利区間に移行し、特定契機が生じるまでのゲーム数のカウントが開始される。t6のタイミングで第2モードへの移行が生じ、その抽選モードを維持したまま(第1モードに移行しないまま)、t7にて特定契機が生じると、高確率側の第2モードにてATモード移行抽選が実行される。当該ATモード移行抽選が当選であった場合、表示モードはATモードに移行し、t8のタイミングでATモードが終了することで、有利区間も終了する(区間表示第2処理)。
t9のタイミングで有利区間に移行した場合において、t10のタイミングで3ベットゲームから2ベットゲームに切り替えた場合、2ベットゲームでは指示機能に関する処理の実行が制限されることから、モード移行抽選の実行も制限される。そうすると、2ベットゲームに切り替える前の第1モードが維持されることになる。
但し、特定契機が生じるまでのゲーム数のカウントは、ベット数が特定規定数であるか否かに関わらず実行されるため、t9のタイミングから50ゲーム後であるt11のタイミングで特定契機が生じ、抽選契機フラグがセットされる。その一方で、ATモード移行抽選は指示機能に関する処理であることから、抽選契機フラグがセットされていても、2ベットゲームでは特定契機に基づくATモード移行抽選は実行されない。そして、t12のタイミングで3ベットゲームに切り替えることで、特定契機に基づくATモード移行抽選が実行される。なお、t12のATモード移行抽選は、低確率側の第1モードにて実行され、図においては、当該ATモード移行抽選に非当選であったことを示しており、同t12のタイミングにて有利区間も終了する。
t13のタイミングで有利区間へ移行し、t14のタイミングで第1モードから第2モードへの移行が生じた後、t15のタイミングで3ベットゲームから2ベットゲームに切り替えた場合、上記のようにモード移行抽選の実行が制限される。そのため、2ベットゲームに切り替える前の第2モードが維持されることになる。上記の通り、特定契機が生じるまでのゲーム数のカウントは、2ベットゲームでも継続されるため、t16のタイミングで、特定契機が生じて抽選契機フラグがセットされる。その後、t17のタイミングで3ベットゲームに切り替えることで、特定契機に基づくATモード移行抽選が実行され、かかるATモード移行抽選は、高確率側の第2モードで実行されることになる。図においては、当該ATモード移行抽選に当選であったことを示しており、同t17のタイミングでATモードが開始される。
このように、本実施形態では、ATモード移行抽選の抽選モードとして低確率側の第1モードと高確率側の第2モードとを設け、当該抽選モードの移行やATモード移行抽選は特定規定数によるベット数のゲームにて実行されるもの、特定契機はベット数が特定規定数であるか否かに関わらず生じる構成としていることから、高確率側の第2モードを維持したまま特定契機を生じさせることが可能となり、このような特定規定数を利用した斬新な遊技性を実現することが可能となる。
この場合、上記のように、抽選モードが第1モードと第2モードとのいずれに滞在しているかは、特別報知の発生率によって遊技者は予測可能となっている。つまり、第2モードに滞在している場合の方が、第1モードに滞在している場合よりも特別報知の発生率は高いことから、当該特別報知を参考にしながら、第2モードの滞在を見極め、ベット数を切り替える、といった遊技を実現可能である。
しかも、特別報知は、特定契機に基づくATモード移行抽選に非当選となった連続回数が多くなるほど、発生し易くなるようにしている。このようにすることで、ATモード移行抽選になかなか当選しないことの補填とすることが可能となり、特別報知といった抽選モードの報知を利用するだけで所謂天井機能を実現することができる。
特定契機に基づくATモード移行抽選に非当選となった場合に、有利区間が終了し得る構成としており、有利区間の終了に際しては有利区間情報の初期化処理が実行される。そこで、上記の特定契機に基づくATモード移行抽選に非当選となった連続回数については、サブ側の表示制御装置81にて記憶することで、主制御装置101側では有利区間毎の情報を持ち越すことがないといった構成を前提としながらも、ATモード移行抽選の天井機能を好適に実現することができる。
ここで、例えば、ATモード移行抽選に非当選となった場合に、毎回、有利区間を終了するのではなく、有利区間の上限ゲーム数(1500ゲーム)に応じて有利区間を終了するか否かを決定する構成も考えられる。すなわち、例えば、ATモード移行抽選に非当選となった時点において、有利区間の上限ゲーム数までの残りゲーム数から所定ゲーム数以上である場合には、当該ATモード移行抽選の非当選を契機として有利区間を終了しない一方、所定ゲーム数未満である場合には、当該ATモード移行抽選の非当選を契機として有利区間を終了する構成も考えられる。このような構成においては、上記非当選となった連続回数を主制御装置101側で管理することも可能であることから、主制御装置101側で天井機能を実現することも可能である。この場合、連続回数に対応するコマンドを表示制御装置81へ出力してその連続回数に応じて表示制御装置81側で特別報知の実行の有無を管理したり、主制御装置101側で連続回数に基づいて特別報知の実行の有無を決定し、特別報知を実行する場合にはその旨のコマンドを表示制御装置81へ出力することで、特別報知の発生率による天井機能を実現することが可能である。
その一方で、例えば、遊技ホールの開店前等において設定値の変更を行うと、主制御装置101側のRAMクリア処理が実行されるところ、当該主制御装置101側で管理される上記連続回数も消去されることになる。そうすると、当該連続回数に基づく天井機能の発動の有無によって、設定値の変更の有無が見抜かれる可能性が高くなる。その点、上記のように、連続回数を表示制御装置81側で管理する構成とすることで、主制御装置101側で設定値の変更に伴うRAMクリア処理が実行されたとしても、その事情に関与することなく、天井機能を発動させることが可能である。よって、設定値の変更の有無を見抜かれにくくすることができる。
上記の通り、本実施形態では、非内部状態や内部状態における2ベットゲームだけでなく、第1BB状態や第2BB状態においても、指示機能に関する処理の実行が制限される。つまり、非内部状態や内部状態においてベット数を切り替えるだけでなく、第1BB状態や第2BB状態への移行を生じさせることでも、ATモード移行抽選のモード移行を制限することが可能である。特に、第1BB状態や第2BB状態においては、内部状態での3ベットゲームや2ベットゲームよりも1ゲーム当たりのメダル減少が抑えられており(図26参照)、第1BB状態や第2BB状態へ移行させることで、ATモード移行抽選のモード移行を制限しながら特定契機を生じさせる遊技を、持ちメダルの減りを抑えながら実行することが可能となる。そこで、以下、各BB状態の移行等を利用した遊技の演出用の処理について説明する。
<BB用報知第1処理>
先ず、開始時演出設定処理におけるBB用報知第1処理について、図54のフローチャートを参照しながら説明する。既に説明した通り、BB用報知第1処理(開始時演出設定処理)は、ゲームの開始に際して出力される開始時コマンド(抽選結果コマンド、AT当選報知コマンド、契機非当選コマンド等)に基づく演出設定を行う処理である。
ステップS2101では、今回受信している抽選結果コマンドに基づいて、第1BBに当選したか否かを判定する。第1BBに当選した場合、ステップS2102にて各種フラグ格納エリア183aに第1BB当選済みフラグをセットする処理を実行する。そして、ステップS2103にて、各種フラグ格納エリア183aに第1BB終了済みフラグ又は第2BB終了済みフラグがセットされているか否かを判定する。第1BB終了済みフラグや第2BB終了済みフラグは、既に第1BB状態や第2BB状態が終了しているものの、これら第1BB状態や第2BB状態に対応する演出を継続中であることをCPU181が把握するためのフラグである。これらのBB終了済みフラグがセットされている場合の処理については、各BB状態に対応する演出の説明を行ってから詳細に説明するとして、ここでは、いずれのBB終了済みフラグもセットされていない場合の処理について説明する。
すなわち、ステップS2103にて否定判定して、いずれのBB終了済みフラグもセットされていない場合、ステップS2104にて第1BB当選演出を補助表示部65やスピーカ64にて行うための演出設定を実行する。第1BB当選演出は、今回のゲームで第1BBに当選したことを遊技者に報知するための演出であり、例えば、図56(a)に示すように、補助表示部65の表示画面にて第1BBに対応付けられた第1BB対応キャラクタとしての戦車を獲得したことを表示する(図では戦車が宝箱から飛び出す様子を示している)。
ステップS2101にて第1BB当選ではないと判定した場合、ステップS2105に進む。ステップS2105では、今回受信している抽選結果コマンドに基づいて、第2BBに当選したか否かを判定する。第2BBに当選した場合、ステップS2106にて各種フラグ格納エリア183aに第2BB当選済みフラグをセットする処理を実行する。そして、ステップS2107にて、各種フラグ格納エリア183aに第1BB終了済みフラグ又は第2BB終了済みフラグがセットされているか否かを判定する。ステップS2107にて否定判定して、いずれのBB終了済みフラグもセットされていない場合、ステップS2108にて第2BB当選演出を補助表示部65やスピーカ64にて行うための演出設定を実行する。第2BB当選演出は、今回のゲームで第2BBに当選したことを遊技者に報知するための演出であり、例えば、図56(b)に示すように、補助表示部65の表示画面にて第2BBに対応付けられた第2BB対応キャラクタとしての刀を獲得したことを表示する(図では刀が宝箱から飛び出す様子を示している)。
ステップS2105にて第2BB当選ではないと判定した場合、ステップS2109に進む。ステップS2109では、第1BB当選済みフラグがセットされているか否かを判定する。第1BB当選済みフラグがセットされている場合、ステップS2110に進み、今回開始するゲームが3ベットゲームであるか否かを判定する。ここで、第1BB当選済みフラグは、第1BB入賞に基づいてクリアされるフラグであるところ、第1BB当選済みフラグがセットされており、且つ3ベットゲームである場合とは、第1BB当選を持ち越している内部状態を3ベットゲームにて実行されている場合を意味する。この場合、ステップS2111にて第1BB当選済み演出を補助表示部65やスピーカ64にて行うための演出設定を実行する。第1BB当選済み演出は、第1BB当選を持ち越しており、今回のゲームで第1BB入賞が成立し得る状況であることを遊技者に報知するための演出であり、例えば、図57(a)に示すように、補助表示部65の表示画面の所定位置(左端)に上記の第1BB対応キャラクタとしての戦車を表示する。
ステップS2109にて第1BB当選済みフラグがセットされていない場合、ステップS2112にて第2BB当選済みフラグがセットされているか否かを判定する。第2BB当選済みフラグがセットされている場合、ステップS2113に進み、今回開始するゲームが2ベットゲームであるか否かを判定する。ここで、第2BB当選済みフラグは、第2BB入賞に基づいてクリアされるフラグであるところ、第2BB当選済みフラグがセットされており、且つ2ベットゲームである場合とは、第2BB当選を持ち越している内部状態を2ベットゲームにて実行されている場合を意味する。この場合、ステップS2114にて第2BB当選済み演出を補助表示部65やスピーカ64にて行うための演出設定を実行する。第2BB当選済み演出は、第2BB当選を持ち越しており、今回のゲームで第2BB入賞が成立し得る状況であることを遊技者に報知するための演出であり、例えば、図57(b)に示すように、補助表示部65の表示画面の所定位置(左端)に上記の第2BB対応キャラクタとしての刀を表示する。
<BB用報知第2処理>
第1BB状態や第2BB状態に対応する演出を実行するための処理は、BB用報知第2処理にて実行される。そこで、BB用報知第1処理における、これら各BB状態に対応する演出を継続中である場合の処理の説明に先立って、BB用報知第2処理について、図55のフローチャートを参照しながら説明する。既に説明した通り、BB用報知第2処理は、全停止時演出設定処理にて実行される処理であり、ゲームの終了に際して出力される開始時コマンド(入賞結果コマンド、第1BB開始コマンド、第2BB開始コマンド、第1BB終了コマンド、第2BB終了コマンド、AT終了コマンドや有利区間ゲームコマンド、抽選契機コマンド等)に基づく演出設定を行う処理である。
BB用報知第2処理では、ステップS2201にて第1BB開始コマンドを受信しているか否かを判定する。第1BB開始コマンドを受信している場合、ステップS2202にて、第1BB用演出を補助表示部65やスピーカ64にて開始するための演出設定を実行してから、BB用報知第2処理を終了する。第1BB用演出は、第1BB状態中であり、指示機能に関する処理の実行が制限される状況であることを遊技者に報知するための演出であり、例えば、図58(a)に示すように、補助表示部65の表示画面にて第1BB対応キャラクタに関連付けた第1BB用キャラクタとして、メインキャラクタが戦車に乗っている様子を表示する。また、第1BB用演出を実行する場合、「HOLD!!」といった文字表示のモード移行制限報知演出による制限状態であることの報知を行うとともに、「体力温存中」といった文字表示のメダル減少抑制演出を行うことで、メダル減少を抑えられた状態であることの報知を行う。なお、第1BB用演出は、少なくとも第1BB用演出の終了用の処理が実行されるまで継続する。そして、第1BB状態中に有利区間ゲーム数AGが50となり、抽選契機コマンドを受信した場合、図59(a)に示すように待機演出が発生することになる(ステップS1909)。
ステップS2201にて第1BB開始コマンドを受信していない場合、ステップS2203にて第2BB開始コマンドを受信しているか否かを判定する。第2BB開始コマンドを受信している場合、ステップS2204にて、第2BB用演出を補助表示部65やスピーカ64にて開始するための演出設定を実行してから、BB用報知第2処理を終了する。第2BB用演出は、第2BB状態中であり、指示機能に関する処理の実行が制限される状況であることを遊技者に報知するための演出であり、例えば、図58(b)に示すように、補助表示部65の表示画面にて第2BB対応キャラクタに関連付けた第2BB用キャラクタとして、メインキャラクタが刀を装備した様子を表示する。また、第2BB用演出を実行する場合、「HOLD!!」といった文字表示のモード移行制限報知演出による制限状態であることの報知を行うとともに、「体力温存中」といった文字表示のメダル減少抑制演出を行うことで、メダル減少を抑えられた状態であることの報知を行う。なお、第2BB用演出は、少なくとも第2BB用演出の終了用の処理が実行されるまで継続する。そして、第2BB状態中に有利区間ゲーム数AGが50となり、抽選契機コマンドを受信した場合、図59(b)に示すように待機演出が発生することになる(ステップS1909)。
ステップS2203にて第2BB開始コマンドを受信していないと判定した場合、ステップS2205にて、第1BB終了コマンドを受信したか否かを判定する。第1BB終了コマンドを受信している場合、ステップS2206にて第1BB終了済みフラグをセットする処理を実行する。そして、ステップS2207にて各種カウンタエリア183bに設けられた終了後カウンタに第1所定数としての「3」を入力する処理を実行してから、本BB用報知第2処理を終了する。本実施形態では第1BB用演出や第2BB用演出を対応するBB終了ゲームよりも後のゲームまで継続させる構成としており、終了後カウンタは、実行中のBB用演出をBB終了ゲームよりも後であっても継続させる最大ゲーム数を規定するカウンタである。
ステップS2205にて、第1BB終了コマンドを受信していないと判定した場合、ステップS2208にて、第2BB終了コマンドを受信したか否かを判定する。第2BB終了コマンドを受信している場合、ステップS2209にて第2BB終了済みフラグをセットする処理を実行する。そして、ステップS2210にて終了後カウンタに第2所定数としての「5」を入力する処理を実行してから、本BB用報知第2処理を終了する。なお、本実施形態では、第2所定数は第1所定数とは異なる数であって、第1所定数よりも多い数としているが、第1所定数よりも少ない数としてもよいし、第1所定数と同じ数としてもよい。ステップS2208にて否定判定した場合は、そのまBB用報知第2処理を終了する。
BB用報知第1処理の説明に戻し、ステップS2101にて第1BBに当選し、且つステップS2103にて第1BB終了済みフラグや第2BB終了済みフラグがセットされていると判定した場合、ステップS2115に進む。ステップS2115では、実行中のBB用演出の終了処理を実行する。即ち、第1BB用演出を実行中であれば当該第1BB用演出を終了し、第2BB用演出を実行中であれば当該第2BB用演出を終了する。なお、BB用演出の終了処理に際して、終了後カウンタも0にリセットする。つまり、各BB用演出は、BB状態の終了後、次の第1BB当選まで継続し得る。
また、ステップS2105にて第2BBに当選し、且つステップS2107にて第1BB終了済みフラグや第2BB終了済みフラグがセットされていると判定した場合、ステップS2116に進む。ステップS2116では、上記ステップS2115と同様に、実行中のBB用演出の終了処理を実行する。即ち、第1BB用演出を実行中であれば当該第1BB用演出を終了し、第2BB用演出を実行中であれば当該第2BB用演出を終了する。なお、BB用演出の終了処理に際して、終了後カウンタも0にリセットする。つまり、各BB用演出は、BB状態の終了後、次の第2BB当選まで継続し得る。
ステップS2104、ステップS2108、ステップS2111、ステップS2114〜ステップS2116のいずれかの処理を実行した後、又は、ステップS2110、ステップS2112若しくはステップS2113にて否定判定した後は、ステップS2117に進む。ステップS2117では、現状、いずれかのBB用演出を実行しているか否かを判定する。いずれかのBB用演出を実行している場合、ステップS2118にて、第1BB終了済みフラグ又は第2BB終了済みフラグがセットされているか否かを判定し、既にBB状態が終了している状況か否かを判定する。いずれかのBB終了済みフラグがセットされている場合、ステップS2119にて終了後カウンタを1減算する処理を実行する。
そして、ステップS2120にて終了後カウンタが0となったか否かを判定し、0となった場合には、ステップS2121にて実行中のBB用演出の終了処理を実行してから、BB用報知第1処理を終了する。即ち、第1BB用演出を実行中であれば当該第1BB用演出を終了し、第2BB用演出を実行中であれば当該第2BB用演出を終了する。また、終了後カウンタが0ではない場合であっても、ステップS2122にてAT当選報知コマンド又は契機非当選コマンドを受信しており、特定契機に基づくATモード移行抽選が実行された場合には、ステップS2121に進み、実行中のBB用演出の終了処理を実行してから、BB用報知第1処理を終了する。ステップS2117、ステップS2118又はステップS2122にて否定判定した場合、そのままBB用報知第1処理を終了する。
つまり、各BB用演出は、BB状態の終了後、特定契機に基づくATモード移行抽選が実行された場合には終了し、特定契機に基づくATモード移行抽選が実行されなかった場合であっても、次のBB当選又は終了後カウンタが0となることで終了する。
<各BB状態とATモード移行抽選との関係>
各BB状態へ移行させることで抽選モード移行を制限しながら特定契機を生じさせる遊技性と演出との関係について、図60及び図61のタイミングチャートを参照しながら説明する。
例えば第2BB当選を持ち越している内部状態を3ベットゲームにて遊技し、t21のタイミングで有利区間に移行し、特定契機までのゲーム数のカウントが開始された場合において、t22のタイミングで抽選モードが第2モードに移行したとする。その後、例えば特別報知を利用して当該モード移行を見極める等して、t23のタイミングにて3ベットゲームから2ベットゲームに切り替える。そして、t24のタイミングで特定契機が生じた後、t25のタイミングで3ベットゲームに切り替えることで、特定契機に基づくATモード移行抽選が実行される。この場合、上記内部状態を3ベットゲームにて遊技すると1ゲーム当たり約1.77枚の減少が見込め、更に内部状態を2ベットゲームにて遊技すると1ゲーム当たり約0.64枚の減少が見込めることになる。つまり、t21からt23までのゲームは1ゲーム当たり約1.77枚のメダルが減少し、t23からt24までのゲームは1ゲーム当たり約0.64枚のメダルが減少する。
これに対して、t26のタイミングで有利区間に移行し、特定契機までのゲーム数のカウントが開始された場合において、t27のタイミングで抽選モードが第2モードに移行したとする。その後、t28のタイミングで2ベットゲームに切り替え、t29のタイミングで第2BB入賞を成立させたとする。この場合、t29からt31までの第2BB状態は3ベットゲームにて遊技が行われるものの、モード移行が生じないため、第2モードが維持される。その一方で、特定契機までのゲーム数のカウントは継続し、t30のタイミングで特定契機が生じることになる。t31のタイミングで第2BB状態が終了した後、3ベットゲームに切り替えてATモード移行抽選を受けることで、第2モードの恩恵を享受することが可能となる。
ここで、上記のように内部状態を3ベットゲームにて遊技すると1ゲーム当たり約1.77枚の減少が見込め、更に内部状態を2ベットゲームにて遊技すると1ゲーム当たり約0.64枚の減少が見込めるところ、第2BB状態においては1ゲーム当たり約0.00枚の減少が見込め、メダルの減少は生じにくい(増加もしにくい)。そうすると、t26からt28までのゲームは1ゲーム当たり約1.77枚のメダルが減少する点はt21からt23の場合と同じであるものの、t28からt29までのゲームは1ゲーム当たり約0.64枚のメダルが減少し、t29からt31までのゲームはメダルの減少が生じない。つまり、第2BB入賞を生じさせる分だけ、特定契機までのゲーム数を内部状態且つ2ベットゲームにて充てる分が少なくなり、メダル減少数を圧倒的に少なくすることができる。このようにすることで、制限状態において特定契機を生じさせる遊技を行わせるうえで、単にベット数を切り替えるだけでなく、ボーナス入賞を成立させる行為が追加され、遊技の面白みが格段に向上する。
そして、t28のタイミングで2ベットゲームに切り替えると、既に第2BB当選を持ち越している状況であることから、図57(b)に示すように、モード移行制限報知演出とともに、第2BB当選済み演出が実行される。そのため、第2BB入賞を直ぐに成立させること、すなわち、持ちメダルの減少を抑えながら特定契機の発生まで待機することが可能であることを、遊技者は容易に把握することができる。
t29にて第2BB入賞を成立させると、第2BB用演出が開始される。この場合、図58(b)に示すように、モード移行制限報知演出と、メダル減少抑制演出も実行され、2ベットゲームによる内部状態を継続するよりも遊技者にとって有利であることが把握可能とされる。そして、ゲームの進行につれてゲーム数報知演出の更新も行われ、t30にて特定契機が生じると、上記の「MAXBETで敵を倒すんだ!!」といった待機演出が発生して、第2BB状態の終了後に特定契機に基づくATモード移行抽選を受けることが可能な状況となったことが報知される。
既に説明した通り、本実施形態では、3ベットゲームでは第1BBには当選し得るものの第2BBには当選し得ないようになっているとともに、2ベットゲームでは第2BBには当選し得るものの第1BBには当選し得ないようになっている。そして、3ベットゲームでは第1BB入賞は成立し得るものの第2BB入賞は成立し得ないようになっており、2ベットゲームでは第2BB入賞は成立し得るものの第1BB入賞は成立し得ないようになっている。つまり、第2BB当選を持ち越している内部状態を3ベットゲームにて遊技すれば、第2BB入賞は生じず、2ベットゲームに切り替えることで、当該持ち越している第2BBの入賞を成立させることが可能となる。この場合、第2BB状態の終了後の非内部状態を3ベットゲームにて遊技すると、第1BBに当選し得るようになり、第1BB入賞も成立し得るようになる。
例えば、図61に示すように、t41のタイミングで有利区間に移行して特定契機が生じるまでのゲーム数のカウントが開始された場合において、第1モードであるt42のタイミングで第1BB入賞を成立させたとする。この場合、上記のように、第1BB状態中においては抽選モードの移行は生じないものの特定契機までのゲーム数のカウントは実行されるため、例えば第1BB状態中であるt43のタイミングで特定契機が生じ得る。そうすると、t44のタイミングで第1BB状態が終了して3ベットゲームにて特定契機に基づくATモード移行抽選を実行させる場合、上記のように低確率側の第1モードでのATモード移行抽選となり、ATモード移行当選となる可能性が低い。
つまり、第1BB当選を持ち越している内部状態では、3ベットゲームにて第1モードに移行するよりも前に意図せず第1BB入賞が発生してしまう可能性があり、そうすると、特定契機に基づくATモード移行抽選が低確率側の第1モードでの抽選となる可能性が高くなる。そのため、第1BB当選を持ち越している内部状態では、ATモード移行抽選の抽選モードの見極めを行いながら、第2モードへ移行する前においては、毎ゲーム、第1BB入賞を回避する遊技が強いられることになる。
ここで、本実施形態では、MAXBETボタンとしての第1クレジット投入スイッチ56を操作すると、MAXベットカウンタの値に応じたベット数がベットされる構成であるところ、非内部状態におけるMAXベットカウンタは2であり、内部状態となることでMAXベットカウンタは3となるように設定されている。つまり、第1BB状態や第2BB状態が終了して非内部状態となると、MAXベットカウンタは2となり、第1クレジット投入スイッチ56を操作する遊技を行う場合、当該非内部状態はおのずと2ベットゲームによるゲームとなり、指示機能に関する処理の実行が制限される制限状態にて遊技が行われる。
すなわち、t44のタイミングでMAXベットカウンタは2となっており、図においては、メダル投入口45から3枚のメダルを投入することで3ベットゲームを実行したことを意味する。そして、t45のタイミングで第1BBに当選することで、MAXベットカウンタは3に設定される。
t46のタイミングで有利区間へ移行して、t47のタイミングで第2モードに移行した場合において、t48のタイミングで2ベットゲームに切り替えて、t49のタイミングで第2BB入賞を成立させたとする。これらの状況においては、t48のタイミングで第2BB入賞を成立させるまでの内部状態において、MAXベットカウンタは3であり、t48のタイミングで2ベットゲームに切り替える遊技を行う場合、第1クレジット投入スイッチ56ではなく第2クレジット投入スイッチ57を操作したり、メダル投入口45からメダルを投入してベットを行う必要がある。第2BB状態においてもMAXベットカウンタは3であることから、t49からt51までの第2BB状態においては、第1クレジット投入スイッチ56を操作することで、所望の遊技(制限状態による遊技)を行うことが可能である。
t50のタイミングで特定契機が生じた後、t51のタイミングで第2BB状態が終了すると、非内部状態となる。この場合、MAXベットカウンタは2となることから、第1クレジット投入スイッチ56を操作する遊技では、2ベットゲームによる遊技が継続されることになる。非内部状態において2ベットゲームでは、比較的高確率な約4.95分の1の確率で第2BBに当選し、当該当選ゲームにて第2BB入賞を成立させなけば内部状態となる。内部状態となるとMAXベットカウンタは3となり、第1クレジット投入スイッチ56を操作する遊技においては、t52の内部状態に移行するゲームにて3ベットゲームに切り替わって特定契機に基づくATモード移行抽選が実行されることになる。
つまり、本実施形態では、ATモード移行抽選の抽選モードとして高確率側の第2モードを維持し、且つメダル減少を抑えながら、特定契機を生じさせる遊技を、3ベットゲームから2ベットゲームに切り替えて第2BB入賞を成立させることで実現しながら、当該第2BB状態が終了した後は、再度第2BBに当選するまで、制限状態を維持させることを促す構成としている。このようにすることで、第1BB当選を持ち越している内部状態が3ベットゲームにて実行される機会が生じにくくなる。これにより、意図せず第1BB入賞を成立させてしまうことによって低確率側の第1モードにてATモード移行抽選を受けることになってしまう事象や、その事象を生じさせないために第1BB入賞を毎ゲーム回避する遊技を強いることを、好適に回避させることが可能となり、遊技者に不利益を被らせないようにしながら、更にスムーズな遊技を実現することが可能となる。
しかも、本実施形態では、上記のような第2BB状態後の非内部状態を2ベットゲームにて遊技させるうえで、第2BB状態中の演出が、内部状態となるまで継続し得る構成としている。つまり、第2BB状態に移行するt49のタイミングで開始された第2BB用演出は、当該第2BB状態が終了するt51のタイミングでは終了せず、内部状態となるt52のタイミングまで継続し得る。このようにすることで、既に特定契機が生じており、3ベットゲームに切り替えさえすれば、特定契機に基づくATモード移行抽選を受けることが可能である状況であるものの、3ベットゲームに切り替えることなく2ベットゲームにて遊技を行わせることに対する違和感を低減することが可能となる。
その一方で、例えば、遊技ホールの閉店間際等、遊技時間が限られている等で、第2BB状態が終了した後、内部状態となるまで2ベットゲームによる遊技を行う時間やメダルすら惜しい場面も想定し得る。その点、本実施形態では、第1クレジット投入スイッチ56や第2クレジット投入スイッチ57だけでなく、メダル投入口45によるベットが可能であることから、第2BB状態が終了した後、内部状態となるまでの2ベットゲームによる遊技を行わず、第2BB状態が終了した後、直ぐに3ベットゲームに切り替えて、特定契機に基づくATモード移行抽選を受けることも可能である(図60)。このようにすることで、遊技者の意思を尊重しながら遊技を行わせることが可能となる。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
ATモード移行抽選の抽選モードの移行が生じ得る許容遊技(第1遊技、非内部状態や内部状態の3ベットゲーム)とATモード移行抽選の抽選モードの移行が制限される制限遊技(第2遊技、BB状態のゲーム、非内部状態や内部状態の2ベットゲーム)と、を設定したうえで、許容遊技及び制限遊技のいずれであってもカウントされる有利区間ゲーム数AGが所定数としての50に達したことを特定契機として、ATモード移行抽選が行われる構成とした。このようにすることで、許容遊技にて抽選モードを高確率側の第2モードに移行させた後、制限遊技に切り替えて有利区間ゲーム数AGが所定数に達するまで抽選モードの移行を回避する遊技性を実現することが可能となり、遊技の興趣向上が図られる。
この場合、ATモード移行抽選の抽選モードの移行だけではなくATモード移行抽選自体も制限遊技にて制限される構成としていることから、有利区間ゲーム数AGが所定数に達した後、許容遊技にて遊技することでATモード移行抽選を行わせる構成となる。このようにしたことで、第2モードを見定めて制限遊技に切り替えるだけでなく、有利区間ゲーム数AGが所定数に達することを把握しながら遊技を行うこと、すなわち、制限遊技から許容遊技に切り替えるタイミングを把握する必要があり、制限遊技における遊技性を向上させることができる。
本実施形態では、所定数に達したことは、補助表示部65にて行われる抽選予告演出や待機演出によって、遊技者は容易に把握することが可能となるようにしている。また、ゲーム数報知演出によっても所定数に達したことや、所定数に達するまでのゲーム数を把握可能としている。このようにすることで、あとどれくらいで特定契機が生じるかを把握しながら遊技を行うことが可能となり、BB入賞の有無や2ベットゲームへの切替タイミングだけでなく、第2モードへの移行が生じていない状況であれば、そのタイムリミットを把握しながら遊技させることができ、遊技の面白みが高められている。
また、本実施形態では、特定契機が生じた後、最初の許容遊技にてATモード移行抽選を行う構成としたことから、特定契機が生じて制限遊技にてATモード移行抽選が行われてしまうこともないし、特定契機が生じてから許容遊技に切り替えた後、なかなかATモード移行抽選が行われないことによって、抽選モードが移行してしまった、といった事象も生じないようにすることができる。よって、特定契機の発生を見定めて許容遊技に切り替える遊技性を好適に実現することが可能となる。
更に、特別報知抽選に当選することで特別報知が行われる構成とし、当該特別報知抽選の当選確率を第1モード滞在時よりも第2モード滞在時の方が高くなるようにしたことから、当該特別報知を、第2モードに滞在していることの示唆演出として捉えさせることが可能となる。これにより、遊技者は、当該特別報知を指標にして許容遊技から制限遊技に切り替えることが可能となる。
特別報知抽選は、ATモード移行抽選に非当選となった連続回数を示す契機スルーカウンタの値が大きくなるほど、当選し易くなるように設定されており、ATモード移行抽選に非当選となるほど、特別報知が発生し易くなる。つまり、第2モードに滞在していることを見定めやすくなり、結果的に、特定契機に基づくATモード移行抽選に当選し易くすることができる。このようにすることで、特別報知を利用してATモード移行抽選の天井機能を実現することができる。
この場合、特別報知は、第2モードに滞在していることの報知ではなく、ベット数に対応する報知とも捉えることが可能である。つまり、ATモード移行抽選の抽選モードの高低を直接的に報知するものではなく、実行すべき遊技の種類(制限遊技と許容遊技)の示唆演出として捉えさせることも可能である。これにより、遊技者は、実行すべき遊技を特別報知から把握することも可能となる。
特定契機に基づくATモード移行抽選に非当選となると、有利区間を終了させる構成とし、当該有利区間の終了に際して、主制御装置101側では有利区間用情報の初期化処理を行う構成としている。これに対して、上記特別報知の実行確率を定める契機スルーカウンタは、表示制御装置81側で管理する構成としているため、ATモード移行抽選の当選し易さを、有利区間を跨いで特別報知を通じて調節することが可能となる。
特別報知抽選は、当選確率の設定処理にて設定される設定値によって当選確率が異なるようにしていることから、例えば、ATモード移行抽選の当選確率に設定差を設けることができない事情があっても、特別報知を通じてそれを実現することができる。
この場合、特別報知は、全停止時演出設定処理において、全停止時演出として実行されるように設定され、ゲームの終了に際して実行される。これに対して、AT抽選モード移行抽選処理等の抽選モード移行用の処理は、主制御装置101側の抽選結果対応処理にて実行され、つまり、一のゲームにおいて、特別報知の実行前に抽選モード移行用の処理が行われる。そのため、特別報知を指標として制限遊技に切り替えたのにもかかわらず、抽選モード移行後であった、といった事象が生じないようにすることが可能となる。
AT抽選モード移行抽選処理は、ゲームの抽選結果に応じて第1モードへの移行や第2モードへの移行が生じ得るようにしていることから、制限遊技にて特定契機を生じさせて高確率側の第2モードにてATモード移行抽選を受けることを目指す遊技性において、各ゲームの抽選結果がないがしろにされることなく、各ゲームの注目度低下を回避することができる。
この場合、所謂レア役としての特定役となると第1モードから第2モードへの移行が生じ易く、所謂通常役としての通常リプA〜通常リプCとなると第2モードから第1モードへの移行が生じ易くなることを前提としながら、当該通常役でも第1モードから第2モードへの移行が生じ得るようにしていることから、各ゲームの抽選結果だけではモード移行を確定的に見定めることはできないようになり、そのモード移行を予測する遊技の面白さを高めることが可能となる。
許容遊技にて特定役当選となると、当該特定役を契機としたATモード移行抽選が行われ得るようにしたことから、特定契機に基づくATモード移行抽選を介することなく、ATモード移行が生じ得るようになり、遊技の多様化が図られる。しかも、このようにすることで、制限遊技ばかり実行して、特定契機に基づくATモード移行抽選ばかりを受ける遊技よりも、許容遊技にて特定役に基づくATモード移行抽選を受けながら第2モードへの移行を待つ遊技の方がATモード移行が生じ易くなり、許容遊技にて遊技を行わせる動機付けともすることが可能となる。
しかも、2ベットゲームとしての制限遊技では特定役に当選し得るものの、その特定役当選に基づくATモード移行抽選の実行は制限されることから、せっかく特定役に当選したのにもかかわらずATモード移行抽選が行われない悔しさを、許容遊技を行わせる後押しとすることができる。
許容遊技として3ベットゲームよりも制限遊技としての2ベットゲームのほうが、ゲームに要するメダル数とゲームの結果として払い出されるメダル数の差し引きの1ゲーム当たりの平均値である遊技ベースが高くなるようにしていることから、第2モードへの移行を見定めた後、2ベットゲームに切り替えることで、比較的メダルの損失を抑えながら、特定契機を生じさせることが可能となる。つまり、第2モードへの移行が早く生じるほど、また、第2モードへの移行を早く見定めるほど、特定契機を生じさせるまでに要するメダル数が少なくなるため、第2モードへの移行が生じることへの注目度が劇的に高められ、実際のメダル損失との兼ね合いで面白みのある遊技性を実現することが可能となる。
また、制限遊技として、第1BB状態や第2BB状態への移行を生じさせれば、これらBB状態は、遊技ベースは2ベットゲームよりも高く設定されていることから、2ベットゲームのまま特定契機を生じさせるよりも特定契機までに必要なメダル数が少なくなる。つまり、第2モードへの移行をより早期に生じさせ、それをより早期に見定め、更に、第2BB入賞や第1BB入賞をより早期に生じさせることで、特定契機までに必要なメダル損失を減らすことが可能となる。よって、第2モードの移行の見定めといった知識介入の余地を生じさせることによる遊技性の向上に加えて、BB入賞成立させるといった遊技者の技術介入の余地を生じさせることによっても遊技性が向上し、これまでにない面白みのある遊技を実現することが可能となる。
しかも、むやみにBB入賞を成立させればよいのではなく、BB入賞タイミングやBB状態の終了タイミングによっては、特定契機が生じていない場合も生じ得ることから、BB入賞タイミングを見定める必要がある。より詳しくは、BB入賞タイミングが早すぎると、BB状態の終了後に、更に2ベットゲームにて遊技を行う必要があるし、BB入賞が遅すぎると、特定契機が生じた後も、更にBB状態を消化しなくてはならず、時間効率の低下が懸念される。
この場合、内部状態でも有利区間であれば有利区間ゲーム数AGのカウントが行われることから、BB当選を持ち越している内部状態にて、BB入賞を成立させるべきタイミングを見定め、所望のタイミングとなった際にBB入賞を成立させる遊技を行わせることができる。つまり、所望のタイミングとなってから、BB当選を待ち、その後BB入賞を成立させようとすると、当該所望のタイミングとBB入賞とのズレが大きくなり得る。その点、上記のように内部状態にて特定契機の発生を待つことができる遊技性としていることから、BB入賞をより早期に生じさせることが可能となり、入賞タイミングのズレによる不都合(特に時間効率の低下)を回避することが可能となる。
ここで、本実施形態では、基本的には第2BB当選を持ち越している3ベットゲームを通常遊技としており、第2BBは2ベットゲームにて入賞が可能であって、3ベットゲームでは入賞が不可としていることから、BB入賞によって持ちメダルの損失を抑制しながら制限遊技を行うためには、2ベットゲームに切り替える必要があるようになる。このようにすることで、3ベットゲームでの通常遊技において、意図せず第2BB入賞を成立させてしまって、制限遊技としてしまう事象を回避させることが可能となる。
この場合、MAXベットカウンタを非内部状態では2とし、内部状態では3として設定する構成としていることから、第1クレジット投入スイッチ56を操作する遊技において、BB状態の終了後、非内部状態となると、おのずと2ベットゲームにて遊技が行われるようになり、当該2ベットゲームにて第2BBに当選することで内部状態となって3ベットゲームに切り替わる構成となる。このようにしていることから、第2BB当選を持ち越している3ベットゲームの通常遊技が行われ易くなり、例えば、第1BB当選を持ち越している状態での遊技を行われにくくすることが可能となる。これにより、許容遊技において第1BB入賞を回避する停止操作を強要させないようにすることができ、遊技をスムーズに進行させることが可能となる。
その一方で、MAXベットカウンタに3が入力されている状況で、第1クレジット投入スイッチ56ではなく第2クレジット投入スイッチ57を操作したりメダル投入口45からメダルを投入することで、2ベットゲームにて遊技を可能であるし、MAXベットカウンタに2が入力されている状況で、第1クレジット投入スイッチ56ではなくメダル投入口45からメダルを投入することで、3ベットゲームにて遊技を可能としている。そのため、例えば、遊技ホールの閉店間際等、BB状態の終了後、第2BBに当選するよりも前に3ベットゲームにて遊技を行うことが許容されている。このようにすることで、遊技者自らの開始操作にて遊技を開始し、遊技者自らの終了操作にて遊技を終了するといったスロットマシン10の遊技の醍醐味を抹殺しない範囲で、第2BB当選を持ち越す遊技を行わせることが可能となる。
また、上記のようにBB状態の終了後、第2BBに当選するまで2ベットゲームにて遊技され易くしているところ、BB用演出についても第2BBに当選するまで継続する構成としている。このようにしたことで、BB状態が終了しているのにもかかわらず、2ベットゲームでの非内部状態の遊技を推奨されることの違和感を与えにくくすることができる。
但し、例えば、上記のように遊技ホールの閉店間際等、BB状態の終了後、第2BBに当選するよりも前に3ベットゲームに切り替えて、特定契機に基づくATモード移行抽選を受けたいといった遊技者のニーズも想定されるところ、BB状態の終了後、特定契機に基づくATモード移行抽選が実行されることに基づいて、BB用演出を終了するようにしていることから、BB用演出だけが継続しているといった不都合を回避することが可能となる。
また、本実施形態では、BB状態の終了後、第2BBに当選しなくても、所定ゲーム数(3又は5ゲーム)後にはBB用演出を終了する構成としている。このようにすることで、第2BBに当選しないからといって、延々とBB用演出が継続してしまう不都合を生じさせないようにすることが可能となる。ちなみに、第2BB状態の終了後、第2BB用演出が継続し得るゲーム数は、第2BBの当選確率(約4.95分の1)の分母よりも大きい数として設定されており、基本的には第2BB当選に基づいて第2BB用演出が終了する構成としている。
<変形例1>
上記第1の実施形態では、AT抽選モード移行抽選処理を経て第1モードと第2モードとが行き来が生じる構成としていたが、本変形例では、有利区間ゲーム数AGに応じて第1モードと第2モードとの行き来が生じる構成とする。
図62(a)は、本変形例における有利区間移行ゲーム用処理を示すフローチャートである。既に説明した通り、有利区間移行ゲーム用処理は、区間表示第1処理において、有利区間に移行するゲームにて主制御装置101側の処理として実行される。
ステップS2301では、モード移行テーブルの抽選処理を実行する。すなわち、本変形例では、図63(a)に示すように、有利区間ゲーム数AGと、第1モードと第2モードへの移行ゲームとの関係が設定されている複数種類のモード移行テーブルが各種テーブル記憶エリア105aに記憶されている。より詳しくは、例えば、アドレス情報M0001のモード移行テーブルでは、有利区間ゲーム数AGが1〜10であれば第2モードに設定され、有利区間ゲーム数AGが11〜49であれば第1モードに設定されることを示している。また、アドレス情報M0005のモード移行テーブルでは、有利区間ゲーム数AGが1〜40であれば第2モードに設定され、有利区間ゲーム数が41〜49であれば第1モードに設定されることを示している。ステップS2301の処理は、これら複数記憶されているモード移行テーブルから、今回の有利区間で利用するモード移行テーブルを抽選により決定する処理である。
複数種類設定されているモード移行テーブルについてより詳しくは、いずれの有利区間ゲーム数AGであっても、第1モードである場合と第2モードである場合とが生じるように、各モード移行テーブルが設定されている。つまり、有利区間ゲーム数AGだけで抽選モードの種類が確定することがないように設定されている。また、本変形例におけるモード移行テーブルでは、少なくとも第2モードである区間を含むように設定されており、有利区間ゲーム数AGの値に関わらず第1モードである、といったモード移行テーブルは設定されていない。これに対して、アドレス情報MXXXのモード移行テーブルでは、有利区間ゲーム数AGが1〜49の全ての値で第2モードに設定されており、第1モードである区間が含まれないモード移行テーブルとなっている。
ステップS2302では、ステップS2301の処理結果に基づいて、決定されたモード移行テーブルのアドレス情報を、アドレス情報記憶エリア106fに記憶する処理を実行する。その後、ステップS2303にてテーブルコマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、有利区間移行ゲーム用処理を終了する。テーブルコマンドは、今回の有利区間への移行に際して設定されたモード移行テーブルの種類の情報が含まれている。
表示制御装置81では、例えば、開始時演出設定処理におけるステップS1615(その他の開始時演出設定処理)にて実行されるテーブル報知用処理(図62(b))として、テーブルコマンドを受信した場合の処理が設定されている。
すなわち、テーブル報知用処理では、ステップS2311にて、テーブルコマンドを受信したか否かを判定し、テーブルコマンドを受信した場合には、ステップS2312にて当該テーブルコマンドに含まれるモード移行テーブルの情報をアドレス情報記憶エリア183cに記憶する処理を実行する。なお、既にモード移行テーブルの情報が記憶されている場合には、その情報を消去したうえで、新たなモード移行テーブルの情報を記憶する。ステップS2311にて、テーブルコマンドを受信していない場合には、そのままテーブル報知用処理を終了する。
ステップS2312の処理を実行した後は、ステップS2313にて、契機スルーカウンタが所定数(5)よりも大きいか否かを判定する。所定数以下である場合には、そのままテーブル報知用処理を終了する。所定数よりも大きい場合、すなわち、特定契機に基づくATモード移行抽選に非当選となった連続回数が所定数よりも多い場合には、ステップS2314にてテーブル報知抽選処理を実行する。テーブル報知抽選処理は、今回のモード移行テーブルの種類の情報を報知するか否かを抽選する処理であり、例えば、契機スルーカウンタの値、設定値、モード移行テーブルの種類に応じて、その当選確率が異なっている。より詳しくは、例えば、契機スルーカウンタの値が大きいほどテーブル報知抽選に当選し易く、また設定値が高いほどテーブル報知抽選に当選し易くなるように設定されている。そして、モード移行テーブルの種類として、例えば、第2モードである区間が長く確保されているモード移行テーブルほど、テーブル報知抽選に当選し易くなるように設定されている。
ステップS2314にてテーブル報知抽選処理を実行した後は、ステップS2315にて当該報知抽選に当選したか否かの判定を行い、非当選である場合にはそのままテーブル報知用処理を終了する。当選である場合には、ステップS2316にて、記憶されているモード移行テーブルを読み出し、当該モード移行テーブルに対応する演出データをRAM183から取得する処理を実行する。当該モード移行テーブルに対応する演出データは、図63に示すようにモード移行テーブルと1対1で対応付けられた演出データが設定されており、それぞれの演出データに対応する演出は、遊技者が識別できる程度に異なっている。なお、モード移行テーブルと演出データとが1対1で対応付けられている構成に代え、複数のモード移行テーブルと1の演出データとが対応付けられている構成としてもよいし、1のモード移行テーブルと複数の演出データとが対応付けられている構成としてもよい。
ステップS2316にて演出データを取得した後は、ステップS2317にて当該取得した演出データに基づくテーブル報知演出を補助表示部65やスピーカ64にて実行するための演出設定を実行してから、テーブル報知用処理を終了する。テーブル報知演出としては、例えば、補助表示部65の背景の色や種類、メインキャラクタが表示される位置やメインキャラクタが表示される大きさの組み合わせによって一のテーブル報知演出を行う。例えば、補助表示部65の背景色が青であって、メインキャラクタの表示位置が中央であり、メインキャラクタの表示サイズが中である場合には、アドレス情報M0001のモード移行テーブルに対応するテーブル報知演出となり、同じ背景色とメインキャラクタの位置であっても、メインキャラクタの表示サイズが大である場合には、アドレス情報M0002のモード移行テーブルに対応するテーブル報知演出となり、同じ背景色とメインキャラクタの位置であっても、メインキャラクタの表示サイズが小である場合には、アドレス情報M0003のモード移行テーブルに対応するテーブル報知演出となる、といったように各パラメータの組み合わせにより一のモード移行テーブルに対応するテーブル報知演出が構成される。この場合、遊技者は、当該テーブル報知演出に基づいて、有利区間移行時に設定されたモード移行テーブルを予測することが可能となる。
なお、テーブル報知演出の演出態様を各モード移行テーブルと1対1の関係で設定し、テーブル報知演出から一のモード移行テーブルを特定可能とする構成に加え、又は代えて、複数のモード移行テーブルに対して一のテーブル報知演出の演出態様が対応付けられており、テーブル報知演出から一のモード移行テーブルを特定しにくい構成としてもよい。この場合、例えば、第2モードに振り分けられるゲーム数や、第2モードとなるゲームのタイミング等によって各モード移行テーブルを分類わけし、各分類に対してテーブル報知演出を対応付ける構成としてもよい。
図64は、本変形例におけるAT抽選用処理を示すフローチャートである。既に説明した通り、AT抽選用処理は、抽選結果対応処理にて実行される処理であり、ベット数が特定規定数である場合に実行が許容され、特定規定数ではない制限状態であれば実行が制限される処理である。
ステップS2401では、アドレス情報記憶エリア106fに記憶されているモード移行テーブルのアドレス情報を読み出すことで、今回の有利区間にて設定されているモード移行テーブルを把握する処理を実行する。続くステップS2402では、有利区間ゲーム数AGを把握する処理を実行する。そして、ステップS2403にて、モード移行テーブルと有利区間ゲーム数AGとを照らし合わせることで、今回のゲームが第1モードに対応するゲームであるか否かを判定する。
例えば、モード移行テーブルがアドレス情報M0001のものである場合、上記のように有利区間ゲーム数AGが1〜10では第2モード、有利区間ゲーム数AGが11〜49では第1モードに設定されるところ、ステップS2403では、有利区間ゲーム数AGが11〜49である場合に、今回のゲームが第1モードに対応するとして肯定判定する。
ステップS2403にて第1モードに対応するゲームであると判定した場合、ステップS2404では、既に第1モードフラグがセットされているか否かを判定する。第1モードフラグがセットされておらず、前回のAT抽選用処理は第2モードにて実行された場合、ステップS2405にて第1モードフラグをセットする処理を実行する。そして、ステップS2406にて第1モード移行コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。
ステップS2403にて否定判定した場合、ステップS2407にて第2モードに対応するゲームであるか否かを判定する。すなわち、モード移行テーブルがアドレス情報M0001のものである場合、有利区間ゲーム数AGが1〜10である場合に、今回のゲームが第2モードに対応するとして肯定判定する。
ステップS2407にて第2モードに対応するゲームであると判定した場合、ステップS2408では、第1モードフラグがセットされているか否かを判定する。第1モードフラグがセットされており、前回のAT抽選用処理は第1モードにて実行された場合、ステップS2409にて第1モードフラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップS2410にて第2モード移行コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。
ステップS2404にて肯定判定した場合、ステップS2406若しくはステップS2410の処理を実行した場合、又は、ステップS2407若しくはステップS2408にて否定判定した場合、ステップS2411に進む。ステップS2411〜ステップS2416では、上記ステップS812〜ステップS817の処理と同様にATモード移行抽選用の処理を実行する。また、ステップS2417〜ステップS2424では、ステップS818〜ステップS824の処理と同様にATモード移行抽選の結果に応じた処理を実行する。
ここで、モード移行テーブルでは、図63に示すように、有利区間ゲーム数AGが50以降の抽選モードが規定されていない。つまり、有利区間ゲーム数AGが50以降である場合には、ステップS2403及びステップS2407のいずれにおいても否定判定することになる。そうすると、有利区間ゲーム数AGが50となって特定契機が生じた後は、その後の有利区間ゲーム数AGの値に関わらず、ATモード移行抽選の抽選モードの移行は生じない構成となる。
このようにすることで、特定規定数によるベットで遊技を行うと、有利区間ゲーム数AGの値に応じて第1モードと第2モードとの行き来が生じる一方、特定規定数とは異なるベットで遊技を行うと、有利区間ゲーム数AGの値に関わらず第1モードと第2モードとの行き来が生じない構成となる。
より詳しくは、例えば、アドレス情報M0001のモード移行テーブルが設定されている場合において、有利区間ゲーム数AGが10までのゲームでは第2モードに設定され、11以降では第1モードに設定されるところ、有利区間ゲーム数AGが10までのゲームにおいて3ベットゲームから2ベットゲームに切り替える等して制限状態での遊技とすることで、第2モードを維持したまま遊技を進行することが可能である。そして、有利区間ゲーム数が50となって契機抽選フラグがセットされた後は、3ベットゲームに切り替えることで特定契機に基づくATモード移行抽選を第2モードにて受けることが可能となる。
以上のように、本変形例では、モード移行テーブルと有利区間ゲーム数AGとによってATモード移行抽選の抽選モードを設定する構成としたことにより、抽選モードの移行を当該モード移行テーブルと有利区間ゲーム数AGとから、遊技機側で事前に把握することが可能となる。つまり、上記第1の実施形態では、許容遊技でのAT抽選モード移行抽選処理を経て、抽選モードが移行する構成としていたため、当該AT抽選モード移行抽選処理が行われるまで抽選モードの移行を特定することはできないものの、上記変形例のようにすることで、抽選モードを事前に把握することが可能となる。しかも、実際に許容遊技にて抽選モードの移行が生じていなくても、制限遊技において仮に許容遊技であればいずれの抽選モードとなるかを把握することが可能となることから、例えば、第1モードであるのにも関わらず、2ベットゲームに切り替えた場合等、3ベットゲームに切り替えるべきタイミングを見定めさせる遊技も実現することが可能となる。
モード移行テーブルとして、複数のモード移行テーブルを予め記憶しておき、有利区間ゲーム数AGからいずれのモードに滞在しているかが確定しないように、これら複数のモード移行テーブルを設定した。より詳しくは、例えば、有利区間移行後のゲーム数(有利区間ゲーム数AG)が1ゲーム〜10ゲームである場合、アドレス情報M0001のモード移行テーブルであれば第2モードに設定されるものの、アドレス情報M0002のモード移行テーブルであれば第1モードに設定され、11ゲーム〜20ゲームである場合、アドレス情報M0001のモード移行テーブルであれば第1モードに設定され、アドレス情報M0002であれば第2モードに設定される、といったように、有利区間移行後のゲーム数だけで、滞在している抽選モードが確定しないように各ゲーム数にそれぞれの抽選モードに設定されるモード移行テーブルがあるように設定した。このようにすることで、モード移行テーブルを予測する遊技を行う意義が担保される。
その一方で、有利区間移行時、すなわち、モード移行テーブルの設定時に、テーブル報知演出として各モード移行テーブルを示唆する演出が行われ得るようにしたことから、有利区間移行後のゲーム数と、そのテーブル報知演出の内容から、現状、滞在している抽選モードや、将来の抽選モードを予測する遊技を行うことが可能となる。
この場合、例えば、テーブル報知演出として、アドレス情報M0001に対応する演出が行われた場合、有利区間移行後、1ゲーム目から10ゲーム目までのいずれかのゲームを許容遊技にて遊技すればよく、後のゲームについては特定契機が生じるまで制限遊技にて遊技する必要が生じる。つまり、テーブル報知演出や、特別報知から、アドレス情報M0001のモード移行テーブルが設定されたことを10ゲーム目までに察知できた場合、当該11ゲーム目までに制限遊技に切り替えて49ゲーム目まで遊技することで、第2モードを維持したまま特定契機に基づくATモード移行抽選を受けることが可能となる。言い換えると、この場合、10ゲーム目までにモード移行テーブルを察知できなかったり、11ゲーム目から49ゲーム目までのいずれかのゲームを許容遊技にて遊技してしまうと、特定契機に基づくATモード移行抽選は、低確率側の第1モードにて受けざるを得なくなる。このようにすることで、モード移行テーブルの察知や制限遊技への切り替えの重要性が高められ、かかる遊技の面白みが向上する。
更に、例えば、テーブル報知演出として、アドレス情報M0005に対応する演出が行われた場合、有利区間移行後、41ゲーム目から49ゲーム目までのいずれかのゲームを許容遊技にて遊技すればよく、後のゲームについては制限遊技にて遊技してもよくなる。つまり、テーブル報知演出や、特別報知から、アドレス情報M0005のモード移行テーブルが設定されたことを察知できた後は、少なくとも48ゲーム目までを制限遊技にて遊技してもよくなり、例えば2ベットゲームにてメダル減少を抑えながら、特定契機と、第2モードへの移行と、を待つことが可能となる。この場合、例えば、第2BB入賞を成立させることで制限遊技でのメダル減少を更に抑制することが可能となるものの、例えば、第2BB入賞を5ゲーム目で生じさせ、当該第2BB状態が44ゲーム継続したとすると、第2BB状態の終了ゲームは49ゲーム目となり、41ゲーム目から49ゲーム目までのいずいれかのゲームを許容遊技にて遊技することができなくなる。つまり、第2モードに移行させる機会を逸してしまうことになる。そうすると、第2BB入賞を成立させるにしても、その入賞タイミングの重要性がより増すことになるし、第2BB状態の継続ゲーム数(第2BB状態の各ゲームの抽選結果)への注目度も劇的に高められることになる。よって、遊技の興趣向上が図られる。
テーブル報知演出は、テーブル報知抽選を経て実行されるところ、当該テーブル報知抽選は、設定値や契機スルーカウンタの値によって当選確率が異なるように設定されている。より詳しくは、契機スルーカウンタの値が大きいほどテーブル報知抽選に当選し易く、また設定値が高いほどテーブル報知抽選に当選し易くなるように設定されている。このようにすることで、ATモード移行抽選に非当選となるほど、第2モードにてATモード移行抽選を受ける機会が生じ易くなるし、高設定ほど第2モードにてATモード移行抽選を受ける機会が生じ易くなる。よって、ATモード移行率の設定差をテーブル報知演出を通じて実現することが可能となるし、ATモード移行の天井機能をテーブル報知演出によって実現することも可能となる。
更に、テーブル報知抽選は、設定されたモード移行テーブルの種類によって、当選確率が異なるように設定されている。より詳しくは、モード移行テーブルの種類として、例えば、第2モードである区間が長く確保されているモード移行テーブルほど、テーブル報知抽選に当選し易くなるように設定されている。このようにすることで、せっかく第2モードである区間が長いテーブルが選択されたのにも関わらず、それが報知されることなく遊技者が察知できない、といった不条理を解消することも可能となる。
<変形例2>
BB状態の変形例を説明する。
図65(a)に示すように、本変形例では、2ベットゲームでの第1小役入賞〜第6小役入賞に対応する特典が、上記第1の実施形態と異なっており、本変形例では、第1小役入賞〜第6小役入賞に対応する特典として、ベット数と同数の2枚のメダル払出が行われる。また、図65(b)に示すように、本変形例における第1BB状態や第2BB状態用の抽選テーブルでは、インデックス値IV=10の共通ベルに高確率(本変形例では100%の確率)で当選するように設定されている。
図66は、本変形例におけるボーナス状態処理を示すフローチャートである。
ステップS2601〜ステップS2603の処理は、上記ステップS501〜ステップS503の処理と同様であり、第1BBや第2BBに当選して内部状態に移行した場合にMAXベットカウンタを3に設定する処理を実行する。ステップS2604にて第1BB入賞又は第2BB入賞が成立したと判定した場合、本変形例では、ステップS2605にてMAXベットカウンタを2に設定する処理を実行する。そして、ステップS2606にて第1BB入賞が成立していると判定した場合、本変形例ではステップS2607にてBBカウンタに110を入力する処理を実行する。その後、ステップS2608にて第1BB当選フラグをクリアし、ステップS2609にて第1BB状態フラグをセットし、ステップS2610にて第1BB開始コマンドをセットした後、ステップS2611にて、規定ベット数を2に設定してからボーナス状態処理を終了する。すなわち、本変形例では、第1BB状態は2ベットゲームにて実行され、110枚のメダル払出が生じることで終了する。また、第1BB状態においては、2枚のメダル払出が生じる共通ベルに必ず当選することから、第1BB状態は終了するまでに55ゲーム要する構成となる。つまり、第1BB状態を終了するまでに必要なゲーム数は、特定契機が生じるまでに必要なゲーム数よりも多く、第1BB状態へ移行させることで、当該第1BB状態の終了した後は、必ず第1BB状態移行前の抽選モードにて特定契機に基づくATモード移行抽選が実行され得るようになる。
ステップS2606にて第1BB入賞成立ではないと判定した場合、ステップS2612に進み、BBカウンタに50を入力する処理を実行する。その後、ステップS2613にて第2BB当選フラグをクリアし、ステップS2614にて第2BB状態フラグをセットし、ステップS2615にて第2BB開始コマンドをセットした後、ステップS2611にて、規定ベット数を2に設定してからボーナス状態処理を終了する。すなわち、本変形例では、第2BB状態についても2ベットゲームにて実行され、第1BB状態よりも少ない50枚のメダル払出が生じることで終了する。また、第2BB状態においても、2枚のメダル払出が生じる共通ベルに必ず当選することから、第2BB状態は終了するまでに25ゲーム要する構成となる。つまり、第2BB状態を終了するまでに必要なゲーム数は、特定契機が生じるまでに必要なゲーム数よりも少なく、第2BB状態へ移行させた場合、当該第2BB状態の終了した後は、第2BB状態移行前の抽選モードとは異なる抽選モードにて特定契機に基づくATモード移行抽選が実行され得るようになる。
ステップS2601にて否定判定した場合、ステップS2616〜ステップS2618にて、上記ステップS515〜ステップS517と同様に、小役入賞に基づくBBカウンタの減算処理を行う。そして、BBカウンタが0以下となった場合、ステップS2619にて対応するBB状態フラグをクリアし、ステップS2620にて対応するBB終了コマンドをセットし、ステップS2621にて規定ベット数を2と3に設定してからボーナス状態処理を終了する。すなわち、第1BB状態や第2BB状態は2ベットゲームにて行われ、MAXベットカウンタも2が設定される構成としている関係上、本変形例では非内部状態への移行に際してMAXベットカウンタの変更処理(ステップS519)は行わない。
図65(c1)及び図65(c2)に示すように、本変形例における抽選結果対応処理や入賞結果対応処理において、遊技状態に応じた特定規定数ではない場合に指示機能に関する処理の実行を制限する処理では、ステップS2501やステップS2511にていずれかのBB状態フラグがセットされているか否かを判定し、セットされていない非内部状態や内部状態である場合、ステップS2502やステップS2512にて3ベットゲームであるか否かを判定する。3ベットゲームではなく2ベットゲームである場合、以降の処理を行うことなく、そのまま抽選結果対応処理や入賞結果対応処理を終了する。また、いずれかのBB状態フラグがセットされている場合についても、ステップS2503やステップS2513にて3ベットゲームであるか否かを判定する。3ベットゲームではなく2ベットゲームである場合、以降の処理を行うことなく、そのまま抽選結果対応処理や入賞結果対応処理を終了する。つまり、非内部状態、内部状態及びBB状態のいずれについても特定規定数として3が設定されており、3ベットゲームである場合に、抽選結果対応処理や入賞結果対応処理における指示機能に関する処理(ステップS604以降の処理、ステップS1104以降の処理)を実行する構成とする。
本変形例における、契機スルーカウンタに関する処理について説明する。既に説明した通り、契機スルーカウンタは、特定契機に基づくATモード移行抽選に非当選となった連続回数に相当するカウンタであり、当該契機スルーカウンタの値が大きくなるほど、ATモード移行抽選の抽選モードを示唆する特別報知の発生率は高くなる。また、上記変形例1では、モード移行テーブルについてのテーブル報知演出についても、契機スルーカウンタの値が大きくなるほど発生し易い。本変形例では、上記のように消化に要するゲーム数が異なる第1BB状態と第2BB状態を含め、特定契機が生じた際の状態の種類によって、当該特定契機に基づくATモード移行抽選に非当選となった場合の契機スルーカウンタに加算する値を異ならせる。
図67(a)は、本変形例における契機調整用処理である。契機調整用処理は、表示制御装置81側の処理として、例えば、全停止時演出設定処理におけるその他の全停止時演出設定処理にて実行される。
ステップS2701では抽選契機コマンドを受信したか否かを判定する。受信していない場合には、そのまま本調整用処理を終了する。受信している場合、ステップS2702に進み、現状の遊技状態が第1BB状態であるか否かを判定する。第1BB状態中に生じた特定契機である場合、ステップS2703にて各種フラグ格納エリア183aに第1BB契機フラグをセットする処理を実行してから、本調整用処理を終了する。
ステップS2702にて否定判定した場合、ステップS2704に進み、現状の遊技状態が第2BB状態であるか否かを判定する。第2BB状態中に生じた特定契機である場合、ステップS2705にて各種フラグ格納エリア183aに第2BB契機フラグをセットする処理を実行してから、本調整用処理を終了する。
ステップS2704にて否定判定した場合、ステップS2706に進み、今回のゲームが2ベットゲームにて実行されたか否かを判定する。2ベットゲームにて生じた特定契機である場合、ステップS2707にて各種フラグ格納エリア183aに2ベット契機フラグをセットする処理を実行してから、本調整用処理を終了する。ステップS2706にて、3ベットゲームにて生じた特定契機であると判定した場合は、そのまま本調整用処理を終了する。
図67(b)は、本変形例におけるAT抽選モード報知用処理の一部を示すフローチャートである。
ステップS1703にて否定判定したり、ステップS1704の処理を実行した後は、上記ステップS1705と同様に、ステップS2711にて契機非当選コマンドを受信したか否かを判定する。当該コマンドを受信しており、特定契機に基づくATモード移行抽選に非当選であった場合、ステップS2712にて上記の第1BB契機フラグがセットされているか否かを判定する。セットされている場合には、ステップS2713にて当該第1BB契機フラグをクリアする処理を実行する。
ステップS2712にて第1BB契機フラグがセットされていない場合、ステップS2714にて第2BB契機フラグがセットされているか否かを判定する。セットされている場合、ステップS2715にて当該第2BB契機フラグをクリアする処理を実行し、ステップS2716にて契機スルーカウンタに1を加算する処理を実行する。
ステップS2714にて第2BB契機フラグがセットされていない場合、ステップS2717にて2ベット契機フラグがセットされているか否かを判定する。セットされている場合には、ステップS2718にて当該2ベット契機フラグをクリアする処理を実行し、ステップS2719にて契機スルーカウンタに2を加算する処理を実行する。そして、ステップS2717にて2ベット契機フラグがセットされていない場合、ステップS2720にて契機スルーカウンタに3を加算する処理を実行する。
ステップS2711にて否定判定した場合、又はステップS2713、ステップS2716、ステップS2719及びステップS2720のいずれかの処理を実行した後は、ステップS1707に進み、AT当選報知コマンドを受信したか否かの判定を行う。
すなわち、第1BB状態中に生じた特定契機に基づいてATモード移行抽選が実行された場合よりも第2BB状態中に生じた特定契機に基づいてATモード移行抽選が実行された場合の方が、当該ATモード移行抽選に非当選である場合に契機スルーカウンタに加算される値が多く、第1BB状態の場合には0が加算され、第2BB状態の場合には1が加算される。また、第1BB状態や第2BB状態中に生じた特定契機に基づいてATモード移行抽選が実行された場合よりも2ベットゲーム中に生じた特定契機に基づいてATモードの場合の方が、当該ATモード移行抽選に非当選である場合に契機スルーカウンタに加算される値が多く、第1BB状態や第2BB状態の場合には0又は1が加算され、2ベットゲームの場合には2が加算される。そして、2ベットゲーム中に生じた特定契機に基づいてATモード移行抽選が実行された場合よりも3ベットゲーム中に生じた特定契機に基づいてATモードの場合の方が、当該ATモード移行抽選に非当選である場合に契機スルーカウンタに加算される値が多く、2ベットゲームの場合には2が加算され、3ベットゲームの場合には3が加算される。
上記のように、第1BB状態に移行させることで持ちメダルの減りを抑えながら55ゲームを消化することが可能のとなり、有利区間移行後のゲーム数に関わらず、当該第1BB状態へ移行させることで持ちメダルを減らすことなく特定契機を生じさせることが可能である。これに対して、第2BB状態に移行させることで持ちメダルの減りを抑えながら25ゲームを消化することが可能となり、有利区間ゲーム数AGが25以降で第2BB入賞を生じさせることで、第2BB状態中に特定契機を生じさせることが可能となる。つまり、第1BB状態と第2BB状態とでは、いずれもモード移行を制限しながら有利区間ゲーム数AGのカウントを進行させることが可能であるものの、その継続ゲーム数が異なり、第1BB状態の方が第2BB状態よりも継続ゲーム数が長い。
この場合、例えば、変形例1のように、モード移行テーブルにて抽選モードが規定される構成においては、テーブル報知演出に基づいて、今回の特定契機に基づくATモード移行抽選を第2モードにて受けることを諦める行為が想定される。より具体的には、テーブル報知演出によって、高確率側の第2モードに移行しにくいモード移行テーブルが選択されたことを把握したり、テーブル報知演出が行われない等してモード移行テーブルを特定できなかったりした場合、第1BB状態に移行させることで、次のモード移行テーブルの選択契機まで持ちメダルの減りを抑えて遊技を進行する行為が行われることも考えられる。そこで、上記構成のように第1BB状態中に特定契機が生じた場合には、その特定契機に基づくATモード移行抽選に非当選となった場合であっても、契機スルーカウンタに通常よりも少ない値を加算する(加算しない)構成とすることで、上記のように第1BB状態を介して特定契機を生じさせることが繰り返されることによって、特別報知やテーブル報知演出の発生率が不当に高まることを解消することができる。
また、第2BB状態中に特定契機が生じた場合とは、少なくとも今回の有利区間中に第2BB状態での25ゲーム以外に25ゲーム程度は非内部状態や内部状態での遊技が行われた可能性が高い。既に説明した通り、非内部状態や内部状態は、第1BB状態や第2BB状態よりも1ゲーム当たりのメダルの減少数が多い。そのため、このような場合には、第1BB状態の場合よりも第2BB状態の場合の方が、契機スルーカウンタに加算する値を多くしたことで、上記のような非内部状態や内部状態でのメダルの減少の補填とすることができる。
更に、非内部状態や内部状態であっても3ベットゲームの方が2ベットゲームよりも1ゲーム当たりのメダルの減少数が多い。しかも、3ベットゲームでは、抽選モードの移行が生じ得ることから、せっかく第2モードに移行した後であっても、3ベットゲームで遊技することで特定契機が生じる前に第1モードに移行してしまう可能性もある。そこで、2ベットゲームの場合よりも3ベットゲームの方が、契機スルーカウンタに加算する値を多くしたことで、上記のような非内部状態や内部状態でのメダルの減少や、抽選モード移行のリスクへ補填とすることができる。
<変形例3>
本変形例では、特定契機が生じるまでに要するゲーム数を抽選により決定する構成とする。図68(a)は、本変形例における有利区間移行ゲーム用処理を示すフローチャートである。なお、本変形例は、第1の実施形態をベースとして説明する。
ステップS2801では、契機ゲームの抽選処理を実行する。契機ゲームの抽選処理は、特定契機が生じるまでに必要な有利区間中のゲーム数を抽選により決定する処理であり、例えば、1〜100までゲーム数のうち一のゲーム数を特定契機が生じるまでのゲーム数としてランダムに決定する。なお、かかる抽選において、設定値が高いほど少ないゲーム数が選択され易く設定値が低いほど多いゲーム数が選択され易い、といったように設定値が影響を及ぼす構成としてもよい。
ステップS2802では、上記ステップS2801にて決定した契機ゲーム数を各種カウンタエリア106eに契機カウンタに入力する等して記憶する処理を実行する。そして、ステップS2803にて契機ゲーム数コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本有利区間移行ゲーム用処理を終了する。
表示制御装置81では、例えば、ゲーム数報知演出や、抽選予告演出、待機演出を実行しない構成として、特定契機が生じたことを遊技者が特定できない又は特定しにくい構成とするとよい。このようにすることで、抽選モードが高確率側の第2モードに移行したことを予測する遊技に加え、特定契機が生じたことや特定契機が生じるまでに要するゲーム数等を予測する遊技が追加され、さらに面白みのある遊技とすることが可能である。
この場合、例えば、ゲーム数報知演出や、抽選予告演出、待機演出を抽選等の実行の有無を抽選等により決定する構成としてもよく、かかる抽選の当選確率に設定値や契機スルーカウンタの値が影響を及ぼす構成としてもよい。すなわち、設定値が高いほどこれらの演出の発生率が高く、また、契機スルーカウンタの値が大きいほどこれらの演出の発生率が高い構成とするとよい。
図68(b)は、本変形例における抽選契機判定処理を示すフローチャートである。
ステップS2811では、有利区間ゲーム数AGが、上記ステップS2802にて記憶した契機ゲーム数(契機カウンタ)に合致しているか否かを判定する。契機ゲームではない場合には、そのまま本抽選契機判定処理を終了する。契機ゲーム数である場合には、ステップS2812にて抽選契機フラグをセットし、ステップS2813にて抽選契機コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本抽選契機判定処理を終了する。
このようにすることで、特定契機が生じるゲーム数が多様化されるため、特定契機が生じるまでに要するゲームを制限遊技にて遊技させるうえで、その制限遊技をいつまで継続すべきかが遊技者にわかりにくくなる。よって、抽選モードを予測する遊技だけでなく、特定契機の発生ゲームを予測する遊技が追加され、遊技の興趣向上が図られる。
<変形例4>
本変形例では、特別報知の実行態様が異なっている。図69は、本変形例における特別報知用処理を示すフローチャートである。既に説明した通り、特別報知用処理は、全停止時演出設定処理におけるステップS1806にて実行される処理である。
ステップS2901では、今回のゲームが有利区間移行ゲームであるか否かを判定する。有利区間移行ゲームである場合には、ステップS2902にて契機スルーカウンタを把握する処理を実行する。そして、ステップS2903にて移行ナビ抽選処理を実行する。移行ナビ抽選処理は、抽選モードが第1モードから第2モードに移行したことの移行ナビ報知を実行するか否かの抽選を行うための処理である。移行ナビ抽選処理では、各種テーブル記憶エリア182aから移行ナビ抽選テーブルを取得して、移行ナビ報知の実行抽選を行う。移行ナビ抽選テーブルは、図70に示すように、契機スルーカウンタと設定値によって移行ナビ抽選の当選率が異なるように設定されており、契機スルーカウンタの値が大きいほど当選し易く、設定値が高いほど当選し易くなるように設定されている。また、契機スルーカウンタの値が小さい状況では、奇数設定よりも偶数設定の方が当選し易くなるように設定されており、契機スルーカウンタの値が多くなると、奇数設定の方が偶数設定よりも当選し易くなるように設定されている。
ステップS2904では、上記ステップS2903の移行ナビ抽選に当選したか否かを判定し、当選した場合には、ステップS2905にて各種フラグ格納エリア183aにナビフラグをセットする処理を実行する。ナビフラグは、抽選モードが第1モードや第2モードへ移行の移行が生じた際に特別報知を実行することを、事前に把握しておくためのフラグである。
すなわち、本変形例では、表示制御装置81側では第1モードや第2モードであることをリアルタイムで把握しておらず、第1モードや第2モードの抽選モードの移行が生じたことだけを把握する構成としている。具体的には、図71に示すように、本変形例におけるAT抽選モード報知用処理では、ステップS3001にて第1モード移行コマンド又は第2モード移行コマンドを受信した場合には、ステップS3002にて上記のナビフラグがセットされているか否かを判定する。ナビフラグがセットされている場合には、ステップS3003にて各種フラグ格納エリア183aに特別報知フラグをセットする。
ステップS3001若しくはステップS3002にて否定判定した場合、又はステップS3003の処理を実行した後は、ステップS3004〜ステップS3007にて契機スルーカウンタの管理用の処理を実行する。これらステップS3004〜ステップS3007の処理は、上記ステップS1705〜ステップS1708の処理と同様である。
特別報知用処理の説明に戻り、ステップS2901若しくはステップS2904にて否定判定した場合、又はステップS2905の処理を実行した場合、ステップS2906に進む。ステップS2906では、上記の特別報知フラグがセットされているか否かを判定する。特別報知フラグがセットされている場合、ステップS2907にて当該特別報知フラグをクリアするとともに、ステップS2908にて、特別報知が全停止時演出として補助表示部65やスピーカ64にて実行されるようにするための演出設定を実行してから、特別報知用処理を終了する。
すなわち、本変形例では、第1モードから第2モードへ移行したゲーム、又は、第2モードから第1モードへ移行したゲームの全停止時演出として、特別報知が実行され得る。そのため、当該特別報知を確認した遊技者は、当該ゲームの抽選結果や、それまでのゲームでの特別報知の有無、抽選結果等から、抽選モードが第1モードから第2モードに移行したのか、それとも第2モードから第1モードに移行したのかを予測したうえで、第2モードに移行したと予測した場合には、次ゲームから制限遊技に切り替え、第2モードを維持したまま特定契機を生じさせることが可能となる。このようにすることで、第2モードを特別報知によって直接的に報知する構成よりも、モード移行の予測遊技を行ううえで、ゲームの抽選結果を考慮する楽しみが追加され、抽選モードを予測する遊技の面白みを高めることができる。
すなわち、第1モードから第2モードへの移行は、所謂レア役としての特定役で生じ易く、一部通常リプA〜通常リプCでも生じ得る一方、第2モードから第1モードへの移行は、特定役では生じず、通常リプA〜通常リプCで生じる構成としているところ、特定役に当選したゲームにて特別報知が発生した場合には、第2モードへの移行が生じたことが確定する。これに対して、通常リプA〜通常リプCに当選したゲームにて特別報知が発生した場合には、第1モードへの移行が生じた場合もあれば、第2モードへの移行が生じた場合もあるようになる。そうすると、例えば、特定役に当選したゲームで特別報知が発生し、その後、通常リプA〜通常リプCに当選したゲームで特別報知が発生した場合には、当該通常リプA〜通常リプC当選ゲームでの特別報知は第1モードへの移行に対応する可能性が高い、といったように、特別報知が発生したゲームだけではなく、それよりも以前のゲームの遊技内容を加味して、抽選モードの予測を行う必要が生じるようになる。よって、遊技の興趣向上を図ることができる。
しかも、上記構成においては、表示制御装置81側では、第1モードや第2モードを把握しておらず、抽選モードの移行を報知し得る構成としている。そのため、各ゲームの抽選処理や有利区間の管理、表示モードの移行の有無、といった遊技者の利益に関与する処理を主制御装置101側に集約する一方、演出上の処理を表示制御装置81側に集約することで、処理負荷の分散化や、不正対策を講じるべき制御装置を集約化することによる不正対策の容易化といった意義を担保しながら、抽選モードを利用した遊技性を実現することが可能となる。
<第2の実施形態>
本実施形態では、ATモード移行抽選の実行態様を変更する。図72は、本実施形態におけるリール制御処理を示すフローチャートである。
本実施形態では、上記区間表示第2処理を実行した後、入賞結果コマンドを実行する前に、乱数取得処理(ステップS3117)を実行する点が上記第1の実施形態と異なっており、その他の処理(ステップS3101〜ステップS3116、ステップS3118)は、上記第1の実施形態におけるステップS401〜ステップS417の処理と同様である。
<乱数取得処理>
ステップS3117の乱数取得処理は、ATモード移行抽選に用いる抽選用の乱数を、事前に取得するための処理である。上記のように乱数取得処理は、リール制御処理において、全リール32L,32M,32Rの停止操作が行われた後に実施される。言い換えると、各リール32L,32M,32Rの停止操作のうち、第3停止操作における第3停止OFF操作に基づいて行われる。
図73のフローチャートに示すように、ステップS3201では、第1BB状態フラグ又は第2BB状態フラグがセットされているか否かを判定する。いずれのBB状態フラグもセットされていない場合、ステップS3202にて今回終了するゲームが3ベットゲームであったか否かを判定する。また、ステップS3201にていずれかのBB状態フラグがセットされていると判定した場合、ステップS3203にて今回終了するゲームが2ベットゲームであったか否かを判定する。すなわち、ステップS3201〜ステップS3203の処理は、ベット数が遊技状態に応じた特定規定数であるか否かを判定する処理であり、指示機能に関する処理の実行が許容される許容状態か、その実行が制限される制限状態かを判定する処理である。そして、ステップS3202にて2ベットゲームであると判定した場合と、ステップS3203にて3ベットゲームであると判定した場合は、ステップS3204以降のATモード移行抽選用の乱数を取得する処理を実行することなく、そのまま乱数取得用処理を終了する。
ステップS3202にて3ベットゲームであると判定した場合と、ステップS3203にて2ベットゲームであると判定した場合とは、ステップS3204に進む。ステップS3204では、RAM106の各種カウンタエリア106eに設けられたATカウンタを取得する処理を実行する。ATカウンタは、ATモード移行抽選に用いられる抽選用の乱数に相当し、ATカウンタは、タイマ割込み処理におけるステップS108のタイマ更新処理が起動される度に、1〜128の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり128)に達した後1に戻るループカウンタである。
なお、役の当否判定に用いられるフリーランカウンタとハード回路とのように、専用のフリーランカウンタとハード回路を用い、ステップS3204の処理よりも前(例えば、第3停止ON操作時)に当該ハード回路がフリーランカウンタの値をラッチし、ステップS3204にてそのラッチした値を読み取る構成としてもよい。なお、ステップS3204の処理が行われるまで、ラッチした値をRAM106の所定の領域に一時記憶しておく構成としてもよい。
ステップS3205では、ステップS3204にて取得したATカウンタの値を、RAM106の抽選用情報記憶エリア106gに記憶する処理を実行する。抽選用情報記憶エリア106gは、図74に示すように、記憶エリアREと、実行エリアAEとを備えている。記憶エリアREは複数の記憶エリアからなり、第1記憶エリアRE1〜第10記憶エリアRE10を備えている。
第1記憶エリアRE1〜第10記憶エリアRE10には、ATカウンタの取得条件が成立した場合に、第1記憶エリアRE1→第2記憶エリアRE2→第3記憶エリアRE3・・・といった順に、ATカウンタが時系列的に格納される。そして、複数の記憶エリアとして10個の記憶エリアを有していることにより、ATモード移行抽選に用いられる抽選用の乱数は最大10個まで記憶される。
ステップS3205では、第1記憶エリアRE1〜第10記憶エリアRE10における空きエリアのうちの最も番号が小さい領域(若い領域)に、ステップS3204にて取得したATカウンタの値を格納する。例えば、第1記憶エリアRE1〜第9記憶エリアRE9の各エリアにATカウンタの値が格納されており、第10記憶エリアRE10が空きエリアとなっていた場合、ステップS3205では、ステップS3204にて取得したATカウンタの値を第10記憶エリアRE10に格納する。
なお、ATカウンタの値をそのまま格納する構成に限定されず、ATカウンタの値に対応する情報を格納する構成であってもよく、例えば、ATカウンタの値をATモード抽選用の値に変換してから格納する構成であってもよい。
ステップS3206では、ATコマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を行ってから、乱数取得用処理を終了する。ATコマンドには、今回格納されたATカウンタの値に対応する情報の他、各記憶エリアRE1〜RE10に格納されているATカウンタの値に対応する情報が含まれている。そのため、表示制御装置81は、当該ATコマンドを受信することで抽選用情報記憶エリア106gにおける各記憶エリアRE1〜RE10の情報を把握可能となる。
上記の乱数取得用処理は、各ゲームの抽選結果に関わらず起動され、各ゲームの抽選結果に関わらず、ATカウンタの取得が行われる。つまり、ATカウンタは、その取得時のゲームの抽選結果とは独立して取得される。
図75は、本実施形態における抽選結果対応処理を示すフローチャートである。
本実施形態では、上記乱数取得用処理にて取得したATカウンタの記憶エリアを、ATモード移行抽選が実行され得るゲーム毎に更新するための乱数シフト処理を行う点で上記第1の実施形態の抽選結果対応処理と異なっている。すなわち、ステップS3301〜ステップS3303にて、上記ステップS601〜ステップS603と同様に、ベット数が遊技状態に応じた特定規定数であるか否かを判定する処理を実行した後、ステップS3304にて乱数シフト用処理を実行する。乱数シフト用処理を実行した後は、ステップS3305〜ステップS3313にて、上記ステップS604〜ステップS612と同様に、指示機能に関する処理として、有利区間移行用の処理や、ATモード用の処理、押し順報知用の処理等を行う。
<乱数シフト用処理>
ステップS3304の乱数シフト用処理について、図76のフローチャートを参照しながら説明する。
先ず、ステップS3401では、各記憶エリアRE1〜RE10のうち、第1記憶エリアRE1に記憶されている抽選用の乱数の情報(ATカウンタに対応する情報)を実行エリアAEにシフトするとともに、当該第1記憶エリアRE1に記憶されている乱数の情報をクリアする処理を行う。実行エリアAEは、今回のゲームにてATモード移行抽選が行われる場合、ATモード移行抽選に用いられる乱数の情報を格納するためのエリアである。そして、ATモード移行抽選に際しては、かかる実行エリアAEに格納されているATカウンタに対応する情報を今回のATモード移行抽選に用いられる乱数の情報として取得する。つまり、ATモード移行抽選は、事前取得されているATカウンタの情報のうち、実行エリアAEにシフトされた情報に基づいて行われる。
続くステップS3402では、各記憶エリアRE2〜RE10に格納されている情報を下位エリア側にシフトする処理を行う。具体的には、第2記憶エリアRE2に格納されている情報を第1記憶エリアRE1に格納するとともに当該第2記憶エリアRE2に格納されている情報をクリアし、順に、第3記憶エリアRE3→第2記憶エリアRE2、第4記憶エリアRE4→第3記憶エリアRE3・・・第10記憶エリアRE10→第9記憶エリアRE9といった具合に各エリア内の情報をシフトする。この場合、第10記憶エリアRE10からは第9記憶エリアRE9へ情報がシフトされるだけであり、新たな情報はシフトされない。つまり、第10記憶エリアRE10の情報はクリアされ、第10記憶エリアRE10は空きエリアとなる。
続くステップS3403では、シフト時コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、乱数シフト用処理を終了する。シフト時コマンドは、ATカウンタの上記シフトが行われたことを表示制御装置81へ把握させるためのコマンドである。
次に、本実施形態における、AT抽選用処理について、図77のフローチャートを参照しながら説明する。
本実施形態では、先ず、ATモード移行抽選の抽選モード用の処理をステップS3501〜ステップS3505にて実行し、その後、ステップS3506〜ステップS3518にてATモード移行抽選用の処理を実行する。
ここで、本実施形態では、上記第1の実施形態にて説明した特定契機に基づくATモード移行抽選は設定されておらず、当該特定契機に基づくATモード移行抽選に非当選となった場合に有利区間が終了する構成(ステップS1313)も設定されていない。つまり、図78に示すように、本実施形態における区間表示第2処理では、ステップS1301〜ステップS1307と同様に、ステップS3601〜ステップS3607にて有利区間中の処理を実行した後、ステップS3608にて有利区間の強制終了条件が成立しているか否かを判定し、成立している場合には、ステップS1309〜ステップS1311と同様に、ステップS3609〜ステップS3611にて有利区間終了用の処理を実行する。強制終了条件が成立していない場合には、ステップS3612にてATモード終了フラグがセットされているか否かを判定し、セットされている場合にはステップS3609に進み有利区間終了用の処理を実行する。ATモード終了フラグがセットされていない場合には、そのまま区間表示第2処理を終了する。
また、本実施形態におけるATモード移行抽選の抽選モードは、第1の実施形態における変形例1のように、モード移行テーブルと有利区間ゲーム数AGとによって抽選モードが規定される。本実施形態におけるモード移行テーブルは、図80に示すように、上記第1の実施形態における変形例1のモード移行テーブルと同様に、有利区間ゲーム数AGの値に応じて、低確率側の第1モードと、高確率側の第2モードとがそれぞれ設定されている。本実施形態では、有利区間ゲーム数AGの値における下2桁の値と、抽選モードとが対応付けられており、より具体的には、例えば、アドレス情報M0001のモード移行テーブルでは、有利区間ゲーム数AGの下2桁が1〜59であれば第1モードであり、下2桁が60〜99であれば第2モードとなるように設定されている。本実施形態においても、複数種類設定されているモード移行テーブルについてより詳しくは、いずれの有利区間ゲーム数AGの値であっても、第1モードである場合と第2モードである場合とが生じるように、各モード移行テーブルが設定されている。つまり、有利区間ゲーム数AGだけで抽選モードの種類が確定することないように設定されている。また、本実施形態におけるモード移行テーブルでも、少なくとも第2モードである区間を含むように設定されており、有利区間ゲーム数AGの値に関わらず第1モードとなるモード移行テーブルは設定されていない。これに対して、アドレス情報MXXXXのモード移行テーブルでは、有利区間ゲーム数AGが1〜99の全ての値で第2モードに設定されており、第1モードである区間が含まれないモード移行テーブルとなっている。
モード移行テーブルは、所定ゲーム数毎に更新され、本実施形態では有利区間移行後、100ゲーム毎に更新される構成としている。本実施形態における有利区間移行ゲームにて実施される有利区間移行ゲーム用処理では、図79(a)に示すように、ステップS3701にてモード移行テーブルの抽選処理を実行する。続くステップS3702では、ステップS3701の処理結果に基づいて、決定されたモード移行テーブルのアドレス情報を、アドレス情報記憶エリア106fに記憶する処理を実行する。その後、ステップS3703にてテーブルコマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。そして、ステップS3704にて、各種カウンタエリア106eのモード移行契機カウンタに100を入力する処理を実行してから、本有利区間移行ゲーム用処理を終了する。モード移行契機カウンタは、モード移行テーブルの抽選契機をCPU102が把握するためのカウンタであり、1ゲーム消化する度に1ずつ減算され、0となった場合にモード移行テーブルの抽選契機が生じる構成としている。すなわち、本実施形態では、有利区間移行時だけでなく、100ゲーム消化する度にモード移行テーブルが更新され得る。
本実施形態における、抽選契機判定処理では、図79(b)のフローチャートに示すように、先ずステップS3711にて、上記ステップS3704にて設定されるモード移行契機カウンタの減算処理を実行する。そして、ステップS3712にてモード移行契機カウンタが0となったか否かを判定する。0となった場合には、ステップS3713にて各種フラグ格納エリア106dにモード移行契機フラグをセットする処理を実行する。そして、ステップS3714にてモード移行契機カウンタに100を入力してから、抽選契機判定処理を終了する。ステップS3712にてモード移行契機カウンタが0ではない場合には、ステップS3715にてモード移行契機カウンタが5であるか否かを判定し、5ではない場合には、そのまま抽選契機判定処理を終了する。モード移行契機カウンタが5である場合には、ステップS3716にて報知制限コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、抽選契機判定処理を終了する。報知制限コマンドについては後に詳細に説明する。
さて、AT抽選用処理の説明に戻り、ステップS3501では、上記のモード移行契機フラグがセットされているか否かを判定する。モード移行契機フラグがセットされている場合、ステップS3502にて当該モード移行契機フラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップS3503にて、ステップS3701と同様にモード移行テーブルの抽選処理を実行する。その後、ステップS3504にて、ステップS3503の処理結果に基づき、モード移行テーブルのアドレス情報を記憶し、ステップS3505にて、テーブルコマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする。
ステップS3501にて否定判定した場合、又はステップS3505の処理を実行した後は、ステップS3506にて現状のモード移行テーブルを把握する処理を実行する。そして、ステップS3507にて有利区間ゲーム数AGを把握し、これらモード移行テーブルと有利区間ゲーム数AGとから、ステップS3508にて現状の抽選モードが第1モードであるか否かを判定する。第1モードである場合、ステップS3509にて、各種テーブル記憶エリア105aから第1用ATモード移行抽選テーブルを取得する処理を実行し、第2モードである場合、ステップS3510にて、各種テーブル記憶エリア105aから第2用ATモード移行抽選テーブルを取得する処理を実行する。
第1用ATモード移行抽選テーブルと、第2用ATモード移行抽選テーブルとは、図81に示すように、各ゲームの抽選結果に応じてATモード移行抽選に当選となるATカウンタの値が定められている。例えば、第1用ATモード移行抽選テーブルでは、ゲームの抽選結果が通常リプAの場合、ATカウンタが128であればATモード移行抽選に当選となり、ATカウンタが1〜127であれば非当選となる。また、ゲームの抽選結果がチャンス目Bの場合、ATカウンタが1〜8であればATモード移行抽選に当選となり、ATカウンタが9〜128であれば非当選となる。
これに対して、第2用ATモード移行抽選テーブルでは、第1用ATモード移行抽選テーブルよりも、各ゲームの抽選結果に対応付けられているATカウンタの値の種類が多くなるように設定されている。例えば、第2用ATモード移行抽選テーブルでは、ゲームの抽選結果が通常リプAの場合、ATカウンタが128だけでなく1〜4の場合もATモード移行抽選に当選となり、ATカウンタが5〜127であれば非当選となる。また、ゲームの抽選結果がチャンス目Bの場合、ATカウンタが1〜8だけでなく9〜64の場合もATモード移行抽選に当選となり、ATカウンタが65〜128であれば非当選となる。
ステップS3509又はステップS3510にてATモード移行抽選テーブルを取得した後は、ステップS3511にてゲームの抽選結果を把握し、ステップS3512にて、
上記乱数シフト用処理にて実行エリアAEにシフトされたATカウンタに対応する情報を今回のATモード移行抽選に用いられる乱数の情報として取得する処理を実行する。
そして、ステップS3513にて、ATモード移行抽選を実行し、ステップS3514にて、ATモード移行抽選に当選したか否かを判定する。当選している場合、ステップS3515にてATモード当選フラグをセットする処理を実行し、ステップS3516にてAT当選報知コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本AT抽選用処理を終了する。ステップS3514にて非当選であると判定した場合、ステップS3517にて今回のATモード移行抽選に用いたゲームの抽選結果が所謂レア役としての特定役であったか否かを判定する。特定役であった場合、ステップS3518にて契機非当選コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本AT抽選用処理を終了する。特定役ではない場合には、そのまま本AT抽選用処理を終了する。
次に、本実施形態における表示制御装置81側の処理の説明を行う。
本実施形態では、上記第1の実施形態と比較して、ATモード移行抽選の抽選モードを報知するための処理構成と、ATモード移行抽選の結果報知演出を実行するための処理構成とが異なっており、また、上記のように事前取得するATカウンタの報知用の処理構成が追加されている。
すなわち、図82のフローチャートに示すように、本実施形態における開始時演出設定処理では、AT抽選モード報知用処理の構成(ステップS3808)と、ATモード移行抽選の結果報知演出を実行するための構成(ステップS3809〜ステップS3810)とが上記第1の実施形態と異なっており、また、本実施形態では、上記のATモード移行抽選の結果報知演出を実行するための処理を行った後、その他の開始時演出設定処理(ステップS3812)を実行する前に、ステップS3811にて、事前取得されたATカウンタを報知するための保留表示用処理が追加されている。
また、図83のフローチャートに示すように、本実施形態における全停止時演出設定処理では、抽選契機報知用処理の構成(ステップS3905)と、特別報知用処理の構成(ステップS3906)とが上記第1の実施形態と異なっており、また、本実施形態では、AT終了報知演出を設定する処理(ステップS3902)や特別報知用処理(ステップS3906)を実行した後、その他の全停止時演出設定処理(ステップS3908)を実行する前に、ステップS3907にて、事前取得されたATカウンタを報知するための保留シフト用処理が追加されている。
<保留表示用処理>
先ず、開始時演出設定処理のステップS3811にて実行される保留表示用処理について、図84のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS4001では、ATモード中であるか否かを判定する。ATモード中である場合には、そのまま保留表示用処理を終了する。ATモード中ではない場合、ステップS4002にてATコマンドを受信しているか否かを判定する。ATコマンドを受信していない場合には、そのまま保留表示用処理を終了する。ATコマンドを受信している場合には、ステップS4003に進む。既に説明した通り、ATコマンドを受信する場合とは、主制御装置101側の乱数取得用処理(図73)において、ベット数が遊技状態に応じた特定規定数であると判定した場合である。
ステップS4003では、受信したATコマンドに含まれる情報に基づき、各記憶エリアRE1〜RE10に対応するATカウンタの情報を、RAM183の保留用情報記憶エリアに格納する処理を行う。図による詳細な説明は省略するが、表示制御装置81側の保留用情報記憶エリアは、主制御装置101側の抽選用情報記憶エリア106gと同様の構成をなしており、10ゲーム分(ATモード移行抽選10回分)のATカウンタの情報を記憶可能に各記憶エリア(第1記憶エリア〜第10記憶エリア)を有しているとともに、ATモード移行抽選の対象となるゲームのATカウンタの情報を格納する実行エリアを有している。ステップS4003では、受信しているATコマンドに基づいて、主制御装置101側の第1記憶エリアRE1のATカウンタの情報を保留用情報記憶エリアにおける第1記憶エリアに格納し、第2記憶エリアRE2のATカウンタの情報を保留用情報記憶エリアにおける第2記憶エリアに格納し・・・第10記憶エリアRE10のATカウンタの情報を保留用情報記憶エリアにおける第10記憶エリアに格納し、実行エリアAEのATカウンタの情報を保留用情報記憶エリアにおける実行エリアに格納する処理を行う。
続くステップS4004では、保留表示抽選処理を行う。保留表示抽選処理は、今回の取得契機で取得されたATカウンタに対応する表示を補助表示部65にて行うか否かを抽選する抽選処理である。
ここで、補助表示部65にて行う保留表示について、図85を参照しながら説明する。
図85(a)に示すように、補助表示部65における所定の表示領域として下部において、保留表示領域Drが設定されている。保留表示領域Drは、ATカウンタが保留用情報記憶エリアに記憶される最大個数と同一の数の単位保留表示領域Dr1〜Dr10が左右方向に併設されるように区画されている。具体的には、保留表示領域Drには、第1単位保留表示領域Dr1、第2単位保留表示領域Dr2、第3単位保留表示領域Dr3、第4単位保留表示領域Dr4、第5単位保留表示領域Dr5、第6単位保留表示領域Dr6、第7単位保留表示領域Dr7、第8単位保留表示領域Dr8、第9単位保留表示領域Dr9、第10単位保留表示領域Dr10が設定されている。また、保留表示領域Drに併設させて、保留表示領域Drの左側(第1単位保留表示領域Dr1の左側)には、保留用情報記憶エリアの実行エリアに格納されるATカウンタの保留表示を行うための実行用表示領域Dpが設定されている。実行用表示領域Dpは、各単位保留表示領域Dr1〜Dr10よりも大きな領域として区画されており、当該ゲームのATモード移行抽選用の保留表示と、当該ゲームよりも後のATモード移行抽選用の保留表示とを遊技者が明確に区別可能とされている。
図85(b)に示すように、実行用表示領域Dpや保留表示領域Drに表示する保留表示として、第1特別画像P1〜第6特別画像P6が設定されている。第1特別画像P1〜第6特別画像P6は、ATカウンタの値に対応する表示態様となっており、ATカウンタが1〜4であれば第1特別画像P1が表示され、ATカウンタが5〜8であれば第2特別画像P2が表示され、ATカウンタが9〜64であれば第3特別画像P3が表示され、ATカウンタが65〜94であれば第4特別画像P4が表示され、ATカウンタが95〜127であれば第5特別画像P5が表示され、ATカウンタが128であれば第6特別画像P6が表示される。
これら、第1特別画像P1〜第6特別画像P6は、遊技者がそれぞれを識別可能となるように表示されるキャラクタや色等が異なるように設定されている。図85(a)においては、第1単位保留表示領域Dr1に第2特別画像P2が表示され、第3単位保留表示領域Dr3に第5特別画像P5が表示され、第8単位保留表示領域Dr8に第6特別画像P6が表示され、第9単位保留表示領域Dr9に第1特別画像P1が表示され、実行用表示領域Dpに第1特別画像P1が表示されている様子を示している。
既に説明した通り、本実施形態では実行エリアAEにシフトされたATカウンタとゲームの抽選結果とを利用してATモード移行抽選が行われる。この場合、例えば、第1特別画像P1が実行用表示領域Dpに表示されているゲームであって、当該ゲームが第1モードであれば、チャンス目A〜チャンス目C、チェリーA〜チェリーC及びスイカのいずれかであればATモード移行抽選に当選となり、それ以外であればATモード移行抽選に非当選となる(図81(a))。また、例えば、第6特別画像P6が実行用表示領域Dpに表示されているゲームであって、当該ゲームが第2モードであれば、通常リプA〜通常リプC、チャンス目C、チェリーC、共通ベル及び押し順ベルのいずれかであればATモード移行抽選に当選となり、それ以外であればATモード移行抽選に非当選となる(図81(b))。
保留表示用処理の説明に戻り、ステップS4004にて行う保留表示抽選処理は、今回受信したATコマンドのうち、今回取得されたATカウンタに対応する保留表示(基本的には第10単位保留表示領域Dr10に対応する保留表示)を表示させるか否かの抽選を行う。かかる抽選の当選確率について、本実施形態では約5分の1の確率で表示抽選に当選して保留表示が表示されるように設定されている。この場合、複数ある単位保留表示領域Dr1〜Dr10の個数の逆数よりも保留表示抽選の当選確率が大きな値となるように当該当選確率が設定されており、複数ある単位保留表示領域Dr1〜Dr10に少なくとも1つ(上記確率では2つ)は平均的に保留表示が表示されるような確率として設定されている。
ステップS4004の処理を実行した後は、ステップS4005にて、保留表示抽選に当選したか否かの判定を行う。当選していない場合にはそのまま保留表示用処理を終了し、当選している場合にはステップS4006に進む。ステップS4006では、今回の取得契機で取得されたATカウンタに対応する特別画像に対応する画像データをROM182から読み出す処理を実行する。そして、ステップS4007にて、上記読み出した画像データに対応する特別画像を今回の取得契機で取得されたATカウンタに対応する単位保留表示領域に表示させる処理を実行する。より詳しくは、保留用情報記憶エリアの空きエリアのうちの最も番号の若い空きエリア(基本的には第10記憶エリア)に今回取得されたATカウンタが格納され、その格納する領域に対応する単位保留表示領域(基本的には第10単位保留表示領域Dr10)に、今回のATカウンタに対応する特別画像が表示されるように補助表示部65を制御する。ステップS4007の処理を実行した後は、そのまま保留表示用処理を終了する。
<保留シフト用処理>
次に、上記のように開始された保留表示を、ゲームの進行にあわせて表示させる領域をシフトするための保留シフト用処理について、図86を参照しながら説明する。
ステップS4101では、主制御装置101からシフト時コマンドを受信しているか否かを判定する。シフト時コマンドを受信していない場合には、そのまま保留シフト用処理を終了する。既に説明した通り、シフト時コマンドは、主制御装置101側の抽選結果対応処理においてベット数が遊技状態に応じた特定規定数である場合に、乱数シフト用処理にて出力されるコマンドである。
シフト時コマンドを受信している場合、ステップS4102にて、実行用表示領域Dpの保留表示をクリアする処理を行う。より詳しくは、実行用表示領域Dpに保留表示としての特別画像が表示されている場合には、その特別画像を消去するように補助表示部65を制御し、実行用表示領域Dpに特別画像が表示されていない場合にはその状態を維持する。そして、ステップS4103にて、実行用表示領域Dpに第1単位保留表示領域Dr1の保留表示をシフトする処理を行う。より詳しくは、第1単位保留表示領域Dr1に特別画像の保留表示が表示されている場合にはその保留表示が実行用表示領域Dpに表示されるようにするとともに、当該第1単位保留表示領域Dr1に表示されていた保留表示を消去するように補助表示部65を制御し、第1単位保留表示領域Dr1に保留表示が表示されていない場合にはその状態を維持する。続くステップS4104では、各単位保留表示領域の保留表示を下位の表示領域へシフトする処理を行う。より詳しくは、第2単位保留表示領域Dr2に表示されている特別画像の保留表示を第1単位保留表示領域Dr1に表示するとともに、当該第2単位保留表示領域Dr2に表示されていた保留表示を消去し、順に、第3単位保留表示領域Dr3→第2単位保留表示領域Dr2、第4単位保留表示領域Dr4→第3単位保留表示領域Dr3・・・第10単位保留表示領域Dr10→第9単位保留表示領域Dr9といった具合に、各単位保留表示領域の保留表示をシフトする。この場合、保留表示が行われていない単位保留表示領域については、その保留表示が行われていない状態をそのまま下位側の単位保留表示領域へシフトする。そして、第10単位保留表示領域Dr10からは第9単位保留表示領域Dr9へ保留表示がシフトされるだけであり、新たな保留表示はシフトされない。つまり、第10単位保留表示領域Dr10の保留表示はクリアされ、第10単位保留表示領域Dr10は保留表示が行われていない状態となる。ステップS4101にてシフト時コマンドを受信していない場合、又はステップS4104の処理を実行した後は、本保留シフト用処理を終了する。
<ATモード移行抽選と保留表示との関係>
事前取得されるATカウンタに基づきATモード移行抽選が行われる様子を、図87及び図88を参照しながら説明する。
図87(a1)及び図87(b1)では、ゲームの開始前(開始時)の状況において、図87(a1)は補助表示部65における保留表示領域Drと実行用表示領域Dpを示し、図87(b1)は抽選用情報記憶エリア106gにおける記憶エリアREと実行エリアAEとを示している。例えば、実行エリアAEにはATカウンタに対応する情報として「73」が格納され、実行用表示領域DpにはそのATカウンタに対応する保留表示として第4特別画像P4が表示されている。また、次ゲームのATモード移行抽選に用いられる乱数として、第1記憶エリアRE1にはATカウンタに対応する情報として「35」が格納され、第1単位保留表示領域Dr1にはそのATカウンタに対応する保留表示として第3特別画像P3が表示されている。この状況において、スタートレバー41の操作が行われて次ゲームが開始された場合であって、当該次ゲームの抽選処理において、スイカに当選した場合を説明する。
今回のゲームのベット数が遊技状態に応じた特定規定数である場合、スタートレバー41の操作に基づき、乱数シフト処理や保留シフト処理が行われる。図87(a2)や図87(b2)では、図87(a1)及び図87(b1)の状況から1ゲーム分、ATカウンタの情報や保留表示がシフトされた状況を示しており、第1記憶エリアRE1に記憶されていたATカウンタの情報が実行エリアAEにシフトされ、第1単位保留表示領域Dr1に表示されていた第3特別画像P3が実行用表示領域Dpにシフトされる。また、図87(a1)及び図87(b2)においては、乱数シフト処理や保留シフト処理が行われた結果として、第10記憶エリアRE10や第10単位保留表示領域Dr10が空きエリアとなる様子を示している。
既に説明した通り、ATモード移行抽選は、実行エリアAEにシフトされたATカウンタの情報と、今回のゲームの抽選結果の情報と、ATモード移行抽選テーブルとに基づいて行われる。ATモード移行抽選テーブルは、低確率側の第1用ATモード移行抽選テーブルと、高確率側の第2用ATモード移行抽選テーブルとが設定されている。この場合、上記図87(a2)の実行エリアAEにシフトされたATカウンタ(35)を用いたATモード移行抽選が行われる場合、第1用ATモード移行抽選テーブルでは非当選となり、第2用ATモード移行抽選テーブルでは当選となる(図81)。
上記のように、スイカ当選となったゲーム(ATモード移行抽選に当選となったゲーム)において、各リール32L,32M,32Rの停止操作が行われた場合、図88に示すように、スイカ入賞が成立し得る。乱数取得用処理は、第3停止OFF操作に基づいて実施されるものであり、図88(b)では、スイカ入賞を成立させる第3停止OFF操作に基づいて第10記憶エリアRE10用のATカウンタの取得が行われることを示している。そして、第10記憶エリアRE10にATカウンタが格納されることにより、図88(a)に示すように、当該ATカウンタに対応する保留表示としての第6特別画像P6が表示され得るようになる。
以上のように、事前取得されるATカウンタを用いてATモード移行抽選を行う構成において、そのATカウンタに対応する保留表示を行うようにしたことから、ATモード移行抽選に当選し得るゲームの抽選結果の内容を事前に把握したうえでゲームを進行させることが可能となる。そうすると、例えば、3ゲーム後に対応する保留表示として第3単位保留表示領域Dr3に通常リプA〜通常リプCや共通ベルや押し順ベルといった通常役に対応する第6特別画像P6が表示されている状況であれば、1ゲーム後や2ゲーム後ではなく3ゲーム後に通常役当選となるように願いを込めて3ゲーム間の遊技を行わせることも可能であり、各ゲームの面白みが格段に向上する。この場合、上記のように第6特別画像P6が表示されている場合においては、低確率側の第1モードであれば通常役のみがATモード移行当選に対応するものの、高確率側の第2モードであれば通常役の他にチェリーCやチャンス目CもATモード移行当選に対応する。
また、特に、非内部状態や内部状態中の各ゲームにおいて当選確率が高い通常リプA〜通常リプCや押し順ベルといった通常役について、第1特別画像P1や第2特別画像P2が表示されている場合においては、第1モードであればいずれの通常役もATモード移行当選に対応していないものの、第2モードにおいては、第1特別画像P1であればいずれの通常役もATモード移行当選に対応し、第2特別画像P2であれば通常役のうち押し順ベルについてはATモード移行当選に対応する。
既に説明した通り、上記の通り、ATカウンタの事前取得やシフトは、ベット数が遊技状態に応じた特定規定数である場合に実行され、当該特定規定数ではない場合にはATカウンタの事前取得やシフトの実行は制限される。これに対して、本実施形態における第1モードと第2モードとは有利区間ゲーム数AGによって規定され、これら第1モードと第2モードとの移行はベット数が遊技状態に応じた特定規定数であるか否かに関わらず生じる。つまり、特定規定数以外のベットによる制限状態にて遊技を行うことで、事前取得されたATカウンタを保持したまま、第1モードと第2モードとの移行を生じさせることが可能である。
つまり、例えば、上記の第1特別画像P1や第2特別画像P2は、ATカウンタの値が1〜8の場合に表示される保留表示であり、128分の8の確率で取得され且つ保留表示抽選(50%)に当選した場合に表示されるものであることから、その出現率は他の特別画像よりも比較的低いといえる。そうすると、これら第1特別画像P1や第2特別画像P2に対応するATカウンタを用いたATモード移行抽選を受けることができるのであれば、そのATカウンタによるATモード移行抽選が第2モードにて実行されるようになるまで、ATカウンタのシフトが制限される制限状態にて遊技を行うメリットがある。そこで、本実施形態では、制限状態での遊技を行うべきか否かを保留表示との関係で遊技者に判断させる遊技性を実現している。
<AT抽選モード報知用処理>
図89(a)は、本実施形態におけるAT抽選モード報知用処理を示すフローチャートである。
ステップS4201ではテーブルコマンドを受信しているか否かを判定する。既に説明した通り、テーブルコマンドは、有利区間移行ゲーム用処理(図79)やAT抽選用処理(図77)にてモード移行テーブルの更新が行われた場合に主制御装置101から出力されるコマンドである。テーブルコマンドを受信している場合、ステップS4202にてモード移行テーブルのアドレス情報をアドレス情報記憶エリア183cに記憶する処理を実行する。続くステップS4203では、各種カウンタエリア183bに設けられたテーブル更新カウンタを1加算する処理を実行する。テーブル更新カウンタは、ATモード移行抽選に当選することなくモード移行テーブルの更新が行われた連続回数をCPU181が把握するためのカウンタである。続くステップS4204では、各種フラグ格納エリア183aに設けられた報知制限フラグをクリアする処理を実行する。
報知制限フラグは、抽選モードの示唆演出を行う場合に、その示唆演出の実行を制限するためのフラグである。報知制限フラグは、モード移行契機カウンタが5となった場合に主制御装置101から出力される報知宣言コマンドを受信した場合にセットされる。すなわち、図89(b)に示すように、本実施形態における、全停止時演出設定処理におけるその他の全停止時演出設定処理(ステップS1808)の一処理として実施される報知制限処理では、ステップS4211にて報知制限コマンドを受信しているか否かを判定し、受信している場合には、ステップS4212にて報知制限フラグをセットする。ステップS4211にて否定判定した場合、又はステップS4212の処理を実行した後は、報知制限処理を終了する。報知制限フラグがセットされている場合の抽選モードの示唆演出の実行を制限するための処理については、後に詳細に説明する。なお、ステップS4204にて報知制限フラグがセットされていない場合には、その状態を維持する。
ステップS4201にて否定判定した場合、又はステップS4204の処理を実行した後は、ステップS4205に進み、契機非当選コマンドを受信したか否かを判定する。既に説明した通り、本実施形態における契機非当選コマンドは、ATモード移行抽選に用いられたゲームの抽選結果が特定役であり、当該ATモード移行抽選に非当選であった場合に主制御装置101から出力されるコマンドである。契機非当選コマンドを受信している場合、ステップS4206にて、契機スルーカウンタを1加算する処理を実行する。本実施形態における契機スルーカウンタは、特定役を利用したATモード移行抽選に非当選となった連続回数をCPU181が把握するためのカウンタである。
ステップS4205にて否定判定した場合、又はステップS4206の処理を実行した後は、ステップS4207にてAT当選報知コマンドを受信しているか否かを判定する。AT当選報知コマンドを受信している場合、ステップS4208にて、上記テーブル更新カウンタ及び契機スルーカウンタを0にクリアする処理を実行してから、本AT抽選モード報知用処理を終了する。ステップS4207にてAT当選報知コマンドを受信していない場合は、そのままAT抽選モード報知用処理を終了する。
<抽選契機報知用処理>
本実施形態における抽選契機報知用処理では、上記第1の実施形態と同様に、ベット数が遊技状態に応じた特定規定数ではなく、制限状態であることの報知を行うための処理を実行する。
すなわち、図90のフローチャートに示すように、ステップS4301では今回のゲームが3ベットゲームであるか否かを判定し、3ベットゲームである場合、ステップS4302にて第1BB状態又は第2BB状態であるか否かを判定する。3ベットゲームであり、且つ第1BB状態や第2BB状態出はない場合には、そのまま本抽選契機報知用処理を終了する。これに対して、2ベットゲームであったり、3ベットゲームであっても第1BB状態や第2BB状態であり、制限状態である場合には、ステップS4303にて乱数更新制限報知演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われるようにするための設定を実行してから、本抽選契機報知用処理を終了する。乱数更新制限報知演出としては、例えば、図95(b)に示すように、補助表示部65の表示画面にて「HOLD!!」といった文字表示を行うことで、当該制限状態であることの報知を行う。なお、本実施形態では、乱数更新制限報知演出を、上記のモード移行制限報知演出と同様の演出として説明するが、これらの演出が互いに異なっていてもよく、少なくともそれぞれの制限状態であることが遊技者に把握可能とさせる演出であればよい。
<特別報知用処理>
本実施形態における特別報知用処理では、図91のフローチャートに示すように、ステップS4401にてアドレス情報記憶エリア183cを参照することで、現状のモード移行テーブルを把握する処理を実行する。続くステップS4402では、受信している有利区間ゲームコマンドに基づいて有利区間ゲーム数AGを把握する処理を実行する。そして、ステップS4403にて、現状のATモード移行抽選の抽選モードが第2モードであるか否かを判定する。第2モードではなく第1モードである場合、ステップS4404にて、第1モード用演出を補助表示部65やスピーカ64にて行うための演出設定を実行する。第1モード用演出としては、例えば、図93(a)に示すように、補助表示部65におけるメインキャラクタを表示する演出が設定されている。
これに対して、ステップS4403にて第2モードであると判定した場合、ステップS4405にて第2モード報知抽選処理を実行し、その報知抽選に当選した場合(ステップS4406:YES)には、ステップS4407にて、第2モード用演出を補助表示部65やスピーカ64にて行うための演出設定を実行する。第2モード用演出としては、例えば、図93(b)に示すように、補助表示部65におけるメインキャラクタの背後に炎が燃え上がり、メインキャラクタの気合いが高まっている様子を表す演出が設定されている。
つまり、遊技者は補助表示部65に表示されたメインキャラクタの背後の炎の有無によって、現状が第1モードであるか第2モードであるかを把握することが可能となる。ステップS4405の第2モード報知抽選処理では、各種テーブル記憶エリア182aから第2モード報知抽選テーブルを取得するとともに、当選確率の設定処理にて設定される設定値と、テーブル更新カウンタと、を把握して、今回のゲームにて第2モード用演出を実行するか否かの抽選を行う。第2モード報知抽選テーブルは、図92(a)に示すように、設定値と、テーブル更新カウンタとによって、第2モード報知抽選の当選確率が異なるように設定されている。具体的には、テーブル更新カウンタの値が大きいほど当選し易く、また設定値が高くなるほど当選し易いように設定されている。設定値に関してより詳しくは、奇数設定では、テーブル更新カウンタの値が所定値(2)以上であれば偶数設定よりも当選し易く、偶数設定では、テーブル更新カウンタの値が所定値未満であれば奇数設定よりも当選し易くなるように設定されている。
ステップS4405の第2モード報知抽選処理にて非当選となった場合には、ステップS4404にて第1モード用演出の設定処理を行う。なお、第2モード報知抽選処理を実行することなく、第2モードであれば必ず第2モード用演出が行われる構成としてもよい。
ステップS4404又はステップS4407の処理を実行した後は、ステップS4408にて、上記の報知制限フラグがセットされているか否かを判定する。報知制限フラグがセットされており、モード移行テーブルの更新ゲームまで残り5ゲームとなってから、その後、モード移行テーブルの更新が行われていない状況である場合、ステップS4410〜ステップS4414における、将来の抽選モードの予測演出としてモード予測演出を実行するための処理を行わずに、そのまま特別報知用処理を終了する。
ステップS4408にて否定判定した場合、ステップS4409にて予測報知抽選処理を実行する。予測報知抽選処理では、各種テーブル記憶エリア182aから予測報知抽選テーブルを取得するとともに、テーブル更新カウンタと、契機スルーカウンタと、を把握して、今回のゲームにてモード予測演出を実行するか否かの抽選を行う。予測報知抽選テーブルは、図92(b)に示すように、テーブル更新カウンタと、契機スルーカウンタとによって、予測報知抽選の当選確率が異なるように設定されている。具体的には、テーブル更新カウンタの値が大きいほど当選し易く、また契機スルーカウンタの値が大きいほど当選し易いように設定されている。
ステップS4410では、ステップS4409の抽選処理にて当選したか否かを判定し、非当選であれば、そのまま特別報知用処理を終了する。当選している場合、ステップS4411に進み、モード移行テーブルと有利区間ゲーム数AGとを把握することで、所定ゲーム数後(5ゲーム後)が抽選モードの更新契機ゲームであるか否かを判定する。更新契機ゲームとは、第1モードから第2モードへの更新が行われるゲーム又は第2モードから第1モードへの更新が行われるゲームであり、具体的には、有利区間ゲーム数AGの下2桁が01,10,20,30,40,50,60,70,80,90であるゲームである(図80)。5ゲーム後が更新契機ゲームではない場合には、そのまま特別報知用処理を終了する。更新契機ゲームである場合、ステップS4412にて、モード移行テーブルと有利区間ゲーム数AGとを把握することで、5ゲーム後は第2モードに更新されるか否かを判定する。第2モードではなく第1モードに更新される場合は、ステップS4413にて、第1モード予測演出を補助表示部65やスピーカ64にて行うための演出設定を実行してから、本特別報知用処理を終了する。第1モード予測演出としては、例えば、図94(b)に示すように、補助表示部65におけるメインキャラクタが表示された領域とは異なる領域にて、炎が消えたろうそくのキャラクタを表示する演出が設定されている。
ステップS4412にて所定ゲーム数後が第2モードに更新されると判定した場合、ステップS4414にて、第2モード予測演出を補助表示部65やスピーカ64にて行うための演出設定を実行してから、本特別報知用処理を終了する。第2モード予測演出としては、例えば、図94(a)に示すように、補助表示部65におけるメインキャラクタが表示された領域とは異なる領域にて、炎が燃え盛るろうそくのキャラクタを表示する演出が設定されている。
<遊技の流れと保留表示>
制限状態による遊技を用いた遊技の流れと保留表示との関係を、図95〜図98を参照しながら説明する。図95は、制限状態による遊技を行わなかった場合の遊技の流れを示し、図96は、制限状態による遊技を行った場合の遊技の流れを示している。
図95(a)は、例えば、第1単位保留表示領域Dr1に第1特別画像P1が表示され、第3単位保留表示領域Dr3と第5単位保留表示領域Dr5に第5特別画像P5が表示されており、今回のゲームを含めて3ゲーム間(有利区間ゲーム数AGの値の下2桁が17〜19)は第1モードであって、4ゲーム目以降(有利区間ゲーム数AGの値の下2桁が20〜29)は第2モードである状況を示している。
かかる状況を非内部状態や内部状態の3ベットゲームにて遊技した場合、有利区間ゲーム数AGのカウントともにATモード移行抽選の抽選モードも移行し、更に、抽選用情報記憶エリア106gに記憶されているATカウンタのシフトも行われる。その結果、図95(b)に示すように、図95(a)の状況から1ゲーム進行すると、第1単位保留表示領域Dr1に表示されていた第1特別画像P1は、実行用表示領域Dpにシフトされ、今回のゲームは第1モードでのATモード移行抽選となる。この場合、第1モードでの第1特別画像P1に対応するATカウンタ1〜4に対応する抽選結果である所謂レア役としての特定役当選であれば、ATモード移行抽選に当選するものの、その他の抽選結果であればATモード移行抽選に非当選となる。
図95(b)の状況から1ゲーム進行すると、図95(c)に示すように、今回のゲームで第1モードは終了し、次のゲームから第2モードでのATモード移行抽選が行われるようになる。そして、図95(c)の状況から更に1ゲーム進行すると、図96(d)に示すように、今回のゲームから第1モードでのATモード移行抽選となる。実行用表示領域Dpには、第5特別画像P5がシフトされており、第2モードでの第5特別画像P5に対応するATカウンタは95〜127に対応する抽選結果であるチャンス目C又はチェリーC当選であれば、ATモード移行抽選に当選するものの、その他の抽選結果であればATモード移行抽選に非当選となる。
図96(a)は、図95(a)と同じ状況を示している。但し、図96(a)に示す状況では、例えば図97(a)に示すように、第2モード予測演出が補助表示部65にて実行されている。なお、図97(a)では、現状の抽選モードに対応させて、第1モード用演出も実行されている。ちなみに、この図においては、所定ゲーム数後のモード予測報知としての特別報知を3ゲーム数後のモード予測報知として示している。そのため、次ゲームに待機している第1特別画像P1に対応するATカウンタでのATモード移行抽選が低確率側の第1モードにて実行されることと、3ゲーム後は高確率側の第2モードとなることが、これら第1モード用演出と第2モード予測演出から把握される。
そこで、図96(b)では、2ベットゲームに切り替えて制限状態にて1ゲーム進行した場合を示しており、この場合、有利区間ゲーム数AGのカウントとともに抽選モードの切り替わりまでの残りゲーム数も進行する一方、抽選用情報記憶エリア106gに記憶されているATカウンタのシフトは制限される。その結果、図96(a)において第1単位保留表示領域Dr1に表示されていた第1特別画像P1は、1ゲーム進行しても第1単位保留表示領域Dr1に維持される。この場合、図97(b)に示すように、乱数更新制限報知演出が実行され、保留表示のシフトが行われないことを遊技者が把握可能となる。但し、現状の抽選モードは未だ第1モードであることから、炎を纏わないメインキャラクタが表示され、第1モード用演出が実行されている。
図96(b)から更に制限状態にて1ゲーム進行した場合、図97(c)に示すように、今回のゲームまでが第1モードであって、次のゲームからは第2モードとなる。但し、上記のように制限状態であるため、ATカウンタのシフトは行われず、第1単位保留表示領域Dr1に表示された第1特別画像P1のシフトも行われない。そして、更に制限状態にて1ゲーム進行させると、図97(d)に示すように、抽選モードは第2モードとなる。
抽選モードが第2モードとなり、例えば、図98(a)に示すように、第2モード用演出が実行された場合、次ゲームを、2ベットゲームではなく3ベットゲームにて遊技することで、図98(b)に示すように、第1単位保留表示領域Dr1に表示されていた第1特別画像P1が実行用表示領域Dpにシフトされ、当該ゲームが第2モードにてATモード移行抽選が実行される。
ここで、第2モード用演出は、第2モードであって、且つ第2モード報知抽選処理に当選した場合に実行される構成としている。そのため、第1モードから第2モードに移行した場合、そのモード移行が生じたゲームでは第2モード用演出が行われない場合もある。また、第2モード予測演出についても、所定ゲーム後が第2モードであって、且つ予測報知抽選に当選した場合に実行される構成としている。そのため、第2モードに移行する所定ゲーム前のゲームでは第2モード予測演出が行われない場合もある。但し、予測報知抽選は所定ゲーム後の抽選モードに関わらず実行されるところ、予測報知抽選に当選すれば、所定ゲーム後が第1モードであるか第2モードであるかを明確に把握できる分だけ、第1モード用演出や第2モード用演出よりも信頼度が高い報知といえる。そうすると、例えば、図97(a)に示すように、図96(a)の状況で第2モード予測演出が発生した場合において、少なくとも、当該ゲームの所定ゲーム後である有利区間ゲーム数AGの下2桁が22となるゲームにおいて、第2モード用演出が発生していなくても抽選モードが第2モードとなっていることを遊技者は予測できるようになる。
言い換えると、第1モード用演出と第2モード用演出とによって抽選モードを把握しようとする遊技者よりも、第2モード予測演出が発生したゲームからのゲーム数を数えて抽選モードを把握しようとする遊技者の方が、より早いゲームで第2モードの移行を確信できるようになる。よって、第2モード予測演出への注目度を高めるとともに、遊技内容や演出内容の理解度が高いことの優位性を担保することで、より遊技へ没頭させることが可能となる。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
事前取得するATカウンタと、ゲームの抽選結果と、を用いてATモード移行抽選を行う構成としたうえで、ATモード移行抽選の抽選モードについては、非内部状態や内部状態の3ベットゲームといった許容遊技と、非内部状態や内部状態の2ベットゲームやBB状態といった制限遊技と、のいずれにおいても移行が生じ得る構成とする一方、許容遊技ではATカウンタの更新(シフト、取得)が行われるものの、制限遊技ではATカウンタの更新が行われないようにした。このようにすることで、事前取得されているATカウンタがATモード移行抽選に供与される際に、抽選モードが高確率側の第2モードとなるまで、制限遊技にてATカウンタの更新を制限させる、といった遊技を行わせることができる。つまり、ATモード移行抽選の抽選モードとして、低確率側の第1モードと高確率側の第2モードとがあり、各モードにおいてゲームの抽選結果に対してATモード移行当選となるATカウンタの値(対応情報)が定められており、事前取得されているATカウンタが、当該ATモード移行当選となるATカウンタの値としての対応情報となるまで、制限遊技にて待機させる遊技となる。このようにすることで、事前取得されているATカウンタと対応情報との関係性を利用して、遊技を許容遊技にて進行させるか制限遊技にて進行させるかを決定する、といった斬新な遊技性を実現することが可能となる。
本実施形態においても、許容遊技から制限遊技に切り替えるには3ベットゲームから2ベットゲームに切り替えたり、BB入賞を生じさせればよく、このように、遊技者が自らの意思により、許容遊技と制限遊技との切り替えを行えるようにすることで、意図せずATモード移行抽選やATカウンタの更新が制限されてしまったりする事象を好適に回避させることができる。
この場合、事前取得されているATカウンタの情報は、保留表示として補助表示部65に表示され得る構成としていることから、その保留表示の内容から、制限遊技に切り替えるか否かの意思決定を行うことが可能となる。しかも、制限遊技に切り替えることで、乱数更新制限報知演出が行われるとともに、保留表示のシフト自体も制限されることから、当該制限遊技を行っていることがより明確に把握されるようになる。このようにすることで、例えば、メダル投入口45からメダルを投入することで遊技を行う場合に、たまたま3枚でなく2枚投入した際に遊技を開始してしまった場合等、遊技者が意図せず2ベットゲームとしての制限遊技に切り替えてしまった場合には、それに気づき易くなるし、遊技ホールの管理者も制限遊技が行われていることを容易に特定することが可能となる。
更に、現状の抽選モードを示唆する特別報知として、第1モード用演出や第2モード用演出を実行する構成としていることから、現状の抽選モードを把握したうえで、事前取得されているATカウンタが抽選モードに対応する対応情報となるゲームを予測し、制限遊技と許容遊技にてその調節を行うことが可能となる。
将来の抽選モードを示唆する特別報知としては、所定ゲーム数先に第2モードから第1モードへの移行が生じるゲームが存在する場合には第2モード予測演出を実行し、所定ゲーム数先に第1モードから第2モードへの移行が生じるゲームが存在する場合には第2モード予測演出を実行する構成としている。このようにすることで、所定ゲーム数先の抽選モードを把握したうえで、事前取得されているATカウンタが抽選モードに対応する対応情報となるゲームを予測し、制限遊技と許容遊技にてその調節を行うことが可能となる。
この場合、現状の抽選モードを示唆する特別報知と、将来の抽選モードを示唆する特別報知とは、将来の抽選モードを示唆する特別報知の方が、その内容が実際の抽選モードに合致している可能性が高く、信頼度が高くなるように設定している。つまり、現在の抽選モードを示唆する特別報知については、第1モード用演出が行われていても第2モードである可能性があり、その特別報知が行われた場合であってもいずれの抽選モードに滞在しているかが確定しない場合がある。これに対して、将来の抽選モードを示唆する特別報知については、第1モード予測演出が行われれば第1モードへの移行が生じることが確定し、第2モード予測演出が行われれば第2モードへの移行が生じることが確定する。そのため、より早いゲームで抽選モードの移行を特定しようとするならば、第1モード予測演出や第2モード予測演出の方が第1モード用演出や第2モード用演出よりも、その早期特定の貢献度が高くなる。このようにすることで、事前取得されているATカウンタと、抽選モードの移行の事前把握とにより、制限遊技と許容遊技との切り替えを行う遊技の面白みを好適に高めることが可能となる。
第1モード用演出や第2モード用演出、第1モード予測演出や第2モード予測演出といった特別報知は、いずれも許容遊技か制限遊技かに関わらず実行され得る構成としていることから、許容遊技中に制限遊技に切り替えるタイミングを見定めさせることが可能となるし、且つ制限遊技中に許容遊技に切り替えるタイミングを見定めさせることが可能となる。
なお、上記第2の実施形態では、許容遊技における特別報知の発生率と制限遊技における特別報知の発生率とを、同じ発生率としたが、異なる発生率としてもよく、例えば、制限遊技の方が許容遊技よりも特別報知が発生し易い構成としてもよい。制限遊技においては、ATモード移行抽選の実行が制限されることから、仮に、特別報知の発生率が低いと、せっかく制限遊技にて抽選モードが所望の抽選モードとなるまでATカウンタの消費を制限しているのにもかかわらず、ATモード移行抽選を受けたいあまりに、しびれを切らして所望の抽選モードとなる前に許容遊技に切り替えてしまう可能性がある。その点、制限遊技における特別報知の発生率を高めることで、遊技者の焦る気持ちを落ち着かせ、ATカウンタの消費を所望の抽選モードとなるまで待機させる遊技を好適に行わせることが可能となる。
本実施形態は、モード移行テーブルと有利区間ゲーム数AGとを利用して抽選モードを定める構成であることから、ゲームの各抽選結果に対してATモード移行当選となるように設定されたATカウンタの値としての対応情報が、有利区間ゲーム数AGによって異なる構成ともいえる。このようにすることで、例えば、第1の実施形態のように、モード移行テーブルについてのテーブル報知演出から、今回のモード移行テーブルを遊技者が把握した場合、有利区間への移行が生じてからのゲーム数や、モード移行テーブルの更新が行われてからのゲーム数を考慮しながら、事前取得されているATカウンタが対応情報となり易いゲームまで制限遊技にて遊技することも可能となる。つまり、事前取得されているATカウンタとゲーム数とから、そのATカウンタが対応情報となり易いか否かを把握することも可能であり、対応情報となり易いゲームとなるまで、制限遊技にて遊技させる、といった斬新な遊技性を実現することが可能となる。
ここで、有利区間中のゲーム数は、区間表示器としての第8表示用セグメントN8の表示の有無によって把握することも可能であるものの、本スロットマシン10では、有利区間移行ゲームと第8表示用セグメントN8の表示開始ゲームとが合致しない(ATモード移行で表示開始される)構成としていることから、有利区間移行後のゲーム数を把握することが困難となっている。そのため、上記のように有利区間移行後のゲーム数(モード移行テーブルの設定が行われてからのゲーム数)と、事前取得されているATカウンタとの関係性を利用して、制限遊技と許容遊技との切り替えを行ううえで、そのゲーム数自体がわかりにくくなっている構成といえる。このようにすることで、どのタイミングで制限遊技と許容遊技とを切り替えるべきかを明確に特定する困難となり、その切り替えタイミングを見定める遊技の面白みが増すし、抽選モードを示唆する特別報知への注目度も高められる。
また、本実施形態においては、有利区間移行後、モード移行テーブルを所定ゲーム(100ゲーム)毎に更新する構成としていることから、仮に、遊技者にとって好ましくないモード移行テーブルが設定された場合であっても、所定ゲームさえ消化すれば当該好ましくないモード移行テーブルとは異なるモード移行テーブルに更新される望みがあるようになり、当該好ましくないモード移行テーブルが設定されたからといって、遊技が終了されてしまう可能性を低下させることが可能となる。
ここで、所定ゲーム毎のモード移行テーブルの更新は、AT抽選用処理において、制限遊技ではなく許容遊技であることを条件として行う構成としている。このようにすることで、仮に、好ましくないモード移行テーブルだからといって、制限遊技を行っている場合であっても、少なくともそのモード移行テーブルを更新させようとするのであるならば、許容遊技に切り替える必要があるようになる。このようにすることで、延々と制限遊技にて遊技が行われてしまって、総メダル投入枚数が少なくなることを好適に回避させることができる。
抽選モードを示唆する特別報知はモード移行テーブルの更新回数が多くなるほど発生し易いため、有利区間移行後のゲーム数が多くなるほど、特別報知が発生し易くなる構成といえる。このようにすることで、特別報知を利用して抽選モードを把握させたうえで、制限遊技と許容遊技との切り替えを促してATモード移行当選となる確率を高めることが可能となり、特別報知を利用した天井機能を好適に実現することが可能となる。
<変形例1>
本実施形態では、第1用ATモード移行抽選テーブルと、第2用ATモード移行抽選テーブルと、の内容が上記第2の実施形態と異なっている。図99は、本変形例における各ATモード移行抽選テーブルである。
図99に示すように、第1用ATモード移行抽選テーブルと第2用ATモード移行抽選テーブルとを比較すると、ATカウンタの値として1〜4、5〜8に対応付けられた抽選結果が異なっており、他のATカウンタの値として9〜128に対応付けられた抽選結果は共通している。より詳しくは、図99(a)に示すように、第1用ATモード移行抽選テーブルでは、ATカウンタの値が1〜4である場合、重複1枚役、BB1、BB2を除く抽選結果であればATモード移行抽選に当選し、ATカウンタの値が5〜8である場合、特定役であればATモード移行抽選に当選する。これに対して、図99(b)に示すように、第2用ATモード移行抽選テーブルでは、ATカウンタの値が1〜4である場合、特定役であればATモード移行抽選に当選し、ATカウンタの値が5〜8である場合、重複1枚役、BB1、BB2を除く抽選結果であればATモード移行抽選に当選する。
つまり、本変形例では、ATモード移行抽選の当選確率は第1モードと第2モードとで共通しているものの、第1モードではATカウンタの値が1〜4で当選し易く、第2モードではATカウンタの値が5〜8で当選し易い。そのため、ゲームの抽選結果に対してATモード移行当選となるATカウンタの値(対応情報)となる可能性が抽選モードによって異なるものの、各ゲームのATモード移行抽選の当選確率は異ならずに共通していることになる。よって、形式的は、各ゲームにおいてATモード移行抽選の当選確率を変化させないようにしながら、事前取得されているATカウンタと抽選モードの移行と、制限遊技と許容遊技との切り替えと、を利用して、実質的に各ゲームにおけるATモード移行抽選の当選確率を変化させることが可能となる構成とすることができる。
<変形例2>
図100(a)は、本変形例における乱数取得用処理を示すフローチャートである。既に説明した通り、乱数取得用処理は、リール制御処理において全リールが停止した場合に実施される処理である。
ステップS4501では、抽選用情報記憶エリア106gの各記憶エリアRE1〜RE10に空きエリアがあるか否かを判定する。空きエリアがあってステップS4501にて肯定判定した場合、ステップS4502〜ステップS4504にてATカウンタの取得用の処理を実行してから乱数取得用処理を終了する。ステップS4502〜ステップS4504の処理は、上記ステップS3204〜ステップS3206の処理と同様である。空きエリアがなくステップS4501にて否定判定した場合、そのまま乱数取得用処理を終了する。
既に説明した通り、ベット数が遊技状態に応じた特定規定数である場合、ゲームの開始に際して乱数シフト用処理が実行されて、基本的には第10記憶エリアRE10が空きエリアとなる。ステップS4501にて否定判定する場合とは、例えば、第10記憶エリアRE10にATカウンタに対応する情報が記憶されている状況で開始されたゲームのベット数が、遊技状態に応じた特定規定数ではない制限状態であり、当該ゲームの開始に際して乱数シフト用処理が実行されなかった場合である。
これに対して、例えば、第10記憶エリアRE10にATカウンタに対応する情報が記憶されていない状況であれば、開始されたゲームのベット数が遊技状態に応じた特定規定数ではない制限状態であり、当該ゲームの開始に際して乱数シフト用処理が実行されなかった場合であっても、ステップS4501にて肯定判定する。
既に説明した通り、本スロットマシン10では、電源投入に際してリセットスイッチ72の操作が行われ、メイン処理における当選確率の設定処理が実行された場合、RAM106の初期化処理が行われるされる。この場合、抽選用情報記憶エリア106gに記憶されている各ATカウンタに対応する情報もクリアされる。つまり、当選確率の設定処理が行われた直後は、抽選用情報記憶エリア106gにATカウンタが記憶されておらず、少なくとも1ゲーム目はATモード移行抽選が行われない。
これに対して、上記構成のようにすることで、当選確率の設定処理の後のゲームを2ベットゲームにて行うことで、ATカウンタに対応する情報を消化することなく、ATカウンタに対応する情報の取得だけをさせることが可能となる。これにより、抽選用情報記憶エリア106gのATカウンタに対応する情報が記憶されていない状況を早期に解消することが可能となる。
更に、当該RAM106の初期化等に際して、第2BB当選フラグもクリアされ得る構成においては、第2BB当選を持ち越している状況での通常遊技を実行させる際には、2ベットゲームを数ゲーム実行することで第2BB当選を待つ必要がある。その点、上記構成によれば、当該第2BB当選を待つ間にも、ATカウンタに対応する情報が取得され得るようになるため、通常遊技のための準備作業の簡素化を図ることが可能となる。
なお、抽選用情報記憶エリア106gに記憶されているATカウンタが消去される状況は、当選確率の設定処理に伴う初期化処理に限定されず、例えば、有利区間の終了に際して行われる有利区間情報の初期化処理に際してATカウンタが消去される構成としてもよい。この場合であっても、通常区間においてATモード移行抽選が行われず、ATカウンタが消費されないことを利用して、ATカウンタの取得だけを行ってATカウンタを貯める構成とすることができる。
図100(b)は、ベット数が遊技状態に応じた特定規定数であって指示機能に関する処理の実行が許容される許容状態と、特定規定数ではない制限状態と、ATモード移行抽選に関与する各処理の実行の有無との関係を、RAM106の初期化直後である状況とそうではない状況とで比較を示している。
既に説明した通り、本実施形態では、ATモード移行抽選の抽選モードとしての第1モードと第2モードとは、モード移行テーブルと有利区間ゲーム数AGとによって規定されるところ、当該抽選モードは、許容状態と制限状態とのいずれであっても移行し得る。そして、かかる抽選モードの移行がいずれの状態でも生じる点は、RAM106の初期化直後であっても変わらない。但し、RAM106の初期化によって、有利区間フラグがクリアされることから、抽選モードの移行は有利区間に移行してから生じる。
これに対して、抽選結果対応処理における一処理である乱数シフト用処理については、許容状態では実行されるものの、制限状態では実行されない。そして、RAM106の初期化直後か否かに関わらず、同様に許容状態では乱数シフト用処理は実行されるものの、制限状態では実行されない。
リール制御処理における一処理である乱数取得用処理については、許容状態では実行されるものの、制限状態では実行されない。但し、上記のようにRAM106の初期化直後等、抽選用情報記憶エリア106gに空きエリアが存在する場合には、制限状態であっても乱数取得用処理におけるATカウンタの取得用の処理が実行される。このようにすることで、上記のようにATカウンタに対応する情報が記憶されていない状況を、解消することが可能となる。
しかも、本スロットマシン10においては、ATカウンタはタイマ割込み処理のタイマ更新処理(ステップS108)にて更新される構成としているところ、ATカウンタの更新は、許容状態や制限状態だけでなく、RAM106の初期化の有無に関わらず実行される。このようにすることで、RAM106の初期化直後の制限状態においても、ATカウンタを取得可能としながら、当該取得されるATカウンタが未更新のままである、といった不都合が生じないようになる。よって、当該状況で取得されたATカウンタを用いたATモード移行抽選の結果がいずれも同じ結果(いずれも当選結果、又はいずれも非当選結果)となる、といった事象が生じなくなり、遊技者又は遊技ホールが不当に不利益を被ることを抑制することができる。
<その他の実施形態>
なお、上述した各実施形態や各変形例の記載内容に限定されず例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を個別に上記各実施形態や各変形例に対して適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて上記各実施形態や各変形例に対して適用してもよい。また、上記各実施形態や各変形例に示した各種構成の全て又は一部を任意に組み合わせることも可能である。この場合、組み合わせの対象となる各構成の技術的意義(発揮される効果)が担保されることが好ましい。実施形態や変形例の組み合わせからなる新たな構成に対して以下の各構成を個別に適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。
(1)第1の実施形態において、特定契機に基づくATモード移行抽選にて非当選となった場合、有利区間を終了させる構成としたが、当該特定契機に基づくATモード移行抽選にて非当選となった場合であっても、有利区間を終了させない構成としてもよい。この場合、有利区間の上限ゲーム数(1500ゲーム)と、有利区間の上限増加枚数(2400枚)とを考慮したうえで、ATモードに移行した場合に上限ゲーム数に達するよりも前に上限増加数に達するであろうゲーム数(例えば、1000ゲーム)に、特定契機が生じるまでのゲーム数を減算した特定ゲーム数(例えば、950ゲーム)にて、特定契機に基づくATモード移行抽選に非当選となることで有利区間を終了させる構成とするとよい。
(2)第1モードと第2モードとの抽選モードの移行を、AT抽選モード移行抽選処理を経て行う構成において、各抽選モード移行当選となる契機結果や当選確率は上記のものに限定されない。例えば、第2モードから第1モードへの移行が、通常役だけでなく特定役によっても生じ得るようにしてもよいし、第1モードから第2モードへの移行が、特定役のみ生じる構成としてもよい。
(3)抽選モードの移行抽選の実行が、制限遊技にて制限される構成としたが、許容遊技においても制限され得る構成としてもよい。例えば、第2モードにおいて特定役当選となった場合、所定ゲーム数間に亘って、抽選モードの移行抽選の実行を制限する構成とすると、当該所定ゲーム数間は、第2モードから第1モードへの移行が制限され、第2モードであることを許容遊技にて維持することが可能となる。この場合、特定役の種類によって、上記所定ゲーム数を異ならせてもよく、例えば、チェリーAであれば5ゲーム間の移行抽選の実行を制限し、チェリーBであれば10ゲーム間の移行抽選の実行を制限する、といったように、ゲームの抽選結果として当選しにくい特定役ほど、長いゲーム数に亘って移行抽選が制限される構成としてもよい。
逆に、第1モードにおいて通常役当選となった場合、所定ゲーム数間に亘って、抽選モードの移行抽選の実行を制限する構成としてもよい。
(4)特定契機に基づくATモード移行抽選において、当該ATモード移行抽選が行われるゲームの抽選結果を加味することなく一律の当選確率(第1モードでは10%、第2モードでは60%)としたが、ゲームの抽選結果と滞在している抽選モードの種類とによって、ATモード移行抽選の当選確率が異なる構成としてもよい。
(5)特定契機前の特定役に基づくATモード移行抽選において、抽選モードが加味される構成としてもよい。すなわち、特定役当選時の抽選モードが第1モードである場合よりも第2モードである場合の方が、同じ特定役であってもATモード移行抽選に当選し易い構成としてもよい。
(6)特定契機前においても、特定役当選となることでATモード移行抽選が行われる構成としたが、通常役当選であってもATモード移行抽選が行われる構成としてもよい。
(7)3ベットゲームにて当選し得るBBとして第1BBを設け、2ベットゲームにて当選し得るBBとして第2BBを設けたが、いずれか一方のBBだけであってもよく、例えば、2ベットゲームにて第2BBに当選し、3ベットゲームではいずれのBBにも当選しない構成としてもよい。
(8)2ベットゲームにて、第2BBに当選する構成としたが、2ベットゲームにて複数種類のBBに当選し得る構成としてもよく、例えば、2ベットゲームにて第1BBと第2BBに当選し得る構成としてもよい。この場合、2ベットゲームにて第1BB入賞と第2BB入賞とが成立し得る構成とし、3ベットゲームでは第1BB及び第2BBのいずれにも当選もせず、更に3ベットゲームでは第1BB入賞と第2BB入賞とのいずれも成立しない構成としてもよい。なお、2ベットゲームと3ベットゲームとの関係が上記のものと逆であってもよい。
(9)第1BB状態と第2BB状態とでいずれも同じ抽選テーブルを用いて、同じ遊技ベースとなるようにしたが、異なる抽選テーブルを用いて、異なる遊技ベースとなるようにしてもよい。この場合であっても、特定契機に基づくATモード移行抽選の非当選時に契機スルーカウンタに加算する値を異ならせることで、特別報知の実行率への寄与率を異ならせる構成とするとよく、有利度(遊技ベース)が低いほど、契機スルーカウンタに大きい値を加算する構成とするとよい。
(10)第1BB状態と、第2BB状態とを、いずれも3ベットゲーム又はいずれも2ベットゲームにて遊技する構成としたが、例えば、第1BB状態は3ベットゲームにて遊技し、第2BB状態は2ベットゲームにて遊技する、といったように、BB状態の種類によってベット数が異なる構成としてもよい。
(11)第1BB状態と、第2BB状態との遊技は、いずれも制限遊技となる構成としたが、例えば、第1BB状態の遊技は制限遊技となる一方、第2BB状態の遊技は許容遊技となる、といったように、BB状態の種類によって制限遊技と許容遊技とが異なる構成としてもよい。また、CB状態やSB状態、MB状態を設け、これらのうちのいずれか又は全部が制限遊技となる又は許容遊技となる構成としてもよい。
(12)BB状態の遊技ベースを、2ベットゲームの遊技ベースよりも高くなるように設定したが、少なくともBB状態の遊技ベースは3ベットゲームの遊技ベースよりも高ければよく、2ベットゲームの遊技ベースよりも低くてもよい。
(13)モード移行テーブルにて第1モードと第2モードとを規定する構成において、第1モードと第2モードとの切り替わりが生じる単位ゲーム数を、主に10ゲームとして設定したが、例えば、有利区間ゲーム数AGが1〜10、11〜13、14〜55、、、といったように、第1モードと第2モードとの切り替わりが生じる単位ゲーム数が、それぞれ異なる構成としてもよい。この場合、切り替わりの単位ゲーム数が、第1数、第2数、第1数、第2数、といったように異なる単位ゲーム数が繰り返される構成としてもよく、単位ゲーム数の組み合わせに規則性があるようにするとよい。
(14)モード移行テーブルにて第1モードと第2モードとを規定する構成において、第1モードと第2モードとの切り替わりが生じる単位ゲーム数が、モード移行テーブルの種類によって異なる構成としてもよい。例えば、第1のモード移行テーブル(アドレス情報MAAAAのモード移行テーブル)では、第1数(10ゲーム)の単位ゲーム数にて抽選モードの切り替わりが生じる一方、第2のモード移行テーブル(アドレス情報MBBBBのモード移行テーブル)では、第2数(25ゲーム)の単位ゲーム数にて抽選モードの切り替わりが生じる構成としてもよい。更に、偶数ゲームは第1モード、奇数ゲームは第2モードといったように、1ゲーム毎で切り替わりが生じる構成としてもい。
(15)ATモード移行抽選の当選確率が低確率となる第1モードと高確率となる第2モードとを設けたが、第1モードに対して第2モードが優位であればよく、例えば、第1モードでは特定契機に基づくATモード移行抽選に当選しない構成としてもよい。
(16)第2モードであることを示唆する特別報知の発生率によって、抽選モードを示唆する構成としたが、少なくとも第1モードと第2モードとのいずれに滞在しているかが予測可能な報知であればよく、例えば、第1モードであることを示唆する特別報知の発生率によって、抽選モードを示唆する構成としてもよい。
(17)モード移行テーブルを複数種類設けて抽選により設定するモード移行テーブルを決定する構成としたが、一律のモード移行テーブルとしたり、複数種類設けられていても、設定するモード移行テーブルに規則性が存在する構成としてもよい。例えば、第1のモード移行テーブルが設定された後は、第2のモード移行てテーブルが設定され易い又は設定される構成としてもよい。このようにすることで、一律の、又は前回のモード移行テーブルの情報から、抽選モードを予測することが可能となる。
(18)モード移行テーブルとして、第1モードにだけ対応付けられたモード移行テーブルが含まれる構成としてもよい。
(19)設定されたモード移行テーブルの種類に応じて、特定契機に基づくATモード移行抽選に非当選となった場合の契機スルーカウンタに加算する値を異ならせてもよい。例えば、第2モードに対応付けられたゲームが多いモード移行テーブルが設定された場合ほど、ATモード非当選時に契機スルーカウンタに加算する値を大きくすることで、遊技者の喪失感を特別報知によってうまく補填することが可能となる。
(20)ATモード非当選時に契機スルーカウンタに加算する値は、特定契機を生じさせたゲームの情報(ベット数、BB状態か否か、BB状態の種類等)に限定されず、他の情報を用いて当該契機スルーカウンタに加算する値を設定してもよい。例えば、特定契機を生じさせるよりも前のゲームの情報を用いて加算する値を設定してもよい。具体的には、特定契機に至る前に、BB状態に移行させていれば、特定契機を生じさせたゲームがBB状態ではなくても、契機スルーカウンタに加算する値を少なくする/多くする構成としてもよい。また、特定契機が生じるまでのメダル減少数/増加数によって、契機スルーカウンタに加算する値を設定する構成としてもよい。
(21)2ベットゲームでも特定役に当選し得る構成とし、2ベットゲームでの特定役当選ではATモード移行抽選を行わない構成としたが、2ベットゲームでは特定役に当選しない構成としてもよい。また、BB状態でも特定役に当選し得る構成としたうえで、BB状態での特定役当選ではATモード移行抽選を行わない構成としてもよい。
(22)3ベットゲームでは第2BB入賞を成立させることができず、2ベットゲームでは第1BB入賞を成立させることができない構成としたが、3ベットゲームでは2ベットゲームよりも第2BB入賞しにくい構成としてもよく、2ベットゲームでは3ベットゲームよりも第1BB入賞しにくい構成としてもよい。
(23)3ベットゲームでは第2BB当選とならず、2ベットゲームでは第1BB当選とならない構成としたが、3ベットゲームでは2ベットゲームよりも第2BBに当選しにくい構成としてもよく、2ベットゲームでは3ベットゲームよりも第1BBに当選しにくい構成としてもよい。
(24)第1クレジット投入スイッチ56を操作した場合、MAXベットカウンタに設定されている値よりもクレジット数が少ない場合には、ベットを行わない構成としてもよいし、MAXベットカウンタに満たないもののクレジット数に応じたベットを行う構成としてもよい。但し、後者のようにすると、意図せず制限遊技が行われる可能性が高くなるため、前者のように、MAXベットカウンタにクレジット数が満たない場合にはベットを行わない構成とする方が好ましい。
(25)MAXベットカウンタに3が設定されている場合、第2クレジット投入スイッチ57やその他の操作部を操作することで2ベットを設定することが可能であり、MAXベットカウンタに2が設定されている場合、第2クレジット投入スイッチ57やその他の操作部を操作することで3ベットを設定することが可能となる構成としてもよい。
(26)1ベットを設定可能な操作部を設けてもよい。この場合、当該操作部を操作した回数に応じてベット数を異ならせることが可能な構成としてもよい。具体的には、当該操作部を1回操作した場合には1ベットとなり、2回操作した場合には2ベットとなり、3回操作した場合には3ベットとなる構成としてもよい。更に、4回操作した場合には1ベットとなり、5回操作した場合には2ベットとなる、といったように、所望のベット数を通り越してしまった場合でも、再操作によって所望のベット数に設定可能な構成とするとよい。
(27)抽選モードの示唆としての特別報知を、再遊技当選となったゲーム(再遊技入賞となったゲーム)では実行しない又は他の結果当選ゲームや外れ結果ゲームよりも実行しにくい構成としてもよい。再遊技入賞となることで、当該ゲームの次のゲームも同じベット数にて遊技を行う必要があるところ、仮に当該再遊技入賞となったゲームの特別報知に基づいて、次ゲームのベット数を切り替えようとしても、それができない構成であるからである。
(28)特定契機が生じるまでに抽選モードを第2モードに移行させる遊技性を説明したが、特定契機が生じるまでの各ゲームにて所定のポイントが付与され得る構成とし、そのポイントに応じて特定契機に基づくATモード移行抽選が行われる構成としてもよい。所定のポイントは、ゲームの抽選結果に応じて付与される構成としてもよい。そして、3ベットゲーム等の許容遊技では所定のポイントが付与される一方、2ベットゲーム等の制限遊技では所定のポイントが付与されない構成とするとよい。
(29)特定契機に基づいてATモード移行抽選が行われる構成を前提として説明したが、特定契機に基づいて行われる抽選はATモード移行抽選に限定されない。例えば、有利区間移行抽選であってもよいし、ATモード中の上乗せ特化ゾーンへの移行抽選であってもよいし、ATモードの上乗せ抽選や上乗せゲーム数抽選であってもよい。更に、所定演出(例えば、設定値示唆演出)の実行抽選であってもよい。
(30)抽選用の乱数を事前取得して、その乱数と、各ゲームの抽選結果とを利用して抽選を行う構成において、抽選用の乱数としてATモード移行抽選に用いられるATカウンタを例として説明したが、他の抽選に用いられる乱数に上記各発明を適用してもよい。例えば、有利区間移行抽選に用いられる抽選用のカウンタを事前取得する構成に適用してもよいし、上乗せ特化ゾーン移行抽選に用いられる抽選用のカウンタを事前取得する構成に適用してもよいし、上乗せ抽選や上乗せゲーム数抽選に用いられる抽選用のカウンタを事前取得する構成に適用してもよいし、所定演出(例えば、設定値示唆演出)の抽選に用いられる抽選用のカウンタを事前取得する構成に適用してもよい。
すなわち、事前取得される特定情報(乱数)に基づいて発生の有無の抽選を行う特定事象としては、ATモードへの移行に限定されず、有利区間への移行であってもよいし、特化ゾーンへの移行であってもよいし、ゲーム数の上乗せであってもよいし、所定ゲーム数の上乗せ(上乗せゲーム数の多い少ない)であってもよいし、所定演出の発生であってもよい。
(31)ATモード移行抽選に用いられる抽選用の乱数としてATカウンタを、ストップスイッチ42〜44の操作のうち、第3停止OFF操作時に取得する構成としたが、他のタイミングで取得する構成としてもよい。例えば、第1停止OFF操作時や第2停止OFF操作時であってもよいし、第1〜第3停止ON操作時であってもよい。また、スタートレバー41の操作に基づき取得する構成としてもよいし、クレジット投入スイッチ56〜58の操作に基づき取得する構成としてもよい。これらの操作として、操作に基づき遊技が進行することとなる有効な操作であってもよいし、その操作が無効とされる期間中等の無効な操作に基づき取得する構成としてもよい。更に、操作に基づき直ちに取得する構成に限定されず、例えば、操作に基づき所定期間後に取得する構成としてもよいし、左ストップスイッチ42が操作された後、中ストップスイッチ43が操作された場合には取得するものの、左ストップスイッチ42が操作された後、右ストップスイッチ44が操作された場合には取得しないといったように、複数の操作の組合せにより取得する構成としてもよい。
(32)乱数取得用処理においてATカウンタを取得する場合、当該取得時のゲームの抽選結果等に影響されずに、当該ゲームの抽選結果等とは独立してATカウンタの取得を行う構成としたが、ゲームの抽選結果に基づいて取得されるATカウンタが異なり得る構成としてもよい。例えば、ゲームの抽選結果が強チェリー等の第1結果である場合には、第1数値範囲として「1」〜「64」のうちの1の値のATカウンタが取得され、ゲームの抽選結果が強スイカ等の第2結果である場合には、第2数値範囲として「65」〜「128」のうちの1の値のATカウンタが取得される、といったように、そのゲームでの抽選結果によって取得される数値が規定される構成としてもよい。
更に、抽選モードによって、取得されるATカウンタの種類が異なる構成としてもよい。例えば、第1モードでは第1数値範囲として、「1」〜「128」のうちの1の値のATカウンタが取得される一方、第2モードでは第2数値範囲として、「1」〜「64」のうちの1の値のATカウンタが取得される構成としてもよい。この場合、取得されるATカウンタの数値範囲によって、第1モードに対する第2モードの優位性を設定してもよい。
(33)2ベットゲームにて当選した第2BBを持ち越した状態で行う3ベットゲームによる遊技を通常遊技として説明したが、3ベットゲームにて当選した第1BBを持ち越した状態で行う2ベットゲームによる遊技を通常遊技としてもよいし、第1BBや第2BBを持ち越すことなく行う第2ベットゲームや第3ベットゲームを通常遊技としてもよい。また、第2BBを持ち越した状態で行う2ベットゲームによる遊技を通常遊技としてもよいし、第1BBを持ち越した状態で行う3ベットゲームによる遊技を通常遊技としてもよい。
(34)ATモード移行抽選の抽選モードとして、第1モードと第2モードとを設けたが、抽選モードの種類は複数であればよく、3種類以上あってもよい。
(35)各設定値によって出玉率が変化する構成とし、設定1が最も出玉率が低く、設定6が最も出玉率が高くなる構成としたが、設定値によって出玉(遊技媒体)の増減率や増減態様が変化する構成であればよい。例えば、設定1と設定2との出玉率が同じであるなど、一部の設定値の出玉率が同じであって、他の設定値の出玉率が異なる構成としてもよい。また、設定1,3,5は出玉の増減率が高く、設定2,4,6は出玉の増減率が低い構成としてもよい。また、設定1,5は短時間で出玉が所定量増加し長時間で出玉が所定量減少し、設定2,3,4は所定量の増加に設定1,5よりも長時間要するとともに所定量の減少に設定1,5よりも短時間で済み、設定6は出玉の増減がほとんど発生しない構成としてもよい。これらの場合、各設定値の出玉率は同じであってもよい。
(36)リール及びそれに対応するストップスイッチを3つ並列して備えるスロットマシンについて説明したが、かかる構成に限定されるものではなく、例えばリール及びそれに対応するストップスイッチを5つ並列して備えたスロットマシンであってもよい。リールの停止操作における誤操作を抑制するという観点からすると、リール及びそれに対応するストップスイッチは少なくとも2つあればよい。また、ベット数が3である状況で有効ラインが1ラインに設定されるスロットマシンについて説明したが、かかる構成に限定されるものではなく、例えば、有効ラインは5ラインであってもよい。
(37)スロットマシン10について具体化した例を示したが、スロットマシンとパチンコ機とを融合した形式の遊技機に適用してもよい。即ち、スロットマシンのうち、メダル投入及びメダル払出機能に代えて、パチンコ機のような球投入及び球払出機能をもたせた遊技機(所謂、球使用回胴式遊技機)としてもよい。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
(38)上記実施形態では遊技媒体としてのメダルを投入することベット数を設定して遊技が開始可能となり、当該遊技の入賞に対応する特典として所定数のメダルが払い出されるタイプの遊技機について例示したが、メダルを使用しないメダルレスタイプの遊技機を否定するものではない。このようなメダルレスタイプの遊技機においては、例えば、仮想遊技媒体(所定の遊技価値)を用いてゲームのベット数を設定して遊技を開始可能とし、当該遊技の入賞に対応する特典として上記所定数のメダルに応じた仮想遊技媒体(所定の遊技価値)を付与する構成とするとよい。この場合、当該仮想遊技媒体数を所定の表示部にて表示する構成としてもよいし、当該仮想遊技媒体数に対応する情報を本遊技機外部に出力する構成としてもよい。
また、上記のパチンコ機においては、遊技球の払い出しが行われるタイプのパチンコ機だけでなく、遊技機外部に遊技球が排出されない封入タイプのパチンコ機であってもよい。このような封入タイプのパチンコ機においては、例えば賞球数を示す情報を報知する構成とするとよい。
<上記各実施の形態から抽出される発明群について>
以下、上述した各実施の形態から抽出される特徴的な構成について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
<特徴A群>
特徴A1.遊技者による開始操作に基づき遊技を開始させる遊技開始手段(主制御装置101によるステップS207〜ステップS211の処理を実行する機能)と、
遊技者による終了操作に基づき遊技を終了させる遊技終了手段(主制御装置101によるステップS403〜ステップS417の処理を実行する機能)と、
所定の開始契機(有利区間移行ゲーム)からの遊技数を把握する遊技数把握手段(主制御装置101による有利区間ゲーム数AGを把握する処理を実行する機能)と、
前記遊技数把握手段により把握された遊技数が特定数となることを所定の判定契機(特定契機)が生じたとして、遊技者に特典を付与するか否かの付与判定を実行可能となる付与判定手段(主制御装置101によるAT抽選用処理を実行する機能)と、
前記付与判定手段による付与判定の結果が遊技者に特典を付与することに対応する付与対応結果であることに基づいて遊技者に特典を付与する特典付与手段(主制御装置101によるATモードへの移行を生じさせる処理を実行する機能)と、
を備え、
前記付与判定手段による付与判定の結果が前記付与対応結果となり易い高付与状態(第2モード)と、前記高付与状態よりも前記付与対応結果となりにくい又はならない低付与状態(第1モード)とが設定されており、
所定の第1移行契機が成立した場合、前記低付与状態から前記高付与状態へ移行させる第1移行手段(主制御装置101による第1モードフラグをクリアする処理を実行する機能)と、
所定の第2移行契機が成立した場合、前記高付与状態から前記低付与状態へ移行させる第2移行手段(主制御装置101による第1モードフラグをセットする処理を実行する機能)と、
を備え、
前記遊技開始手段により開始される遊技として、前記第1移行契機及び前記第2移行契機が成立し得る第1遊技(例えば、3ベットゲーム)と、前記第1移行契機及び前記第2移行契機の成立が制限される第2遊技(例えば、2ベットゲーム)と、が設定されており、
前記遊技数把握手段により把握される遊技数は、前記第1遊技の遊技数及び前記第2遊技の遊技数を含むことを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、遊技者による開始操作に基づいて遊技が開始され、終了操作に基づいて当該遊技が終了される所謂スロットマシン等の遊技機において、所定の開始契機からの遊技数が特定数に至った場合に所定の判定契機が生じたとして、遊技者に特典を付与するか否かの付与判定が行われ、その付与判定の結果が付与対応結果となり易い高付与状態と付与対応結果となりにくい低付与状態とが設定されているため、いずれの付与状態にて付与判定が行われるかによって、特典の付与率が異なり、遊技の多様化が図られる。このような構成において、高付与状態と低付与状態との移行は、第1遊技では生じるものの、第2遊技では生じないため、第1遊技にて高付与状態に移行させることが特典を得るための近道となる。そのうえで、上記の付与判定の契機となる判定契機を生じさせるための遊技数には、第1遊技の遊技数と第2遊技の遊技数とのいずれもが含まれる構成としている。そのため、例えば、第1遊技にて高付与状態への移行が生じた場合、第2遊技にて当該高付与状態を維持したまま、付与判定の判定契機が生じるまで待機する遊技を実現することができる。このようにすることで、遊技者による開始操作によって開始される遊技として第1遊技と第2遊技とが存在する構成を利用しながら、遊技者が付与状態や判定契機の成立の有無等、状況に応じていずれの遊技を行うかを選択する、といった面白みのある遊技性を実現することが可能となる。よって、遊技の興趣向上を図ることができる。
なお、上記の「高付与状態」を「第1状態」、「低付与状態」を」「第2状態」と表現してもよい。この場合、上記第1の実施形態で示した「第2モード」が「第1状態」に相当し、「第1モード」が「第2状態」に相当する。また、「第1移行契機」を「第1移行条件」、「第2移行契機」を「第2移行条件」と表現してもよい。これらの表現の変更は、他の特徴や特徴群でも適用可能である。
特徴A2.前記第1遊技では、前記判定契機に基づく前記付与判定手段による付与判定の実行が許容される一方、前記第2遊技では前記判定契機に基づく前記付与判定手段による付与判定の実行が制限されることを特徴とする特徴A1に記載の遊技機。
上記構成によれば、例えば、第2遊技にて判定契機を生じさせた後、付与判定を受けるためには第1遊技に切り替える必要が生じるようになる。このようにすることで、第1遊技にて高付与状態へ移行させてから第2遊技に切り替え、第2遊技にて判定契機を生じさせてから第1遊技に切り替える、といった一連の遊技において、第2遊技への切替タイミングを見定める遊技性だけでなく、第1遊技への切替タイミングを見定める遊技性も追加され、遊技の興趣向上が更に図られる。
特徴A3.前記付与判定手段は、前記遊技数把握手段により前記特定数に達したことが把握されてから、最初の前記第1遊技にて前記付与判定を実行する構成であることを特徴とする特徴A1又は特徴A2に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定数に至った遊技が第2遊技であっても、その後に第1遊技に切り替えることで、その切り替えた遊技にて付与判定が行われる。このようにすれば、高付与状態を第2遊技によって維持したまま遊技を進行させたとしても、その後に第1遊技に切り替えることによって付与判定が行われることが明確化され、例えば、特定数に至る遊技が第2遊技であると付与判定が行われなかったり、第1遊技に切り替えた後なかなか付与判定が行われない、といった不都合を生じさせないようにすることができる。
特徴A4.前記所定の開始契機からの遊技の実行数が前記特定数に達した後は、前記第1移行契機及び前記第2移行契機が成立しないように構成されていることを特徴とする特徴A1乃至A3のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、実行数が特定数に達するまでに高付与状態に移行すれば、それ以降の遊技においては低付与状態に移行しないようになる。逆に、実行数が特定数に達するまでに高付与状態に移行していなければ、それ以降の遊技において高付与状態に移行せず、低付与状態にて付与判定を受けざるを得なくなる。よって、如何に特定数に達する状況が高付与状態であるかが遊技の肝となり、特定数までの遊技への注目度を劇的に高めることができる。
しかも、例えば上記構成を特徴A2に適用すれば、第1遊技において高付与状態に移行してから第2遊技に切り替え、特定数に達した後、付与判定を受けるべく再度第1遊技に切り替えた場合に、高付与状態から低付与状態に移行してしまうことが回避される。このようにすれば、第1遊技にて高付与状態に移行させ、その高付与状態を第2遊技にて維持したまま特定数に達しさせ、第1遊技にて付与判定を受ける、といった斬新な遊技をより好適に実現することができる。
特徴A5.予め定められた報知契機が成立したこと(特別報知抽選に当選したこと)に基づいて、前記高付与状態に対応する又は前記低付与状態に対応する特別報知を所定の報知手段にて実行可能な特別報知手段(表示制御装置81による特別報知用処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A1乃至A4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別報知によって現状の付与判定用の状態が高付与状態であるか低付与状態であるかを見定めることができる。これにより、第1遊技にて高付与状態へ移行させてから第2遊技に切り替えて特定数に至らせる、といった遊技を好適に実施させることができる。
なお、「報知契機」は、「報知条件」と表現してもよい。
特徴A6.前記報知契機は、前記付与判定手段による付与判定の結果が前記付与対応結果ではないことを一の条件として成立することを特徴とする特徴A5に記載の遊技機。
上記構成によれば、付与判定手段による付与判定の結果が付与対応結果とはならず、特典が付与されなかったことへの補填として、特別報知が実行されるようになる。その結果、高付与状態への移行を見定める遊技を行い易くなり、付与判定が高付与状態にて実行され易くなる。よって、付与対応結果とならなかった場合の遊技者の遊技意欲の低下をうまくフォローすることが可能となる。
特徴A7.遊技状態として、前記特典付与手段による前記特典の付与が許容される特定状態(有利区間)と、前記特典付与手段による前記特典の付与が制限される通常状態(通常区間)と、が設定されており、
前記特定状態が終了して前記通常状態に移行する場合、当該特定状態にて用いられた各種情報の初期化処理を実行する初期化手段(主制御装置101による有利区間情報の初期化処理を実行する機能)を備え、
本遊技機は、
少なくとも前記付与判定手段及び前記初期化手段を有する第1制御装置(主制御装置101)と、少なくとも前記特別報知手段を有する第2制御装置(表示制御装置81)と、を備えており、
前記第2制御装置は、前記報知契機の成否に用いられる特定情報(特定契機に基づくATモード移行抽選に非当選となった連続回数)を、前記特定状態を跨いで記憶可能な記憶手段(契機スルーカウンタ)を備えていることを特徴とする特徴A5又は特徴A6に記載の遊技機。
上記構成によれば、付与判定手段による付与判定が行われ、特典が付与され得る特定状態と、その特典付与が制限される通常状態とが設定されており、特定状態から通常状態へ移行する場合にはその特定状態にて用いられた各種情報の初期化処理が行われるため、特定状態中の情報が通常状態へ持ち越されることがなく、通常状態から遊技が開始されることを想定すると、その開始時の遊技者間の公平性が担保される。その一方で、このように公平性を担保しようとするあまり、特定状態が終了したことをきっかけとして、遊技が終了されてしまう可能性が高くなり、遊技機の稼働率の低下が懸念される。そこで、上記のように特定状態終了時に初期化処理が行われることを前提としながらも、高付与状態や低付与状態に対応する特別報知が実行されるようになる報知契機の成否に用いられる特定情報は、特定状態を跨いで記憶可能としていることから、当該特別報知によって、各特定状態間の関連付けを行うことが可能となる。これにより、特定状態を跨いで遊技を継続させる動機付けとすることが可能となり、遊技機の稼働率の低下を抑制することができる。
特徴A8.前記報知契機は、前記付与判定手段による付与判定の結果が前記付与対応結果ではないことを一の条件として成立するものであり、
前記特定情報は、前記付与対応結果とならなかった前記付与判定の回数に対応する情報であることを特徴とする特徴A7に記載の遊技機。
上記構成によれば、付与判定手段による付与判定の結果が付与対応結果とはならず、特典が付与されなかったことへの補填として、特別報知が実行されるようになる。その結果、高付与状態への移行を見定める遊技を行い易くなり、付与判定が高付与状態にて実行され易くなる。よって、付与対応結果とならなかった場合の遊技者の遊技意欲の低下をうまくフォローすることが可能となる。
そのうえで、その付与対応結果とならなかった付与判定の回数が特定状態を跨いで記憶されるようになるため、その特定情報を利用して特典付与までの所謂天井機能を複数の特定状態を跨いで実現することが可能となる。
特徴A9.前記特別報知手段は、前記高付与状態又は前記低付与状態に対応する前記特別報知として、前記第2遊技による遊技を行ったほうが前記第1遊技による遊技を行うよりも遊技者にとって有利となる状況であることの報知を実行可能であることを特徴とする特徴A5乃至A8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、高付与状態や低付与状態を直接的に報知するのではなく、第2遊技にて遊技を行ったほうが第1遊技を行うよりも遊技者にとって有利であり、第2遊技を行うべき状況であることを報知するようにしているため、遊技者自らの操作によって高付与状態を維持することに成功し、付与対応結果となることを勝ち取った印象を強く与えることが可能となる。よって、遊技への注目度を好適に高めることができる。
特徴A10.遊技媒体の増減率又は増減態様に変化を生じさせることが可能な設定値が複数段階設定されており、これら複数段階の設定値のうちの一の設定値を設定する設定手段(主制御装置101による当選確率の設定処理を実行する機能)を備え、
前記設定手段により第1の設定値が設定されている場合と、前記設定手段により前記第1の設定値とは異なる第2の設定値が設定されている場合とで、前記報知契機の成立し易さが異なっていることを特徴とする特徴A5乃至A9のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別報知の実行率に設定差が設けられる。このようにすることで、高付与状態や低付与状態に対応する特別報知を利用して、遊技媒体の増減率や増減態様に変化を生じさせることができ、遊技の多様化に貢献できる。
特徴A11.前記特別報知手段は、一の遊技において前記第1移行手段により前記高付与状態に移行させる又は前記第2移行手段により前記低付与状態に移行させる移行タイミングよりも後のタイミングにて前記特別報知を実行可能であることを特徴とする特徴A5乃至A10のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、一の遊技において低付与状態から高付与状態に又は高付与状態から低付与状態に移行した後、特別報知が実行される。このようにすることで、その特別報知に基づいて、次の遊技を第1遊技とするか第2遊技とするかを判断することが可能となる。すなわち、仮に、上記の移行と報知との順序が逆であり、特別報知の後に付与状態の移行が生じ得る構成であると、せっかく特別報知に基づいて第1遊技や第2遊技に切り替えたのにもかかわらず、その特別報知の次のゲームは特別報知の示す付与状態とは異なる状態である、といった不都合が生じ得る。これに対して、上記構成のようにすることで、そのような不都合を生じさせることなく、特別報知を利用した遊技を好適に実施させることができる。
特徴A12.前記第1遊技の遊技結果に基づいて、前記第1移行契機が成立し、
前記第1遊技の遊技結果に基づいて、前記第2移行契機が成立することを特徴とする特徴A1乃至A11のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1遊技の遊技結果に基づいて高付与状態や低付与状態の移行が生じることから、その第1遊技の遊技結果から付与状態の移行を予測しながら、第2遊技へ切り替えさせる遊技を実現することが可能となる。よって、第1遊技の遊技結果への注目度が劇的に高められる。
特徴A13.前記第1遊技の遊技結果が予め定められた第1遊技結果(特定役)である場合、前記第1移行契機が成立し得る一方、前記第2移行契機は前記第1移行契機よりも成立しにくい構成であり、且つ、前記第1遊技の遊技結果が前記第1遊技結果とは異なる第2遊技結果(例えば通常リプA〜通常リプC)である場合、前記第2移行契機が成立し得る一方、前記第1移行契機は前記第2移行契機よりも成立しにくい構成であることを特徴とする特徴A12に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1遊技の遊技結果が第1遊技結果であれば第1移行契機が発生して高付与状態に移行し易く、第2遊技結果であれば第2移行契機が発生して低付与状態に移行し易い構成であることから、遊技者は遊技結果が第1遊技結果となることを期待しながら遊技し、第2遊技結果とならないことを期待しながら遊技する。この場合、第1遊技結果である場合に第2移行契機が発生する可能性もあり、第2遊技結果である場合に第1移行契機が発生する可能性もあるため、両遊技結果によっていずれの付与状態に滞在しているかをある程度予測可能な構成としながらも、それが確定しない構成となっている。このようにすることで、付与状態の予測の面白みを高め、第1遊技の興趣向上が図れる。
特徴A14.前記付与判定手段は、前記遊技数把握手段により遊技数が前記特定数に達したことが把握されるよりも前の遊技にて、遊技の遊技結果が予め定められた特定結果(特定役)である場合、前記付与判定を実行可能であることを特徴とする特徴A1乃至A13のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技数が特定数に至る前の遊技であっても、遊技の遊技結果が特定結果であれば付与判定が実行され得る。このようにすることで、特定数に至るまでの遊技が中だるみしないようになり、遊技の興趣性が向上する。
特徴A15.前記付与判定手段は、遊技結果が前記特定結果となった遊技が前記第1遊技であれば前記付与判定を実行可能である一方、前記第2遊技であれば前記付与判定の実行が制限される構成、又は前記第2遊技では前記特定結果とならない構成であることを特徴とする特徴A14に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1遊技にて特定結果となれば付与判定が行われるものの、第2遊技にて特定結果となっても付与判定が行われなかったり、そもそも第2遊技では特定結果とならないように構成されていることから、第1遊技にて遊技させる動機付けとすることができる。このようにすれば、第1遊技にて単に高付与状態となることを待つだけでなく、特定結果となることを待つ遊技を行うことが可能となり、遊技の興趣性が更に向上する。
特徴A16.前記所定の開始契機からの遊技数が第1移行数となることで前記第1移行契機が生じ、前記所定の開始契機からの遊技数が第2移行数となることで前記第2移行契機が生じるように定められた前記第1移行数と前記第2移行数との移行数情報(モード移行テーブル)を複数種類記憶可能な移行数情報記憶手段(主制御装置101のROM105の各種テーブル記憶エリア105a)と、
前記所定の開始契機に基づいて、前記移行数情報記憶手段に記憶されている前記移行数情報から一の移行数情報を選択する選択手段(主制御装置101による有利区間移行ゲーム用処理を実行する機能)と、
前記選択手段により選択された前記移行数情報に基づいて前記第1移行契機及び前記第2移行契機の成立に対応する遊技であるか否かを判定可能な移行契機判定手段(主制御装置101によるモード移行テーブルに基づくモード判定を行う処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴A1乃至A15のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、両付与状態の移行契機の発生が移行数情報と遊技の実行数によって定められる構成となるため、付与状態の移行を遊技機側で事前に把握することが可能となる。このようにすることで、特徴A12のように各遊技の遊技結果に基づいて移行条件が成立する構成と比較して、各遊技において移行契機の発生を判定するための構成が圧倒的に簡素なものとなるし、例えば、あとどれくらいで移行契機が発生するかを事前に報知することも可能となる。よって、両付与状態を用いた遊技性を実現するうえで、構成の簡素化乃至興趣向上が図られる。
特徴A17.前記移行契機判定手段は、前記遊技数把握手段により把握される遊技数と、前記移行数情報と、に基づいて前記第1移行契機及び前記第2移行契機の成立に対応する遊技であるか否かを判定可能であることを特徴とする特徴A16に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技数把握手段により把握される遊技数は、第1遊技での遊技数と第2遊技での遊技数との合計数であることから、移行数情報を用いて両付与状態を移行させる構成においては、仮に第2遊技を行っていても、現状の遊技数が第1移行契機や第2移行契機の発生に対応する遊技であるか否かを判定することが可能である。つまり、第2遊技において実際には第1移行契機や第2移行契機が生じず、付与状態が移行しなくても、その遊技数であることを判定することができる。このようにすれば、遊技者が第2遊技にて付与状態の移行を回避している最中に、第1遊技へ切り替えてもよいかを報知することも可能となる。よって、第1遊技と第2遊技との切り替えを行う遊技の興趣向上をより好適に図ることが可能となる。
特徴A18.前記第1遊技よりも前記第2遊技の方が、遊技に用いられる遊技価値(ベット数)と、遊技の結果として付与される遊技価値(払出数)との差し引きの平均値である遊技ベースが高くなるように設定されていることを特徴とする特徴A1乃至A17のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1遊技にて高付与状態に移行させた後、遊技数が特定数に至るまで第2遊技に切り替えて遊技させる遊技性において、第2遊技での遊技価値の損失を少なくすることができる。このような構成であっても、第2遊技では高付与状態への移行が制限されることから、第1遊技での遊技を行わせる意義は担保されている。
特徴A19.遊技者による操作に基づいて、遊技の賭数を設定する賭数設定手段(主制御装置101によるステップS205、ステップS206の処理を実行する機能)を備え、
前記賭数設定手段により第1賭数(3ベット)が設定される遊技が前記第1遊技であり、
前記賭数設定手段により前記第1賭数とは異なる第2賭数(2ベット)が設定される遊技が前記第2遊技であることを特徴とする特徴A1乃至A18のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技者が遊技の賭数を切り替えるだけで、第1遊技と第2遊技との切り替えを行うことができる。このようにすることで、例えば、高付与状態への移行が生じた場合に第2遊技に切り替える際において、遊技者の遊技の熟練度に関わらず、容易に遊技を切り替えることが可能となる。
なお、上記特徴A1乃至A19に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008−295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴A1乃至A19の各構成に対して、特徴B1乃至B11、特徴C1乃至C11、特徴D1乃至D13、特徴E1乃至E9、特徴F1乃至F15、特徴G1乃至G10、特徴H1乃至H8、特徴I1乃至I6のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
特徴B1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与するか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42〜44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記抽選手段における抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定結果に対応する特典として所定数の遊技媒体の払出を行う払出手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果として、前記停止操作手段が第1の操作態様にて操作されることで第1操作結果が入賞し、前記停止操作手段が前記第1の操作態様とは異なる第2の操作態様にて操作されることで前記第1操作結果とは異なる利益が付与され得る第2操作結果が入賞する特定結果(例えば、押し順ベル)が設定されており、
前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果である場合、前記第1の操作態様又は前記第2の操作態様を含む操作態様に関する態様報知を、所定の報知手段により実行可能な態様報知実行手段(主制御装置101による押し順報知用処理を実行する機能)を備え、
前記態様報知実行手段による前記態様報知が実行可能となる特定状態(ATモード)への移行が可能な有利状態(有利区間)と、前記態様報知実行手段による前記態様報知が実行不可となる通常状態(通常区間)と、が設定されており、
前記有利状態において実行された遊技数を把握する遊技数把握手段(有利区間ゲーム数AG)と、
前記遊技数把握手段により把握される遊技数が特定数となった場合、前記特定状態へ移行させるか否かの移行判定を実行可能となる移行判定手段(主制御装置101によるAT抽選用処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が予め定められた移行結果(第1BB、第2BB)であり、前記有効位置に当該移行結果に対応する移行用の絵柄組合せが停止したことに基づいて、遊技状態を特別遊技状態に移行させ、所定の終了条件が成立したことに基づいて、当該特別遊技状態を終了させる特別移行手段(主制御装置101によるボーナス状態処理を実行する機能)と、
を備え、
前記遊技数把握手段により把握される遊技数には、前記特別遊技状態による遊技数が含まれる構成であり、
前記特別遊技状態において前記移行判定手段による移行判定を含む、前記態様報知に関する特定処理(指示機能に関する処理)の実行を制限可能な制限手段(主制御装置101によるベット数が遊技状態に応じた特定規定数ではない場合、指示機能に関する処理を制限するための処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、停止操作手段の操作態様によって入賞する結果が異なり得る特定結果当選時において、その停止操作の態様報知が所定の報知手段にて行われる場合があるので、態様報知に従った操作を行わせることで、遊技者に異なる利益を付与することが可能となる。この場合、態様報知が可能となる特定状態を有利状態中に移行可能な設定とし、通常状態においては態様報知自体が行われないようにしていることから、有利状態の通常状態に対する優位性が担保される。しかも、本遊技機では、有利状態における遊技数が特定数に至った場合、特定状態への移行判定が行われる構成であるため、有利状態中の遊技数への関心が高められ、当該遊技数が特定数に至ることを目指す遊技性が実現される。
そのうえで、本遊技機では、抽選結果が移行結果となり、有効位置に移行用の絵柄組合せが停止すると移行する所謂ボーナス状態としての特別遊技状態が設定されており、当該特別遊技状態中の遊技数も上記の特定数に至らせる遊技数に含まれるようにしているため、なるべく有利状態を特別遊技状態にて遊技したほうが遊技者にとって有利となり得る。その一方で、特別遊技状態においては移行判定を含む態様報知に関する特定処理の実行が制限されることから、例えば、特別遊技状態の終了タイミングによっては、移行判定がなかなか行われないようになったり、移行判定が不利な状況で行われる場面も生じ得る。
このようにすることで、有利状態中に特定状態への移行を生じさせる移行判定を行わせるための遊技数を稼ぐためには、特別遊技状態への移行を生じさせた方が遊技者にとってお得となり得るようにしながら、その特別遊技状態への移行タイミングや終了タイミングを見定めないと、態様報知に関する特定処理の実行が制限されてしまう構成とすることで、有利状態中に特別遊技状態への移行を生じさせるか否かを判断させる遊技性が実現され、遊技の興趣向上が図られる。
特徴B2.前記抽選手段による抽選結果が前記移行結果であり、前記有効位置に前記移行用の絵柄組合せが停止しなかった場合、当該移行結果であることの移行結果情報を留保可能な留保手段(主制御装置101による第1BB当選フラグや第2BB当選フラグをセットする処理を実行する機能)を備え、
前記遊技数把握手段により把握される遊技数には、前記留保手段に前記移行結果情報が留保されている留保状態(内部状態)の遊技数が含まれる構成であることを特徴とする特徴B1に記載の遊技機。
上記構成によれば、移行結果に当選している状況である留保状態の遊技数も、特定数に寄与する構成となる。このようにすることで、留保状態にて所望の移行タイミングとなるまで特別遊技状態への移行を待機しながら遊技を進行させることができる。
特徴B3.遊技者による操作に基づき、遊技の賭数を設定する賭数設定手段(主制御装置101によるステップS205、ステップS206の処理を実行する機能)を備え、
前記制限手段は、前記賭数設定手段により第1賭数(3ベット)が設定されて開始された遊技では前記特定処理の実行を許容する一方、前記賭数設定手段により前記第1賭数とは異なる第2賭数(2ベット)が設定されて開始された遊技では前記特定処理の実行を制限可能な構成であり、
前記賭数設定手段により前記第2賭数が設定されて開始された遊技では前記有効位置に前記移行用の絵柄組合せが停止し得る一方、前記賭数設定手段により前記第1賭数が設定されて開始された遊技では前記有効位置に前記移行用の絵柄組合せが停止しない又は停止しにくいように設定されていることを特徴とする特徴B1又は特徴B2に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別遊技状態への移行を生じさせようとするためには、遊技の賭数を第1賭数ではなく第2賭数に切り替える必要がある。この場合、第1賭数では特定処理の実行が許容される一方、第2賭数では特定処理の実行が制限されるため、特別遊技状態への移行を生じさせようとする遊技では特定処理の実行が制限される。言い換えると、特定処理を実行させるべく第1賭数にて遊技を行っていれば、特別遊技状態への移行が生じないため、意図せず特別遊技状態へ移行させてしまって特定処理の実行が制限されてしまう事象を回避させることができる。
特徴B4.遊技者による操作に基づき、遊技の賭数を設定する賭数設定手段(主制御装置101によるステップS205、ステップS206の処理を実行する機能)を備え、
前記制限手段は、前記賭数設定手段により第1賭数(3ベット)が設定されて開始された遊技では前記特定処理の実行を許容する一方、前記賭数設定手段により前記第1賭数とは異なる第2賭数(2ベット)が設定されて開始された遊技では前記特定処理の実行を制限可能な構成であり、
前記賭数設定手段により前記第2賭数が設定されて開始された遊技では前記抽選手段による抽選結果が前記移行結果となり得る一方、賭数設定手段により前記第1賭数が設定されて開始された遊技では前記抽選手段による抽選結果が前記移行結果とならない又は前記第1賭数が設定された場合よりも前記移行結果となりにくいように設定されていることを特徴とする特徴B1乃至B3のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別遊技状態への移行を生じさせる移行結果当選とするためには、遊技の賭数を第1賭数ではなく第2賭数に切り替える必要がある。この場合、第1賭数では特定処理の実行が許容される一方、第2賭数では特定処理の実行が制限されるため、特別遊技状態への移行を生じさせようとする遊技では特定処理の実行が制限される。言い換えると、特定処理を実行させるべく第1賭数にて遊技を行っていれば、特別遊技状態への移行が生じ得る移行結果当選となりにくいため、意図せず特別遊技状態へ移行させてしまって特定処理の実行が制限されてしまう事象を未然に防ぐことができる。
特徴B5.前記特別遊技状態への移行が生じてから当該特別遊技状態が終了するまでの遊技の実行数は、前記特定数よりも少なくなり得ることを特徴とする特徴B1乃至B4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別遊技状態への移行を生じさせても、それだけで遊技数が特定数に達することがなく、例えば、有利状態へ移行してから間もなく特別遊技状態へ移行させた場合には、特別遊技状態が終了する際に特定数に達していない状況も生じ得るようになる。このようにすることで、特定処理の実行が制限されることとなる特別遊技状態への移行を生じさせるタイミングを見計らう遊技をより好適に実行させることができる。
特徴B6.前記特別遊技状態への移行が生じてから当該特別遊技状態が終了するまでの遊技の実行数は、前記特定数よりも多くなり得ることを特徴とする特徴B1乃至B4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別遊技状態への移行を生じさせると、それだけで遊技数が特定数に達するようになる。そのため、例えば、有利状態に移行してから間もなく特別遊技状態へ移行させた場合には、特別遊技状態が終了する際には必ず特定数に達しているようになる。このようにすることで、そもそも特別遊技状態への移行前の特定処理の実行すら制限して欲しい事情がある場合等、遊技者の多様なニーズに応じることが可能となる。
特徴B7.前記特別遊技状態として、遊技の遊技結果が第1遊技結果(第1BB入賞)となることで移行する第1特別遊技状態と、遊技の遊技結果が第2遊技結果(第2BB入賞)となることで移行する第2特別遊技状態と、が設定されており、
前記第1特別遊技状態への移行が生じてから当該第1特別遊技状態が終了するまでの遊技の実行数は前記特定数よりも多くなり得る一方、
前記第2特別遊技状態への移行が生じてから当該第2特別遊技状態が終了するまでの遊技の実行数は前記特定数よりも少なくなり得ることを特徴とする特徴B1乃至B4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、移行する特別遊技状態の種類によって、特別遊技状態中に特定数に達することが確定する場合と、特別遊技状態中に特定数に達することが確定しない場合と、が生じるようになるため、移行する特別遊技状態への種類も含めて、特定処理の実行の制限と特定数との関係を興趣向上に役立てることが可能となる。
特徴B8.前記遊技数把握手段により把握される遊技数が、前記第1特別遊技状態において前記特定数に達した場合よりも、前記第2特別遊技状態において前記特定数に達した場合の方が、遊技者にとって有利となるように設定されている(第1BB中に生じた特定契機でAT非当選となった場合よりも第2BB中に生じた特定契機でAT非当選となった場合のほうが特別報知の実行への貢献度が高くなるように設定されている)ことを特徴とする特徴B7に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定数よりも遊技数が多くなり得る第1特別遊技状態よりも、特定数よりも遊技数が少なくなり得る第2特別遊技状態の方が有利となる構成であることから、有利状態において少なくとも通常遊技状態での遊技を行って特定数に達しさせたほうが有利となる。このようにすることで、通常遊技状態と特別遊技状態とを組み合わせながら特定数に達しさせる遊技を好適に実現することができる。
特徴B9.通常遊技状態よりも前記特別遊技状態の方が、遊技に用いられる遊技価値(ベット数)と、遊技の結果として付与される遊技価値(払出数)との差し引きの平均値である遊技ベースが高くなるように設定されていることを特徴とする特徴B1乃至B8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別遊技状態では特定処理の実行が制限される代わりに、遊技ベースが高くなるように設定されていることから、多くの遊技価値を要することなく特定数に達しさせることが可能となる。よって、特別遊技状態を利用して特定状態への移行判定を受ける遊技を好適に実現することができる。
特徴B10.前記有利状態における遊技数が前記特定数に達するよりも前に実行された前記特定処理の結果に応じて、前記特定数に達したことに基づく前記移行判定手段による移行判定にて前記特定状態へ移行させることに対応する結果となる確率が異なることを特徴とする特徴B1乃至B9のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定数に達するよりも前に実行された特定処理の結果が、特定数に達することで実行される移行判定の結果に影響を及ぼすことになる。このようにすることで、特定処理を実行させながらも特別遊技状態を利用してうまく特定数に達しさせる遊技性を好適に実現することが可能となる。
特徴B11.前記抽選手段による抽選結果が前記移行結果であり、前記有効位置に前記移行用の絵柄組合せが停止しなかった場合、当該移行結果であることの移行結果情報を留保可能な留保手段(主制御装置101による第1BB当選フラグや第2BB当選フラグをセットする処理を実行する機能)を備え、
前記制限手段は、前記特別遊技状態が終了した後、前記留保手段に前記移行結果情報が留保されるまで、前記特定処理の実行を制限することが可能な手段(主制御装置101による非内部状態においてMAXベットカウンタを2とする処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴B1乃至B10のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別遊技状態が終了した後も、留保手段にて移行結果情報が留保されるまで特定処理の実行が制限されるようにすることで、特定処理に含まれる特定数に基づく移行判定の実行も、留保状態となるまで制限されることになる。このようにすることで、なるべく留保状態である状況が保たれるようになり、特別遊技状態へ移行させたいタイミングとなってから移行結果当選を待つ事象を生じさせないようにし、特別遊技状態を利用して移行判定を受けやすくする遊技性を好適に実現することができる。
なお、上記特徴B1乃至B11に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008−295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴B1乃至B11の各構成に対して、特徴A1乃至A19、特徴C1乃至C11、特徴D1乃至D13、特徴E1乃至E9、特徴F1乃至F15、特徴G1乃至G10、特徴H1乃至H8、特徴I1乃至I6のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴C群>
特徴C1.遊技者による開始操作に基づき遊技を開始させる遊技開始手段(主制御装置101によるステップS207〜ステップS211の処理を実行する機能)と、
遊技者による終了操作に基づき遊技を終了させる遊技終了手段(主制御装置101によるステップS403〜ステップS417の処理を実行する機能)と、
所定の判定契機(特定契機)が生じた場合、遊技者に特典を付与するか否かの付与判定を実行可能となる付与判定手段(主制御装置101によるAT抽選用処理を実行する機能)と、
前記付与判定手段による付与判定の結果が遊技者に特典を付与することに対応する付与対応結果であることに基づいて遊技者に特典を付与する特典付与手段(主制御装置101によるATモードへの移行を生じさせる処理を実行する機能)と、
を備え、
前記付与判定手段による付与判定の結果が前記付与対応結果となり易い高付与状態(第2モード)と、前記高付与状態よりも前記付与対応結果となりにくい又はならない低付与状態(第1モード)とが設定されており、
所定の開始契機(有利区間移行ゲーム)からの遊技数を把握する遊技数把握手段(主制御装置101による有利区間ゲーム数AGを把握する処理を実行する機能)と、
所定の第1移行契機が成立した場合、前記低付与状態から前記高付与状態へ移行させる第1移行手段(主制御装置101による第1モードフラグをクリアする処理を実行する機能)と、
所定の第2移行契機が成立した場合、前記高付与状態から前記低付与状態へ移行させる第2移行手段(主制御装置101による第1モードフラグをセットする処理を実行する機能)と、
前記所定の開始契機からの遊技数が第1移行数となることで前記第1移行契機が生じ、前記所定の開始契機からの遊技数が第2移行数となることで前記第2移行契機が生じるように定められた前記第1移行数と前記第2移行数との移行数情報(モード移行テーブル)を複数種類記憶可能な移行数情報記憶手段(主制御装置101のROM105の各種テーブル記憶エリア105a)と、
前記所定の開始契機に基づいて、前記移行数情報記憶手段に記憶されている前記移行数情報から一の移行数情報を選択する選択手段(主制御装置101による有利区間移行ゲーム用処理を実行する機能)と、
前記選択手段により選択された前記移行数情報と、前記遊技数把握手段により把握される遊技数と、に基づいて前記高付与状態及び前記低付与状態に対応する遊技であるか否かを判定可能な状態判定手段(主制御装置101によるモード移行テーブルに基づくモード判定を行う処理を実行する機能)と、
を備え、
前記遊技開始手段により開始される遊技として、前記第1移行契機及び前記第2移行契機が成立し得る第1遊技(例えば、3ベットゲーム)と、前記第1移行契機及び前記第2移行契機の成立が制限される第2遊技(例えば、2ベットゲーム)と、が設定されており、
前記遊技数把握手段により把握される遊技数は、前記第1遊技の遊技数及び前記第2遊技の遊技数を含むことを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、遊技者による開始操作に基づいて遊技が開始され、終了操作に基づいて当該遊技が終了される所謂スロットマシン等の遊技機において、所定の判定契機が生じた場合に、遊技者に特典を付与するか否かの付与判定が行われ、その付与判定の結果が付与対応結果となり易い高付与状態と付与対応結果となりにくい低付与状態とが設定されているため、いずれの付与状態にて付与判定が行われるかによって、特典の付与率が異なり、遊技の多様化が図られる。このような構成において、高付与状態と低付与状態との移行は、第1遊技では生じるものの、第2遊技では生じないため、第1遊技にて高付与状態に移行させることが特典を得るための近道となる。
そのうえで、高付与状態と低付与状態との移行は、移行数情報と第1遊技と第2遊技との遊技数によって定められる構成となるため、付与状態の移行を遊技機側で事前に把握することが可能であるし、仮に付与状態の移行が生じない第2遊技であっても、今回の遊技がいずれの付与状態に対応する遊技であるかを遊技機側で把握することが可能となる。このようにすれば、これら遊技機側で把握した情報を遊技者に対して報知する構成としたり、その把握した情報に基づいて、付与判定の内容や他の処理の内容を変更したりする構成とする等、付与状態の移行が生じ得る第1遊技と移行が生じ得ない第2遊技とが設定された遊技性を劇的に向上させることが可能となる。よって、遊技の興趣向上を図ることができる。
特徴C2.前記状態判定手段の判定結果に対応する特別報知を、所定の報知手段にて実行可能な特別報知手段(表示制御装置81による特別報知用処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴C1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別報知に基づいて第1遊技と第2遊技との切り替えを好適に行わせることができる。
特徴C3.前記特別報知手段は、前記第2遊技が行われている状況であっても前記特別報知を実行可能であることを特徴とする特徴C2に記載の遊技機。
上記構成によれば、付与状態の移行が生じない第2遊技を行っている状況であっても、特別報知により、仮に第1遊技とした場合に、いずれの付与状態であるかを遊技者は把握可能となる。これにより、第1遊技へ切り替えるタイミングを特別報知によって見定めさせる遊技性を実現することができる。
特徴C4.前記特別報知手段は、前記付与判定手段による付与判定の結果が前記付与対応結果ではない結果となることで、前記特別報知を実行し易くなる構成であることを特徴とする特徴C2又は特徴C3に記載の遊技機。
上記構成によれば、付与判定に非当選となった場合に、特別報知が行われ易くなるようにすることで、次回の付与判定を高付与状態にて受け易くなることを通じて、付与判定に当選し易くすることが可能となり、上記付与判定に非当選となったことによる遊技者の落胆をうまくフォローすることが可能となる。この場合、付与判定に非当選となったからと言って、当該付与判定の当選確率や、付与状態の移行契機についての構成を変更することなく、特別報知だけで付与判定に当選し易くすることが可能となるため、複雑な処理の変更を行うことなく非当選の補填とすることができるし、上記の当選確率や移行契機等を変更できない事情があるような遊技機であっても、当該補填を行うことが可能となる。
特徴C5.前記移行数情報記憶手段に記憶されている所定の前記移行数情報には、複数の前記第1移行数、又は複数の前記第2移行数が設定されていることを特徴とする特徴C1乃至C4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成は、所定の移行数情報において複数の第1移行数が設定されており、低付与状態から高付与状態への第1移行契機が生じる遊技数が複数回あり、低付与状態から高付与状態へ移行し、その後、低付与状態に移行した後、更に高付与状態へ移行し得ることや、所定の移行数情報において複数の第2移行数情報が設定されており、高付与状態から低付与状態への第2移行契機が生じる遊技数が複数回あり、高付与状態から低付与状態へ移行し、その後、高付与状態に移行した後、更に低付与状態へ移行し得ることを規定するものである。このようにすることで、低付与状態と高付与状態とが繰り返し行き来することが明確化され、両付与状態の移行を予測しながら両遊技を切り替える遊技の面白みを向上させることができる。
特徴C6.前記遊技数把握手段により把握される遊技数が所定数である場合、前記状態判定手段により前記高付与状態に対応すると判定される移行数情報と、前記状態判定手段により前記低付与状態に対応すると判定される移行数情報と、が存在するように各移行数情報が前記移行数情報記憶手段に記憶されていることを特徴とする特徴C1乃至C5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、所定の開始契機からの遊技数によって付与状態が確定しないように移行数情報が設定されているため、設定された移行数情報と遊技数とからいずれの付与状態であるかを予測する面白みを低下させないようにすることができる。
特徴C7.前記選択手段により選択された前記移行数情報に対応する特定報知を、所定の報知手段にて実行可能な特定報知手段(表示制御装置81によるテーブル報知用処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴C1乃至C6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定報知によって、いずれの移行数情報が選択されたかを遊技者が把握可能となり、把握した移行数情報に基づいて、第1遊技と第2遊技とを切り替えるべきタイミングを事前に把握することも可能となる。このようにすることで、第1遊技と第2遊技とを付与状態との関係で切り替えさせる遊技を行わせ易くなる。
特徴C8.前記特定報知手段は、前記付与判定手段による付与判定の結果が前記付与対応結果ではない結果となることで、前記特定報知を実行し易くなる構成であることを特徴とする特徴C7に記載の遊技機。
上記構成によれば、付与判定に非当選となった場合に、特定報知が行われ易くなるようにすることで、次回の付与判定を高付与状態にて受け易くなることを通じて、付与判定に当選し易くすることが可能となり、上記付与判定に非当選となったことによる遊技者の落胆をうまくフォローすることが可能となる。この場合、付与判定に非当選となったからと言って、当該付与判定の当選確率や、付与状態の移行契機についての構成を変更することなく、特定報知だけで付与判定に当選し易くすることが可能となるため、複雑な処理の変更を行うことなく非当選の補填とすることができるし、上記の当選確率や移行契機等を変更できない事情があるような遊技機であっても、当該補填を行うことが可能となる。
特徴C9.前記第1遊技よりも前記第2遊技の方が、遊技者にとって有利な構成であることを特徴とする特徴C1乃至C8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2遊技に切り替えることのメリットを生じさせることができる。つまり、第2遊技では付与状態の移行が生じないものの、遊技者にとって有利であることから、低付与状態であると予測される状況では有利な第2遊技にて消化し、高付与状態となることで第1遊技に切り替える、といった遊技性を実現することができる。
特徴C10.前記第1遊技よりも前記第2遊技の方が、遊技に用いられる遊技価値(ベット数)と、遊技の結果として付与される遊技価値(払出数)との差し引きの平均値である遊技ベースが高くなるように設定されていることを特徴とする特徴C9に記載の遊技機。
上記構成は、特徴C9の具体的構成の一態様である。すなわち、第1遊技と第2遊技との有利度の差を遊技ベースにより具体化した構成である。また、このような遊技ベースによって両遊技の有利度の差を設ける構成とすれば、比較的簡素な構成にて、特徴C9の優れた効果を期待できるようになる。
特徴C11.前記第1遊技では前記付与判定手段による付与判定の実行が許容される一方、前記第2遊技では前記付与判定手段による付与判定の実行が制限される構成であることを特徴とする特徴C1乃至C10のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2遊技に切り替えると、付与状態の移行が生じず且つ付与判定も行われない構成となる。このような構成とすると、第2遊技は、第1遊技で有利な付与判定を受けるための捨て遊技としての印象が強くなり、第2遊技での遊技性の低下が懸念される。その点、上記特徴C1のように、状態判定手段によって付与状態の移行の事前把握や、付与状態の把握が第2遊技でも行えるようにしていることから、第2遊技での遊技性をより好適に高めることが可能となる。
なお、上記特徴C1乃至C11に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008−295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴C1乃至C11の各構成に対して、特徴A1乃至A19、特徴B1乃至B11、特徴D1乃至D13、特徴E1乃至E9、特徴F1乃至F15、特徴G1乃至G10、特徴H1乃至H8、特徴I1乃至I6のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴D群>
特徴D1.遊技者による開始操作に基づき遊技を開始させる遊技開始手段(主制御装置101によるステップS207〜ステップS211の処理を実行する機能)と、
遊技者による終了操作に基づき遊技を終了させる遊技終了手段(主制御装置101によるステップS403〜ステップS417の処理を実行する機能)と、
所定の判定契機(特定契機)が生じた場合、遊技者に特典を付与するか否かの付与判定を実行可能となる付与判定手段(主制御装置101によるAT抽選用処理を実行する機能)と、
前記付与判定手段による付与判定の結果が遊技者に特典を付与することに対応する付与対応結果であることに基づいて遊技者に特典を付与する特典付与手段(主制御装置101によるATモードへの移行を生じさせる処理を実行する機能)と、
前記付与判定手段による付与判定の結果が前記付与対応結果とならなかったことの特定情報を利用して、前記特典の付与され易さを設定可能な付与設定手段(表示制御装置81による特別報知用処理を実行する機能)と、
を備え、
前記付与設定手段は、前記判定契機を生じさせた遊技が第1遊技であった場合の前記特定情報を利用した場合と、前記判定契機を生じさせた遊技が前記第1遊技とは異なる第2遊技であった場合の前記特定情報を利用した場合とで、前記特典の付与され易さを異ならせることが可能であることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、遊技者による開始操作に基づいて遊技が開始され、終了操作に基づいて当該遊技が終了される所謂スロットマシン等の遊技機において、所定の判定契機が生じた場合に遊技者に特典を付与するか否かの付与判定が行われ、その付与判定の結果が特典付与に対応しない外れ結果であった場合、付与設定手段により、その外れ結果に対応する特定情報を利用して特典の付与され易さの設定が行われるため、付与判定の結果を利用して所謂天井機能を実現可能となる。
そのうえで、判定契機を生じさせた遊技が第1遊技であった場合と、第2遊技であった場合とで、その判定契機での付与判定が外れ結果であった場合の特典の付与され易さの設定において、当該特典の付与され易さが異なるように設定される。このようにすることで、付与判定の結果だけでなく、判定契機を生じさせる遊技をも利用して天井機能が実現される構成となり、天井に到達するまでの遊技の多様化を図ることが可能となる。
特徴D2.前記第1遊技にて生じた前記判定契機に基づく前記付与判定手段による付与判定にて前記付与対応結果となる確率と、前記第2遊技にて生じた前記判定契機に基づく前記付与判定手段による付与判定にて前記付与対応結果となる確率とが共通していることを特徴とする特徴D1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1遊技と第2遊技とで、仮に付与判定に非当選であった場合には、付与設定手段により特典の付与され易さが異なるように設定されるものの、付与判定の当選確率自体は共通している構成となる。つまり、いずれの遊技にて判定契機を生じさせるかは、所謂天井への貢献度だけが異なる構成となる。これにより、付与判定手段による当選確率を異ならせる等の複雑な構成を用いることなく、天井機能を実現することが可能となる。
なお、「・・・確率と、・・・確率とが共通している」について、「・・・確率と、・・・確率とが同じ確率である」や、「・・・確率と、・・・確率とが略同じ確率である」と表現してもよい。この場合、「略同じ確率」とは、完全に同じ確率ではなくても、遊技者がその差を把握できない程度の確率差であればよい。
特徴D3.遊技者の選択操作によって前記第1遊技と前記第2遊技とを選択可能とされていることを特徴とする特徴D1又は特徴D2に記載の遊技機。
上記構成によれば、移行判定に非当選であった場合を想定しながら判定契機を生じさせる遊技自体を、遊技者が選択する構成となり、遊技への積極参加を通じて遊技の注目度向上が図られる。
特徴D4.前記第1遊技及び前記第2遊技の少なくとも一方の遊技は前記付与判定手段による付与判定の実行が制限される一方、前記第1遊技及び前記第2遊技のいずれであっても前記判定契機が生じ得ることを特徴とする特徴D1乃至D3のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1遊技や第2遊技の少なくとも一方は付与判定の実行が制限されるものの、第1遊技と第2遊技とのいずれでも判定契機は生じ得る。つまり、第1遊技や第2遊技にて判定契機を生じさせた後、当該第1遊技や第2遊技のいずれかの遊技については、当該第1遊技や第2遊技ではなく、その後、付与判定が行われる、といった遊技性において、いずれの遊技にて判定契機を生じさせたかによって、その判定契機に基づく付与判定の結果が外れであったことの天井への貢献度が異なる、といった斬新な遊技性を実現することが可能となる。
特徴D5.前記第1遊技及び前記第2遊技では前記付与判定手段による付与判定の実行が制限される一方、前記第1遊技及び前記第2遊技のいずれであっても前記判定契機が生じ得ることを特徴とする特徴D1乃至D4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1遊技や第2遊技では付与判定の実行が制限されるものの、判定契機は生じ得る。つまり、第1遊技や第2遊技にて判定契機を生じさせた後、当該第1遊技や第2遊技ではなく、その後、付与判定が行われる、といった遊技性において、いずれの遊技にて判定契機を生じさせたかによって、その判定契機に基づく付与判定の結果が外れであったことの天井への貢献度が異なる、といった斬新な遊技性を実現することが可能となる。
特徴D6.予め定められた第1移行条件が成立したことに基づいて、前記第1遊技が行われる第1特別遊技状態に移行させ、予め定められた第1終了条件が成立したことに基づいて前記第1特別遊技状態を終了させる第1移行手段(主制御装置101によるボーナス状態処理において第1BB状態の開始・終了用の処理を実行する機能)と、
予め定められた第2移行条件が成立したことに基づいて、前記第2遊技が行われる状態であって、前記第1特別遊技状態とは遊技者にとっての有利度が異なる第2特別遊技状態に移行させ、予め定められた第2終了条件が成立したことに基づいて前記第2特別遊技状態を終了させる第2移行手段(主制御装置101によるボーナス状態処理において第2BB状態の開始・終了用の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴D1乃至D5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技者にとっての有利度が異なる第1特別遊技状態と第2特別遊技状態といった所謂ボーナス中に生じた判定契機に関し、いずれのボーナスで生じた判定契機かによって、その判定契機に基づく付与判定にて外れであった場合の天井への後継度が異なる構成となる。このようにすることで、いずれのボーナスにて利益を享受するかといった従来の遊技性に加え、いずれのボーナスにて判定契機を生じさせるかによって天井への貢献度が異なる、といったボーナス種別の重みづけの重厚化が図られ、遊技の興趣向上に寄与することが可能となる。
特徴D7.遊技の賭数を設定する賭数設定手段(主制御装置101によるベット数の設定を行う処理を実行する機能)を備え、
前記第1遊技と前記第2遊技とは、同じ賭数が設定される遊技であることを特徴とする特徴D1乃至D6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1遊技と第2遊技とは同じ賭数での遊技であるものの、第1遊技にて判定契機を生じさせた場合と第2遊技にて判定契機を生じさせた場合とで、判定結果が外れである場合の天井への貢献度が異なる構成となる。このような構成とすることで、いずれの遊技にて判定契機を生じさせるかを遊技者が選択可能なような構成において、より天井への貢献度の重要性が高まり、特徴D1の遊技性による興趣が高められる。
特徴D8.遊技の賭数を設定する賭数設定手段(主制御装置101によるベット数の設定を行う処理を実行する機能)を備え、
前記第1遊技と前記第2遊技とは、異なる賭数が設定される遊技であることを特徴とする特徴D1乃至D6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1遊技と第2遊技とは異なる賭数であって、第1遊技にて判定契機を生じさせた場合と第2遊技にて判定契機を生じさせた場合とで、判定結果が外れである場合の天井への貢献度が異なる構成となる。このような構成とすることで、天井への貢献度と賭数との関連付けをうまく利用しながら興趣向上に役立てることができる。
特徴D9.前記第1遊技よりも前記第2遊技の方が遊技者にとって有利となる構成であり(3ベットゲームよりも2ベットゲームの方がベースが高い、第2BBよりも第1BBの方が払出上限枚数が多い)、
前記付与設定手段は、前記判定契機を生じさせた遊技が前記第1遊技であった場合の前記特定情報を利用した場合の方が、前記判定契機を生じさせた遊技が前記第2遊技であった場合の前記特定情報を利用した場合よりも、前記特典が付与され易くなるように設定可能であることを特徴とする特徴D1乃至D8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、不利な遊技にて判定契機を生じさせたほうが、特典が付与され易くなるように天井機能の設定が行われることになる。これにより、今回の付与判定を有利な第2遊技にて行わせるか、それとも非当選となることを見越して第1遊技とするか、といった異なる遊技性を実現することが可能となり、遊技の多様化が図られる。
特徴D10.前記第1遊技よりも前記第2遊技の方が、遊技に用いられる遊技価値(ベット数)と、遊技の結果として付与される遊技価値(払出数)との差し引きの平均値である遊技ベースが高くなるように設定されていることを特徴とする特徴D9に記載の遊技機。
上記構成は、特徴D9の具体的構成の一態様である。すなわち、第1遊技と第2遊技との有利度の差を遊技ベースにより具体化した構成である。また、このような遊技ベースによって両遊技の有利度の差を設ける構成とすれば、比較的簡素な構成にて、特徴D9の優れた効果を期待できるようになる。
特徴D11.前記付与判定手段による付与判定を、遊技者にとって有利に行わせるための特別報知を所定の報知手段にて実行可能な特別報知手段(表示制御装置81による特別報知用処理を実行する機能)を備え、
前記付与設定手段は、前記特別報知手段による前記特別報知の実行され易さを設定することで、前記特典の付与され易さを設定することを特徴とする特徴D1乃至D10のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、付与設定手段は、付与判定手段による付与判定の確率を異ならせるのではなく、付与判定を有利に行わせるための特別報知を実行させることで、特典を付与され易くして天井機能を実現する構成となる。このようにすることで、付与判定の確率を変更できない事情がある場合であっても、天井機能を搭載できるようになり、遊技性向上に大きく貢献することが可能となる。
特徴D12.前記付与判定手段による付与判定の判定結果が前記付与対応結果となり易い高付与状態と、当該高付与状態よりも前記付与対応結果となりにくい低付与状態とが設定されており、
前記特別報知手段は、前記特別報知として、前記高付与状態に対応する又は前記低付与状態に対応する報知を実行可能であることを特徴とする特徴D11に記載の遊技機。
上記構成は、特徴D11の具体的構成の一態様である。すなわち、付与判定が行われる状態を高付与状態と低付与状態とがある構成とした場合、判定契機に基づく付与判定は高付与状態にて受けたほうが遊技者にとって有利となる。そこで、このような高付与状態や低付与状態に対応する報知を特別報知として実行する構成とすることで、いずれの付与状態に滞在しているかを把握したうえで、判定契機を生じさせるなどして付与判定を受けることが可能となり、それを通じて、付与判定に当選して特典が付与される可能性を高めることができる。
特徴D13.遊技状態として、前記特典付与手段による前記特典の付与が許容される特定状態(有利区間)と、前記特典付与手段による前記特典の付与が制限される通常状態(通常区間)と、が設定されており、
前記特定状態が終了して前記通常状態に移行する場合、当該特定状態にて用いられた各種情報の初期化処理を実行する初期化手段(主制御装置101による有利区間情報の初期化処理を実行する機能)を備え、
本遊技機は、
少なくとも前記付与判定手段及び前記初期化手段を有する第1制御装置(主制御装置101)と、少なくとも前記付与設定手段及び前記特別報知手段を有する第2制御装置(表示制御装置81)と、を備えており、
前記第2制御装置は、前記特定情報を前記特定状態を跨いで記憶可能な記憶手段(契機スルーカウンタ)を備えていることを特徴とする特徴D11又は特徴D12に記載の遊技機。
上記構成によれば、付与判定手段による付与判定が行われ、特典が付与され得る特定状態と、その特典付与が制限される通常状態とが設定されており、特定状態から通常状態へ移行する場合にはその特定状態にて用いられた各種情報の初期化処理が行われるため、特定状態中の情報が通常状態へ持ち越されることがなく、通常状態から遊技が開始されることを想定すると、その開始時の遊技者間の公平性が担保される。その一方で、このように公平性を担保しようとするあまり、特定状態が終了したことをきっかけとして、遊技が終了されてしまう可能性が高くなり、遊技機の稼働率の低下が懸念される。そこで、上記のように特定状態終了時に初期化処理が行われることを前提としながらも、天井機能としての特別報知の設定に用いられる付与判定に非当選であったことの特定情報は、特定状態を跨いで記憶可能としていることから、当該特別報知によって、各特定状態間の関連付けを行うことが可能となる。これにより、特定状態を跨いで遊技を継続させる動機付けとすることが可能となるし、特定状態を跨いだ天井を実現することも可能となる。
なお、上記特徴D1乃至D13に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008−295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴D1乃至D13の各構成に対して、特徴A1乃至A19、特徴B1乃至B11、特徴C1乃至C11、特徴E1乃至E9、特徴F1乃至F15、特徴G1乃至G10、特徴H1乃至H8、特徴I1乃至I6のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴E群>
特徴E1.遊技の賭数の設定操作を行う賭数操作手段(クレジット投入スイッチ56)と、
前記賭数操作手段の操作に基づき遊技の賭数を設定する賭数設定手段(主制御装置101によるステップS205、ステップS206の処理を実行する機能)と、
前記賭数設定手段により賭数が設定されることで遊技を開始可能とし、遊技者による開始操作に基づき遊技を開始させる遊技開始手段(主制御装置101によるステップS207〜ステップS211の処理を実行する機能)と、
遊技者による終了操作に基づき遊技を終了させる遊技終了手段(主制御装置101によるステップS403〜ステップS417の処理を実行する機能)と、
所定の判定契機(特定契機)が生じた場合、遊技者に特典を付与するか否かの付与判定を実行可能な付与判定手段(主制御装置101によるAT抽選用処理を実行する機能)と、
前記付与判定手段による付与判定の結果が前記特典を付与することに対応する付与対応結果であった場合、遊技者に特典を付与可能となる特典付与手段(主制御装置101によるATモードへ移行させる処理を実行する機能)と、
を備え、
前記賭数設定手段により第1賭数(3ベット)が設定され、前記付与判定手段による付与判定の実行が許容される許容状態と、前記賭数設定手段により前記第1賭数とは異なる第2賭数が設定され、当該付与判定の実行が制限される制限状態とが設定されており、
前記賭数設定手段は、
前記賭数操作手段が操作された場合に、前記第1賭数を設定する第1賭数設定手段と、
前記賭数操作手段が操作された場合に、前記第2賭数を設定する第2賭数設定手段と、
を備え、
予め定められた切替契機に基づいて、前記賭数操作手段が操作された場合に、前記第1賭数設定手段により賭数の設定が行われる状態(MAXベットカウンタに3が入力されている状態)と、前記第2賭数設定手段により賭数の設定が行われる状態(MAXベットカウンタに2が入力されている状態)と、の切り替えを行う切替手段(主制御装置101によるボーナス状態処理においてMAXベットカウンタの切り替えを行う処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、遊技者による賭数の設定と開始操作に基づいて遊技が開始され、終了操作に基づいて当該遊技が終了され、所定の判定契機が生じた場合に遊技者に特典を付与するか否かの付与判定が行われ、その付与判定の結果が特典付与に対応する付与対応結果である場合に特典が付与される所謂スロットマシン等の遊技機において、遊技の賭数に応じて付与判定の実行が許容される許容状態と付与判定の実行が制限される制限状態とが設定されていることから、複数の賭数を許容しながらも、付与判定に関する遊技を限定的なものとして、賭数の違いを利用して不正に特典を得ようとする不正行為を行わせにくくすることができる。
しかも、上記構成では、賭数操作手段を操作した場合に、上記許容状態となる第1賭数が設定される場合と、制限状態となる第2賭数が設定される場合とがあり、切替契機が生じると、いずれの賭数が設定されるかが切り替わる構成としている。このようにすることで、通常時は付与判定の実行が許容される第1賭数による遊技を前提としながら、例えば、何らかの事情によって、付与判定の実行を制限しながら進行させるべき状況となった場合には、第2賭数による遊技を行わせるようにするなど、賭数と付与判定との関係性を規定する上記の制限状態に関する構成を、遊技性の向上にも利用することが可能となる。よって、遊技の興趣向上を好適に図ることができる。
特徴E2.前記賭数操作手段とは別途設けられ、遊技の賭数の設定操作を行う別賭数操作手段(クレジット投入スイッチ57、メダル投入口45)を備え、
前記第1賭数設定手段により前記第1賭数が設定される状態で、前記別賭数操作手段を操作することで前記第2賭数を設定することが可能であり、前記第2賭数設定手段により前記第2賭数が設定される状態で、前記別賭数操作手段を操作することで前記第1賭数を設定することが可能であることを特徴とする特徴E1に記載の遊技機。
上記構成によれば、切替手段により賭数操作手段を操作した際に設定される賭数が定められた状況であっても、別賭数操作手段を操作することで、他方側の賭数を設定することが可能となる。つまり、いずれの賭数を設定して遊技を行うかは、状況に関わらず遊技者の自由としながら、切替手段を利用して、遊技内容に沿った賭数となるように促す構成となる。このようにすることで、自らの意思で賭数を決定し、自らの操作で遊技の開始・終了させる、といった所謂スロットマシンの醍醐味を抹殺しない範囲で、賭数の切り替えと付与判定の制限の有無を遊技性に適用することが可能となる。
特徴E3.前記開始操作に基づいて、遊技状態を遊技者にとって有利な特別遊技状態へ移行させるか否かを判定する移行判定手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記移行判定手段による移行判定の結果が前記特別遊技状態への移行を可能とする移行対応結果であり、前記終了操作が当該移行対応結果に対応するものである場合、前記特別遊技状態へ移行させ、所定の終了条件が成立した場合、当該特別遊技状態を終了させる特別移行手段(主制御装置101によるボーナス状態処理を実行する機能)と、
を備え、
前記切替契機は、前記特別遊技状態への移行で生じるものではないことを特徴とする特徴E1又は特徴E2に記載の遊技機。
上記構成によれば、所謂ボーナス状態としての特別遊技状態への移行に合わせて賭数の切り替えが生じるものではないことが明確化される。このようにすることで、賭数の切り替えを特別遊技状態の移行の有無に関わらず生じさせ、しかも、その賭数の切り替えによって、特典付与が制限される制限状態にも切り替わる場合がある、といった従来にはない斬新な遊技性を実現することが可能となる。
特徴E4.前記開始操作に基づいて、遊技状態を遊技者にとって有利な特別遊技状態へ移行させるか否かを判定する移行判定手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記移行判定手段による移行判定の結果が前記特別遊技状態への移行を可能とする移行対応結果であり、前記終了操作が当該移行対応結果に対応するものである場合、前記特別遊技状態へ移行させ、所定の終了条件が成立した場合、当該特別遊技状態を終了させる特別移行手段(主制御装置101によるボーナス状態処理を実行する機能)と、
を備え、
前記移行判定手段による移行判定の判定結果が前記移行対応結果となることに基づいて、前記第2賭数設定手段により前記第2賭数が設定される状態から、前記第1賭数設定手段により前記第1賭数が設定される状態への前記切替契機が生じることを特徴とする特徴E1乃至E3のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、所謂ボーナス状態としての特別遊技状態への移行が可能となる移行対応結果の当選となることで、制限状態から許容状態に切り替わる構成となる。つまり、移行対応結果の当選前は第2賭数の制限状態が推奨され、移行対応結果の当選により第1賭数の許容状態が推奨される構成となる。このようにすることで、移行対応結果当選により賭数が自動的に切り替わり、しかも、付与判定の実行が許容されるようになる、といった従来にはない斬新な遊技性を実現することが可能となる。
特徴E5.前記第2賭数が設定されている遊技では、前記特別遊技状態への移行が可能である一方、前記第1賭数が設定されている遊技では、前記特別遊技状態への移行が制限されることを特徴とする特徴E4に記載の遊技機。
上記構成によれば、移行対応結果当選に基づき第2賭数による遊技から第1賭数による遊技に切り替わると、移行対応結果入賞による特別遊技状態への移行が生じなくなる。つまり、賭数が切り替わることにより、所謂ボーナスとしての移行対応結果当選が持ち越される遊技に移行するようになる。移行対応結果当選を持ち越しておくことで、移行対応結果入賞を成立させるべき状況となった場合に、そこから移行対応結果当選を待つような構成と比較して、より早期に移行対応結果入賞を成立させることが可能となるメリットがある。ここで、例えば、第1賭数にて移行対応結果入賞が可能な構成としたうえで、賭数を切り替えることなく第1賭数にて移行対応結果当選を持ち越す構成も考えられる。但し、このような構成であると、第1賭数にて付与判定を受ける遊技を行う場合、上記のような移行対応結果入賞を成立させるべき状況となるよりも前においては、常に移行対応結果入賞を回避する遊技を遊技者に強いる必要があり、円滑な遊技進行が妨げられる恐れがある。その点、上記構成のようにしておけば、第1賭数に切り替えられた後は、移行対応結果入賞が成立しないため、円滑な遊技進行を実現しながら、所望のタイミングで移行対応結果入賞による恩恵を享受させることが可能となる。
特徴E6.前記開始操作に基づいて、遊技状態を遊技者にとって有利な特別遊技状態へ移行させるか否かを判定する移行判定手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記移行判定手段による移行判定の結果が前記特別遊技状態への移行を可能とする移行対応結果であり、前記終了操作が当該移行対応結果に対応するものである場合、前記特別遊技状態へ移行させ、所定の終了条件が成立した場合、当該特別遊技状態を終了させる特別移行手段(主制御装置101によるボーナス状態処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特別遊技状態では、前記付与判定手段による付与判定の実行が制限されることを特徴とする特徴E1乃至E5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、所謂ボーナス状態としての特別遊技状態への移行が生じると、付与判定の実行が制限されるようになる。つまり、付与判定は、第1賭数であって特別遊技状態ではない状況で行われる構成となる。このようにすることで、所謂ボーナス状態としての特別遊技状態の優位性を高めすぎることなく、特別遊技状態待ちとなりがちな従来の遊技性とは異なる、付与判定へ期待させながら遊技を行わせる遊技性を実現することができる。また、上記構成のようにすることで、例えば、付与判定を行わせたくない状況であれば、第1賭数から第2賭数に切り替えるだけではなく、特別遊技状態への移行を生じさせることでも付与判定の実行を制限させることが可能となる。よって、付与判定の制限の有無を利用した遊技性の重厚化が図られ、遊技の興趣向上にも役立てることが可能となる。
特徴E7.前記特別遊技状態が終了したことに基づいて、前記賭数操作手段が操作された場合に前記第2賭数設定手段により前記第2賭数が設定される状態とすることが可能な手段を備えていることを特徴とする特徴E6に記載の遊技機。
上記構成によれば、所謂ボーナス状態としての特別遊技状態の終了後も、制限状態に設定される構成となる。このようにすることで、特別遊技状態と当該特別遊技状態の終了後の状態が、ひとまとめの付与判定が制限される状態となる。よって、例えば、当該ひとまとめの状態を用いた演出を行う等、当該付与判定が制限される状態を賭数や特別遊技状態と関連付けながら遊技性を創出するうえで、遊技の興趣向上に役立てることが可能となる。
特徴E8.前記移行判定手段による移行判定の判定結果が前記移行対応結果となることに基づいて、前記第2賭数設定手段により前記第2賭数が設定される状態から、前記第1賭数設定手段により前記第1賭数が設定される状態への前記切替契機が生じることを特徴とする特徴E7に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別遊技状態とその後の状態として付与判定が制限されるひとまとめの状態は、特別遊技状態への移行が可能となる移行対応結果の当選となることで終了する構成となる。このようにすることで、移行対応結果当選となり特別遊技状態へ移行させて付与判定が制限される遊技に切り替えた後、特別遊技状態の終了によりそのまま移行判定が許容される遊技に切り替えさせるのではなく、再度、移行対応結果当選となり特別遊技状態への移行を生じさせることが可能な状況にしてから、付与判定が許容される遊技に切り替えさせる構成となり、当該特別遊技状態への移行を生じさせる状況を維持させることが可能となる。これにより、付与判定を制限すべく特別遊技状態への移行を生じさせようとするならば、移行対応結果当選を待つことなく、より早期に当該特別遊技状態への移行を生じさせることが可能となり、特別遊技状態への移行を生じさせることで付与判定を回避する遊技性を好適に実現することができる。
特徴E9.前記特別遊技状態に対応する特別演出を所定の演出手段にて実行可能な特別演出実行手段(表示制御装置81によるボーナス状態の演出を行うための処理を実行する機能)を備え、
当該特別演出実行手段は、前記特別遊技状態の終了後、前記移行判定手段による移行判定の結果が前記移行対応結果となるまで、前記特別演出を実行可能であることを特徴とする特徴E8に記載の遊技機。
上記構成によれば、特徴E8の遊技機において、特別遊技状態後も制限状態が継続することを特別演出の継続によって、遊技者に違和感なく受け入れさせることができる。これにより、特徴E8の効果をより好適に期待することが可能となる。
なお、上記特徴E1乃至E9に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008−295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴E1乃至E9の各構成に対して、特徴A1乃至A19、特徴B1乃至B11、特徴C1乃至C11、特徴D1乃至D13、特徴F1乃至F15、特徴G1乃至G10、特徴H1乃至H8、特徴I1乃至I6のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴F群>
特徴F1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42〜44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与するか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合、前記所定結果に対応する特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
予め定められた取得条件が成立したことに基づいて、特定情報(ATカウンタ)を取得する特定情報取得手段(主制御装置101における乱数取得用処理を実行する機能)と、
前記特定情報取得手段により取得された前記特定情報を記憶可能な特定情報記憶手段(主制御装置101における抽選用情報記憶エリア106g)と、
少なくとも前記特定情報記憶手段に記憶された前記特定情報と、前記抽選手段による抽選結果と、を用いて、特定事象(ATモード移行)を生じさせるか否かの特定抽選を実行可能な特定抽選手段(主制御装置101によるATモード移行抽選を実行する機能)と、
前記特定抽選手段による前記特定抽選の抽選結果が、前記特定事象の発生に対応する特定結果(ATモード移行当選)であることに基づいて、前記特定事象を生じさせる特定実行手段(主制御装置101によるATモードへ移行させるための処理を実行する機能)と、
を備え、
前記抽選手段による抽選結果が特別結果であり、当該特別結果に対して前記特定抽選による前記特定抽選の抽選結果が前記特定結果となるように対応付けられた前記特定情報としての対応情報が異なる第1特定状態(第1モード)と第2特定状態(第2モード)とが設定されており、
前記第1特定状態と前記第2特定状態との状態移行は、前記特定抽選手段による前記特定抽選の実行が許容される許容遊技(例えば3ベットゲーム)と、前記特定抽選手段による前記特定抽選の実行が制限される制限遊技(例えば2ベットゲーム)と、のいずれにおいても生じ得るように設定されていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段が操作されると抽選手段によりゲームの抽選が行われるとともに周回体の周回が開始され、停止操作手段が操作されると周回中の周回体が停止して、その停止出目が今回のゲームの抽選結果に対応するものであれば特典付与手段により特典が付与されるといった所謂スロットマシンにおいて、抽選手段による抽選結果と、特定情報取得手段により取得され特定情報記憶手段に記憶されている特定情報と、を用いて特定事象を生じさせるか否かの特定抽選が行われるようにしたため、単に抽選手段による抽選結果と周回体の停止結果との対応付けといった従来のスロットマシンとは全く異なる遊技性が実現される。
しかも、ゲームの抽選結果としての特別結果に対し、特定抽選の抽選結果が特定事象を生じさせることに対応する特定結果となるように対応付けられた対応情報が異なるように第1特定状態と第2特定状態とが設けられているため、同じ特別結果と同じ特定情報とを用いて特定抽選を行う場合であっても、第1特定状態では当選となるものの第2特定状態では当選とならない、といった事象が生じ得る。そうすると、事前取得されている特定情報によって、同じ特別結果となるにしても第1特定状態にて特定抽選を受けたほうがよいか、第2特定状態にて特定抽選を受けたほうがよいかを遊技機側で把握することも可能となる。
そのうえで、上記構成においては、特定抽選の実行が許容される許容遊技と制限される許容遊技とが設定されており、第1特定状態と第2特定状態との状態移行は許容遊技と制限遊技とのいずれでも生じ得る構成としていることから、事前取得した特定情報が対応情報となる特定状態に移行するまで待ってから当該特定情報を特定抽選に供与することで、特定抽選に当選させることも可能となるし、逆に、事前取得した特定情報が対応情報とならない特定状態に移行するまで待ってから当該特定情報を特定抽選に供与することで、特定抽選に非当選とさせることも可能となる。このようにすることで、事前取得する特定情報と、ゲームの抽選結果とを利用した遊技性を劇的に向上させることが可能となる。
なお、上記構成は、「前記特定抽選手段は、所定のゲームにて前記特定情報取得手段により取得され、前記特定情報記憶手段に記憶されている所定の特定情報と、前記所定のゲームよりも後のゲームである特定ゲームにおける前記抽選手段による抽選結果と、を用いて前記特定抽選を実行可能である」との構成を備えるようにすることで、取得済みの特定情報と、その後のゲームでの遊技結果との関係で特定抽選が行われる場合があることが、より明確化され得る。
なお、「前記特定情報を記憶可能な特定情報記憶手段」について、「予め定められた所定数の前記特定情報を記憶可能な特定情報記憶手段」と表現してもよく、「予め定められた複数である所定数の前記特定情報を記憶可能な特定情報記憶手段」と表現してもよい。かかる表現の変更は、他の特徴や他の特徴群においても適用可能である。
特徴F2.遊技者の操作に基づいて前記許容遊技と前記制限遊技との切り替えを実行可能な切替操作手段(クレジット投入スイッチ56,57、メダル投入口45)を備えていることを特徴とする特徴F1に記載の遊技機。
上記構成によれば、許容遊技と制限遊技とを遊技者自らが選択して切り替えることが可能となる。このようにすることで、事前取得されている特定情報を特定状態との関係で消費するか否かを遊技者が決定する、といった斬新な遊技性を実現することが可能となる。よって、遊技の興趣向上を図ることができる。
特徴F3.遊技の賭数の設定操作を行う賭数操作手段(クレジット投入スイッチ56)と、
前記賭数操作手段の操作に基づき遊技の賭数を設定する賭数設定手段(主制御装置101によるステップS205、ステップS206の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記賭数設定手段により第1賭数(3ベット)が設定される遊技が前記許容遊技に含まれ、前記賭数設定手段により前記第1賭数とは異なる第2賭数が設定される遊技が前記制限遊技に含まれることを特徴とする特徴F2に記載の遊技機。
上記構成は、特徴F2の具体的構成の一態様である。特に上記のように、所謂スロットマシンにおいて遊技の賭数を設定することで許容遊技と制限遊技との切り替えを行うことが可能な構成とすることで、切替操作用に新たな構成を追加することなく、既存の構成をうまく利用して特徴F2の効果を奏することが可能となる。
特徴F4.前記特定情報記憶手段に記憶されている前記特定情報についての特定報知(保留表示)を所定の報知手段(補助表示部65)にて実行可能な特定報知手段(表示制御装置81による保留表示用処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴F1乃至F3のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定報知に基づいて、事前取得されている特定情報を把握可能となることから、その特定情報が特定抽選に供与される際に対応情報となる特定状態となっているか否かを予測しながら遊技を行うことが可能となる。これにより、制限遊技と許容遊技との切り替え、すなわち特定情報の消費の有無への注目度を高めることができ、遊技の興趣向上が図られる。
特徴F5.前記特定情報取得手段により前記特定情報が取得されたことに基づいて前記特定報知を更新し、前記特定情報記憶手段により記憶されている前記特定情報が、前記特定抽選手段により前記特定抽選に利用されることに基づいて前記特定報知を更新することが可能な更新手段(表示制御装置81による保留シフト用処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴F4に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定報知の更新の有無を確認することで、特定情報の消費の有無を把握することができ、制限遊技か許容遊技かもわかるようになる。このようにすれば、特定報知から把握される特定情報の内容からして対応情報を予測・把握しながら、当該特定情報が特定抽選に供与される特定状態を予測する遊技を行わせ易くすることが可能となる。
特徴F6.前記第1特定状態又は前記第2特定状態に対応する特別報知を所定の報知手段にて実行可能な特別報知手段(表示制御装置81のよる第1モード用演出や第2モード用演出、第1モード予測演出や第2モード予測演出を行うための処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴F1乃至F5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別報知に基づいて、いずれの特定状態であるかを把握することができる。このようにすることで、事前取得されている特定情報が特定抽選に供与される場合の特定状態の予測を行わせ易くすることが可能となる。
特徴F7.前記特別報知手段は、前記特別報知が実行される遊技の特定状態を示唆する報知を前記特別報知として実行可能な第1特別報知手段(表示制御装置81による第1モード用演出や第2モード用演出を行うための処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴F6に記載の遊技機。
上記構成によれば、現状の遊技が第1特定状態であるか第2特定状態であるかが特別報知により示唆される。このようにすることで、特定情報についての特定抽選が行われる際に、当該特定抽選が当選となるか否かを特定状態から予測・把握することが可能となるし、更に、例えば、特定状態の移行に規則性があるような構成等においては、現状の特定状態の種類からその後の特定状態の移行を予測して、その予測に基づいて事前取得されている特定情報についての特定抽選の内容を予測・把握することも可能となる。このようにすることで、特別報知を利用した遊技性を劇的に高めることができる。
特徴F8.前記特別報知手段は、前記特別報知が実行される遊技よりも所定数後の遊技の特定状態を示唆する報知を前記特別報知として実行可能な第2特別報知手段(表示制御装置81による第1モード予測演出や第2モード予測演出を行うための処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴F6又は特徴F7に記載の遊技機。
上記構成によれば、現状の遊技よりの後の遊技が第1特定状態であるか第2特定状態であるかが特別報知により示唆される。このようにすることで、事前取得されている特定情報についての特定抽選が行われる場合の特定状態を事前に把握することができ、当該特定抽選の内容を予測・把握することも可能となる。このようにすることで、特別報知を利用した遊技性を劇的に高めることができる。
特徴F9.前記特定情報記憶手段は、複数の数である特定数の前記特定情報を記憶可能に構成されており、
前記所定数は前記特定数よりも少ないことを特徴とする特徴F8に記載の遊技機。
上記構成によれば、将来の特定状態を示唆する報知としての第2特別報知手段による特別報知は、事前取得されて記憶される特定情報の上限数よりも少ない遊技数後の特定状態に対応する報知となる。このようにすることで、事前取得されている特定情報との関係で特定状態を把握したうえで、制限遊技か否かによる特定情報の消費の有無の兼ね合いから特定抽選の内容を予測・把握する遊技を好適に行わせることができる。
特徴F10.前記特別報知手段は、
前記特別報知が実行される遊技の特定状態を示唆する報知を前記特別報知として実行可能な第1特別報知手段(表示制御装置81による第1モード用演出や第2モード用演出を行うための処理を実行する機能)と、
前記特別報知手段は、前記特別報知が実行される遊技よりも所定数後の遊技の特定状態を示唆する報知を前記特別報知として実行可能な第2特別報知手段(表示制御装置81による第1モード予測演出や第2モード予測演出を行うための処理を実行する機能)と、
を備え、
前記第1特別報知手段による前記特別報知よりも前記第2特別報知手段による前記特別報知の方が、前記特定状態に対応する報知である信頼度が高くなるように設定されていることを特徴とする特徴F6乃至F9のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成よれば、現状の特定状態の方が、将来の特定状態よりも把握し易くなる。このようにすることで、特定状態の移行をより早期に見極めることが可能となり、制限遊技と許容遊技との切り替えを行ううえで好ましい構成となる。
なお、「前記特定状態に対応する報知である信頼度が高い」とは、例えば、「前記特定状態に対応する報知である確率が高い」や、「前記特別報知が示す内容が前記特定状態に対応する報知となり易い」と表現してもよい。また、「第1特別報知手段」と「第2特別報知手段」とを「所定の抽選」を経て「特別報知」を実行する構成としたうえで、「前記第1特別報知手段による所定の抽選に当選する確率よりも前記第2特別報知手段による所定の抽選に当選する確率の方が高くなるように設定されている」構成としてもよい。この場合、「第1特別報知手段」側については「所定の抽選」を経て「特別報知」を実行する一方、「第2特別報知手段」側については「所定の抽選」を経ずに「特別報知」を実行する構成としてもよい。
特徴F11.前記特別報知手段は、前記特定抽選手段による前記特定抽選の結果が前記特定結果ではない結果となることで、前記特別報知を実行し易くなる構成であることを特徴とする特徴F6乃至F10のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定抽選の結果が特定結果とはならず、特定事象が生じなかったことへの補填として、特別報知が実行されるようになる。その結果、特定状態の種類を見定める遊技を行い易くなる。よって、特定結果とならなかった場合の遊技者の遊技意欲の低下をうまくフォローすることが可能となる。
特徴F12.遊技媒体の増減率又は増減態様に変化を生じさせることが可能な設定値が複数段階設定されており、これら複数段階の設定値のうちの一の設定値を設定する設定手段(主制御装置101による当選確率の設定処理を実行する機能)を備え、
前記設定手段により第1の設定値が設定されている場合と、前記設定手段により前記第1の設定値とは異なる第2の設定値が設定されている場合とで、前記特別報知手段による前記特別報知の実行率が異なっていることを特徴とする特徴F6乃至F10のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別報知の実行率に設定差が設けられる。このようにすることで、特定状態の種類に対応する特別報知を利用して、遊技媒体の増減率や増減態様に変化を生じさせることができ、遊技の多様化に貢献できる。
特徴F13.前記特別報知手段は、前記制限遊技において前記特別報知を実行可能であることを特徴とする特徴F6乃至F12のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、制限遊技であって、特定情報が消費されない状況で特定状態の種類に対応する特別報知が行われる。このようにすることで、例えば、仮に制限遊技から許容遊技に切り替えて特定情報が特定抽選に供与されるようになれば、特定状態の移行の規則性等からして、その事前取得されている特定情報が特定抽選に供与される際には特定状態に対応する対応情報となっていることを予測可能となる等、制限遊技と許容遊技との切り替えの有無を含めて遊技者の注目を集めることが可能となる。
特徴F14.前記特別報知手段は、前記許容遊技において前記特別報知を実行可能であることを特徴とする特徴F6乃至F13のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、許容遊技であって、特定情報が消費される状況で特定状態の種類に対応する特別報知が行われる。このようにすることで、例えば、仮に許容遊技から制限遊技に切り替えて特定情報が消費されないようになれば、事前取得されている特定情報が特定抽選に供与される際に特定状態に対応する対応情報となるまで消費を待機させることが可能となる等、制限遊技と許容遊技との切り替えの有無を含めて遊技者の注目を集めることが可能となる。
特徴F15.前記特別報知手段は、前記許容遊技よりも前記制限遊技の方が前記特別報知を実行し易いことを特徴とする特徴F6乃至F14のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別報知の実行率を利用して特定抽選の実行が制限される制限遊技の興趣性を高めることが可能となる。特に、制限遊技においては特別抽選の実行が制限されることから、特別抽選を受けたい遊技者としては、なるべく制限遊技ではなく許容遊技にて遊技を行いたいものと考えられる。そこで、上記構成のように、特別報知によって、事前取得されている特定情報を特定状態に対応するものとなるまで制限遊技にてその消費を待機させる遊技の重要性を思い起こさせ、せっかく制限遊技にて遊技を行っているのにもかかわらず、所望の特定状態となる前に、しびれを切らして許容遊技に切り替えてしまうことを好適に抑制することが可能となる。
なお、上記特徴F1乃至F15に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008−295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴F1乃至F15の各構成に対して、特徴A1乃至A19、特徴B1乃至B11、特徴C1乃至C11、特徴D1乃至D13、特徴E1乃至E9、特徴G1乃至G10、特徴H1乃至H8、特徴I1乃至I6のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴G群>
特徴G1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42〜44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与するか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合、前記所定結果に対応する特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
予め定められた取得条件が成立したことに基づいて、特定情報(ATカウンタ)を取得する特定情報取得手段(主制御装置101における乱数取得用処理を実行する機能)と、
前記特定情報取得手段により取得された前記特定情報を記憶可能な特定情報記憶手段(主制御装置101における抽選用情報記憶エリア106g)と、
少なくとも前記特定情報記憶手段に記憶された前記特定情報と、前記抽選手段による抽選結果と、を用いて、特定事象(ATモード移行)を生じさせるか否かの特定抽選を実行可能な特定抽選手段(主制御装置101によるATモード移行抽選を実行する機能)と、
前記特定抽選手段による前記特定抽選の抽選結果が、前記特定事象の発生に対応する特定結果(ATモード移行当選)であることに基づいて、前記特定事象を生じさせる特定実行手段(主制御装置101によるATモードへ移行させるための処理を実行する機能)と、
を備え、
前記抽選手段による抽選結果が特別結果であり、当該特別結果に対して前記特定抽選による前記特定抽選の抽選結果が前記特定結果となるように対応付けられた前記特定情報としての対応情報が、予め定められた所定の開始契機からの遊技数(有利区間ゲーム数AG)によって異なっており、
前記所定の開始契機からの遊技として、前記特定抽選手段による前記特定抽選の実行が許容される許容遊技(例えば3ベットゲーム)と、前記特定抽選手段による前記特定抽選の実行が制限される制限遊技(例えば2ベットゲーム)と、を実行可能となっていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段が操作されると抽選手段によりゲームの抽選が行われるとともに周回体の周回が開始され、停止操作手段が操作されると周回中の周回体が停止して、その停止出目が今回のゲームの抽選結果に対応するものであれば特典付与手段により特典が付与されるといった所謂スロットマシンにおいて、抽選手段による抽選結果と、特定情報取得手段により取得され特定情報記憶手段に記憶されている特定情報と、を用いて特定事象を生じさせるか否かの特定抽選が行われるようにしたため、単に抽選手段による抽選結果と周回体の停止結果との対応付けといった従来のスロットマシンとは全く異なる遊技性が実現される。
しかも、ゲームの抽選結果としての特別結果に対し、特定抽選の抽選結果が特定事象を生じさせることに対応する特定結果となるように対応付けられた対応情報が、所定の開始契機からの遊技数に応じて異なっているため、同じ特別結果と同じ特定情報とを用いて特定抽選を行う場合であっても、所定の開始契機からの遊技数によって当選となる場合と当選とならない場合とが生じ得るようになる。
そのうえで、上記構成においては、所定の開始契機から実行可能な遊技として、特定抽選の実行が許容される許容状態と制限される許容状態とが設定されており、事前取得した特定情報が対応情報となる遊技数となるまで待ってから当該特定情報を特定抽選に供与することで、特定抽選に当選させることも可能となるし、逆に、事前取得した特定情報が対応情報とならない遊技数となるまで待ってから当該特定情報を特定抽選に供与することで、特定抽選に非当選とさせることも可能となる。このようにすることで、事前取得する特定情報と、ゲームの抽選結果とを利用した遊技性を劇的に向上させることが可能となる。
特徴G2.前記所定の開始契機からの遊技数に関わらず、前記特定抽選手段による前記特定抽選の結果が前記特定結果となる確率が共通するように、それぞれの遊技数において前記特別結果に対応付けられた前記対応情報が設定されていることを特徴とする特徴G1に記載の遊技機。
上記構成によれば、所定の開始契機からの遊技数に応じて対応情報が設定される構成において、遊技数に関わらず特定抽選の当選確率自体は異ならないように当該対応情報が設定されている。仮に、特定抽選の当選確率が異なるようにしてしまうと、制限遊技と許容遊技とが設けられている構成において、そもそも対応情報に関わらず所定の遊技数では許容遊技とすべき、といった事象も生じ得るようになる。その点、上記構成のようにすることで、より純粋に事前取得されている特定情報との関係で制限遊技と許容遊技との切替を楽しませることができる。
特徴G3.前記所定の開始契機からの遊技数に関わらず、前記抽選手段による抽選結果が前記特別結果となる確率が共通するように設定されていることを特徴とする特徴G1又は特徴G2に記載の遊技機。
上記構成によれば、所定の開始契機からの遊技数に応じて対応情報が設定される構成において、遊技数に関わらず各遊技における特別結果となる確率自体は異ならないように設定されている。このようにすることで、特別結果となる確率が異なることを通じて、特定抽選の当選率が変化するといった事象が生じなくなるため、より純粋に事前取得されている特定情報との関係で制限遊技と許容遊技との切替を楽しませることができる。
特徴G4.前記抽選手段による抽選結果として、前記停止操作手段が第1の操作態様にて操作されることで第1操作結果が入賞し、前記停止操作手段が前記第1の操作態様とは異なる第2の操作態様にて操作されることで前記第1操作結果とは異なる利益が付与され得る第2操作結果が入賞する態様結果(例えば、押し順ベル)が設定されており、
前記抽選手段による抽選結果が前記態様結果である場合、前記第1の操作態様又は前記第2の操作態様を含む操作態様に関する態様報知を、所定の報知手段により実行可能な態様報知実行手段(主制御装置101による押し順報知用処理を実行する機能)を備え、
前記態様報知実行手段による前記態様報知が実行可能となる有利状態と、前記態様報知実行手段による前記態様報知が実行不可となる通常状態と、が設定されており、
前記所定の開始契機は、前記通常状態から前記有利状態への移行に基づき生じるものであり、
前記特定事象は、前記態様報知実行手段により前記態様報知が行われるようにする事象であることを特徴とする特徴G1乃至G3のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、停止操作手段の操作態様によって入賞する結果が異なり得る態様結果当選時において、その停止操作の態様報知が所定の報知手段にて行われる場合があるので、態様報知に従った操作を行わせることで、遊技者に異なる利益を付与することが可能となる。このような遊技性を前提とし、態様報知が可能となる有利状態に移行してからの遊技数に応じて、その態様報知を行わせるといった特定事象を生じさせる特定抽選に当選となる特定情報が異なるように設定されているため、事前取得される特定情報と遊技数との関係で態様報知の発生を事前予測する、といった斬新な遊技性を実現することが可能となる。しかも、その事前取得される特定情報が消費される遊技と消費されない遊技とを実行可能としていることから、事前予測された態様報知の発生の有無が、その後の遊技者の実行した遊技によって変化する構成となる。このようにすることで、態様報知を利用した遊技性の面白みを劇的に向上させることが可能となる。
特徴G5.前記有利状態に移行し、所定の報知条件が成立したことに基づき有利状態報知を開始し、当該有利状態が終了することで当該有利状態報知を終了する有利状態報知手段(区間表示器としての第8表示用セグメントN8)を備え、
前記所定の開始契機が生じた場合に、前記所定の報知条件が成立しない場合があるように設定されていることを特徴とする特徴G4に記載の遊技機。
上記構成によれば、態様報知による遊技性を前提とする特徴G4の構成において、有利状態中は有利状態報知が行われ、当該有利状態の終了に際して当該有利状態報知が終了するように設定されていることから、当該有利状態報知を確認することで、有利状態の継続の有無(終了の有無)を遊技者は明確に把握することができる。これにより、有利状態の継続の有無をその他の情報から特定可能な遊技者と、そうではない遊技者との公平性を担保することが可能となり、遊技の健全性が向上する。そのうえで、有利状態に移行した場合に、有利状態報知が開始される場合とそうではない場合とが存在し、より具体的には、所定の報知条件が成立するまで、有利状態報知の開始は待機される。このようにすれば、有利状態を目指す遊技性において、当該有利状態への移行がまるわかりになってしまうことが抑制され、遊技の健全性を向上させながらも、遊技性を損なわないようにすることができる。そして、このような構成を、有利状態への移行が生じてからの遊技数によって、特定抽選に当選となる対応情報が異なるように設定されている本発明に適用することで、有利状態への移行が生じてからの遊技数がわかりにくくなり、その結果、対応情報の予測遊技の難易度を高めることが可能となる。これにより、事前取得される特定情報と、当該特定情報の消費の有無と、の関係性を利用した遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
特徴G6.前記遊技数と前記対応情報との関係性を示す特別報知(第1モード用演出、第2モード用演出、第1モード予測演出、第2モード予測演出及び保留表示)を所定の報知手段(補助表示部65)にて実行可能な特別報知手段(表示制御装置81による特別報知用処理や保留表示用処理を実行する機能)を備え、
前記所定の開始契機が生じてからの遊技数に応じて、前記特別報知手段による前記特別報知の実行確率が変化するように設定されていることを特徴とする特徴G1乃至G5のいいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技数に応じて特別結果に対応付けられた対応情報が異なり、更に、特定情報の消費の有無が異なる遊技を実行可能としている遊技性において、遊技数と対応情報との関係性を示す特別報知が行われる場合があるため、当該特別報知に基づき、特定情報の消費の有無を遊技者が決定して、特定抽選の当選確率を向上させることも可能となる。そして、当該特別報知の実行確率が、所定の開始契機からの遊技数に応じて変化するように設定されていることから、当該特別報知を利用して特定抽選の当選確率を変化させることができる。これにより、対応情報や特別結果となる確率等を変化させる必要がなくなるため、構成の複雑化を生じさせることなく、また、上記の対応情報や特別結果の確率等を変化させることができない事情があるような遊技機であっても、特定抽選の当選確率を変化させることができる。
特徴G7.前記遊技数と前記対応情報との関係性を設定する遊技数情報(モード移行テーブル)を複数記憶する遊技数情報記憶手段(表示制御装置81による各種テーブル記憶エリア182a)と、
前記遊技数情報記憶手段に記憶された前記遊技数情報から一の遊技数情報を選択する選択処理を実行可能な選択手段(表示制御装置81によるモード移行テーブルを設定するための処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定抽選手段は、前記選択手段により選択された前記遊技数情報から、前記遊技数に応じた前記対応情報を把握して前記特定抽選を実行する構成であり、
前記選択手段は、前記選択処理を実行してからの遊技数が予め定められた特定遊技数(100ゲーム)となることに基づいて、前記選択処理を実行する構成であることを特徴とする特徴G1乃至G6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技数が特定遊技数に達する度に、遊技数と対応情報との関係性が定められた遊技数情報の更新が行われる構成となる。このようにすることで、当該遊技数と対応情報との関係性を利用した遊技の単調化が抑制されるようになるし、仮に、遊技者にとって好ましくない遊技数情報が選択された場合であっても、少なくとも特定遊技数の消化によって、当該好ましくない遊技数情報から他の遊技数情報に更新される可能性があるし、逆に遊技者にとって好ましい遊技数情報が選択された場合であっても、特定遊技数の消化によって、当該好ましい特定遊技数情報が更新され得るため、遊技の興趣向上を好適に図ることが可能となる。
特徴G8.前記許容遊技では、前記選択手段による前記選択処理の実行が許容される一方、前記制限遊技では、前記選択手段による前記選択処理の実行が制限されることを特徴とする特徴G7に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定抽選だけでなく、特定抽選に用いられる特定情報(対応情報)を定める遊技数情報の更新についても、制限遊技では制限される構成となる。このようにすることで、特定抽選が行われないのにもかかわらず、遊技数情報の更新だけが行われる、といった処理の無駄を生じさせないようにすることができる。
特徴G9.前記選択手段による選択処理は、一の遊技において、前記特定抽選手段による前記特定抽選が行われるよりも前に実行されるように設定されていることを特徴とする特徴G8に記載の遊技機。
上記構成によれば、制限遊技によって遊技数情報の更新を回避しながら、所望の遊技数となった際に許容遊技として、更新前の遊技数情報を利用した特定抽選を行わせる、といった行為を行わせにくくすることができる。
特徴G10.前記遊技数と前記対応情報との関係性を示す特別報知(第1モード予測演出、第2モード予測演出及び保留表示)を所定の報知手段(補助表示部65)にて実行可能な特別報知手段(表示制御装置81による特別報知用処理や保留表示用処理を実行する機能)を備え、
前記選択処理が実行されてからの遊技数が前記特定遊技数となった後の前記特別報知の実行を、少なくとも当該特定遊技数となってから前記選択処理が実行されるまで制限可能な手段を備えていることを特徴とする特徴G7乃至G9のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技数に応じて特別結果に対応付けられた対応情報が異なり、更に、特定情報の消費の有無が異なる遊技を実行可能としている遊技性において、遊技数と対応情報との関係性を示す特別報知が行われる場合があるため、当該特別報知に基づき、特定情報の消費の有無を遊技者が決定して、特定抽選の当選確率を向上させることも可能となる。しかも、その後、遊技数情報が更新されるのにもかかわらず、更新前の情報に基づいて特別報知が実行されないように設定されることから、実行された特別報知が実際の内容と不一致となる事象が生じないようになる。よって、特別報知の信ぴょう性が低くなることによる遊技意欲の低下を回避することが可能となる。
なお、上記特徴G1乃至G10に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008−295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴G1乃至G10の各構成に対して、特徴A1乃至A19、特徴B1乃至B11、特徴C1乃至C11、特徴D1乃至D13、特徴E1乃至E9、特徴F1乃至F15、特徴H1乃至H8、特徴I1乃至I6のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴H群>
特徴H1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42〜44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与するか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合、前記所定結果に対応する特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
予め定められた取得条件が成立したことに基づいて、特定情報(ATカウンタ)を取得する特定情報取得手段(主制御装置101における乱数取得用処理を実行する機能)と、
前記特定情報取得手段により取得された前記特定情報を予め定められた所定数を上限として記憶可能な特定情報記憶手段(主制御装置101における抽選用情報記憶エリア106g)と、
少なくとも前記特定情報記憶手段に記憶された前記特定情報と、前記抽選手段による抽選結果と、を用いて、特定事象(ATモード移行)を生じさせるか否かの特定抽選を実行可能な特定抽選手段(主制御装置101によるATモード移行抽選を実行する機能)と、
前記特定抽選手段による前記特定抽選の抽選結果が、前記特定事象の発生に対応する特定結果(ATモード移行当選)であることに基づいて、前記特定事象を生じさせる特定実行手段(主制御装置101によるATモードへ移行させるための処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定抽選手段による前記特定抽選の実行が制限される制限遊技(例えば2ベットゲーム)が設定されており、
前記特定情報取得手段は、前記取得条件が成立した場合において、前記特定情報記憶手段に前記所定数の前記特定情報が記憶されていない場合には、前記特定情報の取得を行う一方、前記特定情報記憶手段に前記所定数の前記特定情報が記憶されている場合には、前記特定情報の取得を行わないことを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段が操作されると抽選手段によりゲームの抽選が行われるとともに周回体の周回が開始され、停止操作手段が操作されると周回中の周回体が停止して、その停止出目が今回のゲームの抽選結果に対応するものであれば特典付与手段により特典が付与されるといった所謂スロットマシンにおいて、抽選手段による抽選結果と、特定情報取得手段により取得され特定情報記憶手段に記憶されている特定情報と、を用いて特定事象を生じさせるか否かの特定抽選が行われるようにしたため、単に抽選手段による抽選結果と周回体の停止結果との対応付けといった従来のスロットマシンとは全く異なる遊技性が実現される。
そして、上記構成では、特定抽選が制限される制限遊技が行われる場合があることを前提として、特定情報取得手段は、取得条件が成立した場合に、特定情報記憶手段に上限数である所定数の特定情報が記憶されていない場合には特定情報を取得する一方、上限数である所定数の特定情報が記憶されている場合には特定情報を取得しない構成としたことから、特定抽選が行われず特定情報が消費されないような状況がある場合であっても、比較的簡素な構成にて、上限を超えて特定情報が取得されてしまったり、特定情報が上書きされてしまったりする不都合を生じさせないようにすることが可能となる。
特徴H2.前記特定情報取得手段は、前記制限遊技において前記取得条件が成立した場合、前記特定情報を取得可能であることを特徴とする特徴H1に記載の遊技機。
上記構成のように、制限状態において特定情報が消費されないのにもかかわらず、特定情報を取得可能としておけば、特定情報が所定数まで記憶されていないような状況で、特定情報の取得だけを行わせることが可能となる。これにより、例えば、特定情報記憶手段に記憶されていた特定情報が消去された場合等、比較的簡素な構成にて特定情報を貯めることが可能となる。
特徴H3.遊技の賭数を設定する賭数設定手段(クレジット投入スイッチ56,57、メダル投入口45)を備え、
前記賭数設定手段により第1賭数(3ベット)が設定されて開始される遊技では、前記特定抽選手段による前記特定抽選が行われ得る一方、前記賭数設定手段により前記第1賭数とは異なる第2賭数(2ベット)が設定されて開始される遊技では、前記特定抽選手段による前記特定抽選の実行が制限される前記制限遊技となることを特徴とする特徴H2に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定情報を消費せずに取得だけを行わせようとするならば、賭数を第1賭数ではなく第2賭数とすればよいだけであり、このようにすることで、比較的簡素な構成にて特定情報を早期に所定数まで貯めることが可能となる。
特徴H4.前記抽選手段による抽選結果が予め定められた移行結果(第1BB,第2BB)であり、前記有効位置に前記移行結果に対応する移行用の絵柄組合せが停止したことに基づいて、遊技状態を通常遊技状態から特別遊技状態に移行させ、予め定められた終了条件が成立したことに基づいて当該特別遊技状態を終了させる特別移行手段(主制御装置101によるボーナス状態処理を実行する機能)を備え、
前記通常遊技状態における遊技では、前記特定抽選手段による前記特定抽選が行われ得る一方、前記特別遊技状態における遊技では、前記特定抽選手段による前記特定抽選の実行が制限される前記制限遊技となることを特徴とする特徴H2又は特徴H3に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定情報を消費せずに取得だけを行わせようとするならば、遊技状態を所謂ボーナス状態としての特別遊技状態に移行させる必要がある。一般的に、特別遊技状態への移行が生じると、例えば、その旨の情報が遊技ホールのホールコンピュータやデータ表示器等に出力されたり、ボーナス状態用の演出が行われたりするため、当該特別遊技状態への移行が生じたことを、遊技ホールの管理者等は容易に把握可能と考えられる。このようにしておけば、例えば、好ましくない特定情報が記憶されている場合に、何らかの操作によって当該特定情報を消去したうえで、更に特定情報を貯めようとして特別遊技状態への移行を生じさせると、その行為が行われていることを遊技ホールの管理者は容易に特定することが可能となる。よって、不正に特定情報を取得する行為を行わせにくくすることができる。
特徴H5.所定の操作(リセットスイッチ72の操作)が行われた場合、前記特定情報記憶手段により記憶されている前記特定情報が消去されることを特徴とする特徴H2乃至H4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定情報記憶手段に記憶されている特定情報は所定の操作が行われると消去される場合がある。このような遊技機に対して、特徴H2の構成を適用することで、その消去後に、特定情報を貯めてから通常の遊技に供することが可能となる。
なお、「所定の操作」について、「所定の開錠操作が行われることで操作可能となる位置に設けられた操作手段の操作」とすることで、遊技者が自由に特定情報を消去することができないようになることが明確化される。
特徴H6.前記抽選手段による抽選結果として、前記停止操作手段が第1の操作態様にて操作されることで第1操作結果が入賞し、前記停止操作手段が前記第1の操作態様とは異なる第2の操作態様にて操作されることで前記第1操作結果とは異なる利益が付与され得る第2操作結果が入賞する態様結果(例えば、押し順ベル)が設定されており、
前記抽選手段による抽選結果が前記態様結果である場合、前記第1の操作態様又は前記第2の操作態様を含む操作態様に関する態様報知を、所定の報知手段により実行可能な態様報知実行手段(主制御装置101による押し順報知用処理を実行する機能)を備え、
前記態様報知実行手段による前記態様報知が実行可能となる有利状態と、前記態様報知実行手段による前記態様報知が実行不可となる通常状態と、が設定されており、
前記有利状態が終了することに基づいて、前記特定情報記憶手段に記憶されている前記特定情報を消去することが可能な手段(主制御装置101による有利区間用情報の初期化処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴H2乃至H5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、停止操作手段の操作態様によって入賞する結果が異なり得る態様結果当選時において、その停止操作の態様報知が所定の報知手段にて行われる場合があるので、態様報知に従った操作を行わせることで、遊技者に異なる利益を付与することが可能となる。このような遊技性を前提とし、態様報知が可能となる有利状態が終了する場合に、特定情報記憶手段に記憶されている特定情報を消去する構成とすることで、一の有利状態において取得された特定情報が有利状態を跨いで持ち越されることがなくなるため、各有利状態の独立性が担保される。このような遊技機に対して、特徴H2の構成を適用することで、特定抽選の実行が制限される場合がある通常状態において、特定情報を再取得することが可能となり、有利状態へ再度移行する際に、特定情報が溜まっておらず特定抽選を受けることができない、といった不都合を生じさせないようにすることができる。
特徴H7.前記通常状態における遊技は、前記特定抽選手段による前記特定抽選の実行が制限される制限遊技に含まれることを特徴とする特徴H6に記載の遊技機。
上記構成によれば、通常状態にて特定情報の消費がなされず、取得だけが行われることが明確化される。
特徴H8.前記特定抽選手段による前記特定抽選が行われることに基づいて、前記特定情報記憶手段に記憶されている前記特定情報のうち、今回の特定抽選に供される前記特定情報を取得する抽選時取得手段(主制御装置101による乱数シフト用処理において実行エリアAEにATカウンタをシフトする処理を実行する機能)を備え、
前記取得条件は前記抽選時取得手段により前記特定情報の取得が行われた後で成立することを特徴とする特徴H1乃至H7のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、各遊技において、特定情報が特定抽選に供与されることで消費されて特定情報記憶手段に空きが生じ、その後、特定情報が取得されることが明確化される。これにより、基本的には、各遊技の終了に際して特定情報記憶手段に上限数の特定情報が記憶されていることとなり、制限遊技において特定情報が消費されなければ、特定情報も取得されない、といったことも明確化される。
なお、上記特徴H1乃至H8に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008−295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴H1乃至H8の各構成に対して、特徴A1乃至A19、特徴B1乃至B11、特徴C1乃至C11、特徴D1乃至D13、特徴E1乃至E9、特徴F1乃至F15、特徴G1乃至G10、特徴I1乃至I6のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴I群>
特徴I1.遊技者による開始操作に基づき遊技を開始させる遊技開始手段(主制御装置101によるステップS207〜ステップS211の処理を実行する機能)と、
遊技者による終了操作に基づき遊技を終了させる遊技終了手段(主制御装置101によるステップS403〜ステップS417の処理を実行する機能)と、
前記開始操作に基づき遊技者に特典を付与するか否かの抽選を実行可能な抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定結果であり、前記終了操作が当該所定結果に対応する操作であった場合、当該所定結果に対応する特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果を用いて、遊技者に有利な特定事象(ATモードへの移行)を生じさせるか否かの特定抽選を実行可能な特定抽選手段(主制御装置101によるAT抽選用処理を実行する機能)と、
前記特定抽選手段による前記特定抽選の結果が前記特定事象を生じさせることに対応する特定結果である場合、前記特定事象を生じさせる特定事象手段(主制御装置101によるATモードへの移行を生じさせるための処理を実行する機能)と、
を備える遊技機において、
前記特定抽選手段は、前記抽選手段による抽選結果と、予め定められた第1情報(モード移行テーブル、ATカウンタ)及び第2情報(有利区間ゲーム数AG)を用いて、前記特定抽選を実行する構成であり、
遊技に際して、前記第1情報の更新を行う第1情報更新手段(主制御装置101による抽選モード移行用の処理や、乱数シフト用処理を実行する機能)と、
遊技に際して、前記第2情報の更新を行う第2情報更新手段(主制御装置101による区間表示第2処理を実行する機能)と、
を備え、
前記第1情報更新手段による前記第1情報の更新が許容される第1遊技(3ベットゲーム)と、前記第1情報の更新が制限される第2遊技(2ベットゲーム)と、が定められており、
前記第2情報更新手段による前記第2情報の更新は、前記第1遊技及び前記第2遊技のいずれにおいても許容されていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、遊技者による開始操作に基づいて遊技が開始されるとともに当該遊技の抽選が行われ、終了操作に基づいて当該遊技が終了され、終了操作が抽選結果に対応する操作であれば特典が付与される、といった所謂スロットマシン等の遊技機において、遊技の抽選結果を利用して遊技者にとって有利な特定事象を生じさせるか否かの特定抽選が行われる場合があり、当該特定抽選に当選すると特定事象が生じるようになるため、各遊技の抽選結果だけでなく特定抽選の抽選結果へも関心を寄せさせることで遊技の興趣向上が図られる。
この場合、特定抽選を行う特定抽選手段は、各遊技の抽選結果だけでなく、第1情報と第2情報とを用いて特定抽選を行う構成であるところ、第1情報についてはその更新が許容される第1遊技と更新が制限される第2遊技とがあるのに対して、第2情報については、第1遊技と第2遊技とのいずれにおいても更新が行われる。そのため、第1遊技を行っていれば、常に更新後の第1情報と第2情報とを用いて特定抽選が行われるのに対して、第2遊技を行っていると、第1情報については更新後のものが用いられるものの、第2情報については更新されないものが用いられることになる。このようにすることで、例えば、第2情報が遊技者にとって好ましいものであれば、第2遊技にて当該第2情報が更新されることを回避しながら遊技することが可能となるし、第2情報が遊技者にとって好ましくないものであれば、第1遊技にて当該第2情報が更新されるようにすることも可能となる。つまり、第1情報と第2情報とのいずれもが毎遊技更新される場合と比較して、一方の更新を制限したり許容したりすることが可能な構成とすることで、両情報の組み合わせを遊技者にとって好ましいものとすることの困難性が劇的に低下する。したがって、特定抽選を用いた遊技性を向上させることが可能となる。
特徴I2.前記第1遊技と前記第2遊技とのいずれの遊技を行うかが、遊技者が選択可能となっていることを特徴とする特徴I1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1情報の更新が行われる第1遊技か、第1情報の更新が行われない第2遊技かを、遊技者が自由に選択することが可能となっているため、遊技者の積極参加を促し、遊技の興趣向上が図られる。
特徴I3.前記第1情報に対応する特別報知を所定の報知手段にて実行可能な特別報知手段(表示制御装置81による特別報知用処理や保留表示用処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴I1又は特徴I2に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技者は、特別報知によって第1情報を把握することが可能となり、その第1情報に応じて第1遊技であればよいか第2遊技であればよいかを判断することも可能となる。よって、第1情報と第2情報や第1遊技と第2遊技との関係性を特定抽選に適用した上記遊技の面白みを向上させることができる。
特徴I4.前記第1遊技では、前記特定抽選手段による前記特定抽選の実行が許容される一方、前記第2遊技では、前記特定抽選手段による前記特定抽選の実行が制限されることを特徴とする特徴I1乃至I3のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定抽選を受けるためには、少なくとも第1遊技にて遊技する必要が生じる。この場合、第2遊技にて、第1情報側の更新を制限して第2情報側だけを更新させている場合とは、第1情報と第2情報との組み合わせが遊技者にとって好ましいものとなるように調節している最中であり、つまり、第2遊技が行われている場合とは、第1情報と第2情報との組み合わせが、未だ遊技者にとって好ましいものではない可能性が高い。そこで、上記構成のように、第2遊技では、特定抽選自体も制限される構成とすることで、無駄な特定抽選の実行が回避されるし、例えば、第1情報や第2情報について特定抽選に供与されることで、新たな第1情報や第2情報が必要となるような構成において、せっかく組み合わせの好適化を図っている最中であるのにもかかわらず、特定抽選が行われることによってこれら好適化前の第1情報や第2情報が用いられて、再度の好適化が必要となる、といった不都合が生じないようになる。
特徴I5.前記第1情報更新手段は、遊技が行われる度に、予め定められた第1規則(ゲームが消化される度にモード移行テーブルに対応するモードが切り替わる、ATカウンタがシフトされる)にて前記第1情報の更新を行うことを特徴とする特徴I1乃至I4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1規則を遊技者が把握していれば、第1情報の更新前に、更新後の第1情報を予測することも可能となる。このようにすることで、第2遊技にて第1情報の更新が制限されている状況においても、第1遊技とした場合に更新される第1情報を予測することが可能となる。
特徴I6.前記特定抽選手段は、前記第1情報と前記第2情報との関係性から導き出される特定情報(第1の実施形態では第1モードと第2モード、第2の実施形態では抽選モードに対応するATカウンタの当選値)と、前記抽選手段による抽選結果とを利用して、前記特定抽選を実行することを特徴とする特徴I1乃至I5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定抽選に際して、単に第1情報と第2情報とを用いるのではなく、第1情報と第2情報との関係性から導き出される特定情報を用いるため、第2情報側が常に更新されることの意義がより明確化される。
なお、上記特徴I1乃至I6に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008−295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴I1乃至I6の各構成に対して、特徴A1乃至A19、特徴B1乃至B11、特徴C1乃至C11、特徴D1乃至D13、特徴E1乃至E9、特徴F1乃至F15、特徴G1乃至G10、特徴H1乃至H8のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
なお、以上詳述した特徴A群乃至特徴I群の各構成に対して、他の特徴A群乃至特徴I群の各構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想を組合せて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
以下に上述した各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにした遊技機。
球使用ベルト式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにし、さらに、球受皿を設けてその球受皿から遊技球を取り込む投入処理を行う投入装置と、前記球受皿に遊技球の払出を行う払出装置とを備え、投入装置により遊技球が投入されることにより前記始動用操作手段の操作が有効となるように構成した遊技機。