JP2020191278A - 通信コネクタ - Google Patents

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佳紘 新原
Yoshihiro Niihara
佳紘 新原
佑樹 石川
Yuki Ishikawa
佑樹 石川
泰貴 伊藤
Yasutaka Ito
泰貴 伊藤
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Abstract

【課題】機器へのノイズの伝達の抑制を図ることが可能な通信コネクタを提供する。【解決手段】通信コネクタ1は、実質的に平行に配置された一対の端子11,12と、一対の端子11,12を囲むシールドケース40と、一対の端子11,12とシールドケース40との間に介在している第1及び第2の電磁波吸収フィルム31,32と、を備え、第1及び第2の電磁波吸収フィルム31,32は、垂直二等分線VBに対して線対称の位置に配置され、且つ、線分LSの中点MPに対して点対称の位置に配置されている。【選択図】図3

Description

本発明は、通信コネクタに関するものである。
信号通信用シールドケーブルを電子機器に接続する接続部として、当該ケーブルのシールド層の外側に磁性体と円筒導体を設けた構造が知られている(例えば特許文献1参照)。
特開平6−176823号公報
上記の構造では、磁性体の内側にシールド層が設けられているので、信号線に伝わったコモンモードノイズが当該シールド層によって閉じ込められてしまう。そのため、接続部を流れる信号の周波数が高いほど、LCTL(Longitudinal Conversion Transfer Loss:縦方向伝達変換損)が悪化し、特に、数十Mbpsを超える高周波信号である場合、当該接続部に接続された機器へのノイズの伝達を十分に抑制できない場合がある。
本発明が解決しようとする課題は、機器へのノイズの伝達の抑制を図ることが可能な通信コネクタを提供することである。
[1]本発明に係る通信コネクタは、実質的に平行に配置された一対の端子と、前記一対の端子を囲むシールドケースと、前記一対の端子と前記シールドケースとの間に介在している介在層と、を備え、前記介在層は、前記一対の端子の中心間を結ぶ線分の垂直二等分線に対して線対称の位置に配置され、及び/又は、前記線分の中点に対して点対称の位置に配置されており、前記介在層は、電磁波を吸収し、又は、電磁波を反射する層である通信コネクタである。
[2]上記発明において、前記通信コネクタは、前記一対の端子を保持する保持部材をさらに備えており、前記介在層は、前記保持部材と前記シールドケースとの間に介在していてもよい。
[3]上記発明において、前記介在層は、前記一対の端子を囲む円形の断面形状を有しており、前記円形の断面形状の中心は、前記線分の中点と実質的に一致していてもよい。
[4]上記発明において、前記介在層は、前記垂直二等分線上に配置されていなくてもよい。
[5]上記発明において、前記介在層は、前記垂直二等分線に実質的に平行であり且つ前記中心をそれぞれ通過する一対の平行直線の間の領域に配置されていなくてもよい。
[6]上記発明において、前記介在層は、前記垂直二等分線に対して線対称の位置に配置され、且つ、前記中点に対して点対称の位置に配置されていてもよい。
[7]上記発明において、前記介在層は、導電性ポリマを含む層、磁性体を含む層、又は、導電体を含む層であってもよい。
[8]上記発明において、前記介在層は、円筒状のフェライトコアであってもよい。
本発明によれば、電磁波を吸収し又は電磁波を反射する介在層が一対の端子とシールドケースとの間に介在していると共に、当該介在層が、一対の端子の中心間を結ぶ線分の垂直二等分線に対して線対称の位置に配置され、及び/又は、前記線分の中点に対して点対称の位置に配置されている。
これにより、本発明では、端子に伝わったコモンモードノイズを介在層によって吸収し又は反射することができるので、通信コネクタのLCTLを向上させることができ、当該通信コネクタに接続された機器へのノイズの伝達の抑制を図ることができる。
図1は、本発明の第1実施形態における通信コネクタの断面図である。 図2は、図1のII-II線に沿った断面図である。 図3は、図2のIII-III線に沿った断面図である。 図4(a)〜図4(c)は、本発明の第1実施形態における通信コネクタの第1〜第3変形例を示す断面図であり、図3に対応する図である。 図5は、本発明の第2実施形態における通信コネクタの断面図である。 図6は、図5のVI-VI線に沿った断面図である。 図7は、図6のVII-VII線に沿った断面図である。 図8(a)及び図8(b)は、本発明の第2実施形態における通信コネクタの第1及び第2変形例を示す断面図であり、図5に対応する断面図である。 図9は、本発明の第3実施形態における通信コネクタを示す分解斜視図である。 図10は、本発明の第3実施形態における通信コネクタの長手方向に沿った断面図である。 図11は、図10のXI-XI線に沿った断面図である。 図12は、図10のXII-XII線に沿った断面図である。 図13は、本発明の第3実施形態におけるLCTLに関する効果を説明するグラフである。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
≪第1実施形態≫
図1は本実施形態における通信コネクタの断面図、図2は図1のII-II線に沿った断面図、図3は図2のIII-III線に沿った断面図である。また、図4(a)〜図4(c)は本実施形態における通信コネクタの第1〜第3変形例を示す断面図である。
本実施形態における通信コネクタ1は、例えば、車載LANに用いられる通信用のコネクタである。図1及び図2に示すように、この通信コネクタ1は、通信ケーブル60の端部に接続されており、車両に搭載された機器に設けられた相手方コネクタ(不図示)に嵌合することで、通信ケーブル60を当該機器に電気的に接続する。上記の機器の具体例としては、例えば、車両に搭載された電子制御ユニット(ECU)や補機等を例示することができる。なお、通信用であれば、車載以外の用途に通信コネクタ1を用いてもよい。
ここで、通信ケーブル60は、いわゆる通信用のシールドケーブルであり、図1及び図2に示すように、ツイストペア電線61と、当該ツイストペア電線61を覆うシールド層62と、当該シールド層62を覆うシース63と、を備えている。
ツイストペア電線61は、一対の電線611,612を撚り合わせることで構成されている。それぞれの電線611,612は、線状の導体613と、当該導体613を覆う被覆層614を備えている。この一対の電線611,612は、高周波の差動信号を伝送する差動伝送線路として機能する。
このツイストペア電線61を覆うシールド層62は、金属細線を編み込むことで形成された金属編組から構成されている。なお、金属編組に代えて、金属箔テープをツイストペア電線61に巻き付けることで、シールド層62を形成してもよい。また、このシールド層62を覆うシース63は、樹脂材料等の電気絶縁性を有する絶縁性材料から構成されている。
この通信ケーブル60の端末において、シース63が剥かれてシールド層62が露出していると共に、そのシールド層62の先端からツイストペア電線61が延出している。さらに、当該ツイストペア電線61の端末において、一対の電線611,612の被覆層614が剥かれて、それぞれの電線611,612から導体613が露出している。
本実施形態の通信コネクタ1は、以上に説明した通信ケーブル60の端部に接続されたプラグ型コネクタである。この通信コネクタ1は、図1〜図3に示すように、一対の端子11,12と、リテーナ20と、シールドケース40と、カバー部材50と、を備えている。なお、通信コネクタ1をレセプタクル型コネクタとして構成してもよい。
本実施形態における通信コネクタ1が本発明における「通信コネクタ」の一例に相当し、本実施形態における端子11,12が本発明における「一対の端子」の一例に相当し、本実施形態におけるリテーナ20が本発明における「保持部材」の一例に相当し、本実施形態におけるシールドケース40が本発明における「シールドケース」の一例に相当する。
一対の端子11,12は、例えば金属材料等の導電性を有する材料で構成されたオス端子である。第1の端子11の後端部112が、通信ケーブル60のツイストペア電線61の一方の電線611の導体613と圧着されている。これに対し、第2の端子12の後端部112が、当該ツイストペア電線61の他方の電線612の導体613と圧着されている。従って、この通信コネクタ1の端子11,12は、通信ケーブル60の電線611,612に接続されて、高周波の差動信号を伝送する差動伝送線路として機能する。
一対の端子11,12は、リテーナ20に保持されている。このリテーナ20は、例えば樹脂材料等の電気絶縁性を有する材料から構成されている。本実施形態におけるリテーナ20は、略楕円形の断面形状を有する柱状の部材である。なお、リテーナ20の断面形状は、線対称及び点対称の形状であれば、特に限定されない。例えば、リテーナ20が、長円形(一対の平行線と当該平行線を相互に接続する一対の半円形とからなる形状)の断面形状を有していてもよい。
このリテーナ20には、当該リテーナ20の軸方向(図中のX方向)に沿って、当該リテーナ20を貫通する一対の貫通孔23が形成されている。この一対の貫通孔23は、実質的に平行に延在している。この貫通孔23には、通信ケーブル60の電線611,612の端末と共に、端子11,12の後端部112がそれぞれ挿入されている。従って、一対の端子11,12は、実質的に平行に延在している。
端子11,12の先端部111は、リテーナ20の先端面から突出している。通信コネクタ1が相手方コネクタに嵌合した際に、この端子11,12の先端部111が、相手方コネクタのメス端子と接続される。
端子11,12が挿入されたリテーナ20は、シールドケース40に挿入されている。シールドケース40は、例えば金属材料等の導電性を有する材料から形成されている。このシールドケース40は、略楕円形の断面形状を有する筒型の形状を有している。このシールドケース40は、リテーナ20の断面形状と相似形の内孔を有しており、リテーナ20を覆っている。シールドケース40は、その後端部で通信ケーブル60のシールド層62と圧着されており、これにより、シールドケース40とシールド層62とが電気的に接続されている。
このシールドケース40の先端は、端子11,12よりも先端側(図中の−X方向側)に位置している。リテーナ20から突出している端子11,12の先端部111は、シールドケース40の内面と間隔を空けた状態で、当該シールドケース40内に位置している。このシールドケース40は、通信コネクタ1が相手方コネクタに嵌合した際に、当該相手方コネクタのシールドケースと接続される。
シールドケース40は、カバー部材50に挿入されており、カバー部材50がシールドケース40を覆っている。このカバー部材50は、例えば樹脂材料等の電気絶縁性を有する材料から構成されている。このカバー部材50とシールドケース40の間に形成された空間に相手方コネクタのカバー部材が入り込むことで、通信コネクタ1と相手方コネクタとが嵌合する。
さらに、本実施形態の通信コネクタ1は、一対の電磁波吸収層31,32を備えている。この電磁波吸収層31,32は、電磁波を吸収(抑制)することが可能な層である。本実施形態における電磁波吸収層31,32が、本発明における「介在層」の一例に相当する。
この電磁波吸収層31,32は、PET等の基材に導電性ポリマをコーティングすることで形成されたフィルムである。こうした導電性ポリマの具体例としては、例えば、ポリチオフェン系、ポリピロール系、ポリアニリン系、ポリアセチレン系、ポリフェニレン系等の有機化合物を例示することができる。
なお、電磁波吸収層31,32の構成は、上記に特に限定されない。特に図示しないが、例えば、電磁波吸収層31,32として、フェライト、珪素鉄、パーマロイ等の軟磁性材料からなる粒子を分散させた分散液を硬化させることで形成した樹脂フィルムを用いてもよい。或いは、電磁波吸収層31,32として、カーボンブラック等の導電性粒子を分散させた分散液を硬化させることで形成した樹脂フィルムを用いてもよい。或いは、電磁波吸収層31,32として、PET等の基材に酸化インジウムスズ(ITO)をコーティングすることで形成されたフィルムを用いてもよい。或いは、フィルムに代えて、例えば、上述の導電性ポリマ、磁性体、又は、導電体を含有した分散液をリテーナ20の外周面に塗布して硬化させることで、当該リテーナ20の外周面に電磁波吸収層を直接形成してもよい。或いは、フィルムに代えて、例えば、リテーナ20の両側部の形状に対応した円弧状のフェライトコアを電磁波吸収層として用いてもよい。
この第1及び第2の電磁波吸収層31,32は、リテーナ20の外周面に貼り付けられており、端子11,12とシールドケース40との間に介在している。本実施形態では、この第1及び第2の電磁波吸収層31,32は、図1〜図3に示すように、楕円状の断面を持つリテーナ20の長軸方向(図中のY方向)の両側部のみに設けられている。
具体的には、本実施形態では、図3に示すように、第1の断面において、第1及び第2の電磁波吸収層31,32は、垂直二等分線VBに対して線対称の位置に配置され、且つ、線分LSの中点MPに対して点対称の位置に配置されている。これにより、端子11,12に伝わったコモンモードノイズは、電磁波吸収層31,32によって吸収され、熱に変換されて放熱されるので、通信コネクタ1のLCTLを向上させることができる。
なお、第1の断面は、端子11,12の延在方向(図中のX方向)に対して直交する方向に沿って切断した断面(図中のYZ面)である。また、線分LSは、一対の端子11,12の中心CP,CP間を結んだ仮想上の線分であり、垂直二等分線VBは、当該線分LSの垂直二等分線である。
因みに、電磁波吸収層が端子とシールドケースとの間に介在していない場合には、当該端子を伝わったコモンモードノイズがシールドケースで閉じ込められ、端子を流れる信号にコモンモードノイズが混入して受信側(出力側)に伝達しやすくなってしまう。このため、端子をシールドケースで囲った通信コネクタでは、端子をシールドケースで囲っていない通信コネクタと比較して、LCTLが悪化しやすくなってしまう。
また、電磁波吸収層を端子とシールドケースとの間に介在させたとしても、第1の端子と第1の電磁波吸収層との間の距離と、第2の端子と第2の電磁波吸収層との間の距離とのバランスが取れていない場合には、電磁波吸収層を介在させることによって、却ってLTCLを悪化させてしまう場合がある。
さらに、本実施形態では、図3に示すように、第1及び第2の電磁波吸収層31,32は、リテーナ20の外周面上において相互に離れて配置されており、第1及び第2の電磁波吸収層31,32の間に間隔SPが形成されている。従って、一対の平行直線PL,PLの間の領域ARに間隔SPが位置しており、第1及び第2の電磁波吸収層31,32が当該領域ARに配置されていない。なお、一対の平行直線PL,PLは、垂直二等分線VBに実質的に平行であり、且つ、端子11,12の中心CP,CPをそれぞれ通過する仮想上の直線である。
このように、本実施形態では、第1及び第2の電磁波吸収層31,32が領域ARに配置されていないので、一対の端子11,12間に形成される電界の主要部分を阻害しない。このため、電磁波吸収層31,32をシールドケース40の中に配置してもIL(Insertion Loss:挿入損失)の悪化を抑制することができる。このように、挿入損失への影響がより少ない位置に第1及び第2の電磁波吸収層31,32を配置することで、電磁波吸収層31,32を構成する材料として、より高い電磁波吸収率を有する材料を選択することが可能となる。
特に、図3に示す形態では、電磁波吸収層31,32がリテーナ20の長軸方向の両側部に設けられており、一対の端子11,12間に形成される電界の強度が最も弱い位置に電磁波吸収層31,32が配置されているので、挿入損失の低下を顕著に抑制することができる。
なお、図4(a)に示す第1変形例のように、第1及び第2の電磁波吸収層31,32を、垂直二等分線VBに対して線対称の位置に配置すると共に、線分LSの中点MPに対して点対称の位置に配置しなくてもよい。
或いは、図4(b)に示す第2変形例のように、第1及び第2の電磁波吸収層31,32を、線分LSの中点MPに対して点対称の位置に配置すると共に、垂直二等分線VBに対して線対称の位置に配置しなくてもよい。
図4(a)及び図4(b)に示す変形例の場合にも、電磁波吸収層31,32が線対称又は点対称に配置されていると共に、第1及び第2の電磁波吸収層31,32が領域ARに配置されていないので、通信コネクタ1のILの悪化を抑制しつつLCTLを向上させることができる。
なお、間隔SPを狭めることで第1及び第2の電磁波吸収層31,32が領域ARに入り込んでいてもよい。この場合において、一対の端子11,12間に形成される電界の強度は垂直二等分線VB上で最も強くなるため、少なくとも第1及び第2の電磁波吸収層31,32が垂直二等分線VB上に配置されていないことが好ましい。
或いは、図4(c)に示すように、第1及び第2の電磁波吸収層31と第2の電磁波吸収層32を繋げた単一の電磁波吸収層33で、リテーナ20の全周を覆ってもよい。この場合にも、電磁波吸収層33が線対称及び点対称に配置されているので、通信コネクタ1のLCTLを向上させることができる。
なお、本実施形態では、図1及び図2に示すように、第1及び第2の電磁波吸収層31,32が、リテーナ20の軸方向(図中のX方向)の全域に亘って設けられているが、特にこれに限定されない。第1及び第2の電磁波吸収層31,32が、リテーナ20の軸方向の一部だけに設けられていてもよい。
なお、上述した電磁波吸収層31,32に代えて、電磁波を反射する電磁波反射フィルムを用いてもよい。この電磁波反射フィルムを、上述の電磁波吸収層31,32と同様の位置に配置することで、補機から通信コネクタ1に入力されたコモンモードノイズは、電磁波反射フィルムによって反射して入力側の補機に戻るので、通信コネクタ1のLCTLを向上させることができる。こうした電磁波反射フィルムの具体例としては、上述した電磁波吸収層を構成する材料において導電性ポリマ、磁性体、又は、導電体の割合を変えたものを例示することができる。また、電磁波反射フィルムに代えて、例えば、リテーナ20の両側部の形状に対応した円弧状のフェライトコアを用いてもよい。
以上のように、本実施形態では、第1及び第2の電磁波吸収層31,32が一対の端子11,12とシールドケース40との間に介在していると共に、第1及び第2の電磁波吸収層31,32が、垂直二等分線VBに対して線対称の位置に配置され、且つ、線分LSの中点MPに対して点対称の位置に配置されている。
このため、本実施形態では、端子11,12に伝わったコモンモードノイズを電磁波吸収層31,32によって吸収することができるので、通信コネクタ1のLCTLを向上させることができ、当該通信コネクタ1に接続された機器へのノイズの伝達の抑制を図ることができる。
≪第2実施形態≫
図5は本実施形態における通信コネクタの断面図、図6は図5のVI-VI線に沿った断面図、図7は図6のVII-VII線に沿った断面図である。また、図8(a)及び図8(b)は本実施形態における通信コネクタの第1及び第2変形例を示す断面図である。
本実施形態における通信コネクタ1Bは、上述の通信コネクタ1と同様に、例えば、車載LANに用いられる通信用のコネクタである。この通信コネクタ1Bは、図5及び図6に示すように、プリント配線板70に直接実装されたSMT(Surface Mount Type)コネクタである。なお、通信用であれば、車載以外の用途に通信コネクタ1Bを用いてもよい。
ここで、プリント配線板70は、配線パターン71,72が形成されたリジッドなプリント配線板である。このプリント配線板70には、当該プリント配線板70を貫通する2種類の取付孔73,74が形成されている。第1の取付孔73は、信号用配線パターン71に対応するように形成されており、第2の取付孔74は、グランド用配線パターン72に対応するように形成されている。なお、フレキシブルプリント配線(FPC)をプリント配線板70として用いてもよい。
本実施形態の通信コネクタ1Bは、プリント配線板70に表面実装されたプラグ型コネクタである。この通信コネクタ1Bは、図5〜図7に示すように、一対の端子11B,12Bと、リテーナ20Bと、シールドケース40Bと、カバー部材50Bと、を備えている。なお、通信コネクタ1Bをレセプタクル型コネクタとして構成してもよい。
本実施形態における通信コネクタ1Bが本発明における「通信コネクタ」の一例に相当し、本実施形態における端子11B,12Bが本発明における「一対の端子」の一例に相当し、本実施形態におけるリテーナ20Bが本発明における「保持部材」の一例に相当し、本実施形態におけるシールドケース40Bが本発明における「シールドケース」の一例に相当する。
一対の端子11B,12Bは、例えば金属材料等の導電性を有する材料で構成されたオス端子である。図5に示すように、端子11B,12Bは、先端部111Bと後端部112Bの間に屈曲した中間部113Bを有するライトアングル型の端子である。この通信コネクタ1Bの端子11B,12Bは、プリント配線板70の信号用配線パターン71に接続されて、高周波の差動信号を伝送する差動伝送線路として機能する。
一対の端子11B,12Bは、リテーナ20Bに保持されている。このリテーナ20Bは、例えば樹脂材料等の電気絶縁性を有する材料から構成されている。本実施形態におけるリテーナ20Bは、略楕円形の断面形状を有する柱状の部材であり、端子11B,12Bに対応するように全体として略L字状の形状を有している。すなわち、このリテーナ20Bは、プリント配線板70の主面70aに平行な第1の部分21Bと、当該主面70aに直交する第2の部分22Bと、を有している。なお、リテーナ20の断面形状は、線対称及び点対称の形状であれば、特に限定されない。
このリテーナ20Bには、当該リテーナ20Bを先端から後端まで貫通する一対の貫通孔23Bが形成されている。それぞれの貫通孔23Bは、端子11B,12Bに対応するように全体として略L字状の形状を有している。この一対の貫通孔23Bは実質的に平行に延在しており、この貫通孔23Bに端子11B,12Bがそれぞれ挿入されている。
端子11B,12Bの先端部111Bの一部は、リテーナ20Bの先端面から突出している。通信コネクタ1Bが相手方コネクタ(不図示)に嵌合した際に、この端子11B,12Bの先端部111Bが、相手方コネクタのメス端子と接続される。一方、端子11B,12Bの後端部112Bの一部は、リテーナ20Bの第2の部分22Bから突出している。この突出している後端部112Bの一部は、プリント配線板70の第1の取付孔73にそれぞれ挿入されており、半田接続75によって信号用配線パターン71と接続されている。
リテーナ20Bは、シールドケース40Bに挿入されている。シールドケース40Bは、例えば金属材料等の導電性を有する材料から形成されている。このシールドケース40Bは、端子11B,12Bに対応するように全体として略L字状の筒型の形状を有しており、リテーナ20Bを覆っている。なお、通信コネクタ1Bの組立性向上の観点から、シールドケース40Bが背面42(図中の+X方向側の面)を備えていなくてもよい。
シールドケース40Bの後端には、下方に向かって突出する突出片41が形成されている。この突出片41は、プリント配線板70の第2の取付孔74に挿入されており、当該突出片41が半田接続76によってグランド用配線パターン72と接続されることで、シールドケース40Bがプリント配線板70に固定されている。
このシールドケース40Bの先端は、端子11B,12Bよりも先端側(図中の−X方向側)に位置している。リテーナ20Bから突出している端子11B,12Bの先端部111Bは、シールドケース40Bの内面と間隔を空けた状態で、当該シールドケース40B内に位置している。このシールドケース40Bは、通信コネクタ1Bが相手方コネクタに嵌合した際に、当該相手方コネクタのシールドケースと接続される。
シールドケース40Bの先端部は、カバー部材50Bに挿入されている。このカバー部材50Bは、例えば樹脂材料等の電気絶縁性を有する材料から構成されている。このカバー部材50Bとシールドケース40Bの間に形成された空間に相手方コネクタのカバー部材が入り込むことで、通信コネクタ1Bと相手方コネクタとが嵌合する。
さらに、本実施形態の通信コネクタ1Bは、一対の電磁波吸収層31B,32Bを備えている。この電磁波吸収層31B,32Bとしては、上述した第1実施形態の電磁波吸収層31,32と同様のものを用いることができる。本実施形態における電磁波吸収層31B,32Bが、本発明における「介在層」の一例に相当する。なお、上述した電磁波吸収層31B,32Bに代えて、電磁波を反射する電磁波反射フィルムを用いてもよい。或いは、フィルムに代えて、例えば、リテーナ20Bの両側部の形状に対応した円弧状のフェライトコアを用いてもよい。
この第1及び第2の電磁波吸収層31B,32Bは、リテーナ20Bの第1の部分21Bの外周面に貼り付けられており、端子11B,12Bとシールドケース40Bとの間に介在している。本実施形態では、この第1及び第2の電磁波吸収層31B,32Bは、図5〜図7に示すように、リテーナ20Bの第1の部分21Bの長軸方向(図中のY方向)の両側部のみに設けられている。
具体的には、本実施形態では、図7に示すように、第1の断面において、第1及び第2の電磁波吸収層31B,32Bは、垂直二等分線VBに対して線対称の位置に配置され、且つ、線分LSの中点MPに対して点対称の位置に配置されている。これにより、本実施形態では、端子11B,12Bに伝わったコモンモードノイズを電磁波吸収層31B,32Bによって吸収することができるので、通信コネクタ1BのLCTLを向上させることができる。
なお、第1の断面は、端子11B,12Bの先端部11Bの延在方向(図中のX方向)に対して直交する方向に沿って切断した断面である。また、線分LSは、一対の端子11B,12Bの中心CP1B,CP2B間を結んだ仮想上の線分であり、垂直二等分線VBは、当該線分LSの垂直二等分線である。
さらに、本実施形態では、図7に示すように、第1及び第2の電磁波吸収層31B,32Bは、リテーナ20Bの第1の部分21Bの外周面上において相互に離れて配置されており、第1及び第2の電磁波吸収層31B,32Bの間に間隔SPが形成されている。従って、一対の平行直線PL1B,PL2Bの間の領域ARに間隔SPが位置しており、第1及び第2の電磁波吸収層31B,32Bが当該領域ARに配置されていない。なお、一対の平行直線PL1B,PL2Bは、垂直二等分線VBに実質的に平行であり、且つ、端子11,12の中心CP1B,CP2Bをそれぞれ通過する仮想上の直線である。
このように、本実施形態では、第1及び第2の電磁波吸収層31B,32Bが、領域ARに配置されていないので、一対の端子11B,12B間に形成される電界の主要部分を阻害しない。このため、電磁波吸収層31B,32Bをシールドケース40Bの中に配置してもILの悪化を抑制することができる。このように、挿入損失への影響がより少ない位置に第1及び第2の電磁波吸収層31B,32Bを配置することで、電磁波吸収層31B,32Bを構成する材料として、より高い電磁波吸収率を有する材料を選択することが可能となる。
なお、特に図示しないが、上述した第1実施形態と同様に、電磁波吸収層31B,32Bを線対称又は点対称に配置すると共に、第1及び第2の電磁波吸収層31B,32Bを領域ARに配置しなくてもよい。或いは、特に図示しないが、上述した第1実施形態と同様に、単一の電磁波吸収層でリテーナ20Bの全周を覆ってもよい。
また、本実施形態では、電磁波吸収層31B,32Bをリテーナ20Bの第1の部分21Bに貼り付けたが、電磁波吸収層31B,32Bの設置位置は特にこれに限定されない。例えば、図8(a)に示すように、第1の部分21Bに代えて、電磁波吸収層31B,32Bをリテーナ20Bの第2の部分22Bに貼り付けてもよい。或いは、図8(b)に示すように、電磁波吸収層31B,32Bをリテーナ20Bの第1及び第2の部分21B,22Bの両方に貼り付けてもよい。
なお、図8(a)及び図8(b)に示す変形例において、リテーナ20Bの第1の部分21Bに関する第1の断面は、上述の図5に示す場合と同様に、端子11,12の延在方向(図中のX方向)に対して直交する方向に沿って切断した断面(図中のYZ面)である。これに対し、当該リテーナ20Bの第2の部分22Bに関する第1の断面は、端子11,12の延在方向(図中のZ方向)に対して直交する方向に沿って切断した断面(図中のXY面)である。
以上のように、本実施形態では、第1実施形態と同様に、第1及び第2の電磁波吸収層31B,32Bが一対の端子11B,12Bとシールドケース40Bとの間に介在していると共に、第1及び第2の電磁波吸収層31B,32Bが、垂直二等分線VBに対して線対称の位置に配置され、且つ、線分LSの中点MPに対して点対称の位置に配置されている。
このため、本実施形態では、端子11B,12Bに伝わったコモンモードノイズを電磁波吸収層31B,32Bによって吸収することができるので、通信コネクタ1BのLCTLを向上させることができ、当該通信コネクタ1Bに接続された機器へのノイズの伝達の抑制を図ることができる。
≪第3実施形態≫
図9は本実施形態における通信コネクタを示す分解斜視図、図10は本実施形態における通信コネクタの長手方向に沿った断面図、図11は図10のXI-XI線に沿った断面図、図12は図10のXII-XII線に沿った断面図である。また、図13は本実施形態におけるLCTLに関する効果を説明するグラフである。
本実施形態における通信コネクタ1Cは、例えば、車載LANに用いられる通信用のコネクタであり、上述の第2実施形態の通信コネクタ1Bと同様に、プリント配線板に直接実装されるSMTコネクタである。なお、通信用であれば、車載以外の用途に通信用コネクタ1Cを用いてもよい。
本実施形態の通信コネクタ1Cは、プリント配線板に表面実装されたプラグ型コネクタである。この通信コネクタ1Cは、図9〜図12に示すように、一対の端子11C,12Cと、リテーナ20Cと、電磁波吸収層33Cと、シールドケース40Cと、を備えている。なお、この通信コネクタ1Cをレセプタクル型コネクタとして構成してもよい。また、この通信コネクタ1Cが、シールドケース40Cを覆うカバー部材を備えていてもよい。
本実施形態における通信コネクタ1Cが本発明における「通信コネクタ」の一例に相当し、本実施形態における端子11C,12Cが本発明における「一対の端子」の一例に相当し、本実施形態におけるリテーナ20Cが本発明における「保持部材」の一例に相当し、本実施形態における電磁波吸収層33Cが本発明における「介在層」の一例に相当し、本実施形態におけるシールドケース40Cが本発明における「シールドケース」の一例に相当する。
一対の端子11C,12Cは、例えば金属材料等の導電性を有する材料で構成されたオス端子である。図9及び図11に示すように、端子11C,12Cは、先端部111Cと後端部112Cとの間に屈曲した中間部113Cを有するライトアングル型の端子である。この通信コネクタ1Cの端子11C,12Cは、上述の第2実施形態の端子11B,12Bと同様に、プリント配線板の信号用配線パターン(不図示)に接続されて、高周波の差動信号を伝送する差動伝送線路として機能する。
一対の端子11C,12Cは、リテーナ20Cに保持されている。このリテーナ20Cは、例えば樹脂材料等の電気絶縁性を有する材料から構成されている。本実施形態におけるリテーナ20Cは、長円形の断面形状を持つ柱形状を有し、X方向に延在している第1の部分21Cと、当該第1の部分21Cを支持する第2の部分22Cと、を備えている。なお、リテーナ20Cの第1の部分21Cの断面形状が円形であってもよい。特に図示しないが、この通信コネクタ1Cがプリント配線板に実装された際には、第2の部分22Cが当該プリント配線板の主面に対して実質的に直交する方向に延在するのに対し、第1の部分21Cが当該プリント配線板の主面に対して実質的に平行な方向に延在する。
第1の部分21Cには、X方向に沿って延在する一対の貫通孔23Cが形成されており、それぞれの貫通孔23Cは第2の部分22Cも貫通している。この一対の貫通孔23Cは、実質的に平行に延在している。この貫通孔23Cの一端は、第1の部分21Cの先端で開口している。第2の部分22Cの背面24には、Z方向に沿って延在する一対の溝25が形成されており、貫通孔23Cの他端はこの溝25に開口している。
この貫通孔23Cに端子11C,12Cの先端部111Cがそれぞれ挿入されている。そして、当該先端部111Cの一部は、リテーナ20Cの先端面から先端側(−X方向側)に向かって突出している。通信コネクタ1Cが相手方コネクタ(不図示)に嵌合した際に、この端子11C,12Cの先端部111Cが、相手方コネクタのメス端子と接続される。一方、当該端子11C,12Cの後端部112Cは、第2の部分22Cの溝25にそれぞれ挿入されている。この端子11C,12Cの後端部112Cの一部は、第2の部分22Cから突出している。この突出している後端部112Cの一部は、特に図示しないが、プリント配線板の取付孔にそれぞれ挿入されて半田接続によって信号用配線パターンと接続される。
本実施形態の電磁波吸収層33Cは、電磁波を吸収(抑制)することが可能な円筒状のフェライトコアから構成されている。この電磁波吸収層33Cの内孔331に、リテーナ20Cの第1の部分21Cが挿入されている。すなわち、円筒状の電磁波吸収層33Cによってリテーナ20Cの第1の部分21Cの全周が囲まれており、結果的に、当該電磁波吸収層33Cによって一対の端子11C,12Cの先端部111Cの周囲が全周に亘って囲まれている。また、この電磁波吸収層33Cはリテーナ20Cの第1の部分21Cよりも短くなっており、当該電磁波吸収層33Cの後端がリテーナ20Cの第2の部分22Cに当接しているのに対し、当該第1の部分21Cの先端は電磁波吸収層33Cから先端側(−X方向側)に向かって突出している。
この際、図12に示すように、電磁波吸収層33Cは真円の断面形状を有しており、第1の断面において、当該円形の断面形状の中心CPが線分LSの中点MPと実質的に一致している。すなわち、本実施形態においても、第1の断面において、電磁波吸収層33Cは、垂直二等分線VBに対して線対称の位置に配置され、且つ、線分LSの中点MPに対して点対称の位置に配置されている。
なお、第1の断面は、端子11C,12Cの先端部111Cの延在方向(図中のX方向)に対して直交する方向に沿って切断した断面である。また、線分LSは、一対の端子11C,12Cの中心CP1C,CP2C間を結んだ仮想上の線分であり、垂直二等分線VBは、当該線分LSの垂直二等分線である。
本実施形態では、上記のような配置を採用することにより、端子11C,12Cに伝わったコモンモードノイズを電磁波吸収層33Cによって吸収することができるので、通信コネクタ1CのLCTLを向上させることができる。
具体的には、図13に示すように、本実施形態の通信コネクタ1Cは、円筒状の電磁波吸収層を一対の端子に対して線対称及び点対称に配置していない比較例の通信コネクタ(すなわち、第1の端子と電磁波吸収層との間の距離と、第2の端子と電磁波吸収層との間の距離とのバランスが取れていない通信コネクタ)と比較して、LCTLを向上させることができ、当該通信コネクタ1Cに接続された機器へのノイズの伝達の抑制を図ることができる。また、比較例の通信コネクタは、一部の周波数でIEEE802.3bwを満たしていないのに対し、本実施形態の通信コネクタ1Cは、全ての周波数でIEEE802.3bwを満たしている。
この際、本実施形態では、電磁波吸収層33Cの断面形状が真円であるので、楕円の断面形状を有する電磁波吸収層と比較して、線分LSから電磁波吸収層33CまでのZ方向に沿った距離DS(図12参照)を長くすることができる。このため、一対の端子11C,12C間に形成される電界の主要部分を阻害しないので、電磁波吸収層33Cが一対の端子11C,12Cの周囲を全周に亘って囲んでも、ILの悪化を抑制することができる。
そして、本実施形態では、電磁波吸収層33Cが円形の断面形状を有していることで、当該電磁波吸収層33Cを構成するフェライトコアを容易に製造することができるので、通信コネクタ1Cの低コスト化を図ることができる。
なお、円筒状のフェライトコアに代えて、例えば、電磁波を吸収(抑制)することが可能な導電性ポリマ、磁性体、又は、導電体を含有した円筒状の樹脂部材を用いてもよい。或いは、上述した電磁波吸収層33Cに代えて、電磁波を反射することが可能な導電性ポリマ、磁性体、又は、導電体を含有した円筒状の樹脂部材や、電磁波を反射することが可能な円筒状のフェライトコアを用いてもよい。
そして、図9〜図12に示すように、リテーナ20Cと電磁波吸収層33Cがシールドケース40Cに挿入されている。シールドケース40Cは、例えば金属材料等の導電性を有する材料から構成されている。このシールドケース40Cは、略箱型の形状を有するベース部43と、当該ベース部43から先端側(−X方向側)に向かって突出する筒状部44と、を備えている。
ベース部43には、X方向に沿って当該ベース部43を貫通する収容孔431が形成されている。この収容孔431は、大径部432と小径部433を備えている。この大径部432と小径部433は、X方向に沿って同軸上に配置されており、小径部433が大径部432の先端側(−X方向側)に位置している。小径部433は大径部432の内径よりも小さな内径を有しており、小径部433と大径部432との間に段差434が形成されている。
大径部432は、電磁波吸収層33Cに対応した円形の断面形状を有しており、シールドケース40Cの背面42で開口している。円筒状の電磁波吸収層33Cがこの大径部432に挿入されており、当該電磁波吸収層33Cの先端が収容孔431の段差434に当接している。また、この大径部432の背面42側(+X方向側)の端部には切欠432aが形成されている。この切欠432aにリテーナ20Cの第2の部分22Cが挿入されることで、当該第2の部分22Cがベース部43の収容孔431内に収容されている。
一方、小径部433は、リテーナ20Cの第1の部分21Cに対応した長円形の断面形状を有している。リテーナ20Cの第1の部分21Cは、電磁波吸収層33Cの内孔331を貫通して、この小径部433に挿入されている。
また、このベース部43には、下方に向かって突出する突出片41が形成されている。特に図示しないが、この通信コネクタ1Cがプリント配線板に実装された際に、この突出片41がプリント配線板の取付孔に挿入されて半田接続によってグランド用配線パターンと接続されることで、シールドケース40Cがプリント配線板に固定される。
筒状部44は、長円形の断面形状を持つ筒状の形状を有しており、当該筒状部44の先端は、端子11C,12Cよりも先端側(図中の−X方向側)に位置している。リテーナ20Cの第1の部分21Cから突出している端子11C,12Cの先端部111Cは、シールドケース40Cの筒状部44の内面と間隔を空けた状態で、当該筒状部44内に位置している。このシールドケース40Cは、通信コネクタ1Cが相手方コネクタに嵌合した際に、当該相手方コネクタのシールドケースと接続される。
以上のように、本実施形態では、第1及び第2実施形態と同様に、電磁波吸収層33Cが一対の端子11C,12Cとシールドケース40Cとの間に介在していると共に、電磁波吸収層33Cが、垂直二等分線VBに対して線対称の位置に配置され、且つ、線分LSの中点MPに対して点対称の位置に配置されている。
このため、本実施形態では、端子11C,12Cに伝わったコモンモードノイズを電磁波吸収層33Cによって吸収することができるので、通信コネクタ1CのLCTLを向上させることができ、当該通信コネクタ1Cに接続された機器へのノイズの伝達の抑制を図ることができる。
なお、以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
例えば、特に図示しないが、第1実施形態で説明したようなケーブル用の通信コネクタに、第3実施形態の円筒状の電磁波吸収層を適用してもよい。
また、第3実施形態の通信コネクタ1Cにおいて、円筒状の電磁波吸収層33Cに代えて、或いは、当該電磁波吸収層33Cに加えて、端子11C,12Cの後端部112CとシールドケースB40Cとの間に円筒状の電磁波吸収層を介在させてもよい。
1,1B,1C…通信コネクタ
11,12,11B,12B,11C,12C…端子
111,111B,111C…先端部
112,112B,112C…後端部
113B,113C…中間部
20,20B,20C…リテーナ
21B,21C…第1の部分
22B,22C…第2の部分
23,23B,23C…貫通孔
24…背面
25…溝
31〜33,31B,32B,33C…電磁波吸収層
331…内孔
40,40B,40C…シールドケース
41…突出片
42…背面
43…ベース部
431…収容孔
432…大径部
432a…切欠
433…小径部
434…段差
44…筒状部
441…内孔
50,50B…カバー部材
60…通信ケーブル
61…ツイストペア電線
611,612…電線
613…導体
614…被覆層
62…シールド層
63…シース
70…プリント配線板
70a…主面
71…信用号配線パターン
72…グランド用配線パターン
73,74…取付孔
75,76…半田接続
AR,AR…領域
CP,CP、CP1B,CP2B,CP1C,CP2C…端子の中心
CP…電磁波吸収層の中心
LS,LS,LS…線分
MP,MP,MP…中点
PL,PL,PL1B,PL2B…平行直線
SP,SP…間隔
VB,VB,VB…垂直二等分線

Claims (8)

  1. 実質的に平行に配置された一対の端子と、
    前記一対の端子を囲むシールドケースと、
    前記一対の端子と前記シールドケースとの間に介在している介在層と、を備え、
    前記介在層は、前記一対の端子の中心間を結ぶ線分の垂直二等分線に対して線対称の位置に配置され、及び/又は、前記線分の中点に対して点対称の位置に配置されており、
    前記介在層は、電磁波を吸収し、又は、電磁波を反射する層である通信コネクタ。
  2. 請求項1に記載の通信コネクタであって、
    前記通信コネクタは、前記一対の端子を保持する保持部材をさらに備えており、
    前記介在層は、前記保持部材と前記シールドケースとの間に介在している通信コネクタ。
  3. 請求項1又は2に記載の通信コネクタであって、
    前記介在層は、前記一対の端子を囲む円形の断面形状を有しており、
    前記円形の断面形状の中心は、前記線分の中点と実質的に一致している通信コネクタ。
  4. 請求項1又は2に記載の通信コネクタであって、
    前記介在層は、前記垂直二等分線上に配置されていない通信コネクタ。
  5. 請求項4に記載の通信コネクタであって、
    前記介在層は、前記垂直二等分線に実質的に平行であり且つ前記中心をそれぞれ通過する一対の平行直線の間の領域に配置されていない通信コネクタ。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の通信コネクタであって、
    前記介在層は、前記垂直二等分線に対して線対称の位置に配置され、且つ、前記中点に対して点対称の位置に配置されている通信コネクタ。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の通信コネクタであって、
    前記介在層は、導電性ポリマを含む層、磁性体を含む層、又は、導電体を含む層である通信コネクタ。
  8. 請求項3に記載の通信コネクタであって、
    前記介在層は、円筒状のフェライトコアである通信コネクタ。
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