JP2020188689A - Toxic AGEs生成抑制剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、Toxic AGEs(タンパク質の糖化反応による終末糖化産物)の生成を抑える抑制剤の提供。【解決手段】下式で示されるケルセチン配糖体を含むToxic AGEs生成抑制剤。〔式中、R1およびR2は、それぞれ独立に糖類由来の構造である。〕【選択図】なし

Description

本発明は、Toxic AGEs生成抑制剤に関する。
アミノ酸と還元糖を加熱すると褐色の色素が生成する反応は、一般にメイラード反応と呼ばれ、食品の加熱中に起こる着色や、香り・風味の変化、保存期間中の栄養価低下に関わる反応であることから食品化学の領域で注目されてきた。1960年代にはメイラード反応は生体内でも起きており、糖尿病の進行に伴いタンパク質の糖化反応が進行することが明らかになった。その後、タンパク質の糖化反応による終末糖化産物(Advanced glycation end products、以下AGEsと称する)が、アルツハイマー病等の神経疾患や、癌の増殖、転移、浸潤、老化現象、高血圧、動脈硬化症などにも関与していることが明らかになり、これら疾患の発症、進展を抑制するため、種々のAGEs生成抑制剤が開発されてきた(例えば特許文献1、特許文献2)。
生体内でのAGEs生成経路の全貌は未だに明らかになっていないが、近年の研究により、グルコースとタンパク質から生成するだけでなく、グルコースの代謝中間体や分解物、メイラード反応中間体などからもAGEsが生成することがわかっている(非特許文献1)。さらに、AGEsは、防御的な意味合いで生成されると考えられるNon−Toxic AGEsと、実際に病気の原因となるToxic AGEs(以下、TAGEとも称する)に分類できることがわかってきた。構造が明らかにされたNon−Toxic AGEsとしては、カルボキシメチルリジン、ピラリン、ペントシジン、クロスリン、イミダゾロン等が知られ、これらの構造を認識する抗体が市販されていることから、生体内のAGEsを定量するための指標として広く用いられている。しかし、例えばカルボキシルメチルリジンは生体において糖化反応ではなく、脂質過酸化により生成することが明らかになっており、Non−Toxic AGEsを定量しても、生体の糖化の度合いを正確に評価しているとはいえない。
TAGEとしては、グルコースから生じたグリコールアルデヒドに由来するAGE(以下、GO−AGEという)、グルコースおよびフルクトースから生じるグリセルアルデヒドに由来するAGE(以下、GE−AGEという)、グルコース分解産物から生成するアセトアルデヒドに由来するAGE(以下、AA−AGEという)が知られている。これらのTAGEは、Non−Toxic AGEsとは異なって、非常に強い細胞障害性を示すだけでなく、RAGE(receptor for AGEs)を介して糖尿病血管合併症、心血管病、非アルコール性脂肪肝炎、がん、不妊症、アルツハイマー病などの多様な疾患に関与することが近年の研究により明らかにされている(非特許文献2)。中でもGE−AGEは毒性が強いこと、さらに清涼飲料や果物に多く含まれるフルクトース(果糖)からも生じることから、TAGEの中でも特に食生活と疾患の関連という観点から注目を集めている。
特開2017−66052号公報 特開2017−57163号公報
竹内正義、「生活習慣病におけるTAGE(toxic AGEs)病因説」、北陸大学紀要、2004年、第28号、p.33−48 竹内正義、「生活習慣病の発症・進展におけるToxic AGEs(TAGE)の関与」、金医大誌、2015年、第40号、p.95−103
本発明者らはTAGEの影響を抑えることが生活習慣病の発症、進展の予防や治療の戦略上重要であると考え、TAGEの生成を抑制し、さらには血中TAGE濃度を低下させる、または上昇を抑制することのできるTAGE生成抑制剤を提供することを本発明の課題とする。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討した。その結果、以下の構成を有することにより上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、例えば以下の〔1〕〜〔6〕に関する。
〔1〕式(1)で示されるケルセチン配糖体を含むToxic AGEs生成抑制剤。
・・・(1)
〔式(1)中、R1およびR2は、それぞれ独立に糖類由来の構造である。〕
〔2〕前記式(1)中、R1がラムノース由来の構造である、〔1〕に記載のToxic AGEs生成抑制剤。
〔3〕前記式(1)で示されるケルセチン配糖体がα−グルコシルルチンである、〔1〕または〔2〕に記載のToxic AGEs生成抑制剤。
〔4〕少なくともアルブミンまたはコラーゲン由来のToxic AGEsの生成を抑制する、〔1〕〜〔3〕いずれかに記載のToxic AGEs生成抑制剤。
〔5〕グリセルアルデヒド、アセトアルデヒド、およびグリコールアルデヒドから選択される少なくとも一つを由来とするToxic AGEsの生成を抑制する〔1〕〜〔4〕いずれかに記載のToxic AGEs生成抑制剤。
〔6〕〔1〕〜〔5〕いずれかに記載のToxic AGEs生成抑制剤を含む飲食品、医薬品、医薬部外品または化粧品。
本発明によれば、TAGEの生成を抑制するToxic AGEs生成抑制剤を提供できる。
図1は、ヒト血清アルブミン(HSAとも記す。)とグリセルアルデヒドを用いたin vitro試験系において、α−グルコシルルチンのGE−AGEの生成抑制効果を示すグラフである。 図2は、ヒト血清アルブミンとアセトアルデヒドを用いたin vitro試験系において、α−グルコシルルチンのAA−AGEの生成抑制効果を示すグラフである。 図3は、ヒト血清アルブミンとグリコールアルデヒドを用いたin vitro試験系において、α−グルコシルルチンのGO−AGEの生成抑制効果のヒト血清アルブミン濃度依存性を示すグラフである。 図4は、ヒト血清アルブミンと10mMグリコールアルデヒドを用いたin vitro試験系において、α−グルコシルルチンのGO−AGEの生成抑制効果のヒト血清アルブミン濃度依存性を示すグラフである。 図5は、ヒト血清アルブミンと30mMグリコールアルデヒドを用いたin vitro試験系において、α−グルコシルルチンのGO−AGEの生成抑制効果のヒト血清アルブミン濃度依存性を示すグラフである。 図6は、0.2%ヒト血清アルブミンとグリコールアルデヒドを用いたin vitro試験系において、α−グルコシルルチンのGO−AGEの生成抑制効果のグリコールアルデヒド濃度依存性を示すグラフである。 図7は、0.5%ヒト血清アルブミンとグリコールアルデヒドを用いたin vitro試験系において、α−グルコシルルチンのGO−AGEの生成抑制効果のグリコールアルデヒド濃度依存性を示すグラフである。 図8は、コラーゲンとグリセルアルデヒドを用いたin vitro試験系において、αグルコシルルチンのGE−AGEの生成抑制効果を示すグラフである。 図9は、α−グルコシルルチンを配合した試験食品を摂取した被験者A、B、C、Dにおける、血中TAGE濃度の変化を示すグラフである。 図10は、α−グルコシルルチンを配合した試験食品を摂取した被験者E、F、G、Hにおける、血中TAGE濃度の変化を示すグラフである。 図11は、α−グルコシルルチンを配合した試験食品を摂取した被験者I、J、K、Lにおける、血中TAGE濃度の変化を示すグラフである。 図12は、α−グルコシルルチンを配合した試験食品を摂取した被験者12名の平均血中TAGE濃度の変化を示すグラフである。
次に本発明のToxic AGEs生成抑制剤について具体的に説明する。なお、Toxic AGEs生成抑制剤を、TAGE生成抑制剤とも記す。
本発明のToxic AGEs生成抑制剤は、式(1)で示されるケルセチン配糖体を含む。
・・・(1)
〔式(1)中、R1およびR2は、それぞれ独立に糖類由来の構造である。〕
〈ケルセチン配糖体〉
式(1)で表されるケルセチン配糖体は、ポリフェノールの一種であるケルセチンの3位の水酸基にグルコースがβ結合し、前記グルコースの4位および5位の水酸基に糖類が結合した化合物である。式(1)で表されるケルセチン配糖体としては、1種のケルセチン配糖体のみで用いてもよく、複数種のケルセチン配糖体の混合物を用いてもよい。また、TAGE生成抑制剤は、本発明の効果を損なわない範囲で前記ケルセチン配糖体以外の成分(その他の成分)を含んでもよく、例えばイソケルシトリン(イソケルセチン)、ケルセチン、ルチン等を含んでもよい。
〈R1およびR2
式(1)中のR1およびR2は、それぞれ独立に糖類由来の構造である。糖類由来の構造としては、通常は糖類の有する複数のOH基のうち、一つが脱離した構造が挙げられる。前記糖類としては例えば、グルコース、ラムノース、フルクトース、マンノース、ガラクトース等のヘキソース、キシロース、アラビノース等のペントース等の単糖類、スクロース、ラクトース、プリメベロース、ゲンチオビオース、ルチノース、ストロファントビオース、セロビオース、アミロース、アミロペクチン、セルロース等の多糖類、エリスリトール、キシリトール等の糖アルコール、あるいはそれらの誘導体を用いることができる。原料の入手容易性や反応効率、ケルセチン配糖体の安定性、TAGE生成抑制効果の観点から、R1およびR2は単糖または多糖であることが好ましい。R1はラムノース由来の構造であることが好ましい。また、R2はグルコース由来の構造またはアミロース由来の構造であることが好ましい。
原料の入手容易性や反応効率、ケルセチン配糖体の安定性、TAGE生成抑制効果の観点から、R1がラムノース由来の構造である場合は、前記ケルセチン配糖体は式(1−1)で示されるものが好ましい。
・・・(1−1)
〔式(1−1)中、R2は糖類由来の構造である。〕
原料の入手容易性や反応効率、ケルセチン配糖体の安定性、TAGE生成抑制効果の観点から、R2がグルコース由来の構造またはアミロース由来の構造である場合は、前記ケルセチン配糖体は式(1−2)で示されるものがより好ましい。なお、アミロースは、グルコースがα1→4結合により結合した多糖である。
・・・(1−2)
〔式(1−2)中、R1は糖類由来の構造である。また、nは1以上の整数である。〕
原料の入手容易性や反応効率、ケルセチン配糖体の安定性、TAGE生成抑制効果の観点から、式(1−2)中、n=1、またはn=2〜20が好ましく、n=1、またはn=2〜10がより好ましく、n=1がさらに好ましい。
原料の入手容易性や反応効率、ケルセチン配糖体の安定性、TAGE生成抑制効果の観点から、前記ケルセチン配糖体は式(1−3)で示されるものが特に好ましい。
・・・(1−3)
原料の入手容易性や反応効率、ケルセチン配糖体の安定性、TAGE生成抑制効果の観点から、式(1−3)中、n=1、またはn=2〜20が好ましく、n=1、またはn=2〜10がより好ましく、n=1がさらに好ましい。
式(1−3)のケルセチン配糖体は総称して、α−グルコシルルチンとも呼ばれる。また、α−グルコシルルチンの中でも、式(1−3)中、n=1であるケルセチン配糖体は、α−モノグルコシルルチンとも呼ばれる。
式(1)で表されるケルセチン配糖体としては、α−モノグルコシルルチンが主成分であることが好ましく、式(1)で表されるケルセチン配糖体中として、α−モノグルコシルルチンが50〜100質量%含まれることがより好ましく、65〜85質量%含まれることがさらに好ましい。
前記糖に含まれている水酸基は、他の基により修飾されていてもよい。
〈ケルセチン配糖体の製造方法〉
前記ケルセチン配糖体は、天然物由来のものでもよく、合成品であってもよい。天然物を原料とする場合には、原料となる動植物から、公知の抽出方法によって得られる抽出物をそのまま用いてもよく、さらに分離精製を行ってもよい。
前記ケルセチン配糖体が合成品である場合には、原料となる化合物は制限されず、公知の手法を用いて製造することができ、未反応の原料や副生成物、不純物を含んでもよい。前記ケルセチン配糖体は、原料の入手容易性や反応効率、ケルセチン配糖体の安定性、TAGE生成抑制効果の観点からケルセチン、イソケルシトリンまたはルチンに糖類を結合させて製造することが好ましく、ルチンに糖類を結合させることがさらに好ましい。また、糖類を結合させた後、糖類の結合を特異的に切断し、目的とする分子種のケルセチン配糖体を得ることがより好ましい。糖類の結合または切断には、例えば酵素法、有機化学的な方法や生物変換による方法等を用いることができるが、原料のケルセチン、イソケルシトリンまたはルチンに1種または複数の酵素を作用させることが好ましく、特許第2816030号公報に記載の酵素処理がさらに好ましい。
上記特許第2816030号公報に記載の酵素処理について概説すれば、以下の通りである。(1)糖供与体の共存下でルチンに糖転移酵素を作用させ、ルチンのグルコース単位にα-1,4結合によりグルコースを付加することにより、α−グルコシルルチンが生成し、未反応のルチンとα−グルコシルルチンを含有する組成物が得られる。(2)上記(1)により生成したα−グルコシルルチンにグルコアミラーゼ等を作用させ、ルチンのグルコース単位に結合しているグルコース鎖から1分子だけを残して他のグルコースを切断することにより、α−モノグルコシルルチンが生成し、未反応のままのルチンとα−モノグルコシルルチンを含有する組成物が得られる。(3)未反応のままのルチンにα-L-ラムノシダーゼを作用させ、ルチンのルチノース単位に含まれるラムノースを切断することによりイソケルシトリンが生成し、イソケルシトリンとα−モノグルコシルルチンを含有する組成物が得られる。
前記酵素処理は、目的とするToxic AGEs生成抑制剤の態様に合わせて、組み合わせ、順番等を適宜調整することが可能である。また、複数種の酵素を同時に添加することで、1つの工程で複数の酵素反応を並行して進める態様であってもよい。また、このような酵素処理工程の後にまたはその途中に、必要に応じてその他の処理を行ってもよい。例えば、沈殿物を除去するための濾過処理、沈殿物が生じない程度の濃縮処理、イオン交換樹脂を用いた脱塩処理、その他の夾雑物を除去するための精製処理、さらにこれらの液状物から固形物を調製するための乾燥または凍結乾燥処理などが挙げられる。
上述のような製造方法により得られる組成物は「酵素処理ルチン」として一般的に製造販売されており、本発明ではそのような商品を使用することができる。例えば、東洋精糖(株)製の商品「αGルチンPS」は、α−モノグルコシルルチン75質量%、イソケルシトリン15質量%を含有する組成物である。また、同じく東洋精糖(株)製の商品「αGルチンP」は、α−グルコシルルチン70質量%、ルチン15質量%を含有する組成物である。
〈Toxic AGEs〉
本発明におけるToxic AGEsは、グリセルアルデヒド、アセトアルデヒド、またはグリコールアルデヒドに由来するAGEsである。
グリセルアルデヒドに由来するAGE(GE-AGE)とは、グリセルアルデヒドとタンパク質が反応して生成されるAGEである。生体内において、グリセルアルデヒドが生じる経路は、全ては明らかになってはいないが、例えば、グルコースが解糖系において代謝されて生じるグリセルアルデヒド3−リン酸を経てグリセルアルデヒドを生じる経路、フルクトースがフルクトース1−リン酸を経てグリセルアルデヒドを生じる経路等があげられる。GE-AGEを検出する方法は制限されないが、例えば、グリセルアルデヒドと血清アルブミンを反応させて生成されたGE-AGEを実験動物に免疫して得られたGE-AGE特異的な抗体を用いて行うELISA等である。
アセトアルデヒドに由来するAGE(AA-AGE)は、アセトアルデヒドとタンパク質が反応して生成されるAGEである。生体内において、アセトアルデヒドが生じる経路は、全ては明らかになってはいないが、例えば、グルコース分解産物から生成する経路等があげられる。AA-AGEを検出する方法は制限されないが、例えば、アセトアルデヒドと血清アルブミンを反応させて生成されたAA-AGEを実験動物に免疫して得られたAA-AGE特異的な抗体を用いて行うELISA等である。
グリコールアルデヒドに由来するAGE(GO-AGE)は、グリコールアルデヒドとタンパク質が反応して生成されるAGEである。生体内において、グリコールアルデヒドが生じる経路は、全ては明らかになってはいないが、例えば、グルコースとタンパク質から生じたシッフ塩基を経る経路や、活性化されたリンパ球系細胞においてミエロペルオキシダーゼを介してセリンから生成される経路等があげられる。GO-AGEを検出する方法は制限されないが、例えば、グリコールアルデヒドと血清アルブミンを反応させて生成されたGO-AGEを実験動物に免疫して得られたGO-AGE特異的な抗体を用いて行うELISA等である。
<TAGE生成の由来となるタンパク質>
TAGE生成の由来となるタンパク質は、そのすべてが判明しているわけではないが、心臓、脳、皮膚等の臓器、毛髪等の付属器や血液等に存在するタンパク質、すなわち生体に存在するすべてのタンパク質が由来になると考えられる。組成によって分類すれば、アミノ酸のみで構成される単純タンパク質だけでなく、糖タンパク質、リポタンパク質、リンタンパク質、核タンパク質、金属タンパク質など、アミノ酸以外の成分を含む複合タンパク質、ゼラチンやペプトン等の誘導タンパク質も含む。機能によって分類すれば、例えば、Gタンパク質等の膜タンパク質、血清アルブミン等の輸送タンパク質、コラーゲン、エラスチン等の構造タンパク質、アクチン等の運動タンパク質グロブリン等の抗体タンパク質、酵素タンパク質、色素タンパク質、結合タンパク質、受容体タンパク質などが挙げられる。
本発明のToxic AGEs生成抑制剤は、皮膚または血液に存在するタンパク質、構造タンパク質、または輸送タンパク質由来のToxic AGEsの生成を阻害することが好ましく、少なくともアルブミンまたはコラーゲン由来のToxic AGEsの生成を阻害することがさらに好ましい。
〈Toxic AGEs生成抑制剤〉
本発明におけるToxic AGEs生成抑制剤とは、TAGEの生成を抑制する作用を有する成分を含む剤をいい、式(1)で示されるケルセチン配糖体を含んでいる。
より具体的にはGE-AGE、AA-AGE、またはGO-AGEの生成を抑制する作用を有する成分を含む剤をいう。
TAGEの中でもGE-AGEは毒性が強く、疾病の発症、進展とも強く関連していることから、本発明のToxic AGEs生成抑制剤はGE-AGEの生成を抑制する作用を有することが好ましい。すなわち、本発明のToxic AGEs生成抑制剤は、GE-AGE生成抑制剤であることが、好ましい態様の一つである。
本発明におけるAGEs生成抑制作用の評価方法は、有効成分によってAGEs生成が抑制される作用の有無が判断できれば特に制限されない。例えば、文献「J Biol Chem 272:8723−8730、1997」に記載の蛍光強度による評価方法、文献「Diabetes Care 35:2618−2625、2012」に記載のELISA法等が挙げられる。実験操作が簡便であることから、蛍光強度による評価方法が好ましい。
<Toxic AGEs生成抑制剤の配合>
本発明のToxic AGEs生成抑制剤は、前記ケルセチン配糖体を含むものであればよく、前記ケルセチン配糖体のみからなるものであってもよいし、前記ケルセチン配糖体によるTAGE生成抑制効果を妨げない限り、さらに賦形剤、安定化剤や湿潤剤や乳化剤等の公知の任意成分を含有してもよい。
Toxic AGEs生成抑制剤に含まれる前記ケルセチン配糖体の割合は特に限定されない。例えば、本発明のToxic AGEs生成抑制剤が含む、前記ケルセチン配糖体の含有量の下限としては例えば、30質量%、40質量%、45質量%、50質量%、60質量%、70質量%が挙げられる。また、本発明のToxic AGEs生成抑制剤が含む、前記ケルセチン配糖体の含有量の上限としては例えば、100質量%、99質量%、98質量%、95質量%、90質量%、85質量%が挙げられる。本発明のToxic AGEs生成抑制剤が含む、前記ケルセチン配糖体の含有量の範囲としては、前記下限と上限とを任意に組み合わせた範囲を任意に設定することができ、例えば30〜100質量%、60〜100質量%、60〜90質量%等の範囲を設定することができる。
ケルセチン配糖体を含むToxic AGEs生成抑制剤としては、例えば、以下の市販品をあげることができる。東洋精糖(株)製の商品「αGルチンPS」は、α−モノグルコシルルチン75質量%、イソケルシトリン15質量%を含有する組成物である。また、同じく東洋精糖(株)製の商品「αGルチンP」は、α−グルコシルルチン70質量%、ルチン15質量%を含有する組成物であり、これら商品をToxic AGEs生成抑制剤として使用することができる。
<Toxic AGEs生成抑制剤の用途>
Toxic AGEs生成抑制剤は、GE-AGE、AA-AGE、およびGO-AGEの生成を抑制する作用を有するので、例えば、生体におけるTAGE量を低下、または増加を抑制する目的で、単回または複数回生体に投与することができる。
Toxic AGEs生成抑制剤は、血清アルブミンを対象としてGE-AGE、AA-AGE、およびGO-AGEの生成を抑制する作用を有する。また、ヒトへの長期間にわたる継続的な経口投与により血中TAGE濃度を低下、または増加を抑制させる効果を有する。したがって、前記Toxic AGEs生成抑制剤は、血中TAGE濃度の増加に起因する疾病の予防または改善に有用であり、例えば、糖尿病、心血管病、非アルコール性脂肪肝炎、がん、不妊症、アルツハイマー病等の発症、進展の予防に寄与する。
Toxic AGEs生成抑制剤は、コラーゲンを対象としてGE-AGEの生成を抑制する作用を有する。したがって、前記Toxic AGEs生成抑制剤は、コラーゲンのTAGE量増加に起因する疾病の予防または改善に有用であり、例えば、皮膚の老化、動脈硬化症、骨粗鬆症、骨強度低下、変形性関節症等の発症、進展の予防に寄与する。
Toxic AGEs生成抑制剤の投与量は、TAGE生成が関与する疾患の種類や症状の程度によって適宜選択すればよい。例えば、前記Toxic AGEs生成抑制剤を経口投与する場合は、TAGE生成抑制効果の観点から前記ケルセチン配糖体として一日あたり50mg〜600mgが好ましく、100mg〜300mgがさらに好ましい。また、前記一日あたり投与量を、例えば1日あたり1〜3回にわけて投与することができ、2または3回にわけて投与するのが好ましい。
Toxic AGEs生成抑制剤の投与期間は、TAGE生成が関与する疾患の種類や症状の程度によって適宜選択すればよい。TAGE生成抑制効果の観点から、好ましくは7〜80日、より好ましくは14日〜60日である。
Toxic AGEs生成抑制剤は、ヒトに少量を投与することで、TAGE生成を効率良く抑制することができる。TAGE生成が関与する疾患の種類や症状の程度にもよるが、前記効果は、特に血中のTAGE濃度が例えば20μg/mL以上、より好ましくは25μg/mLであるヒトに対して効果を発揮する。
<Toxic AGEs生成抑制剤を含む製剤>
Toxic AGEs生成抑制剤は、そのまま生体に投与してもよいし、前記Toxic AGEs生成抑制剤の有効量を薬学的に許容する担体とともに配合した製剤として投与してもよい。投与方法は特に制限されず、経口、または非経口とすることができる。製剤としては、例えば、飲食品、医薬品、医薬部外品、化粧品、飼料、ペットフードが挙げられ、飲食品、医薬品、医薬部外品、または化粧品が好ましい。
経口の場合、前記製剤は、飲食品(特定保健用食品、栄養機能食品、機能性表示食品等の保健機能食品や、その他のいわゆる健康食品やサプリメントを含む。)、医薬品、医薬部外品、飼料、ペットフード等であってもよい。前記製剤は、TAGE生成抑制効果を効果的に発現させるために、医薬品、医薬部外品または飲食品として経口投与することが好ましい。
非経口の場合、前記製剤は、注射剤、皮膚外用剤、坐剤等の医薬品、医薬部外品、または化粧品とすることができ、TAGE生成抑制効果を効果的に発現させるために、皮膚外用剤、医薬部外品、または化粧品とすることが好ましい。
前記製剤は、固形または液状(ペースト状を含む)にすることができる。剤形は制限されず、具体的には、固形製剤として、粉末剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤、トローチ等が挙げられる。また、液状製剤として内用液剤、外用液剤、懸濁剤、乳剤、シロップ剤、ドリンク剤、注射液、輸液等が例示され、これら剤形やその他の剤形が目的に応じて適宜選択される。投与が容易で、TAGE生成抑制効果を発揮しやすいことから、錠剤、またはカプセル剤とするのが好ましい。
固形製剤においては賦形剤、結合剤、崩壊剤、潤沢剤、矯味剤、安定化剤などの補助剤を用いてもよい。固形製剤における賦形剤の好適な例としては、例えば乳糖、D−マンニトール、デンプンなどが挙げられる。結合剤の好適な例としては、例えば、結晶セルロース、白糖、D−マンニトール、糖アルコール、デキストリン、ヒドロキシプロピルセルロース等が挙げられる。崩壊剤の好適な例としては、例えば、デンプン、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム等が挙げられる。潤沢剤の好適な例としては、例えばステアリン酸カルシウム等が挙げられる。
液状製剤において、溶媒としては有効成分である前記ケルセチン配糖体を溶解させることができ、生体安全性が高いものが選択される。溶媒の好適な例としては、例えば、精製水、エタノール、プロピレングリコールなどが挙げられる。また、液状製剤は、溶解補助剤、懸濁剤、等張化剤、緩衝剤、抗酸化剤等の補助成分を含んでいてもよい。
前記製剤は、前記固形製剤、前記液状製剤の他にも、例えば、果実飲料、ウーロン茶、緑茶、紅茶、ココア、野菜ジュース、青汁、豆乳、乳飲料、乳酸飲料、ニアウォーター、スポーツドリンク、栄養ドリンク等の飲料類、ゼリー、プリン、ヨーグルト等の洋菓子類、和菓子、調味料、魚肉加工品、畜産加工品等の飲食品;乳液、美容液、ローション、クリーム、パック、ファンデーション、化粧下地、口紅、洗顔料、シャンプー、ヘアトニック等の医薬品、医薬部外品または化粧品であってもよい。
上記Toxic AGEs生成抑制剤を含む製剤は、これらの製剤について一般的に用いられている手法に従って前記Toxic AGEs生成抑制剤を添加することにより製造することができる。前記Toxic AGEs生成抑制剤は、製剤の製造工程の初期に添加されるか、製造工程の中期または終期に添加されればよく、また添加の手法は、混和、混練、溶解、浸漬、散布、噴霧、塗布等から適切なものを製剤の態様に応じて選択すればよい。
前記Toxic AGEs生成抑制剤の有効成分である前記ケルセチン配糖体は、水溶性が良好であるため、水または水分の多い製剤に添加する際も、均一に溶解または分散させることが可能である。
前記Toxic AGEs生成抑制剤の製剤への配合量は、TAGE生成が関与する疾患の種類や症状の程度によって適宜選択すればよいが、投与の容易性や製剤中での安定性の観点から前記ケルセチン配糖体として、20〜60質量%が好ましく、30〜50質量%がさらに好ましい。
以下、本発明を実施例に基づいて更に具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。
[実施例1]アルブミンを対象としたGE−AGE生成試験
(方法)
ケルセチン配糖体によるTAGE阻害作用の評価は、生成したTAGEの蛍光強度を測定する方法で行った。
0.2Mリン酸水素二カリウム溶液と0.1Mリン酸二水素カリウム溶液を混合して調製したリン酸カリウム緩衝液(pH7.4)に、ヒト血清アルブミン(和光純薬工業社製、終濃度0.5%)3mLとグリセルアルデヒド(ナカライテスク社製、終濃度10mM)3mLを添加し、混合した。この混合液(ブランク)に、ケルセチン配糖体としてαGルチンPS(東洋精糖社製)3mL(溶媒:リン酸カリウム緩衝液)を終濃度が30ppm、60ppm、120ppmとなるように添加混合した。これらのサンプルを振盪機にセットし、10日間37℃でインキュベーションした。3日目と10日目にサンプルを1.0mL採取し、40%トリクロロ酢酸0.33mLを加えてタンパク質を凝固させた後、遠心分離して上澄み液を除去した。沈殿したタンパク質をリン酸カリウム緩衝液で溶解して測定用サンプルとした。測定用サンプルはマイクロプレートにN=4で分注し、蛍光プレートリーダー(モレキュラーデバイスジャパン社製)を用い、励起波長370nmで440nmの蛍光強度を測定した。αGルチンPSを添加していないサンプル(ブランク)の蛍光強度を100として、各サンプルのTAGE生成率(%)を算出した。なお、グリセルアルデヒドを終濃度で10mM、30mM、50mM、ヒト血清アルブミンを終濃度で0.2%、0.5%とした予備試験を行い、最適な試験条件を検討した上で、上記の本試験を行った。
(結果)
結果を図1に示す。3日目、10日目においてαGルチンPSの濃度依存的にTAGEの生成率が低くなっており、αGルチンPSはGE−AGEの生成抑制効果を有することがわかる。
[実施例2]アルブミンを対象としたAA−AGE生成試験
(方法)
グリセルアルデヒドの代わりにアセトアルデヒド(ナカライテスク社製、終濃度50mM)を用いた以外は、実施例1と同様にして試験を行った。なお、アセトアルデヒドを終濃度で10mM、30mM、50mM、ヒト血清アルブミンを終濃度で0.2%、0.5%とした予備試験を行い、最適な試験条件を検討した上で、上記の本試験を行った。
(結果)
結果を図2に示す。3日目、10日目においてαGルチンPSの濃度依存的にTAGEの生成率が低くなっており、αGルチンPSはAA−AGEの生成抑制効果を有することがわかる。
[実施例3]アルブミンを対象としたGO−AGE生成試験
(方法)
グリセルアルデヒドの代わりにグリコールアルデヒド(ナカライテスク社製、終濃度10mM、または30mM)を用い、ヒト血清アルブミンの終濃度を0.2%または0.5%の2点とした以外は、実施例1と同様にして試験を行った。
(結果)
グリコールアルデヒド10mM、ヒト血清アルブミン0.5%での結果を図3に示す。また、グリコールアルデヒド10mMでの結果を図4、グリコールアルデヒド30mMでの結果を図5に示す。さらに、ヒト血清アルブミン0.2%での結果を図6、ヒト血清アルブミン0.5%での結果を図7に示す。
図4、5より、3日目、10日目においてヒト血清アルブミンの濃度が高いほど、TAGE生成率は高くなる傾向にあり、TAGE生成は、ヒト血清アルブミン濃度依存的であることがわかる。また、αGルチンPSの濃度依存的にTAGEの生成率が低くなっており、αGルチンPSはGO−AGEの生成抑制効果を有することがわかる。
図6、7より、3日目、10日目においてグリコールアルデヒドの濃度が高いほど、TAGE生成率は高くなっており、TAGE生成は、グリコールアルデヒド濃度依存的であることがわかる。また、αGルチンPSの濃度依存的にTAGEの生成率が低くなっており、αGルチンPSはGO−AGEの生成抑制効果を有することがわかる。
[実施例4]コラーゲンを対象としたGE−AGE生成試験
(方法)
コラーゲン抗糖化アッセイキットグリセルアルデヒド(コスモバイオ社製、NO.AK−71)を用いて、糖化したコラーゲンが発する蛍光(励起波長370nm、蛍光波長440nm)を指標として、GE−AGE生成を評価した。コラーゲンゲルに緩衝液、緩衝液に溶解したαGルチンPS、または緩衝液に溶解したアミノグアニジンを添加した後、グリセルアルデヒドを終濃度50mMで添加し、37℃のインキュベーター中に24時間静置してから蛍光プレートリーダー(モレキュラーデバイスジャパン社製)にて蛍光強度を測定した。測定した蛍光強度から反応0時間での蛍光強度を差し引いて、糖化度とした。なお、アミノグアニジンは、AGE生成抑制効果を有することが広く知られており、AGE生成抑制効果のポジティブコントロールとして用いた。
(結果)
結果を図8に示す。αGルチンPS、およびアミノグアニジンの濃度依存的に糖化度が低くなっており、αGルチンPS、およびアミノグアニジンはGE−AGE生成抑制効果を有することがわかる。また、αGルチンPSは、同一濃度で比較するとアミノグアニジンよりもGE−AGE生成抑制効果に優れることが分かる。
[実施例5]試験食品摂取によるヒト試験
(方法)
30歳以上65歳未満の男性12人を対象に、αGルチンPSを配合した試験食品を8週間摂取させて、血中TAGE濃度の変化を調べた。なお、試験はヘルシンキ宣言に基づく倫理的原則、「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」および「個人情報の保護に関する法律」を遵守し、試験の参加について被験者本人の自由意思に基づいた同意を文書により取得した上で実施した。
〔試験食品〕
試験食品としてはαGルチンPS錠(東洋精糖社製)を用いた。本試験食品は200mg/粒の錠剤であり、1回3粒を1日1回摂取させた。本試験食品の組成を以下に示す。
(組成)
αGルチンPS 50.0%
結晶セルロース 25.0%
糖アルコール 23.0%
ステアリン酸カルシウム 2.0%
合計 100.0%
〔被験者〕
被験者は、30歳以上65歳未満の男性12人とし、以下の除外基準に該当する者を除いて選定した。
1.現在、重篤な疾患により投薬または通院治療を行っている者
2.試験食品にアレルギー発症のおそれがある者
3.試験に影響を及ぼす可能性のある薬剤を使用している者
4.極端な偏食をしている者
5.食事、睡眠などの生活習慣が極度に不規則な者
6.現在、他の臨床試験に参加している、もしくは過去3か月以内に他の治験に参加した者
7.その他、試験責任医師が試験の対象として不適当と判断した者
〔試験手順〕
試験は非盲検試験とし、試験食品摂取前、摂取2週間後、4週間後、8週間後に被験者に来院してもらい、医師の監督のもと、身長、体重、血圧、脈拍の測定および採血を行った。
〔測定方法〕
血液中の各測定項目は、常法により測定した。
血中TAGE濃度は、採血で得られた血液から血清を分離し、ELISA法で測定後、Glycerylaldehyde−AGE−BSAを標準物質として濃度を求めた。
(結果)
身長、体重、血圧、脈拍数の12名の平均値と標準誤差を表1に示す。また、血液検査結果の12名の平均値と標準誤差を表2に示す。
表1より、体重、BMI、血圧、脈拍に有意な差はなかった。表2より、各種血液検査値の中で、有意差、または有意傾向のある変化は、LDL−コレステロール値の上昇と、TAGE値の減少のみであった。血中TAGE濃度は、摂取開始時に比べ、2週後、4週後、8週後において減少する傾向にあった。
12名の各被験者における血中TAGE濃度の変化を表3に示す。また、表3をグラフ化したものを図9(被験者A、B、C、D)、図10(被験者E、F、G、H)、図11(被験者I、J、K、L)、図12(被験者12名の平均値)に示す。
表3、図12において、摂取開始時に比べ、試験食品摂取後は平均血中TAGE濃度が減少する傾向にあり、特に摂取4週間後においては有意に血中TAGE濃度が低下している。このことから、αGルチンPSには血中TAGE濃度を低下、または上昇を抑制する効果があることがわかった。また、摂取開始時の血中TAGE濃度が特に高い被験者E、被験者H、被験者Iにおいて、試験食品摂取により血中TAGE濃度が大きく低下していた。αGルチンPSによる効果は、血中TAGE濃度が高い場合にその効果が現れやすいものと推測された。

Claims (6)

  1. 式(1)で示されるケルセチン配糖体を含むToxic AGEs生成抑制剤。
    ・・・(1)
    〔式(1)中、R1およびR2は、それぞれ独立に糖類由来の構造である。〕
  2. 前記式(1)中、R1がラムノース由来の構造である、請求項1に記載のToxic AGEs生成抑制剤。
  3. 前記式(1)で示されるケルセチン配糖体がα−グルコシルルチンである、請求項1または請求項2に記載のToxic AGEs生成抑制剤。
  4. 少なくともアルブミンまたはコラーゲン由来のToxic AGEsの生成を抑制する、請求項1〜3いずれか1項に記載のToxic AGEs生成抑制剤。
  5. グリセルアルデヒド、アセトアルデヒド、およびグリコールアルデヒドから選択される少なくとも一つを由来とするToxic AGEsの生成を抑制する請求項1〜4いずれか1項に記載のToxic AGEs生成抑制剤。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のToxic AGEs生成抑制剤を含む飲食品、医薬品、医薬部外品または化粧品。
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