JP2020187015A - 食品中の抗原の定量方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】食材又はその加工品中に多量に含有される食物アレルゲンのような抗原を、微量タンパク質の高感度検知用に作られた市販のELISAキットを用いて簡便かつ正確に定量する方法を提供する。【解決手段】本発明の食品中の抗原の定量方法は、食品中の抗原の定量方法であって、以下の工程:前記食品を含む試料を粉体希釈剤と混合して希釈剤混合物を得る工程、及び前記希釈剤混合物中の抗原の量を免疫学的方法で測定する工程を含み、前記粉体希釈剤の嵩密度が0.40g/mL以上であることを特徴とする。【選択図】図2

Description

本発明は、食品中の抗原の定量方法に関し、より詳細には食品試料に特定の前処理を行った後に免疫学的方法で測定する方法に関する。
食物アレルギーを引き起こす食品素材として、卵、乳、小麦、大豆、蕎麦、落花生等が周知である。特に皮膚のかゆみ、下痢、腹痛、アナフィラキシーショックといった重篤な臨床症状を引き起こす7品目(卵、乳、小麦、蕎麦、落花生、エビ及びカニ)は、特定原材料としての表示が食品衛生法により義務づけられている。その他の20品目(大豆、あわび、いか、いくら、オレンジ、キウイフルーツ、牛肉、くるみ、さけ、さば、鶏肉、豚肉、まつたけ、もも、やまいも、りんご、ゼラチン、バナナ、ごま、及びカシューナッツ)は、特定原材料に準ずるものとしてアレルギー表示の推奨品目とされている。本明細書では、上記特定原材料及び上記特定原材料に準ずるものを特定原材料等という。
特定原材料等を含む食品の食物アレルゲン検査は、基本的に「アレルギー物質を含む食品の検査方法の改良法の評価に関するガイドライン」(非特許文献1)に沿って行われる。特許文献1は、大豆アレルゲンやごまアレルゲンを測定するためのイムノクロマト法及び検出キットを開示する。この方法は、食物アレルゲンのモノクローナル抗体に金コロイドを結合した金コロイド標識抗体と、前記金コロイド標識抗体と異なるエピトープを認識するモノクローナル抗体が固定された展開支持体と、被検試料から抽出したアレルゲンと、展開液とを用い、展開液を展開支持体に展開させた後、金コロイドの集積の有無により大豆アレルゲンを検出する。モノクローナル抗体は非特異的反応を抑えられるものの、大豆アレルゲンのように多種類の抗原が存在する場合にはそれらに応じたモノクローナル抗体を用意する必要がある。また、モノクローナル抗体が知られていない抗原を定量したい場合にモノクローナル抗体の取得のために多大な労力と費用がかかる。したがって、特許文献1のような技術を食物アレルゲンに広く適用することは容易でない。
非特許文献2では、大豆アレルゲンの一種である7Sグロブリン(別名「β-コングリシニン」とも呼ばれる)の3つのサブユニットに対する混合抗体を用いた直接ELISAによって各種大豆やその加工食品中の7Sグロブリンを測定した。直接ELISAは、定量性や特異性に乏しいといわれている。
サンドイッチELISAは、直接ELISAに比べて特異性や定量性に優れた免疫学的方法である。特許文献2及び3には、上記特定原材料等に由来する食物アレルゲン(卵白アルブミン、乳β−ラクトグロブリン/カゼイン、小麦グリアジン、落花生Arah2コンポーネント、大豆7Sグロブリン、蕎麦13Sグロブリン等)をそれぞれ検出するための市販のサンドイッチELISAキットの使用例が報告されている。これらのキットは、固定化抗体及び標識化抗体ともにポリクローナル抗体を使用する。
上記の市販のサンドイッチELISAキットは、加工食品が意図的又は非意図的に含有する微量の食物アレルゲンを高感度に検知する目的で開発されており、免疫学的測定法のレンジが極めて狭い。例えば、大豆タンパク質(7Sグロブリン)測定用の市販のサンドイッチELISAキットの定量範囲は、およそ1〜20μg/gである。このサンドイッチELISAキットを用いて、7Sグロブリン濃度がmg/gオーダーの大豆加工食品(凍り豆腐や豆乳)を測定しようとすると、測定値が測定キットの検量線に入るようにサンプル抽出液を何段階にも希釈する必要があった。サンプル抽出液の希釈回数の増大は、測定誤差を大きくする一要因となっていた。
食物アレルゲンのような抗原は、複数のエピトープが存在する。ポリクローナル抗体がこれらのエピトープを検出すると、抗原がポリクローナル抗体を介して連鎖的に架橋し、その結果、測定シグナルが上昇し易い。特に、大豆アレルゲンや蕎麦アレルゲンのように食物アレルゲンが特定原材料の主要貯蔵タンパク質である場合、それらを主材とする食品(例えば豆乳や蕎麦)の抗原濃度を定量しようとすると、抗原濃度が高いために測定値のバラツキが一層大きくなる。
特開2016−211967(イムノクロマト法によるアレルゲンの検出方法) 特開2013−33062(食品成分抽出方法及び食品検査方法並びに食品検査キット) 再表2013/179663(食品成分抽出液および抽出方法)
平成26年3月26日付け消食表第36号消費者庁次長通知「アレルギー物質を含む食品の検査方法の改良法の評価に関するガイドライン」 Moriyama T., et al. (2005). A Novel Enzyme-Linked Immunosorbent Assay for Quantification of Soybean β-Conglycinin, a Major Soybean Storage Protein, in Soybean and Soybean Food Products. J. Nutr. Sci. Vitaminol., 51, 34-39.
食品中に多量の抗原を含む場合の抗原の特異的な定量法は、これまで十分に確立されていない。本発明の目的は、食材又はその加工品中に多量に含有される食物アレルゲンのような抗原を、微量タンパク質の高感度検知用に作られた市販のELISAキットを用いても、簡便かつ正確に定量する方法を提供することである。本発明の別の目的は、食物アレルゲンのような多価抗原を認識するポリクローナル抗体を用いた場合でも、精度高く定量する方法を提供することにある。
本発明者等は、抗原濃度の高い食品試料を市販のタンパク質検知用ELISAキットで測定する際に、サンプルの前処理を工夫することで、再現性の良い正確な定量を行うことを試みた。その結果、意外にも、以下の発明によれば、上記課題を解決できることを見出した。すなわち、本発明は、食品中の抗原の定量方法であって、以下の工程:
前記食品を含む試料を粉体希釈剤と混合して希釈剤混合物を得る工程、及び
前記希釈剤混合物中の抗原の量を免疫学的方法で測定する工程
を含み、
前記粉体希釈剤の嵩密度が、0.40g/mL以上であることを特徴とする、前記食品中の抗原の定量方法を提供する。
前記試料の油分は、20.0質量%以下であることが好ましい。
前記定量方法は、前記希釈剤混合物を得る工程の前に、前記試料の油分が20.0質量%以下となるように脱脂する工程をさらに含むことが好ましい。
前記脱脂は、例えばアルコール、アセトン、エーテル、ヘキサン及びクロロホルムからなる群の少なくとも一種を用いて行われる。
前記定量方法は、前記粉体希釈剤と混合する工程の前に、前記試料を乾燥する工程を含んでもよい。
前記粉体希釈剤は、前記食品の測定対象である抗原を実質的に含有しないことが好ましい。
前記免疫学的方法での測定工程において、前記粉体希釈剤が、前記抗原の抗体と反応しないことが好ましい。
前記粉体希釈剤は、米粉、小麦粉、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素及び炭酸カルシウムからなる群から選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。
前記免疫学的方法は、例えばELISAである。
前記免疫学的方法は、ポリクローナル抗体を使用してもよい。
前記食品試料は、例えば大豆、卵、乳、小麦、蕎麦、落花生、エビ、カニ、あわび、いか、いくら、オレンジ、キウイフルーツ、牛肉、くるみ、さけ、さば、鶏肉、豚肉、まつたけ、もも、やまいも、りんご、ゼラチン、バナナ、ごま、及びカシューナッツ、並びにこれらの加工食品の少なくとも一種を含む。前記食品試料は、大豆又は大豆加工食品を含むことが好ましい。
前記抗原は、例えば食物アレルゲンである。
前記食物アレルゲンは、特に7Sグロブリンを含む。
抗原濃度の高い食品を免疫学的方法で測定する場合、本発明に従って食品試料を特定の物性を有する粉体希釈剤と混合するという前処理を行うことによって、測定値のバラツキを抑えることが可能となる。
食物アレルゲン検査用の既存のキット(例えばELISAキット)は、食品試料中の微量のアレルゲンの測定に適している。このようなキットで例えば大豆主要貯蔵タンパク質である7Sグロブリンを測定するには、ELISAの適正濃度まで希釈するために抽出液での希釈回数を増やす必要があった。これは測定のバラツキにつながっていた。本発明では、免疫学的方法で抗原を定量する際に、前処理として食品試料を抗原・抗体反応に関与しない希釈剤の粉末と混合することによって抗原量を簡便かつ正確に定量可能となった。本発明によって、特に食物アレルゲンを多量に含む食品試料に対して、既存の微量測定用キットを用いても抗原を簡便かつ正確に定量する方法が確立された。
既存のELISAキットは、ポリクローナル抗体を使用することが多い。従来のELISAキットで食品アレルゲンを検出すると、ポリクローナル抗体に基づく非特異的反応や架橋反応によって測定シグナルが増大し、またばらつき易かった。後述の実施例に示すように、食物アレルゲンを豊富に含む素材では、測定シグナルのバラツキが顕著であった。本発明の方法では、ポリクローナル抗体を使用するELISAキットで抗原を測定しても、測定シグナルのバラツキを減じることが可能である。
食品中の抗原は、生理活性を有するタンパク質となる場合がある。例えば、大豆アレルゲンと知られている大豆7Sグロブリンに中性脂肪低下作用等の生理機能性があることが、動物実験やヒト臨床試験によって明らかにされている。大豆7Sグロブリンは、機能性食品用素材としての用途が期待される。本発明によって、食品中の7Sグロブリンを簡便かつ正確に定量できることは、7Sグロブリン等の有用タンパク質を研究開発や製造するのにも有用である。
ELISAの測定試験において、大豆精製7Sグロブリンと大豆総タンパク質との間の7Sグロブリン濃度の相関関係を示す図である。大豆精製7Sグロブリンと大豆総タンパク質との間に吸光度に明確な比例関係が認められ、さらに、大豆試料の7Sグロブリン濃度を大豆総タンパク質の検量線を用いて算出する際の補正係数として0.23を得た。 粉体希釈剤の嵩密度(X軸)とELISA分析時の吸光度の変動係数(Y軸)との関係を示す。図2から、食品試料中の抗原の免疫学測定の変動を低く抑えるためには、粉体希釈剤の嵩密度は、0.4g/mL以上必要であり、好ましくは0.5g/mL以上である。
本発明に従う食品中の抗原の定量方法は、以下の工程:
前記食品を含む試料を粉体希釈剤と混合して希釈剤混合物を得る工程、及び
前記希釈剤混合物中の抗原の量を免疫学的方法で測定する工程
を含み、
前記粉体希釈剤の嵩密度が、0.40g/mL以上であることを特徴とする。
前記抗原は、人を含む動物に対して抗原性を有するものであれば特に限定されない。前記抗原は、特に大豆、乳、小麦、蕎麦、卵、エビ・カニ、ごま、落花生・カシューナッツ等の特定原材料等に含まれている食物アレルゲンである。本発明の方法の特に好適な対象の食物アレルゲンは、7Sグロブリンのような大豆アレルゲンである。7Sグロブリンは、分子量がそれぞれ約75、70及び50kDaのα’、α及びβサブユニットの3量体構造からなり、150〜200kDaの分子量を有する。7Sグロブリンの3種類のサブユニットは、クラスI関連抗原としての抗原性が高く、しかも7Sグロブリンは大豆の主要貯蔵タンパク質である(種子中全タンパク質の約25〜30%を占める)ために、大豆食品中の7Sグロブリンの量を精度高く測定する意義は大きい。また、大豆7Sグロブリンは中性脂肪低下作用等の生理機能性を有することからも、その量を精度高く測定する意義は大きい。
本発明の方法の使用が適当な食品は、通常の食品タンパク質検査キットでは測定レンジを超えるような高い抗原濃度を有する食品である。例えば豆乳、大豆粉及び凍り豆腐は、それぞれ、通常、10mg/g以上、80mg/g以上、及び140mg/g程度の7Sグロブリン濃度を有する。
抗原濃度の高い食品の例は、上記特定原材料等の少なくとも一種を主材として含む食品及び加工食品である。大豆を主材として含む食品及び加工食品には、凍り豆腐、豆腐、焼き豆腐、厚揚げ豆腐、がんもどき、油揚げ、ゆば、おから、豆腐ステーキ、豆腐ハンバーグ、大豆ソーセージ、大豆ハム、大豆ミート、大豆粉、黄な粉、豆腐の粉、煮豆、豆腐クッキー、大豆せんべい、大豆グラノーラ等の固形の大豆加工食品;豆乳、調製豆乳、豆乳飲料等の液状の大豆加工食品;納豆、味噌、醤油、大豆テンペ等の大豆発酵食品が挙げられる。乳を主材として含む食品には、牛乳、粉ミルク、練乳、生クリーム、プリン、アイスクリーム、乳酸飲料等の乳製品;ヨーグルト、チーズ、バター等の発酵乳;ハム、ソーセージ等のカゼイン含有食品が挙げられる。小麦を主材として含む食品には、パン、うどん、マカロニ、スパゲッティ、中華麺、お好み焼き、たこ焼き、餃子・春巻きの皮等の粉物;とんかつ、天ぷら等の揚げ物;ケーキ等の焼き菓子等が挙げられる。蕎麦を主材として含む食品には、蕎麦、蕎麦粉のクレープ、蕎麦饅頭、蕎麦茶、蕎麦焼酎等が挙げられる。卵を主材として含む食品の例には、マヨネーズ、プリン、アイスクリーム、洋菓子、ハム、ウインナー等の卵白含有食品等が挙げられる。エビ・カニを主材として含む食品の例には、エビ・カニの生鮮及び加熱食品、エビやカニを煮込んだスープ、エビせんべい等が挙げられる。
食品試料の油分が高いと、前記粉体希釈剤との混合時に均質性や希釈時間に影響することがあり、食品試料の油分は低い方が好ましい。食品試料の油分は、食品の種別にもよるが、通常、35質量%以下でよく、好ましくは20質量%以下であり、さらに好ましくは10質量%以下であり、特に好ましくは6質量%以下である。食品試料の油分が35質量%より高過ぎると、食品試料と粉体希釈剤との混合時に粉体希釈剤が偏在してしまう、均一な混合まで時間を要する等の問題を生じることがある。食品試料の油分の下限は特にない。
食品試料の油分を低減する方法(以下、脱脂ということがある)は、特に制限されない。例えば、食品試料又はその希釈剤混合物をエタノール、メタノールのようなアルコール、アセトン、エーテル、ヘキサン、クロロホルム等の揮発性有機溶媒に浸漬し、適宜、混合攪拌した後、有機溶媒を除去すればよい。また、油分を濾紙等で吸い取る、油分を搾油機等で機械的に搾り取る等の手段で油分を減らしてもよい。液状食品は、試料を遠心分離機にかけて油分を分離してもよい。なお、油分を含む食品試料を粉体希釈剤と混合した後に脱脂し、さらに均質化してもよい。
本発明の方法に供する食品試料の形態は、乾燥物、含水物、懸濁物のような固形物や液状物のいずれでもよいが、乾燥物が好ましい。したがって、本発明の定量方法の対象が含水物、懸濁物や液状物(例えば豆乳)の場合には、前記粉体希釈剤と混合する工程の前に、前記試料を乾燥する工程を含むことが好ましい。乾燥工程は、適宜の乾燥手段、例えば加熱乾燥、天日干し、風乾、凍結乾燥、減圧乾燥、スプレードライ等により行えばよい。
上記食品試料は、通常、適宜の粉砕・混合手段を用いて粉砕及び均質化される。そのような手段の例には、ホモジナイザー、ブレンダー、ミルミキサー、ミルサー、フードカッター、ビーズミル、卸し金、篩等が挙げられる。粉砕後の食品試料の平均粒径は、通常、350μm以下でよく、好ましくは200μm以下であり、特に好ましくは150μm以下である。所望の平均粒径を有する食品試料を得るために、目開きが例えば125μmの篩を用いて粉砕品を篩分けしてもよい。
前記食品試料を粉体希釈剤と混合する。この粉体希釈剤の嵩密度は、0.4g/mL以上必要である。嵩密度が0.4g/mL未満であると、粉体希釈剤を食品試料と混合した時に、粉体希釈剤が偏在してしまう等の問題を生じる。その結果、免疫学的方法の測定のバラツキが大きくなる。粉体希釈材の嵩密度は、好ましくは0.5g/mL以上、さらに好ましくは0.8g/mL以上、特に好ましくは1.0g/mL以上である。
上記粉体希釈剤は、食品試料の測定対象である抗原又はそれに類似する抗原を含まないことが好ましい。また、免疫学的方法での測定工程において、前記粉体希釈剤が前記抗原の抗体と反応しないことが好ましい。
本発明の方法に使用する粉体希釈剤の例としては、炭酸カルシウム、二酸化ケイ素、米粉、又は酸化アルミニウムが好ましく、さらに好ましくは米粉又は酸化アルミニウム、特に好ましくは米粉である。粉体希釈剤は、一種単独で使用しても、あるいはこれらの粉体希釈剤の二種以上を併用してもよい。
前記粉体希釈剤による食品試料の希釈率は、希釈剤混合物の抗原濃度で、通常、20mg/g未満、好ましくは15mg/g以下、さらに好ましくは12mg/以下となるようにする。例えば、凍り豆腐、大豆粉又は豆乳のような大豆加工食品の場合、粉体希釈剤の割合(乾燥物換算)で、食品試料1重量部に対して、通常、9〜99重量部、好ましくは19〜99重量部である。
前記混合方法には特に制限がない。例えば、希釈剤混合物を充填した容器に適宜、プラスチック製、鉄製、セラミック製のボール(例えば1〜6mmΦ)を入れて、手技や機械的な混合手段で振とうする。
次に、前記希釈剤混合物中の抗原の量を免疫学的方法で測定する工程を説明する。まず、上記希釈剤混合物から目的タンパク質(抗原)を、公知のタンパク質抽出液、例えばドデシル硫酸ナトリウム(SDS)等の陰イオン界面活性剤やポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレート(Tween20)等の非イオン界面活性剤で抽出する。市販のELISAキットに付属の抽出液で抽出してよい。
免疫学的測定法は、抗原と抗体の反応を利用して試料中に含まれる物質のレベルを測定する生化学的試験である。前記免疫学的方法の例には、ELISA(Enzyme−Linked Immuno Sorbent Assay)法(直接吸着法、サンドウィッチ法、及び競合法を含む)、放射免疫測定法、イムノクロマト法、ウエスタンブロット法、凝集法、比濁法、混濁度測定法等が挙げられる。上記免疫学的測定方法は、好ましくはELISA法、特に好ましくはサンドイッチELISA法である。
上記免疫学的方法は、常法に基づく。例えばサンドイッチELISAは、プレート上に固相化した抗体に対象抗原を結合(1次反応)させて、固相化抗体/抗原からなる複合体Iを得、次いで、前記複合体上の抗原に酵素標識ポリクローナル抗体を結合(二次反応)させて、固相化抗体/抗原/酵素標識抗体からなる複合体IIを得、最後に、プレート上の複合体IIに結合した酵素と酵素基質溶液とを反応(酵素反応)させて呈色させる。呈色液の吸光度をプレートリーダーで測定し、得られた吸光度値を特定タンパク質濃度の標準曲線に当てはめることにより、食品試料中の抗原量を決定する。
上記免疫学的測定方法は、市販の免疫学的測定用キットを制限なく使用可能である。例えば、市販の食物タンパク質検知用ELISAキットには、モリナガFASPEKエライザII(株式会社森永生科学研究所製)、及びFASTKITエライザver.III(日本ハム株式会社製)が挙げられる。
前記免疫学的方法に使用する抗体は、ポリクローナル抗体及びモノクローナル抗体のいずれでもよい。ポリクローナル抗体は、モノクローナル抗体よりも簡易かつ安価に製造できるものの、モノクローナル抗体よりも高い反応性や交差反応性のために抗原測定値にバラツキが生じ易い。しかし、本発明の方法では、ポリクローナル抗体を使用しても抗原の測定値のバラツキが小さくなる。したがって、本発明の方法は、特にポリクローナル抗体を使用する場合に有利である。上記免疫学的方法に用いるポリクローナル抗体又はモノクローナル抗体は、常法に基づいて取得可能である。これらの抗体には、市販のタンパク質検出用ELISAキット等に付属のものを使用可能である。
本発明に従う実施例を以下に示すことにより本発明をより詳細に説明する。しかし、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
〔調製例〕
1.食品試料の準備
食品試料として、各種大豆加工食品(株式会社みすずコーポレーション製凍り豆腐、キッコーマン株式会社製豆乳、みたけ食品工業株式会社製大豆粉、及び株式会社雪国まいたけ製納豆)を用意した。豆乳及び納豆は、凍結乾燥により乾燥物に調製した。
上記の各種食品試料を、粉砕・混合手段にて適宜、均質化後、エーテルに浸漬して混合・攪拌することにより、食品試料中の油分をエーテルに移行させた。その後、食品試料を濾紙の上に静置することにより、油分の溶解したエーテルを除去した。こうして脱脂された濾紙状の食品試料を、乾燥後、目開き125μm(JIS Z 8801)の篩にかけて篩下の食品を回収した。食品試料の脱脂前後の油分を表1に示す。
2.粉体希釈剤の準備
上記食品試料の希釈に使用する粉末希釈剤として、メチルセルロース(製品名メトローズ食添用、信越化学工業(株)製)、米粉(市販品)、小麦粉(薄力粉、市販品)、二酸化ケイ素(試薬特級、和光純薬(株)製)、酸化アルミニウム(試薬特級、和光純薬(株)製)、及び炭酸カルシウム(試薬特級、米山薬品工業(株)製)を用意した。各希釈剤の嵩密度を表2に示す。
3.免疫学的測定試験と抗原定量用補正係数の決定
免疫学的測定方法として、市販の大豆タンパク質検知用サンドイッチELISAキット(製品名:モリナガFASPEKエライザII大豆、株式会社森永生科学研究所製)を採用した。このELISAキットは、抗原7Sグロブリンの固相化抗体及び酵素標識抗体として、抗7Sグロブリンポリクローナル抗体を使用している。
Nagano等の方法(Nagano T., et al., "Dynamic viscoelastic study on the gelation of 7S globulin from soybeans", J. Agric. Food Chem., 1992, 40 (6), pp 941−944)に従って、大豆タンパク質を精製することにより大豆精製7Sグロブリンを得た。
ELISAキット付属の大豆総タンパク質及び上記精製7Sグロブリンを、それぞれ上記ELISAキットを用いて測定した。ELISA試験は、ELISAキットに付属の取扱説明書に従った。ELISA測定の結果に基づいた大豆精製7Sグロブリンと大豆総タンパク質との間の7Sグロブリン濃度の相関関係を図1に示す。図1に示すとおり、大豆精製7Sグロブリンと大豆総タンパク質との間には、吸光度に明確な比例関係が認められた。図1の相関式から、大豆加工食品の7Sグロブリン濃度を大豆総タンパク質の検量線を用いて算出する際の補正係数として0.23を得た。
〔実施例1〜5、比較例1〜2〕大豆加工食品の希釈剤選定と7Sグロブリンの定量試験
本発明によれば、大豆加工食品のように抗原濃度の高い食品を粉体希釈剤と混合し、得られた希釈剤混合物を免疫学的測定方法にかけることで、食品中の抗原の濃度を精度よく測定することが可能である。そこで、大豆加工食品の粉体の粉体希釈剤による希釈と、希釈混合物中の抗原である7Sグロブリンの定量試験を、下記の基本手順に従って行った。
上記粉体希釈剤を以下のように評価した。
(1)希釈剤の抗原性の評価
上記ELISAキットを用いて、表2に示す希釈剤単独のELISA測定試験を行った。吸光度が0.100以下であれば大豆アレルゲンを含まない、すなわち、希釈剤が抗原定量試験に悪影響しないと判断される。ELISA試験の吸光度値を表2に示す。
(2)希釈剤の混合操作性の評価
各粉体希釈剤の食品試料(脱脂凍り豆腐粉末、嵩密度0.38g/mL)への混合操作性を、視認にて以下の基準:
× 食品試料と粉体希釈剤とが混和し難い
△ 食品試料と粉体希釈剤との混合物中で粉体希釈剤が偏る
〇 食品試料と粉体希釈剤との混合物が均質化されている
で評価した。評価結果を表2に示す。
(3)ELISA分析
食品試料(脱脂凍り豆腐粉末)を、表1に示す粉体希釈剤で希釈後、7Sグロブリンを定量するために、上記ELISAキットを使用してサンドイッチELISAを行った。ELISA試験は、希釈剤を使用した以外は上記ELISAキットに付属の取扱説明書に従って、以下の手順で行った。
1)表1に記載の各種粉体希釈剤9.5gと食品試料(脱脂凍り豆腐の粉末、平均粒径150μm)0.5g(19:1)を正確に量り取って50mLチューブに入れた。
2)玩具用鉄砲弾(6mmΦ、プラスチック製)12gを上記チューブに入れて蓋を閉めた。
3)蓋を閉めてから5分間、チューブを手でシェイクした。
4)チューブ内の均一になった混合物を別の50mLチューブに正確に0.5g量り取って、キットに付属の検体抽出液19.5mLを添加した。ブランクとして、希釈剤のみでの抽出も行った(すなわち、希釈剤0.1gに検体抽出液を19.9mL添加した)。
5)蓋にパラフィルムを巻き、25℃の温度で100rpmの振とうを一晩行った。
6)上記チューブを遠心分離機(3000g、20分)にかけた。
7)サンプルの中間層(上層:油分、中間層:サンプル液、下層:沈殿)をキットに付属の検体希釈液Iで20倍に希釈した(すなわち、サンプル液50μLに対して希釈液を950μL添加した)。
8)食品試料(凍り豆腐粉末)をキットに付属の検体希釈液IIで希釈して、測定溶液とした。食品試料を4,000万倍に希釈した。
9)キットに付属の標準溶液(大豆総タンパク質)を調製した。
10)ELISAのウェルにサンプル溶液又は標準溶液を各100μL分注した。
11)室温で1時間静置して反応させた。
12)ウェル内の溶液を完全に除去し、洗浄液で6回洗浄した(300μL/well)。
13)酵素標識抗体溶液を各100μL分注した。
14)室温で30分間、静置して反応させた。
15)ウェル内の溶液を完全に除去し、洗浄液で6回洗浄した(300μL/well)。
16)酵素基質溶液(TMB溶液)を各100μL分注した。
17)室温で20分間静置して反応させた。
18)反応停止液を各100μL分注した。
19)プレートリーダー(製品名Wallac ARVO、パーキンエルマージャパン(株)製)を用いて、主波長450nm、副波長620nmの吸光度を測定した。比較例1として、1)で希釈剤を使用しない以外は上記操作と同一の手順を行った。
凍り豆腐1g当たりの7Sグロブリン濃度を、以下の式:
により求めた。また、補正係数Kを0.23とした。
上記ELISA試験を3回行い、7Sグロブリン濃度の平均値と標準偏差を求めた。結果を表2に示す。さらに、これらの数値を用いて、7Sグロブリン濃度の変動係数を、以下の式:
により算出した。結果を表2に示す。
小麦粉、二酸化ケイ素、米粉及び酸化アルミニウムをELISA分析したところ、吸光度が極めて低く、視認にて発色もしていなかった(表2)。メチルセルロース及び炭酸カルシウムでも、吸光度が低く、ほとんど発色していなかった。この結果から、いずれの希釈剤も大豆アレルゲンを含まない、すなわち、食品試料の抗原定量試験に悪影響を及ぼさないことが確認された。
粉体希釈剤の脱脂食品試料への混合操作性は、表2に示すとおり、比較例1のメチルセルロース及び実施例1の小麦粉において劣り、実施例2〜5の炭酸カルシウム、二酸化ケイ素、米粉及び酸化アルミニウムで優れていた。
粉体希釈剤を用いないで食品試料をELISA分析した比較例1では、7Sグロブリン濃度測定値は29.3mg/gと低く、7Sグロブリン検出安定性を示す変動係数は42.2%と高かった。粉体希釈剤にメチルセルロースを用いた比較例2では、7Sグロブリン濃度が126.8mg/gと高くなったが、変動係数は17.7%と高かった。一方、粉体希釈剤に炭酸カルシウム、二酸化ケイ素、米粉又は酸化アルミニウムを用いた実施例1〜5では、さらに高い7Sグロブリン濃度を示しながら、変動係数も15.3%〜5.6%に改善された。
上記結果は、粉体希釈剤の粉体食品試料への混合操作性と食品試料中の抗原の免疫学測定値の変動に、希釈剤の嵩密度が影響することを示唆する。すなわち、比較例2のように嵩密度が0.4g/mL未満の粉体希釈剤を用いると、粉体希釈剤が食品試料と混ざり難く、食品試料の希釈が均等に行われず、ELISA測定のバラツキが大きくなる。実施例1のように、嵩密度が0.4g/mLを若干超える粉体希釈剤を用いると、混合操作性は悪いものの、ELISA測定値のバラツキが良化する。さらに、実施例2〜5のように、嵩密度が0.5g/mL以上の粉体希釈剤を用いると、混合操作性がよくなり、ELISA測定値のバラツキも良化する。特に、嵩密度が1.0g/mL以上の実施例4及び5では、ELISA測定値のバラツキが顕著に良化する。
図2に、粉体希釈剤の嵩密度(X軸)と変動係数(Y軸)の関係を示す。図2を見るとわかるとおり、食品試料中の抗原の免疫学測定の変動を低く抑えるためには、粉体希釈剤の嵩密度は、0.4g/mL以上必要であり、好ましくは0.5g/mL、さらに好ましくは0.8g/mL以上、特に好ましくは1.0g/mL以上である。また、このような嵩密度を提供できる希釈剤の例は、炭酸カルシウム、二酸化ケイ素、米粉、又は酸化アルミニウムが好ましく、さらに好ましくは米粉又は酸化アルミニウム、特に好ましくは米粉であるといえる。
〔実施例6〕粉体希釈剤での希釈率の変更試験
実施例4において、粉体希釈剤の食品試料への配合比を表3に示すように変更した以外は実施例4と同一の操作を行い、ELISA分析を行った。その結果を、実施例4とともに表3に示す。
表3に示すとおり、粉体希釈剤の配合比を高めても、食品試料の7Sグロブリン濃度を精度高く測定可能であることが確認された。
〔実施例7〜8〕食品試料の脱脂の評価試験
食品試料の脱脂の有無が粉体希釈剤の食品試料への混合操作性及びELISA測定の安定性に与える影響を調べる試験を行った。具体的には、実施例4で脱脂凍り豆腐から凍り豆腐に変更した以外は同一の操作で行い、粉体希釈剤(米粉)の混合操作性及びELISA分析時の測定安定性を評価した。なお、食品のロット間で7Sグロブリン濃度が変動するため、原料ロット及び製造日が実施例4と異なる凍り豆腐の脱脂品を用いて、実施例4を再試験した。その結果を実施例7として表4に併記する。
表4に示すとおり、実施例4とロットが異なる脱脂凍り豆腐を用いた実施例7でも、粉体希釈剤の混合操作性がよく、ELISA測定値のバラツキが小さいことが再確認された。一方、同試料を脱脂していない実施例8では、粉末希釈剤の混合操作性が悪化し、そしてELISA測定値のバラツキも大きくなった。このことから、粉末希釈剤での希釈に供する食品試料は、脱脂されていることが好ましいといえる。
〔実施例9〜11〕食品試料の変更試験
実施例4の脱脂凍り豆腐を脱脂大豆粉(実施例9)、脱脂豆乳粉末(実施例10)、及び脱脂粉末納豆(実施例11)に変更し、ELISA試験のステップ8)で食品試料が納豆の場合は2,000万倍に希釈した以外は実施例4と同一の操作を行い、粉体希釈剤の混合操作性及びELISA分析時の測定安定性を評価した。それらの結果を実施例4とともに表5に示す。
表5に示すとおり、凍り豆腐以外の大豆加工食品についても、抗原(7Sグロブリン)の濃度を高い精度で測定することができた。本発明に従って、抗原濃度の高い食品試料を免疫学的方法で測定する際に、食品試料を粉体希釈剤で希釈する前処理を行うことで測定値のバラツキを抑えることが可能となった。

Claims (14)

  1. 食品中の抗原の定量方法であって、以下の工程:
    前記食品を含む試料を粉体希釈剤と混合して希釈剤混合物を得る工程、及び
    前記希釈剤混合物中の抗原の量を免疫学的方法で測定する工程
    を含み、
    前記粉体希釈剤の嵩密度が、0.40g/mL以上であることを特徴とする、前記食品中の抗原の定量方法。
  2. 前記試料の油分が、20.0質量%以下である、請求項1に記載の食品中の抗原の定量方法。
  3. 前記希釈剤混合物を得る工程の前に、前記試料の油分が20.0質量%以下となるように脱脂する工程をさらに含む、請求項2に記載の食品中の抗原の定量方法。
  4. 前記脱脂が、アルコール、アセトン、エーテル、ヘキサン及びクロロホルムからなる群の少なくとも一種を用いて行われる、請求項3に記載の食品中の抗原の定量方法。
  5. 前記粉体希釈剤と混合する工程の前に、前記試料を乾燥する工程を含む、請求項1〜3のいずれかに記載の食品中の抗原の定量方法。
  6. 前記粉体希釈剤は、前記食品の測定対象である抗原を実質的に含有しない、請求項1〜5のいずれかに記載の食品試料中の抗原の定量方法。
  7. 前記免疫学的方法での測定工程において、前記粉体希釈剤が、前記抗原の抗体と反応しない、請求項1〜6のいずれかに記載の食品中の抗原の定量方法。
  8. 前記粉体希釈剤は、米粉、小麦粉、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素及び炭酸カルシウムからなる群から選ばれる少なくとも一種である、請求項6又は7のいずれかに記載の食品中の抗原の定量方法。
  9. 前記免疫学的方法がELISAである、請求項1〜8のいずれかに記載の食品中の抗原の定量方法。
  10. 前記免疫学的方法がポリクローナル抗体を使用することを特徴とする、請求項1〜9のいずれかに記載の食品中の抗原の定量方法。
  11. 前記食品試料が、大豆、卵、乳、小麦、蕎麦、落花生、エビ、カニ、あわび、いか、いくら、オレンジ、キウイフルーツ、牛肉、くるみ、さけ、さば、鶏肉、豚肉、まつたけ、もも、やまいも、りんご、ゼラチン、バナナ、ごま、及びカシューナッツ、並びにこれらの加工食品の少なくとも一種を含む、請求項1〜10のいずれかに記載の食品中の抗原の定量方法。
  12. 前記食品試料が、大豆又は大豆加工食品を含む、請求項11に記載の食品中の抗原の定量方法。
  13. 前記抗原が食物アレルゲンである、請求項1〜12のいずれかに記載の食品中の抗原の定量方法。
  14. 前記食物アレルゲンが7Sグロブリンを含む、請求項13に記載の食品中の抗原の定量方法。
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