JP2020186889A - プレートフィン積層型熱交換器およびそれを用いた冷凍システム - Google Patents

プレートフィン積層型熱交換器およびそれを用いた冷凍システム Download PDF

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Abstract

【課題】熱交換性能を向上させた高性能なプレートフィン積層型熱交換器とそれを用いた冷凍システムの提供。【解決手段】プレートフィン2aの伝熱流路8を端部でUターンする形状とするとともに、前記伝熱流路の折り返し通路部15近傍あるいは折り返し通路部15の一部に前記伝熱流路の背丈より高く隣接する他のプレートフィンに当接する凸部16を設けて、積層方向に隣接する折り返し通路部15同士の間に空隙を形成した構成としている。これにより、プレートフィンの伝熱流路の折り返し通路部同士の間に形成した空隙を介して伝熱流路の折り返し通路部に空気が流れるようになる。よって該伝熱流路の折り返し通路部を通風路及び熱交換領域として機能させ、熱交換性能を大きく向上させることができる。【選択図】図6

Description

本発明はプレートフィン積層型熱交換器とそれを用いた冷凍システムに関する。
一般に空気調和機や冷凍機等の冷凍システムは、圧縮機によって圧縮した冷媒を凝縮器や蒸発器等の熱交換器に循環させ、第2流体と熱交換させて冷房もしくは暖房を行うが、前記熱交換器の熱交換性能によってシステムとしての性能や省エネ性が大きく左右される。従って、熱交換器は高性能化が強く求められている。
このような中にあって、空気調和機や冷凍機等の冷凍システムの熱交換器は、一般的には、フィン群に伝熱管を貫通させて構成したフィンチューブ型熱交換器が用いられており、伝熱管の細径化を図って熱交換性能の向上及び小型化が進められている。
しかしながら、上記伝熱管の細径化には限度があるため、熱交換性能の向上及び小型化は限界に近づきつつある。
そこで出願人は、上記フィンチューブ型熱交換器をプレートフィン積層型熱交換器に代えて使用することを提案している(例えば、特許文献1参照)。
図15、図16は特許文献1記載のプレートフィン積層型熱交換器を示し、このプレートフィン積層型熱交換器は、冷媒の流入及び流出用ヘッダ流路101、102をプレートフィン103の一端部側に纏めて設け、前記流入及び流出用ヘッダ流路101、102の間に設けた伝熱流路104を他端部側でUターンさせて流出入用ヘッダ流路101、102に接続する構成とし、かつ、更に前記伝熱流路104は複複数に分けて流入及び流出用ヘッダ流路101、102を繋いでいる。
このように構成したプレートフィン積層型熱交換器は、伝熱流路104となる凹状溝104aをプレスによって形成できるので、この凹状溝104aによって形成した伝熱流路104の断面積は従来のフィンチューブ型熱交換器のチューブに比べ極端に小さくすることができる。しかも、ヘッダ流路101とヘッダ流路102との間の伝熱流路104はUターンさせ、且つ複数に分けているので、プレートフィン103を長くすることなく伝熱流路104を長くし、伝熱面積を増大できる。したがって、冷媒と空気の熱交換性能を高めると同時に小型化を促進でき、小型高性能な熱交換器とすることができる。
特開2018−66534号公報
しかしながら、上記構成のプレートフィン積層型熱交換器は、Uターンさせた伝熱流路104の折り返し通路部104bは複数の伝熱流路104が合流するため多くの冷媒が流れので、その冷媒からの圧力に耐えるように当該伝熱流路104の折り返し通路部104bは積層方向に隣接する他方のプレートフィン103の伝熱流路104の折り返し通路部104bに背中合わせに当接させている。そのため、上記伝熱流路104の折り返し通路部104bではプレートフィン103の積層間隔を流れる第二流体の流れが遮られ、熱交換ロスが発生する、という課題があった。
すなわち、このプレートフィン積層型熱交換器を例えば家庭用の空気調和機に搭載した場合、その熱交換器は図17に示すように二つの熱交換器ブロック110a、110bをその上部で突き合わせて送風ファン111の背面側と前面側を覆うように配置することになるが、この場合、前記熱交換器ブロック110a、110bの突合せ部、すなわちプレートフィン103の端部には伝熱流路104の折り返し通路部104bがあって、矢印Xで示す室内空気が前記伝熱流路104の折り返し通路部104bに遮られて当該部分を通過できず、矢印Yのような迂回流の身になることによって大きな熱交換ロスを発生する。
本発明はこのような点に鑑みてなしたもので、伝熱流路折り返し通路部での空気流れを確保して熱交換性能を向上させた高性能なプレートフィン積層型根交換機とそれを用いた冷凍システムを提供することを目的としたものである。
本発明は、上記目的を達成するため、その熱交換器は、流入及び流出用の一対のヘッダ流路に繋がる複数の伝熱流路を有したプレートフィンを多数積層して構成し、前記プレートフィンの伝熱流路はプレートフィンの端部でUターンする形状とするとともに、前記プレートフィンのUターンする伝熱流路の折り返し通路部近傍あるいは折り返し通路部の一部に前記伝熱流路の背丈より高い凸部を設け、前記凸部を積層方向に隣接する他のプレートフィンの伝熱流路の折り返し通路部近傍あるいは他のプレートフィンの折り返し通路部の凸部に当接させて前記伝熱流路の積層方向に隣接する折り返し通路部同士の間に空隙を形成した構成としている。
これにより、プレートフィンの伝熱流路の折り返し通路部同士の間も空隙を介して空気を流すことができる。よって該伝熱流路の折り返し通路部を通風及び熱交換領域として機能させ、熱交換性能を大きく向上させることができる。
本発明は、上記構成により、伝熱流路折り返し通路部での空気流れを確保して熱交換性能を向上させることができ、高性能なプレートフィン積層型根交換機とそれを用いた冷凍システムを提供することができる。
本発明の実施の形態1におけるプレートフィン積層型熱交換器の外観を示す斜視図 同プレートフィン積層型熱交換器の分解斜視図 同プレートフィン積層型熱交換器のプレートフィンを示す分解斜視図 同プレートフィン積層型熱交換器のプレートフィン積層体を示す斜視図 同プレートフィン積層型熱交換器のプレートフィンを示す平面図 同プレートフィン積層型熱交換器のプレートフィンの伝熱流路折り返し通路部を示す平面図 同プレートフィン積層型熱交換器のプレートフィンの伝熱流路折り返し通路部の要部断面図 (a)(b)同プレートフィン積層型熱交換器のプレートフィンの伝熱流路折り返し通路部の他の例を示す平面図 本発明の実施の形態2におけるプレートフィン積層型熱交換器のプレートフィンを示す平面図 同プレートフィン積層型熱交換器のプレートフィンの伝熱流路折り返し通路部を示す平面図 本発明のプレートフィン積層型熱交換器を用いた実施の形態3における空気調和機の室内機を示す斜視図 同空気調和機の室内機を示す断面図 同室内機の熱交換器ブロックを示す斜視図、 同室内機の熱交換器ブロックによる作用効果を説明する説明図 本出願人が提案した従来のプレートフィン積層型熱交換器の外観を示す斜視図 同プレートフィン積層型熱交換器のプレートフィンを示す平面図 同プレートフィン積層型熱交換器を搭載した空気調和機の室内機を示す断面図
第1の発明は、熱交換機であり、この熱交換器は、流入及び流出用の一対のヘッダ流路に繋がる複数の伝熱流路を有したプレートフィンを多数積層して構成し、前記プレートフィンの伝熱流路はプレートフィンの端部でUターンする形状とするとともに、前記プレートフィンのUターンする伝熱流路の折り返し通路部近傍あるいは折り返し通路部の一部に前記伝熱流路の背丈より高い凸部を設け、前記凸部を積層方向に隣接する他のプレートフィンの伝熱流路の折り返し通路部近傍あるいは他のプレートフィンの折り返し通路部の凸部に当接させて前記伝熱流路の積層方向に隣接する折り返し通路部同士の間に空隙を形成した構成としている。
これにより、プレートフィンの伝熱流路の折り返し通路部同士の間に形成した空隙を介して伝熱流路の折り返し通路部にも空気を流すことができる。よって該伝熱流路の折り返し通路部を通風路及び熱交換領域として機能させ、熱交換性能を大きく向上させることができる。
第2の発明は、第1の発明において、前記伝熱流路は一つもしくは複数の流路毎にグループ分けしてUターンさせるとともに、前記プレートフィンの伝熱流路の折り返し通路部は、前記複数の流路毎の伝熱流路が合流するマニホールドと、前記マニホールド同士を繋ぐ接続流路とからなる構成とし、且つ、凸部は前記マニホールドを前記接続流路よりも背丈を高くして構成し、前記凸部となるマニホールドを積層方向に隣接する他のプレートフィンのマニホールドに当接させて前記伝熱流路の積層方向に隣接する折り返し通路部同士の間に空隙を形成した構成としている。
これにより、伝熱流路の折り返し通路部となる接続流路と積層方向に隣接する他方のプレートフィンの折り返し通路部となる接続流路との間に形成した空隙を介してプレートフィン端部の伝熱流路折り返し通路部に空気を流すことができる。
しかも、上記プレートフィンの伝熱流路は一つもしくは複数流路毎にグループ分けしてUターンさせ、その折り返し通路部は複数流路毎の合流部となるマニホールドとこのマニホールド同士を繋ぐ接続流路とに分けて構成しているので、マニホールド及び接続流路に合流して流れる流体の流量は伝熱流路全ての流体を一つにまとめて合流させる場合に比べ少なくすることができる。
よって、マニホールド及び接続流路の断面積は伝熱流路全ての流体が合流する場合に比べ小さくでき、耐圧性の問題を発生させることなく伝熱流路の折り返し通路部同士間に空隙を設けて通風路及び熱交換領域として機能させ、熱交換性能を向上させると同時に信頼性も大きく向上させることができる。
第3の発明は、第1の発明において、前記伝熱流路は一つもしくは複数の流路毎にグループ分けしてUターンを数回繰り返す形状とするとともに、凸部は前記プレートフィンの伝熱流路折り返し通路部近傍部分に折り返し通路部とは別に設け、前記凸部を積層方向に隣接する他のプレートフィンに当接させて前記伝熱流路の積層方向に隣接する折り返し通路部同士の間に空隙を形成した構成としている。
これにより、プレートフィンの伝熱流路の折り返し通路部と積層方向に隣接する他のプレートフィンの折り返し通路部との間に形成した空隙を介してプレートフィン端部の伝熱流路折り返し通路部にも空気を流すことができる。
また、伝熱流路は一つもしくは複数の流路毎にグループ分けしてUターンを数回繰り返す形状としているので、伝熱流路の折り返し通路部は各伝熱流路を流れる流体の流量と同じとなるので、流体を一つにまとめて合流させる場合のような耐圧性の問題が発生することはなく、熱交換性能を向上させつつ信頼性も大きく向上させることができる。
しかも、前記プレートフィンの伝熱流路折り返し通路部近傍部分に折り返し通路部とは別に設けた凸部によって隣接する他のプレートフィンの伝熱流路の折り返し通路部との間に空隙を設けているので、折り返し通路部の全長域を空隙とすることができ、その分空気の通過面積が増大して熱交換性能が向上し、より高性能な熱交換器とすることができる。
第4の発明は冷凍システムであり、この冷凍システムは熱交換器と送風ファンを備え、前記熱交換器を前記第1〜第3の発明に記載のプレートフィン積層型熱交換器としたものである。
これにより、この冷凍システムは、プレートフィン積層型熱交換器の熱交換性能が高いので、省エネ性の高い高性能な冷凍システムとすることができる。
以下、本発明の実施の形態について、添付の図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1におけるプレートフィン積層型熱交換器の外観を示す斜視図、図2は同プレートフィン積層型熱交換器の分解斜視図、図3は同プレートフィン積層型熱交換器のプレートフィンを示す分解斜視図、図4は同プレートフィン積層型熱交換器のプレートフィン積層体を示す斜視図、図5は同プレートフィン積層型熱交換器のプレートフィンを示す平面図、図6は同プレートフィン積層型熱交換器のプレートフィンの伝熱流路折り返し通路部を示す平面図、図7は同プレートフィン積層型熱交換器のプレートフィンの伝熱流路折り返し通路部の要部断面図、図8(a)(b)は同プレートフィン積層型熱交換器のプレートフィンの伝熱流路折り返し通路部の他の例を示す平面図である。
図1、図2に示すように、本実施の形態の熱交換器1は、略弓型形状のプレートフィン2aを積層したプレートフィン積層体2の両側に平面視が略同一形状のエンドプレート3a、3bを接合一体化して構成している。そして、その一端部側に、蒸発器として用いる場合には入口となり凝縮器として用いる場合は出口となる管A4及びその逆となる管B5とを有している。
上記プレートフィン積層体2の両側のエンドプレート3a、3bは、プレートフィン積層体2を挟持した形でロウ付けされ、ボルト・ナット若しくはカシメピン軸等の締結手段7によりその長手方向両端部を連結固定し、熱交換器としての剛性を保持している。
また、プレートフィン2aは、図3に示す一対のプレート6a、6bをロウ付け等により接合して冷媒等の第1流体(以下、冷媒と称する)が流れる伝熱流路8を有する構成としてあり、図3に示すように多数積層して各プレートフィン2a同士の間に空気等の第2流体(以下、空気と称する)が流れる積層間隔を形成している。そして、上記プレートフィン2aに設けた前記伝熱流路8を流れる冷媒と各プレートフィン2a同士の間の積層間隙を流れる空気との間で熱交換する。
上記プレートフィン2aを構成する一対のプレート6a、6bは、管A4及び管B5に繋がるヘッダ流路A9およびヘッダ流路B10となる開口9a、10a及びその開口縁に設けたリング状凹溝9b、10bと、リング状凹溝9b、10bより導出した連絡流路用凹溝11a、11bと、連絡流路用凹溝11a、11bの端部に設けた分流路用凹溝12a、12bと、分流路用凹溝12a、12bより分岐形成した複数の並行した流路形成用凹溝8aが設けてある。
そして、上記一対のプレート6a、6bを向かい合わせにロウ付けして、ヘッダ流路A9およびヘッダ流路B10、連絡流路11、分流路12、複数の伝熱流路8を形成している。
上記構成のプレートフィン2aは、図5のプレートフィン全体図に示すように、伝熱流路8をプレートフィン2aの端部側で屈曲させてUターンする形状としている。そして、この例では、前記伝熱流路8を二本の流路毎にグループ分けしてUターンさせるとともに、前記Uターンさせた伝熱流路8の折り返し通路部15は、図6に示すように、前記複数の流路毎、ここでは二本の伝熱流路8、8が合流するマニホールド16と、前記マニホールド16同士を繋ぐ接続流路17とで構成している。
前記二本の流路毎にUターンさせた伝熱流路8は入り口側のヘッダ流路A9に繋がる6本の伝熱往き流路8−1とヘッダ流路B10に繋がる2本の伝熱戻り流路8−2とに区分けされた形となる。
さらに、前記マニホールド16は、図7に示すように、その背丈を前記接続流路17の背丈より高くし、積層方向に隣接する他のプレートフィン2aのマニホールド16に当接させ、前記伝熱流路8の積層方向に隣接する折り返し通路部15同士の間に空隙18を形成する構成としている。
なお、上記構成のプレートフィン積層体2のプレートフィン2aは、当該プレートフィン2aの伝熱流路8の長手方向に沿って適宜設けた複数の突起19(図3参照)によって空気が流れる積層間隔を形成している。
次に上記のように構成したプレートフィン積層型熱交換器について、これを空気調和機の熱交換器として用いた場合を例にしてその作用効果を説明する。
本実施の形態の熱交換器は、例えば蒸発条件で使用されている時、管A4から気液二相状態の液冷媒がプレートフィン積層体2の入り口側のヘッダ流路A9内に流入する。ヘッダ流路A9内に流入した液冷媒は、各プレートフィン2aの連絡流路11及び分流路12を介して伝熱流路8の伝熱往き流路8−1群へ流れる。各プレートフィン2aの伝熱往き流路8−1群に流れた冷媒は他端側の分流路13でUターンし伝熱戻り流路8−2群、ヘッダ流路B10を介して管B5より冷凍システムの冷媒回路へと流出する。
そして、上記伝熱流路8の伝熱往き流路8−1から伝熱戻り流路8−2群を介して管B5へと流れる際に冷媒はガス化し、前記プレートフィン積層体2のプレートフィン積層間隔を通り抜ける空気と熱交換する。
ここで、上記プレートフィン積層型熱交換器は、後述するが、図12に示すように家庭用の空気調和機に搭載した場合、その熱交換器は二つの熱交換器ブロック1a、1bをその上部で突き合わせて送風ファン53の背面側と前面側を覆うように配置することになり、二つの熱交換器ブロック1a、1bの突き合わせ部分が通風路に位置することになる。したがって、従来の構成では既述した通り当該突合せ部分に空気を流すことができず、大きな熱交換ロスが発生していた。
しかしながら、本実施の形態のプレートフィン積層型熱交換器は、二つの熱交換器ブロック1a、1bの突き合わせ部分となる部分、すなわち、プレートフィン2aの伝熱流路8がUターンする折り返し通路部分が、複数の流路毎の伝熱流路8が合流するマニホールド16と、前記マニホールド16同士を繋ぐ接続流路17とからなっている。そして、上記マニホールド16は隣接するマニホールド16同士が当接して接続流路17同士間は空隙18が形成されている。
したがって、送風ファン53によって吸引される空気は前記接続流路17同士間の空隙18を通過することができ、伝熱流路8の折り返し通路部分も通風路及び熱交換領域として機能することになる。よって、熱交換性能を大きく向上させることができる。
また、上記伝熱流路8はこの例では二本の流路毎にグループ分けしてUターンさせ、その折り返し通路部15は複数流路毎の合流部となるマニホールド16とこのマニホールド16同士を繋ぐ接続流路17とに分けて構成しているので、マニホールド16及び接続流路17に合流して流れる流体の流量は伝熱流路全ての流体を一つの流路に纏めて合流させる場合に比べ少なくすることができる。
よって、マニホールド16及び接続流路17の断面積は伝熱流路全ての流体が合流する場合に比べ小さくでき、耐圧性の問題を発生させることなく伝熱流路8の折り返し通路部同士間に空隙18を設けて通風路及び熱交換領域として機能させ、熱交換性能を向上させると同時に信頼性も大きく向上させることができる。
なお、本実施の形態では、伝熱流路8の折り返し通路部15をマニホールド16と接続流路17とに分けて構成することにより空隙18を形成したものを例示したが、これに限定されるものではなく、折り返し通路部15を一つの流路にしてその一部に凸部を設ける、あるいは折り返し通路部の近傍に当該折り返し通路部15とは別に凸部を設ける等して、空隙18を形成するようにしてもよい。
例えば、図8の(a)に示すように、伝熱流路8の折り返し通路部15となる伝熱往き流路8−1と伝熱戻り流路8−2とを繋ぐ一つのマニホールド16の一部に背丈の高い凸部16aを設けて高低差をつけ、この高低差を利用して空隙18を形成するようにしてもよい。
或いは、図8の(b)に示すように、伝熱流路8の折り返し通路部15となる伝熱往き流路8−1と伝熱戻り流路8−2とを繋ぐマニホールド16とは別にプレートフィン2aの平坦面に前記マニホールド16より背丈の高い凸部16bを設け、この凸部16bを隣接する他のプレートフィン2aに当接させて前記マニホールド16同士の間に空隙18を形成するようにしてもよい。
上記いずれの場合も伝熱流路8の折り返し通路部15を通風路及び熱交換領域として機能させ、熱交換性能を大きく向上させることができる。
(実施の形態2)
図9は本発明の実施の形態2におけるプレートフィン積層型熱交換器のプレートフィンを示す平面図、図10は同プレートフィン積層型熱交換器のプレートフィンの伝熱流路折り返し通路部を示す平面図である。
図9、図10において、このプレートフィン2aは伝熱流路8を一つもしくは複数の流路毎、この例では一本の流路にし、Uターンを数回繰り返す形状とするとともに、前記プレートフィン2aの伝熱流路折り返し通路部近傍部分の平坦面2bに折り返し通路部15とは別に当該折り返し通路部15より背丈の高い凸部16aを設けてある。そして、前記凸部16aを積層方向に隣接する他のプレートフィン2aの平坦面2bに当接させて前記伝熱流路8の積層方向に隣接する折り返し通路部15同士の間に空隙を形成した構成としている。なお、上記凸部16aはプレートフィン2aの伝熱流路8に沿って設けた突起19を平坦面2bに設けることによって代用するなどしてもよいものである。
上記のように構成した本実施の形態のプレートフィン積層型熱交換器は、プレートフィン2aの伝熱流路8の折り返し通路部15と積層方向に隣接する他のプレートフィン2aの折り返し通路部15との間に凸部16aによって空隙18が形成され、この空隙18を介してプレートフィン端部の伝熱流路折り返し通路部にも空気を流すことができる。したがって前記実施の形態1と同様、伝熱流路8の折り返し通路部15を通風路及び熱交換領域として機能させ、熱交換性能を大きく向上させることができる。
また、上記伝熱流路8を一つもしくは複数の流路毎にグループ分けしてUターンを数回繰り返す形状としているので、伝熱流路8の折り返し通路部15は各伝熱流路8を流れる流体の流量と同じとなる。したがって、冷媒が一つの流路にまとまって合流する場合のような耐圧性の問題が発生することはなくなる。よって、熱交換性能を向上させつつ信頼性も大きく向上させることができる。
しかも、前記プレートフィン2aの伝熱流路折り返し通路部近傍部分に折り返し通路部15とは別に設けた凸部16aによって隣接する他のプレートフィン2aの伝熱流路8の折り返し通路部15との間に空隙18を設けているので、伝熱流路8の折り返し通路部15自体に凸部を設ける必要がなくなって折り返し通路部15の全長域と空隙18とすることができ、その分空気の通過面積が増大して熱交換性能が向上し、より高性能な熱交換器とすることができる。
(実施の形態3)
図11は前記実施の形態のいずれかに記載したプレートフィン積層型熱交換器を用いて構成した空気調和機の室内機を示す斜視図、図12は同空気調和機の室内機を示す断面図、図13は同室内機の熱交換器ブロックを示す斜視図、図14は同室内機の熱交換器ブロックによる作用効果を説明する説明図である。
本実施の形態に係る空気調和機の室内機は、図1、図2に示すように、本体51の内部に、開口部52から取り入れた室内空気を熱交換する熱交換器1と、熱交換器1で熱交換された空気を室内に吹き出すための送風ファン53とが設けられている。送風ファン53は、本体51の下方に設けられた吹出口54より室内に空気を吹き出すように設けられており、吹出口54には、空気の吹き出し方向を上下に変更する上下風向変更羽根55と、空気の吹き出し方向を左右に変更する左右風向変更羽根56とが設けられている。
空気調和機が空調運転を開始すると、上下風向変更羽根55が開制御されて吹出口54が開放される。この状態で送風ファン53が駆動されることで、室内空気が開口部52を介して室内機の内部に取り入れられる。取り入れられた室内空気は、熱交換器1を通過する際熱交換され、送風ファン53により吹出口54より吹き出される。
ここで、上記熱交換器1は、既述したように二つの熱交換器ブロック1a、1bをその上部で突き合わせて送風ファン53の背面側と前面側を覆うように配置してあり、二つの熱交換器ブロック1a、1bの突き合わせ部分が通風路に位置するが、この熱交換器1は前記各実施の形態で説明したように二つの熱交換器ブロック1a、1bの突き合わせ部分となる伝熱流路8の折り返し通路部分が空隙を有していて図14のZで示すように当該折り返し通路部分も空気が流れるので、高い熱交換性能を発揮する。よって、省エネ性の高い高性能な空気調和機とすることができる。
以上、本発明に係るプレートフィン積層型熱交換器及びそれを用いた冷凍システムについて、上記実施の形態を用いて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。つまり、今回開示した実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではなく、本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれるものである。
本発明は、上記したように、伝熱流路折り返し通路部での空気流れを確保して熱交換性能を向上させることができ、高性能なプレートフィン積層型根交換機とそれを用いた冷凍システムを提供することができる。よって、家庭用及び業務用エアコン等に用いる熱交換器や各種冷凍機器等に幅広く利用でき、その産業的価値は大なるものがある。
1 熱交換器
1a、1b 熱交換器ブロック
2 プレートフィン積層体
2b 平坦面
2a プレートフィン
3a、3b エンドプレート
4 管A
5 管B
6a プレート
6b プレート
7 締結手段(ボルト・ナット)
8 伝熱流路
8−1 伝熱往き流路
8−2 伝熱戻り流路
9 ヘッダ流路A
10 ヘッダ流路B
11 連絡流路
12、13 分流路
12a、12b 分流路用凹溝
15 折り返し通路部
16 マニホールド(凸部)
16a、16b 凸部
17 接続流路
18 空隙
19 突起
51 本体
52 開口部
53 送風ファン
54 吹出口
55 上下風向変更羽根
56 左右風向変更羽根

Claims (4)

  1. 流入及び流出用の一対のヘッダ流路に繋がる複数の伝熱流路を有したプレートフィンを多数積層して構成した熱交換器であって、前記プレートフィンの伝熱流路はプレートフィンの端部でUターンする形状とするとともに、前記プレートフィンのUターンする伝熱流路の折り返し通路部近傍あるいは折り返し通路部の一部に前記伝熱流路の背丈より高い凸部を設け、前記凸部を積層方向に隣接する他のプレートフィンの伝熱流路の折り返し通路部近傍あるいは他のプレートフィンの折り返し通路部の凸部に当接させて前記伝熱流路の積層方向に隣接する折り返し通路部同士の間に空隙を形成したプレートフィン積層型熱交換器。
  2. 前記伝熱流路は一つもしくは複数の流路毎にグループ分けしてUターンさせるとともに、前記プレートフィンの伝熱流路の折り返し通路部は、前記複数の流路毎の伝熱流路が合流するマニホールドと、前記マニホールド同士を繋ぐ接続通路とからなる構成とし、且つ、凸部は前記マニホールドを前記接続通路よりも背丈を高くして構成し、前記凸部となるマニホールドを積層方向に隣接する他のプレートフィンのマニホールドに当接させて前記伝熱流路の積層方向に隣接する折り返し通路部同士の間に空隙を形成した請求項1に記載のプレートフィン積層型熱交換器。
  3. 前記伝熱流路は一つもしくは複数の流路毎にグループ分けしてUターンを数回繰り返す形状とするとともに、凸部は前記プレートフィンの伝熱流路折り返し通路部近傍部分に折り返し通路部とは別に設け、前記凸部を積層方向に隣接する他のプレートフィンに当接させて前記伝熱流路の積層方向に隣接する折り返し通路部同士の間に空隙を形成した請求項1に記載のプレートフィン積層型熱交換器。
  4. 熱交換器と送風ファンを備え、前記熱交換器を前記請求項1〜3のいずれか一項に記載のプレートフィン積層型熱交換器とした冷凍システム。
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