JP2020186799A - 車両の制御装置 - Google Patents

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宏太 浅井
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【課題】無段変速機と駆動輪との間の動力伝達経路の一部を構成する回転部材の振動に起因したしゃくりを抑制する。【解決手段】油圧振動が発生しているときにしゃくりが発生し易い状況である場合には、その油圧振動においてD/S振動と同じ周波数における油圧振動成分IDpdsと同振幅且つ逆位相となる油圧振動成分IDpdscをセカンダリ圧Poutに重畳した指示油圧が出力されるので、D/S振動によって励起された油圧振動が、意図的に作り出された油圧振動によって相殺され易くされる。よって、D/S振動に起因したしゃくりを抑制することができる。このことは、ドライバビリティの向上に寄与する。【選択図】図3

Description

本発明は、ベルト式の無段変速機を備えた車両の制御装置に関するものである。
動力源と駆動輪との間の動力伝達経路の一部を構成すると共に、各々油圧アクチュエータに作動油圧が供給されることによって固定シーブと可動シーブとの間の溝幅が変更させられるプライマリプーリ及びセカンダリプーリと、前記プライマリプーリと前記セカンダリプーリとに巻き掛けられた伝動ベルトとを有する無段変速機を備えた車両の制御装置が良く知られている。例えば、特許文献1に記載された無段変速機の制御装置がそれである。この特許文献1には、ベルトの加振力周波数と弦共振周波数とを各々算出すること、それらの周波数が近接している場合、その近接している周波数における油圧振動成分と同振幅で逆位相の振動波形による指示油圧を作成し、そのとき演算されているセカンダリ圧を得る指令に上記指示油圧を得る指令を重畳した指令を出力してセカンダリプーリを加振すること、これによりベルトの弦振動がセカンダリプーリに与えられた振動により相殺されてベルトの弦振動が抑制されることが開示されている。
特開2014−185667号公報
ところで、無段変速機と駆動輪との間の動力伝達経路の一部を構成する回転部材例えばドライブシャフトの振動であるD/S振動が無段変速機側に伝達されることで油圧振動が励起されることがある。励起された油圧振動によって無段変速機の変速比の変動が生じ、この変動(又は油圧振動)とD/S振動とが共振することによって、加減速に伴い車両が何度も前後に振動を繰り返す現象であるしゃくりが発生する場合がある。しかしながら、弦共振周波数における油圧振動成分と同振幅で逆位相の油圧振動成分をプーリに供給する作動油圧に重畳しても、D/S振動と油圧振動との共振によって発生するしゃくり、すなわちD/S振動に起因したしゃくりを抑制することができない可能性がある。このしゃくりは、ドライバビリティの悪化につながるおそれがある。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、無段変速機と駆動輪との間の動力伝達経路の一部を構成する回転部材の振動に起因したしゃくりを抑制することができる車両の制御装置を提供することにある。
第1の発明の要旨とするところは、(a)動力源と駆動輪との間の動力伝達経路の一部を構成すると共に、各々油圧アクチュエータに作動油圧が供給されることによって固定シーブと可動シーブとの間の溝幅が変更させられるプライマリプーリ及びセカンダリプーリと、前記プライマリプーリと前記セカンダリプーリとに巻き掛けられた伝動ベルトとを有する無段変速機を備えた車両の、制御装置であって、(b)前記作動油圧の変動幅が所定変動幅以上となる油圧振動が発生しているときに、前記無段変速機と前記駆動輪との間の動力伝達経路の一部を構成する回転部材上のトルクが負トルクから正トルクへ変化し且つ前記回転部材の回転変動幅が所定回転変動幅以上である場合には、前記油圧振動において前記回転部材の回転変動と同じ周波数における油圧振動成分と同振幅且つ逆位相となる油圧振動成分を、前記プライマリプーリ及び前記セカンダリプーリのうちの何れか一方の前記油圧アクチュエータに供給される前記作動油圧に重畳した指示油圧を出力する油圧制御部を、含むことにある。
前記第1の発明によれば、無段変速機と駆動輪との間の動力伝達経路の一部を構成する回転部材上のトルクが負トルクから正トルクへ変化し且つその回転部材の回転変動幅が所定回転変動幅以上であるときはしゃくりが発生し易い状況であることに対して、油圧振動が発生しているときにしゃくりが発生し易い状況である場合には、その油圧振動においてその回転部材の回転変動と同じ周波数における油圧振動成分と同振幅且つ逆位相となる油圧振動成分を、何れかのプーリのアクチュエータに供給される作動油圧に重畳した指示油圧が出力されるので、その回転部材の振動によって励起された油圧振動が、意図的に作り出された油圧振動によって相殺され易くされる。よって、無段変速機と駆動輪との間の動力伝達経路の一部を構成する回転部材の振動に起因したしゃくりを抑制することができる。このことは、ドライバビリティの向上に寄与する。
本発明が適用される車両の概略構成を説明する図であると共に、車両における各種制御の為の制御機能及び制御系統の要部を説明する図である。 無段変速機などに関わる作動を制御する油圧システムの一例を示す図である。 電子制御装置の制御作動の要部すなわちD/S振動に起因したしゃくりを抑制する為の制御作動を説明するフローチャートである。
本発明の実施形態において、前記車両は前記油圧アクチュエータに供給される作動油圧としてのプーリ油圧を制御する油圧制御回路を備える。この油圧制御回路は、例えば前記油圧アクチュエータへの作動油の流量を制御することにより結果的にプーリ油圧を生じるように構成されても良い。このような油圧制御回路により、前記プライマリプーリ及び前記セカンダリプーリにおける各推力(=プーリ油圧×受圧面積)が各々制御されることで、前記伝動ベルトの滑りを防止しつつ目標の変速が実現されるように変速制御が実行される。前記伝動ベルトは、無端環状のフープと、そのフープに沿って厚さ方向に多数連ねられた厚肉板片状のブロックであるエレメントとを有する無端環状の圧縮式の伝動ベルト、又は、交互に重ねられたリンクプレートの端部が連結ピンによって相互に連結された無端環状のリンクチェーンを構成する引張式の伝動ベルトなどである。広義には、ベルト式の無段変速機の概念にチェーン式の無段変速機を含む。
また、前記無段変速機などにおける変速比は、「入力側の回転部材の回転速度/出力側の回転部材の回転速度」である。例えば、前記無段変速機の変速比は、「プライマリプーリの回転速度/セカンダリプーリの回転速度」である。変速比におけるハイ側は、変速比が小さくなる側である高車速側である。変速比におけるロー側は、変速比が大きくなる側である低車速側である。例えば、最ロー側変速比は、最も低車速側となる最低車速側の変速比であり、変速比が最も大きな値となる最大変速比である。
また、前記動力源は、例えば燃料の燃焼によって動力を発生するガソリンエンジンやディーゼルエンジン等のエンジンである。又、前記車両は、前記動力源として、このエンジンに加えて、又は、このエンジンに替えて、回転機等を備えていても良い。
以下、本発明の実施例を図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明が適用される車両10の概略構成を説明する図であると共に、車両10における各種制御の為の制御機能及び制御系統の要部を説明する図である。図1において、車両10は、エンジン12と、駆動輪14と、エンジン12と駆動輪14との間の動力伝達経路に設けられた動力伝達装置16とを備えている。
動力伝達装置16は、車体に取り付けられる非回転部材としてのケース18内において、エンジン12に連結された流体式伝動装置としての公知のトルクコンバータ20、トルクコンバータ20に連結されたタービン軸22、タービン軸22に連結された前後進切替装置24、前後進切替装置24に連結された入力軸26、入力軸26に連結されたベルト式の無段変速機28、無段変速機28に連結された出力軸30、減速ギヤ機構32、ディファレンシャルギヤ34等を備えている。又、動力伝達装置16は、ディファレンシャルギヤ34に連結された左右のドライブシャフト36等を備えている。動力伝達装置16において、エンジン12から出力される動力は、トルクコンバータ20、前後進切替装置24、無段変速機28、減速ギヤ機構32、ディファレンシャルギヤ34、及びドライブシャフト36等を順次介して駆動輪14へ伝達される。前記動力は、特に区別しない場合にはトルクや力も同意である。
エンジン12は、車両10の走行用の動力源であり、ガソリンエンジンやディーゼルエンジン等の公知の内燃機関である。このエンジン12は、後述する電子制御装置90によって、車両10に備えられたスロットルアクチュエータや燃料噴射装置や点火装置などが制御されることにより、エンジン12の出力トルクであるエンジントルクTeが制御される。
トルクコンバータ20は、エンジン12に連結されたポンプ翼車20p、及びタービン軸22に連結されたタービン翼車20tを備えている。又、トルクコンバータ20には、ポンプ翼車20p及びタービン翼車20tの間すなわちトルクコンバータ20の入出力回転部材間を直結可能な公知のロックアップクラッチLUが設けられている。
動力伝達装置16は、ポンプ翼車20pに連結された機械式のオイルポンプ38を備えている。オイルポンプ38は、エンジン12により回転駆動されることにより、無段変速機28を変速制御したり、無段変速機28におけるベルト挟圧力を発生させたり、後述する前進用クラッチC1及び後進用ブレーキB1の各々の係合状態や解放状態などの作動状態を切り替えたり、ロックアップクラッチLUの作動状態を切り替えたりする為の作動油圧の元圧を生成する作動油を、車両10に備えられた油圧制御回路40へ供給する。
前後進切替装置24は、ダブルピニオン型の遊星歯車装置24p、前進用クラッチC1、及び後進用ブレーキB1を備えている。遊星歯車装置24pは、サンギヤ24s、キャリア24c、及びリングギヤ24rの3つの回転要素を有する差動機構である。サンギヤ24sは、タービン軸22に連結されている。キャリア24cは、入力軸26に連結されている。リングギヤ24rは、後進用ブレーキB1を介してケース18に選択的に連結される。キャリア24cとサンギヤ24sとは、前進用クラッチC1を介して選択的に連結される。前進用クラッチC1及び後進用ブレーキB1は何れも、各々の油圧アクチュエータによって摩擦係合させられる公知の油圧式の湿式の摩擦係合装置である。前進用クラッチC1及び後進用ブレーキB1は、各々、油圧制御回路40により調圧された作動油圧である制御圧が油圧アクチュエータへ供給されることにより作動状態が切り替えられる。前後進切替装置24では、前進用クラッチC1が係合されると共に後進用ブレーキB1が解放されると、動力伝達装置16において前進用の動力伝達経路が形成される。又、後進用ブレーキB1が係合されると共に前進用クラッチC1が解放されると、動力伝達装置16において後進用の動力伝達経路が形成される。又、前進用クラッチC1及び後進用ブレーキB1が共に解放されると、動力伝達装置16は動力伝達が不能なニュートラル状態とされる。
無段変速機28は、入力軸26に連結された有効径が可変のプライマリプーリ50と、出力軸30に連結された有効径が可変のセカンダリプーリ52と、それら各プーリ50,52に巻き掛けられた伝達要素としての伝動ベルト54とを備えている。無段変速機28は、各プーリ50,52と伝動ベルト54との間の摩擦力を介して動力伝達が行われ、エンジン12の動力を駆動輪14側へ伝達する。このように、無段変速機28は、エンジン12と駆動輪14との間の動力伝達経路の一部を構成する。前記摩擦力は、各プーリ50,52が伝動ベルト54を挟む圧力である挟圧力も同意であり、ベルト挟圧力ともいう。このベルト挟圧力は、無段変速機28における伝動ベルト54のトルク容量であるベルトトルク容量Tcvtである。
プライマリプーリ50は、入力軸26に連結された固定シーブ50aと、固定シーブ50aに対して入力軸26の軸心回りの相対回転不能且つ軸心方向の移動可能に設けられた可動シーブ50bと、可動シーブ50bに対してプライマリ推力Winを付与するアクチュエータとしての油圧アクチュエータ50cとを備えている。プライマリ推力Winは、固定シーブ50aと可動シーブ50bとの間のV溝幅を変更する為のプライマリプーリ50の推力(=プライマリ圧Pin×受圧面積)である。つまり、プライマリ推力Winは、油圧アクチュエータ50cによって付与される伝動ベルト54を挟圧するプライマリプーリ50の推力である。プライマリ圧Pinは、油圧制御回路40によって油圧アクチュエータ50cへ供給される作動油圧であり、プライマリ推力Winを生じさせるプーリ油圧である。又、セカンダリプーリ52は、出力軸30に連結された固定シーブ52aと、固定シーブ52aに対して出力軸30の軸心回りの相対回転不能且つ軸心方向の移動可能に設けられた可動シーブ52bと、可動シーブ52bに対してセカンダリ推力Woutを付与するアクチュエータとしての油圧アクチュエータ52cとを備えている。セカンダリ推力Woutは、固定シーブ52aと可動シーブ52bとの間のV溝幅を変更する為のセカンダリプーリ52の推力(=セカンダリ圧Pout×受圧面積)である。つまり、セカンダリ推力Woutは、油圧アクチュエータ52cによって付与される伝動ベルト54を挟圧するセカンダリプーリ52の推力である。セカンダリ圧Poutは、油圧制御回路40によって油圧アクチュエータ52cへ供給される作動油圧であり、セカンダリ推力Woutを生じさせるプーリ油圧である。
無段変速機28では、後述する電子制御装置90により駆動される油圧制御回路40によってプライマリ圧Pin及びセカンダリ圧Poutが各々調圧制御されることにより、プライマリ推力Win及びセカンダリ推力Woutが各々制御される。これにより、無段変速機28では、各プーリ50,52のV溝幅が変化して伝動ベルト54の掛かり径(=有効径)が変更され、変速比γ(=入力軸回転速度Nin/出力軸回転速度Nout)が変化させられると共に、伝動ベルト54が滑りを生じないようにベルト挟圧力が制御される。つまり、プライマリ推力Win及びセカンダリ推力Woutが各々制御されることで、各プーリ50,52と伝動ベルト54との間での滑りであるベルト滑りが防止されつつ無段変速機28の変速比γが目標変速比γtgtとされる。尚、入力軸回転速度Ninは、入力軸26の回転速度であり、プライマリプーリ50の回転速度と同意である。又、出力軸回転速度Noutは、出力軸30の回転速度であり、セカンダリプーリ52の回転速度と同意である。
無段変速機28では、プライマリ圧Pinが高められると、プライマリプーリ50のV溝幅が狭くされて変速比γが小さくされる。変速比γが小さくされることは、無段変速機28がアップシフトされることである。一方で、無段変速機28では、プライマリ圧Pinが低められると、プライマリプーリ50のV溝幅が広くされて変速比γが大きくされる。変速比γが大きくされることは、無段変速機28がダウンシフトされることである。尚、無段変速機28では、プライマリ推力Winとセカンダリ推力Woutとによりベルト滑りが防止されつつ、プライマリ推力Winとセカンダリ推力Woutとの相互関係にて目標変速比γtgtが実現されるものであり、一方の推力のみで目標の変速が実現されるものではない。プライマリ圧Pinとセカンダリ圧Poutとの相互関係で、プライマリ推力Winとセカンダリ推力Woutとの比の値である推力比τ(=Wout/Win)が変更されることにより無段変速機28の変速比γが変更される。推力比τは、セカンダリ推力Woutのプライマリ推力Winに対する比の値である。例えば、推力比τが大きくされる程、変速比γが大きくされる、すなわち無段変速機28はダウンシフトされる。
車両10は、エンジン12、無段変速機28などの制御に関連する車両10の制御装置を含むコントローラとしての電子制御装置90を備えている。電子制御装置90は、例えばCPU、RAM、ROM、入出力インターフェース等を備えた所謂マイクロコンピュータを含んで構成されており、CPUはRAMの一時記憶機能を利用しつつ予めROMに記憶されたプログラムに従って信号処理を行うことにより車両10の各種制御を実行する。電子制御装置90は、エンジン12の出力制御、無段変速機28の変速制御やベルト挟圧力制御、係合装置(C1,B1,LU)の各々の作動状態を切り替える油圧制御等を実行する。電子制御装置90は、必要に応じてエンジン制御用、油圧制御用等に分けて構成される。
電子制御装置90には、車両10に備えられた各種センサ等(例えばエンジン回転速度センサ60、タービン回転速度センサ62、入力回転速度センサ64、出力回転速度センサ66、アクセル開度センサ68、スロットル弁開度センサ69など)による検出値に基づく各種信号等(例えばエンジン12の回転速度であるエンジン回転速度Ne、タービン軸22の回転速度であるタービン回転速度Nt、入力軸回転速度Nin、車速Vに対応する出力軸回転速度Nout、アクセル開度pap、電子スロットル弁の開度であるスロットル弁開度tapなど)が、それぞれ供給される。アクセル開度papは、運転者の加速操作の大きさを表す運転者の加速操作量であり、車両10に備えられた例えばアクセルペダルなどのアクセル操作部材の操作量すなわちアクセル操作量である。アクセル開度papは、車両10に対する運転者の出力要求量でもある。運転者の加速操作量としては、アクセル開度papの他に、スロットル弁開度tapなどを用いることもできる。
又、電子制御装置90からは、車両10に備えられた各種装置(例えばエンジン12、油圧制御回路40など)に各種指令信号(例えばエンジン12を制御する為のエンジン制御指令信号Se、無段変速機28の変速やベルト挟圧力等を制御する為のCVT油圧制御指令信号Scvt、前進用クラッチC1や後進用ブレーキB1の各々の作動状態を制御する為のCB油圧制御指令信号Scb、ロックアップクラッチLUの作動状態を制御する為のLU油圧制御指令信号Sluなど)が、それぞれ出力される。
図2は、車両10に備えられた、無段変速機28、ロックアップクラッチLU、前進用クラッチC1、及び後進用ブレーキB1に関わる作動を制御する油圧システム70の一例を示す図である。図2において、油圧システム70は、油圧制御回路40、オイルポンプ38、オイルパン72、ストレーナ74、吐出油路76などを備えている。
オイルポンプ38は、ケース18の下部に設けられたオイルパン72に還流した作動油を、ストレーナ74から吸い上げて吐出油路76へ吐出する。吐出油路76は、油圧制御回路40内の油路、例えばライン圧PLが流通するライン圧油路78に連結されている。
油圧制御回路40は、オイルポンプ38から吐出される作動油を用いてライン圧PLを調圧するレギュレータ弁80、ライン圧PLを元圧として無段変速機28の変速作動及びベルト挟圧力を制御するCVT油圧制御系82、ライン圧PLを元圧としてロックアップクラッチLUの作動状態を制御するLU油圧制御系84、ライン圧PLを元圧として前進用クラッチC1及び後進用ブレーキB1の各作動状態を制御するC1/B1油圧制御系86などを備えている。
CVT油圧制御系82は、例えば油圧アクチュエータ50cへ供給するプライマリ圧Pinを調圧するコントロール弁やそのコントロール弁を作動させる電磁弁、油圧アクチュエータ52cへ供給するセカンダリ圧Poutを調圧するコントロール弁やそのコントロール弁を作動させる電磁弁等を備えている。LU油圧制御系84は、例えばロックアップクラッチLUの作動状態を切り替える為の切替弁、ロックアップクラッチLUへ供給するLUクラッチ圧Pluを調圧するコントロール弁、それらの切替弁及びコントロール弁を作動させる1つ又は複数の電磁弁等を備えている。C1/B1油圧制御系86は、例えば前進用クラッチC1へ供給するC1クラッチ圧Pc1を調圧制御して出力する電磁弁、後進用ブレーキB1へ供給するB1ブレーキ圧Pb1を調圧制御して出力する電磁弁等を備えている。
CVT油圧制御指令信号Scvtは、例えばCVT油圧制御系82が備える電磁弁等を駆動する為の指令信号である。電子制御装置90は、無段変速機28の目標の変速作動及び目標のベルト挟圧力を得る為の、プライマリ圧Pin及びセカンダリ圧Poutの各々の値に対応する油圧指示値である指示油圧を設定し、それらの指示油圧に応じた駆動電流又は駆動電圧をCVT油圧制御系82の電磁弁等へ出力する。LU油圧制御系84が備える電磁弁等を駆動する為の指令信号であるLU油圧制御指令信号Slu、及びC1/B1油圧制御系86が備える電磁弁等を駆動する為の指令信号であるCB油圧制御指令信号Scbについても同様である。
図1に戻り、電子制御装置90は、車両10における各種制御を実現する為に、エンジン制御手段すなわちエンジン制御部92、及び油圧制御手段すなわち油圧制御部94を備えている。
エンジン制御部92は、要求されたエンジントルクTeが得られるようにエンジン12を制御する。具体的には、エンジン制御部92は、予め実験的に或いは設計的に求められて記憶された関係すなわち予め定められた関係である例えば駆動力マップにアクセル開度pap及び車速Vを適用することで要求駆動トルクTddemを算出する。エンジン制御部92は、無段変速機28の変速比γ等を考慮して、その要求駆動トルクTddemを実現するエンジントルクTeが得られるようにエンジン12を制御するエンジン制御指令信号Seをエンジン12へ出力する。
油圧制御部94は、無段変速機28のベルト滑りが発生しないようにしつつ無段変速機28の目標変速比γtgtを達成するように、無段変速機28の変速比γ及びベルト挟圧力を制御する。具体的には、油圧制御部94は、予め定められた関係である例えば変速マップやベルト挟圧力マップにアクセル開度pap及び車速Vを適用することで、無段変速機28のベルト滑りが発生しないようにしつつエンジン12の動作点が所定の最適ライン例えばエンジン最適燃費線上となる無段変速機28の目標変速比γtgtを達成する為の目標プライマリ推力Wintgt及び目標セカンダリ推力Wouttgtを算出する。油圧制御部94は、目標プライマリ推力Wintgt及び目標セカンダリ推力Wouttgtを実現する目標プライマリ圧Pintgt及び目標セカンダリ圧Pouttgtが得られるように、プライマリ圧Pin及びセカンダリ圧Poutを制御するCVT油圧制御指令信号Scvtを油圧制御回路40へ出力する。
ここで、伝動ベルト54(特にはエレメント又は連結ピン)がプーリ50,52に接触する周期に対応した周波数である噛み込み周波数すなわちベルト加振力周波数と、伝動ベルト54の弦共振周波数とが一致又は近接していると、ドライバビリティを悪化させる程の大きな弦振動やノイズが発生するおそれがある。弦振動は、伝動ベルト54がプーリ50,52に巻き掛けられていない部分である弦部の振動である。弦振動は、セカンダリ圧Poutなどが変動する現象である油圧振動を誘発する。ここでの作動油圧の変動は、無段変速機28の目標の変速作動及び目標のベルト挟圧力を得る為の変化分を除いた変動である。尚、油圧振動は、弦振動によって誘発されること以外に、例えばコントロール弁の作動や電磁弁の作動に伴って作動油圧自身が振動することもある。
弦振動の発生に対して、電子制御装置90は、作動油圧例えばセカンダリ圧Poutの変動幅が所定変動幅以上となる油圧振動が発生している場合には、その油圧振動において弦共振周波数又は噛み込み周波数における油圧振動成分と同振幅且つ逆位相となる油圧振動成分をセカンダリ圧Poutに重畳した指示油圧を出力して、弦振動を抑制する。前記所定変動幅は、例えば抑制する必要がある程の大きな油圧変動であることを判断する為の予め定められた閾値である。本実施例では、セカンダリ圧Poutの変動幅が所定変動幅以上となる油圧振動を過大油圧振動と称する。
ところで、ドライブシャフト36の回転変動すなわちドライブシャフト36の振動であるD/S振動が無段変速機28側に伝達されることで油圧振動が励起されることがある。この励起された油圧振動とD/S振動とが共振することによってしゃくりが発生する場合がある。D/S振動の周波数と弦共振周波数とが一致又は近接していないときは、過大油圧振動において弦共振周波数における油圧振動成分と同振幅且つ逆位相となる油圧振動成分をセカンダリ圧Poutに重畳しても、D/S振動に起因したしゃくりを抑制することができない可能性がある。ドライブシャフト36は、無段変速機28と駆動輪14との間の動力伝達経路の一部を構成する回転部材の一例である。
しゃくりの発生に対して、電子制御装置90は、過大油圧振動が発生している場合には、その過大油圧振動においてD/S振動と同じ周波数における油圧振動成分と同振幅且つ逆位相となる油圧振動成分をセカンダリ圧Poutに重畳した指示油圧を出力して、しゃくりを抑制する。
具体的には、電子制御装置90は、上述したようなしゃくりを抑制するという制御機能を実現する為に、更に、状態判定手段すなわち状態判定部96を備えている。
状態判定部96は、例えば無段変速機28の実際の変速比γを所定のアルゴリズムで解析し、解析したデータに基づいて無段変速機28の変速比γの変動幅が所定変速比変動幅以上となる大きな変速比γの変動が発生しているか否かを判定する。前記所定変速比変動幅は、例えば抑制する必要がある程の大きな変速比γの変動であることを判断する為の予め定められた閾値である。ここでの変速比γの変動は、無段変速機28の目標変速比γtgtとする為の変化分を除いた変動である。油圧振動に伴って変速比γも変動するので、無段変速機28の大きな変速比γの変動が発生しているか否かを判定することは、過大油圧振動が発生しているか否かを判定することと同意である。
状態判定部96は、過大油圧振動が発生していると判定した場合には、しゃくりの発生条件が成立したか否かを判定する。しゃくりの発生条件が成立したか否かを判定することは、しゃくりが発生し易い状況であるか否かを判定することと同意である。ドライブシャフト36上のトルクであるD/SトルクTdsが負トルクから正トルクへ変化し且つドライブシャフト36の回転変動幅が所定回転変動幅以上であるときは、しゃくりが発生し易い状況であると考えられる。D/SトルクTdsの負トルクは車両10が被駆動状態となるトルクであり、D/SトルクTdsの正トルクは車両10が駆動状態となるトルクである。
具体的には、状態判定部96は、D/SトルクTds(=Tees×t×γ×i)がゼロ[Nm]を通過して変化するか否か、特にはD/SトルクTdsが負トルクから正トルクへ変化したか否かを判定する。上記D/SトルクTdsの算出式における「Tees」はエンジントルクTeの推定値であり、「t」はトルクコンバータ20のトルク比(=タービントルク/ポンプトルク)であり、「γ」は無段変速機28の変速比であり、「i」は出力軸30からドライブシャフト36までの動力伝達経路における減速ギヤ機構32等の減速比である。状態判定部96は、予め定められた関係である例えばエンジントルクマップにエンジン回転速度Neとスロットル弁開度tapを適用することでエンジントルクTeの推定値Teesを算出する。トルク比tは、トルクコンバータ20の速度比e(=タービン回転速度Nt/ポンプ回転速度(=エンジン回転速度Ne))の関数であり、状態判定部96は、速度比eとトルク比tとの予め定められた関係に実際の速度比eを適用することでトルク比tを算出する。又、状態判定部96は、ドライブシャフト36の回転変動幅が所定回転変動幅以上となる大きなD/S振動が発生しているか否か、すなわちD/S振動が大きいか否かを判定する。状態判定部96は、例えば出力軸回転速度Noutの変動幅が所定出力回転変動幅以上であるか否かに基づいて、ドライブシャフト36の回転変動幅が所定回転変動幅以上であるか否かを判定する。状態判定部96は、例えば出力軸回転速度Noutを所定のアルゴリズムで解析し、解析したデータに基づいて出力軸回転速度Noutの変動幅が所定出力回転変動幅以上であるか否かを判定する。前記所定回転変動幅や所定出力回転変動幅は、例えばしゃくりが発生し易い状況であることを判断する為の予め定められた閾値である。ここでのドライブシャフト36の回転変動や出力軸回転速度Noutの変動は、例えば車速Vの変化分を除いた変動である。
状態判定部96は、D/SトルクTdsがゼロ[Nm]を通過して変化するか否かを判定し、且つ、D/S振動が大きいか否かを判定することで、しゃくりの発生条件が成立したか否かを判定する。状態判定部96は、D/SトルクTdsが負トルクから正トルクへ変化し且つドライブシャフト36の回転変動幅が所定回転変動幅以上であると判定した場合には、しゃくりの発生条件が成立したと判定する、すなわちしゃくりが発生し易い状況であると判定する。
油圧制御部94は、状態判定部96により過大油圧振動が発生していると判定されたときに、状態判定部96によりしゃくりが発生し易い状況であると判定された場合には、過大油圧振動においてD/S振動と同じ周波数における油圧振動成分IDpdsと同振幅且つ逆位相となる油圧振動成分IDpdscをセカンダリ圧Poutに重畳した指示油圧となるCVT油圧制御指令信号Scvtを油圧制御回路40へ出力する。又、油圧制御部94は、状態判定部96により過大油圧振動が発生していると判定された場合には、過大油圧振動において弦共振周波数又は噛み込み周波数における油圧振動成分IDpcvtと同振幅且つ逆位相となる油圧振動成分IDpcvtcをセカンダリ圧Poutに重畳した指示油圧となるCVT油圧制御指令信号Scvtを油圧制御回路40へ出力する。
具体的には、油圧制御部94は、例えば出力軸回転速度Noutを所定のアルゴリズムで解析し、解析したデータに基づいて出力軸回転速度Noutの変動における周波数を算出する。油圧制御部94は、出力軸回転速度Noutの変動における周波数を、D/S振動の周波数とする。油圧制御部94は、無段変速機28の実際の変速比γを所定のアルゴリズムで解析し、解析したデータに基づいて無段変速機28の変速比γの変動においてD/S振動と同じ周波数における変速比γの変動成分IDγdsと同振幅且つ逆位相となる変速比γの変動成分IDγdscを作成する。油圧制御部94は、変速比γの変動成分IDγと油圧振動成分IDpとの相関が予め定められた関係に上記作成した同振幅で逆位相となる変速比γの変動成分IDγdscを適用することで、同振幅で逆位相となる油圧振動成分IDpdscを作成する。油圧制御部94は、無段変速機28のベルト滑りが発生しないようにしつつ無段変速機28の目標変速比γtgtを達成する為の目標セカンダリ圧Pouttgtに上記作成した油圧振動成分IDpdscを重畳した指示油圧を作成し、その指示油圧となるCVT油圧制御指令信号Scvtを油圧制御回路40へ出力する。尚、目標セカンダリ圧Pouttgtに油圧振動成分IDpdscを重畳した指示油圧においても、無段変速機28のベルト滑りが発生しないように目標セカンダリ圧Pouttgtに一定値が加算されても良い。
又、油圧制御部94は、噛み込み周波数(=Nin×A)を算出する。上記噛み込み周波数の算出式における「Nin」は入力軸回転速度すなわちプライマリプーリ50の回転速度であり、「A」は噛み込み周波数を求める為の予め定められた所定の定数である。油圧制御部94は、n次の弦共振周波数(=n/2/L×√(T/ρ))を算出する。上記弦共振周波数の算出式における「n」は次数であり、「L」は伝動ベルト54の弦部の長さであり、「T」はエンジントルクTe及び変速比γに依存して変化する伝動ベルト54の張力であり、「ρ」は伝動ベルト54の線密度である。n次の弦共振周波数は、例えば1次の弦共振周波数から噛み込み周波数を超える最小のn次の弦共振周波数まで算出される。油圧制御部94は、噛み込み周波数とn次の弦共振周波数のうちの何れかとが一致又は近接しているか否かを判定する。近接していることとは、共振する程度に近い値であるということである。油圧制御部94は、噛み込み周波数とn次の弦共振周波数のうちの何れかとが一致又は近接していると判定した場合には、無段変速機28の実際の変速比γを所定のアルゴリズムで解析したデータに基づいて無段変速機28の変速比γの変動において噛み込み周波数又は弦共振周波数(すなわち一致又は近接していると判定されたn次の弦共振周波数)における変速比γの変動成分IDγcvtと同振幅且つ逆位相となる変速比γの変動成分IDγcvtcを作成する。油圧制御部94は、変速比γの変動成分IDγと油圧振動成分IDpとの相関が予め定められた関係に上記作成した同振幅で逆位相となる変速比γの変動成分IDγcvtcを適用することで、同振幅で逆位相となる油圧振動成分IDpcvtcを作成する。油圧制御部94は、無段変速機28のベルト滑りが発生しないようにしつつ無段変速機28の目標変速比γtgtを達成する為の目標セカンダリ圧Pouttgtに上記作成した油圧振動成分IDpcvtcを重畳した指示油圧を作成し、その指示油圧となるCVT油圧制御指令信号Scvtを油圧制御回路40へ出力する。尚、目標セカンダリ圧Pouttgtに油圧振動成分IDpcvtcを重畳した指示油圧においても、無段変速機28のベルト滑りが発生しないように目標セカンダリ圧Pouttgtに一定値が加算されても良い。
図3は、電子制御装置90の制御作動の要部すなわちD/S振動に起因したしゃくりを抑制する為の制御作動を説明するフローチャートであり、例えば繰り返し実行される。
図3において、先ず、状態判定部96の機能に対応するステップ(以下、ステップを省略する)S10において、大きな変速比γの変動つまり過大油圧振動が発生しているか否かが判定される。このS10の判断が否定される場合は、本ルーチンが終了させられる。このS10の判断が肯定される場合は状態判定部96の機能に対応するS20において、D/SトルクTdsがゼロ[Nm]を通過して変化するか否かが判定される。このS20の判断が肯定される場合は状態判定部96の機能に対応するS30において、D/S振動が大きいか否かが判定される。このS30の判断が肯定される場合は油圧制御部94の機能に対応するS40において、D/S振動の周波数が算出される。次いで、油圧制御部94の機能に対応するS50において、D/S振動と同じ周波数における油圧振動成分IDpdsと同振幅で逆位相となる油圧振動成分IDpdscが作成される。次いで、油圧制御部94の機能に対応するS60において、目標セカンダリ圧Pouttgtに油圧振動成分IDpdscを重畳した指示油圧が出力される。一方で、上記S20の判断が否定される場合は、又は、上記S30の判断が否定される場合は、油圧制御部94の機能に対応するS70において、噛み込み周波数が算出される。次いで、油圧制御部94の機能に対応するS80において、n次の弦共振周波数が算出される。次いで、油圧制御部94の機能に対応するS90において、噛み込み周波数とn次の弦共振周波数のうちの何れかとが一致又は近接しているか否かが判定される。このS90の判断が否定される場合は、本ルーチンが終了させられる。このS90の判断が肯定される場合は油圧制御部94の機能に対応するS100において、噛み込み周波数又は弦共振周波数における油圧振動成分IDpcvtと同振幅で逆位相となる油圧振動成分IDpcvtcが作成される。次いで、油圧制御部94の機能に対応するS110において、目標セカンダリ圧Pouttgtに油圧振動成分IDpcvtcを重畳した指示油圧が出力される。
上述のように、本実施例によれば、油圧振動が発生しているときにしゃくりが発生し易い状況である場合には、その油圧振動においてD/S振動と同じ周波数における油圧振動成分IDpdsと同振幅且つ逆位相となる油圧振動成分IDpdscをセカンダリ圧Poutに重畳した指示油圧が出力されるので、D/S振動によって励起された油圧振動が、意図的に作り出された油圧振動によって相殺され易くされる。よって、D/S振動に起因したしゃくりを抑制することができる。このことは、ドライバビリティの向上に寄与する。
また、本実施例によれば、油圧制御回路40において油圧振動を低減する為に電磁弁やオリフィスやダンパなどの構造変更を実施することが考えられることに対して、そのような構造変更によるコストアップを上述した制御によって対策するので、大幅なコスト低減が期待できる。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
例えば、前述の実施例では、同振幅且つ逆位相となる油圧振動成分IDpdscをセカンダリ圧Poutに重畳した指示油圧を出力したが、同振幅且つ逆位相となる油圧振動成分IDpdscをプライマリ圧Pinに重畳した指示油圧を出力しても良い。このようにしても、前述の実施例と同様の効果が得られる。
また、前述の実施例では、無段変速機28と駆動輪14との間の動力伝達経路の一部を構成する回転部材としてドライブシャフト36を例示したが、例えば減速ギヤ機構32を構成する回転部材などであっても良い。要は、自身の振動に起因したしゃくりが発生する可能性がある回転部材であれば、本発明を適用することができる。
また、前述の実施例において、セカンダリ圧Poutなどを検出する油圧センサが車両10に備えられている場合には、例えば油圧センサにより検出されたセカンダリ圧Poutを用いて過大油圧振動が発生しているか否かを判定しても良い。又、この場合には、D/S振動と同じ周波数における変速比γの変動成分IDγdsと同振幅且つ逆位相となる変速比γの変動成分IDγdscを作成することなく、油圧センサにより検出されたセカンダリ圧Poutを所定のアルゴリズムで解析したデータに基づいて、油圧振動においてD/S振動と同じ周波数における油圧振動成分IDpdsと同振幅且つ逆位相となる油圧振動成分IDpdscを作成しても良い。
また、前述の実施例では、出力軸回転速度Noutを用いてD/S振動が大きいか否かを判定したが、例えば前後加速度や左右加速度を検出する加速度センサが車両10に備えられている場合には、加速度センサにより検出された前後加速度等を用いてD/S振動が大きいか否かを判定しても良い。
また、前述の実施例における図3のフローチャートにおいて、S70−S110は、S20又はS30の判断が否定された場合に実行されたが、S30の判断が肯定された場合にも、S40−S60の実行に加えて、実行されても良い。又は、しゃくりを抑制するという観点であれば、S70−S110は、なくても良い。又は、S20とS30との実行順が逆でも良いなど、図3のフローチャートは適宜変更され得る。
また、本発明は、動力源と駆動輪との間の動力伝達経路にギヤ機構を介した第1動力伝達経路とベルト式の無段変速機を介した第2動力伝達経路との複数の動力伝達経路が並列に設けられた自動変速機を備えた車両などにもを適用することができる。要は、動力源と駆動輪との間の動力伝達経路の一部を構成するベルト式の無段変速機を備えた車両であれば本発明を適用することができる。
尚、上述したのはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
10:車両
12:エンジン(動力源)
14:駆動輪
28:無段変速機
36:ドライブシャフト(回転部材)
50:プライマリプーリ
50a:固定シーブ
50b:可動シーブ
50c:油圧アクチュエータ
52:セカンダリプーリ
52a:固定シーブ
52b:可動シーブ
52c:油圧アクチュエータ
54:伝動ベルト
90:電子制御装置(制御装置)
94:油圧制御部

Claims (1)

  1. 動力源と駆動輪との間の動力伝達経路の一部を構成すると共に、各々油圧アクチュエータに作動油圧が供給されることによって固定シーブと可動シーブとの間の溝幅が変更させられるプライマリプーリ及びセカンダリプーリと、前記プライマリプーリと前記セカンダリプーリとに巻き掛けられた伝動ベルトとを有する無段変速機を備えた車両の、制御装置であって、
    前記作動油圧の変動幅が所定変動幅以上となる油圧振動が発生しているときに、前記無段変速機と前記駆動輪との間の動力伝達経路の一部を構成する回転部材上のトルクが負トルクから正トルクへ変化し且つ前記回転部材の回転変動幅が所定回転変動幅以上である場合には、前記油圧振動において前記回転部材の回転変動と同じ周波数における油圧振動成分と同振幅且つ逆位相となる油圧振動成分を、前記プライマリプーリ及び前記セカンダリプーリのうちの何れか一方の前記油圧アクチュエータに供給される前記作動油圧に重畳した指示油圧を出力する油圧制御部を、含むことを特徴とする車両の制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023176825A1 (ja) * 2022-03-18 2023-09-21 ジヤトコ株式会社 変速機の制御装置、変速機の制御方法及びプログラム

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