JP2020184068A - 光学材料用チオール含有組成物、光学材料用重合性組成物 - Google Patents

光学材料用チオール含有組成物、光学材料用重合性組成物 Download PDF

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雄 西村
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政幸 古屋
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Abstract

【課題】ハンドリング性に優れた重合性組成物が得られ、さらに屈折率、アッベ数、白濁、歪み、脈理等の光学物性、強度等の機械物性、染色性に優れた光学材料が得られる光学材料用チオール含有組成物を提供する。【解決手段】一般式(a)で表される化合物(A)と、一般式(b2−1)で表される化合物(b2−1)、一般式(b3−1)で表される化合物(b3−1)、一般式(b3−2)で表される化合物(b3−2)、および一般式(b4−2)で表される化合物(b4−2)から選択される少なくとも1種のみからなる化合物(B)と、を含み、高速液体クロマトグラフィー測定において、化合物(A)のピーク面積100に対する化合物(B)に含まれる化合物の合計ピーク面積比が0.1%以上40.0%以下である。【選択図】なし

Description

本発明は、光学材料用チオール含有組成物、光学材料用重合性組成物に関する。
光学材料として用いられる素材は古来ガラスが主であったが、近年では光学材料用のプラスチックが種々開発され、ガラスの代替として利用が広がっている。眼鏡レンズなどの材料としても、優れた光学特性を有し、軽量で割れず、成形性にも優れることから、アクリル樹脂、脂肪族カーボネート樹脂、ポリカーボネート、ポリチオウレタンなどのプラスチック材料が主として用いられるようになっている。その中でも高屈折率を有する代表的な例として、イソシアネート化合物とチオール化合物を含む重合性組成物から得られるポリチオウレタン樹脂が挙げられる。
ポリチオウレタン樹脂の中でも、ペンタエリスリトールメルカプトカルボン酸エステルとポリイソ(チオ)シアネート化合物とを重合して得られるポリチオウレタン樹脂は、屈折率が高くプラスチックレンズに最適な樹脂の一つである。しかしながら、ペンタエリスリトールメルカプトカルボン酸エステルを用いたプラスチックレンズは、白濁などの問題が生じることがあった。
特許文献1には、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の含有量が1.0重量%以下であるペンタエリスリトールと、メルカプトカルボン酸とを反応させるペンタエリスリトールメルカプトカルボン酸エステルの製造方法が開示されている。当該文献には、得られたペンタエリスリトールメルカプトカルボン酸エステルおよびポリイソ(チオ)シアネート化合物から透明性に優れたレンズが得られたと記載されている。
特許文献2には、所定量の二分子間縮合チオエステル化合物を含むメルカプトカルボン酸と、ペンタエリスリトールとを反応させる、ペンタエリスリトールメルカプトカルボン酸エステルの製造方法が開示されている。当該文献には、得られたペンタエリスリトールメルカプトカルボン酸エステルおよびポリイソ(チオ)シアネート化合物を含む組成物は粘度が低く、さらに当該組成物からなるレンズは、透明性に優れると記載されている。
特許文献3,4には、メルカプトカルボン酸と多価アルコールとを所定の条件下で反応させる、メルカプトカルボン酸多価アルコールエステルの製造方法が開示されている。当該文献には、目的とするテトラエステル化体とともに、ジエステル化体やトリエステル化体等が生成されることが記載されている。なお、これらの文献には、得られたメルカプトカルボン酸多価アルコールエステルを、光学材料用の原料として用いる点については記載されていない。
国際公開第2007/052329号 国際公開第2007/122810号 特開2011−126822号公報 特開2011−084479号公報
上記の文献に記載の技術によれば、透明性等に優れたレンズが得られるものの、その他の光学物性、強度等の機械物性、染色性等に改善の余地があり、重合性組成物のハンドリング性等に改善の余地があった。
即ち、本発明は以下に示すことができる。
[1] 下記一般式(a)で表される化合物(A)と、
Figure 2020184068
(一般式(a)中、nは1以上3以下の整数を示す。複数存在するnは同一でも異なっていてもよい。)
下記一般式(b2−1)で表される化合物(b2−1)、下記一般式(b3−1)で表される化合物(b3−1)、下記一般式(b3−2)で表される化合物(b3−2)、および下記一般式(b4−2)で表される化合物(b4−2)から選択される少なくとも1種のみからなる化合物(B)と、を含み、
高速液体クロマトグラフィー測定において、化合物(A)のピーク面積100に対する化合物(B)に含まれる前記化合物の合計ピーク面積比が0.1%以上40.0%以下である、光学材料用チオール含有組成物。
Figure 2020184068
Figure 2020184068
Figure 2020184068
Figure 2020184068
(一般式(b2−1)、一般式(b3−1)、一般式(b3−2)および一般式(b4−2)中、nは1以上3以下の整数を示す。各々の一般式において複数存在するnは同一でも異なっていてもよい。)
[2] 高速液体クロマトグラフィー測定において、化合物(A)のピーク面積100に対する化合物(B)に含まれる前記化合物の合計ピーク面積比が10.0%以上40.0%以下である、[1]に記載の光学材料用チオール含有組成物。
[3] 高速液体クロマトグラフィー測定において、化合物(A)のピーク面積100に対する、化合物(b3−2)および化合物(b4−2)の合計ピーク面積比が20.0%以下である、[1]または[2]に記載の光学材料用チオール含有組成物。
[4] 高速液体クロマトグラフィー測定において、化合物(A)のピーク面積100に対する、化合物(b2−1)のピーク面積比が5.0%以下である、[1]〜[3]のいずれかに記載の光学材料用チオール含有組成物。
[5] 化合物(A)が、ペンタエリスリトールテトラキスメルカプトプロピオネートであり、
化合物(B)における前記一般式中のnは2である、[1]〜[4]のいずれかに記載の光学材料用チオール含有組成物。
[6] 化合物(A)が、ペンタエリスリトールテトラキスメルカプトアセテートであり、
化合物(B)における前記一般式中のnは1である、[1]〜[4]のいずれかに記載の光学材料用チオール含有組成物。
[7] [1]〜[6]のいずれかに記載の光学材料用チオール含有組成物と、ポリイソ(チオ)シアネート化合物とを含む、光学材料用重合性組成物。
[8] ポリイソ(チオ)シアネート化合物は、2,5−ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ−[2.2.1]−ヘプタン、2,6−ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ−[2.2.1]−ヘプタン、キシリレンジイソシアネート、ビス(イソシアナトシクロヘキシル)メタン、ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、およびジフェニルメタンジイソシアネートから選択される少なくとも一種を含む、[7]に記載の光学材料用重合性組成物。
[9] [7]または[8]に記載の光学材料用重合性組成物を硬化させた成形体。
[10] [9]に記載の成形体からなる光学材料。
[11] [9]に記載の成形体からなるプラスチックレンズ。
本発明の光学材料用チオール含有組成物は、当該チオール含有組成物と他の重合性化合物とを含む重合性組成物はハンドリング性に優れ、さらに当該重合性組成物から得られる光学材料は、屈折率、アッベ数、白濁、歪み、脈理等の光学物性、強度等の機械物性、染色性等に優れる。
すなわち、本発明の光学材料用チオール含有組成物を用いることにより、これらの特性のバランスに優れる。
本発明の光学材料用チオール含有組成物を実施の形態に基づいて説明する。
[光学材料用チオール含有組成物]
本実施形態の光学材料用チオール含有組成物は、一般式(a)で表される化合物(A)と、
下記一般式(b2−1)で表される化合物(b2−1)、下記一般式(b3−1)で表される化合物(b3−1)、下記一般式(b3−2)で表される化合物(b3−2)、および下記一般式(b4−2)で表される化合物(b4−2)から選択される少なくとも1種の化合物(B)と、を含む。
(化合物(A))
本実施形態においては、化合物(A)は、下記一般式(a)で表される。
Figure 2020184068
一般式(a)中、nは1以上3以下の整数を示す。複数存在するnは同一でも異なっていてもよく、同一であることが好ましい。nは好ましくは1または2であり、より好ましくは2である。
化合物(A)は、一般式(a)で表される化合物から選択される少なくとも1種を含む。
化合物(A)としては、ペンタエリスリトールテトラキスメルカプトアセテート、ペンタエリスリトールテトラキスメルカプトプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキスメルカプトブチレート等を挙げることができ、ペンタエリスリトールテトラキスメルカプトアセテート、ペンタエリスリトールテトラキスメルカプトプロピオネートが好ましい。化合物(A)は、これらの化合物から選択される少なくとも1種を含むことができる。
(化合物(B))
化合物(B)は、下記一般式(b2−1)で表される化合物(b2−1)、下記一般式(b3−1)で表される化合物(b3−1)、下記一般式(b3−2)で表される化合物(b3−2)、および下記一般式(b4−2)で表される化合物(b4−2)から選択される少なくとも1種のみからなる。
Figure 2020184068
Figure 2020184068
Figure 2020184068
Figure 2020184068
一般式(b2−1)、一般式(b3−1)、一般式(b3−2)および一般式(b4−2)中、nは1以上3以下の整数を示す。複数存在するnは同一でも異なっていてもよく、同一であることが好ましい。nは好ましくは1または2であり、より好ましくは2である。
これらの化合物は、それぞれの一般式で表される化合物から選択される少なくとも1種を含むことができる。
本発明の効果の観点から、高速液体クロマトグラフィー測定において、化合物(A)のピーク面積100に対する、化合物(B)に含まれる前記化合物の合計ピーク面積比が0.1%以上40.0%以下、好ましくは10.0%以上40.0%以下、さらに好ましくは15.0%以上40.0%以下である。本実施形態において、化合物(B)に含まれる前記化合物の合計ピーク面積は、高速液体クロマトグラフィーにて測定された、化合物(b2−1)、化合物(b3−1)、化合物(b3−2)、および化合物(b4−2)の各々のピーク面積を合計して得られる。
高速液体クロマトグラフィー測定は、以下の条件で行うことができる。
HPLC機種:島津製作所社製SPD−10A
検出器:RI検出器
カラム:YMC製カラム ODS−A−312(150mm×6mm.I.D)5μm
温度条件:40℃
移動相:水/アセトニトリル(35vol/65vol)水溶液
流速:1.0ml/分
注入量:1μL
本実施形態においては、得られる重合性組成物のハンドリング性および光学材料の屈折率のバランスの観点から、高速液体クロマトグラフィー測定において、化合物(A)のピーク面積100に対する、化合物(b3−2)および化合物(b4−2)の合計ピーク面積の比が20.0%以下、好ましくは17.0%以下である。
本実施形態においては、得られる重合性組成物のハンドリング性および光学材料の屈折率のバランスの観点から、高速液体クロマトグラフィー測定において、化合物(A)のピーク面積100に対する化合物(b2−1)のピーク面積比が5.0%以下、好ましくは3.0%以下である。
本実施形態の光学材料用チオール含有組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、以下のような化合物を含んでいてもよい。
Figure 2020184068
一般式(b1)中、nは1以上3以下の整数を示し、好ましくは1または2、より好ましくは2である。複数存在するnは、同じ数でも異なる数でもよく、同一であることが好ましい。mは0以上3以下の整数を示す。
Figure 2020184068
一般式(b2)中、nは1以上3以下の整数を示し、好ましくは1または2、より好ましくは2である。mは0以上3以下の整数を示す。複数存在するm、nは、同じ数でも異なる数でもよいが、同一であることが好ましい。2つのmが同時に0になることはない。
Figure 2020184068
一般式(b3)中、nは1以上3以下の整数を示し、好ましくは1または2、より好ましくは2である。mは0以上3以下の整数を示す。複数存在するm、nは、同じ数でも異なる数でもよいが、同一であることが好ましい。2つのmが0および1つのmが1になることはなく、全てのmが同時に0になることはない。
Figure 2020184068
一般式(b4)中、nは1以上3以下の整数示し、好ましくは1または2、より好ましくは2である。mは0以上3以下の整数を示す。複数存在するm、nは、同じ数でも異なる数でもよいが、同一であることが好ましい。mから選択される3つが0および1つが1になることはなく、mの全てが同時に0になることはない。
本実施形態においては、本発明の効果の観点から、化合物(A)および化合物(B)が以下の(1)または(2)の組み合わせであることが好ましく、(1)の組み合わせであることがより好ましい。
(1)化合物(A)が、ペンタエリスリトールテトラキスメルカプトプロピオネートであり、化合物(B)に含まれる化合物(b2−1)、化合物(b3−1)、化合物(b3−2)、および化合物(b4−2)から選択される少なくとも1種の化合物においてnは2である。
(2)化合物(A)が、ペンタエリスリトールテトラキスメルカプトアセテートであり、化合物(B)に含まれる化合物(b2−1)、化合物(b3−1)、化合物(b3−2)、および化合物(b4−2)から選択される少なくとも1種の化合物においてnは1である。
本実施形態の光学材料用チオール含有組成物は、化合物(A)とともに化合物(B)を含むものであり、全体として収量が高い。
[光学材料用チオール含有組成物の製造方法]
本実施形態における光学材料用チオール含有組成物は、例えば、ペンタエリスリトールと、メルカプトカルボン酸とを反応させることにより得ることができる。
メルカプトカルボン酸としては、例えば、チオグリコール酸、3-メルカプトプロピオン酸、4−メルカプトブタン酸等が挙げられる。また、これらは単独または2種以上をペンタエリスリトールと反応させることができる。メルカプトカルボン酸の品質は特に制限されず、通常の工業製品を用いることができる。
ペンタエリスリトールとメルカプトカルボン酸を反応させるために通常用いるエステル化触媒としては、例えば、硫酸、塩酸、燐酸、アルミナ等の鉱酸、及びp-トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、メタンスルホン酸、トリクロロ酢酸、ジブチル錫ジオキサイド等の有機系酸に代表される酸触媒が好ましく用いられる。
高速液体クロマトグラフィー測定における化合物(A)に対する化合物(B)に含まれる化合物(b2−1)、化合物(b3−1)、化合物(b3−2)、および化合物(b4−2)から選択される少なくとも1種の化合物の合計ピーク面積比は、ペンタエリスリトールに対するメルカプトカルボン酸のモル比や、後述する反応条件(溶媒中の化合物濃度、反応温度、脱水率等)により調整することができる。
ペンタエリスリトールに対するメルカプトカルボン酸のモル比は、3.2以上であればよく、例えば、3.2以上4.5以下、好ましくは3.2以上4.1以下、さらに好ましくは3.2以上4.0未満、特に好ましくは3.5以上4.0未満とすることができる。なお、当該モル比が上記範囲外であっても、後述する反応条件(溶媒中の化合物濃度、反応温度、脱水率等)等を調整することにより本発明の光学材料用チオール含有組成物を得ることができる。
本実施形態における、光学材料用チオール含有組成物の製造は、共沸剤の使用は必須条件ではないが、例えば、共沸剤を用いて加熱還流下に、連続的に副生する水を系外に除去しながら反応させる。通常用いられる共沸剤としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、ニトロベンゼン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、アニソール、ジフェニルエーテル、メチレンクロライド、クロロホルム、ジクロロエタン等が挙げられる。これらは2種以上混合して用いてもよく、その他の溶媒と混合して用いてもよい。
本実施形態のおいては、連続的に副生する水を系外に除去する工程を、下記式に示す理論生成水量に対する抜き出した水の量の割合(%)により制御することができる。
式:理論生成水量に対する系外に抜き出した水の量の割合(%)=[(実際に抜き出した水量‐反応前から存在する水量)/理論生成水量]×100
本発明で示される理論生成水量とはペンタエリスリトールに対するメルカプトカルボン酸のモル比に関わらず、ペンタエリスリトール1モルに対してメルカプトカルボン酸が4モル反応し、化合物(A)が収率100%で得られると仮定して算出した水量である。
系外に抜き出した水の量とは、反応で生成した水の量を意味し、反応前から存在する水、例えば原料や触媒、溶媒等に含まれる水は除かれる。
理論生成水量に対する系外に抜き出した水の量の割合(脱水率)(%)は85%以上99%以下であり、好ましくは86%以上95%以下、さらに好ましくは86%以上93%以下である。なお、当該脱水率が上記範囲外であっても、後述する反応条件(溶媒中の化合物濃度、反応温度、脱水率等)を調整することにより本発明の光学材料用チオール含有組成物を得ることができる。
本実施形態において、上述のモル比や反応条件を適宜組み合わせることで本発明のチオール組成物を得ることができるが、例えば、ペンタエリスリトールに対するメルカプトカルボン酸のモル比が上記範囲を満たした上で、連続的に副生する水を系外に除去しながらペンタエリスリトールとメルカプトカルボン酸とを反応させることがより好ましい。これにより、化合物(A)に対する、化合物(B)の量の調整をより容易に行うことができる。
[光学材料用重合性組成物]
本実施形態の光学材料用重合性組成物は、上述の光学材料用チオール含有組成物と、ポリイソ(チオ)シアネート化合物とを含む、
(ポリイソ(チオ)シアネート化合物)
ポリイソ(チオ)シアネート化合物としては、本発明の効果を発揮することができれば特に限定されず従来公知の化合物を用いることができるが、例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、オクタメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアナトメチルエステル、リジントリイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等の脂肪族ポリイソシアネート化合物;
イソホロンジイソシアネート、ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、ビス(イソシアナトシクロヘキシル)メタン、ジシクロヘキシルジメチルメタンイソシアネート、2,5−ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ−[2.2.1]−ヘプタン、2,6−ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ−[2.2.1]−ヘプタン、3,8−ビス(イソシアナトメチル)トリシクロデカン、3,9−ビス(イソシアナトメチル)トリシクロデカン、4,8−ビス(イソシアナトメチル)トリシクロデカン、4,9−ビス(イソシアナトメチル)トリシクロデカン等の脂環族ポリイソシアネート化合物;
トリレンジイソシアネート、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、ジフェニルスルフィド−4,4−ジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート化合物;
2,5−ジイソシアナトチオフェン、2,5−ビス(イソシアナトメチル)チオフェン、2,5−ジイソシアナトテトラヒドロチオフェン、2,5−ビス(イソシアナトメチル)テトラヒドロチオフェン、3,4−ビス(イソシアナトメチル)テトラヒドロチオフェン、2,5−ジイソシアナト−1,4−ジチアン、2,5−ビス(イソシアナトメチル)−1,4−ジチアン、4,5−ジイソシアナト−1,3−ジチオラン、4,5−ビス(イソシアナトメチル)−1,3−ジチオラン等の複素環ポリイソシアネート化合物;
ヘキサメチレンジイソチオシアネート、リジンジイソチオシアネートメチルエステル、リジントリイソチオシアネート、キシリレンジイソチオシアネート、ビス(イソチオシアナトメチル)スルフィド、ビス(イソチオシアナトエチル)スルフィド、ビス(イソチオシアナトエチル)ジスルフィド等の脂肪族ポリイソチオシアネート化合物;
イソホロンジイソチオシアネート、ビス(イソチオシアナトメチル)シクロヘキサン、ビス(イソチオシアナトシクロヘキシル)メタン、シクロヘキサンジイソチオシアネート、メチルシクロヘキサンジイソチオシアネート、2,5−ビス(イソチオシアナトメチル)ビシクロ−[2.2.1]−ヘプタン、2,6−ビス(イソチオシアナトメチル)ビシクロ−[2.2.1]−ヘプタン、3,8−ビス(イソチオシアナトメチル)トリシクロデカン、3,9−ビス(イソチオシアナトメチル)トリシクロデカン、4,8−ビス(イソチオシアナトメチル)トリシクロデカン、4,9−ビス(イソチオシアナトメチル)トリシクロデカン等の脂環族ポリイソチオシアネート化合物;
トリレンジイソチオシアネート、4,4−ジフェニルメタンジイソチオシアネート、ジフェニルジスルフィド−4,4−ジイソチオシアネート等の芳香族ポリイソチオシアネート化合物;
2,5−ジイソチオシアナトチオフェン、2,5−ビス(イソチオシアナトメチル)チオフェン、2,5−イソチオシアナトテトラヒドロチオフェン、2,5−ビス(イソチオシアナトメチル)テトラヒドロチオフェン、3,4−ビス(イソチオシアナトメチル)テトラヒドロチオフェン、2,5−ジイソチオシアナト−1,4−ジチアン、2,5−ビス(イソチオシアナトメチル)−1,4−ジチアン、4,5−ジイソチオシアナト−1,3−ジチオラン、4,5−ビス(イソチオシアナトメチル)−1,3−ジチオラン等の含硫複素環ポリイソチオシアネート化合物等を挙げることができる。ポリイソ(チオ)シアネート化合物は、これらから選択される少なくとも一種を含むことができる。
また、これらの塩素置換体、臭素置換体等のハロゲン置換体、アルキル置換体、アルコキシ置換体、ニトロ置換体や多価アルコールとのプレポリマー型変性体、カルボジイミド変性体、ウレア変性体、ビュレット変性体、ダイマー化あるいはトリマー化反応生成物等も使用できる。
ポリイソ(チオ)シアネート化合物としては、ポリイソシアネート化合物が好ましく、2,5−ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ−[2.2.1]−ヘプタン、2,6−ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ−[2.2.1]−ヘプタン、キシリレンジイソシアネート、ビス(イソシアナトシクロヘキシル)メタン、ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、およびペンタメチレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートから選択される少なくとも一種を含むことが好ましい。
(その他の成分)
本実施形態の光学材料用重合性組成物には、化合物(A)および(B)以外のポリチオール化合物、ポリオール化合物等の活性水素化合物を含むことができる。
化合物(A)および(B)以外のポリチオール化合物としては、例えば、メタンジチオール、1,2−エタンジチオール、1,2,3−プロパントリチオール、1,2−シクロヘキサンジチオール、ビス(2−メルカプトエチル)エーテル、テトラキス(メルカプトメチル)メタン、ジエチレングリコールビス(2−メルカプトアセテート)、ジエチレングリコールビス(3−メルカプトプロピオネート)、エチレングリコールビス(2−メルカプトアセテート)、エチレングリコールビス(3−メルカプトプロピオネート)、トリメチロールプロパントリス(2−メルカプトアセテート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、トリメチロールエタントリス(2−メルカプトアセテート)、トリメチロールエタントリス(3−メルカプトプロピオネート)、ビス(メルカプトメチル)スルフィド、ビス(メルカプトメチル)ジスルフィド、ビス(メルカプトエチル)スルフィド、ビス(メルカプトエチル)ジスルフィド、ビス(メルカプトプロピル)スルフィド、ビス(メルカプトメチルチオ)メタン、ビス(2−メルカプトエチルチオ)メタン、ビス(3−メルカプトプロピルチオ)メタン、1,2−ビス(メルカプトメチルチオ)エタン、1,2−ビス(2−メルカプトエチルチオ)エタン、1,2−ビス(3−メルカプトプロピルチオ)エタン、1,2,3−トリス(メルカプトメチルチオ)プロパン、1,2,3−トリス(2−メルカプトエチルチオ)プロパン、1,2,3−トリス(3−メルカプトプロピルチオ)プロパン、4−メルカプトメチル−1,8−ジメルカプト−3,6−ジチアオクタン、5,7−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、4,7−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、4,8−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、テトラキス(メルカプトメチルチオメチル)メタン、テトラキス(2−メルカプトエチルチオメチル)メタン、テトラキス(3−メルカプトプロピルチオメチル)メタン、ビス(2,3−ジメルカプトプロピル)スルフィド、2,5−ジメルカプトメチル−1,4−ジチアン、2,5−ジメルカプト−1,4−ジチアン、2,5−ジメルカプトメチル−2,5−ジメチル−1,4−ジチアン、及びこれらのチオグリコール酸およびメルカプトプロピオン酸のエステル、ヒドロキシメチルスルフィドビス(2−メルカプトアセテート)、ヒドロキシメチルスルフィドビス(3−メルカプトプロピオネート)、ヒドロキシエチルスルフィドビス(2−メルカプトアセテート)、ヒドロキシエチルスルフィドビス(3−メルカプトプロピオネート)、ヒドロキシメチルジスルフィドビス(2−メルカプトアセテート)、ヒドロキシメチルジスルフィドビス(3−メルカプトプロピオネート)、ヒドロキシエチルジスルフィドビス(2−メルカプトアセテート)、ヒドロキシエチルジスルフィドビス(3−メルカプトプロピネート)、2−メルカプトエチルエーテルビス(2−メルカプトアセテート)、2−メルカプトエチルエーテルビス(3−メルカプトプロピオネート)、チオジグリコール酸ビス(2−メルカプトエチルエステル)、チオジプロピオン酸ビス(2−メルカプトエチルエステル)、ジチオジグリコール酸ビス(2−メルカプトエチルエステル)、ジチオジプロピオン酸ビス(2−メルカプトエチルエステル)、1,1,3,3−テトラキス(メルカプトメチルチオ)プロパン、1,1,2,2−テトラキス(メルカプトメチルチオ)エタン、4,6−ビス(メルカプトメチルチオ)−1,3−ジチアン、トリス(メルカプトメチルチオ)メタン、トリス(メルカプトエチルチオ)メタン等の脂肪族ポリチオール化合物;
1,2−ジメルカプトベンゼン、1,3−ジメルカプトベンゼン、1,4−ジメルカプトベンゼン、1,2−ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,3−ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,4−ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,2−ビス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,3−ビス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,4−ビス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,3,5−トリメルカプトベンゼン、1,3,5−トリス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,3,5−トリス(メルカプトメチレンオキシ)ベンゼン、1,3,5−トリス(メルカプトエチレンオキシ)ベンゼン、2,5−トルエンジチオール、3,4−トルエンジチオール、1,5−ナフタレンジチオール、2,6−ナフタレンジチオール等の芳香族ポリチオール化合物;
2−メチルアミノ−4,6−ジチオール−sym−トリアジン、3,4−チオフェンジチオール、ビスムチオール、4,6−ビス(メルカプトメチルチオ)−1,3−ジチアン、2−(2,2−ビス(メルカプトメチルチオ)エチル)−1,3−ジチエタン等の複素環ポリチオール化合物;等が挙げられる。
ポリオール化合物は、1種以上の脂肪族または脂環族アルコールであり、具体的には、直鎖または分枝鎖の脂肪族アルコール、脂環族アルコール、これらアルコールとエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ε−カプロラクトンを付加させたアルコール等が挙げられる。
直鎖または分枝鎖の脂肪族アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,3−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、グリセロール、ジグリセロール、ポリグリセロール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジ(トリメチロールプロパン)等が挙げられる。
脂環族アルコールとしては、例えば、1,2−シクロペンタンジオール、1,3−シクロペンタンジオール、3−メチル−1,2−シクロペンタンジオール、1,2−シクロヘキサンジオール、1,3−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、4,4'−ビシクロヘキサノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。
これらアルコールとエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ε−カプロラクトンを付加させた化合物でもよい。例えば、グリセロールのエチレンオキサイド付加体、トリメチロールプロパンのエチレンオキサイド付加体、ペンタエリスリトールのエチレンオキサイド付加体、グリセロールのプロピレンオキサイド付加体、トリメチロールプロパンのプロピレンオキサイド付加体、ペンタエリスリトールのプロピレンオキサイド付加体、カプロラクトン変性グリセロール、カプロラクトン変性トリメチロールプロパン、カプロラクトン変性ペンタエリスリトール等が挙げられる。
化合物(A)および(B)を含む活性水素化合物とポリイソ(チオ)シアネート化合物の使用割合は、特に限定されないが、通常、NCO基に対するSH基および/またはOH基のモル比が、0.5〜3.0の範囲内、好ましくは0.6〜2.0、さらに好ましくは0.8〜1.3の範囲内である。
本実施形態においては、化合物(A)および(B)、ポリイソ(チオ)シアネート化合物、および上記成分に加えて、重合触媒、内部離型剤、樹脂改質剤等のその他の成分をさらに含んでいてもよい。
重合触媒としては、3級アミン化合物およびその無機酸塩または有機酸塩、金属化合物、4級アンモニウム塩、または有機スルホン酸を挙げることができる。
内部離型剤としては、酸性リン酸エステルを用いることができる。酸性リン酸エステルとしては、リン酸モノエステル、リン酸ジエステルを挙げることができ、それぞれ単独または2種類以上混合して使用することできる。
樹脂改質剤としては、例えば、エピスルフィド化合物、アルコール化合物、アミン化合物、エポキシ化合物、有機酸及びその無水物、(メタ)アクリレート化合物等を含むオレフィン化合物等が挙げられる。
本実施形態の光学材料用重合性組成物は、上記成分を混合して得ることができる。
[成形体]
本実施形態の成形体を製造する方法は、特に限定されないが、好ましい製造方法として注型重合が挙げられる。はじめに、ガスケットまたはテープ等で保持された成型モールド間に重合性組成物を注入する。この時、得られるプラスチックレンズに要求される物性によっては、必要に応じて、減圧下での脱泡処理や加圧、減圧等の濾過処理等を行うことが好ましい場合が多い。
重合条件については、重合性組成物の組成、触媒の種類と使用量、モールドの形状等によって大きく条件が異なるため限定されるものではないが、およそ、−50〜150℃の温度で1〜50時間かけて行われる。場合によっては、10〜150℃の温度範囲で保持または徐々に昇温して、1〜48時間で硬化させることが好ましい。
樹脂成形体は、必要に応じて、アニール等の処理を行ってもよい。処理温度は通常50〜150℃の間で行われるが、90〜140℃で行うことが好ましく、100〜130℃で行うことがより好ましい。
本実施形態において、樹脂を成形する際には、上記「その他の成分」に加えて、目的に応じて公知の成形法と同様に、鎖延長剤、架橋剤、ラジカル捕捉剤、光安定剤、紫外線安定剤、酸化防止剤、ブルーイング剤、油溶染料、充填剤、密着性向上剤、抗菌剤、帯電防止剤などの種々の添加剤を加えてもよい。
[用途]
本実施形態の光学材料用重合性組成物から得られる樹脂は、注型重合時のモールドの種類を変えることにより種々の形状の成形体として得ることができる。
本実施形態の光学材料用重合性組成物から得られた成形体は、透明性を損なうことなく、優れた表面硬度、調光性能を兼ね揃えた材料を得ることができるため、プラスチックレンズ等の各種光学材料に使用することが可能である。特に、プラスチック眼鏡レンズやプラスチック偏光レンズとして好適に用いることができる。
[プラスチック眼鏡レンズ]
本実施形態の成形体からなるレンズ基材を用いたプラスチック眼鏡レンズは必要に応じて、片面又は両面にコーティング層を施して用いてもよい。
本実施形態のプラスチック眼鏡レンズは、上述の重合性組成物からなるレンズ基材とコーティング層とからなる。
コーティング層として、具体的には、プライマー層、ハードコート層、反射防止層、防曇コート層、防汚染層、撥水層等が挙げられる。これらのコーティング層はそれぞれ単独で用いることも複数のコーティング層を多層化して使用することもできる。両面にコーティング層を施す場合、それぞれの面に同様なコーティング層を施しても、異なるコーティング層を施してもよい。
これらのコーティング層はそれぞれ、赤外線から目を守る目的で赤外線吸収剤、レンズの耐候性を向上する目的で光安定剤や酸化防止剤、フォトクロ化合物、レンズのファッション性を高める目的で染料や顔料、帯電防止剤、その他、レンズの性能を高めるための公知の添加剤を併用してもよい。
塗布によるコーティングを行う層に関しては塗布性の改善を目的とした各種レベリング剤を使用してもよい。
また、反射防止層の上には、必要に応じて防曇層、防汚染層、撥水層を形成させてもよい。
[プラスチック偏光レンズ]
本実施形態のプラスチック偏光レンズは、偏光フィルムと、前記偏光フィルムの少なくとも一方の面に形成された、本実施形態の光学材料用重合性組成物を硬化させた成形体からなる基材層と、を備える。
本実施形態における偏光フィルムは、熱可塑性樹脂から構成することができる。熱可塑性樹脂としては、熱可塑性ポリエステル、熱可塑性ポリカーボネート、熱可塑性ポリオレフィン、熱可塑性ポリイミド等を挙げることができる。耐水性、耐熱性および成形加工性の観点から、熱可塑性ポリエステル、熱可塑性ポリカーボネートが好ましく、熱可塑性ポリエステルがより好ましい。
偏光フィルムとして、具体的には、二色性染料含有熱可塑性ポリエステル偏光フィルム、ヨウ素含有ポリビニルアルコール偏光フィルム、二色性染料含有ポリビニルアルコール偏光フィルム等が挙げられる。
本実施形態のプラスチック偏光レンズは、このような偏光フィルムの少なくとも一方の面上に、本実施形態の光学材料用重合性組成物を硬化させて得られる基材層を設けることにより得ることができる。
プラスチック偏光レンズの製造方法は、特に限定されないが、好ましくは注型重合法を挙げることできる。
なお、得られた基材層の表面には、プラスチック眼鏡レンズと同様な前記コーティング層を形成してもよい。
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、本発明の効果を損なわない範囲で、上記以外の様々な構成を採用することができる。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例および比較例において、評価に用いた方法と使用した装置は以下のとおりである。
組成比の分析(光学材料用チオール含有組成物に含まれる化合物(A)および化合物(B)の組成比):
・HPLC機種:島津製作所社製SPD−10A
・検出器:RI検出器
・カラム:YMC製カラム ODS−A−312(150mm×6mm.I.D)5μm
・温度条件:40℃
・移動相:水/アセトニトリル(35/65)水溶液
・流速:1.0ml/分
・注入量:1μL
・組成比の算出:ペンタエリスリトールテトラキス3−メルカプトプロピオン酸エステルのピーク面積100に対するそれぞれの化合物のピーク面積を算出した。
(屈折率(ne)、アッベ数(νe))
プルフリッヒ屈折計を用い20℃で測定した。
(YI)
厚さ9mmの樹脂平板を作製し、色彩色差計(ミノルタ社製CR−200)において黄色度(YI)を測定した。
(歪み)
作成した10枚のレンズを高圧UVランプに投影して、以下の基準で評価した。
◎:9〜10枚のレンズに歪みは認められなかった。
〇:7〜8枚のレンズに歪みは認められなかった。
△:5〜6枚のレンズに歪みは認められなかった。
×:4枚以下のレンズに歪みは認められなかった。
(脈理)
作成した10枚のレンズを高圧水銀灯下目視で観察し、以下の基準で評価した。
◎:9〜10枚のレンズに脈理は認められなかった。
〇:7〜8枚のレンズに脈理は認められなかった。
△:5〜6枚のレンズに脈理は認められなかった。
×:4枚以下のレンズに脈理は認められなかった。
(白濁)
作成したレンズを暗所にてプロジェクターに照射して、レンズの白濁を目視にて観察し、以下の基準で評価した。
◎:9〜10枚のレンズに白濁は認められなかった。
〇:7〜8枚のレンズに白濁は認められなかった。
△:5〜6枚のレンズに白濁は認められなかった。
×:4枚以下のレンズに白濁は認められなかった。
(染色性試験)
染色剤としてDystar社製のDianix Brown S−3Rを用い、純水に50ppmを溶解し、染料分散液を調整した。これを90℃に加熱した後に、厚さ9mmの樹脂サンプル(10枚)を90℃にて60分間浸漬、染色させた。染色した後のサンプル片を、UV分光計(島津製作所製UV−1600)を使用し、波長400〜800nmまでスキャンし、最大吸収波長である460nmにおける透過率(%T)を測定した。10枚の透過率の平均値を算出し、以下の基準で評価した。
○:透過率のブレ幅が10枚の透過率の平均値の±5%未満
△:透過率のブレ幅が10枚の透過率の平均値の±6〜10%未満
×:透過率のブレ幅が10枚の透過率の平均値の±10%以上
(耐熱性(ガラス転移温度:Tg))
TMAペネトレーション法(50g荷重、ピン先0.5mmφ、昇温速度10℃/min)により、島津製作所社製 熱機械分析装置TMA−60にて測定した。
(落球試験)
中心厚0.3mm、直径75mm、S=−4.75D形状のレンズに対し、高さ127cm(50インチ)の位置からレンズ中心部に8g、16g、28g、33g、45g、67g、95g、112g、174g、226g、534gの11種類の重量の異なる鉄球を順に落下させ、レンズが破損するか試験した。10枚のレンズについて試験を行い、各レンズについて破損しなかった鉄球の重量の最大値を確認し、10枚のレンズの最大値の平均値を「破損しなかった重量の平均値」として求めた。この平均値により耐衝撃性を評価した。
[実施例1]
(ペンタエリスリトール3−メルカプトプロピオン酸エステルの合成(チオール組成物の調製))
攪拌機、還流冷却水分離器、窒素ガスパージ管、および温度計を取り付けた4つ口反応フラスコ内に純度99.5%のペンタエリスリトール136.9重量部、3−メルカプトプロピオン酸406.3重量部、p−トルエンスルホン酸・一水塩3.8重量部、トルエン185.2重量部を加えた。ペンタエリスリトールに対する3−メルカプトプロピオン酸のモル比は3.80であった。オイルバスを用いて昇温を開始して120分後、内温が97℃になったところで還流がスタートした(オイルバス温度は113℃)。還流開始後、7時間(内温97〜121℃)反応を行なった。その間還流下で副生する水は連続的に系外に抜き出した。系外に抜き出した水量は理論生成水に対して93.2%であった。冷却後、反応液は塩基洗浄、続いて水洗浄を行い、加熱減圧下でトルエンおよび微量の水分を除去した。その後、濾過してチオール組成物462.3重量部を得た。得られたチオール組成物についてHPLCを用いて組成比の分析を行った。結果は以下の通りであった。
化合物(A1)(一般式(a)中の全てのnが1):100% (保持時間:7.8〜8.8)
化合物(B2−1)(一般式(b2−1)中の全てのnが2):1.4% (保持時間:3.3〜4.3)
化合物(B3−1)(一般式(b3−1)中の全てのnが2):26.4% (保持時間:4.6〜5.6)
化合物(B3−2)(一般式(b3−2)中の全てのnが2):1.5% (保持時間:5.7〜6.7)
化合物(B4−2)(一般式(b4−2)中の全てのnが2):6.9% (保持時間:10.2〜11.2)
(プラスチックレンズの製造)
2,5−ビス(イソシアナトメチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタンと2,6−ビス(イソシアナトメチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタンとの混合物50.6重量部、硬化触媒としてジブチル錫ジクロライド0.06重量部、Stepan社製ゼレックUN(商品名、酸性リン酸エステル)0.12重量部、チバスペシャリティケミカルズ社製Tinuvin327(商品名、紫外線吸収剤)2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール0.05重量部を、15〜20℃にて混合溶解させた。1,2−ビス[(2−メルカプトエチル)チオ]−3−メルカプトプロパンを主成分とするポリチオール25.6重量部、得られたチオール組成物23.9重量部を装入混合し、混合均一液とした。この均一液を600Paにて1時間脱泡後、1μmPTFEフィルターにて濾過を行った後、直径75mm、9mm厚のガラスモールドとテープからなるモールド型へ注入し、レンズを作成した。このモールド型をオーブンへ投入し、20℃〜120℃まで徐々に昇温し、20時間で重合した。重合終了後、オーブンからモールド型を取り出し、離型してレンズを得た。得られたレンズを更に130℃で4時間アニールを行った。以下の重合性組成物の粘度測定結果、レンズの測定結果を表−1に示す。
(重合性組成物の20℃7時間後の粘度)
2,5−ビス(イソシアナトメチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタンと2,6−ビス(イソシアナトメチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタンとの混合物50.6重量部、硬化触媒としてジブチル錫ジクロライド0.06重量部、Stepan社製ゼレックUN(商品名、酸性リン酸エステル)0.12重量部、チバスペシャリティケミカルズ社製Tinuvin327(商品名、紫外線吸収剤)2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール0.05重量部を、20℃にて混合溶解させた。1,2−ビス[(2−メルカプトエチル)チオ]−3−メルカプトプロパンを主成分とするポリチオール25.6重量部、得られたチオール含有組成物23.9重量部を装入混合し、混合均一液とした。混合均一溶液作成時を0時間とし、20℃7時間後の粘度をB型粘度計で測定し、以下の基準で評価した。
〇:90cps以下のもの
×:90cpsを超えるもの
[実施例2〜10、比較例1〜5]
ペンタエリスリトールおよび3−メルカプトプロピオン酸のモル比、還流開始後の反応時間、脱水率を表−1に示すように変更した以外は、実施例1と同様に、ペンタエリスリトール3−メルカプトプロピオン酸エステルの合成(チオール組成物の調製)を行い、重合性組成物およびプラスチックレンズを調製した。
得られたチオール組成物の組成比の分析結果、重合性組成物の20℃7時間後の粘度測定結果、プラスチックレンズの測定結果を表−1に示す。
Figure 2020184068
Figure 2020184068

Claims (11)

  1. 下記一般式(a)で表される化合物(A)と、
    Figure 2020184068
    (一般式(a)中、nは1以上3以下の整数を示す。複数存在するnは同一でも異なっていてもよい。)
    下記一般式(b2−1)で表される化合物(b2−1)、下記一般式(b3−1)で表される化合物(b3−1)、下記一般式(b3−2)で表される化合物(b3−2)、および下記一般式(b4−2)で表される化合物(b4−2)から選択される少なくとも1種のみからなる化合物(B)と、を含み、
    高速液体クロマトグラフィー測定において、化合物(A)のピーク面積100に対する化合物(B)に含まれる前記化合物の合計ピーク面積比が0.1%以上40.0%以下である、光学材料用チオール含有組成物。
    Figure 2020184068
    Figure 2020184068
    Figure 2020184068
    Figure 2020184068
    (一般式(b2−1)、一般式(b3−1)、一般式(b3−2)および一般式(b4−2)中、nは1以上3以下の整数を示す。各々の一般式において複数存在するnは同一でも異なっていてもよい。)
  2. 高速液体クロマトグラフィー測定において、化合物(A)のピーク面積100に対する化合物(B)に含まれる前記化合物の合計ピーク面積比が10.0%以上40.0%以下である、請求項1に記載の光学材料用チオール含有組成物。
  3. 高速液体クロマトグラフィー測定において、化合物(A)のピーク面積100に対する、化合物(b3−2)および化合物(b4−2)の合計ピーク面積比が20.0%以下である、請求項1または2に記載の光学材料用チオール含有組成物。
  4. 高速液体クロマトグラフィー測定において、化合物(A)のピーク面積100に対する化合物(b2−1)のピーク面積比が5.0%以下である、請求項1〜3のいずれかに記載の光学材料用チオール含有組成物。
  5. 化合物(A)が、ペンタエリスリトールテトラキスメルカプトプロピオネートであり、
    化合物(B)における前記一般式中のnは2である、請求項1〜4のいずれかに記載の光学材料用チオール含有組成物。
  6. 化合物(A)が、ペンタエリスリトールテトラキスメルカプトアセテートであり、
    化合物(B)における前記一般式中のnは1である、請求項1〜4のいずれかに記載の光学材料用チオール含有組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の光学材料用チオール含有組成物と、ポリイソ(チオ)シアネート化合物とを含む、光学材料用重合性組成物。
  8. ポリイソ(チオ)シアネート化合物は、2,5−ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ−[2.2.1]−ヘプタン、2,6−ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ−[2.2.1]−ヘプタン、キシリレンジイソシアネート、ビス(イソシアナトシクロヘキシル)メタン、ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、およびジフェニルメタンジイソシアネートから選択される少なくとも一種を含む、請求項7に記載の光学材料用重合性組成物。
  9. 請求項7または8に記載の光学材料用重合性組成物を硬化させた成形体。
  10. 請求項9に記載の成形体からなる光学材料。
  11. 請求項9に記載の成形体からなるプラスチックレンズ。
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