JP2020181998A - 電波吸収体 - Google Patents

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Abstract

【課題】電波吸収体において、抵抗層の表面抵抗率を安定化することができる。【解決手段】電波吸収体は、抵抗フィルムと、誘電体層と、金属反射板と、を具備し、抵抗フィルムは、導電性粒子とバインダとを含み、300〜500Ω/□の表面抵抗率を有する抵抗層を有し、導電性粒子は、黒鉛粒子を含み、バインダは、フッ素樹脂を含む。導電性粒子に占める黒鉛粒子の割合は、70質量%以上であり、バインダに占めるフッ素樹脂の割合は、60質量%以上である。抵抗層の厚みは、5〜100μmである。抵抗層において、バインダの量は、導電性粒子100質量部に対して、30〜300質量部である、【選択図】図1

Description

本発明は、電波吸収体に関する。
近年、様々な用途で電波が利用されているが、電波が反射することで、電子機器が誤作動を起こす場合がある。このような電波の反射を抑制する目的で、電波吸収体が使用されている。例えば、高速道路のETC装置の周辺には、電波の反射を抑制するために、電波吸収機能を付与した建材などが使用されている。また、無線LANで通信する機器の誤作動を抑制するために、室内の壁などに電波吸収体が設置されている。
電波吸収体の多くは、抵抗層、誘電体層、反射層などが積層された構造を有している。抵抗層は、オーム損失を利用して電波を吸収する役割を担い、導電性フィラーと樹脂とを含むことが一般的である(特許文献1、特許文献2)。
特開2003−289196号公報 特開2001−262732号公報
電波吸収体の電波吸収性能は、抵抗層の表面抵抗率に影響される。そのため、抵抗層の表面抵抗率が経時変化すると、電波吸収体に適した表面抵抗率を維持することが難しい。一方、軽量化および低コストなどの観点から抵抗層の厚みは小さい方が有利である。厚みが小さい抵抗層においては、表面抵抗率を安定化させることがさらに難しくなる。
本発明の目的は、抵抗層の表面抵抗率が安定化された抵抗フィルムを具備する電波吸収体を提供することである。
本発明の一局面は、抵抗フィルムと、誘電体層と、金属反射板と、を具備し、
前記抵抗フィルムが、導電性粒子とバインダとを含み、300〜500Ω/□の表面抵抗率を有する抵抗層を有し、
前記導電性粒子は、黒鉛粒子を含み、
前記バインダは、フッ素樹脂を含み、
前記導電性粒子に占める前記黒鉛粒子の割合は、70質量%以上であり、
前記バインダに占める前記フッ素樹脂の割合は、60質量%以上であり、
前記抵抗層の厚みは、5〜100μmであり、
前記抵抗層において、前記バインダの量は、前記導電性粒子100質量部に対して、30〜300質量部である、電波吸収体に関する。
本発明によれば、電波吸収体用抵抗フィルムにおいて、抵抗層の表面抵抗率を安定化することができる。よって、電波吸収体に適した電波吸収性能を得ることができる。
本発明の一実施形態に係る電波吸収体用抵抗フィルムを用いた電波吸収パネルを概略的に示す縦断面図である。 実験例1〜13の抵抗フィルムの抵抗層の表面抵抗率の測定値と厚みとの関係を累乗近似したグラフである。 比較例1〜12の抵抗フィルムの抵抗層の表面抵抗率の測定値と厚みとの関係を累乗近似したグラフである。 比較例13〜24の抵抗フィルムの抵抗層の表面抵抗率の測定値と厚みとの関係を累乗近似したグラフである。 実験例10〜13の抵抗フィルムの抵抗層の表面抵抗率の測定値と厚みとの関係を累乗近似したものの経時変化を示すグラフである。 比較例25〜28の抵抗フィルムの抵抗層の表面抵抗率の測定値と厚みとの関係を累乗近似したものの経時変化を示すグラフである。
本発明の一実施形態に係る電波吸収体は、抵抗フィルムと、誘電体層と、金属反射板と、を具備し、抵抗フィルムは、導電性粒子とバインダとを含み、300〜500Ω/□の表面抵抗率を有する抵抗層を有する。導電性粒子は、黒鉛粒子を含み、バインダは、フッ素樹脂を含む。
導電性粒子としては、アセチレンブラックを用いることが従来は一般的である。しかし、アセチレンブラックは、導電性が高いため、導電性粒子として用いた場合、抵抗層の表面抵抗率が低くなり易い。そのため、抵抗層の表面抵抗率を300〜500Ω/□の適度な範囲に制御するには、バインダを多量に使用する必要がある。バインダの量が多くなると、抵抗層の性質は、バインダの性質に大きく影響される。よって、抵抗層の表面抵抗率を制御し難い。一方、本実施形態では、導電性粒子として黒鉛粒子を用いるため、アセチレンブラックの場合と比べて、抵抗層の表面抵抗率が高くなる傾向にあり、抵抗層の表面抵抗率を制御し易い。
良好な作業環境を確保し易い観点から、従来、抵抗層のバインダとしては、水分散性の樹脂、例えば、アクリル系樹脂などが使用されている。しかし、アクリル系樹脂を用いると、湿気の影響を受け易くなり、抵抗層の表面低下率が経時的に変化して、安定化させることが難しい。それに対して、本実施形態では、フッ素樹脂を用いることで、湿気などによる表面抵抗率の経時変化を抑制することができ、表面抵抗率を安定化させることができる。
このように、本実施形態によれば、黒鉛粒子とフッ素樹脂バインダとを用いることで、湿気の影響や経時変化などにより抵抗層の表面抵抗率が変動することが抑制される。よって、抵抗層の表面抵抗率を安定化させることができる。また、抵抗層の表面抵抗率を制御し易くなる。
以下に、本実施形態に係る電波吸収体および抵抗フィルムについて、必要に応じて図面を参照しながら、より詳細に説明する。
(抵抗層)
(導電性粒子)
導電性粒子は、黒鉛粒子を含む。黒鉛粒子としては、例えば、X線回折(XRD)スペクトルで測定される(002)面の平均面間隔d002が0.3370nm以下であるものが使用される。一方、アセチレンブラックなどの非晶質炭素のd002は、黒鉛よりも大きい。黒鉛は、d002の値により非晶質炭素と区別される。黒鉛粒子のd002は、通常、0.3354nm以上である。黒鉛粒子としては、具体的には、天然黒鉛および人造黒鉛などが利用できる。中でも、成分や品質のばらつきが小さい観点から、人造黒鉛が好ましい。
黒鉛粒子の平均粒子径は、1〜10μmであることが好ましく、3〜6μmであることがさらに好ましい。黒鉛粒子の平均粒子径がこのような範囲である場合、適度な導電性が得られ、かつバインダの必要量も抑制される。よって、抵抗層の表面抵抗率をさらに制御し易くなる。
なお、本明細書中、平均粒子径とは、体積基準の粒度分布におけるメディアン径(D50)を意味する。
導電性粒子に占める黒鉛粒子の割合は、例えば、70質量%以上であることが好ましく、75質量%以上または80質量%以上であることがさらに好ましい。導電性粒子として黒鉛粒子のみを用いてもよい。黒鉛粒子の割合がこのような範囲である場合、抵抗層の表面抵抗率をさらに制御し易くなる。
(バインダ)
バインダに含まれるフッ素樹脂としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレンなどのフッ素含有モノマーの単独重合体の他、フッ素含有モノマー単位を含む共重合体などが挙げられる。テトラフルオロエチレン単位を含む共重合体としては、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体などが例示できる。フッ化ビニリデン単位を含む共重合体としては、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−エチレン共重合体、フッ化ビニリデン−アクリル系モノマー共重合体などが例示できる。これらのフッ素樹脂は、一種を単独でまたは二種以上を組み合わせて使用できる。フッ素樹脂のうち、フッ化ビニリデン単位を含むものが好ましく、中でも、フッ化ビニリデン単位およびヘキサフルオロプロピレン単位を含むものが好ましい。
共重合体に占めるフッ素含有モノマー単位の割合は、50モル%以上であることが好ましく、65モル%以上であってもよい。この場合、抵抗層への湿気などの外的環境や経時変化の影響を小さくし易い。フッ素含有モノマー単位の割合の上限値は特に制限されないが、例えば、90モル%としてもよい。
バインダは、フッ素樹脂(第1樹脂)に加えて、他の樹脂(第2樹脂)を含んでもよい。第2樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂、カルボキシメチルセルロースまたはその塩などのセルロース誘導体などが挙げられる。第2樹脂は、一種を単独で用いてもよく、二種以上組み合わせて用いてもよい。
バインダは、有機溶剤溶解性のものを用いてもよいが、良好な作業環境を確保する観点から、バインダは、水分散性であることが好ましい。水分散性を付与する観点から、共重合体においてフッ素含有モノマーと共重合する共重合性モノマーや第2樹脂として、水に対する親和性が高いものを用いてもよい。共重合性モノマーとしてのアクリル系モノマーや、第2樹脂としてのアクリル系樹脂を用いると、水分散性を高め易い。アクリル系モノマーとしては、例えば、エチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレートなどが挙げられる。
このようなバインダは、赤外吸収(IR)スペクトルにおいて、1710〜1750cm-1の範囲、より具体的には、1725〜1735cm-1の範囲に、カルボニル基に基づくピークを有する。このピークは、アクリル系モノマー単位やアクリル系樹脂に由来するカルボニル基に帰属される。
バインダに占めるフッ素樹脂の割合は、60質量%以上または65質量%以上であることが好ましい。この場合、抵抗層が湿気などの外的環境や経時変化の影響をより受け難い。バインダに占める第2樹脂の割合は、例えば、1〜40質量%であり、1〜35質量%であることが好ましい。
抵抗層において、バインダの量は、導電性粒子100質量部に対して、例えば、30〜300質量部であり、40〜250質量部または50〜200質量部であることが好ましい。本実施形態では、このようにバインダの相対的な量を比較的少なくすることができるため、抵抗層の性質がバインダに影響され難い。そのため、湿気などの外的環境や経時変化によりバインダが劣化して抵抗層の表面抵抗率が変動するのを抑制できる。
(その他)
抵抗層は、必要に応じて公知の添加剤を含むことができる。
抵抗層の厚みは、5μm以上であることが好ましく、10μm以上であることがさらに好ましい。抵抗層の厚みは、例えば、100μm以下であり、50μm以下または30μm以下であることが好ましい。これらの下限値と上限値とは任意に組み合わせることができる。抵抗層の厚みは、例えば、5〜100μm、10〜100μm、10〜50μm、または10〜30μmであってもよい。
抵抗層の厚みがこのような範囲であることで、厚みのばらつきが小さい抵抗層が得られ易い。抵抗層の抵抗のばらつきを小さくすることができるため、表面抵抗率を制御し易くなる。
抵抗層の表面抵抗率は、300〜500Ω/□であり、好ましくは300〜450Ω/□である。λ/4型電波吸収体では、真空中の波動インピーダンスZの値に近い表面抵抗率であることが好ましく、327〜427Ω/□であってもよい。表面抵抗率がこのような範囲である場合、抵抗層により電波を効率よく吸収することができる。
抵抗フィルムは、例えば、抵抗層の材料を含む塗料の塗膜を形成し、乾燥することにより作製することができる。よって、抵抗フィルムは、塗料を塗布するための基材層をさらに有してもよい。この場合、抵抗層は、基材層の少なくとも一方の表面に形成すればよい。また、剥離性基材の表面に塗料を塗布して乾燥し、剥離性基材から剥離することにより抵抗フィルムを形成してもよい。
基材層としては、例えば、樹脂を含むフィルムや不織布が使用される。フィルムを形成する樹脂や不織布の繊維を構成する樹脂としては、抵抗層の基材として利用される公知の樹脂が使用できる。樹脂の具体例としては、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル系樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、オレフィン樹脂、ゴム状重合体などが挙げられる。基材層は、これらの樹脂を一種含んでもよく、二種以上を含んでいてもよい。基材層は、必要に応じて、公知の添加剤を含んでもよい。
基材層の厚みは、例えば、50〜100μmである。
塗料は、抵抗層の材料を分散媒と混合することにより調製される。分散液には、公知の分散剤を用いてもよい。分散媒としては、バインダを溶解または分散するものが使用され、バインダの種類に応じて適宜選択できる。良好な作業環境を確保する観点からは、水系の分散媒を用いることが好ましい。水系の分散媒としては、水、水とアルコールなどの水溶性有機溶媒との混合物などが挙げられる。アルコールとしては、例えば、エタノール、2−プロパノールなどの炭素数1〜4の脂肪族アルコールが好ましい。
本実施形態に係る抵抗フィルムは、電波吸収性能に優れる抵抗層を備えている。そのため、電波吸収パネルや電波吸収建材などの電波吸収体に用いるのに適している。
図1は、本実施形態に係る抵抗フィルムを備える電波吸収パネルを模式的に示す縦断面図である。
電波吸収パネル10は、抵抗フィルム1と、誘電体層2と、金属反射板3とを備えている。誘電体層2の一方の表面に抵抗フィルム1が積層され、他方の表面に金属反射板3が積層されている。抵抗フィルム1は、上述のように抵抗層を備えており、抵抗層と基材層とを有していてもよい。基材層を有する場合、基材層は、誘電体層2側に配置されてもよく、誘電体層2とは反対側に配置されてもよい。抵抗フィルム1と誘電体層2との間、誘電体層2と金属反射板3との間には、それぞれ、必要に応じて接着剤を配してもよい。誘電体層2の材料としては、吸収する電波の周波数に適したものが選択される。λ/4型電波吸収パネルでは、吸収する電波の波長λに対して、抵抗フィルム1(特に、抵抗層)が金属反射板3からλ/4だけ離れた位置となるように抵抗フィルム1を配置する。これにより、入射電波と入射電波のλ/4波長との共振打ち消しあいが起こり、電波吸収パネルに電波が吸収される。
以下、本発明を実験例および比較例に基づいて具体的に説明するが、本発明は以下の実験例に限定されるものではない。
実験例1
(1)抵抗層用塗料の調製
人造黒鉛粒子(平均粒子径D50:4μm)100質量部と、バインダと、分散媒としての2−プロパノール15質量部およびイオン交換水500質量部とを混合し、固形分を分散させることにより抵抗層用塗料を調製した。バインダとしては、カルボキシメチルセルロースアンモニウム塩5質量部と、フッ素樹脂を含むエマルジョン(固形分濃度:45質量%)151質量部とを用いた。エマルジョンの固形分は、フッ素樹脂(第1樹脂)を70質量%含み、アクリル系樹脂(第2樹脂)を30質量%含んでいた。第1樹脂は、フッ化ビニリデン単位とヘキサフルオロプロピレン単位とを含んでいた。バインダのIRスペクトルは、1730cm-1付近にアクリル系樹脂に由来するカルボニル基の吸収ピークを有していた。黒鉛粒子100質量部に対するバインダの量は73質量部とした。
(2)抵抗フィルムの作製
(1)で得られた塗料を、基材層としてのポリエステル樹脂製フィルムの片方の表面に塗布し、乾燥させることにより、抵抗層を形成した。抵抗層の厚みは、11.7μmであった。
(3)表面抵抗率の測定
抵抗フィルムを、縦8cm×横5cmのサイズにカットすることによりサンプルを作製した。抵抗測定器(ロレスタGP MCP−T610型)に、サンプルをセットし、抵抗層の表面抵抗率(Ω/□)を測定した。
実験例2〜5
抵抗層の厚みが、それぞれ、6.2μm(実験例2)、9.5μm(実験例3)、12.0μm(実験例4)、および18.9μm(実験例5)となるように塗料の塗布量を調節した。これ以外は、実験例1と同様にして、抵抗フィルムを作製し、表面抵抗率を測定した。
実験例6〜9
フッ素樹脂エマルジョンの量を375質量部用いた以外は実験例1と同様にして抵抗層用塗料を調製した。黒鉛粒子100質量部に対するバインダの量は174質量部とした。
得られた塗料を用い、抵抗層の厚みが、それぞれ7.1μm(実験例6)、9.9μm(実験例7)、15.3μm(実験例8)、および20.6μm(実験例9)となるように塗料の塗布量を調節した。これら以外は実験例1と同様に、抵抗フィルムを作製し、表面抵抗率を測定した。
実験例10〜13
フッ素樹脂エマルジョンの量を511質量部用いた以外は実験例1と同様にして抵抗層用塗料を調製した。黒鉛粒子100質量部に対するバインダの量は235質量部とした。
得られた塗料を用い、抵抗層の厚みが、それぞれ7.6μm(実験例10)、11.1μm(実験例11)、16.3μm(実験例12)、および24.0μm(実験例13)となるように塗料の塗布量を調節した。これら以外は実験例1と同様に、抵抗フィルムを作製し、表面抵抗率を測定した。
また、抵抗フィルムを室温で保存し、1週間後および2週間後の表面抵抗率を上記と同様にして測定した。
比較例1〜4
黒鉛粒子に代えてアセチレンブラック(平均粒子径D50:26nm)を用い、カルボキシメチルセルロースアンモニウム塩の量を9質量部に変更した。これら以外は、実験例1と同様にして抵抗層用塗料を調製した。アセチレンブラック100質量部に対するバインダの量は、77質量部とした。
得られた塗料を用い、抵抗層の厚みが、それぞれ1.6μm(比較例1)、3.0μm(比較例2)、7.8μm(比較例3)、および15.2μm(比較例4)となるように塗料の塗布量を調節した。これら以外は実験例1と同様に、抵抗フィルムを作製し、表面抵抗率を測定した。
比較例5〜8
黒鉛粒子に代えてアセチレンブラック(平均粒子径D50:26nm)を用い、カルボキシメチルセルロースアンモニウム塩の量を9質量部に変更した。これら以外は、実験例6と同様にして抵抗層用塗料を調製した。アセチレンブラック100質量部に対するバインダの量は178質量部とした。
得られた塗料を用い、抵抗層の厚みが、それぞれ0.9μm(比較例5)、2.0μm(比較例6)、7.6μm(比較例7)、および15.9μm(比較例8)となるように塗料の塗布量を調節した。これら以外は実験例1と同様に、抵抗フィルムを作製し、表面抵抗率を測定した。
比較例9〜12
黒鉛粒子に代えてアセチレンブラック(平均粒子径D50:26nm)を用い、カルボキシメチルセルロースアンモニウム塩の量を9質量部に変更した。これら以外は、実験例10と同様にして抵抗層用塗料を調製した。アセチレンブラック100質量部に対するバインダの量は239質量部とした。
得られた塗料を用い、抵抗層の厚みが、それぞれ1.6μm(比較例9)、3.0μm(比較例10)、7.5μm(比較例11)、および17.2μm(比較例12)となるように塗料の塗布量を調節した。これら以外は実験例1と同様に、抵抗フィルムを作製し、表面抵抗率を測定した。
比較例13〜16
フッ素樹脂エマルジョンに代えて、アクリル樹脂エマルジョン(固形分濃度:44.5質量%)153質量部を用いた以外は、比較例1と同様にして抵抗層用塗料を調製した。
得られた塗料を用い、抵抗層の厚みが、それぞれ1.0μm(比較例13)、2.5μm(比較例14)、8.3μm(比較例15)、および15.7μm(比較例16)となるように塗料の塗布量を調節した。これら以外は実験例1と同様に、抵抗フィルムを作製し、表面抵抗率を測定した。
比較例17〜20
フッ素樹脂エマルジョンに代えて、アクリル樹脂エマルジョン(固形分濃度:44.5質量%)379質量部を用いた以外は、比較例5と同様にして抵抗層用塗料を調製した。
得られた塗料を用い、抵抗層の厚みが、それぞれ1.9μm(比較例17)、3.0μm(比較例18)、8.0μm(比較例19)、および13.8μm(比較例20)となるように塗料の塗布量を調節した。これら以外は実験例1と同様に、抵抗フィルムを作製し、表面抵抗率を測定した。
比較例21〜24
フッ素樹脂エマルジョンに代えて、アクリル樹脂エマルジョン(固形分濃度:44.5質量%)517質量部を用いた以外は、比較例9と同様にして抵抗層用塗料を調製した。 得られた塗料を用い、抵抗層の厚みが、それぞれ2.0μm(比較例21)、2.7μm(比較例22)、8.0μm(比較例23)、および14.7μm(比較例24)となるように塗料の塗布量を調節した。これら以外は実験例1と同様に、抵抗フィルムを作製し、表面抵抗率を測定した。
比較例25〜28
フッ素樹脂エマルジョンに代えて、アクリル樹脂エマルジョン(固形分濃度:44.5質量%)517質量部を用いた以外は実験例10と同様にして抵抗層用塗料を調製した。
得られた塗料を用い、抵抗層の厚みが、それぞれ8.4μm(比較例25)、12.6μm(比較例26)、18.7μm(比較例27)、および24.1μm(比較例28)となるように塗料の塗布量を調節した。これら以外は実験例1と同様に、抵抗フィルムを作製し、表面抵抗率を測定した。
また、抵抗フィルムを室温で保存し、1週間後および2週間後の表面抵抗率を上記と同様にして測定した。
実験例1〜13および比較例1〜24について、抵抗フィルム作製直後の表面抵抗率の測定結果を図2〜図4に示す。図2〜図4では、表面抵抗率の測定値を累乗近似している。実験例1〜13は、A1〜A13であり、比較例1〜24は、B1〜B24である。
図2に示されるように、黒鉛粒子とフッ素樹脂バインダとを組み合わせた実験例では、広い範囲の抵抗層の厚みについて300〜500Ω/□の範囲の表面抵抗率が得られる。すなわち300〜500Ω/□の表面抵抗率が達成される広い厚みの範囲が実施例に対応する。つまり、抵抗層の厚みを調節し易いため、抵抗層の表面抵抗率を制御し易く、表面抵抗率を安定化することができる。一方、図3および図4に示されるように比較例では、300〜500Ω/□の範囲の表面抵抗率が得られる抵抗層の厚みの範囲が狭い。つまり、所望の表面抵抗率を得るには、抵抗層の厚みを高精度で調節する必要があるため、表面抵抗率を制御し難い。
実験例10〜13および比較例25〜28について、表面抵抗率の経時変化を図5および図6にそれぞれ示す。図5および図6では、表面抵抗率の測定値を累乗近似している。図5に示されるように、フッ素樹脂バインダを用いた実験例10〜13では、表面抵抗率は、1週間後および2週間後も初期とほとんど変化がない。一方、アクリル系樹脂バインダを用いた比較例25〜28では、時間の経過とともに表面抵抗率が変化している。また、抵抗層が60μm以下の厚みでは300〜500Ω/□の表面抵抗率が得られていない。
本発明の一実施形態によれば、抵抗フィルムにおける抵抗層の表面抵抗率を安定化することができる。よって、抵抗フィルムは、電波吸収パネルや電波吸収建材などの電波吸収体に用いるのに適している。
1:抵抗フィルム
2:誘電体層
3:金属反射板
10:電波吸収パネル

Claims (6)

  1. 抵抗フィルムと、
    誘電体層と、
    金属反射板と、
    を具備し、
    前記抵抗フィルムが、導電性粒子とバインダとを含み、300〜500Ω/□の表面抵抗率を有する抵抗層を有し、
    前記導電性粒子は、黒鉛粒子を含み、
    前記バインダは、フッ素樹脂を含み、
    前記導電性粒子に占める前記黒鉛粒子の割合は、70質量%以上であり、
    前記バインダに占める前記フッ素樹脂の割合は、60質量%以上であり、
    前記抵抗層の厚みは、5〜100μmであり、
    前記抵抗層において、前記バインダの量は、前記導電性粒子100質量部に対して、30〜300質量部である、電波吸収体。
  2. 前記黒鉛粒子の平均粒子径は、1〜10μmである、請求項1に記載の電波吸収体。
  3. 前記バインダは、赤外吸収スペクトルにおいて、1710〜1750cm-1の範囲にカルボニル基に基づくピークを有する、請求項1または2に記載の電波吸収体。
  4. 前記フッ素樹脂は、フッ化ビニリデン単位およびヘキサフルオロプロピレン単位を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の電波吸収体。
  5. 前記バインダに占める前記フッ素樹脂の割合は、70質量%以上である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の電波吸収体。
  6. 前記抵抗フィルムが、さらに基材層を有し、
    前記基材層の表面に前記抵抗層が形成されている、請求項1〜5のいずれか1項に記載の電波吸収体。
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