JP2020181784A - 光通信モジュール及び光通信システム - Google Patents
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Abstract
【課題】光信号の受信状態の劣化及び通信速度の低下を抑制することができる光通信モジュール及び光通信システムを提供する。【解決手段】光通信モジュール10は、第1光信号L1を受光し、第1光信号L1に応じた第1アナログ電気信号を出力する受光部20と、第1アナログ電気信号を第1デジタル電気信号に変換する回路部12と、第1デジタル電気信号を通信機器5に出力する端子13と、を備える。受光部20は、内部空間を気密に封止し、第1光信号L1を入射させる光入射部22を有する筐体21と、内部空間に設けられ、第1光信号L1を受光するフォトカソード25と、内部空間に設けられ、第1アナログ電気信号を出力するアノード26と、を有する。【選択図】図2
Description
本発明は、光通信モジュール及び光通信システムに関する。
光通信システムとして、例えば、LED(Light Emitting Diode)を採用した照明装置においてLEDを高速変調することで照明光を光信号として用いる照明光通信システム(可視光通信システム)が注目されている。そのような光通信システムに用いられる光通信モジュールとして、例えば、光信号を受光する受光部にPD(Photodiode)を採用したものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
上述したような光通信システムでは、光通信モジュールにおける光信号の受信状態が照明装置に対する光通信モジュールの位置によって変化し易く、光信号の受信状態の劣化が生じるおそれがある。その解決方法として、光信号の強度を強くする方法、光通信モジュールの受光部において受光面積を大きくする方法等が挙げられる。しかし、照明光通信システムでは、光信号の強度を強くするために照明光の強度を強くすることは現実的ではない。一方で、PDを採用した受光部において受光面積を大きくすると、PDにおいて陽極と陰極との間に生じる電極間容量が大きくなり、受光部の応答速度の低下、延いては、光信号の通信速度の低下に繋がる。
本発明は、光信号の受信状態の劣化及び通信速度の低下を抑制することができる光通信モジュール及び光通信システムを提供することを目的とする。
本発明の光通信モジュールは、第1光信号を受光し、第1光信号に応じた第1アナログ電気信号を出力する受光部と、第1アナログ電気信号を第1デジタル電気信号に変換する回路部と、第1デジタル電気信号を通信機器に出力する端子と、を備え、受光部は、内部空間を気密に封止し、第1光信号を入射させる光入射部を有する筐体と、内部空間に設けられ、第1光信号を受光するフォトカソードと、内部空間に設けられ、第1アナログ電気信号を出力するアノードと、を有する。
この光通信モジュールでは、受光部において、フォトカソードから内部空間に電子が放出され、内部空間に放出された電子又は二次電子がアノードに収集される。このように、受光部が、内部空間を介して電子を授受する構成を採っているため、フォトカソードの受光面積を大きくしても、フォトカソードとアノードとの間に生じる電極間容量が大きくなり難い。つまり、受光部において、第1光信号に対する感度を向上させつつも、応答速度が低下するのを抑制することができる。よって、この光通信モジュールによれば、光信号の受信状態の劣化及び通信速度の低下を抑制することができる。
本発明の光通信モジュールでは、受光部、回路部及び端子は、同一の回路基板に設けられていてもよい。これにより、1つの構造体として光通信モジュールが構成されるため、光通信モジュールのハンドリング性を向上させることができる。
本発明の光通信モジュールでは、受光部は、通信機器から端子を介して駆動電圧の供給を受けてもよい。これにより、光通信モジュールが電源を備えることが不要となるため、光通信モジュールの構造の単純化及び光通信モジュールの小型化を図ることができる。
本発明の光通信モジュールでは、端子は、通信機器が有するコネクタとの電気的且つ物理的な接続が可能な構成を有してもよい。これにより、通信機器が有するコネクタに光通信モジュールを直接的に接続することができる。
本発明の光通信モジュールでは、フォトカソードとアノードとは、向かい合っており、真空の誘電率をε0(F/mm)とし、内部空間の比誘電率をεrとし、フォトカソードとアノードとが向かい合う方向から見た場合にフォトカソードとアノードとが重なり合う領域の面積をS(mm2)とし、フォトカソードとアノードとの距離をt(mm)とすると、受光部は、5pF>ε0εrS/tを満たすように構成されていてもよい。これにより、フォトカソードとアノードとの間に生じる電極間容量を5pF未満とすることができ、例えば、数十〜数百MHzの周波数を有する第1光信号を適切に受信することができる。
本発明の光通信モジュールでは、光入射部の外側表面は、第1光信号をフォトカソードに導光するレンズ面であってもよい。これにより、第1光信号の送信元に対する位置によって第1光信号の受信状態が劣化するのを抑制することができる。
本発明の光通信モジュールでは、光入射部は、外側に凸状に湾曲していてもよい。これにより、第1光信号の送信元に対する位置によって第1光信号の受信状態が劣化するのを抑制することができる。
本発明の光通信モジュールでは、受光部は、フォトカソードから放出された電子がアノードに収集されるように構成されていてもよい。これにより、受光部の駆動電圧を低くすることができる。
本発明の光通信モジュールでは、受光部は、フォトカソードから放出された電子を増倍させる増倍部を更に有し、増倍部から放出された二次電子がアノードに収集されるように構成されていてもよい。これにより、受光部において、第1光信号に対する感度を向上させることができる。
本発明の光通信モジュールでは、筐体は、内部空間を包囲する筒状の側壁と、内部空間を介して光入射部と向かい合う底壁と、を更に有し、フォトカソードは、アノードよりも光入射部側に設けられており、アノードは、フォトカソードと向かい合っていてもよい。これにより、第1光信号に対する感度を向上させ且つ応答速度が低下するのを抑制し得る受光部を確実に構成することができる。
本発明の光通信モジュールでは、筐体は、内部空間を包囲する筒状の側壁と、内部空間を介して光入射部と向かい合う底壁と、を更に有し、フォトカソードは、アノードよりも底壁側に設けられており、アノードは、メッシュ状に形成され、フォトカソードと向かい合っていてもよい。これにより、第1光信号に対する感度を向上させ且つ応答速度が低下するのを抑制し得る受光部を確実に構成することができる。
本発明の光通信モジュールでは、筐体は、内部空間を包囲する筒状の側壁と、内部空間を介して光入射部と向かい合う底壁と、を更に有し、フォトカソードは、アノードよりも底壁側に設けられており、アノードは、側壁に設けられていてもよい。これにより、第1光信号に対する感度を向上させ且つ応答速度が低下するのを抑制し得る受光部を確実に構成することができる。
本発明の光通信モジュールでは、光入射部は、ガラスによって形成されており、筐体における光入射部以外の部分は、ガラス、セラミックス、シリコン又は金属によって形成されていてもよい。これにより、第1光信号に対する感度を向上させ且つ応答速度が低下するのを抑制し得る受光部を確実に構成することができる。
本発明の光通信モジュールでは、フォトカソードは、セシウムアンチモナイド、バイアルカリ又はマルチアルカリによって形成されていてもよい。これにより、第1光信号に対する感度を向上させ且つ応答速度が低下するのを抑制し得る受光部を確実に構成することができる。
本発明の光通信モジュールは、第2アナログ電気信号が入力され、第2アナログ電気信号に応じた第2光信号を出射する発光部を更に備え、端子は、通信機器から入力された第2デジタル電気信号を回路部に出力し、回路部は、第2デジタル電気信号を第2アナログ電気信号に変換してもよい。これにより、例えば第1光信号の送信元と通信機器との間で双方向通信を実現することができる。
本発明の光通信システムは、上述した光通信モジュールと、光通信モジュールから第1デジタル電気信号が入力される通信機器と、第1光信号を送信する発光部を有する照明装置と、を備える。
この光通信システムによれば、照明光通信システムにおいて、光信号の受信状態の劣化及び通信速度の低下を抑制することができる。
本発明の光通信システムは、上述した光通信モジュールと、光通信モジュールから第1デジタル電気信号が入力される通信機器と、第1光信号を送信する発光部及び第2光信号を受信する受光部を有する照明装置と、を備える。
この光通信システムによれば、双方向通信が可能な照明光通信システムにおいて、光信号の受信状態の劣化及び通信速度の低下を抑制することができる。
本発明の光通信システムは、上述した光通信モジュールと、光通信モジュールから第1デジタル電気信号が入力される通信機器と、第1光信号を送信する発光部を有する照明装置と、第2光信号を受信する受光部を有する受光装置と、を備える。
この光通信システムによれば、第1光信号の送信及び第2光信号の受信をそれぞれ適切な場所で行える照明光通信システムにおいて、光信号の受信状態の劣化及び通信速度の低下を抑制することができる。
本発明によれば、光信号の受信状態の劣化及び通信速度の低下を抑制することができる光通信モジュール及び光通信システムを提供することが可能となる。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図において同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する部分を省略する。
[光通信システムの構成]
図1に示されるように、光通信システム1は、照明装置2と、通信機器5と、光通信モジュール10と、を備えている。照明装置2は、各種施設において、例えば天井に設けられている。通信機器5は、例えばPC(Personal Computer)である。光通信モジュール10は、通信機器5が有するコネクタ5aと電気的且つ物理的に接続されている。コネクタ5aは、例えばUSB(Universal Serial Bus)ソケット等の汎用コネクタである。
図1に示されるように、光通信システム1は、照明装置2と、通信機器5と、光通信モジュール10と、を備えている。照明装置2は、各種施設において、例えば天井に設けられている。通信機器5は、例えばPC(Personal Computer)である。光通信モジュール10は、通信機器5が有するコネクタ5aと電気的且つ物理的に接続されている。コネクタ5aは、例えばUSB(Universal Serial Bus)ソケット等の汎用コネクタである。
光通信システム1では、照明装置2が第1光信号L1を送信し、光通信モジュール10が、第1光信号L1を受信して、第1光信号L1に基づく第1デジタル電気信号を通信機器5に出力する。また、光通信モジュール10が、通信機器5から入力された第2デジタル電気信号に基づく第2光信号L2を送信し、照明装置2が第2光信号L2を受信する。本実施形態では、第1光信号L1は、照明光を兼ねた可視域の光であり、第2光信号L2は、赤外域の光である。光通信システム1は、照明装置2と通信機器5との間での双方向通信が可能な照明光通信システム(可視光通信システム)である。
照明装置2は、発光部3と、受光部4と、を有している。発光部3は、第1光信号L1を送信する。発光部3は、例えば、LED、LD(Laser Diode)等の発光素子である。発光部3は、照明装置2の制御部(図示省略)によって高速変調されることで、照明光を兼ねた可視域の光を第1光信号L1として出射する。第1光信号L1の周波数は、例えば数十〜数百MHzである。受光部4は、第2光信号L2を受信する。受光部4は、例えばPD等の受光素子である。受光部4は、赤外域の光に対して感度を有しており、第2光信号L2を受光する。
[光通信モジュールの構成]
図2及び図3に示されるように、光通信モジュール10は、受光部20と、発光部11と、回路部12と、端子13と、回路基板14と、パッケージ15と、を備えている。受光部20、発光部11及び端子13は、回路基板14に実装されている。回路部12は、回路基板14に実装された複数の電子部品、及び回路基板14に形成された配線等によって、構成されており、受光部20、発光部11及び端子13のそれぞれと電気的に接続されている。発光部11、回路部12及び回路基板14のそれぞれの全体、並びに、受光部20及び端子13のそれぞれの一部(回路基板14と接続された部分)は、パッケージ15内に配置されている。パッケージ15は、例えばプラスチックによって形成されている。なお、図2及び図3には、パッケージ15の一部が切り欠かれた状態で光通信モジュール10が示されている。
図2及び図3に示されるように、光通信モジュール10は、受光部20と、発光部11と、回路部12と、端子13と、回路基板14と、パッケージ15と、を備えている。受光部20、発光部11及び端子13は、回路基板14に実装されている。回路部12は、回路基板14に実装された複数の電子部品、及び回路基板14に形成された配線等によって、構成されており、受光部20、発光部11及び端子13のそれぞれと電気的に接続されている。発光部11、回路部12及び回路基板14のそれぞれの全体、並びに、受光部20及び端子13のそれぞれの一部(回路基板14と接続された部分)は、パッケージ15内に配置されている。パッケージ15は、例えばプラスチックによって形成されている。なお、図2及び図3には、パッケージ15の一部が切り欠かれた状態で光通信モジュール10が示されている。
受光部20は、第1光信号L1を受光し、第1光信号L1に応じた第1アナログ電気信号を回路部12に出力する。受光部20は、パッケージ15に形成された開口15aを介してパッケージ15外に突出している。受光部20では、受光部20が有する筐体21のうち、第1光信号L1を入射させる光入射部22が、パッケージ15外に位置している。
発光部11は、回路部12から入力された第2アナログ電気信号に応じた第2光信号L2を出射する。発光部11は、例えば、LED、LD等の発光素子であり、赤外域の光を第2光信号L2として出射する。発光部11は、パッケージ15の一部を構成する光透過部15bに向かい合っている。これにより、第2光信号L2は、発光部11から光透過部15bを介して外部に出射する。
図4に示されるように、回路部12は、A/D変換部121と、D/A変換部122と、信号処理部123と、を有している。A/D変換部121及び信号処理部123は、受光部20から入力された第1アナログ電気信号に対してA/D変換等の信号処理を施すことで第1デジタル電気信号を生成し、生成した第1デジタル電気信号を、端子13を介して通信機器5に出力する。このように、回路部12は、受光部20から入力された第1アナログ電気信号を第1デジタル電気信号に変換する。D/A変換部122及び信号処理部123は、通信機器5から端子13を介して入力された第2デジタル電気信号に対してD/A変換等の信号処理を施すことで第2アナログ電気信号を生成し、生成した第2アナログ電気信号を発光部11に出力する。このように、回路部12は、通信機器5から端子13を介して入力された第2デジタル電気信号を第2アナログ電気信号に変換する。
端子13は、回路部12から入力された第1デジタル電気信号を通信機器5に出力し、通信機器5から入力された第2デジタル電気信号を回路部12に出力する。図2及び図3に示されるように、端子13は、通信機器5のコネクタ5aとの電気的且つ物理的な接続が可能な構成を有している。端子13は、例えばUSBプラグ等の汎用コネクタである。端子13は、パッケージ15に形成された開口15cを介してパッケージ15外に突出している。端子13では、コネクタ5aに接続される部分がパッケージ15外に位置している。なお、受光部20、発光部11及び端子13は、端子13がコネクタ5aに接続された状態で受光部20及び発光部11が照明装置2側(例えば上側)を向くように、配置されている。
[受光部の構成]
図5に示されるように、受光部20は、筐体21と、フォトカソード25と、アノード26と、リードピン27と、複数のリードピン28と、を有している。筐体21は、光入射部22、側壁23及び底壁24によって構成されており、真空引きされた内部空間Sを気密に封止している。側壁23は、内部空間Sを包囲する筒状(例えば矩形筒状)の部材である。光入射部22は、側壁23における一方の開口部に気密に接合された平板状(例えば矩形板状)の部材である。底壁24は、側壁23における他方の開口部に気密に接合された平板状(例えば矩形板状)の部材であり、内部空間Sを介して光入射部22と向かい合っている。本実施形態では、光入射部22は、ガラスによって形成されており、側壁23及び底壁24(筐体21における光入射部22以外の部分)は、金属によって形成されている。一例として、筐体21は、直方体箱状を呈しており、筐体21の一辺の長さは、数mm〜十数mm程度である。
図5に示されるように、受光部20は、筐体21と、フォトカソード25と、アノード26と、リードピン27と、複数のリードピン28と、を有している。筐体21は、光入射部22、側壁23及び底壁24によって構成されており、真空引きされた内部空間Sを気密に封止している。側壁23は、内部空間Sを包囲する筒状(例えば矩形筒状)の部材である。光入射部22は、側壁23における一方の開口部に気密に接合された平板状(例えば矩形板状)の部材である。底壁24は、側壁23における他方の開口部に気密に接合された平板状(例えば矩形板状)の部材であり、内部空間Sを介して光入射部22と向かい合っている。本実施形態では、光入射部22は、ガラスによって形成されており、側壁23及び底壁24(筐体21における光入射部22以外の部分)は、金属によって形成されている。一例として、筐体21は、直方体箱状を呈しており、筐体21の一辺の長さは、数mm〜十数mm程度である。
フォトカソード25は、内部空間Sに設けられており、光入射部22に入射した第1光信号L1を受光して、内部空間Sに電子を放出する。具体的には、フォトカソード25は、光入射部22の内側表面22aに形成されている。内側表面22aは、光入射部22における内部空間S側の表面である。フォトカソード25は、側壁23と接触しており、側壁23及び底壁24を介してリードピン27と電気的に接続されている。リードピン27は、底壁24から外部に延在しており、回路部12と電気的に接続されている。本実施形態では、フォトカソード25は、バイアルカリ(K2CsSb)によって形成されており、例えば蒸着によって内側表面22aに形成されている。一例として、フォトカソード25は、矩形膜状を呈しており、第1光信号L1の入射方向から見た場合におけるフォトカソード25の一辺の長さは、数mm〜十数mm程度である。
アノード26は、内部空間Sに設けられており、フォトカソード25から内部空間Sに放出された電子を収集して、第1アナログ電気信号を出力する。具体的には、アノード26は、内部空間Sにおいて、底壁24を貫通する複数のリードピン28によって支持されており、複数のリードピン28と電気的に接続されている。各リードピン28は、ガラス部材等の絶縁部材29を介して底壁24を貫通しており、回路部12と電気的に接続されている。アノード26は、金属によって形成されている。一例として、アノード26は、矩形板状を呈しており、第1光信号L1の入射方向から見た場合におけるアノード26の一辺の長さは、数mm〜十数mm程度である。
以上のように、受光部20では、フォトカソード25が、内部空間Sにおいてアノード26よりも光入射部22側に設けられており、アノード26が、内部空間Sを介してフォトカソード25と向かい合っている。つまり、受光部20は、フォトカソード25から放出された電子がアノード26に収集されるように構成されている。一例として、フォトカソード25とアノード26との距離は、数百μm〜数mm程度である。
本実施形態では、リードピン27が回路部12の接地電位に接続された状態で、回路部12によって複数のリードピン28に正電位が印加される。つまり、フォトカソード25が接地電位に接続された状態で、回路部12によってアノード26に正電位が印加される。このように、受光部20では、フォトカソード25の電位よりもアノード26の電位が高くなるように、フォトカソード25及びアノード26に駆動電圧が印加される。受光部20は、通信機器5から端子13を介して駆動電圧の供給を受ける。一例として、コネクタ5aがUSBソケットであり、端子13がUSBプラグである場合には、受光部20の駆動電圧は、5V程度である。
ここで、真空の誘電率をε0(F/mm)とし、内部空間Sの比誘電率をεrとし、フォトカソード25とアノード26とが向かい合う方向から見た場合にフォトカソード25とアノード26とが重なり合う領域の面積をS(mm2)とし、フォトカソード25とアノード26との距離をt(mm)とすると、受光部20は、5pF>ε0εrS/tを満たすように構成されている。なお、内部空間Sの比誘電率であるεrは、真空引きされた内部空間Sの比誘電率である。
[作用及び効果]
光通信モジュール10では、第1光信号L1が光入射部22を介してフォトカソード25に入射すると、フォトカソード25から内部空間Sに電子が放出され、内部空間Sに放出された電子がアノード26に収集されて、第1光信号L1に応じた第1アナログ電気信号がアノード26から回路部12に出力される。そして、回路部12において第1アナログ電気信号が第1デジタル電気信号に変換され、第1デジタル電気信号が回路部12から端子13を介して通信機器5に出力される。一方、第2デジタル電気信号が通信機器5から端子13を介して回路部12に入力されると、回路部12において第2デジタル電気信号が第2アナログ電気信号に変換され、第2アナログ電気信号が発光部11に入力される。そして、第2アナログ電気信号に応じた第2光信号L2が発光部11から出射される。
光通信モジュール10では、第1光信号L1が光入射部22を介してフォトカソード25に入射すると、フォトカソード25から内部空間Sに電子が放出され、内部空間Sに放出された電子がアノード26に収集されて、第1光信号L1に応じた第1アナログ電気信号がアノード26から回路部12に出力される。そして、回路部12において第1アナログ電気信号が第1デジタル電気信号に変換され、第1デジタル電気信号が回路部12から端子13を介して通信機器5に出力される。一方、第2デジタル電気信号が通信機器5から端子13を介して回路部12に入力されると、回路部12において第2デジタル電気信号が第2アナログ電気信号に変換され、第2アナログ電気信号が発光部11に入力される。そして、第2アナログ電気信号に応じた第2光信号L2が発光部11から出射される。
このように、光通信モジュール10では、受光部20が、内部空間Sを介して電子を授受する構成を採っているため、フォトカソード25の受光面積を大きくしても、フォトカソード25とアノード26との間に生じる電極間容量が大きくなり難い。つまり、受光部20において、第1光信号L1に対する感度を向上させつつも、応答速度が低下するのを抑制することができる。よって、光通信モジュール10によれば、双方向通信が可能な光通信システム1において、光信号の受信状態の劣化及び通信速度の低下を抑制することができる。
また、光通信モジュール10では、第2デジタル電気信号が通信機器5から端子13を介して回路部12に入力されると、回路部12において第2デジタル電気信号が第2アナログ電気信号に変換され、第2アナログ電気信号に応じた第2光信号L2が発光部11から出射される。これにより、照明装置2と通信機器5との間で双方向通信を実現することができる。
また、光通信モジュール10では、受光部20、発光部11、回路部12及び端子13が、同一の回路基板に設けられている。これにより、1つの構造体として光通信モジュール10が構成されるため、光通信モジュール10のハンドリング性を向上させることができる。
また、光通信モジュール10では、受光部20が、通信機器5から端子13を介して駆動電圧の供給を受ける。これにより、光通信モジュール10が電源を備えることが不要となるため、光通信モジュール10の構造の単純化及び光通信モジュール10の小型化を図ることができる。
また、光通信モジュール10では、フォトカソード25から放出された電子がアノード26に収集されるように、受光部20が構成されている。これにより、受光部20の駆動電圧を低くすることができる。
ここで、受光部20の駆動電圧は、上述したように、5V程度である。そのため、端子13、及び通信機器5のコネクタ5aを、USB規格等の汎用コネクタとして構成することができ、昇圧回路、高圧ケーブル等が不要となる。これにより、光通信モジュール10の構造の単純化及び光通信モジュール10の小型化を図ることができる。仮に、第1光信号L1を受光する受光部に、高速且つ高感度の受光素子としてAPDを採用すると、APDの駆動電圧は、200〜300V程度であるため、昇圧回路、高圧ケーブル等が必要となる。更に、昇圧回路から発生するノイズを遮蔽するための筐体も必要となる。したがって、第1光信号L1を受光する受光部にAPDを採用すると、光通信モジュール10の構造の単純化及び光通信モジュール10の小型化を図ることが困難となる。このことは、受光部としてPMTを採用した場合にも起こり得る。
また、光通信モジュール10では、端子13が、通信機器5が有するコネクタ5aとの電気的且つ物理的な接続が可能な構成を有している。これにより、通信機器5が有するコネクタ5aに光通信モジュール10を直接的に接続することができる。
また、光通信モジュール10では、真空の誘電率をε0(F/mm)とし、内部空間Sの比誘電率をεrとし、フォトカソード25とアノード26とが向かい合う方向から見た場合にフォトカソード25とアノード26とが重なり合う領域の面積をS(mm2)とし、フォトカソード25とアノード26との距離をt(mm)とすると、受光部20が、5pF>ε0εrS/tを満たすように構成されている。これにより、フォトカソード25とアノード26との間に生じる電極間容量を5pF未満とすることができ、例えば、数十〜数百MHzの周波数を有する第1光信号L1を適切に受信することができる。
ここで、光通信モジュール10の受光部20において、内部空間Sを真空とみなして、ε0=8.85×10−15F/mm、εr=1、S=3×3mm2、t=1mmとすると、フォトカソード25とアノード26との間に生じる電極間容量はC=0.08pFとなる。また、光通信モジュール10の受光部20において、内部空間Sを真空とみなして、ε0=8.85×10−15F/mm、εr=1、S=10×10mm2、t=1mmとすると、フォトカソード25とアノード26との間に生じる電極間容量はC=0.89pFとなる。一方、Si−PDを採用した受光部において、ε0=8.85×10−15F/mm、εr=11.9、S=3×3mm2、t=0.05mmとすると、Si−PDに生じる電極間容量はC=19pFとなる。
このように、光通信モジュール10の受光部20では、受光面に相当するSを大きくしても、フォトカソード25とアノード26との間に生じる電極間容量が大きくなり難く、当該電極間容量を5pF未満とすることができ、例えば、数十〜数百MHzの周波数を有する第1光信号L1を適切に受信することができる。一方、Si−PDを採用した受光部では、受光面に相当するSを大きくすると、Si−PDに生じる電極間容量が大きくなり易く、当該電極間容量を5pF未満とすることができない。つまり、Si−PDを採用した受光部では、数十〜数百MHzの周波数を有する第1光信号L1を適切に受信することができない。なお、Si−PDを厚くすると、電子の走行時間が長くなって応答速度が低下したり、電子が走行途中で消滅して感度が低下したりするおそれがある。したがって、電極間容量を小さくするためにSi−PDを厚くすることは現実的ではない。
また、光通信モジュール10では、フォトカソード25が、内部空間Sにおいてアノード26よりも光入射部22側に設けられており、アノード26が、内部空間Sを介してフォトカソード25と向かい合っている。これにより、第1光信号L1に対する感度を向上させ且つ応答速度が低下するのを抑制し得る受光部20を確実に構成することができる。
また、光通信モジュール10では、光入射部22がガラスによって形成されており、側壁23及び底壁が金属によって形成されている。これにより、第1光信号L1に対する感度を向上させ且つ応答速度が低下するのを抑制し得る受光部20を確実に構成することができる。
また、光通信モジュール10では、フォトカソード25が、バイアルカリによって形成されている。これにより、第1光信号L1に対する感度を向上させ且つ応答速度が低下するのを抑制し得る受光部20を確実に構成することができる。特に、バイアルカリを用いることで、照明光のうち青色に対応する可視域の検出に優れたフォトカソード25を形成することができる。
ここで、実施例及び比較例について説明する。実施例は、光通信モジュール10の受光部20と同一の構成を有する受光素子であり、感度=0.05A/W、S=50.3mm2、電極間容量=2.4pFであった。比較例は、Si−PDであり、感度=0.26A/W、S=5.76mm2、電極間容量=65pFであった。実施例の受光素子及び比較例のSi−PDのそれぞれに対して、第1光信号L1を入射させた。第1光信号L1は、正弦波信号であり、波長は470(nm)、放射流束は3(μW/mm2)であった。第1光信号L1の周波数を変化させて、実施例の受光素子及び比較例のSi−PDのそれぞれについてS/Nを測定した結果、図6に示されるように、実施例の受光素子のS/Nが比較例のSi−PDのS/Nを上回った。特に、高周波領域において、実施例の受光素子の優位性が顕著となった。なお、S/Nは、正弦波振幅/標準偏差である。また、図6に示される一点鎖線は、測定限界を表したものである。測定限界とは、注目する測定パラメータ(S/N)を正しく測定することのできる下限の値である。
[変形例]
本発明は、上述した実施形態に限定されない。例えば、図7の(a)及び(b)に示されるように、受光部20の全体がパッケージ15内に配置されていてもよい。この場合、受光部20は、パッケージ15の一部を構成する光透過部15dに向かい合っている。これにより、第1光信号L1は、外部から光透過部15dを介して受光部20に入射する。図7の(a)に示される例では、光透過部15bと光透過部15dとが異なる高さに位置するようにパッケージ15が構成されており、光透過部15bが発光部11に近付けられている。図7の(b)に示される例では、光透過部15bと光透過部15dとが同じ高さに位置するようにパッケージ15が構成されており、光透過部15bが発光部11から離されている。なお、図7の(a)及び(b)には、パッケージ15の一部が切り欠かれた状態で光通信モジュール10が示されている。
本発明は、上述した実施形態に限定されない。例えば、図7の(a)及び(b)に示されるように、受光部20の全体がパッケージ15内に配置されていてもよい。この場合、受光部20は、パッケージ15の一部を構成する光透過部15dに向かい合っている。これにより、第1光信号L1は、外部から光透過部15dを介して受光部20に入射する。図7の(a)に示される例では、光透過部15bと光透過部15dとが異なる高さに位置するようにパッケージ15が構成されており、光透過部15bが発光部11に近付けられている。図7の(b)に示される例では、光透過部15bと光透過部15dとが同じ高さに位置するようにパッケージ15が構成されており、光透過部15bが発光部11から離されている。なお、図7の(a)及び(b)には、パッケージ15の一部が切り欠かれた状態で光通信モジュール10が示されている。
また、図8の(a)に示されるように、光入射部22の外側表面22bは、第1光信号L1をフォトカソード25に導光するレンズ面であってもよい。外側表面22bは、光入射部22における内部空間Sとは反対側の表面である。また、図8の(b)に示されるように、光入射部22は、外側に凸状に湾曲していてもよい。これらにより、照明装置2に対する位置によって第1光信号L1の受信状態が劣化するのを抑制することができる。ここで、第1光信号L1が有効に受光部20に照射される角度範囲である有効照射角範囲は、照明装置2に対する光通信モジュール10の位置によって変化する。具体的には、受光部20が照明装置2の真下にある場合と比較して、受光部20が照明装置2の真下から離れるほど有効照射角範囲は狭まってしまう。これに対し、外側表面22bがレンズ面である受光部20又は外側に凸状に湾曲している受光部20を有することにより、有効照射角範囲が狭まることを緩和することができる。その結果、第1光信号L1の受信状態が劣化するのを抑制することができる。
また、フォトカソード25及びアノード26の配置については、様々な配置を採ることができる。図9の(a)に示される例では、フォトカソード25が、内部空間Sにおいてアノード26よりも底壁24側に設けられており、アノード26が、メッシュ状に形成され、内部空間Sを介してフォトカソード25と向かい合っている。具体的には、フォトカソード25が、内部空間Sにおいて複数のリードピン28によって支持されており、アノード26が、光入射部22の内側表面22aに形成されている。図9の(a)に示される例では、第1光信号L1が、光入射部22、アノード26のメッシュ部、及び内部空間Sを介してフォトカソード25に入射すると、フォトカソード25から内部空間Sに電子が放出され、内部空間Sに放出された電子がアノード26に収集される。この場合にも、第1光信号L1に対する感度を向上させ且つ応答速度が低下するのを抑制し得る受光部20を確実に構成することができる。
図9の(b)に示される例では、フォトカソード25が、アノード26よりも底壁24側に設けられており、アノード26が、側壁23に設けられている。具体的には、フォトカソード25が、内部空間Sにおいて複数のリードピン28によって支持されており、側壁23の内側表面23aが、アノード26として機能する。内側表面23aは、側壁23における内部空間S側の表面である。図9の(b)に示される例では、第1光信号L1が光入射部22及び内部空間Sを介してフォトカソード25に入射すると、フォトカソード25から内部空間Sに電子が放出され、内部空間Sに放出された電子がアノード26に収集される。この場合にも、第1光信号L1に対する感度を向上させ且つ応答速度が低下するのを抑制し得る受光部20を確実に構成することができる。
また、図10の(a)及び(b)、図11の(a)及び(b)、並びに、図12に示されるように、受光部20は、フォトカソード25から放出された電子を増倍させる増倍部31を更に有し、増倍部31から放出された二次電子がアノード26に収集されるように構成されていてもよい。その場合、フォトカソード25の電位よりも増倍部31の電位が高くなり且つ増倍部31の電位よりもアノード26の電位が高くなるように、フォトカソード25、増倍部31及びアノード26に駆動電圧が印加される。受光部20が増倍部31を有することで、受光部20において、第1光信号L1に対する感度を向上させることができる。
図10の(a)に示される例では、フォトカソード25が、内部空間Sにおいてアノード26及び増倍部31よりも光入射部22側に設けられており、ダイノードである増倍部31が、内部空間Sにおいてフォトカソード25及びアノード26よりも底壁24側に設けられており、アノード26が、メッシュ状に形成され、フォトカソード25と増倍部31との間において、内部空間Sを介してフォトカソード25及び増倍部31のそれぞれと向かい合っている。具体的には、フォトカソード25が、光入射部22の内側表面22aに形成されており、増倍部31が、内部空間Sにおいて複数のリードピン28によって支持されており、アノード26が、内部空間Sにおいて側壁23によって支持されている。図10の(a)に示される例では、第1光信号L1が光入射部22を介してフォトカソード25に入射すると、フォトカソード25から内部空間Sに電子が放出され、内部空間Sに放出された電子がアノード26のメッシュ部を介して増倍部31に入射する。そして、増倍部31から内部空間Sに二次電子が放出され、内部空間Sに放出された二次電子がアノード26に収集される。図10の(b)に示される例は、アノード26が側壁23に設けられている点で、図10の(a)に示される例と異なっている。図10の(b)に示される例では、側壁23の内側表面23aが、アノード26として機能する。
図11の(a)に示される例では、フォトカソード25が、内部空間Sにおいてアノード26及び増倍部31よりも底壁24側に設けられており、ダイノードである増倍部31が、内部空間Sにおいてフォトカソード25及びアノード26よりも光入射部22側に設けられており、アノード26が、メッシュ状に形成され、フォトカソード25と増倍部31との間において、内部空間Sを介してフォトカソード25及び増倍部31のそれぞれと向かい合っている。具体的には、フォトカソード25が、内部空間Sにおいて複数のリードピン28によって支持されており、増倍部31が、光入射部22の内側表面22aに形成されており、アノード26が、内部空間Sにおいて側壁23によって支持されている。図11の(a)に示される例では、第1光信号L1が光入射部22及び増倍部31を介して内部空間Sに入射し、内部空間Sに入射した第1光信号L1がアノード26のメッシュ部を介してフォトカソード25に入射すると、フォトカソード25から内部空間Sに電子が放出され、内部空間Sに放出された電子がアノード26のメッシュ部を介して増倍部31に入射する。そして、増倍部31から内部空間Sに二次電子が放出され、内部空間Sに放出された二次電子がアノード26に収集される。図11の(b)に示される例は、アノード26が側壁23に設けられている点で、図11の(a)に示される例と異なっている。図11の(b)に示される例では、側壁23の内側表面23aが、アノード26として機能する。なお、内側表面22aと増倍部31との間には、増倍部31に電流を供給する透明な導電膜(図示省略)が設けられている。
図12に示される例では、筐体21において、側壁23が枠状(例えば矩形枠状)を呈しており、光入射部22及び底壁24のそれぞれが板状(例えば矩形板状)を呈している。側壁23の内側には、壁状電極(図示省略)、集束電極(図示省略)、複数段のダイノードを含む増倍部31、及びアノード26が、底壁24の内側表面に沿って並設されている。壁状電極、集束電極、増倍部31及びアノード26は、シリコンによって側壁23と一体的に形成されている。底壁24は、配線基板を構成しており、底壁24の外側表面には、壁状電極、集束電極、増倍部31及びアノード26と電気的に接続された複数の端子が設けられている。光入射部22の内側表面のうち、増倍部31及びアノード26と重ならない領域には、フォトカソード25が形成されている。図12に示される例では、第1光信号L1が光入射部22を介してフォトカソード25に入射すると、フォトカソード25から内部空間Sに電子が放出され、内部空間Sに放出された電子が増倍部31に入射する。そして、増倍部31から内部空間Sに二次電子が放出され、内部空間Sに放出された二次電子がアノード26に収集される。なお、図12には、光入射部22の一部が切り欠かれた状態で受光部20が示されている。
また、受光部20では、内部空間Sにガス(例えば不活性ガス等)が充填されていてもよい。その場合において、受光部20が、5pF>ε0εrS/tを満たすように構成されているときには、内部空間Sの比誘電率であるεrは、当該ガスの比誘電率となる。また、端子13、及び通信機器5のコネクタ5aは、USB規格以外の規格のコネクタであってもよい。また、端子13は、例えば通信ケーブル等を介して通信機器5と電気的に接続される構成を有していてもよい。また、光通信モジュール10は、複数の受光部20を備えていてもよい。また、第1光信号L1は、照明光を兼ねた可視域の光に限定されない。同様に、第2光信号L2は、赤外域の光に限定されない。
また、光通信システム1及び光通信モジュール10は、上述した各構成に限定されない。例えば、光通信モジュール10は、発光部11を有していなくてもよい。また、照明装置2は、受光部4を有していなくてもよい。これによっても、光通信システム1において、第1光信号L1の受信状態の劣化及び通信速度の低下を抑制することができる。また、光通信システム1は、発光部3を有する照明装置2とは別に、受光部4を有する受光装置を更に備えていてもよい。これにより、第1光信号L1の送信及び第2光信号L2の受信をそれぞれ適切な場所で行える光通信システム1において、第1光信号L1の受信状態の劣化及び通信速度の低下を抑制することができる。
また、光通信システム1及び光通信モジュール10が備える各構成には、上述した材料及び形状に限定されず、様々な材料及び形状を適用することができる。例えば、側壁23及び底壁24(筐体21における光入射部22以外の部分)は、ガラス、セラミックス又はシリコンによって形成されていてもよい。また、フォトカソード25は、セシウムアンチモナイド(Cs3Sb)又はマルチアルカリ(Na2KSb(+Cs))によって形成されていてもよい。また、上述した実施形態における各構成は、各変形例における構成と任意に置換することができる。
1…光通信システム、2…照明装置、3,11…発光部、4,20…受光部、5…通信機器、5a…コネクタ、10…光通信モジュール、12…回路部、13…端子、21…筐体、22…光入射部、22b…外側表面、23…側壁、24…底壁、25…フォトカソード、26…アノード、31…増倍部、L1…第1光信号、L2…第2光信号、S…内部空間。
Claims (18)
- 第1光信号を受光し、前記第1光信号に応じた第1アナログ電気信号を出力する受光部と、
前記第1アナログ電気信号を第1デジタル電気信号に変換する回路部と、
前記第1デジタル電気信号を通信機器に出力する端子と、を備え、
前記受光部は、
内部空間を気密に封止し、前記第1光信号を入射させる光入射部を有する筐体と、
前記内部空間に設けられ、前記第1光信号を受光するフォトカソードと、
前記内部空間に設けられ、前記第1アナログ電気信号を出力するアノードと、を有する、光通信モジュール。 - 前記受光部、前記回路部及び前記端子は、同一の回路基板に設けられている、請求項1に記載の光通信モジュール。
- 前記受光部は、前記通信機器から前記端子を介して駆動電圧の供給を受ける、請求項1又は2に記載の光通信モジュール。
- 前記端子は、前記通信機器が有するコネクタとの電気的且つ物理的な接続が可能な構成を有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の光通信モジュール。
- 前記フォトカソードと前記アノードとは、向かい合っており、
真空の誘電率をε0(F/mm)とし、前記内部空間の比誘電率をεrとし、前記フォトカソードと前記アノードとが向かい合う方向から見た場合に前記フォトカソードと前記アノードとが重なり合う領域の面積をS(mm2)とし、前記フォトカソードと前記アノードとの距離をt(mm)とすると、前記受光部は、5pF>ε0εrS/tを満たすように構成されている、請求項1〜4のいずれか一項に記載の光通信モジュール。 - 前記光入射部の外側表面は、前記第1光信号を前記フォトカソードに導光するレンズ面である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の光通信モジュール。
- 前記光入射部は、外側に凸状に湾曲している、請求項1〜5のいずれか一項に記載の光通信モジュール。
- 前記受光部は、前記フォトカソードから放出された電子が前記アノードに収集されるように構成されている、請求項1〜7のいずれか一項に記載の光通信モジュール。
- 前記受光部は、前記フォトカソードから放出された電子を増倍させる増倍部を更に有し、前記増倍部から放出された二次電子が前記アノードに収集されるように構成されている、請求項1〜7のいずれか一項に記載の光通信モジュール。
- 前記筐体は、前記内部空間を包囲する筒状の側壁と、前記内部空間を介して前記光入射部と向かい合う底壁と、を更に有し、
前記フォトカソードは、前記アノードよりも前記光入射部側に設けられており、
前記アノードは、前記フォトカソードと向かい合っている、請求項1〜9のいずれか一項に記載の光通信モジュール。 - 前記筐体は、前記内部空間を包囲する筒状の側壁と、前記内部空間を介して前記光入射部と向かい合う底壁と、を更に有し、
前記フォトカソードは、前記アノードよりも前記底壁側に設けられており、
前記アノードは、メッシュ状に形成され、前記フォトカソードと向かい合っている、請求項1〜9のいずれか一項に記載の光通信モジュール。 - 前記筐体は、前記内部空間を包囲する筒状の側壁と、前記内部空間を介して前記光入射部と向かい合う底壁と、を更に有し、
前記フォトカソードは、前記アノードよりも前記底壁側に設けられており、
前記アノードは、前記側壁に設けられている、請求項1〜9のいずれか一項に記載の光通信モジュール。 - 前記光入射部は、ガラスによって形成されており、
前記筐体における前記光入射部以外の部分は、ガラス、セラミックス、シリコン又は金属によって形成されている、請求項1〜12のいずれか一項に記載の光通信モジュール。 - 前記フォトカソードは、セシウムアンチモナイド、バイアルカリ又はマルチアルカリによって形成されている、請求項1〜13のいずれか一項に記載の光通信モジュール。
- 第2アナログ電気信号が入力され、前記第2アナログ電気信号に応じた第2光信号を出射する発光部を更に備え、
前記端子は、前記通信機器から入力された第2デジタル電気信号を前記回路部に出力し、
前記回路部は、前記第2デジタル電気信号を前記第2アナログ電気信号に変換する、請求項1〜14のいずれか一項に記載の光通信モジュール。 - 請求項1〜15のいずれか一項に記載の光通信モジュールと、
前記光通信モジュールから前記第1デジタル電気信号が入力される通信機器と、
前記第1光信号を送信する発光部を有する照明装置と、を備える、光通信システム。 - 請求項15に記載の光通信モジュールと、
前記光通信モジュールから前記第1デジタル電気信号が入力される通信機器と、
前記第1光信号を送信する発光部及び前記第2光信号を受信する受光部を有する照明装置と、を備える、光通信システム。 - 請求項15に記載の光通信モジュールと、
前記光通信モジュールから前記第1デジタル電気信号が入力される通信機器と、
前記第1光信号を送信する発光部を有する照明装置と、
前記第2光信号を受信する受光部を有する受光装置と、を備える、光通信システム。
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