JP2020180934A - 感触評価装置 - Google Patents

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Hiroyuki Kanai
宏行 金井
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Abstract

【課題】製剤の官能評価と計測データとを照合し、官能評価と被塗布面での製剤による物理的作用とを客観的に関係づけるデータを取得可能な感触評価装置を提供する。【解決手段】評価対象となる製剤が評価者により塗布される被塗布面11aと、被塗布面11aに対して評価者が製剤を塗布する際に、被塗布面11aに生じる摩擦力等を計測する計測部13と、被塗布面11aに製剤を塗布しながら評価者が入力する感触評価情報を受け付ける感触評価情報入力装置20と、計測部13により計測された摩擦力等に係る計測情報と、この計測情報が計測されたタイミングで入力された感触評価情報とを対応付けて記録する情報記録部を備える制御部6とにより感触評価装置を構成する。【選択図】図1

Description

本発明は、感触評価装置に関する。
化粧品の使用時における触感は、製品の質感に強く関わる。例えば、化粧クリームののびの良さ、塗布時のべたつき、肌なじみの良さ、さらには塗布後の肌のべたつき等は、質感に関わる重要な要因である。
製剤に関する研究の分野において、製剤の触感に関わる物性を評価することがなされている。そのような製剤物性の評価を行う公知の手法は、例えば、特許文献1、2に記載されている。特許文献1に記載の発明は、ローラーニップ間における試料(ファンデーション等)の伸長や分裂に要する力(タック力)と、専門のパネラーの実使用感における感触性能(べたつき)との相関性を用いて化粧料の性能評価及び品質管理を行うことが記載されている。また、特許文献2には、マスカラ(液)を伸長させる際に要する力(タック値)を計測して、これをマスカラの睫毛に対するスタイリング性能等の評価に使用することが記載されている。このような特許文献1、特許文献2には、測定された力と、ファンデーションやマスカラの専門のパネラーによる使用感(べたつき等)の評価の結果とを比較することが記載されている。
また、特許文献3には、ニップ部を形成する駆動ロール及び自由回転ロールを備えるタック性の測定装置において、自由回転ロールが駆動ロールの回転に伴って滑りを生じることをなくし、製剤のタック値の測定精度を高めることが記載されている。さらに、非特許文献1には、特許文献3に記載の測定装置を使って製剤の乾燥過程及び乾燥後に測定されたタック性と使用時のべたつきの評価スコアの相関を求めることが記載されている。
特開2005−106731号公報 特開2008−70382号公報 特開2017−49021号公報
金井宏行,長田みゆき,土屋竜太,感性品質と製剤物性の関連モデルの構築(1), 第11回日本感性工学会春季大会, 2016.3.26-27
非特許文献1に記載のべたつきの評価スコアは、ホームユース(実使用)テストにより評価したものであった。これに対してタック性の測定は製剤の乾燥過程に沿って計測されており、あらゆる乾燥状態でのタック値を含んでいた。これにより判明したことは、ホームユーステストにおけるべたつきの評価スコアが、「使用時に印象に残るべたつきの場面」での「べたつきの強さ」に関係するということであった。
すなわち、塗布時の製剤の感触は、実際には塗布過程を通じて変化しており、製剤の使用者はその一連の感触変化を知覚している。そのうえで、使用者は印象に残った(場面での)感触の程度を判断している。例えば化粧水では、官能評価スコアのべたつきは「肌の上での乾き際のべたつき」に左右され、その評価スコアはロール上での乾き際に計測されたタック値とよく相関した。一方、乳液の場合には、べたつきの評価スコアはロール上での乾き際のタック値とは相関せず、より乾燥が進んだ状態で測定されたタック値によく相関した。このため、実用的には、製剤の種類ごとにべたつきの印象を左右する場面を想定し、その場面での製剤の(乾燥)状態に対応するタック値を採用することにより、製剤のべたつきを(官能評価によらず)推定することができた。
しかしながら、この「べたつき(官能評価スコア)」と「タック値(物性値)」の例のように、製剤の物性は塗布の過程を通して変化しており、製剤の感触もこれに従って変化している。従って、製剤物性と感触の間の関係をより深く理解するためには、本発明者は、このように一連の塗布過程を通じての全体の印象として丸められた主観評価を用いる方式とは別に、感触を変化するものとして捉え、塗布の過程で変化する製剤の物性にその時点その時点で直接対応付けられる評価値として、官能評価の値が用意せられるべきであると考えた。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、同時に行われた製剤の官能評価と計測データとを照合し、官能評価と製剤による物理的作用とを客観的関係付けるデータを取得可能な感触評価装置及び感触評価方法に関する。
本発明は、塗布に係る感触を示す感触評価情報により前記感触を評価する感触評価装置であって、評価対象となる製剤が評価者により塗布される被塗布面と、前記被塗布面に対して前記評価者が前記製剤を塗布する際に、前記被塗布面に生じる物理的な作用を示す物理量を計測する計測部と、前記被塗布面に前記製剤を塗布しながら前記評価者が行う前記感触評価情報の入力を受け付ける感触評価情報入力部と、前記計測部により計測された前記物理量に係る計測情報と、当該計測情報が計測されたタイミングで入力された前記感触評価情報と、を対応付けて記録する情報記録部と、を備える、感触評価装置に関する。
本発明の感触評価装置及び感触評価方法は、同時に行われた製剤の官能評価と計測データとを照合し、官能評価の結果から製剤の状態を客観的に評価するデータを取得可能な化粧剤評価装置及び化粧剤評価方法を提供することができる。
本発明の本実施形態の感触評価装置を説明するための模式図である。 図1に示した感触評価情報入力装置を説明するための模式図である。 図1に示した制御部を説明するための機能ブロック図である。 (a)はx軸方向の摩擦力Fx(N)と計測開始からの経過時間を示したグラフである。(b)は(a)に示した計測情報と同時に計測された官能評価情報を示す図である。 (a)は図4(a)における測定点A1の摩擦力を示す曲線を拡大して示す図である。(b)は図4(a)における測定点A2の摩擦力を示す曲線を拡大して示す図である。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。なお、すべての図面において、同様の構成要素には同様の符号を付し、重複する説明は適宜省略する。また、本実施形態の図面は、本実施形態の技術思想を説明するものであり、その具体的な構成や、形状及びサイズ比等を限定するものではない。
[概要]
先ず、本実施形態の概要を説明する。
本実施形態は、製剤の塗布の開始から終了までの間の製剤を塗布する指の周りに働く、製剤による物理作用(すべり、はりつき、摩擦力、温度変化等が例示される)及びその変化と、製剤の使用感の変化を記録し、関係づけ、解析するための、製剤の評価装置に関する。ここでいう塗布の開始とは、人(以下、「評価者」と記す)が製剤を被塗布面に接触させた時点をいい、塗布とは評価者が製剤を被塗布面に繰り返し擦り込もうとする動作をいう。塗布の終了は、このような動作を評価者が終了した時点をいう。本実施形態では、被塗布面は感触評価装置に備えられた計測面である。
被塗布面は、ガラス、金属、樹脂、さらには木材等の板材の表面であってもよい。また、被塗布面は、人工的に皮膚や皮革の表面を模擬した人工皮膚や模擬皮膚であってもよい。特に人の皮膚に似た性状を有する人工皮膚としては、サプラーレ(登録商標:出光テクノファイン製)がある。また、被塗布面は、複数回塗布を受けるものであってもよいし、一回の塗布ごとに交換される所謂使い捨てのものであってもよい。このような使い捨ての被塗布面を用いる場合には、製剤が塗布される被塗布面の状態による感触の相違をなくし、製剤の物理作用及び製剤の感触を評価者が適正に評価することができる。
本実施形態で云う物理作用は、指と被塗布面の周りで計測装置によって定量的に計測される物理作用であればどのようなものであってもよい。物理量としては、例えば、押圧力、摩擦力等、指の変位や被塗布面の温度等を挙げることができる。また、本実施形態で評価者が入力する製剤感触の感触評価情報は、被塗布面と指との間で評価者により触覚的に知得される感触評価項目であって、予め設定されたものである。ここで、「触覚的に知得される感触」とは、評価者の手に伝わる摺動感触や、手指が感じる温感、さらには感触や温度の組み合わせや変化等によってもたらされる印象(清涼感、さっぱり感、油性感等)を含む。本実施形態の感触評価情報は、このような感触、温感及び印象を表現する情報であればどのようなものであってもよい。
さらに、ここで計測や評価の対象となる製剤は、例えば、化粧剤を挙げることができる。化粧剤には、皮膚の状態を良好にするために使用される基礎化粧品やサンスクリーン剤、皮膚の色味や質感を変化させるメイク剤やファンデーション、さらには皮膚を洗浄する洗顔料や化粧落とし等が含まれる。また、本実施形態でいう製剤は、皮膚に使用されるものの他、頭髪を洗浄するためのシャンプー、頭髪や頭皮を好ましい状態にするためのリンス、コンディショナー及びヘアクリーム、整髪料、さらには制汗剤のような外用剤や医薬部外品等を含むものとする。
なお、本実施形態の感触評価装置に適用可能な化粧剤以外の製剤としては、例えば、塗り薬や抗菌クリームがある。
さらに、本実施形態の感触評価装置は、どのような製剤に使用することも可能であるが、塗布中の指と塗布面の周辺に働く物理作用及びその感触を経時的に計測することができることから、塗布開始からの経過時間に応じてその物理的な作用が変化するものに用いることができる。物理的な作用とは、指と塗布面の間に(製剤により)生じるすべりや摩擦力、塗布面の温度と温度変化等をいう。
[感触評価装置]
図1は、本実施形態の感触評価装置1を説明するための模式図である。本実施形態では、製剤を化粧剤とした例をあげて説明する。
感触評価装置1は、化粧剤の塗布に係る計測情報及び感触評価情報により感触を評価する装置である。そして、評価対象となる化粧剤が評価者により塗布される被塗布体11と、被塗布体11の被塗布面11aに対して評価者が化粧剤を塗布する際に、被塗布面と指とに生じる物理的な作用を示す物理量を計測する計測部である計測部13と、被塗布面11aに化粧剤を塗布しながら評価者が入力する感触評価情報を受け付ける感触評価情報入力装置20と、計測部13により計測された物理量に係る計測情報と、この計測情報が計測されたタイミングで入力された感触評価情報とを対応付けて記録する情報記録部63(図3)を備える制御部6と、を備えている。計測部13は、ステージ12を支持する温度コントローラ10上に設けられている。温度コントローラ10は、例えばペルチェプレートが熱伝導性シート等を介して圧接された金属等により構成されるボックスである。
ここで、「計測情報が計測されたタイミング(以下、「計測タイミング」とも記す)で入力された感触評価情報」について説明する。本実施形態の計測情報の計測タイミングは、計測情報の計測開始から計測終了までの間の好ましくは一定周期で繰り返される(擦り込み動作における)一連の計測時刻の何れかである。なお、各計測タイミングは、計測情報の制御部6に対する入力タイミングと略等しいので、入力タイミングと読み変えてもよい。一方、感触評価情報の入力タイミングは、例えば、計測情報の計測タイミングと同時であってもよい。本実施形態でいう同時は、好ましくは評価者が感触を知覚した時点との同時であるが、感触の知覚から感触評価情報の入力を実施するまでの1〜数秒の相違を許容するものであってもよい。
(被塗布面)
上記のように、感触評価装置1は、被塗布面11aを有する被塗布体11を備えている。また、感触評価装置1は、被塗布面11aの指fと接触しない側の下面11bと接触するステージ12を備えている。下面11bは、ステージ12に固定されている。ただし、本実施形態は、被塗布体11を備える構成に限定されるものでなく、ステージ12の上面が被塗布面として使用されるものであってもよい。
本実施形態では、指fの例えば第一関節よりも先の部分により化粧剤を被塗布面11aに塗布する指fの部分(以下、単に指とも記す)の表面を被塗布面11aに接触させながら、(被塗布面上のx軸方向(正及び負))に繰り返し移動させる往復動作を行って被塗布面11a上の製剤の感触を評価している。指先の移動方向は、略直線方向が好ましい。
(計測部)
感触評価装置1は、被塗布面と指あるいはその周りに生じる物理的な作用を示す物理量を計測する計測部として計測部13を有している。ここで、「物理的な作用」とは、例えば、被塗布面11aに塗布されている化粧剤により起こるトライボロジーで扱われる特性及びその変化である。このような特性には、例えば、摩擦特性、スティックスリップ、凝着、潤滑性が含まれる。
計測部13は、例えば、被塗布面11aの裏面に接触して被塗布面11aに加わる摩擦力または押圧力あるいはその振動変化を計測する機器である。このような機器としては、例えば、フォースゲージ、ロードセル、あるいはプッシュプルゲージと呼ばれる機器がある。物理作用が摩擦力である場合、計測部13としては、被塗布面11aに係る力をx,y,zの三方向に測定できるものが特に好ましい。
(感触評価情報入力部)
感触評価装置1は、被塗布面11aに化粧剤を塗布しながら評価者が入力する感触評価の情報(感触評価情報)を受け付ける感触評価情報入力装置20を備えている。
図2は、感触評価情報入力装置20を説明するための模式図である。感触評価情報入力装置20は、4つのスイッチユニット21、22、23、24を備えている。各スイッチユニットは、いずれも抵抗素子R及びスイッチ素子SWを一つずつ備えている。スイッチユニット21からスイッチユニット24が有する抵抗素子Rは、各々値が異なっていて、全ての抵抗素子Rは直列に接続されている。また、スイッチユニット21からスイッチユニット24が有するスイッチ素子SWは、各々対応する抵抗素子Rに対して並列、かつ互いに直列に接続されている。このような構成によれば、スイッチユニット21からスイッチユニット24のいずれかがオン(接続)することによって閉回路が形成される。抵抗素子Rが直列に接続されている共通のノードNには一定の電流iが供給されていて、閉回路を通った電流iは感触評価情報を示す電圧信号Sf1に変換されてデータ送出ユニット30に出力される。
感触評価情報入力装置20において、本実施形態では、オンされたスイッチ素子SW、あるいはオンされたスイッチ素子SWの組み合わせにより電圧信号Sf1の値が全て異なるように設計されている。スイッチユニット21からスイッチユニット24の各々は、全て異なる感触評価情報に割り当てられている。なお、本実施形態は、上記の構成に限定されるものでない。例えば、本実施形態の感触評価情報入力装置は、スイッチに相当するユニットは1つ以上であればよく、信号の送出に係るオン、オフ動作はトグルスイッチでもモメンタリスイッチであってもよい。また感触評価情報データの送出は1系統であっても、多系統であってもよく、信号の送出も電圧の値により識別する方式であっても、電圧のオン、オフのみを送出する方式であってもよい。
本実施形態は、例えば、「すべり(ぬるつき)感」、「きしみ感」、「はりつき(べたつき)感」、「(摺動の)重さ」等の感触から一乃至複数の、好ましくは複数の感触を予め選んで感触評価情報に設定することができる。感触評価情報入力装置20では、このような感触評価情報のうちの四つをスイッチユニット21からスイッチユニット24のいずれかに対応させている。
本実施形態は、評価者が感じる感触やその程度を各評価者が任意に判定して選択するものである。このような本実施形態の感触評価装置1は、「すべり(ぬるつき)感」等の人によって相違する言葉のイメージを物理的な作用や特性と比較することができる。このような点は、例えば、化粧剤等の開発において、類似感触の別処方での再現(塗布過程の感触変化の再現を含む)や原料ロットに起因するそのような感触変化の予測等に利用することができる。
感触評価情報入力装置20は、塗布に係る感触を上記複数種類の(本実施形態では四種類の)選択肢から選択して入力することを可能にする装置である。評価者は、被塗布面11aに化粧剤を塗布しながら感じた感触が割り付けられたスイッチユニット21からスイッチユニット23のいずれかのスイッチ素子SWをオンする。本実施形態では、上記の例のように、評価者が複数のスイッチユニットのスイッチ素子SWを同時に選択できるようにしてもよい。評価者は、例えば上記感触評価情報のうち、自身が感じたものをスイッチユニット21、22、23、24により任意に選択する。感触評価情報の選択は、スイッチ素子SWのオンにより実現される。評価者は、感じている感触に一致する感触評価情報がある場合、この感触評価情報に対応するスイッチユニット21等のスイッチ素子SWをオンし、選択されている感触評価情報が感じられなくなった場合にスイッチ素子SWをオフする。このように構成すれば、本実施形態の感触評価装置1は、複数の属性について、感じたすべての属性をその都度選択し、感じなくなった属性はその都度選択を解除する官能評価の手法に適用可能になる。このような手法は、TCATA(Temporal Check All That Apply)法と呼ばれている。
感触評価情報入力装置20のスイッチは、機械的押しボタンスイッチ、トグルスイッチ、タッチセンサースイッチ等の機械的なスイッチであってもよいし、タッチ等により操作可能なアイコンを備えたタッチパネル等の電子的なスイッチであってもよい。
感触評価情報入力装置20は、上記したものの他、評価者が利き手により化粧剤を塗布しながら操作可能な程度に操作が簡易なものであればどのようなものであってもよい。また、感触評価情報入力装置20を手元で操作する場合であって、かつボタンの数が5個を超える場合には、特にトグル方式(またはオルタネート方式)のスイッチを用いることが好適である。
また、感触評価情報入力装置20は、塗布に係る感触の程度を入力するものであってもよい。このような場合、本実施形態は、スイッチユニット21等を、各々の感触に対応させて、その感触を感じる程度に応じて出力が変更可能な、例えば、スライドボタン、ダイヤルボタン、ボリュームボタン等を準備し、これらを使って構成することもできる。評価者は、自身が感じた感触を表す感触評価情報の例えばボリュームボタンを用いて、感触を感じる程度(度合い)をボタンの回転角度により入力する。このように構成すれば、感触評価装置1は、注目する属性の強弱を時系列に記録する官能評価の手法に適用可能になる。このような手法は、TI(Time Intensity)法と呼ばれている。
なお、本実施形態は、一つの感触を感じる程度を、対応する一つのボリュームボタン等により各々入力することに限定されず、一つの感触毎に程度に応じた複数のボタンを設けるようにしてもよい。また、複数のボタンを設ける場合、各ボタンに割り付けられる感触の程度は、定量的に表されるものであればどのように表現されるものであってもよい。具体的には、感触の程度は、数値で表されるものであってもよいし、「強く感じる」、「やや強く感じる」、「あまり感じない」、「全く感じない」等の短文であってもよい。さらに、感触の程度は、A、B、Cといったランクによって評価されるものでもよい。
(情報記録部)
感触評価情報入力装置20は、入力された感触評価情報として電圧信号Sf1を出力する。また、計測部13は、計測された例えば摩擦力を示す計測情報として電圧信号Sm1を出力する。電圧信号Sf1、電圧信号Sm1は、データ送出ユニット30に入力する。データ送出ユニット30は、入力した電圧信号Sf1、電圧信号Sm1を制御部6に出力する。データ送出ユニット30から出力される電圧信号を、電圧信号Sf2、電圧信号Sm2と記す。
図3は、制御部6を説明するための機能ブロック図である。制御部6は、電圧信号Sf2、電圧信号Sm2を入力するためのインターフェースである情報入力部61、情報入力部61から入力された電圧信号Sf2、電圧信号Sm2を対応付けて記録する情報記録部63を備えている。情報記録部63において行われる電圧信号Sf2、電圧信号Sm2の対応付けは、上記の計測情報の計測タイミングと感触評価情報の入力タイミングが、時系列的入力の結果として、前記の意味における同時である、言い換えると関連するものを一組とする時系列情報を構成する。
つまり、情報記録部63は、感触評価情報と、この感触評価情報の入力中に計測された物理量に係る計測情報とを時系列に対応付けて記録するものであればよい。
表示部7は、計測情報と感触評価情報とを時系列に表示する構成であり、本実施形態では、情報記録部63に記録された計測情報及び感触評価情報を時系列に表示している。表示部7は、液晶等のディスプレイ画面及び、ディスプレイ画面にテキストや図画を表示させるハードウェア及びソフトウェアにより構成されるドライバを含んでいる。
図4(a)、図4(b)は、表示データにより表示部7に表示される画像を例示する図である。図4(a)は、縦軸に計測情報であるx軸方向の摩擦力Fx(N)を示し、横軸に計測開始からの経過時間を示したグラフである。縦軸の摩擦力Fxのプラス及びマイナスは、摩擦力がかかる方向を示している。図4(b)は、図4(a)に示した計測情報と同時に計測された官能評価情報を示す図である。図4(a)、図4(b)は、化粧剤である化粧水を被塗布面11a上に0.02cc滴下し、人差し指の指先を繰り返し左右(x軸方向)に往復移動させて被塗布面11aに塗布して得た計測情報または感触評価情報を示している。図4(a)、図4(b)に示す結果を得た例では、被塗布面11aはガラス板である。
図4(b)は、図4(b)に示す横軸の時間に合わせて感触評価情報を示した図である。なお、図4(b)において、感触評価情報の上下方向の位置が相違するのは単に視認のし易さを考慮したものであって、その程度の大きさを示すものではない。
図4(a)に示すように、被塗布面11aと手指との間に加わるx軸方向の摩擦力は、摩擦力の計測開始(塗布の開始)から次第に大きくなっている。このような現象は、指fと被塗布面11aとの間の化粧剤が時間の経過に連れて揮発することによって起こると考えられる。また、このとき、図4(b)のように、評価者は、経過時間に沿って被塗布面11aの感触を「きしみ感」、「すべり感」、「(摺動)の重さ」と評価している。図4(a)と図4(b)との比較により、「(摺動の)重さ」の感触評価情報の入力開始のタイミングと一致して、図4(a)に示す摩擦力が増大していることが分かる。
図4(a)中に示す測定点A1及びA2は、感触評価情報が「きしみ感」から「すべり感」に変化する前後の測定点である。測定点A1は変化前の測定点であり、測定点A2は変化後の測定点である。図5(a)は、図4(a)における測定点A1を含む微小な範囲の摩擦力を示す曲線を拡大して示す図である。図5(b)は、図4(a)における測定点A2を含む微小な範囲の摩擦力を示す曲線を拡大して示す図である。図5(a)によれば、感触評価情報に「きしみ感」が選択される測定点A1にあっては、指fの移動方向がプラスからマイナスへ、またはマイナスからプラスへ変化するタイミングにおいて曲線上にスパイク状のピークpが発生していることが分かる。また、図5(b)によれば、感触評価情報に「すべり感」が選択される測定点A2にあっては、指fの移動方向がプラスからマイナスへ、またはマイナスからプラスへ変化するタイミングにおいて曲線上には図5(a)に示すスパイク状のピークpが発生していないことが分かる。
以上のことにより、本実施形態の感触評価装置1によれば、塗布動作の過程で指fの方向転換時に指先に強い摩擦力がかかり、これにより指先の被塗布面11a上での摺動動作が滑らかに感じられなくなる場合に評価者は「きしみ」を感じることが分かる。
以上説明したように、本実施形態の感触評価装置1は、評価者が行う化粧剤の塗布動作について官能評価の取得と計測データの取得とを同時に行うことができる。このため、本実施形態は、官能評価の結果に指と被塗布面とに係る物理作用を照らし合わせて、官能評価の結果が表す製剤の感触と、その時に製剤が被塗布面上に及ぼしている物理作用と感触の関係を客観的に比較するためのデータを取得することができる。
さらに、このような本実施形態の感触評価装置1によれば、例えば、図4(a)から図5(b)に示すデータを蓄積してデータの信頼性を向上させることにより、好ましい感触性能を呈する製剤を実現するにはどのような物理作用を製剤に付与すればよいか定性的、あるいは定量的に推定することができる。
以上説明したように、本発明によれば、同時に行われた化粧剤等の製剤の官能評価と計測データとを照合し、官能評価の結果と塗布面と指の周りでの製剤による物理作用とを客観的に比較するデータを取得することができる。また、本発明は、各評価者が製剤を塗布しながら官能評価を行い、この評価者によって塗布されている製剤の物理作用を計測によって評価している。このような本発明は、例えば、複数の評価者によって行われた官能評価(TCATA)の結果をまとめたものと測定結果とを比較するよりも製剤の塗布過程での(乾燥)状態の各段階に適切に対応した結果を得ることができる。また、製剤の塗布の仕方や状態等は評価者や環境によって異なることが考えられる。このため、各評価者が製剤を塗布しながら官能評価を行い、この間に製剤の物理的な特性を計測する本発明によれば、例えば、官能パネル試験等の様々な評価者が官能評価を行うものよりも、製剤の状態に即した官能評価の結果を得ることができる。
なお、云うまでもなく、本発明は、上記実施形態のように、物理量として計測部13が力を計測する構成に限定されるものではない。例えば、本実施形態は、図示しない温度計を設けて被塗布面11aの温度を計測するようにしてもよい。そして、被塗布面11aの温度の計測と並行して評価者が指に感じる温感を官能評価するようにしてもよい。このようにすると、例えば、温度計によって測定される温度と評価者により評価される温感、あるいは冷涼感等との一致、不一致を観測することができる。
1・・・感触評価装置
6・・・制御部
7・・・表示部
10・・・温度コントローラ
11・・・被塗布体
11a・・・被塗布面
11b・・・下面
12・・・ステージ
13・・・計測部
20・・・感触評価情報入力装置
21、22、23、24・・・スイッチユニット
30・・・データ送出ユニット
61・・・情報入力部
63・・・情報記録部
A1、A2・・・測定点
R・・・抵抗素子
Sf1、Sf2、Sm1、m2・・・電圧信号
SW・・・スイッチ素子
f・・・指

Claims (6)

  1. 製剤の塗布に係る感触を示す感触評価情報により前記感触を評価する感触評価装置であって、
    評価対象となる前記製剤が評価者により塗布される被塗布面と、
    前記被塗布面に対して前記評価者が前記製剤を塗布する際に、前記製剤に生じる物理的な作用を示す物理量を計測する計測部と、
    前記被塗布面に前記製剤を塗布しながら前記評価者が入力する前記感触評価情報を受け付ける感触評価情報入力部と、
    前記計測部により計測された前記物理量に係る計測情報と、当該計測情報が計測されたタイミングで入力された前記感触評価情報とを対応付けて記録する情報記録部と、
    を備える、感触評価装置。
  2. 前記計測部は、前記被塗布面に加わる摩擦力または押圧力を計測する、請求項1に記載の感触評価装置。
  3. 前記感触評価情報入力部は、塗布に係る感触を複数の選択肢から選択して入力する装置である、請求項1または2に記載の感触評価装置。
  4. 前記感触評価情報入力部は、塗布に係る感触の程度を入力する装置である、請求項1から3のいずれか一項に記載の感触評価装置。
  5. 前記製剤は化粧剤である、請求項1から4のいずれか一項に記載の感触評価装置。
  6. 製剤の塗布に係る感触を示す感触評価情報により前記感触を評価する感触評価方法であって、
    評価対象となる前記製剤が評価者により被塗布面に塗布される塗布工程と、
    前記被塗布面に対して前記評価者が前記製剤を塗布する際に、前記被塗布面に生じる物理的な作用を示す物理量を計測する計測工程と、
    前記被塗布面に前記製剤を塗布しながら前記評価者が入力する前記感触評価情報を受け付ける感触評価情報入力工程と、
    前記計測工程において計測された前記物理量に係る計測情報と、当該計測情報が計測されたタイミングで入力された前記感触評価情報とを対応付けて記録する情報記録工程と、
    を含む、感触評価方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114994119A (zh) * 2022-08-03 2022-09-02 苏州中纺联检验技术服务有限公司 一种纺织品瞬间接触凉感性能测试设备及其测试方法

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