JP2011053609A - スキンケア効果モデル - Google Patents
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Abstract
【課題】スキンケア商品の使用効果を触感で感知可能なスキンケア効果モデルを提供する。
【解決手段】スキンケア商品を使用する前の肌感触を模した感触を有する使用前人工肌模型2と、該スキンケア商品を使用した後の肌感触を模した感触を有する使用後人工肌模型3とを組み合わせて、スキンケア効果モデル1を構成する。
【選択図】図1
【解決手段】スキンケア商品を使用する前の肌感触を模した感触を有する使用前人工肌模型2と、該スキンケア商品を使用した後の肌感触を模した感触を有する使用後人工肌模型3とを組み合わせて、スキンケア効果モデル1を構成する。
【選択図】図1
Description
本発明は、人工肌模型を利用した、化粧水、乳液、美容液などの化粧品およびコラーゲン入の飲料、サプリメントなどの美容食品などを含むスキンケア商品の効果を実感することが可能なスキンケア効果モデルに関するものである。
従来、店頭でファンデーションや下地クリーム等の化粧品が販売されるときには、販売されている化粧品を使用した場合に、肌の状態が実際にどのように仕上がるか(メーキャップ効果)を示すために、人工肌模型が使用されている。
また、特許文献1においては、肌の弾性を模した、やわらかさと戻り力の異なる複数のブロックモデル(人工肌模型)を段階的に配列してなる肌の弾力性を判定するための機器が提案されている。
また、特許文献1においては、肌の弾性を模した、やわらかさと戻り力の異なる複数のブロックモデル(人工肌模型)を段階的に配列してなる肌の弾力性を判定するための機器が提案されている。
また、化粧料の特性評価を行うため、あるいは、化粧品を販売する美容部員やエステティシャンのメーキャップ、フェイシャル技術の習得のためなどの用途に様々な肌質の人工肌が提供されている(例えば、特許文献2、非特許文献1)。
ファンデーション、口紅等の化粧料であれば、店頭において、顧客あるいは人工肌に対してメーキャップを施すなどのデモンストレーションにより、その効果を顧客に体感してもらうことは比較的容易である。
一方、化粧水、乳液、美容液、保湿クリームなどのスキンケア化粧料については、その商品に、例えば、なめらか感、しっとり感、はり感、ふっくら感、やわらか感等の向上などの効果についての記載があったとしても、購入して実際に使用してみなければどのような肌感触になるかを知る方法がこれまでなかった。また、なめらか感、しっとり感、はり感等という表現は、各個人によってその認識が異なる場合があり、顧客に客観的に認識してもらうことが困難であった。
また同様に、コラーゲン入りの飲料、サプリメントなどのスキンケア美容食品についても、商品に効用、効能についての記載があっても、購入して、一定期間実際に摂取してみなければ、実際にどのような肌感触になるかを体感することはできなかった。
また同様に、コラーゲン入りの飲料、サプリメントなどのスキンケア美容食品についても、商品に効用、効能についての記載があっても、購入して、一定期間実際に摂取してみなければ、実際にどのような肌感触になるかを体感することはできなかった。
従って、スキンケア商品の場合には商品選択の際の判断材料が商品に記載されている効能や効果のみであり、商品の認知度や店頭で手の甲等へ塗布した際の感触等に依拠して商品を選択することが多かった。そのため、販売者、製造者等は商品認知率向上のために大量のマーケティングコストを強いられ、購入者のトライアルによるリピートに期待した売り上げに頼らざるを得ないという非効率的な販売戦略となっている。
株式会社ビューラックス、「バイオスキン」、FRAGRANCE JOURNAL 臨時増刊 No.21 (2009) 106頁−107頁
一般にスキンケア商品の効果を実感するには、数日から数週間以上を要するため、使用により得られる効果を顧客に提示して体感してもらうことは難しく、スキンケア商品について店頭で顧客に対してその効果説明を行う美容部員の負担は大きかった。
特許文献1に記載の肌の弾力性を判定するための機器を用いれば、現在の肌の状態を官能評価することは可能であるが、スキンケア商品を一定期間使用した結果どのようになるかについて提示することはできなかった。
特許文献1に記載の肌の弾力性を判定するための機器を用いれば、現在の肌の状態を官能評価することは可能であるが、スキンケア商品を一定期間使用した結果どのようになるかについて提示することはできなかった。
本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、スキンケア商品の使用効果を触感で感知可能なスキンケア効果モデルを提供することを目的とするものである。
本発明のスキンケア効果モデルは、スキンケア商品を使用する前の肌感触を模した感触を有する使用前人工肌模型と、
該スキンケア商品を使用した後の肌感触を模した感触を有する使用後人工肌模型とを組み合せてなるものである。
ここで、「スキンケア商品」とは、化粧水、乳液、美容液、保湿クリーム等のスキンケア用の化粧品および、サプリメント、飲料等の美容食品を含み、スキンケアのために開発あるいは販売されている商品全般の総称である。従って、「スキンケア商品を使用」とは、前記スキンケア商品が化粧品である場合には、化粧品の使用であり、前記スキンケア商品が美容食品である場合には、美容食品の服用あるいは摂取を意味する。
該スキンケア商品を使用した後の肌感触を模した感触を有する使用後人工肌模型とを組み合せてなるものである。
ここで、「スキンケア商品」とは、化粧水、乳液、美容液、保湿クリーム等のスキンケア用の化粧品および、サプリメント、飲料等の美容食品を含み、スキンケアのために開発あるいは販売されている商品全般の総称である。従って、「スキンケア商品を使用」とは、前記スキンケア商品が化粧品である場合には、化粧品の使用であり、前記スキンケア商品が美容食品である場合には、美容食品の服用あるいは摂取を意味する。
ここで、前記使用前人工肌模型の感触と前記使用後人工肌模型の感触は、なめらか感、しっとり感、はり感、ふっくら感、やわらか感、きしみ、ざらざら感、さっぱりさ、サラサラ感、べたつき、油っぽさ、みずみずしさ、温熱感、ぬめり、ねばり、からなる触感群のうち、いずれか1つの触感が異なるものであればよいが、少なくとも2つ以上の触感が互いに異なるものであることが望ましい。
特に、前記使用前人工肌模型の感触と前記使用後人工肌模型の感触は、なめらか感およびしっとり感の触感が互いに異なるものであることが望ましい。
本発明のスキンケア効果モデルは、前記触感群のうちのいずれか1つの触感が段階的に異なる複数のサンプルから、官能テストの結果により、前記スキンケア商品の使用前の肌感触に最も近いと評価されたサンプルを前記使用前人工肌模型とし、使用後の肌感触に最も近いと評価されたサンプルを使用後人工肌模型とすることが望ましい。
前記使用前人工肌模型の感触と前記使用後人工肌模型の感触が、少なくとも上述の2つの触感が互いに異なるものである場合には、前記触感群のうちのいずれか1つの触感が段階的に異なる複数のサンプルから、官能テストの結果により、前記スキンケア商品の使用前の肌感触に最も近いと評価されたサンプルを前記使用前人工肌模型の第1軸サンプルとし、使用後の肌感触に最も近いと評価されたサンプルを使用後人工肌模型の第1軸サンプルとし、前記触感群のうちのいずれか他の1つの触感が段階的に異なる複数のサンプルから、官能テストの結果により、前記スキンケア商品の使用前の肌感触に最も近いと評価されたサンプルを前記使用前人工肌模型の第2軸のサンプルとし、使用後の肌感触に最も近いと評価されたサンプルを使用後人工肌模型の第2軸のサンプルとし、前記使用前人工肌模型の前記第1軸サンプルおよび第2軸サンプルの触感を兼ね備えたサンプルを前記使用前人工肌模型とし、前記使用後人工肌模型の前記第1軸のサンプルおよび第2軸のサンプルの触感を兼ね備えたサンプルを前記使用後人工肌模型とすることが望ましい。
本発明のスキンケア効果モデルは、スキンケア商品を使用する前の肌感触を模した感触を有する使用前人工肌模型と、そのスキンケア商品を使用した後の肌感触を模した感触を有する使用後人工肌模型とを組合せてなるものであるため、スキンケア商品を数日から数週間使用してみないと体感することができない使用効果を、店頭等において客観的に提示することができる。従って、顧客等はスキンケア商品の使用効果を触感で感知することができ、購買の指標とすることができる。
特に、使用前人工肌模型の感触と、使用後人工肌模型の感触とが、2つ以上の触感が異なるものであれば、スキンケア商品による複数の効果を同時に示すことができる。
また、官能テストの結果により、前記スキンケア商品の使用前の肌感触に最も近いと評価されたサンプルを前記使用前人工肌模型とし、使用後の肌感触に最も近いと評価されたサンプルを使用後人工肌模型とすれば、顧客により現実的な効果を実感してもらうことができ、販売促進効果をより向上させることができる。
以下、本発明のスキンケア効果モデルを図面を用いて詳細に説明する。図1は本発明のスキンケア効果モデルの一実施の形態を示す概略模式図である。図1に示すスキンケア効果モデル1は、所定のスキンケア商品を使用する前の肌感触を模した感触を有する使用前人工肌模型2と、該スキンケア商品を使用した後の肌感触を模した感触を有する使用後人工肌模型3とを組合せてなるものである。図1においては、台紙4上にスキンケア効果モデル1がそれぞれ載置されている。台紙4には、それぞれの人工肌模型が認識できるように、それぞれの模型に対応させて「使用前」「使用後」と表示されている。
使用前人工肌模型2の感触と使用後人工肌模型3の感触は、なめらか感、しっとり感、はり感、ふっくら感、やわらか感、きしみ、ざらざら感、さっぱりさ、サラサラ感、べたつき、油っぽさ、みずみずしさ、温熱感、ぬめり、ねばり、からなる触感群のうちいずれか1つの触感、好ましくは2つ以上の触感が互いに異なるものである。
スキンケア効果モデル1を用いて、その効果を示すことが可能なスキンケア商品としては、例えば、化粧水、乳液、美容液、保湿クリーム、マスク、美容オイルなどのスキンケア化粧品、コラーゲンや美容に良い食物エキス入りの飲料、菓子、各種サプリメントなどの美容食品が挙げられる。すなわち、本発明のスキンケア効果モデル1は、これらのスキンケア商品を、1つもしくは2つ以上組合せて使用した場合の肌感触向上の効果を示すモデルとして、店頭において、顧客に提示すること等により利用され得る。
図1に示すように、本発明のスキンケア効果モデル1は、スキンケア商品を使用する前の素肌の状態を模した人工肌模型2と、所定期間(例えば、2週間、1ヶ月等の期間)使用した素肌の状態を模した人工肌模型3とをセットで提示することが可能であるため、店頭で試すことができない所定期間使用の前後の肌感触を顧客に客観的に体感してもらうことができる。従って、店頭で商品説明を行う販売員の負荷も低減することができ、プレゼンテーションツールとして非常に有用である。
本発明のスキンケア効果モデル1においては、なめらか感、しっとり感、はり感、ふっくら感、やわらか感、きしみ、ざらざら感、さっぱりさ、サラサラ感、べたつき、油っぽさ、みずみずしさ、温熱感、ぬめり、ねばりなどの触感群のうちのいずれか1つの触感が段階的に異なる複数のサンプルから、官能テストの結果により、スキンケア商品の使用前の肌感触に最も近いと評価されたサンプルを使用前人工肌模型2とし、使用後の肌感触に最も近いと評価されたサンプルを使用後人工肌模型3とすればよい。
使用前人工肌模型2と使用後人工肌模型3の組合せの具体的な選定方法の一例を説明する。
まず、対象とするスキンケア商品において、特に効果を示したい触感に着目し、その触感のみを段階的に変化させた複数の人工肌模型サンプルを用意する。例えば、なめらか感にのみ注目し、なめらか感の触感のみを段階的に変化させたなめらか感軸、しっとり感にのみ注目し、しっとり感の触感のみを段階的に変化させたしっとり感軸など、それぞれの軸毎に段階的に触感を変化させた複数の人工肌模型サンプルを用意する。
まず、対象とするスキンケア商品において、特に効果を示したい触感に着目し、その触感のみを段階的に変化させた複数の人工肌模型サンプルを用意する。例えば、なめらか感にのみ注目し、なめらか感の触感のみを段階的に変化させたなめらか感軸、しっとり感にのみ注目し、しっとり感の触感のみを段階的に変化させたしっとり感軸など、それぞれの軸毎に段階的に触感を変化させた複数の人工肌模型サンプルを用意する。
この複数の人工肌模型サンプルを用いて、複数のパネルによる官能テスト(官能評価)を行う。官能テストは、スキンケア商品の使用前、および一定期間使用後に行う。なお、パネルはスキンケア商品のターゲットとなる性別および年代層の中から選定する。パネル数は、10名程度以上、より好ましくは20名程度以上であり、より多い方が好ましい。
具体的には、図2に示すように、なめらか感軸10のサンプルとして、「なめらか」、「ややなめらか」、「ややでこぼこ」、「でこぼこ」、からなる4段階の触感のサンプル11〜14を用意する。サンプル11〜14の触感は、図面左側ほどなめらかすべすべであり、なめらか感が高く、右側ほどがさがさでこぼこであり、なめらか感が低いものとなっている。
官能テストは、スキンケア商品の使用前、および一定期間使用後に、同一条件下でパネル自身が、自分の頬8とサンプル11〜14を指で触り比べて自分の肌感触に最も近いと感じる肌模型サンプルを選択する方法で行う。当該スキンケア商品を使用する一定期間は、2週間、3週間、1ヶ月など効果が生じる期間を適宜定めればよい。
図3はこの官能テストにより選定された使用前人工肌模型2と使用後人工肌模型3とを組合せてなるスキンケア効果モデル1を示す図である。
スキンケア商品の使用前テストにおいて、一番多くのパネルに選択されたサンプルを使用前人工肌模型とする。例えば、使用前テストにおいて、上記サンプル11〜14のうち、「ややでこぼこ」のサンプル13を選択したパネル数が最も多かった場合、「ややでこぼこ」のサンプル13を使用前人工肌模型2とする。また、スキンケア商品の使用後テストにおいて、使用前テストと比較して選択したパネル数の増加率が最も大きかったサンプルを使用後人工肌模型とする。例えば、使用後テストおいて、上記サンプル11〜14のうち、「なめらか」のサンプル11を選択したパネル数の使用前テストからの増加率が最も大きければ、「なめらか」のサンプル11を使用後人工肌模型3とする。
以上のようにして、なめらか感の異なる2つの人工肌模型サンプル13、11を、それぞれ使用前人工肌模型2、使用後人工肌模型3として選定し、スキンケア効果モデル1を作製することができる。
以上のようにして、なめらか感の異なる2つの人工肌模型サンプル13、11を、それぞれ使用前人工肌模型2、使用後人工肌模型3として選定し、スキンケア効果モデル1を作製することができる。
なお、しっとり感軸、なめらか感軸、はり感軸などの段階的に変化する触感のサンプルは、既存の人工肌模型サンプルから適宜選択して用いることができる。例えば、しっとり感については、ビューラックス社製肌模型No.10の表面バリエーション、硬さレベルを固定し、コーティング仕様により、ウェットタイプ、標準タイプ、ドライタイプの3段階の表面仕上げをそれぞれ施した3段階の触感の肌模型サンプルをそれぞれ、上記例の「もっとしっとり」、「しっとり」、「乾いた」に相当するものとして、しっとり感軸のテストに用いることができる。また、なめらか感については、ビューラックス社製肌模型No.74A〜D(A〜Dは、4段階に異なるなめらか感を呈するものである。)、コーティング標準タイプの4段階の触感の肌模型サンプルをそれぞれ、上記例の「なめらか」、「ややなめらか」、「ややでこぼこ」、「でこぼこ」に相当するものとして、なめらか感軸のテストに用いることができる。同様に、はり感については、やわらかい、普通、硬いの3段階の弾力のビューラックス社製の肌模型の肌弾力チェックツールをはり感軸のテストに用いることができる。
なめらか感、しっとり感、はり感、ふっくら感、やわらか感、きしみ、ざらざら感、さっぱりさ、サラサラ感、べたつき、油っぽさ、みずみずしさ、温熱感、ぬめり、ねばりなどのいずれの触感軸についての人工肌模型サンプルも、実際の人の肌感触を模した感触を有するものを用いる。これらの人工肌模型サンプルとしては、摩擦感テスターKES−SE−M(カトーテック株式会社製、摩擦子として指紋タイプセンターを用いた)を用いた測定したMIU(摩擦係数)が1.1〜6.2かつMMD(摩擦偏差)が0.18〜1.08の数値範囲である模型を用いることが好ましい。
なお、なめらか感軸のための肌模型サンプルは、例えば、実際の人の肌表面を転写して作製されたものであることが望ましい。具体的には、予め、官能テストにより、なめらか、ややなめらか、ややでこぼこ、でこぼこなどの触感の人を抽出し、それぞれの頬部肌表面を転写することにより、なめらか、ややなめらか、ややでこぼこ、でこぼこの段階的な触感の人工肌模型を得ることができる。なお、人肌の転写による人工肌模型の作製方法は、例えば特開平11−169390等公知の方法を採用することができる。
その他、しっとり感、はり感、ふっくら感、やわらか感、きしみ、ざらざら感、さっぱりさ、サラサラ感、べたつき、油っぽさ、みずみずしさ、温熱感、ぬめり、ねばりについて、段階的な触感の人工肌模型サンプルについては、複数の人工肌模型サンプルから、スキンケア商品の開発部員および/または美容部員などからなる複数名の判定者による官能テストにより定めるものとしてもよい。
例えば、所定の軸として、「やわらか感」を定める。そして、この「やわらか感」について複数名の判定者による官能テストを行う。それぞれの判定者が、複数の人工肌模型サンプルを自分の手指で触って、やわらかい、やややわらかい、普通、やや硬い、硬い、5段階の判定を行う。複数の判定者の判定結果が一致するサンプルから、やわらかい、やややわらかい、普通、やや硬い、硬い、各段階のサンプルを1つずつ判定者の多数決により抽出する。このようにして抽出された、やわらかい、やややわらかい、普通、やや硬い、硬い、の5つの人工肌模型サンプルを、やわらか感軸の段階的に変化する触感のサンプルとする。その他、各軸について同様の方法で段階的に変化する触感のサンプルを定めることができる。
また、スキンケア効果モデル1として、使用前人工肌模型2の感触と使用後人工肌模型3の感触とが、なめらか感、しっとり感、はり感、潤い感などの触感群のうちの2つの触感が異なるものである場合には、使用前人工肌模型2と使用後人工肌模型3の組合せは次のようにして作製することができる。すなわち、なめらか感、しっとり感、はり感、潤い感などの触感群のうちのいずれか1つの触感が段階的に異なる複数のサンプルから、官能テストの結果により、スキンケア商品の使用前の肌感触に最も近いと評価されたサンプルを使用前人工肌模型の第1軸サンプルとし、使用後の肌感触に最も近いと評価されたサンプルを使用後人工肌模型の第1軸サンプルとし、他の1つの触感が段階的に異なる複数のサンプルから、官能テストの結果により、スキンケア商品の使用前の肌感触に最も近いと評価されたサンプルを使用前人工肌模型の第2軸のサンプルとし、使用後の肌感触に最も近いと評価されたサンプルを使用後人工肌模型の第2軸のサンプルとし、使用前人工肌模型の第1軸サンプルおよび第2軸サンプルの触感を兼ね備えたサンプルを使用前人工肌模型とし、使用後人工肌模型の第1軸のサンプルおよび第2軸のサンプルの触感を兼ね備えたサンプルを使用後人工肌模型とすればよい。
使用前人工肌模型の感触と、使用後人工肌模型の感触とが、2つ以上の触感が異なるものであれば、スキンケア商品により得られる複数の効果を同時に示すことができる。
なめらか感、しっとり感の2つの触感が互いに異なる、使用前人工肌模型2と使用後人工肌模型3の組合せの具体的な選定方法の一例を説明する。
なめらか感が段階的に異なる複数のサンプルと、しっとり感が段階的に異なる複数のサンプルとをそれぞれ用意し、複数のパネルによる官能テストを行う。
図4(a)に示すように、なめらか感軸(第1軸)10のサンプルとして、「なめらか」、「ややなめらか」、「ややでこぼこ」、「でこぼこ」、からなる4段階の触感のサンプル11〜14を用意する。サンプル11〜14の触感は、図面左側ほどなめらかすべすべであり、なめらか感が高く、右側ほどがさがさでこぼこであり、なめらか感が低いものとなっている。また、図4(b)に示すように、しっとり感軸(第2軸)20のサンプルとして、「もっとしっとり」、「しっとり」、「乾いた」、からなる3段階の触感のサンプル21〜23を用意する。サンプル21〜23の触感は、図面左側ほどしっとりうるおい、しっとり感が高く、右側ほどがかさかさ乾き、しっとり感が低いものとなっている。
官能テストは、スキンケア商品の使用前、および一定期間使用後に、同一条件下でパネル自身が、自分の頬8と第1軸のなめらか感軸のサンプル11〜14を指で触り比べて自分の肌感触に最も近いと感じる肌模型サンプルを選択し、同様にして第2軸のしっとり感軸のサンプル21から23から自分の肌感触に最も近いと感じる肌模型サンプルを選択する方法で行う。
図5はこの官能テストにより選定された使用前人工肌模型2と使用後人工肌模型3とを組合せてなるスキンケア効果モデル1を示す図である。
スキンケア商品の使用前テストにおいて、なめらか感軸について、一番多くのパネルに選択されたサンプルを使用前人工肌模型の第1軸サンプルとする。例えば、なめらか感軸のサンプル11〜14のうち、「ややでこぼこ」のサンプル13を選択したパネル数が最も多ければ、「ややでこぼこ」のサンプル13を使用前人工肌模型の第1軸サンプルとする。また、スキンケア商品の使用後テストにおいて、使用前テストと比較して選択したパネル数の増加が最も大きかったサンプルを使用後人工肌模型の第1軸サンプルとする。たとえば、なめらか感軸の11〜14のうち、「なめらか」のサンプル11を選択したパネル数の使用前からの増加率が最も大きければ、「なめらか」のサンプル11を使用後人工肌模型の第1軸サンプルとする。
スキンケア商品の使用前テストにおいて、しっとり感軸について、一番多くのパネルに選択されたサンプルを使用前人工肌模型の第2軸サンプルとする。例えば、使用前テストにおいて、しっとり感軸のサンプル21〜23のうち、「しっとり」のサンプル22を選択したパネル数が最も多ければ、「しっとり」のサンプル22を使用前人工肌模型の第2軸サンプルとする。また、スキンケア商品の使用後テストにおいて、使用前テストと比較して選択したパネル数の増加が最も大きかったサンプルを使用後人工肌模型の第2軸サンプルとする。たとえば、使用後テストにおいて、しっとり感軸のサンプル21〜23のうち、「もっとしっとり」のサンプル21を選択したパネル数の使用前からの増加率が最も大きければ、「もっとしっとり」のサンプル21を使用後人工肌模型の第2軸サンプルとする。
そして、使用前人工肌模型の第1軸サンプルおよび第2軸サンプルの触感を兼ね備えたサンプル、すなわち、なめらか感は「ややでこぼこ」、しっとり感は「しっとり」の触感を兼ね備えたサンプル32を使用前人工肌模型2とし、使用後人工肌模型の第1軸のサンプルおよび第2軸のサンプルの触感を兼ね備えたサンプル、すなわち、なめらか感は「なめらか」、しっとり感は「もっとしっとり」の触感を兼ね備えたサンプル33を使用後人工肌模型3とする。
この「ややでこぼこ」のなめらか感、「しっとり」のしっとり感を兼ね備えた人工肌模型サンプルは、評価テストで用いた「ややでこぼこ」のサンプル13に、「しっとり」のサンプル22の表面コーティングを施すことにより得ることができる。同様にして、「なめらか」のなめらか感、「もっとしっとり」のしっとり感を兼ね備えた人工肌模型サンプルは、「なめらか」のサンプル11に、「もっとしっとり」のサンプル21の表面コーティングを施すことにより得ることができる。
以上のようにして、なめらか感およびしっとり感の異なる2つの人工肌模型サンプル32、33を作製して、それぞれ使用前人工肌模型2、使用後人工肌模型3として、スキンケア効果モデル1を作製することができる。
なお、上記例においては、なめらか感としっとり感との2つ触感が異なる例を挙げたが、他の組合せ、例えば、なめらか感とはり感、しっとり感とはり感であってもよいし、3軸以上の触感の組合せであってもよい。例えば、なめらか感としっとり感に加えてはり感の3軸の触感について、それぞれスキンケア商品使用前後の官能テストを行い、3軸の触感が異なる使用前人工肌模型と使用後人工肌模型との組合せからなるスキンケア効果モデルとしてもよい。
また、さらには、3軸以上の触感について、それぞれスキンケア商品使用前後の官能テストを行った上で、使用前後で触感が大きく変化したと評価された1軸もしくは2軸についてのみを抽出しその評価した軸より少ない軸の触感のみが異なる使用前人工肌模型、使用後人工肌模型との組合せからなるスキンケア効果モデルとしてもよい。
既存の人工肌模型としては、なめらか感、しっとり感、はり感、潤い感などが複合的に異なる多数のサンプルが存在し、そのような多数のサンプルから、現在の自分の肌感触と同じものを選択するのは、非常に困難である。また、なめらか、しっとり、はり、サラサラ、すべすべなどの感覚には個人差があり、同一の感触の模型に対しても、しっとりはり感を感じる人、ふっくらすべすべ感を感じる人など様々である。
上述のテスト方法のように、予め定められた、なめらか感軸、しっとり感軸など、1軸上で段階的に示された触感を選択する方法であれば、個人差による評価のばらつきを抑制することが可能となる。ばらつきの少ない評価により、より客観的な評価結果を得ることが可能となる。1軸毎で触感を選択した後に、2軸、もしくは3軸以上の触感の異なる肌感触の使用前後の人工肌模型を作製することにより、スキンケア商品の総合的な効果をより客観的に示すことができる。
なお、スキンケア効果モデル1は、図6に示すように、スキンケア商品の写真6、商品説明書等の表示部7と、スキンケア効果モデル1を保持する保持部とを備えた、箱状のパッケージ5を別途用意し、該パッケージの保持部にスキンケア効果モデル1を設置して、顧客等へのプレゼンテーション時に利用できるようにしてもよい。また、スキンケア商品とスキンケア効果モデル1とをセットとして提示するようにしてもよい。
このように、スキンケア商品を、その効果を示すスキンケア効果モデル1と併せて顧客に提示することにより、スキンケア商品の効果を顧客により体感してもらうことができ、顧客へのスキンケア商品の提案をより効果的に行うことができる。
このように、スキンケア商品を、その効果を示すスキンケア効果モデル1と併せて顧客に提示することにより、スキンケア商品の効果を顧客により体感してもらうことができ、顧客へのスキンケア商品の提案をより効果的に行うことができる。
以下、実施例により本発明のスキンケア効果モデルの作製方法をさらに詳細に説明する。
本実施例では、図4および図5を参照して説明した上記実施形態の方法に沿って、使用前人工肌模型2の感触と使用後人工肌模型3の感触とが、なめらか感、しっとり感の2つの触感で異なるものであるスキンケア効果モデル1を作製した。
本実施例では、図4および図5を参照して説明した上記実施形態の方法に沿って、使用前人工肌模型2の感触と使用後人工肌模型3の感触とが、なめらか感、しっとり感の2つの触感で異なるものであるスキンケア効果モデル1を作製した。
まず、所定のスキンケア商品のターゲットとなる30−40代の女性パネルを28名選定し、第1軸の触感はなめらか感、第2軸の触感はしっとり感として、スキンケア商品の使用前、および使用後に官能テストを行った。ここで、所定のスキンケア商品は開発化粧品A(以下、スキンケア商品Aという。)とした。
図4で示したように、なめらか感が段階的に異なる4つの肌模型サンプル11〜14を用意し、しっとり感が段階的に異なる3つの肌模型サンプル21〜23を用意した。
なめらか感は、「なめらか」、「ややなめらか」、「ややでこぼこ」、「でこぼこ」、の4つの肌模型サンプル11〜14として、株式会社ビューラックス社製の肌模型:No.74A〜Dを使用した。サンプルの仕様は、丸板形状:直径44mm、厚さ5mm)、表面コーティング:ノーマル仕上げ、コーティング膜厚30μm、基材:熱可塑性ウレタンエラストマーである。
しっとり感は、「もっとしっとり」、「しっとり」、「乾いた」、の3つの肌模型サンプル21〜23として、株式会社ビューラックス社製の肌模型:No.10B(表面バリエーション30代)、丸型形状:直径51mm、厚さ5mm)について、コーティング仕様がそれぞれ、ウェットタイプ、標準タイプ、ドライタイプであるものを使用した。
官能テストは、指定の洗顔料(洗顔石鹸)にて洗顔後、室温23℃、湿度50%にて60分経過後、パネル自身が右手で自分の右頬(図2参照)と、なめらか感が段階的に異なるサンプル11〜14を触り比べ、最も近いと思うサンプルを選択してもらい、同様に、しっとり感が段階的に異なるサンプル21〜23を触り比べ、最も近いと思うサンプルを選択してもらう方法を採った。
各パネルは、スキンケア商品Aの使用前に、上記官能テスト方法により、第1軸サンプル、第2軸サンプルを選択した。
各パネルは、2週間スキンケア商品Aを用いてスキンケアを行った後、上記官能テスト方法により、第1軸サンプル、第2軸サンプルを選択した。
各パネルは、2週間スキンケア商品Aを用いてスキンケアを行った後、上記官能テスト方法により、第1軸サンプル、第2軸サンプルを選択した。
図7は、第1軸のなめらか感についての、使用前および2週間使用後の官能テスト結果を示すグラフである。
図7のグラフに示すように、なめらか感については、使用前は「ややでこぼこ」と評価した人が54%と最も多かったため、この「ややでこぼこ」のサンプルを使用前肌感触の第1軸サンプルとした。これに対して、使用後はなめらか(32%)、ややなめらか(29%)のサンプルを選択する人が多く、なめらか感の向上を感じた人が多かったといえる。特に、使用後に「なめらか」と評価した人の割合は使用前と比較して7%から32%へと大幅に増加し、使用前後の増加率が最も大きかったことから、この「なめらか」のサンプルを使用後肌感触の第1軸サンプルとした。
図7のグラフに示すように、なめらか感については、使用前は「ややでこぼこ」と評価した人が54%と最も多かったため、この「ややでこぼこ」のサンプルを使用前肌感触の第1軸サンプルとした。これに対して、使用後はなめらか(32%)、ややなめらか(29%)のサンプルを選択する人が多く、なめらか感の向上を感じた人が多かったといえる。特に、使用後に「なめらか」と評価した人の割合は使用前と比較して7%から32%へと大幅に増加し、使用前後の増加率が最も大きかったことから、この「なめらか」のサンプルを使用後肌感触の第1軸サンプルとした。
図8は第2軸のしっとり感についての、使用前および2週間使用後の官能テスト結果を示すグラフである。
図8のグラフに示すように、使用前は「しっとり」と評価した人が70%と最も多かったため、この「しっとり」のサンプルを使用前肌感触の第2軸サンプルとした。これに対して、使用後は「もっとしっとり」のサンプルを選択した人が使用前の14%から50%へと増加し、使用前後の増加率が最も大きかったことから、この「もっとしっとり」のサンプルを使用後肌感触の第2軸サンプルとした。
図8のグラフに示すように、使用前は「しっとり」と評価した人が70%と最も多かったため、この「しっとり」のサンプルを使用前肌感触の第2軸サンプルとした。これに対して、使用後は「もっとしっとり」のサンプルを選択した人が使用前の14%から50%へと増加し、使用前後の増加率が最も大きかったことから、この「もっとしっとり」のサンプルを使用後肌感触の第2軸サンプルとした。
従って、使用前肌感触は、第1軸のなめらか感では、ややでこぼこ、第2軸のしっとり感では、しっとりであることから、両者の触感を有する肌模型を使用前人工肌模型2とし、使用後肌感触は、第1軸のなめらか感では、なめらか、第2軸のしっとり感では、もっとしっとりであることから、両者の触感を有する肌模型を使用後人工肌模型3とした。
より具体的には、ビューラックス社製肌模型No.74Cにノーマル仕上げコーティングを施したサンプルを使用前人工肌模型2とし、ビューラックス社製肌模型No.74Aにウェット仕上げコーティングを施したサンプルを使用後人工肌模型3とした。
1 スキンケア効果モデル
2 使用前人工肌模型
3 使用後人工肌模型
4 台紙
5 パッケージ
10 なめらか感軸
11 「なめらか」の人工肌模型サンプル
12 「ややなめらか」の人工肌模型サンプル
13 「ややでこぼこ」の人工肌模型サンプル
14 「でこぼこ」の人工肌模型サンプル
20 しっとり感軸
21 「もっとしっとり」の人工肌模型サンプル
22 「しっとり」の人工肌模型サンプル
23 「乾いた」の人工肌模型サンプル
32 「ややでこぼこ」かつ「しっとり」の人工肌模型サンプル
33 「なめらか」かつ「もっとしっとり」の人工肌模型サンプル
2 使用前人工肌模型
3 使用後人工肌模型
4 台紙
5 パッケージ
10 なめらか感軸
11 「なめらか」の人工肌模型サンプル
12 「ややなめらか」の人工肌模型サンプル
13 「ややでこぼこ」の人工肌模型サンプル
14 「でこぼこ」の人工肌模型サンプル
20 しっとり感軸
21 「もっとしっとり」の人工肌模型サンプル
22 「しっとり」の人工肌模型サンプル
23 「乾いた」の人工肌模型サンプル
32 「ややでこぼこ」かつ「しっとり」の人工肌模型サンプル
33 「なめらか」かつ「もっとしっとり」の人工肌模型サンプル
Claims (5)
- スキンケア商品を使用する前の肌感触を模した感触を有する使用前人工肌模型と、
該スキンケア商品を使用した後の肌感触を模した感触を有する使用後人工肌模型とを組み合せてなるスキンケア効果モデル。 - 前記使用前人工肌模型の感触と前記使用後人工肌模型の感触は、なめらか感、しっとり感、はり感、ふっくら感、やわらか感、きしみ、ざらざら感、さっぱりさ、サラサラ感、べたつき、油っぽさ、みずみずしさ、温熱感、ぬめり、ねばり、からなる触感群のうち、少なくとも2つ以上の触感が互いに異なるものであることを特徴とする請求項1記載のスキンケア効果モデル。
- 前記使用前人工肌模型の感触と前記使用後人工肌模型の感触は、なめらか感およびしっとり感の触感が互いに異なるものであることを特徴とする請求項1記載のスキンケア効果モデル。
- 前記使用前人工肌模型が、前記触感群のうちのいずれか1つの触感が段階的に異なる複数の人工肌模型のサンプルから、官能テストの結果により、前記スキンケア商品の使用前の肌感触に最も近いと評価されたサンプルであり、前記使用後人工肌模型が、使用後の肌感触に最も近いと評価されたサンプルであることを特徴とする請求項1記載のスキンケア効果モデル。
- 前記触感群のうちのいずれか1つの触感が段階的に異なる複数の人工肌模型のサンプルから、官能テストの結果により、前記スキンケア商品の使用前の肌感触に最も近いと評価されたサンプルを前記使用前人工肌模型の第1軸サンプルとし、使用後の肌感触に最も近いと評価されたサンプルを使用後人工肌模型の第1軸サンプルとし、
前記触感群のうちのいずれか他の1つの触感が段階的に異なる複数の人工肌模型のサンプルから、官能テストの結果により、前記スキンケア商品の使用前の肌感触に最も近いと評価されたサンプルを前記使用前人工肌模型の第2軸のサンプルとし、使用後の肌感触に最も近いと評価されたサンプルを使用後人工肌模型の第2軸のサンプルとしたとき、
前記使用前人工肌模型が、前記使用前人工肌模型の前記第1軸サンプルおよび第2軸サンプルの触感を兼ね備えたサンプルであり、
前記使用後人工肌模型が、前記使用後人工肌模型の前記第1軸のサンプルおよび第2軸のサンプルの触感を兼ね備えたサンプルであることを特徴とする請求項2記載のスキンケア効果モデル。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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- 2009-09-04 JP JP2009204747A patent/JP2011053609A/ja active Pending
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