JP2020180558A - 折畳可能な波力発電装置 - Google Patents

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山口 浩
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Abstract

【課題】人が携帯して運搬できるようなコンパクトにできる波力発電装置を提供する。【解決手段】海上などに浮かして、波のうねりと共に上下運動するブイ1と、水の抵抗により、水中で、ほぼ静止できる水中移動抑制体8との相対的な上下運動を、錘7と細長いロープ状の伝達体6を利用して伝達体6の上下運動に変換して、ブイ1に固定した回転式発電機2を動作させる波力発電装置であって、運搬時に人が携帯して運搬できるようなコンパクトになるように、少なくともブイ1のブイ本体10は空気を抜き、折畳むことができるようにすること、水中移動抑制体8も折畳むことができるようにすると共に、可能な限りワンタッチで容易に部品を組立、分解できるようにした。【選択図】図1

Description

本発明は、波力発電装置に関し、海水や湖水に浮かべたブイに固定されている発電機が波と共に上下するとき、水の抵抗により上下し難くする水中に懸垂などさせた水中移動抑制体に対して相対的に発電機が上下することになり、可動の錘により水中に垂れさがったロープなどの伝達体を介して水中に懸垂された錘が上下し、この往復上下運動する伝達体を介して発電機を動作させるようにすると共に、折畳可能にした波力発電装置に関するものである。
従来、再生可能エネルギー源として、太陽光や風力を利用して発電するものもあるが、太陽光は、日照時しか利用できず、曇りや雨天ではその利用が難しく、風力の利用も、凪があり基本的に密度の小さな空気の流れを利用するので、大型化する必要がある。これに対して、波力を利用する場合は、例えば、海洋においては、常時、1〜2メートルの波高を有する運動量が大きい海水の波があり、このような波力を利用した方が小型で高効率の発電が達せされる可能性が大きい。このために、従来、海洋などの波の運動エネルギーを電気エネルギーに変換するための波力発電システムが多く提案されてきた。特に、本願発明者の一人の発明である「波力発電システムとこれに用いる伝達体および回転変換部」(特許文献1参照)がある。それは、海水や湖水に浮かべたブイに固定されている発電機が波と共に上下するとき、水の抵抗により上下し難くする水中に懸垂させた水中移動抑制体に対して相対的に発電機が上下することになり、可動の錘により水中に垂れさがったロープなどの伝達体を介して水中に懸垂された錘が上下し、この往復上下運動する伝達体を介して発電機を動作させるようにした波力発電システムとその部品に関するものである。
しかしながら、特許文献1の特許における実施例などでは、波力発電システムとしての一般的な構造や構成を記述しているが、コンパクトで容易に分解ができ、使用時には組み立てて海上に浮かべて小規模ながらも発電できる波力発電装置で、陸上では、人が携帯(持ち運び)できるような構造や構成には言及がない。例えば、レジャーボートなどでラジオ、TV、スマホなどの微小電力使用やバッテリへの充電用途、小型船で燃料が無くなった時の非常用発電装置としての装備品の用途、太陽電池が使用できない夜間電力の確保用、更に、非常用発電装置などでも、盗難防止などのために、これを各部品に分解・組み立て可能な状態にすること、そして、少なくともそれらの一部もしくは全部を人が携帯して運搬できる程度の大きさにできるようにした超小型の波力発電装置の出現が望まれていた。また、ボート内での電力需要でなくとも、常時使用する標識灯、灯浮標や灯台などのLED用などの電源として、現場にボートで運び、設置するような容易に携帯で運搬できるような折畳可能な波力発電装置も望まれていた。
特許 第6273422号公報 特許 第6476443号公報
本発明は、海の水中領域に水中移動抑制体を設置して、この水中移動抑制体に対して、相対的にうねり振動(主に上下運動)をする波に浮かぶブイとの相対運動で、水中に懸垂した錘とロープ状の伝達体とを介してブイに固定した回転式発電機を用いた超小型の波力発電発装置であり、陸上で人が容易に持ち歩きできる大きさと重量で、構造が簡単で安価な波力発電装置を提供することを目的としている。
上記の目的を達成するために、本発明の請求項1に係わる折畳可能な波力発電装置は、水の波に浮かぶブイ1と、該ブイ1に固定された発電機2と、該発電機のロータを回転させて発電させる回転変換部5と、該回転変換部5を回転させる柔軟で細長い伝達体6と、該伝達体6を介して水中に懸垂された錘7と、水中での移動に対し抵抗し、ほとんど上下振動しないで静止状態になるようにした水中移動抑制体8とを備え、伝達体6の一端には、錘7が繋がれ、伝達体6の他端には、水中移動抑制体8が繋がれ、波のうねり振動と共に前記ブイが上下振動するときに、水中移動抑制体8が水の抵抗などにより動き難いので、相対的に錘7が伝達体6と共に主に上下振動をして、伝達体6を介して発電機2のロータを回転させて発電させるようにした波力発電装置であって、少なくとも、前記ブイ1を構成するブイ本体10は、空気を抜き、人が携帯して運搬できるように容易に折畳むことができる構造にしたこと、を特徴とするものである。
発電の原理は、上記特許文献1記載と同様に、次のようである。水中で移動に対し抵抗となるように構成した水中移動抑制体8を、ブイ1に取り付けた発電機から、例えば、ロープ状の伝達体6を介して海中に懸垂させる。ブイ1が波のうねりと共に主に上下振動しても、水中移動抑制体8は水の抵抗(抗力)やそれ自体の重量などのために動き難くしてあり、そのために、ブイ1に取り付けた発電機からロープ状の伝達体6のうち、水中移動抑制体8とは反対側の端に結ばれ、海中に懸垂した錘7が、ロープ状の伝達体6を介して引き上げられ、ブイ1が降下した時には、共に降下する。このとき、伝達体6の往復運動が発電機2のロータを回転させて発電させる仕組みである。更に詳細を述べると、上述のように、水中移動抑制体8に対して相対的に発電機2を搭載したブイが、波と共にうねり振動(上下振動ばかりでない)で、波の頂上側に移動すれば、水中移動抑制体8とブイ1との間隔が大きくなり、ロープ状の伝達体6が水中移動抑制体8側に引っ張られ(このとき、錘7が引き上げられる)、波の下降時に谷間にブイ1が向かうと、今度は、水中移動抑制体8とブイ1との間隔が縮み、伝達体6は、錘7側に引っ張られる。このような伝達体6の往復運動が、発電機2を動作させて発電させるものである。なお、波が上昇するときには、錘7が引き上げられるが、発電電力は、ブイ1の浮力の大きさと水中移動抑制体8の抗力との関係で主に決定され、錘7の重さは、むしろ、小さい方が望ましい。しかし、逆に、波が下降するときには、錘7がその自重で降下するが、この時の発電電力は、錘7の重さと水中移動抑制体8の抗力との関係で主に決定され、錘が重い方が、発電電力が大きくなる。
海釣りなど、レジャー用のボートやヨット、更には、小型の船舶などで、長時間海上に停泊やゆっくり動いているとき、また、夜間の太陽電池が使用できないときなど、備え付けのバッテリや携帯用のバッテリなどの電力不足が問題になることがある。このような海上での微小でも電力が欲しい場合に海上の波を利用して発電できる波力発電装置が望まれている。本発明では、波力発電装置として、上記のボートなどに乗り込むときに、携帯して持ち込みができる波力発電装置や、非常用設備としての常備する波力発電装置として、折畳んで携帯運搬や保管できるようにした波力発電装置を提供するものである。更に、ボート内での電力需要でなくとも、固定した場所で常時使用する標識灯、灯浮標や灯台などのLEDなどの電源用として、現場にボートで運び、設置するような容易に携帯で運搬できるような折畳可能な波力発電装置も提供するものである。そこで、ブイ1として、例えば、ビニール製の浮き袋で、空気で膨らませて海上に浮くようにするもので、浮き輪の形状や複数の球状(ボール状)の組合わせ形状などが良い。そして、運搬するときなどの携帯時には、上記浮き袋の空気を抜き萎ませて、折畳みもできるようにするものである。また、水中移動抑制体8は、使用時には、水の抵抗(抗力)を大きくするために、例えば、水中で大きく広げて使用するので、使用時には、形体を大きくする必要があるが、運搬時には、コンパクトに折畳んで、人が携帯できる程度の寸法(大きさ)と重さにすることが望ましい。このように、本発明では、海上での発電時には、特に、その形体を大きくして使用するブイ1は、少なくとも、折畳ができて、人が持ち運びできるような程度にする折畳可能な波力発電装置を提供することである。
本発明の請求項2に係わる折畳可能な波力発電装置は、水中移動抑制体8も、上記のブイ1と同様に、人が携帯して運搬できるように容易に折畳むことができる構造にした場合である。
本発明の請求項3に係わる折畳可能な波力発電装置は、水中移動抑制体8は、ほぼ不動のものとし、人が携帯して運搬しないで済むようにした場合である。ほぼ不動のものとして、例えば、レジャーボートなどの小型船に事前に備えてある重い固定錘として浅瀬の海底に沈めて使用する場合や、錨を海底の岩などに引っ掛けて使用するような場合で、この錨と岩との組み合わせを水中移動抑制体8として使用するような場合などである。
本発明の請求項4に係わる折畳可能な波力発電装置は、前記波力発電装置を構成する部品の少なくとも一部は、容易に分解と組立ができるようにしたもので、たとえば、発電機2、増速機となる回転数変換機構9、ブイ1、水中移動抑制体8などの折畳可能な波力発電装置を構成する部品を、例えば、できるだけワンタッチで容易に分解することができるように構成しておき、海上での波力発電装置として使用するときには、洋上のボートなどの上や、ボート等に乗り込む前の陸上で、可能な限りワンタッチで組立が可能にして、波力発電装置として使用できるようにした場合である。このようにすることで、折畳可能な波力発電装置を、部品ごとに分解して、複数の人で分担し携帯して運搬することもできるので、各人の負担が軽減されて好都合である。また、小型船舶での非常用設備として常備するが、盗難防止のために、重い錘を除いて、他の構成部品は、容易に運搬できるように折畳みコンパクトにして持ち帰りができるようにすることも良い。
本発明の請求項5に係わる折畳可能な波力発電装置は、水中移動抑制体8と錘7とは、所定の長さ以上の距離にならないように、柔軟なワイヤ60で結ぶようにした場合である。水中移動抑制体8が水中で広げて水の抵抗(抗力)により移動の抑制をさせるようにした場合は、錘7が水中移動抑制体8よりも重くしてあるので、錘7が水中移動抑制体8を引き上げ、水中移動抑制体8の位置がブイに接近してしまい、水中移動抑制体8が波のうねりに晒されてしまうことが予想される。このためには、錘7と水中移動抑制体8とをワイヤ60で結び、錘7が深い位置に降下しても、水中移動抑制体8に結ばれたワイヤ60によりそれ以上深く降下しないようにしている。すなわち、ワイヤ60の長さの調整により、錘7と水中移動抑制体8の間隔が所定の長さ以上の距離にならないようにするものである。
上記のように、水中移動抑制体8が水中で広げて水の抵抗(抗力)により移動の抑制をさせるようにした場合は、錘7により柔軟なワイヤ60を通して水中に引き戻される(沈む)ようになるので、その重さは、必ずしもその体積の水より重くする必要はないが、ブイ1により上方に引き上げられようとしたときに、水の抵抗(抗力)でこれに抗する作用が求められるから、水より比重を大きくさせ、自重で水中に沈むようにした方が良い。また、水中移動抑制体8を水中に懸垂させた場合、水中での錘7の重さは、水中移動抑制体8の水中での重さより十分重くなければ、伝達体6を上下運動させることができない。推奨される形態では、水中移動抑制体8の水中での重さは、その体積の水よりも少しだけ重くしておき(水よりも比重を大きくする)、水中での錘7の重さは、折り畳んで携帯して持ち運ぶためには、発電機等を搭載した総合的なブイ1が海上に浮かぶ時の浮力に対して、10分の1以下に軽くして、波が上昇して錘7を持ち上げると共に水中移動抑制体8も上方に持ち上げる時の発電を主に使用するようにした方が良い。なお、錘7の形状は、錘7の上下運動時に水に対して抵抗になり難いように、流線型にすることが推奨される。
水中移動抑制体8を水中に懸垂させた場合、上記水中移動抑制体8が、波に浮かぶブイ1により引き上げられようとしたときに、水中移動抑制体8の下部領域が負圧となり、水中移動抑制体8の周辺から下部領域の負圧部分に水が入り込み、この流れが渦(カルマン渦)を作り、この渦が水中移動抑制体8の上方移動に対する水の抵抗となる。この渦の発生を大きくして、水の抵抗を大きくさせるように、水中移動抑制体8の周辺に、周辺突起部を形成して、水中での上下移動に一層の抑制を与えるようにすることも推奨される。なお、一般に、水中移動抑制体8に作用する抗力(水の抵抗)は、水中移動抑制体8とそれを取り巻く海水との相対速度vの2乗に比例することが分かっており、水中移動抑制体8が引き上げられるときの速度vが生じて初めて抗力が生じるので、水中移動抑制体8は、全く静止せずに多少の移動を許すようにしていることに注意する必要があり、発電効率を低下させる原因にもなっている。
本発明の請求項6に係わる折畳可能な波力発電装置は、錘7を交換できるようにした場合である。ブイ1が波の高さが低下するときに、特に、錘7の重さを利用して発電機のロータを回転させて発電させるので、その重さが重要で、重ければその分大きな発電電力が得られる。しかしながら、運搬時には、重い錘7の携帯は困難であり、小さい方が持ち運びは楽であるが、発電電力量が小さくなるというジレンマがある。このような場合、必要な電力量に見合う重さの錘7が選択できるように、錘7を交換できるようにしておく場合である。特に、船舶での非常用発電装置として用いる場合は、重い錘は運搬しないで、船内に保管しておくようにしておき、非常用発電装置として使用するときに重い錘を取り付けるようにしても良い。
本発明の請求項7に係わる折畳可能な波力発電装置は、錘7は、所定の錘ではなく、水よりも比重が大きい任意の物体を錘として使用できるようにした場合である。上記したように、ブイ1が波によって降下するときの発電では、錘7の重い方が発電電力量を大きくできるが、その携帯は困難である。例えば、海岸付近に転がっている石を調達して、これを錘7として用いることができれば、携帯しないで、折畳可能な波力発電装置の錘7として用いることができる。もちろん、石ばかりでなく、適当な重さの物体を現地で調達して錘7として採用しても良い。もちろん、密度が小さい物体であれば、所定の重さを確保するためには、その体積が大きくなり、浮力も大きくなるので、密度が大きい物体の方が好適である。このような任意の物体を錘7として採用するために、例えば、この錘7としての物体を収容するためのネット(網)状の入れ物(錘入れ物)を、本来、錘7を取り付ける個所に固定しておき、この錘入れ物内に石などの錘を入れて、錘7として使用するようにすると良い。
本発明の請求項8に係わる折畳可能な波力発電装置は、回転変換部5をプーリもしくは歯車とした場合である。回転変換部5をプーリとした場合は、伝達体6が接触面で滑り難いように、摩擦面を有するようにする必要がある。また、伝達体6が外れないように、プーリの側面に伝達体6用のプーリガイドなどを設けるようにした方が良い。
回転変換部5を歯車とした場合は、歯車のピッチに合うピッチを持つチェーンやタイミングベルトにする必要がある。伝達体6のうち、回転変換部5と接触する領域は、チェーンやタイミングベルトなどを用い接触面で滑り難くするようにして、他の領域は、例えば、ロープ状にしておくこともできる。歯車やチェーンは必ずしも金属である必要は無く、超小型の波力発電装置で力が弱いので、プラスチック製でも良く、軽い方が好適である。
本発明の請求項9に係わる折畳可能な波力発電装置は、発電機2のロータの回転数を、回転変換部5の回転数とは異なるようにする回転数変換機構9を備えた場合である。一般に、海洋の波のうねりの周期は、5〜10秒程度であり、波の振幅も1〜2メートル程度である。従って、海上に浮かぶ本折畳可能な波力発電装置のロープ状の伝達体6は、ブイの浮力による大きな力と錘7の重量で、ゆっくりと1メートル程度上下する。このとき回転変換部5のプーリや歯車の直径にもよるが、その回転数は、必ずしも大きくはない。発電機2の出力は、ロータの回転数が大きい方が大きくなるので、発電機2のロータの回転数が、回転変換部5の回転数よりも大きくなるような増速機能を有する回転数変換機構9にした方が望ましい。
回転数変換機構9では、複数の歯車の直径の大小の組合せにより回転比が調節できるし、ベルトや磁性歯車などの摩擦を利用して回転比を調節しても良い。歯車を利用した場合でも、大きな力が加わったときには、最初の歯車などから発電機2のロータまでの間に滑り機構を設けておき、スリップできるようにしておくことが推奨される。
本発明の請求項10に係わる折畳可能な波力発電装置は、発電機2が交流発電機の場合は、該交流発電機からの交流電流を直流電流にする整流器40を備えた場合である。波力発電システムでは、波のうねりに依存し、そのうねり具合が時々刻々と変化するので、発電機2から安定した交流出力を得ることが困難である。本発明では、この発電機2で発生した交流電流を、整流器40を通して直流電流に変換するようにした場合である。整流器40も発電機2と共に、ブイに固定し、覆い200の中に収容するようにした方が良い。
本発明の請求項11に係わる折畳可能な波力発電装置は、整流器40を介した直流電流を蓄積するバッテリ50を搭載した場合である。発電機からの交流電力をそのまま外部に出力したり、整流器40を介した直流電流をそのまま外部に出力するようにしても構わないが、ここでは、バッテリ50をも搭載して、これに蓄電しておき、バッテリ50を介して、外部に直流電力が取り出せるようにしても良い。また、蓄電したバッテリ50を未充電のバッテリ50と交換できるようにして、この蓄電したバッテリ50を外部の運び出してこれから電力を取り出すようにしても良いし、バッテリ50も上述の整流器40と共に、ブイに固定するようにして、ケーブルによりボートなどの電力を必要としているところに給電するようにすることも推奨される。もちろん、整流器40やバッテリ50を折畳可能な波力発電装置以外の電力を必要とする、例えば、ボートなどに設置することもできる。
本発明の折畳可能な波力発電装置は、海洋などの水深が深い場合でも、海上にブイにより浮かせ、このブイに固定された発電機2がブイと共に、波で主に上下運動をして、水の抵抗を大きくさせて移動し難くした水中移動抑制体8に対して、水中に懸垂させているロープ状の伝達体6で錘7を相対的に引き揚げたり、下ろしたりして、この伝達体6を介して回転式の発電機2を駆動するという点は、従来技術であるが、容易に折畳ができることで、コンパクトな波力発電装置となり、持ち運び(携帯)が容易であるという利点がある。
本発明の折畳可能な波力発電装置は、容易に折畳ができることで、例えば、小型船などでの常設備品として、燃料が無くなった時の非常用発電装置としての装備品の用途、太陽電池が使用できない夜間電力の確保用などにも使用できるという利点がある。
本発明の折畳可能な波力発電装置は、この波力発電装置を構成する部品の少なくとも一部は、分解と組立がほぼワンタッチで容易にできるようにしているので、運搬に際しても、複数の人数で分担して携帯して運ぶことができるから運搬時の負担も軽減されるという利点がある。
本発明の折畳可能な波力発電装置は、水中移動抑制体8と錘7とは、所定の長さ以上の距離にならないように、柔軟なワイヤ60で結ぶようにしているので、錘7が極端に下がらないで済むので、コンパクトな波力発電装置となるという利点がある。
本発明の折畳可能な波力発電装置は、錘7を交換できるようにしているので、想定している発電電力量に合わせて、錘7の選択が容易にできるという利点がある。
本発明の折畳可能な波力発電装置は、錘7を交換できるようにしているので、初めから用意してある所定の錘ではなくとも、例えば、海岸付近にある適当な大きさや重さの石などを用いることができるので、陸上の長い距離の運搬なしに、錘7として利用できるという利点がある。
本発明の折畳可能な波力発電装置は、ブイ1が波により上昇するときには、水中移動抑制体8の抗力との関係でほぼ発電電力量が決まるので、ブイ1と水中移動抑制体8の抗力を大きくすることで、錘7が軽く、かつ小型で、軽い折畳可能な波力発電装置であっても、大きな発電電力量が得られるという利点がある。なお、水中移動抑制体8を重い固定錘として浅瀬の海底に沈めて使用する場合や、錨を海底の岩などに引っ掛けて使用するような場合には、水中移動抑制体8をほぼ固定できるので、特に抗力を大きくすることができる。
本発明の折畳可能な波力発電装置は、従来の気流によるタービン発電機と異なり、比重の大きい海水などの水による大きな浮力がブイを介して容易に得られることで、エネルギー密度が大きく、その分、小型化できること、また、昼夜を問わず発生している波浪を利用するので、発電電力量を大きくできること、更に、普通の回転式発電機が使用できることで単純な構成で安価に発電できるという利点がある。
本発明の折畳可能な波力発電装置の動作を説明するため基本的な構成の一実施例を示す概略構成図である。(実施例1) 本発明の折畳可能な波力発電装置のブイ本体10の折畳可能状態を示し、図2(A)は、膨らませた状態、図2(B)は、折畳んだ状態である。(実施例1) 本発明の折畳可能な波力発電装置の上部・下部固定板の折畳可能な状態の一実施例の断面投影概略図を示し、図3(A)は、上部固定板101、図3(B)は、下部固定板102である。(実施例1) 本発明の折畳可能な波力発電装置の折畳可能な水中移動抑制体8の一実施例の概略図であり、図4(A)は、水中移動抑制体8を広げた状態、図4(B)は、折畳んだ状態の一実施例を示す概略図である。(実施例1) 交換可能な錘7の一実施例の概略図である。(実施例1) 回転数変換機構9と発電機2の配置の他の一実施例を示す概略図である。(実施例2) 本発明の折畳可能な波力発電装置の他の一実施例を示す概略図で、水中移動抑制体8として、重い固定錘900を海底に置くようにした場合ある。(実施例3) 本発明の折畳可能な波力発電装置の他の一実施例を示す概略図で、水中移動抑制体8として、錨910と岩920との組み合わせとした場合ある。(実施例4)
以下、本発明の折畳可能な波力発電装置は、従来の技術で容易に製造できるもので、図面を参照して、実施例に基づき詳細に説明する。
図1は、本発明の折畳可能な波力発電装置の動作を説明するため基本的な構成の一実施例を示す概略構成図であり、海上に浮かべて、波の上昇と下降を利用して動作させるようにし、水中移動抑制体8は、水中に懸垂させた場合で、水中で広げて水の抵抗(抗力)により移動の抑制をさせるようにした場合の例である。本実施例では、ブイ1を構成しているドーナツ状の浮き輪の形をしたブイ本体10を、中央部に穴90が開いた上部固定板101と下部固定板102で挟んで、留め金300と固定バンド110を用いて、容易に脱着可能で固定しているブイ1の上部固定板101上に、増速機となる回転数変換機構9とその上に重ねて設置した発電機2を設けた回転式の発電機2を備えている。発電機2には、図では描いていないがロータがあり、これが回転することにより発電機2で発電させる仕組みである。発電機2から出力された電気は、ケーブル25を介して、電力を必要とするボートなどへ供給し、バッテリへの充電用途、燃料が無くなった時の非常用発電装置としての装備品の用途、太陽電池が使用できない夜間電力の確保用などに供するものである。この時、例えば、ケーブル25を丈夫なものを使用して、これを折畳可能な波力発電装置がボートなどから海上で海流などにより離れないようにする用途にも使用しても良い。もちろん、紐などで、折畳可能な波力発電装置がボートなどから所定の距離以上離れないようにしても良い。ボートなどに設置したバッテリ50などの電気設備との間には、防水のコネクタを取り付けて容易に脱着可能にすると良い。また、発電機2が交流発電機であれば、交流発電をし、発電機2が直流発電機であれば、直流発電をする。回転数変換機構9を介して、回転変換部5としての歯車80の回転が発電機2のロータの回転数を上げるようにしている。ロータが歯車80の回転数よりも、例えば、30倍の回転数で回転して、発電機2が交流もしくは直流の発電をするようにしている。
本実施例では、発電機2と回転数変換機構9は、もちろんのこと、ブイ1の上部固定板101をも覆い200で覆うようにして、特に、ブイ1により海上に浮かび、ブイ1に固定された発電機2を海水から保護するようにした場合である。また、本実施例では、回転変換部5としての歯車80として、これに噛み合う伝達体6としてチェーン70を用いている場合であり、上部固定板101と下部固定板102に開いている穴90とブイ本体10の中央付近の穴91を通し、更に、長さ調節のために柔軟なロープなどの伝達体6を介して、一方の端には錘7が海中に懸垂している。また、伝達体6の他方の端には、波による上下運動に対して水の抵抗(抗力)が大きくなるように水平に広げた水中移動抑制体8を繋いでいる。従って、実質的に水中移動抑制体8は、海中の中で移動が抗力により抑制されるので、ブイ1と共に動き難いようにしている。また、錘7と水中移動抑制体8とは、その距離が離れすぎてしまわないようにワイヤ60で結ばれているような構成にしている。また、本実施例では、チェーン70が歯車80から外れ難くすると共に、絡み合い難くさせるためにチェーンテンショナ75をチェーン70の同士の途中に設けた場合を示している。
本発明の折畳可能な波力発電装置では、その特徴である「少少なくとも、前記ブイ(1)を構成するブイ本体(10)は、空気を抜き、人が携帯して運搬できるように容易に折畳むことができる構造にしたこと」が達成できるように、先ずは、ブイ本体10として、例えば、ゴムやビニールなどの水を通さず、柔軟性のある素材から成るドーナツ状で浮き輪の形を採用し、空気注排口11を取り付けて、容易に、空気入れなどで膨らませることができると共に、空気を抜くことができるようにしている。そして、ブイ本体10を挟んでいる上部固定板101と下部固定板102は、本実施例では、蝶番120を用いて、半分に折畳むことができるようにしている。なお、ここでは、上部固定板101と下部固定板102とは、安価な大量生産を視野に、同一形状にしている場合であり、ただし、上部固定板101には、回転数変換機構9を固定する回転数変換機構固定板130を更に容易に脱着可能なように固定する留め金350,355を備えており、下部固定板102には、ここでは描いていないが、錘7や水中移動抑制体8を懸垂している心棒500やその軸受520を備えたヨーク600を、ワンタッチで容易に脱着可能なように固定する留め金355が裏面に備えている。
図2には、本発明の折畳可能な波力発電装置のブイ本体10を、ブイ1を構成している上部固定板101と下部固定板102から固定バンド110のツメ状の留め金310で留める留め金300から取り外して、ブイ本体10に空気を入れて膨らませた状態の図2(A)と、ブイ本体10の空気を、空気注排口11を介して抜いた後、折畳んだ状態の実施例を図2(B)に示している。このように、ブイ本体10を折畳むことにより、コンパクトでハンディなものとなる。なお、上述のように、図2に示すように、空気が入る領域がほぼ矩形の断面をもつ浮き輪状のブイ本体10を用いた場合の浮力は、浮き輪状の矩形断面積が20cm x20cm=400cm2で、矩形断面の中央部までの半径rが40cm(外半径が50cm)の場合で約100kg重の大きさになる。ブイ本体10の浮力に対して、上部固定板101、下部固定板102、回転数変換機構9、発電機2、錘7、ヨーク600、各種歯車80、伝達体6、水中移動抑制体8などの重量が掛かり、実際は、90kg重以下の浮力であり、更に各部の回転系の摩擦や水中移動による抵抗があり、実質的に50kg重程度の浮力で、発電させると考えておく必要がある。例えば、50kg重の浮力で、波によるブイ1の上昇時に、ブイ1に固定してある発電機2が発生できるエネルギーPは、水中移動抑制体8に対して1mだけ上昇した場合(日本近郊の海洋の波高が平均約1.5mで、水中移動抑制体8のブイ1の上昇時の抗力を得るための移動距離を差し引いている)、波の周期Tを6秒として、効率25%として、平均20W程度である。なお、ここでは、波によるブイ1の下降時にも、錘7による発電量があるが、携帯での運搬可能の折畳可能な波力発電装置であるので、錘7として軽い2kg程度のものを考えると、波によるブイ1の下降時の発電量は極めて小さいのでここでは無視している。
図3には、本発明の折畳可能な波力発電装置のブイ1を構成している上部固定板101と下部固定板102を分解して、折畳んだ状態を示している。図3(A)は、上部固定板101を蝶番120で、ほぼ半分ずつに折畳んでコンパクトでハンディな状態した場合の断面投影図の概略図であり、図3(B)は、下部固定板102を同様に蝶番120で、折畳んだ状態の断面投影図の概略図である。これらの上部固定板101と下部固定板102には、蝶番120、固定バンド110のツメを掛ける留め金300が設けられており、上部固定板101(図3(A))には、更に、回転数変換機構9の回転数変換機構固定板130を脱着可能にする留め金350,355を設けてあり、下部固定板102(図3(B))には、更に、上述の錘7や水中移動抑制体8を吊り下げてヨーク600を容易に脱着可能なように固定する留め金355が設けられていることが分かる。図3に示すように、このようにして、組み立てて広げると、例えば、直径1mにも及ぶブイ1も、折畳むとその半分の50cm程度になり、人が携帯して容易に運べる程度になることが分かる。なお、これらの上部固定板101と下部固定板102は、軽量化のために、例えば、強化プラスチックなどの軽く丈夫な素材で作成することができる。また、留め金310や歯車80やチェーン70なども備えているが、これらも強化プラスチックなどの丈夫で軽い素材を用いることも推奨される。
図4は、本発明の折畳可能な波力発電装置の折畳可能な水中移動抑制体8の一実施例の概略図であり、図4(A)は、折畳可能な水中移動抑制体8を広げた状態を示し、図4(B)は、折畳可能な水中移動抑制体8を折畳んだ状態を示している。本実施例では、コウモリ傘の折畳構造を模した形状であり、中央部に移動抑制体中央パイプ800を備え、その下部方向にある移動抑制体折畳リング850から 放射状に折畳可能な移動抑制体骨組み810が広げられるようにしてあり、移動抑制体骨組み810に張り付けた移動抑制体シート820が、水中移動抑制体8が引き上げられるときに水(海水)の抵抗(抗力)となるような作用をする。水の抗力に耐えられるように、紐65で各移動抑制体骨組み810の外周先端部に備えた留め金360と移動抑制体中央パイプ800先端部に取り付けた留め金350とを結んで補強してある。また、移動抑制体中央パイプ800の先端部には、ロープなどの伝達体6を結ぶための留め金370も描いている。なお、移動抑制体シート820の外周部には、例えば、折畳可能なように柔軟であるが太く、厚みが大きくなるようにして、移動抑制体シート820の外周から零れ落ちる海水を阻止し、一層水中移動抑制体8の上昇を抑制して抗力を増大させるように、周辺突起部となるような移動抑制体周囲補強材830を設けている場合である。
上記図4では、折畳可能な水中移動抑制体8の移動抑制体骨組み810に張り付けた移動抑制体シート820が1枚の場合であったが、水中移動抑制体8が上方に引き上げられるとき、カルマン渦による水中移動抑制体8に働く抗力を増大させるために、図示しないが、更なる移動抑制体シート820として、カルマン渦の抗力がここにも働くように適当な間隔を開けて2枚目の移動抑制体シート820を備えても良いし、3枚目、4枚目と多段にして、水中移動抑制体8に働く抗力を増大させることも推奨される。このような時には、折畳可能な移動抑制体骨組み810を多段にしなくとも、各折畳可能な移動抑制体骨組み810の長さ方向に複数の紐を下げて、多段の移動抑制体シート820の対応個所を結んで、水中移動抑制体8に働く抗力に耐えるように構成しても良い。
折畳可能な水中移動抑制体8を折畳んだ状態の図4(B)には、移動抑制体中央パイプ800の最下部には、錘7と結ぶワイヤ60を留めるための留め金380を備え、移動抑制体骨組み810を開いたときに、移動抑制体骨組み810のうち、移動抑制体中央パイプ800側の先端部に形成してあるL字型部815を固定できるように、移動抑制体折畳固定リング860をスライドさせて固定するようにした場合を示している。このように、水中移動抑制体8を折畳むことにより、容易に携帯可能なコンパクトな状態になり、水中移動抑制体8の素材も、可能な限り重い金属を使用せず、移動抑制体骨組み810や移動抑制体中央パイプ800も強化プラスチックなどを用いることで軽くすることが推奨される。ただ、水中移動抑制体8の全体として、自重により水中に沈む方が良いので、総体的な比重は1以上にする必要があり、部分的に金属を用いるなどして、多少重くする必要もある。なお、折畳可能な水中移動抑制体8を広げた時の寸法は大きい方がブイ1の上昇に対して大きな抗力を発揮するが、例えば、直径が1m程度、またはそれ以上の大きさが推奨される。
本発明の折畳可能な波力発電装置では、錘7を交換できるようにしている。折畳可能な波力発電装置では、その構成部品を可能な限りワンタッチで分解したり、組み立てたりできるようにしている。特に、折畳んで、コンパクトにし、携帯して持ち運ぶことができるようにした方が好都合なことが多い。上述のように、小型船などの常設用または夜間用として、折畳んで片隅に保管しておき、非常時などの電源として用いる場合は、錘7の重さは多少大きくとも構わないことが多いが、携帯運搬時には、重い錘7の運搬は、不便である。このような時のために、本発明では、折畳可能な波力発電装置の錘7を交換できるようにしている。なお、錘7は、特に波の高さが降下するときには、この錘7の重力により発電機2を動作させて発電するので、重い方が大きな発電電力が得られる。しかし、上述のように、波と共にブイ1が上昇するときには、発電電力は、主に、ブイ1の浮力と水中移動抑制体8の抗力とで定まり、むしろ、錘7は、軽い方が有利である。したがって、発電電力の主体を、波と共にブイ1が上昇するときを優先する場合は、軽く、携帯しやすいような重さ、例えば、2kg以下の錘7を採用するようにすることが推奨される。
図5には、交換可能な錘7としての一実施例の概略図を示し、ネット(網)状の錘入れ物710に、任意の錘として、例えば、海岸に転がっている石ころや、初めから用意しているコンクリートブロックや金属錘などの錘本体700を入れて錘7として使用するようにした場合を示している。なお、錘入れ物710の先端部には、ロープなどの伝達体6を結ぶための留め金395を備えた場合を示している。
上記の図1に示す実施例では、スリップ防止のために、回転の伝達に回転変換部5としての歯車80とチェーン70を使用する場合を示しているが、例えば、タイミングプーリとタイミングベルトなどの組合せにしても良い。
上記の折畳可能な波力発電装置の実施例1における回転数変換機構9と発電機2との配置は、例えば、図1に示すように、回転数変換機構9の上に発電機2を重ねて設置するような場合であり、回転数変換機構9と発電機2とを歯車80とチェーン70とを用いて、双方の回転を伝達させる場合の一実施例を示した。本実施例2では、回転数変換機構9と発電機2との配置に関しての他の一実施例を示し、図6に示すように、回転数変換機構9と発電機2とが、極めて小型で軽い場合は、回転数変換機構9と発電機2とを、同一の回転数変換機構固定板130に並べて配置した場合である。ここでは、回転数変換機構9と発電機2とをカプラ530を介して直結して回転させるために、高さ調節用の発電機固定板135に発電機2を搭載するようにしており、実施例1の場合と同様に、同一の上部固定板101の上に、ほぼワンタッチで固定できるようにした場合である。
実施例1における本発明の折畳可能な波力発電装置では、折畳可能な水中移動抑制体8を広げた状態で水の抵抗としての抗力を得る場合を示したが、本実施例3では、海底に、例えば、上述の実施例1の図1に示したブイ1を用い、水中移動抑制体8として、例えば、100kg程度以上の重い固定錘900を海底に沈めて使用するような場合の一実施例の概要図を図7に示している。浅瀬の海底に沈めた固定錘900が、例えば、ブイ1の100kg重の浮力よりも重いので、水中移動抑制体8として効率よく作用すると共に、単に、海底に置くだけであるから自然破壊がなく、発電を終了したときには、ボートなどに回収して保管すれば良い。更に、本発明の折畳可能な波力発電装置では、発電としての使用時は移動しないので、常時使用する標識灯、灯浮標(ライトブイ)や海上の灯台などのLED用などの電源として、現場にボートで運び、設置するような容易に携帯で運搬できるような折畳可能な波力発電装置として使用するのにも好適である。
上記本実施例3では、海底に、重い固定錘900を海底に沈めて、これを水中移動抑制体8として使用するような場合であったが、本発明の折畳可能な波力発電装置では、錨910を海底の岩920などに引っ掛けて使用するような場合で、この錨910と岩920との組み合わせを水中移動抑制体8として使用するような場合の一実施例の概要図を図8に示す。錨910は特に重い必要がなく、携帯して持ち運びできるので、好都合である。浅い海底の岩920などの引掛ける場所がある所であれば、水中移動抑制体8として容易に抗力が得られる。また、水中移動抑制体8を広げた状態で水の抵抗としての抗力を得るようにした実施例1の場合は、水中移動抑制体8がブイ1と共に多少移動してしまうのに対して、本実施例4の場合は、水中移動抑制体8がほとんど動かない状態にできるので、効率の良い波力発電となる。
上述の本発明の折畳可能な波力発電装置では、水中移動抑制体8として、それ自体、積極的に抗力を助長させることがない、言わば、受動的(パッシブ)な実施例であった。しかし、例えば、水中移動抑制体8を上記実施例1の図1や図2に示したような柔軟な材質で形成したドーナツ状のブイ本体10の様な閉じた入れ物にして、例えば、これを上下の折畳可能な上部固定板101と下部固定板102に張り付けた状態にして、これを海水で満たし、この入れ物の上方には海水を噴出させて抗力を得ることができるような孔を開けておき、上部固定板101と下部固定板102はスプリングなどで、力がかからなければ所定の位置に戻り、海水を再度上記孔を介して入れ込むような構造にする。そして、伝達体6に結んだ下部固定板102(上部固定板101は結ばず自由にする)がブイ1の上昇に伴い持ち上げられる時に、自由な上部固定板101が押し下げられてドーナツ状の入れ物を潰し、中の海水を上記の孔から噴出して抗力を積極的に助長させるような、言わば、アクティブな水中移動抑制体8を形成し使用しても良い。このように、水中移動抑制体8として、ブイ1の波の上下振動に対して大きな抗力となるような構成であれば、如何様な形態でも許されるものである。
上述の本発明の折畳可能な波力発電装置は、本実施例に限定されることはなく、本発明の主旨、作用および効果が同一でありながら、種々の変形がありうることは言うまでもない。
本発明の折畳可能な波力発電装置は、波が高い湖上や海上に浮かすだけでよく、波のうねりに浮かぶブイ1と水中で、ほぼ静止できる水中移動抑制体8との相対的な上下運動を、錘7と細長いロープ状の伝達体6を利用してブイ1に固定した回転式の発電機2を動作させて発電するものであり、少なくともブイ1と水中移動抑制体8とは、携帯して運搬できるように折畳可能な波力発電装置である。そして、折畳可能な波力発電装置を構成する部品は、可能な限りワンタッチで組立可能であり、容易に分解もできるようにしたものである。海流などに流されることを防ぐ程度のボートなどへの係留を除けば、本質的に海底や岸壁などに固定する必要がない発電装置であり、また、気流のタービンを利用した発電などに比較して運動エネルギーが大きい水の波である波力を利用するから小型で、昼夜を問わず運転できる発電装置である。ボートなどの小型船で用いる場合、非常用電源装置、夜間電力源、TVやスマホ用の充電用電源などとして用いることができると共に、海上に浮かぶ標識灯や灯浮標等にも利用できるものである。
1 ブイ
2 発電機
5 回転変換部
6 伝達体
7 錘
8 水中移動抑制体
9 回転数変換機構
10 ブイ本体
11 空気注排口
25 ケーブル
40 整流器
50 バッテリ
60 ワイヤ
65 紐
70 チェーン
75 チェーンテンショナ
80 歯車
90,91 穴
101 上部固定板
102 下部固定板
110 固定バンド
120 蝶番
130 回転数変換機構固定板
135 発電機固定板
200 覆い
210 覆い補強材
300、310、350、360、370,380,390,395 留め金
500 心棒
510 軸
520 軸受
530 カプラ
600 ヨーク
700 錘本体
710 錘入れ物
800 移動抑制体中央パイプ
810 移動抑制体骨組み
815 L字型部
820 移動抑制体シート
830 移動抑制体周囲補強材
850 移動抑制体折畳リング
860 移動抑制体折畳固定リング
900 固定錘
910 錨
920 岩

Claims (11)

  1. 水の波に浮かぶブイ(1)と、該ブイ(1)に固定された発電機(2)と、該発電機のロータを回転させて発電させる回転変換部(5)と、該回転変換部(5)を回転させる柔軟で細長い伝達体(6)と、該伝達体(6)を介して水中に懸垂された錘(7)と、水中での移動に対し抵抗し、ほとんど上下振動しないで静止状態になるようにした水中移動抑制体(8)とを備え、伝達体(6)の一端には、錘(7)が繋がれ、伝達体(6)の他端には、水中移動抑制体(8)が繋がれ、波のうねり振動と共に前記ブイが上下振動するときに、水中移動抑制体(8)が水の抵抗などにより動き難いので、相対的に錘(7)が伝達体(6)と共に主に上下振動をして、伝達体(6)を介して発電機(2)のロータを回転させて発電させるようにした波力発電装置であって、少なくとも、前記ブイ(1)を構成するブイ本体(10)は、空気を抜き、人が携帯して運搬できるように容易に折畳むことができる構造にしたこと、を特徴とする折畳可能な波力発電装置。
  2. 水中移動抑制体(8)は、人が携帯して運搬できるように容易に折畳むことができる構造にした請求項1記載の折畳可能な波力発電装置。
  3. 水中移動抑制体(8)は、ほぼ不動のものとし、人が携帯して運搬しないで済むようにした請求項1記載の折畳可能な波力発電装置。
  4. 前記波力発電装置を構成する部品の少なくとも一部は、容易に分解と組立ができるようにした請求項1から3のいずれかに記載の折畳可能な波力発電装置。
  5. 水中移動抑制体(8)と錘(7)とは、所定の長さ以上の距離にならないように、柔軟なワイヤ(60)で結ぶようにした請求項1から4のいずれかに記載の折畳可能な波力発電装置。
  6. 錘(7)は、交換できるようにした請求項1から5のいずれかに記載の折畳可能な波力発電装置。
  7. 錘(7)は、所定の錘ではなく、水よりも比重が大きい任意の物体を錘として使用できるようにした請求項6記載の折畳可能な波力発電装置。
  8. 回転変換部(5)をプーリもしくは歯車とした請求項1から7のいずれかに記載の折畳可能な波力発電装置。
  9. 発電機(2)のロータの回転数を、回転変換部(5)の回転数とは異なるようにする回転数変換機構(9)を備えた請求項1から8のいずれかに記載の折畳可能な波力発電装置。
  10. 発電機(2)が交流発電機の場合は、該交流発電機からの交流電流を直流電流にする整流器(40)を備えた請求項1から9のいずれかに記載の折畳可能な波力発電装置。
  11. 整流器(40)を介した直流電流を蓄積するバッテリ(50)を搭載した請求項10記載の折畳可能な波力発電装置。
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