JP2020177869A - 塗布剤及び印刷物 - Google Patents

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Abstract

【課題】アスペクト比が高く、塗布体の断面形状が矩形に近い3次元構造の形状を印刷、転写できる塗布剤、それを使用した印刷物を提供する。【解決手段】グラビア版、スクリーン版、メタルマスク版、コーターヘッド、ディスペンサーニードル、又は押し出し印刷方式用の塗布剤である。カーボン又はカーボンブラックの少なくとも一方を含む導電性フィラー、合成樹脂、有機溶媒、及び芳香族混合炭化水素を含むペーストに対し、ケッチェンブラックと、溶解度パラメーターが11以上の添加剤とが添加された。【選択図】なし

Description

本発明は、塗布剤及び印刷物に関する。本発明は、精密で均一な膜厚のラインパターン、ストライプパターンや、特に立体的な3次元構造のパターンが要求される技術分野に用いられる塗布剤及び印刷物に好適な技術である。
従来から、電子部品等の電極や回路、電磁波シールドフィルム、電磁波シールド材等を形成するために、金属フィラーやカーボンブラックを樹脂中に分散させた導電性ペーストが使用されている。また、絶縁フィラーを分散させた絶縁性ペーストも使用されている。
近年、電子部品の高密度化が急速に進むと共に、その量産における作業性の向上及びコストダウンが重要な課題となってきている。このため、上記塗布剤から形成される電極等の導電性向上が強く求められている。また、それと同時に、電極等に電気を導通させた際に発生する熱を逃がすために、電極等の熱伝導性の向上も求められている。しかし、このような電極等を形成する塗布剤を得るために、導電性ペーストに対しカーボンブラック等の導電材を高濃度で充填すると、塗布剤の粘度が高くなって、塗布作業性が低下する。更に、高濃度での充填で、上記カーボンブラック等の沈降により、導電性ペーストの不均一化、及び電極等の脆性が問題となる。
また、塗布剤の粘度を低下させるために溶剤を添加する場合、その溶剤が塗布の際の過熱時に飛散し、これがボイドの原因となって接続部の熱伝導性の低下や電気抵抗の上昇などの不具合が発生する。また溶剤を添加する場合、ビア印刷、スクリーン印刷、フレキソ印刷、オフセット印刷、インクジェットなどで形成されたパターンにおいて、図1に示すように、印刷面に塗布した塗布体101の断面形状が、半円形状でかつアスペクト比が低い印刷となることが多い。なお、印刷面に塗布した塗布剤を、塗布体とも記載する。
以上のことから、アスペクト比が高く3次元的な立体構造の塗布体でも優れた導電性及び熱伝導性のペーストの開発が要望されているが、ハードルが低いフラットな粗い導電性膜形成による電極形成がなされているのが現状である。
しかし、断面形状が矩形でアスペクト比(底面に対する高さの比)が高い印刷が望まれている。塗布体の断面形状が矩形でアスペクト比が高いと、例えば、リチウムイオン電池の高アスペクト比のくし型電極形成が可能となり、高い出力特性で且つ長持ちする電池の製造が可能であると言われている。また、塗布体の断面形状が矩形でアスペクト比が高いと電子回路といった密集した配線を狭い面積に集約することができ、かつ、配線に流れる電流をより多く流すことが可能となり、更に配線表面積の増加で熱伝導性の向上につながり、放熱効果も期待できる。
印刷材料については、例えば現在、国立研究開発法人・新エネルギー・産業技術総合開発機構などが研究を進めている、IoT推進のための横断技術開発プロジェクトなど長期信頼性と安定性を兼ね備えた炭素技術がある。そして、その炭素技術をベースとする「低消費・高効率電力配分システム」、「安定通信システム」、「面計測システム」を統合した、シート型のIoT プラットフォームの基盤技術開発が実施されている。このような、炭素技術を使ったさまざまな分野が開拓されてきているなかで、「印刷可能な低抵抗炭素配線インキと同インキを使用した配線シート及び自然電位、塩化物イオンを検出可能なセンサ電極材料」といった具体的なニーズが発生してきている。
このニーズは、トンネルや橋梁など、老朽化した建築構造物などのインフラにIoT技術を導入し、任意のポイントにセンサーを設置し経時による劣化をモニタリングするといった内容である。そして、このセンサーへの電源供給として、無線若しくは有線、電池といった方法が検討されている。しかしながら、この電源供給を行う配線やセンサー回路等が、自然界に曝されると、酸性雨等の酸アルカリの化学的若しくは物理的な腐食が懸念される。一般的に、導電性を有する印刷用ペーストとして銀、銅などの金属フィラーを有機材料に混錬したものが一般的であるが、腐食が懸念される環境では使用できない。従って、導電性フィラーとして炭素が練りこまれているカーボンペーストが必要とされている。
しかしながら、これまで一般的な炭素若しくはカーボンブラックを使った導電ペースト(カーボンペースト)では、体積抵抗率が数10Ω・cmであった。最近になって、東洋インキSCホールディングス社製のカーボンインキ(RA FS 090)の体積抵抗率5×10−2Ω・cmや十条ケミカルのカーボンインキ(JELCON CH−8)の体積抵抗率1×10−2Ω・cmなど低抵抗のカーボンインキも市販されてきた。
しかし、これらのインキは、スクリーン印刷などの既存の印刷方法での印刷性を重視するため、粘度を低くしたものとなっている。従って、現在、線幅数mm単位の印刷配線で電源供給線を印刷している。しかし、この場合、配線に占める面積が多くなり汎用性がない。改善方法として、アスペクト比を高くすることで、印刷線幅を狭くし、導電線が占める面積を狭くする改善方法が考えられる。この改善は、より高粘度のインキを採用すれば実現可能となるが、印刷形状を維持するだけの高粘度となると印刷が出来ないという課題がある。
例えば、太陽電池モジュール用バス配線、フィンガー線などの高アスペクト比が求められる印刷方式として、一般的に使われているスクリーン印刷方式では、印刷すると断面形状が印刷物101の断面形状が印刷性を重視した低粘度インキのため、印刷後に形が崩れて横に広がり半円形状になってしまう(特許文献1)。
特に、数千Pa・sといった高粘度の塗布剤で印刷したい場合、スクリーン印刷は、開口部幅が数μmから百μmの版の場合は、塗布剤が開口部から吐出し難くなり、基材へ印刷できないことが多く、印刷できても歩留まりが悪いという現象が発生することがあった。
このような事情に対して一般的に行われている対処法は、塗布剤の粘度を下げるためにSP値(25℃における溶解度パラメーター値)が近い溶剤を添加して粘度を下げることである(特許文献2)。この対処法は、スクリーン印刷に限らず、グラビア印刷、スクリーン印刷、フレキソ印刷、オフセット印刷、インクジェット、コーターヘッド、ディスペンサー、押し出し印刷方式などといった印刷法でも同様である。
特開2005−174698号公報 特許第3856074号公報
印刷面に塗布した塗布剤である塗布体のアスペクト比が高く、塗布体の断面形状が矩形に近い3次元構造を維持し、体積抵抗率も優れかつ耐腐食性を有する低抵抗のカーボンペーストの開発が求められている。しかし、アスペクト比を高くする場合は、導電材料を高粘度とする必要があり、印刷性を良くするために塗布剤に溶剤を添加して粘度を低くして流動性を上げるといったトレードオフの関係がある。特にカーボンペーストの場合は、粘度を高くするために、カーボンブラック等の比率を上げるなどが行われる。ただし、カーボンブラック等の比率を上げると粘度が高くなり過ぎ、また有機溶媒等の吸収が制御できずに印刷用ペーストとして使用できない。また、抵抗値も上昇するなどの課題を抱えている。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって
アスペクト比が高く、塗布体の断面形状が矩形に近い3次元構造の形状を印刷、転写できる塗布剤、それを使用した印刷物を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明者が鋭意検討を重ねた結果、グラビア版、スクリーン版、メタルマスク版、コーターヘッド、ディスペンサーニードル押し出し方式吐出口等の印刷方式に使用するカーボンインキなどのペーストに添加する材料を規定することが上記吐出精度及び体積抵抗率などの物性を向上する点で好適であることを知見した。
すなわち、本発明の一態様は、グラビア版、スクリーン版、メタルマスク版、コーターヘッド、ディスペンサーニードル、又は押し出し印刷方式用の塗布剤であって、カーボン又はカーボンブラックの少なくとも一方を含む導電性フィラー、合成樹脂、有機溶媒、及び芳香族混合炭化水素を含むペーストに対し、ケッチェンブラックと、溶解度パラメーターが11以上の添加剤とが添加され、上記有機溶媒のうちの主な有機溶媒は、溶解度パラメーターが10未満の有機溶媒であることを要旨とする。
本発明の一態様の塗布剤によれば、コーターヘッド及びディスペンサー、グラビア版、スクリーン版、メタルマスク版、押し出し印刷方式で塗布した際に、パターン形状を維持してアスペクト比が高く、矩形に近い3次元構造を維持して吐出若しくは転写できるようになる。
この塗布剤を使用することで、例えばアスペクト比が高く、矩形に近い3次元構造の形状を有して、体積抵抗率、熱伝導率に優れた塗布体を備えた印刷物を提供することができる。
従来の印刷物の断面構造を示す図である。 本発明の一実施形態に係る塗布剤を基材上に吐出した状態を示す図である。 本発明の一実施形態に係る塗布剤を基材上に印刷した状態を示す図である。 実施形態3の本発明の一実施形態に係る塗布剤の構成を示す図である。 本発明の塗布剤構成による効果を示す図である。 本発明の塗布剤を基材上に吐出した形状を示す図であり、断面画像と腰部を説明する拡大断面図である。 実施例4の実施形態に係わる塗布剤を基材上に印刷した状態を示す図である。 見かけ上の粘度変化グラフを添加前を示す図である。 見かけ上の粘度変化グラフを添加後を示す図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
本発明の実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための構成を例示するものであって、各部の材質、形状、構造、配置、寸法等を下記のものに、特定するものでない。本発明の技術的思想は、発明請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
本実施形態の塗布剤は、グラビア版、スクリーン版、メタルマスク版、コーターヘッド、ディスペンサーニードル、又は押し出し印刷方式用の塗布剤である。
塗布剤は、カーボン又はカーボンブラックの少なくとも一方を含む導電性フィラー、合成樹脂、有機溶媒、及び芳香族混合炭化水素を含むカーボンペーストに対し、ケッチェンブラックと、溶解度パラメーターが11以上の添加剤とが添加されて構成される。
導電性フィラーが金属フィラーであっても良い。
塗布剤が、更に、グラフェン及びカーボンナノチューブの少なくとも一方を有していることが好ましい。
カーボンペーストを構成する有機溶媒のうちの主な有機溶媒は、溶解度パラメーターが10未満の有機溶媒であることが好ましい。主な有機溶媒とは、例えば、カーボンペーストを構成する有機溶媒のうちの45重量%以上好ましくは60重量%以上である。
溶解度パラメーターが11以上の添加剤は、例えば、滑り剤を構成する有機溶媒である。塗布剤に滑り剤を含むことで、塗布装置における、塗布剤が通過する通路や吐出口の面に対すると塗布剤の滑り性が良くなり、印刷後の塗布体の形状が、印刷版の開口形状、吐出口の形状を維持したまま塗布(吐出や転写)することが可能となる。
塗布剤は、グラフェンを含む場合、ケッチェンブラックが、カーボンペースト100部に対し0.1部以上5部以下の範囲で添加され、グラフェンが、カーボンペースト100部に対し0.1部以上5部以下の範囲で添加されることが好ましい。更にカーボンペースト、ケッチェンブラック及びグラフェンからなる混合物100部に対し、エチレングリコールを1部以上10部以下の範囲内で添加されることが好ましい。
塗布剤は、カーボンナノチューブを含む場合、ケッチェンブラックが、カーボンペースト100部に対し0.1部以上5部以下の範囲で添加され、カーボンナノチューブが、カーボンペースト100部に対し0.1部以上5部以下の範囲で添加されることが好ましい。更にカーボンペースト、ケッチェンブラック及びカーボンナノチューブからなる混合物100部に対し、エチレングリコールを1部以上10部以下の範囲内で添加されることが好ましい。
そして、以上の構成からなる塗布剤が、グラビア版、スクリーン版、メタルマスク版、コーターヘッド、ディスペンサーニードル、又は押し出し印刷で塗布されることで、基材の印刷面に塗布剤が塗布されて印刷物が構成される。
このとき、上記の塗布剤を使用することで、塗布されてなる塗布体の断面形状の有する角部が、全て10μm以下の円弧状からなるように構成することが可能となる。すなわち、アスペクト比が高く、矩形に近い3次元構造の形状を有して、体積抵抗率、熱伝導率に優れた塗布体を備えた印刷物を提供することができる。
更に、本実施形態の構成について詳説する。
(塗布剤)
本実施形態の塗布剤は、グラビア版、スクリーン版、メタルマスク版、コーターヘッド、ディスペンサーニードル、又は押し出し印刷方式用の塗布剤である。本実施形態の塗布剤は、塗布剤が接触する通路や吐出口、凹版、孔版などの表面が疎水性となっている塗布装置によって基材に塗布(吐出又は転写)されて塗布体となる。 本実施形態の塗布剤は、金属フィラー、カーボン及びカーボンブラックの少なくとも1つを含む導電性フィラー、合成樹脂、有機溶媒、及び芳香族混合炭化水素を含むカーボンペーストに対し、ケッチェンブラックと、溶解度パラメーターが11以上の添加剤とが添加されている。本実施形態の塗布剤は、更にグラフェン及びカーボンナノチューブの少なくとも一方を有していても良い。添加剤は、例えば滑り剤である。
すなわち、本実施形態の塗布剤(塗布組成物)は、カーボン、カーボンブラック、ケッチェンブラック、グラフェン、カーボンナノチューブなどを含む導電性フィラー、合成樹脂、有機溶媒、芳香族混合炭化水素と添加剤とを有し、必要に応じて他の添加剤が添加されてもよい。
ここで、上記添加剤は、カーボン、カーボンブラック、ケッチェンブラック、グラフェン、カーボンナノチューブなどを含む導電性フィラー、合成樹脂、有機溶媒、芳香族混合炭化水素の分散体へ対し、エチレングリコール、水、エチレングリコール及び水といった溶解度パラメーターが高い極性溶媒のことを示す。添加剤の溶解度パラメーター(SP値)は、11以上が好ましく、更には14.6から23.4の範囲内がより望ましい。
具体的には、カーボン、カーボンブラック、ケッチェンブラック、グラフェン、カーボンナノチューブなどを含む導電性フィラーを合成樹脂、有機溶媒、芳香族混合炭化水素で混錬されたカーボンペースト100部に、ケッチェンブラック0.1部〜5部とグラフェン若しくはカーボンナノチューブを0.5部〜5部添加して、混錬したペーストを1としたときに、エチレングリコールを1〜10重量%の範囲内で添加することによって、角部が全て10μm以下の円弧状となる断面形状の塗布体を有する印刷物を提供することができる。添加剤として、上記エチレングリコールに代わり、水を1〜5重量%の範囲内で添加してもよいが、エチレングリコールが最も良く、エチレングリコールと水の混合液でも同様の効果が得られる。
上記で述べている効果とは、カーボン、カーボンブラック、ケッチェンブラック、グラフェン、カーボンナノチューブなどを含む導電性フィラーを合成樹脂、有機溶媒、芳香族混合炭化水素で混錬されたカーボンペースト(市販品でもよい)で構成される合成樹脂、有機溶媒、芳香族炭化水素に、非相溶性の添加剤、本実施形態の肝であるエチレングリコールや水といった溶解度パラメーター(SP値)11以上、出来れば14.6から23.4の範囲にある添加剤を混錬することによって、カーボンペースト内に導電性フィラーを適度に分散した塗布剤を形成できる。この結果、コーターヘッド及びディスペンサー、グラビア版、スクリーン版、メタルマスク版、押し出し印刷方式用のペーストを吐出及び印刷する上記ペーストと親和しない疎水性の吐出口又は凹版501、孔版を有する印刷方法を行った際、吐出口、凹判、孔版の壁面と、塗布剤との界面に非相溶性の適度にちりばめられた添加剤(エチレングリコール若しくは水、又はエチレングリコールと水の混合液)502が染み出し、界面との滑り性を発現させる(図5参照)。この結果、心太のように被印刷物(基材など)へ押し出され、吐出口、凹判、孔版等の形状を維持したまま印刷される。更に、この塗布体を100〜130℃、30分以上で焼成することによって、体積抵抗率が8×10−2Ω・cmという低抵抗の印刷導線を形成することができる。
[構成の主旨]
上述したように、本実施形態の塗布剤は、その成分として、例えばカーボン、カーボンブラック、ケッチェンブラック、グラフェン、カーボンナノチューブ、金属フィラーなどを含む導電性フィラー、エチレンなどのモノマーとよばれる炭化水素を多数繋いだ重合体(ポリマー、高分子ともいう)などランダム共重合、ブロック共重合、グラフト共重合、縮合、架橋といった2種類以上のモノマーを化学的に結合させた合成樹脂、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテートなどの有機溶媒、アルキルナフタレン、ジメチルナフタレンなどの芳香族混合炭化水素とエチレングリコール、水などの添加剤とを有する。
上記添加剤は、上記、フィラー、合成樹脂、有機溶媒、芳香族混合炭化水素の分散体へ対し、エチレングリコール、水、エチレングリコール及び水の混合液といった溶解度パラメーターが高い極性溶媒のことを示す。
一般的に使われている溶解性パラメーター(Solubility Parameter、以下SP値ということがある)の考え方は、溶媒と溶質間に作用する力を分子間力と仮定した分子間力を凝集力の尺度として、SP値の差が小さい2つの成分は混ざりやすく(溶解度が大きい)、SP値の差が大きい2つの成分は混ざり難い(溶解度が小さい)ことが通説である。
すなわち、一般的な印刷用途で使用する塗布剤は、SP値の差が小さいバインダー(ポリマー)と溶剤(有機溶剤)及び添加剤を混合したものが、商品化されて使用されている。これに対し、本実施形態は、全く異なる考え方である。本実施形態では、使用する塗布剤の有機溶媒、溶剤に対し、SP値の差が小さい添加剤を混合するのではなく、SP値の差が極端に大きいエチレングリコールや水といった極性の高い添加剤を混錬することを重視して構成成分を定義している。
また、本実施形態の塗布剤を構成する成分に、カーボン、カーボンブラック、ケッチェンブラック、グラフェン、カーボンナノチューブなどを含む導電性フィラーとあるが、導電性能を更に向上させるために、必要に応じて銀粉、銅粉など金属類(金属フィラー)を混在させてもよい。この場合でも、本実施形態の効果は同様に発揮する。他に、導電性エラストマー主体、金属フィラー主体のペーストに本実施形態である、使用する塗布剤の溶媒、溶剤のSP値に対しSP値の差が極端に大きいエチレングリコールや水といった極性の高い添加剤でも効果を発揮する。添加剤のSP値は11以上であれば更に良い。
<添加剤>
添加剤のSP値は11以上である。
添加剤としては、次のものが例示できる。
n−プロパノール(SP値:11.8)、1,2,5,6−テトラヒドロベンジルアルコール(SP値:11.3)シクロヘキサノール(SP値:11.4)、n−ブタノール(SP値:11.4)、イソプロピルアルコール(SP値:11.5)、ジメチルホルムアミド(SP値:12)、ニトロメタン(SP値:12.7)、エタノール(SP値:12.7)、メタノール(SP値:14.5)、エチレングリコール(SP値:14.6)、グリセロール(SP値:16.5)、ホルムアミド(SP値:19.2)、水(SP値:23.4)
特に、添加剤としては、エチレングリコール又は水が好ましい。エチレングリコール又は水は、対象となるカーボンペーストへの分散や焼成時の膜形成に都合が良い。
<カーボンブラック>
カーボンブラックは、導電性を有する無定形炭素であり、油やガスを不完全に燃焼させたり、熱分解したりして製造される。カーボンブラックのDBP吸油量は、100mL/100g〜400mL/100gであることが望ましく、更には100mL/100g〜200mL/100gの範囲であることが好ましい。DBP吸油量とは、空隙容積を測定することでカーボンブラックのストラクチャーを間接的に定量化するもので、JIS K 6217−4に準拠して測定した数値である。なお「DBP」とはDibutylphtalateの略称である。
<ケッチェンブラック>
ケッチェンブラックは、導電性カーボンブラックの一種である。ケッチェンブラックは、ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ(株)が販売している商品名である。ケッチェンブラックは、DBP吸油量が、グラフェン、カーボンナノチューブなどのグラファイト、アセチレンブラックなどに比べ多く、その分少量の添加で導電性を付与できる傾向がある。例えば、ケッチェンブラックでは、他の導電性カーボンブラックの1/2から1/3の添加量で、他の導電性カーボンブラックと同等の体積抵抗率を得られるとされる。よって、本発明を実現する要ともいえる物質である。今回の実施例で使用したECPは、DBP吸油量:365mL/100gである。
<グラフェン>
グラフェンは、グラファイトを単層シート状に加工したもので、特徴としては透過率97.3%、熱伝導度5300W/m・k、電気伝導性10−6Ω・cm、引張係数1TPa、ガスバリア性、電磁シールド特性、耐腐食特性、高比表面積など、注目されている素材である。本発明では、特にグラフェンの電気伝導性(体積抵抗率)が10−6Ω・cmであること、耐腐食性であることを利用した。
<カーボンナノチューブ>
カーボンナノチューブは、グラフェンの単層シートを丸めて円筒状にした構造である。従って、カーボンナノチューブは、グラファイトの仲間と考えてよい。グラフェンには単層と多層のものがある。真密度は概ね1.4g/mLのものを使う。カーボンブラックは概ね1.8g/m、グラファイトは、概ね2.1g/mと軽量な導電材料であるが、密度が無い分多くを消費してしまうため、コスト高となる。好ましいカーボンナノチューブの直径は10nmから20nmで、カーボンナノチューブのアスペクト比は、100から1000であることが望ましい。
<グラファイト>
グラファイトは、炭を2,700〜3,000℃程高い温度で空気を遮断した状態で熱処理することにより、「C(炭素)」原子の周りにある不純物を燃焼・気化させ、黒鉛化して作られた純粋な炭(規則的な配列をしている「C」原子の結晶体)を指す。
<カーボン>
カーボンは、純粋な「C」原子の固まりとしてある物質の素で、導電性はほとんどない。主に黒の顔料として使用される。
<押し出し印刷方式>
押し出し印刷方式は、一般に3Dプリンターのことを指し、3DCAD、3DCGデータを元に立体を造形する。押し出し印刷方式には、液状の樹脂に紫外線などを照射し少しずつ硬化させていく光造形方式、熱で融解した樹脂を少しずつ積み重ねていくFDM方式(Fused Deposition Modeling, 熱溶解積層法)、粉末の樹脂に接着剤を吹きつけていく粉末固着方式などの方法があるが、本実施形態が対象とする押し出し方式は、光造形方式とFDM方式を対象としている。
[添加剤の添加量]
添加剤の添加量としては、カーボン、カーボンブラック、ケッチェンブラック、グラフェン、カーボンナノチューブなどを含む導電性フィラーを合成樹脂、有機溶媒、芳香族混合炭化水素で混錬されたカーボンペースト100部に、ケッチェンブラック0.1部〜5部と、グラフェン若しくはカーボンナノチューブを0.1部〜5部とを添加し、混錬したペーストを1としたときに、エチレングリコールを1〜10%の範囲内で添加することが好ましい。この場合、角部が10μm以下の円弧状の断面形状を有する断面矩形の塗布体を提供することができる。エチレングリコールに代わり、水を1〜5%の範囲内で添加してもよいが、エチレングリコールが最も良く、エチレングリコールと水の混合液でも同様の効果が得られる。
本実施形態の塗布剤の構成の考え方について説明する。
例えば、塗布剤がゴム又はエラストマー(ポリマー)と油(溶剤)の混合の場合を考える。このとき、ゴム又はエラストマー(ポリマー)と油(溶剤)を混合した場合、ゴム又はエラストマーは膨潤する。これは、ゴム又はエラストマーの分子間に油が入り込む現象で、油がゴムと混ざりやすければ膨潤し、混ざり難ければ膨潤し難いということになる。つまり、塗布剤を構成する有機溶媒の材料の溶解度パラメーターが10未満で好ましくは9以下の場合に、溶解度パラメーターが11以上の添加剤を添加することで、極性の異なる物質同士混ざり難いということから、スポンジのような構成となる。これによって、塗布剤に外からの圧力が掛かった場合などは、溶解度パラメーターが高い添加剤が浮き上がった状態で滲みでることになる。ケッチェンブラックなどの導電性カーボンブラックなどのDBP吸油量などからも判るが、有機溶媒、添加剤等の油の吸収の影響もあるが、添加剤添加前に塗布剤に含まれている有機溶媒の溶解度パラメーターが特に9以下の場合は、塗布剤が粘性体として振る舞い、塗布剤を印刷した時に、印刷形状が崩れてしまう。しかし、11以上の特にエチレングリコールの溶解度パラメーター14.6以上の添加剤を添加すると、塗布剤が粘性体から弾性体に振る舞い印刷形状が維持される効果があることを、発明者は発見した。
上記、特性を持つ塗布剤により、コーターヘッド及びディスペンサー、グラビア版、スクリーン版、メタルマスク版、押し出し印刷方式吐出口に形成された疎水性の吐出口又は凹版、孔版を介して、添加剤が、本実施形態の塗布剤と、疎水性の吐出口又は凹版、孔版の表面との界面に薄い皮膜503を作り(図5参照)、滑り性を与えられ上記特性を持つ塗布剤は、形が崩れることなく、塗布装置の吐出口又は凹版、孔版の形状のまま基材上(印刷面)に印刷又は塗布できる。
このように、例えば矩形の疎水性の吐出口から塗布剤が吐出されてなる吐出物(塗布体)は断面形状が矩形のパターンを形成できる。このため、導電性インキで形成した場合、断面積を縦×横の寸法、若しくは(上底+下底)×高さ÷2から容易に算出することが可能となる。すなわち、非破壊でかつ安定した電気抵抗値を示すパターン形成が可能である。
本実施形態の塗布剤の構成では、ケッチェンブラックと、グラフェン又はカーボンナノチューブを含有することが好ましい。
従来から、塗布体のアスペクト比が高く、矩形に近い3次元構造を維持し、体積抵抗率も優れる低温焼成カーボンペーストが求められているが、アスペクト比を高くする場合は、導電材料を高粘度する必要がある。しかし、印刷性を良くするために溶剤を添加して粘度を低くして流動性を上げるといったトレードオフの関係があった。本実施形態は、これを解消した。
本実施形態の塗布剤の構成であるケッチェンブラックとグラフェン又はカーボンナノチューブの含有は、塗布した塗布体は、のアスペクト比が高く、矩形に近い3次元構造を維持し、体積抵抗率も優れるパターンを形成できる。ケッチェンブラックとグラフェン、ケッチェンブラックとカーボンナノチューブの組合せは、もっとも好ましい最低限の組み合わせである。ケッチェンブラックだけでも、グラフェンだけでも、カーボンナノチューブだけでも、最適な印刷形状維持性能及び体積抵抗率が優れたパターン形成が出来ないおそれがある。
本実施形態である塗布剤の構成である、ケッチェンブラックとグラフェン混錬における実施形態を例示する。
例えば十条ケミカル株式会社製造のJELCON CH−8カーボンペーストをベースにした場合、カーボン、カーボンブラック、ケッチェンブラック、グラフェン、カーボンナノチューブなどを含む導電性フィラーを除く、合成樹脂、有機溶媒、芳香族混合炭化水素の有機溶媒には、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテートが、重量45〜55%の重量比で主有機溶媒として重量占めている。このジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテートの溶解度パラメーターは9であるため、溶解度パラメーター11以上の添加剤であるエチレングリコール又は水などを添加することで、塗布剤が粘性体から弾性体に振る舞いかつ滑り性の発現が可能となる。
ただし、この十条ケミカル株式会社製造のJELCON CH−8カーボンペーストに対し、単純に上記添加剤を例えば1〜10%添加して印刷に使用しても、印刷形状の維持と体積抵抗率が優れるパターン形成が出来ない。
これは、非相溶性の添加剤を入れることによって、十条ケミカル株式会社製のJELCON CH−8カーボンペーストの導電性フィラー間のリンクが失われてしまうこと、もともとの粘度が低いことが関係している。そこで、本実施形態では、ケッチェンブラックの吸油能力による凝集とグラフェンの特徴である単層薄膜構造による導電性フィラー間のリンク修復効果402と高い体積抵抗率(×10−6Ω・cm台)の組合せとして、上記カーボンペースト100部に、ケッチェンブラック0.1部〜5部とグラフェンを0.1部〜5部添加することが好ましい。この場合、形状維持性及び体積抵抗率の悪化を防ぐことができる。グラフェンは平坦な構造であるため、ケッチェンブラックのような吸油量も無いため、形状維持性は期待できない分導電性に貢献し、ケッチェンブラックは吸油量がある。このため、凝集力によるグラフェンの保持力に貢献し、形状保持及びリンク回復の効果を出していると考えられる。つまりケッチェンブラックとグラフェンの組合せは、好適な組み合わせとなる。
上記構成で、グラフェンに変えてカーボンナノチューブを使用した場合も同様の傾向を発現したことを確認している。
次に、本実施形態である添加剤の構成である溶解度パラメーター11以上のエチレングリコール又は水における実施形態を例示する。
例えば、十条ケミカル株式会社製造のJELCON CH−8カーボンペーストをベースにした場合、カーボン、カーボンブラック、ケッチェンブラック、グラフェン、カーボンナノチューブなどを含む導電性フィラーを除く、合成樹脂、有機溶媒、芳香族混合炭化水素の有機溶媒には、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテートが重量45〜55%の重量比で主溶媒として占めている。このジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテートの溶解度パラメーターは9であるため、溶解度パラメーター11以上の添加剤であるエチレングリコール又は水などを添加することで塗布剤が粘性体から弾性体に振る舞いかつ滑り性の発現が可能となる。
更に、形状維持特性及び体積抵抗率の悪化を防ぐため、ケッチェンブラックの吸油能力による凝集とグラフェンの特徴である単層薄膜構造による導電性フィラー間のリンク修復効果と高い体積抵抗率(×10−6Ω・cm台)の組合せとして、カーボンペースト100部に、ケッチェンブラック0.1部〜5部とグラフェンを0.1部〜5部添加することが好ましい。この場合、通常、ケッチェンブラック等のフィラーを混錬すると、高粘度となり、コーターヘッド及びディスペンサー、グラビア版、スクリーン版、メタルマスク版押し出し印刷方式用のペーストを吐出及び印刷で、印刷が出来ない状況になるのが普通であるが、本実施形態である添加剤の構成である溶解度パラメーター11以上のエチレングリコール又は水の添加によって、せん断における見かけ上の粘度が低くなる効果が得られることで、本来印刷詰まって印刷できない塗布剤でも印刷できるという効果を奏する。
本実施形態の印刷物を構成する塗布体602は、コーターヘッド及びディスペンサー、グラビア版、スクリーン版、メタルマスク版、押し出し印刷方式より基材上に塗布した断面形状が、角部が全て10μm以下の円弧状をなす角部となっている(図6参照)。この塗布体は、カーボンを含むカーボンブラックなどの導電性フィラー、合成樹脂、有機溶媒、アルキルナフタレン及びジメチルナフタレンなどを主成分とする芳香族混合炭化水素で構成されるカーボンペーストに、グラフェン及びケッチェンブラックを分散したペーストへ、エチレングリコール、水、エチレングリコール及び水などの添加剤を有する。添加剤であるエチレングリコールの溶解度パラメーター14.6、水の溶解度パラメーター23.4は、カーボンペーストに使用されている有機溶媒(8〜10前後)に比べ高い溶解度パラメーターを示している。グラフェンの代替としてカーボンナノチューブ若しくは、グラフェン及びカーボンナノチューブの混合粉を分散しても良い。
(実施例1)
カーボンペースとして、十条ケミカル株式会社製のJELCON CH−8を採用した。そのカーボンペーストについて、導電性フィラーであるカーボン、カーボンブラック、合成樹脂を除いた溶媒の構成を確認し、JELCON CH−8の重量パーセントで45%から55%と占めている主有機溶媒がジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート(SP値:9)であることを確認した。そして、溶解度パラメーター(SP値)が高い溶解度パラメーター11以上のエチレングリコール(SP値14.6)や水(SP値:23.4)などの極性が高い添加剤を使用しても、非相溶に十分なることを確認した。
次にJELCON CH−8のカーボンペーストを40g、ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ(株)のケッチェンブラック(品名:ECP)を上記カーボンペースト100部に対し重量比0.1部から5部の範囲で加え3本ロールミルで混錬した。更に、上記のJELCON CH−8のカーボンペーストとケッチェンブラック(品名:ECP)の混錬物を100部とした時に、グラフェン(Gi−PW−F031 Angstoron matelials社製、粒度分布4〜12μm、厚み10〜20nm、比表面積>15m/g)を重量比で、0.1部から5部の範囲で加え、3本ロールミルで混錬した。上記のグラフェンを混錬した混錬物に、溶解度パラメーターの高いエチレングリコール(SP値14.6)を添加剤として重量比で1部から10部加え、攪拌機で攪拌、脱泡(真空環境下)を行って、実施例1の塗布剤を製作した。
上記で作製した塗布剤を使って500μm×500μm角の吐出口を1mmピッチで横に配列した吐出ヘッドより、モーノディスペンサーを使って、タンク圧力500kPa、基材とヘッドの隙間0mm、吐出量0.09ml/s、描画速度60mm/sの条件で、基材としてのポリイミドフィルム上に吐出した。JELCON CH−8自体を塗布剤として使用した場合、断面形状が半円形状のラインが吐出された。これに対し、本実施例1の塗布剤を使用した場合、シャープな矩形のラインが7本(201)吐出された(図2参照)。
次に、本実施例1の塗布剤を使用し、ポリイミドフィルム上へ上記条件にて吐出して形成した塗布体の矩形パターンを、130℃30分で焼成した。その結果、JELCON CH−8に対するケッチェンブラック(ECP)の重量比が0.1部から5部の範囲で、グラフェン(Gi−PW−F031 Angstoron matelials社製)の重量比が、JELCON CH−8とケッチェンブラック(ECP)の上記混合物を100とした時に0.1部から5部の範囲で、エチレングリコール(SP値14.6)の重量比が、JELCON CH−8とケッチェンブラック(ECP)の上記混合物を100部とした時に1部から10部の範囲とした塗布剤の場合には、塗布体が、本発明の特徴の一つである吐出した矩形パターンを維持できることが判った。
更に、吐出した矩形パターンの体積抵抗率(Ω・cm)を4端子法テスターで測定し求めた結果、JELCON CH−8に対するケッチェンブラック(ECP)の重量比が2.5部で、JELCON CH−8とケッチェンブラック(ECP)の上記混合物を100部とした時にグラフェン(Gi−PW−F031 Angstoron matelials社製)の重量比が1部、JELCON CH−8とケッチェンブラック(ECP)の上記混合物を100部とした時に、エチレングリコール(SP値14.6)の重量比が、4.75部近辺において、体積抵抗率8.0×10−2Ω・cmを示した。
(実施例2)
カーボンペーストとして、十条ケミカル株式会社製のJELCON CH−8カーボンペーストを採用した。そのカーボンペーストにおいて、導電性フィラーであるカーボン、カーボンブラック、合成樹脂を除いた溶媒の構成を確認し、JELCON CH−8の重量パーセントで45%から55%と占めている主有機溶媒がジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート(SP値:9)であることを確認した。そのカーボンペーストに対し、溶解度パラメーター(SP値)が高い溶解度パラメーター11以上のエチレングリコール(SP値14.6)や水(SP値:23.4)などの極性が高い添加剤を使用しても、非相溶に十分なることを確認した。
次にJELCON CH−8のカーボンペーストを40g、ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ(株)のケッチェンブラック(品名:ECP)を上記カーボンペーストに対し重量比0.1部から5部の範囲で加え3本ロールミルで混錬した。更に、上記のJELCON CH−8のカーボンペーストとケッチェンブラック(品名:ECP)の混錬物を100部とした時に、カーボンナノチューブ(CNT:平均繊維径65nmから105nm)を重量比で、0.1部から5部の範囲で加え、3本ロールミルで混錬した。上記のカーボンナノチューブを混錬した混錬物に、溶解度パラメーターの高いエチレングリコール(SP値14.6)を添加剤として重量比で1部から10部加え、攪拌機で攪拌、脱泡(真空環境下)を行って実施例2の塗布剤を製作した。
上記で作製した塗布剤を使って、500μm×500μm角の吐出口を1mmピッチで横に配列した吐出ヘッドより、モーノディスペンサーを使って、タンク圧力500kPa、基材とヘッドの隙間0mm、吐出量0.09ml/s、描画速度60mm/sの条件で、ポリイミドフィルム上に吐出した。JELCON CH−8のカーボンペーストだけからなる塗布剤を使用した場合、断面形状が半円形状のラインが吐出される。これに対し、本実施例2の塗布剤を使用した場合には、シャープな矩形のラインが7本(401)吐出された。
次に、実施例2の塗布剤を使用し、基材としてのポリイミドフィルム上へ上記条件にて吐出した矩形パターンを130℃30分で焼成した。その結果、JELCON CH−8に対するケッチェンブラック(ECP)の重量比が0.1部から5部の範囲で、カーボンナノチューブ(CNT:平均繊維径65nmから105nm)の重量比が、JELCON CH−8とケッチェンブラック(ECP)の上記混合物を100部とした時に0.1部から5部の範囲で、エチレングリコール(SP値14.6)の重量比が、JELCON CH−8とケッチェンブラック(ECP)の上記混合物を100部とした時に1部から10部の範囲で構成した塗布剤では、吐出した矩形パターンを維持できることが判った。
更に、吐出した矩形パターンの体積抵抗率(Ω・cm)を4端子法テスターで測定し求めた。その結果、JELCON CH−8に対するケッチェンブラック(ECP)の重量比が2.5部で、JELCON CH−8とケッチェンブラック(ECP)の上記混合物を100部とした時にカーボンナノチューブ(CNT:平均繊維径65nmから105nm)の重量比が1部、JELCON CH−8とケッチェンブラック(ECP)の上記混合物を100部とした塗布剤では、エチレングリコール(SP値14.6)の重量比が、7.4部近辺で、体積抵抗率9.2×10−2Ω・cmを示した。
実施例1及び実施例2において、グラフェン、カーボンナノチューブの重量比を0部とした場合は、全てにおいて体積抵抗率が10−1Ω・cm台と悪化した。また、ケッチェンブラック(ECP)の重量比を0部とした場合は、全てにおいて印刷形状が維持されなかった。従って、ケッチェンブラック(ECP)の重量比が0.1部から5部の範囲で、グラフェン、カーボンナノチューブ(CNT:平均繊維径65nmから105nm)の重量比が、JELCON CH−8とケッチェンブラック(ECP)の上記混合物を100部とした時、0.1部から5部の範囲で両者が混在することが必要不可欠であることが分かった。
(実施例3)
実施例1で形状維持性及び体積抵抗率を10−2Ω・cm台を実現した塗布剤を使って、線幅200μm、膜厚150μmのメタルマスク、スキージゴム硬度70度、アタック角70度、クリアランス200μm、印刷速度50mm/sで孔版印刷を実施した。結果、線幅200μmに対し、高さ90.88μmのシャープな矩形の高アスペクト比の印刷301ができた(図3参照)。通常のメタルマスク701はゼロギャップ印刷が主流であるが、クリアランス704を高く設けることによって、印刷時のスキージの押し当てによるペースト702の基材705への付着と、印刷終了後のメタルマスクの剛性からくる基材上方へのせん断703によって、メタルマスクと本発明のペーストとの界面に滑り性が発生し、形状を維持したまま垂直に立ち上がった矩形の印刷物を得られた。
(実施例4)
実施例2で形状維持性及び体積抵抗率を10−2Ω・cm台を実現した塗布剤を使って、線幅200μm、膜厚150μmのメタルマスク、スキージゴム硬度70度、アタック角70度、クリアランス200μm、印刷速度50mm/sで孔版印刷を実施した。結果、線幅200μmに対し、高さ90.88μmのシャープな矩形の高アスペクト比の印刷501ができた(図5参照)。通常のメタルマスク701はゼロギャップ印刷が主流であるが、クリアランス704を高く設けることによって、印刷時のスキージの押し当てによるペースト702の基材705への付着と、印刷終了後のメタルマスクの剛性からくる基材上方へのせん断703によって、メタルマスクと本発明のペーストとの界面に滑り性が発生し、形状を維持したまま垂直に立ち上がった矩形の印刷物を得られた(図7参照)。
(実施例5)
実施例1及び実施例2で使用した十条ケミカル株式会社製のJELCON CH−8カーボンペーストの他に、東洋インキSCホールディングス社製のカーボンインキ(RA FS 090)をカーボンペーストとして採用して、同様の実験を実施した。
このカーボンペーストはジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート重量比25〜35%、カーボン重量比15〜25%、合成樹脂重量比15〜25%、イソホロン重量比10〜20%、γブチロラクトン重量比10〜20%、カーボンブラック重量比1〜10%である。対象となるカーボンペーストのカーボン、カーボンブラック、ケッチェンブラック、グラフェン、カーボンナノチューブなどを含む導電性フィラーを除く、合成樹脂、有機溶媒、芳香族混合炭化水素の有機溶媒の溶解度パラメーターを調べ、主溶媒の溶解度パラメーターが10以下かを判断した。主有機溶媒であるジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート重量比25〜35%の溶解度パラメーター(SP値)は9、イソホロン重量比10〜20%の溶解度パラメーター(SP値)は、9で、γブチロラクトン重量比10〜20%の溶解度パラメーター(SP値)は、9.9と全て溶解度パラメーター10以下である。そして、溶解度パラメーター(SP値)11以上であるエチレングリコール、水などを使って、混錬する。これによって、塗布剤に対し、滑り性を塗布剤へ付与し、印刷後の形状を維持できると判断した。
実際に実施例1で行った要領で、塗布剤の調合及び塗布体積抵抗率の測定を行った。その結果、東洋インキSCホールディングス社製のカーボンインキ(RA FS 090)を40g、ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ(株)のケッチェンブラック(品名:ECP)を上記カーボンペーストに対し重量比0.1部から5部の範囲で加え3本ロールミルで混錬した。更に、上記の東洋インキSCホールディングス社製のカーボンインキ(RA FS 090)のカーボンペーストとケッチェンブラック(品名:ECP)の混錬物を100部とした時に、グラフェンを重量比で、0.1部から5部の範囲で加え、3本ロールミルで混錬した。上記のグラフェンを混錬した混錬物に、溶解度パラメーターの高いエチレングリコール(SP値14.6)を添加剤として重量比で1部から10部加え、攪拌機で攪拌、脱泡(真空環境下)を行って実施例5の塗布剤を製作し、500μm×500μm角の吐出口を1mmピッチで横に配列した吐出ヘッドより、モーノディスペンサーを使って、タンク圧力500kPa、基材とヘッドの隙間0mm、吐出量0.09ml/s、描画速度60mm/sの条件で、基材としてのポリイミドフィルム上に吐出した。カーボンインキ(RA FS 090)そのものを塗布剤とした場合には、断面形状が半円形状のラインが吐出されるが、本実施例5の塗布剤を使用した場合、シャープな矩形のラインが7本(401)吐出された。
また、本実施例5の塗布剤を使用し、基材としてのポリイミドフィルム上へ上記条件にて吐出した矩形パターンを130℃30分で焼成した。その結果、東洋インキSCホールディングス社製のカーボンインキ(RA FS 090)に対するケッチェンブラック(ECP)の重量比が0.1部から5部の範囲で、グラフェンの重量比が、東洋インキSCホールディングス社製のカーボンインキ(RA FS 090)とケッチェンブラック(ECP)の上記混合物を100部とした時0.1部から5部の範囲で、エチレングリコール(SP値14.6)の重量比が、東洋インキSCホールディングス社製のカーボンインキ(RA FS 090)とケッチェンブラック(ECP)の上記混合物を100部とした時、1部から10部の範囲で塗布剤を構成して吐出した場合、吐出した矩形パターンを維持できることが判った。更に、吐出した矩形パターンの体積抵抗率(Ω・cm)を4端子法テスターで測定し求めた。その結果、東洋インキSCホールディングス社製のカーボンインキ(RA FS 090)に対するケッチェンブラック(ECP)の重量比が2.5部で、東洋インキSCホールディングス社製のカーボンインキ(RA FS 090)とケッチェンブラック(ECP)の上記混合物を100部とした時、カーボンナノチューブ(CNT:平均繊維径65nmから105nm)の重量比が1部、東洋インキSCホールディングス社製のカーボンインキ(RA FS 090)とケッチェンブラック(ECP)の上記混合物を100部とした時、エチレングリコール(SP値14.6)の重量比が、7.4部近辺で、体積抵抗率9.5×10−2Ω・cmを示した。
この結果から、図4に示すように、グラフェンやカーボンナノファイバー401はスカーフのような単層の板状構造、ナノレベルの繊維状をしているため、個々のカーボン粒子とのリンクを形成し、ケッチェンブラックの凝集力によって、上記実施例のような強固な3次元構造の印刷効果が得られたと考えてよい。
実施例1〜4における主な諸特性評価結果を表1及び表2に示す。
また、十条ケミカル株式会社製のJELCON CH−8からなるカーボンペーストと、ケッチェンブラック(ECP)3.5部混錬した混錬物に対し、溶解度パラメーター11以上のエチレングリコールを10部の添加剤を添加混錬した際の効果として、見かけ上の粘度変化グラフを添加前(図8)、添加後(図9)として示す。
添加前粘度2514Pa・sに対し、添加後粘度17.55Pa・sと一気に高粘度から低粘度にシフトすることが判る。形状保持能力の指標として、回転式粘度計AR2000E(ティー・エイ・インスツルメント社製)にて粘弾性測定を実施した。その結果、測定条件、周波数20Hzから0.1Hz、歪み量:0.02%(固定)、ギャップ1mm、コーン:スチールセパレート25mmで、損失弾性率G”と貯蔵弾性率G’との位相差(°)で、8.07°から10.01°のレンジでほとんど変わらないことを確認した。
位相差(°)の指標で、45°以下の場合は、固体(弾性体)として振舞うことが判っているため、今回の結果が10°近辺のため、形状保持能力は高いことが言える。従って、本発明の効果によって、高粘度のペーストを低粘度のペーストとして印刷、吐出ができ、更に印刷後の形状が崩れないことが裏付けられた。
Figure 2020177869
Figure 2020177869
以上説明したように、本発明の一態様によれば、以下の効果を奏する。
(a)塗布体として断面矩形に近いパターンが形成できるため、本実施形態の塗布剤を導電性インキで形成した場合、断面積を縦×横の寸法、若しくは(上底+下底)×高さ÷2から算出することが可能で、非破壊でかつ安定した電気抵抗値を示す導線を形成できる。
(b)塗布装置における吐出口若しくは版パターン開口部の形状に近い形状で塗布剤を印刷や転写することが出来るため、形状による視覚的効果(光学的効果含む)を持つパターン形成ができる。
(c)塗布剤を塗布した塗布体が、基材に対し、垂直に切立った面を形成できるため、ライン吐出の場合、例えば矩形のラインの間隙を極限まで詰めた構造体を作ることができる。
(d)塗布体として、アスペクト比(高さ/底辺)が高い矩形パターンを形成することができ、狭い幅により多くのライン形成が可能である。
(e)グラフェン、カーボンナノチューブを加えることにより、塗布体のアスペクト比が高く、塗布体が断面矩形に近い3次元構造を維持し、体積抵抗率も優れる導電パターン形成が可能である。
すなわち、本実施形態は、エレクトロニクス分野、高機能フィルム分野、セキュリティー分野などへの利用の可能性があり、フォトリソやナノインプリントで形成ができない構造物まで形成できる可能性がある。
本発明は、これまで印刷できなかった矩形に近い3次元構造パターンをカーボンで形成できることが大きく、形状維持性が高いため、矩形以外の断面がT字、L字、逆テーパーなどの配線パターンを描くことができる。立体的な構造のパターンが要求される分野において、例えば、放熱能力が要求される高アスペクト比のヒートシンク、耐腐食性のある電気配線、抵抗器、コンデンサー等の小型電子部品、液晶表示素子(LCD)用のカラーフィルター、燃料電池電極、全固体電池電極、太陽電池、センサーなどの構造体を、簡単に、品質よく、コストも安価に製造することができる等幾多の作用効果を示す。また、今回はカーボンを例にしているが、例えば、アルミ、銀、銅粉などで構成される導電性ペーストにも同様の構成で展開できる。濡れ性の指標である接触角の大きい表面を持つ疎水性の吐出口及びパターン形状を持つ版に対し利用可能である。
101…塗布剤
201…シャープな矩形のライン7本
301…高アスペクト比の印刷
401…グラフェン
402…フィラー
501…吐出口
502…添加剤
503…皮膜
602…印刷物又は吐出物
603…角部
701…メタルマスク
702…ペースト
703…上方へのせん断
704…クリアランス
705…基材

Claims (6)

  1. グラビア版、スクリーン版、メタルマスク版、コーターヘッド、ディスペンサーニードル、又は押し出し印刷方式用の塗布剤であって、
    カーボン又はカーボンブラックの少なくとも一方を含む導電性フィラー、合成樹脂、有機溶媒、及び芳香族混合炭化水素を含むペーストに対し、ケッチェンブラックと、溶解度パラメーターが11以上の添加剤とが添加され、上記有機溶媒のうちの主な有機溶媒は、溶解度パラメーターが10未満の有機溶媒である塗布剤。
  2. グラビア版、スクリーン版、メタルマスク版、コーターヘッド、ディスペンサーニードル、又は押し出し印刷方式用の塗布剤であって、
    金属フィラーを含む導電性フィラー、合成樹脂、有機溶媒、及び芳香族混合炭化水素を含むペーストに対し、ケッチェンブラックと、溶解度パラメーターが11以上の添加剤とが添加され、上記有機溶媒のうちの主な有機溶媒は、溶解度パラメーターが10未満の有機溶媒である塗布剤。
  3. 更にグラフェン及びカーボンナノチューブの少なくとも一方を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の塗布剤。
  4. グラフェンを含み、
    上記ケッチェンブラックは、上記ペースト100部に対し0.1部以上5部以下の範囲で添加され、
    上記グラフェンは、上記ペースト100部に対し0.1部以上5部以下の範囲で添加され、
    更に、上記ペースト、上記ケッチェンブラック及び上記グラフェンからなる混合物100部に対し、エチレングリコールを1部以上10部以下の範囲内で添加されることを特徴とする請求項3に記載の塗布剤。
  5. カーボンナノチューブを含み、
    上記ケッチェンブラックは、上記ペースト100部に対し0.1部以上5部以下の範囲で添加され、
    上記カーボンナノチューブは、上ペースト100部に対し0.1部以上5部以下の範囲で添加され、
    更に、上記ペースト、上記ケッチェンブラック及び上記カーボンナノチューブからなる混合物100部に対し、エチレングリコールを1部以上10部以下の範囲内で添加されることを特徴とする請求項3に記載の塗布剤。
  6. 基材と、基材の上に形成され、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の塗布剤の塗布からなる塗布体と、を備え、上記塗布体の断面形状の有する角部が、10μm以下の円弧状からなることを特徴とする印刷物。
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