JP2020176378A - グランド整備具及びグランド整備方法 - Google Patents
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Abstract
Description
下記特許文献1には、車両等で牽引してグランド上を引き摺り回す金属製の枠体と、枠体の下面に3列に渡って複数設けられた棒状の突起とを備えたグランド整地用器具が開示されている。
また下記特許文献2には、上方開口の箱型で錘を収容できる整備器具本体と、土を掻き起こす3角形状をなす鋸歯状の掻き起こし機構部とを備えたグランド整備器具が開示されている。
そこで、耕起、撹拌、不陸調整の各整備工程を少ない人員で且つグランドの状態に応じて容易に確実に行うことができるグランド整備具及びグランド整備方法が求められている。
また本発明に係るグランド整備方法は、前記記載のグランド整備具と、水の量で重量調整を自在とした転圧ローラとを少なくとも用いて行うグランド整備方法であって、前記グランド整備具における前記枠体外に前記爪部を突出させた状態でグランドの耕起、撹拌を行った後、前記枠体内に前記爪部を収容させた状態でグランドの不陸調整を行い、その後、前記転圧ローラでグランドの転圧を行うことを特徴とする。
本実施形態に係るグランド整備具1は、枠体2と、前記枠体内に重量調整自在に載置される重し部3と、グランドを耕起する複数の爪部4と、枠体2内に耕起されたグランドの土を抱え込むようにして撹拌する撹拌空間8とを備え、前記爪部4は前記枠体2に軸支された支持部5に設けられ、前記支持部5を回動させると前記爪部4が前記枠体2内に収容若しくは前記枠体2外に突出することを特徴とする。以下、詳述する。
まず、図1〜図5を参照しながら、本実施形態に係るグランド整備具1について説明する。
グランド整備具1は、車両等によって牽引して使用され、その車両は大型トラックでも普通車でも軽乗用車でもよく、速度5〜15km/hでグランド整備具1を牽引できれば、特に限定されない。本実施形態では、車両10として軽トラックを用いた例を示している。図1(a)に示すように、軽トラックであれば、荷台にポリタンク30…を積むことができ、小回りが効き、一定の馬力も期待できるため、好適である。グランド整備具1は、枠体2と、重量調整自在な重し部3と、グランドを耕起する複数の爪部4と、枠体2内に耕起されたグランドの土を抱え込むようにして撹拌する撹拌空間8とを備えている。以下、各構成要素について説明する。
枠体2は、下枠20と上枠21とを備え、図例のものは、下枠20に爪部4及び支持部5が設けられ、上枠21に重し部3が設けられる。枠体2の形状や構成は特に限定されないが、図2に示すように平面視において長方形の下枠20と、縦及び横に配された複数の桟材で構成された上枠21とを備えたものとしてもよい。枠体2の材質は特に限定されないが、総重量が50kg〜80kgが望ましく、適度な重さと剛性を備えた鉄製が好適に用いられる。枠体2の総重量はグランド整備を的確に行うための重要な要素といえる。枠体2の総重量が50kgを下回ると、枠体2が軽量で安定して車両10に牽引されにくくなり、グランド整備の種々工程において重し部3での重量調整が難しくなる傾向となる。一方、枠体2の総重量が80kgを超えると、枠体2を運搬する際に人手を要し、取扱い性が悪化する。またあまりに枠体2の重量が大きいと、車両で牽引し難くなってしまう。枠体2の総重量が50kg〜80kgであれば一人もしくは二人で運搬することが可能となり、取扱い性がよく、グランド整備において十分な重量といえる。よって耕起・ほぐし工程の際には、爪部4によって適度な圧力をかけながらグランドの土を掻き起こしてほぐすことができ、不陸調整の際には、丁度よい適度な重み・圧力を加えながら耕起・撹拌されたグランドをならすことができる。
以上のようにグランド整備具1を車両10に連結すれば、グランド整備具1と車両10との間隔(距離)が適正に保たれ、車両10の動きに合わせてグランド整備具1を安定して牽引することができる。このとき、鎖部7を長くしすぎて、グランド整備具1と車両10との間隔が空きすぎてしまうと、例えばグランド整備具1が蛇行したり、車両10の動きに追従できずに横転してしまうおそれがある。またグランドから連結フック22の高さがありすぎたり、車両10の距離が近すぎても、枠体2が浮気味になり、水平に保ち難く安定して車両10に牽引されず、ただ引き摺られるようになり、爪部4によってうまくグランドが耕起できない、またある程度耕起できたとしても、土を平坦する不陸調整がし難い等の不都合が生じる。
重し部3は枠体2内に重量調整自在に載置されるものであれば、特に限定されないが、図例ものは重し部3として、樹脂製容器・ポリタンク30を採用した例を示す。ポリタンク30の大きさは特に限定されないが、18〜20リットルのポリタンク30が持ち運びもし易く取扱いしやすいため、好適である。重し部3として例えば20リットルのポリタンク30を利用する場合は、図4(b)に示すようにポリタンク30に満杯の水を貯めれば、20kgの錘になり、水を半量にすれば10kgの錘になる。また満杯のポリタンク30を3つ積めば、20kg×3で60kgの錘にでき、満杯のポリタンク30を5つ積めば、20kg×5で100kgの錘にすることができ、重量の調整が自在である。また枠体2内に収容するポリタンク30の個数でも重量の調整を行うができる。ポリタンク30に水を貯留して錘とすれば、水は、グランド整備を行う現地でまかなうことができ、必要なときに貯め、錘の役目を終えれば、グランド整備後のうち水(図7のS103参照)に使用することができ便利である。またグランド整備具1として運搬する際には、ポリタンク30は空にしておくこともできる。ポリタンク30の重量調整には、この他、土・砂を使用してもよい。土や砂もグランド整備を行う現地でまかなうこともできるし、このときの土砂はのちに混合する(図7のS100参照)ものであってもよい。さらに重し部3として採用されるポリタンク30は市販のものを使用できる。
縦桟21cは、例えば厚み3mmの鋼材を60×60mmの角柱状としたもの(下枠20と同じものを用いてもよい)を下枠20の短手方向に2本ずつ、計6本立設される。よって、グランドから縦桟21cまでの高さH1は、3500〜5000mmが好適される。横桟21dは、台座部材21aに載置され車両10で牽引される際、ポリタンク30が転倒しないように保持できるように配されていればよい。図例のものは、横桟21d,21eが、両端に2つ、さらに中央にも積んで3つ、さらには、最大5つのポリタンク30が保持できるように配されている。
台座部材21aは長尺な板状の鋼板とされ、図例のものは縦桟21c,縦桟21cの間に配された保持部材21bの上に長枠材20aと略平行に長手方向に沿って架け渡して配されている。台座部材21aは、ポリタンク30を載置でき、撹拌空間8の邪魔にならないように配されていればよく、図例の他、平網状であってもよい。また台座部材21aは、その下方に撹拌空間8が形成されるよう設けられる。よってグランドから台座部材21aまでの高さH2(図1(a)参照)は、1200〜2000mm前後が望ましい。高さH2が1200mmより小さくなると、爪部4を枠体2内に収容した際、ボルト軸41が撹拌の邪魔になってしまう傾向となる。また高さH2が2000mmより大きくなると、ポリタンク30の安定性が悪くなる傾向となる。
爪部4は、下枠20に回転自在に保持された支持部5に設けられ、支持部5は、図4(a)に示すように断面視において略L字状をなし、爪固定部50と、起立部51とを有している。爪固定部50には、所定の間隔を空けて配列されるように貫通孔50aが形成され、貫通孔50aに爪部4を取り替え自在に装着できるよう螺溝が設けられている。爪部4は、棒状体からなり、支持部5に取り替え自在に装着でき、車両10の牽引、グランドの掻き起こしに耐えられる強度があれば特に構成、材質は限定されないが、図例のように市販の六角ボルトが好適に爪部4として用いることができる。六角ボルトであれば、貫通孔50aに容易に取り外しができ、ナットを使用すれば、爪固定部50との固定関係も強固になる。また六角ボルトであれば、爪固定部50に装着する際に螺装されるので、下枠20からの出幅調整が容易にできる。さらに六角ボルトであれば、専用品でなく市販品を活用できるので、入手も容易で安価である。爪部4としては、ボルト頭40の径が8mm〜20mm前後、ボルト軸41の長さ(呼び長さ)が75mm〜150mm前後のもの、さらにはM10のボルト軸41の長さが100mm前後のものが望ましく、下枠20(具体的には短枠材20b)からの出幅寸法H4(図4(a)参照)が25mm〜75mm前後になるように爪固定部50に装着される。爪部4の材質は特に限定されないが、鉄製、ステンレス製が好適といえる。爪部4はグランドを耕起する際に、直接グランドの土を掻き起す部材になるので、グランドの硬さ、土の種類によっては消耗が激しく、発明者の試験によれば、2000平米のグランドをして耕起するとボルト軸41が平均して30mm〜40mm程、削れてしまい、交換が必要になる。
枠体2内には、耕起されたグランドの土を抱え込むようにして撹拌する撹拌空間8が設けられている。図例の撹拌空間8は、図5(a)等に示すように台座部材21aの下方に空間が形成されるので、グランド整備具1を車両10で牽引すると、この撹拌空間8に土を抱え込みながら、進行方向Dに進んでいくので、撹拌空間8内で土が図5(a)に示す矢印のように撹拌されるため、非常に重要な空間である。また上述した補強材20c,20dが撹拌空間8の一部を構成していることも重要である。従来は、硬くなったグランドを耕起すると大小のせんべい状の塊が散乱し、何度も耕起工程を行う必要があった。しかし、本実施形態によれば、爪部4で掻き起こされたせんべい状の塊が、補強材20c,20d、支持部5を乗り越える際に当たって砕かれる等する。そしてこの砕かれたせんべい状の塊は、撹拌空間8内に抱え込まれて進行方向Dに動く、軟らかい土砂とほどよく撹拌されながら、ほぐされて混ざり合う。これにより、耕起工程の時間短縮につながるのである。またこの撹拌空間8は、耕起された土砂をほぐすとともに、補充された土砂と万遍なく混ざり合わす際にも重要な空間となる。従来、グランド整備によく用いられるレーキや、レーキ・ブラシが付いたバギーカーでは、掻き起こしやならしはできても、せんべい状の塊を砕いたり、ほぐしたり、さらには土を混合することができず、非常に苦労が多かったが、本実施形態に係るグランド整備具1によれば、この撹拌空間8によってこれまでの悩みを解消することができる。
次に本実施形態に係る整備方法において、好適に用いられる転圧ローラ9について、図6を参照しながら説明する。図に示す転圧ローラ9は、鉄製でなり、ローラ本体90と牽引部91とを備え、牽引フック部91aと車両10とを牽引具(不図示)で連結し、車両10によって牽引して使用される。ローラ本体90は、円柱形状からなり、その側面には栓がされる貫通孔90aが形成されており、その貫通孔90aから水を貯留・排出できる構成となっている。これによれば、水の量でローラ本体90の重量を調整することができ、耕起・撹拌し、不陸調整したグランドを転圧する工程で適度な重量をかけながら転圧を行うことができる。このように転圧工程で重量調整を行うことができれば、整備されたグランドの状態、使用用途等に応じて、適度に転圧して押し締めることができる。この転圧工程を適切に行うこともグランドをよい状態に長く保つための重要な要素である。
以上のグランド整備具1と転圧ローラ9を使って行うグランド整備方法の一例に関し、図7のフローチャートを参照しながら説明する。
まず、整備を行うグランドの状態を確認し、車両10にグランド整備具1を連結して耕起・撹拌工程から開始する(S100)。ここでグランドの状態によっては、耕起・撹拌工程に入る前に真砂土を引きならす工程を行ってもよい。この場合、ポリタンク30は載せずに爪部4も収容させた状態(図5(b)の状態)で枠体2を車両で牽引すればよい。
爪部4を突出させた状態で、車両10を走行させれば、グランド全体を万遍なく周回すれば、耕起・撹拌工程(掻き起こし→ほぐし→混合→粗あらし)の各工程を行うことができる。
なお、上述のグランド整備方法は一例であって、これに限定されるものではない。例えば不陸調整工程(S101)の後に不図示のトンボ、ブラシ等を使って仕上げを行い、転圧工程(S102)、うち水工程(S103)を省略してもよい。
グランド整備具1、転圧ローラ9の構成、形状は、上述の実施形態に限定されるものではない。例えば、グランド整備具1の重し部3は、重量調整が自在であれば、図例に限定されない。また爪部4の構成も図例に限定されず、突出・収容が容易にできる構造であればよい。さらに上枠21の構成も図例に限定されず、要は重し部3を保持できれば、金網やネットでもよいし、プラスチック製のものであってもよい。
1 グランド整備具
2 枠体
3 重し部
4 爪部
5 支持部
8 撹拌空間
また本発明に係るグランド整備方法は、前記記載のグランド整備具と、水の量で重量調整を自在とした転圧ローラとを少なくとも用いて行うグランド整備方法であって、前記グランド整備具における前記枠体外に前記爪部を突出させた状態でグランドの耕起、撹拌を行った後、前記枠体内に前記爪部を収容させた状態でグランドの不陸調整を行い、その後、前記転圧ローラでグランドの転圧を行うことを特徴とする。
Claims (5)
- 車両等によって牽引されるグランド整備具であって、
枠体と、前記枠体内に重量調整自在に載置される重し部と、グランドを耕起する複数の爪部と、前記枠体内に耕起されたグランドの土を抱え込むようにして撹拌する撹拌空間とを備え、
前記爪部は、前記枠体に軸支された支持部に設けられ、前記支持部を回動させると前記爪部が前記枠体内に収容若しくは前記枠体外に突出することを特徴とするグランド整備具。 - 請求項1において、
前記枠体は前記車両の進行方向が短手方向となる平面視において長方形の四周枠とされ、
前記爪部は前記枠体の短手方向中央部位から長手方向に配列されていることを特徴とするグランド整備具。 - 請求項1又は請求項2において、
前記爪部は、取り替え自在に装着された市販のボルトとされ、
前記枠体の重量は、50kg〜80kgとされることを特徴とするグランド整備具。 - 請求項1〜請求項3のいずれか1項において、
前記重し部は樹脂製容器とされ、該容器に貯留する水の量及び/又は前記容器の個数で重量調整を行うことを特徴とするグランド整備具。 - 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のグランド整備具と、水の量で重量調整を自在とした転圧ローラとを少なくとも用いて行うグランド整備方法であって、
前記グランド整備具における前記枠体外に前記爪部を突出させた状態でグランドの耕起、撹拌を行った後、前記枠体内に前記爪部を収容させた状態でグランドの不陸調整を行い、
その後、前記転圧ローラでグランドの転圧を行うことを特徴とするグランド整備方法。
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