JP2020176283A - 付加製造装置、および、付加製造方法 - Google Patents

付加製造装置、および、付加製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 真空チャンバ内のヒュームを積極的に除去することで、ヒューム起因の造形品質の劣化を抑制できる付加製造装置を提供することを目的とする。【解決手段】 供給エリア、造形エリア、および、回収エリアを内包する真空チャンバと、前記供給エリアから供給された金属粉末を前記造形エリアに敷き詰めた粉末層を形成するとともに、余剰の金属粉末を前記回収エリアに移動させるリコータと、前記真空チャンバの外部に設置され、窓を介して前記造形エリアに敷き詰めた粉末層の表面にレーザ光を照射することで造形物を造形するレーザと、前記真空チャンバに不活性ガスを供給する不活性ガス供給装置と、前記真空チャンバから気体を吸引する真空ポンプと、前記リコータ、前記レーザ、前記真空ポンプ、および、前記不活性ガス供給装置を制御する制御装置と、を具備し、前記制御装置は、前記不活性ガス供給装置と前記真空ポンプを同時に駆動する付加製造装置。【選択図】 図3

Description

本発明は、真空チャンバ内で造形物を造形する付加製造装置、および、その付加製造装置における付加製造方法に関する。
付加製造装置は、造形ベッドの上面に敷き詰めた金属粉末層にレーザ光を所定時間照射して金属粉末を溶解、凝固させる工程を繰り返すことで、所望の立体的の造形物を造形する装置である。このように造形される造形物は、含有する酸素濃度が低いほど、クリープ破断特性や引張伸び特性等の機械的特性が改善するため、近年では、真空チャンバ内で付加製造する付加製造装置(粉末床溶融結合方式の付加製造装置)が提案されている。
この種の付加製造装置の一例としては、例えば、特許文献1の「三次元造形装置」が知られており、同文献の段落0023〜0025には、「図3に示すように、容器301は、ステンレスで形成され、密閉可能である。容器301には、容器301内の圧力を検知する圧力計(真空計)308が接続されている。排気機構303は、容器301内を減圧可能である。排気機構303は、ドライポンプとターボ分子ポンプを直列に接続して構成され、容器301内を排気して酸素を追い出す。容器301の到達真空度は1×10−4Paである。」、「ガス供給機構302は、排気機構303によって真空引きすることにより酸素が除去された容器301内に窒素ガスと水素ガスの混合気体を供給する。なお、ガス供給機構302は、用途に応じて、アルゴンガス、アンモニアガス、炭化水素ガス等を供給することも可能である。」、「排気機構303は、容器301との接続部に開口量を調整可能な開口調整弁を有する。制御部200は、ガス供給機構302によって容器301に気体を供給しつつ圧力計308の出力に応じて開口調整弁を調整することで、容器301内を所望の雰囲気と真空度に制御することができる。」との記載がある。
すなわち、特許文献1には、容器内を高真空とした後に窒素ガス等を供給して所望の真空度の環境を用意し、この環境下で付加製造を実施する付加製造装置(三次元造形装置)が開示されている。
特開2017−165998号公報
真空環境下で金属粉末にレーザ光を照射すると、レーザ光の照射点での金属粉末の溶解に伴い金属蒸気(以下、「ヒューム」と称する)が発生しやすくなる。このため付加製造、造形の進行とともに容器(真空チャンバ)内にヒュームが充満する。
そして、真空チャンバ内にヒュームが充満すると、造形ベッド上(正確には造形ベッド上のベースプレート上)の金属粉末層に到達するまでにレーザ光が減衰してしまうため、金属粉末に所望のエネルギーを供給できず、照射点での加熱が不十分となり、造形物の造形品質が劣化することがある。
また、発生したヒュームは、容器(真空チャンバ)内部に蒸着し、機器汚染の要因となる。特に、レーザ光導入窓に蒸着すると、レーザ光減衰・レーザ焦点の位置ずれ等により、照射点での不十分加熱・造形物の造形品質が劣化の要因となる。
本発明は、真空チャンバ内のヒュームの充満及び蒸着による造形品質の劣化や、レーザ光導入窓の熱レンズ効果による造形品質の劣化の要因となる真空チャンバ内のヒュームを積極的に除去することで、ヒューム起因の造形品質の劣化を抑制できる付加製造装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明の付加製造装置は、供給エリア、造形エリア、および、回収エリアを内包する真空チャンバと、前記供給エリアから供給された金属粉末を前記造形エリアに敷き詰めた粉末層を形成するとともに、余剰の金属粉末を前記回収エリアに移動させるリコータと、前記真空チャンバの外部に設置され、窓を介して前記造形エリアに敷き詰めた粉末層の表面にレーザ光を照射することで造形物を造形するレーザと、前記真空チャンバに不活性ガスを供給する不活性ガス供給装置と、前記真空チャンバから気体を吸引する真空ポンプと、前記リコータ、前記レーザ、前記真空ポンプ、および、前記不活性ガス供給装置を制御する制御装置と、を具備し、前記制御装置は、前記不活性ガス供給装置と前記真空ポンプを同時に駆動するものとした。
また、本発明の不活性ガス流生成方法は、供給エリア、造形エリア、および、回収エリアを内包する真空チャンバと、前記供給エリアから供給された金属粉末を前記造形エリアに敷き詰めた粉末層を形成するとともに、余剰の金属粉末を前記回収エリアに移動させるリコータと、前記真空チャンバの外部に設置され、窓を介して前記造形エリアに敷き詰めた粉末層の表面にレーザ光を照射することで造形物を造形するレーザと、前記真空チャンバに不活性ガスを供給する不活性ガス供給装置と、前記真空チャンバから気体を吸引する真空ポンプと、を具備する付加製造装置における不活性ガス流生成方法であって、前記不活性ガス供給装置と前記真空ポンプを同時に駆動することで、前記造形エリアの上面に沿った高さに設けた、扁平な開口形状を有する不活性ガス供給ノズルから不活性ガスを供給すると同時に、前記不活性ガス供給ノズルと対向配置した、扁平な開口形状を有する吸引ノズルから不活性ガスを吸引することで、前記造形エリアの上面に沿った不活性ガス流を生成するものとした。
本発明によれば、真空チャンバ内のヒュームを適宜、積極的に除去することで、造形品質の劣化を抑制する付加製造装置を提供することができる。
一実施例の付加製造装置の全体構成の概略側面図 一実施例の付加製造装置の機能ブロック図 一実施例のヒューム除去機構の要部斜視図 一実施例の不活性ガス供給制御を示すフローチャート 水平撮像装置が撮像した画像データの一例
以下、図面を用いて、本発明の一実施例に係る付加製造装置100を説明する。
図1の概略側面図に示すように、本実施例の付加製造装置100は、真空チャンバ2内に、供給エリア3、造形エリア4、回収エリア5を設けており、供給エリア3から造形エリア4に供給された金属粉末9aにより形成された数十〜数百ミクロン程度の厚さの粉末層にレーザ光を照射して造形物9bを造形するとともに、粉末層を形成する際に余った余剰の金属粉末9aを回収エリア5で回収できるようにしたものである。
上述したように、造形物9bの含有酸素濃度を低減すれば、その機械的特性が改善するので、本実施例の付加製造装置100では、低酸素環境下で付加製造を実行する。しかし、レーザ光の照射により、金属粉末の溶融部(溶融池)から金属蒸気(ヒューム)が生じ、そのヒュームがレーザ光を遮蔽し、金属粉末床に十分な熱エネルギが投入されず、造形物9bの造形精度が劣化する場合がある。
また、レーザ発振器、レーザスキャナはチャンバ外に設置されており、チャンバ壁面(天井)に設けられたレーザ光導入窓(一般に石英ガラス)を通してチャンバ内に導入される。レーザ光導入窓は、レーザ光の波長を踏まえ、そのレーザ光のほぼ全てを透過するように光学設計されているが、内面に金属薄膜が形成されてしまうと、金属薄膜がレーザ光を吸収するため、レーザ光の透過部が周辺よりも高温になってしまう。通常、レーザ光導入窓はガラスで形成されており、その屈折率は温度に応じて変化するため、レーザ光の透過部が周辺よりも高温になると、レーザ光の透過部と周辺では屈折率差が発生し、レーザ光の焦点位置がレーザ光導入窓側に移動するレンズ効果(以下、「熱レンズ効果」と称する)が生じる。この結果、レーザ光の焦点が本来の位置からずれるデフォーカス状態となり、照射点でのレーザ光径が拡大しパワー密度が低下するため、造形物の造形品質が劣化することがある。
そこで、本実施例の付加製造装置100では、真空チャンバ2内の気体を吸引して、チャンバ内の酸素濃度を十分低減した(0.1ppm以下)後、真空ポンプを停止し、真空チャンバ2に窒素やアルゴン等の不活性ガスを供給し、圧力を復圧し、任意の圧力になった時点で真空ポンプによる排気を再開する。なお、排気再開時の吸引口は通常排気時とは別の吸引口とすることで、任意の圧力で保持できるようになっている。この吸引口には絞り機構がついており、絞り機構を調整することで、任意の圧力で保持できる。本発明では、不活性ガスの供給口と絞り機構を設けた吸引口を、それぞれ、造形エリアの両端で対向させるように配置し、造形エリア上に層状の不活性ガスの流れを形成する。形成された層状の不活性ガスの流れにより、溶融池から発生するヒュームを積極的に除去できるようにしながら、付加製造を実行する。
このため、真空チャンバ2の筐体の側面には、不活性ガス供給装置2aと真空ポンプ2cを設けている。不活性ガス供給装置2aは、不活性ガス供給ノズル2bを介して、不活性ガスを供給することで真空チャンバ2の内部を所望の圧力に調整するものである。真空ポンプ2cは、吸引ノズル2dを介して、真空チャンバ2内部の気体を排気することで酸素濃度を低減するものである。また、真空ポンプ2cの下流にはヒューム回収装置2eとしてフィルタや集塵機が設置されており、真空チャンバ2から吸引したヒュームを回収する。なお、図示していないが、ヒューム回収装置2eの排気を不活性ガス供給装置2aに循環させる構成としてもよい。不活性ガスを循環させる場合、図示しない不活性ガス供給源から不活性ガスを導入する弁と、不活性ガスを循環させるためのポンプを設けることで、不活性ガスのチャンバ外への消費を抑制することができる。
また、真空チャンバ2の筐体には、石英ガラス等で構成される窓2fが取り付けられている。造形エリア4の上方に取り付けられた窓2fの外部には、レーザ7a、および、垂直撮像装置8aが取り付けられている。これらによって、造形エリア4に敷き詰められた金属粉末9aにレーザ光を照射し、レーザ光照射前後の造形エリア4の表面状態を撮像することができる。一方、不活性ガス供給装置2a側の側面に取り付けられた窓2fの外部には、水平撮像装置8bが取り付けられている。これによって、照射中のレーザ光やスパッタの状態などを撮像することができる。なお、図1では、レーザ7aを一つ記載しているが、これらは複数設けても良い。また、図示を省略しているが、レーザ7aは、レーザスキャナを組み込んでおり、造形エリア4の上面の任意位置にレーザ光を照射することができる。
供給エリア3のタンク内には金属粉末9aが蓄えられており、供給エリア昇降機構3aを上昇させることで、粉末ベッド3bの上方の金属粉末9aを持ち上げる。
造形エリア4の造形ベッド4b上には、リコータ6によって供給エリア3から供給された金属粉末9aが敷き詰められる。造形ベッド4bに設置されたベースプレート上に形成された粉末層にレーザ7aのレーザ光を選択的に照射して断面形状部分だけを溶融固化させて、これを1層ごとに繰り返すことで、所望の形状の造形物9bを造形することができる。この造形ベッド4bは、造形ステージ昇降機構4aを下降させることで、造形エリア4のタンク内を下方に移動するので、粉末層の再形成、レーザ光の照射、造形ベッド4bの下降、からなる一連の造形プロセスを繰り返すことで、造形ベッド4b上に所望の立体形状の造形物9bを造形する。なお、図示していないが、造形エリア4の粉末層温度をより高くできるように、造形エリア4の上面をランプで照らして粉末層を予熱しても良いし、造形ベッド4bを発熱させてベースプレートおよび粉末層を予熱しても良い。
回収エリア5には回収タンク5aが設置されており、造形ベッド4b上に粉末層を形成した後に余った余剰の金属粉末9aが回収される。
リコータ6は、図示しない駆動部からの動力によって水平方向に移動しながら、供給ステージ昇降機構3aが押し上げた金属粉末9aを造形エリア4に敷き詰めるものであり、図1中の右側にブレード6aを有し、図1中の左側にローラ6bを有する。ブレード6aは、供給エリア3の金属粉末9aを回収エリア5方向に移動させながら造形エリア4に略一定厚さの粉末層を形成するためのものであり、その断面形状は上方に比べ下方が薄くなっている。また、ローラ6bは、造形エリア4の粉末層の表面をより平滑にするためのものであり、金属粉末9aを造形エリア4に敷き詰める際には順方向に回転駆動する。ここで、順方向とは、図1のように、粉末層の形成時にリコータ6が右方向に移動する構成では、時計回りの方向である。なお、図1では、ブレード6aとローラ6bの双方を備えたリコータ6を例示しているが、ローラ6bを有さずブレード6aのみを有するリコータ6を用いても良い。なお、前述の雰囲気形成は、供給エリアから造形エリアに金属粉末を敷き詰める前(造形開始前)に実施しておく。また、粉末敷き詰め動作時は、造形エリア上ではない場所で不活性ガスの供給と排出を行うことで、任意の圧力を保持しつつ、リコータの移動によって不活性ガス流が乱され、粉末床に乱れが生じる可能性が低減される。
次に、図2の機能ブロック図を用いて、付加製造装置100の各部を制御する制御装置1を説明する。この制御装置1は、実際には、CPU等の演算装置、半導体メモリ等の主記憶装置、ハードディスク等の補助記憶装置、および、通信装置などのハードウェアを備えた計算機である。そして、主記憶装置にロードされたプログラムを演算装置が実行することで、後述する各機能を実現するが、以下では、このような周知技術を適宜省略しながら説明する。
図2に示すように、制御装置1は、不活性ガス供給制御部1a、真空ポンプ制御部1b、供給ステージ昇降機構制御部1c、造形ステージ昇降機構制御部1d、リコータ制御部1e、予熱レーザ制御部1f、造形レーザ制御部1g、造形検証部1h、雰囲気検証部1i等を備えている。
これらのうち、不活性ガス供給制御部1a、真空ポンプ制御部1bは夫々、不活性ガス供給装置2a、真空ポンプ2cを制御し、真空チャンバ2内の酸素濃度や気圧を付加製造に適した環境にする。また、供給ステージ昇降機構制御部1c、造形ステージ昇降機構制御部1d、リコータ制御部1e、予熱レーザ制御部1f、造形レーザ制御部1gは夫々、供給ステージ昇降機構3a、造形ステージ昇降機構4aの昇降や、リコータ6の水平移動、ローラ6bの回転、レーザ7aのレーザ光照射を制御し、所望の立体形状の造形物を造形する。
また、造形検証部1hは、垂直撮像装置8aが撮像した造形エリア4の上面の画像データを解析し、造形物9bの造形の良否を検証する。雰囲気検証部1iは、水平撮像装置8bが撮像したレーザ光の画像データを解析し、真空チャンバ2内の雰囲気の良否を検証する。なお、造形検証部1h、雰囲気検証部1iでの検証により真空チャンバ2内のヒューム量を推定できるが、この詳細は後述する。
次に、図3の斜視図を用いて、不活性ガス供給ノズル2bと吸引ノズル2dの設置位置と形状をより詳細に説明する。図1の概略図に示したように、両ノズルは真空チャンバ2の側面に設置されたものであるが、より正確には、造形エリア4の上面に沿って不活性ガス流を形成できる高さに対向配置された、扁平な開口形状を有するノズルである。
このノズル設置高さは、粉末床に近いほど良いが、近すぎると、粉末床に乱れが生じるため、取り扱う粉末の密度や粒度によって上方に、たとえば40〜80mm程度の高度で、適宜調整する。このように両ノズルを設置し、また、不活性ガス供給装置2aと真空ポンプ2cを同時に駆動することで、不活性ガス供給ノズル2bから吐出した不活性ガスが、造形ベッド4bの上方全面にわたり略一様の不活性ガス流を形成する。この不活性ガス流を、少なくともレーザ光の照射中は形成しておくことで、金属粉末9aにレーザ光を照射したときに発生したヒュームは、不活性ガス流によって吸引ノズル2dの方向へ流され、真空ポンプ2cを経て、ヒューム回収装置2eに回収される。なお、図3の不活性ガス供給ノズル2bとは別に不活性ガス供給ノズルを設けておき、図3に示した不活性ガス流を形成しないときであっても真空チャンバ2内を加圧できるようにして良い。
発生するヒュームが少ない場合は、上述の構成によりヒュームを十分に除去でき、ヒュームに起因する諸問題(レーザ光の減衰や窓2fへの金属蒸気の蒸着等)を回避できるが、ヒュームの発生量が多くなると、前述の諸問題を回避できず造形物9bの造形精度が劣化する惧れがある。ヒュームの発生量が多くなると、レーザ光が肉眼で見える場合がある。そこで、本実施例の付加製造装置100では、真空チャンバ2内を撮像した画像データを解析し、ヒューム量が多いと判断できる場合は、不活性ガス流を強めることで、ヒュームの除去を強化できるようにした。
なお、ヒュームの発生量は、レーザの出力と、造形面の溶融面積により変動する。したがって、これらの制御値により、ヒューム発生量の増加を推定し、不活性ガス流の流量設定を変更することも可能である。
図4は、真空チャンバ2内のヒューム量を推測し、その推測結果に応じた不活性ガス流を生成するためのフローチャートである。
まず、ステップS1では、造形検証部1hは、レーザ光の照射プロセス完了直後の造形エリア4の上面の画像データを垂直撮像装置8aから取得する。
ステップS2では、造形検証部1hは、レーザ光の照射プロセス完了直後の画像データに基づき、造形物9bの造形の良否を検証する。造形の良否の判定には様々な方法を用いることができるが、例えば、造形物9bの表面が平坦であることが画像解析により確認され、ヒュームが少ないためレーザ光の減衰がなかったと推測できるときに「良」と判定し、造形物9bの表面に所定以上の凹凸が確認され、ヒュームが多いためレーザ光の減衰量が場所によって異なっていたと推測できるときに「悪」と判断する方法がある。
ステップS2で「良」と判定されると、ステップS3では、雰囲気検証部1iは、レーザ光の照射プロセス中の造形エリア4の上方の画像データを水平撮像装置8bから取得する。
図5は、水平撮像装置8bから取得できる画像データの一例であり、火花の写っている図5(a)は、レーザ光の照射プロセス中の画像データ、火花の写っていない図5(b)は、レーザ光の照射プロセス完了直後の画像データである。
ステップS4では、雰囲気検証部1iは、レーザ光の照射プロセス中の画像データに基づき、雰囲気の良否を検証する。雰囲気の良否の判定には様々な方法を用いることができるが、例えば、レーザ光の輝度が一様であることが画像解析により確認され、ヒュームが少ないためレーザ光の減衰がないと推測されるときに「良」と判定し、レーザ光の上方と下方で所定以上の輝度差が確認され、ヒュームが多いためレーザ光の減衰があると推測されるときに「悪」と判断する方法がある。
ステップS4で「良」と判定されると、ステップS5では、不活性ガス供給制御部1aと真空ポンプ制御部1bは、標準の不活性ガス流を生成するように、不活性ガス供給装置2aと真空ポンプ2cを制御する。
一方、ステップS2またはステップS4で「悪」と判定された場合は、ステップS6に進む。ステップS6では、不活性ガス供給制御部1aと真空ポンプ制御部1bは、不活性ガス供給装置2aからの供給量を増やすと同時に、真空ポンプ2cの吸引量を増やす。この結果、標準時よりも強化した不活性ガス流が生成されるので、ヒュームをより効率よく回収することができ、ヒュームに起因する諸問題を回避することができる。
そして、ステップS5またはステップS6が完了すると、再び、ステップS1に戻ることにより、ヒューム量に応じた不活性ガス流を常時生成することができる。
以上で説明した本実施例の付加製造装置によれば、真空チャンバ内のヒュームを積極的に除去することで、造形物の造形品質の劣化を抑制することができる。
100 付加製造装置、
1 制御装置、
2 真空チャンバ、
2a 不活性ガス供給装置、
2b 不活性ガス供給ノズル、
2c 真空ポンプ、
2d 吸引ノズル、
2e ヒューム回収装置
2f 窓
3 供給エリア、
3a 供給ステージ昇降機構
3b 供給ステージ
4 造形エリア、
4a 造形ステージ昇降機構
4b 造形ステージ
5 回収エリア、
5a 回収タンク、
6 リコータ
6a ブレード、
6b ローラ
7a 予熱レーザ、
7b 造形レーザ
8a 垂直撮像装置
8b 水平撮像装置
9a 金属粉末
9b 造形物
9c スパッタ

Claims (7)

  1. 供給エリア、造形エリア、および、回収エリアを内包する真空チャンバと、
    前記供給エリアから供給された金属粉末を前記造形エリアに敷き詰めた粉末層を形成するとともに、余剰の金属粉末を前記回収エリアに移動させるリコータと、
    前記真空チャンバの外部に設置され、窓を介して前記造形エリアに敷き詰めた粉末層の表面にレーザ光を照射することで造形物を造形するレーザと、
    前記真空チャンバに不活性ガスを供給する不活性ガス供給装置と、
    前記真空チャンバから気体を吸引する真空ポンプと、
    前記リコータ、前記レーザ、前記真空ポンプ、および、前記不活性ガス供給装置を制御する制御装置と、を具備し、
    前記制御装置は、前記不活性ガス供給装置と前記真空ポンプを同時に駆動することを特徴とする付加製造装置。
  2. 請求項1に記載の付加製造装置において、
    前記真空チャンバには、前記不活性ガスを吐出する不活性ガス供給ノズルと、真空チャンバ内の気体を吸引する吸引ノズルと、が設けられており、
    両ノズルは、前記造形エリアの上面に沿って不活性ガス流を形成できる高さに対向配置された、扁平な開口形状を有するノズルであることを特徴とする付加製造装置。
  3. 請求項2に記載の付加製造装置において、
    前記吸引ノズルから吸引した不活性ガスを、前記不活性ガス供給ノズルから再度供給することで、前記不活性ガスを循環させることを特徴とする付加製造装置。
  4. 請求項1に記載の付加製造装置において、
    前記真空ポンプの下流には、前記粉末層にレーザ光を照射したときに発生したヒュームを回収するヒューム回収装置が設置されていることを特徴とする付加製造装置。
  5. 請求項1〜4の何れか一項に記載の付加製造装置において、
    さらに、前記造形エリアを上方から撮像する垂直撮像装置を具備しており、
    前記制御装置は、該垂直撮像装置が撮像した画像データに基づいて前記造形物の造形を検証し、造形が悪いと判断したときに、不活性ガス流を強めるように前記不活性ガス供給装置および前記真空ポンプを制御することを特徴とする付加製造装置。
  6. 請求項1に記載の付加製造装置において、
    さらに、前記造形エリアを側方から撮像する水平撮像装置を具備しており、
    前記制御装置は、該水平撮像装置が撮像した画像データに基づいて前記真空チャンバ内の雰囲気を検証し、雰囲気が悪いと判断したときに、不活性ガス流を強めるように前記不活性ガス供給装置および前記真空ポンプを制御することを特徴とする付加製造装置。
  7. 供給エリア、造形エリア、および、回収エリアを内包する真空チャンバと、
    前記供給エリアから供給された金属粉末を前記造形エリアに敷き詰めた粉末層を形成するとともに、余剰の金属粉末を前記回収エリアに移動させるリコータと、
    前記真空チャンバの外部に設置され、窓を介して前記造形エリアに敷き詰めた粉末層の表面にレーザ光を照射することで造形物を造形するレーザと、
    前記真空チャンバに不活性ガスを供給する不活性ガス供給装置と、
    前記真空チャンバから気体を吸引する真空ポンプと、
    を具備する付加製造装置を用いた付加製造方法であって、
    前記不活性ガス供給装置と前記真空ポンプを同時に駆動することで、
    前記前記造形エリアの上面に沿った高さに設けた、扁平な開口形状を有する不活性ガス供給ノズルから不活性ガスを供給すると同時に、
    前記不活性ガス供給ノズルと対向配置した、扁平な開口形状を有する吸引ノズルから不活性ガスを吸引することで、前記造形エリアの上面に沿った不活性ガス流を生成することを特徴とする付加製造方法。
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