JP2020176110A - 象牙質コラーゲン線維の脱灰材料及びその製造方法と応用 - Google Patents

象牙質コラーゲン線維の脱灰材料及びその製造方法と応用 Download PDF

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Abstract

【課題】象牙質コラーゲン線維の脱灰材料及びその製造方法の提供。【解決手段】歯科における脱灰に用いられ、好ましくは、象牙質の脱灰に用いられる、水溶性キトサンとアミノカルボン酸系金属キレート剤との抱合体。0.5〜1質量部の水溶性キトサン、10〜30質量部のEDTA及び0.8〜1.5質量部の架橋剤で製造される象牙質コラーゲン線維の脱灰材料及びその製造方法。【選択図】図3

Description

本発明は、歯科接着修復材料学の分野に属し、具体的には、象牙質コラーゲン線維の脱灰材料及びその製造方法と応用に関する。
歯は、人体の高度に石灰化された器官である。正常な象牙質マトリックスは、規則的に編まれたコラーゲン線維マトリックス、整然と配列された無機相のアパタイト結晶、及び少量の非コラーゲン性タンパク質で構成される。
ハイドロキシアパタイトとコラーゲンとの相対的な位置関係に応じて、象牙質の石灰化は、線維内石灰化と線維外石灰化の2つの部分に分けられる。象牙質中のミネラルの65%が線維の外にあるが、線維内石灰化は、原線維形態を保持するために重要であり、象牙質のナノスケールでの力学的性質を決定し、象牙質における内因性マトリックスメタロプロテアーゼによるコラーゲンの変性分解を防止することができる。
正常な生理状態では、歯の脱灰と再石灰化とが釣り合っているが、病理状態では、脱灰作用は、再石灰化作用を上回り、歯質組織の破壊を引き起こし、さらに歯の機能を損なう。
口腔の主な疾患であるう蝕は、最も一般的な病理的な脱灰の結果である。う蝕原性微生物は、炭水化物を分解して酸を生成し、象牙質における内因性マトリックスメタロプロテアーゼと協働して、歯の無機質の脱灰及びコラーゲンの有機質の分解を引き起こし、徐々にう蝕穴が形成される。現在、う蝕は、世界保健機関から癌や心血管疾患に続く第3の慢性非伝染性疾患として登録されている。世界保健機関(WHO)の2015年の研究データから分かるように、永久歯のう蝕患者は、24億人になり、乳歯のう蝕患者は、6.21億人になり、う蝕の予防治療は、口腔医学の課題だけでなく、日増しに注目される公衆衛生上の課題となっている。
現在、臨床的には、う蝕に対する治療は、外科手術の治療を主とし、すなわち、う蝕歯組織を除去する上で、まず酸エッチング剤(例えば30〜40%のリン酸)で接着面をエッチングして、象牙質コラーゲン線維を脱灰し、次に接着剤を塗布して、露出したコラーゲン線維間に入り込んで架橋して混合層を形成し、最後に修復材料で窩洞を充填して歯体の生理的形態と機能を回復させる。使用される修復材料は、主に樹脂による象牙質接着をベースとした歯色複合樹脂材料である。接着剤と象牙質コラーゲンとで形成される混合層の完全性と安定性は、治療成功及び修復体の長期存在の重要な要因であることが分かる。しかしながら、リン酸等の高い酸エッチング性により、象牙質コラーゲンマトリックスは、酸エッチング剤の作用下で完全に脱灰し、乾燥後に網目状構造からシート状に潰れるため、樹脂接着剤がコラーゲン線維間に入り込みにくく、コラーゲンが接着樹脂でよく保護されない。内因性マトリックスメタロプロテアーゼの作用下で、この部分の樹脂浸透不良領域が分解しやすいため、接着面の完全性が損なわれ、接着強度が低下し、最終的に樹脂による象牙質接着修復の失敗を招くおそれがある。また、これらの内因性マトリックスメタロプロテアーゼが酸性環境で大量に活性化できる研究があるため、リン酸を用いて象牙質をエッチングすると、マトリックスメタロプロテアーゼの活性をある程度刺激する。これらの欠点は、修復体の周囲に二次う蝕の高発病率と象牙質コラーゲンの分解を引き起こす主な要因である。
キチン(chitin)は、キチン質又はポリ−β1−4−N−アセチルグルコサミンとも呼ばれ、N−アセチルグルコサミンをβ結合して重合することにより形成されたホモ多糖である。甲殻類動物の殻、昆虫の甲殻や真菌の細胞壁に広く含まれる。キトサン(chitosan)の化学名は、β−(1→4)−2−アミノ−2−デオキシ−D−グルコースであり、キチンの脱N−アセチル化の生成物であり、一般的には、N−アセチルを55%以上除去したものがキトサンと呼ばれる。
キレート剤は、金属原子又はイオンと相互作用し、金属原子又はイオンをキレート剤の内部に包接して、安定した錯体又はキレート化合物を形成することができる。
従来技術の欠点又は不足に対し、本発明は、う蝕を予防治療し接着面の安定性を向上させることで、接着修復体の耐用年数を延長する歯科用の脱灰剤を提供することを目的とする。より具体的には、本発明は、歯科における脱灰に用いられ、より具体的には象牙質コラーゲン線維の脱灰に用いられる抱合体、材料及び組成物を提供することを目的とする。例えば、本発明は、象牙質コラーゲン線維の脱灰材料を提供することを目的とする。前記抱合体、材料及び組成物は、象牙質コラーゲン線維に元の形態及び網目状構造を維持させ、後続の樹脂接着剤の浸透に役立つことができる。
本発明の技術的課題は、水溶性キトサンとアミノカルボン酸系金属キレート剤との抱合体を提供することにより解決される。
一態様において、本発明は、歯科における脱灰に用いられ、好ましくは、象牙質の脱灰に用いられ、より好ましくは、象牙質コラーゲン線維の脱灰に用いられる水溶性キトサンとアミノカルボン酸系金属キレート剤との抱合体に関する。前記抱合体において、前記水溶性キトサンのアミノ基と前記アミノカルボン酸系金属キレート剤のカルボキシル基は、アミド結合を形成する。
本発明において、キトサンは、以下の構造式を有する。
ここで、n及びmは、整数であり、かつnとmの比率は、前記キトサンの脱アセチル化の程度に依存している。一態様において、本発明におけるキトサンの脱アセチル化の程度は、少なくとも55%であり、例えば60%〜100%、65%〜99%、70%〜98%、75%〜97%、80%〜96%、85%〜95%又は少なくとも90%である。例えば、脱アセチル化の程度が90%のキトサンに対して、上記構造式において、nとmの比率が9:1である。当業者であれば理解されるように、上記式(I)において、アミノ基含有モノマー(すなわち、グルコサミンモノマー)及びアセトアミド基含有モノマー(すなわち、アセチルグルコサミンモノマー)は、通常、ランダムに分布し、モノマーの位置と同じモノマーの連続数とがランダムであってよい。一態様において、n+mの総数は、100より大きく、例えば、150より大きく、好ましくは、200より大きく、250より大きく、300より大きく、350より大きく、400より大きく、450より大きく、500より大きく、600より大きく、800より大きく、又は1000より大きい。他の態様において、n+mの総数は、10000より小さく、好ましくは、8000より小さく、7000より小さく、6000より小さく、5000より小さく、4000より小さく、3500より小さく、3000より小さく、2500より小さく、2000より小さく、又は1500より小さい。
一態様において、本発明における水溶性キトサンは、アミノ基を保存してアミノカルボン酸系金属キレート剤のカルボキシル基とアミド結合を形成できる水に可溶なキトサンの塩、エステル、断片、誘導体又は類似体の形態であってよい。前記塩は、例えば、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、又は酢酸塩のようなC〜Cカルボン酸塩等の酸付加塩であってよい。前記エステルは、硫酸エステル、スルホン酸エステル、又は酢酸エステルのようなC〜Cカルボン酸エステル等であってよい。前記キトサン断片は、キトサンのモノマー構造を保存し、重合度がより小さくかつ水溶性が向上したキトサンの加水分解生成物であってよい。キトサンの水溶性誘導体は、水溶性を増加させる基(例えば、ヒドロキシ基、酢酸基のようなC〜Cカルボキシ基、又は硫酸基)を前記キトサンに導入した誘導体を含む。
一態様において、本発明における水溶性キトサンは、グリコールキトサン、カルボキシメチルキトサン、キトサン塩酸塩、キトサン四級アンモニウム塩、キトサン硫酸エステル、キトサンオリゴ糖及びヒアルロン酸様キトサンから選ばれる1種又は2種以上の混合物であってよい。
上記グリコールキトサンは、以下の構造式を有する。
同様に、a及びbは、整数であり、かつaとbの比率は、前記キトサンの脱アセチル化の程度に依存し、前記グリコールキトサンの脱アセチル化の程度は、式Iに関して上述したように定義され、a+bの総数は、式Iにおけるn+mの総数に関して上述したように定義される。当業者であれば理解されるように、上記式(II)において、アミノ基含有モノマー及びアセトアミド基含有モノマーは、通常、ランダムに分布し、モノマーの位置と同じモノマーの連続数とがランダムであってよい。式IIにおいて、遊離アミノ基は、アミノカルボン酸系金属キレート剤中のカルボキシル基とアミド結合を形成できる。
一態様において、本発明におけるアミノカルボン酸系金属キレート剤は、水溶性キトサン中のアミノ基とアミド結合を形成できるカルボキシル基を有する。また、前記キレート剤は、通常、1つ又は複数のアミノ基(例えば、1〜4個のアミノ基、通常、三級アミノ基である)を含有する多価カルボン酸(例えば1〜6価カルボン酸)であり、アミノ基及びカルボキシル基は、金属原子/イオンと配位結合を形成できる。また、前記キレート剤は、6〜18個の炭素原子、例えば、6、10、14、16又は18個の炭素原子を有してよく、かつヒドロキシル基及びアルコキシ基を有していてもよい。一態様において、アミノカルボン酸系金属キレート剤とキレート可能な金属原子又はイオンは、カルシウム、マグネシウム、鉄、銅、亜鉛などを含み、カルシウムが好ましい。アミノカルボン酸系金属キレート剤の実例は、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸(HEDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、アミノ三酢酸(ニトリロ三酢酸とも呼ばれ、NTA)、ジヒドロキシエチルグリシン(DEG)、グリコールエーテルジアミン四酢酸(EGTA)、エチレンジアミン二酢酸(EDDHA)、トリエチレンテトラミン六酢酸(TTHA)、シクロヘキサンジアミン四酢酸(CDTA)、1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7,10−四酢酸(DOTA)、1,4,8,11−テトラアザシクロドデカン四酢酸(TETA)を含み、エチレンジアミン四酢酸が好ましい。一態様において、前記アミノカルボン酸系金属キレート剤は、上記多価カルボン酸又はその塩の形態、例えば、ナトリウム塩又はカリウム塩を含んでよい。
一態様において、本発明は、歯科用の脱灰材料に関し、好ましくは、象牙質コラーゲン線維の脱灰材料に関する。この態様において、前記歯科用の脱灰材料は、上記水溶性キトサンと上記アミノカルボン酸系金属キレート剤とが抱合反応により製造される。この態様において、前記抱合反応は、架橋剤の存在下で行われる。前記反応において、反応物の総質量に対して、水溶性キトサンの質量部は、0.05〜20であってよく、好ましくは、0.1〜15、0.2〜10、0.5〜8であり、例えば、0.8、0.9、1、1.2、1.5、2、3、4又は5である。前記反応において、反応物の総質量に対して、アミノカルボン酸系金属キレート剤の質量部は、1〜60であってよく、好ましくは、5〜50、10〜40であり、例えば、15、20、25、30、35又は45である。前記反応において、反応物の総質量に対して、架橋剤の質量部は、0.1〜15であってよく、好ましくは、0.2〜10、0.5〜5であり、例えば、0.6、0.8、1、1.5、2、2.5、3又は3.5である。
好ましくは、本発明に係る材料は、0.5〜1質量部の水溶性キトサン、10〜30質量部のアミノカルボン酸系金属キレート剤、及び0.8〜1.5質量部の架橋剤で製造される。
本発明に係る材料は、0.5〜1質量部の水溶性キトサン、10〜30質量部のEDTA、及び0.8〜1.5質量部の架橋剤で製造される。架橋剤の作用により、水溶性キトサンとEDTAは、共有結合反応が発生する。
上記抱合反応又は共有結合反応では、水溶性キトサンの遊離アミノ基とアミノカルボン酸系金属キレート剤の遊離カルボキシル基との間にアミド結合を形成する。
好ましくは、本発明に係る材料のpHは、中性又はアルカリ性である。
好ましくは、本発明における水溶性キトサンは、グリコールキトサン、カルボキシメチルキトサン、キトサン塩酸塩、キトサン四級アンモニウム塩、キトサン硫酸エステル、キトサンオリゴ糖及びヒアルロン酸様キトサンから選ばれる1種又は2種以上の混合物である。
好ましくは、本発明における架橋剤は、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド、N−ヒドロキシコハク酸イミド、グルタルアルデヒド、ビスイミデート及びマレイミドから選ばれる1種又は2種以上の混合物である。
一態様において、本発明に係る抱合体又は材料の遊離アミノ基含有量は、抱合反応又は共有結合反応前の水溶性キトサンに比べて20%未満であり、好ましくは0%〜15%であり、例えば、0.5%〜10%、例えば、1%〜5%、例えば、約1.5%、約2%、約2.5%、約3%、約3.5%、約4%又は約4.5%である。
一態様において、本発明に係る抱合体及び材料のMnは、40kDaより大きく、好ましくは、50kDaより大きく、例えば、60kDa〜600kDa、80kDa〜500kDa、100kDa〜400kDa、120kDa〜300kDa、150kDa〜200kDaであり、例えば、約130kDa、約140kDa、約160kDa、約170kDa、約180kDa又は約190kDaである。
一態様において、本発明に係る抱合体及び材料のMwは、80kDaより大きく、好ましくは、100kDaより大きく、例えば、200kDa〜800kDa、300kDa〜700kDaであり、例えば、約250kDa、約350kDa、約400kDa、約450kDa、約500kDa、約550kDa、約600kDa又は約650kDaである。
一態様において、本発明に係る抱合体及び材料のMpは、60kDaより大きく、好ましくは、70kDaより大きく、例えば、80kDa〜600kDa、100kDa〜500kDaであり、例えば、約150kDa、約200kDa、約250kDa、約300kDa、約350kDa、約400kDa又は約450kDaである。
一態様において、本発明に係る抱合体及び材料の多分散性指数PDIは、1〜5であり、好ましくは2〜4であり、例えば約1.5、約2.5、約3、約3.5又は約4.5である。
一態様において、本発明に係る抱合体又は材料のpHは、中性又はアルカリ性であり、例えばpH7〜10であり、例えば7.5、8、8.5、9又は9.5である。
一態様において、本発明は、グリコールキトサンとエチレンジアミン四酢酸との抱合体又はこれらからなる歯科用の脱灰材料に関する。一態様において、前記抱合体及び材料は、以下の構造式で示される。
当業者であれば理解されるように、式IIIを有する抱合体は、さらに、遊離アミノ基含有モノマー(すなわち、グルコサミンモノマー)を含んでもよく、前記遊離アミノ基がEDTAのカルボキシ基とアミド結合を形成していない。また、当業者であれば理解されるように、前記抱合体において、アセトアミド基含有モノマー(すなわち、アセチルグルコサミンモノマー)、EDTAアミド基含有モノマー(すなわち、EDTAアシル化グルコサミンモノマー)、及び任意の遊離アミノ基含有モノマー(すなわち、グルコサミンモノマー)は、式IIIにおいて、通常、ランダムに分布し、モノマーの位置と同じモノマーの連続数とがランダムであってよい。前記抱合体又は材料又は式IIIにおいて、EDTAアミド基含有モノマー(任意の遊離アミノ基含有モノマーと共に)とアセトアミド基含有モノマーとの比率は可変であり、使用される上記式I又は式IIに関して上述したように定義されるグリコールキトサンの脱アセチル化の程度に依存している。前記抱合体又は材料において、本発明に係る抱合体又は材料の遊離アミノ基含有量は、抱合反応又は共有結合反応前のグリコールキトサンに比べて20%未満であり、好ましくは0%〜15%であり、例えば、0.5%〜10%、例えば、1%〜5%、例えば、約1.5%、約2%、約2.5%、約3%、約3.5%、約4%又は約4.5%である。一態様において、nは、100より大きく、例えば、150より大きく、好ましくは、200より大きく、250より大きく、300より大きく、350より大きく、400より大きく、450より大きく、500より大きく、600より大きく、800より大きく、又は1000より大きい。他の態様において、nは、10000より小さく、好ましくは、8000より小さく、7000より小さく、6000より小さく、5000より小さく、4000より小さく、3500より小さく、3000より小さく、2500より小さく、2000より小さく、又は1500より小さい。
一態様において、本発明は、本発明に係る抱合体又は材料と、口腔応用上許容可能な助剤又は溶媒とを含む歯科用の脱灰組成物に関する。前記組成物において、組成物の重量で計算すると、前記抱合体又は材料の含有量は、0.05〜50重量%であり、好ましくは、0.1〜40重量%であり、例えば0.2〜30重量%、0.5〜20重量%、1〜10重量%であり、例えば1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、7、8又は9重量%である。この態様において、本発明に係る抱合体材料は、粉末(例えば、凍結乾燥粉末)、液剤、ゲル化剤又は懸濁剤の形態であってよい。本発明に係る歯科用の脱灰組成物において、口腔応用上許容可能な助剤又は溶媒とは、提供された濃度又は量で口腔に投与する際に人体に対して安全であり、通常、組成物中の他の成分の活性を阻害しない助剤又は溶媒を指す。一例において、前記助剤は、ゲル化剤、増粘剤、界面活性剤、染料、防腐剤などを含み、米国特許公開US2003/0157134A1、US2011/0076646A1、US2012/0161067A1に記載される通り、参照により、本明細書中に組み込まれるものとする。一例では、前記溶媒は、水を含んでよい。
一態様において、本発明は、本発明に係る抱合体、材料又は組成物と、歯科接着剤及び/又は修復剤とを含む歯科接着修復用の試薬キット又は薬物キットに関する。接着剤及び修復剤の例は、歯科用の銀合金粉、アクリル樹脂のような複合樹脂、セメントなどを含む。例えば、前記接着剤及び/又は修復剤は、商品名AdperTM Single Bond 2又はFiltekTM Z250で販売されるものであってよい。
一態様において、本発明は、(a)修復が必要な歯の表面に、本発明に係る抱合体、材料又は組成物の有効量を適用することと、(b)任意に前記抱合体、材料又は組成物を除去することと、(c)修復が必要な歯の表面に、歯科接着剤及び/又は修復剤を適用することとを含む、歯科接着修復方法に関する。
一態様において、本発明は、架橋剤の存在下で、水溶性キトサンとアミノカルボン酸系金属キレート剤とを混合して水溶性キトサンとアミノカルボン酸系金属キレート剤との抱合体を得ることを含む、本発明に係る抱合体、材料又は組成物を製造する方法に関する。好ましくは、0.5〜1質量部の水溶性キトサン、10〜30質量部のアミノカルボン酸系金属キレート剤、及び0.8〜1.5質量部の架橋剤で製造される。
また、本発明は、象牙質コラーゲン線維の脱灰材料の製造方法を提供する。
本発明の方法は、
水溶性キトサンの水溶液とEDTAの水溶液とを混合し、架橋剤を混合溶液に溶解して室温で反応させることを含む。架橋剤の作用により、水溶性キトサンとEDTAは、共有結合反応が発生する。前記反応において、反応物の総質量に対して、水溶性キトサンの質量部は、0.05〜20であってよく、好ましくは、0.1〜15、0.2〜10、0.5〜8であり、例えば、0.8、0.9、1、1.2、1.5、2、3、4又は5である。前記反応において、反応物の総質量に対して、アミノカルボン酸系金属キレート剤の質量部は、1〜60であってよく、好ましくは、5〜50、10〜40であり、例えば、15、20、25、30、35又は45である。前記反応において、反応物の総質量に対して、架橋剤の質量部は、0.1〜15であってよく、好ましくは、0.2〜10、0.5〜5であり、例えば、0.6、0.8、1、1.5、2、2.5、3又は3.5である。
好ましくは、本発明の製造方法では、混合溶液のpHを中性又はアルカリ性、例えばpH7〜10、例えば7.5、8、8.5、9又は9.5に調整する。
好ましくは、本発明の方法は、
濃度が5〜10mg/mLの水溶性キトサンの水溶液と濃度が100〜300mg/mLのEDTAの水溶液とを等体積混合し、混合溶液のPH=6.0に調整した後、8〜15mg/mLの量で架橋剤を加え、室温で12〜16時間反応させた後、適切な条件の透析により未反応残留物を除去した後に凍結乾燥して、象牙質コラーゲン線維の脱灰材料を得ることを含む。
本発明に係る象牙質コラーゲン線維の脱灰材料は、歯科接着修復における象牙質脱灰処理、歯科接着修復システムの製造に用いられる。
本発明は、共有結合的な架橋により、アミノカルボン酸系金属キレート剤(例えば、EDTA)の分子構造中の多くのドナー原子を、好ましい水溶性キトサン類物質の骨格に結合して、新規なカルシウムイオンキレート剤を製造し、キトサンの天然高分子の特性及びEDTAの優れたカルシウムイオンキレート能力を総合的に発揮することで、う蝕損傷領域で象牙質の表面を石灰化する場合に多重の利点を発揮することができる。
第1に、アミノカルボン酸系金属キレート剤(例えば、EDTA)が共有結合された水溶性キトサンのカルシウムイオンキレート能力が著しく増強されるため、象牙質コラーゲン線維外のミネラルと迅速に反応し、臨床治療上許容可能な時間範囲(30秒以下)内に脱灰を完了できる。
第2に、天然の象牙質コラーゲン自体が選択的透過性を有するため、分子量が40kDaより大きいものは、コラーゲン分子の外に完全にはじかれ、分子量が6kDaより小さいものは、コラーゲン線維内の空間を自由に通過し、両者間のものは、部分的にコラーゲン線維の内部に入り込むことができる。水溶性キトサンの分子量が大きい(82kDa)ため、キレート剤が線維の内部に入り込むことができないことにより、接着界面の象牙質コラーゲンから線維外のミネラルを選択的に除去し、線維内のミネラルを残して、象牙質コラーゲンの網目状構造を維持し、樹脂接着剤の浸透を促進する。
第3に、水溶性キトサン類物質は、多くのポリカチオン構造を含有するため、二次う蝕と活発な根面う蝕における浮遊微生物及び細菌性バイオフィルムに顕著な抑制作用を与え、この新規なカルシウムイオンキレート剤に迅速脱灰と効果的な抗菌の二重機能を与える。
第4に、水溶性キトサンは、極めて優れた生体適合性及び低細胞毒性を有するため、生活歯の歯髄幹細胞の活性を効果的に保護し、従来の酸エッチング剤の歯髄幹細胞への悪影響を回避し、う蝕損傷及び脱灰の象牙質の再生に良好な前提条件を創出することができる。
第5に、水溶性キトサンとアミノカルボン酸系金属キレート剤(例えば、EDTA)との共有結合物は、pH中性又はアルカリ性であるため、従来の酸エッチング剤により局部的な酸環境を形成して、内因性マトリックスメタロプロテアーゼが大量に活性化する欠点を回避するとともに、脱灰中に多くのカルシウムイオンがキレートされるため、混合層の象牙質コラーゲン周囲のマトリックスメタロプロテアーゼの活性が著しく抑制されて、酵素分解からコラーゲンを保護する作用を発揮する。
以上より、本発明は、象牙質コラーゲン線維以外のミネラルを選択的に除去し、象牙質コラーゲン線維に元の形態及び網目状構造を維持させ、後続の樹脂接着剤の浸透に役立つとともに、コラーゲン内部もミネラルの保護を受けて、外因性刺激で分解することなく、う蝕の予防治療、接着界面の安定性の向上、及び接着修復体の耐用年数の延長にいずれも顕著な効果がある。
EDTA、グリコールキトサン、及びグリコールキトサンに架橋されたEDTAの赤外スペクトル図である。 誘導結合プラズマ発光分析法で石灰化象牙質における濃度(50、25及び10mg/mL)の異なるグリコールキトサンに架橋されたEDTAカルシウムイオンキレート剤のCa2+に対するキレート速度を測定し、0.1MのEDTAを対照とするものである。 (A)は、32%リン酸(PA)、0.1MのEDTA又は25mg/mLのグリコールキトサンに架橋されたEDTA(GCE)という異なる象牙質脱灰剤について、湿式接着又は乾式接着モードで、接着剤による象牙質の微引張強度を比較するものである。 図3(B)は、石灰化象牙質が0.1MのEDTA又は25mg/mLのグリコールキトサンに架橋されたEDTAという異なる象牙質脱灰剤で処理された後の透過電子顕微鏡画像である。 濃度の異なるEDTA及びグリコールキトサンに架橋されたEDTA(GCE)のヒト組み換え内因性マトリックスメタロプロテアーゼ−9(rHMMP−9)の活性に対する阻害作用を比較し、32%のリン酸(PA)を対照とするものであり、図4(A)は、EDTA及びグリコールキトサン−EDTAのヒト組み換え内因性マトリックスメタロプロテアーゼ−9の活性に対する阻害の程度が類似しているものであり、図4(B)は、各群の象牙質の混合層における象牙質コラーゲンの分解程度を比較するものである。 32%リン酸(PA)、0.1MのEDTA又は25mg/mLのグリコールキトサンに架橋されたEDTA(GCE)という異なる象牙質脱灰剤に対する細胞毒性検出である。PBSを対照とし、図5(A)は、ヒト歯髄幹細胞が異なる象牙質脱灰剤の環境に曝された後の細胞ミトコンドリアデヒドロゲナーゼ活性に対する検出であり、図5(B)は、ヒト歯髄幹細胞が異なる象牙質脱灰剤の環境に曝された後の細胞内DNA含有量に対する検出である。
本発明は、水溶性キトサンの天然大分子の優位性及びEDTAの効率的なカルシウムイオンキレート作用を総合的に発揮し、方法は、水溶性キトサン溶液とEDTAの水溶液とを等体積混合し、共有結合架橋剤を加えて、両者を架橋剤の作用下で共有結合させることを含む。
以下は、発明者が提供する具体的な実施例であり、本発明の技術手段をさらに説明する。
(実施例1)
この実施例の材料は、適切な濃度のグリコールキトサン(重合度≧400、MilliporeSigma、St.Louis、MO、USA)の水溶液とEDTAの水溶液を混合した後、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミドの架橋剤を加え、室温で14時間撹拌し続けた後、適切な透析条件で未反応残留物を除去する。グリコールキトサンの総量が10gで、EDTAが300gで、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミドの架橋剤が15gである。
例えば、好ましい透析条件は、上記反応液を、分画分子量が12〜14kDaで0.05MのNaOHを含有する透析膜に入れて透析して分子量の小さい反応物を除去し、分画分子量12〜14kDaで再蒸留水を含有する透析膜で再度透析して未架橋の残留物を除去することである。グリコールキトサンの総量が10mgで、EDTAが300mgで、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミドの架橋剤が15mgである。過程中に、pH値を調整することにより、EDTAを十分かつ迅速に溶解させることができ、例えば、pHを8.0に調整する。
好ましい態様では、製造時に混合溶液のPH値を中性又はアルカリ性に調整することにより、PH値が中性又はアルカリ性の脱灰材料を製造することができる。
(実施例2)
該実施例は、
(1)グリコールキトサンを脱イオン水に溶解して、濃度が10mg/mLのキトサン溶液を形成し、
(2)EDTAを脱イオン水に溶解して、濃度が300mg/mLのEDTA水溶液を形成し、
(3)上記2種類の溶液を等体積混合し、混合溶液のPH=6.0に調整し、
(4)1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミドの架橋剤を15mg/mLの濃度で上記混合溶液に溶解し、EDTA分子鎖上のカルボキシル基官能基と可溶性キトサン骨格のアミノ官能基とを共有結合させ、室温で14時間撹拌し続け、
(5)上記反応液を、分画分子量が12〜14kDaで0.05MのNaOHを含有する透析膜に入れて透析して分子量の小さい反応物を除去し、分画分子量12〜14kDaで再蒸留水を含有する透析膜で再度透析して未架橋の残留物を除去し、−20℃で凍結乾燥して保存するという点で、実施例1と相違する。水溶性キトサンに架橋されたEDTAカルシウムイオンキレート剤材料を製造する。
実施例2に記載のとおり、本発明において構築される水溶性キトサンに架橋されたEDTAカルシウムイオンキレート剤材料は、以下の特徴を有する。
図1に示すように、EDTA、グリコールキトサン、及びグリコールキトサンに架橋されたEDTAの赤外スペクトル図である。赤外線吸収ピークの位置と強度は、EDTA、グリコールキトサン、及びグリコールキトサンに架橋されたEDTA構造組成又は化学基の特徴を反映する。グリコールキトサンに架橋されたEDTAは、1300−1400cm−1の波長にEDTAの特徴的な吸収ピーク(C=O引張振動)を検出し、EDTAとグリコールキトサンとが化学結合したことを示す。
図2に示すように、誘導結合プラズマ発光分析法で石灰化象牙質における濃度(50、25及び10mg/mL)の異なるグリコールキトサンに架橋されたEDTAカルシウムイオンキレート剤のCa2+に対するキレート速度を測定し、0.1MのEDTAを対照とするものである。その結果、0.1MのEDTAが最も高い脱灰効果を有し、グリコールキトサンに架橋されたEDTAの脱灰能力が濃度の増加に伴って増加することを示している。
図3に示すように、異なるリン酸(PA)、0.1MのEDTA又は25mg/mLのグリコールキトサンに架橋されたEDTA(GCE)という異なる象牙質脱灰剤で象牙質の表面を処理した後の接着強度への影響である。湿式接着に対して、接着前にリントフリーペーパーを用いて象牙質の表面から余分な水分を除去して、処理したサンプルを湿潤に保つ。乾式接着に対して、処理した象牙質を、油や水分を含まない空気で5秒間風乾する。以下の方法で、象牙質の接着強度を測定する。各種の脱灰試薬で処理した後、脱イオン水で洗浄し、その後にAdper Single Bond 2(3M、ESPE、St Paul、MN、USA)で各歯の断片を接着する。接着後、インクリメンタル光硬化を用いて、4mm厚さの複合樹脂(Z250、3M ESPE)を、接着剤が被覆された象牙質の表面に置く。接着した歯を37℃の水中で24h保存する。次に、各サンプルを0.9mm×0.9mm×7mmの細長いものに切断し、各細長いものは、中間に樹脂−象牙質界面を有する。各細長いものをシアノアクリレート接着剤(Zapit、Dental Ventures of America、Corona、CA、USA)で試験ツールに接続し、かつ汎用試験機(Vitrodyne V1000、Liveco Inc.、Burlington)に1mm/minのクロスヘッド速度で引張力を、破断するまで付与する。破断時の引張荷重を記録し、測定された各束の断面積で除して引張接着強さを得る。各歯の4本の細長いもので得られた平均接着強度で各特定の歯の引張接着強度を示す。歯を統計ユニット(n=10歯)として用い、後のデータ分析を行う。図3(A)は、湿式接着又は乾式接着モードで、32%リン酸で15秒間処理し、0.1MのEDTAで60秒間処理するか又は25mg/mLのグリコールキトサン−EDTAで30秒間処理し、接着剤による象牙質の微引張強度を比較するものである。リン酸−湿式接着を対照群として統計分析を行った結果、乾式接着モードで32%リン酸群と0.1MのEDTA群から接着強度が著しく低下することを検出する(p<0.05)。25mg/mLのグリコールキトサン−EDTA群に対して、象牙質の湿式接着又は乾式接着で得られた接着強度は、対照群と顕著な差がない。図3(B)は、石灰化象牙質が0.1MのEDTAで60秒間処理されるか、又は25mg/mLのグリコールキトサン−EDTAで30秒間処理された透過電子顕微鏡画像である。EDTA群は、一部の領域が完全に脱灰し、さらに一部の領域が部分的に脱灰する。グリコールキトサン−EDTA群は、象牙質が一部脱灰し、明らかなミネラルの存在がない線維外空間が見られ、線維内石灰化が依然として完全である。
図4に示すように、濃度の異なるEDTA及びグリコールキトサンに架橋されたEDTA(GCE)のヒト組み換え内因性マトリックスメタロプロテアーゼ−9(rHMMP−9)の活性に対する阻害作用を比較し、32%のリン酸(PA)を対照とするものである。この実験では、精製した組み換えヒトMMP−9(rhMMP−9)と汎用のMMP測定キット(Sensolyte、AnaSpec Inc.、Fremont、CA、USA)を用いて、GCEの可溶性MMP−9に対する抑制効果を評価する。MMPキットは、特異的なMMPによりカットされてメルカプト基を放出する完全なthiopeptolideを含み、前記メルカプト基は、Ellman’s試薬により、発色した2−ニトロ−5−メルカプト安息香酸を生成できる。EDTA及びGCE溶液の一連の希釈液(50mg/mL、25mg/mL、10mg/mL、5mg/mL、1mg/mL)を試験試薬として用い、32%のH3PO4を対照として用いる。1:50の体積比で、thiopeptolide基質溶液をアッセイバッファーで0.2mMに希釈する。試験化合物群において、ウェル当たりに、2に含まれたrhMMP−9(19.6ng/ウェル)、10、6の潜在型MMP阻害剤及び50剤6のthiopeptolide基質溶液を含有する。追加のアッセイバッファーを加えて、100個のバッファーウェルを生成する。対照群は、(1)rhMMP−9酵素のみを含有し、潜在型抗MMP剤を含有しない陽性対照、(2)rhMMP−9酵素及び10MLのGM6001(既知のMMP阻害剤)を含有する阻害剤対照、(3)アッセイバッファー及び濃度の異なる試験溶液を含有する試験化合物対照、(4)アッセイバッファーを含有する基質対照を含む。37℃で60分間インキュベートした後に読み取り値を得る。96−ウェルプレートリーダー(VICTOR NivoTM、PerkinElmer)を用いて、412nmで吸光度を測定する。バックグラウンドの吸光度は、「基質対照」により測定され、かつthiopeptolide基質を含有する他のウェルの読み取り値から減算される。GM600、キットに含まれるMMP阻害剤、及び3種類の濃度のEDTA又はGCEの効果は、「陽性対照」における吸光度を調整する百分率として示される。MMPの抑制(%)は、1−([A]試験化合物群−[A]試験化合物対照)/([A]陽性対照−[A]基質対照)で計算し、ここで、[A]は、各ウェルの吸光度値を示す。各試験溶液に対して、6つのウェルの値から平均吸光度値を計算する。図4(A)の結果から、EDTA及びグリコールキトサン−EDTAのヒト組み換え内因性マトリックスメタロプロテアーゼ−9の活性に対する阻害の程度が類似していることは明らかである。図4(B)は、各群の象牙質の混合層における象牙質コラーゲンの分解程度を比較するものである。その結果、32%リン酸群のコラーゲン分解率が最も高く、次がEDTAであり、グリコールキトサンに架橋されたEDTAが最も低いことを示すため、グリコールキトサンに架橋されたEDTA群の象牙質コラーゲンに対する保護効果が最も優れることを説明する。
図5に示すように、異なるリン酸(PA)、0.1MのEDTA又は25mg/mLのグリコールキトサンに架橋されたEDTA(GCE)という異なる象牙質脱灰剤に対する細胞毒性検出である。PBSを対照とする。その結果、グリコールキトサンに架橋されたEDTA群の細胞の活力が最も高く、次がEDTA群であり、32%リン酸群が最も低いことを示すため、3種類の象牙質脱灰剤のうちグリコールキトサンに架橋されたEDTAの細胞毒性が最も低いことを説明する。
表1は、ゲル浸透クロマトグラフィーで、グリコールキトサン及びグリコールキトサンに架橋されたEDTAの分子量を表し、グリコールキトサンとEDTAとの間の架橋程度を表す。その結果、架橋後に形成されたグリコールキトサン−EDTAの分子量が著しく高くなるとともに、遊離アミノ基の量が著しく低下し、グリコールキトサンの骨格上のほぼ全てのアミノ基がEDTAの分子上のカルボキシル基と反応し、共有結合してアミド結合を形成することを示す。
略称:Mn:数平均分子量、Mw:加重平均分子量、Mp:分子量ピーク、PDI:多分散性指数(mw/mn)
(実施例3)
該実施例は、
(1)カルボキシメチルキトサンを脱イオン水に溶解して、濃度が7mg/mLのキトサン溶液を形成し、
(2)EDTAを脱イオン水に溶解して、濃度が200mg/mLのEDTAの水溶液を形成し、EDTAの水溶液とカルボキシメチルキトサンとを等体積混合し、混合溶液のPH=6.0に調整し、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミドの架橋剤を13mg/mLの濃度で上記混合溶液に溶解し、室温で12時間撹拌し続けるという点で、実施例2と相違する。
(実施例4)
該実施例は、
(1)ヒアルロン酸様キトサンを脱イオン水に溶解して、濃度が8mg/mLのキトサン溶液を形成し、
(2)EDTAを脱イオン水に溶解して、濃度が250mg/mLのEDTA水溶液を形成し、EDTAの水溶液とヒアルロン酸様キトサンとを等体積混合し、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミドの架橋剤を12mg/mLの濃度で上記混合溶液に溶解し、室温で13時間撹拌し続けるという点で、実施例2と相違する。
(実施例5)
該実施例は、
(1)グリコールキトサンを脱イオン水に溶解して、濃度が5mg/mLのキトサン溶液を形成し、
(2)EDTAを脱イオン水に溶解して、濃度が100mg/mLのEDTA水溶液を形成し、EDTAの水溶液とグリコールキトサン溶液とを等体積混合し、混合溶液のPH=6.0に調整し、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミドの架橋剤を8mg/mLの濃度で上記混合溶液に溶解し、室温で15時間撹拌し続けるという点で、実施例2と相違する。
(実施例6)
該実施例は、
(1)グリコールキトサンを脱イオン水に溶解して、濃度が10mg/mLのキトサン溶液を形成し、EDTAを脱イオン水に溶解して、濃度が300mg/mLのEDTA水溶液を形成し、EDTAの水溶液とグリコールキトサン溶液とを等体積混合し、
(2)グルタルアルデヒドの架橋剤を8.0mg/mLの濃度で上記混合溶液に溶解し、室温で14時間撹拌し続けるという点で、実施例2と相違する。
(実施例7)
該実施例は、
(1)グリコールキトサンを脱イオン水に溶解して、濃度が10mg/mLのキトサン溶液を形成し、
(2)EDTAを脱イオン水に溶解して、濃度が100mg/mLのEDTAの水溶液を形成し、EDTAの水溶液とグリコールキトサン溶液とを等体積混合し、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミドの架橋剤を15mg/mLの濃度で上記混合溶液に溶解し、室温で14時間撹拌し続けるという点で、実施例2と相違する。
以上の内容は、具体的な好ましい実施形態を組み合わせて本発明をさらに詳細に説明するものであるが、本発明の具体的な実施形態がこれに限定されるものであると認められず、当業者であれば、本発明の構想から逸脱することなく、いくつかの簡単な推断演繹又は置換を行うことができ、いずれも本発明の特許請求の範囲によって決定された保護範囲に属するとみなされるべきである。

Claims (16)

  1. 歯科における脱灰に用いられ、好ましくは、象牙質の脱灰に用いられる、水溶性キトサンとアミノカルボン酸系金属キレート剤との抱合体。
  2. 前記アミノカルボン酸系金属キレート剤は、エチレンジアミン四酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、アミノ三酢酸、ジヒドロキシエチルグリシン、グリコールエーテルジアミン四酢酸、エチレンジアミン二酢酸、トリエチレンテトラミン六酢酸、シクロヘキサンジアミン四酢酸、1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7,10−四酢酸、1,4,8,11−テトラアザシクロドデカン四酢酸から選ばれる1種又は2種以上の混合物であり、好ましくは、エチレンジアミン四酢酸であることを特徴とする、請求項1に記載の抱合体。
  3. 0.5〜1質量部の水溶性キトサン、10〜30質量部のエチレンジアミン四酢酸及び0.8〜1.5質量部の架橋剤を原料として製造されることを特徴とする、象牙質コラーゲン線維の脱灰材料。
  4. 前記抱合体又は象牙質コラーゲン線維の脱灰材料のpHは、中性又はアルカリ性であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の抱合体又は象牙質コラーゲン線維の脱灰材料。
  5. 前記水溶性キトサンは、グリコールキトサン、カルボキシメチルキトサン、キトサン塩酸塩、キトサン四級アンモニウム塩、キトサン硫酸エステル、キトサンオリゴ糖及びヒアルロン酸様キトサンから選ばれる1種又は2種以上の混合物であり、好ましくは、グリコールキトサンであることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の抱合体又は象牙質コラーゲン線維の脱灰材料。
  6. 前記抱合体又は材料の遊離アミノ基含有量は、抱合反応前の水溶性キトサンに比べて15%未満、好ましくは1〜10%、より好ましくは3〜5%であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の抱合体又は象牙質コラーゲン線維の脱灰材料。
  7. 前記抱合体及び材料のMnは、40kDaより大きく、好ましくは60kDa〜300kDa、より好ましくは100kDa〜200kDaであることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の抱合体又は象牙質コラーゲン線維の脱灰材料。
  8. 前記抱合体及び材料のMwは、100kDaより大きく、好ましくは200kDa〜800kDa、より好ましくは400kDa〜600kDaであることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の抱合体又は象牙質コラーゲン線維の脱灰材料。
  9. 前記架橋剤は、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド、N−ヒドロキシコハク酸イミド、グルタルアルデヒド、ビスイミデート及びマレイミドから選ばれる1種又は2種以上の混合物であることを特徴とする、請求項3〜8のいずれか一項に記載の象牙質コラーゲン線維の脱灰材料。
  10. 請求項1〜9のいずれか一項に記載の抱合体又は材料と、
    口腔応用上許容可能な助剤又は溶媒とを含む、歯科用の脱灰組成物。
  11. (a)請求項1〜10のいずれか一項に記載の抱合体、材料又は組成物と、
    (b)歯科接着剤及び/又は修復剤とを含む、歯科接着修復用の試薬キット又は薬物キット。
  12. (a)修復が必要な歯の表面に、請求項1〜10のいずれか一項に記載の抱合体、材料又は組成物の有効量を適用することと、
    (b)任意に前記抱合体、材料又は組成物を除去することと、
    (c)修復が必要な歯の表面に、歯科接着剤及び/又は修復剤を適用することとを含む、歯科接着修復方法。
  13. 架橋剤の存在下で、水溶性キトサンとアミノカルボン酸系金属キレート剤とを混合して水溶性キトサンとアミノカルボン酸系金属キレート剤との抱合体を得ることを含むことを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一項に記載の抱合体、材料又は組成物を製造する方法。
  14. 0.5〜1質量部の水溶性キトサンの水溶液と10〜30質量部のEDTAの水溶液とを混合し、0.8〜1.5質量部の架橋剤を混合溶液に溶解して室温で反応させることを含むことを特徴とする、請求項13に記載の方法。
  15. 濃度が5〜10mg/mLの水溶性キトサンの水溶液と濃度が100〜300mg/mLのEDTAの水溶液とを等体積混合し、混合溶液のPH=6.0に調整した後、濃度が8〜15mg/mLの量で架橋剤を加え、室温で12〜16時間反応させた後、透析法により未反応残留物を除去した後に凍結乾燥して、象牙質コラーゲン線維の脱灰材料を得ることを含むことを特徴とする、請求項13に記載の方法。
  16. 請求項1〜10のいずれか一項に記載の抱合体、材料又は組成物の歯科接着修復システムの製造における応用。
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