JP2020174328A - キャリブレーション用チャートおよびキャリブレーション用器具 - Google Patents

キャリブレーション用チャートおよびキャリブレーション用器具 Download PDF

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Abstract

【課題】撮像装置のキャリブレーションを少ない工数で高精度に行う。【解決手段】撮像装置のキャリブレーションに用いるチャート214は、表面にチャートパターンを表した複数の平面からなる。当該平面は共通の軸周りで所定の角度をなすのに加え、それぞれを独立した軸周りに傾斜させた形状を有する。当該チャート214の前後に複数の照明216a、216b、216cを配置して、複数の方向から投光した状態で撮像装置12により撮影し、チャートパターンが均一に写る撮影画像(b)を得る。【選択図】図7

Description

本発明は、撮像装置のキャリブレーションに用いるチャートおよびキャリブレーション用器具に関する。
ユーザの体やマーカーをカメラで撮影し、その像の領域を別の画像で置換してディスプレイに表示するゲームが知られている(例えば、特許文献1参照)。撮影画像における像を検出し解析することにより、被写体やカメラ自体の位置や動きを取得したり被写体の属性を認識したりする技術は、ゲーム装置や情報端末に搭載されたカメラのみならず、防犯カメラ、車載カメラ、ロボット搭載カメラなどを含むシステムにおいても広く導入されている。
それらのシステムにおける処理精度を保障するため、撮像装置の内部パラメータ、歪み補正係数、外部パラメータ等、装置固有の情報を事前に取得するキャリブレーション処理が行なわれる。内部パラメータは、撮影画像における画素の位置座標と、光学中心を原点とし長さを単位とするカメラ座標系における位置座標との関係を規定し、焦点距離、原点の相対位置、せん断係数、スケールファクタによって定まるレンズの特性を表す。
歪み補正係数は、レンズによる樽型歪みや円周方向の歪みを補正するための係数である。外部パラメータは、カメラ座標系とワールド座標系の関係を規定し、特にステレオカメラなど多眼カメラについて同時にキャリブレーションを行うことにより、それぞれが撮影した画像の傾きを合わせるなどの目的で用いられる。キャリブレーション技術としては、チェッカーパターンの平面チャートを複数の視点から撮影し、撮影画像上での特徴点の位置と、実空間でのチャートの平面における特徴点の位置とが正しい対応関係となるようにパラメータを最適化するZhangの手法が広く知られている(非特許文献1参照)。
欧州特許出願公開第0999518号明細書
Zhengyou Zhang, "A Flexible New Technique for Camera Calibration", Microsoft Research Technical Report, MSR-TR-98-71, December 2, 1998.
Zhangの手法では、いくつかの位置や姿勢で撮像装置やチャートをセッティングしたうえ、撮影を繰り返す必要があり、作業負担が大きい。ある種の拘束条件を設ければ撮影作業の負担を軽減させることができるが、その拘束条件によって汎用性が損なわれることが考えられる。また簡易的なキャリブレーション手法ではZhangの手法のような精度が出にくい。
本発明はこうした課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、撮像装置のキャリブレーションを、少ない工数で高精度に行うことのできる技術を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様はキャリブレーション用チャートに関する。このキャリブレーション用チャートは、撮像装置のキャリブレーション用のチャートであって、表面にチャートパターンを表した所定角度をなす複数のチャート面を、独立した軸周りに所定の角度だけ傾斜させてなることを特徴とする。
本発明の別の態様はキャリブレーション用器具に関する。このキャリブレーション用器具は、上記キャリブレーション用チャートと、当該キャリブレーション用チャートを撮影する撮像装置を固定する固定具と、を固定したことを特徴とする。
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明によると、撮像装置のキャリブレーションを、少ない工数で高精度に行うことができる。
本実施の形態に適用できるキャリブレーションシステムの構成を示す図である。 図1におけるキャリブレーション用のチャートをより詳細に説明するための図である。 本実施の形態におけるキャリブレーション装置の機能ブロックの構成を示す図である。 本実施の形態におけるキャリブレーション装置が、チャートの撮影画像に基づきキャリブレーションを行う処理手順を示すフローチャートである。 高さの等しい2面のチャートの1辺を突き合わせ、所定角度をなすようにしたチャートの撮影環境と、その撮影画像を例示する図である。 本実施の形態における、チャート面を独立した軸周りに所定角度傾斜させてなるチャートについて説明するための図である。 本実施の形態のチャートの撮影環境と、その撮影画像を例示する図である。 図7で示したチャートの三面図である。
本実施の形態は、撮像装置のキャリブレーションに用いるチャートに関する。このチャートを用いたキャリブレーションの方法やキャリブレーションを行う装置については、国際公開第2018/235163号に開示されているものを適用できる。以下、その概要を説明する。
図1は、上記文献で開示され、本実施の形態に適用できるキャリブレーションシステムの構成を示す。このキャリブレーションシステムは、キャリブレーションを行う撮像装置12、キャリブレーション用のチャート200、撮像装置12とチャート200を所定の位置関係で固定する治具14、およびキャリブレーションによりカメラのパラメータを取得するキャリブレーション装置10を含む。
撮像装置12は、対象物を撮影するカメラと、その出力信号にデモザイク処理など一般的な処理を施すことにより撮影画像の出力データを生成し、キャリブレーション装置10に送出する機構とを有する。カメラはCCD(Charge Coupled Device)センサやCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサなど、一般的なデジタルカメラ、デジタルビデオカメラで利用されている可視光センサ、あるいは赤外線センサを備える。カメラを赤外線センサとする場合、図示しない赤外線照射機構をさらに設けてよい。
撮像装置12が備えるカメラは1つのみでもよいし、2つのカメラを既知の間隔で左右に配置したいわゆるステレオカメラでもよい。あるいは3つ以上のカメラを有していてもよい。撮像装置12に備えるカメラをどのような構成とするかは、撮像装置12を用いて行う情報処理の内容によって決定される。例えばユーザやコントローラなどの対象物の3次元空間における位置を取得して電子ゲームを実現する場合、撮像装置12をステレオカメラで実現することが考えられる。
また赤外線を照射し、その反射光を検出するまでの時間に基づき対象物の位置を求めるTOF(Time Of Flight)の技術を導入する場合、撮像装置12は赤外線の照射機構と赤外線カメラで実現することが考えられる。同様の構成で、赤外線をランダムなパターンで照射し、その反射光をステレオカメラで撮影することにより、赤外線のパターンを特徴点として視差を求め、3次元空間における位置を特定することも考えられる。その他、使用目的や導入する技術によって、単眼カメラ/多眼カメラ、可視光カメラ/赤外線カメラをどのように組み合わせてもよい。
キャリブレーション装置10は、撮像装置12がキャリブレーション用のチャート200を撮影した画像のデータを取得し、それに基づきキャリブレーションの演算を行い、内部パラメータや外部パラメータを導出する。これらのパラメータは一般に知られたものである。当該パラメータを用いると、撮影画像における画素m(u,v)とワールド座標系の位置M(X,Y,Z)との関係は次のように表される
ここでsはスケールファクタ、Aは内部パラメータである。[R|t]は外部パラメータであり、ワールド座標系をカメラ座標系に変換するための回転行列Rと並進ベクトルtからなる。内部パラメータAは次のように表される。
ここでfは焦点距離、k、kは画像平面の横方向、縦方向のスケールファクタ、(u,v)は画像平面における光軸の位置座標を表す。なお上式においてはスキュー歪みを0としている。
さらにレンズによる樽型歪みや円周方向の歪みを考慮した場合、撮影画像における光軸を中心とする位置座標(x,y)の点は、例えば次の近似式により位置座標(x’,y’)に補正される。
x’=(1+k+k)x+2pxy+p(r+2x
y’=(1+k+k)y+p(r+2y)+2pxy
ここで
=x+y
である。またk1、k2が樽型歪みによるパラメータ、p1、p2が円周方向の歪みによるパラメータであり、これらを総称して歪み補正係数と呼ぶ。
キャリブレーション装置10は、撮影画像における特徴点の像が、本来の3次元空間での位置を反映した位置に表れるように、内部パラメータ、歪み補正係数、外部パラメータを求める。以後、それらのパラメータを総称して「カメラパラメータ」と呼ぶことがある。カメラパラメータの導出処理の基本的なアルゴリズムは既存技術でよく、特に非特許文献1に記載されるZhangの手法を用いることができる。すなわち、撮影画像からチャート200に表された特徴点の像を抽出し、その位置座標を求める。そして当該位置座標と3次元での特徴点の位置に基づき内部パラメータの初期値を求め、バンドル調整と呼ばれる非線形最適化処理により、内部パラメータおよび外部パラメータを最終的に決定する。
一方、この技術では、キャリブレーション用のチャート200を、撮像面と平行でない複数の平面を有する立体構造とする。図示する例でチャート200は、同一面積の2枚のボードの一辺同士を合わせ、当該辺を軸に角度θ(0<θ<180°)をなすようにして立てた状態としている。治具14は、撮像装置12の光軸がチャート200の軸と交わり、チャート200から所定距離を有するような位置・姿勢となるように、両者を固定する。
チャート200のうち、撮像装置12側の各平面には、格子状に区切られてなる矩形のうち隣り合う矩形で白黒が逆転するようなチェッカーのパターンと、平面を識別するためのマーカーとを含むチャートパターンを表す。この場合、特徴点は各矩形の頂点となる。このように奥行き方向に変化をつけて特徴点を配置することにより、視点を変えて1枚の平面チャートを撮影するのと同様の情報を、一度の撮影で得ることができる。なおチャート200に表すパターンはチェッカーパターンに限らず、既存の探索手法で検出が容易な形状や配置で特徴点が分布していればよい。例えば黒丸を縦横に配列させたサークルグリッドなど、直交系をなす特徴点配列を採用することにより、特徴点の検出やその属性取得を容易にできる。
図2は、図1におけるキャリブレーション用のチャート200をより詳細に説明するための図である。(a)は、チャート200を構成する各平面に表すチェッカーおよびマーカーのチャートパターンを示しており、撮像装置12から見て左側に配置する平面にはチャートパターン212aを、右側に配置する平面にはチャートパターン212bを表す。(b)は図の右に示した俯瞰図の通り、撮像装置12に対し2枚の平面が角度θをなした状態で正対したときの、撮像装置12から見たチャート200の様子を示している。
この技術では、撮像面に対しチャートの平面が傾斜した状態において、見かけ上、チャートパターンが一般的なチェッカーパターンとなるようにする。その他のチャートパターンの場合も、探索処理などを考慮して決定した標準的なチャートパターンが、チャート200の平面が傾斜した状態で撮影画像に表れるようにする。このため(a)に示すように、各平面に表すチャートパターン212a、212bは、元のチェッカーパターンに対し傾斜を踏まえた逆のパースをつけたものとなっている。
定性的には、チャート200の面のうち、撮像面から遠い位置のパターンほどスケールを大きくする。このようにすることで、実空間では異なる距離にありながら、縦横方向に等しい大きさの図形が均等に並んだ画像が撮影される。これにより、一度の撮影でキャリブレーションに必要な情報を得られるとともに、特徴点の検出処理が複雑化するのを回避できる。
図3は、キャリブレーション装置10の機能ブロックの構成を示している。キャリブレーション装置10は、撮影画像のデータを取得する画像取得部34、撮影画像における特徴点の位置座標と3Dモデルにおける対応する特徴点の位置座標とを対応づける特徴点情報取得部36、それに用いる変換パラメータを格納する射影変換パラメータ記憶部40、特徴点の対応情報を格納する特徴点情報記憶部42、当該対応情報を用いてキャリブレーションを行うキャリブレーション部38、およびキャリブレーションの結果として得られたカメラパラメータを格納するカメラパラメータ記憶部44を備える。
画像取得部34は、チャート200の撮影画像のデータを撮像装置12から取得する。撮像装置12が多眼カメラで構成される場合、各カメラが撮影した画像のデータを全て取得する。射影変換パラメータ記憶部40は、パースをかける前のチャートパターンにおいて全特徴点に与えたインデックスを、チャート200上のチャートパターンにおける特徴点の位置座標に変換する変換パラメータを、チャートを構成する平面ごとに格納する。
特徴点情報取得部36は、撮影画像から特徴点とマーカーの像を検出し、マーカーによって識別される平面ごとに、検出した特徴点の像の位置座標と3Dモデルにおける特徴点の位置座標とを対応づける。この際、特徴点ごとにそのインデックスを特定し、射影変換パラメータ記憶部40に格納された変換パラメータを用いてインデックスから3Dモデルの位置座標を特定する。これにより特徴点ごとに、撮影画像における位置座標と3Dモデルの位置座標とが対応づけられる。
取得した対応情報は、特徴点情報記憶部42に格納する。キャリブレーション部38は、特徴点の対応情報を入力データとして、既存のアルゴリズムによりカメラパラメータを特定する。特定したパラメータは、カメラパラメータ記憶部44に格納する。あるいは当該パラメータを撮像装置12に送信してもよい。撮像装置12においてカメラパラメータを保持することにより、撮像装置12内部で適切な補正を行える。または、撮像装置12が撮影した画像を用いてゲームなどの情報処理を行う情報処理装置に送信してもよい。これにより、撮影されたステレオ画像に対しエピポーラ線を合わせるなど適切な補正を施したうえで解析を行える。
図4は、キャリブレーション装置10が、チャートの撮影画像に基づきキャリブレーションを行う処理手順を示すフローチャートである。まず画像取得部34は、撮像装置12から撮影画像のデータを取得する(S20)。撮像装置12をステレオカメラなどの多眼カメラとする場合は、各カメラで撮影された画像のデータを全て取得する。また同じ撮影状態で複数回撮影された画像のデータを取得してもよい。このとき画像取得部34は、各フレーム画像を加算することによりノイズ低減処理を実施してもよい。例えば16フレーム分の画像を、対応する画素ごとに加算して平均値を取得し、当該平均値を画素値とする画像を生成する。
次に特徴点情報取得部36は、撮影画像から特徴点の像を抽出する(S22)。チェッカーパターンのマス目の頂点を特徴点として検出する手法として様々なものが実用化されており、ここではそれらのいずれを採用してもよい。例えばHarris特徴量を用いた手法によれば、特徴量の値が所定値以上のものを、マス目の頂点(コーナー)として抽出できる(C. Harris and M. Stephens, "A combined corner and edge detector", Proceedings of the 4th Alvey Vision Conference, 1988, pp. 147-151参照)。
ただしこの手法で求めた位置座標では精度が十分でない場合があるため、2つのエッジ輝度勾配を用い、サブピクセル精度で撮影画像における位置座標(u,v)を取得することが望ましい。この処理には、オープンソースの画像処理ソフトウェアライブラリとして代表的なOpenCVのcv::FindCornerSubPix()関数などを利用できる。さらに特徴点情報取得部36は、マーカーの像との位置関係に基づき各特徴点のインデックスを求め、射影変換パラメータ記憶部30に格納された変換パラメータを用いて、チャート200での位置座標に変換する。これにより、特徴点の撮影画像上での位置座標とチャート200の3Dモデルでの位置座標とを対応づけた特徴点情報を生成する(S24)。
この際、マーカーの図形によってチャート200を構成する平面を識別し、各平面に対応づけられた変換パラメータを、射影変換パラメータ記憶部30から読み出して用いる。多眼カメラの場合、S24の処理を、全てのカメラが撮影した画像について繰り返す(S26のN)。全てのカメラが撮影した画像について特徴点情報を生成できたら(S26のY)、キャリブレーション部38は、当該特徴点情報を用いてキャリブレーションを行い、カメラパラメータを取得する(S28)。S28の処理は、非特許文献1などに記載されている既存の技術を利用できる。
以上述べた技術によれば、撮像面に対し複数の角度を有するチャート面を一度に撮影でき、かつチャートパターンに表された特徴点と撮影画像に写る特徴点との対応づけが容易なため、キャリブレーションの精度を保ちながら作業工数を減らすことができるという顕著な効果を奏する。一方、角度の異なる面を組み合わせる都合上、それを撮影した画像において特徴点の像が均一に写らないことが考えられる。
図5は、図2で示したように高さの等しい2面のチャートの1辺を突き合わせ、所定角度をなすようにしたチャートの撮影環境と、その撮影画像を例示している。(a)に示すように、チャート200のパターンの正面に撮像装置12を設置し撮影する。この際、例えば撮像装置12の背後に照明204を設置し、チャートパターンに投光することにより、その像を鮮明に撮影できるようにする。しかしながらチャート200の2平面の接合部分である奥側に向かうほど面同士の間隔が狭まり、かつ照明204から離れるため光が当たりにくい。
そのため(b)の撮影画像における領域206のようにパターンが暗く写り、特徴点の抽出精度がその他の領域より低くなる可能性がある。領域206で十分な輝度が得られるように照明204の光を強くすると、表面ハイライトなどによりやはり特徴点の抽出精度が均一にならないことが考えられる。そこで本実施の形態では、チャート面の辺を構成する共通の軸周りの開き角度以外に、チャート面ごとに独立した軸周りに0°<θ<180°の所定角度θだけ傾斜させたチャートを形成する。
図6は、チャート面を独立した軸周りに所定角度傾斜させてなるチャートについて説明するための図である。上段のチャート200は図5で示したチャート200と同様、接合する辺方向の軸、図では垂直方向のY軸周りに所定角度θをなす2平面のチャートを示している。本実施の形態ではさらにY軸と垂直な軸、図では一方のチャート面上の水平方向のX軸周りに、当該チャート面を所定角度θだけ傾斜させてチャート210を形成する。この傾斜は、チャート面から見てピッチ方向の回転に対応する。あるいはさらに、他方のチャート面上の水平方向のX’軸周りに、当該チャート面を逆方向に所定角度だけ傾斜させてもよい。
図7は、本実施の形態のチャートの撮影環境と、その撮影画像を例示している。(a)に示すように、チャート214は、元のチャート200、すなわち接合される辺に対応する垂直な軸周りにθの角度を有する2つのチャート面を、それぞれ1/2の高さの水平方向の軸周りに±θ/2だけ傾斜させた形状を有する。例えばθ/2=30°とする。撮像装置12は好適には、その光軸が2つの面の接点を通るように設置する。ただし2つの面のチャートパターンが視野に入れば、撮像装置12の位置は限定されない。
このチャート214に対し、撮像装置12側の照明216a以外に、各チャート面の背後にも照明216b、216cを配置する。2つのチャート面が、共通の軸以外の軸で傾きを有することから両者の間に入射経路が生じ、一方の面の背後から当てた光は、他方の面の前面に到達する。したがって、2つの面の背後にそれぞれ照明216a、216bを設置することにより、どちらの面に対しても、近い位置からの投光が可能になる。これにより、図5に示したチャート200で光の当たりにくかった奥側を、強い光を当てることなく明るくすることができる。
照明216a、216b、216cの位置は、チャートパターン全体に均一な光が当たるように最適化する。例えば各チャート面の背後の照明216b、216cは高さ方向に差を設け、面の間から十分な入射光が得られるようにする。また表面ハイライトが生じないように光の強度も最適化する。照明216a、216b、216cとチャート214の最適な位置関係を取得したら、図1に示したような治具14によりそれらを固定する。また治具14と同様に撮像装置12も固定できるようにする。(b)はこのようにして撮影された画像を示している。図5の(b)の撮影画像と比較すると、チャート面の全ての領域において、より均一な明るさでパターンの像が得られている。
なおチャート214に表すパターンは好適には、撮影画像において所定のパターンが得られるように、撮像面から面までの距離の変化に応じた変換を当該所定のパターンに施したものとする。例えば上述のとおり、撮影画像上で縦方向、横方向にパターンが略均一のサイズで配列するように、撮像面に対する各面の姿勢に対応するパースをかけておく。これにより、特徴点の抽出とチャートパターンの3Dモデルとの対応づけを精度よく行える。またチャート214に表すパターンには上述のとおり、各面を識別するとともに、特徴点のインデックスを特定するための、面ごとに異なるマーカーを含める。
各チャート面の傾斜角をそれぞれ所定の角度として、治具により撮像装置とともに固定することにより、撮像面に対する各面の姿勢が既知となり、チャートパターンへのパースの与え方を一意に決定することができる。このようにチャート自体と、撮像装置の固定具を含む構造体は、キャリブレーションにおいて必要な変換パラメータを決定づけるため、当該構造体全体の形状自体を固定としたキャリブレーション用器具として実現することができる。このキャリブレーション用器具には、最適化された位置および発光強度の照明を含めてもよい。チャート214を用いたキャリブレーションの方法や、それを実現するキャリブレーション装置は、上述したものと同様でよい。
図8は、図7で示したチャート214の三面図を示している。平面図220aによれば、チャート210の一方の面が上向きでありチャートパターンが見えている。背面が見えている他方のチャート面の背後には、照明216bを配置する。これにより上向きのチャートパターンを照らすことができる。またこれらのチャート214に正対するように撮像装置12および照明216aを配置する。正面図220bによれば、チャート214の2面には双方ともチャートパターンが見えている。この方向から撮像装置12により撮影することにより、図7の(b)で示したような画像を撮影できる。
右側面図220cによれば、奥に位置するチャート面が右向きのためチャートパターンが見え、手前に位置するチャート面は左向きのため背面が見えている。またそれぞれ1/2の高さの水平方向の軸周りに角度を持たせたため、各面が交差した状態となっている。手前にある背面が見えているチャート面の背後には、照明216cを配置する。これにより右向きのチャートパターンを照らすことができる。
以上、述べた本実施の形態によれば、撮像装置のキャリブレーションにおいて、所定角度をなす複数の平面で構成されるチャートを用いる。これにより、1つの平面を視点を変えて撮影したのと同等の情報を、一度の撮影で得ることができる。ここでチャートを構成する面は、各面の辺で構成される共通の軸周りの開き以外に、面ごとに独立した軸周りで0°<θ<180°の所定角度で傾斜させた状態とする。これにより光の入射経路を複数方向に形成できるため、チャートパターンに均一に光を当てることができ、撮影画像において均一な像を得ることができる。結果として撮影画像の全ての領域の情報に基づき正確かつ効率的に内部パラメータや外部パラメータを導出できる。
以上、本発明を実施の形態をもとに説明した。上記実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
例えばな本実施の形態では2面からなるチャートを例示したが、チャートの面の数は限定されない。3面以上の場合も、隣り合う面に対し共通の軸周りの回転以外に、それぞれ独立した軸周りの回転、あるいは一方のみの回転を与えることにより、面の間に光の入射経路が形成される。環境光が十分な場合などは、上述したように照明を配置せずとも入射経路の形成によって全領域で鮮明な像が得られる。
10 キャリブレーション装置、 12 撮像装置、 14 治具、 34 画像取得部、 36 特徴点情報取得部、 38 キャリブレーション部、 40 射影変換パラメータ記憶部、 42 特徴点情報記憶部、 44 カメラパラメータ記憶部、 210 チャート、 214 チャート、 216a 照明。

Claims (8)

  1. 撮像装置のキャリブレーション用のチャートであって、
    表面にチャートパターンを表した所定角度をなす複数のチャート面を、独立した軸周りに所定の角度だけ傾斜させてなることを特徴とするキャリブレーション用チャート。
  2. 2枚の前記チャート面のうち一方のチャート面を、当該チャート面上の水平方向の軸周りに傾斜させてなることを特徴とする請求項1に記載のキャリブレーション用チャート。
  3. 2枚の前記チャート面を、各チャート面上の水平方向の軸周りに逆方向に傾斜させてなることを特徴とする請求項1に記載のキャリブレーション用チャート。
  4. 前記チャートパターンは、撮影画像において所定のパターンが得られるように、撮像面から前記チャート面までの距離の変化に応じた変換を前記所定のパターンに施してなることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のキャリブレーション用チャート。
  5. 前記チャートパターンは、前記チャート面ごとに異なるマーカーの画像を含むことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のキャリブレーション用チャート。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載のキャリブレーション用チャートと、
    当該キャリブレーション用チャートを撮影する撮像装置を固定する固定具と、
    を固定したことを特徴とするキャリブレーション用器具。
  7. 前記キャリブレーション用チャートの前後に、それぞれ照明が固定されていることを特徴とする請求項6に記載のキャリブレーション用器具。
  8. 前記複数のチャート面の背後のそれぞれに、照明が固定されていることを特徴とする請求項6または7に記載のキャリブレーション用器具。
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