JP2020174093A - レーザー増幅器 - Google Patents

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Abstract

【課題】V字型反射のメカニズムを採用しながら垂直型反射と同様な増幅を可能として出射レーザー光の歪みが少なく構造がシンプルで高効率なレーザー増幅器を提供する。【解決手段】対向する両端面が平行研磨され、一の端面に増反射膜HRが形成され、他の端面に反射防止膜ARが形成された増幅用利得媒質15と、この増幅利得媒質15の他の端面に外部から導入される入射レーザー光12を所定角度で入射させ、前記一の端面で反射させ、再度前記他の端面から増幅された出射レーザー光26として出射させる反射体9aと、入射レーザー光12と出射レーザー光26が形成するV字状光路に重畳する励起レーザー光25を外部から導入する励起レーザー光導入部20と、を有し、所定角度は反射体9aの端部28aに出射レーザー光26がわずかに接しない距離を実現する角度であることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、YAGレーザー等の固体レーザーの増幅器に関する。
従来の固体レーザー増幅器は、主に偏光特性を利用したW−PASS励起方式(例えば特許文献1、2参照)と、Z型やV型、リング状の斜め多重反射、またはジグザグ多重反射方式の様にレーザー増幅媒質内を斜めに複数回入射させることにより、励起距離を長くして利得を上げる方式(例えば特許文献3、4参照)に分類できる。いずれの増幅器も増幅媒質を単に通過させるだけでは増幅効率が良くないので、W−PASS励起方式では偏光ビームを波長板で90度回転させて反射して増幅媒質内を往復させることで倍近くに増幅効率を高めている。
また、ジグザグ多重反射方式では複数回励起回数を増やすことで増幅率を高めている。
一例として、特許文献1に開示される「光増幅システム」を図7に示す。
図7は特許文献1における図4をそのまま引用するものであり、光増幅システムの光学系を示している。信号光を発するマスターレーザー61と、信号光を増幅する光増幅器62を備え、光増幅器62は、Ndドープバナデート混結晶63、レンズ64、及び励起半導体レーザーアレイからの励起出力光65で構成される。
マスターレーザー61から光増幅器62の間には、半波長板66、69、72、偏光方向により光を反射又は透過する偏光ビームスプリッタ67、70、ファラデー回転子68、71、及びレンズ73、74、75が図に示すように配置されている。
光増幅器62から出射した光は、レンズ76を通過しプリズム77で反射された後、再び光増幅器62へと入射する。その後、レンズ78、79、80、及び半波長板81を透過し、位相共役鏡(PCM)82で反射された後、再び光増幅器62へと入射する。位相共役鏡(PCM)82は、Ndドープバナデート混結晶83及びレンズ84、85で構成される。再び光増幅器62へ入射した光は、同様の経路を経て、最終的に偏光ビームスプリッター70を透過し出射する。
この特許文献1に開示されるレーザー増幅器では、偏光特性を利用したW−PASS励起方式でピコ秒レーザーの増幅ができるものである。特許文献1のレーザー増幅器の基本原理はマスターレーザー61から発振された偏光レーザー光を偏光ビームスプリッター70で90度反射させ、光増幅器62で増幅したレーザー光を、半波長板72を用いて90度偏光方向を変え、再び偏光ビームスプリッター70に入光されているが、90度偏光方向が回転しているので、そのまま通過して出力されている。
しかしながら特許文献1において、偏光ビームスプリッター67、70は耐力が強いものを作るのが難しく、高いピークパワーでは偏光ビームスプリッターのコートにダメージがはいるので出力パワー制限があった。また、偏光ビームスプリッター70の偏光度は100%ではないので偏光ビームスプリッター70にて直角に戻り、戻り光となってLDを戻り光破損させる。よって、半波長板66,69と偏光ビームスプリッター67で構成されるアイソレータが必要になる。
本来増幅器の原理はシンプルであるが、破損対策の為に、多くの光学部品が追加必要とされ、複雑にならざるを得なかった。
また、偏光レーザーでないと増幅できなかった。更に、複雑になり大型化すると僅かなミラーの傾きで出力低下するので、特許文献2に開示される「固体レーザー増幅器及び固体レーザー装置」のようにミラーの傾きずれを検知し制御補正する複雑なシステムが必要となり、更に大型化ならざるを得なかった。
そこで、上記の課題を解決するために、特許文献3に開示される「レーザ媒質ユニット、レーザ増幅器及びレーザ発振器並びに冷却方法」や特許文献4に開示される「共振器およびレーザ装置」のように、レーザー増幅媒質に斜め入射させて、レーザー増幅媒質内でV字反射させる方法が容易に考えられる。
特開2009−290030号公報 特開平9−181378号公報 特開2014−022568号公報 特開2017−139344号公報
しかしながら、特許文献3や特許文献4に開示されるようにV字反射される入射レーザー光を励起すると、図8乃至図10に示すようにビーム形状が大きく歪む課題があった。
以下に図8乃至図10を用いて、増幅されたレーザー光が歪む理由を説明する。
図8(a)において、増幅用利得媒質86のHR(増反射膜コーティング)面にて入射レーザー光87がV字反射し、増幅された出射レーザー光88となって出射されている。前記V字反射される中心線89を光軸とした励起レーザー光90が入射レーザー光87より大きいと、図8(b)に示すように、図8(a)のB−B線断面にて、入射レーザー光87の円形状断面91と出射レーザー光88の円形状断面92がずれた状態で増幅されるので、図8(c)に示されるように、出射レーザー光88に歪んだレーザー光93が加算されたいびつな楕円形状となる。なお、図8(a)において紙面を正面視した際の上方向をx方向として、図8(a)の他、図8(b)、図8(c)、さらには図9、10においても同様に図示されている。また、図8乃至図10に示される符号ARで示される面は反射防止膜コーティング面を意味している。
図9(a)は励起レーザー光90の照射径が入射レーザー光87の照射径より小さい場合のV字反射の状態を示す概念図であるが、図9(a)のC−C線断面における出射レーザー光のビーム強度分布を示す図9(b)が示すとおり、出射レーザー光88は中心部がビーム強度的に尖がった歪んだ形状になる。なお、図9(b)の断面におけるP軸はC−C断面における出力の強度を示す軸であり、紙面の上方向(すなわち、P軸の矢印に向かう方向)ほどビーム出力が強いことを示すものである。また、図8と同一の構成要素には同一の符号を付している。
次に、図10(a)は、外観上見栄えを良くするために、励起レーザー光90を斜め入射するのをやめて、励起レーザー光90と出射レーザー光88を同軸上に配置したものである。この場合は入射レーザー光87と励起レーザー光90に図中ハッチング領域として示される重畳部94が存在する。
この重畳部94では、図10(b)に示すように直角三角形状のまま増幅され、更に図10(c)に示すように長方形状のレーザー強度分布を持つ出射レーザー光88のビームモードが長方形のままそのまま増幅されたレーザー強度分布95となっている。したがって、図10(b)の重畳部94のレーザー強度分布96と図10(c)のレーザー強度分布95が合成され、図10(d)に示すように歪んだレーザー強度分布になる。
これまで図8乃至図10を参照しながら説明したとおり、V字型反射ではどのような位置関係にしても歪まずに増幅することはできなかった。
本発明はかかる従来の事情に対処してなされたものであり、V字型反射のメカニズムを採用しながら垂直型反射と同様な増幅を可能として出射レーザー光の歪みが少なく構造がシンプルで高効率なレーザー増幅器を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、第1の発明であるレーザー増幅器は、対向する両端面が平行研磨され、一の端面に増反射膜(HRコーティング)が形成され、他の端面に反射防止膜(ARコーティング)が形成された第1の増幅用利得媒質と、外部から導入される入射レーザー光を第1の入射レーザー光として第1の端部で反射させ前記第1の増幅用利得媒質の前記反射防止膜が形成された前記他の端面に対して所定角度で入射させることで、前記第1の入射レーザー光を前記増反射膜が形成された前記一の端面で反射させ、再度前記他の端面から増幅された第1の出射レーザー光として出射させる第1の反射体と、前記第1の入射レーザー光と前記第1の出射レーザー光が形成するV字状光路に重畳する第1の励起レーザー光を外部から前記第1の増幅用利得媒質の前記一の端面に導入する第1の励起レーザー光導入部と、を有し、前記所定角度は、前記第1の反射体の前記第1の端部に前記第1の出射レーザー光が接する状態又はわずかに接しない距離離れる状態を実現する角度であることを特徴とするものである。
このように構成される第1の発明においては、第1の入射レーザー光を第1の 反射体の第1の端部で反射させて第1の増幅用利得媒質の他の端面(反射防止膜が 形成された面)から所定の角度で増幅用利得媒質へ入射させることで、一の端面(増 反射膜が形成された面)で反射させて再度他の端面から増幅して出射される第1の 出射レーザー光が、先の第1の反射体の第1の端部に接する状態又はわずかに接 しない距離離れる状態となるように作用する。
すなわち、第1の反射体で反射される第1の入射レーザー光が第1の増幅用利 得媒質の他の端面から入射し、第1の増幅用利得媒質の一の端面で反射して、再度他の端面から第1の出射レーザー光として出射する際に、第1の入射レーザー光と第1の出射レーザー光のなす角度が極めて小さくなるような角度を所定の角度とし て、このような角度を実現するために第1の反射体を配置することで、第1の入 射レーザー光と第1の出射レーザー光が先の第1の反射体の第1の端部に接する 状態又はわずかに接しない距離離れる状態となるように作用する。
また、第2の発明であるレーザー増幅器は、第1の発明において、前記第1の反射体は鋭角を挟んだ2面で構成されるエッジ部を備え、前記第1の端部は前記エッジ部の端部として形成され、前記外部から導入される入射レーザー光は前記エッジを構成する2面のうち1面側の前記端部で反射され、前記所定角度は前記第1の反射体の他の1面側の前記端部に対して前記第1の出射レーザー光が接する状態又はわずかに接しない距離離れる状態を実現する角度であることを特徴とするものである。
このように構成される第2の発明においては、第1の発明の作用に加えて、第1の反射体が備える鋭角を挟んだ2面で構成されるエッジ部が、エッジ部の2面 のうちの1面側の端部で反射された第1の入射レーザー光が増幅用利得媒質の他 の端面から入射し、増幅用利得媒質の一の端面で反射されて再び他の端面から第1の出射レーザー光として出射される際に、エッジ部の他の1面側の前記端部に対して 接する状態又はわずかに接しない距離離れる状態となるように作用する。
そして、第3の発明であるレーザー増幅器は、第1の発明又は第2の発明において、前記第1の出射レーザー光の外径をdoutとし、前記第1の増幅用利得媒質の前記一の端面から前記第1の反射体の前記第1の端部までの距離をLとした場合に、
out/2L<0.04 (1)
であることを特徴とするものである。
このように構成される第3の発明においては、第1又は第2の発明の作用に加 えて、上式(1)を満足することで、第1の出射レーザー光のビーム径に大きな変形を生じさせないように作用する。
さらに、第4の発明であるレーザー増幅器は、第1の発明乃至第3の発明のいずれか1つの発明において、前記第1の入射レーザー光の前記第1の反射体に対する入射角度を調整可能なミラーを備えることを特徴とするものである。
このように構成される第4の発明においては、第1乃至第3のいずれか1つの 発明の作用に加えて、ミラーが第1の反射体に対する第1の入射レーザー光の入 射角度を調整可能に作用する。
さらに、第5の発明であるレーザー増幅器は、第1の発明乃至第4の発明のいずれか1つの発明において、前記第1の増幅用利得媒質の前記他の端面の前にビームエキスパンダを備えることを特徴とするものである。
このように構成される第5の発明においては、第1乃至第4のいずれか1つの発明の作用に加えて、ビームエキスパンダが第1の入射レーザー光のビーム径を 大きくするように作用する。
なお、ビームエキスパンダは第1の増幅用利得媒質の他の端面の前としているが、この「前」は広く前段あるいは上流を意味するものであり、他の端面の直前のみならず、外部から導入される入射レーザー光が本発明であるレーザー増幅器に入射される箇所から第1の増殖用利得媒質の他の端面の前までを含む概念である。
さらに、第6の発明であるレーザー増幅器は、第1の発明乃至第5の発明のいずれか1つの発明において、第1の励起レーザー光導入部は、光ファイバのバンドル(束)を備え、前記第1の励起レーザー光を前記バンドルの一部又は全部から導入可能なスイッチが設けられることを特徴とするものである。
このように構成される第6の発明においては、第1乃至第5のいずれか1つの発明の作用に加えて、光ファイバのバンドルの一部又は全部から導入可能なスイ ッチが、第1の出射レーザー光の出力分布を調整するように作用する。
さらに、第7の発明であるレーザー増幅器は、第1の発明乃至第6の発明のいずれか1つの発明において、前記第1の増幅用利得媒質の前記他の端面の前に高調波を発生する非線形光学素子を備えることを特徴とするものである。
このように構成される第7の発明においては、第1乃至第6のいずれか1つの 発明の作用に加えて、高調波を発生する非線形光学素子が第1の入射レーザー光 の波長を変換するように作用する。
さらに、第8の発明であるレーザー増幅器は、第1の発明において、対向する両端面が平行研磨され、前記両端面のうち一の端面に増反射膜(HRコーティング)が形成され、他の端面に反射防止膜(ARコーティング)が形成された前記第1から第nの増幅用利得媒質と、第(n−1)の出射レーザー光を第nの入射レーザー光として第nの端部で反射させ前記第nの増幅用利得媒質の前記反射防止膜が形成された前記他の端面に対して第nの所定角度で入射させることで、前記第nの入射レーザー光を前記第nの増幅用利得媒質の前記増反射膜が形成された前記一の端面で反射させ、再度前記第nの増幅用利得媒質の前記他の端面から増幅された第nの出射レーザー光として出射させる第1から第nの反射体と、前記第nの入射レーザー光と前記第nの出射レーザー光が形成するV字状光路に重畳する第nの励起レーザー光を外部から前記第nの増幅用利得媒質の前記一の端面に導入する第nの励起レーザー光導入部と、を有し、前記第nの所定角度は前記第nの反射体の前記第nの端部に前記第nの出射レーザー光が接する状態又はわずかに接しない距離離れる状態を実現する角度であり、前記nは2以上の整数であり、前記第1の増幅用利得媒質、前記第1の反射体、前記第1の励起レーザー光導入部から、前記第nの増幅用利得媒質、前記第nの反射体、前記第nの励起レーザー光導入部は、前記第(n−1)の出射レーザー光を前記第nの入射レーザー光として、複数段増幅するように構成されることを特徴とするものである。
このように構成される第8の発明においては、第1の発明の作用に加えて、第1の反射体、励起レーザー光導入部、増幅用利得媒質から第nの反射体、励起レーザー光導入部、増幅用利得媒質を備えることで、外部から入射される入射レー ザー光を第1の入射レーザー光とし、第1の出射レーザー光を第2の入射レーザ ー光として、順次n段まで増幅するように作用する。
第1の発明であるレーザー増幅器によれば、第1の入射レーザー光と第1の出射レーザー光のなす角度が極めて小さくなるように第1の反射体を配置することで、増幅用利得媒質の一の端面にて極めて角度の小さいV字状に反射できるので、ほぼ垂直反射同様な増幅が可能となり、歪みが少なく高効率でシンプルなダブルパス端面励起増幅器が実現できる。
第2の発明であるレーザー増幅器によれば、第1の発明の効果に加えて、鋭角を挟んだエッジ部を備えることで、第1の反射体のエッジ部の1面側で反射された第1の入射レーザー光と、第1の反射体のエッジ部の他の1面側の端部に接する状態又はわずかに接しない距離離れる状態となるように出射される第1の出射レーザー光とのなす角度を第1の発明に比較してより小さくなるようにすることが可能である。したがって、増幅用利得媒質の一の端面にてより極めて角度の小さいV字状に反射させることができるので、より垂直反射同様な増幅が可能となり、より歪みが少なく高効率でシンプルなダブルパス端面励起増幅器を実現させることができる。
第3の発明であるレーザー増幅器によれば、第1又は第2の発明の効果に加えて、第1の出射レーザー光のビーム径に大きな変形を生じないので、増幅効率を高めることが可能である。したがって、式(1)を満足することで第1の反射体によるエネルギーの損失がほとんどなくなるという効果を発揮する。
第4の発明であるレーザー増幅器によれば、第1乃至第3のいずれか1つの発明の効果に加えて、ミラーによって第1の反射体に入射する第1の入射レーザー光の角度を調整することができるので、第1の反射体の配置、向きに関し、裕度を取ることが可能である。
第5の発明であるレーザー増幅器によれば、第1乃至第4のいずれか1つの発明の効果に加えて、第1の入射レーザー光のビーム径が大きくできることから第1の出射レーザー光のビーム径を大きくでき、よって、開口数を大きくとることが可能である。
第6の発明であるレーザー増幅器によれば、第1乃至第5のいずれか1つの発明の効果に加えて、第1の出射レーザー光の出力分布が調整されることで、熱分布も調整可能であり、出射レーザー光による加工点においても熱ダメージを抑制することができる。
第7の発明であるレーザー増幅器によれば、第1乃至第6のいずれか1つの発明の効果に加えて、波長の異なる出射レーザー光が必要な場合に、非線形素子が他の端面の前に備えられていることから往復で作用することになり、効率の高い波
第8の発明であるレーザー増幅器によれば、第1の発明の効果に加えて、1段からn段までの多段による増幅によって、高エネルギーの出射レーザー光を得ることが可能である。
(a)は本発明の実施例1に係るレーザー増幅器の構成図であり、(b)は(a)において符号Aで示す円形部分の構成を変えて示す部分構成図である。 (a)は本発明の実施例1に係るレーザー増幅器の評価実験を説明するための励起光学系の構成図であり、(b)は入射レーザー光のレーザー強度分布を示すグラフであり、(c)は出射レーザー光のビーム強度分布を示すグラフである。 (a)は本発明の実施例2に係るレーザー増幅器の励起光学系の構成図であり、(b)は入射レーザー光のビーム強度分布を示すグラフであり、(c)は出射レーザー光のビーム強度分布を示すグラフである。 (a)は本発明の実施例3に係るレーザー増幅器の励起光学系の構成図であり、(b)は入射レーザー光のビーム強度分布を示すグラフであり、(c)は出射レーザー光のビーム強度分布を示すグラフであり、(d)は第3の実施の形態に係るレーザー増幅器の光ファイバの断面構造を示す概念図である。 本発明の実施例4に係るレーザー増幅器の構成図である。 本発明の実施例5に係るレーザー増幅器の構成図である。 従来技術に係るレーザー増幅器の構成図である。 (a)は従来技術に係るレーザー増幅器において増幅用利得媒質でV字型反射する際の現象を説明するための概念図であり、(b)、(c)は(a)におけるB−B線矢視断面図での出射レーザー光のビーム強度分布を説明するための概念図である。 (a)は従来技術に係るレーザー増幅器において増幅用利得媒質でV字型反射する際の現象を説明するための概念図であり、(b)は(a)におけるC−C線矢視断面での出射レーザー光のビーム強度分布を説明するための概念図である。 (a)は従来技術に係るレーザー増幅器において増幅用利得媒質でV字型反射する際の現象を説明するための概念図であり、(b)、(c)、(d)はそれぞれ出射レーザー光のビーム強度分布を説明するための概念図である。
以下本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1(a)は本発明の実施例1に係るレーザー増幅器の構成図であり、(b)は(a)において符号Aで示す円形部分の構成を変えて示す部分構成図である。
図1(a)において、レーザー増幅器1は、外部から導入される入射レーザー光である増幅前レーザー光2を、レーザー増幅器1への入口である凹レンズ3を介して入射レーザー光4として導入し、その後、入射レーザー光4は鏡筒6に収容された凸レンズ7を経由して反射ミラー8でプリズム9aに向けて反射され、さらに反射体としてのプリズム9aで反射される。プリズム9aで反射された後の入射レーザー光12は、ベース14に固定された増幅用利得媒質15の反射防止膜(ARコーティング)が形成された端面(以下、単にAR端面という)から入射され、増反射膜(HRコーティング)が形成された端面(以下、単にHR端面という)において反射され、出射レーザー光26として再度AR端面から出射される。
図1(a)中の増幅用利得媒質15に符号ARで示されるのがAR端面であり、符号HRで示されるのがHR端面である。その後の図面でも同様である。
増幅用利得媒質15は回転軸16を中心に、ネジ17によってあおり調整できるようにベース14に固定されている。増幅用利得媒質1のHR端面側には、2枚の組合せレンズ21a,21bを内蔵した鏡筒20が配置され、この鏡筒20は励起レーザー光25を導入するための光ファイバ18と接続されており、励起レーザー光25の導入部として機能している。
増幅用利得媒質15のAR端面側には、鋭角を挟んだ2面で形成されるエッジ部のうち図中の上側に形成されるレーザー反射面を有するプリズム9aが出射レーザー光26の光軸27近傍に配置されている。
一方、増幅する前の入射レーザー光4の光軸5上にはレーザー増幅器1の本体に固定された凹レンズ3と前後に移動可能な鏡筒6に内蔵された凸レンズ7が配置され、更に光軸5の延長線上には反射ミラー8が斜めに配置されている。
かかる構成によれば、増幅前レーザー光2は凹レンズ3と凸レンズ7にて所定の径に拡大された入射レーザー光4となり、反射ミラー8で反射後、入射レーザー光12として前記プリズム9aのエッジ部の上側に形成されるレーザー反射面32aの端部28aにて反射され、増幅用利得媒質15のAR端面に入射される。ここで出射レーザー光26に接するプリズム9aのエッジ部の下側の面31aは、出射レーザー光26を遮光するかしないか程度、すなわち出射レーザー光26が端部28aと接するかあるいはわずかに接しない距離離れるように、この出射レーザー光26に対して平行研磨されている。
一方、増幅用利得媒質15のHR端面に入射される励起レーザー光25は、2枚の組合せレンズ21a,21bにより集光されたビームウエスト部(符号dで示す)が増幅用利得媒質15内部で、わずかな角度でV字状に反射される入射レーザー光12と重畳することにより入射レーザー光12を増幅する。すなわち、入射レーザー光12の光軸13と励起レーザー光25の光軸が増幅用利得媒質15のHR端面で交差し、出射レーザー光26の光軸27と励起レーザー光25の光軸は一致している。
なお、これらの光軸調整は反射ミラー8の回転調整と増幅用利得媒質15を水平にあおり調整するネジ17により、プリズム9aと出射レーザー光26を遮ることなく接する位置に調整されている。
なお、エッジ部を有する反射体としてプリズム9aにて説明したが、図1(b)に示すようにプリズム9aの代わりに通常の平板反射ミラー29のレーザー反射面32bの端部28dで入射レーザー光12を反射させ、この端部28dと出射レーザー光26が接するかあるいはわずかに接しない距離離れるように、平板反射ミラー29の下側の面31bとレーザー反射面32bを、鋭角を挟んだ2面から形成されるようなエッジ状に研磨しても同等な作用をするのは自明である。具体的には、平板反射ミラー29の下側の面31bを出射レーザー光26と平行となるように研磨することで下側の面31bとレーザー反射面32bがエッジ状に形成される。
また、増幅用利得媒質15の励起は光ファイバ18から行っているが、図示しない励起用レーザーダイオード(LD)から直接励起しても増幅できるのも自明である。
次に、かかる構成において図1(a)にて調整方法を説明する。
実際のレーザー光は次第に大きくなる特性があるので、プリズム9aと出射レーザー26の光軸27を接する様に調整するのは極めて難しい。また、出射レーザー光26とプリズム9aを接するようにし更に励起レーザー光25の集光位置、すなわちビームウエストdと増幅用利得媒質15内でV字反射する位置を合わせるのも極めて難しい。更に、各光学部品の固定位置もばらつくばかりでなく、図中における上下方向にも入射レーザー光4はばらつくので更に調整が難しい。
本発明では、このような難しい調整をできるだけ簡素化するために、プリズム9aに入射する入射レーザー光4に対し符号10で示す上下あおり方向と符号11で示す左右あおり方向(図1(a)の紙面に対して垂直方向)に微調整できる反射ミラー8を追加した。
かかる構成において、初めに光軸調整方法について調整順に説明する。
(1) 被増幅される増幅前レーザー光2と励起レーザー光25との光軸合わせのための凹レンズ3と凸レンズ7にて所定の径に拡大された入射レーザー光4は左右あおり方向11と上下あおり方向10なる微調整機構を有する反射ミラー8で反射され プリズム9aのエッジ部の端部28aにて反射され、増幅用利得媒質15のAR端面に入射され、励起レーザー光25と増幅用利得媒質15内部でV字状に反射される入射レーザー光12と重畳させる位置に来るように、反射ミラー8のあおり角を調整する。その際、プリズム9aのエッジ部の端部28aから外側にはみ出したり、内側にはいったりするので、エッジ部の端部28aにくるように、プリズム9aを前後(図面中の左右)に位置を微調整する。
(2) 入射レーザー光12と励起レーザー光25とのビーム径合わせ
2枚の組合せレンズ21a,21bを内蔵した鏡筒20を前後方向(図中の左右方向)に動かし、更に光ファイバ18の出射端面19と組合せレンズ21a,21bとの距離dも前後に移動して出射レーザー光26が最大パワーになるように増幅用利得媒質15内部においてビームウエストdを調整する。これをモードマッチングと呼ぶ。
(3) プリズム9aと出射レーザー光26との位置合わせ
モードマッチングをすることにより、出射ビーム径は変化するので、プリズム9aと出射レーザー光26との位置合わせが必要となる。増幅用利得媒質15は回転軸16を中心に、ネジ17にてあおり調整できるベース14に固定されているので、ネジ17を前後(図中の上下)に動かしベース14をあおり調整する。
(4)最適化調整
出射レーザー光26が最大パワーになるように上記(1)〜(3)の調整を繰り返すことにより、最適位置に調整することができる。
なお、上記の調整を説明する文章においては、出射レーザー光26はプリズム9aのエッジ部の端部28aに接する位置に調整したが、わずかに接しない距離離れる状態を保っても良い。図1では、わずかに接しない距離離れる状態を示している。
(評価試験)
出射レーザー光26の径をdout、増幅用利得媒質15のHR端面からプリズム9aのエッジ部の端部28aまでの距離をLとし、式(1)で示される条件を満足すると
out/2L<0.04 (1)
ビーム径に大きな変形がなく、プリズム9aによる損失も殆どなく、増幅効率が高い良好な増幅器を構成できることが評価試験にて確かめられた。
以下に実施した評価実験について図2(a)〜(c)も参照しながら説明する。
図2(a)は本発明の第1の実施の形態に係るレーザー増幅器の評価実験を説明するための励起光学系の構成図であり、(b)は入射レーザー光のレーザー強度分布を示すグラフであり、(c)は出射レーザー光のレーザー強度分布を示すグラフである。
鏡筒20及び光ファイバ18及び増幅用利得媒質15からなる励起光学系はビームウエストd=1.8mm、ビームウエスト長は約2〜3mmになるように組合せレンズ21a,21bと鏡筒20の位置を微調整した。この時、実測した有効励起長Leff=約10mmであった。
出射レーザー光26の径dout=3mm、L=100mmとした。この場合、dout/2L=0.015であり、0.04よりも小さいので式(1)を満足している。V字反射による光軸ずれ量αを下記に示す。
α=dout/2*(Leff/L)=3/2*(10/100)=0.15mm
よって、dout=3mmに対し0.15/3=5%のビーム歪しか発生せず、ほぼ円径ビームを維持することができた。なお、増幅用利得媒質15に入射されるビーム径dinは1.8mmとした。
次に増幅用利得媒質15により増幅した出射レーザー光26が1.8mmから3mmに増加する理由を図2(a)〜(c)を用いて説明する。
励起レーザー光25のビームウエストd=1.8mmを入射される入射レーザー光12のビームdinと同じに調整しているので、更に上述したように有効励起長Leffでの光軸ずれ量は0.15mmとなる。よって出射レーザー光26のビーム径doutは1.8+0.15=1.95mmと計算される。
しかし、励起レーザー光25は集光ビームなので増幅用利得媒質15への入射ビーム径dpは図2(c)に示されるとおりdwより少し大きくなる。入射レーザー光のビーム径dinはレーザーの特性上、図2(b)に示されるとおり裾野30に僅かに強度があるので、裾野30が増幅されて、ビーム径は3mmと大きくなっている。
次に評価実験条件と結果を示す。
(条件)波長1064nm 増幅用利得媒質 6.35mm径x50mm長さ、
Nd0.7%含有(ドープ)
808nm励起パワー1.09KW、励起時間450μs、
入射レーザー光のレーザーエネルギ=24.5mJ
パルス幅1ns×4パルス
(結果)出射レーザー光のレーザーエネルギ
励起レーザー光の重畳無し時=21.62mJ
同重畳時=123.2mJ
損失=(24.57−21.62)/24.57=12%
増幅率=123.2/24.57=約5倍
ピークパワー=123.2mJ/(1ns×4パルス)=30.8MW
上記に示すように、本発明が小型シンプルにもかかわらず、レーザー増幅器の損失は12%と極めて小さく、増幅率5倍と大きな増幅ができ、またピークパワー30.8MWものジャイアントパルス生成に耐えることも確認できた。
更に、偏光ビームスプリッター(PBS)等破損耐力の低い光学部品が不要なので、入射ビームや励起ビームの径を大きくすることで更に大きく増幅することができる。
更に、入射ビームの偏光依存性もなく、ビーム径を変更可能な凹レンズ3と凸レンズ7の組み合わせによるビームエキスパンダにより、必要とするサイズにも任意に変更できるので、汎用レーザー増幅器としても活用できる。
なお、本実施例ではビームエキスパンダとして凹レンズ3と凸レンズ7を反射ミラー8よりも前段(上流)側に設けているが、ビームエキスパンダはレーザー増幅器1へ増幅前レーザー光2が入射される箇所、すなわちレーザー増幅器1の入口から増幅用利得媒質15のAR端面の前までの間であればいずれの箇所に設けてもよい。
従来レーザー増幅器は汎用品が無く、発振器とセットで特殊な高度レーザー技術者が個別設計していたが、本発明により、高度レーザー技術者でなくても容易に種々のレーザー光の強度UPが可能になる。この汎用化によりレーザー活用において大きな便宜性を提供し、レーザー発展に貢献することができると考える。
次に、図3(a)〜(c)を参照しながら、本発明に係る実施例2について説明する。図3(a)は本発明の実施例2に係るレーザー増幅器の励起光学系の構成図であり、(b)は入射レーザー光のビーム強度分布を示すグラフであり、(c)は出射レーザー光のビーム強度分布を示すグラフである。
図3(a)において 励起レーザー光25のビームウエスト径d2は、入射ビーム径dinより小さく、更に増幅用利得媒質15のHR端面における励起レーザー光25の入射ビーム径dp2も入射レーザー光12のビーム径dinより小さくしている。
この場合、入射レーザー光12の裾野が増幅されないので、出射レーザー光26のビーム径を入射レーザー光12のビーム径と同等の径にすることができる。そうすると、当然に損失が増え、増幅率も低下するが、ビームモードの良い、すなわちビーム強度分布がガウシアンに近い出射レーザー光26を得ることができる。
更に、図3(b)に示すように、励起レーザー光25のビームモードを、トップハット形状にすることにより、入射レーザー光12のビームモードを類似形状に保存することができる。また、励起レーザー光25のビームモードをガウシアン形状にすると、増幅率が5倍と大きく、増幅された出射レーザー光26もガウシアン形状にすることができる。この原理により、ビーム品質の向上も図ることができる。
次に、図4(a)〜(c)を参照しながら、本発明に係る実施例4について説明する。
図4(a)〜(c)は光ファイバ18を図4(d)に示すような7コンバイナ等のリング状の導光体にした場合の励起光学系(a)と励起状態(b)と出射レーザー光26のビームモード(c)を示した図である。これらの図において、励起レーザー光25のビームウエスト径と増幅用利得媒質15への入射ビーム径をそれぞれdw3、dp3としている。
ピークパワーがKW級の励起の場合、中心部が熱破損することがあるが、7コンバイナの中心ファイバ35を励起しないことで中心部の熱破損を防止できる。また、この時増幅された出射レーザー光26もリング形状になり、この出射レーザー光26を集光するとリングビームが重畳されて、図4(c)に示されるようなトップハットに近い中央部が窪んだ集光スポットが得られる。熱分布もトップハット状に近くなるので、加工点においても、中心部に熱ダメージを起こしにくい均質な加工ができる。
さらに可変倍率のビームエキスパンダを付加することにより、入射レーザー光12と励起レーザー光25のビームザイズ比を可変できるので上述した各種の任意なレーザビームモードやビーム径を作り出すことができる。
更に、PBSが無い等、偏光特性の影響を受けない構成なので、顧客が増幅したい任意の変更特性があるレーザー光を任意のビーム径にモードマッチングすることも可能になり、シンプルで汎用的なレーザー増幅器を提供することができる、
また、偏光特性のないフラッシュランプ励起YAGレーザーに対しても、YAGの発振波長1064nmであれば増幅することができるばかりでなく、1064nmに近い波長の1070nmのファイバレーザ光も増幅することができる。
次に、図5を参照しながら本発明に係る実施例4について説明する。
図5は、本発明の実施例4のレーザー増幅器の構成図である。これまでの図に記載された構成要素と同一のものについては同一の符号を付している。
図5において、プリズム9aのエッジ部の端部28a近傍にて反射され、10〜20mmと短い増幅用利得媒質15のAR端面に入射される前に第2高調波発生(SHG)素子36を、増幅用利得媒質15のAR端面近傍に配置することにより、第2高調波発生(SHG)素子36を往復するように通すことで、効率の高い波長変換を行うことができる。
次に、図6を参照しながら本発明に係る実施例5について説明する。
図6は、本発明の実施例5のレーザー増幅器の構成図である。これまでの図に記載された構成要素と同一のものについては同一の符号を付している。また、図6に開示されるレーザー増幅器41では、図1のレーザー増幅器1に対し、新たに反射型の直角プリズム9bと第2の増幅用利得媒質44と鏡筒49と光ファイバ47が追加された構成となっている。
かかる構成によれば、入射レーザー光12は、直角プリズム9bの直角を挟んだ2面で構成されるエッジ部の端部28b近傍で反射後、ベース14に固定された増幅用利得媒質15のAR端面に入射される。
一方、出射レーザー光26は直角プリズム9bのエッジ部の端部28bの反対側近傍で反射された後、プリズム9cのエッジ部の端部28c近傍にて反射され、第2の入射レーザー光42として、第2のベース43に固定された増設の第2の増幅用利得媒質44のAR端面に入射される。第2の増幅用利得媒質44のHR端面側には、2枚の組合せレンズ50a,50bを内蔵した鏡筒49が配置され、この鏡筒49は励起レーザー光51を導入するための光ファイバ47と接続されている。励起レーザー光51は、外部から光ファイバ47を経由して出射端面48から鏡筒49内に導かれる。
第2の増幅用利得媒質44は、実施例1の増幅用利得媒質15と同様に、回転軸45を中心に、ネジ46にてあおり調整できる。なお、増幅用利得媒質を複数段設ける場合、図6に示されるベース14のように増幅用利得媒質のベースによってはレーザー増幅器41の本体にネジを設けることができない場合が生じるが、もちろんあおり調整できるような手段を別途設けておく。
HR端面から入射される励起レーザー光51は第2の増幅用利得媒質44の内部で、AR端面から入射されHR端面で、わずかな角度でV字状に反射して再びAR端面から出射する第2の入射レーザー光42に重畳することによって第2の入射レーザー光42を増幅する。そして、第2の入射レーザー光42は符号53で示される光軸を備えた出射レーザー光52となって出力される。
本実施例では増幅用利得媒質15と第2の増幅用利得媒質44の2段によってレーザー光を増幅したが、プリズムと増幅用利得媒質、及び励起レーザー光を複数段に設けることで、多段化が容易であり、更なる高エネルギーレーザー光を得ることができる。
また、本実施例では入射レーザー光4を反射して入射レーザー光12とし、さらに、出射レーザー光26を反射して第2の入射レーザー光42とするプリズムを1つの直角プリズム9bとしているが、これに代えて、入射レーザー光4を反射して入射レーザー光12とするプリズム(反射体)と出射レーザー光26を反射して第2の入射レーザー光42とするプリズム(反射体)を別個に設けてもよいことは言うまでもない。
以上説明したように、本発明の請求項1乃至請求項8に記載された発明は、様々な用途に用いられる固体レーザーの増幅器として広く利用することができる。
1…レーザー増幅器 2…増幅前レーザー光 3…凹レンズ 4…入射レーザー光 5…光軸 6…鏡筒 7…凸レンズ 8…反射ミラー 9a〜9c…プリズム 10…上下あおり方向 11…左右あおり方向 12…入射レーザー光 13…光軸 14…ベース 15…増幅用利得媒質 16…回転軸 17…ネジ 18…光ファイバ 19…出射端面 20…鏡筒 21a,21b…組合せレンズ 25…励起レーザー光 26…出射レーザー光 27…光軸 28a〜28d…端部 29…平板反射ミラー 30…裾野 31a,31b…面 32a,32b…レーザー反射面 35…中心ファイバ 36…第2高調波発生(SHG)素子 41…レーザー増幅器 42…第2の入射レーザー光 43…第2のベース 44…第2の増幅用利得媒質 45…回転軸 46…ネジ 47…光ファイバ 48…出射端面 49…鏡筒 50a,50b…組合せレンズ 51…励起レーザー光 52…出射レーザー光 53…光軸 61…マスターレーザー 62…光増幅器 63…Ndドープバナデート混結晶 64…レンズ 65…励起半導体レーザーアレイからの励起出力光 66…半波長板66 67…偏光ビームスプリッター 68…ファラデー回転子 69…半波長板 70…偏光ビームスプリッター 71…ファラデー回転子 72…半波長板 73…レンズ 74…レンズ 75…レンズ 76…レンズ 77…プリズム 78…レンズ 79…レンズ 80…レンズ 81…半波長板 82…位相共役鏡(PCM) 83…Ndドープバナデート混結晶 84…レンズ 85…レンズ 86…増幅用利得媒質 87…入射レーザー光 88…出射レーザー光 89…V字反射される中心線 90…励起レーザー光 91…円形状断面 92…円形状断面 93…歪んだレーザー光 94…重畳部 95…レーザー強度分布 96…レーザー強度分布 AR…AR端面 HR…HR端面

Claims (8)

  1. 対向する両端面が平行研磨され、前記両端面のうち一の端面に増反射膜(HRコーティング)が形成され、他の端面に反射防止膜(ARコーティング)が形成された第1の増幅用利得媒質と、
    外部から導入される入射レーザー光を第1の入射レーザー光として第1の端部で反射させ前記第1の増幅用利得媒質の前記反射防止膜が形成された前記他の端面に対して所定角度で入射させることで、前記第1の入射レーザー光を前記増反射膜が形成された前記一の端面で反射させ、再度前記他の端面から増幅された第1の出射レーザー光として出射させる第1の反射体と、
    前記第1の入射レーザー光と前記第1の出射レーザー光が形成するV字状光路に重畳する第1の励起レーザー光を外部から前記第1の増幅用利得媒質の前記一の端面に導入する第1の励起レーザー光導入部と、を有し、前記所定角度は、前記第1の反射体の前記第1の端部に前記第1の出射レーザー光が接する状態又はわずかに接しない距離離れる状態を実現する角度であることを特徴とするレーザー増幅器。
  2. 前記第1の反射体は鋭角を挟んだ2面で構成されるエッジ部を備え、前記第1の端部は前記エッジ部の端部として形成され、前記外部から導入される入射レーザー光は前記エッジ部を構成する2面のうち1面側の前記端部で反射され、前記所定角度は前記第1の反射体の他の1面側の前記端部に対して前記第1の出射レーザー光が接する状態又はわずかに接しない距離離れる状態を実現する角度であることを特徴とする請求項1記載のレーザー増幅器。
  3. 前記第1の出射レーザー光の外径をdoutとし、前記第1の増幅用利得媒質の前記一の端面から前記第1の反射体の前記第1の端部までの距離をLとした場合に、
    out/2L<0.04
    であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のレーザー増幅器。
  4. 前記第1の入射レーザー光の前記第1の反射体に対する入射角度を調整可能なミラーを備えることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のレーザー増幅器。
  5. 前記第1の増幅用利得媒質の前記他の端面の前にビームエキスパンダを備えることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のレーザー増幅器。
  6. 第1の励起レーザー光導入部は、光ファイバのバンドル(束)を備え、前記第1の励起レーザー光を前記バンドルの一部又は全部から導入可能なスイッチが設けられることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のレーザー増幅器。
  7. 前記第1の増幅用利得媒質の前記他の端面の前に高調波を発生する非線形光学素子を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載のレーザー増幅器。
  8. 対向する両端面が平行研磨され、前記両端面のうち一の端面に増反射膜(HRコーティング)が形成され、他の端面に反射防止膜(ARコーティング)が形成された前記第1から第nの増幅用利得媒質と、第(n−1)の出射レーザー光を第nの入射レーザー光として第nの端部で反射させ前記第nの増幅用利得媒質の前記反射防止膜が形成された前記他の端面に対して第nの所定角度で入射させることで、前記第nの入射レーザー光を前記第nの増幅用利得媒質の前記増反射膜が形成された前記一の端面で反射させ、再度前記第nの増幅用利得媒質の前記他の端面から増幅された第nの出射レーザー光として出射させる第1から第nの反射体と、前記第nの入射レーザー光と前記第nの出射レーザー光が形成するV字状光路に重畳する第nの励起レーザー光を外部から前記第nの増幅用利得媒質の前記一の端面に導入する第nの励起レーザー光導入部と、を有し、前記第nの所定角度は前記第nの反射体の前記第nの端部に前記第nの出射レーザー光が接する状態又はわずかに接しない距離離れる状態を実現する角度であり、前記nは2以上の整数であり、前記第1の増幅用利得媒質、前記第1の反射体、前記第1の励起レーザー光導入部から、前記第nの増幅用利得媒質、前記第nの反射体、前記第nの励起レーザー光導入部は、前記第(n−1)の出射レーザー光を前記第nの入射レーザー光として、複数段増幅するように構成されることを特徴とする請求項1記載のレーザー増幅器。
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