JP2020172912A - 排気浄化装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】尿素水をより確実にNH3に変換することが可能となる排気浄化装置を提供する。【解決手段】排気浄化装置100は、エンジン1の排気流路5に設けられたSCR4と、SCR4の上流に設けられ、尿素水Aを添加する添加弁7と、SCR4と添加弁7との間に設けられ、尿素水Aを分散させる分散板8と、SCR4の上流のNOx濃度を取得するNOxセンサ24と、エンジン1の排気ガスの温度である排気温度を取得する排気温度センサ23と、排気ガスの流量である排気流量を取得する吸気量センサ21と、NOx濃度に基づいて、尿素水Aの添加量を取得する添加量取得部12と、尿素水Aの温度である尿素水温度を取得する尿素水温度センサ25と、尿素水Aを加熱可能に設けられた電熱体9と、排気温度、排気流量、添加量、及び尿素水温度に基づいて、電熱体9への通電量を制御する通電量制御部13と、を備える。【選択図】図1
Description
本発明は、排気浄化装置に関する。
従来、排気流路に設けられたSCRと、SCRの上流に設けられた分散板と、分散板の上流に設けられ、尿素水を添加する添加弁と、を備える排気浄化装置が知られている(例えば、特許文献1)。特許文献1記載の装置では、排気温度及び排気流量に基づいて推定された分散板の温度が所定温度よりも低い状態において、尿素水の添加が禁止される。
上記従来技術では、尿素水の添加量及び温度の影響が考慮されていないことから、例えば分散板への尿素水の付着に起因してデポジットが生成し、添加弁で添加された尿素水がNH3に変換されにくくなる可能性が未だ残されている。
本発明は、尿素水をより確実にNH3に変換することが可能となる排気浄化装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る排気浄化装置は、内燃機関の排気流路に設けられた還元触媒と、還元触媒の上流に設けられ、尿素水を添加する添加弁と、還元触媒と添加弁との間に設けられ、尿素水を分散させる分散板と、還元触媒の上流のNOx濃度を取得するNOx濃度取得部と、内燃機関の排気ガスの温度である排気温度を取得する排気温度取得部と、排気ガスの流量である排気流量を取得する排気流量取得部と、NOx濃度に基づいて、尿素水の添加量を取得する添加量取得部と、尿素水の温度である尿素水温度を取得する尿素水温度取得部と、尿素水を加熱可能に設けられた電熱体と、排気温度、排気流量、添加量、及び尿素水温度に基づいて、電熱体への通電量を制御する通電量制御部と、を備える。
本発明の一態様に係る排気浄化装置では、排気温度、排気流量、添加量、及び尿素水温度に基づいて、電熱体への通電量が制御される。これにより、例えば添加量及び尿素水温度を考慮しないで電熱体への通電量が制御される場合と比べて、電熱体によって、尿素水をより適切に加熱することが可能となる。したがって、本発明の一態様に係る排気浄化装置によれば、尿素水をより確実にNH3に変換することが可能となる。
一実施形態において、電熱体は、分散板を加熱可能とされており、通電量制御部は、排気温度、排気流量、添加量、及び尿素水温度に基づいて、分散板の温度を推定すると共に、推定された分散板の温度が所定の下限温度よりも高い温度となるように電熱体への通電量を制御してもよい。この場合、添加量及び尿素水温度を考慮して分散板の温度が推定されるため、例えば添加量及び尿素水温度を考慮しないで推定された分散板の温度を用いる場合と比べて、より適切に推定された分散板の温度を用いて、電熱体への通電量の制御を行うことができる。
一実施形態において、分散板は、添加弁で添加される尿素水の添加方向と交差して延在する分散面を有し、下限温度は、添加弁で添加され分散面に近付いた尿素水と分散面との間においてライデンフロスト効果が生じる温度であってもよい。この場合、添加弁で添加され分散面に近付いた尿素水の液滴と分散面との間において空気層が形成されるため、分散面に尿素水の液滴が到達して分散面上の液膜となることが抑制される。その結果、分散板への尿素水の付着に起因してデポジットが生成することを効果的に抑制することが可能となる。
本発明によれば、尿素水をより確実にNH3に変換することが可能となる。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、図面において、同一または同等の要素には同じ符号を付し、重複する説明を省略する。
[排気浄化装置の構成]
図1は、実施形態の排気浄化装置の概略構成図である。図1において、本実施形態の排気浄化装置100は、例えば車両に搭載され、内燃機関であるディーゼルエンジン1(以下、単にエンジン1という)から排出される排気ガスを浄化する。排気浄化装置100は、各種制御を実行するECU[Electronic Control Unit]10を備えている。エンジン1は、燃焼室2に燃料を噴射するインジェクタ(図示省略)を有している。
図1は、実施形態の排気浄化装置の概略構成図である。図1において、本実施形態の排気浄化装置100は、例えば車両に搭載され、内燃機関であるディーゼルエンジン1(以下、単にエンジン1という)から排出される排気ガスを浄化する。排気浄化装置100は、各種制御を実行するECU[Electronic Control Unit]10を備えている。エンジン1は、燃焼室2に燃料を噴射するインジェクタ(図示省略)を有している。
排気浄化装置100は、ディーゼル排気微粒子除去フィルタ[DPF:Diesel Particulate Filter]3、及び、選択還元触媒(還元触媒)[SCR:Selective Catalytic Reduction]4を備えている。DPF3及びSCR4は、エンジン1に接続された排気流路5に上流側から下流側に向けて順に配設されている。なお、排気流路5について「上流側」とは排気ガスの流れ方向の上流側を意味し、「下流側」とは排気ガスの流れ方向の下流側を意味する。
DPF3には、ディーゼル酸化触媒[DOC:Diesel Oxidation Catalyst]が設けられていてもよい。DOCは、排気ガスに含まれるHC及びCO等を酸化して浄化する。DPF3は、排気ガスに含まれる粒子状物質[PM:Particulate Matter]を捕集することで、排気ガスからPMを取り除く。SCR4は、排気ガスに含まれるNOxを還元して浄化する。
排気浄化装置100は、エンジン1に接続された吸気流路6に設けられた吸気量センサ(排気流量取得部)21と、エンジン1に設けられたエンジン状態量センサ22と、エンジン1に接続された排気流路5に設けられた排気温度センサ(排気温度取得部)23と、を備えている。排気温度センサ23は、排気流路5におけるSCR4の上流側、具体的にはDPF3とSCR4との間に配設されている。各センサの機能について、詳しくは後述する。
また、排気浄化装置100は、排気流路5におけるSCR4の上流側、具体的にはDPF3とSCR4との間に配設された添加弁7及びNOxセンサ(NOx濃度取得部)24を備えている。添加弁7は、供給管7aを介して尿素水タンク7bと接続され、SCR4に尿素水Aを添加するようにECU10によって制御される。尿素水タンク7bには、尿素水温度センサ(尿素水温度取得部)25が設けられている。尿素水タンク7b内の尿素水Aは、ポンプ(図示せず)によって供給管7aを通って添加弁7に供給される。添加弁7により尿素水AがSCR4に添加されると、尿素水AがNH3となってSCR4に吸着され、そのNH3が排気ガス中のNOxと反応することで、NOxが還元される。
図2は、図1の排気浄化装置の要部100Xの一部断面図である。図1及び図2に示されるように、添加弁7は、SCR4の入口4aに向けて尿素水Aを添加するように設けられている。一例として、添加弁7による尿素水Aの添加方向Dは、は、排気流路5における屈曲部5aの下流端5bでの軸方向に沿っている。したがって、添加方向Dは、SCR4のケース4bと略同軸であり、SCR4の入口4aを規定する仮想的な円形断面4cの法線方向となっている。なお、図1の排気流路5は、模式的な構成を示すため屈曲部5aの図示を省略している。
排気流路5におけるSCR4の上流側、具体的には添加弁7とSCR4との間には、分散板8が配設されている。分散板8は、添加弁7で添加された尿素水Aを分散させるための板状部材である。分散板8は、排気ガスを流通可能としつつ尿素水Aが当たることで尿素水Aの霧化及び水分の蒸発が促進されるような公知の形状を採用することができる。例えば、分散板8は、多数の貫通孔が形成された円盤部材であってもよいし、中心軸から半径方向に放射状に延びる複数の羽状部材を有するプロペラ状に構成されていてもよい。
分散板8は、例えば、添加弁7で添加される尿素水Aの添加方向Dと交差して延在する分散面8aを有している。分散面8aは、分散板8において排気ガス及び尿素水Aの流れ方向に交差する面である。ここでは、分散面8aの少なくとも一部は、添加弁7から添加される尿素水Aの添加範囲AZにおいて添加方向Dと直交して延在している。添加範囲AZとは、添加弁7から添加された尿素水Aの拡散範囲に相当し、例えば、添加弁7の先端部を頂点として添加方向Dを軸とする円錐の底面に相当する円形領域として模擬することができる。したがって、添加された尿素水Aは、添加方向Dに沿って排気流路5を流れつつ添加範囲AZに拡散し、分散面8aの少なくとも一部に衝突することとなる。なお、分散面8aは、添加範囲AZにおける全域に延在していてもよいし、添加範囲AZの一部において貫通孔などの貫通部分を有していてもよい。
分散板8は、電熱体9によって加熱可能に構成されている。電熱体9は、尿素水Aを加熱可能となるように、ここでは、尿素水Aの添加範囲AZにおける分散面8aを少なくとも加熱する。電熱体9の通電は、例えば車両のバッテリを電源としてECU10によって制御される。
図1及び図2の例では、一例として、電熱体9は、分散板8の上流側において分散板8に沿って設けられている。この場合、電熱体9は、通電されることにより発熱する電気発熱体で構成されると共に、排気ガスが流通可能な種々の形状とすることができる。なお、電熱体9の熱が分散板8に伝達可能であれば、電熱体9と分散板8との間に隙間があってもよい。また、電熱体9は、分散板8の下流側において分散板8に沿って設けられていてもよい。
ちなみに、電熱体9は、分散板8と一体的に構成されていてもよい。この場合、電熱体9に通電されることにより分散板8自体を発熱させることができる。電熱体9は、例えば分散板8の内部に埋め込まれた電気発熱体であってもよいし、分散板8自体が電気発熱体で構成されることで電熱体9として機能してもよい。電熱体9は、添加弁7で添加された尿素水Aを加熱可能となるように、尿素水Aの添加範囲AZにおける分散面8aを少なくとも加熱する。
図3は、図1の排気浄化装置のECUに関する構成を示すブロック図である。図1及び図3に示されるように、排気浄化装置100は、吸気量センサ21と、エンジン状態量センサ22と、排気温度センサ23と、NOxセンサ24と、尿素水温度センサ25と、を備えている。ECU10には、上記各センサ21〜25、添加弁7及び、電熱体9が接続されている。
吸気量センサ21は、エンジン1の吸入空気量を検出する検出器である。吸気量センサ21は、検出した吸入空気量の検出信号をECU10に送信する。
エンジン状態量センサ22は、エンジンの運転状態に関する物理量(エンジン状態量)を検出する検出器である。エンジン状態量センサ22は、例えば、エンジン1の回転数(以下、エンジン回転数という)及びエンジン1の負荷等をエンジン状態量として検出する検出器である。エンジン状態量センサ22は、検出したエンジン状態量に関する検出信号をECU10に送信する。
排気温度センサ23は、エンジン1の排気ガスの温度である排気温度を検出する。ここでの排気温度は、例えば排気流路5におけるSCR4の上流の排気ガスの温度である。排気温度センサ23は、検出した排気温度に関する検出信号をECU10に送信する。
尿素水温度センサ25は、尿素水Aの温度である尿素水温度を検出する。尿素水温度センサ25は、検出した尿素水温度に関する検出信号をECU10に送信する。
NOxセンサ24は、SCR4の上流の排気ガスに含まれるNOx濃度を検出する。NOxセンサ24は、検出したNOx濃度の検出信号をECU10に送信する。
ECU10は、CPU[Central Processing Unit]、ROM[Read Only Memory]、RAM[Random Access Memory]、CAN[Controller Area Network]通信回路等を有する電子制御ユニットである。ECU10では、ROMに記憶されているプログラムをRAMにロードし、RAMにロードされたプログラムをCPUで実行することにより各種の機能を実現する。ECU10は、複数の電子制御ユニットから構成されていてもよい。
ECU10は、機能的構成として、エンジン状態量取得部11と、添加量取得部12と、通電量制御部13と、を有している。
エンジン状態量取得部11は、上記各センサ21〜25の検出結果に基づいて、エンジン状態量を取得する。エンジン状態量取得部11は、例えば、吸気量センサ21で検出した吸入空気量に基づいて、排気ガスの流量である排気流量を取得する。エンジン状態量取得部11は、排気温度センサ23の検出結果に基づいて、エンジン1の排気温度を取得する。エンジン状態量取得部11は、NOxセンサ24の検出結果に基づいて、SCR4の上流の排気ガスに含まれるNOx濃度を取得する。エンジン状態量取得部11は、尿素水温度センサ25の検出結果に基づいて、尿素水Aの温度である尿素水温度を取得する。
なお、エンジン状態量取得部11は、エンジン状態量センサ22の検出結果に基づいて、エンジン回転数と負荷とから燃料噴射量を算出し、燃料噴射量と吸入空気量とから推定排気温度を取得してもよい。エンジン状態量取得部11は、燃料噴射量と吸入空気量とからSCR4の上流の推定NOx濃度を取得してもよい。
添加量取得部12は、NOx濃度に基づいて、尿素水Aの添加量を取得する。尿素水Aの添加量とは、添加弁7で添加する尿素水Aの添加量である。添加量取得部12は、例えば、取得したNOx濃度又は推定したNOx濃度に応じて、排気ガスに含まれるNOxの浄化に必要な尿素水Aの添加量を取得する。添加量取得部12は、SCR4に対するNH3吸着量の維持に必要な予め設定された尿素水Aの添加量を取得してもよい。添加量取得部12は、取得した尿素水Aの添加量で、所定の添加タイミングにて添加弁7に尿素水Aを添加させる。
通電量制御部13は、排気温度、排気流量、添加量、及び尿素水温度に基づいて、電熱体9への通電量を制御する。通電量制御部13は、一例として、エンジン状態量取得部11で取得又は推定した排気温度、エンジン状態量取得部11で取得した排気流量、添加量取得部12で取得した添加量、及びエンジン状態量取得部11で取得した尿素水温度に基づいて、分散板8の温度を推定する。
通電量制御部13は、例えば排気流量及び排気温度に基づいて、分散板8への排気入熱量を推定し、分散板8の温度上昇量を推定する。通電量制御部13は、推定した排気入熱量に加えて、例えば分散板8の熱容量及び電熱体9の発熱量を考慮して、分散板8の温度上昇量を推定してもよい。また、通電量制御部13は、例えば尿素水Aの添加量及び尿素水温度に基づいて、分散板8から奪われる気化潜熱に相当する放熱量を推定し、分散板8の温度低下量を予測する。通電量制御部13は、推定した放熱量に加えて、例えば尿素水Aの比熱及び分散板8の熱容量を考慮して、分散板8の温度低下量を予測してもよい。通電量制御部13は、推定した分散板8の温度上昇量と温度低下量とを用いて、分散板8の温度を推定する。
通電量制御部13は、例えば、推定した分散板8の温度が所定の下限温度よりも高い温度となるように電熱体9への通電量を制御する。所定の下限温度とは、分散面8a上に尿素水Aが付着して液膜が生じることを抑制可能な温度範囲の最低温度である。具体的には、下限温度は、添加弁7で添加され分散面8aに近付いた尿素水Aと分散面8aとの間においてライデンフロスト効果が生じる温度とすることができる。ライデンフロスト効果が生じる温度とは、例えば150℃以上の温度である。
図4は、ライデンフロスト効果の一例を示す概略側面図である。図4に示されるように、ここでのライデンフロスト効果とは、添加弁7から添加された尿素水Aの液滴が分散面8aに近付いた際、分散面8aが十分高温である場合に、尿素水Aの液滴が分散面8aに接した瞬間に尿素水Aの液滴と分散面8aとの間に蒸気STの膜(空気層)が継続的に形成されることにより、尿素水Aの液滴の分散面8aへの更なる接近が実質的に阻まれる現象を意味する。この状態では、例えば尿素水Aの液滴が分散面8aに沿って滑走するように移動し易くなり、その場に留まりにくくなるため、尿素水Aが分散面8a上で液膜となることが抑制される。その結果、分散面8a上での尿素水Aのデポジットの生成が効果的に抑制され、分散板8のデポジットによる詰まり、及び、尿素水Aの分散機能の劣化(分散不良)を抑制することができる。
一例として、通電量制御部13は、推定した分散板8の温度が所定の温度閾値以上である場合に、第1通電量となるように、電熱体9への通電量を制御してもよい。通電量制御部13は、推定した分散板8の温度が所定の温度閾値未満となった場合に、推定した分散板8の温度が温度閾値以上の場合と比べて通電量が大きい第2通電量となるように、電熱体9への通電量を制御してもよい。温度閾値は、通電量を増大させるか否かを判定するための分散板8の温度の閾値である。第1通電量は、添加弁7で添加された尿素水Aの気化潜熱の影響が分散板8の温度に対して十分小さい場合の電熱体9の通電量である。第1通電量は、例えばゼロであってもよいし、第2通電量よりも小さい通電量でわずかに通電していてもよい。第2通電量は、添加弁7で添加された尿素水Aの気化潜熱の影響で分散板8の温度が低下する場合に、推定した分散板8の温度が下限温度よりも高い温度となるような(下限温度を下回らないような)電熱体9への通電量である。第2通電量と第1通電量との差(つまり通電量の増加分)は、温度閾値と下限温度との差、及び、実験的に得られた温度低下量に応じて予め一定値に設定されていてもよいし、例えば推定された温度低下量に応じて可変の値とされていてもよい。
可変の値として、具体的には、通電量制御部13は、例えば、推定した分散板8の温度と下限温度との偏差に基づいて、第2通電量を調整することができる。通電量制御部13は、推定した分散板8の温度と下限温度との偏差が小さくなるほど第2通電量が大きくなるように、第2通電量を調整してもよい。あるいは、通電量制御部13は、例えば、予測した分散板8の温度低下量に基づいて、温度低下勾配が大きくなるほど第2通電量が大きくなるように、第2通電量を調整することができる。
図5は、図1の排気浄化装置の動作例を示すタイミングチャートである。図5において、横軸は時間を示しており、縦軸は分散面8aの温度TE(分散板8の温度の推定値に相当)を示している。TL1は下限温度を示しており、TL2は温度閾値を示している。
図5に示されるように、時刻t0において電熱体9には第1通電量で通電されている。時刻t0において、尿素水Aの液滴が分散面8aに接した瞬間に蒸気STの膜が形成される。これにより、尿素水Aの水分が蒸発する際に熱が奪われる分、分散面8aの温度TEは低下する。その結果、分散面8aの温度TEはTL2未満となる。そこで、通電量制御部13は、分散面8aの温度TEがTL2以上の場合と比べて電熱体9への通電量を増加させた第2通電量で電熱体9に通電する。ここでは、例えば、推定した分散板8の温度TEがTL1よりも高い温度となるように(温度TEがTL1を下回らないように)、分散面8aの温度TEの温度低下勾配に応じて第2通電量が増加される。これにより、分散面8aの温度TEは、低下傾向から上昇傾向に転じる(期間:t0〜t1)。
その後、例えば添加した尿素水Aが分散板8からSCR4に流れていくことに応じて熱が奪われなくなっていくため、分散面8aの温度TEは、温度上昇勾配が大きくなると共に、上昇を続ける。その結果、分散面8aの温度TEは、TL2以上となる(期間:t1〜t2)。これにより、通電量制御部13は、電熱体9への通電量の増加を終了させ、第1通電量で電熱体9に通電する。
その後、次回の尿素水Aの添加まで、分散面8aの温度TEは、TL2よりも高い温度で推移する(期間:t2〜)。つまり、TL2は、尿素水Aの添加がない場合の分散面8aの温度TEよりも低い温度に設定される。TL2は、排気温度(エンジン1の負荷など)に応じて可変とされてもよい。
[ECUによる処理]
次に、ECU10による処理の一例について、図6及び図7を参照して説明する。図6は、図1のECUにおける通電制御の処理を例示するフローチャートである。排気浄化装置100のECU10は、エンジン1の運転中(例えば車両の走行中)において、尿素水Aの添加のタイミングごとに、図6に示される処理を繰り返し実行する。
次に、ECU10による処理の一例について、図6及び図7を参照して説明する。図6は、図1のECUにおける通電制御の処理を例示するフローチャートである。排気浄化装置100のECU10は、エンジン1の運転中(例えば車両の走行中)において、尿素水Aの添加のタイミングごとに、図6に示される処理を繰り返し実行する。
図6に示されるように、ECU10は、S11において、エンジン状態量取得部11により、NOxセンサ24の検出結果に基づいて、NOx濃度の取得を行う。ECU10は、S12において、エンジン状態量取得部11により、排気温度センサ23の検出結果に基づいて、エンジン1の排気温度の取得を行う。ECU10は、S13において、エンジン状態量取得部11により、吸気量センサ21で検出した吸入空気量に基づいて、排気ガスの流量である排気流量の取得を行う。
ECU10は、S14において、添加量取得部12により、NOx濃度に基づいて、尿素水Aの添加量の取得を行う。ECU10は、S15において、エンジン状態量取得部11により、尿素水温度センサ25の検出結果に基づいて、尿素水Aの温度である尿素水温度の取得を行う。ECU10は、S16において、通電量制御部13により、排気温度、排気流量、添加量、及び尿素水温度に基づいて、電熱体9への通電量の制御を行う。
図7は、図6の通電制御の処理S16の具体例を示すフローチャートである。図7に示されるように、ECU10は、S21において、通電量制御部13により、例えば排気流量及び排気温度に基づいて、分散板8への排気入熱量を推定し、分散板8の温度上昇量の推定を行う。ECU10は、S22において、通電量制御部13により、例えば添加量及び尿素水温度に基づいて、分散板8から奪われる気化潜熱に相当する放熱量を推定し、分散板8の温度低下量の予測を行う。
ECU10は、S23において、通電量制御部13により、推定した分散板8の温度上昇量と予測した温度低下量とを用いて、分散板8の温度の推定を行う。ECU10は、S24において、通電量制御部13により、推定した分散板8の温度(推定温度)が温度閾値以上であるか否かを判定する。
分散板8の推定温度が温度閾値以上であると通電量制御部13により判定された場合(S24:YES)、ECU10は、S25において、通電量制御部13により、第1通電量で通電するように電熱体9への通電量の制御を行う。一方、分散板8の推定温度が温度閾値未満であると通電量制御部13により判定された場合(S24:NO)、ECU10は、S26において、通電量制御部13により、第2通電量で通電するように電熱体9への通電量の制御を行う。その後、ECU10は、図6及び図7の処理を終了する。
以上説明したように排気浄化装置100では、排気温度、排気流量、添加量、及び尿素水温度に基づいて、電熱体9への通電量が制御される。これにより、例えば尿素水Aの添加量及び尿素水温度を考慮しないで電熱体9への通電量が制御される場合と比べて、電熱体9によって、添加弁7で添加された尿素水Aをより適切に加熱することが可能となる。したがって、排気浄化装置100によれば、添加弁7で添加された尿素水Aをより確実にNH3に変換することが可能となる。
排気浄化装置100では、電熱体9は、分散板8を加熱可能とされており、通電量制御部13は、排気温度、排気流量、添加量、及び尿素水温度に基づいて、分散板8の温度を推定すると共に、推定された分散板8の温度が所定の下限温度よりも高い温度となるように電熱体9への通電量を制御する。これにより、添加量及び尿素水温度を考慮して分散板8の温度が推定されるため、例えば添加量及び尿素水温度を考慮しないで推定された分散板8の温度を用いる場合と比べて、より適切に推定された分散板8の温度を用いて、電熱体9への通電量の制御を行うことができる。
排気浄化装置100では、分散板8は、添加弁7で添加される尿素水Aの添加方向Dと交差して延在する分散面8aを有する。下限温度は、添加弁7で添加され分散面8aに近付いた尿素水Aと分散面8aとの間においてライデンフロスト効果が生じる温度である。これにより、添加弁7で添加され分散面8aに近付いた尿素水Aの液滴と分散面8aとの間において空気層が形成されるため、分散面8aに尿素水Aの液滴が到達して分散面8a上の液膜となることが抑制される。その結果、分散板8への尿素水Aの付着に起因してデポジットが生成することを効果的に抑制することが可能となる。
[変形例]
以上、本発明に係る実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に限られるものではない。
以上、本発明に係る実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に限られるものではない。
例えば、通電量制御部13による通電制御として、温度閾値(TL2)を用いて第1通電量と第2通電量とを切り替える例を示したが、通電制御はこれに限定されるものではない。例えば、通電量制御部13は、推定した分散板8の温度と下限温度との偏差に基づくフィードバック制御により電熱体9への通電量を制御してもよい。あるいは、通電量制御部13は、エンジン状態量取得部11で推定したNOx濃度に基づいて、添加弁7による尿素水Aの添加に先立って、フィードフォワード制御により(つまり図5の例では時刻t0よりも前に)電熱体9への通電量を制御してもよい。
上記実施形態では、通電量制御部13は、分散板8の温度を推定したが、必ずしも「分散板8の温度」を推定しなくてもよい。例えば、通電量制御部13は、排気流量、排気温度、尿素水Aの添加量、及び尿素水温度に基づいて、分散板8の温度低下量のみを予測し、温度低下量が所定の低下量閾値以上となった場合、電熱体9への通電量を大きくする(例えば上記第1通電量から上記第2通電量に切り替える)ことも可能である。
上記実施形態では、下限温度としてライデンフロスト効果が生じる温度を例示したが、下限温度は、これに限定されるものではない。例えば、下限温度は、100℃以上の温度であればよい。
上記実施形態では、電熱体9は、分散板8を加熱可能とされていたが、少なくとも尿素水Aを加熱可能に設けられていればよい。すなわち、電熱体9が、分散板8への伝熱を介することなく、添加弁7で添加された尿素水Aを直接的に加熱する構成であってもよい。あるいは、添加弁7で添加された尿素水Aを加熱するのに代えて又は加えて尿素水タンク7bから添加弁7までの尿素水Aを加熱することにより、結果として、添加弁7で添加された尿素水Aをより確実にNH3に変換することを図るものであってもよい。
上記実施形態において、排気流量取得部として、吸気量センサ21を例示したが、例えばエンジン1のブースト圧等に基づいて、エンジン状態量取得部11が排気ガスの推定流量である推定排気流量を取得してもよい。この場合、エンジン状態量取得部11が排気流量取得部として機能する。また、排気温度としてエンジン状態量取得部11で取得した推定排気温度を用いる場合には、排気温度センサ23を省略してもよい。この場合、エンジン状態量取得部11が排気温度取得部として機能する。また、NOx濃度としてエンジン状態量取得部11で取得した推定NOx濃度を用いる場合には、NOxセンサ24を省略してもよい。この場合、エンジン状態量取得部11がNOx濃度取得部として機能する。
上記実施形態では、還元触媒としてSCR4を例示したが、その他の種類の還元触媒であってもよい。
上記実施形態では、内燃機関としてディーゼルエンジン1を例示したが、例えばガソリンエンジン等、その他の内燃機関であってもよい。
4…SCR,選択還元触媒(還元触媒)、5…排気流路、7…添加弁、8…分散板、8a…分散面、9…電熱体、12…添加量取得部、13…通電量制御部、21…吸気量センサ(排気流量取得部)、23…排気温度センサ(排気温度取得部)、24…NOxセンサ(NOx濃度取得部)、25…尿素水温度センサ(尿素水温度取得部)、100…排気浄化装置、A…尿素水、D…添加方向。
Claims (3)
- 内燃機関の排気流路に設けられた還元触媒と、
前記還元触媒の上流に設けられ、尿素水を添加する添加弁と、
前記還元触媒と前記添加弁との間に設けられ、前記尿素水を分散させる分散板と、
前記還元触媒の上流のNOx濃度を取得するNOx濃度取得部と、
前記内燃機関の排気ガスの温度である排気温度を取得する排気温度取得部と、
前記排気ガスの流量である排気流量を取得する排気流量取得部と、
前記NOx濃度に基づいて、前記尿素水の添加量を取得する添加量取得部と、
前記尿素水の温度である尿素水温度を取得する尿素水温度取得部と、
前記尿素水を加熱可能に設けられた電熱体と、
前記排気温度、前記排気流量、前記添加量、及び前記尿素水温度に基づいて、前記電熱体への通電量を制御する通電量制御部と、を備える、排気浄化装置。 - 前記電熱体は、前記分散板を加熱可能とされており、
前記通電量制御部は、前記排気温度、前記排気流量、前記添加量、及び前記尿素水温度に基づいて、前記分散板の温度を推定すると共に、推定された前記分散板の温度が所定の下限温度よりも高い温度となるように前記電熱体への前記通電量を制御する、請求項1に記載の排気浄化装置。 - 前記分散板は、前記添加弁で添加される前記尿素水の添加方向と交差して延在する分散面を有し、
前記下限温度は、前記添加弁で添加され前記分散面に近付いた前記尿素水と前記分散面との間においてライデンフロスト効果が生じる温度である、請求項2に記載の排気浄化装置。
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